(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】広告制御装置、及び広告制御システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220106BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
(21)【出願番号】P 2021143048
(22)【出願日】2021-09-02
(62)【分割の表示】P 2018149342の分割
【原出願日】2018-08-08
【審査請求日】2021-09-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】竹森 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】溝口 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】本間 輝彰
(72)【発明者】
【氏名】古坂 麻衣子
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-098598(JP,A)
【文献】特開2014-149633(JP,A)
【文献】特開2010-176648(JP,A)
【文献】特開2018-028729(JP,A)
【文献】特開2013-161360(JP,A)
【文献】特開2016-157178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得したユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記特性情報取得部が取得した前記特性情報に関連付けられた広告種別を決定する広告種別決定部と、
前記サイネージ識別情報で特定される前記デジタルサイネージに前記広告種別決定部が決定した前記広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる出力制御部と、
を備える広告制御装置。
【請求項2】
前記識別情報取得部は、前記デジタルサイネージに関連付けられた通信部が送信した前記サイネージ識別情報を受信した前記通信端末から、当該通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該通信端末が受信した前記サイネージ識別情報とを関連付けて取得する、
請求項1に記載の広告制御装置。
【請求項3】
前記識別情報取得部は、前記通信端末が送信した前記ユーザ識別情報を受信した前記デジタルサイネージに関連付けられた通信部から、当該デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、当該通信部が受信した前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得する、
請求項1に記載の広告制御装置。
【請求項4】
ユーザ識別情報とサイネージ識別情報とを関連付けて記憶する識別情報データベースを参照し、サイネージ識別情報に関連付けて取得されたユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けて前記サイネージ識別情報と異なるサイネージ識別情報が取得されたことに基づいて、前記サイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージと、前記サイネージ識別情報と異なるサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージとの隣接関係を特定する特定部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記隣接関係に基づいて前記広告コンテンツを出力させる前記デジタルサイネージに隣接するデジタルサイネージのサイネージ識別情報を特定し、
前記出力制御部は、前記特定部が特定したサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させる、
請求項4に記載の広告制御装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記識別情報取得部が二つのサイネージ識別情報それぞれに同一のユーザ識別情報を関連付けて取得した場合、前記同一のユーザ識別情報に関連付けて取得された前記二つのサイネージ識別情報のうち、取得された順序が後のサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに隣接し、かつ取得された順序が前のサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージと異なるデジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報を特定し、
前記出力制御部は、前記特定部が特定したサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させる、
請求項4又は5に記載の広告制御装置。
【請求項7】
前記特定部は、隣接関係を特定した隣接する二つのデジタルサイネージについて、前記二つのデジタルサイネージそれぞれを特定するためのサイネージ識別情報それぞれに同一のユーザ識別情報が関連付けて取得された時刻に基づいて、前記隣接する二つのデジタルサイネージのうち、一方のデジタルサイネージのサイネージ識別情報を取得してから、もう一方のデジタルサイネージのサイネージ識別情報を取得するまでの時間を特定し、
前記出力制御部は、前記隣接する二つのデジタルサイネージのうち、前記一方のデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させた後、前記時間に基づいて前記もう一方のデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させる、
請求項4から6のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【請求項8】
