(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】プロパンボンベと共に用いられる壁体
(51)【国際特許分類】
E04F 19/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
E04F19/00 Z
(21)【出願番号】P 2017255410
(22)【出願日】2017-12-21
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502394221
【氏名又は名称】幸和金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】福岡 伸也
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-212715(JP,A)
【文献】特開2002-147700(JP,A)
【文献】特開2010-175069(JP,A)
【文献】登録実用新案第3009403(JP,U)
【文献】実開昭63-188400(JP,U)
【文献】実開昭58-171403(JP,U)
【文献】特開2014-114664(JP,A)
【文献】特開昭48-45017(JP,A)
【文献】特開2014-218818(JP,A)
【文献】実開平5-22703(JP,U)
【文献】特開2008-169943(JP,A)
【文献】特開平11-257600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/00
F17C 13/08
E04B 2/74
E04B 2/82
E04B 1/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋の軒先の下に配設されるプロパンボンベと共に用いられる壁体であって、
上下方向に延びる一対の上下辺と水平方向に延びる一対の水平辺とで囲繞された壁体本体と、
前記壁体本体の後方に配設されて、前記家屋の外壁に固定され、上下方向に延びる支持部材と、を備え、
前記支持部材の左右いずれかの側面に、雄ネジが形成された軸部を備える係止具が螺入されるように構成され、
前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち一方の上下辺から後方に、鍔部が延設されており、
前記鍔部には、前記鍔部の後端から前方に向けて凹没する係止凹部が形成されており、
前記係止凹部には、さらに、この係止凹部から上下方向に凹没して前記軸部が進入可能な第2係止凹部を備えると共に、
前記壁体本体には、前記一対の水平辺のうち下側の水平辺から下方向に出退可能に、下辺用補助部材を備えることを特徴とするプロパンボンベと共に用いられる壁体。
【請求項2】
前記下辺用補助部材が板体からなり、
前記下辺用補助部材が、前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち一方の上下辺から、前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち他方の上下辺に至る、水平寸法を有し、
前記下辺用補助部材における前記壁体本体の前記一方の上下辺と対向する側を中心側とし、前記下辺用補助部材における前記壁体本体の前記他方の上下辺と対向する側を外方側としたとき、
前記下辺用補助部材の前記中心側に、中心側貫通口を備え、
前記下辺用補助部材の前記外方側に、外方側貫通口を備え、
前記下辺用補助部材が、前記中心側貫通口を貫通する中心側貫通口用固定具、および、前記外方側貫通口を貫通する外方側貫通口用固定具によって前記壁体本体に固定されるように構成され、
前記中心側貫通口が、少なくとも、水平方向に横長の長穴部を備え、
前記外方側貫通口が、少なくとも、上下方向に縦長の長穴部を備えることを特徴とする請求項1記載のプロパンボンベと共に用いられる壁体。
【請求項5】
前記支持部材が、前記家屋の外壁と所定寸法の間隙を存して、前記家屋の外壁に固定され、前記所定寸法の間隙を閉塞する板体からなる閉塞体を備えることを特徴とする請求項1から請求項4記載のプロパンボンベと共に用いられる壁体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋の軒先の下に配設されるプロパンボンベと共に用いられる壁体の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プロパンボンベを収納する、プロパンボンベ収納庫が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される従来例にあっては、左右一対の側板と、側板の開口部を塞ぐ扉によってプロパンボンベ収納庫が構成されている。
