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特許6994459Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用
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  • 特許-Chrysanthellum  indicum、Cynara  scolymus及びLycium  barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用 図1
  • 特許-Chrysanthellum  indicum、Cynara  scolymus及びLycium  barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用 図2
  • 特許-Chrysanthellum  indicum、Cynara  scolymus及びLycium  barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用 図3
  • 特許-Chrysanthellum  indicum、Cynara  scolymus及びLycium  barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物及び炭水化物代謝及び/または脂肪代謝に作用するための使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/815 20060101AFI20220214BHJP
   A61K 36/287 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 36/67 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/4525 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 36/63 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/07 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/51 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/525 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/197 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/4415 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/714 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/375 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 33/30 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220214BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 5/50 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220214BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220214BHJP
   A23L 33/10 20160101ALN20220214BHJP
【FI】
A61K36/815
A61K36/287
A61K36/28
A61P43/00 121
A61K36/67
A61K31/4525
A61K36/63
A61K31/07
A61K31/51
A61K31/525
A61K31/455
A61K31/197
A61K31/4415
A61K31/714
A61K31/375
A61K31/59
A61K31/355
A61K31/122
A61K33/30
A61K47/12
A61K47/02
A61K47/38
A61K9/14
A61K9/06
A61K9/107
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/08
A61P3/06
A61P3/10
A61K45/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P5/50
A61P25/28
A61P3/04
A61P3/00
A23L33/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018517381
(86)(22)【出願日】2016-10-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2016075257
(87)【国際公開番号】W WO2017068057
(87)【国際公開日】2017-04-27
【審査請求日】2019-10-18
(31)【優先権主張番号】1559965
(32)【優先日】2015-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518111070
【氏名又は名称】ヴァルビオティス
(73)【特許権者】
【識別番号】518110589
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ クレルモン オーヴェルヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ペルティエ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】シャヴァネル,ヴィヴィエン
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン,パスカル
【審査官】原口 美和
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00317453(EP,A1)
【文献】特表2014-526486(JP,A)
【文献】特開平08-310949(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0288125(US,A1)
【文献】特開2008-273938(JP,A)
【文献】特開2007-045814(JP,A)
【文献】LA ROYALE,ROY-EAU STEROL BIO,ONLINE,2013年04月08日,PAGE(S):1,http://www.la-royale.com/fiche.php?id=605
【文献】Scholars Research Library,2011年,Vol. 1, No. 2,pp. 1-7
【文献】Journal of Medicinal Plants Research,2011年,Vol. 5, No. 13,pp. 2717-2723
【文献】薬学雑誌,2005年,Vol. 125, No. 12,pp. 981-988
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/815
A61K 36/287
A61K 36/28
A61P 43/00
A61K 36/67
A61K 31/4525
A61K 36/63
A61K 31/07
A61K 31/51
A61K 31/525
A61K 31/455
A61K 31/197
A61K 31/4415
A61K 31/714
A61K 31/375
A61K 31/59
A61K 31/355
A61K 31/122
A61K 33/30
A61K 47/12
A61K 47/02
A61K 47/38
A61K 9/14
A61K 9/06
A61K 9/107
A61K 9/20
A61K 9/48
A61K 9/08
A61P 3/06
A61P 3/10
A61K 45/00
A61P 1/16
A61P 9/00
A61P 5/50
A61P 25/28
A61P 3/04
A61P 3/00
A23L 33/10
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは動物における脂肪代謝の病理学的障害を予防及び/または治療するための組成物であって、少なくともクリサンテルムインジクム(Chrysanthellum indicum)、アーティチョーク(Cynara scolymus)及びナガバクコ(Lycium barbarum)から抽出された分子の混合物を含む組成物。
【請求項2】
脂質異常症を予防及び/または治療するための、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
さらにヒトまたは動物における炭水化物代謝の病理学的障害を予防及び/または治療するための、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物であって、以下:
-少なくともクリサンテルムインジクムの抽出物、アーティチョークの抽出物及びナガバクコの抽出物からなる混合物、及び/または
-少なくともクリサンテルムインジクム、アーティチョーク及びナガバクコから得られた単一抽出物、及び/または
-少なくとも二つの植物から得られた単一抽出物であって、そのうちの二つは、クリサンテルムインジクム、アーティチョーク及びナガバクコの中から選択され、及び単一抽出物には存在しないクリサンテルムインジクム、アーティチョーク及びナガバクコから選択された少なくとも一つの植物からの抽出物、及び/または
-少なくとも二つの植物から得られた単一抽出物であって、そのうちの一つはクリサンテルムインジクム、アーティチョーク及びナガバクコから選択され、及び単一抽出物には存在しないクリサンテルムインジクム、アーティチョーク及びナガバクコから選択された少なくとも二つの植物からの抽出物、
を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物は、更にピペリンまたコショウ属(Piper)抽出物を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも一つの単一抽出物は更にコショウ属(Piper)を含む植物から得られることを特徴とする請求項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物は、更にオリーブ(Olea europaea)抽出物を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも一つの単一抽出物は、更にオリーブ(Olea europaea)を含む植物から得られることを特徴とする請求項4又は6に記載の組成物。
【請求項9】
植物抽出物または単一抽出物に加えて、少なくとも一つの追加の要素を含み、前記追加の要素は、以下:
-以下のビタミン:B1、B2、B3、B5、B6、B8、B9、B12、C、A、D、E、K1及びK2;
-以下の化合物:オベチコール酸、コロソリン酸、ω6及び/またはω3系の多価不飽和脂肪酸、オロチン酸、パンガミン酸、パラ-アミノ安息香酸、アミグダリン、βグルカン、カルニチン、ジメチルグリシン、イメグリミン、イソフラボン、L-アルギニン、オキシトシン、ペクチン、ピリドキサミン、レスベラトロール、ビニフェリン、L-シトルリン;
-以下の微量元素及び鉱物:ヒ素、ホウ素、カルシウム、銅、鉄、フッ素、ヨウ素、リチウム、マンガン、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、バナジウム、亜鉛;
-以下の非必須の性質の微視的成分:共役リノレン酸、リポ酸、カロチノイド、カルニ
チン、コリン、コエンザイムQ10、植物ステロール類、タンニン及びリグナン類のポリフェノール、タウリン;
-フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖;
-乳酸発酵;
-酵母;
