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特許6994465流体を泡立てるためのアセンブリ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】流体を泡立てるためのアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A47J31/44 410
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2018546625
(86)(22)【出願日】2017-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-22
(86)【国際出願番号】 NL2017050147
(87)【国際公開番号】W WO2017155401
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2020-02-12
(31)【優先権主張番号】2016402
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】512164779
【氏名又は名称】コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】ディース,ヘンドリク ヨハン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0051083(US,A1)
【文献】特開2013-000593(JP,A)
【文献】特開2011-062528(JP,A)
【文献】特表2014-506525(JP,A)
【文献】特開2013-116215(JP,A)
【文献】特開2000-157231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気源と、空気入口(12a)及び下流端(12b)を有する空気チャネル(12)とを含む空気供給アセンブリであって、前記空気源は前記空気入口(12a)に連結されており、前記空気供給アセンブリは、前記下流端(12b)に供給される空気の流量を制御するように構成されている、空気供給アセンブリと、
流体入口(16)から流体出口(18)まで延びる流体チャネル(14)と、
を含む、流体を泡立てるためのアセンブリ(10)であって、前記流体チャネル(14)は、その後に、
前記流体入口(16)に位置し、前記流体入口(16)の流体の感知された温度に関連する第1の温度信号を生成するように構成されている、第1の温度センサ(20)と、
前記空気チャネル(12)の前記下流端(12b)が連結される空気入口放出ポイント(14a)と、
ポンプ(30)を含む泡立てユニット(22)と、
ヒータ(24)と、を含み、
前記アセンブリは、
前記第1の温度信号を受信し、
前記流体チャネル(14)に供給される空気の流量を制御するために、少なくとも前記第1の温度信号に応じて前記空気供給アセンブリを制御する、
ように構成されている電子制御装置アセンブリ(26)を備える、
アセンブリ(10)。
【請求項2】
前記空気源は、可変の出力流量のエアポンプを含み、前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記流体チャネル(14)に供給される空気の流量を制御するように少なくとも前記第1の温度信号に応じて前記エアポンプの出力流量を制御するように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記空気源はエアシリンダ又はエアポンプを含み、前記空気供給アセンブリは制御可能空気弁(12c)を含み、前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記流体チャネル(14)に供給される空気の流量を制御するように前記第1の温度信号に応じて前記制御可能空気弁を制御するように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記流体入口の流体の温度は、ある温度範囲内にあり、供給され得る空気流量は、比較的小さい流量から比較的高い流量にわたる流量範囲内にあり、前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記流体の温度が前記温度範囲内で比較的低い場合は、前記空気流量を前記流量範囲で比較的低くなるように制御し、前記流体の温度が前記温度範囲内で比較的高い場合は、前記空気流量を前記流量範囲で比較的高くなるように制御するように、前記空気供給アセンブリを制御するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記泡立てユニットは、前記ポンプ(30)の下流かつ前記ヒータ(24)の上流に位置する流体制限部(22)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記ヒータ(24)の熱出力を制御するために、少なくとも前記第1の温度信号に応じて前記ヒータ(24)を制御するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記空気入口放出ポイント(14a)と前記泡立てユニット(22)との間の前記流体チャネル(14)内に位置し、流体/空気混合体及び/又は洗浄液の感知された温度に関連する第2の温度信号を生成するように構成されている、第2の温度センサ(32)を備え、
前記電子制御装置アセンブリ(26)は、
前記第2の温度信号を受信し、
前記ヒータ(24)の熱出力を制御するために、少なくとも前記第2の温度信号に応じて前記ヒータを制御する、
