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特許6994510半導体素子及びこれを含む発光素子パッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】半導体素子及びこれを含む発光素子パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/22 20100101AFI20220128BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20220128BHJP
   H01L 31/0264 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
H01L33/22
H01L33/32
H01L31/08 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019536303
(86)(22)【出願日】2018-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 KR2018000186
(87)【国際公開番号】W WO2018128419
(87)【国際公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】10-2017-0001461
(32)【優先日】2017-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0001904
(32)【優先日】2017-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268118
【氏名又は名称】スージョウ レキン セミコンダクター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】ナ,チョンホ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,オミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,チュンオ
(72)【発明者】
【氏名】オ,チョンタク
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-46598(JP,A)
【文献】特開2016-63176(JP,A)
【文献】特開2015-65329(JP,A)
【文献】特開2017-135215(JP,A)
【文献】特表2019-519101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/22
H01L 33/32
H01L 31/0264
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、
前記第1半導体層上に配置され、Vピットを含む第2半導体層と、
前記第2半導体層上に配置され、前記第2半導体層のVピットと対応するVピットを含む活性層と、
前記活性層上に配置され、前記活性層よりも広いバンドギャップを有し、前記活性層のVピットと対応するVピットを含む第3半導体層と、
前記第3半導体層上に配置され、前記第3半導体層のVピットと対応するVピットを含む第4半導体層と、
前記第4半導体層上に配置され、前記第4半導体層よりも広いバンドギャップを有し、前記第4半導体層と対応するVピットを含む第5半導体層と
前記第5半導体層上に配置される第6半導体層と、を含み、
前記第3半導体層及び前記第5半導体層はアルミニウム組成を含み、
前記第4半導体層は、前記第3半導体層及び前記第5半導体層よりも低いバンドギャップを有し、
前記第5半導体層は、前記第3半導体層と同一又は広いバンドギャップを有し、
前記活性層は、前記第2半導体層のVピット上に配置され、R(1102)面と対応する第1領域と、前記第2半導体層のVピットの外郭に配置され、C(0001)面と対応する第2領域とを含み、
前記第2領域は、前記第1領域より上部に配置され、
前記第2半導体層、前記活性層、前記第3半導体層、前記第4半導体層及び前記第5半導体層のそれぞれのVピットのうち、前記第2半導体層のVピットの水平方向の幅が一番小さく、前記第5半導体層のVピットの水平方向の幅が一番大きく、
前記第2半導体層、前記活性層、前記第3半導体層、前記第4半導体層及び前記第5半導体層のそれぞれのVピットのそれぞれの下部頂点は、前記第2半導体層の上面より下に配置される、半導体素子。
【請求項2】
前記第2半導体層、前記活性層、前記第3半導体層、前記第4半導体層及び前記第5半導体層のそれぞれのVピットのそれぞれの下部頂点は、前記第2半導体層の上面と前記第2半導体層の下面との間に配置される
請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記活性層と前記第2半導体層との間に配置される第7半導体層を含み、
前記第7半導体層は、前記第2半導体層のVピットと対応するVピットを含み、
前記第7半導体層は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN化合物半導体のうち少なくとも2以上の半導アで交互
前記活性層のVピットは、前記第7半導体層のVピット上に配置される、請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記第5半導体層は、前記第4半導体層のVピット上に配置される第1領域と、前記第4半導体層のVピットの外郭に配置される第2領域とを含み、
前記第5半導体層の第1領域は、前記第5半導体層の第2領域よりも薄い厚さを有する求項に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第2半導体層、前記活性層、前記第3半導体層、前記第4半導体層及び前記第5半導体層のそれぞれのVピットの水平方向の幅は、前記第1半導体層の上面から前記第6半導体層の上面方向に行くほど広くなる、請求項1に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、半導体素子及びこれを含む半導体素子パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
GaN、AlGaNなどの化合物を含む半導体素子は、広くて調整の容易なバンドギャップエネルギーを有するなどの多くの利点を有するので、発光素子、受光素子及び各種ダイオードなどに多様に使用することができる。
【0003】
特に、半導体のIII族-V族またはII族-VI族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(Laser Diode)のような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発により赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を実現することができ、蛍光物質を用いたり、色を組み合わせたりすることで効率の良い白色光線も実現可能であり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の利点を有する。
【0004】
それだけでなく、光検出器や太陽電池のような受光素子も、半導体のIII族-V族またはII族-VI族化合物半導体物質を用いて作製する場合、素子材料の開発により様々な波長領域の光を吸収して光電流を生成することによって、ガンマ線からラジオ波長領域までの様々な波長領域の光を利用することができる。また、速い応答速度、安全性、環境親和性及び素子材料の容易な調節の利点を有するので、電力制御又は超高周波回路や通信用モジュールにも容易に利用することができる。
【0005】
したがって、半導体素子は、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替する発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替できる白色発光ダイオード照明装置、自動車のヘッドライト及び信号灯及びガス(Gas)や火災を感知するセンサなどにまで応用が拡大されている。また、半導体素子は、高周波応用回路やその他の電力制御装置、通信用モジュールにまで応用が拡大され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施例の解決課題の一つは、キャリア注入効率を向上させることができる半導体素子及びこれを有する発光素子パッケージを提供することである。
【0007】
実施例は、正孔注入効率を増大させ、電流拡がり(current spreading)を改善することができる半導体素子及びこれを有する発光素子パッケージを提供できる。
【0008】
実施例は、2DHG効果によって正孔注入効率を増大させると同時に、Vピットを介して注入されるキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。
【0009】
実施例は、演色指数を向上させることができる半導体素子を提供できる。
【0010】
実施例は、光出力を向上させることができる半導体素子を提供できる。
【0011】
実施例は、駆動電圧を低下させることができる半導体素子を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施例の半導体素子は、第1半導体層と;前記第1半導体層上に配置され、Vピットを含む第2半導体層と;前記第2半導体層上に配置された活性層と;前記活性層上に前記活性層よりも広いバンドギャップを有する第3半導体層と;前記第3半導体層上に第4半導体層と;前記第4半導体層上に前記第4半導体層よりも広いバンドギャップを有する第5半導体層とを含み、前記第3半導体層及び前記第5半導体層はアルミニウム組成を含み、前記第5半導体層は、前記第3半導体層と同一又は広いバンドギャップを有することができる。
【0013】
実施例の半導体素子は、第1導電型半導体層と;前記第1導電型半導体層上に配置され、第1活性層及び前記第1活性層上に配置される第2活性層を含む活性層と;前記活性層上に配置される第2導電型半導体層とを含み、前記活性層は、複数のリセスを含む第1領域と、前記リセスの間に配置される第2領域とを含み、前記第1活性層の第1領域の厚さは、前記第1活性層の第2領域の厚さよりも薄くてもよい。
【発明の効果】
【0014】
実施例は、Vピットを介したキャリア注入効率を向上させることができる。
【0015】
実施例は、正孔注入効率を増大させ、電流拡がりを改善することができる。
【0016】
実施例は、キャリア注入効率を向上させて動作電圧を低減することで低電圧駆動を実現することができる。
【0017】
実施例は、2DHG効果によって正孔注入効率を増大させると同時に、Vピットを介して注入されるキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。
【0018】
実施例は、発光素子の演色指数を向上させることができる。
【0019】
実施例は、発光素子の光出力を向上させ、駆動電圧を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例に係る半導体素子を示す平面図である。
図2図1のA部分を示す図である。
図3図2のB-B線に沿って切断した半導体素子を示す断面図である。
図4】実施例に係る半導体素子のエネルギーバンドダイヤグラムを示す図である。
図5】実施例の半導体素子の製造方法を示す図である。