前記デジタルサイネージに出力させる前記広告コンテンツに関連付けられた関連情報として前記広告コンテンツにより広告される商品又はサービスを販売する商店の住所又は周辺の地図を取得し、前記通信端末の位置を取得し、前記位置から前記商店までの経路を特定する関連情報取得部をさらに備え、
前記出力制御部は、前記広告コンテンツを出力させた前記デジタルサイネージを特定するための前記サイネージ識別情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの前記通信端末に、特定された前記経路を出力させる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【請求項9】
前記識別情報取得部は、前記デジタルサイネージに設けられた通信部と前記通信端末とが近距離無線通信を用いて直接通信することを契機として、前記サイネージ識別情報と、前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【請求項10】
前記特性情報取得部は、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性として前記ユーザが興味を示す物事を示す前記特性情報とを関連付けて記憶する特性情報データベースを参照して、前記識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に関連付けられた前記特性情報を取得する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【請求項11】
デジタルサイネージと、通信端末と、広告制御装置とを備え、
前記通信端末は、前記デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、前記通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて前記広告制御装置に送信し、
前記広告制御装置は、
前記通信端末から、前記サイネージ識別情報と、前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報に関連付けられた、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記特性情報取得部が取得した特性情報に関連付けられた広告種別を決定する広告種別決定部と、
前記サイネージ識別情報で特定される前記デジタルサイネージに前記広告種別決定部が決定した前記広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる出力制御部と、
を有する広告制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告制御装置、及び広告制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルサイネージに対して、広告のコンテンツデータを、インターネット等のネットワーク上のデータ管理サーバを介して配信して、広告を表示させるとともに、配信するコンテンツデータを変更する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルサイネージの近くのユーザが興味を示さない広告を表示させた場合、広告の効果が低減してしまう。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、デジタルサイネージの広告の効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得したユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報を取得する特性情報取得部と、前記特性情報取得部が取得した前記特性情報に関連付けられた広告種別を決定する広告種別決定部と、前記サイネージ識別情報で特定される前記デジタルサイネージに前記広告種別決定部が決定した前記広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる出力制御部と、を備える広告制御装置を提供する。
【0007】
前記識別情報取得部は、前記デジタルサイネージに関連付けられた通信部が送信した前記サイネージ識別情報を受信した前記通信端末から、当該通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該通信端末が受信した前記サイネージ識別情報とを関連付けて取得してもよい。
【0008】
前記識別情報取得部は、前記通信端末が送信した前記ユーザ識別情報を受信した前記デジタルサイネージに関連付けられた通信部から、当該デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、当該通信部が受信した前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得してもよい。
【0009】
前記広告制御装置は、ユーザ識別情報とサイネージ識別情報とを関連付けて記憶する識別情報データベースを参照し、サイネージ識別情報に関連付けて取得されたユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報に関連付けて前記サイネージ識別情報と異なるサイネージ識別情報が取得されたことに基づいて、前記サイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージと、前記サイネージ識別情報と異なるサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージとの隣接関係を特定する特定部をさらに備えていてもよい。
【0010】
前記特定部は、前記隣接関係に基づいて前記広告コンテンツを出力させる前記デジタルサイネージに隣接するデジタルサイネージのサイネージ識別情報を特定し、前記出力制御部は、前記特定部が特定したサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させてもよい。
