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▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-15
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】骨折を検出するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20220106BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61B8/08 ZDM
A61B8/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021529030
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2019083001
(87)【国際公開番号】W WO2020109519
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】19151811.7
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/118629
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】シュー ジンピン
(72)【発明者】
【氏名】ラジュ バラサンダー イーヤヴ
(72)【発明者】
【氏名】ガデス アンソニー エム
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-289232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0043290(US,A1)
【文献】特開2011-41804(JP,A)
【文献】特開2007-301280(JP,A)
【文献】特開平9-28711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
医中誌WEB
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出するための装置であって、
前記被検体の領域の第1の超音波画像を受信し、前記第1の超音波画像内の骨を識別するように構成される第1の骨折検出器
を有し、
前記第1の骨折検出器は、前記識別される骨に基づいて前記領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別し、前記少なくとも1つの焦点エリアの位置を示す焦点エリア情報を生成し、前記生成される焦点エリア情報に基づいて第2の超音波画像の取得を命令するようにさらに構成され、
前記装置は、前記領域の前記第2の超音波画像を受信し、前記第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するように構成される第2の骨折検出器をさらに有し、
前記第2の超音波画像は、前記少なくとも1つの焦点エリアにおいて前記領域の残りの部分より高い解像度を有し、前記第2の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの前記解像度は、前記第1の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの前記解像度より高い、
装置。
【請求項2】
前記第1の骨折検出器は、前記第1の超音波画像に基づいて前記識別される骨に隣接する血腫を検出するようにさらに構成され、前記少なくとも1つの焦点エリアは、前記検出される血腫に基づいて生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の骨折検出器はさらに、前記少なくとも1つの焦点エリアに少なくとも向かって更なる超音波ビームを送信することによって、前記第2の超音波画像を取得するように超音波画像取得ユニットに命令するように構成され、前記第2の骨折検出器は、前記第2の超音波画像を前記第2の超音波画像取得ユニットから受信するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の骨折検出は、少なくとも1つの焦点エリアにおいて、前記第1の超音波画像を取得するために使用される第1の超音波ビーム設定と異なる第2の超音波設定を使用して、前記第2の超音波画像を取得するように超音波画像取得ユニットに命令するようにさらに構成され、前記第1の超音波ビーム設定及び前記第2の超音波ビーム設定は、(a)送信周波数、(b)送信パルス長、(c)ステアリング角、及び(d)焦点ゾーンの少なくとも1つにおいて異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の骨折検出器は、前記第1の超音波画像に基づいて骨折を検出するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1の検出モードと第2