-キノコ;
-食品及び医薬品部門に適合する昆虫由来の生成物;
-マリファナ及びハッシッシ;
-コーティング剤;
-香味料;
-酸味料;
-固結防止剤;
-増粘剤;
-安定化剤;
-乳化剤;
-充填剤;
-賦形剤、
から選択されることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
粉末、ゲル、エマルジョンまたは液体の形態であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
錠剤、カプセル、ゲルカプセル、スティック、小袋、ブリスター、点滴器の形態でまたは注射型であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
医薬としてのその使用のための、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
スタチン類、フィブラート類、ニコチン酸、イオン交換樹脂、コレステロール吸収阻害剤、ω3多価不飽和脂肪酸、チアデノール及びFXR(ファルネソイドX受容体)核受容体アゴニストから選択される低脂質治療剤と組み合わせて用いられる、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトまたは動物における脂肪及び/または炭水化物の代謝障害の予防及び治療に関する。
【背景技術】
【0002】
先進国及び都市部では、総コレステロール及びLDLコレステロールの血漿濃度が推奨値を上回っている人が多い。これは部分的には悪い生活習慣、特に食事習慣によるものである。しかし、疫学研究によって、LDLコレステロールの血漿濃度の上昇が心血管疾患のリスクを増加させることが明らかに示されている。血漿LDLコレステロールレベルの低下(食餌の変更または治療剤の使用のどちらかに関係なく)は、一般的に、一次予防及び二次予防の両方において心血管イベントの減少を引き起こす(非特許文献1)。最近のメタアナリシスでは、使用される治療用分子には関係なく、LDLコレステロールが1mmol/L減少する毎に、心血管リスクが20%低下したと計算されている(非特許文献2及び3)。
【0003】
様々な国で得られたデータが示すように、第一の治療目的は、LDLコレステロールの低下の強度及び心血管疾患の絶対リスク間の対応を確立することである。まず第一に、LDLコレステロールが上昇している人は、ライフスタイルを変えるべきである。
相当する個人において、この第一の戦略は一般的に有効である。第二に、心血管疾患のリスクの高い患者は、また、薬物療法を受けるべきである。主要な脂肪減少薬は以下のとおりである:
・スタチン:シンバスタチン製造業者ブランド及びジェネリック、プラバスタチン製造業者ブランド及びジェネリック、フルバスタチン製造業者ブランド及びジェネリック、アトルバスタチン及びロスバスタチン;
・固定用量に関連するスタチン:シンバスタチン+エゼチミブ、プラバスタチン+アセチルサリチル酸、アトルバスタチン+アムロジピン;
・フィブラート:フェノビブラート製造業者ブランド及びジェネリック、ベザフィブラート、ジェムフィブロジル、シプロフィブレート製造業者ブランド及びジェネリック;
・ニコチン酸;
・イオン交換樹脂:コレスチラミン;
・コレステロール吸収阻害剤:エゼチミブ;
・オメガ3多価不飽和脂肪酸;
・その他:チアデノール。
【0004】
これらの高脂血症薬は心血管レベルで有効であるが、費用がかかり、特に重大な副作用を伴い、コンプライアンスの低下または患者が完全に使用を中止することの原因となる。
【0005】
この時点で利用可能なスタチンは、とりわけ、筋肉痛、疲労及び筋肉の硬直及び痙攣などの症状を伴うミオパチーを引き起こし、逆説的に患者の身体活動レベルを低下させる。さらに、ミオパチーのリスクは、スタチンとフィブラートの同時投与によって悪化する(非特許文献4)。
【0006】
したがって、進行したコレステロール血症及びトリグリセリド血症の両方を有する患者の状況では、スタチン+フィブラートの組み合わせは危険であることが判明する可能性がある。しかし、高レベルではアテローム性動脈硬化症のリスクが高まるため、血中トリグリセリド値を下げることが不可欠である(非特許文献5)。スタチンはまた、乳癌などの他の病態のリスクを増加させる可能性がある(非特許文献6)。
【0007】
さらに、インスリン抵抗性は、メタボリックシンドローム及びアテローム性動脈硬化症を含む多くの病状の発症の最も重要なメカニズムの一つである(非特許文献7及び8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Wilson PWら、American Journal of Cardiology、(米)、1987、Vol.59、91G-94G
【文献】Robison JGら、Journal of the American College of Cardiology、(米)、2005、Vol.46、p.1855-1862
【文献】Baigent Cら、THE LANCET、(英)、2005、Vol.366、p.1267-1278
【文献】Denke MA、Journal of Managed Care of Pharmacy、(米)、2003、Vol.9、p.17-19
【文献】Brinton EA、Cardiology Clinics、(米)、2015、Vol.33、p.309-323
【文献】Lorgeril Mら、BMC Medicine、(米)、2014、Vol.12、p.94
【文献】Samuel VTら、 Cell、(米)、2012、Vol.148、p.852-871
【文献】Kim Bら、Experimental And Molecular Medicine、(米)、2015、Vol.47(3)、e149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、特定のリスクファクター(糖質障害、脂肪障害、過剰体重、炎症、酸化的ストレス、動脈性高血圧)の増大によって特徴付けられる、心臓-代謝病理の確立が十分でない間、及びこれらの病理、特にアテローム性動脈硬化症及び2型糖尿病の発症の間に、その両方ともに用いることができる生成物が現実的に必要である。
【0010】
さらに、作用の「マルチターゲット(multi-target)」機構が、コンプライアンス、耐性及び有効性に関して利点を有する、防御的解決法及び医薬の必要性は緊急である。このような生成物によって、心臓代謝疾患の全体的リスクを低下すること、ならびに独立して生じる各々の機能不全及び/またはその結果を予防及び治療することが可能になる。
【0011】
本発明の目的は、いくつかの脂質機能不全、空腹時血糖及びインスリン感受性に同時に作用することが可能であり、したがって、心臓-代謝疾患及びそれらの合併症を予防及び治療するための予防手段及び有利な治療手段の両方に相当する組成物を提案することによってこれらの種々の必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
その目的を満たすために、本発明は、少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物に関する。好ましくは、本発明による組成物はまたピペリンを含む。
【0013】
Chrysanthellum indicumの抽出物及びCynara scolymusの抽出物はすでに記載されており、いくつかは栄養製品に使用されているが、予期しないことに、Chrysanthellum indicumとCynara scolymus及びLycium barbarumとの組み合わせは、ヒトまたは動物における脂肪代謝及び炭水化物代謝の両方に驚くべき結果をもたらし、これらの植物は相乗効果を示す。
【0014】
有利には、本発明による組成物は、脂質異常症(コレステロール及びトリグリセリド)に作用するだけでなく、過剰体重及び肥満などの他の心血管危険因子及び血圧にも作用する。それらはまた、慢性の高血糖症の確立を防ぎ、空腹時血糖を慢性的に低下させ、糖化ヘモグロビンを減少させ、摂取した炭水化物の耐性を改善し、インスリン感受性を改善することを可能にする。さらに、それらは、既存の治療及び開発中の治療で観察されるものに照らして、副作用はほとんどないか、または全くない。
【0015】
したがって、本発明はまた、特にヒトまたは動物の脂肪及び/または炭水化物代謝障害を予防するか、及び/またはそれらと闘うための、栄養製品または健康製品として、特に医薬品としての組成物の使用に関する。
【0016】
本発明は、以下の添付図面を参照して、詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1はChrysanthellum indicum及びCynara scolymusから抽出された分子を含む組成物のインスリン感受性に対する効果を示す。
図2図2はChrysanthellum indicum及びCynara scolymusから抽出した分子を含む組成物によってもたらされる相乗効果を示す結果を示し、これらの結果は、総コレステロールの表2の結果(ポイントII)に対応する。
図3図3はChrysanthellum indicum及びCynara scolymusから抽出した分子を含む組成物によってもたらされる相乗効果を示す結果を示し、これらの結果は、LDLコレステロールの表2の結果(ポイントII)に対応する。
図4図4はChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumの組合せの肝臓トリグリセリドに対する効果を実証した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
植物「X」の抽出物または植物原料「X」は、本発明の意味において、任意の適切な方法を使用して植物「X」から得られる分子のセットを指す。特に、水性抽出物(水性溶媒を使用して得られる)、アルコール抽出物(アルコール溶媒を使用して得られる)、または有機溶媒の使用、または天然脂肪または天然脂肪の混合物、特に植物油または植物油の混合物の使用を挙げることが可能である。水性溶媒とは、全部または一部が水から構成される任意の溶媒のことをいう。従って、その例としては、水自体、任意の割合含水アルコール溶媒、または水及びグリセリンまたはプロピレングリコールなどの化合物の任意の割合からなる溶媒を指す。特にアルコール性溶媒にはエタノールが含まれる。
【0019】
いくつかの植物「X」または植物原料「X」から得られた単一抽出物は、本発明の意味において、任意の適切な方法を使用して少なくとも2つの植物「X」の混合物から得られる分子のセットを意味する。特に、水性抽出物(水性溶媒を使用して得られる)、アルコール抽出物(アルコール溶媒を使用して得られる)または有機溶媒を使用して、または天然脂肪または天然脂肪の混合物、特に植物油または植物油の混合物を使用する抽出物を指してもよい。水性溶媒とは、全部または一部が水から構成される任意の溶媒を意味する。従って、その例としては、水そのもの、任意の割合からなる含水アルコール溶媒、または任意の割合の水及びグリセリンまたはプロピレングリコールなどの化合物からなる溶媒が含まれる。特にアルコール溶媒にはエタノールが含まれる。
【0020】
「抽出物の混合物」は、本発明の意味において、化学的に相互作用してもしなくてもよい固体、液体または気体の形態の少なくとも三つの抽出物の組み合わせを指す。本発明による抽出物の混合物は、当業者に公知の任意の方法を用いて得られる。抽出物を単純に混合することによって得ることが可能である。
【0021】
「植物」または「植物原料」とは、本発明の意味において、まだ特定の処理を受けておらず、植物調整物に製造されることを意図している細胞培養物を含む植物全体または植物部分を指す 。
【0022】
「植物「X」は、単一抽出物中に存在しない」とは、本発明の意味において、植物「X」が単一抽出物を得るために使用されておらず、単一抽出物はこの植物「X」から抽出された分子を含まないことを意味する。
【0023】
本出願において、単数または複数は、本発明による組成物を指定するために区別なく使用される。
【0024】
本発明は、少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから抽出された分子の混合物を含む組成物に関する。