【0011】
前記特定部は、前記識別情報取得部が二つのサイネージ識別情報それぞれに同一のユーザ識別情報を関連付けて取得した場合、前記同一のユーザ識別情報に関連付けて取得された前記二つのサイネージ識別情報のうち、取得された順序が後のサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに隣接し、かつ取得された順序が前のサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージと異なるデジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報を特定し、前記出力制御部は、前記特定部が特定したサイネージ識別情報で特定されるデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させてもよい。
【0012】
前記特定部は、隣接関係を特定した隣接する二つのデジタルサイネージについて、前記二つのデジタルサイネージそれぞれを特定するためのサイネージ識別情報それぞれに同一のユーザ識別情報が関連付けて取得された時刻に基づいて、前記隣接する二つのデジタルサイネージのうち、一方のデジタルサイネージのサイネージ識別情報を取得してから、もう一方のデジタルサイネージのサイネージ識別情報を取得するまでの時間を特定し、前記出力制御部は、前記隣接する二つのデジタルサイネージのうち、前記一方のデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させた後、前記時間に基づいて前記もう一方のデジタルサイネージに前記広告コンテンツを出力させてもよい。
【0013】
前記広告制御装置は、前記デジタルサイネージに出力させる前記広告コンテンツに関連付けられた関連情報として前記広告コンテンツにより広告される商品又はサービスを販売する商店の住所又は周辺の地図を取得し、前記通信端末の位置を取得し、前記位置から前記商店までの経路を特定する関連情報取得部をさらに備え、前記出力制御部は、前記広告コンテンツを出力させた前記デジタルサイネージを特定するための前記サイネージ識別情報に関連付けられた前記ユーザ識別情報で識別されるユーザの前記通信端末に、特定された前記経路を出力させてもよい。
【0014】
前記識別情報取得部は、前記デジタルサイネージに設けられた通信部と前記通信端末とが近距離無線通信を用いて直接通信することを契機として、前記サイネージ識別情報と、前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得してもよい。
【0015】
前記特性情報取得部は、前記ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性として前記ユーザが興味を示す物事を示す前記特性情報とを関連付けて記憶する特性情報データベースを参照して、前記識別情報取得部が取得したユーザ識別情報に関連付けられた前記特性情報を取得してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様においては、デジタルサイネージと、通信端末と、広告制御装置とを備え、前記通信端末は、前記デジタルサイネージを特定するためのサイネージ識別情報と、前記通信端末のユーザを識別するためのユーザ識別情報とを関連付けて前記広告制御装置に送信し、前記広告制御装置は、前記通信端末から、前記サイネージ識別情報と、前記ユーザ識別情報とを関連付けて取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報に関連付けられた、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報を取得する特性情報取得部と、前記特性情報取得部が取得した特性情報に関連付けられた広告種別を決定する広告種別決定部と、前記サイネージ識別情報で特定される前記デジタルサイネージに前記広告種別決定部が決定した前記広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる出力制御部と、を有する広告制御システムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、デジタルサイネージの広告の効果を高められるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施の形態の概要を説明するための図である。
【
図2】デジタルサイネージの機能構成を示す図である。
【
図4】広告コンテンツをデジタルサイネージに出力させる処理のシーケンス図である。
【
図5】特性情報データベースに記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図6】広告種別データベースに記憶されている情報の一例を示す図である。
【
図8】隣接リストに基づいて生成される隣接グラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、実施の形態の概要を説明するための図である。広告制御システムSは、広告制御装置1と、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とを備える。広告制御システムSは、デジタルサイネージ2が出力する広告を制御するシステムである。
【0020】
広告制御装置1は、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とインターネットや電話回線等の通信ネットワークを介して接続され、情報を送受信できる。広告制御装置1は、他の装置から情報を取得して、デジタルサイネージ2に出力させる広告を管理する。
【0021】
デジタルサイネージ2は情報・広告媒体である。デジタルサイネージ2は、例えば、駅又は空港等の公共施設、地下道、商店、又はビルの壁面等に設置され、画像又は文字を表示する表示部を備える。デジタルサイネージ2は、デジタルサイネージ2を特定するためのサイネージ識別情報(以下、サイネージIDという)を送信する通信部と関連付けられている。本実施の形態においては、デジタルサイネージ2が通信部を備えるものとするが、これに限らず、通信部がデジタルサイネージ2と異なる位置に設置されていてもよい。