の検出モードとの間で切り替え、前記第1の検出モードにおいて、第1の超音波画像取得ユニットを制御して、前記第1の超音波画像を取得し、前記第2の検出モードにおいて、第2の超音波画像取得ユニットを制御して、前記第2の超音波画像を取得するか、又は前記第1及び第2の超音波画像の両方を取得するように構成されるコントローラをさらに有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、ユーザインターフェースから受け取るユーザ入力に基づいて、前記第1の検出モードと前記第2の検出モードとの間を切り替えるようにさらに構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の骨折検出器は、超音波トランスデューサが前記被検体に対して移動しているときに取得される複数の第1の超音波画像と、前記複数の第1の超音波画像の各々に対応する前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの第1の位置情報とを受信するようにさらに構成され、
前記第1の骨折検出器は、骨を識別し、前記複数の第1の超音波画像の各々において前記骨に隣接する血腫の前記存在を検出し、前記骨に隣接する前記血腫が存在する前記複数の第1の超音波画像のサブセットを識別するようにさらに構成され、
前記第1の骨折検出器は、前記複数の第1の超音波画像の前記サブセットの各々に対応する前記被検体に対する超音波トランスデューサに関する第2の位置情報を生成するようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の位置情報を提示するように構成されるユーザインターフェースをさらに有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
被検体の骨折を検出するための超音波システムであって、
前記被検体の領域に超音波信号を送信し、前記領域から超音波エコー信号を受信するように構成される超音波トランスデューサを有する超音波画像取得ユニットと、
前記超音波画像取得ユニットに結合される、請求項1に記載の装置と
を有し、
前記超音波画像取得ユニットは、前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像を取得するように構成される、
超音波システム。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の装置によって実行される方法であって、
前記被検体の領域の第1の超音波画像を受信するステップと、
前記第1の超音波画像における骨を識別するステップと、
前記識別される骨に基づいて前記領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別するステップと、
前記領域の第2の超音波画像の取得を命令するステップであって、前記第2の超音波画像は、前記少なくとも1つの焦点エリアにおいて前記領域の残りの部分より高い解像度を有し、前記第2の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの前記解像度は、前記第1の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの前記解像度より高い、ステップと、
前記第2の超音波画像を受信するステップと、
前記第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するステップと
を有する、方法。
【請求項12】
前記識別される骨に隣接する血腫は、前記第1の超音波画像に基づいて検出され、前記少なくとも1つの焦点エリアは、前記検出される血腫に基づいて識別される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアに向けて更なる超音波ビームを送信することによって取得される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
超音波トランスデューサが前記被検体に対して移動しているときに取得される複数の第1の超音波画像と、前記複数の第1の超音波画像の各々に対応する前記被検体に対する前記超音波トランスデューサの第1の位置情報とを受信するステップと、
骨を識別し、前記複数の第1の超音波画像の各々において前記骨に隣接する血腫の前記存在を検出するステップと、
前記骨に隣接する前記血腫が存在する前記複数の第1の超音波画像のサブセットを識別するステップと、
前記複数の第1の超音波画像の前記サブセットの各々に対応する前記被検体に対する超音波トランスデューサの第2の位置情報を生成するステップと
を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
