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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】糞処理具
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A01K23/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017236818
(22)【出願日】2017-12-11
(65)【公開番号】P2019103413
(43)【公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-17
(73)【特許権者】
【識別番号】517432961
【氏名又は名称】大薮 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大薮 正子
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-090719(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198758(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第02727464(EP,A1)
【文献】特開2005-046107(JP,A)
【文献】登録実用新案第3021428(JP,U)
【文献】米国特許第05386802(US,A)
【文献】特開2008-029334(JP,A)
【文献】特開平06-062698(JP,A)
【文献】特開平10-075678(JP,A)
【文献】特開平11-127716(JP,A)
【文献】特開2006-230392(JP,A)
【文献】特開2007-006881(JP,A)
【文献】特開2011-024505(JP,A)
【文献】特開2003-284444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糞処理袋の袋口が外側から挿入される開口部、および挿入された前記袋口の袋口縁部が折り返されて係止される切欠部が設けられた糞処理具本体と、
前記糞処理具本体を動物の臀部に装着する、前記糞処理具本体へ取り付けられた連結体と、
を備え、
前記切欠部に係止された前記袋口縁部を前記外側から覆う糞処理具本体カバーが、前記糞処理具本体へ取り付けられており、
前記切欠部は、左側および右側に対で設けられており、
前記連結体は、紐状部材であり、
前記糞処理具本体の形状は、縦方向の長さが横方向の長さより大きい略楕円形状であり、
前記糞処理具本体カバーの形状は、前記糞処理具本体の形状と一致しており、
前記糞処理具本体カバーは、前記切欠部を避けるように上側部および下側部で前記糞処理具本体へ貼り合わされていることを特徴とする処理具。
【請求項2】
前記連結体の紐長さを調節する紐ストッパーが、設けられていることを特徴とする請求項に記載の糞処理具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬などのような愛玩動物の糞処理を行うための糞処理具に関する。
【背景技術】
【0002】
犬などのような愛玩動物の糞処理を行うためのさまざまな糞処理具が、知られている。
【0003】
より具体的には、つぎのような先行技術が、知られている。
【0004】
適宜ペットに装着可能な装着具と、この装着具に装着用弾性体を介して接続されると共に、適宜ペットの尻に圧接される枠体押えと、適宜ペットの尻と枠体押えとの間に介装される袋装着用枠体と、その開口部が袋装着用枠体に装着されると共に、枠体押えの袋挿通孔を介して枠体押え外方に配置される処理用袋とからなり、適宜ペットの糞が処理用袋内に収容されるよう構成したことを特徴とするペット用糞処理装置が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
犬の背中側から、犬の腰部ないし臀部に挿し込むようにして採糞装着具を容易に取脱できるように装着し、犬の肛門に対向して糞収容袋を上記採糞装着具に取り付けたことを特徴とする犬の採糞処理具が、知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
犬の背中側から、犬の腰部ないし臀部に挿し込むようにして採糞装着具を容易に取脱できるように装着し、犬の肛門に対向して糞収容具を上記採糞装着具に取り付けるようにした犬の採糞処理具であって、上記採糞装着具の犬の腰部への挿入装着部を下方側に開口した逆U字形状に形成するとともに、所定の弾性力で犬の腰部ないし臀部に挾着できるように所定の挾着力のものとし、上記採糞装着具をファッショナブルに犬に装着するように、犬の背中から腰部ないし臀部を被覆する被着衣を上記挿入装着部に取着したことを特徴とする犬の採糞処理具が、知られている(たとえば、特許文献3参照)。