ように構成されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記流体チャネル(14)内の前記流体の流量に関連する流量信号に応じて、前記空気供給アセンブリによって供給される空気の流量を制御するように構成されている、請求項1~7のいずか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記電子制御装置アセンブリ(26)は、
前記流体入口(16)に供給される流体のタイプに関するユーザ生成命令を受信し、
前記流体チャネル(14)に供給される空気の流量を制御するように、前記ユーザ生成命令に応じて前記空気供給アセンブリを制御する、
ように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記流体制限部(22)は、所定の長さにわたって中心軸に沿って延び、前記流体チャネル(14)の直径に対して減少した直径のオリフィスを含む、請求項5、および請求項5に従属する限りにおける請求項6~9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記流体制限部(22)の長さが、1mm~8mmの範囲であり、好ましくは4mmであり、前記流体制限部(22)の前記オリフィスの直径が、0.4mm~1.5mmの範囲であり、好ましくは0.7mmである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記流体制限部(22)は、前記ポンプ(30)の出口に取り付けられている、請求項3に従属する限りでの、請求項5、請求項5に従属する限りにおける請求項6~9、および請求項10~11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ヒータ(24)は厚膜加熱要素を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記流体入口(16)において前記流体チャネル(14)に連結される把持要素(44)を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記把持要素(44)は、前記流体入口(16)が挿入される流体リザーバの開口部を覆うように配置可能な、例えば傘形状のキャップであるキャップ(46)を備える、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記アセンブリは、
前記流体チャネル(14)の上流部を画定する上流側流体ラインと、
前記空気チャネル(12b)を画定する空気ラインと、
前記第1の温度センサ(20)と前記泡立てユニット(22)との間の前記流体チャネル(14)内に位置する連結ブロック(28)と、
を備え、前記連結ブロック(28)は、
前記上流側流体ラインの下流端が連結される流体入口開口部と、
前記空気ラインの下流端が連結される空気入口開口部と、
内部流体チャネル部と、
内部空気チャネル部であって、前記空気入口放出ポイント(14a)が前記連結ブロック(28)の内部にあり、前記内部流体チャネル部と内部空気チャネル部との間の連結部を形成している、内部空気チャネル部と、
出口開口部と、を含み、
前記アセンブリは、
前記流体チャネル(14)の一部を画定しその上流端が前記連結ブロック(28)の前記出口開口部に連結される、下流側流体ラインを更に備え、
前記第2の温度センサ(32)は、前記連結ブロック(28)内に取り付けられており、前記上流側流体ラインと前記連結ブロック(28)との間の連結、前記空気ラインと前記連結ブロック(28)との連結、及び前記下流側流体ラインと前記連結ブロック(28)との連結が、フレア型連結である、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
冷蔵庫スペース(38)を画定するハウジング(36)であって、前記冷蔵庫スペース(38)にドア開口部からアクセス可能な開放位置と、前記ドア開口部を閉鎖する閉鎖位置と、を有するドア(40)を含む、ハウジング(36)と、
請求項7または16に記載の流体を泡立てるためのアセンブリであって、少なくとも、前記泡立てユニット(22)と、前記ヒータ(24)と、前記第1の温度センサ(20)と、前記第2の温度センサ(32)とを含む、流体を泡立てるための前記アセンブリ(10)の主要構成要素が、前記冷蔵庫スペース(38)内に位置する、アセンブリと、
を含む、冷蔵庫。
【請求項18】
流体を泡立てるための前記アセンブリは、前記冷蔵庫スペース(38)内に取り外し可能に取り付けられた構成要素トレイ(42)を備え、前記構成要素トレイ(42)は、前記ドア(40)の前記開放位置において前記冷蔵庫スペース(38)から取り外し可能であり、前記構成要素トレイ(42)は、少なくとも、前記泡立てユニット(22)と、前記ヒータ(24)と、前記流体チャネル(14)の少なくとも一部と、を支持する、請求項17に記載の冷蔵庫。
【請求項19】
泡状流体を製造する方法であって、
請求項1~16のいずれか一項に記載のアセンブリ、又は請求項17若しくは請求項18に記載の冷蔵庫を準備することと、
前記流体チャネル(14)内に流体の流れを作り出すために前記ポンプ(30)を作動させることと、
前記第1の温度センサ(20)により、前記流体入口の流体の温度を感知することと、
前記流体入口(16)の前記流体の感知された温度に関連する前記第1の温度信号を、前記第1の温度センサ(20)から前記電子制御装置アセンブリ(26)に送信することと、
前記流体チャネル(14)に供給される空気の流量を制御するために、少なくとも前記第1の温度信号に応じて前記空気供給アセンブリを制御することと、
前記流体チャネル内の流体と前記空気チャネルからの空気とを混合して、流体/空気混合体を形成することと、
前記流体/空気混合体を泡立てて泡状流体を形成することと、
前記泡状流体を選択的に加熱又は非加熱にすることと、