実行可能命令を有するコンピュータ可読媒体であって、実行されるとき、コンピュータプロセッサに、請求項11乃至14の何れか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波撮像に関し、より詳細には、超音波画像に基づいて骨折を検出するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨折は、外傷(外傷による損傷)によるものが非常に多くみられる。例えば、肋骨骨折は、胸部鈍的外傷に起因する共通損傷である。骨折の診断には、身体診察、x線診断などの従来のx線撮影、CT、MRI、SPECTなどの高度な医用撮像モダリティ(このタスクには推奨されないことが多い)、超音波画像など、いくつかの異なるアプローチがある。現在、身体診察と従来のX線撮影は日常臨床で使用されている主な診断ツールであるが、すべての骨折を検出することはできない。例えば、精密な身体検査及び従来のX線写真では、肋骨骨折の約49%しか検出されない。CT及びMRIは、ローカライゼーション、骨片脱臼及びその他を含む骨折の最も詳細な情報を提供することができる。しかし、これらのより高度な医用画像診断法は、病院前や発展途上国の一部の小病院のようなリソースの限られた状況では必ずしも利用可能ではなく、全体治療過程で反復連続画像診断を必要とする骨折整復の評価には適していない。
【0003】
超音波撮像は、成人のほか、特に小児及び妊婦の骨折診断のための優れた第一の選択肢として認識されている。超音波画像は正確な肋骨骨折位置の識別を可能にし、切開を延長しなければならない可能性を排除する肋骨固定手術前の手術切開部位を決定するのに役立つ。超音波画像診断は、小児の胸壁(軟部組織)が成人のそれと比較して相対的に薄いため、小児の骨折評価においてその利点を示している。超音波撮像のより多くの利点には、その持ち運び可能で、非侵襲的で、安価で費用効果が高く、また、治療プロセス全体の間の骨折整復を評価するためのベッドサイドでの繰り返しの検査が含まれる。
【0004】
しかしながら、超音波画像における骨折の手動検出は、オペレータ依存性が高く、時間のかかるプロセスである。これは、特に検査時間が重要である場合には経験のないユーザにとって常に困難なタスクである。例えば、12対の肋骨の胸部全体の検査時間は救急室では12分未満であることが好ましいが、より短い方がよい。骨からの骨表面又は高エコー線の迅速な識別を医師が支援するために、超音波Bモード画像からの自動骨セグメント化において、強度と勾配情報又は形態学的特徴を用いるいくつかのアプローチを提案した。
例えば、I. Hacihalilogluらの、Ultrasound in Medicine and Biology, 2012, Vol.38:128-144に掲載される「3D局所特徴を用いた体積超音波画像からの自動骨ローカライゼーション及び骨折検出」において、3D超音波データの局所位相特徴を用いた自動骨ローカライゼーション及び骨折検出のためのアプローチを開発した。これらの既存のアプローチは高周波(RF)超音波信号の要求が複雑であり、3D局所位相推定において高い計算負荷を要件とする。
【0005】
米国特許出願公開第2007/043290号明細書は、骨から反射される波の特定のパラメータを閾値状態と比較することによって骨折を検出するための装置を開示した。Lius Nascimentoらによる「超音波画像に基づくコンピュータ支援骨折識別」は、骨折の自動識別のための3段階プロシージャを提案した。しかしながら、コンピュータ支援骨折検出をさらに強化する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超音波画像に基づいて骨折を検出するための改善されるアプローチを提供することは有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出するための装置が提案される。装置は、被検体の領域の第1の超音波画像を受信し、第1の超音波画像内の骨を識別するように構成される第1の骨折検出器を有する。第1の骨折検出器は、識別される骨に基づいて領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別し、少なくとも1つの焦点エリアの位置を示す焦点エリア情報を生成し、生成される焦点エリア情報に基づいて第2の超音波画像の取得を命令するようにさらに構成される。例えば、少なくとも1つの焦点エリアは、識別される骨の少なくとも一部を含むことができる。装置は第2の超音波画像を受信し、第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するように構成される第2の骨折検出器をさらに備え、第2の超音波画像は、生成される焦点エリア情報に基づいて取得され、領域の残りの部分より少なくとも1つの焦点エリアにおいてより高い解像度を有する。第2の超音波画像における少なくとも1つの焦点エリアの解像度は、第1の超音波画像における少なくとも1つの焦点エリアの解像度より高い。
【0008】
