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特許6994509リファイナーディスクセグメントを作成するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】リファイナーディスクセグメントを作成するための方法
(51)【国際特許分類】
   D21D 1/30 20060101AFI20220106BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220106BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20220106BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220106BHJP
【FI】
D21D1/30
B33Y50/00
B33Y80/00
B33Y10/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019534943
(86)(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 EP2017081679
(87)【国際公開番号】W WO2018130346
(87)【国際公開日】2018-07-19
【審査請求日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】202017100135.0
(32)【優先日】2017-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513102187
【氏名又は名称】バルメット、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VALMET AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ヘドルンド,クリステル
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-505364(JP,A)
【文献】特開2016-203248(JP,A)
【文献】特開2016-060967(JP,A)
【文献】特開平09-170184(JP,A)
【文献】鋳造技術における3Dプリンターの活用,産総研TODAY,日本,2014年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C5/00-9/30
B29C64/00-64/40
67/00-67/08
67/24-69/02
73/00-73/34
B29D1/00-29/10
33/00
99/00
B33Y10/00-99/00
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース材料をリファイニングするためのディスク型リファイナーセグメントを作成するための方法であって、
前記ディスク型リファイナーセグメントの表側の製造データを提供することと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの前記表側の前記製造データを3Dプリンターに供給することと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの前記表側のパターンを3Dプリントすることと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの第一の型を生成するために、前記ディスク型リファイナーセグメントの前記表側の前記パターンを使用することと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの裏側の製造データを提供することと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの前記裏側の前記製造データを3Dプリンターに供給することと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの前記裏側のパターンを3Dプリントすることと、
前記ディスク型リファイナーセグメントの第二の型を生成するために、前記ディスク型リファイナーセグメントの前記裏側の前記パターンを使用することと、
前記第一の及び前記第二の型を使用して前記ディスク型リファイナーセグメントを成形又は鋳造することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、概して、ディスク型リファイナーに使用されるリファイナーディスクの製造、とりわけ3Dプリンティングの使用を含むプロセスによってリファイナーディスクを作成するための方法に関する。
【0002】
発明の背景
リグノセルロース材料、例えば、木材チップ、大鋸屑及び木材又は植物からの他の繊維状材料は、リグノセルロース材料を形成する繊維網から繊維を分離する機械的リファイナーによってリファイニングされる。繊維状材料を加工するための代表的なリファイナーは、ディスク型リファイナーであり、二つのリファイナープレート―リファイナーディスクとも呼ばれる―が互いに向かい合って位置付けられ、少なくとも一方のリファイナープレートが他方のリファイナープレートに対して回転する。回転するリファイナープレート又はリファイナーディスクは、ローターと呼ぶことができ、一方で固定のリファイナープレート又はリファイナーディスクは、ステーターと呼ぶことができる。ローター及びステータープレートは、直接ローター及びステーター上にそれぞれ取り付け可能な、又は専用のセグメントホルダーを手段として取り付け可能なリファイナープレートセグメントを含む。
【0003】