図6】実施例の半導体素子の製造方法を示す図である。
図7】実施例の半導体素子の製造方法を示す図である。
図8】実施例の半導体素子の製造方法を示す図である。
図9】実施例の半導体素子の製造方法を示す図である。
図10】電極を含む水平タイプの半導体素子を示す図である。
図11】電極を含む垂直タイプの半導体素子を示す図である。
図12】本発明の他の実施例に係る発光構造物の概念図である。
図13】本発明の他の実施例に係る様々な大きさのリセスを示す平面図である。
図14】演色指数と光出力との関係を示すグラフである。
図15】本発明の他の実施例に係る発光構造物の一部の断面図である。
図16図15のA部分及びB部分の拡大図である。
図17】本発明の他の実施例に係る半導体素子の断面を示す写真である。
図18】本発明の他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
図19】本発明の更に他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
図20】本発明の更に他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
図21】本発明の他の実施例に係る半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図22】本発明の一実施例に係る半導体素子パッケージの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本実施例は、他の形態に変形されるか、または複数の実施例が互いに組み合わされてもよく、本発明の範囲が以下で説明するそれぞれの実施例に限定されるものではない。
【0022】
特定の実施例で説明された事項が他の実施例で説明されていなくても、他の実施例でその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の実施例に関連する説明として理解され得る。
【0023】
例えば、特定の実施例で構成Aに関する特徴を説明し、他の実施例で構成Bに関する特徴を説明したとすれば、構成Aと構成Bが結合された実施例が明示的に記載されていなくても、反対又は矛盾する説明がない限り、本発明の技術的範囲に属するものと理解されなければならない。
【0024】
以下、上記の目的を具体的に実現できる本発明の実施例を、添付の図面を参照して説明する。
【0025】
本発明に係る実施例の説明において、各構成要素(element)の「上(上部)又は下(下部)(on or under)」に形成されると記載される場合において、上(上部)又は下(下部)は、2つの構成要素が互いに直接(directly)接触したり、一つ以上の他の構成要素が前記2つの構成要素の間に配置されて(indirectly)形成されることを全て含む。また、「上(上部)」又は「下(下部)」と表現される場合、一つの構成要素を基準にして上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0026】
電気素子は、発光素子、受光素子、光変調器、ガスセンサなどの各種電子素子を含むことができる。実施例は、ガスセンサを一例として説明しているが、これに限定されず、電気素子の様々な分野に適用可能である。
【0027】
図1は、実施例に係る半導体素子を示した平面図である。
【0028】
図2は、図1のA部分を示した図である。
【0029】
図3は、図2のB-B線に沿って切断した半導体素子を示した断面図である。
【0030】
図4は、実施例に係る半導体素子のエネルギーバンドダイヤグラムを示した図である。
【0031】
図1乃至図4に示されたように、実施例に係る半導体素子101は、一定の波長の光を発光する発光素子を一例として説明するが、これに限定されるものではない。
【0032】
実施例の解決課題の一つは、転位欠陥(TD:Treading Dislocation)を通じて形成されたVピット(V)を介してキャリア注入効率を向上させることができる。また、実施例の解決課題の一つは、垂直方向のキャリア注入を減らし、Vピット(V)を介したキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。このために、実施例は、活性層50上に、Vピット(V)キャリア注入を向上させることができる第3~第5半導体層71,72,73を含むことができる。
【0033】
実施例の半導体素子101は、第1半導体層40、第2半導体層41、第3半導体層71、第4半導体層72、第5半導体層73、活性層50、第6半導体層60、第7半導体層43、第1電極191及び第2電極195を含むことができる。
【0034】
前記半導体素子101は、第1半導体層40の下に基板20を含むか、または前記基板20及びバッファ層30を含むことができる。
【0035】
前記基板20は、例えば、透光性、伝導性基板または絶縁性基板であってもよい。例えば、前記基板20は、サファイア(Al)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、GaP、InP、Ge、及びGaのうち少なくとも1つを含むことができる。前記基板20の上面及び/又は下面には複数の突出部(図示せず)が形成され得、前記複数の突出部のそれぞれは、側断面が、半球状、多角形状、及び楕円状のうち少なくとも1つを含み、ストライプ状またはマトリックス状に配列され得る。前記突出部は、光取り出し効率を改善させることができる。
【0036】
前記バッファ層30は、前記基板20と前記第1半導体層40との間に配置することができる。前記バッファ層30は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体を用いて少なくとも一層で形成できる。前記バッファ層30は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で具現され得る。前記バッファ層30は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInP、及びZnOといった材料のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0037】
前記バッファ層30は、互いに異なる半導体層を交互に配置して超格子(super lattice)構造で形成することができる。前記バッファ層30は、前記基板20と窒化物系列の半導体層との格子定数の差を緩和させるために配置され得、欠陥制御層として定義することができる。前記バッファ層30の格子定数は、前記基板20と窒化物系列の半導体層との格子定数の間の値を有することができる。前記バッファ層30は形成しなくてもよく、これに対して限定されるものではない。
【0038】
<第1半導体層>
前記第1半導体層40は、前記基板20と前記第2半導体層41との間に配置することができる。前記第1半導体層40は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第1半導体層40は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第1半導体層40は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第1半導体層40は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。
【0039】
前記第1半導体層40は、単層または多層に形成されてもよい。前記第1半導体層40が多層である場合、互いに異なる2つの層または3つの層が交互に繰り返されて積層され得、例えば、AlGaN/GaN、AlInN/GaN、InGaN/GaN、AlInGaN/InGaN/GaNのうち少なくとも1つの周期で積層され得、2周期~30周期で形成され得る。このような第1半導体層40は超格子構造を含むことができる。
【0040】
<第2半導体層>
前記第2半導体層41は、前記第1半導体層40上に配置することができる。前記第2半導体層41はVピット(V)を含むことができる。前記第2半導体層41は、低温成長工程により転位欠陥(TD)領域で前記Vピット(V)が形成される層であり得る。前記第2半導体層41は、Vピット(V)の幅を制御するために、一定の厚さを有することができる。例えば、前記第2半導体層41の厚さは、60nm~300nmであってもよい。具体的には、前記第2半導体層41は、60nm~100nmであってもよい。
【0041】
前記第2半導体層41は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第2半導体層41は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第2半導体層41は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第2半導体層41は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。例えば、前記第2半導体層41のn型ドーパントのドーピング濃度は、2E17cm-3~1E19cm-3であってもよい。
【0042】
前記第2半導体層41は、単層または多層に形成されてもよい。前記第2半導体層41が多層である場合、互いに異なる2つの層または3つの層が交互に繰り返されて積層され得、例えば、AlGaN/GaN、AlInN/GaN、InGaN/GaN、AlInGaN/InGaN/GaNのうち少なくとも1つの周期で積層され得、2周期~30周期で形成され得る。このような第2半導体層41は超格子構造を含むことができる。
【0043】
前記Vピット(V)は、第6半導体層60の上面方向に行くほど広くなる幅を含むことができる。例えば、前記Vピット(V)は、第1幅D1と、前記第1幅D1よりも大きい第2幅D2とを含むことができる。前記第1幅D1は、活性層50の上部と水平方向に並んだ前記Vピット(V)の幅であり得る。前記第2幅D2は、前記第1幅D1よりも上に配置され、第5半導体層73の上部と水平方向に並んだ前記Vピット(V)の幅であり得る。例えば、前記Vピット(V)は、半導体素子101の転位欠陥(TD)を通じて漏れ電流が発生することを防止する不動態化機能を含むことができる。例えば、前記Vピット(V)は、不動態化のために、第2幅D2は100nm以上であり得る。具体的には、前記第1幅D1は200nm~300nmであり得、前記第2幅D2は300nm~400nmであり得る。実施例のVピット(V)は、前記第1及び第2幅D2を増加させて不動態化機能を向上させることができる。
【0044】
前記Vピット(V)の第1幅D1が100nm未満の場合、Vピット(V)を介して提供される電子が、転位欠陥(TD)を通じて漏れ電流を発生させることがある。したがって、前記Vピット(V)の第1幅D1が100nm未満の場合、不動態化機能が低下することがある。
【0045】
<活性層>
前記活性層50は、前記第2半導体層41上に配置することができる。実施例の前記活性層50はVピット(V)を含むことができる。前記活性層50の第1領域は、前記Vピット(V)上に配置され得る。また、前記活性層50の第2領域は、前記Vピット(V)の外郭に配置され得る。前記活性層50の第2領域は、前記第1領域よりも上に配置され、第1方向に平らな面を含むことができる。前記活性層50の第1領域は、前記活性層50の第2領域よりも薄い厚さを有することができる。
【0046】
前記活性層50の第2領域は極性(polar)面であって、C(0001)面と対応することができ、第1領域は半極性(semi-polar)面であって、R(1102)面と対応することができる。