【0025】
Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから抽出された分子は、脂肪及び炭水化物代謝に関して相乗的に作用する。
【0026】
特に、本発明の組成物は、以下を含む:
-少なくともChrysanthellum indicumの抽出物、Cynara scolymusの抽出物及びLycium barbarumの抽出物からなる混合物、及び/または
-少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから得られた単一抽出物、及び/または
-少なくとも二つの植物から得られた単一抽出物であって、そのうちの二つは、Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumの中から選択され、及びその単一抽出物には存在しないChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択された少なくとも一つの植物からの抽出物、及び/または
-少なくとも二つの植物から得られた単一抽出物であって、そのうちの一つはChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択され、及びその単一抽出物には存在しないChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択された少なくとも二つの植物からの抽出物。
【0027】
本発明の組成物は、また、任意にピぺリン、Olea europaeaの抽出物及び/またはVaccinium myrtilusの抽出物を含んでもよい。
【0028】
第一の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも:
-Chrysanthellum indicumの抽出物、及び
-Cynara scolymusの抽出物、及び
-Lycium barbarumの抽出物、
からなる抽出物の混合物を少なくとも一つ含む。
【0029】
これら三つの抽出物は、脂肪及び炭水化物代謝に相乗的に作用する。
【0030】
好ましくは、本発明による組成物は、ピペル抽出物の形態または合成ピペリンの形態のピペリンを含む。
【0031】
この植物抽出物は、任意の適切な方法を使用して、例えば、以下のステップを含む方法を介して得られる:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-必要に応じて添加物の組み込み
-ホモジナイゼーション
-パッケージング。
【0032】
Chrysanthellum indicumの抽出物は、好ましくは、植物全体の抽出物であるか、または地上部の抽出物である。
【0033】
これは、特に、ハイドロアルコール性もしくは水性もしくは亜臨界COもしくは亜臨界HO抽出物であってもよく、あるいは従来の加熱によって、またはマイクロ波周波数もしくは超音波のもとで行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0034】
植物/抽出物の比は好ましくは、1/1~100/1、特に1/1~25/1である。
【0035】
本発明による組成物は、ヒトへ用いることを意図した場合、好ましくは、その組成物が投与されるヒトの体重1kgあたり、かつ1日あたり、少なくとも0.00001g、特に0.00001g~0.60gのChrysanthellum indicumの抽出物の投与を可能にする量のChrysanthellum indicumの抽出物を含む。
【0036】
好ましくは、Chrysanthellum indicumの抽出物は、アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール-7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン-8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン-6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)またはそれらの類似体から選択される少なくとも1つの分子を含む。
【0037】
本発明の意味において、「類似体(analog)という用語は、別の化合物と同様の化学構造を有するが、特定の構成要素によってそれとは異なっている全ての化合物を意味する。これは、他の原子、官能基、または小構造で置き換えられる1つ以上の原子、官能基、小構造によって異なる場合がある。例としては、アピゲニン-7-O-グルクロニド類似体は例えば、アピゲニン-7-アピオグルコシド、アピゲニン-8-C-グルコシド(ビテキシン)、アピゲニン-6-C-グルコシド(イソビテキシン)、アピゲニン-7-O-ネオヘスペリドシド、アピゲニン7-グルコシド、アピゲニン-7-アピオグルコシドが挙げられる。
【0038】
Cynara scolymusの抽出物は好ましくは、葉または根の抽出物である。
【0039】
これは特に、含水アルコール性もしくは水性または亜臨界COもしくは亜臨界HO抽出であってもよく、あるいは従来の加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0040】
植物/抽出物比は好ましくは、1/1~100/1、特に1/1~30/1である。
【0041】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、好ましくは、その組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、特に0.00001g~0.60gのCynara scolymusの抽出物の投与を可能にする量のCynara scolymusの抽出物を含む。
【0042】
好ましくは、Cynara scolymusの抽出物は、ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはその類似体から選択される少なくとも1つの分子を含む。
【0043】
Lycium barbarumの抽出物は、好ましくは液果または地上部の抽出物である。これは特に、含水アルコール性もしくは水性または亜臨界COもしくは亜臨界HO抽出であってもよく、あるいは従来の加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0044】
植物/抽出物比は、好ましくは1/1~150/1、特に1/1~90/1である。
【0045】
これがヒトについて意図した場合、本発明による組成物は、好ましくはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、特に0.00001g~0.60gのLycium barbarumの抽出物の投与を可能にする量のLycium barbarumの抽出物を含む。
【0046】
好ましくは、Lycium barbarumの抽出物は、キシロース、マンノース、アラビノースまたはガラクトースなどの多糖類を少なくとも含む。
【0047】
本発明による混合物は、また、Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumの抽出物に加えて、他の化合物、特にピぺリン及び/またはOlea europaeaの抽出物を含んでもよい。
【0048】
本発明による組成物に存在するピペリンは、Piperの抽出物に含まれてもよいし、または合成のピペリンであってもよい。
【0049】
ピペリンの位相幾何学式を以下の化1に示す。
【0050】
【化1】
【0051】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、好ましくはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.001mg、特に0.001g~166mgのピペリンの投与を可能にする量のピペリンを含む。
【0052】
ピペリンがPiperの抽出物に含まれる場合、本発明による組成物の混合物は、前記抽出物を含む。Piperの抽出物は好ましくは、Piper nigrumの抽出物、Piper aduncumの抽出物及び/またはPiper longumの抽出物である。
【0053】
Piperの抽出物は好ましくは、果実または葉の抽出物である。
【0054】
これは、特に、含水アルコール性もしくは水性または亜臨界COもしくは亜臨界HO抽出であってもよく、あるいは従来の加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0055】
植物/抽出物比は、好ましくは1/1~10000/1、特に1/1~200/1である。
【0056】
この抽出物は、好ましくは、その抽出物の総重量に対して少なくとも1重量%のピペリンを含む。
【0057】
Olea europaeaの抽出物は好ましくは、葉または果実の抽出物である。
【0058】
これは、特に、含水アルコール性もしくは水性または亜臨界COもしくは亜臨界HO抽出であってもよく、あるいは従来の加熱によってまたはマイクロ波周波数下もしくは超音波下で行われる熱処理と組み合わされてもよい。
【0059】
植物/抽出物比は、好ましくは1/1~200/1、特に1/1~60/1である。
【0060】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、好ましくはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、特に0.00001g~0.60gのOlea europaeaの抽出物の投与を可能にする量のOlea europaeaの抽出物を含む。
【0061】
好ましくは、Olea europaeaの抽出物は、少なくとも一つのオレウロペイン及びヒドロキシチオスオール、またはそれらの類似体を含む。
【0062】
好ましくは、混合物中のChrysanthellum indicumの抽出物/Cynara scolymusの抽出物/Lycium barbarumの抽出物の比は、0.001/0.001/0.001~10/10/10である。
【0063】
組成物がまたPiperまたはピぺリンの抽出物を含むとき、混合物中のChrysanthellum indicumの抽出物/Cynara scolymusの抽出物/Lycium barbarumの抽出物の比は、好ましくは0.001/0.001/0.001/0.001及び10/10/10/10である。
【0064】
組成物がChrysanthellum indicumの抽出物、Cynara scolymusの抽出物、Lycium barbarumの抽出物及びOlea europaeaの抽出物を含むとき、混合物中のChrysanthellum indicumの抽出物/Cynara scolymusの抽出物/Lycium barbarumの抽出物/Olea europaeaの抽出物の比は、好ましくは0.001/0.001/0.001/0.001~10/10/10/10である。
【0065】
1つの変化型によれば、いくつかの植物抽出物からなる混合物に加えて、またはいくつかの植物抽出物からなる混合物の代わりに、本発明による組成物は、少なくとも一つの単一抽出物を含んでもよい。
【0066】
単一抽出物は、以下から得ることが可能である:
-少なくともChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarum、
-Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択される少なくとも二つの植物、及び、その組成物が、単一抽出物には存在しないChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択される少なくとも一つの抽出物を含む場合;それは特に以下を含むかもしれない:
・少なくともChrysanthellum indicum及びCynara scolymusから得られた少なくとも一つの単一抽出物及びLycium barbarumの抽出物を含む組成物、
・少なくともChrysanthellum indicum及びLycium barbarumから得られた少なくとも一つの単一抽出物及びCynara scolymusの抽出物を含む組成物、