【0007】
犬の背中側から犬の腰部に逆U字形状の所定の弾性力の腰部挿入装着材を挿脱可能に挾着するようにし、ファッショナブルに犬の腰部ないし臀部を被覆する被着衣を腰部挿入装着材に取着して、犬の肛門に対向して糞収容袋を上記被着衣の後部に取り付けるようにし、犬の首部に首部係止部を係止して首部係止部の後部に上記被着衣の前部を枢着状態に連結して被着衣が位置ずれしないように形成したことを特徴とする犬の採糞処理具が、知られている(たとえば、特許文献4参照)。
【0008】
愛玩動物の臀部に糞処理袋を取り付けるための糞処理具であって、前記愛玩動物の臀部の上部と下部に所定の長さの前記糞処理袋の取付部を備え、その取付部に前記糞処理袋の開口部を係止させる係止具を設けることを特徴とする愛玩動物の糞処理具が、知られている(たとえば、特許文献5参照)。
【0009】
犬の糞を受け入れることが出来る袋を外枠にワンタッチで取付け取外しが出来るように装着し、該外枠に取り付けた樹脂ひもを犬の腹部分に巻き付け、犬がお尻から出す糞を直接袋に受け入れるようにした装置が、知られている(たとえば、特許文献6参照)。
【0010】
少なくとも犬の腰部を覆う服地と、この服地を装着した状態で犬の肛門を露出させる円形の尻孔と、この尻孔に取り付けられる紙コップと、この取り付けのために前記尻孔の周囲及び前記紙コップの縁部に設けられた取付手段と、を有することを特徴とする糞入れコップ付き犬服が、知られている(たとえば、特許文献7参照)。
【0011】
ヘアーバンド状の止め具上側湾曲部に前後上下にスライドして硬質細鉄線で成る糞袋支持具を設け、該糞袋支持具に保持させた糞袋の開口部を肛門部に宛がい糞を該袋内に受け止める糞取具が、知られている(たとえば、特許文献8参照)。
【0012】
犬の尻部に装着して肛門から排泄される糞を受ける袋を有する犬の糞処理具であって、犬の糞を収納する糞袋を有し、この糞袋の開口部の周りに鍔状の鍔部を有する袋体と、犬の肛門の周りに当てて装着される円板リング状のホルダとを有し、ホルダはその孔の周りに前記袋体の鍔部を径方向に差し込んで保持する内鍔状の縁保持部を有し、この縁保持部は、その一部から前記袋体の鍔状の鍔部を着脱自在に挿入するため一部を開放した挿入部が形成され、さらにホルダの縁保持部の内周部分と袋体の鍔部の外周部分とに、鍔部を縁保持部に挿入したときに互いに径方向に当たって掛かり合う隆起部を有することを特徴とする犬の糞処理具が、知られている(たとえば、特許文献9参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特開平06-062698号公報
【文献】特開平10-075678号公報
【文献】特開平10-309145号公報
【文献】特開平11-127716号公報
【文献】特開2008-029334号公報
【文献】特開2006-230392号公報
【文献】特開2007-6881号公報
【文献】特開2011-24505号公報
【文献】特開2005-046107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、前述された従来の糞処理具においては、利便性が必ずしもまだ十分ではない。
【0015】
より具体的には、本発明者は、その理由についてつぎのような分析を行っている。
【0016】
すなわち、スコップなどのような道具、または裏返されたナイロン袋などを利用して素手でしばしば行われてきた、犬などのような愛玩動物の糞処理は、たとえば、愛玩動物の糞が軟糞であるときには、今日においても飼い主にとってまだ十分には容易であるとは言い難い。
【0017】
もちろん、室内で飼育される愛玩動物の排糞のためのトイレシーツまたは砂などが利用される場合には、トイレシーツまたは砂の交換が必要であるので、飼い主の負担になりやすい飼育労働および飼育コストが発生する。
【0018】
本発明は、前述された従来の課題を考慮し、利便性を向上することができる糞処理具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
第1の本発明は、糞処理袋の袋口が外側から挿入される開口部、および挿入された前記袋口の袋口縁部が折り返されて係止される切欠部が設けられた糞処理具本体と、
前記糞処理具本体を動物の臀部に装着する、前記糞処理具本体へ取り付けられた連結体と、
を備え、
前記切欠部に係止された前記袋口縁部を前記外側から覆う糞処理具本体カバーが、前記糞処理具本体へ取り付けられており、
前記切欠部は、左側および右側に対で設けられており、
前記連結体は、紐状部材であり、
