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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ゲーム装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220106BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20220106BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220106BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/35
A63F13/79
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017143479
(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公開番号】P2019024524
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2018-07-26
【審判番号】
【審判請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】小池 雅明
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】古川 直樹
【審判官】藤田 年彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/037732(WO,A1)
【文献】[白猫プロジェクト]ルーンの使い道とドロップまとめ。何をするにもルーンは必須アイテムだ!!,AppBank[online],2014年8月27日,[2020年1月24日検索],インターネット<URL:http://www.appbank.net/2014/08/27/iphone-application/881190.php>
【文献】武器プラント,フリーダムウォーズ 攻略まとめ[online],2014年6月30日,インターネット<URL:http://giocox.jp/freedomwars/%E6%AD%A6%E5%99%A8%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88/>
【文献】クラクラ[資源設備]エリクサーポンプ詳細,クラコネ.net[online],2016年2月25日,[2019年7月4日検索],インターネット<URL:https://claclakoneta.net/cla-s-erip>
【文献】[PR][クラクラ]Clash of Clans Q&A!あなたの疑問に答えます!,AppBank[online],2013年6月28日,[2019年7月4日検索],インターネット<URL:http://www.appbank.net/2013/06/28/iphone-application/623229.php>
【文献】[クラクラ攻略]襲撃も育成もカギは[タウンホール]だ!レベルをあげるメリットを大解説!![PR],AppBank[online],2014年 7月17日,[2019年7月4日検索],インターネット<URL:http://www.appbank.net/2014/07/17/iphone-application/858510.php>
【文献】[クラクラ攻略]タウンホールレベル11解放&新しい防衛施設と攻撃要素がきたぞ![PR],AppBank[online],2015年10月24日,[2019年7月4日検索],インターネット<URL:http://www.appbank.net/2015/10/24/iphone-application/1114583.php>
【文献】施設・民家,白猫プロジェクト公式攻略データベース[online],2016年1月24日,[2020年1月24日検索],インターネット<URL:https://wiki.famitsu.com/shironeko/施設・民家>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時間の経過に基づいて、ユーザを識別するための識別情報にゲームで利用可能な報酬の取得権利を関連付ける報酬権利付与部と、
前記ユーザが所持しているアイテムのうち前記報酬の内容を変化させるための第1等級を変更することとは異なる用途に利用可能である第1アイテムを消費することに基づいて、前記第1等級を上げる等級変更部と、
前記報酬権利付与部により関連付けられる取得権利における前記報酬の内容を前記第1等級に基づいて抽選により決定する報酬内容決定部と、
を備えるゲーム装置。
【請求項2】
前記報酬権利付与部により取得権利として関連付けられ、前記報酬内容決定部により決定された内容の前記報酬を、前記ユーザの操作に基づいて前記ユーザの前記識別情報に関連付ける報酬付与部、
を備える請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1アイテムは、前記ユーザの操作による前記ゲームのプレイ結果に基づいて前記ユーザが取得可能である、
請求項1または請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記報酬権利付与部は、
前記所定時間が経過する度に前記報酬の取得権利を前記ユーザの前記識別情報に関連付け、関連付けた前記報酬の取得権利の数が上限値に達した場合、前記所定時間が経過しても前記報酬の取得権利を前記ユーザの前記識別情報に関連付けないことにより、または前記所定時間が経過する度に最も過去に関連付けた前記報酬の取得権利から順に消滅させるのと引き換えに新たな前記報酬の取得権利を前記ユーザの前記識別情報に関連付けることにより、前記上限値を越えないように制御する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記等級変更部は、
前記ユーザが前記第1アイテムを消費することに基づいて、前記報酬権利付与部により関連付けられる取得権利を前記識別情報と関連付けるための条件である関連付け条件を変化させるための第2等級を上げ、
前記報酬内容決定部は、
記関連付け条件を前記第2等級に基づいて決定し、
前記関連付け条件は、前記報酬の取得権利の数の上限値に関する条件である、
請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記関連付け条件は、前記所定時間に関する条件である、
請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記ユーザのそれぞれには、前記ゲームをプレイすることに応じて値が変化するパラメータが設定されており、
前記第1等級及び前記第2等級には、前記ユーザ毎に、前記ユーザ毎の前記パラメータによって上限が設定されている、
請求項5または請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記第1等級及び前記第2等級には、前記ユーザとは異なる他のユーザとで共通の上限が設定されており、前記共通の上限は、前記ユーザ毎に設定されている上限以上の等級である、
請求項7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記等級変更部が前記報酬の等級を上昇させるのに必要な前記第1アイテムの消費量または消費する前記第1アイテムの内容は、前記報酬の現在の等級に応じて異なる、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記ゲームは、前記ユーザの操作対象となるキャラクタと前記キャラクタに装備可能な複数の前記第1アイテムとを用いるゲームであって、
前記等級変更部は、
複数の前記第1アイテムのうち前記ユーザが所持している前記第1アイテムを消費することに基づいて、前記報酬の等級を変更する、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のゲーム装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームにはログイン報酬と呼ばれる仕様がある(例えば、特許文献1)。ログイン報酬は、例えば1日に1回を上限として、ログインしたユーザに対して何らかの報酬を付与するものであり、ユーザに継続してゲームをプレイしてもらうための施策である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-029606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ログイン報酬の多くの場合には、ログイン日数などによってゲームをプレイするユーザに対して同じ報酬内容が設定されており、ユーザ毎に異なるものではなかった。そのため、初心者ユーザにとって有益な報酬であっても、ベテランユーザには不要な報酬となることもあり、必ずしもユーザの継続意欲に効果のあるものではなかった。
【0005】
本発明のいくつかの態様は、より多くのユーザにとって有益な報酬を付与できるゲーム装置、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【0006】
また、本発明の他の態様は、後述する実施形態に記載した作用効果を奏することを可能にするゲーム装置、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、所定時間の経過に基づいて、ユーザを識別するための識別情報にゲームで利用可能な報酬の取得権利を関連付ける報酬権利付与部と、前記ユーザがゲーム内要素を消費することに基づいて、前記報酬の等級を変更する等級変更部と、前記報酬権利付与部により取得権利として関連付けられる前記報酬の内容または該関連付けられる条件を示す関連付け条件を前記等級に基づいて決定する報酬内容決定部と、を備えるゲーム装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、上記のゲーム装置として機能させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るホーム画面の一例を示す図。
図2】実施形態に係る宝箱の表示例を示す図。
図3】実施形態に係る宝箱情報画面の一例を示す図。
図4】実施形態に係るゲームシステムの構成の一例を示すブロック図。