【0005】
このようなプロパンボンベ収納庫は、家屋に隣接してプロパンボンベを配設したときにも、美観を保つことができ有意義である。
【0006】
しかし、上記特許文献1に示される従来例にあっては、左右一対の側板と、側板の開口部を塞ぐ扉が必要であるから、製造コストが高くなりがちである。
【0007】
これに対し、家屋に隣接してプロパンボンベを配設したときに、製造コストを低減するために、プロパンボンベと隣接して家屋の外壁に壁体を固定して設置することで、美観を保つことが考えられる。
【0008】
しかし、プロパンボンベを交換する際に、隣接して家屋の外壁に壁体を固定して設置された壁体が邪魔になることが考えられる
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、
家屋に隣接してプロパンボンベを配設したときに、美観を保つことができ、かつ、プロパンボンベを交換する際に簡単に着脱できて、邪魔になることが抑制された、プロパンボンベと共に用いられる壁体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、本発明によるプロパンボンベと共に用いられる壁体は、家屋の軒先の下に配設されるプロパンボンベと共に用いられる壁体であって、上下方向に延びる一対の上下辺と水平方向に延びる一対の水平辺とで囲繞された壁体本体と、前記壁体本体の後方に配設されて、前記家屋の外壁に固定され、上下方向に延びる支持部材と、を備え、前記支持部材の左右いずれかの側面に、雄ネジが形成された軸部を備える係止具が螺入されるように構成され、前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち一方の上下辺から後方に、鍔部が延設されており、前記鍔部には、前記鍔部の後端から前方に向けて凹没する係止凹部が形成されており、前記係止凹部には、さらに、この係止凹部から上下方向に凹没して前記軸部が進入可能な第2係止凹部を備えると共に、前記壁体本体には、前記一対の水平辺のうち下側の水平辺から下方向に出退可能に、下辺用補助部材を備えることを特徴とする。
【0011】
このように構成することで、家屋に隣接してプロパンボンベを配設したときに、美観を保つことができ、かつ、プロパンボンベを交換する際に簡単に着脱出来て邪魔になることが抑制された、プロパンボンベと共に用いられる壁体を提供できるに至った。
【0012】
なお、前記下辺用補助部材が板体からなり、前記下辺用補助部材が、前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち一方の上下辺から、前記壁体本体の前記一対の上下辺のうち他方の上下辺に至る、水平寸法を有し、前記下辺用補助部材における前記壁体本体の前記一方の上下辺と対向する側を中心側とし、前記下辺用補助部材における前記壁体本体の前記他方の上下辺と対向する側を外方側としたとき、前記下辺用補助部材の前記中心側に、中心側貫通口を備え、前記下辺用補助部材の前記外方側に、外方側貫通口を備え、前記下辺用補助部材が、前記中心側貫通口を貫通する中心側貫通口用固定具、および、前記外方側貫通口を貫通する外方側貫通口用固定具によって前記壁体本体に固定されるように構成され、前記中心側貫通口が、少なくとも、水平方向に横長の長穴部を備え、前記外方側貫通口が、少なくとも、上下方向に縦長の長穴部を備えることが好ましい。
【0013】
このように構成することで、軒先の下のプロパンボンベが配設される箇所と壁体本体の下端との間の隙間を、下辺用補助部材によって簡単に塞ぐことができる。
【0014】
つまり、軒先の下は一般的に犬走りという、家屋の外壁から遠ざかるほど低くなる傾斜面が形成されることが多く、支持体に係止された壁体本体とこの傾斜面との間の隙間は、支持体に係止される一方の上下辺側と比べて、他方の上下辺側が大きくなることになる。
【0015】
したがって、外方側貫通口が、少なくとも、上下方向に縦長の長穴部を備えることで、一方の上下辺側と比べて、他方の上下辺側が大きくなる壁体本体とこの傾斜面との間の隙間を塞ぐための下辺用補助部材の上下位置の調節が容易に行えるのである。
【0016】
なお、中心側貫通口が、少なくとも、水平方向に横長の長穴部を備えることで、中心側貫通口と外方側貫通口との離間寸法のバラツキ、および、または、中心側貫通口用固定具と外方側貫通口用固定具との離間寸法のバラツキがある場合にも、壁体本体への下辺用補助部材の取り付けが適正に行えるのである。
【0017】