【0047】
前記活性層50は、単一井戸、単一量子井戸、多重井戸、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子線(Quantum-Wire)構造、または量子ドット(Quantum Dot)構造のうち少なくとも1つで形成されてもよい。
【0048】
前記活性層50は、前記第1半導体層40を介して注入される電子(又は正孔)と、前記第6半導体層60を介して注入される正孔(又は電子)とが出会って、前記活性層50の形成物質によるエネルギーバンド(Energy Band)のバンドギャップ(Band Gap)の差によって光を放出する層である。前記活性層50は化合物半導体で具現することができる。前記活性層50は、一例として、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現されてもよい。前記活性層50が多重井戸構造で具現された場合、前記活性層50は、交互に配置された複数の井戸層と複数の障壁層とを含むことができる。
【0049】
前記複数の井戸層は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成されてもよい。前記障壁層は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成されてもよい。
【0050】
前記井戸層/障壁層は、例えば、InGaN/GaN、GaN/AlGaN、AlGaN/AlGaN、InGaN/AlGaN、InGaN/InGaN、AlGaAs/GaAs、InGaAs/GaAs、InGaP/GaP、AlInGaP/InGaP、InP/GaAsのペアのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0051】
<第7半導体層>
第7半導体層43は、前記活性層50と前記第2半導体層41との間に配置することができる。前記第7半導体層43は、複数のペアを含む超格子構造であり得る。例えば、前記第7半導体層43は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のうち少なくとも2以上の半導体層が複数のペアで交互になり得る。例えば、前記第7半導体層43は、複数のペアを含むInGaN/GaNであり得る。
【0052】
前記超格子構造の前記第7半導体層43は、電流拡がり(current spreading)及び応力緩和の機能を含むことができる。
【0053】
図示していないが、前記活性層50と第6半導体層60との間には、超格子構造の半導体層をさらに含むことができる。前記超格子構造の半導体層は、例えば、複数のペアを含むことができる。例えば、前記超格子構造の半導体層は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のうち少なくとも2以上の半導体層が複数のペアで交互になり得る。前記超格子構造の半導体層は、電流拡がり及び応力緩和の機能を含むことができる。
【0054】
<第3半導体層>
第3半導体層71は、前記活性層50上に配置することができる。前記第3半導体層71は、前記活性層50を介して進行する電子をブロッキングする電子ブロッキング機能を含むことができる。例えば、前記第3半導体層71は、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のいずれか1つからなることができる。前記第3半導体層71は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0<y≦1、0<x+y≦1)の組成式を含むことができる。前記第3半導体層71は、前記活性層50の障壁層よりも広いバンドギャップを有するAlN系半導体で形成することができる。前記AlN系半導体は、AlN、AlGaN、InAlGaN、及びAlInN系半導体のうち少なくとも1つを含むことができる。前記第3半導体層71は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントを含むp型半導体層であってもよい。
【0055】
前記第3半導体層71はVピット(V)を含むことができる。前記第3半導体層71の第1領域は、前記Vピット(V)上に配置され得る。また、前記第3半導体層71の第2領域は、前記Vピット(V)の外郭に配置され得る。前記第3半導体層71の第2領域は、前記第3半導体層71の第1領域よりも上に配置され、第1方向に平らな面を含むことができる。前記第3半導体層71の第1領域は、前記第3半導体層71の第2領域よりも薄い厚さを有することができる。
【0056】
前記第3半導体層71の第2領域は極性(polar)面であって、C(0001)面と対応することができ、前記第3半導体層71の第1領域は半極性(semi-polar)面であって、R(1102)面と対応することができる。
【0057】
前記第3半導体層71の第1領域の厚さは、第2領域の厚さよりも薄くてもよい。前記第1領域と第2領域との比率は、1:50~1:2であり得る。具体的には、前記第1領域と第2領域との比率は1:5~3:10であり得る。
【0058】
例えば、前記第3半導体層71の第1領域の厚さは、1nm~50nmであってもよい。より具体的には、前記第3半導体層71の第1領域の厚さは、1nm~5nmであってもよい。前記第3半導体層71の第1領域の厚さが1nm未満の場合、薄い厚さによって電子が通過してしまい、電子遮断機能が低下することがある。前記第3半導体層71の第1領域の厚さが50nmを超える場合、アルミニウム組成を含む半導体層の厚さが増加することにより、アルミニウム組成によって結晶品質が低下することがある。
【0059】
前記第3半導体層71は、単層または多層に形成されてもよい。前記第3半導体層71が多層である場合、超格子構造を含むことができ、前記超格子構造は、アルミニウム組成が異なるAlGaN/AlGaNの積層構造であるか、またはAlGaN/GaNの超格子構造を含むことができる。前記第3半導体層71の超格子構造は、異常に電圧に含まれた電流を拡散させることで、活性層50を保護することができる。
【0060】
<第4半導体層>
前記第4半導体層72は、前記第3半導体層71上に配置することができる。前記第4半導体層72は、前記第3半導体層71と第5半導体層73との間に配置することができる。
【0061】
前記第4半導体層72は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第4半導体層72は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第4半導体層72は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。実施例の前記第4半導体層72は、GaNを一例として説明する。前記第4半導体層72は、アンドープ半導体層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0062】
前記第4半導体層72は、前記第3及び第5半導体層71,73よりも低いバンドギャップを含むことができる。前記第4半導体層72は、前記第3及び第5半導体層71,73の間に配置され、前記第3及び第5半導体層71,73よりも低いバンドギャップによる2DHG(2-dimensional hole gas)効果によって正孔注入効率を増大させることができる。
【0063】
前記第4半導体層72はVピット(V)を含むことができる。前記第4半導体層72の第1領域は、前記Vピット(V)上に配置され得る。また、前記第4半導体層72の第2領域は、前記Vピット(V)の外郭に配置され得る。前記第4半導体層72の第2領域は、第1領域よりも上に配置され、第1方向に平らな面を含むことができる。前記第4半導体層72の第1領域は、第2領域よりも薄い厚さを有することができる。
【0064】
前記第4半導体層72の第2領域は極性(polar)面であって、C(0001)面と対応することができ、前記第4半導体層72の第1領域は半極性(semi-polar)面であって、R(1102)面と対応することができる。
【0065】
<第5半導体層>
第5半導体層73は、前記第4半導体層72上に配置することができる。前記第5半導体層73は、第6半導体層60から垂直方向に進行する正孔をブロッキングする電流ブロッキング機能を含むことができる。前記第5半導体層73は、Vピット(V)を介して正孔が注入されるように誘導することで、キャリア注入効率を向上させることができる。
【0066】
このために、前記第5半導体層73はVピット(V)を含むことができる。前記第5半導体層73の第1領域73Sは、前記Vピット(V)上に配置され得る。また、前記第5半導体層73の第2領域73Tは、前記Vピット(V)の外郭に配置され得る。前記第5半導体層73の第2領域73Tは、前記第5半導体層73の第1領域73Sよりも上に配置され、第1方向に平らな面を含むことができる。前記第5半導体層73の第1領域73Sは、前記第2領域73Tよりも薄い厚さを有することができる。実施例は、前記第2領域73Tよりも薄い第1領域73Sを含む第5半導体層73によって、Vピット(V)を介した正孔の注入を誘導することで発光効率を向上させることができる。
【0067】
前記第5半導体層73の第2領域73Tは極性(polar)面であって、C(0001)面と対応することができ、前記第5半導体層73の第1領域73Sは半極性(semi-polar)面であって、R(1102)面と対応することができる。
【0068】
前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さがt1、第2領域73Tの厚さがt2である場合、t1<t2の関係を有することができる。前記t1:t2の比率は、1:50~1:2であってもよい。具体的には、前記t1:t2の比率は、1:5~3:10であり得る。
【0069】
例えば、前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さは、1nm~50nmであってもよい。より具体的には、前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さは、1nm~5nmであり得る。前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さが1nm未満の場合、薄い厚さによって電子が通過してしまい、電子遮断機能が低下することがある。前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さが50nmを超える場合、アルミニウム組成を含む半導体層の厚さが増加することにより、アルミニウム組成によって結晶品質が低下することがある。
【0070】
前記第5半導体層73は、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のいずれか1つからなることができる。前記第5半導体層73は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0<y≦1、0<x+y≦1)の組成式を含むことができる。前記第5半導体層73は、前記活性層50の障壁層よりも広いバンドギャップを有するAlN系半導体で形成することができる。例えば、前記AlN系半導体は、AlN、AlGaN、InAlGaN、及びAlInN系半導体のうち少なくとも1つを含むことができる。前記第5半導体層73は、前記第3半導体層71よりも広いバンドギャップを含んでもよいが、これに限定されるものではない。例えば、前記第5半導体層73のバンドギャップは、前記第3半導体層71のバンドギャップと同一であってもよい。前記第5半導体層73はアンドープ半導体層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0071】