このようにして、第1の超音波画像は最初に、領域内の骨を識別するために使用され、少なくとも1つの焦点エリアは骨表面の近くにあり、識別される骨の少なくとも一部を覆う領域の一つ又はそれより多くのサブ領域として識別され、次いで、第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアの解像度が領域の残りの部分より高く、第2の超音波画像内の少なくとも1つの焦点エリアの解像度が第1の超音波画像内の少なくとも1つの焦点エリアの解像度より高いように取得され、骨折を検出するために使用される。撮像される領域にわたってほぼ固定される解像度を有する超音波画像は、従来のアプローチにおける骨折検出のために使用される。これとは異なり、上記で提案されるアプローチでは骨を含む一つ又はそれより多くのサブ領域においてより高い軸方向及び横方向解像度を有する第2の超音波画像が取得され、骨折検出に使用され、より高い軸方向及び横方向解像度はより正確な検出のために骨表面のより微細な外観をもたらすことになる。言い換えれば、第1の超音波画像は最初に、1つ以上の焦点エリアを識別するために使用され、次いで、第2の超音波画像は、識別される少なくとも1つ以上の焦点エリアにズームイン(高解像度)するように取得される。このように、第1の超音波画像において検出できない微妙な骨折などの一部の骨折は、高解像度を有する第2の超音波画像に基づいて検出することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、第2の超音波画像が少なくとも1つの焦点エリアのみにおいて第1の超音波画像に対して更なる信号処理を行うことによって取得される。すなわち、第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアに更なる超音波信号を送信することなく、第1の超音波画像に対して信号処理を行うことによって取得される。高度な信号処理は、より多くの計算時間及び/又は労力を犠牲にして、骨折検出の画質及び/又は精度を改善することができる。さらに、処理されるべき面積が大きいほど、それはより多くの計算時間又は労力を費やすことになる。従って、それは、少なくとも1つの焦点エリアにおいてのみ付加的な信号処理を行うことによって、計算時間及び/又は計算労力を低減することができる。
【0010】
実施形態によれば、第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアに向かって更なる超音波ビームを送信することによって取得される。一実施形態によると、第1の骨折検出器はさらに、少なくとも1つの焦点エリアに向けて更なる超音波ビームを送信することによって第2の超音波画像を取得するように超音波画像取得ユニットに命令するように構成され、第2の骨折検出器はさらに、超音波画像取得ユニットによって取得される第2の超音波画像を受信するように構成される。提案した装置は直接的又は間接的に、超音波画像取得ユニットに通信接続することができる。装置は生成される焦点エリア情報を超音波画像取得ユニットに送信することができ、次に、超音波画像取得ユニットは受信される焦点エリア情報に基づいて第2の超音波画像を取得し、取得される第2の超音波画像を装置に、特に装置の第2の骨折検出器に送ることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では第1の超音波画像は、第1の超音波ビーム設定を用いて取得され、第2の超音波画像は少なくとも1つの焦点エリア内の第2の超音波ビーム設定を用いて取得され、第2の超音波ビーム設定は第1の超音波ビーム設定とは異なる。第1の骨折検出は、少なくとも1つの焦点エリア内で第2の超音波設定を使用して第2の超音波画像を取得するように超音波画像取得ユニットに命令するように構成することができる。第2の超音波ビーム設定は、様々な方法で第1の超音波ビーム設定とは異なる場合がある。いくつかの実施形態によれば、第1の超音波ビーム設定と第2の超音波ビーム設定は、(a)焦点ゾーン、(b)送信周波数、(c)送信パルス長、(d)ステアリング角のうちの少なくとも1つにおいて異なる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、第1の骨折検出器は第2の超音波画像に基づいて識別される骨に隣接する血腫を検出するようにさらに構成され、少なくとも1つの焦点エリアは検出される血腫に基づいて生成される。例えば、少なくとも1つの焦点エリアは、検出される血腫の少なくとも一部を含む。例えば、少なくとも1つの焦点エリアは、全ての識別される骨を覆うのではなく、血腫が検出される隣接する識別される骨の部分のみを覆うことができる。このようにして、少なくとも1つの焦点エリアをさらに小さくすることができる。一般に、少なくとも焦点エリアが小さいほど、第2の超音波画像内の少なくとも1つの焦点エリアの解像度を高くすることができ、及び/又は少なくとも1つの焦点エリアについて同じレベルの解像度を取得するのに必要な労力が少なくなる。骨折が起こると、骨折に隣接して存在する血腫がしばしば存在する。超音波画像では、鮮血腫は低エコーパターンのように見える。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1の骨折検出器は、第1の超音波画像に基づいて骨折を検出するようにさらに構成される。第1の超音波画像の解像度は少なくとも1つの焦点エリアにおいて第2の超音波画像の解像度より低いが、変位した骨折などのいくつかの骨折を、第1の超音波画像に基づいて検出することができる。いくつかの特定の実施形態では、第1の骨折検出器が最初に第1の超音波画像に基づいて骨折を検出し、続いて少なくとも1つの焦点エリアを識別するように構成される。