図5】実施形態に係るゲーム機のハードウェア構成の一例を示す図。
図6】実施形態に係るゲームサーバのハードウェア構成の一例を示す図。
図7】実施形態に係るゲーム機及びゲームサーバの構成の一例を示すブロック図。
図8】実施形態に係る宝箱定義テーブルのデータ例を示す図。
図9】実施形態に係る宝箱設定テーブルのデータ例を示す図。
図10】実施形態に係る宝箱成長制御処理の一例を示すフローチャート。
図11】実施形態に係る報酬設定処理の一例を示すフローチャート。
図12】実施形態に係る報酬付与処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔ゲームの概要〕
まず、本実施形態に係るゲームの一例について、その概要を説明する。例えば、本実施形態に係るゲームは、複数のユーザのそれぞれが操作するキャラクタ(以下、「プレイヤキャラクタ」ともいう)が敵キャラクタと戦闘しながらゲームを進行させるアクションゲームである。キャラクタとは、ゲームに登場する人物、動物、物体(例えば、乗り物)などである。例えば、本実施形態においてユーザが操作するプレイヤキャラクタは、ゲームをプレイするユーザの操作対象となる戦士(人物)である。一人のユーザが操作するプレイヤキャラクタは、1体であってもよいし、組(パーティ)の形態をとった2体以上であってもよい。2体以上の場合には、いずれか1体に切り替えながらプレイを行うことができる。本実施形態では、ユーザ毎に操作されるプレイヤキャラクタは、ユーザ毎にそれぞれ1体であるものとして説明する。
【0011】
プレイヤキャラクタには、能力を示す指標として、HP(Hit Point)、MP(Magic Point)、攻撃力、防御力、などのようなユーザのプレイ内容に影響するパラメータが関連付けられている。HPは、体力や生命力を示す値であり、ゲームの継続の可否を判定するためのポイントとなるパラメータである。このHPは、敵からの攻撃により減少し、所定値以下(例えば、「0」)になるとゲームの継続が不可となる。MPは、プレイヤキャラクタが特殊能力や特殊武器などを使用する際に消費する値である。攻撃力及び防御力のそれぞれは、プレイヤキャラクタの攻撃に関する能力及び防御に関する能力を示す値である。攻撃力は、攻撃対象へのダメージの大きさを示すパラメータであり、攻撃対象となる敵キャラクタのHPの減少量に関係する。防御力は、敵キャラクタから攻撃を受けた際のダメージに対する耐性を示すパラメータであり、HPの減少量の低減に関係する。
【0012】
例えば、本実施形態に係るゲームは、複数のステージを順に攻略することで進行する。各ステージは、ステージ毎に存在する敵キャラクタを討伐すること、或いは特定の敵キャラクタ(敵のボスキャラクタ等)を討伐することでクリアし、次のステージへと進むことができる。また、ユーザにはゲームをプレイする上で利用可能な各種のゲーム要素が付与される。ゲーム要素には、ユーザがゲームをプレイした結果等によって付与されるものと、プレイ結果に基づかずに付与されるものとがある。例えば、ユーザがゲームをプレイした結果等によって付与されるゲーム内要素として、ユーザが各ステージをクリアすると、ゲーム内で利用可能なポイントやアイテムが付与される。アイテムには、例えば、プレイヤキャラクタに装備可能な武器や防具、或いはプレイヤキャラクタのHPを回復させる回復薬等がある。武器や防具は、プレイヤキャラクタに装備することで、プレイヤキャラクタの攻撃力や防御力をアップさせることができ、戦闘力をアップさせることができる。また、上述したステージをクリアすること以外にも、特定のイベントをクリアすること、アイテムの抽選権利が得られた場合にその抽選を行うこと、敵を倒すこと、プレイヤキャラクタの移動中に拾うこと、他のプレイヤキャラクタから貰うこと、他のプレイヤキャラクタのアイテムと交換すること等によって付与されてもよい。一方、プレイ結果に基づかずに付与されるゲーム内要素としては、全ユーザに対して所定の条件(○周年記念等)で一律に付与されるもの(ポイントやアイテム等)、或いは他ユーザからプレゼントとして付与されるもの(ポイントやアイテム等)等がある。
【0013】
また、各ユーザは、各ユーザ自身が操作するプレイヤキャラクタ単独でゲームを進行させることができるが、他のユーザが操作するプレイヤキャラクタと協力してゲームを進行させることもできる。複数のユーザで協力してゲームを進行させるチームプレイでは、1つのチーム対敵キャラクタの戦闘であってもよいし、複数のチーム対敵キャラクタの戦闘であってもよいし、複数のチーム同士による対戦であってもよい。
【0014】
ユーザは、ゲームを開始する際に、初めにプレイヤキャラクタの選択画面において、自身が操作するプレイヤキャラクタを選択する。ユーザがプレイヤキャラクタを選択すると、ホーム画面に遷移する。ホーム画面は、ゲームのプレイを開始するための起点となる画面であり、ユーザが選択したプレイヤキャラクタなどが表示される。
【0015】
図1は、本実施形態に係るホーム画面の一例を示す図である。図示するホーム画面G10には、これから戦闘に出発するプレイヤキャラクタPが表示されている。このプレイヤキャラクタPは、ユーザの操作に応じて活動を行う。活動とは、プレイヤキャラクタPの行為全般であり、移動や動き等の総称である。動きとは、攻撃、防御、フィールド内に存在するオブジェクトに対する行為(拾う、捨てる、開ける、閉める等)等に伴う動作(モーション)である。オブジェクトとは、例えば、フィールド内に設置されている扉や仕掛け、アイテム、或いは図示する宝箱TR等である。宝箱TRは、ユーザが取得可能な報酬が設定されるオブジェクトの一例であり、宝箱を示すアイコンで表示される。例えば、宝箱TRには、定期的(例えば、1時間毎)に報酬が設定され、ユーザの操作に基づいて、その報酬がユーザに付与される。ユーザの操作は、例えば、宝箱TRへのタップ操作であったり、プレイヤキャラクタPを宝箱TRの近傍に移動させて宝箱TRに触れさせる操作であってもよい。報酬は、例えばゲームのプレイで利用可能なアイテム等である。例えば、ユーザは、ゲームを開始する際に、宝箱TRに報酬が設定されている場合、その報酬を取得してから戦闘へ出発することができ、それによりプレイへの期待を膨らませることができる。
【0016】
〔宝箱について〕
次に、上述した宝箱について、詳しく説明する。宝箱に設定される報酬は、ユーザが取得可能な報酬の取得権利として設定される。この取得権利は、ユーザに付与された後、ポイントや、ゲーム内通貨、或いは時間等の対価をさらには必要とせず報酬を取得できる権利である。即ち、宝箱に報酬が設定されることにより、その報酬の取得権利がユーザに付与され、ユーザは、その報酬を受取ることも、受取らずに蓄積させておくこともできる。同じ報酬を複数回受取ることはできない。例えば、ユーザは、宝箱に報酬が設定される度に受取ることもできるし、1回目及び2回目の報酬を受取らずに蓄積しておき、3回目の報酬の取得権利が付与された後に3回分(例えば、3時間分)の報酬を一度に受取ることも可能である。但し、蓄積される回数(個数)には上限があり、上限に達すると蓄積されなくなる。或いは、上限に達すると、古いものから順に消去されて新しいものに上書きされてもよい。
【0017】
〔宝箱のレベル及びランク〕
宝箱には、報酬の価値に関するレベル及びランクといった等級が、宝箱の成長要素としてユーザ毎に個別に設定されている。宝箱の成長とは、宝箱のレベル及びランクを上げることをいう。宝箱を成長させることによりレベル及びランクが変化し、これにより報酬内容や報酬付与条件等が変化する。このレベル及びランクは同じ成長軸のパラメータである。レベルを上げる(レベルアップ)ことによって所定のレベルを超えるとランクが一つ上がり(ランクアップ)、ランクが一つ上がるとレベルが初期値に戻り、またレベルを上げてゆくことになる。
【0018】
レベルが上がると報酬付与条件等が変化する。例えば、レベルが上がることによって以下のように報酬付与条件が変化する。
・宝箱に設定される報酬の蓄積可能な上限数が増加する。
・報酬が宝箱に設定される時間間隔(設定時間間隔)が短くなる。
つまり、レベルが上がることにより報酬の取得権利がユーザに付与されやすくなるという効果がある。
【0019】
一方、ランクが上がると報酬内容等が変化する。報酬内容は、レベルまたはランクに対応して予め設定されている報酬(アイテム等)の中から抽選によってランダムに決定される。1回の報酬は一つの場合もあれば、複数の場合もあってもよい。例えば、ランクが上がることによって以下のように報酬内容が変化する。
・抽選される報酬(例えば、アイテム)が良いもの(例えば、より価値の高いもの)に変更される)。即ち、抽選対象となる報酬の内容が高価なものになる。
・抽選対象のうちの高価なアイテムの抽選確率が上がる。即ち、高価なアイテムが抽選される確率が上がる。
つまり、ランクが上がることにより報酬の内容が良くなるという効果がある。
【0020】
なお、ランクが上がることによって報酬内容が良くなることがユーザに分かりやすいように、ランクが高いほど、表示される宝箱の見た目が豪華な表示態様に変化してもよい。図2は、本実施形態に係る宝箱の表示例を示す図である。図示する例では、ランクがブロンズ(ランク1)、シルバー(ランク2)、ゴールド(ランク3)、プラチナ(ランク4)の順に上がる場合(ランク4が最も高く、ランク1が最も低い場合)の各ランクの宝箱の表示例を示している。宝箱TR1がブロンズ(ランク1)、宝箱TR2がシルバー(ランク2)、宝箱TR3がゴールド(ランク3)、宝箱TR4がプラチナ(ランク4)の場合のそれぞれの表示例であり、ランクが高いほど、宝箱が豪華に見えるような表示態様に変化している。
【0021】
〔宝箱の成長方法〕
宝箱はゲーム内のゲーム内要素(例えば、ポイントやアイテム)を消費することによって成長(レベルアップ)する。また、宝箱は、これ以外に、料金を支払うこと等によって得られるゲーム内通貨を消費することによっても成長(レベルアップ)可能であってもよい。レベルアップに必要なポイントやアイテムは、その時点のランク及びレベルによって異なるが、レベルやランクが上がるほど、より多くのポイント、或いは、より高価なアイテムが必要になる。
【0022】
なお、本実施形態では、宝箱のレベル及びランクは上がるのみで下がる要因は無いが、これに限られるものではなく、宝箱のレベル及びランクが下がることもある仕様としてもよい。例えば、ユーザがゲームを予め設定された時間以上プレイしていない場合(即ち、ほとんどプレイしていない場合)、宝箱のレベル及びランクが下がる仕様としてもよい。
【0023】
〔宝箱の成長上限〕