・少なくともLycium barbarum及びCynara scolymusから得られた少なくとも一つの単一抽出物及びChrysanthellum indicumの抽出物を含む組成物、
-Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択される少なくとも二つの植物、及び、その組成物が、単一抽出物には存在しないChrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから選択される少なくとも二つの抽出物を含む場合;それは特に以下を含むかもしれない:
・少なくともChrysanthellum indicum及び少なくとも一つの他の植物、例えば、Piper及び/またはOlea europaeaから得られた少なくとも一つの単一抽出物、及びCynara scolymusの抽出物及びLycium barbarumの抽出物を含む組成物、
・少なくともCynara scolymus及び少なくとも一つの他の植物、例えば、Piper及び/またはOlea europaeaから得られた少なくとも一つの単一抽出物、及びChrysanthellum indicumの抽出物及びLycium barbarumの抽出物を含む組成物、
・少なくともLycium barbarum及び少なくとも一つの他の植物、例えば、Piper及び/またはOlea europaeaから得られた少なくとも一つの単一抽出物、及びChrysanthellum indicumの抽出物及びCynara scolymusの抽出物を含む組成物。
【0067】
この植物「X」の混合物からの単一抽出物は、任意の適切な方法を使用して、例えば、以下のステップを含む方法を介して得られる:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-必要に応じて添加物の組み込み
-ホモジナイゼーション
-パッケージング。
【0068】
好ましくは、単一抽出物を得るための植物原料としてChrysanthellum indicumの植物全体または地上部を利用する。単一抽出物は、好ましくは単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のChrysanthellum indicumの植物全体または地上部から調製される。
【0069】
好ましくは、単一抽出物を得るための植物原料としてCynara scolymusの葉または根を利用する。単一抽出物は、好ましくは単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のCynara scolymusの葉または根から調製される。
【0070】
好ましくは、単一抽出物を得るための植物原料としてLycium barbarumの液果または地上部を利用する。単一抽出物は、好ましくは単一抽出物を調製するために用いられる植物の混合物の総重量に対して、少なくとも0.1重量%のLycium barbarumの液果または地上部から調製される。
【0071】
好ましくは、単一抽出物は、以下を含む:
-アピゲニン7-O-グルクロニド、クリサンテリンA、クリサンテリンB、カフェ酸、ルテオリン、マリチメチン、エリオジクチオール、イソオカニン、アピゲニン、ルテオリン7-O-グルコシド、マリチメイン、マレイン、エリオジクチオール-7-O-グルコシド、フラボマレイン、アピゲニン-8-C-α-L-アラビノシド-6-C-β-D-グルコシド(シャフトサイド)、アピゲニン6,8-C-ジ-β-D-グルコピラノシド(ビセニン-2)、またはその類似体から選択されるChrysanthellum indicum由来の分子(複数)、及び/または、
-ジカフェオイルキナ酸、スルホ-モノカフェオイルキナ酸、ルテオリン、ルテオリン7-O-グルコシド、ルテオリン7-O-グルクロニド、アピゲニン-7-O-グルコシド、シナロピクリン、またはその類似体から選択されるCynara scolymus由来の分子(複数)、及び/または
-キシロース、マンノース、アラビノースまたはガラクトースのような多糖類から選択されるLycium barbarum由来の分子。
【0072】
本発明による単一抽出物は、好ましくはまたピぺリンを含み、すなわち、単一抽出物は好ましくはPiperから得られるか、または、単一抽出物の植物混合物がPiperから得られない場合は、組成物はピぺリンまたはPiperの抽出物を含みうる。単一抽出物が、Piperを含む植物の混合物から得られる場合、好ましくは、植物原料として、Piper nigrum、Piper aduncum及び/またはPiper longumの果実または葉を使用して、単一抽出物を得る。単一抽出物は、好ましくは、単一抽出物を製造するために使用される植物混合物の総重量に対して、少なくとも0.0001%のPiper nigrum及び/またはPiper aduncum及び/またはPiper longumの果実または葉から作られる。
【0073】
本発明による単一抽出物は、またOlea europaeaから得られるか、または、単一抽出物の植物混合物がOlea europaeaから得られない場合は、組成物はOlea europaeaの抽出物を含みうる。単一抽出物が、Olea europaeaを含む植物の混合物から得られる場合、好ましくは、植物原料として、Olea europaeaの葉または果実を使用して、単一抽出物を得る。単一抽出物は、好ましくは、単一抽出物を製造するために使用される植物混合物の総重量に対して、少なくとも0.1%のOlea europaeaの果実から作られる。
【0074】
単一抽出物がまたOlea europaeaから得られるとき、単一抽出物はオレウロぺイン及び/またはヒドロキシチロソール及び/またはそれらの類似体を含む。
【0075】
本発明による特に好適な組成物は、特に以下のものである:
-少なくとも以下を含む組成物:
・Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumから、及び任意にはPiperから、及び/または任意にはOlea europaeaから得られた単一抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピペリンの抽出物、及び/またはOlea europaeaの抽出物;
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともChrysanthellum indicum及びCynara scolymusから、及び任意にはPiperから、及び/または任意にはOlea europaeaから得られた単一抽出物、
・Lycium barbarumの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピペリンの抽出物及び/またはOlea europaeaの抽出物;
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともChrysanthellum indicum及びLycium barbarumから、及び任意にはPiperから、及び/または任意にはOlea europaeaから得られた単一抽出物、
・Cynara scolymusの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピペリンの抽出物及び/またはOlea europaeaの抽出物;
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともCynara scolymus及びLycium barbarumから、及び任意にはPiperから及び/または任意にはOlea europaeaから得られた単一抽出物、
・Chrysanthellum indicumの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピペリンの抽出物、及び/またはOlea europaeaの抽出物;
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともChrysanthellum indicumの抽出物及びPiper及び/またはOlea europaeaから得られる単一抽出物、
・Cynara scolymusの抽出物及びLycium barbarumの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピぺリンの抽出物、及び/またはOlea europaeaの抽出物、
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともCynara scolymus及びPiper及び/またはOlea europaeaから得られる単一抽出物、
・Chrysanthellum indicumの抽出物及びLycium barbarumの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピぺリンの抽出物、及び/またはOlea europaeaの抽出物、
-少なくとも以下を含む組成物:
・少なくともLycium barbarum及びPiper及び/またはOlea europaeaから得られる単一抽出物、
・Chrysanthellum indicumの抽出物及びCynara scolymusの抽出物、
・及び任意にはPiper及び/またはピぺリンの抽出物、及び/またはOlea europaeaの抽出物。
【0076】
本発明による組成物は、ヒトについて意図した場合、好ましくはその組成物が投与される人の体重1kgあたり、かつ1日あたり少なくとも0.00001g、特に0.00001g~0.60gの投与に対応する量の単一抽出物を含む。
【0077】
本発明による組成物は、それらの異なる変化型では、排他的に、記載される要素(植物抽出物及び/または単一抽出物(単数または複数))から構成されてもよいし、そうでなければまた、植物抽出物及び/または単一抽出物(単数または複数)に加えて少なくとも1つの追加された要素(生成物、分子、抽出物、活性成分、賦形剤など)を含んでもよく、前記追加の要素は好ましくは、以下から選択される:
-以下のビタミン:B1、B2、B3、B5、B6、B8、B9、B12、C、A、D、E、K1及びK2;
-以下の化合物:オベチコール酸、コロソリン酸、ω6及び/またはω3系の多価不飽和脂肪酸、オロチン酸、パンガミン酸、パラ-アミノ安息香酸、アミグダリン、βグルカン、カルニチン、ジメチルグリシン、イメグリミン、イソフラボン、L-アルギニン、オキシトシン、ペクチン、ピリドキサミン、レスベラトロール、ビニフェリン、L-シトルリン;
-以下の微量元素及び鉱物:ヒ素、ホウ素、カルシウム、銅、鉄、フッ素、ヨウ素、リチウム、マンガン、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、リン、セレン、バナジウム、亜鉛;
-以下の非必須の性質の微視的成分:共役リノレン酸、リポ酸、カロチノイド、カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、植物ステロール類、タンニン及びリグナン類のポリフェノール、タウリン;
-フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖;
-乳酸発酵;
-酵母、例えば、赤米酵母(Monascus purpureus);
-キノコ、例えば、マイタケ;
-食品及び医薬品部門に適合する昆虫由来の生成物;
-マリファナ及びハッシッシ;
-コーティング剤:例えば、ヒプロメロース、微結晶性セルロース、ステアリン酸、タルク、糖、シェラック、ポビドン、蜜ろう;
-香味料:例えば、ブルーベリーの天然の香味料またはイチゴの天然の香味料;
-酸味料、例えば、リンゴ酸;
-固結防止剤:例えば、二酸化ケイ素またはステアリン酸マグネシウム;
-増粘剤、例えば、キサンタンガム、コロイド状シリカ、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド;
-安定化剤、例えば、リン酸カルシウム;
-乳化剤、例えば、大豆レシチン;
-充填剤、例えば、コーンスターチ;