例えば、前記第5半導体層73は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。また、前記第5半導体層73は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントを含むp型半導体層であってもよい。また、前記第5半導体層73は、酸化物またはカーボンを含む絶縁層であってもよい。
【0072】
前記第5半導体層73は、単層または多層に形成されてもよい。前記第5半導体層73が多層である場合、超格子構造を含むことができ、前記超格子構造は、アルミニウム組成が異なるAlGaN/AlGaNの積層構造であるか、またはAlGaN/GaNの超格子構造を含むことができる。前記第5半導体層73の超格子構造は、異常に電圧に含まれた電流を拡散させることで、活性層50を保護することができる。
【0073】
<第6半導体層>
前記第6半導体層60は、前記第5半導体層73上に配置することができる。前記第6半導体層60は、単層または多層であってもよい。前記第6半導体層60は、上面が平坦であってもよい。前記第6半導体層60は、前記Vピット(V)上に配置され得る。
【0074】
前記第6半導体層60は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第6半導体層60は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第6半導体層60は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第6半導体層60は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのp型ドーパントを有するp型半導体層であってもよい。
【0075】
実施例の前記第1半導体層40はn型半導体層、前記第6半導体層60はp型半導体層で具現してもよいが、これに限定されず、前記第1半導体層40がp型半導体層、前記第6半導体層60はn型半導体層であってもよい。また、前記第6半導体層60上には、前記第2導電型と反対の極性を有する半導体、例えば、n型半導体層(図示せず)が形成され得る。これによって、実施例の半導体素子101は、n-p接合構造、p-n接合構造、n-p-n接合構造、及びp-n-p接合構造のいずれか一つの構造で具現することができる。
【0076】
実施例の半導体素子101は、活性層50上に第3~第5半導体層71,72,73が配置されて、垂直方向のキャリア注入を減らし、Vピット(V)を介したキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。
【0077】
実施例の半導体素子101は、C(0001)面と対応する第2領域73Tと、R(1102)面と対応する第1領域73Sとの厚さの比率が1:50~1:2の第5半導体層73を含むことで、2DHG(2-dimensional hole gas)効果によって正孔注入効率を増大させると同時に、Vピット(V)を介して注入されるキャリア注入を増大させて発光効率を向上させることができる。
【0078】
図5乃至図9は、実施例の半導体素子の製造方法を示した図である。
【0079】
図5を参照すると、実施例は、基板20上にバッファ層30及び第1半導体層40を形成することができる。
【0080】
基板20は成長装備にローディングされ、その上に、III族-V族またはII族-VI族元素の化合物半導体を用いて層またはパターン形態で形成され得る。
【0081】
前記成長装備は、電子ビーム蒸着器、PVD(physical vapor deposition)、CVD(chemical vapor deposition)、PLD(plasma laser deposition)、二重型の熱蒸着器(dual-type thermal evaporator)、スパッタリング(sputtering)、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)などが採用されてもよく、このような装備に限定されるものではない。
【0082】
前記基板20は、導電性基板または絶縁性基板などであってもよい。例えば、前記成長基板20は、サファイア基板(Al)、GaN、SiC、ZnO、Si、GaP、InP、Ga、及びGaAsなどからなる群からいずれか1つが選択されてもよい。
【0083】
前記バッファ層30は、前記基板20上に形成することができる。前記バッファ層30は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体を用いて少なくとも一層で形成できる。前記バッファ層30は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で具現することができる。前記バッファ層30は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInP、及びZnOといった材料のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0084】
前記第1半導体層40は、前記バッファ層30上に形成することができる。前記第1半導体層40は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第1半導体層40は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第1半導体層40は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第1半導体層40は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。
【0085】
図6を参照すると、第2半導体層41は、前記第1半導体層40上に1000℃以下の低温で2D(dimension)成長して、多数の転位(TD)上にVピット(V)を含むことができる。前記Vピット(V)の下部頂点は、前記転位(TD)のそれぞれに対応することができる。具体的には、前記Vピット(V)の下部頂点は、前記転位(TD)と接することができる。
【0086】
前記第2半導体層41は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第2半導体層41は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第2半導体層41は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第2半導体層41は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。
【0087】
図6を参照すると、第7半導体層43は前記第2半導体層41上に形成することができる。前記活性層50は前記第2半導体層41上に形成することができる。
【0088】
前記第7半導体層43及び前記活性層50は、1000℃以下の低温で成長してVピット(V)を含むことができる。
【0089】
前記第7半導体層43及び前記活性層50は、C(0001)面と対応する第2領域よりも、R(1102)面と対応する第1領域の厚さが薄く形成され得る。
【0090】
前記活性層50は化合物半導体で具現することができる。前記活性層50は、一例として、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記活性層50が多重井戸構造で具現された場合、前記活性層50は、交互に配置された複数の井戸層及び複数の障壁層を含むことができる。前記複数の井戸層は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成されてもよい。前記障壁層は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成されてもよい。前記井戸層/障壁層は、例えば、InGaN/GaN、GaN/AlGaN、AlGaN/AlGaN、InGaN/AlGaN、InGaN/InGaN、AlGaAs/GaAs、InGaAs/GaAs、InGaP/GaP、AlInGaP/InGaP、InP/GaAsのペアのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0091】
第7半導体層43は、複数のペアを含む超格子構造で形成することができる。例えば、前記第7半導体層43は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のうち少なくとも2以上の半導体層が複数のペアで交互になり得る。例えば、前記第7半導体層43は、複数のペアを含むInGaN/GaNであり得る。
【0092】
図8を参照すると、第3~第5半導体層71,72,73は前記活性層50上に形成することができる。
【0093】
前記第3~第5半導体層71,72,73は、1000℃以下の低温で成長してVピット(V)を含むことができる。
【0094】
前記第3~第5半導体層71,72,73は、C(0001)面と対応する第2領域よりも、R(1102)面と対応する第1領域の厚さが薄く形成され得る。
【0095】
第3半導体層71は、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のいずれか1つからなることができる。前記第3半導体層71は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0<y≦1、0<x+y≦1)の組成式を含むことができる。前記第3半導体層71は、前記活性層50の障壁層よりも広いバンドギャップを有するAlN系半導体で形成することができる。前記AlN系半導体は、AlN、AlGaN、InAlGaN、及びAlInN系半導体のうち少なくとも1つを含むことができる。前記第3半導体層71は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントを含むp型半導体層であってもよい。
【0096】
前記第3半導体層71の第1領域と第2領域との比率は、1:50~1:2であってもよい。具体的には、前記第1領域と第2領域との比率は、1:5~3:10であり得る。
【0097】
例えば、前記第3半導体層71の第1領域の厚さは、1nm~50nmであってもよい。より具体的には、前記第3半導体層71の第1領域の厚さは、1nm~5nmであり得る。前記第3半導体層71の第1領域の厚さが1nm未満の場合、薄い厚さによって電子が通過してしまい、電子遮断機能が低下することがある。前記第3半導体層71の第1領域の厚さが50nmを超える場合、アルミニウム組成を含む半導体層の厚さが増加することにより、アルミニウム組成によって結晶品質が低下することがある。
【0098】
前記第3半導体層71は、単層または多層に形成されてもよい。前記第3半導体層71が多層である場合、超格子構造を含むことができ、前記超格子構造は、アルミニウム組成が異なるAlGaN/AlGaNの積層構造であるか、またはAlGaN/GaNの超格子構造を含むことができる。前記第3半導体層71の超格子構造は、異常に電圧に含まれた電流を拡散させることで、活性層50を保護することができる。
【0099】
