IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 武漢華星光電半導体顕示技術有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図1
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図2
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図3
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図4
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図5
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図6
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図7
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図8
  • 特許-TFT基板の製造方法及びTFT基板 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】TFT基板の製造方法及びTFT基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20220106BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20220106BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20220106BHJP
   H01L 27/12 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H01L29/78 627D
H01L29/78 618A
H01L29/78 626C
H01L29/78 627Z
H01L27/12 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020518621
(86)(22)【出願日】2017-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2017112507
(87)【国際公開番号】W WO2019075841
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-03-31
(31)【優先権主張番号】201710976235.8
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】梁 博
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-076729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/336
H01L 27/12
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TFT基板の製造方法であって、
シリコンウェハプレートを提供するステップと、
前記シリコンウェハプレート上にフォトレジスト材料をコーティングし、第1マスク構造に対応する位置の前記フォトレジスト材料が除去されるようにパターニング処理するステップと、
前記フォトレジスト材料がコーティングされる前記シリコンウェハプレートの一方側に前記フォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を形成し、前記フォトレジスト材料に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1マスク構造が形成されるように前記フォトレジスト材料を被覆する前記第1マスク層を除去するとともに、島状構造が形成されるように前記シリコンウェハプレートをプラズマエッチングするステップと、
前記シリコンウェハプレート上に第2マスク層を積層し、前記島状構造が形成されていない前記シリコンウェハプレートの領域における前記第2マスク層上のみに第1保護層を形成し、前記第1保護層を硬化処理するステップと、
前記第2マスク層に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1保護層から離間する前記島状構造の表面における前記第2マスク層を除去するステップと、
前記シリコンウェハプレート上に前記島状構造を覆う第2保護層を形成し、前記第2保護層を硬化処理するステップと、
前記島状構造をカットして層状のシリコンウェハサブプレートを形成するステップと、
前記TFT基板が形成されるように前記シリコンウェハサブプレートをフレキシブル基板上に接着するステップと、を含む、
TFT基板の製造方法。
【請求項2】
前記第1保護層を硬化処理するステップは、前記第1保護層を第1温度環境に置き、前記第1保護層が硬化されるように第1所定時間を維持することを含み、
前記第2保護層を硬化処理するステップは、前記第2保護層を第2温度環境に置き、前記第2保護層が硬化されるに第2所定時間を維持することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記島状構造をカットするステップは、前記島状構造及び前記第2保護層をカットして、前記シリコンウェハサブプレートを覆う第2保護層サブ層ることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記島状構造を覆う前記第2保護層をカットするカット方向は、前記シリコンウェハプレートの延在平面に平行する、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2保護層サブ層を前記フレキシブル基板上に転移させ、前記シリコンウェハサブプレートが露出されるように前記第2保護層サブ層をプラズマエッチングすることにより、前記TFT基板を形成する、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記TFT基板を第3温度環境に置き、第3所定時間を維持するステップをさらに含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