前記流体出口から前記泡状流体を分注することと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記流体入口の前記流体の温度は、ある温度範囲内にあり、供給され得る空気流量は、比較的小さい流量から比較的高い流量にわたる流量範囲内にあり、前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記流体の温度が前記温度範囲内で比較的低い場合は、前記空気流量を前記流量範囲で比較的低くなるように制御し、前記流体の温度が前記温度範囲内で比較的高い場合は、前記空気流量を前記流量範囲で比較的高くなるように制御するように、前記空気供給アセンブリを制御する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電子制御装置アセンブリ(26)は、前記ヒータ(24)の熱出力を制御するために、少なくとも前記第1の温度信号に応じて前記ヒータ(24)を制御する、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記アセンブリは、前記空気入口放出ポイント(14a)と前記泡立てユニット(22)との間の前記流体チャネル(14)内に位置し、前記流体/空気混合体及び/又は洗浄液の感知された温度に関連する第2の温度信号を生成するように構成されている、第2の温度センサ(32)を含み、
前記方法は、
前記第2の温度センサ(32)により前記流体/空気混合体の温度を感知することと、
前記流体/空気混合体の前記感知された温度に関連する第2の温度信号を前記第2の温度センサ(32)によって生成することと、
前記第2の温度信号を前記電子制御装置アセンブリ(26)に送信することと、
前記泡状流体を加熱するための所望の熱量を出力するために、前記流体/空気混合体の少なくとも前記第2の温度信号に応じて、前記電子制御装置アセンブリ(26)によって前記ヒータ(24)を制御することと、
を含む、請求項19又は21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記流体チャネル(14)内の前記流体の流量に関連する流量信号に応じて、前記空気供給アセンブリを制御することを含む、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を泡立てるためのアセンブリ及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルクやクリームのような液体を泡立てるためのデバイスは、例えば米国特許出願公開第20130145936号及び欧州特許第2,120,656(B1)号から当該技術分野において周知である。
【0003】
米国特許出願公開第2013/0145936号の図4には、低温ミルク容器と、ミルクポンプを含むミルク供給導管とを含むミルク泡立て装置が開示されている。ミルクは、泡立て室内のミルクと、水及び空気が供給される蒸気発生器により供給される空気/蒸気混合体を混合することにより、加熱され泡立てられる。空気は、弁を含む空気導管を介して圧縮空気源から蒸気発生器に供給される。システムは、ミルク容器内に位置する温度センサと、制御及び/又は調節可能な泡立て装置の一部又はすべての要素に接続可能な制御デバイスと、を含む。既知の装置では、ミルクは、蒸気/空気混合体により泡立てられ、加熱される。
【0004】
欧州特許第2,120,656(B1)号には、ミルクの泡又はミルクベースの飲料を製造するためのデバイスが開示されている。このデバイスは、泡立てるためにアセンブリに供給される冷たいミルクを含む容器と、ミルク導管によって容器と流体連結され得るポンプであって、冷たいミルクを容器からポンプへとくみ上げられるようにできるポンプとを備える。このデバイスは、空気入口及び空気出口を含む空気導管を更に備え、空気出口は、ミルク導管内へと出ている。このデバイスは、流体/空気混合体を形成するように流体チャネルにある量の空気を供給するように構成されている弁アセンブリを更に備える。ポンプは、ミルク/空気混合体を泡立てるために制限部に連結されており、ミルク/空気混合体はポンプによって制限部(restriction)に供給される。制限部の下流には、弁アセンブリがミルク導管内に設置されている。弁アセンブリの第1の状態では、泡状ミルクは、ミルク出口導管に送達され、そこからミルク出口を通って分注される。弁アセンブリの第2の状態では、泡状ミルクは、出口から送達され分注される前に泡状ミルクを加熱するヒータを含む、並行したミルク導管を通って導かれる。
【発明の概要】
【0005】
従来技術から既知のデバイスの欠点は、泡立てられたミルクの品質が一貫していないことである。本発明者らは、一貫しない品質をもたらす大きな要因が、泡立てられる乳製品の温度であることを確証した。周囲温度を有するUHTミルクは、冷蔵庫内で冷却された同じUHTミルクとは異なる泡立てられた最終製品になる。
【0006】
本発明は、品質が比較的高く一定である泡状流体を分注することができるアセンブリを提供することを目的とする。その目的のため、アセンブリは、
空気源と、空気入口及び下流端を有する空気チャネルとを含む空気供給アセンブリであって、空気源は空気入口に連結されており、空気供給アセンブリは、下流端に供給される空気の流量を制御するように構成されている、空気供給アセンブリと、
流体入口から流体出口まで延びる流体チャネルと、を含む、アセンブリであって、流体チャネルは、その後に、
流体入口付近又は流体入口内に位置し、流体入口付近又は流体入口内の流体の感知された温度に関連する第1の温度信号を生成するように構成されている、第1の温度センサと、
空気チャネルの下流端が連結される空気入口放出ポイントと、
ポンプを含む泡立てユニットと、
ヒータと、を含み、
アセンブリは、
第1の温度信号を受信し、
流体チャネルに供給される空気の流量を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じて制御可能空気供給アセンブリを制御する、
