(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-14
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220106BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220106BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20220106BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/31 B
C23C16/44 Z
C23C16/458
(21)【出願番号】P 2020013815
(22)【出願日】2020-01-30
(62)【分割の表示】P 2017552640の分割
【原出願日】2015-11-27
【審査請求日】2020-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(72)【発明者】
【氏名】林 昭成
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-124301(JP,A)
【文献】特開2011-006222(JP,A)
【文献】特開2011-181817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/31
C23C 16/44
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収容器が載置される支持部と、前記支持部を昇降させる昇降部と、
伸縮により前記支持部を移動させる伸縮部と、を有する搬送機構と、
基板収容器が載置される載置部と、前記支持部の昇降範囲内外へ前記載置部を昇降させる昇降駆動部とを有する保管部と、
前記保管部の前記昇降駆動部が前記載置部を前記支持部の昇降範囲外から昇降範囲内へ
移動させ、前記搬送機構の前記支持部を前記伸縮部が縮んだ状態で、前記昇降部が前記搬送機構を昇降させることにより、前記載置部と前記支持部との間で基板収容器を受渡するように前記搬送機構と前記保管部とを制御する
ことが可能に構成される制御部と、
を備えた基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記保管部の前記載置部を、上下方向に駆動させて前記基板収容器を前記搬送機構の前記支持部の昇降範囲内外に移動させるよう構成される請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記保管部は、前記載置部が原位置のとき前記支持部の昇降範囲内の上部に設けられる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記保管部は、前記載置部を上下方向に駆動させて、前記搬送機構に対して前記基板収容器の受渡しを行わせるよう構成されている請求項2または請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記保管部の載置部には、前記基板収容器を複数の点で支持する第1突部が設けられ、
前記搬送機構の前記支持部には、前記基板収容器を複数の点で支持する第2突部が設けられる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記保管部の切欠部は、前記搬送機構が前記支持部を介して
、前記基板収容器を持ち上げたとき、または、前記基板収容器を前記載置部に降下させたときに、
前記搬送機構の前記支持部と前記保管部の前記載置部が干渉しないよう構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記切欠部の断面積は、前記搬送機
構の断面積よりも大きく構成されている請求項
6記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記切欠部の断面積は、前記保管部の前記載置部の断面積よりも大きく構成されている請求項
6記載の基板処理装置。
【請求項9】
更に、前記保管部の載置部には、前記基板収容器の有無を検出するセンサが設けられている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記保管部の前記載置部を前記搬送機構の前記支持部の昇降範囲内に移動させると共に前記搬送機構の前記支持部を
介して受渡し可能な
ように、前記搬送機構を前記載置部の上方または下方に移動させるよう、前記搬送機構及び前記載置部を制御するよう構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記基板収容器を受渡しする受渡し位置に前記保管部の前記載置部を移動させ、前記搬送機構を前記受渡し位置の下方又は上方に移動させ、前記載置部から前記基板収容器を受け取らせるか若しくは前記載置部に前記基板収容器を受渡、前記搬送機構を受渡し退避位置に移動させ、前記載置部を原位置に戻らせるシーケンスを実行するよう構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記支持部を前記伸縮部の伸縮動作なく固定された状態で前記搬送機構を昇降させることにより
、前記載置部と前記支持部との間で前記基板収容器を受渡するように構成されている請求項
1記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記載置部を受渡し可能な受渡し位置に移動させ、前記搬送機構を前記受渡し位置の下方又は上方に移動させ、前記載置部から前記基板収容器を受け取らせるか若しくは前記載置部に前記基板収容器を受渡、前記搬送機構を受渡し退避位置に移動させるよう制御するよう構成されている請求項
12記載の基板処理装置。
【請求項14】
更に、基板を処理する処理領域と基板収容器を搬送する搬送領域に仕切るよう構成される筐体と、を有し、
前記搬送機構は、前記搬送領域内に配置される請求項1記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記基板収容器が出入りするロードポートと、
前記基板収容器が保管される回転式保管部と、を更に有し、
前記搬送機構は、
前記ロードポートおよび前記回転式保管部のうち少なくともどちらか一つは、前記ロードポートと前記回転式保管部の間の前記搬送領域内の前記搬送機構と前記基板収容器の受渡が可能に構成されている請求項1
4記載の基板処理装置。
【請求項16】
更に、前記搬送機構は、前記支持部を移動させる伸縮部と、を有し、
前記伸縮部により前記支持部を動作させて、前記搬送機構と前記ロードポート間、または、前記搬送機構と前記回転式保管部の間で前記基板収容器の受渡を行うよう構成される請求項
15記載の基板処理装置。
【請求項17】
基板を搬送する工程と、基板を処理する基板処理工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記基板を搬送する工程は、
基板収容器が載置される支持部と、前記支持部を昇降させる昇降部と、伸縮により前記支持部を移動させる伸縮部と、を有する搬送機構と、
基板収容器が載置される載置部と、前記支持部の昇降範囲内外へ前記載置部を移動させ
る昇降駆動部とを有する保管部と、
の間で、前記搬送機構の前記支持部を前記伸縮部が縮んだ状態で、前記昇降部が前記搬送機構を昇降させる
ことにより、前記基板収容器を搬送する工程を含み、
前記基板収容器を搬送する工程では、
前記保管部の前記昇降駆動部が前記載置部を前記支持部の昇降範囲外から昇降範囲内へ昇降させることにより、前記載置部と前記支持部との間で基板収容器を受渡
する
半導体装置の製造方法。
【請求項18】
基板収容器が載置される支持部と、前記支持部を昇降させる昇降部と
、伸縮により前記支持部を移動させる伸縮部と、を有する搬送機構と、
基板収容器が載置される載置部と、前記支持部の昇降範囲内外へ前記載置部を昇降させる昇降駆動部とを有する保管部と、
前記昇降駆動部と前記搬送機構を制御する制御部と、を備えた基板処理装置で実行されるプログラムであって、
前記保管部の前記昇降駆動部が前記載置部を前記支持部の昇降範囲外から昇降範囲内へ
移動させ、前記搬送機構の前記支持部を前記伸縮部が縮んだ状態で、前記昇降部が前記搬送機構を昇降させることにより、前記載置部と前記支持部との間で基板収容器を受渡する手順
を前記制御部に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置の一種である半導体製造装置では、稼働効率を上げるために次の基板処理用の基板(以下、ウェーハともいう)を収納した基板収容器(以下、FOUP:Front Opening Unified Podともいう)を装置内に予め準備しておくことが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1によれば、FOUP回転収納棚に複数のFOUPを載置可能にして、FOUPの収納数を調整する構成が開示されている。これにより、収納容器数の増減に対応することで、1バッチ分の被処理基板の枚数が増加した場合に対応することが開示されている。特許文献2によれば、天井カセット搬送AGV対応の上側I/Oステージと、手動または床上を移動するAGVに対応する下側のI/Oステージと、上下2つのI/Oステージ間にダミーまたはモニタ用カセット棚を設ける構成が開示されている。また、特許文献3によれば、処理炉の上側にFOUPを収納する収納部を設ける構成が開示されている。
【0004】
ここで、装置幅はSemi規格に準拠した最小1100mmとなっているため、フットプリントを増やさずにFOUPの収納数を増やすためには、装置上方へFOUPを配置することになる。ところが、装置輸送時のFab高さ、道路交通法や飛行機の輸送高さ制限から装置の高さ制限や分割の高さ制限があり、無制限に装置高さを伸ばすことはできない。
【0005】
また、納入済装置で基板処理枚数を増やす場合は、装置上部にバッファ棚追加とロボット搬送ユニットの両方交換が必要になるため、改造が困難になっている。上述の各先行技術文献には、このような改造及び転用についての記載は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-216212
【文献】特開2000-091398