【0022】
通信端末3は、例えば、ユーザが所持するスマートフォン等のコンピュータである。通信端末3は、広告制御装置1と、デジタルサイネージ2とのそれぞれと情報を送受信することができる。例えば、通信端末3は、広告制御装置1と携帯電話網の基地局を介して情報を送受信する。通信端末3は、デジタルサイネージ2と近距離無線通信を用いて直接情報を送受信する。近距離無線通信は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はLPWA(Low Power Wide Area)通信である。
【0023】
特性情報データベース4は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報とを関連付けて記憶するデータベースである。特性情報は、ユーザが興味を示す物事を示す情報である。ユーザが興味を示す物事を示す情報は、ユーザの好む物事を示す嗜好情報である。広告制御装置1は、ユーザIDに関連付けて、ユーザIDで特定されるユーザの属性情報と、ユーザの行動履歴とを記憶し、ユーザの属性情報とユーザの行動履歴とに基づいて、ユーザIDごとに嗜好情報を定める。ユーザの属性情報は、例えば年齢、性別、職業、住所である。ユーザの行動履歴は、例えば、商品またはサービスの購買履歴、アクセスしたサイトの履歴である。嗜好情報は、例えば、酒、化粧品、スポーツ等である。
【0024】
広告種別データベース5は、特性情報と、広告の種別を示す広告種別とを関連付けて記憶するデータベースである。広告種別は、広告対象を分類する分類情報である。分類情報は、商品又はサービスの種類を示す種類情報である。種類情報は、例えば、酒、化粧品、スポーツ用品等である。なお、広告制御装置1は、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とを含んでいてもよい。
【0025】
デジタルサイネージ2の通信部は、近距離無線通信を用いて通信端末3に対してサイネージIDを送信する。通信端末3は、通信部から送信されたサイネージIDを受信する(
図1の(1))。通信端末3は、サイネージIDを受信すると、受信したサイネージIDと、通信部と通信した通信端末3のユーザを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザIDという)とを関連付けて、広告制御装置1に送信する。
【0026】
広告制御装置1は、デジタルサイネージ2の通信部からサイネージIDを受信した通信端末3からユーザIDとサイネージIDとを関連付けて取得する(
図1の(2))。広告制御装置1は、特性情報データベース4を参照して、ユーザIDに関連付けられた特性情報を取得する(
図1の(3))。広告制御装置1は、広告種別データベース5を参照して、特性情報に関連付けられた広告種別を決定する(
図1の(4))。広告制御装置1は、取得したサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に、決定した広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる(
図1の(5))。広告コンテンツは、例えば、広告対象を広告するための動画、又は静止画である。
【0027】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2と通信した通信端末3から取得したユーザIDで識別されるユーザが興味を示す物事を示す特性情報に関連付けられた広告種別に対応する広告コンテンツを、当該デジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが興味を示す物事を広告する広告コンテンツをデジタルサイネージ2に表示させることができるので、当該デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0028】
[デジタルサイネージ2の機能構成]
図2は、デジタルサイネージ2の機能構成を示す図である。デジタルサイネージ2は、通信部21と、表示部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。通信部21は、通信端末3と、広告制御装置1と情報を送受信するための通信インターフェースである。具体的には、通信部21は、LAN(Local Area Network)モジュールと、近距離無線通信用の通信モジュールとを備える。通信部21は、LANモジュールを介して広告制御装置1と情報を送受信し、近距離無線通信用の通信モジュールを介して通信端末3と情報を送受信する。
【0029】
表示部22は、例えば液晶ディスプレイである。表示部22は、制御部24の制御に基づいて広告コンテンツを表示する。記憶部23は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶する。記憶部23は、広告種別に対応する広告コンテンツを記憶してもよい。
【0030】
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、デジタルサイネージの各機能構成部を制御する機能を実現する。制御部24は、通信部21にサイネージIDを通信端末3に送信させる。制御部24は、通信部21を介して広告制御装置1から広告種別を示す情報、又は広告コンテンツを取得する。
【0031】
[広告制御装置1の機能構成]
図3は、広告制御装置1の機能構成を示す図である。広告制御装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5と、情報を送受信するための通信インターフェースである。通信部11は、例えば、LANモジュールを備える。記憶部12は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。
【0032】
