(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】マスクセット及びマスク用サポート部材
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220106BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 B
A62B18/02 C
(21)【出願番号】P 2020170977
(22)【出願日】2020-10-09
【審査請求日】2021-07-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年8月28日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.fots.jp/index.php/products/detail/276(自社ECサイト、B’fullオンラインショップ)、〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年8月28日、公開したウェブサイトのアドレス:https://www.amazon.co.jp/%E3%80%90%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A3%BD%E3%80%91%E6%B0%B4%E6%B4%97%E3%81%84OK-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AF-%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%97-%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AF%E5%B4%A9%E3%82%8C%E9%98%B2%E6%AD%A2-Bfull/dp/B08KT8D2PN/ref=sr_1_1_sspa?_mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=B%C2%B4full+M2v1&qid=1603277168&sr=8-1-spons&psc=1&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUExUU5INTBDMExMNUVCJmVuY3J5cHRlZElkPUEwNTI5NTg4MlJESzFLU1dDRE5JRCZlbmNyeXB0ZWRBZElkPUEzVEVDMTE3NUg0TExEJndpZGdldE5hbWU9c3BfYXRmJmFjdGlvbj1jbGlja1JlZGlyZWN0JmRvTm90TG9nQ2xpY2s9dHJ1ZQ==(ECサイト、アマゾン)〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和2年9月3日、公開したウェブサイトのアドレス:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000265.000019615.html(プレスリリース・ニュースリリース配信サービス、PRtimes)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513246861
【氏名又は名称】株式会社Bfull
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】前田 直人
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-134300(JP,U)
【文献】特開2003-093528(JP,A)
【文献】特開2012-110577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/11
A62B 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体を有するマスクと、前記マスクに装着されるマスク用サポート部材と、を備えたマスクセットであって、
前記マスク本体は、上下に折り重ねられて左右方向に長い複数の折り返し部を有するプリーツ型であり、
前記マスク用サポート部材は、
使用者の少なくとも口部に対向配置されるサポート部材本体を備え、
前記サポート部材本体は、当該サポート部材本体のほぼ中央に配置された凹状の中央凹部と、前記マスクに係着する係着手段と、を備え、
前記係着手段は、前記中央凹部を基準にして左右方向に延びる差し込み部を備えており、
使用者に付けられた前記マスクに前記マスク用サポート部材が装着された使用状態で前記サポート部材本体は前記マスク本体よりも使用者側に位置し、かつ、前記係着手段が前記マスクに係着して前記中央凹部が使用者の口部に対向し、前記中央凹部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記中央凹部と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成されてなると共に、前記差し込み部が前記折り返し部の内部に差し入れられてなり、
さらに、前記差し込み部には、前記マスク本体と接触することにより、前記折り返し部から当該差し込み部が抜き出される方向へ変位することを抑制する抜き出し抑制部が形成されてな
り、
前記抜き出し抑制部は、前記折り返し部内の前記マスク本体表面に向かって尖った尖り部である
ことを特徴とするマスクセット。
【請求項2】
上下に折り重ねられて左右方向に長い複数の折り返し部を有し、使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体を有するプリーツ型のマスクに装着されるマスク用サポート部材であって、