【文献】特開2009-010009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、装置改造を要する製品基板の処理枚数の変更に対応可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、 基板収容器が載置される支持部と、前記支持部を昇降させる昇降部とを有する搬送機構と、基板収容器が載置される載置部と、前記支持部の昇降範囲内外へ前記載置部を昇降させる昇降駆動部とを有する保管部と、前記保管部の前記昇降駆動部が前記載置部を前記支持部の昇降範囲外から昇降範囲内へ昇降させることにより、前記載置部と前記支持部との間で基板収容器を受渡するように前記搬送機構と前記保管部とを制御する制御部と、を備えた構成が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製品基板の処理枚数の変更に伴う装置改造における負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に好適に用いられる基板処理装置の平面図である。
【
図3】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられる熱処理炉の垂直断面図である。
【
図4】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられるコントローラの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられるサブコントローラの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明が適用される基板処理工程を示すフロー図である。
【
図7】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられるサブコントローラが実行する搬送シーケンスの比較例である。
【
図8A】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられるサブコントローラが実行する昇降搬送シーケンスの図示例である。
【
図8B】本発明が適用される基板処理装置に好適に用いられるサブコントローラが実行する水平スライド搬送シーケンスの図示例である。
【
図9】本実施形態に好適に用いられる搬送シーケンスのフローチャートの一実施例である。
【
図10】本実施形態に好適に用いられる基板処理装置の正面図及び垂直断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
基板処理装置の構成 以下、実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0012】
実施形態に係るヒータを用いた実施例に係る基板処理装置について
図1から
図3を用いて説明する。本明細書において「ウェーハ」という言葉を用いた場合は、「ウェーハそのもの」を意味する場合や、「ウェーハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合、すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウェーハと称する場合がある。また、本明細書において「ウェーハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウェーハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウェーハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウェーハの最表面」を意味する場合がある。
【0013】
従って、本明細書において「ウェーハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウェーハそのものの表面(露出面)に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合や、「ウェーハ上に形成されている層や膜等に対して、すなわち、積層体としてのウェーハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウェーハ上に所定の層(または膜)を形成する」と記載した場合は、「ウェーハそのものの表面(露出面)上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合や、「ウェーハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウェーハの最表面の上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウェーハ」という言葉を用いた場合と同義である。
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施例における基板処理装置を説明する。本実施例における基板処理装置は、一例として、半導体装置(IC:Integrated Circuit)の製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。なお、以下の説明では、基板処理装置として、基板に酸化、拡散処理やCVD処理などを行うバッチ式縦型半導体製造装置(以下、単に処理装置という)を適用した場合について述べる。
【0015】
図1および2に示されているように、シリコン等からなるウェーハ(基板)200を収納したウェーハキャリアとしてFOUP(基板収容器。以下ポッドともいう。)110が使用されている本発明の処理装置100は、筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が開設され、この正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104、104がそれぞれ建て付けられている。筐体111の正面壁にはポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が筐体111の内外を連通するように開設されており、ポッド搬入搬出口112はフロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート(基板収容器受渡し台)114が上側と下側にそれぞれ設置されており、ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(OHT及びAGV)によって搬入され、かつまた、ロードポート114上から搬出されるようになっている。尚、ロードポート114も本願において載置部として構成しうる。以後、OHTステージ(第1のステージ)としての上側のロードポートを114a、AGVステージ(第2のステージ)としての下側のロードポートを114bと記載する場合がある。
【0016】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式保管部としての回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されており、回転式ポッド棚105は複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116に上下四段の各位置において放射状に支持された複数枚の載置部としての棚板(基板収容器載置台)117とを備えており、複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、キャリアローダとしてのポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。ポッド搬送装置118は、ポッド110を支持部に保持したまま昇降可能な昇降部としてのポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと、ポッド100を載置する支持部と伸縮することにより支持部を移動させる伸縮部としてのアームとを含み、搬送機構本体としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118は、ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ポッド110を水平方向および上下方向に移動させつつロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ(基板収容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。また、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ121には、それぞれポッド有無センサが備え付けられているため、ポッド110が効率的に搬送される。尚、空間A及び空間Bに、動作ユニット(後述する可動棚)が適宜設けられるよう構成されている。本実施形態において、可動棚としてのエキストラ棚131、及び可動棚としてのサブ棚132がそれぞれ設けられるよう構成されている。これらエキストラ棚131及びサブ棚132には、可動する載置部131a、132aが設けられると共に、ポッド有無センサが備え付けられている。
【0017】
筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aにはウェーハ200をサブ筐体119内に対して搬入搬出するためのウェーハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されており、上下段のウェーハ搬入搬出口120、120には一対のポッドオープナ121、121がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置部としての載置台122、122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123、123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウェーハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0018】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された搬送領域129から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域にはウェーハ移載機構(基板移載機構)125が設置されており、ウェーハ移載機構125は、ウェーハ200を水平方向に回転ないし直線動作可能なウェーハ移載装置(基板移載装置)125aおよびウェーハ移載装置125aを昇降させるためのウェーハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。これら、ウェーハ移載装置エレベータ125bおよびウェーハ移載装置125aの連続動作により、ウェーハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウェーハ200の保持部として、ボート(基板保持具)217に対してウェーハ200を装填(チャージング)および脱装(ディスチャージング)するように構成されている。