ように構成されている、電子制御装置アセンブリを含む。
【0007】
流体は、例えば、様々なタイプのミルク、アーモンドミルク、チョコレートミルク、山羊乳、濃縮乳、豆乳などであってよい。本発明によるアセンブリの利点は、流体/空気混合体中の流体と空気との比が、流体入口に供給される流体の温度に適合されることである。これは、温度センサによって提供される情報に基づいて、制御可能空気供給アセンブリ、及びそれによって流体チャネル内にある流体に加えられる空気の量を調節する、電子制御装置アセンブリによって行われる。流体に供給される空気の量の調節は、供給される流体の温度変動を補償することができる。これにより、流体出口から一貫した品質の泡状流体を得ることができる。消費者の希望に応じて、ミルクの泡を、濃い(wet)、すなわち泡の体積当たりのミルクがより多い、又は軽い(dry)、すなわち泡の体積当たりのミルクがより少ないものにすることができる。更に、泡の温度は、例えば、冷たい泡又は温かい泡になるように、変えることができる。更に、分注される泡の量を変えることができる。この目的のため、様々なレシピを電子制御装置アセンブリ内にプログラムしてよい。
【0008】
流体入口付近又は流体入口内の流体の温度は、比較的低い温度から比較的高い温度にわたる温度範囲内にあってよい。供給され得る空気流量は、比較的小さい流量から比較的高い流量にわたる流量範囲内にあってよい。流量は、時間当たりの供給体積として定義され、例えばmL/sで表すことができる。一実施形態では、電子制御装置アセンブリは、流体の温度が温度範囲内で比較的低い場合は、空気流量を流量範囲で比較的低くなるように制御し、流体の温度が温度範囲内で比較的高い場合は、空気流量を流量範囲で比較的高くなるように制御するように、制御可能空気供給アセンブリを制御するように構成され得る。換言すると、使用中に、温度センサが流体入口付近又は流体入口内で比較的高い温度を検知したとき、電子制御装置アセンブリは、流体チャネル内の流体に供給される空気流量が比較的高くなるように空気流量を増加させることができる。逆に、流体入口付近又は流体入口内の流体の温度が温度範囲で比較的低い場合は、流体チャネル内の流体に供給される空気の量が流体チャネルに供給され得る範囲内で比較的低くなるように、空気流量が減少され得る。電子制御装置アセンブリは、温度センサによって検出された温度に基づいて、流体/空気混合体中の流体と空気との比を調節して、アセンブリが一貫した所望の品質の泡状流体を製造することができるようにする。これは、例えば、上述した所望の泡の種類、すなわち温かい軽い泡、温かい濃い泡、冷たい軽い泡、又は冷たい濃い泡、及び中間種のうちの1つであってよい。
【0009】
本発明はまた、本発明によるアセンブリを含む冷蔵庫を提供する。
【0010】
最後に、本発明は、泡状流体を製造する方法であって、
本発明によるアセンブリ、又は冷蔵庫を準備することと、
流体チャネル内に流体の流れを作り出すためにポンプを作動させることと、
第1の温度センサにより、流体入口付近又は流体入口内の流体の温度を感知することと、
流体入口付近又は流体入口内の流体の感知された温度に関連する第1の温度信号を、第1の温度センサから電子制御装置アセンブリに送信することと、
流体チャネルに供給される空気の流量を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じて空気供給アセンブリを制御することと、
流体チャネル内の流体と空気チャネルからの空気とを混合して、流体/空気混合体を形成することと、
流体/空気混合体を泡立てて泡状流体を形成することと、
泡状流体を選択的に加熱又は非加熱にすることと、
流体出口から泡状流体を分注することと、
を含む。
【0011】
この方法には、より一貫した品質の泡状の流体を製造することができるという利点がある。これは、流体チャネルに供給される空気の量が、流体チャネル内又は流体チャネル付近の流体の温度に応じて制御可能であることによる。試験では、泡状流体の品質は、その泡状流体の製造に使用した流体の温度によって決まることが示された。泡状流体の品質は、更に、流体/空気混合体中の流体と空気との比によっても決まる。流体入口付近又は流体入口内の流体の温度に応じて制御可能空気弁を制御することによって、製造された泡状流体は、所望の品質となり得る。感知された入口温度に応じて、流体に供給される空気流量を制御することにより、流体の入口温度が変化することによって生じ得るばらつきを補償することができる。これにより、再現性のある一貫した品質の泡状液体を製造することができる。
【0012】
種々の実施形態は、従属請求項において請求され、図面に示される例を参照してより明らかになる。これらの実施形態は、組み合わせることができ、又は別々に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるアセンブリの一実施形態の概略全体図を示す。
図2】アセンブリを含む冷蔵庫の一例の斜視図を示す。
図3】把持要素を含む流体チャネルの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の主態様だけでなくいくつかの実施形態を含む、本発明によるアセンブリの一例を示している。最も一般的には、本発明は、流体を泡立てるためのアセンブリ10を備える。アセンブリ10は、空気源を含む空気供給アセンブリと、空気入口12a及び下流端12bを有する空気チャネル12とを含む。空気源は、空気入口12aに連結されている。空気供給アセンブリは、下流端12bに供給される空気の流量を制御するように構成されている。本発明によるアセンブリを用いて他の流体も泡立てることができるが、主な用途は、様々なグレードの牛乳、アーモンドミルク、チョコレートミルク、山羊乳、濃縮乳又は豆乳などの様々なタイプのミルクの泡立てである。アセンブリ10は、流体入口16から流体出口18まで延びる流体チャネル14を備える。流体チャネル14は、その後に、第1の温度センサ20と、空気入口放出ポイント14aと、ポンプ30を含む泡立てユニット22と、ヒータ24とを含む。第1の温度センサ20は、流体入口16付近又は流体入口16内に位置し、流体入口16付近又は流体入口16内の流体の感知された温度に関連する第1の温度信号を生成するように構成されている。空気チャネル12の下流端12bは、空気入口放出ポイント14aに連結されている。アセンブリ10は、電子制御装置アセンブリ26を更に備える。電子制御装置アセンブリ26は、第1の温度信号を受信し、流体チャネル14に供給される空気の流量を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じて空気供給アセンブリを制御するように構成されている。
