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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】連結具
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/10 20060101AFI20220128BHJP
   A61M 5/14 20060101ALN20220128BHJP
   A61J 1/16 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
A61G5/10
A61M5/14 532
A61J1/16 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019202528
(22)【出願日】2019-11-07
(65)【公開番号】P2021074228
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2019-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】水口 啓一
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-336716(JP,A)
【文献】特開2017-127272(JP,A)
【文献】特開2019-027442(JP,A)
【文献】特開2012-038155(JP,A)
【文献】特開平06-229412(JP,A)
【文献】特開2009-233331(JP,A)
【文献】特開2015-107326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00-12/00
F16B 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と被支持体とを接続するための連結具であって、前記支持体又は被支持体のいずれか一方を把持するクリップ体と、前記被支持体又は支持体のいずれか一方を把持するクランプ体と、当該クランプ体と前記クリップ体との間を所定の間隔を置いて接続する連結体とを具備し、
前記クリップ体は、相互間に前記支持体又は被支持体を弾発把持するように相互にばねを介して枢着された第1及び第2のクリップ片を具備し、
前記第1のクリップ片は、基端側に接続部、中間部に前記第2のクリップ片との枢着部、先端側に把持部を有するクリップ片本体と、前記連結体を接続するための雌ねじ型接続部を有する雌ねじ型接続部材とを具備し、当該雌ねじ型接続部材が前記クリップ片本体の接続部に軸周り回転自在に接続されてなり、
前記第2のクリップ片は、基端側に前記第1のクリップ片との間を開閉操作するための押圧部を有し、中間部に前記第1のクリップ片との枢着部を有し、先端側に前記第1のクリップ片の把持部との間で前記支持体又は被支持体を把持する把持部を有し、
前記クランプ体は、相互間に前記被支持体又は支持体を把持するように相互に枢着された第1及び第2のクランプ片と、当該両クランプ片間を開閉自在に締め付ける締め付け部材とを具備し、
前記第1のクランプ片は、基端側に前記連結体を接続するための雌ねじ型接続部と前記第2のクランプ片との枢着部とを有し、中間に把持部を有し、先端部に前記締め付け部材との係合部を有し、
前記第2のクランプ片は、前記第1のクランプ片との枢着部とを有し、中間に前記第1のクランプ片の把持部との間で前記被支持体又は支持体を把持する把持部を有し、先端部に前記締め付け部材との係合部を有し、
前記連結体は、本体の両端に、前記クリップ体又はクランプ体の雌ねじ型接続部に螺合する雄ねじ型接続部を具備し、
前記第1のクリップ片本体の接続部は、基端側へ開放した接続穴と、それの底面中心から突出するばね受け突起と、底面に放射状に相互間隔を置いて形成される複数の係合突起を具備し、
前記第1のクリップ片の雌ねじ型接続部材は、前記ばね受け突起を貫通させて前記接続穴へ軸周り回転自在に嵌合されるボス部と、前記接続穴の外側へ広がる鍔部を具備し、
前記ボス部の端面には、前記係合突起と係合する複数の係合突起が形成され、
前記鍔部の中心には、基端側へ開放し前記連結体の雄ねじ型接続部が螺合する雌ねじ部が形成され、
前記ばね受け突起の外周には、ばねが係止され、それによって前記ボス部を前記接続穴内へ引き込み、前記接続穴底面の係合突起と前記ボス部端面の係合突起とを圧接させ、前記クリップ本体に対する前記雌ねじ型接続部材の軸周り回転に所定の角度毎に回転負荷を付与するように構成されることを特徴とする連結具。
【請求項2】
支持体と被支持体とを接続するための連結具であって、前記支持体又は被支持体のいずれか一方を把持するクリップ体と、前記被支持体又は支持体のいずれか一方を把持するクランプ体と、当該クランプ体と前記クリップ体との間を所定の間隔を置いて接続する連結体とを具備し、
前記クリップ体は、相互間に前記支持体又は被支持体を弾発把持するように相互にばねを介して枢着された第1及び第2のクリップ片を具備し、
前記第1のクリップ片は、基端側に前記連結体を接続するための雌ねじ型接続部を有し、中間部に前記第2のクリップ片との枢着部を有し、先端側に把持部を有し、
前記第2のクリップ片は、基端側に前記第1のクリップ片との間を開閉操作するための押圧部を有し、中間部に前記第1のクリップ片との枢着部を有し、先端側に前記第1のクリップ片の把持部との間で前記支持体又は被支持体を把持する把持部を有し、