【0019】
図1に示されているように移載室124のウェーハ移載装置エレベータ125b側と反対側である右側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガスであるクリーンエア133を供給するよう供給フアンおよび防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ウェーハ移載装置125aに流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0020】
移載室124の後側領域には、大気圧未満の圧力(以下、負圧という。)を維持可能な機密性能を有する筐体(以下、耐圧筐体という。)140が設置されており、この耐圧筐体140によりボート217を収容可能な容積を有するロードロック方式の待機室であるロードロック室141が形成されている。耐圧筐体140の正面壁140aにはウェーハ搬入搬出開口(基板搬入搬出開口)142が開設されており、ウェーハ搬入搬出開口142はゲートバルブ(基板搬入搬出口開閉機構)143によって開閉されるようになっている。耐圧筐体140の一対の側壁にはロードロック室141へ窒素ガスを給気するためのガス供給管144と、ロードロック室141を負圧に排気するための排気管145とがそれぞれ接続されている。ロードロック室141上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は炉口ゲートバルブ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。耐圧筐体140の正面壁140aの上端部には、炉口ゲートバルブ147を処理炉202の下端部の開放時に収容する炉口ゲートバルブカバー149が取り付けられている。
【0021】
図1に示されているように、耐圧筐体140にはボート217を昇降させるためのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられており、シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚~150枚程度)のウェーハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0022】
次に、本発明の処理装置の概略動作について説明する。
図1および
図2に示されているように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって筐体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウェーハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体111の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0023】
載置台122に載置されたポッド110はその開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウェーハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され、ポッド110のウェーハ出し入れ口が開放される。また、予め内部が大気圧状態とされていたロードロック室141のウェーハ搬入搬出開口142がゲートバルブ143の動作により開放されると、ウェーハ200はポッド110からウェーハ移載装置125aのツイーザ125cによってウェーハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ノッチ合わせ装置301にてウェーハを整合した後、ウェーハ搬入搬出開口142を通じてロードロック室141に搬入され、ボート217へ移載されて装填(ウェーハチャージング)される。ボート217にウェーハ200を受け渡したウェーハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウェーハ200をボート217に装填する。ウェーハ移載装置125aの構造や動作については、後で詳しく説明する。
【0024】
この一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウェーハ移載装置125aによるウェーハ200のボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105ないしロードポート114から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0025】
予め指定された枚数のウェーハ200がボート217装填されると、ウェーハ搬入搬出開口142がゲートバルブ143によって閉じられ、ロードロック室141は排気管145から真空引きされることにより、減圧される。ロードロック室141が処理炉202内の圧力と同圧に減圧されると、処理炉202の下端部が炉口ゲートバルブ147によって開放される。このとき、炉口ゲートバルブ147は炉口ゲートバルブカバー149の内部に搬入されて収容される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されて、シールキャップ219に支持されたボート217が処理炉202内へ搬入(ローディング)されて行く。
【0026】
ローディング後は、処理炉202にてウェーハ200に任意の処理が実施される。処理後は、ボートエレベータ115によりボート217が引き出され、更に、ロードロック室141内部を大気圧に復圧させた後にゲートバルブ143が開かれる。その後は、ノッチ合わせ装置135でのウェーハの整合工程を除き、概上述の逆の手順で、ウェーハ200およびポッド110は筐体111の外部へ払出される。
【0027】
次に、本発明の実施例における処理炉を図面に基いて説明する。
図3に示されているように、処理炉202は加熱機構としてのヒータ206を有する。ヒータ206は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース251に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0028】
ヒータ206の内側には、ヒータ206と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ203が配設されている。プロセスチューブ203は内部反応管としてのインナーチューブ204と、その外側に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205とから構成されている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。インナーチューブ204の筒中空部には処理室201が形成されており、基板としてのウェーハ200を後述するボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。アウターチューブ205は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなり、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されており、インナーチューブ204と同心円状に設けられている。
【0029】
アウターチューブ205の下方には、アウターチューブ205と同心円状にマニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204とアウターチューブ205に係合しており、これらを支持するように設けられている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間にはシール部材としてのOリング220aが設けられている。マニホールド209がヒータベース251に支持されることにより、プロセスチューブ203は垂直に据え付けられた状態となっている。プロセスチューブ203とマニホールド209により反応容器が形成される。
【0030】
後述するシールキャップ219にはガス導入部としてのノズル230が処理室201内に連通するように接続されており、ノズル230にはガス供給管232が接続されている。ガス供給管232のノズル230との接続側と反対側である上流側には、ガス流量制御器としてのMFC(マスフローコントローラ)241を介して図示しない処理ガス供給源や不活性ガス供給源が接続されている。MFC241には、ガス流量制御部235が電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。ここで、ノズル230、ガス供給管232、MFC241で少なくともガス供給系が構成される。図示されないが、ノズル230a、ガス供給管232a、MFC241aを処理ガス系とし、ノズル230b、ガス供給管232b、MFC241bを反応ガス系とし、ノズル230c、ガス供給管232c、MFC241cをパージガス(不活性ガス)系とそれぞれ定義する。