制御部24は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、識別情報取得部131、特性情報取得部132、広告種別決定部133、出力制御部134、関連情報取得部135及び特定部136としての機能を実現する。
【0033】
[広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理]
図4を参照しながら、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理の流れを説明する。
図4は、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理のシーケンス図である。
【0034】
まず、デジタルサイネージ2は、サイネージIDを通信端末3に送信する(ステップS1)。通信端末3は、デジタルサイネージ2からサイネージIDを受信すると、受信したサイネージIDに、通信端末3のユーザを識別するためのユーザIDを関連付けて広告制御装置1に送信する(ステップS2)。
【0035】
広告制御装置1の識別情報取得部131は、通信部21が送信したサイネージIDを受信した通信端末3から、当該通信端末3のユーザを識別するためのユーザIDと、当該通信端末3が受信したサイネージIDとを関連付けて取得する。
【0036】
特性情報取得部132は、特性情報データベース4を参照して、識別情報取得部131が取得したユーザIDに関連付けられた特性情報を取得する(ステップS3)。
図5は、特性情報データベース4に記憶されている情報の一例を示す図である。
図5に示すように、特性情報データベース4には、ユーザIDと、特性情報とが関連付けて記憶されている。
【0037】
続いて、広告種別決定部133は、広告種別データベース5を参照して、特性情報取得部132が取得した特性情報に関連付けられた広告種別を決定する(ステップS4)。
図6は、広告種別データベース5に記憶されている情報の一例を示す図である。
図6に示すように、広告種別データベース5には、特性情報と広告種別とが関連付けて記憶されている。
【0038】
出力制御部134は、広告種別決定部133が決定した広告種別に対応する広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる。例えば、出力制御部134は、広告種別により分類される広告対象を広告するための広告コンテンツを出力させる。具体的には、出力制御部134は、識別情報取得部131がユーザID「U001」を取得し、特性情報取得部132が「U001」に関連付けられた特性情報「酒」を取得し、広告種別決定部133が特性情報「酒」に関連付けられた広告種別「酒」を決定した場合、広告種別「酒」を広告するための広告コンテンツを出力させる。
【0039】
出力制御部134は、デジタルサイネージ2の記憶部23が広告種別に対応する広告コンテンツを記憶している場合、広告種別を送信する(ステップS5)。デジタルサイネージ2は、広告制御装置1から広告種別を受信すると、記憶部23を参照して、受信した広告種別に対応する広告コンテンツを表示部22に表示させる(ステップS6)。このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に広告種別を送信すると、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、通信帯域に制限がある場合でも、デジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。
【0040】
また、出力制御部134は、広告種別に対応する広告コンテンツを取得して、取得した広告コンテンツをデジタルサイネージ2に送信してもよい。出力制御部134は、例えば、広告コンテンツを提供する広告事業者のサーバから広告種別に関連付けられた広告コンテンツを取得する。具体的には、広告制御装置1は、広告種別を広告事業者のサーバに送信し、広告事業者のサーバが送信した広告コンテンツを取得する。このように、広告制御装置1は、広告事業者から広告種別に対応する広告コンテンツを適宜取得することができる。そのため、広告制御装置1は、広告事業者が出力させたい広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができる。
【0041】
出力制御部134は、記憶部12に広告コンテンツが記憶されている場合、記憶部12に記憶された広告種別に対応する広告コンテンツを取得してもよい。このようにすることで、広告制御装置1は、広告事業者のサーバから広告コンテンツを取得する必要がないので、広告コンテンツを取得する時間がかからない。そのため、広告制御装置1は、サイネージIDとユーザIDとを関連付けて取得してから、サイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させるまでにかかる時間を、広告事業者のサーバから広告コンテンツを取得する場合より短くできる。
【0042】
このように、広告制御装置1は、取得したユーザIDで識別されるユーザが興味を示す物事を示す特性情報に関連付けられた広告種別により分類される広告対象を広告するための広告コンテンツを、ユーザIDに関連付けて取得したサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが興味を示す広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができるので、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0043】
なお、上記の説明においては、デジタルサイネージ2の通信部21がサイネージIDを通信端末3に送信し、通信部21からサイネージIDを受信した通信端末3がサイネージIDとユーザIDとを関連付けて広告制御装置1に送信した。これに限らず、通信端末3がユーザIDをデジタルサイネージ2に関連付けられた通信部21に送信し、通信端末3からユーザIDを受信した通信部21が、ユーザIDとサイネージIDとを関連付けて広告制御装置1に送信してもよい。識別情報取得部131は、通信端末3が送信したユーザIDを受信した通信部21から、当該通信部21に関連付けられたサイネージIDと、当該通信部21が受信したユーザIDとを関連付けて取得する。
