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  • 特許-鉄鉱石のマイクロ波焼結方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】鉄鉱石のマイクロ波焼結方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 1/16 20060101AFI20220106BHJP
   C22B 1/212 20060101ALI20220106BHJP
   C22B 1/26 20060101ALI20220106BHJP
   F27B 3/08 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C22B1/16 B
C22B1/16 K
C22B1/212
C22B1/16 N
C22B1/26
F27B3/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020544203
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2018112043
(87)【国際公開番号】W WO2019174241
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】201810207218.2
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514216801
【氏名又は名称】バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオ, シャオミン
(72)【発明者】
【氏名】シオン, リン
(72)【発明者】
【氏名】チー, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジェン
(72)【発明者】
【氏名】シェン, ホンビャオ
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-505965(JP,A)
【文献】特開平11-106837(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101205570(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107385203(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/00-1/26
F27B 1/00-3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)鉄鉱石、フラックス、返鉱及び鉄含有固体廃棄物を所定された焼結鉱成分に応じて配合して、混合造粒した後に混合材ホッパーに送るステップと、
(2)ローラによる送給方式によって、床敷材が敷設された焼結台車に混合材ホッパーの混合材料を直接に装入するステップと、
(3)混合材料を満載した焼結台車を、第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンの順に通過させることで、混合材料が予熱、加熱、焼結及び冷却された後に焼結鉱を形成するステップと、
(4)破砕、篩分けの後、完成品の焼結鉱を得るステップと
を含み、
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンのうちの隣接する二つのゾーンの間は断熱材料で遮断される
ことを特徴とする鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項2】
ステップ(1)において、前記フラックスは石灰石、ドロマイト、生石灰及び蛇紋石のうちの少なくとも1種であり、生石灰の使用量の範囲は0~4%であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項3】
ステップ(1)において、前記混合造粒の方法は強力混合造粒/強力混合と円筒造粒/二段円筒混合造粒であり、且つ混合造粒後の混合材料の含水量は4~7.5%であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項4】
ステップ(2)において、前記床敷材は焼結鉱/鉄鉱石/焼結鉱と鉄鉱石との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項5】
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーンの熱源は第2の予熱ゾーンの熱い排煙を採用し、混合材料は第1の予熱ゾーンにおいて150~250℃まで予熱され、第2の予熱ゾーンの熱源は混合後のマイクロ波加熱ゾーン、第1の冷却ゾーン及び第2の冷却ゾーンからの熱い排煙を採用し、混合材料は第2の予熱ゾーンにおいて350~600℃まで予熱されることを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項6】
ステップ(3)において、前記マイクロ波加熱ゾーンとマイクロ波焼結ゾーンのマイクロ波発生器は上部と両側に均一に取り付けられ、マイクロ波加熱ゾーンは予熱された混合材料の温度をさらに1220~1350℃まで加熱し、マイクロ波焼結ゾーンは混合材料を1220~1350℃で5~10min保温することを特徴とする請求項1に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項7】