-賦形剤:例えば、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウムまたはリン酸二カルシウム。
【0078】
本発明による組成物はまた、以下の植物原料のうちの少なくとも1つの1つ以上の抽出物、及び/もしくは以下の植物材料のうちの少なくとも1つに含まれる1つ以上の分子を含んでもよく、ならびに/または単一抽出物はまた、以下の植物原料のうちの少なくとも1つから得てもよい:Abelmoschus esculentus、Abies Alba、Abies balsamea、Abies sibirica、Acacia nilotica、Acacia senegal、Achillea millefollium、Achyranthes bidentata、Acmella oleracea、Actaea racemosa、Actinidia chinensis、Actinidia deliciosa、Adansonia digitata、Adiantum capillus-veneris、Aesculus hippocastanum、Afromomum melegueta、Agathosma betulina、Agathosma crenulata、Agathosma serratifolia、Agrimonia eupatoria、Ajuga reptans、Albizia julibrissin、Alchemilla vulgaris、Alliara petiolata、Allium ampeloprasum、Allium cepa、Allium sativum、Allium schoenoprasum、Allium ursinum、Alnus glutinosa、Aloe ferox、Aloe vera、Aloysia citriodora、Alpinia galanga、Alpinia hainanensis、Alpinia officinarum、Alpinia oxyphylla、Althaea officinalis、Ammi visnaga、Amorphophallus konjac、Ananas comosus、Andographis paniculata、Anemarrhena asphodeloides、Anethum graveolens、Angelica archangelica、Angelica dahurica、Angelica pubescens、Angelica sinensis、Antennaria diocia、Anthriscus cerefolium、Anthyllis vulneraria、Aphanizomenon flos-aquae Ralfs、Apium graveolens、Arachis hypogaea、Aralia elata、Arctium lappa、Arctium minus、Argania spinosa、Armorica rustanica、Artemisia dracunculus、Artemesia vulgaris、Ascophyllum nodosum、Aspalathus linearis、Asparagus officinalis、Astragalus membranaceus、Atractylodes lancea、Atractylodes macrocephala、Auracaria columnaris、Avena staiva、Ayahuasca、Baccharis genistelloides、Bacopa monnierri、Ballota nigra、Bambusa bambos、Bellis perennis、Berberis vulgaris、Beta vulgaris、Betula alleghaniensis、Betula pendula、Betula pubescens、Bixa orellana、Borago officnalis、Boswellia serrata、Brassica napus、Brassica nigra、Brassica oleracea、Brassica rapa、Bupleurum chinense、Calendula officinalis、Calluna vulgaris、Camellia sinsensis、Capsella bursa-pastoris、Capsicum annuum、Carex arenaria、Carica papaya、Carlina acaulis、Carphephorus odoratissmus、Carpinus betulus、Carthamus tinctorius、Carum carvi、Cassia fistula、Castanea sativa、Centaurea centaurium、Centaurea cyanus、Centaurium erythraea、Centella asiatica、Cerasus vulgaris、Ceratonia silliqua、Chaenomelum nobile、Chlorella vulgaris、Chondrus crispus、Chrysanthellum indicum、Cichorium intybus、Cinchona officinalis、cinchona pubescens、Cinnamomum camphora、Cinnamomum cassia、Cinnamomum verum、Cistanche salsa、Cistus incanus、Citrus aurantium、Citrus limon、Citrus maxima、Citrus medica、Citrus myrtifolia、Citrus reticulata blanco、Citrus sinsensis、Citrus paradisi、Clinopodium vulgare、Cnicus benedictus、Cochlearia officinalis、Cocos nucifera、Codonopsis pilosula、Coffea canephora、Coix lacryma-jobi var. mayyuen Stapf、Cola acuminata、Cola ballayi cornu、Cola nitida、Combretum micranthum、Commiphora mukul、Conyza canadensis、Coriandrum sativum、Cornus officinalis、Corylus avellana、Corymbia citriodora、Crataegus laevigata、Craetegus monogyna、Crithmum maritimum、Crocus sativus、Cucumis melo、Cucurbita pepo、Cuminum cyminum、Cupressus sempervirens、Cuscuta chinensis、Cyamopsis tetragonoloba、Cyathula officinalis、Cyclanthera pedata、Cydonia oblonga、Cymbopogon martini、Cymbopogon nardus、Cymbopogon winterianus、Cynara cardunculus、Cyperus rotundus、Daucus carota、Dendranthema grandiflorum、Desmodium adscendens、Dimocarpus longan、Dioscorea oppostifolia、Dioscorea villosa、Diospyros kaki Thunb.、Dunaliella saliena、Echinacea augustifolia、Echinacea pallida、Echinacea purpurea、Elaegnus rhamnoides、Alettaria cardamomum、Eleutherococcus senticosus、Elymus repens、Epiobium augustifolium、Epilobium parviflorum、Equisetum arvense、Erica cinerea、Erica tetralix、Eriobotrya japonica、Eriodictyon californicum、Erodium cicutarium、Eryngium campestre、Eschscholzia californica、Eucalyptus dives Schauer、Eucalyptus globulus、Eucalyptus radiata、Eucalyptus smithii F.Muell、Eucommia ulmoides、Eugenia uniflora、Eugenia jambolana、Euphrasia stricta D.Wolff、Euterpe oleracea、Fagopyrum esculentum Moench、Follopia japonica、Ferula assa-foetida、Ficus carica、Filipendula ulmaria、Foeniculum vulgare Mill.、Forsythia suspensa、Fragaria dodonei Ard.、Frangula purshiana Cooper、Fraxinus excelsior、Fraxinus ortus、Fucus serratus、Fucus vesiculosus、Fumaria officinalis、Galeopsis segetum Neck.、Galium odotarum、Galium verum、Gardenia jasminoides J.Ellis、Gastrodia elata Blume、Gelidium corneum J.V.Lamouroux、Gentiana lutea、Geranium robertianum、Geum urbanum、Ginkgo biloba、Glycine max、Glycyrrhiza glabra、Glycyrrhiza uralensis、Gracilaria gracilis、Grindelia camporum Greene、Grindelia robusta Nutt.、Grindelia squarrosa Dunal、Gymnema sylvestris、Haematococcus pluvialis、Hamamemis virginiana、Harpagophytum procumbens、Harpagophytum zeyheri Decne.、Hedeoma pluegioides Pers.、Helianthus annuus、Helienthus tuberosus、Helichrysum arenarium、Helichrysum stoechas、Herniara glabra、Hibiscus sabdariffa、Hieracium pilosella、Himanthalia elongata、Hordeum vulgare、Houttuynia cordata Thunb.、Huperzia serrata、Hyssopus officinalis、Ilex paraguariensis A.St.-Hill、Illicum verum、Impatients balsamina、Inula britannica、Inula helenium、Jasminum grandiflorum、Jasmium officinale、Juniperus communis、Justicia adhatoda、Kavalama urens、Krameria lappacea、Lagerstroemia speciosa、Laminaria digitata、Laminaria hyperborea、Lamium album、Larix decidua、Larix occi