【0044】
[広告コンテンツを出力させたデジタルサイネージ2Aに隣接するデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる処理]
1つのデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させるよりも、隣接する複数のデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる方が、広告の効果を高めることができる。そこで、広告制御装置1は、広告コンテンツを出力させたデジタルサイネージ2Aに隣接するデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる。以下、広告制御装置1の制御部13が実行する広告コンテンツを出力させたデジタルサイネージ2Aに隣接するデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる処理の流れについて説明する。以下の説明においては、デジタルサイネージ2Aを特定するためのサイネージIDをサイネージIDaとし、デジタルサイネージ2Bを特定するためのサイネージIDをサイネージIDbとする。
【0045】
広告制御システムSは、図示しないユーザIDとサイネージIDとを関連付けて記憶する識別情報データベースをさらに備える。なお、これに限らず、広告制御装置1が識別情報データベースを含んでいてもよい。識別情報取得部131は、ユーザIDとサイネージIDとを関連付けて取得すると、識別情報データベースに記憶させる。
【0046】
特定部136は、二つのデジタルサイネージ2の隣接関係を特定する。例えば、特定部136は、識別情報データベースを参照し、サイネージIDaに関連付けて取得されたユーザIDと同一のユーザIDに関連付けてサイネージIDaと異なるサイネージIDbが取得されたことに基づいて、サイネージIDaで特定されるデジタルサイネージ2Aと、サイネージIDbで特定されるデジタルサイネージ2Bとの隣接関係を特定する。具体的には、特定部136は、同一のユーザIDに関連付けて取得されたサイネージIDaで特定されるデジタルサイネージ2Aと、サイネージIDbで特定されるデジタルサイネージ2Bとが隣接すると特定する。
【0047】
特定部136は、複数のデジタルサイネージ2それぞれについて隣接関係を特定した隣接リストを生成し、記憶部12に記憶させる。
図7は、隣接リストの一例を示す図である。
図7に示すように、隣接リストには、サイネージIDと、当該サイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2のサイネージIDとが関連付けられている。
【0048】
特定部136は、隣接関係に基づいて広告コンテンツを出力させるデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2のサイネージIDを特定する。例えば、特定部136は、識別情報取得部131がサイネージIDを取得すると、記憶部12に記憶された隣接リストを参照し、識別情報取得部131が取得したサイネージIDに関連付けられたサイネージIDを特定する。
【0049】
出力制御部134は、特定部136が特定したサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。このように、広告制御装置1は、広告コンテンツを出力させたデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが興味を示す広告コンテンツを複数のデジタルサイネージ2に表示させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが広告コンテンツを見る確率を高くできるので、広告の効果を高めることができる。
【0050】
[サイネージIDを取得した順序を特定して、取得した順序が後のデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる処理]
通信端末3が通信すると推定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることで、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることが期待できる。通信端末3が通信すると推定されるデジタルサイネージ2に通信端末3のユーザが近づくと予測されるからである。そこで、広告制御装置1は、サイネージIDを取得した順序を特定して、取得した順序が後のデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。以下、サイネージIDを取得した順序を特定して、取得した順序が後のデジタルサイネージ2に隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる処理の流れについて説明する。
【0051】
特定部136は、同一のユーザIDに関連付けてそれぞれ異なる二つのサイネージIDを取得した順序に基づいて、サイネージIDを取得した順序が後のサイネージIDを特定する。例えば、特定部136は、識別情報取得部131が二つのサイネージIDそれぞれに同一のユーザIDを関連付けて取得したか否かを判定する。特定部136は、同一のユーザIDを関連付けて取得したと判定した場合、同一のユーザIDに関連付けて取得された二つのサイネージIDのうち、取得された順序が後のサイネージIDを特定する。そして、特定部136は、取得された順序が後のサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に隣接し、かつ取得された順序が前のサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2と異なるデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを特定する。