マイクロ波加熱ゾーンに第1の冷却ゾーンの熱い排煙を入れ、且つマイクロ波加熱ゾーンの排気負圧を第1の予熱ゾーン及び第2の予熱ゾーンより低くすることによって、フラックスの分解によるガスを排出することと、マイクロ波焼結ゾーンに入った混合材料層における酸素含有量が10%以上であることを保証することを特徴とする請求項に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項8】
ステップ(3)において、前記第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンはカスケード冷却を採用し、第1の冷却ゾーンの冷却ガスは50~80%の第2の冷却ゾーンの熱い排煙であり、第2の冷却ゾーンの冷却ガスは第3の冷却ゾーンの熱い排煙であることを特徴とする請求項に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項9】
ステップ(3)において、前記第3の冷却ゾーンの冷却ガスは除塵除湿後の第1の予熱ゾーンの排ガスを採用し、第3の冷却ゾーンを通過した焼結鉱の温度が150℃より大きい場合、補充された冷却ガスの一部は冷却効果を保証するために用いられることを特徴とする請求項に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【請求項10】
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーンの排煙は第3の冷却ゾーンの空気量の要求を満たした後、余分な排煙が除塵された後に外に排出されることを特徴とする請求項に記載の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焼結プロセスに関し、具体的に鉄鉱石のマイクロ波焼結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼業はエネルギー消費の「大手」であり、中国の鉄鋼業界のエネルギー消費は国内総エネルギー消費の約10%を占め、近年、中国の鉄鋼業界の急速な発展により大量のエネルギーが消費されただけでなく、環境に深刻なダメージも与えている。焼結工程は鉄鋼生産の重要な一環として、そのエネルギー消費が鉄鋼生産総エネルギー消費の約10%~15%を占め、焼結エネルギー消費の80%~90%は固体燃料消費と点火エネルギー消費であるため、大量のSO、NOx、CO及び発癌性物質であるダイオキシン等の汚染物が発生し、そのうち、SOの排出量が鉄鋼業全体の33%を占め、鉄鋼業の持続可能な発展を厳しく制限している。焼結過程の汚染物の排出を削減することは、当業者の重要な研究課題となり、現在、国内外で採用されている技術的方法は主に固体燃料の消費量の削減及び焼結排ガスの末端処理である。
【0003】
特許文献1は可燃性ガスを吹き付けて焼結する方法を開示し、焼結混合材料における炭素量を減らし、同時に焼結混合材料の表面の上方に可燃性ガスを吹き付けて添加することで、可燃性ガスが焼結混合材料の表面の上方の空気と混合して、低濃度の可燃性ガスを形成し、排気作用で低濃度の可燃性ガスが焼結混合材料に吸い込まれ、低濃度の可燃性ガスが焼結材料層において焼結反応に参加して、酸化されて放熱し、材料層に熱量を補充して、焼結鉱の固体燃費を低減して、二酸化炭素と二酸化硫黄、窒素酸化物の排出量を減少させる。特許文献2は活性炭による排煙脱硫及び再生装置と方法を開示し、該活性炭による排煙脱硫及び再生装置は塔本体と、塔本体内に設けられた幾つかの活性炭通路と、温度制御システムとを備える。焼結排煙における大部分の硫黄酸化物を除去するという目的を達成することができる。特許文献3が乾式脱硫の方法を開示し、該方法は、原排煙が反応塔に入り、脱硫吸収剤と相乗添加剤を反応塔に添加して、排煙と混合して反応させ、反応後に脱硫後の純粋な排煙を得て、排煙中の二酸化硫黄を顕著に除去して、全体の脱硫効率を向上させることができる。
【0004】
上記プロセスの改良と気体燃料の使用により、固体燃料の消費量をある程度低減することができ、それにより焼結汚染物質の排出を低減することができるが、減少幅が非常に限られている。現在、鉄鋼企業が使用している焼結排煙脱硫脱硝技術の装置の投資が比較的に大きく、ランニングコストが比較的に高く、同時に副産物を十分に利用することができないので、大量の堆積も深刻な環境汚染を引き起こす恐れがある。そのため、従来の焼結プロセスが生産過程で直面している問題に対し、固体・気体燃料の使用を回避できる斬新な焼結プロセスを採用する必要があり、これによって、焼結プロセスの排ガスや汚染物質の排出の問題を徹底的に解決して、焼結工程と鉄鋼生産の持続可能な発展を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許出願公開第201610590727.9号明細書
【文献】中国特許出願公開第201310437562.8号明細書
【文献】中国特許出願公開第201310325274.3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、マイクロ波による鉄鉱石の加熱と排煙の循環利用によって、焼結過程の排ガスと汚染物の排出をゼロに近いレベルまで低下させると同時に、焼結鉱の強度、歩留まり、平均粒度を向上させる鉄鉱石のマイクロ波焼結方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術案を採用する。