前記糞処理具本体の形状は、縦方向の長さが横方向の長さより大きい略楕円形状であり、
前記糞処理具本体カバーの形状は、前記糞処理具本体の形状と一致しており、
前記糞処理具本体カバーは、前記切欠部を避けるように上側部および下側部で前記糞処理具本体へ貼り合わされていることを特徴とする糞処理具である。
第2の本発明は、前記連結体の紐長さを調節する紐ストッパーが、設けられていることを特徴とする第1の本発明の糞処理具である。
本発明に関連する第1の明は、糞処理袋の袋口が外側から挿入される開口部、および挿入された前記袋口の袋口縁部が折り返されて係止される切欠部が設けられた糞処理具本体と、
前記糞処理具本体を動物の臀部に装着する、前記糞処理具本体へ取り付けられた連結体と、
を備えることを特徴とする糞処理具である。
【0020】
本発明に関連する第2の明は、前記切欠部に係止された前記袋口縁部を前記外側から覆う糞処理具本体カバーが、前記糞処理具本体へ取り付けられており、
前記切欠部は、左側および右側に対で設けられており、
前記連結体は、紐状部材であることを特徴とする本発明に関連する第1の明の糞処理具である。
【0021】
本発明に関連する第3の明は、前記糞処理具本体の形状は、縦方向の長さが横方向の長さより大きい略楕円形状であり、
前記糞処理具本体カバーの形状は、前記糞処理具本体の形状と一致しており、
前記糞処理具本体カバーは、前記切欠部を避けるように上側部および下側部で前記糞処理具本体へ貼り合わされていることを特徴とする本発明に関連する第2の明の糞処理具である。
【0022】
本発明に関連する第4の明は、前記連結体の紐長さを調節する紐ストッパーが、設けられていることを特徴とする本発明に関連する第2または第3の明の糞処理具である。
【0023】
本発明に関連する第5の明は、前記切欠部に係止された前記袋口縁部の前記糞処理具本体に対する滑りを抑制する袋口縁部滑り抑制部が、前記糞処理具本体に設けられていることを特徴とする本発明に関連する第1から第4の何れかの明の糞処理具である。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、利便性を向上することが可能な糞処理具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明における実施の形態の糞処理具の斜視図
図2】本発明における実施の形態の糞処理具の背面図(その一)
図3】本発明における実施の形態の糞処理具の背面図(その二)
図4】本発明における実施の形態の糞処理具の部分背面図(その一)
図5】(a)本発明における実施の形態の糞処理具の部分背面図(その二)、(b)本発明における実施の形態の糞処理具の部分背面図(その三)
図6】本発明における実施の形態の糞処理具の糞処理具本体カバーの模式的な背面図
図7】本発明における実施の形態の糞処理具の糞処理具本体の模式的な背面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
はじめに、図1~3を参照しながら、本実施の形態の糞処理具について具体的に説明する。
【0028】
図1は、本発明における実施の形態の糞処理具の斜視図である。図1においては、犬などのような愛玩動物10に紐などのような連結体4で装着されている、糞処理袋3が取り付けられている糞処理具が側方から見られている状態が示されている。
【0029】
図2は、本発明における実施の形態の糞処理具の背面図(その一)である。図2においては、糞処理具が愛玩動物10の臀部へ対峙して取り付けられている状態が示されている。
【0030】
図3は、本発明における実施の形態の糞処理具の背面図(その二)である。図3においては、糞処理具本体2が示されている。
【0031】
本実施の形態の糞処理具は、愛玩動物10の身体的な負担が小さい合成皮革などのような軟性素材を利用する単純コンパクト構造の携帯型糞処理具であり、愛玩動物10に常時装着可能である。
【0032】
すなわち、開口部1の上部には、糞処理袋3と対峙して、愛玩動物10の尻尾が挿入される。下端部が糞処理具本体2および糞処理具本体カバー8の下部へ固定的に取り付けられている紐などのような左右の2本の連結体4は、愛玩動物10の後脚の股間から左右の脚の付け根および腰の側部に沿って案内され、上端部が、尻尾の下に位置する、糞処理具本体2および糞処理具本体カバー8に設けられた左右の孔6へ下方から通され、引っ張られる。連結体4の紐長さが調節され、連結体4はコードストッパー7などでしっかりと固定される。糞処理具本体2は愛玩動物10の臀部にしっかりと装着されるので、落下した糞は糞処理袋3へ確実に収容される。
【0033】