【0031】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231は、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に配置されており、筒状空間250に連通している。排気管231のマニホールド209との接続側と反対側である下流側には圧力検出器としての圧力センサ245および圧力調整装置としてのAPC(Auto Pressure control)バルブ242を介して真空ポンプ等の真空排気装置246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。APCバルブ242および圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されており、圧力制御部236は圧力センサ245により検出された圧力に基づいてAPCバルブ242により処理室201内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0032】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面にはマニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられる。シールキャップ219の処理室201と反対側には、ボートを回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254の回転軸255はシールキャップ219を貫通して、後述するボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウェーハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219はプロセスチューブ203の外部に垂直に設備された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201に対し搬入搬出することが可能となっている。回転機構254及びボートエレベータ115には、駆動制御部237が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0033】
基板保持具としてのボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなり、複数枚のウェーハ200を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態で整列させて多段に保持するように構成されている。なおボート217の下部には、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料からなる円板形状をした断熱部材としての断熱板216が水平姿勢で多段に複数枚配置されており、ヒータ206からの熱がマニホールド209側に伝わりにくくなるよう構成されている。
【0034】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263には、電気的に温度制御部238が接続されており、温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ206への通電具合を調整することにより処理室201内の温度が所望の温度分布となるように所望のタイミングにて制御するように構成されている。
【0035】
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238等のサブコントローラは、図示しない操作部、入出力部とともに、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。これら、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、主制御部239はコントローラ240として構成されている。
【0036】
制御部としてのコントローラについて
図4及び
図5を用いて説明する。
【0037】
主制御部239を含むコントローラ240は、ヒータ206、MFC241、バルブ、APCバルブ242、真空ポンプ246、ボート回転機構267、ボート昇降機構115等に接続されており、ヒータ206の温度調節、MFC241の流量調節、バルブ及びAPCバルブ242の開閉動作、真空ポンプ246の起動、停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボート昇降機構115の昇降動作制御等を行わせるように、ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238をそれぞれ制御する。
【0038】
主制御部239は、CPU(CentralProcessing Unit)239a、RAM(Random Access Memory)239b、記憶装置239c、I/Oポート239dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM239b、記憶装置239c、I/Oポート239dは、内部バス239eを介して、CPU239aとデータ交換可能なように構成されている。主制御部239には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置322が接続されている。
【0039】
記憶装置239cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard DiskDrive)等で構成されている。記憶装置239c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述するポッド搬送装置118と可動棚131,132との間の搬送手順が記載された搬送シーケンスや、基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。搬送シーケンスやプロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ240に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。RAM239bは、CPU239aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0040】
I/Oポート239dは、上述のポッド搬送装置118、ウェーハ移載機構125、ボートエレベータ115等の搬送機構にも駆動制御部237を介して接続されている。
【0041】
CPU239aは、記憶装置239cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置322からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置239cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。CPU239aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、ポッド搬送装置118の搬送動作、ポッド110の各載置部117,131a,132a等の動作、ウェーハ移載機構125の移載動作、ボートエレベータ115の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0042】
コントローラ240は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)323を用意し、この外部記憶装置323を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態のコントローラ240を構成することができる。但し、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置323を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置323を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。記憶装置239cや外部記憶装置323は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置239c単体のみを含む場合、外部記憶装置323単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0043】
図5は、サブコントローラの一つである駆動制御部237による各搬送機構を制御する機能ブロックの図示例である。
図5に示すように、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118、ボートエレベータ115、ウェーハ移載機構125、回転式ポッド棚105、後述する可動棚131等を含む各搬送機構を制御するように構成されている。また、各搬送機構に備え付けられたセンサからデータを取得するように構成されている。本実施懈怠において、駆動制御部であるサブコントローラ237は、コントローラ240と同じ構成をしているので説明を省略する。
【0044】
ロードポート114が、装置外から搬送されたポッド110を載置すると、ポッド有無センサより駆動制御部237に信号が転送される。そして、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118を駆動して、ポッド110内に収納されたウェーハ200の種別に応じて、動作ユニットとしての回転式ポッド棚105、後述する可動棚131,132のいずれか一つにポッド110を搬送させるように構成されている。
【0045】
また、駆動制御部237は、回転式ポッド棚105とポッド搬送装置118とのポッド110の受渡しを行う搬送シーケンスを実行するように構成されている。これにより、回転式ポッド棚105は、駆動制御部237により載置部117を回転するように構成され、ポッド搬送装置118とポッド110の受渡しを行うように構成されている。
【0046】
図7に示すように、ステップ100(S100)では、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118がFOUP受渡し待機位置に移動させると共に回転式ポッド棚105の載置部117を回転させて受渡しFOUP位置に移動させる。
【0047】
ステップ200(S200)では、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118のアームを動かして、ウェーハ200を支持する支持部を受渡しFOUP位置の下に移動させる。そして、ステップ300(S300)で、駆動制御部237は、ポッド搬送機構118を上昇させて、回転式ポッド棚105の載置部117からポッド搬送装置118の支持部にFOUP110を受渡しする。
【0048】
そして、ステップ400(S400)で、駆動制御部237は、ポッド搬送機構118のアームを元の位置に移動させる。ポッド搬送装置118をFOUP搬送先に移動させると共に回転式ポッド棚105を回転させて、次のFOUP110に関して受渡しFOUP位置へ移動させる。駆動制御部237は、上記ステップ100から上記ステップ400までのシーケンスが回転式ポッド棚105のFOUP110内のウェーハ200を所定枚数搬送するまで繰り返し実行するように構成されている。