【0008】
(1)鉄鉱石、フラックス、返鉱及び鉄含有固体廃棄物を所定された焼結鉱成分に応じて配合して、混合造粒した後に混合材ホッパーに送るステップと、
(2)ローラによる送給方式によって、床敷材が敷設された焼結台車に混合材ホッパーの混合材料を直接に装入するステップと、
(3)混合材料を満載した焼結台車を、第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンの順に通過させることで、混合材料が予熱、加熱、焼結及び冷却された後に焼結鉱を形成するステップと、
(4)破砕、篩分けの後、完成品の焼結鉱を得るステップと
を含む鉄鉱石のマイクロ波焼結方法である。
【0009】
ステップ(1)において、前記フラックスは石灰石、ドロマイト、生石灰及び蛇紋石のうちの少なくとも1種であり、生石灰の使用量の範囲は0~4%である。
【0010】
ステップ(1)において、前記混合造粒の方法は強力混合造粒/強力混合と円筒造粒/二段円筒混合造粒であり、且つ混合造粒後の混合材料の含水量は4~7.5%である。
【0011】
ステップ(2)において、前記床敷材は焼結鉱/鉄鉱石/焼結鉱と鉄鉱石との混合物である。
【0012】
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンのうちの隣接する二つのゾーンの間は断熱材料で遮断される。
【0013】
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーンの熱源は第2の予熱ゾーンの熱い排煙を採用し、混合材料は第1の予熱ゾーンにおいて150~250℃まで予熱され、第2の予熱ゾーンの熱源は混合後のマイクロ波加熱ゾーン、第1の冷却ゾーン及び第2の冷却ゾーンからの熱い排煙を採用し、混合材料は第2の予熱ゾーンにおいて350~600℃まで予熱される。
【0014】
ステップ(3)において、前記マイクロ波加熱ゾーンとマイクロ波焼結ゾーンのマイクロ波発生器は上部と両側に均一に取り付けられ、マイクロ波加熱ゾーンは予熱された混合材料の温度をさらに1220~1350℃まで加熱し、マイクロ波焼結ゾーンは混合材料を1220~1350℃で5~10min保温する。
【0015】
マイクロ波加熱ゾーンに第1の冷却ゾーンの熱い排煙を入れ、且つマイクロ波加熱ゾーンの排気負圧を第1の予熱ゾーン及び第2の予熱ゾーンより低くすることによって、フラックスの分解によるガスを排出することと、マイクロ波焼結ゾーンに入った混合材料層における酸素含有量が10%以上であることを保証する。
【0016】
ステップ(3)において、前記第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンはカスケード冷却を採用し、第1の冷却ゾーンの冷却ガスは50~80%の第2の冷却ゾーンの熱い排煙であり、第2の冷却ゾーンの冷却ガスは第3の冷却ゾーンの熱い排煙である。
【0017】
ステップ(3)において、前記第3の冷却ゾーンの冷却ガスは除塵除湿後の第1の予熱ゾーンの排ガスを採用し、第3の冷却ゾーンを通過した焼結鉱の温度が150℃より大きい場合、補充された冷却ガスの一部は冷却効果を保証するために用いられる。
【0018】
ステップ(3)において、前記第1の予熱ゾーンの排煙は第3の冷却ゾーンの空気量の要求を満たした後、余分な排煙が除塵された後に外に排出される。
【0019】
本発明の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法によれば、以下のメリットがある。
1.固体燃料を使用せず、焼結過程における大部分の排煙の循環利用を実現することができるため、焼結過程の排ガスと汚染物質の排出をゼロに近いレベルまで低下させることができる。
2.均熱焼結を実現することができ、エネルギー利用効率を向上させ、焼結のエネルギー消費を著しく低下させることができる。
3.焼結鉱成分、構造の均一性を向上させて、カルシウムフェライトの形成を促進することができ、焼結鉱の強度、歩留まり及び平均粒度を向上させることができる。
4.混合材料の造粒効果に対する要求を下げて、偏析による原料装入装置を使用せず、造粒や原料装入のプロセスを簡素化し、生石灰及び水の使用量を減少させ、設備投資及びランニングコストを低減させることができる。
5.焼結点火装置を必要としないため、ガス燃料を使用せず、且つ点火過程におけるサーマルNOxの生成を防ぐことができる。
【0020】
以下は図面及び具体的な実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法の原理図である。図面における図面番号の意味は以下のとおりである。混合造粒装置1、床敷材ホッパー2、混合材ホッパー3、気体混合器4、酸素検出装置5、ファン6、第2の冷却ゾーンの送風機7、第3の冷却ゾーンの送風機8、サイクロン式除塵脱湿機9、第1の冷却ゾーンの送風機10、第2の予熱ゾーンの排気機11、外部への排ガス用除塵機12、外部への排ガス用排気機13、マイクロ波加熱ゾーンの排気機14。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示すように、本発明の鉄鉱石のマイクロ波焼結方法は、
(1)鉄鉱石、フラックス、返鉱及び鉄含有固体廃棄物を所定された焼結鉱成分に応じて配合して、混合造粒装置1によって混合造粒した後に混合材ホッパー3に送るステップと、
(2)ローラによる送給方式によって、5~10mmの床敷材が敷設された焼結台車に混合材ホッパーの混合材料を直接に装入するステップと、
