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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20220106BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G07G1/06 B
G07G1/12 321P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017162471
(22)【出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2019040447
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉野 優一
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-171678(JP,A)
【文献】特許第4445571(JP,B1)
【文献】特開2017-129910(JP,A)
【文献】国際公開第2011/002018(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントカードの識別情報の入力を受付ける入力受付手段と、
前記識別情報と、ポイントに関する情報と、ポイントカードの登録状態を示すステータスコードとを対応付けて管理する第1記憶手段から、前記入力受付手段が受付けた前記識別情報に対応する前記登録状態を示すステータスコードを読み込むコード読込手段と、
前記ステータスコードと、当該登録状態に応じたメッセージとを対応付けた第2記憶手段から、前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードに対応する前記メッセージを読み込むメッセージ読込手段と、
前記識別情報を受け付けた今回の一取引の合計支払額に基づいてポイント値を算出する算出手段と、
前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードと、前記メッセージ読込手段が読み込んだ前記メッセージである、前記ステータスコードの登録状態に応じた、前記算出手段が算出した前記ポイント値の加算状態を表すメッセージとを対応付けて、レシートに印字出力する印字データとして出力するメッセージ出力手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記第2記憶手段は、前記登録状態を示すメッセージを記憶しており、
前記メッセージ出力手段は、前記メッセージ読込手段が読み込んだメッセージをレシートに印字出力する印字データとして出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2記憶手段は、前記登録状態に応じたメッセージとして、前記登録状態をオペレータに説明するメッセージを記憶しており、
前記メッセージ出力手段は、前記登録状態をオペレータに説明するメッセージを、表示器に表示する表示データとして出力する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力受付手段は、リライタブル形式の前記ポイントカードを介して前記識別情報の入力を受付けて、
前記メッセージ出力手段は、前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードと、前記メッセージ読込手段が読み込んだ前記メッセージとを対応付けて、リライタブルカードの印字データに組み込んで出力する、請求項1ないしのいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置を制御するコンピュータを、
ポイントカードの識別情報の入力を受付ける入力受付手段と、
前記識別情報と、ポイントに関する情報と、ポイントカードの登録状態を示すステータスコードとを対応付けて管理する第1記憶手段から、前記入力受付手段が受付けた前記識別情報に対応する前記登録状態を示すステータスコードを読み込むコード読込手段と、
前記ステータスコードと、当該登録状態に応じたメッセージとを対応付けた第2記憶手段から、前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードに対応する前記メッセージを読み込むメッセージ読込手段と、
前記識別情報を受け付けた今回の一取引の合計支払額に基づいてポイント値を算出する算出手段と、