【0049】
また、駆動制御部237は、それぞれ動作ユニットとしての可動棚131,132とポッド搬送装置108とのポッド110の受渡しを行う搬送シーケンスを実行するように構成されている。
【0050】
図9は、本実施形態において、駆動制御部237により実行される搬送シーケンスを示す図であり、この搬送シーケンスは、ポッド搬送装置118と可動棚131,132(載置部131a,132a)との間のポッド110の搬送を行うシーケンスである。
図9で示す搬送シーケンスは、可動棚131,132からポッド110をポッド搬送装置118に受渡するシーケンスである。
【0051】
従来の搬送シーケンスと異なる点、例えば、
図7に示すポッド搬送装置118と回転式ポッド棚と異なる点は、ポッド搬送装置118のアームを動かさず
にポッド110の受渡し可能なように、可動棚131,132の載置部131a,132aをポッド110の受渡し位置に移動させる点である。
【0052】
図9で示す搬送シーケンスは、ポッド搬送装置118の受渡し待機位置への移動、及び可動棚131,132(載置部131a,132a)の受渡し位置への移動を行う工程(S1)と、ポッド搬送装置118の受渡し待機位置から受渡し前位置(載置部131a,132aの下方の位置)への移動を行う工程(S2)と、ポッド搬送装置118の受渡し前位置から受渡し後位置(載置部131a,132aの上方の位置)へ上昇させる工程(S3)と、ポッド搬送装置118の受渡し後位置から受渡し退避位置への移動を行う工程(S4)と、可動棚131,132(載置部131a,132a)の受渡し位置から原位置への復帰を行う工程(S5)と、を有する。
【0053】
ここで、ポッド搬送装置118からポッド110を可動棚131,132に受渡するシーケンスは、
図9で示す搬送シーケンスと反対のシーケンスになる。つまり、ポッド搬送装置118の動作だけ記せば、受渡し退避位置(S1)、受渡し後位置(S2)、受渡し前位置(S3)、受渡し待機位置(S4)にそれぞれ移動される。
【0054】
一方、可動棚131,132(載置部131a,132a)に関する動作は、ポッド搬送装置118からポッド110を可動棚131,132に受渡する場合であっても
図9で示す搬送シーケンスと同じである。
【0055】
上述のように駆動制御部237は、回転式ポッド棚105及び可動棚131,132に載置されたポッド110、又は、ロードポート114に載置されたポッド110を、それぞれポッドオープナ121に搬送して載置台122に移載するよう制御する。そして、駆動制御部237は、ウェーハ移載機構125、ボートエレベータ115をそれぞれ制御して、ウェーハ200をボート217に装填し、処理炉202に該ボート217を搬入するように構成されている。ウェーハ200に所定の処理が施された後、駆動制御部237は、上述と反対の搬送動作を行い、処理済のウェーハ200をポッド110に収納するよう構成される。
【0056】
半導体製造装置としての基板処理装置100を使用して、基板を処理する基板処理工程の概略について説明する。この基板処理工程は、例えば、半導体装置を製造するための一工程である。なお、以下の説明において、基板処理装置100を構成する各部の動作や処理は、コントローラ240により制御される。
【0057】
ここでは、基板としてのウェーハ200に対して、第1の処理ガス(原料ガス)と第2の処理ガス(反応ガス)とを交互に供給することで、ウェーハ200上に膜を形成する例について説明する。以下、原料ガスとしてヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、略称:HCDS)ガスを用い、反応ガスとしてNH3(アンモニア)を用いてウェーハ200上に薄膜としてSiN(シリコン窒化)膜を形成する例について説明する。なお、例えば、ウェーハ200上には、予め所定の膜が形成されていてもよく、また、ウェーハ200又は所定の膜には予め所定のパターンが形成されていてもよい。
【0058】
基板処理工程について
図6を用いて説明する。 (基板搬入工程S102) まず、ウェーハ200をボート217に装填し、処理室201内へ搬入し、基板搬入工程S102を行う。
【0059】
(成膜工程S104) 次に、ウェーハ200の表面上に薄膜を形成する成膜工程S104を行う。成膜工程は次の4つのステップを順次実行する。なお、ステップ1~4の間は、ヒータ206により、ウェーハ200を所定の温度に加熱しておく。
【0060】
[ステップ1] ステップ1では、Si2Cl6ガスを流す。まず、Si2Cl6ガス供給管232aに設けたバルブと排気配管231に設けたAPCバルブ243を共に開けて、MFC241aにより流量調節されたSi2Cl6ガスをノズル230aに通し、処理室201内に供給しつつ、排気配管231から排気する。この際、処理室201内の圧力を所定の圧力に保つ。これにより、ウェーハ200の表面にシリコン薄膜を形成する。
【0061】
[ステップ2] ステップ2では、Si2Cl6ガス供給管232aのバルブを閉めてSi2Cl6ガスの供給を止める。排気配管231のAPCバルブ243は開いたままにし、真空ポンプ246により処理室201内を排気し、残留ガスを処理室201内から排除する。
【0062】
[ステップ3] ステップ3では、NH3ガスを流す。NH3ガス供給管232bに設けられた、バルブと排気配管231に設けられたAPCバルブ243を共に開け、MFC241bにより流量調節されたNH3ガスをノズル230bから処理室201内に供給しつつ、排気配管231から排気する。また、処理室201内の圧力を所定の圧力に調整する。NH3ガスの供給により、Si2Cl6ガスがウェーハ200の表面に形成したシリコン薄膜とNH3ガスが表面反応して、ウェーハ200上にSiN膜が形成される。
【0063】
[ステップ4] ステップ4では、再び不活性ガスによる処理室201内のパージを行う。NH3ガス供給管232bのバルブを閉めて、NH3ガスの供給を止める。排気配管231のAPCバルブ243は開いたままにし、真空ポンプ246により処理室201内を排気し、残留ガスを処理室201内から排除する。
【0064】
上記ステップ1~4を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウェーハ200上に所定膜厚のSiN膜を形成する。
【0065】
(基板搬出工程S106) 次に、SiN膜が形成されたウェーハ200が載置されたボート217を、処理室201から搬出する。
【実施例】
【0066】
本実施形態に好適に用いられる基板処理装置100における改造に伴う作業について、実施例を用いて説明する。
【0067】
現状(
図2における基板処理装置100)では、回転式ポッド棚105は、1段に4FOUP、4段なので、4FOUP×4=16FOUPである。
【0068】
図における空間Bについて、AGVステージとしての下側のロードポート114bとOHTステージとしての上側のロードポート114aはSemi規格で、配置高さと作業安全エリア確保制限があり、ポッド搬送装置118がAGVステージ114b及びOHTステージ114a上のポッド110の受渡し動作をした場合は、AGVステージ114bとOHTステージ114aの間にバッファ棚を1段しか設置できない。
【0069】
よって、OHTステージ114aとAGVステージ114bとしての下側のロードポート114bの間(空間B)にサブ棚1FOUP×2=2FOUPが設けられているため、合計18FOUPが装置内に収納可能である。現状の仕様は、製品基板が125枚であれば対応可能である。
【0070】
納入済の基板処理装置100に関する150枚処理(現状Max125枚)への仕様変更に対応するためには、2バッチ分の必要FOUP数(25枚収納)は生産用:6FOUP×2バッチ、フィルダミー用(生産ウェーハ欠落補充用):6FOUP、サイドダミー用(生産ウェーハ上下の保温用):1FOUP×2バッチ、モニタ用(生産ウェーハ検査用):1FOUP×2バッチの合計22FOUPが必要である。つまり、4FOUPの追加が必要である。
【0071】
回転式ポッド棚105を4→5段化した場合、FOUPとしてのポッド110の収納数は確保可能であるが、ポッド搬送装置118の上下搬送ストロークも伸ばす必要がある。
【0072】
回転棚5段化で、ポッドエレベータ118aのストロークを伸ばした場合、本ユニット(ポッド搬送装置118)は筐体111から取外し、横にした状態で発送+現地で再組立て調整が必要となる。このように、納入済の基板処理装置100に回転式ポッド棚105の5段化によりバッファ棚を追加する場合、ポッド搬送装置118の交換も必要になり大改造になる。 また、ポッド搬送装置118を回転式ポッド棚105に設置する1段に対応するポッド110の数を5個にすると高さは維持されるので、現地で再組立て及び再調整の負荷軽減が期待できる。しかしながら、回転式ポッド棚105を4個から5個にする場合、本体フレーム幅を現状より大きくする必要があり、現地での改造は困難である。
【0073】
よって、これらの改造に伴う設計作業の負荷、更に、顧客工場(現地)での再組立て及び再調整の負荷が、改造を伴う仕様変更では重要な課題であった。
【0074】
発明者等は、上述の課題を解決するために、搬送シーケンスを改良することにより、可動棚をユニット化して、改造負荷を低減することができることを見出した。
【0075】
先ず、従来の搬送シーケンスから本実施の形態における搬送シーケンス(
図9)へ改良した。つまり、可動棚131,132とポッド搬送装置118との間のポッド110搬送を
図9に示す搬送シーケンスに適用し、可動棚131,132は、載置部131a、132aを駆動部により動かすことにより、ポッド搬送装置108とのポッド110の受渡しを行うよう改良した。例えば、エキストラ棚としての可動棚131は、駆動制御部237により載置部131aを上下方向に駆動されるよう構成されており、サブ棚としての可動棚132は、駆動制御部237により載置部132aを水平方向に駆動されるよう構成されている。
【0076】
図8A、
図8B、
図8Cを用いて、改良された搬送シーケンスを、可動棚131,132のそれぞれとポッド搬送装置108とのポッド110の受渡しについて適用した場合について説明する。ここで、
図8Aは、エキストラ棚としての可動棚131の載置部131aに載置されたポッド110を、ポッド搬送装置118の支持部に載置する搬送に関する図示例であり、
図8Aに示すS201~S205は、それぞれ
図9に示すS1~S5に対応する。
【0077】