(3)混合材料を満載した焼結台車を、設定された移動速度に従って第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンの順に通過させることで、混合材料が予熱、加熱、焼結及び冷却された後に焼結鉱を形成するステップと、
(4)破砕、篩分けの後、完成品の焼結鉱を得るステップと
を含む。
【0023】
上記ステップ(3)における排煙の循環利用のプロセスは以下のとおりである。第1の予熱ゾーンの大部分の排煙と補充された空気はサイクロン式除塵除湿器9で除塵除湿されて混合された後に送風機8を介して第3の冷却ゾーンに送風される。第3の冷却ゾーンの熱い排煙は送風機7を介して第2の冷却ゾーンに送風される。第2の冷却ゾーンの熱い排煙は2つの通路に分流され、一方は送風機10を介して第1の冷却ゾーンに送風され、他方はファン6を介して気体混合器4に送られる。第1の冷却ゾーンの熱い排煙も2つの通路に分流され、一方は直接に気体混合器4に送られ、他方はマイクロ波加熱ゾーンに送られ、マイクロ波加熱ゾーンの熱い排煙は排気機14を介して気体混合器4に送られる。マイクロ波焼結ゾーンの酸素検出装置5で測定した酸素含有量が10%未満である場合、マイクロ波加熱ゾーンに送られる第1の冷却ゾーンの熱い排煙の割合を増やす。第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及びマイクロ波加熱ゾーンからの熱い排煙は気体混合器4で混合された後に第2の予熱ゾーンに送られる。第2の予熱ゾーンの熱い排煙は排気機11を介して第1の予熱ゾーンに送られ、第1の予熱ゾーンの排煙は第3の冷却ゾーンの空気量の要求を満たした後、余分な排煙が排気機13を介して除塵機12に送られて、除塵された後に外に排出される。
【0024】
上記床敷材の粒度の範囲は5~10mmである。
【0025】
上記フラックスは石灰石、ドロマイト、生石灰及び蛇紋石のうちの少なくとも1種であり、生石灰の使用量の範囲は0~4%である。
【0026】
上記混合造粒の方法は強力混合造粒/強力混合+円筒造粒/二段円筒混合造粒である。前記混合造粒後の混合材料の含水量は4~7.5%である。
【0027】
上記ローラと焼結台車との間には偏析装置がない。前記床敷材は焼結鉱/鉄鉱石/焼結鉱と鉄鉱石との混合物である。
【0028】
上記第1の予熱ゾーン、第2の予熱ゾーン、マイクロ波加熱ゾーン、マイクロ波焼結ゾーン、第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーンと第3の冷却ゾーンのうちの隣接する二つのゾーンの間は断熱材料で遮断される。
【0029】
上記第1の予熱ゾーンの熱源は第2の予熱ゾーンの熱い排煙であり、混合材料は第1の予熱ゾーンにおいて150~250℃まで予熱される。第2の予熱ゾーンの熱源は、マイクロ波加熱ゾーンからの熱い排煙と、90~98%の第1の冷却ゾーンからの熱い排煙と、20~50%の第2の冷却ゾーンからの熱い排煙とが混合されたものであり、混合材料は第2の予熱ゾーンにおいて350~600℃まで予熱される。
【0030】
上記マイクロ波加熱ゾーンとマイクロ波焼結ゾーンのマイクロ波発生器は上部と両側に均一に取り付けられ、マイクロ波加熱ゾーンは予熱された混合材料の温度をさらに1220~1350℃まで加熱し、マイクロ波焼結ゾーンは混合材料を1220~1350℃で5~10min保温する。マイクロ波加熱ゾーンに2~10%の第1の冷却ゾーンからの熱い排煙が送られ、且つマイクロ波加熱ゾーンの排気負圧が第1の予熱ゾーン及び第2の予熱ゾーンより低いことにより、フラックスの分解によるガスが排出されることと、マイクロ波焼結ゾーンに入った混合材料層における酸素含有量が10%以上であることを保証する。
【0031】
上記の第1の冷却ゾーン、第2の冷却ゾーン及び第3の冷却ゾーンはカスケード冷却を採用し、第1の冷却ゾーンの冷却ガスは50~80%の第2の冷却ゾーンの熱い排煙であり、第2の冷却ゾーンの冷却ガスは第3の冷却ゾーンの熱い排煙である。
【0032】
上記第3の冷却ゾーンの冷却ガスは除塵除湿後の第1の予熱ゾーンの排ガスであり、第3の冷却ゾーンを通過した後の焼結鉱の温度が150℃より大きい場合、補充された冷却ガスの一部が冷却効果を保証するために用いられる。
【0033】
以下は実施例を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0034】
実施例のパラメータ設定は表1に示す通りである。
【0035】
【表1】
【0036】
表1に記載の実施例のパラメータによる実施結果は表2に示されている。実施例1の技術案を採用する場合、比較例に比べて、その歩留まり、ドラム強度、平均粒度及びカルシウムフェライト含有量はそれぞれ1.65%、1.58%、2.64%及び8.31%向上し、排ガスの外部への排出量が100%減少する。実施例2の技術案を採用する場合、比較例に比べ、その歩留まり、ドラム強度、平均粒度及びカルシウムフェライト含有量はそれぞれ6.86%、4.91%、13.55%及び26.49%向上し、排出ガスの量が99.38%減少する。
【0037】
【表2】
【0038】
なお、当業者は、以上の実施例が本発明を説明するためものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の実質的な精神を逸脱しない範囲で、前記実施例の変更、変形のいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれることを認識すべきである。
図1