また、前記外方側貫通口が、前記上下方向に縦長の長穴部の下端および上端から水平方向に凹没して前記外方側貫通口用固定具が進入可能に形成される凹没部を備えることが好ましい。
【0018】
このように構成することで、犬走り上において、他方の上下辺側が大きくなる壁体本体とこの傾斜面との間の隙間を塞ぐための下辺用補助部材の上下位置の調節を行う際に、外方側貫通口用固定具を凹没部に進入させて、下辺用補助部材の上下方向位置を仮止めすることができ、壁体本体への下辺用補助部材の取り付けが容易に行えるのである。
【0019】
また、前記第2係止凹部を、前記係止凹部の上方および下方の両側に備えることが好ましい。
【0020】
このように構成することで、壁体本体の右側にプロパンボンベが配設される場合と、壁体本体の左側にプロパンボンベが配設される場合とに応じて、壁体本体の天地を倒立させても、支持部材に螺入された係止具の軸部に、第2係止凹部を係止させることができるのである。
【0021】
また、前記支持部材が、前記家屋の外壁と所定寸法の間隙を存して、前記家屋の外壁に固定され、前記所定寸法の間隙を閉塞する板体からなる閉塞体を備えることが好ましい。
【0022】
このように構成することで、本発明による壁体と家屋の外壁との間にガス管などを配設する場合、このガス管などの配設が容易に行え、このガス管が配設される位置に切欠きを設けた閉塞体によって、支持部材と家屋の外壁との間の間隙を塞ぐことができるのである。
しかも閉塞体が板体からなるので、ガス管が配設される位置に、容易に切欠きを設けることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によって、家屋に隣接してプロパンボンベを配設したときに、美観を保つことができ、かつ、プロパンボンベを交換する際に簡単に着脱出来て、邪魔になることが抑制された、プロパンボンベと共に用いられる壁体を提供できるに至った。
また、軒先の下のプロパンボンベが配設される箇所と壁体本体の下端との間の隙間を、下辺用補助部材によって簡単に塞ぐことができる。
また、犬走り上において、支持部材に係止される側と反対側の上下辺側が大きくなる壁体本体とこの傾斜面との間の隙間を塞ぐための下辺用補助部材の上下位置の調節を行う際に、外方側貫通口用固定具を凹没部に進入させて、下辺用補助部材の上下方向位置を仮止めすることができ、壁体本体への下辺用補助部材の取り付けが容易に行える
また、壁体本体の右側にプロパンボンベが配設される場合と、壁体本体の左側にプロパンボンベが配設される場合とに応じて、壁体本体の天地を倒立させても、支持部材に螺入された係止具の軸部に、第2係止凹部を係止させることができるのである。
また、本発明による壁体と家屋の外壁との間にガス管などを配設する場合、このガス管などを配設が容易に行え、このガス管が配設される位置に切欠きを設けた閉塞体によって、支持部材と家屋の外壁との間の間隙を塞ぐことができるのである。
しかも閉塞体が板体からなるので、ガス管が配設される位置に、容易に切欠きを設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態の(a)プロパンボンベが壁体本体の右側に位置するときのプロパンボンベと共に用いられる壁体の平面図、(b)係止具の平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態のプロパンボンベが壁体本体の左側に位置するときのプロパンボンベと共に用いられる壁体の平面図である。
【
図4】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体の(a)壁体本体に備える鍔部を支持体に係止する状態を示す側面図、(b)係止部の軸部が第2係止凹部に進入した状態を示す拡大図である。
【
図5】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体を、下辺用補助部材と共に示す側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体を、下辺用補助部材と共に示す側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体を、下辺用補助部材と共に示す側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体に備える、下辺用補助部材を示す側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態のプロパンボンベと共に用いられる壁体に閉塞体を装着した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、