TFT基板の製造方法であって、
シリコンウェハプレートを提供するステップと、
前記シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにエッチング処理するステップと、
前記シリコンウェハプレート上に第2マスク層を積層し、前記島状構造が形成されていない前記シリコンウェハプレートの領域における前記第2マスク層上のみに第1保護層を形成し、前記第1保護層を硬化処理するステップと、
前記第2マスク層に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1保護層から離間する前記島状構造の表面における前記第2マスク層を除去するステップと、
前記シリコンウェハプレート上に前記島状構造を覆う第2保護層を形成し、前記第2保護層を硬化処理するステップと、
前記島状構造をカットして層状のシリコンウェハサブプレートを形成するステップと、
前記TFT基板が形成されるように前記シリコンウェハサブプレートをフレキシブル基板上に接着するステップと、を含む、
TFT基板の製造方法。
【請求項8】
前記シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成するステップは、
前記シリコンウェハプレート上にフォトレジスト材料をコーティングし、第1マスク構造に対応する位置の前記フォトレジスト材料が除去されるようにパターニング処理するステップと、
前記フォトレジスト材料がコーティングされる前記シリコンウェハプレートの一方側に前記フォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を形成し、前記フォトレジスト材料に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1マスク構造が形成されるように前記フォトレジスト材料を被覆する前記第1マスク層を除去するステップと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、エッチング処理するステップは、
前記島状構造が形成されるように前記シリコンウェハプレートをプラズマエッチングするステップを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1保護層を硬化処理するステップは、前記第1保護層を第1温度環境に置き、前記第1保護層が硬化されるように第1所定時間を維持することを含み、
前記第2保護層を硬化処理するステップは、前記第2保護層を第2温度環境に置き、前記第2保護層が硬化されるに第2所定時間を維持することを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記島状構造をカットするステップは、前記島状構造及び前記第2保護層をカットして前記シリコンウェハサブプレートを覆う第2保護層サブ層ることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記島状構造を覆う前記第2保護層をカットするカット方向は、前記シリコンウェハプレートの延在平面に平行する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2保護層サブ層を前記フレキシブル基板上に転移させ、前記シリコンウェハサブプレートが露出されるように前記第2保護層サブ層をプラズマエッチングすることにより、前記TFT基板を形成する、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記TFT基板を第3温度環境に置き、第3所定時間を維持するステップをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネル製造の技術分野に関し、特にTFT基板の製造方法及びTFT基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル表示パネルは、変形及び曲げ可能な表示装置である。フレキシブル表示パネルは、電子ペーパ、LCD、OLEDなどを含むことができる。ここでは、OLEDフレキシブル表示パネルは、低消費電力、薄型、巻き戻し可能などの特徴を有し、広く注目されている。
【0003】
OLEDフレキシブル表示パネルは、フレキシブル基板、OLED表示デバイス及びOLED表示デバイスに接続されるリードを含む。OLED表示デバイスは、対向するように設けられる陽極及び陰極と、陽極及び陰極間に設けられる機能層とを含む。OLED表示パネルの発光原理は、半導体材料及び有機発光材料が陰極及び陽極間の電界によって駆動され、キャリアの注入及び再結合によって発光することである。
【0004】
ポリイミド(PI)フレキシブル基板は、優れた曲げ性能及び耐熱性能を備えるフレキシブル基板であるため、OLEDフレキシブル表示パネルの基板として用いることができ
る。フレキシブル基板及びTFTデバイス膜層間の応力の不一致を低減し、複数回の曲げプロセスにおける安定性を向上させるために、フレキシブル基板を島状構造に設計することが考えられる。しかしながら、ポリイミドフレキシブル基板の島状構造を如何に実現するかは大きな難点である。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、本発明が主に解決する技術的問題は、基板上に島状構造を形成し、曲げプロセスにおける基板の安定性を向上させることができるTFT基板の製造方法及びTFT基板を提供することである。