また、宝箱には成長の上限が設定されている。具体的には、宝箱にはランクの最大値(MAXランク)とレベルの最大値(MAXレベル)とが、各ユーザ共通の上限として設定されている。上限(MAXランクにおけるMAXレベル)に到達すると、それ以上は宝箱を成長させることができなくなる。例えば、上限に達すると宝箱を成長させるためのポイントやアイテムの消費ができなくなる。或いは、上限に達すると宝箱を成長させるためのポイントやアイテムを消費しても成長しなくなる。この上限は、ユーザ毎に個別ではなく、ユーザ共通の上限、即ち、他のユーザと共通の上限となる。なお、この上限はゲームの運営等の進行によって変更(例えば、段階的に解放)されてもよい。
【0024】
また、上述したユーザ共通の宝箱の成長の上限(ランク及びレベルの上限値)とは別に、ユーザ毎に個別の成長の上限が設定されてもよい。例えば、各ユーザには、ゲームをプレイすることに応じて値が変化する(例えば、値が上がる)パラメータとして、レベル(ユーザレベル)が設定されており、クリアしたステージ等で付与される経験値によって、そのレベルが上がる。このユーザ毎のユーザレベルによっても宝箱のランク及びレベルの上限値が設定されている。このユーザ毎の宝箱のランク及びレベルの上限値は、上述したユーザ共通の宝箱のランク及びレベルの上限値以下に設定されている。換言すると、ユーザ共通の宝箱のランク及びレベルの上限値は、ユーザ毎の宝箱のランク及びレベルの上限値以上に設定されている。これにより、ユーザレベルの低いプレイ経験の少ないユーザに対して必要以上の高価な報酬を付与することを防ぐことができる。
【0025】
〔宝箱情報画面〕
次に、宝箱の設定情報が表示される宝箱情報画面について説明する。図1に示すホーム画面G10に表示される宝箱TRにユーザがタップ操作をすると、宝箱情報画面に遷移する。図3は、本実施形態に係る宝箱情報画面の一例を示す図である。図示する宝箱情報画面G20において、左上に現在の宝箱のランクを示す宝箱ランク画像K20(ここでは、ゴールド(ランク4)の画像)が表示されている。宝箱ランク画像K20の右側には、現在の宝箱のランク(ここでは、「現在の宝箱のランク:ゴールド」)及びレベル(ここでは、「現在の宝箱のレベル:5」)についてのテキスト情報が表示されている。また、その下には「次のレベルアップに必要なもの」として、ポイントの消費量(ここでは、「110,000pt」)及びアイテムの種類と数(ここでは、「○○のマテリアル 3個」)についてのテキスト情報が表示されている。
【0026】
また、宝箱ランク画像K20の下には、設定された報酬の現在の蓄積数(ここでは、「現在の蓄積数:2」)についてのテキスト情報が表示されており、現在2個の報酬が受取り可能であることを示している。現在の蓄積数の下には、次の報酬が設定されるまでの時間(ここでは、「次の報酬までの時間:33分」)についてのテキスト情報が表示されている。
【0027】
また、「次の報酬までの時間」の下には、報酬の蓄積状況等を示す画像が表示されている。ここでは、宝箱に報酬が設定される報酬枠が全部で5個あるが、現在はそのうちの3個が解放されており、残りの2個が未解放である例(即ち、現在の蓄積上限数は3個)を示している。5個の報酬枠(報酬枠1~5)についての報酬の蓄積状況を示す画像として、報酬枠画像K21~K25が表示されている。報酬枠画像K21、K22は、蓋の閉まっている宝箱の画像であり、受取り可能な報酬が設定されている(即ち、報酬の取得権利が付与されている)ことを示している。なお、価値の高い良い報酬が設定されている場合には、宝箱の色を通常の色とは異なる色に変更してもよい。例えば、通常の宝箱の色は赤色を基本とした色とし、価値の高い良い報酬が設定された宝箱の色は金色を基本とした色としてもよい。
【0028】
報酬枠画像K23は、蓋が空いている空の宝箱の画像であり、その宝箱には報酬が設定されていないことを示している。要するに、報酬枠画像K23は、まだ報酬が未設定であり、ユーザが報酬を受取ることができないことを示している。なお、この報酬枠は、あと33分すると報酬が設定され(即ち、報酬の取得権利が付与され)、報酬の受取りが可能となる。
【0029】
報酬枠画像K24、K25は、「×」印のある宝箱の画像であり、報酬枠が未解放であることを示している。つまり、この報酬枠画像K24、K25は、時間が経過しても報酬が設定されない報酬枠が2枠あることを示している。この報酬枠は、ユーザのレベルアップと共に解放されることになる。解放されると「×」印が表示されなくなり、報酬が設定されていない状態では蓋が空いている空の宝箱の画像(報酬枠画像K23と同様)となり、報酬が設定されると蓋の閉まっている宝箱の画像(報酬枠画像K21、K22と同様)となる。つまり、現在の報酬の蓄積上限数は3個であるが、ユーザレベルのアップと共に最大で5個まで増加し、最大で5個の報酬を蓄積可能となる。
【0030】
また、宝箱情報画面G20の下部には、宝箱を成長させるための操作子としてのレベルアップボタンB21(「レベルアップする」)と、報酬を受取るための操作子としての報酬受取ボタンB22(「報酬を受取る」)とが表示されている。レベルアップボタンB21がユーザの操作(例えば、タップ操作)により選択されると、宝箱をレベルアップさせるために必要なポイントの消費とアイテムの消費とをユーザに確認する確認画面に遷移し、その後ユーザが宝箱のレベルアップの実行を選択し、且つ、レベルアップに必要なポイント及びアイテム(例えば、素材)を所持していれば、宝箱のレベルアップが実行される。一方、報酬受取ボタンB22がユーザの操作(例えば、タップ操作)により選択されると、現在受取り可能な2つの報酬(蓄積されている報酬)がユーザに付与される。
【0031】
なお、本例では、報酬受取ボタンB22への1回の操作によって、現在受取り可能な報酬(蓄積されている報酬)の全てがユーザに付与される例を説明したが、受取り可能な報酬(蓄積されている報酬)の中からユーザが取得したい報酬を選択可能であって、選択された報酬のみが付与されるようにしてもよい。
【0032】
また、宝箱に蓄積されている報酬は、上述の宝箱情報画面G20からではなくホーム画面G10の宝箱TRへの操作(例えば、タップ操作)に応じてユーザに付与されてもよい。その場合、報酬がユーザに付与された際に、その報酬内容が確認できる画面が表示されてもよい。
【0033】
〔システム構成〕
次に、本実施形態に係るゲームシステム1のシステム構成について説明する。図4は、本実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示すブロック図である。ゲームシステム1は、ゲーム機10-1と、ゲーム機10-2と、ゲーム機10-3、・・・と、ゲームサーバ30とのコンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置はネットワークNWを介して接続される。ゲーム機10-1と、ゲーム機10-2と、ゲーム機10-3とは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、「-1」、「-2」等の記載を省略してゲーム機10として説明する。ここでは3台のゲーム機10を図示しているが、任意の台数のゲーム機10がゲームサーバ30に接続されてもよい。
【0034】
ゲームサーバ30は、ゲーム機10においてプレイ可能なゲームを提供するサーバ装置(ゲーム装置の一例)である。例えば、ゲームサーバ30は、ゲーム機10においてプレイ可能なゲームの制御プログラム(ゲーム制御プログラム)を、ゲーム機10からダウンロード可能に提供する。また、ゲームサーバ30は、ゲーム機10においてプレイされるゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶するとともに、必要に応じてゲーム機10に送信する。また、ゲームサーバ30は、ゲーム機10においてプレイされるゲームの処理のうち、サーバ側で実行する必要がある処理を実行する。なお、ゲーム機10がダウンロードするゲーム制御プログラムは、ゲームサーバ30に限らず、他のダウンロード可能なサーバ装置に記憶されていてもよい。また、ゲーム制御プログラムは、DVD-ROM、CD-ROM、メモリカード等の記憶媒体によってゲーム機10に提供されてもよい。
【0035】
ゲーム機10は、ゲームサーバ30から提供されるゲーム制御プログラムを実行する。例えば、ゲーム機10は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、家庭用の据え置き型ゲーム機、携帯型ゲーム機、ゲームセンター等に設置されているアーケードゲーム機、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等が適用できる。本実施形態では、ゲーム機10は携帯型ゲーム機であるとして説明する。
【0036】
ネットワークNWは、例えば、インターネットや、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、VPN(Virtual Private Network)網、専用通信回線網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network;公衆交換電話網)など、またはこれらの組み合わせによって構成される通信ネットワークである。
【0037】
図5は、本実施形態に係るゲーム機10のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲーム機10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11と、通信部12と、入力部13と、表示部14と、記憶部15とを備え、ネットワークNWを介して接続されたゲームサーバ30や他の装置等と通信部12を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU11は、記憶部15に記憶された各種プログラムを実行し、ゲーム機10の各部を制御する。
【0038】
通信部12は、CPU11による制御に基づいて、ネットワークNWを介してゲームサーバ30や他の装置等と通信を行う。
入力部13は、ユーザの操作が入力される複数の操作ボタンを含んで構成されており、入力された操作情報をCPU11へ出力する。また、入力部13は、ディスプレイと一体に構成されたタッチパネルも含んで構成されており、入力された操作情報をCPU11へ出力する。なお、入力部13は、複数の操作ボタンが設けられたコントローラ、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置であってもよい。
