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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】アラーム作動装置
(51)【国際特許分類】
   G04B 23/02 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G04B23/02 Z
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020176256
(22)【出願日】2020-10-20
(65)【公開番号】P2021076595
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】10 2019 130 516.0
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506100185
【氏名又は名称】ランゲ ウーレン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ラインハルト ゴダー
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-159173(JP,A)
【文献】実開昭55-174182(JP,U)
【文献】特開昭56-77777(JP,A)
【文献】特開昭52-76060(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1396765(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 23/00-23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計用のアラーム作動装置であって、
・ムーブメントによって第1軸線(2)周りで回転駆動可能であると共に、第1軸(3)上に堅固に配置された駆動車(1)と、
・前記第1軸(3)上に摩擦係合的に配置されると共に、切り替え車(5)を前記第1軸線(2)に対して平行な第2軸線(9)周りで回転駆動可能とする分車(4)と、
・前記切り替え車(5)と相対回転不可能かつ同軸に接続されると共に、時車(7)を前記第1軸線(2)周りで又は前記第1軸線に対して平行な第3軸線周りで前記切り替え車(5)に比べてより小さな回転速度で回転駆動可能とする第1ピニオン(6)と、
・前記第1軸線(2)又は前記第3軸線に対して平行であり、前記時車(7)に対して向けられ、自由端面が前記時車(7)における同心の摺動円上に当接した時設定車(14)の第1カム(23)と、
・前記時車(7)における同心の摺動円上に形成されると共に、前記第1カム(23)が下降可能な切り欠き(24)と、
・前記第2軸線(9)に対して平行であり、前記切り替え車(5)に対して向けられ、前記第2軸線(9)周りで回転可能な切り替え設定車(15)に配置され、前記切り替え車(5)に対して平行に配置された同軸の部分円上に沿って延在するフラット(13)上にてばね負荷状態で支持可能な第2カム(17)と、
を備えるアラーム作動装置において、
前記フラット(13)が、落下縁(25)近傍の端部領域(26)にて、前記切り替え車(5)の回転方向とは逆方向に前記切り替え車(5)に向けて特定の傾斜角だけ傾斜するよう延在する共に、前記落下縁(25)で終端していることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアラーム作動装置であって、前記フラット(13)が、前記落下縁(25)近傍の前記端部領域(26)にて4°~15°の傾斜角だけ傾斜しつつ延在していることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアラーム作動装置であって、前記第2カム(17)が、前記落下縁(25)から下降する前に、前記第1カム(23)が、前記切り欠き(24)内に下降することを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のアラーム作動装置であって、前記時設定車(14)が、前記第1軸線(2)又は前記第3軸線周りで自由に回転可能であると共に、軸線方向に変位可能に配置されていることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のアラーム作動装置であって、前記時設定車(14)が、第2ピニオン(16)に係合し、該第2ピニオン(16)が、前記第2軸線(9)周りで自由に回転可能に配置され、前記切り替え車(15)と同軸かつ堅固に接続され、設定駆動部から手動で回転駆動可能であり、前記第2ピニオン(16)及び前記切り替え設定車(15)が、前記時設定車(14)と一緒に軸線方向に変位可能であり、前記切り替え設定車(15)が、前記切り替え車(5)に向けてばね負荷されることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のアラーム作動装置であって、前記切り替え設定車(15)が、堅固にクランプされた他端を有する付勢された板ばね(18)の自由端(19)により、前記切り替え車(5)に向けて負荷されることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項7】