リファイニングされるリグノセルロース材料は、二つのリファイナープレートの少なくとも一つの中央入口に搬送され、そこから二つのリファイナープレートの間に配置されるリファイニングギャップに移動する。リファイナープレートの少なくとも一つが回転するにつれ、二つのリファイナープレート間の相対回転によって作られる遠心力は、リグノセルロース材料を外側にリファイナープレートの外縁に向かって移動させる。相対するリファイナープレートは、バー及び溝を含む表面を有するリファイナープレートセグメントを含み、リグノセルロース材料は、―相対するリファイナープレートセグメントの交差するバーの間に提供されるリファイニングギャップ内で―リファイナープレートが互いに対して回転するにつれ、交差するバーにより作られる力によって繊維に分離される。リファイナープレートセグメントのバー及び溝は、多かれ少なかれ複雑で洗練されたパターンに配置されることができ、そのようなセグメントパターンは、リグノセルロース材料及び/又は蒸気を所望の通路及び経路に導くために配置されるダム及び開口をさらに含むことができる。
【0004】
何年にもわたって、多様なリファイナーセグメントパターンが開発され、例えば、リファイナーのエネルギー消費を低減する、リファイナープレートセグメントの摩耗を低減する、及び/又は、リファイニングされた繊維の品質を改善するような特定のパターンを設計することができるようになった。特定のセグメントパターンもまた特定の、多かれ少なかれ現地の原材料に合わせるために開発されてきた。
【0005】
新規のセグメントパターンを含むリファイナーセグメントの製造は、異なるプロセス及び機械を関与させ、通常、以下の工程を含む。第一に、リファイナーセグメントの3DモデルがCAD(コンピュータ支援設計)パッケージで作られる。(3Dモデルは、実際には、当該リファイナーセグメントの3次元表面の数学的表現であり、通常、いわゆるSTL(光造形法)ファイルに記憶される。)CADプログラムによって生成された3Dモデルは、その後、金属被加工物から開始してリファイナーセグメントのモデルを切削加工し、又は、実際、リファイナーセグメントの表側及び裏側が作られるNC制御カッター又はフライス盤を制御するために使用されるCNC(コンピュータ数値制御)コードを生成するCAM(コンピュータ支援マシン)パッケージへの入力として使用される。これらのリファイナーセグメントモデルの半分は、その後、その中でリファイナーセグメントが鋳造される型を作成するために使用され、最終的に多数(例えば、18~20)のリファイナーセグメントが最終的に一つのリファイナーディスクに構築される。
【0006】
上記から分かるように、リファイナーセグメントを製造するプロセスは、比較的複雑で時間がかかり、そのようなプロセスによって作成されるリファイナーセグメントは、それ故に比較的費用がかかり、それは、―リファイナーの稼働中、リファイナーセグメントは、継続的に摩耗し、交換される必要があるため―パルプ工場の運転経済全体に負に寄与する。先に記載した製造プロセスに伴うもう一つの問題は、カッター又はフライス盤が比較的粗い切削工具によるその機械的加工のせいで、作成可能なリファイナーセグメントパターンのタイプに制限が課せられる。換言すると、高品質繊維を作成することにおいて、より有効と考えられるセグメントパターンを、常に作成できるとは限らない。
【0007】
独国特許出願公開第2515773号は、付加的積層製造プロセス(ALM:Additive Layer Manufacturing Process)を使用する鋳造プロセスにおける使用に好適である導管及び/又は型を製作する方法を開示する。導管及び/又は型は、ALMプロセスを使用して直接製作されることができるか、或いはALMプロセスは、後にコーティングされるモデルを製作するために使用され、モデルはその後取り外されることができる。当該方法は、バッフル、フィルター、螺旋、ゲート、突出部、多孔板またはテーパ―の形態である流動影響構造を備えた導管又は型を製作するために使用することができる。
【0008】
C. M. Cheahらの”Rapid Prototyping and tooling techniques: a review of applications for rapid investment casting”は、インベストメント鋳造(IC)における最先端のラピッドツーリング(RT)技術(RP&T)の適用及び潜在的な適用を開示する。当該技術は導入され、様々な組織および学術機関によって関連研究が論じられている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、リファイナーセグメントを作成するための方法、或いは改善された及び/又はより効率的な製造プロセスで作成されるリファイナーセグメントモデルを作成するための方法を提供することである。さらなる目的は、リファイナーセグメントを作成するための方法、或いは改善された製造プロセスによってのみ完成されることができる構造を含む、又は改善された製造プロセスによってより効果的に完成されることができる構造を含むリファイナーセグメントモデルを作成するための方法を提供することである。
【0010】
発明の簡単な説明
先に述べた目的は、リファイナーセグメントを作成するための方法又は独立請求項のリファイナーセグメントモデルを作成するための方法で達成される。好ましい実施態様は、従属請求項に規定される。以下の説明は、方法によって作成されるディスク型リファイナーセグメントに言及する。しかし、本開示がディスク型リファイナーセグメントを作成する対応方法も開示することを理解されたい。
【0011】
本開示の第一の好ましい実施態様ではディスク型リファイナーセグメントの製造データを提供することと、製造データを3Dプリンターに供給することと、ディスク型リファイナーセグメントのパターンを3Dプリントすることと、ディスク型リファイナーセグメントの型を生成するために、ディスク型リファイナーセグメントのパターンを使用することと、型を使用してディスク型リファイナーセグメントを成形又は鋳造することと、を含む方法が提供される。
【0012】
概して、本開示では、製造データは、任意の好適なデータタイプで提供されることができる。通例、3Dプリント可能なモデルは、3Dスキャナーを介して、コンピュータ支援設計(CAD)パッケージで、又は単純なデジタルカメラと写真測量ソフトウェアによって作ることができる。CADで作られる3Dプリントされたモデルは、誤りの低減をもたらし、プリント前に修正することができ、それがプリントされる前に対象の設計の確認を可能にする。それゆえに、CADデータは、本開示では好ましい。