前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードと、前記メッセージ読込手段が読み込んだ前記メッセージである、前記ステータスコードの登録状態に応じた、前記算出手段が算出した前記ポイント値の加算状態を表すメッセージとを対応付けて、レシートに印字出力する印字データとして出力するメッセージ出力手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、購入金額に応じて客にポイントを付与し、客は獲得したポイントを後の取引で利用して値引き等を行えるポイント制が広く用いられている。このようなポイント制においては、例えば、ポイント管理会社のサーバ(以降では、ポイント管理サーバという)が、客が各店舗で獲得した累積ポイントを、会員番号、即ち、ポイントカードのカード番号を用いて、一括管理するような運用方法がある。このような運用においては、店舗のPOS(Point Of Sales)端末等の販売データ処理装置が、ポイント管理サーバとの間でポイントに関するデータの授受を行い、ポイントに関する処理を協働して行う。
【0003】
ところで、ポイントカードの会員申込み手続きは行ったが、システムへの登録が未完了である状態や、ポイントカードの会員を退会してカードが無効である状態など、ポイントカードからカード番号は読み込めるがポイントを加算できない状態がある。このようなエラーが発生した場合の対応としては、POS端末の担当店員が当該客をサービスカウンタに回し、サービスカウンタの担当店員がエラー対応を行う。例えば、サービスカウンタの担当店員は再度ポイントカードを読み取り、ポイントカードの登録状態をシステムに問い合わせて調査する。そして、サービスカウンタの担当店員は、システムからの応答結果を確認して、客にエラー内容を伝え、エラー対処方法を提案する。
【0004】
従来、このようにポイントカードのエラーが発生した場合に、会員登録状態(ポイントカードの登録状態)を速やかに確認したいという要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ポイントカードの読み込みエラーが発生した際に、ポイントカードの登録状態をより簡便に知ることができる情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、ポイントカードの識別情報の入力を受付ける入力受付手段と、前記識別情報と、ポイントに関する情報と、ポイントカードの登録状態を示すステータスコードとを対応付けて管理する第1記憶手段から、前記入力受付手段が受付けた前記識別情報に対応する前記登録状態を示すステータスコードを読み込むコード読込手段と、前記ステータスコードと、当該登録状態に応じたメッセージとを対応付けた第2記憶手段から、前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードに対応する前記メッセージを読み込むメッセージ読込手段と、前記識別情報を受け付けた今回の一取引の合計支払額に基づいてポイント値を算出する算出手段と、前記コード読込手段が読み込んだ前記ステータスコードと、前記メッセージ読込手段が読み込んだ前記メッセージである、前記ステータスコードの登録状態に応じた、前記算出手段が算出した前記ポイント値の加算状態を表すメッセージとを対応付けて、レシートに印字出力する印字データとして出力するメッセージ出力手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態にかかるポイント管理システムの概略構成図である。
図2図2は、ポイント管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3図3は、ポイント管理マスタのデータ構成例を示す図である。
図4-1】図4-1は、ステータス管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
図4-2】図4-2は、ステータス管理テーブルのデータ構成例を示す図である。
図5図5は、POS端末のハードウェア構成例および機能構成を示すブロック図である。
図6図6は、POS端末が表示する表示メッセージの一例を示す図である。
図7図7は、登録状態が通常状態である場合のレシートの印字例を示す図である。
図8図8は、エラー発生時のレシートの印字例を示す図である。