請求項6に記載のアラーム作動装置であって、負荷ディスク(20)が、前記切り替え設定車(15)の前記切り替え車側に対して距離を有する状態で同軸かつ平行に前記切り替え設定車に接続され、前記付勢された板ばね(18)の前記自由端(19)が、前記負荷ディスク(20)に対して負荷されることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項8】
請求項7に記載のアラーム作動装置であって、前記板ばね(18)の前記自由端(19)が、前記切り替え設定車(15)の回転方向において、第2軸線(9)に対して半径方向に距離を有しつつ延在していることを特徴とするアラーム作動装置。
【請求項9】
請求項8に記載のアラーム作動装置であって、前記板ばね(18)が、その自由端(19)に対して平行に延在するばね舌(27)を有し、該ばね舌(27)の自由端が、前記切り替え設定車(15)の回転方向において、前記第2軸線(9)に対して半径方向に距離を有しつつ前記切り替え設定車(15)に付勢状態で摩擦係合的に当接していることを特徴とするアラーム作動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計用のアラーム作動装置に関し、ムーブメントによって第1軸線周りで回転駆動可能であると共に、第1軸上に堅固に配置された駆動車と、第1軸上に摩擦係合的に配置されると共に、切り替え車を第1軸線に対して平行な第2軸線周りで回転駆動可能とする分車と、切り替え車と相対回転不可能かつ同軸に接続されると共に、時車を第1軸線周りで切り替え車に比べてより小さな回転速度で回転駆動可能とする第1ピニオンと、第1軸線に対して平行であり、時車に対して向けられ、自由端面が時車における同心の摺動円上に当接した時設定車の第1カムと、時車における同心の摺動円上に形成されると共に、第1カムが下降可能な切り欠きと、第2軸線に対して平行であり、切り替え車に対して向けられ、第2軸線周りで回転可能な切り替え設定車に配置され、切り替え車に対して平行に配置された同軸の部分円上に沿って延在するフラット上にてばね負荷状態で支持可能な第2カムと、を備える。
【背景技術】
【0002】
時車(アワーホイール)よりも高速回転する複数の車との接触が生じるこのようなアラーム作動装置は、1個の車とのみ接触が生じるアラーム作動装置に比べてアラームが高精度であるという利点を有する。しかしながら、複数の車との接触が生じるアラーム作動装置は、ムーブメントから大きなエネルギーを必要とするため、ムーブメントがより大きなエネルギー需要を満たすよう構成されなくてはならないという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の課題は、冒頭に述べた形式のアラーム作動装置において、簡略的な構造を有しつつ、アラームが高精度であると共に、必要なエネルギーを低減可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するため、本発明に係る時計は、フラットが、落下縁近傍の端部領域にて、切り替え車の回転方向とは逆方向に切り替え車に向けて特定の傾斜角だけ傾斜するよう延在する共に、落下縁で終端していることを特徴とする。
【0005】
この構成により、第2カムは、切り替え車の回転中に、フラットの傾斜領域上で下方に向けて移動する。このプロセスは、ムーブメントに関して第2カムが傾斜面上を損失なく摺動できるよう、第2カムと傾斜フラットとの間の傾斜角及び摩擦条件によって調整可能である。そのためのエネルギーは、第2カムのばね負荷部から得ることができる。これにより、必要なエネルギーが低減され、従って時計の小型化を図ることも可能になる。
【0006】
切り替え車は、選択されたギア比に応じて、時車の3倍又は4倍の速度で回転することができる。切り替え車は、フラットの助けを借りることにより、アラーム時間をより正確に作動させるよう機能する。
【0007】
ばね負荷部は、より高速回転する切り替え車に接触する唯一のエネルギー蓄積部として機能し、正確なアラーム時間にとって決定的な切り替え設定車の固定部として機能し、更にはアラーム装置を強制的に作動させる手段として機能する。このように、精度が向上すると共に、ばね負荷に必要な力が低減し、従ってばね負荷力の蓄積中にムーブメントから得るエネルギー需要が低減する。
【0008】
フラットは、落下縁近傍の端部領域にて4°~15°、特に4°~8°の傾斜角だけ傾斜しつつ延在させることができる。
【0009】
第2カムが落下縁から下降する前に、第1カムが切り欠き内に下降可能であり、従ってアラーム作動装置の正確な作動は第2カムがフラットの落下縁から落下することで生じる。
【0010】
第1カムを時車の切り欠き内に下降させるために、単純な構成において、時設定車は、第1軸線又は第3軸線周りで自由に回転可能であると共に、軸線方向に変位可能に配置することができる。
【0011】
