(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】プラズマCVD装置、プラズマCVD方法及び微粒子又は電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/442 20060101AFI20220106BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20220106BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C23C16/442
C23C16/50
H05H1/46 M
(21)【出願番号】P 2018002033
(22)【出願日】2018-01-10
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】520062801
【氏名又は名称】株式会社ユーパテンター
(74)【代理人】
【識別番号】100110858
【氏名又は名称】柳瀬 睦肇
(72)【発明者】
【氏名】田中 正史
(72)【発明者】
【氏名】中川 茂実
(72)【発明者】
【氏名】橘 光夫
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-086238(JP,A)
【文献】特開2016-015419(JP,A)
【文献】国際公開第2009/098784(WO,A1)
【文献】特開2014-083510(JP,A)
【文献】特開2006-185992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/442
C23C 16/50
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形又は円形である容器と、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項2】
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形である容器と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっており、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、
前記容器の外面に形成され、第2の打刻用部材を収容する第2の収容部と、
前記容器の外面に形成され、第3の打刻用部材を収容する第3の収容部と、
を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第2の収容部内を前記第2の打刻用部材が移動して前記容器に衝突し、且つ前記第3の収容部内を前記第3の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項5】
請求項1
又は3のいずれか一項において、
前記容器の外面に形成され、前記第1の収容部の隣に位置し、且つ前記容器の断面の垂直方向に位置する、第2の打刻用部材を収容する第2の収容部を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第2の収容部内を前記第2の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項において、
前記対向電極の上面及び側面を覆い、且つ断面形状が曲面を有するアース遮蔽部材と、
前記アース遮蔽部材に振動を加える振動機構と、
を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項7】
請求項1
、3及び5のいずれか一項において、
前記第1の打刻用部材は、断面形状が多角形の棒形状を有し、且つ前記容器の断面の垂直方向に前記棒形状の長手方向が位置するように前記第1の収容部に収容されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項8】
請求項1
、3、5及び7のいずれか一項において、
前記第1の打刻用部材の表面は、その内部とは異なる材質の膜で被覆されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項において、
前記容器の外側に配置された磁石を有し、前記磁石は前記容器の内部にプラズマを集める機能を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項10】
請求項9において、
前記磁石は前記チャンバー内に配置されていることを特徴とするプラズマCVD装置
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項において、
前記容器の一方側を塞ぐ部材と、
前記容器の他方側に配置され、前記容器の内部に発生するプラズマを閉じ込める機能を有する蓋部と、
を有し、
前記蓋部を、前記容器の断面の垂直方向で且つ前記容器から離れる方向に移動させる移動機構を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【請求項12】
チャンバー内に、内部の断面形状が多角形又は円形である容器を配置し、
前記容器内に微粒子又は電子部品を収容し、
前記容器の内面に対向させた対向電極を前記容器内に配置し、
前記チャンバー内を真空排気し、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内に原料ガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の前記微粒子又は前記電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法により、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD方法。
【請求項13】
チャンバー内に、内部の断面形状が多角形である容器を配置し、
前記容器内に微粒子又は電子部品を収容し、
前記容器の内面に対向させた対向電極を前記容器内に配置し、
前記チャンバー内を真空排気し、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内に原料ガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の前記微粒子又は前記電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法により、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっていることを特徴とするプラズマCVD方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記容器を回転又は振り子動作させる際、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD方法。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項において、
前記超微粒子又は薄膜は絶縁物であり、
前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆する工程(a)の後に、前記微粒子又は前記電子部品を前記容器から取り出し、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜を除去する工程(b)を含み、
前記工程(b)は、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内にクリーニングガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜をプラズマクリーニングする工程であることを特徴とするプラズマCVD方法。
【請求項16】
プラズマCVD装置を用いて微粒子又は電子部品を製造する方法において、
前記プラズマCVD装置は、
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形又は円形である容器と、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【請求項17】
プラズマCVD装置を用いて微粒子又は電子部品を製造する方法において、
前記プラズマCVD装置は、
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形である容器と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっており、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記容器を回転又は振り子動作させる際、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【請求項19】
請求項16乃至18のいずれか一項において、
前記超微粒子又は薄膜は絶縁物であり、
前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆する工程(a)の後に、前記微粒子又は前記電子部品を前記容器から取り出し、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜を除去する工程(b)を含み、
前記プラズマCVD装置は、
前記容器の一方側を塞ぐ部材と、
前記容器の他方側に配置され、前記容器の内部に発生するプラズマを閉じ込める機能を有する蓋部と、
を有し、
前記蓋部を、前記容器の断面の垂直方向で且つ前記容器から離れる方向に移動させる移動機構を有し、
前記工程(b)は、
