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特許6994185映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材の一つとしての食器
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  • 特許-映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材の一つとしての食器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材の一つとしての食器
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/00 20060101AFI20220106BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220106BHJP
【FI】
A47G19/00 Z
G06Q30/02 470
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2016250711
(22)【出願日】2016-12-26
(65)【公開番号】P2017119103
(43)【公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2015253783
(32)【優先日】2015-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514028374
【氏名又は名称】FUNFAM株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 恒行
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 康代
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/132521(WO,A1)
【文献】特開2014-199542(JP,A)
【文献】特開2003-022305(JP,A)
【文献】特開平05-123237(JP,A)
【文献】特表2009-536467(JP,A)
【文献】特開2011-028491(JP,A)
【文献】特開2003-308266(JP,A)
【文献】特開2007-310853(JP,A)
【文献】特開2011-053795(JP,A)
【文献】特開2010-191745(JP,A)
【文献】特開平11-178691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用しようとする食器及び/もしくは食事関連資材の識別情報を含む第1の情報を付加された前記食器/もしくは食事関連資材と前記第1の情報に関連する第2の情報を表示するための表示装置とを有する映像表示機能付き食器システムであって、
前記表示装置は、
前記第1の情報を撮影するための撮影部と、
前記第1の情報に紐付された第2の情報を取得するための情報取得・制御部と、
前記情報取得・制御部によって制御されるインターネット接続部と、
前記情報取得・制御部によって取得された前記第2の情報であって前記使用しようとする食器にぴったり適合した前記食器上の料理盛り付け画像である第2の情報を表示するための表示部と、
前記各部に電力を供給するための電源部と
を備えることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項2】
請求項1記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記第1の情報である食器識別情報及びインターネット接続情報は、通常の1次元バーコードあるいは2次元バーコードを含む識別マーカ若しくはコードであることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項3】
請求項1もしくは2記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記第2の情報は前記食器上の料理盛り付け画像に加えて料理盛り付けに関する情報及び料理レシピ、調理方法、食事関連諸資材の使用方法であることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記表示装置は携帯型パーソナルコンピュータあるいは携帯電話であることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記食器は木製であり、前記食器識別情報が前記食器にレーザ焼き付けされることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記食器識別情報は製造者マークあるいは製品トレードマークと一体化したデザインを有するものであることを特徴とする映像表示機能付き食器システム。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項記載の映像表示機能付き食器システムにおいて、前記食器に付加する食器識別情報を不可視型とすることを特徴とする映像付き食器システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の食器システムに用いられる食器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材(食器、調理器具、調理家電、テーブルウエア、キッチンウエア、クックウエア、食材、食品外装を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食に関連した多岐にわたる分野の発展が目覚しい。特に食器に識別符号を付して管理をしたり、料理のレシピをインターネットの検索サイトで容易に検索したりすることができるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1では、食器に1次元又は2次元バーコードを付し、通常のバーコード読取装置で読取り、食器の生産や販売の管理、あるいは食器に盛られた食事の精算等に活用するとする技術思想が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、食器中に食器識別コード情報を含むデータキャリア(RF-ID)を鋳込み、電磁読取器によって上記コード情報を読み取って多種類の食器中から同じ種類の食器をまとめて収容することを行うとする技術思想が開示されている。