図9図9は、ポイント管理システムで実行される登録処理の手順例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、その他の小売店舗等において適用されるポイント管理システムにおいて、本実施形態にかかる情報処理装置およびプログラムを適用した例を示す。尚、本実施形態はこれに限定されず、他の販売形態を伴うポイント管理システムに適用してもよい。
【0009】
図1は、本実施形態にかかるポイント管理システム100の概略構成図である。ポイント管理システム100は、ポイント管理会社のポイント管理サーバ6と、店舗が備えるPOS端末1(1a、1b…)および店舗サーバ4とを主に備えている。以下では、ポイント管理サーバ6を本実施形態の情報処理装置として適用した例について説明する。
【0010】
ポイント管理サーバ6は、ポイント管理会社に備えられ、ポイントカードのカード番号(会員番号)、ポイント残高、会員情報、ポイントカードの状態等の情報を管理する。
【0011】
POS端末1は、商品の売上登録処理を行う販売データ処理装置である。ポイント制を採用する店舗a~c…では、POS端末1がポイント管理サーバ6とデータ通信を行いながら、ポイントの加算処理、ポイントの利用処理等を行う。POS端末1は、店内に設けられたLAN(Local Area Network)等の接続回線3、および、インターネット等の通信ネットワーク8を介して、ポイント管理サーバ6と接続可能に構成されている。尚、POS端末1として、マルチ情報端末、タッチパッド等の装置を用いてもよい。また、店舗において用いられるPOS端末1の台数は特に限定されない。各店舗は、少なくとも1台のPOS端末1を備えていればよい。
【0012】
店舗サーバ4は、POS端末1から受信したデータやその他データを統括管理し、店舗の売上管理、在庫管理、経費管理等を行うサーバ装置である。店舗サーバ4とPOS端末1とは、接続回線3で接続されている。また、店舗サーバ4は、通信ネットワーク8によりポイント管理サーバ6と接続されている。
【0013】
次に、ポイント管理サーバ6の構成についてより詳細に説明する。
【0014】
図2は、ポイント管理サーバ6のハードウェア構成例を示すブロック図である。ポイント管理サーバ6は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部61を備える。また、制御部61にはバス62及びI/O機器制御部64を介して、キーボード65、表示器66、プリンタ67及びHDD(Hard Disk Drive)68が接続されている。制御部61は、通信I/F(Interface)63及び通信ネットワーク8を介して店舗サーバ4との間でデータ通信を行う。
【0015】
HDD68は、制御部61のCPUを動作させる各種プログラムの他、ポイント管理マスタ681(図3参照)、および、ステータス管理テーブル682(図4参照)を格納している。まず、ポイント管理マスタ681の構成について説明する。
【0016】
図3は、ポイント管理マスタ681(第1記憶手段)のデータ構成例を示す図である。ポイント管理マスタ681は、ポイントカードの会員ごとのポイント、および、ポイントカードの状態を管理するためのマスタファイルである。
【0017】
ここで、ポイントカードの状態(会員登録状態、ステータスともいう。)としては、例えば、入会、未登録、退会、失効、移行、統合等の状態がある。「入会」は、会員状態としての一通りの機能が有効である状態をいう。「未登録」は、会員申込み手続きは行われたが、システムへの登録が未完了である状態をいう。「退会」は、退会手続きは行ったが、システムに会員情報が残っている状態をいう。「失効」は、会員資格は失効したが、システムに会員情報が残っている状態をいう。「移行」は、新規カードに移行した際に、旧カードの番号および会員情報が残っている状態をいう。「統合」は、結婚等により複数のカードを統合した際に、統合により使用できなくなったカードの番号および会員情報が残っている状態をいう。
【0018】
図3に示すように、ポイント管理マスタ681は、ポイントカードの識別情報である会員番号に対応付けて、会員情報およびステータスコードを格納している。会員情報は、会員氏名、連絡先、累積ポイント、ポイントの有効期限等、いわばポイントに関する情報である。
【0019】
ステータスコードとは、ポイントカードの登録状態(ステータス)を識別するためのコードであり、数桁の数字あるいは数桁の英数字等で構成される。2桁のステータスコードは、上述したポイントカードの各状態に対して、10:入会、00:未登録、N:NULL、20:退会、30:失効、40:移行、50:統合、などと設定することができる。尚、「NULL」は、登録データが存在しない場合のエラーコードである。ステータスコードは、ポイントカードの各種手続きに応じて変更され、ポイント管理マスタ681に登録または更新される。