【0015】
このようなアセンブリの利点は概要に記載してあり、中でも特に、流体チャネル14の入口付近又は入口内の流体の温度が変化しても、様々なタイプの所望の流体泡を一貫した品質で製造できることが挙げられる。図1に示す例では、空気供給アセンブリによって供給される空気流量は、制御可能空気弁を用いて制御される。
【0016】
一実施形態では、空気源は、可変の出力流量のエアポンプを含むことができる。この場合、電子制御装置アセンブリ26は、流体チャネル14に供給される空気の流量を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じてエアポンプ出力流量を制御するように構成され得る。
【0017】
エアポンプには、加圧空気を含むシリンダを交換する必要がないという利点がある。
【0018】
一実施形態では、空気源は、エアシリンダ又はエアポンプを含むことができ、ここで、空気供給アセンブリは、空気チャネル12内に取り付けられ得る制御可能空気弁12cを含む。この実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、流体チャネル14に供給される空気の流量を制御するために、第1の温度信号に応じて制御可能空気弁12cを制御するように構成され得る。
【0019】
加圧エアシリンダには、加圧空気を即座に利用できるという利点がある。
【0020】
空気源として、ポンプとエアシリンダ又は同様のバッファタンクとを組み合わせることも実施可能である。エアポンプは、エアシリンダを加圧するために用いられてもよい。このような組み合わせは、加圧空気の瞬時の利用可能性を保証し、加圧エアシリンダを交換する必要がないという利点がある。
【0021】
流体入口付近又は流体入口内の流体の温度は、比較的低い温度から比較的高い温度にわたる温度範囲内で変化してよい。供給され得る空気流量は、比較的小さい流量から比較的高い流量にわたる流量範囲内で変化させることができる。この文脈において、流量とは、例えばmL/sで表される時間当たりに供給される流体の体積である。一実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、流体の温度が温度範囲内で比較的低い場合は、空気流量を流量範囲で比較的低くなるように制御し、流体の温度が温度範囲内で比較的高い場合は、空気流量を流量範囲で比較的高くなるように制御するように、空気供給アセンブリを制御するように構成され得る。
【0022】
このような制御により、流体入口での流体の温度が前記範囲内で比較的低い温度から比較的高い温度に変化しても、一貫した品質の泡を得ることができるようになる。
【0023】
一例を図1に示す一実施形態では、泡立てユニットは、ポンプ30の下流かつヒータ24の上流に位置する流体制限部22を含むことができる。
【0024】
アセンブリ10内での流体の泡立てに流体制限部22を使用することには、比較的高い品質の泡状液体の泡状流体を製造することができるという利点がある。その他、流体制限部22は、簡単に清掃できる非常に単純な構造である。
【0025】
一実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、ヒータ24の熱出力を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じてヒータ24を制御するように構成され得る。
【0026】
このような実施形態の場合、泡立てられるべき流体の流体チャネルの入口での温度に依存して、ヒータ24の熱出力を制御することができる。これにより、加熱される泡状流体が沸騰し始めるのを防ぐことができる。したがって、流体の味が非常に良好に保たれ、流体がヒータの壁で焦げる又は固まることがなくなる。特に流体がミルクの場合、ミルクは沸騰すると味が落ちるので、沸騰させないことが重要である。したがって、泡状ミルクの品質は、味及び外観の両方に関して一貫したものとなる。
【0027】
一例を図1に示す一実施形態では、アセンブリ10は、第2の温度センサ32を備えることができる。第2の温度センサ32は、空気入口放出ポイント14aと泡立てユニット22との間の流体チャネル14内に位置決めされ得る。第2の温度センサ32は、流体/空気混合体及び/又は洗浄液の感知された温度に関連する第2の温度信号を生成するように構成され得る。電子制御装置アセンブリ26は、第2の温度信号を受信し、ヒータ24の熱出力を制御するために、少なくとも第2の温度信号に応じてヒータ24を制御するように構成され得る。
【0028】
空気/流体混合体中において正確な空気/流体比を実現することに加えて、泡状流体の品質はまた、又は追加的に、分注される泡状流体の温度によって決められ得る。加熱された泡状流体は、例えば、約70℃の温度を有することができる。第1の温度センサ20が生成した第1の温度信号に応じてヒータ24を制御する代わりに、又はそれに加えて、ヒータ24は、流体/空気混合体の温度を直接測定する第2の温度センサ32が生成する第2の温度信号に基づいて制御されてもよい。第2の温度信号、又は第1の温度信号と第2の温度信号を組み合わせて用いて、ヒータ24は、所望の温度の泡状流体を分注するのに必要な正確な熱量を出力するために、更に正確に電子制御装置アセンブリによって制御され得る。これにより、過熱又は加熱不足を防ぐことができる。更に、第2の温度32はまた、流体チャネル14の洗浄に用いられる洗浄剤の温度を制御することに使用することもできる。