前記移動機構により前記蓋部を前記容器から離れる方向に移動させ、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内にクリーニングガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜をプラズマクリーニングする工程であることを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、プラズマCVD方法及び微粒子又は電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラズマCVD装置はチャンバーを有し、 このチャンバー内には内部形状が円形である容器が配置されている。この容器は微粒子を収容するものである。容器の外側にはアース遮蔽部材が配置されており、このアース遮蔽部材は、前記容器において微粒子を収容する収容面以外の表面を遮蔽する部材である。また、プラズマCVD装置は前記容器を回転させる回転機構を有し、前記容器内には対向電極が配置されている。容器にはプラズマ電源が電気的に接続されている。また、プラズマCVD装置は、前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、前記チャンバー内を真空排気する排気機構を有している。
【0003】
上記プラズマCVD装置では、前記回転機構を用いて前記容器を回転させることにより容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、微粒子の表面に薄膜を被覆することができる。
【0004】
また、上記プラズマCVD装置は、容器内に収容された微粒子(粉体)に振動を加えるための打ち付け部材としてのアース棒を有している。つまり、アース棒は、その先端をアース遮蔽部材に打ち付けることができるようになっている。アース遮蔽部材と容器とは絶縁部材によって繋げられており、アース棒によってアース遮蔽部材を振動させ、その振動が前記絶縁部材を通して容器に伝えられるようになっている。このため、容器とともに回転しているアース遮蔽部材にアース棒を連続的に打ち付けることにより、アース遮蔽部材の振動を容器内に収容された粉体に加えることが可能となる。これにより、粉体が凝集するのを防ぎ、粉体の攪拌及び混合を促進することができる(例えば特許文献1参照)。
【0005】
上述したように従来のプラズマCVD装置では、アース遮蔽部材にアース棒を打ち付けてアース遮蔽部材を振動させ、その振動が容器に伝えられることで、容器内に収容された微粒子を振動させることができる。一方、微粒子の処理効率を上げるために多量の微粒子を一度に処理できるように、容器の大きさを大きくすると、容器の外側のアース遮蔽部材も大きくなる。そのため、その大きなアース遮蔽部材を振動させるにはアース棒で打ち付ける力も大きくする必要がある。しかし、その打ち付ける力を大きくするにも限度があるため、容器の大きさを大きくするとアース遮蔽部材の振動が小さくなり、微粒子の振動も小さくなる。その結果、粉体(微粒子)の攪拌及び混合を十分に促進することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、微粒子の攪拌及び混合を促進できるプラズマCVD装置、プラズマCVD方法、又は微粒子又は電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、本発明の種々の態様について説明する。
[1]チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形又は円形である容器と、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD装置。
【0009】
[2]チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形である容器と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっており、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD装置。
【0010】
[3]上記[2]において、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【0011】
[4]上記[1]乃至[3]のいずれか一項において、
前記容器の外面に形成され、第2の打刻用部材を収容する第2の収容部と、
前記容器の外面に形成され、第3の打刻用部材を収容する第3の収容部と、
を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第2の収容部内を前記第2の打刻用部材が移動して前記容器に衝突し、且つ前記第3の収容部内を前記第3の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【0012】
[5]上記[1]乃至[3]のいずれか一項において、
前記容器の外面に形成され、前記第1の収容部の隣に位置し、且つ前記容器の断面の垂直方向に位置する、第2の打刻用部材を収容する第2の収容部を有し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第2の収容部内を前記第2の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD装置。
【0013】
[6]上記[1]乃至[5]のいずれか一項において、
前記対向電極の上面及び側面を覆い、且つ断面形状が曲面を有するアース遮蔽部材と、
前記アース遮蔽部材に振動を加える振動機構と、
を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【0014】
[7]上記[1]乃至[6]のいずれか一項において、
前記第1の打刻用部材は、断面形状が多角形の棒形状を有し、且つ前記容器の断面の垂直方向に前記棒形状の長手方向が位置するように前記第1の収容部に収容されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
【0015】
[8]上記[1]乃至[7]のいずれか一項において、
前記第1の打刻用部材の表面は、その内部とは異なる材質の膜で被覆されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
【0016】
[9]上記[1]乃至[8]のいずれか一項において、
前記容器の外側に配置された磁石を有し、前記磁石は前記容器の内部にプラズマを集める機能を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【0017】
[10]上記[9]において、
前記磁石は前記チャンバー内に配置されていることを特徴とするプラズマCVD装置
【0018】
[11]上記[1]乃至[10]のいずれか一項において、
前記容器の一方側を塞ぐ部材と、
前記容器の他方側に配置され、前記容器の内部に発生するプラズマを閉じ込める機能を有する蓋部と、
を有し、
前記蓋部を、前記容器の断面の垂直方向で且つ前記容器から離れる方向に移動させる移動機構を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
【0019】
[12]チャンバー内に、内部の断面形状が多角形又は円形である容器を配置し、
前記容器内に微粒子又は電子部品を収容し、
前記容器の内面に対向させた対向電極を前記容器内に配置し、
前記チャンバー内を真空排気し、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内に原料ガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の前記微粒子又は前記電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法により、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とするプラズマCVD方法。
【0020】
[13]チャンバー内に、内部の断面形状が多角形である容器を配置し、
前記容器内に微粒子又は電子部品を収容し、
前記容器の内面に対向させた対向電極を前記容器内に配置し、
前記チャンバー内を真空排気し、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内に原料ガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の前記微粒子又は前記電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法により、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっていることを特徴とするプラズマCVD方法。
【0021】
[14]上記[13]において、
前記容器を回転又は振り子動作させる際、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とするプラズマCVD方法。
【0022】
[15]上記[12]乃至[14]のいずれか一項において、
前記超微粒子又は薄膜は絶縁物であり、
前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆する工程(a)の後に、前記微粒子又は前記電子部品を前記容器から取り出し、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜を除去する工程(b)を含み、
前記工程(b)は、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内にクリーニングガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜をプラズマクリーニングする工程であることを特徴とするプラズマCVD方法。
【0023】
[16]プラズマCVD装置を用いて微粒子又は電子部品を製造する方法において、
前記プラズマCVD装置は、
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形又は円形である容器と、