【0020】
尚、ステータスコードが「10」の場合には、登録状態は通常状態であり、ポイント加算、ポイント利用、ポイント照会等の各処理が問題なくできる状態である。ステータスコードが「10」以外の場合には、一部または全部の処理ができないエラー状態である。
【0021】
ポイント管理サーバ6の制御部61(図2参照)は、POS端末1等から受信したポイント取引データに基づいて、ポイント管理マスタ681内のデータを更新し、管理する。尚、ポイント取引データとは、ポイント取引の内容を示した情報であり、ポイントの加算、減算等を示した区分と、取引されるポイント数とを含む。尚、ポイントカードを複数の系列店舗で共有して運用する場合、ポイント管理サーバ6は、各系列店舗のPOS端末との間で、同様のポイント取引データを送受信して、ポイントの取引および管理を行う。
【0022】
また、制御部61は、POS端末1から問合せのあった会員番号に対応する会員情報およびステータスコードを、ポイント管理マスタ681において検索する。会員番号に対応する情報があれば、制御部61は問合せのあったPOS端末1に当該情報を送信応答する。ポイント管理マスタ681に会員番号そのものが登録されていなければ、エラーコード(上述のステータスコード「NULL」)をPOS端末1に送信応答する。
【0023】
次に、ステータス管理テーブル682の構成について説明する。
【0024】
図4-1、図4-2は、ステータス管理テーブル682(第2記憶手段)のデータ構成例を示す図である。ステータス管理テーブル682は、ステータスコードと、ポイントカードの登録状態(ステータス)と、表示メッセージ192と、印字メッセージ71とを対応付けたテーブルである。
【0025】
表示メッセージ192には、ポイントカードが読み込まれた際に、POS端末1の表示画面上(例えば、登録画面上)に表示されるメッセージが設定される。表示メッセージ192としては、POS端末1のオペレータに対して、エラー状態あるいは登録状態を説明するメッセージが設定される。
【0026】
印字メッセージ71には、ポイントカードが読み込まれた際に、レシートに印字されるメッセージが設定される。印字メッセージ71には、レシートを受け取った客、あるいは、サービスカウンタの店員に対して、ポイントカードの登録状態やエラーの概要を示すメッセージが設定される。即ち、表示メッセージ192、印字メッセージ71には、ポイントカードの登録状態に応じたメッセージがそれぞれ設定される。
【0027】
次に、POS端末1について説明する。
【0028】
図5は、POS端末1のハードウェア構成例および機能構成を示すブロック図である。POS端末1は、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部11を備える。また、制御部11にはバス12及びI/O機器制御部14を介して、キーボード15、スキャナ16、磁気カードRW(リーダライタ)17、非接触式RW18、店員用表示器19、客用表示器21、プリンタ22、HDD20等が接続されている。制御部11は、通信I/F13及び接続回線3を介して、店舗サーバ4との間でデータ通信を行う。また、制御部11は、通信I/F13、接続回線3および通信ネットワーク8を介して、ポイント管理サーバ6とデータ通信を行う。
【0029】
キーボード15は、現計キー150と確定キー151とを備えている。現計キー150は、一取引の合計金額を算出するための操作キーである。確定キー151は、一取引の登録処理の締め操作を受付けるための操作キーであり、一取引ごとの登録処理の完了を確定するための操作キーである。尚、現計キー150および確定キー151は、キーボード15に設けられてもよいし、店員用表示器19に表示する登録画面上に設けられて、タッチパネルへの操作を介してその選択操作を受付けてもよい。
【0030】
磁気カードRW17は、磁気記憶式のポイントカード等に対してデータの読み書きを行う。例えば、磁気カードRW17は、ポイントカードから会員番号を読み取る。尚、ポイントカードは磁気記憶式に限定されない。その他の記憶方式のカードを用いる場合には、カードの記憶方式に沿うタイプのリーダライタを用いればよい。
【0031】
非接触式RW18は、非接触式ICカード、あるいは、非接触式ICチップを搭載した携帯型電子機器に対してデータの読み書きを行う。例えば、非接触式RW18は、電子マネーに対応したICカードから、電子マネーの識別子を読み取る。
【0032】