表示部14は、画像やテキスト等の情報を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成される。例えば、表示部14には、ゲーム画像等が表示される。
【0039】
記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、ゲーム機10が処理する各種情報や画像、プログラム(ゲーム制御プログラムを含む)等を記憶する。なお、記憶部15は、ゲーム機10に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、ゲーム機10は、不図示のスピーカ、音声出力端子、カメラ、ジャイロセンサ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
【0040】
図6は、本実施形態に係るゲームサーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。ゲームサーバ30は、例えば、CPU31と、通信部32と、入力部33と、記憶部35とを備え、ネットワークNWを介して接続された複数のゲーム機10や他の装置等と通信部32を介して通信を行う。これらの構成要素は、バス(Bus)を介して相互に通信可能に接続されている。CPU31は、ゲーム機10においてプレイされるゲームの処理のうち、サーバ側で実行する必要がある処理を実行し、複数のゲーム機10でプレイ可能なゲームを提供する。
【0041】
通信部32は、CPU31による制御に基づいて、ネットワークNWを介して複数のゲーム機10や他の装置と通信を行う。
入力部33は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッドや、音声により各種の指示が入力されるマイクロホンなど、その他の入力装置である。
【0042】
記憶部35は、例えば、HDD、EEPROM、RAMなどを含み、ゲーム制御プログラム、アプリケーションプログラム、ゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶する。なお、記憶部35は、ゲームサーバ30に内蔵されるものに限らず、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。また、記憶部35は、ゲームサーバ30とは物理的に離れた外部の記憶装置であってもよく、ゲームサーバ30とネットワークNWを介して接続されてもよい。また、ゲームサーバ30は、不図示の表示部、スピーカ、音声出力端子などのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
【0043】
〔機能構成〕
次に、図7を参照して、ゲームシステム1が備えるゲーム機10及びゲームサーバ30の機能構成について説明する。図7は、本実施形態に係るゲームシステム1が備えるゲーム機10及びゲームサーバ30の構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
〔ゲーム機10の機能構成〕
まず、ゲーム機10の構成について説明する。
ゲーム機10は、記憶部15に記憶されているゲーム制御プログラムをCPU11が実行することにより実現される機能構成として、ゲーム制御部110を備えている。ゲーム制御部110は、ゲームのプレイ処理を制御する。例えば、ゲーム制御部110は、サーバ制御情報取得部111と、キャラクタ制御部112と、対戦制御部113と、プレイ情報通知部114と、表示制御部115とを備えている。
【0045】
サーバ制御情報取得部111は、ゲーム処理に関するデータをゲームサーバ30から通信部12を介して取得する。例えば、サーバ制御情報取得部111は、ユーザが選択可能なプレイヤキャラクタに関するデータ、該プレイヤキャラクタに装備可能に所持しているアイテムに関するデータ等をゲームサーバ30から取得する。また、サーバ制御情報取得部111は、ゲームサーバ30によって実行されたゲーム処理の処理結果に基づくデータ、及び他のゲーム機10で実行されたゲーム処理の処理結果に基づくデータを、ゲームサーバ30から取得する。例えば、サーバ制御情報取得部111は、宝箱に関する情報(宝箱のランク及びレベルに関する情報、報酬の設定情報や蓄積情報等といった宝箱の設定情報)及びユーザが取得した報酬に関する情報等をゲームサーバ30から取得する。
【0046】
キャラクタ制御部112は、入力部13に対するユーザの操作に基づいて、フィールド内でのプレイヤキャラクタの活動(移動や動き等)を制御する。また、キャラクタ制御部112は、対戦プレイにおいて、攻撃したり攻撃されたりすることに応じて、HP及びMPの値を変更する。また、キャラクタ制御部112は、プレイヤキャラクタの制御情報(位置情報や、ユーザレベル、HP及びMPの値など)を、通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。
【0047】
対戦制御部113は、対戦プレイにおける対戦ルールの適用、攻撃による当たり判定、当たり判定結果に基づくダメージ量やダメージの種類の決定などを行う。例えば、対戦制御部113は、キャラクタ制御部112により制御されるプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの対戦において、対戦相手となる敵キャラクタの制御を行う。例えば、敵キャラクタは、対戦制御部113が制御するNPC(ノンプレイヤキャラクタ)である。
【0048】
また、対戦制御部113は、プレイヤキャラクタから敵キャラクタへの攻撃の当たり判定の判定結果またはダメージ量やダメージの種類に基づいて、敵キャラクタのHPの値を変更する。一方、対戦制御部113は、敵キャラクタからプレイヤキャラクタへの攻撃の当たり判定の判定結果またはダメージ量やダメージの種類を示す情報を、キャラクタ制御部112に出力する。キャラクタ制御部112は、この当たり判定の判定結果またはダメージ量やダメージの種類を示す情報に基づいて、プレイヤキャラクタのHPの値を変更する。対戦制御部113は、プレイヤキャラクタと敵キャラクタとのいずれかのHPが「0」になると対戦を終了し、勝敗を判定する。
【0049】
なお、敵キャラクタがゲームサーバ30により制御されるNPCである場合には、対戦制御部113は、プレイヤキャラクタから敵キャラクタへの攻撃の当たり判定の判定結果またはダメージ量やダメージの種類を示す情報を通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。そして、ゲームサーバ30は、この当たり判定の判定結果またはダメージ量やダメージの種類を示す情報に基づいて、敵キャラクタのHPの値を変更する。
【0050】
プレイ情報通知部114は、ゲーム機10でユーザがプレイした内容を通信部12を介してゲームサーバ30へ送信する。例えば、プレイ情報通知部114は、対戦プレイの結果、宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)における操作内容(宝箱のレベルアップ操作や報酬の受取り操作等の操作内容)を、ゲームサーバ30へ送信する。
【0051】
表示制御部115は、ゲーム画面として表示させるゲーム画像を生成して、表示部14に表示させる。例えば、表示制御部115は、キャラクタ制御部112による制御結果、及び対戦制御部113による制御結果、またはゲームサーバ30から取得したゲーム処理に基づくデータ等に基づいて、ホーム画面(図1のホーム画面G10参照)、宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)、対戦プレイ画面等に表示させるゲーム画像を生成する。
【0052】
〔ゲームサーバ30の機能構成〕
次に、ゲームサーバ30の構成について説明する。
ゲームサーバ30は、記憶部35に記憶されているプログラムをCPU31が実行することにより実現される機能構成として、サーバ制御部310を備えている。例えば、サーバ制御部310は、記憶部35に記憶されているゲームに関するデータ(例えば、キャラクタ及びアイテムに関するデータ)を、通信部32を介してゲーム機10へ送信する。また、サーバ制御部310は、各ゲーム機10でプレイするユーザ毎の宝箱に関する制御を行い、制御情報を通信部32を介して各ゲーム機10へ送信する。以下、ゲームサーバ30の構成について詳しく説明する。
【0053】
まず、ゲームサーバ30の記憶部35に記憶されているデータについて説明する。例えば、記憶部35は、ユーザデータ記憶部351と、キャラクタデータ記憶部352と、アイテムデータ記憶部353と、所持データ記憶部354と、宝箱定義データ記憶部355と、宝箱設定データ記憶部356とを備えている。
【0054】
ユーザデータ記憶部351には、ゲームをプレイするユーザ(プレイヤ)に関するユーザデータが記憶される。ユーザデータには、ユーザID、ユーザ名、ユーザレベル、HP、MP、ポイント、プレイヤキャラクタデータ、装備アイテム等が関連付けられている。ユーザIDは、ユーザを識別するための識別情報である。ユーザ名は、ゲーム内で表示されるユーザの名称である。ユーザレベルは、ユーザのプレイによるゲーム進行度合いに応じて増加する値である。HP及びMPには、ユーザが操作するプレイヤキャラクタのHP及びMPの値が格納される。ポイントは、前述したようにユーザがゲームをプレイした結果(ステージや特定のイベントのクリアや抽選結果)等によって付与されるものであり、例えば、宝箱をレベルアップするために利用できる。プレイヤキャラクタデータには、ユーザが選択したプレイヤキャラクタのキャラクタIDと、そのプレイヤキャラクタの攻撃力及び防御力などのキャラクタパラメータが格納される。装備アイテムには、ユーザが設定した装備アイテムを示す情報(例えば、アイテムID)が関連付けられる。これらのデータは、ゲーム機10の記憶部15にも記憶されている。
【0055】