【0029】
一実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、流体チャネル14内の流体の流量に関連する流量信号に応じて、空気供給アセンブリによって供給される空気の流量を制御するように構成され得る。このような実施形態は、流体入口又は流体入口内の流体の温度だけでなく、更に流体チャネル14内の流体の流量(すなわち、体積/時間)を示す流量信号に応じて、空気供給アセンブリによって供給される空気の流量を決定する。流量信号は、流れチャネル14に含まれてもよい流量計によって生成され得る。しかし、流量信号は、ポンプについての制御信号であってもよい。例えば、流量信号は、ポンプ速度、又は最大ポンプ速度のパーセンテージであってよい。ポンプ速度は、流体泡のレシピに依存して設定することができる。軽い泡を所望する場合には、ポンプの速度は、濃い流体泡が所望される場合よりも遅く設定され得る。ポンプ速度が比較的低い場合、ポンプ速度が例えばポンプ最高速度である100%の場合よりも小さい空気流量が流体チャネル14に供給され得る。
【0030】
一実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、流体入口16に供給される流体のタイプに関するユーザ生成命令(user-generated instruction)を受信するように構成され得る。電子制御装置アセンブリ26は、更に、流体チャネル14に供給される空気の流量を制御するために、ユーザ生成命令に応じて空気供給アセンブリを制御するように構成され得る。
【0031】
流体入口16に供給される流体のタイプも考慮することで、泡状流体の品質を更に向上させることができる。この実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、アセンブリ10によって処理され得る様々な流体の情報を用いてプログラムされ、ここで、流体入口に供給される流体のユーザ生成情報は、流体チャネル14に供給される空気の量を制御することによって流体/空気比を最適化することに使用され得る。流体のタイプとしては、例えば、種々の脂肪率の牛乳、アーモンドミルク、山羊乳、バターミルク又はチョコレートミルクが挙げられ得る。特徴は、例えば、脂肪率、蛋白質含有量、乳糖の有無、及び/又は流体の供給源を含むことができる。
【0032】
泡立てユニット22が流体制限部である一例を図1に示す実施形態では、流体制限部22は、所定の長さにわたって中心軸に沿って延びることができ、流体チャネル14の直径に対して減少した直径を有するオリフィスを含むことができる。
【0033】
このような流体制限部は、構造が簡単であって、内部構造が滑らかであり、洗浄剤が届き難いことがある空洞を含まないので、非常に効果的に洗浄することができる。
【0034】
一実施形態では、流体制限部22の長さは、1mm~8mmの範囲、好ましくは4mmであってよい。流体制限部22のオリフィスの直径は、0.4mm~1.5mmの範囲であってよく、好ましくは0.7mmであってよい。
【0035】
0.7mmのサイズのオリフィスを有する長さ4mmの、例えば固定された流体ノズルの形態の流体制限部を用いると、結果的に泡状液体の品質は高くなる。いくつかの異なるミルクがベースの流体は、この流体制限部の実施形態を用いて高品質の泡状流体に加工可能である。より具体的には、流体制限部22は、脱脂、半脱脂及び全乳(full milk)を高品質の泡状ミルクに泡立てることに使用することができる。更に、半脱脂乳糖非含有ミルク及びカプチーノ用ミルクを用いて高品質の泡状流体を製造することもできる。
【0036】
泡立てユニット22が流体制限部である一例を図1に示す一実施形態では、流体制限部22は、ポンプ30の出口に取り付けられ得る。
【0037】
流体制限部22をポンプ30の出口に取り付けることで、よりコンパクトなアセンブリになり得る。
【0038】
一実施形態では、ヒータ24は厚膜加熱要素(thickfilm heating element)を含むことができる。
【0039】
厚膜加熱要素は、電気抵抗ロッドなどの従来技術のデバイスで使用される加熱要素に勝るいくつかの利点をもたらす。厚膜加熱要素は、低い熱質量と比較的急峻な温度プロファイルを有する。その結果、ヒータ24は比較的短時間で昇温及び冷却することができる。これにより、次の分注動作との間に長い期間が開くことも、次の分注動作との間に温度が交差する影響を受けることもなく、温かい泡状流体も冷たい泡状流体もそこを通して分注することができる、単一のチャネル14を実現することが可能になる。このように、厚膜加熱要素を使用すれば、温かい泡状流体と冷たい泡状流体を交互に分注することができる単一流体チャネル14だけしか必要としない、より単純かつコンパクトな構造が可能になる。このような単純な構造は、例えば欧州特許第2,120,656号では利用することができなかった。欧州特許第2,120,656号では、泡立てユニットの後に2本の別個のチャネルと三方弁が位置しており、温かい泡状流体は、加熱ユニットを備えたこれら2本のチャネルのうちの第1のチャネルを通して分注され、その一方で冷たい泡状流体は、冷たい泡状流体の望ましくない加熱を防ぐためにこれら2本のチャネルのうちの第2のチャネルを通して分注された。三方弁は、2本の別個のチャネルのうちのどちらから泡状流体が分注されるべきかを選択するために、作動させられた。三方弁は、単純な単一のチャネルよりも洗浄が困難である。その結果、温かいミルクと冷たいミルクの両方がそこを通って分注される厚膜ヒータを含む装置はより洗浄しやすく、このことは衛生面からみて、最も重要なことである。追加の利点としては、ヒータ24は、加熱及び冷却に必要な時間が短いことから、待機モードのままにするのではなく、オフへの切り替えが可能であることが挙げられる。これは、アセンブリ10のエネルギー使用を減少させ、その一方で、依然として高い利用可能性をもたらす。