前記第4半導体層72は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第4半導体層72は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第4半導体層72は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。実施例の前記第4半導体層72は、GaNを一例として説明する。前記第4半導体層72はアンドープ半導体層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0100】
前記第4半導体層72は、前記第3及び第5半導体層71,73よりも低いバンドギャップを含むことができる。前記第4半導体層72は、前記第3及び第5半導体層71,73の間に配置され、前記第3及び第5半導体層71,73よりも低いバンドギャップによる2DHG(2-dimensional hole gas)効果によって正孔注入効率を増大させることができる。
【0101】
前記第5半導体層73は、垂直方向に進行する正孔をブロッキングする電流ブロッキング機能を含むことができる。前記第5半導体層73は、Vピット(V)を介して正孔が注入されるように誘導することで、キャリア注入効率を向上させることができる。
【0102】
前記第5半導体層73の第1領域73Sは、前記Vピット(V)上に配置され得る。また、前記第5半導体層73の第2領域73Tは、前記Vピット(V)の外郭に配置され得る。前記第5半導体層73の第2領域73Tは、前記第5半導体層73の第1領域73Sよりも上に配置され、第1方向に平らな面を含むことができる。
【0103】
実施例は、前記第2領域73Tよりも薄い第1領域73Sを含む第5半導体層73によって、Vピット(V)を介した正孔の注入を誘導することで発光効率を向上させることができる。
【0104】
前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さがt1、第2領域73Tの厚さがt2である場合、t1<t2の関係を有することができる。前記t1:t2の比率は、1:50~1:2であってもよい。具体的には、前記t1:t2の比率は、1:5~3:10であり得る。
【0105】
例えば、前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さは、1nm~50nmであってもよい。より具体的には、前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さは、1nm~5nmであり得る。前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さが1nm未満の場合、薄い厚さによって電子が通過してしまい、電子遮断機能が低下することがある。前記第5半導体層73の第1領域73Sの厚さが50nmを超える場合、アルミニウム組成を含む半導体層の厚さが増加することにより、アルミニウム組成によって結晶品質が低下することがある。
【0106】
前記第5半導体層73は、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNといった化合物半導体のいずれか1つからなることができる。前記第5半導体層73は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0<y≦1、0<x+y≦1)の組成式を含むことができる。前記第5半導体層73は、前記活性層50の障壁層よりも広いバンドギャップを有するAlN系半導体で形成することができる。例えば、前記AlN系半導体は、AlN、AlGaN、InAlGaN、及びAlInN系半導体のうち少なくとも1つを含むことができる。前記第5半導体層73は、前記第3半導体層71よりも広いバンドギャップを含んでもよいが、これに限定されるものではない。例えば、前記第5半導体層73のバンドギャップは、前記第3半導体層71のバンドギャップと同一であってもよい。前記第5半導体層73はアンドープ半導体層であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0107】
例えば、前記第5半導体層73は、Si、Ge、Sn、Se、Teなどのn型ドーパントがドープされたn型半導体層であってもよい。また、前記第5半導体層73は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントを含むp型半導体層であってもよい。また、前記第5半導体層73は、酸化物またはカーボンを含む絶縁層であってもよい。
【0108】
前記第5半導体層73は、単層または多層に形成されてもよい。前記第5半導体層73が多層である場合、超格子構造を含むことができ、前記超格子構造は、アルミニウム組成が異なるAlGaN/AlGaNの積層構造であるか、またはAlGaN/GaNの超格子構造を含むことができる。前記第5半導体層73の超格子構造は、異常に電圧に含まれた電流を拡散させることで、活性層50を保護することができる。
【0109】
図9を参照すると、第6半導体層60は、前記第5半導体層73上に形成することができる。前記第6半導体層60は、2次元成長の強化を通じてVピット(V)が埋められてマージ(Merge)させることができる。
【0110】
前記第6半導体層60は、III族-V族またはII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも1つで具現することができる。前記第6半導体層60は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料で形成することができる。前記第6半導体層60は、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPのうち少なくとも1つを含むことができる。前記第6半導体層60は、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどのp型ドーパントを有するp型半導体層であってもよい。
【0111】
実施例の前記第1半導体層40はn型半導体層、前記第6半導体層60はp型半導体層で具現してもよいが、これに限定されず、前記第1半導体層40がp型半導体層、前記第6半導体層60はn型半導体層であってもよい。また、前記第6半導体層60上には、前記第2導電型と反対の極性を有する半導体、例えば、n型半導体層(図示せず)が形成され得る。これによって、実施例の半導体素子101は、n-p接合構造、p-n接合構造、n-p-n接合構造、及びp-n-p接合構造のいずれか一つの構造で具現することができる。
【0112】
実施例の半導体素子101は、活性層50上に第3~第5半導体層71,72,73が配置されて、垂直方向のキャリア注入を減らし、Vピット(V)を介したキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。
【0113】
実施例の半導体素子101は、C(0001)面と対応する第2領域73Tと、R(1102)面と対応する第1領域73Sとの厚さの比率が1:50~1:2の第5半導体層73を含むことで、2DHG(2-dimensional hole gas)効果によって正孔注入効率を増大させると同時に、Vピット(V)を介して注入されるキャリア注入を増大させて発光効率を向上させることができる。
【0114】
図10は、電極を含む水平タイプの発光素子を示した図である。
【0115】
図10に示されたように、水平タイプの半導体素子101は、図1乃至図9に開示された構成と対応する構成には同一の符号を付し、図1乃至図9の技術的特徴を採用することができる。
【0116】
図1及び図10に示されたように、水平タイプの半導体素子101は、第1電極191及び第2電極195を含むことができる。前記第1電極191は、第1半導体層40と電気的に接続され得る。前記第2電極195は、前記第6半導体層60と電気的に接続され得る。前記第1電極191は前記第1半導体層40上に配置され得、前記第2電極195は第6半導体層70上に配置され得る。
【0117】
前記第1電極191及び前記第2電極195は、アーム(arm)構造またはフィンガー(finger)構造の電流拡散パターンがさらに形成されてもよい。前記第1電極191及び第2電極195は、オーミック接触、接着層、ボンディング層の特性を有する金属であって、非透光性であってもよく、これに対して限定するものではない。前記第1電極191及び第2電極195は、Ti、Ru、Rh、Ir、Mg、Zn、Al、In、Ta、Pd、Co、Ni、Si、Ge、Ag及びAuとこれらの選択的な合金から選択されてもよい。
【0118】
ここで、前記第2電極195と第6半導体層60との間には、オーミック機能を有する導電層80を配置することができる。
【0119】
前記導電層80は、少なくとも1つの伝導性物質を含むことができる。前記導電層80は、単層または多層であってもよい。前記導電層80は、金属、金属酸化物及び金属窒化物材質のうち少なくとも1つを含むことができる。前記導電層80は透光性の物質を含むことができる。例えば、前記導電層80は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZON(IZO nitride)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、Ni/IrOx/Au/ITO、Pt、Ni、Au、RhまたはPdのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0120】
前記導電層80上には絶縁層180を配置することができる。前記絶縁層180は、前記導電層80、前記第3~6半導体層43,90,45,60及び活性層50の側面上に配置することができる。また、前記絶縁層180は、第4半導体層90から露出された前記第2半導体層41の上面上に配置することができ、第1及び第2電極191,195と直接接することができる。前記絶縁層180は、Al、Cr、Si、Ti、Zn、Zrのうち少なくとも1つを有する酸化物、窒化物、フッ化物、及び硫化物のうち少なくとも1つで形成された絶縁物質または絶縁性樹脂を含む。前記絶縁層180は、例えば、SiO、Si、Al、TiOから選択的に形成され得る。前記絶縁層180は、単層または多層に形成されてもよく、これに対して限定するものではない。
【0121】
図11は、電極を含む垂直タイプの発光素子を示した図である。
【0122】
図11に示されたように、半導体素子102は、図1乃至図10に開示された構成と対応する構成には同一の符号を付し、図1乃至図10の技術的特徴を採用することができる。
【0123】
図9に示されたように、半導体素子102は、第1半導体層40上に第1電極291と、前記第1電極291の反対側に配置された第2電極295とを含むことができる。
【0124】
前記第2電極295は、第6半導体層60の下に配置され、導電層281、反射層297、ボンディング層298及び支持部材299を含むことができる。
【0125】
前記導電層281は前記第6半導体層60上に配置することができる。前記導電層281は、前記第6半導体層60とオーミック接触することができ、少なくとも1つの伝導性物質を含むことができる。前記導電層281は、単層または多層であってもよい。
【0126】