【0005】
しかし、上記両文献のいずれにおいても、食器自体の識別は行っているものの、食器に盛られる食物や料理と直接的に関連する情報との結び付けに活用することは行われていない。食器の種類を識別することも重要であるが、食器にどのような食品あるいは料理を盛り付けるかも重要である。
【0006】
特に日本人は、料理をまずは目で見て楽しみ、更に食べて味を楽しもうとする傾向が他国民、他民族に比べて顕著である。最近は日本料理の世界的進出により、食事を味ばかりでなく目で見て楽しむことも重要になっている。料理の盛り付け方によって、食欲や更には味までも倍増できることになる。
【0007】
料理の盛り付けは、料理の種類ばかりでなく、形状や、色、模様の異なる食器によって異なり、使用する食器に合った盛り付け方が求められる。現在、各種料理本やインターネットのレシピ検索サイト等で検索すれば料理の盛り付け例を容易に参照できる。しかし、ユーザが使用しようとしている食器にぴったり適合している盛り付け例を見つけることは難しい。
【0008】
特に、幼児用にデザインされた食器等では、盛り付け方が重要である。料理の盛り付け方を工夫することにより、幼児に苦手意識のある食材を抵抗なく食べさせること、偏食を解消させること、食欲を増進させることも可能となる。
【0009】
上記では、食器についての従来技術上の問題点を詳述したが、上記の事情は食器に限られず、食事関連諸資材(調理器具、調理家電、テーブルウエア、キッチンウエア、クックウエア、食材、食品外装を含む)一般についても同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開平05-123237号公報
【文献】特開2005-103313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のごとく、食欲を増進させたり、料理をよりおいしく見せたりするために料理の盛り付け方は非常に重要である。しかし、料理の盛り付けは使用する食器によって異なるため、食器に適合する盛り付け方は簡単には得ることができない。本願は従来技術のこうした問題点の解決を企図するもので、使用する食器や食事関連資材(食器、調理器具、調理家電、テーブルウエア、キッチンウエア、クックウエア、食材、食品外装を含む。以下同じ。)に合った料理の盛り付けや料理のレシピ、調理方法等がすぐわかるようにすることを課題とする。より具体的には、このようなことを可能とする映像表示機能付き食器システム、及び食事関連資材、とりわけこの一つとしての食器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決するため、本発明に係る映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材は、食器識別情報(食器分類情報、製造番号情報を含む)を含む第1の情報を付加された食器と上記第1の上方に関連する第2の情報を表示するための表示装置とを有する映像表示機能付き食器システムであって、上記表示装置は、上記第1の情報を撮影するための撮影部と、上記第1の情報に紐付された第2の情報を取得するための情報取得・制御部と、上記情報取得・制御部によって制御されるインターネット接続部と、上記情報取得・制御部によって取得された上記第2の情報を表示するための表示部と、上記各部に電力を供給するための電源部とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記第1の情報である食器識別情報及びインターネット接続情報は、通常の1次元バーコードあるいは2次元バーコード等の識別マーカもしくはコードであるようにすることもできる。
【0014】
上記第2の情報は、第1の情報を付加された食器の料理盛り付け例の画像及び料理レシピ、調理方法、調理器具使用方法等の関連情報であるようにすることもできる。
【0015】
また、上記表示装置に代わり、撮影部とネット接続部とインターネット接続部と表示部と同等機能を有するパーソナルコンピュータあるいは携帯電話及び同等機材により構成するようにすることもできる。
【0016】
さらに、上記表示装置によって食器システム及び食事関連資材に付加された第1の情報を読み取り、上記第1の情報に含まれる上記食器上の料理盛り付け画像及び/もしくは上記料理盛り付けに関する情報及び料理レシピ、調理方法、調理器具使用方法等の関連情報を前記表示装置の表示部に表示するようにすることもできる。
【0017】
上記食器として、木製品食器を用いる場合、食器識別情報を当該食器にレーザ焼き付けとするようにすることもできる。
【0018】
上記食器システム及び食事関連資材識別情報を製造者マークあるいは製品トレードマークと一体化したデザインとするようにすることもできる。
【0019】
上記映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材において、上記食器及び食事関連資材に付加する食器及び食事関連資材識別情報を不可視型とすることもできる。ここで「不可視型」とは、通常の人間の視認できる範囲を超えた範疇にある性質をいう。
【0020】
さらに上記課題を解決するため、本願に係る食器システム及び食事関連資材は、食器及び食事関連資材識別情報を含む第1の情報を撮影するための撮影部と、上記第1の情報に紐付された第2の情報を取得するための情報取得・制御部と、上記情報取得・制御部によって制御されるインターネット接続部と、上記情報取得・制御部によって取得された上記第2の情報を表示するための表示部と、上記各部に電力を供給するための電源部とを備えた表示装置に対して供給されるべき上記食器識別情報を含む第1の情報を付加された食器システム及び食事関連資材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、本発明に係る映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材においては、使用しようとする食器を表示装置に装置されたカメラのような情報読み取り部によって撮影すると、当該食器に付加された食器識別情報を読み取り、表示装置に当該食器に盛り付けられた料理が表示される。
【0022】