店員用表示器19および客用表示器21は、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置である。店員用表示器19および客用表示器21の画面上には、それぞれタッチパネルが積層されている。
【0033】
プリンタ22は、サーマルヘッドを備えたプリンタであり、レシートまたはジャーナルを印字出力する。尚、プリンタ22の印字方法は特に限定されない。
【0034】
HDD20は、制御部11が実行する各種プログラムの他、商品マスタ201、および。ステータス管理テーブル682を記憶している。商品マスタ201は、商品コードに対応付けて、商品名、分類、価格等の商品情報を記憶するマスタファイルである。制御部11は、開店時などのタイミングで、店舗サーバ4または系列店舗を統括する企業のサーバから、最新の商品マスタデータをダウンロードし、これにより商品マスタ201を更新する。同様に、制御部11は、開店時などのタイミングで、ポイント管理サーバ6から、最新のステータス管理テーブル682(図2図4参照)をダウンロードし、これによりステータス管理テーブル682(図5参照)を更新する。
【0035】
次に、POS端末1の制御部11が実行する本実施形態のプログラムについて説明する。
【0036】
なお、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、HDD20等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0037】
さらに、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0038】
本実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、図5に示すように、入力受付部51、ポイント管理部52、表示制御部53、印字制御部54を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPUが上記記憶媒体(ROM)から本実施形態のプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされる。そして、CPUが主記憶装置上に、入力受付部51、ポイント管理部52、表示制御部53、印字制御部54を生成する。
【0039】
入力受付部51は、キーボード15、スキャナ16、磁気カードRW17、非接触式RW18、店員用表示器19および客用表示器21が備えるタッチパネルに対する入力、および、通信I/F13を介して受信した情報等の入力を受付ける。
【0040】
また、入力受付部51は、ポイント会員の識別情報の入力を受付ける。例えば、入力受付部51は、磁気カードRW17がポイントカードから読み取った会員番号の入力を受付ける。また、入力受付部51は、キーボード15、店員用表示器19上のタッチパネルを介して会員番号の入力を受付けてもよい。また、ポイントカードが近距離無線通信機能を有するICカード等であれば、入力受付部51は、非接触式RW18を介して当該ポイントカードとの間で無線通信を行い、会員番号の入力を受付けてもよい。
【0041】
ポイント管理部52は、入力受付部51が会員番号を受付けると、当該会員番号に対応付けられた情報をポイント管理サーバ6に問い合わせる。そして、ポイント管理部52は、ポイント管理サーバ6の応答から、問合せた会員番号に対応する会員情報、ステータスコード等の情報を読み込む。
【0042】
表示制御部53は、店員用表示器19または客用表示器21における表示処理を制御する。例えば、表示制御部53は、店員用表示器19に商品を販売登録するための登録画面191(図6参照)を表示する。また、表示制御部53は、ポイント管理部52が上述のように読み込んだステータスコードに対応する表示メッセージ192を、ステータス管理テーブル682から読み込む。そして、表示制御部53は、読み込んだ表示メッセージ192を、店員用表示器19の登録画面191(図6参照)に表示出力する。
【0043】
図6は、POS端末1が表示する表示メッセージ192の一例を示す図である。一例として、ポイントカードの会員番号に対応するステータスコードが「00」であった場合、図4に示すように、ステータス管理テーブル682には、「00」に対応する表示メッセージ192が「未登録会員です。」と設定されている。従って、表示制御部53は、当該表示メッセージ192をステータス管理テーブル682から読み込んで、登録画面191のメッセージ表示領域に表示出力する。当該表示がなされることにより、POS端末1のオペレータは、当該ポイントカードを有する客が未登録会員であることを知り、入会手続きは済んでいるが、システムへの登録処理が未完了であることを知ることができる。尚、表示制御部53は、登録画面191において、表示メッセージ192に加えて、ステータスコードを表示してもよい。