dentalis、Laurus nobilis、Lavandula augustofolia、Lavandula latifolia、Ledum palustre、Leonurus cardiaca、Lepidium meyenii Walp.、Lepidium sativum、Lespedeza capitata、Levisticum officinale、Lindera aggregata、Linus usitatissimum、Liquidambar styraciflua、Lotus corniculatus、Lycium chinense、Lycopersicon esculentum、Lycopodium clavatum、Lycopus europaeus、Lythrum salicaria、Macadamia ternifolia F.muell、Macrocystis pyrifera、Magnolia officinalis、Malpighia glabra、Malus pumila、Malus domestica、Malus sylvestris、Malva sylvestris、Mangifera indica、Maranta arundinacea、Marrubium vulgare、Marsdenia cundurango、Marsdenia sylvestris、Mastocarpus stellatus、Matricaria chamomilla、Medicago sativa、Melaleuca alternifolia、Melaleuca cajuputi Powell、Melaleuca leucadendra、Melaleuca quinquenrvia、Melaleuca viridiflora、Melilotus altissimus Thuill.、Melilotus officinalis、Mentha arvensis、Mentha x piperita、Menyanthes trifoliata、Mesembryanthemum crystallinum、Monarda didyma、Morinda citrifolia、Morinda officinalis、Morus alba、Morus nigra、Murraya koenigii、Musa x paradisiaca、Myrciaria dubia、Myristica flagrans Houtt.、Myroxylon balsamum、Myrtus communis、Nardostachys jatamansi、Nasturtium officinale R.Br.、Nelumbo nucifera Gaertn.、Nepeta cataria、Nepeta tenuifolia Benth.、Nigella sativa、Ocimum basilicum、Oenothera biennis、Ononis spinosa、ophiopogon japonicus、Opuntia ficus-indica、Origanum compactum Benth.、Origanum majorana、Origanum vulgare、Orthosiphon aristatus、Oryza sativa、Paeonia lactiflora、Paeonia x suffruticosa Andrews、Palmaria palmata、Panax ginseng、Panax quinquefolius、Panicum miliacium、Papaver rhoeas、Parietaria officinalis、Passiflora edulis Sims、Pastinaca sativa、Paullinia cupana Kunth、Pelargonium graveolens、Perilla frutescens、Persea americana、Persicaria bistorta、Persicaria maculosa Gray、Petroselinum crispum、Peucadanum ostruthium、Peumus boldus Molina、Phaseolus vulgaris、Phellodendron amurense、Photinia melancarpa、Phyllanthus emblica、Physalis alkekengi、Phymatolithon calcareum、Picea abies、Pimenta dioca、Pimenta racemosa、Pimpinella anisum、Pimpinella major、Pimpinella saxfraga、Pinus mugo Turra、Pinus pinaster Aiton、Pinus sylvestris、Pistacia lentiscus、Plantago arenaria、Plantago lanceolata、Plantago major、Plantago ovata、Platycodon grandiflorus、Plectranthus barbatus Andrews、Pogostemom cablin、Polygala senega、Polygala sibirica、Polygala tenuifolia Willd.、Polygonum aviculare、Populus nigra、Populus tremula、Populus tremuloides、Porphyra umbilicalis、Portulaca oleracea、Potentilla erecta、Primula veris、Prunella vulgaris、Prunus africana、Prunus armeniaca、Ribes nigrum、Ribes uva-crispa、Rosa canina、Rosa gallica、Rosa moschata、Rosa rubiginosa、Rosmarinus officinalis、Rubus caesius、Rubus fruticosus、Rubus idaeus、Rumex actetosa、Rumex acetosella、Rumex crispus、Rumex patienta、Ruscus aculeatus、Sachharina japonica、Saccharina latissima、Salix alba、Salix fragilis、Salix pentandra、Salix purpurea、Salvia officinalis L.、Salvia officinalis subsp.lavandulifolia Gams、Salvia sclarea、Sambucus nigra、Sanguisorba officinalis、Sanicula elata Buch.-Ham.Ex D.Don、Santalum album、Santolina chamaecyparissus、Saposhnikovia divaricata、Sargassum fusiforme、Satureja hortensis、Satureja montana、Saussurea costus、Scrophularia ningpoensis Helmsl.、Scutellaria baicalensis Georgi、Secale cereale、Sedum acre、Sedum roseum、Senna alexandrina Mill.、Senna obustifolia、Smilax cordifolia Humb.& Bonpl.、Smilax glabra Roxb.、Smilax officinalis Kunth、Smilax purhampuy Ruiz、Smilax purhampuy Ruiz、Smilax regelli Killip and C.V.Morton、Smilax vanillidora Apt、Solanum melongena、Solanum tuberosum、Solidago virgaurea、Sorbus aucuparia、Spatholobus suberctus Dunn.、Spinacia oleracea、Spirulina major Kutzing、Spirulina maxima Geitler、Spirulina platensis Geitler、Stavhys officinalis、Stemmacantha carthamoides Dittrich、Stypholobium japonicum、Syzgium aromaticum、Tagetes erecta、Tamarindus indica、Tanacetum parthemium、Terminalia chebula Retz.、Theobroma cacao、Thymus saturejoides Coss.、Thymus serpyllum、Thymus vulgaris、Thymus zygis、Tilia cordata Mill.、Tilia platyphyllos Scop.、Tilia tomentosa Moench、Tilia euopaea、Tribulus terrestris、Trichosanthes kirilowii Maxim.、Trifolium arvense、Trifolium campestre Schreb.、Trifolium pratense、Trifolium repens、Trigonella caerulea、Trigonella foenum-graecum、Tricitum aestivum、Tricitum durum Desf.、Tricitum spelta L.、Tricitum turgidum、Tropaeolum majus、Turnera diffusa Willd.、Ulmus glabra Huds.、Ulmus glabra Huds.、Ulmus pumila、Ulmus rubra Muhl.、Ulva lactuca、Uncaria gambir Roxb.、Uncaria rhynchophylla Miq.、Uncaria tomentosa DC.、Undaria pinnatifida Suringar、Urtica dioca、Urtica urens、Vaccinium macrocarpon、Vaccinium oxycoccos、Vaccinium vitis-idae、Valeriana jatamansi Jones、Valeriana officinalis、Vanilla planifolia Jacks、Verbascum densiflorum Bertol.、Verbascum thapsus、Verbena officinalis、Veronica officinalis、Viburnum opulus、Vigna angularis Ohwi & H.Ohashi、Vinca major、Vinca minor、Viola palustris、Viola tricolor、Vitex agnus-castus、Vitex trifolia、Vitis vinifera、Zea mays、Zingiber officinale Roscoe、Ziziphus jujuba Mill。
【0079】
本発明による組成物は任意にVaccinium myrtillusの抽出物を含みうる;その単一抽出物は、Vaccinium myrtillusから得られる。
【0080】
本発明による組成物は、任意の形態で、特に、粉末、ゲル、エマルジョンの形態で、または液体型で、具体的には、錠剤、カプセル、ゲルカプセル、スティック、小袋、ブリスター、点滴器の形態であってもまたは注射型であってもよい。
【0081】
本発明による組成物は、栄養製品または健康製品として、具体的には薬剤として用いられてもよい。
【0082】
「栄養製品(nutritional product)」という用語は、栄養効果及び/または生理学的効果を有する任意の製品を意味し、これは特に、栄養補助食品、食品、食事療法製品などを含む。これらの製品は、特に、経口、胃または静脈の経路を介して投与されてもよい。
【0083】
「健康製品(health product)」という用語は、予防または治療において、健康に有益な効果(この効果は生理学的であっても薬理学的であっても)を有する任意の製品、特に医薬、医薬品を意味する。これらの生成物は、特に、経口、胃、静脈または皮膚の経路を介して投与されてもよい。
【0084】
本発明による組成物は、ヒトまたは動物における脂肪代謝及び/または炭水化物代謝の障害を予防するか、及び/またはそれと闘う(または治療する)ために使用することが可能である。Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumは相乗的に作用し、この効果はピぺリン及び/またはOlea europaeaの存在によって向上され得る。
【0085】