【0014】
いくつかのさらなる実施形態では、第1の骨折検出器が第1の超音波画像に基づいて第1の骨折検出器によって骨折が検出されない場合、少なくとも1つの焦点エリアを識別するように、及び/又は第1の超音波画像に基づいて第1の骨折検出器によって骨折が検出される場合、少なくとも1つの焦点エリアを識別しないように構成される。いくつかのさらなる実施形態では、第2の骨折検出器が領域の第2の超音波画像を受信し、第1の超音波画像に基づいて第1の骨折検出器によって骨折が検出されない場合にのみ、第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するように構成することができる。
【0015】
このようにして、1回目の超音波画像に基づいて骨折が検出されると、2回目の超音波画像を取得する必要も、2回目の超音波画像に基づいて骨折を検出する必要もない。ときには、緊急時のように、骨折を除外するよりも、骨折において除外することの方が重要である場合もあれば、言い換えれば、少なくとも1つの骨折(主要な骨折など)が検出される、骨折の検出を止めることができる場合もある。特に有利には、被検体の広い領域が走査される。例えば、肋骨骨折検出の場合、12対の肋骨の一部又は全部が検査される。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、装置は、コントローラをさらに有する。コントローラは第1の検出モードと第2の検出モードとの間で切り換えるように、また、第1の検出モードにおいて、第1の超音波画像を取得するように、及び第2の検出モードにおいて、超音波画像取得ユニットを制御するように、第2の超音波画像を取得するか、又は第1及び第2の超音波画像の両方を取得するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、コントローラがユーザインターフェースから受け取ったユーザ入力に基づいて、第1の検出モードと第2の検出モードとを切り替えるようにさらに構成される。ユーザ入力は、ユーザインターフェースとの物理的接触(物理的ボタンの操作、タッチパネルへの接触など)又は非接触入力(音声入力、ジェスチャー入力など)を含む様々な形態とすることができる。
【0018】
第1の検出モードと第2の検出モードとの間の切り替えを可能にすることによって、装置は、より柔軟な検出モード又はワークフローが様々な状況を満たすことを可能にすることができる。例えば、第1の検出モードは小さな骨折があまり重大ではない場合、すなわち、主な骨折を検出することがより重要である場合、時間的に緊急な場合に適用可能であり得る。例えば、場合によっては、臨床医が最初に、第1の検出モードを使用して、迅速な粗検査を行い、次いで、必要に応じて、第2の検出モードに切り替えて、詳細な検出を行うことができる。いくつかの実施形態では、第1の検出モードでは装置が任意の検出される骨及び/又は血腫を含むものなどの任意の識別される焦点エリアを提示するように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態に従って、第1の骨折検出器はさらに、超音波トランスデューサが被検体に対して移動しているときに取得される複数の第1の超音波画像と、複数の第1の超音波画像のそれぞれに対応する被検体に対する超音波トランスデューサ上の第1の位置情報とを受け取るように構成される。特定の第1の超音波画像に対応する被検体に対する超音波トランスデューサ上の位置情報は、特定の第1の超音波画像が取得される位置における超音波トランスデューサに対する位置に関する情報である。第1の骨折検出器はさらに、骨を識別し、複数の第1の超音波画像のそれぞれにおいて骨に隣接する血腫の存在を検出し、骨に隣接する血腫が存在する複数の第1の超音波画像のサブセットを識別するように構成される。第1の骨折検出器はさらに、複数の第1の超音波画像のサブセットのそれぞれに対応する、被検体に対する超音波トランスデューサ上の第2の位置情報を生成するように構成される。例えば、複数の第1の超音波画像は、超音波トランスデューサが被検体の胸部に沿って、又は被検体の肋骨に沿って移動されるときに取得される。
【0020】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースが第2の位置情報を提示するように構成される。
【0021】
本発明の第2の態様の実施形態によれば、被検体の骨折を検出するための超音波システムが提案される。超音波システムは超音波トランスデューサを有する超音波画像取得ユニットを備え、上記装置は超音波画像取得ユニットに結合される骨折を検出するためのものであり、超音波画像取得ユニットは第1の超音波画像及び第2の超音波画像を取得するように構成される。超音波トランスデューサは超音波信号を被検体の領域に送信し、その領域から超音波エコー信号を受信するように構成される。