前記クランプ体は、相互間に前記被支持体又は支持体を把持するように相互に枢着された第1及び第2のクランプ片と、当該両クランプ片間を開閉自在に締め付ける締め付け部材とを具備し、
前記第1のクランプ片は、基端側に前記連結体を接続するための雌ねじ型接続部と前記第2のクランプ片との枢着部とを有し、中間に把持部を有し、先端部に前記締め付け部材との係合部を有し、
前記第2のクランプ片は、前記第1のクランプ片との枢着部とを有し、中間に前記第1のクランプ片の把持部との間で前記被支持体又は支持体を把持する把持部を有し、先端部に前記締め付け部材との係合部を有し、
前記連結体は、本体の両端に、前記クリップ体又はクランプ体の雌ねじ型接続部に螺合する雄ねじ型接続部を具備し、
前記第1のクランプ片の係合部は、先端が二叉に分岐して形成される一対の軸受部からなり、
前記締め付け部材は、前記第1のクランプ片の軸受部に軸周り回転自在に支持され中間において軸線直交方向に貫通するねじ孔を有するナットピンと、当該ナットピンの軸周りに揺動するように前記ねじ孔に螺挿される摘まみねじとを具備し、
前記第2のクランプ片の係合部は、前記摘まみねじのねじ棒部を受け入れ可能に先端側に開いた割溝部からなり、当該割溝部に受け入れられた前記摘まみねじの締め付けにより前記第1、第2のクランプ片間の前記被支持体又は支持体を把持することを特徴とする連結具。
【請求項3】
前記連結体の本体は、可撓管からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば医療用ベッド、車椅子、歩行補助器等の医療器具とその傍らに配置されて同時に移動することが求められる点滴スタンドのような2つの部材間を連結するために使用される連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、輸液や医療機器を装備できる車輪付きスタンドを車椅子に取付固定するための連結装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。
この連結装置は、本体部と、本体部の後方に連結された伸縮腕部と、この伸縮腕部の後方に連結されたスタンド固定部とから成る。本体部は側面視略矩形の枠体からなり、その前方の縦枠に上下一対の固定手段を有し、これで車椅子の背面側のフレームに連結される。伸縮腕部は側面視略菱形のリンク機構を有する枠体から構成され、前後方向に伸縮する。伸縮腕部の前端は本体部に固定され、その後端はスタンド固定部に固定される。スタンド固定部は上下に延長する枠体から成り、その上下に一対の固定部を有し、これで点滴スタンドの支柱部と連結固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-94043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の連結装置は、用途が限定された特殊で比較的複雑な構造であり汎用性に欠けると共に、大型で、比較的高価なものとなる。
したがって、本発明は、汎用性があり、小型、構造簡易で保管が容易であって、比較的安価に得られる連結具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の連結具1は、支持体Bと被支持体Aとを接続するためのものであって、支持体B又は被支持体Aを把持するクリップ体2と、被支持体A又は支持体Bを把持するクランプ体3と、これら両者間を所定の間隔を置いて接続する連結体4とを具備する。クリップ2体は、相互間に支持体B又は被支持体Aを弾発把持するように相互にばね23を介して枢着された第1及び第2のクリップ片21,22を具備する。第1のクリップ片21は、基端側に連結体4を接続するための雌ねじ型接続部212bを有し、中間部に第2のクリップ片22との枢着部214を有し、先端側に把持部215を有する。第2のクリップ片22は、基端側に第1のクリップ片21との間を開閉操作するための押圧部221を有し、中間部に枢着部22を有し、先端側に第1のクリップ片21の把持部215との間で支持体B又は被支持体Aを把持する把持部223を有する。クランプ体3は、相互間に被支持体A又は支持体Aを把持するように相互に枢着された第1及び第2のクランプ片31,32と、これら両者間を開閉自在に締め付ける締め付け部材34とを具備する。第1のクランプ片31は、基端側に連結体4を接続するための雌ねじ型接続部311と枢着部312とを有し、中間に把持部313を有すると共に、先端部に締め付け部材34との係合部341を有する。第2のクランプ片32は、基端側に第1のクランプ片31との枢着部321を有し、中間に第1のクランプ片31の把持部313との間で被支持体A又は支持体Bを把持する把持部322を有し、先端部に締め付け部材34との係合部223を有する。連結体4は、本体41の両端に、クリップ体2又はクランプ体3の雌ねじ型接続部212b,311に螺合する雄ねじ型接続部42,43を具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の連結具は、汎用性があり、小型、構造簡易で保管が容易であって、比較的安価に得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る連結具の正面図である。
図2図1の連結具の平面図である。
図3図1の連結具におけるクリップ体の断面図である。
図4図1の連結具におけるクランプ体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