図8Aに示すように、ステップ201(S201)で、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118を受渡し待機位置に移動させると共に駆動部を制御して、可動棚131の載置部131aを下降させて受渡し位置に移動させる。
【0078】
ステップ202(S202)で、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118のアームを伸縮させることなく、ポッド搬送装置118の支持部を初期位置に保持した状態で受渡し待機位置から可動棚131の載置部131aの下方の位置(受渡し前位置)に移動させる。そして、ステップ203(S203)で、駆動制御部237は、ポッド110を載置部131aからポッド搬送装置118の支持部に載置されるように、受渡し前位置からポッド搬送装置118を引き続きポッド搬送装置118の支持部を初期位置に保持した状態で上昇させて、受渡し後位置に移動させる。
【0079】
ステップ204(S204)で、駆動制御部237は、受渡し後位置からポッド搬送装置118を受渡し退避位置に移動させる。最後に、ステップ205(S205) で、駆動制御部237は、駆動部を動作させて、載置部131aを受渡し位置から原位置に復帰させる。このように、可動棚131とポッド搬送装置118との間のポッド受渡しが行われる。その後、ポッド搬送装置118をポッド110の搬送先の位置へ移動させる。
【0080】
このとき、ポッド搬送装置118の支持部は常に初期位置から動くことなく(アームの伸縮動作無く)固定されている。つまり、載置部131aを下降させることにより、ポッド搬送装置118の可動領域の範囲内に載置部131aを移動することになるため、ポッド搬送装置118の支持部を動かさなくてもポッド110の受渡しを行うことができる。
【0081】
このように、動作ユニットとして可動棚131を追加してポッド搬送装置118との間のポッド110の受渡しを行う際に、ポッド搬送装置118のアーム動作を考慮しなくてもよく、また、ポッド搬送装置の可動領域を変更しなくても済むので、立上げに費やす時間の短縮が期待できる。
【0082】
図8Bは、サブ棚としての可動棚132の載置部132aに載置されたポッド110を、ポッド搬送装置118の支持部に載置する搬送に関する図示例であり、
図8Bに示すS301~S305は、それぞれ
図9に示すS1~S5に対応する。
【0083】
図8B上側の図は、ポッド搬送装置118と可動棚132とのポッド110の受渡しを示す搬送工程を真上から見た平面図であり、
図8B下側の図は、ポッド搬送装置118と可動棚132とのポッド110の受渡しを示す工程をから横から見た断面図である。また、平面図の方は、ポッド搬送機構118bと載置部312aとの位置関係を明確にするため、ポッド110を透明で表している。
【0084】
ステップ301(S301)で、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118をFOUP受渡し待機位置に移動させると共に可動棚132の載置部132aをスライドさせて原位置から受渡し位置に移動させる。
【0085】
ステップ302(S302)で、駆動制御部237は、ポッド搬送装置118のアームを動かすことなく、ポッド搬送装置118の支持部を可動棚132の載置部132aの真下の位置(受渡し前位置)に移動させる。そして、ステップ303(S303) で、駆動制御部237は、ポッド110を載置部132aからポッド搬送装置118の支持部に載置されるように、ポッド搬送装置118を上昇させて、受渡し後位置に移動させる。このとき、切欠き部132bが設けられているため、ポッド搬送装置118の支持部と載置部132aは接触することはなく、ポッド搬送装置118の支持部にポッド110が載置される。
【0086】
ステップ304(S304) で、駆動制御部237は、ポッド110が載置されたポッド搬送装置118を受渡し後位置から受渡し退避位置に移動させる。最後に、ステップ205(S205) で、駆動制御部237は、受渡し位置から駆動部を動作させて載置部132aを原位置に復帰させる。このように、可動棚132とポッド搬送装置118との間のポッド受渡しが行われ、その後、ポッド搬送装置118をポッド110の搬送先の位置へ移動させる。
【0087】
このとき、ポッド搬送装置118の支持部は常に初期位置から動くことなく(アームの伸縮動作無く)固定されている。従い、第1ステージ114aと第2ステージ114bの間に、ポッド搬送装置118のアーム動作のためのエリアを確保する必要がなくなった。
【0088】
また、
図8Cには、
図8Aにおけるステップ202(
図8Bにおけるステップ302)において、駆動制御部237により、ポッド搬送装置118のアームを動かすことなく可動棚131,132の下の位置(受渡し前位置)にポッド搬送装置118を移動させたときの様子を上方から見た平面図(以下、C図と略す)が示されている。ここで、C図では、載置部131a,132aとポッド搬送機構118bの位置関係を明確にするため、ポッド110を省略している。
【0089】
図8に示すように、次のステップ(ステップ203またはステップ303)において、アームが初期位置のままのポッド搬送機構118bが、可動棚131,132の載置部131a,132aと干渉しないよう構成されている。つまり、ポッド搬送装置118の支持部のみならずポッド搬送機構118bよりも載置部131a,132aの切欠き(空間)部131b,132bが大きく構成されている。また、C図では、載置部131a,132aの第1突部とポッド搬送機構118bの支持部に設けられた第2突部は、ほぼ同じ位置になるよう設けられている。これは、ポッド110を支える部分を同じにすることにより、可動棚131とポッド搬送装置118のポッド110の受渡しを安定に行えるようにするためである。
【0090】
また、
図8Cに示すように、L側の可動棚131,132の載置部131a,132aだけでなく、R側の可動棚131,132の載置部131a,132aについても同様に、ステップ202(ステップ302)において、駆動制御部237が、ポッド搬送装置118のアームを動かすことなく可動棚131,132の下の位置にポッド搬送装置118を移動させたときに、次のステップ(ステップ203またはステップ303)において、アームが初期位置のままのポッド搬送機構118bが、可動棚131,132の載置部131a,132aと干渉しないように構成されているのが分かる。従い、受渡し待機位置、受渡し前位置、受渡し後位置、受渡し退避位置がそれぞれ左右対称になるものの、R側の可動棚についても
図8A及び
図8Bで示された搬送と同様の搬送が可能である。つまり、L側とR側とでポッド搬送機構118bの向きを変えることなくポッド110の受渡しが可能である。従い、可動棚131,132が追加された場合でも、搬送シーケンスの共通化が可能であるため、ポッド搬送装置118についてのセットアップ作業を抑制できる。
【0091】
(
図2における空間A)本実施の形態において、上述のように
図9で示す搬送シーケンスを可動棚(エキストラ棚)131とポッド搬送装置118との間のポッド110の受渡しシーケンスに適用する改造を行った。
【0092】
具体的には、ポッド搬送装置118がポッド110を搬送するエリアの上部(空間A)にエキストラ棚としての可動棚131を設け、この可動棚131とポッド搬送装置118との間のポッド110の受渡し動作について、エキストラ棚131の載置部131aをポッド搬送装置118側に昇降動作を行うことができる
図8Aに示す昇降搬送シーケンスに改良した。
【0093】
これにより、ポッド搬送機構118bのアームのエキストラ棚131側への動作が不要となった。また、
図8Cに示すように、ポッド搬送機構118bよりも載置部131aの切欠き部131bを大きくすることにより、アームを初期位置のまま動かさずに、エキストラ棚131の載置部131aとポッド搬送装置118の支持部とのポッド110の受渡しが可能になった。
【0094】
更に、可動棚131の載置部131aを現状のポッド搬送装置118の動作範囲へ移動させるよう構成されているため、納入済の基板処理装置100にエキストラ棚131を追加する小改造で、ポッド110の収納数を増やす変更に対応できるようになった。つまり、エキストラ棚131は、L側とR側に2つ配置されるので、既存の基板処理装置100(
図2)をそのまま流用しつつバッファ棚を2個追加することができた。
【0095】
(
図2における空間B)次に、本実施の形態において、上述のように
図9で示す搬送シーケンスを可動棚(サブ棚)132とポッド搬送装置118との間のポッド110の受渡しシーケンスに適用する改造を行った。
【0096】
具体的には、第1ステージとしてのOHTステージ114aと第2ステージとしてのAGVステージ114bの間(空間B)に、サブ棚としての可動棚132を設け、サブ棚132をポッド搬送装置118側にスライド動作を行うことができる
図8Bに示す水平スライド搬送シーケンスに改良した。これにより、ポッド搬送機構118bのアームのサブ棚132側への動作が不要となった。
【0097】
また、この改良により、ポッド搬送機構118bのアームをSemi規格で規定されている第2ステージ114bの作業エリアへ侵入させる必要がなくなった。更に、アームの侵入スペースを考慮する必要が無くなり、サブ棚132を上下に詰めて設置できるようになった。その結果、第1ステージ114aと第2ステージ114bの間に、可動棚132を2段設置することができた。
【0098】
従って、これまで、第1ステージ114aと第2ステージ114bの間に、バッファ棚が2個しか設けられなかったが、本実施形態における搬送シーケンスをポッド搬送装置118とサブ棚132とのポッド110搬送に適用することで、サブ棚132を2段にすることができ、サブ棚132はL側とR側に2つ配置されるため、結果としてバッファ棚を4個設けることができた。
【0099】
図10に、本実施形態における125枚仕様から150枚仕様に改造した後の基板処理装置100の概略図を示す。上述したように
図2(改造前の基板処理装置100)からエキストラ棚131が2個、サブ棚132が4個追加されている。
【0100】
エキストラ棚131及びサブ棚132は、それぞれユニット化されており、他は
図2に示す改造前の基板処理装置100と同じ構成となっているため、改造前の基板処理装置100と比較してフットプリントは同一である。
【0101】
また、回転式ポッド棚105の最上部のポッド110にポッド搬送装置118がアクセスする時に、上部バッファ棚としてのエキストラ棚131は、上昇退避位置(