使用者の少なくとも口部に対向配置されるサポート部材本体を備え、
前記サポート部材本体は、当該サポート部材本体のほぼ中央に配置された凹状の中央凹部と、前記マスクに係着する係着手段と、を備え、
前記係着手段は、前記中央凹部を基準にして左右方向に延びる差し込み部を備えており、
使用者に付けられた前記マスクに前記マスク用サポート部材が装着された使用状態で前記サポート部材本体は前記マスク本体よりも使用者側に位置し、かつ、前記係着手段が前記マスクに係着して前記中央凹部が使用者の口部に対向し、前記中央凹部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記中央凹部と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成されてなると共に、前記差し込み部が前記折り返し部の内部に差し入れられてなり、
さらに、前記差し込み部には、前記マスク本体と接触することで前記折り返し部から当該差し込み部が抜き出される方向へ変位することを抑制する抜き出し抑制部が形成されてなり、
前記抜き出し抑制部は、前記折り返し部内の前記マスク本体表面に向かって尖った尖り部である
ことを特徴とするマスク用サポート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクとマスク用サポート部材とを備えたマスクセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マスクとしては、空気を濾過するマスク本体の側部に使用者の耳に引っ掛ける紐状の耳掛け部を備えた市販品がよく知られている。また、特許文献1には、特殊形状となっており、眼鏡のように耳の上に差し入れて装着する構成のものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、汎用性のある市販品のマスクは、安価で入手し易い反面、使用感や快適性に劣る場合があり、使用状態で使用者の口部が押さえられて圧迫感を感じたり、呼吸によって蒸れやすかったり、化粧が崩れたりすることがあった。
【0005】
本発明は、マスクと、当該マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上するマスク用サポート部材とを備えたマスクセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体を有するマスクと、前記マスクに装着されるマスク用サポート部材と、を備えたマスクセットであって、前記マスク本体は、上下に折り重ねられて左右方向に長い複数の折り返し部を有するプリーツ型であり、前記マスク用サポート部材は、使用者の少なくとも口部に対向配置されるサポート部材本体を備え、前記サポート部材本体は、当該サポート部材本体のほぼ中央に配置された凹状の中央凹部と、前記マスクに係着する係着手段と、を備え、前記係着手段は、前記中央凹部を基準にして左右方向に延びる差し込み部を備えており、使用者に付けられた前記マスクに前記マスク用サポート部材が装着された使用状態で前記サポート部材本体は前記マスク本体よりも使用者側に位置し、かつ、前記係着手段が前記マスクに係着して前記中央凹部が使用者の口部に対向し、前記中央凹部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記中央凹部と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成されてなると共に、前記差し込み部が前記折り返し部の内部に差し入れられてなり、さらに、前記差し込み部には、前記マスク本体と接触することにより、前記折り返し部から当該差し込み部が抜き出される方向へ変位することを抑制する抜き出し抑制部が形成されてなることを特徴とするマスクセットである。
【0007】
かかる構成にあっては、使用者の口部とマスクとが接触することがなくなり、使用者がしゃべるときにマスクが唇に触れて不快に感じることを防止したり、マスクに化粧等が付着することを防止したり、マスク内に熱がこもることを防止したりすることができる。また、前記係着手段によってマスク用サポート部材がマスクに係着されるため、当該マスク用サポート部材を当該マスクによって安定して支持することができ、マスク用サポート部材が意図せず位置ずれすることを防止することができる。さらに、前記差し込み部に抜き出し抑制部が形成されているため、マスク用サポート部材が意図せず脱離したり位置ずれしたりすることが一層効果的に抑制される。
【0008】
また、前記抜き出し抑制部は、前記折り返し部内の前記マスク本体表面に向かって尖った尖り部である構成が提案される。
【0009】
かかる構成とすることにより、前記尖り部が前記マスク本体表面に引っ掛かってマスク用サポート部材の位置ずれを抑制することができる。
【0010】
また本発明は、上下に折り重ねられて左右方向に長い複数の折り返し部を有し、使用者の少なくとも口部を覆うマスク本体を有するプリーツ型のマスクに装着されるマスク用サポート部材であって、使用者の少なくとも口部に対向配置されるサポート部材本体を備え、前記サポート部材本体は、当該サポート部材本体のほぼ中央に配置された凹状の中央凹部と、前記マスクに係着する係着手段と、を備え、前記係着手段は、前記中央凹部を基準にして左右方向に延びる差し込み部を備えており、使用者に付けられた前記マスクに前記マスク用サポート部材が装着された使用状態で前記サポート部材本体は前記マスク本体よりも使用者側に位置し、かつ、前記係着手段が前記マスクに係着して前記中央凹部が使用者の口部に対向し、前記中央凹部と当該使用者の口部周辺とが離間して前記中央凹部と前記口部周辺との間には所定の口部周辺接触防止空隙が形成されてなると共に、前記差し込み部が前記折り返し部の内部に差し入れられてなり、さらに、前記差し込み部には、前記マスク本体と接触することで前記折り返し部から当該差し込み部が抜き出される方向へ変位することを抑制する抜き出し抑制部が形成されてなることを特徴とするマスク用サポート部材である。