【0013】
概して、本開示では、プリントする工程は、任意の好適な3Dプリンタータイプによって実施されることができる。好ましいプリント材料は、金属又は金属合金、プラスチック、ポリマー、ワックス及び石膏から選択される。本発明は、特定のプリント材料に限定されない。
【0014】
概して、本開示では、型を生成する工程は、当技術分野において一般に公知のように実施されることができる。例えば、リファイナーセグメントパターンは、鋳物砂又はパターンの表面の構造を収集及び維持する能力がある同様の材料に埋め込まれることができる。例えば、作られる型は、リファイナーセグメントパターンの取り外しを可能にするために、二つ以上の別個の型部分を含むことができる。鋳造又は成形する工程は、任意の好適な鋳造方法によって実施される。好ましい鋳造又は成形材料は、金属及び金属合金、又は結果として生まれるリファイナーディスクの摩耗を最小限にするために高硬度を持つ無機ガラスである。
【0015】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントは、少なくとも第一の部分及び第二の部分を含み、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分のパターンが別個に形成される。鋳造又は成形工程後、及びおそらく最終的な仕上げ工程後、少なくとも二つの部分は、結合されて、最終的なディスク型リファイナーセグメントを形成する。好ましい結合方法は、接着、溶接及び前記ディスク型リファイナーセグメント部分の好適な嵌合構造を使用する嵌合を含む。
【0016】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントの製造データを提供する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の製造データを提供することを含む。
【0017】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、製造データを3Dプリンターに供給する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の製造データを3Dプリンターに供給することを含む。
【0018】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントのパターンを3Dプリントする工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分のパターンを3Dプリントすることを含む。
【0019】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントの型を生成するために、ディスク型リファイナーセグメントのパターンを使用する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の第一の型及び第二の型を生成するために、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分のパターンを使用することを含む。
【0020】
本開示の第一の実施態様の一つの変形では、型を使用してディスク型リファイナーセグメントを成形又は鋳造する工程は、第一及び第二の型を使用してディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分を成形又は鋳造することを含む。
【0021】
本開示の第二の好ましい実施態様ではディスク型リファイナーセグメントの製造データを提供することと、製造データを3Dプリンターに供給することと、ディスク型リファイナーセグメントを3Dプリントすることと、を含む方法が提供される。
【0022】
本開示の第二の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントは、少なくとも第一の部分及び第二の部分を含む。
【0023】
本開示の第二の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントの製造データを提供する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の製造データを提供することを含む。
【0024】
本開示の第二の実施態様の一つの変形では、製造データを3Dプリンターに供給する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の製造データを3Dプリンターに供給することを含む。
【0025】
本開示の第二の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントを3Dプリントする工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分を3Dプリントすることを含む。
【0026】
本開示の第三の好ましい実施態様ではディスク型リファイナーセグメントの型の製造データを提供することと、製造データを3Dプリンターに供給することと、ディスク型リファイナーセグメントの型を3Dプリントすることと、型を使用してディスク型リファイナーセグメントを成形又は鋳造することとを含む方法が提供される。
【0027】
本開示の第三の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントは、少なくとも第一の部分及び第二の部分を含む。
【0028】
本開示の第三の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントの型の製造データを提供する工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分の第一の型及び第二の型の製造データを提供することを含む。
【0029】