【0044】
図5に戻って、印字制御部54は、一取引分の商品取引データ、ポイント取引データを用いて、レシートの印字データ、および、ジャーナルの印字データを生成する。また、印字制御部54は、ポイント管理部52がポイント管理マスタ681から読み込んだステータスコードに対応する印字メッセージ71を、ステータス管理テーブル682から読み込んで、当該印字メッセージ71をレシートの印字データに組み込む。また、印字制御部54は、生成した印字データをプリンタ22に出力して、レシートおよびジャーナルの印字発行を制御する。プリンタ22は、入力された印字データに基づいて、レシート、および、ジャーナルを印字する。次に、図7および図8を用いて、レシート70の印字構成例について説明する。
【0045】
図7は、登録状態が通常状態でありエラーではない場合の印字例を示す図である。一方、図8は、エラー発生時の印字例を示す図である。以下に、(1)登録状態が通常状態である場合、(2)エラー発生時の印字例について、それぞれ図7図8を用いて説明する。
【0046】
(1)ステータスコードが「10」であり、登録状態が通常状態である場合の印字例
ステータス管理テーブル682(図4参照)には、「10」に対応する印字メッセージ71の構成を、
会員番号 XXXXXXXXXXXX
累積ポイント PPPP
今回ポイント QQQQ
ポイント残高 RRRR
ポイント有効期限 YYYY/MM/DD
とすることが設定されている。従って、印字制御部54は、ポイントカードから読み込まれた会員番号XXXXXXXXXXXX、ポイント管理部52がポイント管理マスタ681から読み込んだ累積ポイントの読み込み値PPPP、ポイント管理部52が合計支払額に対して算出した今回ポイントの値QQQQ、累積ポイントPPPPと今回ポイントQQQQとの和から算出したポイント残高の算出値RRRR、本日から所定日数後として算出したポイント有効期限の算出値YYYY/MM/DDを、レシート70の印字メッセージ71に組み込む。
【0047】
印字制御部54は、印字メッセージ71を含むレシート印字データを生成し、図7に例示するようなレシート70をプリンタ22により印字出力する。図7に示すように、レシート70の下部には、レシート70の上部にまとめられた取引や決済に関する印字項目とは分けて、ポイントに関する項目がまとめて印字される。
【0048】
(2)エラー発生時の印字例
ポイントカードの読み込みエラーが発生した場合に、本実施形態のPOS端末1は、例えば下記のような項目を含むメッセージをレシートの印字データに組み込む。
会員番号の読み込み値
ステータスコード、ステータスを示す説明文
客への案内メッセージ
今回ポイントの算出値
【0049】
以下では、図4に示した例のうち、ステータスコードが「00」であった場合を例に挙げて、エラー発生時の印字例について具体的に説明する。ステータス管理テーブル682(図4参照)には、「00」に対応する印字メッセージ71として、
会員番号 XXXXXXXXXXXX
00:会員登録処理待ちです。
ポイントは後日加算されます。
今回ポイント QQQQ
ポイント有効期限 YYYY/MM/DD
を用いることが設定されている。
【0050】
従って、印字制御部54は、ポイントカードから読み込まれた会員番号の読み込み値XXXXXXXXXXXX、当該会員番号に対応するステータスコード00、ステータスを示す説明文「会員登録処理待ちです。」、客への案内文「ポイントは後日加算されます。」、ポイント管理部52が合計支払額に対して算出した今回ポイントの算出値QQQQ、本日から所定日数後として算出したポイント有効期限の算出値YYYY/MM/DDを、レシート70の印字メッセージ71に組み込む。
【0051】
印字制御部54は、上記印字メッセージ71を含むレシート印字データを生成し、図8に例示するようなレシート70をプリンタ22により印字出力する。図8に示すように、レシート70の下部には、図7で示した通常状態と同様に、ポイントに関する項目がまとめて印字される。
【0052】
このように、通常状態、エラー発生時にかかわらず、レシート70におけるポイント関連情報のレイアウトを同様とし、取引に関する情報とは分けて、レシート70の下部にまとめて印字するとしたことで、ポイントカードに関する情報を見やすくしている。
【0053】