前記導電層281は、金属、金属酸化物及び金属窒化物材質のうち少なくとも1つを含むことができる。前記導電層281は透光性の物質を含むことができる。例えば、前記導電層281は、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、IZON(IZO nitride)、IZTO(indium zinc tin oxide)、IAZO(indium aluminum zinc oxide)、IGZO(indium gallium zinc oxide)、IGTO(indium gallium tin oxide)、AZO(aluminum zinc oxide)、ATO(antimony tin oxide)、GZO(gallium zinc oxide)、IrOx、RuOx、RuOx/ITO、Ni/IrOx/Au、Ni/IrOx/Au/ITO、Pt、Ni、Au、RhまたはPdのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0127】
前記反射層297は、前記導電層281上に配置することができる。前記反射層297は、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Au、Hf及びそれらの組み合わせからなる群から選択された物質からなる少なくとも1つの層を含む構造で形成され得る。
【0128】
前記ボンディング層298は、前記反射層297上に配置することができる。前記ボンディング層298は、支持部材299と前記反射層297との間に配置することができる。前記ボンディング層298は、バリア金属またはボンディング金属が使用され得、その物質は、例えば、Ti、Au、Sn、Ni、Cr、Ga、In、Bi、Cu、Ag及びTaと選択的な合金のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0129】
前記支持部材299は、前記ボンディング層298上に配置することができる。前記支持部材299は伝導性部材で形成され得、その物質は、銅(Cu-copper)、金(Au-gold)、ニッケル(Ni-nickel)、モリブデン(Mo)、銅-タングステン(Cu-W)、キャリアウエハ(例:Si、Ge、GaAs、ZnO、SiCなど)のような伝導性物質で形成され得る。前記支持部材299は、他の例として、伝導性シートで具現されてもよい。
【0130】
前記第6半導体層60と第2電極295との間にチャネル層283及び電流ブロッキング層285が配置されてもよいが、構造を限定するものではない。
【0131】
前記チャネル層283は、前記第6半導体層60の下面のエッジ領域に配置することができ、リング状、ループ状またはフレーム状に形成されてもよい。前記チャネル層283は、透明な伝導性物質または絶縁性物質を含み、例えば、ITO、IZO、IZTO、IAZO、IGZO、IGTO、AZO、ATO、SiO、SiO、SiO、Si、Al、TiOのうち少なくとも1つを含むことができる。前記チャネル層283の内側部は、前記第6半導体層60の下に配置され、外側部は、前記発光構造物の側面よりも外側に配置される。
【0132】
前記電流ブロッキング層285は、第6半導体層60と反射層297との間に配置することができる。前記電流ブロッキング層285は絶縁物質を含み、例えば、SiO、SiO、SiO、Si、Al、TiOのうち少なくとも1つを含むことができる。他の例として、前記電流ブロッキング層285は、ショットキー接触のための金属でも形成できる。
【0133】
前記電流ブロッキング層285は、半導体層上に配置された第1電極291と前記半導体層の厚さ方向に対応するように配置される。前記電流ブロッキング層285は、前記第1及び第2電極291,295の最短距離で進行する電流を遮断し、他の経路に誘導することによって、電流拡がり(current spreading)効果を具現することができる。前記電流ブロッキング層285は、一つまたは複数配置されてもよく、第1電極291と垂直方向に少なくとも一部または全領域が重畳してもよい。
【0134】
ここで、前記第1半導体層40の上面には、ラフネスのような光取り出し構造(図示せず)を形成することができる。前記第1半導体層40の上部、第1~第6半導体層40,41,90,43,45及び活性層50の側部、及びチャネル層283上には絶縁層(図示せず)がさらに配置されてもよく、これに対して限定するものではない。
【0135】
図10及び図11に示された水平タイプ及び垂直タイプの半導体素子101,102は、活性層50上に第3~第5半導体層71,72,73が配置されて、垂直方向のキャリア注入を減らし、Vピット(V)を介したキャリア注入を増大させることで、発光効率を向上させることができる。
【0136】
実施例の半導体素子101は、C(0001)面と対応する第2領域73Tと、R(1102)面と対応する第1領域73Sとの厚さの比率が1:50~1:2の第5半導体層73を含むことで、2DHG(2-dimensional hole gas)効果によって正孔注入効率を増大させると同時に、Vピット(V)を介して注入されるキャリア注入を増大させて発光効率を向上させることができる。
【0137】
図12は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の概念図である。
【0138】
図13は、本発明の一実施例に係る様々な大きさのリセスを示す平面図である。
【0139】
図12を参照すると、本発明の他の実施例に係る半導体素子103は、第1導電型半導体層300と、第1導電型半導体層300上に配置される活性層500と、活性層500上に配置される第2導電型半導体層700とを含むことができる。前記第1導電型半導体層300、前記活性層500、及び前記第2導電型半導体層700のうち少なくとも1つは、V形状のリセス(V-pits)が形成され得る。
【0140】
基板100は、伝導性基板または絶縁性基板を含むことができる。前記基板100は、半導体物質の成長に適した物質やキャリアウエハであってもよい。前記基板100は、サファイア(Al)、SiC、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP及びGeから選択された物質で形成されてもよく、これに対して限定するものではない。
【0141】
第1導電型半導体層300と基板100との間にはバッファ層200を配置することができる。バッファ層200は、発光構造物と基板100の格子不整合を緩和することができる。
【0142】
バッファ層200は、III族とV族の元素が結合された形態であるか、またはGaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、及びAlInNのいずれか1つを含むことができる。バッファ層200にはドーパントがドープされてもよいが、これに限定しない。
【0143】
バッファ層200は、基板100上に単結晶として成長することができ、単結晶として成長したバッファ層200は、バッファ層200上に成長する第1導電型半導体層300の結晶性を向上させることができる。
【0144】
第1導電型半導体層300は、III族-V族、II族-VI族などの化合物半導体で具現することができ、第1ドーパントがドープされてもよい。第1導電型半導体層300は、Inx1Aly1Ga1-x1-y1N(0≦x1≦1、0≦y1≦1、0≦x1+y1≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、GaN、AlGaN、InGaN、InAlGaNなどから選択され得る。そして、第1ドーパントは、Si、Ge、Sn、Se、Teのようなn型ドーパントであってもよい。第1ドーパントがn型ドーパントである場合、第1ドーパントがドープされた第1導電型半導体層300はn型半導体層であり得る。
【0145】
活性層500は、第1導電型半導体層300を介して注入される電子(又は正孔)と、第2導電型半導体層700を介して注入される正孔(又は電子)とが出会う層である。活性層500は、電子と正孔が再結合することによって低いエネルギー準位に遷移し、それに相応する波長を有する光を生成することができる。
【0146】
活性層500は、単一井戸構造、多重井戸構造、単一量子井戸構造、多重量子井戸(Multi Quantum Well;MQW)構造、量子ドット構造、または量子線構造のいずれか1つの構造を有することができ、活性層500の構造はこれに限定しない。
【0147】
一般に、基板100と第1導電型半導体層300との格子不一致により、第1導電型半導体層300には転位(Dislocation)Dのような格子欠陥が発生し得る。半導体素子は、転位Dによって漏れ電流が増加し、外部静電気に脆弱になり得る。
【0148】
活性層500は、転位Dによって誘発されるリセスRが形成され得る。前記リセスの大きさは多様に形成され得る。リセスRは、第1導電型半導体層300と活性層500との間の応力(Strain)を緩和させ、転位Dが活性層500及び第2導電型半導体層700に延びることを防止して、半導体素子の品質を向上させることができる。
【0149】
リセスRは、転位Dによる漏れ電流を防止して静電気放電(ESD、Electrostatic discharge)の収率を向上させることができる。しかし、リセスが形成された領域は発光に寄与できないので、光度が低下するという問題がある。
【0150】
第2導電型半導体層700は、活性層500上に形成され、III族-V族、II族-VI族などの化合物半導体で具現され得、第2導電型半導体層700に第2ドーパントがドープされ得る。第2導電型半導体層700は、Inx5Aly2Ga1-x5-y2N(0≦x5≦1、0≦y2≦1、0≦x5+y2≦1)の組成式を有する半導体物質、またはAlInN、AlGaAs、GaP、GaAs、GaAsP、AlGaInPから選択された物質で形成されてもよい。第2ドーパントがMg、Zn、Ca、Sr、Baなどのようなp型ドーパントである場合、第2ドーパントがドープされた第2導電型半導体層700はp型半導体層であり得る。
【0151】
活性層500と第2導電型半導体層700との間には電子遮断層(EBL)600を配置することができる。電子遮断層600は、第1導電型半導体層300から供給された電子が第2導電型半導体層700に抜け出ていく流れを遮断して、活性層500内で電子と正孔とが再結合する確率を増大させることができる。電子遮断層600のエネルギーバンドギャップは、活性層500及び/又は第2導電型半導体層700のエネルギーバンドギャップよりも大きくてもよい。
【0152】
電子遮断層600は、Inx1Aly1Ga1-x1-y1N(0≦x1≦1、0≦y1≦1、0≦x1+y1≦1)の組成式を有する半導体材料、例えば、AlGaN、InGaN、InAlGaNなどから選択されてもよいが、これに限定しない。電子遮断層600は、リセスを有する活性層500上に形成されるので、リセスの形状に対応するリセスを有することができる。
【0153】
図14は、演色指数と光出力との関係を示すグラフである。
【0154】
図14を参照すると、演色指数(CRI:Color Rendering Index)と光出力は反比例の関係を有することがわかる。演色指数(CRI)とは、光源の光が物体の固有な色をどれくらい正確な天然色に見えるようにするかを評価する指数である。
【0155】
半導体素子の波長が増加するほど、演色指数は増加するに対し、光出力は減少し得る。特に、450nm以下のピーク波長では、演色指数の増加と共に光出力も増加するが、450nmのピーク波長からは、演色指数は増加するが、光出力は減少し得る。したがって、450nm以上、または450nm~460nmのピーク波長において演色指数の増加と共に光出力が増加できる半導体素子の開発が必要である。
【0156】
光出力は、半導体素子の主波長と関連がある。これは、現在商用化段階にある蛍光体技術の効率が、450nm以下では低下するためである。