キャラクタデータ記憶部352には、ユーザがプレイヤキャラクタとして選択可能なキャラクタデータや、ユーザが操作するプレイヤキャラクタの対戦相手となる敵キャラクタに関するキャラクタデータが記憶されている。キャラクタデータには、キャラクタID、キャラクタ名、属性、特性、キャラクタパラメータなどが関連付けられている。キャラクタIDは、キャラクタの識別情報である。キャラクタ名は、キャラクタの名称である。属性には、「火」、「水」、「木」、「闇」、「聖」などがあり、各キャラクタにはいずれかの属性が設定されている。「火」、「水」、「木」は、互いに優劣関係にある。例えば、「火」の属性より「水」の属性の方が優位であり、「水」の属性より「木」の属性の方が優位であり、「木」の属性より「火」の属性の方が優位である。なお、「闇」及び「聖」は、特別な能力を有する攻撃や防御を示す情報である。特性は、前述したように各キャラクタ個々の能力の特徴を示すものであり、「攻撃力が高い」、「回復スキルを持っている」、「投てき武器により高い場所が攻撃可能」、「特定の属性のキャラクタに大ダメージを与えられる」、「移動速度が早い」、「遠方の敵を攻撃可能」、「広範囲にダメージを与えることが可能」等である。キャラクタパラメータは、キャラクタの攻撃力及び防御力などである。
【0056】
アイテムデータ記憶部353には、プレイヤキャラクタに装備可能なアイテムに関するアイテムデータが記憶される。アイテムデータには、アイテムID、アイテム名、カテゴリ、属性、及びアイテムパラメータが関連付けられている。アイテムIDは、アイテムの識別情報である。アイテム名は、アイテムの名称である。カテゴリには、各アイテムのカテゴリ(例えば、「武器」、「防具」、「特殊武器」のいずれか)が格納される。属性には、各アイテムに設定されている属性(「火」、「水」、「木」、「闇」、「聖」のいずれか)が格納される。アイテムパラメータには、各アイテムの攻撃力、防御力、HP、MPなどの値が設定されており、アイテムを装備することでプレイヤキャラクタの攻撃力、防御力、HP、MPなどが強化(値が上昇)される。なお、アイテムには、特定のキャラクタにのみ装備可能な専用アイテムがあってもよく、専用アイテムを示す情報もアイテムデータに含まれてもよい。
【0057】
所持データ記憶部354には、ユーザが所持しているアイテムの所持データが記憶される。例えば、所持データには、ユーザが抽選で取得したアイテム、ステージや特定のイベントをクリアすることで取得したアイテム等に関するデータ(例えば、アイテムID)が、ユーザIDと関連付けられて格納される。ユーザは、この所持データに格納されているアイテムの中から、プレイヤキャラクタに装備するアイテムを選択することができる。また、ユーザは、この所持データに格納されているアイテムの中から、宝箱をレベルアップさせるためのアイテムを選択することができる。
【0058】
宝箱定義データ記憶部355には、宝箱の報酬内容及び報酬付与条件が定義されている定義情報が記憶される。図8は、宝箱定義データ記憶部355に記憶される宝箱定義テーブルTBL355のデータ例を示す図である。図示する宝箱定義テーブルTBL355には、宝箱の定義情報として、宝箱ランク、宝箱レベル、報酬内容、次のレベルアップに必要なもの、蓄積枠数、及び蓄積時間が関連付けられている。宝箱ランクは、宝箱のランクであり、ブロンズ(ランク1)、シルバー(ランク2)、ゴールド(ランク3)、プラチナ(ランク4)の4つのランクに区分されている。また、各宝箱ランクは、1~10の10個の宝箱レベル(宝箱のレベル)に区分されている。ゲームを初めてプレイする時は、宝箱ランクがブロンズ(ランク1)で宝箱レベルが1であり、宝箱レベルが10まで上がると、その次にレベルアップした時に宝箱ランクがシルバー(ランク2)に上がる。宝箱ランクが上がると宝箱レベルは1となり、また、次のランクアップに向けてレベルを上げていくこととなる。報酬内容は、宝箱ランク毎に定義されている。一方、次のレベルアップに必要なもの、蓄積枠数、及び蓄積時間は、各宝箱ランクにおける宝箱レベル毎に定義されている。
【0059】
報酬内容は、宝箱ランク毎に抽選対象が定義されており、この抽選対象の中から抽選で決定される。宝箱ランクが高くなるほど、価値の高い報酬が抽選対象として定義されている。ここで、価値の高い報酬とは、報酬として付与されるアイテムの価値が高いこと、または報酬として付与されるアイテムの数が多いこと等が含まれる。図示する報酬内容の例では、合成素材、スタミナ回復、及びガチャチケットが設定されている。合成素材は、複数集めて合成することで武器や防具等を作ることができるアイテムであり、「☆1」よりも「☆2」、「☆2」よりも「☆3」の方がそれぞれ価値の高い合成素材であることを示している。スタミナ回復は、HPを回復させる回復薬のアイテムであり、(10pt)、(20pt)、(30pt)、(50pt)のそれぞれは回復させることができる最大量を示している。回復させることができる最大量が多いほど、価値の高いアイテムである。ガチャチケットは、アイテム等の抽選権利であり、「☆1」よりも「☆2」、「☆2」よりも「☆3」の方がそれぞれ価値の高いアイテムの抽選権利であることを示している。
【0060】
また、次のレベルアップに必要なものは、宝箱のレベルアップの条件の定義であり、宝箱ランクが高くなるほど、多くのものが必要となるように定義されている。例えば、宝箱ランクがブロンズ(ランク1)の場合にはレベルアップに必要なものはポイントのみであるが、シルバー(ランク2)以上ではレベルアップに必要なものはポイントとアイテムとなり、ゴールド(ランク3)及びプラチナ(ランク4)ではレベルアップに必要なポイントの消費量やアイテムの数がさらに多くなる。なお、各宝箱ランクにおいてレベルが高くなることによっても、レベルアップに必要なポイントの消費量またはアイテムの数は多くなる。
【0061】
蓄積枠数及び蓄積時間は、宝箱における報酬付与条件を示している。蓄積枠数は、宝箱に蓄積可能な報酬の上限数(蓄積上限数)を示している。例えば、宝箱ランクがブロンズ(ランク1)で宝箱レベル1の場合には蓄積上限数は「3」であるが、宝箱レベル3になると蓄積上限数は「4」になり、宝箱レベル10では蓄積上限数は「5」になる。また、宝箱ランクがシルバー(ランク2)に上がると、宝箱レベル1では蓄積上限数は「3」に戻り、再び宝箱レベルが上がっていくと、蓄積上限数も増加し宝箱レベル10では「5」になる。宝箱ランクがゴールド(ランク3)及びプラチナ(ランク4)に上がった場合も同様に、宝箱レベル1では蓄積上限数は「3」に戻り、再び宝箱レベルが上がっていくと、蓄積上限数が増加し宝箱レベル10では「5」になる。なお、ここでは、いずれの宝箱ランクでも蓄積上限数が最大「5」まで増加する例を示したが、宝箱ランクによって蓄積上限数の最大値が異なってもよい。例えば、宝箱ランクがプラチナ(ランク4)の場合には蓄積上限数が最大で「6」まで増加する等、宝箱ランクが高い場合に蓄積上限数の最大値が高くなってもよい。
【0062】
蓄積時間は、宝箱に報酬が設定される時間間隔(設定時間間隔)を示している。例えば、宝箱ランクがブロンズ(ランク1)で宝箱レベル1の場合には蓄積時間は「60分」であるが、宝箱レベルが上がるにつれて蓄積時間は減少し宝箱レベル10で「40分」となる。即ち、宝箱レベルが上がるほど、短い時間間隔で報酬が宝箱に設定されるので、報酬が得られやすくなる。また、宝箱ランクがシルバー(ランク2)に上がると、宝箱レベル1では蓄積時間は「60分」に戻り、再び宝箱レベルが上がっていくと、蓄積時間も減少し宝箱レベル10では「40分」になる。宝箱ランクがゴールド(ランク3)及びプラチナ(ランク4)に上がった場合も同様に、宝箱レベル1では蓄積時間は「60分」に戻り、再び宝箱レベルが上がっていくと、蓄積時間も減少し宝箱レベル10では「40分」になる。
【0063】
なお、蓄積枠数及び蓄積時間について、宝箱ランクが上がると初期値(下のランクの宝箱レベル1の値)に一旦戻る例を説明したが、これに限られるものではなく、宝箱ランクが上がっても連続的に変化するようにしてもよい。
【0064】
宝箱設定データ記憶部356には、ユーザ毎の宝箱の設定情報が記憶される。図9は、宝箱設定データ記憶部356に記憶される宝箱設定テーブルTBL356のデータ例を示す図である。図示する宝箱設定テーブルTBL356には、ユーザのユーザIDと、そのユーザの宝箱の設定情報である宝箱ランクと、宝箱レベルと、報酬の取得権利の蓄積状況とが関連付けられている。蓄積状況には、報酬枠1~5のそれぞれの蓄積状況が設定されている。未解放の報酬枠には「0」が設定され、解放されているが何の報酬の取得権利も付与されていない報酬枠には「1」が設定され、受取り可能な報酬の取得権利が付与されている報酬枠には「2」が設定される。なお、「2」が設定されている報酬枠に蓄積されている報酬をユーザが受け取った場合には、その報酬枠の設定は「2」から「1」に変更される。
【0065】
図7に戻り、サーバ制御部310の機能構成について説明する。サーバ制御部310は、端末制御情報取得部311と、報酬権利付与部312と、等級変更部313と、報酬内容決定部314と、報酬付与部315とを備えている。
【0066】
端末制御情報取得部311は、各ゲーム機10で実行されたゲーム処理に基づく各種情報を、通信部32を介して各ゲーム機10から取得する。例えば、端末制御情報取得部311は、プレイヤキャラクタの制御情報(位置情報や、ユーザレベル、HP及びMPの値など)、対戦プレイによる判定結果等を示す情報を、各ゲーム機10から取得する。また、端末制御情報取得部311は、宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)における操作情報(宝箱のレベルアップ操作や報酬の受取り操作等の操作内容を示す情報)を、各ゲーム機10から取得する。
【0067】
報酬権利付与部312は、所定時間の経過に基づいて、ゲームで利用可能な報酬を宝箱に設定することにより、報酬の取得権利をユーザに付与する。例えば、報酬権利付与部312は、ユーザ毎に設定された宝箱設定情報(図9の宝箱設定テーブルTBL356参照)に基づく宝箱ランク及び宝箱レベルに基づいて、宝箱の定義情報として設定されている蓄積時間(図8の宝箱定義テーブルTBL355参照)が経過する度に、ゲームで利用可能な報酬の取得権利を各ユーザのユーザIDに関連付ける。具体的には、報酬権利付与部312は、報酬の取得権利を付与する場合、図9の宝箱設定テーブルTBL356における蓄積状況の報酬枠1~5において、「1」が設定されている報酬枠のうちの一つ(図示する例では報酬枠3)を「2」に変更する。例えば、報酬権利付与部312は、報酬枠1が「1」に設定されている場合には報酬枠1を「2」に、報酬枠1が「2」に設定されていて報酬枠2が「1」に設定されている場合には報酬枠2を「2」に、報酬枠1及び報酬枠2が「2」に設定されていて報酬枠3が「1」に設定されている場合には報酬枠3を「2」に設定する。ユーザのユーザIDに関連付けられた報酬枠に「2」を設定することが、そのユーザに報酬の取得権利を付与することに相当する。
【0068】