図1、
図4においては、後述する、下辺用補助部材50の記載を省略している。
また、
図5、
図6、
図7においては、後述する、閉塞体77の記載を省略している。
【0026】
図1は、プロパンボンベ80と共に用いられる壁体10を示し、本実施形態では、家屋の軒先の下81に配設されるプロパンボンベ80(図において一点鎖線にて示す)と共に用いられている。
【0027】
壁体10は、上下方向に延びる一対の上下辺20と水平方向に延びる一対の水平辺30とで囲繞された壁体本体11を備え、家屋の外壁82に固定され、上下方向に延びる支持部材40が壁体本体11の後方に配設されている。
なお、支持部材40は、
図2、
図3に示すように支持金具41を用いて、家屋の外壁82に固定されている。なお、
図2、
図3において、隣家との境界線を84として2点鎖線にて示してある。
【0028】
壁体本体11は、一方側が開放された有底箱状の形態に構成されており、本実施形態では、プロパンボンベ80が設置される側が開放した側として壁体本体11が配置される。(
図1参照。)
【0029】
支持部材40の左右いずれかの側面に、雄ネジが形成された軸部431(
図2(b)参照。)を備える係止具43が螺入されるように構成されている。なお、
図4(a)においては、係止具43に備えるつまみ部432(
図2(b)参照。)の記載を省略している。
【0030】
また、
図1に示すように、壁体本体11の一対の上下辺20のうち一方の上下辺21から後方、つまり支持部材40が存在している方向に、鍔部44が延設されている。
【0031】
また、
図4(a)(b)に示すように、鍔部44には、鍔部44の後端から前方に向けて凹没する係止凹部4aが形成されている。
【0032】
さらに、係止凹部4aには、さらに、この係止凹部4aから上下方向に凹没して軸部431が進入可能な第2係止凹部4bを備える。
【0033】
本発明による壁体10は、このように構成されており、
図4に示すように、支持部材40に螺入した係止具43の軸部431と、第2係止凹部4bとが係止して、壁体本体11を支持部材40に簡単に装着することができ、係止具43を緩めることで、壁体本体11を支持部材40から簡単に取り外すことができる。つまり、支持部材40に対し、壁体本体11を簡単に着脱可能に構成されている。
【0034】
そして、本実施形態では、
図5、
図6、
図7、
図9に示すように、壁体本体11には、一対の水平辺30のうち、図における下側の水平辺32から下方向に出退可能に、下辺用補助部材50を備えている。なお、下辺用補助部材50については、後に詳述する。
【0035】
本発明による、プロパンボンベ80と共に用いられる壁体10は、以上のように構成されているので、家屋に隣接してプロパンボンベ80を配設したときに、美観を保つことができ、かつ、プロパンボンベ80を交換する際に簡単に着脱することができて、邪魔になることが抑制された、プロパンボンベと共に用いられる壁体を提供できるに至った。
【0036】
なお、本実施形態では、
図4(a)(b)に示すように、第2係止凹部4bが、係止凹部4aの上方および下方の両側に、第2係止凹部4b1、第2係止凹部4b2として備えられている。
【0037】
本実施形態の壁体10では、第2係止凹部4bが、係止凹部4aの上方および下方の両側に、第2係止凹部4b1、第2係止凹部4b2として備えられているので、
図2に示すように壁体本体11の右側にプロパンボンベ80が配設される場合と、
図3に示すように壁体本体11の左側にプロパンボンベ80が配設される場合とに応じて、壁体本体11の天地を倒立させても、支持部材40に螺入された係止具43の軸部431に、第2係止凹部4bを係止させることができるのである。
【0038】
本実施形態では、下辺用補助部材50が板体(例えば、めっき鋼板、または、ステンレス鋼板)から構成される。
そして、
図5、
図6、
図7に示すように、下辺用補助部材50が、壁体本体11の一対の上下辺20のうち一方の上下辺21から、壁体本体11の一対の上下辺20のうち他方の上下辺22に至る、水平寸法を有する。
【0039】
そして、下辺用補助部材50における壁体本体11の一方の上下辺21と対向する側を中心側51(
図5、
図6、
図7において左向きの白抜き矢印にて示す方向)とし、下辺用補助部材50における壁体本体11の他方の上下辺22と対向する側を外方側54(
図5、
図6、
図7において右向きの白抜き矢印にて示す方向)としたとき、下辺用補助部材50の中心側51に、中心側貫通口52を備え、下辺用補助部材50の外方側54に、外方側貫通口55を備える。