本開示の第三の実施態様の一つの変形では、ディスク型リファイナーセグメントの型を3Dプリントする工程は、ディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の型を3Dプリントすることを含む。
【0030】
本開示の第三の実施態様の一つの変形では、型を使用してディスク型リファイナーセグメントを成形又は鋳造する工程は、第一及び第二の型を使用してディスク型リファイナーセグメントの第一及び第二の部分を成形又は鋳造することを含む。
【0031】
本開示の第一、第二又は第三の実施態様の一つの一つの変形では、成形又は鋳造工程は、砂型鋳造、石膏型鋳造、シェルモールド法、インベストメント鋳造、ロストワックス鋳造、蒸発パターン鋳造、ロストフォーム鋳造、フルモールド鋳造、ダイカスト法、金型鋳造及び半凝固金属鋳造を含む。
【0032】
本開示の基本的な考え方は、ディスク型リファイナーセグメントを作成するための3Dプリント方法を使用することである。これは、3Dプリンター内で直接ディスク型リファイナーセグメントを作成すること、3Dプリンターを使用してディスク型リファイナーセグメントの型を作成することにより、その型で最終的なディスク型リファイナーセグメントを第二の工程で鋳造すること、又は3Dプリンターを使用してディスク型リファイナーセグメントのパターンを作成することにより、そのパターンからネガ型が形成され、その後、そのパターンで最終的なディスク型リファイナーセグメントが追加の製造工程で鋳造されることのいずれかによって達成されることができる。
【0033】
本発明の利益は、進歩的なディスク型リファイナーセグメントに具現化されることができる表面構造の形状及び配置の多様さにある。切削工具を使ったセグメント、型及びセグメントパターンの従来の製造は、費用がかかり、ディスク型リファイナーセグメントに空洞及び通路を形成するために切削工具が取らなければならない移動経路によって限定される。3Dプリンターは、そのような限定を有することなく、新たな構造を適度な費用で具現化及びテストすることができる。
【0034】
発明を実施するための形態
本発明は、リファイナーセグメントのモデルを作成するための3Dプリンターの使用に基づく。一つの実施態様では、リファイナーセグメントモデルは、その中でリファイナーセグメントが成形又は鋳造される型を作成するために使用される。より具体的には、開示によると、リファイナーセグメントは、以下の製造工程に従って作成することができる。
【0035】
本開示の一つの具体的な実施態様では、リファイナーセグメントの第一の側、例えば、表側の3Dモデルは、CADプログラムパッケージで作成され、CADプログラムによって作られる3Dリファイナーセグメントモデルは、好適なファイル形式を持つ第一のデータファイル、例えば、STLファイルに記憶される数学的表現である。次に、リファイナーセグメントの第二の側、例えば、裏側の3Dモデルは、CADプログラムパッケージで作成され、CADプログラムによって作られる3Dリファイナーセグメントモデルは、好適なファイル形式を持つ第二のデータファイル、例えば、STLファイルに記憶される数学的表現である。好適なCADプログラムパッケージは、例として、Pro/Engineer(商標)及びSolidWorks(登録商標)である。場合により、しかし好ましくは、第一及び第二のデータファイル上のデータは、好適なソフトウェアプログラムパッケージ、例えば、EOS e-manufacturing solutions(商標)社によって提供されるプログラムパッケージで、誤り及び不完全性をチェックされる。データファイルの誤りを修正することに加えて、リファイナーセグメントモデルのすべての幾何学的構造が以下にさらに論じるように、後続の製造工程で再現可能であり、そのような製造工程に好適であることが重要である。リファイナーセグメントに組み入れられる幾何学的構造並びに選ばれる特定の3Dプリンター及び3Dプリンターソフトウェアに依存して、データファイルに納められるデータは、例えば、0.01mmの仮想の厚さを有することができる積層に数学的にスライスされる。数学的にスライスされたデータファイルは、次に、好適な3Dプリンターパッケージに入力され、リファイナーセグメントの第一の側、例えば、表側は、3Dプリンターを使用してプリントされる。異なる3Dプリント技術が採用されることができるが、好ましい技術は、金属粉末の層に発射されるイッテルビウム(Yb)繊維レーザーを利用する、いわゆる直接金属レーザー焼結法(DMLS)である。リファイナーセグメントの第二の側、例えば、裏側は、3Dプリント技術によって、同様にされる。リファイナーセグメントモデルの第一及び第二の側は、次に、型を形成するために組み立てられる二つの型半分を発生させるために使用される。型は、当技術分野において周知のように、通常、砂で製作される。従来のやり方では、リファイナーセグメントは、次に、型で成形又は鋳造される。実際、各リファイナーディスクにつき数個、例えば、18~20のセグメントが必要とされるため、パルプ工場は、毎年数個のリファイナーディスクを消費し、多くの、例えば、数百の砂型がリファイナーセグメントモデルの二つの3Dプリントされた側から作成される。
【0036】
上記から、一つの又は複数のデータファイル上に表現される3Dリファイナーセグメントモデルが3Dプリントすることのみならず、型を形成し、これらの型でリファイナーセグメントを鋳造することにも好適であることが分かる。このように、3Dリファイナーセグメントモデルは、誤りがないのみならず、(砂)型を作成するとき及び続いて型で最終的なリファイナーセグメントを鋳造するとき、すべての幾何学的形状、例えば、角、端及び角度が再現可能でなければならない。このように、3Dモデルは、通常、リファイナーセグメントを鋳造するための型を作成するために有効なやり方で使用されることができる3次元リファイナーセグメントモデルを作成するために、それらが3Dプリンターで使用されることができる前に注意深くチェックされなければならない。
【0037】
開示の一つの態様では、表側及び裏側を含むリファイナーセグメントモデルは、3Dプリンターの使用によって提供される。開示の第二の態様では、リファイナーセグメントは、3Dプリンターの使用を含む製造プロセスで提供される。