本実施の形態の糞処理具によれば、愛玩動物10との散歩または旅行時のみならず、愛玩動物10の糞が軟糞であるとき、および認知症状または痴呆症状の愛玩動物10が放糞するときにも、糞処理は容易である。
【0034】
このような糞処理具は愛玩動物10の臀部と容易に着脱可能であり、糞処理具本体2へ素材同士での摩擦を利用して取り付けられる糞処理袋3は糞処理具本体2と容易に着脱可能である。したがって、飼い主の飼育労働は、軽減される。そして、糞処理袋3は遊びがあるように糞処理具本体2へ取り付けられるので、愛玩動物10は、糞処理具が常時装着されても、快適である。
【0035】
つぎに、図1~7を参照しながら、本実施の形態の糞処理具についてより具体的に説明する。
【0036】
図4は、本発明における実施の形態の糞処理具の部分背面図(その一)である。図4においては、糞処理袋3が糞処理具へ取り付けられている状態が示されている。
【0037】
図5(a)および5(b)は、本発明における実施の形態の糞処理具の部分背面図(その二および三)である。図5(a)においては糞処理具の左の側部が開かれている状態が示されており、図5(b)においては糞処理具の右の側部が開かれている状態が示されている。
【0038】
図6は、本発明における実施の形態の糞処理具の糞処理具本体カバー8の模式的な背面図である。図6においては、糞処理具が愛玩動物10に装着されているときに、糞処理具本体カバー8の外側面が後方から見られた状態が示されている。そして、図6においては、理解が容易になるように、仮想的な切欠部5が点線で示されている。
【0039】
図7は、本発明における実施の形態の糞処理具の糞処理具本体2の模式的な背面図である。図7においては、糞処理具本体カバー8の内側面が部分的に貼り合わされるべき、糞処理具本体2の外側面が後方から見られた状態が示されている。
【0040】
コードストッパー7は本発明の紐ストッパーの一例であり、スナップ部9は本発明の袋口縁部滑り抑制部の一例である。愛玩動物10は、本発明の動物の一例である。
【0041】
糞処理具本体2は、糞処理袋3の袋口3aが外側から挿入される開口部1、および挿入された袋口3aの袋口縁部3bが折り返されて係止される切欠部5が設けられた部材である。連結体4は、糞処理具本体2を愛玩動物10の臀部に装着する、糞処理具本体2へ取り付けられた部材である。
【0042】
糞処理具本体2に設けられた開口部1の下部に挿入された袋口縁部3bは裏返され、糞処理袋3は糞処理具本体2へ素材同士での摩擦を利用して取り付けられる。開口部1の上部には、糞処理袋3と対峙して、愛玩動物10の尻尾が挿入される。愛玩動物10の臀部には、糞処理具本体2が紐などのような連結体4でしっかりと装着される。
【0043】
切欠部5に係止された袋口縁部3bを外側から覆う糞処理具本体カバー8が、糞処理具本体2へ取り付けられている。切欠部5は、左側および右側に対で設けられている。連結体4は、紐状部材である。
【0044】
糞処理具本体2に設けられた開口部1の下部に挿入された袋口縁部3bが裏返され、糞処理具本体2の左右の側部が開けられ、袋口縁部3bは糞処理具本体2に設けられた左右および上下の切欠部5に係止される。糞処理具本体2の左右の側部が閉じられることにより、左右および上下の切欠部5に係止された袋口縁部3bの引っ掛かりでの摩擦に加えて、糞処理具本体2と糞処理袋3との間の摩擦は糞処理袋3の糞処理具本体2への取り付けを強化するので、糞処理袋3は糞処理具本体2から外れにくい。
【0045】
糞処理具は紐などのような連結体4で愛玩動物10の臀部に密着させられるので、糞処理具本体2から糞処理袋3への圧力が発生し、摩擦が増え、糞処理袋3は糞処理具本体2からさらに外れにくくなる。糞の入った糞処理袋3が意図的に外されるときには、糞処理具本体2の左右の側部が開けられ、糞処理袋3が左右および上下の切欠部5から外されることにより、糞処理具本体2と糞処理袋3との間の摩擦が減るので、糞処理袋3は引っ張られるだけで容易に外れ、糞の処理は簡単である。
【0046】
本実施の形態においては、切欠部5が糞処理具本体2に設けられており、切欠部5に係止された袋口縁部3bを外側から覆う糞処理具本体カバー8が糞処理具本体2へ取り付けられている。
【0047】
しかしながら、変形例の実施の形態においては、切欠部5が糞処理具本体2に設けられているが、糞処理具本体カバー8が糞処理具本体2へ取り付けられていなくてもよい。
【0048】
もちろん、本発明に関連する発明における実施の形態においては、切欠部5が糞処理具本体2に設けられていないが、袋口縁部3bを外側から覆う糞処理具本体カバー8が糞処理具本体2へ取り付けられていてもよい。
【0049】
糞処理具本体2の形状は、縦方向の長さが横方向の長さより大きい略楕円形状である。糞処理具本体カバー8の形状は、糞処理具本体2の形状と一致している。糞処理具本体カバー8は、切欠部5を避けるように上側部8aおよび下側部8bで糞処理具本体2へ貼り合わされている。