図8でいう原位置)でポッド110の受渡し時のみ下降位置に移動するように駆動制御部237に制御されている。
【0102】
また、エキストラ棚131はL側とR側に2つ配置され、一方にアクセス中、他方は上方退避位置(原位置)を保持するよう駆動制御部237に制御されている。同様に、サブ棚132に関してもL側とR側に2つ配置され、一方にアクセス中、他方は上方退避位置(原位置)を保持するよう駆動制御部237に制御されている。また、ポッド搬送装置118との搬送がなされていないときは、サブ棚132の載置部132aは、初期位置としての原位置に保持されている。
【0103】
従い、ロードポート114、回転式ポッド棚105、ポッドオープナ121との間のポッド110の搬送を妨げることなく、エキストラ棚131及びサブ棚132を追加することができる。また、可動棚131,132が1棚ずつ独立の動作ユニットになっているため、ポッド110を収納するバッファ棚数の組合せの自由度が確保できる。
【0104】
更に、エキストラ棚131及びサブ棚132を追加で設置しても、エキストラ棚131及びサブ棚132の各々とポッド搬送装置118との間のポッド110の受渡しに関して、ポッド搬送機構118bのアームを初期位置のまま動かさずにポッド110の受渡しが可能であるため、従来のアームを動作させる搬送シーケンスよりもティーチング作業の短縮が可能である。
【0105】
本実施形態における搬送シーケンスを実現させるためのティーチング作業は、ポッド搬送装置118では、受渡し退避位置、受渡し前位置、受渡し後位置、受渡し待機位置の4点に関するティーチング、可動棚131,132では、受渡し位置、原位置(初期位置)の2点(但し、原位置は不要)に関するティーチングだけで済むのでティーチング作業が、
図7の比較例に示す従来の搬送シーケンスよりも時間を短縮できる。
【0106】
これに対して、従来の搬送シーケンスでは、
図7の比較例に示すようにポッド搬送装置118bのアームの動作を考慮しなければならないだけでなく、更に搬送を行うためのエリアの確保が必要であった。
【0107】
特に、本実施形態において、エキストラ棚131に対して、ポッド搬送装置118bのアームの動作を考慮してティーチングしなければならないため、ティーチングが容易ではない上にポッド搬送を行うためのエリアの確保が困難である。この場合、設計変更を伴う大掛かりな改造となるため、莫大な時間及びコストがかかる。
【0108】
一方、本実施の形態において、搬送シーケンスを改良することにより、可動棚131,132以外の動作ユニットは、現状の基板処理装置100と共通にすることができた。従い、筐体111、ロードポート114、ポッド搬送装置118、回転式ポッド棚105は既存のままで構わないので、そのまま納入済の基板処理装置100と共通にすることができる。特に、ポッド搬送装置118のポッドエレベータ118aの移動ストロークの変更が不要なため、装置輸送時にポッドエレベータ118aを取外し、別送の必要がなく現地立上げ期間が短縮できる。
【0109】
本実施の形態において、エキストラ棚131、サブ棚132はそれぞれ新規設計が必要である。その他、本実施形態における搬送シーケンスを実行するためのソフトウェア対応が必要である。但し、言い換えると、エキストラ棚131とサブ棚132を追加するのに必要な改造、及び改造に係る時間及びコストを考慮するだけでよくなった。このように、本実施の形態によれば、納入済の基板処理装置100に小規模な改造で可動棚131,132の追加を行うことができる。
【0110】
従い、これら可動棚131,132の追加及び削除に伴う改造だけに抑えられるため、基板処理装置100に収納されるポッド110の数が増減しても、改造に係る工数及びコストを比較的低く抑えることができる。
【0111】
また、本実施形態において、動作ユニットの追加ということで記載してきたが、動作ユニットの削除にも適用される。
【0112】
また、本実施の形態によれば、可動棚以外の動作ユニットは現状の基板処理装置と共通にすることができるため、顧客工場(現地)での再組立て及び再調整の負荷が大幅に低減される。
【0113】
尚、本実施の形態において、可動棚を上下方向または水平方向に載置部を駆動する例について記載するが、この形態に限定されず、載置部を駆動することにより、ポッド110をポッド搬送装置118の可動領域にまで移動させることが可能な形態であれば構わない。つまり、ポッド搬送機構118bのアームを伸縮させることなく初期位置に固定されたまま、ポッド110の受渡しが可能な位置まで移動できる構成であればよい。
【0114】
<本実施形態における効果> 本実施形態によれば、以下の(a)乃至(f)のうち、少なくとも一つ、又は複数の効果を奏する。
【0115】
(a)本実施形態によれば、改良した搬送シーケンスを可動棚とポッド搬送装置との間のポッドの受渡しに用いることで、可動棚以外の動作ユニットは現状の基板処理装置と共通にすることができるため、納入済み装置への付加が容易に可能で改造コストを低減できる。
【0116】
(b) 本実施形態によれば、可動棚以外の動作ユニットは現状の基板処理装置と共通にすることができるため、改造コストが低減されるだけでなく、顧客工場(現地)での再組立て及び再調整の負荷が大幅に低減される。
【0117】
(c) 本実施形態によれば、ポッド搬送装置118のポッドエレベータ118aの移動ストロークの変更が不要なため、装置輸送時にポッドエレベータ118aを取外し、別送の必要がなく現地立上げ期間が短縮できる。
【0118】
(d) 本実施形態によれば、可動棚以外の動作ユニットは現状の基板処理装置と共通にすることができるため、可動棚とポッド搬送装置との搬送シーケンスを実行する前のセットアップ(立上げ)作業負荷を低減することができ、現地立上げ期間が短縮できる。
【0119】
(e) 本実施形態によれば、可動棚とポッド搬送装置との搬送シーケンスを採用することで、可動棚のユニット化が比較的容易に行うことができ、ポッドを収納するバッファ棚数の組合せの自由度が確保できる。
【0120】
(f) 本実施形態によれば、可動棚が1棚ずつ独立ユニットになっており、ポッドを収納するバッファ棚数の組合せの自由度が確保できる。これにより、ウェーハ200の処理枚数の変更の際に、改造が伴う変更であっても短納期での対応が期待できる。
【0121】
以上、本発明の実施形態及び実施例を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0122】
例えば、上述の実施形態では、原料ガスとして、HCDSガスを用いる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、原料ガスとしては、モノシラン(SiH4、略称:MS)ガス、ジシラン(Si2H6、略称:DS)ガス、トリシラン(Si3H8、略称:TS)ガス等のハロゲン基非含有の無機系シラン原料ガスを用いることができる。また、例えば、原料ガスとして、HCDSガスの他、モノクロロシラン(SiH3Cl、略称:MCS)ガス、ジクロロシラン(SiH2Cl2、略称:DCS)ガス、トリクロロシラン(SiHCl3、略称:TCS)ガス、テトラクロロシランすなわちシリコンテトラクロライド(SiCl4、略称:STC)ガス、オクタクロロトリシラン(Si3Cl8、略称:OCTS)ガス等の無機系ハロシラン原料ガスや、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CH3)2]3H、略称:3DMAS)ガス、テトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH3)2]4、略称:4DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C2H5)2]2H2、略称:BDEAS)ガス、ビスターシャリブチルアミノシラン(SiH2[NH(C4H9)]2、略称:BTBAS)ガス等のハロゲン基非含有のアミノ系(アミン系)シラン原料ガスを用いることができる。
【0123】
また、例えば、上述の実施形態では、反応ガスとしてNH3ガスを用いる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、反応ガスとしては、NH3ガスの他、ジアゼン(N2H2)ガス、ヒドラジン(N2H4)ガス、N3H8ガス等の窒化水素系ガスや、これらの化合物を含むガス等を用いることができる。また、反応ガスとしては、トリエチルアミン((C2H5)3N、略称:TEA)ガス、ジエチルアミン((C2H5)2NH、略称:DEA)ガス、モノエチルアミン(C2H5NH2、略称:MEA)ガス等のエチルアミン系ガスや、トリメチルアミン((CH3)3N、略称:TMA)ガス、ジメチルアミン((CH3)2NH、略称:DMA)ガス、モノメチルアミン(CH3NH2、略称:MMA)ガス等のメチルアミン系ガス等を用いることができる。
【0124】
また、例えば、上述の実施形態では、SiN膜等のシリコン含有膜を形成する例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、本発明は、ウェーハ200上に、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属元素を含む膜、すなわち、金属系膜を形成する場合においても、好適に適用可能である。
【0125】
すなわち、本発明は、半導体元素や金属元素等の所定元素を含む膜を形成する場合に好適に適用することができる。
【0126】
また、上述の実施形態では、ウェーハ200上に膜を堆積させる例について説明した。しかしながら、本発明は、このような態様に限定されない。例えば、ウェーハ200上に形成された膜等に対して、酸化処理、拡散処理、アニール処理、エッチング処理等の処理を行う場合にも、好適に適用可能である。
【0127】
また、実施例ではバッチ処理の縦型基板処理装置について説明したが、それに限定されるものではなく、バッチ処理の横型基板処理装置に適用することができる。
【0128】
また、本実施例に係る基板処理装置のような半導体ウェーハを処理する半導体製造装置などに限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置にも適用することができる。
【0129】
<本発明の好ましい態様> 以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0130】