【0040】
そして、下辺用補助部材50が、中心側貫通口52を貫通する中心側貫通口用固定具61、および、外方側貫通口55を貫通する外方側貫通口用固定具62によって壁体本体11に固定されるように構成されており、
図5、
図6、
図7に示すように、中心側貫通口52が、水平方向に横長の長穴部53を備え、外方側貫通口55が、上下方向に縦長の長穴部56を備えている。
【0041】
因みに、軒先の下は一般的に犬走りという、家屋の外壁82から遠ざかるほど低くなる傾斜面81が形成されることが多く、壁体本体11とこの傾斜面81との間の隙間は、支持体に係止される一方の上下辺21側と比べて、他方の上下辺22側が大きくなることになる。
【0042】
したがって、外方側貫通口55が、上下方向に縦長の長穴部56を備えることで、一方の上下辺21側と比べて、他方の上下辺22側が大きくなる壁体本体11とこの傾斜面81との間の隙間を塞ぐための下辺用補助部材50の上下位置の調節が容易に行えるのである。
【0043】
なお、中心側貫通口52が、水平方向に横長の長穴部53を備えることで、中心側貫通口52と外方側貫通口55との離間寸法のバラツキ、および、または、中心側貫通口用固定具61と外方側貫通口用固定具62との離間寸法のバラツキがある場合にも、壁体本体11への下辺用補助部材50の取り付けが適正に行えるのである。
【0044】
さらに、
図5、
図6、
図7に示すように、本実施形態では、外方側貫通口55が、上下方向に縦長の長穴部56の下端および上端から水平方向に凹没して外方側貫通口用固定具62が進入可能に形成される凹没部57を備えている。
【0045】
このように構成されているので、犬走り81上において、他方の上下辺22側が大きくなる壁体本体11とこの傾斜面(犬走り)81との間の隙間を塞ぐための下辺用補助部材50の上下位置の調節を行う際に、
図5に示すように、外方側貫通口用固定具62を下側の凹没部57に進入させて、下辺用補助部材50の上下方向位置を仮止めすることができ、壁体本体11への下辺用補助部材50の取り付けが容易に行えるのである。
【0046】
なお、
図7に示すように、壁体本体11とこの傾斜面(犬走り)81との間の隙間の大きさに応じて、外方側貫通口用固定具62を縦長の長穴部56を貫通した状態で下辺用補助部材50の上下位置を調節した状態で下辺用補助部材50を固定することが可能である。
【0047】
なお、
図5、
図6、
図7、
図9に示すように、図の状態から、壁体本体11の天地を倒立させて支持部材40に係止した場合のために、図における壁体本体11の上方に、下辺用補助部材螺入用雌ネジ27を設けてある。
【0048】
さらに、本実施形態では、
図5に示すように、支持部材40が、家屋の外壁82と所定寸法の間隙Bを存して、家屋の外壁82に固定される。つまり、
図5では図示を省略してあるが、
図2、
図3に示すように支持金具41を用いて、支持部材40が、家屋の外壁82と所定寸法の間隙B(本実施形態では、B=30mmとしてある。)を存して、家屋の外壁82に固定される。そして、
図9に示すように、この所定寸法の間隙Bを閉塞する板体(板厚0.5mmのめっき鋼板またはステンレス鋼板)からなる閉塞体77を備える。
【0049】
このように構成することで、
図9に示すように、壁体10と家屋の外壁82との間にガス管83などを配設する場合、ガス管83などの配設が容易に行え、ガス管83が配設される位置に配管通過用切欠き78を設けた閉塞体77によって、支持部材40と家屋の外壁82との間の間隙Bを塞ぐことができるのである。
【0050】
しかも閉塞体77が板体からなるので、ガス管83が配設された位置に、容易に作業者が配管通過用切欠き78を設けることが可能となる。
【0051】
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 壁体
11 壁体本体
20 上下辺
21 一方の上下辺
22 他方の上下辺
27 下辺用補助部材螺入用雌ネジ
30 水平辺
31 上側の水平辺
32 下側の水平辺
40 支持部材
41 支持金具
43 係止具
431 軸部
432 つまみ部
4a 係止凹部
4b 第2係止凹部
4b1 第2係止凹部
4b2 第2係止凹部
44 鍔部
50 下辺用補助部材
51 中心側
52 中心側貫通口
53 横長の長穴部
54 外方側
55 外方側貫通口
56 縦長の長穴部
57 凹没部
61 中心側貫通口用固定具
62 外方側貫通口用固定具
B 所定寸法の間隙
77 閉塞体
78 配管通過用切欠き
80 プロパンボンベ
81 家屋の軒先の下(傾斜面、犬走り)
82 家屋の外壁
83 ガス管
84 隣家との境界線