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本発明に用いられる技術手段は、TFT基板の製造方法であって、シリコンウェハプレートを提供するステップと、シリコンウェハプレート上にフォトレジスト材料をコーティングし、第1マスク構造に対応する位置のフォトレジスト材料が除去されるようにパターニング処理するステップと、フォトレジスト材料がコーティングされるシリコンウェハプレートの一方側にフォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を形成し、フォトレジスト材料に対応するエッチング溶液を用いることにより、第1マスク構造が形成されるようにフォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を除去するとともに、島状構造が形成されるようにシリコンウェハプレートをプラズマエッチングするステップと、前記シリコンウェハプレート上に第2マスク層を積層し、前記島状構造が形成されていない前記シリコンウェハプレートの領域における前記第2マスク層上のみに第1保護層を形成し、前記第1保護層を硬化処理するステップと、前記第2マスク層に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1保護層から離間する前記島状構造の表面における前記第2マスク層を除去するステップと、前記シリコンウェハプレート上に前記島状構造を覆う第2保護層を形成し、前記第2保護層を硬化処理するステップと、前記島状構造をカットして層状のシリコンウェハサブプレートを形成するステップと、前記TFT基板が形成されるように前記シリコンウェハサブプレートをフレキシブル基板上に接着するステップと、を含む。
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本発明に用いられる別の技術手段は、TFT基板の製造方法であって、シリコンウェハプレートを提供するステップと、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにエッチング処理するステップと、前記シリコンウェハプレート上に第2マスク層を積層し、前記島状構造が形成されていない前記シリコンウェハプレートの領域における前記第2マスク層上のみに第1保護層を形成し、前記第1保護層を硬化処理するステップと、前記第2マスク層に対応するエッチング溶液を用いることにより、前記第1保護層から離間する前記島状構造の表面における前記第2マスク層を除去するステップと、前記シリコンウェハプレート上に前記島状構造を覆う第2保護層を形成し、前記第2保護層を硬化処理するステップと、前記島状構造をカットして層状のシリコンウェハサブプレートを形成するステップと、前記TFT基板が形成されるように前記シリコンウェハサブプレートをフレキシブル基板上に接着するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、それをマスキングとして、島状構造が形成されるようにエッチングした後、TFT基板が形成されるように島状構造を層ごとにカットして基板上に接着することにより、曲げプロセスにおける基板の安定性を向上させ、基板及びTFTデバイス膜層間の応力の不一致を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るTFT基板の製造方法の一実施例のフローチャートを示す概略図である。
図2】本発明に係るTFT基板の製造方法の他の実施例のフローチャートを示す概略図である。
図3】本発明に係る第1マスク構造の一実施例の構造を示す概略図である。
図4】本発明に係る島状構造の一実施例の構造を示す概略図である。
図5】本発明に係る第2マスク層及び第1保護層の一実施例の構造を示す概略図である。
図6】本発明に係る第2保護層の一実施例の構造を示す概略図である。
図7】本発明に係る第2保護層サブ層の一実施例の構造を示す概略図である。
図8】本発明に係るシリコンウェハサブプレートが接着された基板の一実施例の構造を示す概略図である。
図9】本発明に係るTFT基板の一実施例の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施例における図面を参照しながら本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。
【0012】
基板上に島状構造を形成することが困難であるという従来技術の技術的問題を解決するために、本実施例によれば、TFT基板の製造方法であって、シリコンウェハプレートを提供するステップと、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにエッチング処理するステップと、シリコンウェハサブプレートが形成されるように島状構造を層ごとにカットするステップと、TFT基板が形成されるようにシリコンウェハサブプレートを基板上に接着するステップと、を含むTFT基板の製造方法が提供される。以下では詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明に係るTFT基板の製造方法の一実施例のフローチャートを示す概略図である。
【0014】
S101では、シリコンウェハプレートを提供する。
【0015】
本実施例では、フレキシブル基板上に島状物を製造することを実現するために、シリコンウェハプレートを材料として、フレキシブル基板上に接着される島状物を製造する。もちろん、当業者に理解されるように、フレキシブル基板との良好なマッチング性能を備え、例えば、シリコンの同族元素など、シリコンウェハと同じ分子構造を有する材質は、いずれも本実施例における島状物を製造するための材料とすることができ、ここでは限定しない。
【0016】