前記容器の外面に形成され、第1の打刻用部材を収容する第1の収容部と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記第1の収容部内を前記第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与え、且つ前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【0024】
[17]プラズマCVD装置を用いて微粒子又は電子部品を製造する方法において、
前記プラズマCVD装置は、
チャンバーと、
前記チャンバー内に配置され、微粒子又は電子部品を収容する容器であって内部の断面形状が多角形である容器と、
前記容器を回転又は振り子動作させる回転機構と、
前記容器内に配置され、前記容器の内面に対向するように配置された対向電極と、
前記容器に電気的に接続されたプラズマ電源と、
前記容器内に原料ガスを導入するガス導入機構と、
前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、
を具備し、
前記容器は、前記多角形の第1の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており、且つ前記多角形の前記第1の辺と隣接する第2の辺の長さが前記容器の一方側から他方側にいくにつれて長くなっており、
前記回転機構を用いて前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器内の微粒子又は電子部品を攪拌あるいは回転させながらプラズマCVD法を用いることで、前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆することを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【0025】
[18]上記[17]において、
前記容器を回転又は振り子動作させる際、前記容器の外面に形成された第1の収容部内を第1の打刻用部材が移動して前記容器に衝突することで、前記容器に振動を与えることを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【0026】
[19]上記[16]乃至[18]のいずれか一項において、
前記超微粒子又は薄膜は絶縁物であり、
前記微粒子又は前記電子部品の表面に前記微粒子又は前記電子部品より径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆する工程(a)の後に、前記微粒子又は前記電子部品を前記容器から取り出し、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜を除去する工程(b)を含み、
前記プラズマCVD装置は、
前記容器の一方側を塞ぐ部材と、
前記容器の他方側に配置され、前記容器の内部に発生するプラズマを閉じ込める機能を有する蓋部と、
を有し、
前記蓋部を、前記容器の断面の垂直方向で且つ前記容器から離れる方向に移動させる移動機構を有し、
前記工程(b)は、
前記移動機構により前記蓋部を前記容器から離れる方向に移動させ、
前記容器を回転又は振り子動作させ、
前記容器内にクリーニングガスを導入し、
前記容器にプラズマパワーを供給し、
前記容器を回転又は振り子動作させることにより、前記容器の表面に付着した絶縁物の膜をプラズマクリーニングする工程であることを特徴とする微粒子又は電子部品の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一態様によれば、微粒子の攪拌及び混合を促進できるプラズマCVD装置、プラズマCVD方法、又は微粒子又は電子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図2】(A)は
図1に示す101-101線に沿った断面図であり、(B)は(A)に示す100-100線に沿った断面図である。
【
図3】(A)~(D)は振り子動作させる様子を示す断面図である。
【
図4】(A),(B)は回転動作させる様子を示す断面図である。
【
図5】(A),(B)は第1の実施形態の変形例を示す断面図である。
【
図6】(A)は本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、(B)は(A)に示す102-102線に沿った断面図である。
【
図7】(A)~(C)は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置の第1容器部材29及び第2容器部材29aを示す断面図である。
【
図8】様々な打刻用部材(打刻棒)の断面図である。
【
図9】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図10】
図9に示す103-103線に沿った断面図である。
【
図11】
図10に示す装置の第1の変形例を示す断面図である。
【
図12】
図10に示す装置の第2の変形例を示す断面図である。
【
図13】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図14】
図13に示す104-104線に沿った断面図である。
【
図15】
図14に示す装置の第1の変形例を示す断面図である。
【
図16】
図14に示す装置の第2の変形例を示す断面図である。
【
図17】(A)~(D)は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図18】(A),(B)は回転動作させる様子を示す断面図である。
【
図19】(A),(B)は、第6の実施形態の変形例を示す断面図である。
【
図20】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図21】第7の実施形態の変形例を示す断面図である。
【
図22】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図23】本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
【
図24】第2容器部材29aの表面全体又は表面の大部分が絶縁膜で覆われると、微粒子1への成膜環境が変化し、その微粒子1に被覆される薄膜の組成や膜質が変化することを確認する実験を行った結果である。
【
図25】第7の実施形態の変形例を示す断面図である。
【
図26】(A)は本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図、(B)は(A)に示す第2容器部材229aを105-105線で切断した一部断面図、(C)は(A)に示す第2容器部材229aを180°回転させた状態の断面図、(D)は(C)に示す第2容器部材229aを106-106線で切断した一部断面図、(E)は(B)に示す第2容器部材229aの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、本発明の実施形態及び実施例について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施形態の記載内容及び実施例に限定して解釈されるものではない。
【0030】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
図2(A)は、
図1に示す101-101線に沿った断面図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す100-100線に沿った断面図であるが、ガスシャワー電極は図示していない。
【0031】
このプラズマCVD装置は、微粒子(又は粉体)の表面に、その微粒子より粒径の小さい超微粒子又は薄膜を被覆させるための装置である。
尚、本実施形態では、微粒子に超微粒子又は薄膜を被覆させるプラズマCVD装置について説明しているが、本実施形態によるプラズマCVD装置は、微粒子に代えて径が1mm以下の電子部品の表面にその電子部品より径の小さい微粒子又は薄膜を被覆させる装置として用いることも可能である。
【0032】
また、本実施形態では、内部断面形状が多角形である容器に微粒子を収容し、この微粒子に超微粒子又は薄膜を被覆させるプラズマCVD装置について説明しているが、容器の内部断面形状は多角形に限られず、容器の内部断面形状を円形又は楕円形にすることも可能である。容器の内部断面形状を円形とする実施形態については後述する。また、内部断面形状が多角形の容器と円形又は楕円形の容器との違いは、円形又は楕円形の容器に比べて多角形の容器の方が粒径の小さい微粒子に超微粒子又は薄膜を被覆できる点である。
【0033】
図1及び
図2(A),(B)に示すように、プラズマCVD装置は円筒形状のチャンバー13を有している。このチャンバー13の一方端はチャンバー蓋21aによって閉じられており、チャンバー13の他方端はチャンバー蓋21bによって閉じられている。チャンバー13及びチャンバー蓋21a,21bそれぞれはアース(接地電位)に接続されている。
【0034】
チャンバー13の内部には微粒子1を収容する導電性の容器が配置されている。この容器は、第1容器部材29と、第2容器部材29aと、第1のリング状部材29bと、第2のリング状部材29cとを有している。第1容器部材29、第2容器部材29a、第1及び第2のリング状部材29b,29cそれぞれは導電性を有している。
【0035】
チャンバー13の内部には円筒形状の第1容器部材29が配置されている。第1容器部材29の一方端は閉じられており、第1容器部材29の一方端側にはチャンバー13の外側に延出した延出部29dが形成されている。第1容器部材29の他方端は開口されている。前記延出部29dはプラズマ電源23に電気的に接続されている。プラズマ電源23は、高周波電力(RF出力)を供給する高周波電源、マイクロ波用電源、DC放電用電源、及びそれぞれパルス変調された高周波電源、マイクロ波用電源、DC放電用電源のいずれかであればよい。
【0036】
第1容器部材29の内部には第2容器部材29aが配置されており、第2容器部材29aは、
図2(A)に示すようにその断面が六角形のバレル形状を有しており、