連結具1は、被支持体Aを把持するクリップ体2と、支持体Bを把持するクランプ体3と、クランプ体3とクリップ体2との間を所定の間隔を置いて接続する連結体4とを具備する。クリップ体2とクランプ体3のいずれが支持体Bを把持し又は被支持体Aを把持するかは、適宜選択可能である。
【0009】
クリップ体2は、互いに枢着された第1及び第2のクリップ片21,22を具備する。
【0010】
第1のクリップ片21は、クリップ片本体211と、連結体4を接続するための雌ねじ型接続部材212とを具備する。クリップ片本体211の基端側の接続部213に、雌ねじ型接続部材212が軸周り回転自在に接続される。クリップ片本体211の中間部に第2のクリップ片22との枢着部214、先端側に把持部215が設けられる。把持部215は塩化ビニルコーティングされている。
【0011】
図3に示すように、接続部213は、基端側へ開放した接続穴213aと、それの底面中心から突出するばね受け突起213bと、底面に放射状に相互間隔を置いて形成される複数の係合突起213cとを有する。
【0012】
雌ねじ型接続部材212は、ばね受け突起213bを貫通させて接続穴213aへ軸周り回転自在に嵌合されるボス部212aと、接続穴213aの外側へ広がる鍔部212bを具備する。ボス部212aの端面には、係合突起213cと係合する複数の係合突起212cが形成される。鍔部212bの中心には、基端側へ開放する雌ねじ部212dが形成される。
【0013】
ボス部212a内へ突出したばね受け突起213bの外周にばね213dが係止される。ばね213dは、ボス部212aを接続穴213a内へ引き込み、係合突起213c、212cを圧接させることにより、本体211に対する雌ねじ型接続部材212の軸周り回転に所定の角度(例えば30°)毎に回転負荷を付与する。
【0014】
第2のクリップ片22は、基端側に第1のクリップ片21との間を開閉操作するための押圧部221を有し、中間部に枢着部222を有し、先端側に塩化ビニルコーティングされた把持部223を有する。
【0015】
第1のクリップ片21と第2のクリップ片22とは、枢着部212,222において、ばね23を介して枢ピン24で枢着され、把持部215,223間に被支持体Aを弾発把持する。
【0016】
図4に示すように、クランプ体3は、相互間に支持体Bを把持するように枢ピン33で相互に枢着された第1及び第2のクランプ片31,32と、両クランプ片31,32間を開閉自在に締め付ける締め付け部材34とを具備する。
【0017】
第1のクランプ片31は、基端側に連結体4を接続するための雌ねじ型接続部311及び枢着部312を有し、中間に把持部313、先端部に締め付け部材34との係合部314を有する。係合部314は、先端が二叉に分岐して一対の軸受部314aを形成している。
【0018】
第2のクランプ片32は、基端側に枢着部321、中間に把持部322、先端部に締め付け部材34との係合部323を有し、枢着部321において枢ピン33により、クランプ片31の枢着部312と枢着される。係合部323は、先端側に開いた割溝323aを有する。
【0019】
締め付け部材34は、ナットピン341と摘まみねじ342とを具備する。ナットピン341は、両端部において軸受部314aに軸周り回転自在に支持され、中間において軸線直交方向に貫通するねじ孔341aを有する。摘まみねじ342は、ねじ棒部342aと摘まみ部232bとを具備し、ねじ棒部342aがナットピン341のねじ孔341aを貫通している。したがって、摘まみねじ342は、ねじ棒部342aが割溝323aに係合する締め付け位置と、そこから外れる解放位置との間においてナットピン341の軸周りに揺動する。締め付け位置において摘まみねじ342を締めれば、クランプ片31,32間で支持部材Bを把持することができる。
【0020】
図示の実施形態において、連結体4は、クーラントパイプのような可撓管からなる本体41の両端に、クリップ体2又はクランプ体3の雌ねじ型接続部212,311に螺合する雄ねじ型接続部42,43を具備する。本体41は、直管であってもよいし、形状、長短は問わない。
【0021】
例えばクランプ体3で歩行補助器の支持パイプBを把持し、クリップ体2で歩行補助器と共に移動させる点滴スタンドのポールAを把持すれば、歩行補助器と点滴スタンドとを容易に連結することができる。クリップ体2と連結体4との軸周り回転角度を雌ねじ型接続部材212において変更すれば、ポールAと支持パイプBがどのような相対角度で配置されていても、確実に両者を連結することができる。
【0022】
なお、支持体Bと被支持体Aは、歩行補助器と点滴スタンドの構成部に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0023】
1 連結具
2 クリップ体
21 クリップ片
211 クリップ片本体
212 雌ねじ型接続部材
212a ボス部
212b 鍔部
213 接続部
213a 接続穴
213b ばね受け突起
213c 係合突起
213d ばね
214 枢着部
215 把持部
22 クリップ片
221 押圧部
222 枢着部
223 把持部
23 ばね
24 枢ピン
3 クランプ体
31 クランプ片
311 雌ねじ型接続部
312 枢着部
313 把持部
314 係合部
314a 軸受部
32 クランプ片
321 枢着部
322 把持部
323 係合部
323a 割溝
33 枢ピン
34 締め付け部材
341 ナットピン
341a ねじ孔
342 摘まみねじ
342a ねじ棒部
342b 摘まみ部
4 連結体
41 本体
42 雄ねじ型接続部
43 雄ねじ型接続部
A 被支持体
B 支持体
図1
図2
図3
図4