S102では、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにエッチング処理する。
【0017】
本実施例では、金属層を第1マスク構造としてシリコンウェハプレート上に積層し、その後、シリコンウェハプレートをエッチングすることにより、島状構造を形成する。金属層はニッケルなどの金属であってもよい。
【0018】
S103では、シリコンウェハサブプレートが形成されるように島状構造を層ごとにカットする。
【0019】
本実施例では、シリコンウェハプレートをエッチング処理することにより島状構造を形成した後、TFT基板に必要な島状構造の大きさに応じて、基板における島状構造としてシリコンウェハサブプレートが得られるようにシリコンウェハプレートにおける島状構造を層ごとにカットする。
【0020】
S104では、TFT基板が形成されるようにシリコンウェハサブプレートを基板上に接着する。
【0021】
本実施例では、基板はポリイミド(PI)フレキシブル基板であってもよい。PIフレキシブル基板自体は一定の接着力を有し、シリコンウェハサブプレートをその上に接着することができる。PIフレキシブル基板自体の接着力によって、シリコンウェハサブプレートをPIフレキシブル基板に接着すた後続製造プロセスにおけるTFTデバイスは、シリコンウェハサブプレートを島状構造として、対応する製造プロセスを完了することにより、TFT基板を形成する。
【0022】
上記のとおりに、本発明によれば、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにそれをマスキングとしてエッチングした後、TFT基板が形成されるように島状構造を層ごとにカットして基板上に接着することにより、曲げプロセスにおける基板の安定性を向上させ、基板及びTFTデバイス膜層間の応力の不一致を低減することができる。
【0023】
図2は本発明に係るTFT基板の製造方法の他の実施例のフローチャートを示す概略図である。
【0024】
S201では、シリコンウェハプレートを提供する。
【0025】
本実施例では、フレキシブル基板上に島状物を製造することを実現するために、シリコンウェハプレートを材料として、フレキシブル基板上に接着される島状物を製造する。もちろん、当業者に理解されるように、フレキシブル基板との良好なマッチング性能を備え、例えば、シリコンの同族元素など、シリコンウェハと同じ分子構造を有する材質は、いずれも本実施例における島状物を製造するための材料とすることができ、ここでは限定しない。
【0026】
S202では、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造を形成し、島状構造が形成されるようにエッチング処理する。
【0027】
図3及び図4を参照して、本実施例では、シリコンウェハプレート300上にフォトレジスト材料をコーティングし、シリコンウェハプレート上に第1マスク構造301を形成する必要がある位置のフォトレジスト材料が除去されるようにパターニング処理し、他の位置のフォトレジスト材料は留保される。その後、フォトレジスト材料がコーティングされるシリコンウェハプレート300の一方側にシリコンウェハプレートの表面及びその上のフォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を形成し、シリコンウェハプレートの表面にコーティングされるフォトレジスト材料をエッチングすることができるエッチング溶液を用いることにより、フォトレジスト材料を被覆する第1マスク層を除去するとともに、フォトレジスト材料を被覆していない第1マスク層を残し、第1マスク構造301を形成する。シリコンウェハプレート300は、島状構造401が形成されるように第1マスク構造301をマスキングとしてプラズマエッチングされる。
【0028】
オプションとして、シリコンウェハプレート300上にコーティングされるフォトレジスト材料は、ポジ型フォトレジスト材料であってもよい。シリコンウェハプレート300に第1マスク構造を形成する必要がある位置は、シリコンウェハプレート300における他の位置よりも光透過率が大きく、一定時間露光した後、現像する。ポジ型フォトレジスト材料は、光による照射を受けて流動化され、エッチング溶液によって洗い流されるため、シリコンウェハプレート300に第1マスク構造301を形成する必要がある位置のフォトレジスト材料を除去する。もちろん、シリコンウェハプレート300上にコーティングされるフォトレジスト材料は、ネガ型フォトレジスト材料であってもよい。シリコンウェハプレート300に第1マスク構造301を形成する必要がある位置は、シリコンウェハプレート300における他の位置よりも光透過率が小さく、一定時間露光した後、現像する。ネガ型フォトレジスト材料は、光による照射を受けて硬化されるため、シリコンウェハプレート300に第1マスク構造301を形成する必要がある位置のフォトレジスト材料を除去する。また、本実施例では、フォトレジスト材料がネガ型フォトレジスト材料である場合、シリコンウェハプレート300に第1マスク構造301を形成する必要がある位置の光透過率が0%であり、シリコンウェハプレート300における他の位置のネガ型フォトレジスト材料が光による照射を受けて硬化された後、エッチング溶液によってシリコンウェハプレート300に第1マスク構造301を形成する必要がある位置のフォトレジスト材料を洗い流す。
【0029】
オプションとして、シリコンウェハプレート300の表面におけるフォトレジスト材料の露光時間は、形成される必要があるパターンの高さに応じて決定され、シリコンウェハプレート300の表面における、第1マスク構造301を形成する必要がある位置以外の他の位置の第1マスク層を除去することができることを満たす必要があり、いずれも本実施例に係るシリコンウェハプレートの表面におけるフォトレジスト材料の露光時間とすることができ、ここでは限定しない。
【0030】