図2(A)で示す断面は重力方向に対して略平行な断面である。なお、本実施の形態では、六角形のバレル形状の第2容器部材29aを用いているが、これに限定されるものではなく、六角形以外の多角形のバレル形状の第2容器部材を用いることも可能である。
【0037】
第2容器部材29aの一方端は第1のリング状部材29bによって第1容器部材29の内部に取り付けられており、第2容器部材29aの他方端は第2のリング状部材29cによって第1容器部材29の内部に取り付けられている(
図1参照)。言い換えると、第1のリング状部材29bは第2容器部材29aの一方側に位置しており、第2のリング状部材29cは第2容器部材29aの他方側に位置している。第1及び第2のリング状部材29b、29cそれぞれの外周は第1容器部材29の内面に繋げられており、第1及び第2のリング状部材29b、29cそれぞれの内周は第2容器部材29aの内面よりガスシャワー電極(対向電極)21側に位置されている。また、第1容器部材29、第2容器部材29a、第1及び第2のリング状部材29b,29cによって囲まれた領域は第1~第6の収容部31a,31b,31c,31d,31e,31fを構成する(
図2参照)。つまり、第1~第6の収容部31a,31b,31c,31d,31e,31fそれぞれは、第2容器部材容器29aの外面に形成されている。
【0038】
図2(A)に示すように、第1の収容部31aには第1の打刻用部材11が収容されており、第2の収容部31bには第2の打刻用部材12が収容されている。第3の収容部31cには第3の打刻用部材13が収容されており、第4の収容部31dには第4の打刻用部材14が収容されている。第5の収容部31eには第5の打刻用部材15が収容されており、第6の収容部31fには第6の打刻用部材16が 収容されている。第1~第6の打刻用部材11~16それぞれは、棒形状を有し、第2容器部材29aの断面の垂直方向に前記棒形状の長手方向が位置するように第1~第6の収容部31a~31fに収容されている(
図2(B)参照)。
【0039】
第2容器部材29aには、第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部に位置する凸部33aが設けられている。第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部を第1~第6の打刻用部材11~16が移動するときに、第1~第6の打刻用部材11~16が凸部33aにも衝突して引っかかる。これにより、第1~第6の打刻用部材11~16が位置エネルギー(急角度)をつけて強く落下し、第2容器部材29aに与える振動をより強くすることができる。その結果、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を十分に促進することができる。
【0040】
第1のリング状部材29bと第2のリング状部材29cとの距離(即ち第2容器部材29aの一方端と他方端との距離)は、第1容器部材29の一方端と他方端との距離に比べて小さい。また、第1及び第2のリング状部材29b,29cそれぞれは第1容器部材29の内側に配置されている。そして、第2容器部材29aの内面と第1及び第2のリング状部材29b,29cによって囲まれたスペースにはコーティング対象物としての粉体(微粒子)1が収容されるようになっている。言い換えると、第2容器部材29aにおける多角形を構成する内面129aとこの内面129aを囲む第1及び第2のリング状部材それぞれの面129b,129c(第1及び第2のリング状部材が互いに対向する面)とによって収容面が構成され、この収容面上に微粒子1が位置されている。
【0041】
また、第2容器部材29aには、プラズマ電源23によって高周波電力が第1容器部材29、第1のリング状部材29b及び第2のリング状部材29cを介して供給されるようになっている。それにより、第2容器部材29aは、電極としても機能し、前記容器の内面に収容された粉体1に高周波電力を供給することができる。
【0042】
また、プラズマCVD装置は、チャンバー13内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構を備えている。この原料ガス導入機構は筒状のガスシャワー電極(対向電極)21を有している。このガスシャワー電極21は、第2容器部材29a内に配置され、第2容器部材29aの内面に対向するように配置されている。第2容器部材29aの他方側には開口が形成されており、この開口からガスシャワー電極21が挿入されている。ガスシャワー電極21はアースに接続されている。
【0043】
前記容器内に収容されている微粒子1と対向する対向面以外のガスシャワー電極(対向電極)21の表面はアース遮蔽部材27によって遮蔽されている。アース遮蔽部材27は、対向電極21の上面及び側面を覆い、且つ断面形状が曲面を有する。このアース遮蔽部材27とガスシャワー電極21とは5mm以下(好ましくは3mm以下)の間隔を有している。このように5mm以下の間隔とすることにより、ガスシャワー電極21とアース遮蔽部材27との間に位置するガスシャワー電極21の表面にCVD膜が成膜されてしまうことを抑制できる。
【0044】
ガスシャワー電極21の一方側の前記対向面には、単数又は複数の原料ガスをシャワー状に吹き出すガス吹き出し口が複数形成されている。このガス吹き出し口は、ガスシャワー電極21の底部(前記対向面)に配置され、第2容器部材29aに収容された粉体1と対向するように配置されている。即ち、ガス吹き出し口は第2容器部材29aの内面に対向するように配置されている。また、
図2(A)に示すように、ガスシャワー電極21は、重力方向に対して逆側の表面が前記逆側に凸の形状を有している。言い換えると、ガスシャワー電極21の断面形状は、底部以外が円形又は楕円形となっている。これにより、第2容器部材29aを回転させているときに円形又は楕円形とされた部分(凸形状の部分)に粉体1が乗っても、その粉体1をガスシャワー電極21から落下させることができる。
【0045】
ガスシャワー電極21の他方側は真空バルブを介してマスフローコントローラ(MFC)の一方側に接続されている。マスフローコントローラの他方側は図示せぬ真空バルブ及びフィルターなどを介して原料ガス発生源20に接続されている。この原料ガス発生源20は、粉体1に被覆する薄膜によって発生させる原料ガスの種類が異なるが、例えばSiO2膜を成膜する場合はSiH4ガス等を発生させるものとする。
【0046】
また、ガスシャワー電極21の他方側は真空バルブ(図示せず)を介して図示せぬマスフローコントローラ(MFC)の一方側に接続されている。このマスフローコントローラの他方側はアルゴンガスボンベ(図示せず)に接続されている。
【0047】
第1容器部材29には回転機構(図示せず)が設けられており、この回転機構によりガスシャワー電極21を回転中心として第1容器部材29及び第2容器部材29aを振り子動作又は回転動作させることで第2容器部材29a内の粉体(微粒子)1を攪拌あるいは回転させながら被覆処理を行うものである。振り子動作させる場合は、
図3(A),(B),(C),(D)に示すようなものとなり、回転動作をさせる場合は、
図4(A),(B)に示すようなものとなる。前記回転機構により第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させる際の回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直方向)に平行な軸である。また、チャンバー13内の気密性は、第1容器部材29の回転時においても保持されている。
【0048】
図3(A)~(D)及び
図4(A),(B)に示すように、第1容器部材29及び第2容器部材29aを振り子動作又は回転動作させることにより、第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29a及び第1容器部材29に衝突する。これにより、第2容器部材29aを振動させることができ、その振動を粉体1に与えることができる。その結果、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を十分に促進することができる。第1~第6の打刻用部材11~16それぞれが第2容器部材29aに直接衝突することで、第2容器部材29aに与える振動を強くすることができる。
【0049】
図3(A)~(D)及び
図4(A),(B)は、ガスシャワー電極21のガス吹き出し口を下方(重力方向)に向けて、第1容器部材29及び第2容器部材29aを振り子動作又は回転動作させているが、これに限らず、
図5(A),(B)に示すように、ガス吹き出し口が下方より傾けた向きに位置するようにガスシャワー電極21を配置して第1容器部材29及び第2容器部材29aを振り子動作又は回転動作させることも可能である。これにより、粉体1に原料ガスをよりバランス良く供給することが可能となる。
【0050】
また、プラズマCVD装置は、チャンバー13内を真空排気する真空排気機構を備えている。例えば、チャンバー13には排気口(図示せず)が複数設けられており、排気口は真空ポンプ(図示せず)に接続されている。また、ガスシャワー電極21はヒーター(図示せず)を有している。
【0051】
また、プラズマ電源23は、50~500kHzの高周波電源を用いることが好ましく、より好ましくは100~300kHzの高周波電源を用いることである。このように周波数の低い電源を用いることにより、500kHzより高い周波数の電源を用いた場合に比べて、ガスシャワー電極21と第2容器部材29aとの間より外側にプラズマが分散するのを抑制することができる。言い換えると、ガスシャワー電極21と第2容器部材29aとの間にプラズマを閉じ込めることができる。50~500kHzのRFプラズマを用いると、このような閉じられたプラズマ空間内、すなわちバレル(第2容器部材29a)内で誘導加熱が起こりづらく、かつ成膜時に十分なVDCが基板にかかるので、硬質DLC膜が容易に形成しやすい。逆に13.56MHzのようなRFプラズマを用いると、閉じられたプラズマ空間では、基板にVDCがかかりづらいので硬質DLC膜が形成しにくい。