【0157】
半導体素子において、450nm以上のピーク波長を有するためには、活性層500のエネルギーバンドギャップの調節が必要となり得る。例えば、活性層500がInGaN井戸層/GaNバリア層である場合、井戸層のInの組成を調節することによって、エネルギーバンドギャップを調節することができる。ところで、Inの組成を高めると、活性層500の膜品質が低下してしまい、光出力が低下するという問題がある。
【0158】
活性層500の膜品質を高めるために障壁層の厚さを増加させることができる。障壁層が複数である場合、複数個の障壁層の厚さを全て増加させることによって、膜品質を向上させることができる。しかし、障壁層が厚くなる場合、動作電圧が上昇するという問題がある。
【0159】
活性層500の膜品質を高めるための更に他の方案としては、障壁層を高温で成長させる方法を考慮することができる。障壁層が高温で成長すると、結晶性が向上して、活性層500の膜品質が向上することができる。しかし、障壁層を高温で成長させる場合、活性層500に形成されたV形状のリセスの大きさが減少または消滅するという問題がある。
【0160】
リセスの大きさが減少または消滅した場合、複数個のリセスのサイズが不均一となるので、有利な効果が低下し、収率が減少するという問題がある。また、正孔がリセスの側面に注入されにくいため、光出力が減少することがある。したがって、障壁層を高温で成長させて膜の品質を高めながらも、リセスを維持する技術が必要である。
【0161】
図15は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
【0162】
図16は、図15のA部分及びB部分の拡大図である。
【0163】
図17は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の断面を示す図である。
【0164】
図15及び図16を参照すると、活性層500は、トリガ層400上に配置することができる。トリガ層400のインジウム(In)組成は、第1導電型半導体層300のインジウム組成よりも高くてもよい。一般に、インジウム(In)は、格子の大きさが大きい。したがって、インジウムが多く含有されたガリウム窒化物(GaN)層であるほど、格子不整合によるリセスが容易に形成され得る。トリガ層400は、転位をリセス410に変換させて複数個のリセスを均一な大きさに成長させることができる。
【0165】
活性層500は、第1活性層510及び第2活性層520を含むことができる。第1活性層510は、第1導電型半導体層300に隣接して配置された層であり得、第2活性層520は、第1活性層510と第2導電型半導体層700との間に配置された層であり得る。
【0166】
第1活性層510及び第2活性層520は、複数個のリセスRを有する第1領域P、及び複数個のリセスRの間の第2領域Pを含むことができる。
【0167】
第1活性層510は、交互に配置された複数個の第1井戸層510aと複数個の第1障壁層510bとを含むことができる。第2活性層520は、交互に配置された複数個の第2井戸層520aと複数個の第2障壁層520bとを含むことができる。
【0168】
第1活性層510は、トリガ層400に形成されたリセス410上に形成されるので、第1領域PにはリセスRが形成され、第2領域Pは相対的に平坦な領域が形成され得る。これと同様に、第2活性層520は、第1活性層510のリセスR上に形成されるので、第1領域PにはリセスRが形成され、第2領域Pは相対的に平坦な領域が形成され得る。
【0169】
第1活性層510は、第1領域Pの厚さが、第2領域Pの厚さよりも小さくてもよい。第1活性層510において、第1領域Pの厚さと第2領域Pの厚さとの比は、1:2~1:10であってもよい。第1活性層510の第1障壁層510bが低温成長する場合、第1領域Pの厚さは第2領域Pの厚さよりも小さくなることで、リセスRの形態が維持され得る。ここで、第1領域Pの厚さは、発光構造物の厚さ方向の距離であり得る。
【0170】
第1活性層510は、ほとんど発光に参加しなくてもよい。すなわち、第2導電型半導体層700から注入された正孔は相対的に重いので、第1活性層510まで注入されなくてもよい。したがって、第1活性層510は、発光に参加しないか、または相対的に弱い光を生成することができる。実施例において第1活性層510は、リセスRの形態を維持する役割を行うことができる。
【0171】
第1障壁層510bは、第1領域Pでの厚さが第2領域Pの厚さよりも薄くてもよい。第1井戸層510aの厚さは、第1障壁層510bと同様に、第1領域Pでの厚さが第2領域Pの厚さよりも薄くてもよい。または、第1井戸層510aの厚さは、第1領域Pと第2領域Pにおいてあまり差がなくてもよい。実施例は、第1障壁層510bを低温成長させて第1領域Pでの厚さを薄く制御することによって、リセスの形態を維持することができる。
【0172】
第1障壁層510bは、第1領域Pの厚さと前記第2領域Pの厚さとの比が、1:2~1:10であってもよい。厚さの比が1:2より小さい場合、第1領域Pでの厚さが増加して、リセスRの大きさが次第に小さくなり得る。第1活性層510においてリセスRの大きさが小さくなり始めると、第2活性層520が成長する過程においてリセスRは消滅することもある。厚さの比が1:10より大きい場合、第1領域P内での厚さが過度に薄くなってしまい、一部の区間では第1障壁層510bが切れることがある。
【0173】
第1井戸層510aの厚さと第1障壁層510bの厚さとの比は、1:1~1:2.5であってもよい。例示的に、第1井戸層510aの厚さは2nm~5nmであり、第1障壁層510bの厚さは2nm~12.5nmであってもよい。
【0174】
第2活性層520は、第1活性層510と第2導電型半導体層700との間に配置されるので、ほとんど発光に参加することができる。実施例によれば、活性層500は、450nm~460nmの長波長帯の光を生成するためにInを含むので、相対的に膜の品質が低下することがある。したがって、第2障壁層520bを高温で成長させて膜の品質を補完することができる。
【0175】
第2障壁層520bの第1領域は、第2導電型半導体層700に行くほど次第に狭くなり得る(PからPに減少)。第2障壁層520bが高温で成長するとウエハが反るので、相対的に第1領域Pが厚くなり得る。したがって、第2活性層520において、第1領域Pの厚さは、第2領域Pの厚さよりも厚い領域を有することができる。
【0176】
具体的に、第2障壁層520bは、第1領域Pでの厚さが第2領域Pの厚さよりも厚くなり得る。第2井戸層520aの厚さは、第2障壁層520bと同様に、第1領域Pでの厚さが第2領域Pの厚さよりも厚くなり得る。または、第2井戸層520aの厚さは、第1領域Pと第2領域Pにおいてあまり差がなくてもよい。
【0177】
第1領域Pにおいて、第2障壁層520bの厚さは、第1障壁層510bの厚さよりも厚い領域を有することができる。第2障壁層520bは、第1障壁層510bに比べて高温で成長するためである。しかし、第1領域Pにおいて、第2活性層520の厚さは、第1活性層510の厚さとあまり差がないことがある。第1活性層510と第2活性層520は実質的に類似の温度で成長するためである。したがって、第1領域Pにおいて、第2活性層520の厚さは、第1活性層510の厚さよりも厚くなり得る。
【0178】
第2障壁層520bは、リセスRの中心に行くほど(転位伝播経路(D)に近づくほど)、厚さが増加する区間を有することができる。すなわち、第2障壁層520bは、リセスRの中心に行くほど次第に厚く成長することができる。また、第2障壁層520bは、第1活性層510から遠ざかるほど、リセスRの大きさが小さくなり得る。
【0179】
第2障壁層520bにおいて、第1領域Pの厚さと前記第2領域Pの厚さとの比は2:1~10:1であってもよい。厚さの比が2:1より小さくなる場合、第2障壁層520bの厚さが減少して、膜品質が低下することがあり、厚さの比が10:1より大きくなる場合、リセスRの大きさが過度に縮小されることがある。
【0180】
第2活性層520は、第1活性層510と最も近い障壁層520bの厚さが、残りの障壁層の厚さよりも厚くなり得る。すなわち、第1活性層510の成長が終わって第2活性層520の成長が始まる区間での障壁層の厚さが最も厚くなり得る。
【0181】
第2井戸層520aの厚さと前記第2障壁層520bの厚さとの比は、1:1~1:3であってもよい。第2井戸層520aの厚さは2nm~5nmであってもよく、第2障壁層520bの厚さは2nm~15nmであってもよい。
【0182】
実施例によれば、第1井戸層510aと第2井戸層520aは同じ厚さであり得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、第2井戸層520aは、第1井戸層510aより厚くてもよい。この場合、発光に参加する第2活性層520の厚さが増加するので、発光効率が増加することができる。
【0183】
第1障壁層510bと第2障壁層520bにはn型ドーパントがドープされてもよい。第1障壁層510bと第2障壁層520bの厚さが増加するほど、動作電圧が減少することができる。したがって、第1及び第2障壁層510b,520bにドーパントをドープして動作電圧を減少させることができる。ドーピング濃度は、1×1016/cm~1×1019/cmであってもよいが、必ずしもこれに限定するものではない。
【0184】
実施例によれば、第1障壁層510bを低温成長させてリセスRを維持し、第2障壁層520bを高温成長させて第2活性層520の膜品質を向上させることができる。したがって、長波長帯の光を生成することができ、光出力が向上することができる。
【0185】
図17を参照すると、第1障壁層510bは、第2領域Pから第1領域Pに行くほど、厚さが次第に減少することを確認できる。また、第1活性層では、リセスの形態がそのまま維持されることを確認できる。
【0186】
これに対し、第2障壁層520bは、第2領域Pから第1領域Pに行くほど、厚さが次第に増加することを確認できる。また、第2活性層520では、上部に行くほど第2障壁層520bの厚さが厚くなることを確認できる(d3>d2>d1)
【0187】
図18は、本発明の他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。図19は、本発明の更に他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
【0188】
図19は、本発明の更に他の実施例に係る半導体素子の一部の断面図である。
【0189】
図18を参照すると、活性層500上に配置される電子遮断層600及び第2導電型半導体層700は、活性層500のリセスRの内部に配置され得る。したがって、第2導電型半導体層700から注入された正孔は、電子遮断層600を貫通して活性層500に注入され得る。
【0190】
第2活性層520の成長時にリセスが消滅しないように、第1活性層510の厚さと第2活性層520の厚さは適宜調節することができる。
【0191】
電子遮断層600は、正孔注入を向上させるためにP型ドーパントがドープされてもよい。P型ドーパントがドープされると、抵抗が低くなり、電流注入が増加できる。P型ドーパントは、Mg、Zn、Ca、Sr、Baからなる群から選択されたいずれか1つ以上であってもよい。
【0192】