オプションとして、シリコンウェハプレート300は、その表面に形成される第1マスク構造301をマスキングとして、シリコンウェハプレート300の表面に対してプラズマビームを放出することにより、必要な島状構造401が形成されるようにプラズマによってシリコンウェハプレート300に衝撃を与えることができる。
【0031】
オプションとして、第1マスク構造301はニッケルなどの金属元素であってもよい。もちろん、当業者に理解されるように、例えば、ニッケルの同族元素など、ニッケルの化学的及び物理的性質に類似する元素も、本実施例に係る第1マスク構造301とすることができ、ここでは限定しない。
【0032】
オプションとして、第1マスク構造301の厚さは100nmであってもよい。もちろん、当業者に理解されるように、第1マスク構造301の厚さは、シリコンウェハプレート300をプラズマエッチングするためのマスキング構造として足りることを満たすだけでよく、いずれも本実施例に係る第1マスク構造301の厚さとすることができ、ここでは限定しない。
【0033】
S203では、シリコンウェハプレート上に第2マスク層を積層し、第1保護層を形成する。
【0034】
図5を参照して、本実施例では、島状構造401が形成されているシリコンウェハプレート300の表面に第2マスク層501を積層し、島状構造401が形成されていないシリコンウェハプレート300の領域における第2マスク層501上に第1保護層502を形成し、第1保護層502を硬化処理する。
【0035】
オプションとして、第1保護層502を硬化処理することは、第1保護層502を第1温度環境に置き、第1保護層502が硬化されるように第1所定時間を維持することであってもよい。第1保護層502を定温で硬化させることにより、第2マスク層501における第1保護層502の付着力を強めることができる。第1温度は180℃であってもよく、第1所定時間は1minであってもよい。当業者に理解されるように、第1温度及び第1所定時間は、第1保護層502の厚さ及び面積に応じて決定され、第1保護層502を必要な硬度に到達させて、第2マスク層501との十分な付着力を提供することが意図される。したがって、上記第1温度及び第1所定時間は、論述のみを目的とし、これにより本実施例で説明された第1温度及び第1所定時間を限定するものではない。
【0036】
オプションとして、第1保護層502は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などであってもよい。島状構造401が形成されていないシリコンウェハプレート300の領域における第2マスク層501上に厚さ100nmのPMMAをコーティングすることにより、当該箇所の第2マスク層501をシリコンウェハプレート300に接着する。PMMAの厚さは、第2マスク層501とシリコンウェハプレート300との間に十分な接着力を提供するために用いられ、第2マスク層501の大きさ及び厚さに応じて決定される。また、当業者に理解されるように、第1保護層502は、接着力を有する他の化学コロイドであってもよく、その厚さは、シリコンウェハプレート300及び第2マスク層501との接着状況及び第2マスク層501の大きさ及び厚さに応じて決定される。
【0037】
オプションとして、島状構造401が形成されているシリコンウェハプレート300の表面には、PVDによって第2マスク層501を積層することができる。真空メッキ法、スパッタリング及びイオンメッキ法などのPVD積層方法によってシリコンウェハプレート300の表面に第2マスク層501を積層することができる。
【0038】
オプションとして、第2マスク層501は金属層であり、島状構造401が形成されていないシリコンウェハプレート300の領域に第2マスク層501を積層することにより、島状構造401の底部を第1保護層502から容易に離脱させることができる。もちろん、当業者に理解されるように、第2マスク層501は他の金属層であってもよく、島状構造401の底部を第1保護層502から容易に離脱させることができる限り、いずれも本実施例で説明された第2マスク層501とすることができ、ここでは限定しない。
【0039】
オプションとして、第2マスク層501の厚さは30nmであってもよい。もちろん、当業者に理解されるように、第2マスク層501の厚さは、島状構造401の底部を第1保護層502から容易に離脱させることができる限り、いずれも本実施例で説明された第2マスク層501の厚さとすることができ、ここでは限定しない。
【0040】
S204では、島状構造の表面における第2マスク層を除去し、島状構造を覆う第2保護層を形成する。
【0041】
図6を参照して、本実施例では、第2マスク層501に対応するエッチング溶液を用いて島状構造401の表面における第2マスク層501をエッチングする。島状構造401が形成されていないシリコンウェハプレート300の領域における第2マスク層501の表面に第1保護層502が被覆されているため、エッチング溶液によってエッチングされないので、第1保護層502の表面から離間する島状構造401の第2マスク層501のみがエッチング溶液によってエッチングされる。その後、シリコンウェハプレート300上に島状構造401を覆うように設けられる第2保護層601を形成し、第2保護層601を硬化処理する。
【0042】
オプションとして、第2保護層601を硬化処理することは、第2保護層601を第2温度環境に置き、第2保護層601が硬化されるように第2所定時間を維持することであってもよい。第2保護層601を定温で硬化させることにより、第2保護層601と島状構造401との付着力を強める。第2温度は80℃であってもよく、第2所定時間は4hであってもよい。当業者に理解されるように、第2温度及び第2所定時間は、第2保護層601の厚さ及び面積に応じて決定され、第2保護層601を必要な硬度に到達させて、島状構造401との十分な付着力を提供することが意図される。したがって、上記第2温度及び第2所定時間は、論述のみを目的とし、これにより本実施例で説明された第2温度及び第2所定時間を限定するものではない。