また、図4に示したように、いずれの場合でも会員番号の入力値を印字出力するとした。これにより、手入力ミスや、磁気不良時の入力エラー等に気づきやすい。
【0054】
また、図4-1、図4-2に示したように、いずれのエラー時においても、合計支払額に応じてPOS端末1が算出した今回付与されるポイント数(今回ポイント)を印字出力するとした。これにより、ポイントカードに入会した際に客が得られるポイントが明確に提示されるので、入会の勧誘に有効となることが期待される。
【0055】
次に、ポイント管理システム100における登録処理の手順例について説明する。
【0056】
図9は、ポイント管理システム100で実行される登録処理の手順例を示したシーケンス図である。
【0057】
POS端末1の制御部11は、店員用表示器19に表示された登録画面191(図6参照)を介して、商品登録を行う(ステップS1)。即ち、スキャナ16が商品コードを読み取ると、制御部11は、商品コードに対応する商品情報を商品マスタ201(図5参照)から読み込む。また、制御部11は読み込んだ商品情報を登録画面191上に表示する。キーボード15において現計キー150が操作されると(ステップS2:Yes)、制御部11は商品の合計金額を更新し、ステップS3に移行する。現計キー150が操作されない間(ステップS2:No)は、ステップS1の処理を繰り返す。
【0058】
ポイントカードが読み取り済みであれば(ステップS3:Yes)、ステップS10に移行し、読み取りがまだであれば(ステップS3:No)、ステップS4に移行する。磁気カードRW17がポイントカードの磁気情報から会員番号を読み取ると、入力受付部51は当該会員番号を受付ける(ステップS4)。尚、ステップS4の処理はステップS1の商品登録処理中に割り込み可能としてもよい。ポイント管理部52は、ステップS4で受付けた会員番号をポイント管理サーバ6に送信して、当該会員番号に対応付けられた情報を問い合わせる(ステップS5)。
【0059】
ポイント管理サーバ6の制御部61は、問合せのあった会員番号に対応する会員情報およびステータスコードをステータス管理テーブル682にて検索する(ステップS21)。制御部61は、ステータス管理テーブル682から会員情報およびステータスコードを抽出して、POS端末1に送信応答する(ステップS22)。
【0060】
POS端末1のポイント管理部52は、ポイント管理サーバ6から会員情報およびステータスコードを受信する(ステップS6)。表示制御部53は、受信したステータスコードに対応する表示メッセージ192を、ステータス管理テーブル682から抽出し、読み込む(ステップS7)。また、印字制御部54は、ポイント管理サーバ6から受信したステータスコードに対応する印字メッセージ71を、ステータス管理テーブル682から抽出し、読み込む(ステップS8)。表示制御部53は、ステップS7で読み込んだ表示メッセージ192を、店員用表示器19の登録画面191に表示出力する(ステップS9)。
【0061】
POS端末1のキーボード15において、確定キー151の操作を受付けない間は(ステップS10:No)、ステップS1に戻ってステップS1以降の処理を続ける。確定キー151の操作を受付けた場合(ステップS10:Yes)には、印字制御部54は、登録画面191に表示されている商品情報、個数、単価、合計金額に加え、ステップS8で読み込まれた印字メッセージ71を含めて、レシート1枚分の印字データであるレシートデータを生成する(ステップS11)。印字制御部54はステップS11で生成したレシートデータをプリンタ22に出力し、プリンタ22によってレシートを印字出力する(ステップS12)。
【0062】
以上説明した通り、上記実施形態によれば、POS端末1はポイントカードのステータスコードに応じた印字メッセージをレシートに出力するので、会計時点でエラー概要を知ることができる。従って、客が対応可能なエラー内容であれば、客自らがエラーを解消するための行動をとり易くなる。また、客がサービスカウンタ等に赴いてエラーを調査、解消してもらう際にも、サービスカウンタの店員は予めエラー概要を知ることができるので、エラーに対処しやすくなり、客捌きの効率向上を図ることができる。
【0063】
また、従来、サービスカウンタまでわざわざ出向いて店員に手間をかけてエラーを調査してもらっても、無駄足になるような場合も生じていた。例えば、上述のようにシステムへの登録が未完了である未登録状態では、エラーの原因が分かっても、会員登録が未完了であれば、結局客は、登録処理が完了するまでの期間、ポイントが登録されるまで待つだけである。また、家族が退会手続きを行ったため当人が退会した旨を把握していなかった場合、当人はサービスカウンタに赴いて調べてもらった後、結局は単に退会した事実を知るということもありうる。