第2領域Pでは、P型ドーパントの濃度が高いので、相対的に正孔注入が容易であるが、第1領域Pは、相対的にAlの濃度が高く、P型ドーパントの濃度が低いので、正孔の注入が難しいという問題がある。すなわち、第2領域Pに比べて第1領域Pは抵抗が高くなり得る。第1領域Pの厚さが薄くなるほど、P型ドーパントのドーピングは難しくなり得る。したがって、電子遮断層600は高温成長させることで、リセス内での厚さを増加させることができる。その結果、ドーパントのドーピング濃度が上昇することができる。例示的に、電子遮断層600は、790℃~1230℃で成長させて、第1領域Pと第2領域Pとの厚さの比が0.8:1~1:1となるように制御することができる。
【0193】
図19を参照すると、第2活性層520の第2障壁層520bの厚さのみを制御して膜品質を向上させることもできる。実施例によれば、第2障壁層520bを高温成長させないので、第2障壁層520bが第1領域Pで過度に成長してリセスが縮小する問題点を解消することができる。
【0194】
また、図20のように、第1~第3活性層510,520,530を3区間に設定し、第1~第3活性層510,520,530の障壁層を互いに異なる温度条件で成長させることもできる。例示的に、第1区間510の障壁層は200℃~230℃で成長させ、第2区間520の障壁層は230℃~260℃で成長させ、第3区間530の障壁層は260℃~270℃で成長させることができる。
【0195】
実施例によれば、段階的に成長温度を上昇させることによって、障壁層がリセス内で急激に成長することを抑制することができる。したがって、活性層内でリセスの大きさが減少することを抑制することができる。
【0196】
図21は、本発明の一実施例に係る半導体素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0197】
図21を参照すると、半導体素子の製造方法は、基板100上に第1導電型半導体層300、活性層500、電子遮断層600、及び第2導電型半導体層700を順次形成することができる。特に、活性層500は、第1活性層510を成長させるステップ(S10)と、第2活性層520を成長させるステップ(S20)とに区分できる。
【0198】
第1活性層510を成長させるステップは、700℃~800℃で第1井戸層510aを形成し、780℃~1030℃で第1障壁層510bを成長させることができる。第1障壁層510bの成長温度は相対的に低温であるので、第1障壁層510bは、第1領域Pで薄い厚さに成長することができる。
【0199】
動作電圧を低下させるために、第1障壁層510bにはシリコンをドープすることができる。ドーピング濃度は、1×1016/cm~1×1019/cmであってもよいが、必ずしもこれに限定するものではない。
【0200】
第2活性層520を成長させるステップは、700℃~800℃で第2井戸層520aを形成し、790℃~1230℃で第2障壁層520bを成長させることができる。すなわち、第2障壁層520bの成長温度は、第1障壁層510bの成長温度よりも高く設定することができる。
【0201】
したがって、第2障壁層520bは結晶性が向上することができる。また、第2障壁層520bは、第1領域Pで第1障壁層510bよりも厚く成長することができる。または、第2障壁層520bの成長温度でウエハが反ることで、第1領域Pが相対的に厚くなることもある。第2障壁層520bの成長時には、第1障壁層510bの成長時よりも成長ガスをさらに供給することもできるが、必ずしもこれに限定するものではない。
【0202】
第2障壁層520bにはシリコンをドープすることができる。ドーピング濃度は、1×1016/cm~1×1019/cmであってもよいが、必ずしもこれに限定するものではない。
【0203】
図22は、実施例に係る半導体素子パッケージを示した断面図である。
【0204】
図22を参照すると、実施例に係る半導体素子パッケージは、ボディー1と、ボディー1に設置された第1リード電極3及び第2リード電極4と、第1及び第2リード電極3,4から電源を半導体素子101,102,103と、半導体素子101,102,103を包囲するモールディング部材5とを含むことができる。
【0205】
ボディー1は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んで形成されてもよく、半導体素子101,102,103の周囲に傾斜面1aを形成することができる。
【0206】
第1リード電極3及び第2リード電極5は互いに電気的に分離され、半導体素子101に電源を提供する。
【0207】
また、第1及び第2リード電極3,4は、半導体素子101,102,103から発生した光を反射させて光効率を増加させることができ、半導体素子101,102,103から発生した熱を外部に排出させる役割を果たすこともできる。
【0208】
半導体素子101,102,103は、第1リード電極3、第2リード電極4及びボディー1のいずれか1つの上に設置することができ、ワイヤー方式、ダイボンディング方式などによって第1及び第2リード電極3,4に電気的に接続できるが、これに対して限定するものではない。例えば、半導体素子101,102,103の一側、例えば、半導体素子101,102,103の背面は、第1リード電極3の上面に電気的に接し、半導体素子101,102,103の他側は、ワイヤーを用いて第2リード電極4に電気的に接続され得る。
【0209】
実施例の半導体素子101,102,103は、上述した水平型半導体素子、フリップ型半導体素子及び垂直型半導体素子のいずれか1つであってもよいが、これに対しては限定しない。
【0210】
モールディング部材5は、半導体素子101,102,103を包囲して前記半導体素子101,102,103を保護することができる。また、モールディング部材5には蛍光体が含まれ、半導体素子10,102,103から放出された光の波長を変化させることができる。
【0211】
実施例に係る半導体素子パッケージはCOB(Chip On Board)タイプを含み、ボディー1の上面は平らで、ボディー1には複数の半導体素子101,102が設置されることもできる。
【0212】
半導体素子は、照明システムの光源として使用されるか、または映像表示装置の光源や照明装置の光源として使用されてもよい。すなわち、半導体素子は、ケースに配置されて光を提供する様々な電子デバイスに適用することができる。例示的に、半導体素子とRGB蛍光体を混合して使用する場合、演色性(CRI)に優れた白色光を具現することができる。
【0213】
前記半導体素子は、シリコン原子の濃度比が高いSi-richの第4半導体層を用いて転位欠陥(TD)のない第2Vピットを含むことで、キャリア注入効率を向上させることができる。すなわち、実施例は、転位欠陥(TD)密度が1E8/cm以下の高品質のテンプレートで発生し得る動作電圧の上昇及びキャリア注入効率の低下を改善することができる。
【0214】
また、実施例の半導体素子パッケージは、前記第2Vピットを含むことで、キャリア注入効率の向上と同時に、発光面積の減少を最小化して発光効率を向上させることができる。
【0215】
上述した半導体素子は、発光素子パッケージで構成されて、照明システムの光源として使用することができ、例えば、映像表示装置の光源や照明装置などの光源として使用することができる。
【0216】
映像表示装置のバックライトユニットとして使用されるとき、エッジタイプのバックライトユニットとして使用されるか、または直下タイプのバックライトユニットとして使用されてもよく、照明装置の光源として使用されるとき、灯器具やバルブタイプとして使用されてもよく、また、移動端末機の光源として使用されてもよい。
【0217】
半導体素子は、上述した発光ダイオード以外に、レーザーダイオードがある。
【0218】
レーザーダイオードは、発光素子と同様に、上述した構造の第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含むことができる。そして、p-型の第1導電型半導体とn-型の第2導電型半導体とを接合させた後、電流を流したときに光が放出されるelectro-luminescence(電界発光)現象を用いるが、放出される光の方向性と位相において差がある。すなわち、レーザーダイオードは、励起放出(stimulated emission)という現象と補強干渉現象などを用いて、一つの特定の波長(単色光、monochromatic beam)を有する光が同じ位相を有して同じ方向に放出され得、このような特性により、光通信や医療用装備及び半導体工程装備などに使用され得る。
【0219】
受光素子としては、光を検出してその強度を電気信号に変換する一種のトランスデューサである光検出器(photodetector)を例に挙げることができる。このような光検出器として、光電池(シリコン、セレン)、光導電素子(硫化カドミウム、セレン化カドミウム)、フォトダイオード(例えば、visible blind spectral regionやtrue blind spectral regionでピーク波長を有するPD)、フォトトランジスタ、光電子増倍管、光電管(真空、ガス封入)、IR(Infra-Red)検出器などがあるが、実施例はこれに限定されない。
【0220】
また、光検出器のような半導体素子は、一般的に光変換効率に優れた直接遷移半導体(direct bandgap semiconductor)を用いて作製され得る。または、光検出器は、構造が多様であり、最も一般的な構造としてはp-n接合を用いるpin型光検出器と、ショットキー接合(Schottky junction)を用いるショットキー型光検出器と、MSM(Metal Semiconductor Metal)型光検出器などがある。
【0221】
フォトダイオード(Photodiode)は、発光素子と同等に、上述した構造の第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含むことができ、pn接合またはpin構造からなる。フォトダイオードは、逆バイアスあるいはゼロバイアスを加えて動作するようになり、光がフォトダイオードに入射すると、電子と正孔が生成されて電流が流れる。このとき、電流の大きさは、フォトダイオードに入射する光の強度にほぼ比例し得る。
【0222】
光電池または太陽電池(solar cell)は、フォトダイオードの一種であって、光を電流に変換することができる。太陽電池は、発光素子と同様に、上述した構造の第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層を含むことができる。
【0223】
また、p-n接合を用いた一般的なダイオードの整流特性を通じて、電子回路の整流器に利用されてもよく、超高周波回路に適用されて発振回路などに適用され得る。
【0224】
また、上述した半導体素子は、必ずしも半導体のみで具現されるものではなく、場合によって金属物質をさらに含むこともできる。例えば、受光素子のような半導体素子は、Ag、Al、Au、In、Ga、N、Zn、Se、P、またはAsのうち少なくとも1つを用いて具現されてもよく、p型やn型ドーパントによってドープされた半導体物質や真性半導体物質を用いて具現されてもよい。
【0225】
以上、実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上に例示されていない様々な変形及び応用が可能であるということが理解されるであろう。例えば、実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施可能である。そして、このような変形及び応用に係る差異点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1
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