【0052】
同一のユーザIDに関連付けてそれぞれ異なる二つのサイネージIDを取得した順序に基づいて、サイネージIDを取得した順序が後のサイネージIDを特定する処理について、具体的な例を挙げて説明する。
図8は、隣接リストに基づいて生成される隣接グラフの一例である。以下の説明においては、識別情報取得部131がユーザIDに関連付けてサイネージID「SID001」を取得し、「SID001」を取得した後に、「SID001」に関連付けて取得したユーザIDと同一のユーザIDに関連付けてサイネージID「SID002」を取得したものとする。
【0053】
特定部136は、取得された順序が後の「SID002」に隣接するサイネージIDを特定する。特定部136は、「SID002」に隣接するサイネージIDとして「SID001」と「SID003」とを特定する。次に、特定部136は、「SID002」と同一のユーザIDに関連付けて取得された「SID001」と異なるサイネージID「SID003」を特定する。
【0054】
出力制御部134は、特定部136が特定したサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。出力制御部134は、上記で説明した具体的な例の場合、サイネージID「SID003」で特定されるデジタルサイネージに広告コンテンツを出力させる。
【0055】
このようにすることで、広告制御装置1は、通信端末3が通信すると推定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザの移動先に設置されたデジタルサイネージ2に広告コンテンツを表示できる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが興味を示す広告コンテンツをユーザに見せ続けることができるので、広告の効果を高めることができる。
【0056】
[識別情報を取得した時刻に基づいて隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる処理]
デジタルサイネージ2Aと、デジタルサイネージ2Bとが隣接すると特定された場合であっても、ユーザがデジタルサイネージ2Aと、デジタルサイネージ2Bとをユーザが同時に見ることができないことがある。例えば、デジタルサイネージ2Aとデジタルサイネージ2Bとの距離が、ユーザが二つのデジタルサイネージ2を同時に見ることができる距離よりも長い場合である。この場合、サイネージIDaを取得したタイミングで、デジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させたとしても、デジタルサイネージ2Bに出力された広告コンテンツをユーザが見ることができないので、広告の効果を高められない。
【0057】
そこで、広告制御装置1は、隣接する二つのデジタルサイネージ2それぞれを特定するためのサイネージIDそれぞれに同一のユーザIDを関連付けて取得した時刻に基づいて、サイネージIDaを取得してからサイネージIDbを取得するまでの時間を特定する。そして、広告制御装置1は、特定した時間に基づいて隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。以下、識別情報を取得した時刻に基づいて隣接するデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる処理の流れについて具体的に説明する。
【0058】
識別情報取得部131は、ユーザIDとサイネージIDとが関連付けて取得した時刻をさらに取得する。識別情報取得部131は、ユーザIDとサイネージIDと取得された時刻とを関連付けて識別情報データベースに記憶させる。
【0059】
特定部136は、隣接関係を特定した隣接する二つのデジタルサイネージ2について、隣接する二つのデジタルサイネージ2のうち、一方のデジタルサイネージ2AのサイネージIDaを取得してから、もう一方のデジタルサイネージ2BのサイネージIDbを取得するまでの時間を特定する。具体的には、特定部136は、識別情報データベースを参照し、隣接する二つのデジタルサイネージ2について、一方のデジタルサイネージ2AのサイネージIDaが取得された時刻と、もう一方のデジタルサイネージ2BのサイネージIDbが取得された時刻との差を、サイネージIDを取得するまでの時間として特定する。以下、サイネージIDを取得するまでの時間を、取得待機時間という。そして、特定部136は、サイネージIDaと、サイネージIDbと、取得待機時間とを関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0060】
特定部136は、識別情報取得部131がサイネージIDaを取得すると、隣接リストを参照して、識別情報取得部131が取得したサイネージIDaに関連付けられたサイネージIDbを特定する。特定部136は、記憶部12を参照して、サイネージIDaとサイネージIDbとに関連付けられた、取得待機時間を特定する。
【0061】
出力制御部134は、隣接する二つのデジタルサイネージ2のうち、一方のデジタルサイネージ2Aに広告コンテンツを出力させた後、特定部136が特定した時間に基づいてもう一方のデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる。例えば、出力制御部134は、識別情報取得部131がサイネージIDaを取得した後、特定部136が特定した取得待機時間に基づいて、サイネージIDbで特定されるデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる。
【0062】
具体的には、出力制御部134は、取得待機時間が経過する前にデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる。より具体的には、出力制御部134は、取得待機時間が経過する所定時間前にデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させる。所定時間は、広告制御装置1を管理する事業者が適宜設定すればよいが、取得待機時間に基づいて広告制御装置1が決定してもよい。例えば、特定部136は、複数のユーザIDそれぞれにサイネージIDaとサイネージIDbとが関連付けて取得された時刻それぞれに基づいて特定した複数の取得待機時間の平均値を、所定時間として特定する。