【0040】
一実施形態では、ヒータ24は、貫流(flow-through)ヒータであってよく、好ましくは、高圧貫流ヒータであり、より好ましくは、超高圧貫流ヒータであってよい。
【0041】
一実施形態では、アセンブリ10は、流体入口16付近で流体チャネル14に連結される把持要素44を備えることができる。
【0042】
一例を図3に示す一実施形態では、アセンブリ10は、流体入口16付近で流体チャネル14に連結される把持要素44を備えることができる。図3に示す例では、流体入口16は、金属又は硬質の非多孔質プラスチックから製造することができる剛性浸漬管である。あるいは、流体入口16は、可撓性管であってもよい。しかし、剛性浸漬管は、泡立てられるべき流体を含む流体容器内への設置及びそこからの取り外しがより便利である。
【0043】
先述の実施形態の詳細では、把持要素44は、例えば傘形キャップであるキャップ46を備えることができる。キャップ46は、流体入口16が挿入される流体リザーバの開口部を覆うように配置することができる。
【0044】
把持部44はキャップ46を備えることができ、それによって、流体リザーバを実質的に閉鎖するように、把持部44を流体リザーバの開口部上に都合良く置くことができるようになる。それによって、キャップ46は流体リザーバ内の流体の汚損を防ぐ封止部を形成し、それと同時に、流体入口16又は流体チャネル14を汚損又は損傷させることなく流体入口16を流体リザーバから取り外すための取手がもたらされる。このように、空になった流体リザーバから新しい充填済み流体リザーバへ流体入口16を移すことを、衛生的かつ簡単に行えるようになる。
【0045】
一実施形態では、アセンブリは、流体チャネル14の上流部を画定する上流側流体ラインと、空気チャネル12bを画定する空気ラインと、第1の温度センサ20と泡立てユニットとの間の流体チャネル14内に位置する連結ブロック28とを備えることができる。連結ブロック28は、上流側流体ラインの下流端が連結される流体入口開口部を含むことができる。連結ブロック28は、それに加えて、空気ラインの下流端が連結される空気入口開口部を含むことができる。内部流体チャネル部は、連結ブロック28、及び内部空気チャネル部内に延びることができる。空気入口放出ポイント14aは、連結ブロック28の内部にあってよく、内部流体チャネル部と内部空気チャネル部との間の連結部を形成する。最後に、連結ブロック28は、内部流体チャネル部の下流端によって形成された出口開口部を含むことができる。更に、アセンブリは、流体チャネル14の一部を画定する下流側流体ラインを更に備えることができる。下流側流体ラインの上流端は、連結ブロック28の出口開口部に連結されている。第2の温度センサ32は、連結ブロック28に取り付けられ得る。上流側流体ラインと連結ブロック28との間の連結、空気ラインと連結ブロック28との連結、及び下流側流体ラインと連結ブロック28との間の連結は、フレア型連結(flare connection)であってよい。
【0046】
このような連結ブロック28には、洗浄作業の実施のときにミルクが残留することがある空洞がなく、内部構造が滑らかであるため、洗浄作業中に消毒がしやすいという利点がある。上流側及び下流側の流体ラインは、適当なプラスチックの可撓性管であってよい。流体ラインの自由端はフレア状であってよい、すなわち、管の一体部分である径方向に延びるフランジを形成するように、径方向外側に延びる形状であってよい。このような径方向に延びるフランジは、連結ブロックの端面と、連結ブロック28の流体入口、流体出口及び空気入口に設けられたねじ継手に螺合する内側ねじ山を有する連結ナットとの間に挟まれ得る。ここでも、このようなフレア状の管端により、一方では流体ラインと空気ラインとの間の連結が、他方では連結ブロック28との連結が、非常に滑らかになり、事実上、洗浄作業中でもミルク又は流体が残留する恐れのある空洞がなくなる。したがって、この実施形態によるアセンブリの衛生性が最適に保証される。
【0047】
本発明は、更に、冷蔵庫スペース38を画定するハウジング36を含む冷蔵庫を提供する。このような冷蔵庫の例を図2に示す。ハウジングは、ドア開口部から冷蔵庫スペース38にアクセス可能な開放位置と、ドア開口部を閉鎖する閉鎖位置とを有する、ドア40を含む。冷蔵庫は、本発明による流体を泡立てるためのアセンブリを更に備え、ここで、少なくとも、泡立てユニット22と、ヒータ24と、第1の温度センサ20と、第2の温度センサ32とを含む、流体を泡立てるためのアセンブリ10の主要構成要素は、冷蔵庫スペース38内に位置する。
【0048】
冷蔵庫スペース38は、構成要素の冷却を最適化するように、比較的低い温度に冷却され得る。更に、冷蔵ハウジングスペース38を有することで、リザーバ内に含まれる流体が腐らないように流体リザーバをハウジング36のハウジングスペース38内に配置することを可能とし得る。これは、例えば、ミルク又はカスタードベースの製品のような腐敗しやすい製品の場合に重要であり得る。
【0049】
更に、冷蔵スペース向けにアセンブリ10の構成要素を設計することで、アセンブリを既存の冷蔵庫に後付けすることができる。
【0050】
一例を図2に示す一実施形態では、流体を泡立てるためのアセンブリ10は、冷蔵庫スペース38内に取り外し可能に取り付けられる構成要素トレイ42を備えることができる。構成要素トレイ42は、ドア40が開放位置にあるときに冷蔵庫スペース38から取り外し可能であってよく、少なくとも、泡立てユニット22と、ヒータ24と、流体チャネル14の少なくとも一部とを支持することができる。
【0051】