【0064】
このようなケースに対し、上記実施形態によれば、レシートにポイントカードの登録状態に応じた情報が出力されるので、レジ担当者または客が速やかにエラー状態に関する情報を入手することができる。また、サービスカウンタでの作業においても、エラーコード(ステータスコード)を予め知ることができれば、説明や調査にかかる作業の効率向上を図ることができる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
例えば、上述したポイント管理サーバ6を1つの装置で構成せずに、ネットワークを介して接続された複数の情報処理装置が構成するクラウド構成により、上述したポイント管理サーバ6の機能を実現してもよい。
【0067】
また、ネットショッピングのWebサイトで、ポイントカードの状態(言い換えれば、会員の登録状態)に応じたメッセージを表示してもよい。尚、メッセージを出力する主体としては、ネットショップが利用するポイントシステムのポイント管理サーバ6であってもよいし、ネットショップのWebサイトを運営するWebサーバであってもよい。このように上記実施形態をネットショッピングのWebサイトに適用することで、当該Webサイトを利用する客が、サービスセンタ等に問い合わせる際に、有効な情報として活用することができる。つまり、サービスセンタ側では、Webサイトに表示されたステータスコードや表示メッセージに基づいて、ポイントシステム利用時のエラーに迅速に対応しやすくなる。
【0068】
また、上述の例では、ステータス管理テーブル682に表示メッセージ192、印字メッセージ71など、テキストデータを格納した例を示したが、実施形態はこれに限らない。ステータス管理テーブル682に、静止画や動画、音声など、テキストデータ以外のデータを格納し、POS端末1はこれらデータを店員用表示器19またはレシート70に出力してもよい。換言すれば、ステータス管理テーブル682は、登録画面191に表示出力する表示データと、レシート70に印字出力する印字データとを、それぞれステータスコードに対応付けて格納するものである。
【0069】
また、ステータスコードに応じた表示メッセージ192および印字メッセージ71の出力先は、POS端末1に限定されない。その他の出力先として、カード決済を行う決済端末を適用してもよい。即ち、当該決済端末が、ステータスコードに応じた表示メッセージ192を表示出力してもよい。また、当該決済端末に接続されたプリンタが、ステータスコードに応じた印字メッセージ71を含むレシートを出力してもよい。
【0070】
尚、上述では、本実施形態にかかる情報処理装置として、ポイント管理サーバ6を適用した例を示したが、実施形態はこれに限定されない。その他の例として、POS端末1において、上述した実施形態の情報処理装置の各機能を実現するとしてもよい。この場合に、参照先のポイント管理マスタ681およびステータス管理テーブル682は、POS端末1の記憶領域に格納していてもよいし、外部の記憶装置に格納し、POS端末1が当該外部の記憶装置にアクセスして情報を読み込んでもよい。
【0071】
また、ポイントカードがリライタブルカードで構成され、POS端末1がリライタブルカード用のリーダライタを備える構成であれば、印字制御部54は、上述にてレシート70に印字出力した項目を、当該リライタブルカードに対して直接書き込んでもよい。
【0072】
以上説明した通り、上記実施形態によれば、ポイントカードの読み込みエラーが発生した際に、ポイントカードの登録状態をより簡便に知ることができる情報処理装置およびプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 POS端末
6 ポイント管理サーバ
19 店員用表示器
51 入力受付部
52 ポイント管理部(コード読込手段)
53 表示制御部(メッセージ読込手段、メッセージ出力手段)
54 印字制御部(メッセージ読込手段、メッセージ出力手段)
70 レシート
71 印字メッセージ
191 登録画面
192 表示メッセージ
681 ポイント管理マスタ
682 ステータス管理テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【文献】特開2012-008840号公報
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7
図8
図9