なお、報酬権利付与部312は、「1」が設定されている報酬枠がない場合は、その報酬の取得権利の付与を行わない。「1」が設定されている報酬枠がない場合とは、報酬の蓄積数が上限値に達した状態である。即ち、報酬権利付与部312は、所定時間が経過する度に報酬の取得権利をユーザのユーザIDに関連付けるが、関連付けた報酬の取得権利の蓄積数が上限値に達した場合には、上限値を越えないように制御する。
【0069】
報酬付与部315は、報酬権利付与部312により取得権利として付与された報酬(宝箱に設定された報酬)を、ユーザの操作(例えば、図3に示す報酬受取ボタンB22への操作)に基づいてユーザIDに関連付けることにより、ユーザに付与する。例えば、報酬付与部315は、ユーザが受取る操作を行った報酬(例えば、報酬として受取ったアイテムのアイテムID)を、ユーザIDに関連付けて所持データ記憶部354に記憶させる。このとき、報酬権利付与部312は、報酬付与部315によりユーザIDに関連付けた報酬の取得権利を消滅させる。具体的には、報酬権利付与部312は、図9の宝箱設定テーブルTBL356において、ユーザIDに関連付けられた報酬の報酬枠(即ち、ユーザが報酬を受取った報酬枠)の設定を「2」から「1」に変更する。
【0070】
等級変更部313は、ユーザがポイントやアイテム等のゲーム内要素を消費することに基づいて、報酬の価値に関する等級として設定された宝箱のレベル及びランクといった値を変更する。なお、このポイントやアイテム等のゲーム内要素は、ユーザの操作によるプレイ結果に基づいてユーザが取得可能なものである。具体的には、等級変更部313は、宝箱情報画面G20(図3参照)において、レベルアップボタンB21に対してユーザの操作が行われ、且つポイントの消費またはアイテムの消費が行われると、宝箱定義テーブルTBL355(図8参照)を参照して、レベルアップの条件を満たせば、宝箱のレベルアップまたはランクアップを行う。具体的には、等級変更部313は、図9の宝箱設定テーブルTBL356において、ユーザIDに関連付けられた宝箱ランク及び宝箱レベルの設定値を変更することにより、各ユーザの宝箱のレベルアップまたはランクアップを行う。
【0071】
報酬内容決定部314は、報酬権利付与部312により取得権利として付与される(関連付けられる)報酬の内容または報酬付与条件(該関連付けられる条件を示す関連付け条件)を宝箱ランク及び宝箱レベルに基づいて決定する。具体的には、報酬内容決定部314は、宝箱定義テーブルTBL355(図8参照)に定義されている報酬内容、報酬付与条件(蓄積枠数、蓄積時間)等に基づいて、各ユーザの宝箱の宝箱ランク及び宝箱レベルに対応する報酬の内容または報酬付与条件を決定する。
【0072】
例えば、報酬内容決定部314は、宝箱定義テーブルTBL355(図8参照)に定義されている報酬内容の中から抽選で報酬の内容を決定する。抽選タイミングについては、宝箱に報酬の取得権利が設定されるタイミングであってもよいし、ユーザが宝箱情報画面G20(図3参照)に遷移させる操作を行ったタイミングでもよい。また、抽選タイミングは、ユーザが宝箱情報画面G20(図3参照)において報酬受取ボタンB22への操作を行ったタイミングでもよい。
【0073】
〔報酬制御処理の動作〕
次に、ゲームサーバ30のサーバ制御部310が実行する宝箱を用いた報酬制御処理の動作について説明する。まず、図10を参照して、宝箱の成長を制御する宝箱成長制御処理の動作を説明する。図10は、本実施形態に係る宝箱成長制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
サーバ制御部310は、ゲーム機10から取得する操作情報に基づいて、レベルアップボタンB21に対してユーザの操作が行われたか否かを判定する(ステップS100)。レベルアップボタンB21に対してユーザの操作が行われていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、宝箱成長制御処理を終了する。一方、レベルアップボタンB21に対してユーザの操作が行われたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、ゲーム機10から取得する操作情報に基づいて、宝箱をレベルアップさせるためのゲーム内要素(ポイントまたはアイテム等)の消費に関する情報を取得する(ステップS102)。
【0075】
次に、サーバ制御部310は、宝箱をレベルアップさせるためのゲーム内要素の消費に関する情報に基づいて、レベルアップ条件を満たしたか否かを判定する。具体的には、サーバ制御部310は、図8に示す宝箱定義テーブルTBL355を参照して、次のレベルアップに必要なゲーム内要素の消費がされたか否かに基づいて、レベルアップ条件を満たしたか否かを判定する(ステップS104)。レベルアップ条件を満たしていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、宝箱のレベルアップを行わず、ゲーム内要素の消費を無効にして宝箱成長制御処理を終了する。
【0076】
一方、レベルアップ条件を満たしたと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、現在の宝箱のレベルがMAXレベルに設定されているか否かを判定する(ステップS106)。現在の宝箱のレベルがMAXレベルではないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、ゲーム内要素の消費と引き換えに宝箱のレベルを1つ上げて、宝箱成長制御処理を終了する(ステップS108)。一方、現在の宝箱のレベルがMAXレベルであると判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、現在の宝箱のランクがMAXランクに設定されているか否かを判定する(ステップS110)。
【0077】
現在の宝箱のレベルがMAXランクではないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、ゲーム内要素の消費と引き換えに宝箱のランクを1つ上げて(宝箱のレベルは初期値に戻して)、宝箱成長制御処理を終了する(ステップS112)。一方、現在の宝箱のランクがMAXランクであると判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、宝箱のランクアップができないため、ゲーム内要素の消費を無効にして、宝箱成長制御処理を終了する。
【0078】
次に、図11を参照して、宝箱に報酬を設定する報酬設定処理の動作を説明する。図11は、本実施形態に係る報酬設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
サーバ制御部310は、ゲーム機10から取得する操作情報に基づいて、ユーザが最初にゲームのプレイを開始したタイミングに基づいて、計時を開始する(ステップS200)。そして、サーバ制御部310は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS202)。所定時間とは、図8の宝箱定義テーブルTBL355に設定されている宝箱ランク及び宝箱レベルに対応する蓄積時間である。所定時間が経過していないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、継続して計時を行う。一方、所定時間が経過したと判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、宝箱における報酬の蓄積数が上限値に達しているか否かを判定する(ステップS204)。
【0080】
蓄積数が上限値に達していないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、宝箱に報酬を設定することにより、報酬の取得権利をユーザに付与する(ステップS206)。具体的には、サーバ制御部310は、図9の宝箱設定テーブルTBL356において、「1」が設定されている報酬枠のうちの一つ(図示する例では報酬枠3)を「2」に変更する。また、サーバ制御部310は、計時した時間をリセットしてステップS200の処理に戻す(ステップS208)。これにより、サーバ制御部310は、再び所定時間が経過した場合、宝箱に報酬を設定することにより、報酬の取得権利をユーザに付与する。このように、サーバ制御部310は、定期的に報酬の取得権利をユーザに付与する。
【0081】
一方、蓄積数が上限値に達していると判定された場合には(YES)、サーバ制御部310は、宝箱に報酬を設定せずに(報酬の取得権利をユーザに付与せずに)報酬設定処理を終了する。
【0082】
次に、図12を参照して、宝箱に設定された報酬を付与する報酬付与処理の動作を説明する。図12は、本実施形態に係る報酬付与処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
サーバ制御部310は、報酬の取得権利が付与されているか否か(即ち、宝箱に報酬が設定(蓄積)されているか否か)をユーザ毎に判定する(ステップS300)。報酬の取得権利が付与されていると判定された場合(YES)、サーバ制御部310は、そのユーザ用の宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)に表示される報酬受取ボタンB22を有効に設定する(ステップS302)。一方、報酬の取得権利が付与されていないと判定された場合(NO)、サーバ制御部310は、そのユーザ用の宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)に表示される報酬受取ボタンB22を無効に設定する(ステップS304)。そして、サーバ制御部310は、ユーザ毎の報酬受取ボタンB22の有効/無効の設定情報を、それぞれのユーザのゲーム機10へ送信する。これにより、各ユーザのゲーム機10は、報酬受取ボタンB22の有効/無効の設定情報に基づく宝箱情報画面(図3の宝箱情報画面G20参照)に制御することで、宝箱に報酬が設定(蓄積)されている場合のみ報酬受取ボタンB22に対する操作が可能となる。
【0084】
サーバ制御部310は、ゲーム機10から取得する操作情報に基づいて、報酬受取ボタンB22への操作の有無を判定する(ステップS306)。報酬受取ボタンB22への操作がされた場合(YES)、サーバ制御部310は、宝箱に設定(蓄積)されている報酬(取得権利として付与されている報酬)をユーザに付与する。具体的には、サーバ制御部310は、宝箱に設定(蓄積)されている報酬を、ユーザIDに関連付けて所持データ記憶部354に記憶させる(ステップS308)。また、このとき、サーバ制御部310は、宝箱に設定(蓄積)されている報酬(取得権利として付与されている報酬)をユーザに付与したことにより消滅させる。