特に、本発明による組成物は、脂質異常症を予防するか、及び/またはそれと闘う(または治療する)ために使用することが可能である。それらによって、コレステロールの総レベル、LDLコレステロールのレベル、血流中及び肝臓のトリグリセリドを低下させることが可能になる。それらはまた、HMG-CoAレダクターゼに対して阻害性活性を有する。
【0086】
そのような使用のために、本発明による組成物は、以下から選択される脂肪減少治療薬と組み合わせて使用することができる:
-スタチン、特に:シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチン;
-一定の服用量で組み合わされたスタチン、特に:シンバスタチン+エゼチミブ、プラバスタチン+アセチルサリチル酸、アトルバスタチン+アムロジピン;
-フィブラート、特に:フェノフィブラート、ベザフィブラート、ゲムフィブロジル、シプロフィブラート;
-ニコチン酸;
-イオン交換樹脂、特にコレスチラミン;
-コレステロール吸収阻害剤、特にエゼチミブ;
-ω-3-多価不飽和脂肪酸;
-チアデノール;
-FXR(ファルネソイドX受容体)核受容体アゴニスト。
【0087】
本発明による組成物は、また、特に肥満、及び過剰体重、及び/またはメタボリックシンドローム、及び/または病理学的な動脈緊張の問題を予防するか、及び/またはそれらと闘う(治療する)ために特に用いられ得る。
【0088】
本発明による組成物はまた、他の心血管系またはメタボリックシンドロームのリスクファクターに作用するために用いることも可能である。
【0089】
本発明による組成物は、ヒトまたは動物における2型糖尿病を予防するか、及び/またはそれらと闘うために特に適切である。実際、それらによって、慢性の高血糖症の発症を予防すること、空腹時血糖及び糖化ヘモグロビン、血流中及び肝臓のトリグリセリド、体重及び体脂肪量を低下すること、ならびに摂取された炭水化物及びインスリン感受性に対する耐性を改善することが可能になる。それらを、2型糖尿病の予防治療として、及び第一選択治療として、衛生―栄養指標の始めるにあたり用いてもよく、これによって、標準的な経口の抗糖尿病薬の開始を引き延ばすことが可能になる。それらはまた、2型糖尿病及びその合併症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療するために、特に、単独で、または他の薬理学的治療と組み合わせて特に適切である。
【0090】
本発明による組成物はまた、1型糖尿病及び/または非アルコール性脂肪肝疾患、特に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び/または心血管系病理、特に冠動脈心疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、深部静脈血栓症、及び/またはインスリン耐性に関連する病理、例えば、アルツハイマー病を予防及び/または治療するために用いてもよい(Bedse Gら、Frontiers in Neuroscience、(米)、2015、Vol.9、p.204)。
【0091】
このような用途のために、本発明による組成物は、メトホルミンを含むビグアナイド類、ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-IV)阻害剤、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)アナログ、チアゾリジンジオン(TZD)、スルホニル尿素、グリコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトール、ボグリボース、アラニン-プロリンまたはプロリン-アラニン配列を含むペプチド)、短時間作用性及び長時間作用性インスリン、ナトリウムグルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害剤、核受容体及び特にROR(α、β、γ)受容体及びRev-Erb(α、β)受容体を標的する分子として、フィブラノール(fibranor)ファミリー、例えば、エラフィブラノール(elafibranor)の分子から選択される少なくとも1つの抗糖尿病治療剤と組み合わせて用いられ得る。
【0092】
本発明はここで、抽出物の及び組成物の例によって図示されており、また本発明による組成物の有効性を実証する試験の結果によっても図示されており、これらの実施例及び試験は限定されるものではない。
【0093】
I.実施例
実施例1:Chrysanthellum indicumの乾燥抽出物
生または乾燥植物の地上部を、粗粉末が得られるまで機械的粉砕に供する。次いで、この粉末を、70/10の水/エタノール混合物の中で、室温で10~24時間、浸軟工程に供し、次いで、得られた混合物を、70/10の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃での連続浸出に供する(植物/抽出物比は3/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥して、水/アルコールの混合物中に溶解可能であるベージュ色の粉末を得る。この粉末(乾燥抽出物)は直接用いてもよいし、または使用前に適切な溶媒中に混合してもよい。
【0094】
実施例2:Cynara scolymusの乾燥抽出物の例
Cynara scolymusの葉から得た粉末型のアーティチョークを、水の中で、室温で10~24時間、浸軟の工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は2/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水に溶解可能であるベージュ色の粉末が得られる。
【0095】
実施例3:Lycium barbarumの乾燥抽出物の例
Lycium barbarumから得た粉末型の枸杞(クコ)を、水中で、室温で10~24時間、浸軟工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は8/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水中に溶解可能であるベージュ色から茶色の粉末が得られる。
【0096】
実施例4:Olea europaea乾燥抽出物の例
風乾したまるごとのオリーブの木の葉を、ナイフミルを用いて-80℃で粉砕して、微細及び均一な粉末を得る。次いで、得られた粉末を、70/30の水/エタノール混合物の中で、10~24時間、浸軟工程に供する。この工程は、室温で窒素バブリングを用いる密閉系で、または800ワットのマイクロ波パワーのもとで、もしくは20kHzの超音波周波数のもとで2×3分間行う。次いで、得られた混合物を、70/30の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は10/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水/アルコールの混合物中に緑色の粉末が得られる。
【0097】
実施例5:Chrysanthellum indicum及びCynara scolymusの単一抽出物の例
Chrysanthellum indicumの地上部から得られた粉末型のChrysanthellum及びCynara scolymusの葉から得た粉末型のアーティチョークを、水の中で、室温で10~24時間、浸軟の工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は8/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水に溶解可能であるベージュ色の粉末が得られる。
【0098】
実施例6:Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びOlea europaeaの単一抽出物の例
Chrysanthellum indicumの地上部から得られた粉末型のChrysanthellum及び、Cynara scolymusの葉から得た粉末型のアーティチョーク及びOlea europaeaの葉から得られた粉末型のオリーブの木を、水の中で、室温で10~24時間、浸軟の工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は4/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水に溶解可能であるベージュ色-茶色の粉末が得られる。
【0099】
実施例7:Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus及びLycium barbarumの単一抽出物の例
Chrysanthellum indicumの地上部から得られた粉末型のChrysanthellum及び、Cynara scolymusの葉から得た粉末型のアーティチョーク及びLycium barbarumの液果から得られた粉末型の枸杞を、水の中で、室温で10~24時間、浸軟の工程に供し、次いで、得られた混合物を、水を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は4/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水に溶解可能である緑色-ベージュ色の粉末が得られる。
【0100】
実施例8:Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus、Lycium barbarum及びOlea europaeaの単一抽出物の例
Chrysanthellum indicumの地上部、Cynara scolymusの葉、Lycium barbarumの液果及び風乾したOlea europaeaの葉を、ナイフミルを用いて-80℃で粉砕して、微細及び均一な粉末を得る。次いで、得られた粉末を、70/30の水/エタノール混合物の中で、10~24時間、浸軟工程に供する。この工程は、室温で窒素バブリングを用いる密閉系で、または800ワットのマイクロ波パワーのもとで、もしくは20kHzの超音波周波数のもとで2×3分間行う。次いで、得られた混合物を、60/40の水/エタノール混合物を用いるパーコレーター中で、50℃で連続浸出に供する(植物/抽出物比は8/1である)。次いで、得られた抽出物を、ジクロロメタンまたはトリクロロメタンのような非極性の有機溶媒を用いる液体/液体洗浄に供する。35℃の低圧でのエバポレーションによる濃縮後、液体を得て、これを、24時間凍結乾燥した場合、水/アルコールの混合物中に茶色-ベージュ色の粉末が得られる。
【0101】
実施例9:3つの植物抽出物を含む再構成される錠剤型の本発明による組成物の例
実施例9の組成物は、経口的に投与され得る錠剤型である。これは、組成物の総重量に対して重量パーセンテージで表した場合、15.6%のChrysanthellum americanumの地上部の乾燥抽出物、15.6%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、及び23.5%のLycium barbarumの果実の乾燥抽出物を含む。これは、ビタミンB1、B2、B3、PP、B5、B6、H、B9、B12及びD3、同様に亜鉛及びクロムを含む。これはまた、賦形剤として、微結晶性セルロース及びステアリン酸マグネシウムも含む。
【0102】
一つの錠剤に関する組成を下の表1に示す。
表1.錠剤型の組成物の例
【0103】
【表1】
【0104】
実施例10:4つの植物抽出物を含む、ゲルカプセルの形態の、本発明による組成物の例
実施例10の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、組成物の総重量に対して重量パーセンテージで表した場合、16.6%のChrysanthellum americanumの植物全体の乾燥抽出物及び16.6%のCynara scolymusの葉の乾燥抽出物、33.3%のOlea europaeaの果実の乾燥抽出物、25%のLycium barbarumの果実の乾燥抽出物を含む。この組成物はまた、Lactobacillus delbrueckii ssp Bulgaricusのような乳酸発酵物を含む。乳化剤として、非GMOチャネルからの大豆レクチン、増粘剤として、コロイド状シリカ及び脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリドを含む。カプセルは、魚ゼラチンであり、グリセリン及び染料、赤色酸化鉄を含む。