【0022】
本発明の第2の態様の実施形態によれば、超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出する方法が提案される。この方法は、被検体の領域の第1の超音波画像を受信するステップと、識別される骨に基づいて領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別する第1の超音波画像内の骨を識別するステップとを含む。例えば、少なくとも1つの焦点エリアは、識別される骨の少なくとも一部を含む。この方法はさらに、前記領域の第2の超音波画像の取得を命令するステップと、前記取得される第2の超音波画像を受け取るステップとを含み、前記第2の超音波画像は前記領域の残りの部分より前記少なくとも1つの焦点エリアにおいて高い解像度を有し、前記第2の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの解像度は、前記第1の超音波画像における前記少なくとも1つの焦点エリアの解像度より高い。本方法は、第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するステップをさらに含む。
【0023】
本発明の第3の態様の実施形態によれば、実行時にコンピュータプロセッサに上記の方法を実行させる実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体が提案される。
【0024】
本発明の他の目的及び利点は添付の図面と組み合わせてなされる説明を参照することによって、より明らかになり、容易に理解され得る。
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、対象の骨折を検出するための超音波システムを示す。
図2】本発明のいくつかの実施形態による、超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出する方法を示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態による2つの超音波Bモード画像を示す。
図4A】本発明の異なる実施形態による画像領域の少なくとも1つの焦点エリアを示す。
図4B】本発明の他の異なる実施形態による画像領域の少なくとも1つの焦点エリアを示す。
図4C】本発明の他の異なる実施形態による画像領域の少なくとも1つの焦点エリアを示す。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、超音波トランスデューサが被検体に対して移動しているときに取得される複数の超音波画像を示す。
図6】本発明のいくつかの実施形態によるユーザインターフェースの概略図を示す。
図7A図3Bの超音波Bモード画像から選択されるサブ領域を示す。
図7B図7Aのサブ領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。
図7C図7Aのサブ領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。
図7D図7Aのサブ領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。
図7E図7Aのサブ領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。
図7F図7Aのサブ領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図中の同じ参照符号は、類似又は対応する特徴及び/又は機能を示す。
【0028】
本発明は特定の実施形態に関して、及び特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載される図面は、概略的なものにすぎず、非限定的なものである。図面において、いくつかの素子のサイズは、例示の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。
【0029】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、対象の骨折を検出するための超音波システム100を示す。図2は、本発明のいくつかの実施形態による、超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出する方法200を示す。
【0030】