取り外し可能に取り付けられる構成要素トレイ42を有する利点としては、修理又はメンテナンスのために構成要素にアクセスしやすいことが挙げられる。更に、構成要素トレイ42は、構成要素が最適な性能を提供し、それと同時に必要な設置スペースを低減させ、コンパクトで信頼性の高い製品が可能になるように設計され得る。更に、構成要素トレイは、修理、メンテナンス又は交換の際に、冷蔵庫スペース38から取り外されてよく、その後に、冷蔵庫スペース38内の低い内部温度を維持するためにドア40を再び閉じることができる。
【0052】
本発明は、更に、流体を泡立てるための方法を含む。この方法は、請求項1~15のいずれか一項に記載のアセンブリ、又は請求項16若しくは17に記載の冷蔵庫を準備することを含む。この方法は、
流体チャネル14内に流体の流れを作り出すためのポンプ30を作動させることと、
第1の温度センサ20により、流体入口付近又は流体入口内の流体の温度を感知することと、
流体入口16付近又は流体入口16内の流体の感知された温度に関連する第1の温度信号を、第1の温度センサ20から電子制御装置アセンブリ26に送信することと、
流体チャネル14に供給される空気の流量を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じて空気供給アセンブリを制御することと、
流体チャネル内の流体と空気チャネルからの空気とを混合して、流体/空気混合物を形成することと、
流体/空気混合体を泡立てて泡状流体を形成することと、
泡状流体を選択的に加熱又は非加熱にすることと、
流体出口から泡状流体を分注することと、を更に含む。
【0053】
本発明による方法の利点は概要に記載してあるので、そちらを参照されよう。泡状流体の選択的な加熱は、温かい泡を作るために泡状流体の分注中にヒータをオンにすることによって、又は冷たい泡を作るためにヒータをオフにしたままにすることによって、行うことができる。この方法は、入口付近の流体の温度が変化する場合でも、所望のタイプのより一定品質の泡を提供する。
【0054】
上述したように、流体入口付近又は流体入口内の流体の温度は、比較的低い温度から比較的高い温度にわたる温度範囲内で変化してよい。また、供給され得る空気流量も、比較的小さい流量から比較的高い流量にわたる流量範囲内で変化してよい。
【0055】
本方法の一実施形態では、電子制御装置アセンブリ26は、流体の温度が温度範囲内で比較的低い場合は、空気流量を流量範囲で比較的低くなるように制御し、流体の温度が温度範囲内で比較的高い場合は、空気流量を流量範囲で比較的高くなるように制御するように、空気供給アセンブリを制御することができる。
【0056】
このような方法で、入口での流体の温度が変化しても、泡状ミルクなど、望み通りの一定品質の泡状流体を得ることができる。これにより、泡立てられる流体の温度状態が変化しても、安定性及び構造が良好な、冷たい若しくは温かい軽い泡又は冷たい若しくは温かい濃い泡を得ることができる。
【0057】
一実施形態では、電子制御装置アセンブリは、ヒータ24の熱出力を制御するために、少なくとも第1の温度信号に応じてヒータ24を制御することができる。
【0058】
アセンブリが請求項4に記載の特徴、すなわち泡立てられる流体/空気混合体の温度を感知するための第2の温度センサ32を含む一実施形態では、方法は、
第2の温度センサ32により流体/空気混合体の温度を感知することと、
流体/空気混合体の感知された温度に関連する第2の温度信号を第2の温度センサ32によって生成することと、
第2の温度信号を電子制御装置アセンブリ26に送信することと、
泡状流体を加熱するための所望の熱量を出力するために、流体/空気混合体の少なくとも第2の温度信号に応じて、電子制御装置アセンブリ26によってヒータ24を制御することと、を含むことができる。
【0059】
これらの実施形態による方法を両方用いて、流体/空気混合体の組成、並びに、入口での流体の温度及び/又はアセンブリ内で形成される泡状流体の温度をより詳細に制御することができる。その結果、このアセンブリを使用して、泡状流体の非常に一貫した泡品質及び泡温度を作り出すことができる。更に、徹底的な制御により、比較的高品質の泡状流体を作り出すことも可能となる。
【0060】
一実施形態では、この方法は、更に、流体チャネル14内の流体の流量に関連する流量信号に応じて、空気供給アセンブリを制御することを含むことができる。電子制御装置アセンブリ26が流体の高流量を示す信号を受信すると、制御可能空気弁12cが更に開かれ、それによってより多くの空気が供給され、その一方で、流体の流量がより小さい場合は、わずかな空気しか供給されなくなる。
【0061】
上記の説明は、例示に過ぎず、限定を意図するものではない。したがって、当業者には、以下に示される特許請求の範囲から逸脱することなく、先述した本発明に修正を加えることができると理解されよう。様々な実施形態は、組み合わせて適用される、又は互いに独立的に適用することができる。
【0062】
上述した詳細な説明において使用される参照番号は、実施形態の記述を図面に示す例に限定するものではない。図面は例を示しているにすぎず、実施形態は、図面の例に示される特定のやり方以外の他のやり方で具現化することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 流体を泡立てるためのアセンブリ
12 空気チャネル
12a 空気入口
12b 空気チャネルの下流端
12c 制御可能空気弁
14a 空気入口放出ポイント
14 流体チャネル
16 流体入口
18 流体出口
20 第1の温度センサ
22 泡立てユニット
24 ヒータ
26 電子制御装置アセンブリ
28 連結ブロック
30 ポンプ
32 第2の温度センサ
34 空気温度センサ
36 ハウジング
38 冷蔵庫スペース
40 ドア
42 構成要素トレイ
44 把持要素
46 キャップ
図1
図2
図3