【0105】
そのような製品に関する組成を下記の表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
実施例11:3つの植物の単一抽出物を含むゲルカプセルの形態の本発明による組成物の例
実施例11の組成物は、経口的に投与され得るゲルカプセルの形態である。これは、Chrysanthellum americanumの地上部から、Cynara scolymusの葉から、及びLycium barbarumの果実から得られる粉末混合物の単一含水性アルコール抽出物を含む。3つの植物の間の比は、1/1/1.5である。植物の混合物の単一抽出物は、以下の工程を含むプロセスを介して得る:
-固体/液体抽出
-分離/加圧
-濾過
-エバポレーション
-乾燥
-必要に応じて添加物の組み込み
-ホモジナイゼーション
-パッケージング。
【0108】
実施例12:3つの植物の単一抽出物+Piper nigrum抽出物を含む錠剤型の本発明による組成物の例
実施例12の組成物は、経口的に投与され得る錠剤型である。これは、Chrysanthellum americanumの地上部、Cynara scolymusの葉、及びLycium barbarumの果実から得られた粉末混合物の単一含水性アルコール抽出物を含む。その比は1/1/1.5である。これは、また、ピぺリンを含むPiper nigrumの果実の含水性アルコール抽出物を含む。この組成物は、安定化剤として、オルトリン酸二カルシウム;固結防止剤として、脂肪酸マグネシウム塩、二酸化ケイ素及び脂肪酸;コーティング剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;染料として、Allura red AC及び酸化チタンを含むことがある。
【0109】
一つの錠剤の有効成分に関する組成を下記の表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
II.組成物の有効性のインビボ評価
マウスに対するインビボ実験を行って、特に総コレステロール及びLDLコレステロールならびに血漿トリグリセリドレベル、インスリン感受性及び空腹時血糖に対する、本発明による組成物の効果を実証した。
【0112】
実験は、db/dbマウスで行った。db/dbマウスは、レプチン受容体の変異を有し、これが、この細胞シグナル伝達の機能不全を誘発する。レプチン受容体は、視床下部で高度に発現される。これらの受容体の変異を有するマウスは、そのエネルギー貯蔵を効率的に調節できない。これによって、生涯の初めの方の日(10~14日)から高インスリン血症、及び血糖の増大を伴い3~4週で肥満が生じる。これらのマウスは低コレステロール血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、及びグルコース-不耐症である。それらは、さらに2型糖尿病及びその合併症の1つである非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を研究するために適切かつ予測的なモデルを構成する(Aileen JF King、British Journal of Pharmacology、(英)、2012、Vol.166(3)、p.877-894;Sanches SCら、BioMed Research International、(英)、2015)。
【0113】
II.a Chrysanthellum indicum、Cynara scolymusの組合せ
実験時間は、9週であって、1週の「ランイン(run-in)」があり、続いて、8週の植物抽出物及び組成物Xの補充があった。雄性マウスは、治療開始の時点で10週齢であった。
【0114】
3つの組成物Xを試験した。これらの組成物は、静脈内注射または動脈内注射では、その投与方式を与えられた少数の人に限定されているので、直接、げっ歯類の餌に入れ込み、これによって、その「マルチターゲット(multi-target)」の有効性及びその大規模使用を保証することを可能にした。これによって、また、種々の生理学的プロセスを変更する毎日の強制的な給餌を回避する。
【0115】
試験した組成物は以下のとおりであった:
■C1:Chrysanthellum indicum(植物全体、餌の1%);
■C2:Cynara scolymus(葉、餌の1%)及び0.1%);
■C3:Chrysanthellum indicum(植物全体)+Cynara scolymus(葉)(それぞれ、餌の1%及び1%);
【0116】
前記の植物は、植物原料から得られた乾燥抽出物であった。
【0117】
実験的評価は、特に以下に関する:
-血漿脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド)の測定;
-インスリン経口感受性試験の間の血糖の変化。この試験は、絶食状態におけるインスリン(2U/kg)の腹腔内注射から構成された。インスリン注射に応答する血糖の変化を、この注射の直前(t0)、及びその後、30、60、90及び120分後に生検によって尾で測定した。曲線下面積(AUC)を計算した。AUCの低下は、インスリン注射に対する応答がよいこと、従って、インスリン感受性の改善を反映している。逆に、AUCの増大は、インスリン感受性が劣ること、従ってインスリン耐性を反映している;
-空腹時血糖の測定。
【0118】
示した評価は、補充の直前(t=0)及び補充の終わり(t=8週)で行った。
【0119】
総コレステロール、LDLコレステロール及び血漿トリグリセリド
得られた結果を以下の表4に示した。
表4.コレステロールに対する本発明による組成物の効果
【0120】
【表4】
平均値±SEM。総コレステロール測定について、対照=11;C1=12;C2=12及びC3=14。血漿LDLコレステロール測定について、対照=11;C1=12;C2=12及びC3=14。血漿トリグリセリド測定について、対照=11;C1=12;C2=12及びC3=14。対応のないデータについてのスチューデントのt検定、C2vs対照、C3vs対照、p<0.05。対照及びC1グループ間に顕著な差異は見られなかった。
【0121】
表4に示される結果は、本発明による組成物C3が総コレステロール、LDLコレステロール及び血漿トリグリセリドに及ぼす非常に有意な効果を示す。混合脂質異常症(LDLコレステロール及びトリグリセリドの増加)の場合、スタチン(LDL)コレステロールを減少させる)+フィブラート(トリグリセリドを減少させる)の薬物の組合わせは危険であることが判明する可能性がある。実際、スタチンとフィブラートを同時に投与すると、ミオパシーの危険性が増す(Denke MA、Journal of Managed Care Pharmacy、(米)、2003、Vol.9、p.17-19)。しかし、高レベルではアテローム性動脈硬化症のリスクが高まるため、血中トリグリセリド値を下げることが不可欠である(Brinton EA、Cardiology Clinics、(米)、2015、Vol.33、p.309-323)。スタチンはまた、乳癌などの他の病態のリスクを増加させる可能性がある(Lorgeril Mら、BMC Medicine、(米)、2014、Vol.12、p.94から)。したがって、本発明の組成物C3は、LDLコレステロール及び血漿トリグリセリドの両方を減少させることができるので、大きな健康問題に対応することを可能にする。
【0122】
インスリン感受性
インスリン抵抗性は、メタボリックシンドロームおよびアテローム性動脈硬化症を含む多くの病状の発症の最も重要なメカニズムの1つである(Samuel VTら、Cell、(米)、2012、Vol.148、p.852-871+Kim Bら、Experimental And Molecular Medicine、(米)、2015、Vol.47(3)、el49)。 本発明による組成物C3は、インスリン感受性を有意に改善する(図1に示す結果)。 従って、循環脂質およびインスリン感受性への作用によって、メタボリックシンドロームおよびアテローム性動脈硬化症の予防および治療のための非常に興味深い組成物となる。さらに、本発明による組成物C3で改善されたインスリン感受性は、2型糖尿病およびその合併症の予防および治療にとって特に興味深い。実際、インスリン抵抗性は、2型糖尿病の進行の主要なメカニズムの一つである(Samuel VTら、Cell、(米)、2012、Vol.148、p.852-871)。最後に、このパラメータに作用することにより、本発明の組成物C3は、一つの主な原因がインスリン抵抗性である他の病態に特に適している。これは特に、2型糖尿病の合併症の一つ、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH;Samuel VTら、Cell、(米)、2012、Vol.148、p.852-871)およびアルツハイマー病(Bedse Gら、Frontiers Neuroscience、(米)、2015、Vol.9、p.204)の場合である。
【0123】
空腹時血糖
組成物C3は、空腹時血糖を10%(対照群、537mg/dL対C3群、488mg/dL)減少させるが、2型糖尿病の治療における基準治療薬であるメトホルミンは、同じモデルにおいて、空腹時血糖を11%増大させるが、しかしマウスがより若く、その結果、上記対照マウス(対照群、414mg/dL対メトホルミン463mg/dL)と比較して空腹時血糖値が低下した実験においてである。
【0124】
相乗効果
さらに、相乗効果は、「除草剤組合せの相乗的および拮抗的応答の計算」(Weeds、1967、15:20-22)に記載されているColby SR法に従って評価されている。この方法は、特に欧州特許第03812880号に使用されていた。各組み合わせについて、相乗効果係数を計算した。係数>1は、相乗効果の存在を示す。1未満の係数は、拮抗薬の存在を示す。実行される計算は下記のとおりである:
期待効力率=A+B-(A*B/100)
相乗効果係数(SF)=(1*観察された効力率(%))/期待効力率(%)
計算は以下の組み合わせに関連していた:
A=C1及びB=C2の組成についてのSFの計算
【0125】
以下の表5は、C1+C2=C3の組み合わせについての結果を示す。
【0126】
【表5】
【0127】
C1及びC2の組み合わせ、すなわちC3は、総コレステロールレベル(図2)及び血漿LDLコレステロールレベル(図3)の両方に非常に有意で驚くべき相乗効果を明白に示す。
【0128】
II.b Chrysanthellum indicum、Cynara scolymus、Lycium barbarumの組合せ
実験時間は、6週であって、1週の「ランイン(run-in)」があり、続いて、6週の植物抽出物及び組成物Xの補充があった。雄性マウスは、治療開始の時点で6週齢であった。
【0129】
1つの組成物Xを試験した。これらの組成物は、静脈内注射または動脈内注射では、その投与方式を与えられた少数の人に限定されているので、直接、げっ歯類の餌に入れ込み、これによって、その[マルチターゲット(multi-target)」の有効性及びその大規模使用を保証することを可能にした。これによって、また、種々の生理学的プロセスを変更する毎日の強制的な給餌を回避する。
【0130】
試験した組成物は以下のとおりであった:
■C4:Chrysanthellum indicum(地上部)+Cynara scolymus(葉)+Lycium barbarum(それぞれ、餌の1%、1%及び1%)。
前記植物は、植物原料から得られた乾燥抽出物であった。
【0131】
実験評価は、最終補充時(t=6週)の肝トリグリセリドレベルに関係していた。得られた結果を下記表6に示す。
【0132】
【表6】
【0133】
表6に示した結果は、肝トリグリセリドに対する本発明による組成物C4の極めて有意な効果を示している。結果は、また図4に図示されている。
図1
図2
図3
図4