【0011】
また、上記構成にあって、前記抜き出し抑制部は、前記折り返し部内の前記マスク本体表面に向かって尖った尖り部である構成としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、マスクを着用した際の快適性や清潔性が向上する優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】マスク用サポート部材の使用状態を示す正面図である。
【
図2】(a)はマスク用サポート部材を正面側から見た斜視図であり、(b)はマスク用サポート部材を背面側(使用者側)から見た斜視図である。
【
図3】マスク用サポート部材の差し込み部を拡大して示す部分拡大図である。
【
図4】差し込み部がマスクの折り返し部に差し入れられた状態を示す説明図である。
【
図5】マスク用サポート部材の使用状態を示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のマスク用サポート部材及びマスクセットを具体化した実施例を詳細に説明する。なお本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0015】
まず、一般的なマスクMについて説明する。
図1に示すように、マスクMは、空気を濾過する機能を有するシート状のマスク本体M1と、マスク本体M1の左右両側部に設けられた耳掛け部M2とを備えている。
【0016】
以下に、マスクセット1について説明する。なお、実施例1、2に記載した事項で共通する点については、説明を簡略又は省略する。
【0017】
実施例1におけるマスクセット1は、マスクMを備えており、当該マスクMのマスク本体M1は、いわゆるプリーツ型の形状を有している。具体的にマスク本体M1は、上下に折り重ねられて左右方向に長い複数の折り返し部M3を有している。
【0018】
また、マスクセット1は、マスク用サポート部材10を備えている。マスク用サポート部材10は、
図2,
図3等に示すように、プラスチック製フレーム体からなるフレーム部21を備えたサポート部材本体20によって構成されている。
【0019】
また、サポート部材本体20は、前方に向けて凸となるように湾曲しており、これによりサポート部材本体20の背面(使用者側となる面)側であって、サポート部材本体20の略中央には、一方(前方)に向かって凹んだ形状の中央凹部25が形成されている。
【0020】
また、フレーム部21の左右の側端部からは、左右方向に延びるように係着手段である差し込み部30が一つずつ設けられている。詳述すると、差し込み部30は、フレーム部21から左右方向に延びたあと、下側へ湾曲するように略L字形状を有している。
【0021】
さらに、差し込み部30の先端部には、
図3に示すように、前方(装着時においてマスクM側)及び側方(装着時において外向き方向)に向かって尖った抜き出し抑制部である尖り部31が複数形成されている。なお、尖り部31は、前方及び側方に向かって尖っている構造を含む構成のほか、前方又は側方に向かって尖っている構造を含む構成であってもよい。
【0022】
次に、マスク用サポート部材10の使用形態について説明する。
【0023】
マスク用サポート部材10を用いる際には、
図4、
図5に示すように、マスク用サポート部材10の中央凹部25がマスクMの使用者側の面に配置された装着状態αで、差し込み部30をマスクMの折り返し部M3の内部に差し入れる。
【0024】
このようにすることで、
図4に示すように、マスク本体M1の折り返し部M3に差し込み部30が保持されて、マスク用サポート部材1がマスクMに係着されることとなる。
【0025】
その上で、中央凹部25が使用者の口部に対向配置するようにマスクMの耳掛け部M2を耳に引っ掛けてマスクMを着用する。そうすると、
図5等に示すように、使用者の口部周辺をマスク用サポート部材10が被覆することとなって、口部周辺接触防止空隙S1が形成されることとなる。
【0026】
ところで、差し込み部30の先端部には尖り部31が形成されている。このため、差し込み部30がマスクMの折り返し部M3に差し入れられた状態では、尖り部31が折り返し部M3内のマスク本体表面に向かって突き出されて、尖り部31がマスク本体表面に引っかかり易くなる。これにより、差し込み部30が折り返し部M3から抜き出される方向へ変位することが好適に抑制されて脱離しにくくなることとなる。したがって、マスク用サポート部材10がマスクMに装着された状態でマスク用サポート部材10が位置ずれを起こすことが防止される。
【0027】
また、尖り部31は、差し込み部30の前方及び側方に向かって形成されており、使用者側に突き出されていない。このため、例えば使用状態において、使用者の肌に刺さるように触れることはなく、着用時に不快感を抱かせることがない。
【0028】
上記実施例にあって、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0029】
また、係着手段である差し込み部30の配設数は、上記実施例に限定されることはない。例えば差し込み部30は左右それぞれ2個ずつ設けられている構成であってもよいし、3個ずつ設けられている構成であってもよい。
【0030】
また、サポート部材本体20には、別途、冷感材やクッション材等を適宜取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 マスクセット
10 マスク用サポート部材
20 サポート部材本体
21 フレーム部
25 中央凹部
30 差し込み部(係着手段)
31 尖り部(抜き出し抑制部)
M マスク
M1 マスク本体
M2 耳掛け部
M3 折り返し部
S1 口部周辺接触防止空隙
α 装着状態