【0063】
このようにすることで、広告制御装置1は、サイネージIDaを取得した通信端末3が移動して、サイネージIDbを取得するタイミングに応じて、デジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、サイネージIDaを受信した通信端末3のユーザが、デジタルサイネージ2Aに隣接し、かつデジタルサイネージ2Aと同時に見ることができないデジタルサイネージ2Bの近傍に移動するタイミングでデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させることができる。したがって、広告制御装置1は、ユーザがデジタルサイネージ2Bを見ることができるときにデジタルサイネージ2Bに広告コンテンツを出力させることができるので、広告の効果を高めることができる。
【0064】
[関連情報を通信端末3に出力させる処理]
ユーザの通信端末と通信したデジタルサイネージ2に出力された広告コンテンツに関連付けられた関連情報を、当該通信端末に送信することで、広告の効果を高めることができる。そこで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に出力させた広告コンテンツに関連付けられた関連情報を取得して、取得した関連情報を通信端末3に出力させる。以下、関連情報を通信端末3に出力させる処理の流れについて説明する。
【0065】
関連情報取得部135は、デジタルサイネージ2に出力させる広告コンテンツに関連付けられた関連情報を取得する。関連情報取得部135は、例えば、広告コンテンツを提供する広告事業者のサーバから関連情報を取得する。また、関連情報取得部135は、広告制御装置1の記憶部12に関連情報が記憶されている場合、記憶部12に記憶された関連情報を取得してもよい。
【0066】
関連情報は、広告コンテンツにより広告される広告対象に関連付けられた情報である。広告対象に関連付けられた情報は、例えば、広告対象の販売を促進する販売促進情報である。販売促進情報は、広告対象である商品又はサービスの特典情報である。また、販売促進情報は、商品又はサービスを販売する商店を示す情報であってもよい。商店を示す情報は、例えば、商店のWebサイトを示すURL、周辺の地図、又は住所である。関連情報取得部135は、関連情報として商店の住所又は周辺の地図を取得した場合、通信端末3の位置を示す位置情報を取得し、位置情報が示す位置から商店までの経路を特定してもよい。
【0067】
出力制御部134は、関連情報取得部135が取得した関連情報を通信端末3に出力させる。具体的には、出力制御部134は、広告コンテンツを出力させたデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDに関連付けられたユーザIDで識別されるユーザの通信端末3に、関連情報を出力させる。また、出力制御部134は、関連情報取得部135が通信端末3の位置から商店までの経路を特定した場合、経路を示す経路情報を通信端末3に出力させる。
【0068】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に表示された広告に興味を持ったユーザがデジタルサイネージ2に表示された広告コンテンツに対応する商品又はサービスを検索する手間を省略したり、特典情報を提供したりすることができるので、広告の効果を高めることができる。また、広告制御装置1は、通信端末3の位置から商店までの経路を示す経路情報を通信端末3に出力させるので、ユーザに商店への来店を促すことができ、広告の効果を高めることができる。
【0069】
[実施の形態に係る広告制御装置1の効果]
以上説明したとおり、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2の通信部21と通信端末3とが通信することを契機として、デジタルサイネージ2のサイネージIDと、通信端末3のユーザのユーザIDとを関連付けて取得する。広告制御装置1は、特性情報データベースを参照してユーザIDに関連付けられた特性情報を取得し、広告種別データベースを参照して特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。そして、広告制御装置1は、サイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に、広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる。
【0070】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2と通信した通信端末3のユーザが興味を示す物事を示す特性情報に関連付けられた広告種別により分類される広告対象を広告する広告コンテンツを、当該デジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザが興味を示す広告コンテンツをデジタルサイネージ2に表示させることができるので、当該デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0071】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【符号の説明】
【0072】
1 広告制御装置
2 デジタルサイネージ
3 通信端末
4 特性情報データベース
5 広告種別データベース
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
21 通信部
22 表示部
23 記憶部
24 制御部
131 識別情報取得部
132 特性情報取得部
133 広告種別決定部
134 出力制御部
135 関連情報取得部
136 特定部
S 広告制御システム