盛り付け料理は、季節ごとの料理例や材料別の料理例を選択することができるようにしておけば、使用者の好みに合った料理盛り付け例が分かり、盛り付け方に悩む必要が無く大変便利である。その上、プロの料理人が考えた盛り付け例は、目で見ても美しく使用者の食欲を増進させたり、子供の偏食をなくしたりするという効果も期待できる。
【0023】
上記の通り、使用する食器にぴったり合った料理の盛り付け方がすぐわかるばかりでなく、関連情報として当該料理のレシピや調理方法、調理器具使用方法等も分かるため、使用者、特に主婦の時間節約や料理の技術向上にも役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本願の一実施形態に係る映像表示機能付き食器システムの概略を示した説明図である。
図2】本願の一実施形態に係る映像表示機能付き食器システムに係る表示装置のブロックダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像表示機能付き食器システム1の概略を示す図である。図1では、食器として竹製の食器2を例にとって図示してあり、この竹製の食器2には、一例として、食器識別情報・インターネット接続情報の2次元バーコード3がトレードマーク4と一体化してレーザ焼付けされている。
【0027】
図1では、トレードマーク4が食器2の上面に付された例を示したが、食器2の下面や、食器2の目立たない箇所に付加されていてもよい。また、食器識別情報・インターネット接続情報の2次元バーコード3をトレードマーク4として一体化せずそのまま使用してもよく、食器識別情報・インターネット接続情報を含む識別マークとして2次元バーコード以外の識別マークを使用してもよい。
【0028】
上記食器2を詳細後述する表示装置5の撮影部51(図示省略)で撮影すると、食器2の上面に付加された第1の情報である2次元バーコード3に紐付けられた情報として第2の情報である食器識別情報とインターネット接続情報とが情報取得・制御部52(図示省略)によって読取られ、同表示装置5のインターネット接続部53(図示省略)により、インターネットを経由して食器メーカーのホームページ7中より食器識別情報に相当する食器2への料理盛り付け画像8や料理レシピ等に関する情報を取得することができる。
【0029】
取得された料理盛り付け画像8は表示装置5の表示部54に表示される。食器メーカーのホームページ7より取得されたレシピ等の情報は、表示装置5の表示部54に表示された情報送り・戻しマーク55やスイッチを操作することにより順次取得することができる。もちろん料理盛り付けやレシピ画像以外にも盛り付け順序や料理手順を動画として表示することもできる。これら上記の各部制御や表示部の制御は、情報取得・制御部52によって行われる。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る映像表示機能付き食器システム1の構成品である表示装置5のブロックダイヤグラムである。表示装置5は、カメラを有する撮影部51と、カメラによって撮影された食器画像中から食器識別情報及び関連情報を取得する情報取得・制御部52と、情報取得・制御部52によって制御される表示部54と、インターネット接続部53と、各部(撮影部51、情報取得・制御部52、表示部54、インターネット接続部53)へ電源を供給する電源部56とを備えて構成されている。
【0031】
上記で説明してきた表示装置5の機能は、ほぼ同じような機能を果たすソフトウエアを適用した携帯型パソコンやスマートフォンのような携帯端末により代行させてもよく、これらは全て本発明の技術思想に含まれるものである。
【0032】
上記の説明では、食器識別マークとしてレーザ焼付けのような可視型マークを用いる例を示したが、赤外線反射型や紫外線反射型のような不可視型のマークを用いて食器のデザインに影響を与えないようにしてもよい。
【0033】
なお、本願に係る技術思想は上述した形態に限定されることはなく、本思想の範囲内で、種々の変形、置換、代替、改良、拡大、縮小が可能である。たとえば、上記の説明では食器を竹製とし、識別情報として2次元バーコードをレーザ焼付けとしたが、一般の陶器製食器や磁器製食器あるいは金属製食器あるいは調理器具、調理家電、テーブルウエア、キッチンウエア、クックウエア、食材、食品外装を含むような食事関連資材にも適用できるものである。さらに、上記識別としては任意のマークを印刷あるいは貼り付けあるいは塗布してもよいのはもちろんである。また、当該識別情報は人間の通常視認できないものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る画像付き映像表示機能付き食器システム及び食事関連資材(食器、調理器具、調理家電、テーブルウエア、キッチンウエア、クックウエア、食材、食品外装を含む)は、例えば食器を例にとれば、使用者にとって使用しようとする食器に適合した料理の盛り付けがすぐ分かるため、食事の準備が大変スムースになるばかりでなく、眼で見てもおいしい食事の楽しみを倍増させることができ、季節ごとの素材を使った旬の料理の盛り付けやレシピを直ちに入手することができる。
【0035】
また、本発明を用いて調理器具に器具の識別情報を付加し、この識別情報を表示器によって撮影することにより、該調理器具の使用方法や料理作成例等を表示することができ、このことにより調理器具を正しく有効に用いることができるという効果を奏することもできる。
【0036】
本発明の発展形として、使用者が食器を購入する折に、食器識別情報中の製造番号と使用者の個別情報(例えば年齢、性別、趣味、嗜好、アレルギの有無等)をアンケート形式で入力することにより、使用者ごとに適合する個別レシピ等を紹介する個別管理が可能となる。本応用は、食器ばかりでなく食事関連素材にも適用可能である。
【0037】
本発明を更に発展させれば、食器システムや食事関連資材以外にも、例えば工具や整理棚等の家具等の一般機材の使用方法の映像による説明にも広く応用でき、各種産業に大きな利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0038】
1…映像表示機能付き食器システム、2・・・食器、3・・・2次元バーコード、4・・・トレードマーク、5・・・表示装置、6インターネット、7・・・食器メーカーホームページ、8・・・盛り付け画像、51・・・撮影部、52・・・情報取得・制御部、53・・・インターネット接続部、54・・・表示部、55・・・情報送り・戻しマーク、56・・・電源部
図1
図2