【0052】
次に、上記プラズマCVD装置を用いて粉体に超微粒子又は薄膜を被覆するプラズマCVD方法について説明する。ここでは、コーティング対象の微粒子1としてPMMA(ポリメタクリル酸メチル)を用い、そのPMMAの微粒子にDLCを被覆するものを例にとり説明する。
【0053】
まず、複数の微粒子からなる粉体(PMMA)1を第2容器部材29a内に収容する。粉体1の平均粒径は50μm程度である。なお、ここでは、粉体1としてPMMAの微粒子を用いているが、他の粉体を用いることが可能である。
【0054】
この後、真空ポンプを作動させることによりチャンバー13内を所定の圧力(例えば5×10
-5Torr程度)まで減圧する。これと共に、回転機構により第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させることで、第2容器部材29aの内部に収容された粉末(微粒子)1が容器内面において攪拌又は回転される(
図4(A),(B)参照)。なお、ここでは、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させているが、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転機構によって振り子動作させることも可能である(
図3(A)~(D))。
【0055】
第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転又は振り子動作させることにより、第1~第6の収容部31a~31f内を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29aに衝突することで、第2容器部材29aに振動を与えることができる。その結果、第2容器部材29a内の粉体1に振動を与えることができる。よって、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を促進させることができる。
【0056】
次いで、原料ガス発生源20において原料ガスとして例えばトルエン(C7H8)を発生させ、マスフローコントローラによってトルエンを7cc/分の流量に制御し、アルゴンガスボンベから供給されたアルゴンガスを5cc/分の流量に制御し、これら流量制御されたトルエン及びアルゴンガスをガスシャワー電極21の内側に導入する。そして、ガスシャワー電極21のガス吹き出し口からトルエン及びアルゴンガスを吹き出させる。これにより、第2容器部材29a内を攪拌又は回転しながら動いている微粒子1にトルエン及びアルゴンガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、CVD法による成膜に適した圧力に保たれる。
【0057】
この後、第1容器部材29にプラズマ電源23の一例である高周波電源(RF電源)から150Wで250kHzのRF出力が供給される。これにより、第1容器部材29及び第1、第2のリング状部材29b,29cを通して第2容器部材29aと粉体1にRF出力が供給される。この際、ガスシャワー電極21は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極21と第2容器部材29aとの間にプラズマが着火され、第2容器部材29a内にプラズマが発生され、DLCからなる超微粒子又は薄膜がPMMAの微粒子1の表面に被覆される。つまり、第2容器部材29aを回転させることによって微粒子1を攪拌し、回転させているため、微粒子1の表面全体に薄膜を均一に被覆することが容易にできる。
【0058】
また、上記の方法により、微粒子1の表面に超微粒子又は薄膜を被覆した微粒子を製造することができる。
【0059】
上記実施形態によれば、六角形のバレル形状の第2容器部材29a自体を回転させることで粉体1自体を回転させ攪拌でき、更にバレルを六角形とすることにより、粉体1を重力により定期的に落下させることができる。このため、粉体1を攪拌することができ、粉体を扱う時にしばしば問題となる水分や静電気力による粉体の凝集を防ぐことができる。したがって、粒径の非常に小さい微粒子1にその微粒子より粒径が更に小さい超微粒子又は薄膜を被覆することが可能となる。具体的には、粒径が50μm以下の微粒子(特に5μm以下の微粒子)に超微粒子又は薄膜を被覆することが可能となる。
【0060】
また、本実施の形態では、上述したように、第1~第6の収容部31a~31f内を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29aに衝突することで、第2容器部材29aに振動を与えることができる。その結果、第2容器部材29a内に収容された粉体1に振動を与えることができ、粉体1の攪拌及び混合を促進させることができる。従って、より小さい粒径を有する微粒子1に対しても均一性良く超微粒子又は薄膜を被覆することが可能となる。
【0061】
なお、本実施形態では、第1~第6の収容部31a~31fの全てに打刻用部材11~16が収容されているが、これに限定されるものではなく、少なくとも一つの収容部に少なくとも一つの打刻用部材が収容されているとよい。
【0062】
[第2の実施形態]
図6(A)は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、
図6(B)は、
図6(A)に示す102-102線に沿った断面図である。
図6(A),(B)において
図1及び
図2(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図6(A)に示すプラズマCVD装置は、アース遮蔽部材27に振動を加える振動機構41を有する。この振動機構41は、例えばノッカー、バイブレーター、超音波振動モーターを用いることができる。
【0064】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、振動機構41によりアース遮蔽部材27に振動を加えることで、アース遮蔽部材27の上の微粒子1を
図6(B)に示すように第2容器部材29aに落とすことができる。特に、アース遮蔽部材27の断面形状が曲面を有するため、アース遮蔽部材27に加えられる振動が弱くても、アース遮蔽部材27の上の微粒子1を落とすことができる。
【0065】
[第3の実施形態]
図7(A)~(C)は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置の第1容器部材29及び第2容器部材29aを示す断面図である。また、
図7(A)~(C)は、第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29a及び第1容器部材29に衝突する様子を示している。
【0066】
図7(A)~(C)において、
図1及び
図2(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0067】
第1容器部材29には、第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部に位置する凸部33bが設けられている。第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部を第1~第6の打刻用部材11~16が移動するときに、第1~第6の打刻用部材11~16が凸部33bにも衝突して引っかかる。これにより、第1~第6の打刻用部材11~16が位置エネルギー(急角度)をつけて強く落下し、第2容器部材29aに与える振動をより強くすることができる。その結果、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を十分に促進することができる。
【0068】
図8は、様々な打刻用部材(打刻棒)の断面図であり、これらは
図7(A)~(C)に示す第1~第6の打刻用部材11~16として適用することができる。
図8に示すように、打刻用部材の断面形状は種々な多角形のものを用いることができる。また打刻用部材11の表面は、その内部とは異なる材質の膜11aで被覆されているとよい。打刻用部材11の内部の材質が例えばSUS304である場合、膜11aはアルミナを用いるとよい。打刻用部材11の材質を変更することで、打刻用部材11の重さを変えることができる。
【0069】
[第4の実施形態]
図9は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
図10は、
図9に示す103-103線に沿った断面図であるが、ガスシャワー電極は図示していない。
【0070】
図9及び
図10において
図2(A),(B)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0071】
図10に示す収容部は軸方向(第2容器部材29aの断面の垂直方向)に2分割されている。つまり、
図9及び
図10に示すように、第2容器部材容器29aの外面には第1~第6の収容部31a,31b,31c,31d,31e,31fが形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第1~第6の収容部31a,31b,31c,31d,31e,31fそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第7の収容部551a、第8の収容部(図示せず)、第9の収容部(図示せず)、第10の収容部551d、第11の収容部(図示せず)及び第12の収容部(図示せず)が形成されている。
【0072】
図10に示すように、第7の収容部551aは、第1の収容部31aの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置している。第10の収容部551dは、第4の収容部31dの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置している。
【0073】