(付記1) 本発明の一態様によれば、基板収容器(ポッド)が載置される複数の載置部と、前記載置部を駆動する駆動部と、前記ポッドの前記載置部への搬入と前記ポッドの前記載置部からの搬出とを行う搬送機構を含むポッド搬送装置(キャリアローダ)と、前記キャリアローダのアームを初期位置から動かすことなく動かすことなく前記搬送機構の支持部を昇降させることにより、前記ポッドを前記載置部から前記キャリアローダの支持部に受け渡すように前記駆動部と前記キャリアローダを制御する制御部と、を備えた基板処理装置が提供される。
【0131】
(付記2)付記1の基板処理装置であって、好ましくは、前記キャリアローダの可動領域の上部に前記ポッドを収納する可動棚(エキストラ棚)を備え、前記制御部は、この棚の前記載置部を昇降(上下方向に駆動、または上下スライド)させて、前記キャリアローダに対して前記ポッドの受け渡しを行うよう構成されている。
【0132】
(付記3) 付記1または付記2の基板処理装置であって、好ましくは、第1ステージ(OHTステージ)と第2ステージ(AGVステージ)の間に前記ポッドを収納する可動棚(サブ棚)を設け、前記制御部は、この可動棚の前記載置部を水平移動(水平方向に駆動、または水平スライド)させて、前記キャリアローダに対して前記ポッドの受け渡しを行うよう構成されている。
【0133】
(付記4) 付記2または付記3の基板処理装置であって、好ましくは、前記可動棚の載置部には、前記ポッドを複数の点で支持する第1突部が設けられ、前記キャリアローダの前記支持部には、前記ポッドを複数の点で支持する第2突部が設けられるよう構成されている。
【0134】
(付記5) 付記2または付記3の基板処理装置であって、好ましくは、前記可動棚の切欠部は、前記キャリアローダが前記ポッドを持ち上げた(掬い上げた)とき、または、前記ポッドを前記載置部に降下させたときに、前記キャリアローダの支持部と前記可動棚の載置部が干渉しないよう構成されている。
【0135】
(付記6) 付記5の基板処理装置であって、好ましくは、前記切欠部の断面積は、前記キャリアローダの前記搬送機構(の支持部)の断面積よりも大きく前記可動棚の載置部の断面積よりも大きく構成されている。
【0136】
(付記7) 付記1の基板処理装置であって、好ましくは、 前記制御部は、前記載置部及び前記キャリアローダの支持部をそれぞれ受渡し可能な位置、及び受渡し待機位置に移動させるように、前記キャリアローダ及び前記載置部を制御するよう構成されている。
【0137】
(付記8) 付記7の基板処理装置であって、好ましくは、前記制御部は、前記キャリアローダを受渡し待機位置に移動させながら、前記可動棚を受渡し可能な受渡し位置に移動させ、前記キャリアローダを前記受渡し位置の上方または下方に移動し、前記可動棚から前記ポッドを受け取らせ若しくは前記可動棚に前記ポッドを、前記キャリアローダを受渡し退避位置に移動させるシーケンスを実行するよう制御される。
【0138】
(付記9) 本発明の他の態様によれば、 筐体を処理領域とポッドを格納する格納領域に仕切り、前記格納領域には、前記ポッドが出入りする搬入搬出口載置台(I/Oステージ)、前記ポッドが保管される回転式保管棚、前記I/Oステージと回転式保管棚の間に位置するキャリアローダ、該キャリアローダの真上に位置する箇所に設けられた棚、該棚の載置部を上下方向に駆動する駆動部、前記キャリアローダの載置部を動かすことなく前記棚と前記キャリアローダの間で前記ポッドの受け渡すように前記駆動部及び前記カセットローダを制御する制御部がそれぞれ設けられた基板処理装置が提供されている。
【0139】
(付記10) 本発明の更に他の態様によれば、筐体を処理領域とポッドを格納する格納領域に仕切り、前記格納領域には、前記ポッドが出入りするI/Oステージ、前記ポッドが保管される回転式保管棚、前記I/Oステージと前記回転式保管棚の間に位置するキャリアローダ、前記I/Oステージの間に設けられた可動棚、該棚の載置部を水平方向に駆動する駆動部、前記キャリアローダの支持部を動かすことなく前記可動棚と前記キャリアローダの間で前記ポッドの受け渡すように前記駆動部及び前記キャリアローダを制御する制御部がそれぞれ設けられた基板処理装置が提供される。
【0140】
(付記11) 付記9または付記10の基板処理装置であって、好ましくは、 前記制御部は、前記キャリアローダを受渡し待機位置に移動させながら、前記可動棚を受渡し可能な受渡し位置に移動させ、前記キャリアローダの支持部を受渡し可能な位置の上方又は下方に移動させ、前記可動棚から前記ポッドを受け取らせ、前記キャリアローダを受渡し退避位置に戻らせるよう制御するよう構成されている。
【0141】
(付記12) 本発明の更に他の態様によれば、キャリアローダを受渡し待機位置に移動させながら、可動棚を受渡し可能な受渡し位置に移動させる工程と、前記キャリアローダの支持部を初期位置から動かすことなく前記キャリアローダを前記受渡し位置の上方又は下方に移動させ、前記可動棚から前記ポッドを受け取るか若しくは前記可動棚に前記ポッドを受渡する工程と、前記キャリアローダを受渡し退避位置に移動させる工程と、を有するポッド搬送方法が提供される。
【0142】
(付記13) 本発明の更に他の態様によれば、キャリアローダを受渡し待機位置に移動させながら、可動棚を受渡し可能な受渡し位置に移動させる手順と、前記キャリアローダの支持部を初期位置から動かすことなく前記キャリアローダを前記受渡し位置の上方又は下方に移動させ、前記可動棚から前記ポッドを受け取るか若しくは前記可動棚に前記ポッドを受渡する手順と、前記キャリアローダと前記可動棚がそれぞれ受渡し退避位置に戻る手順と、を有するシーケンス(プログラム)、及び該シーケンス(プログラム)が記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体が提供される。
【0143】
(付記14) 本発明の更に他の態様によれば、基板収容器(ポッド)が載置される載置部と、前記載置部を駆動する駆動部と、を備えた動作ユニット(可動棚)と、前記ポッドの前記載置部への搬入と前記ポッドの前記載置部からの搬出とを行う搬送機構を含むポッド搬送装置(キャリアローダ)と、前記キャリアローダの支持部を動かすことなく前記搬送機構を昇降させることにより、前記ポッドを前記載置部から前記キャリアローダの支持部に受け渡すか、若しくは前記ポッドを前記キャリアローダの支持部から前記載置部に受け渡すように前記駆動部と前記キャリアローダを制御する制御部と、を備えた基板収容器搬送システムが提供される。
【0144】
(付記15) 付記14の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記基板収容器(ポッド)が前記載置部にあるか否かを検知するセンサ(ポッド有無センサ)を備え、前記制御部は、前記センサにより検知されていない前記載置部の駆動を省略するよう前記駆動部を制御するよう構成されている。
【0145】
(付記16) 付記14の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記制御部は、前記載置部を原位置から前記ポッドの受渡が可能な受渡し位置に移動するよう前記駆動部を制御するよう構成されている。
【0146】
(付記17) 付記14の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記制御部は、前記キャリアローダの支持部を動かすことなく前記キャリアローダを上方又は下方に移動させ、前記ポッドの前記載置部への載置、または、前記ポッドの前記キャリアローダの支持部への載置を行うよう前記キャリアローダを制御するよう構成されている。
【0147】
(付記18) 付記16の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記制御部は、前記キャリアローダのアームを伸縮させず前記支持部を初期位置に固定しまま、前記キャリアローダを昇降させるよう構成されている。
【0148】
(付記19) 付記14の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記載置部には、前記ポッドを複数の点で支持する第1突部が設けられ、前記キャリアローダの前記支持部には、前記ポッドを複数の点で支持する第2突部が設けられるよう構成されている。
【0149】
(付記20) 付記14の基板収容器搬送システムであって、好ましくは、前記可動棚の切欠部は、前記キャリアローダが前記ポッドを持ち上げた(掬い上げた)とき、または、前記ポッドを前記載置部に降下させたときに、前記キャリアローダの支持部と前記載置部が干渉しないよう構成されている。
【0150】
(付記21) 付記20の基板処理装置であって、好ましくは、前記切欠部の断面積は、前記キャリアローダの前記搬送機構(の支持部)の断面積よりも大きく前記可動棚の載置部の断面積よりも大きく構成されている。
【0151】
(付記22) 本発明の更に他の態様によれば、基板収容器(ポッド)が載置される載置部と、前記載置部を前記基板収容器(ポッド)が収納される位置である原位置と前記基板収容器(ポッド)の受渡が可能な位置である受渡し位置との間を駆動させる駆動部と、を備えた動作ユニット(可動棚)であって、前記ポッドの前記可動棚への搬入、または、前記ポッドの前記可動棚からの搬出を行う際に、前記載置部を前記原位置から前記ポッドの受渡が可能な受渡し位置に移動されるよう構成されている動作ユニットが提供される。
【0152】
(付記23) 付記19の動作ユニットであって、好ましくは、更に、前記基板収容器(ポッド)が前記原位置に載置されるか否かを検知するセンサ(ポッド有無センサ)を備え、前記駆動部は、前記センサにより検知されていない前記載置部の駆動を省略するよう構成されている。
【0153】
(付記24) 本発明の更に他の態様によれば、基板収容器(ポッド)が載置される支持部を含み、前記ポッドの前記載置部への搬入と前記ポッドの前記載置部からの搬出とを行う搬送機構と、前記搬送機構を昇降させる昇降部(ボートエレベータ)とを含むポッド搬送装置(キャリアローダ)であって、前記キャリアローダの支持部を動かすことなく(初期位置に固定したまま)前記支持部を昇降させることにより、前記ポッドを前記載置部から前記キャリアローダの支持部に受け渡すように構成されているポッド搬送装置が提供される。
【産業上の利用可能性】
【0154】
基板処理装置に関し、製品基板の処理枚数の変更に対応可能な構成を有する基板処理装置に適用される。
【符号の説明】
【0155】
100…基板処理装置105…回転式ポッド棚(回転式保管棚)114…ロードポート114a…OHTステージ(第1ステージ)114b…AGVステージ(第2ステージ)131…可動棚(エキストラ棚)132…可動棚(サブ棚)200…ウェーハ240…コントローラ