【0085】
〔実施形態のまとめ〕
以上説明してきたように、本実施形態に係るゲームシステム1において、ゲームサーバ30(ゲーム装置の一例)は、報酬権利付与部312と、等級変更部313と、報酬内容決定部314とを備えている。報酬権利付与部312は、所定時間の経過に基づいて、ユーザを識別するためのユーザID(識別情報の一例)にゲームで利用可能な報酬の取得権利を関連付ける。等級変更部313は、ユーザがゲーム内要素(例えば、ポイントまたはアイテム等)を消費することに基づいて、報酬の等級を変更する。ここで、報酬の等級とは、報酬の価値に関する等級であり、上述した報酬が設定される宝箱のレベル及びランクである。報酬内容決定部314は、報酬権利付与部312により取得権利として関連付けられる報酬の内容または報酬付与条件(該関連付けられる条件を示す関連付け条件)を、宝箱のレベル及びランクに基づいて決定する。
【0086】
これにより、ゲームサーバ30は、ユーザがゲーム内要素(ポイント、アイテム等)を消費することで宝箱を成長させ、より良い報酬または報酬がより付与されやすい報酬付与条件とすることができるので、ゲームをプレイした長さや経験に応じた報酬をユーザに付与することができる。よって、ゲームサーバ30は、より多くのユーザにとって有益な報酬を付与できる。また、これにより、ゲームサーバ30は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0087】
所定時間の経過とは、例えば、図8の宝箱定義テーブルTBL355に設定されている蓄積時間の経過であり、報酬権利付与部312は、ここに設定されている時間が経過する度に、定期的(例えば、1時間毎)に、ユーザのユーザIDに報酬の取得権利を関連付ける。
なお、所定時間の経過に加えてユーザの所定の操作が行われることを条件として、報酬権利付与部312がユーザのユーザIDに報酬の取得権利を関連付けてもよい。例えば、1日に1回ユーザがゲームにログインする操作が行われることを条件として、報酬権利付与部312がユーザのユーザIDに報酬の取得権利を関連付けてもよい(所謂、ログイン報酬であってもよい)。
【0088】
このように、ゲームサーバ30は、定期的に有益な報酬をユーザが取得可能とするため、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0089】
また、ゲームサーバ30は、報酬付与部315を備え、報酬権利付与部312により取得権利として関連付けられた報酬を、ユーザの操作に基づいてユーザのユーザIDに関連付ける。ユーザの操作とは、例えば、図3に示す報酬受取ボタンB22への操作であり、報酬付与部315は、このユーザの操作に基づいて該ユーザに報酬を付与する。なお、複数の報酬の取得権利が蓄積されている場合、1回の報酬受取ボタンへの操作で蓄積されている全ての報酬が付与されてもよいし、ユーザが取得したい報酬を選択可能であって、選択された報酬のみが付与されるようにしてもよい。
【0090】
これにより、ゲームサーバ30は、ユーザの意思によって報酬を受取るか否かを選択できるため、ユーザにとって有益な報酬を適したタイミングで付与できる。また、ゲームサーバ30は、ユーザの操作を条件として報酬を付与することで、ユーザに対してゲームへのログインの動機を意識付けすることができる。
【0091】
また、報酬権利付与部312は、報酬付与部315によりユーザのユーザID(識別情報の一例)に関連付けた報酬の取得権利を消滅させる。これにより、ゲームサーバ30は、同じ報酬をユーザが何度も繰り返し受取ることができないため、ユーザに報酬を付与しすぎないようにすることができる。
【0092】
また、上記ゲーム内要素は、ユーザの操作によるプレイ結果に基づいて該ユーザが取得可能である。これにより、ゲームサーバ30は、ユーザのプレイ結果に基づいて取得したゲーム内要素(例えば、ポイント、アイテム等)を利用することで宝箱を成長させ、より良い報酬または報酬がより付与されやすい報酬付与条件とすることができるので、ゲームをプレイした長さや経験に応じた報酬をユーザに付与することができる。
【0093】
なお、ゲーム内要素とは、上述したように、ユーザのプレイ結果に基づいて取得可能なポイントやアイテム(例えば武器や防具、或いは、それらの生成に必要な素材や部品)等である。例えば、ユーザは、所持しているアイテムのうち不要なアイテムを利用して、宝箱を成長させ、より良い報酬を早く取得できるようにすることができる。不要なアイテムとは、例えば、使い古して現在は使用しなくなったアイテム、同じアイテムをたくさん所持しているため余っているアイテム、より良いアイテムを取得したことにより使用しなくなったアイテム等である。なお、ゲーム内要素とは、料金を支払うこと等によって得られるゲーム内通貨であってもよい。
【0094】
また、報酬権利付与部312は、所定時間が経過する度に報酬の取得権利をユーザのユーザID(識別情報の一例)に関連付け、関連付けた報酬の取得権利の数が上限値に達した場合、上限値を越えないように制御する。例えば、報酬権利付与部312は、関連付けた報酬の取得権利の数が上限値に達した場合、その後、所定時間が経過しても報酬の取得権利をユーザのユーザIDに関連付けない。ユーザが報酬を受取ることによって報酬の取得権利の数が上限値ではなくなった場合には、報酬権利付与部312は、所定時間が経過すると、再び報酬の取得権利をユーザのユーザIDに関連付ける。
【0095】
このように、ゲームサーバ30は、無制限に報酬の取得権利を与えるのではなく上限を設けているため、ユーザがプレイせずに報酬を受取らないでいると、良い報酬を受取る機会を損失してしまう可能性がある。よって、ゲームサーバ30は、ユーザがゲームをプレイする動機付けを与えることができ、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0096】
なお、報酬権利付与部312は、関連付けた報酬の取得権利の数が上限値に達した場合、その後、所定時間が経過する度に、最も過去に関連付けた報酬の取得権利(古いもの)から順に消滅させるのと引き換えに、新たな報酬の取得権利をユーザのユーザIDに関連付けることにより、報酬の取得権利の数が上限値を超えないように制御してもよい。この場合、ユーザがプレイせずに報酬を受取らないでいると、古いものから順に報酬の取得権利が消滅してしまうため、良い報酬を受取る機会を損失してしまう可能性がある。よって、ゲームサーバ30は、ユーザがゲームをプレイする動機付けを与えることができ、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0097】
なお、上記の報酬付与条件(関連付け条件の一例)は、報酬の取得権利の数の上限値に関する条件であってもよい。これにより、ゲームサーバ30は、ユーザがゲーム内要素(ポイント、アイテム等)を消費することで宝箱を成長させ、より多くの報酬の取得権利を蓄積できるようになるため、ゲームをプレイした長さや経験が多いユーザにより多くの報酬を受取る機会を与えることができる。つまり、ベテランユーザにはより多くの報酬が付与されることとなるため、ゲームサーバ30は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0098】
また、上記の報酬付与条件(関連付け条件の一例)は、上記所定時間に関する条件であってもよい。これにより、ゲームサーバ30は、ユーザがゲーム内要素(例えば、ポイント、アイテム等)を消費することで宝箱を成長させ、より短い時間間隔で報酬の取得権利を蓄積できるようになるため、ゲームをプレイした長さや経験が多いユーザにより多くの報酬を受取る機会を与えることができる。つまり、ベテランユーザにはより多くの報酬が付与されることとなるため、ゲームサーバ30は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0099】
また、宝箱のレベル及びランク(報酬の等級の一例)には、ユーザ毎に上限が設定されている。例えば、ユーザ毎の上限は、各ユーザのユーザレベルに応じて定められている。これにより、ゲームサーバ30は、プレイ経験の少ないユーザに対して、必要以上に高価な報酬を与えないようにすることができる。
【0100】
また、宝箱のレベル及びランク(報酬の等級の一例)には、ユーザとは異なる他のユーザとで共通の上限が設定されており、このユーザ共通の上限は、ユーザ毎に設定されている上限以上の等級である。これにより、ゲームサーバ30は、ユーザのプレイ経験が増えることによりユーザ共通の上限まで宝箱を成長させることができるようにすることで、ユーザに対してプレイする動機付けの一つとすることができる。また、ゲームサーバ30は、ユーザ共通の上限を設けることで、ユーザ間に必要以上の格差が生じることを抑制することができる。
【0101】
また、等級変更部313が宝箱のレベル及びランク(報酬の等級の一例)を上昇させるのに必要なゲーム内要素の消費量または消費するゲーム内要素の内容は、宝箱の現在のレベル及びランクに応じて異なる。これにより、ゲームサーバ30は、宝箱が成長するほどさらに成長させることを難しくすることができるため、ユーザのプレイ経験が増えることによって高価な報酬が容易に付与されすぎないようにすることができる。
【0102】
[変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0103】
なお、上記実施形態では、ゲームのプレイを開始するための起点となるホーム画面(例えば、図1のホーム画面G10)に、報酬(報酬の取得権利)が設定される宝箱(例えば、図1の宝箱TR)が表示される例を説明したが、宝箱が表示されるのはホーム画面以外であってもよい。例えば、宝箱が表示されるのはプレイ中にプレイヤキャラクタが活動を行うプレイ画面であってもよいし、プレイに関する各種設定を行う設定画面であってもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、報酬(報酬の取得権利)が宝箱に設定される例を説明したが、宝箱以外のオブジェクトであってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、ユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタと戦闘しながらゲームを進行させるアクションゲームを例に説明したが、ゲームの種類はこれに限られるものではなく、例えば、ロールプレイングゲーム(RPG)、野球ゲームやサッカーゲームといったスポーツを題材としたゲーム、クイズゲーム、音楽ゲーム等、他の種類のゲームであってもよい。他の種類のゲームの場合であっても、所定時間の経過に基づいてユーザIDに関連付けられる報酬の内容または報酬付与条件が、そのゲームにおけるゲーム内要素の消費に基づいて決定される。