第1の収容部31aには第1の打刻用部材41が収容されており、第2の収容部31bには第2の打刻用部材42が収容されている。第3の収容部31cには第3の打刻用部材43が収容されており、第4の収容部31dには第4の打刻用部材44が収容されている。第5の収容部31eには第5の打刻用部材45が収容されており、第6の収容部31fには第6の打刻用部材46が収容されている。
【0074】
第7の収容部551aには第7の打刻用部材51が収容されており、第8の収容部(図示せず)には第8の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第9の収容部(図示せず)には第9の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第10の収容部551dには第10の打刻用部材54が収容されている。第11の収容部(図示せず)には第11の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第12の収容部(図示せず)には第12の打刻用部材(図示せず)が収容されている。なお、第7の収容部551aは第2の収容部と読み替えてもよく、第7の打刻用部材51は第2の打刻用部材と読み替えてもよい。
【0075】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、収容部を軸方向に分割しているため、第2容器部材29aを大きくしてもより細かく振動を与えることができる。その結果、第2容器部材29a内に収容された粉体1の量が増えてもより全体的に振動を与えることができ、粉体1の攪拌及び混合を促進させることができる。
【0076】
<第1の変形例>
図11は、
図10に示す装置の第1の変形例を示す断面図である。
図11に示す収容部は軸方向(第2容器部材29aの断面の垂直方向)に3分割されている。つまり、
図11に示すように、第2容器部材容器29aの外面には第1~第6の収容部31a,31dが形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第1~第6の収容部31a,31dそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第7の収容部571a、第8の収容部(図示せず)、第9の収容部(図示せず)、第10の収容部571d、第11の収容部(図示せず)及び第12の収容部(図示せず)が形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第7~第12の収容部571a,571dそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第13の収容部581a、第14の収容部(図示せず)、第15の収容部(図示せず)、第16の収容部581d、第17の収容部(図示せず)及び第18の収容部(図示せず)が形成されている。
【0077】
図11に示すように、第13の収容部581aは、第7の収容部571aの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置している。第16の収容部581dは、第10の収容部571dの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置している。
【0078】
第1の収容部31aには第1の打刻用部材61が収容されており、第2の収容部(図示せず)には第2の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第3の収容部(図示せず)には第3の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第4の収容部31dには第4の打刻用部材64が収容されている。第5の収容部(図示せず)には第5の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第6の収容部(図示せず)には第6の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0079】
第7の収容部571aには第7の打刻用部材71が収容されており、第8の収容部(図示せず)には第8の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第9の収容部(図示せず)には第9の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第10の収容部571dには第10の打刻用部材74が収容されている。第11の収容部(図示せず)には第11の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第12の収容部(図示せず)には第12の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0080】
第13の収容部581aには第13の打刻用部材81が収容されており、第14の収容部(図示せず)には第14の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第15の収容部(図示せず)には第15の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第16の収容部581dには第16の打刻用部材84が収容されている。第17の収容部(図示せず)には第17の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第18の収容部(図示せず)には第18の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0081】
第1の変形例においても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
<第2の変形例>
図12は、
図10に示す装置の第2の変形例を示す断面図である。
図12に示す収容部は軸方向(第2容器部材29aの断面の垂直方向)に4分割されている。つまり、
図12に示すように、第2容器部材容器29aの外面には第1~第6の収容部31a,31dが形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第1~第6の収容部31a,31dそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第7の収容部621a、第8の収容部(図示せず)、第9の収容部(図示せず)、第10の収容部621d、第11の収容部(図示せず)及び第12の収容部(図示せず)が形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第7~第12の収容部621a,621dそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第13の収容部631a、第14の収容部(図示せず)、第15の収容部(図示せず)、第16の収容部631d、第17の収容部(図示せず)及び第18の収容部(図示せず)が形成されている。また、第2容器部材容器29aの外面には、第13~第18の収容部631a,631dそれぞれの隣で且つ第2容器部材29aの断面の垂直方向に位置する第19の収容部641a、第20の収容部(図示せず)、第21の収容部(図示せず)、第22の収容部641d、第23の収容部(図示せず)及び第24の収容部(図示せず)が形成されている。
【0083】
第1の収容部31aには第1の打刻用部材111が収容されており、第2の収容部(図示せず)には第2の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第3の収容部(図示せず)には第3の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第4の収容部31dには第4の打刻用部材114が収容されている。第5の収容部(図示せず)には第5の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第6の収容部(図示せず)には第6の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0084】
第7の収容部621aには第7の打刻用部材121が収容されており、第8の収容部(図示せず)には第8の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第9の収容部(図示せず)には第9の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第10の収容部621dには第10の打刻用部材124が収容されている。第11の収容部(図示せず)には第11の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第12の収容部(図示せず)には第12の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0085】
第13の収容部631aには第13の打刻用部材131が収容されており、第14の収容部(図示せず)には第14の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第15の収容部(図示せず)には第15の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第16の収容部631dには第16の打刻用部材134が収容されている。第17の収容部(図示せず)には第17の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第18の収容部(図示せず)には第18の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0086】