【0050】
たとえば、上の切欠部5は、上側部8aの内側面が貼り合わされている、糞処理具本体2の外側面における糞処理具本体上側部から離れていてもよいが、切欠部5に係止された袋口縁部3bの引っ掛かりでの摩擦が増えるように、上の切欠部5の上縁が糞処理具本体上側部の下縁に接する構成が採用されてもよい。
【0051】
糞処理袋3は、たとえば、通常のいわゆるビニール袋であり、糞処理具本体2へ容易に取り付けられる。糞処理具本体2の形状である略楕円形状においては縦方向の長さが横方向の長さより大きいので、糞処理袋3が、糞処理袋3の底部の縫合ラインの方向が縦方向であるように、糞処理具本体2へ取り付けられると、開口部1は十分に大きく形成されて落下した糞は糞処理袋3へ確実に収容されるのみならず、糞処理袋3は不自然に膨らまず平面的な状態を維持する。
【0052】
上の切欠部5の位置は、愛玩動物10の尻尾が挿入されるスペースが確保されるように、あまり高くないことが望ましい。
【0053】
連結体4の紐長さを調節するコードストッパー7が、設けられている。
【0054】
下端部が糞処理具本体2および糞処理具本体カバー8の下部へ固定的に取り付けられている紐などのような左右の2本の連結体4は、愛玩動物10の後脚の股間から左右の脚の付け根および腰の側部に沿って案内され、上端部が、尻尾の下に位置する、糞処理具本体2および糞処理具本体カバー8に設けられた左右の孔6へ下方から通され、引っ張られる。そして、連結体4の紐長さが調節され、連結体4はコードストッパー7などでしっかりと固定される。糞処理具本体2は愛玩動物10の臀部にしっかりと装着されるので、落下した糞は糞処理袋3へ確実に収容される。
【0055】
切欠部5に係止された袋口縁部3bの糞処理具本体2に対する滑りを抑制するスナップ部9が、糞処理具本体2に設けられている。
【0056】
糞処理具本体2の側部が開けられて糞処理袋3が係止されるときに、左右に設けられた上下の切欠部5に加えて、スナップ部9、磁石を利用するマグネット留め具、または滑り止めのための加工が行われているフェルト部材などのような袋口縁部滑り抑制部が糞処理具本体カバー8と対峙する糞処理具本体2の部分において利用される。すると、糞処理袋3は糞処理具本体2の切欠部5に巻き込まれるように固定されるので、糞処理袋3は糞処理具本体2へ確実に取り付けられる。
【0057】
たとえば、上の切欠部5は、スナップ部9から離れていてもよいが、切欠部5に係止された袋口縁部3bの引っ掛かりでの摩擦が増えるように、上の切欠部5の下縁がスナップ部9の上縁に接する構成が採用されてもよい。
【0058】
糞処理具本体2の外側面に形成された凸部または凹部と、糞処理具本体カバー8の内側面に形成された凹部または凸部と、が互いに嵌め合うとともに、間に糞処理袋3をしっかりと挟み込む構成が採用されてもよい。
【0059】
本実施の形態の糞処理具によれば、糞処理袋3は糞処理具本体2と容易に着脱可能であるので、糞処理の煩わしさが軽減され、愛玩動物10との散歩または旅行時のみならず、愛玩動物10の糞が軟糞であるとき、および認知症状または痴呆症状の愛玩動物10が放糞するときにも、糞処理は容易である。
【0060】
そして、室内で飼育される愛玩動物10の排糞のためのトイレシーツまたは砂などは不要であるので、飼い主の飼育労働は軽減され、飼育コストは低減される。
【0061】
さらに、糞は糞処理袋3へ収容されるので、糞臭は抑制される。
【0062】
本実施の形態においては、金具などの硬い部品は糞処理具本体2などに不要であるので、糞処理具が愛玩動物10に常時装着されても、愛玩動物10は、容易に座ることができるので、苦痛を感じず快適であり、愛玩動物10の姿勢が排糞時に下方へ傾いても、糞は糞処理袋3の外へほとんど落下しないので、器物の糞汚染などは発生しにくい。
【0063】
本発明者は、このような糞処理具は、たとえば、犬などの糞処理具を製造したり使用したりする産業においても歓迎されると考えている。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明における糞処理具は、利便性を向上することができ、たとえば、犬などのような愛玩動物の糞処理を行うための糞処理具に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 開口部
2 糞処理具本体
3 糞処理袋
3a 袋口
3b 袋口縁部
4 連結体
5 切欠部
6 孔
7 コードストッパー
8 糞処理具本体カバー
8a 上側部
8b 下側部
9 スナップ部
10 愛玩動物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7