超音波システム100は、被検体の骨折を検出するための装置110と、超音波画像取得ユニット110と、ユーザインターフェース130とを有する。超音波画像取得ユニット110は、超音波プローブであってもよい。装置120は、有線又は無線接続、ローカル又は遠隔接続等を含む様々な方法で超音波画像取得ユニット110及びユーザインターフェース130に通信可能に接続される。ユーザインターフェース130は、オプションとして、超音波画像取得ユニット110にも通信可能に接続されてもよい。装置120、超音波画像超音波画像取得ユニット110、及びユーザインターフェース130は、単一のデバイスに統合され得るか、又は互いに物理的に分離され得る。装置120、超音波画像取得ユニット110、及びユーザインターフェース130のそれぞれは、一つ又はそれより多くのデバイスを有することができる。いくつかの実施形態では超音波システム100がコンピュータシステムに接続可能な超音波プローブを有することができ、コンピュータシステムはプロセッサ及びメモリを有する。例えば、コンピュータシステムは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットとすることができる。装置120はプロセッサと、コンピュータシステムのメモリとを含み、メモリは、実行されるとき、コンピュータプロセッサに方法200を実行させる実行可能命令を含む。ユーザインターフェース130はコンピュータシステムの一部であってもよいし、超音波プローブ及び/又はコンピュータシステムに接続可能であってもよい。
【0031】
超音波画像取得ユニット110は、超音波信号を送信及び/又は受信することができる超音波トランスデューサを有する任意の種類のデバイスであり得る。例えば、超音波画像取得110は関心領域に向けて超音波信号を送信し、関心領域から送信される超音波信号のエコーを受信するように構成される。超音波画像取得110は、二次元(2D)又は三次元(3D)超音波画像を取得するように構成することができる。いくつかの例では、超音波トランスデューサがトランスデューサ素子のアレイを含むことができ、したがって、2D平面を走査することができる。ある例では、超音波トランスデューサがトランスデューサ素子のマトリックスを含むことができ、したがって、3D体積を直接スキャンすることができる。幾つかの他の例では超音波トランスデューサがトランスデューサ素子のアレイを含み、トランスデューサのアレイは自動的に又は手動の何れかで、複数の異なる平面をスキャンするように再配置及び/又は再配向され、複数の平面の2次元超音波データは関心領域の3次元超音波データに組み立てることができる。例えば、超音波画像取得110は、機械的三次元超音波プローブを含むことができる。
【0032】
典型的にはトランスデューサによって受信される超音波エコー信号がビーム形成され、ビーム形成される信号は帯域通過フィルタリング、デシメーション、I及びQ成分分離、高調波信号分離、スペックル低減、信号複合化、及び/又はノイズ除去のような種々の信号処理によって処理され、処理される信号はさらに処理され、Bモードデータ、ドップラーデータ、歪みデータ、動きデータ等を得ることができる。様々な超音波データをさらに処理して、異なる種類の超音波画像を形成することができる。これらの信号及び/又は画像処理は、同一の装置によって、又は複数の装置によって行うことができる。いくつかの例では、超音波プローブが超音波トランスデューサと、超音波画像を生成するように構成される一つ又はそれより多くの構成要素とを有することができる。いくつかの例では、超音波プローブが超音波トランスデューサと、処理のいくつかを実行するための一つ又はそれより多くの構成要素とを含むことができ、次いで、超音波プローブの出力に基づいて超音波画像を生成するために、残りの部分を実行するようにさらなる装置が構成される。そのようなデバイスは、スタンドアロン装置であってもよく、又はコンピュータシステムの一部であってもよい。
【0033】
図1に示すように、装置120は、第1の骨折検出器122と、第2の骨折検出器124と、任意選択でコントローラ126とを有する。
【0034】
第1の骨折検出器122は、対象の領域の第1の超音波画像を受け取るように構成される。ここでは、被検体の領域を撮像領域と呼ぶことがある。第1の超音波画像は、2D画像又は3D画像とすることができる。被検体の領域は、被検体の2D平面、又は被検体の3Dボリュームとすることができる。
【0035】
被検体の領域は、被検体の骨格に関する事前知識に従って事前に選択することができる。被検体の領域は、被検体の骨格の事前知識に従って、関心のある特定の骨を含む領域として選択することができる。例えば、被検体が人間である場合、被検体の領域は肋骨が関心のある骨である場合、被検体の胸部の一部とすることができ、又は被検体の領域は、上腕骨が関心のある骨である場合、被検体の上腕の一部とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の超音波画像が被検体の1つ以上の所定の解剖学的パラメータに従って取得される。このように、第1の超音波画像は関心のある骨の深さにおける解像度を高めるように、関心のある骨の深さにおける焦点ゾーンを設定することによって取得することができる。例えば、人間の肋骨骨折が検出される場合、解剖学的パラメータは、胸部皮膚表面と肋骨の頂部との間の深さを示すパラメータを含む。このようなパラメータは胸壁の厚さ(CWT)から、人間の胸膜線と肋骨との間の典型的な距離を示す所定の値(0.5cmなど)を引いたものとして決定することができる。例えば、CWTは、ボディマスインデックスに基づいて決定されるか、又は特定の人々の以前に取得される超音波画像のような医用検査から抽出される値であり得る。これに加えて、又はこれに代えて、いくつかの異なる取得モードを、CWTに基づいて自動的に又は手動で選択することができる。例えば、焦点ゾーンを所定の大きな深度値に設定した光浸透モードを、大きなCWT(4乃至6.2cmなど)に対して選択し、中間のCWT(2乃至4cmなど)に対して焦点ゾーンを所定の中程度の深度値に設定した一般モードを選択し、小さいCWT(0.5乃至2cmなど)に対して焦点ゾーンを所定の小さい深度値に設定した分解能を選択することができる。