第2カムをフラットの落下縁で下降させるために、やはり単純な構成において、時設定車は、第2ピニオンに係合可能であり、その第2ピニオンは、第2軸線周りで自由に回転可能に配置され、切り替え車と同軸かつ堅固に接続され、設定駆動部から手動で回転駆動可能であり、第2ピニオン及び切り替え設定車は、時設定車と一緒に軸線方向に変位可能であり、切り替え設定車は、切り替え車に向けてばね負荷される。
【0012】
切り替え設定車を負荷する付勢力は、その切り替え設定車が、堅固にクランプされた他端を有する付勢された板ばねの自由端により、切り替え車に向けて負荷されることによって容易に生じる。
【0013】
この目的のために、負荷ディスクが、切り替え設定車の切り替え車側に対して距離を有する状態で同軸かつ平行に切り替え設定車に接続され、付勢された板ばねの自由端が、負荷ディスクに対して負荷されるよう構成することができる。この場合、板ばねの自由端は、切り替え設定車の回転方向において、第2軸線に対して半径方向に距離を有しつつ延在させることができる。
【0014】
この場合、板ばねがその自由端に対して平行に延在するばね舌を有し、そのばね舌の自由端が、切り替え設定車の回転方向において、第2軸線に対して半径方向に距離を有しつつ切り替え設定車に付勢状態で摩擦係合的に当接していれば、ばね舌の摩擦係合的な当接により、切り替え車の意図しない回転が回避される。
【0015】
フラットが第2カムを解放すると共に、付勢された板ばねに起因して切り替え設定車及び第2カムの下降移動が生じると、切り替え設定車は、弛緩する板ばねが下方に向けて移動するのみならず撓みが減少することに起因して左側にも僅かに移動し、その移動がばね舌との摩擦係合的な接続を介して切り替え車に伝達されてやはり僅かな回転を生じる。これにより、第2カムは、フラットの落下縁に擦れることなく下方に向けて自由に移動することができる。妨害を伴わないこの下降移動により、アラーム作動装置が作動する。
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】切り替え作動装置を、時計のアラーム表示部及びアラーム設定部を表さない状態で示す斜視図である。
図2図1における切り替え作動装置のピニオン及びフラットを有する切り替え車を示す拡大斜視図である。
図3図1における切り替え作動装置の切り替え車、切り替え設定車、並びに板ばねを示す拡大斜視図である。
図4図1における切り替え作動装置の時車及び第1カムを示す拡大斜視図である。
図5図1における切り替え作動装置を、アラーム表示部を表した状態で示す斜視図である。
図6図1における切り替え作動装置を、アラーム設定部を表した状態で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、アラーム作動装置をムーブメントの一部と共に示す。駆動車1は、ムーブメントの一部であると共に、バレル(図示せず)によって一時間毎に一度だけ第1軸線2周りで回転駆動される。駆動車1の第1軸3上には、分車4が摩擦係合的に取り付けられ、その分車4は、第1ピニオン6と堅固に接続されると共に第2軸線9周りで回転可能な切り替え車5を介して、第1軸線2周りで回転可能な時車7を駆動する。第1ピニオン6は、第1軸3に対して平行であると共に、第2軸線9周りで回転可能に支持された第2軸8上に堅固に取り付けられている。時車7は、第1軸線2と同軸の時管(アワーチューブ)10と堅固に接続され、その時管10上に時針11が取り付けられている。分針12は、第1軸3と堅固に接続され、従って分車4と堅固に接続されている。
【0019】
切り替え車5は、選択された歯車比に応じて、時車7の3倍又は4倍の速度で回転する。切り替え車5は、フラット13の助けを借りることにより、アラーム作動装置をより正確に作動させるよう機能する。
【0020】
第1軸線2周りで回転可能な時設定車(アワー設定車)14と、第2軸線9周りで回転可能なアラーム作動装置の切り替え設定車15とは、第2ピニオン16を介して、切り替え車5及び時車7と同じ歯車比で互いに結合されている。第2ピニオン16及び切り替え設定車15には、切り替え車5に対して向けられた第2カム17が堅固に配置されており、その第2カム17は、フラット13における同心の摺動円上を摺動する。フラットは、落下縁25で終端している。
【0021】
図6に示すように、設定軸21から設定ピニオン22を介して、切り替え設定車15及び時設定車14に所望のアラーム時間を設定することができる。
【0022】
時設定車14及び切り替え設定車15は、アラーム時間になると、付勢された板ばね18により、時車7又はフラット13に向けて下方に押圧される。時設定車14及び切り替え設定車15は、軸線方向に変位可能であると共に、一緒にのみ自らの位置を変えることができる。板ばね18の一端は、固定配置され、他方の自由端19は、第2ピニオン16に隣接して平行に配置された負荷ディスク20を負荷する。この負荷ディスク20は、第2ピニオン16と堅固に接続されると共に、第2カム17を保持している。
【0023】
時設定車14には、第1カム23が配置されており、その第1カム23は、時車7に対して向けられると共に、時車7における同心の摺動円上に沿って摺動する。第1カム23は、設定されたアラーム時間に達する直前に、時車7の摺動円領域に形成された切り欠き24に落下する。
【0024】
このとき、フラット13上における切り替え設定車15の第2カム17によってのみ、切り替え車5に対する切り替え設定車15の距離が維持されている。