【0106】
なお、上述のゲーム制御部110、またはサーバ制御部310の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム制御部110、またはサーバ制御部310としての処理の一部または全部を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0107】
また、上述のゲーム制御部110、またはサーバ制御部310の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0108】
また、上述のゲーム制御部110の一部の構成を、サーバ制御部310が備えてもよい。例えば、ゲームサーバ30がゲーム処理の大部分を担い、ゲーム機10は、ゲームサーバ30が実行するゲーム処理に基づくゲーム画像の表示とユーザの操作の入力とを担う構成としてもよい。また、反対に、上述のサーバ制御部310の一部の構成を、ゲーム制御部110が備えてもよい。
【0109】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0110】
(付記1)本発明の一態様に係るゲーム装置(30)は、所定時間の経過に基づいて、ユーザを識別するための識別情報(例えば、ユーザID)にゲームで利用可能な報酬の取得権利を関連付ける報酬権利付与部(312、S200~S208)と、前記ユーザがゲーム内要素(例えば、ポイントまたはアイテム)を消費することに基づいて、前記報酬の等級(例えば、レベル及びランク)を変更する等級変更部(313、S102~S112)と、前記報酬権利付与部により取得権利として関連付けられる前記報酬の内容または該関連付けられる条件を示す関連付け条件(例えば、報酬付与条件)を前記等級に基づいて決定する報酬内容決定部(314)と、を備える。
【0111】
付記1の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザがゲーム内要素(ポイント、アイテム等)を消費することで報酬の等級を上昇させ、より良い報酬または報酬がより付与されやすい報酬付与条件とすることができるので、ゲームをプレイした長さや経験に応じた報酬をユーザに付与することができる。よって、ゲーム装置は、より多くのユーザにとって有益な報酬を付与できる。また、これにより、ゲーム装置は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0112】
(付記2)また、本発明の一態様は、付記1に記載のゲーム装置であって、前記報酬権利付与部により取得権利として関連付けられた前記報酬を、前記ユーザの操作に基づいて前記ユーザの前記識別情報に関連付ける報酬付与部(315、S306~S308)、を備える。
【0113】
付記2の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザの意思によって報酬を受取るか否かを選択できるため、ユーザにとって有益な報酬を適したタイミングで付与できる。また、ゲーム装置は、ユーザの操作を条件として報酬を付与することで、ユーザに対してゲームへのログインの動機を意識付けすることができる。
【0114】
(付記3)また、本発明の一態様は、付記2に記載のゲーム装置であって、前記報酬権利付与部は、前記報酬付与部により前記ユーザの前記識別情報に関連付けた前記報酬の取得権利を消滅させる。
【0115】
付記3の構成によれば、ゲーム装置は、同じ報酬をユーザが何度も繰り返し受取ることができないため、ユーザに報酬を付与しすぎないようにすることができる。
【0116】
(付記4)また、本発明の一態様は、付記1から付記3のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記ゲーム内要素は、前記ユーザの操作によるプレイ結果に基づいて前記ユーザが取得可能である。
【0117】
付記4の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザのプレイ結果に基づいて取得したゲーム内要素(例えば、ポイント、アイテム等)を利用することで報酬の等級を上昇させ、より良い報酬または報酬がより付与されやすい報酬付与条件とすることができるので、ゲームをプレイした長さや経験に応じた報酬をユーザに付与することができる。
【0118】
(付記5)また、本発明の一態様は、付記1から付記4のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記報酬権利付与部は、前記所定時間が経過する度に前記報酬の取得権利を前記ユーザの前記識別情報に関連付け、関連付けた前記報酬の取得権利の数が上限値に達した場合、前記上限値を越えないように制御する。
【0119】
付記5の構成によれば、ゲーム装置は、無制限に報酬の取得権利を与えるのではなく上限を設けているため、ユーザがプレイせずに報酬を受取らないでいると、良い報酬を受取る機会を損失してしまう可能性がある。よって、ゲーム装置は、ユーザがゲームをプレイする動機付けを与えることができ、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0120】
(付記6)また、本発明の一態様は、付記5に記載のゲーム装置であって、前記関連付け条件は、前記報酬の取得権利の数の上限値に関する条件である。
【0121】
付記6の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザがゲーム内要素(例えば、ポイント、アイテム等)を消費することで報酬の等級を上昇させ、より多くの報酬の取得権利を蓄積できるようになるため、ゲームをプレイした長さや経験が多いユーザにより多くの報酬を受取る機会を与えることができる。つまり、ベテランユーザにはより多くの報酬が付与されることとなるため、ゲーム装置は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0122】
(付記7)また、本発明の一態様は、付記6に記載のゲーム装置であって、前記関連付け条件は、前記所定時間に関する条件である。
【0123】
付記7の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザがゲーム内要素(例えば、ポイント、アイテム等)を消費することで報酬の等級を上昇させ、より短い時間間隔で報酬の取得権利を蓄積できるようになるため、ゲームをプレイした長さや経験が多いユーザにより多くの報酬を受取る機会を与えることができる。つまり、ベテランユーザにはより多くの報酬が付与されることとなるため、ゲーム装置は、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【0124】
(付記8)また、本発明の一態様は、付記1から付記7のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記報酬の等級には、前記ユーザ毎に上限が設定されている。
【0125】
付記8の構成によれば、ゲーム装置は、プレイ経験の少ないユーザに対して、必要以上に高価な報酬を与えないようにすることができる。
【0126】
(付記9)また、本発明の一態様は、付記1から付記8のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記報酬の等級には、前記ユーザとは異なる他のユーザとで共通の上限が設定されており、前記共通の上限は、前記ユーザ毎に設定されている上限以上の等級である。
【0127】
付記9の構成によれば、ゲーム装置は、ユーザのプレイ経験が増えることによりユーザ共通の上限まで報酬の等級を上昇させることができるようにすることで、ユーザに対してプレイする動機付けの一つとすることができる。また、ゲーム装置は、ユーザ共通の上限を設けることで、ユーザ間に必要以上の格差が生じることを抑制することができる。
【0128】
(付記10)また、本発明の一態様は、付記1から付記9のいずれか一に記載のゲーム装置であって、前記等級変更部が前記報酬の等級を上昇させるのに必要なゲーム内要素の消費量または消費するゲーム内要素の内容は、前記報酬の現在の等級に応じて異なる。
【0129】
付記10の構成によれば、ゲーム装置は、報酬の等級が上昇するほどさらに上昇させることを難しくすることができるため、ユーザのプレイ経験が増えることによって高価な報酬が容易に付与されすぎないようにすることができる。
【0130】
(付記11)また、本発明の一態様は、コンピュータを、付記1から付記10のいずれか一に記載のゲーム装置として機能させるためのプログラム。
【0131】
付記11の構成によれば、プログラムは、ユーザがゲーム内要素(ポイント、アイテム等)を消費することで報酬の等級を上昇させ、より良い報酬または報酬がより付与されやすい報酬付与条件とすることができるので、ゲームをプレイした長さや経験に応じた報酬をユーザに付与することができる。よって、プログラムは、より多くのユーザにとって有益な報酬を付与できる。また、これにより、プログラムは、ユーザのゲームの継続意欲を高めることができる。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム、10 ゲーム機、11 CPU、12 通信部、13 入力部、14 表示部、15 記憶部、30 ゲームサーバ、31 CPU、32 通信部、35 記憶部、110 ゲーム制御部、111 サーバ制御情報取得部、112 キャラクタ制御部、113 対戦制御部、114 プレイ情報通知部、115 表示制御部、310 サーバ制御部、311 端末制御情報取得部、312 報酬権利付与部、313 等級変更部、314 報酬内容決定部、315 報酬付与部、351 ユーザデータ記憶部、352 キャラクタデータ記憶部、353 アイテムデータ記憶部、354 所持データ記憶部、355 宝箱定義データ記憶部、356 宝箱設定データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12