第19の収容部641aには第19の打刻用部材141が収容されており、第20の収容部(図示せず)には第20の打刻用部材(図示せず)が収容されている。第21の収容部(図示せず)には第21の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第22の収容部641dには第22の打刻用部材144が収容されている。第23の収容部(図示せず)には第23の打刻用部材(図示せず)が収容されており、第24の収容部(図示せず)には第24の打刻用部材(図示せず)が収容されている。
【0087】
第2の変形例においても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
[第5の実施形態]
図13は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図である。
図14は、
図13に示す104-104線に沿った断面図であるが、ガスシャワー電極は図示していない。
【0089】
【0090】
図14に示すように、第4の収容部31dには第4の打刻用部材が収容されてなく、第7の収容部551aには第7の打刻用部材が収容されていない。つまり、
図10に示す第1~第12の収容部31a~31f,551a,551dの全てに打刻用部材が収容されているのに対し、
図14に示す第1~第12の収容部31a~31f,551a,551dの一部には打刻用部材が収容されていない。
【0091】
本実施形態においても第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
<第1の変形例>
図15は、
図14に示す装置の第1の変形例を示す断面図であり、
図11と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0093】
図15に示すように、第4の収容部31dには第4の打刻用部材が収容されてなく、第7の収容部571aには第7の打刻用部材が収容されていなく、第16の収容部581dには第16の打刻用部材が収容されていない。つまり、
図11に示す第1~第18の収容部31a,31d,571a,571d,581a,581dの全てに打刻用部材が収容されているのに対し、
図15に示す第1~第18の収容部31a,31d,571a,571d,581a,581dの一部には打刻用部材が収容されていない。
【0094】
第1の変形例においても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
<第2の変形例>
図16は、
図14に示す装置の第2の変形例を示す断面図であり、
図12と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0096】
図16に示すように、第4の収容部31dには第4の打刻用部材が収容されてなく、第7の収容部621aには第7の打刻用部材が収容されていなく、第16の収容部631dには第16の打刻用部材が収容されていなく、第19の収容部641dには第19の打刻用部材が収容されていない。つまり、
図12に示す第1~第24の収容部31a,31d,621a,621d,631a,631d,641a,641dの全てに打刻用部材が収容されているのに対し、
図16に示す第1~第24の収容部31a,31d,621a,621d,631a,631d,641a,641dの一部には打刻用部材が収容されていない。
【0097】
第2の変形例においても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0098】
[第6の実施形態]
図17(A)~(D)は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、
図1及び
図2(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0099】
図2(A)に示す第2容器部材29aの断面形状は多角形であるのに対し、
図17(A)~(D)に示す第2容器部材129aの断面形状は円形である。このため、第1容器部材29と第2容器部材129aとの間を仕切り部材によって6つの領域に仕切ることで、第2容器部材129aの外面に第1~第6の収容部711a,711b,711c,711d,711e,711fを形成している。第1~第6の収容部711a~711fそれぞれには第1~第6の打刻用部材11~16が収容されている。
【0100】
第1容器部材29には回転機構(図示せず)が設けられており、この回転機構によりガスシャワー電極21を回転中心として第1容器部材29及び第2容器部材129aを振り子動作又は回転動作させることで第2容器部材129a内の粉体(微粒子)1を攪拌あるいは回転させながら被覆処理を行うものである。振り子動作させる場合は、
図17(A),(B),(C),(D)に示すようなものとなり、回転動作をさせる場合は、
図18(A),(B)に示すようなものとなる。前記回転機構により第1容器部材29及び第2容器部材129aを回転させる際の回転軸は、略水平方向(重力方向に対して垂直方向)に平行な軸である。また、チャンバー13内の気密性は、第1容器部材29の回転時においても保持されている。
【0101】
図17(A)~(D)及び
図18(A),(B)に示すように、第1容器部材29及び第2容器部材129aを振り子動作又は回転動作させることにより、第1~第6の収容部711a~711fそれぞれの内部を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材129a及び第1容器部材29に衝突する。これにより、第2容器部材129aを振動させることができ、その振動を粉体1に与えることができる。
【0102】
図17(A)~(D)及び
図18(A),(B)は、ガスシャワー電極21のガス吹き出し口を下方(重力方向)に向けて、第1容器部材29及び第2容器部材129aを振り子動作又は回転動作させているが、これに限らず、
図19(A),(B)に示すように、ガス吹き出し口が下方より傾けた向きに位置するようにガスシャワー電極21を配置して第1容器部材29及び第2容器部材129aを振り子動作又は回転動作させることも可能である。これにより、粉体1に原料ガスをよりバランス良く供給することが可能となる。
【0103】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
なお、本実施形態では、第2容器部材129aの外面に6つの収容部を形成しているが、これに限定されるものではなく、収容部の数は2~4つでも良いし、それ以外の数でも良い。
【0105】
[第7の実施形態]
図20は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0106】
図20に示すように、第1容器部材29の外側で且つチャンバー13内には円筒形状の磁石201が配置されており、この磁石201は一方がN極で他方がS極である。磁石201は、CVD膜を成膜する際に第2容器部材29aの内部にプラズマを集める機能を有する。
【0107】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、磁石201によってプラズマを第2容器部材29aの内部に集めることで、プラズマ密度を高めることができる。
【0108】
なお、本実施形態では、チャンバー13の内側に磁石201を配置しているが、
図21及び
図25に示すように変更して実施することも可能である。
図21に示すように、第1容器部材29の外側で且つチャンバー13の外側に磁石201を配置することも可能である。
また、
図25に示すように、第1容器部材29の外側で且つチャンバー13内には第1及び第2の磁石202,203が配置されている。第1及び第2の磁石202,203それぞれは、円筒形状を有し、一方がN極で他方がS極である。
【0109】
[第8の実施形態]
図22及び
図23は、本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、
図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0110】
図22に示すように、第2容器部材29aの一方側(第1のリング状部材29bの側)は第1容器部材29で塞がれている。第2容器部材29aの他方側(第2のリング状部材29cの側)に配置され、第2容器部材29aの内部に発生するプラズマ212を閉じ込める機能を有する蓋部302がチャンバー13内に配置されている。この蓋部302には移動機構301が接続されており、この移動機構301によって蓋部302を、第2容器部材29aの断面の垂直方向で且つ第2容器部材29aから離れる方向に移動させることが可能である(
図23参照)。
【0111】
図23に示すように、蓋部302を第2容器部材29aから離れた位置に移動させておくと、第2容器部材29aの内部に発生するプラズマ211を第2容器部材29aの他方側に拡げることができる。
【0112】
図22に示すように、第2容器部材29aの内部にプラズマ212を閉じ込めた状態は、微粒子に膜を被覆する処理に好ましい。これに対し、
図23に示すように、第2容器部材29aの内部に発生するプラズマ211を拡げた状態は、第2容器部材29aの表面にCVD膜が成膜された場合に、そのCVD膜を除去するためのプラズマクリーニング処理に好ましい。
【0113】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0114】
次に、上記プラズマCVD装置を用いて粉体(微粒子)に超微粒子又は薄膜を被覆するプラズマCVD方法について説明する。ここでは、コーティング対象の微粒子1としてCu微粒子を用い、そのCu微粒子にSiO2を被覆するものを例にとり説明する。
【0115】
まず、複数の微粒子からなる粉体(Cu)1を第2容器部材29a内に収容する。そして、蓋部302は
図22に示す位置にしておく。これは、第2容器部材29aの内部にプラズマ212を閉じ込めるためである。
【0116】