【0043】
S205では、シリコンウェハサブプレートを覆う第2保護層サブ層が得られるように島状構造及び第2保護層を層ごとにカットする。
【0044】
図7を参照して、本実施例では、第2保護層サブ層700が得られるように第2保護層601及びそれに被られる島状構造401を層ごとにカットする。第2保護層サブ層700は、島状構造401の数に対応するシリコンウェハサブプレート701を被り、後続TFT基板の表面における島状物の製造に用いられる。
【0045】
オプションとして、第2保護層601はエポキシ樹脂層などであってもよく、シリコンウェハサブプレート701を第2保護層601に被り、シリコンウェハサブプレート701間の距離Dが不変に保持されるように第2保護層601を硬化処理する。当業者に理解されるように、第2保護層601によって維持されるシリコンウェハサブプレート701間の距離Dは、TFT基板における島状物間の距離に対する要求に応じて決定され、ここでは限定しない。
【0046】
オプションとして、第2保護層601及びそれに被られる島状構造401に対するカット方向は、シリコンウェハプレート300の延在平面に平行する方向であってもよい。もちろん、当業者に理解されるように、第2保護層601及びそれに被られる島状構造401を一つずつカットすることができ、後続TFT基板の表面における島状物を製造するためのシリコンウェハサブプレート701を得ることが意図される。カット方法はここでは限定しない。また、第2保護層サブ層700の厚さは、後続TFT基板の表面における島状物の厚さに応じて決定され、製造プロセスの要求を満たす厚さの島状物を得ることが意図されるが、ここでは限定しない。
【0047】
オプションとして、第2保護層サブ層700が得られるように、ナノダイヤモンドカッタを用いて第2保護層601及びそれに被られる島状構造401を層ごとにカットすることができる。もちろん、当業者に理解されるように、第2保護層601及びそれに被られる島状構造401に対するカット方法は、レーザカットなどのナノスケールのカットツールであってもよい。したがって、上記カット方法は、論述のみを目的とし、これにより本実施例で説明されたカット方法を限定するものではない。
【0048】
S206では、第2保護層サブ層を基板上に接着し、シリコンウェハサブプレートが露出されるように第2保護層サブ層をプラズマエッチングすることにより、TFT基板を形成する。
【0049】
図8を参照して、本実施例では、TFT基板の製造に用いられる基板801は、それ自体が一定の粘度係数を有するポリイミド(PI)フレキシブル基板であってもよい。本実施例では、PIフレキシブル基板を例として説明するが、粘性係数を有するすべてのフレキシブル基板材質は、いずれも本実施例に係るTFT基板を製造するための基板801とすることができ、これにより本実施例に係るTFT基板を製造するための基板801の材料を限定するものではない。
【0050】
上記実施例から得られた第2保護層サブ層700を基板801上に接着し、シリコンウェハサブプレート701が露出されるように第2保護層サブ層700をプラズマエッチングする。プラズマエッチングにより基板801における第2保護層601を除去する。シリコンウェハサブプレート701を島状物として、TFT基板の表面における島状物の製造を完了する。また、基板801を第3温度環境に置き、第3所定時間を維持することにより基板801を定温処理し、基板801におけるシリコンウェハサブプレート701の接着力を強める。後続TFTデバイスは、シリコンウェハサブプレート701を島状物として、後続製造プロセスを完了することができる。
【0051】
オプションとして、第3温度は150℃であってもよく、第3所定時間は3minであってもよい。当業者に理解されるように、第3温度及び第3所定時間は、シリコンウェハサブプレート701の厚さ及び面積並びにシリコンウェハサブプレート701及び基板801間の接着能力に応じて決定され、シリコンウェハサブプレート701及び基板801間の接着力を必要な強度に到達させることが意図される。したがって、上記第3温度及び第3所定時間は、論述のみを目的とし、これにより本実施例で説明された第3温度及び第3所定時間を限定するものではない。
【0052】
以上により、本発明によれば、シリコンウェハプレートの表面における第1マスク構造により、島状構造が得られるようにエッチングするとともに、第2マスク層により、TFT基板の表面における島状物を製造するためのシリコンウェハサブプレートが得られるように島状構造に対する層ごとのカットを実現する。TFT基板が形成されるようにシリコンウェハサブプレートを基板上に接着する。島状物及びTFTデバイス膜層間のマッチングにより、曲げプロセスにおける基板の安定性を向上させ、基板及びTFTデバイス膜層間の応力の不一致を低減することができる。
【0053】
図9は本発明に係るTFT基板の一実施例の構造を示す概略図である。
【0054】
本実施例では、TFT基板900は、TFTデバイス膜層901及びTFT基板ベース902を含む。TFT基板900は、上記実施例で説明されたTFT基板の製造方法によって製造され、曲げプロセスにおけるTFT基板900のTFTデバイス膜層901及びTFT基板ベース902間の応力の不一致を低減し、曲げプロセスにおけるTFT基板900の安定性を向上させることができ、ここではこれ以上詳述しない。
【0055】
上記の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許範囲を制限するものではない。本発明の明細書及び図面の内容によってなされる同等の構造若しくは同等のプロセス変換、又は他の関連技術分野における直接的若しくは間接的な適用は、いずれも同様に本発明の特許保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9