【0025】
図2は、フラット13の形状を詳細に示す。フラット13は、落下縁25の前の端部領域26にて約6°の傾斜面として形成され、従って第2カム17は、切り替え車5の更なる回転中に傾斜面上を下方に向けて移動する。このプロセスは、ムーブメントに関して第2カム17が傾斜面上を損失なく摺動できるよう、第2カム17と平面との間の傾斜角及び摩擦条件によって調整可能である。そのためのエネルギーは、板ばね18から得ることができる。
【0026】
図3は、切り替え車5への作動を詳細に示す。この場合、アラーム作動装置は、作動直前の状態で表されている。第2カム17は、フラット13上に依然として部分的に残留している。第2カム17を有する負荷ディスク20の上方には、板ばね18が表されている。
【0027】
板ばね18は、その自由端19に対して平行に延在するばね舌27を有し、そのばね舌27の自由端は、切り替え設定車15の回転方向において、第2回転軸線9に対して半径方向に距離を有しつつ切り替え設定車15に付勢状態で摩擦係合的に当接している。ばね舌27により、切り替え設定車15の意図しない回転が回避される。ばね舌27により、切り替え設定車15との摩擦係合的な接続が生じる。
【0028】
フラット13が落下縁25にて第2カム17を解放すると共に、付勢された板ばね18に起因して下降移動が生じると、切り替え設定車15は、弛緩する板ばね18が下方に向けて移動するのみならず撓みが減少することに起因して左側にも僅かに移動し、その移動がばね舌27との摩擦係合的な接続を介して切り替え設定車15に伝達されてやはり僅かな回転を生じる。これにより、第2カム17は、フラット13の落下縁25に擦れることなく下方に向けて自由に移動することができる。妨害を伴わないこの下降移動により、アラーム装置(図示せず)が作動する。
【0029】
アラームが生じた後の板ばね18の付勢は、時車7によって行われる。図4は、この機能を示す。アラーム時間に達する直前に切り欠き24内に落下する時設定車14(図4では図示せず)の第1カム23は、切り欠き24の前に位置する端部領域に到達するようになっている。この構成においては、約1.5時間の間に時設定車14及び切り替え設定車15が持ち上げられ、従って板ばね18が付勢される。この間、切り替え車5は、歯車比に応じて、例えば180°だけ更に回転している。従って、第2カム17は、切り替え車5のフラット13上に到達する前に適切なタイミングで持ち上げられる。
【0030】
図5に示すように、設定されたアラーム時間は、中心から離れた位置にあるアラーム時針28及びアラーム分針29によって表示される。この場合、アラーム分針29の位置は、アラーム時間の設定にとって重要な切り替え設定車15の位置に基づく。この設定は、車30,31,32を介して行われる。時表示部の位置は、車33,34を介して時設定車14の位置に基づく。
【0031】
表示されているアラーム時間と実際のアラーム時間とを正確に一致させるために、アラーム時間の設定は、反時計回りにのみ行わなければならない。この場合、アラーム時間を正確に表示するためのアラーム分車29は、その固定軸線(図示せず)上に摩擦係合的に配置されている。これにより、車30,31,32のバックラッシュにかかわらず、切り替え設定車15の特定の位置がアラーム時間の表示に常に対応することが保証される。ばね舌27を有する板ばね18は、切り替え設定車15の回転を防止しているため、アラーム時間の精度がバックラッシュによる影響を受けることはもはやない。切り替え設定車15がばね板18で固定されず、設定装置内又はアラーム表示部内の摩擦によってのみ固定されている場合には、関連する各バックラッシュが実際のアラーム時間に影響を及ぼす可能性がある。
【0032】
図6は、アラーム時間の設定装置の一例を示す。アラーム時間は、設定ピニオン22を介した切り替え設定車15への係合により設定される。設定ピニオン22は、設定軸21上に自由に回転可能に支持された車33によって駆動される。力の伝達は、設定軸21の四角部36から、車33に対してばね(図示せず)で押圧されると共に軸線方向に変位可能な車34に向けて形状係合的に生じる。ばね力で互いに係合する車34及び車33の歯により、車33、従って切り替え設定車15は一方向にしか回転することができない。
【0033】
時刻を反時計回りに設定する場合、アラーム時間が誤って変更されないようにするために、所定の装置(図示せず)によって時設定車14及び切り替え設定車15をそれらの持ち上げ位置に移動させる必要がある。
【符号の説明】
【0034】
1 駆動車
2 第1軸線
3 第1軸
4 分車
5 切り替え車
6 第1ピニオン
7 時車
8 第2軸
9 第2軸線
10 時管
11 時針
12 分針
13 フラット
14 時設定車
15 切り替え設定車
16 第2ピニオン
17 第2カム
18 板ばね
19 自由端
20 負荷ディスク
21 設定軸
22 設定ピニオン
23 第1カム
24 切り欠き
25 落下縁
26 端部領域
27 ばね舌
28 アラーム時針
29 アラーム分針
30 車
31 車
32 車
33 車
34 車
36 四角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6