この後、真空ポンプを作動させることによりチャンバー13内を所定の圧力まで減圧する。これと共に、回転機構により第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させることで、第2容器部材29aの内部に収容された粉末(微粒子)1が容器内面において攪拌又は回転される。なお、ここでは、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させているが、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転機構によって振り子動作させることも可能である。
【0117】
第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転又は振り子動作させることにより、第1~第6の収容部31a~31f内を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29aに衝突することで、第2容器部材29aに振動を与えることができる。その結果、第2容器部材29a内の粉体1に振動を与えることができる。よって、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を促進させることができる。
【0118】
次いで、原料ガス発生源20において原料ガスを発生させ、マスフローコントローラによって原料ガスの流量を制御し、この原料ガスをガスシャワー電極21の内側に導入する。そして、ガスシャワー電極21のガス吹き出し口から原料ガスを吹き出させる。これにより、第2容器部材29a内を攪拌又は回転しながら動いている微粒子1に原料ガスが吹き付けられ、制御されたガス流量と排気能力のバランスによって、CVD法による成膜に適した圧力に保たれる。
【0119】
この後、第1容器部材29にプラズマ電源23の一例である高周波電源(RF電源)からRF出力が供給される。これにより、第1容器部材29及び第1、第2のリング状部材29b,29cを通して第2容器部材29aと粉体1にRF出力が供給される。この際、ガスシャワー電極21は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極21と第2容器部材29aとの間にプラズマが着火され、第2容器部材29a内にプラズマが発生され、絶縁物からなる超微粒子又は薄膜がCuの微粒子1の表面に被覆される。
【0120】
次に、第2容器部材29a内の微粒子1をチャンバー13の外に取り出す。
この後、上述したCuの微粒子1に絶縁物からなる超微粒子又は薄膜を被覆する工程を繰り返す。これにより、第2容器部材29aの表面全体又は表面の大部分が絶縁膜で覆われる。このように絶縁膜で覆われると、第2容器部材29aとガスシャワー電極21の電位差が変化するため、微粒子1への成膜環境が変化する。その結果、微粒子1に被覆される薄膜の組成や膜質が変化する。そこで、微粒子1への成膜環境を元に戻すために、第2容器部材29aの表面に付着した絶縁膜を除去する工程を行う。以下に詳細に説明する。
【0121】
移動機構301によって蓋部302を、第2容器部材29aの断面の垂直方向で且つ第2容器部材29aから離れる方向に移動させ、蓋部302を
図23に示す位置にする。これは、プラズマ211を第2容器部材29aの外側まで拡げるためである。
【0122】
この後、真空ポンプを作動させることによりチャンバー13内を所定の圧力まで減圧する。これと共に、回転機構により第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させる。なお、ここでは、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転させているが、第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転機構によって振り子動作させることも可能である。
【0123】
第1容器部材29及び第2容器部材29aを回転又は振り子動作させることにより、第1~第6の収容部31a~31f内を第1~第6の打刻用部材11~16が移動して第2容器部材29aに衝突することで、第2容器部材29aに振動を与えることができる。
【0124】
次いで、プラズマクリーニングガスをガスシャワー電極21の内側に導入し、ガスシャワー電極21のガス吹き出し口からプラズマクリーニングガスを吹き出させる。
【0125】
この後、第1容器部材29にプラズマ電源23の一例である高周波電源(RF電源)からRF出力が供給される。これにより、第1容器部材29及び第1、第2のリング状部材29b,29cを通して第2容器部材29aにRF出力が供給される。この際、ガスシャワー電極21は接地電位に接続されている。これにより、ガスシャワー電極21と第2容器部材29aとの間にプラズマが着火され、第2容器部材29a内にプラズマが発生され、第2容器部材29aの表面に付着した絶縁物の膜をプラズマクリーニングする。例えば、O2とCF4の混合ガスにより1時間のプラズマクリーニングを行い、その後に、残留しているフッ素を除去するために、Arガスにより10分間のプラズマクリーニングを行うとよい。
【0126】
このようにして第2容器部材29aの表面に付着した絶縁膜を除去することで、微粒子1への成膜環境を元に戻すことができる。
【0127】
次いで、上記プラズマCVD装置を用いて粉体(微粒子)に超微粒子又は薄膜を被覆する工程を行う。
【0128】
なお、本実施形態では、
図23に示すプラズマCVD装置においてプラズマクリーニングを行うことを説明しているが、第1~第7の実施形態のいずれのプラズマCVD装置においてもプラズマクリーニングを行うことが可能である。
【0129】
図24は、第2容器部材29aの表面全体又は表面の大部分が絶縁膜で覆われると、微粒子1への成膜環境が変化し、その微粒子1に被覆される薄膜の組成や膜質が変化することを確認する実験を行った結果である。ここでの絶縁膜はSiO
2膜であり、微粒子はCu微粒子である。
【0130】
上記のプラズマCVD装置でCu微粒子にSiO2膜を成膜する処理を行い、Cu微粒子に成膜されたSiO2膜の組成を測定する実験を行った。成膜の処理時間を20分としたCu微粒子にはSiO2のみ確認されたのに対し、成膜の処理時間を40分としたCu微粒子及び成膜処理時間を50分としたCu微粒子にはSiO2の組成にSiO3
2-の組成が混入していることが確認された。
【0131】
図24の実験結果により、第2容器部材29aの表面に付着した絶縁膜を除去するプラズマクリーニングを行い、微粒子1への成膜環境を元に戻すことが有効であることが分かる。
【0132】
[第9の実施形態]
図26(A)は本発明の一態様に係るプラズマCVD装置を示す断面図であり、
図26(B)は
図26(A)に示す第2容器部材229aを105-105線で切断した一部断面図である。
図26(C)は
図26(A)に示す第2容器部材229aを180°回転させた状態の断面図であり、
図26(D)は
図26(C)に示す第2容器部材229aを106-106線で切断した一部断面図である。
図26(E)は、
図26(B)に示す第2容器部材229aの展開図である。
図26(A)~(E)において第1の実施形態の図と同一部分には同一符号を付す。また、本実施形態に係るプラズマCVD装置は、
図26(A)~(E)に示す以外の部分が第1の実施形態と同様であるので、本実施形態では第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0133】
第1容器部材29の内部には第2容器部材229aが配置されており、第2容器部材229aは、
図26(A),(C)に示すようにその断面が六角形のバレル形状を有しているが、
図2(A)に示す第2容器部材29aと形状が異なるので、以下に詳細に説明する。なお、本実施形態では、六角形のバレル形状を用いているが、六角形以外の多角形のバレル形状を用いてもよい。
【0134】
第2容器部材229は、六角形の第1の辺の長さ1003(
図26(A)参照)が第2容器部材229の一方側から他方側にいくにつれて短くなっており(
図26(E)参照)、且つ多角形の第1の辺と隣接する第2の辺の長さ1004(
図26(A)参照)が第2容器部材229の一方側から他方側にいくにつれて長くなっている(
図26(E)参照)。つまり、
図26(E)に示すように、第2容器部材229は、一方側の第1の辺の長さ1003が他方側の第1の辺の長さ1004より長く、且つ第1の辺と隣接する第2の辺の一方側の長さ1004が他方側の第2の辺の長さ1003より短くなっている。そして、六角形の隣接する辺の長さは互いに長短が交互に配置されている。
【0135】
従って、
図26(B)に示す状態では、第2容器部材229aの底面が左側に傾いているが、
図26(B)に示す状態から180°回転させた
図26(D)に示す状態では、第2容器部材229aの底面は右側に傾く。つまり、
図26(A)~(E)に示すプラズマCVD装置では、第2容器部材が60°回転する毎に、
図26(B)に示す状態と
図26(D)に示す状態が交互に繰り返されることになる。これにより、軸方向(
図26(A)の断面に垂直方向)の粉体1の分布の均一化を図ることができる。その結果、粉体1が凝集するのを防ぎ、粉体1の攪拌及び混合を十分に促進することができる。
【0136】
なお、
図26(B),(D)に示す一点破線1001は水平線を示し、
図26(B),(D),(E)に示す実線1002は六角形の一辺の一端を示している。
【0137】
図26(A),(C)に示すように、第1の収容部231aには第1の打刻用部材1011が収容されており、第2の収容部231bには第2の打刻用部材が収容されている。第3の収容部231cには第3の打刻用部材が収容されており、第4の収容部231dには第4の打刻用部材1014が収容されている。第5の収容部231eには第5の打刻用部材が収容されており、第6の収容部231fには第6の打刻用部材が 収容されている。
第2容器部材29aには、第1~第6の収容部31a~31fそれぞれの内部に位置する凸部33aが設けられている。
【0138】
本実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0139】
なお、上記の第1の実施形態から第9の実施形態を適宜組み合わせて実施することも可能である。