【0036】
第1の骨折検出器122は、受信される第1の超音波画像内の任意の骨を識別するようにさらに構成される。骨の識別は、既知の方法又は将来開発される方法を含む、任意の適切な方法で実施することができる。いくつかの実施形態では、識別される骨が例えば、ユーザインターフェース130を介してユーザに提示することができる。例えば、第1の超音波画像が表示され、識別される骨が、表示される第1の超音波画像内に描写される。図3を参照すると、超音波Bモード画像310は、第1の骨折検出器によって受信される第1の超音波画像の一例である。超音波Bモード画像310は、識別される骨322の輪郭を描く実線でオーバーレイされる超音波Bモード画像310である。図3において、y軸は深さ方向に沿って延びており、x軸は横方向に沿って延在する。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の骨折検出器によって骨が識別されない場合、警告信号を生成することができる。さらに、第1の骨折検出器122はユーザによって手動で識別される骨を示すユーザ入力、及び/又はシード点などの骨検出を支援するユーザ入力を受信し、ユーザ入力に基づいて骨を識別するように構成され得る。一例ではユーザ入力が一つ又はそれより多くのシード点を示すことができ、第1の骨折検出器は示されるシード点に基づいて骨を識別するように構成することができる。別の例ではユーザ入力が空間領域を示すことができ、第1の骨折検出器は示される空間領域に基づいて骨を識別するように構成することができる。例えば、第1の骨折検出器は空間領域内の骨を識別するように、又は空間領域及びそれに隣接する領域を有する骨を識別するように構成することができる。
【0038】
第1の骨折検出器122はさらに、第1の超音波画像に基づいて領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別し、少なくとも1つの焦点エリアの位置を示す焦点エリア情報を生成するように構成される。少なくとも1つの焦点エリアは、識別される骨の少なくとも一部を含む。図4A乃至4Cは、本発明の異なる実施形態による画像領域の少なくとも1つの焦点エリアを示す。
【0039】
少なくとも1つの焦点エリアは、任意の規則的又は不規則な形状であり得る。例えば、図4Aを参照すると、少なくとも1つの焦点エリア430は、識別される骨420を含むか又は覆う矩形領域であり得る。例えば、図4Bを参照すると、少なくとも1つの焦点エリア430は、識別される骨420を中心とするベルト領域とすることができる。焦点エリア情報は、少なくとも1つの寸法に沿った少なくとも1つの焦点エリアの位置を示すことができる。例えば、焦点エリア情報は少なくとも1つの焦点エリアの深さを示すことができ、又は焦点エリア情報は、2次元撮像領域における少なくとも1つの焦点エリアの横方向位置及び深さの両方を示すことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の骨折検出器122が検出される血腫に基づいて、識別される骨に隣接する血腫を検出するようにさらに構成される。少なくとも1つの焦点エリアは、検出される血腫に隣接する識別される骨の部分を含むか、又は覆うように生成することができる。例えば、図4Cを参照すると、血腫440は識別される骨420に隣接して検出され、少なくとも1つの焦点エリア430は血腫440及び血腫440の下の骨の部分を覆う領域として識別される。例えば、少なくとも1つの焦点エリアは、検出される血腫までの距離が所定の閾値未満で識別される骨の部分を含んでもよい。さらに、一つ又はそれより多くの焦点エリアはユーザインターフェースを介してユーザによって定義されることができ、言い換えると、第1の骨折検出器は一つ又はそれより多くの焦点エリアを示すユーザ入力を受信し、ユーザ入力に基づいて少なくとも1つの焦点エリアを識別するようにさらに構成されることができる。一例では、ユーザ入力が空間点を示すことができ、第1の骨折検出器は焦点エリアを、所定の形状及びサイズを有し、ユーザ入力によって示される空間点を中心とする領域であると識別するように構成することができる。別の実施形態では、ユーザ入力が点、線などによって空間領域を示すことができ、第1の骨折検出はユーザ入力によって示される空間領域に基づいて焦点エリアを識別するように構成することができ、識別される焦点エリアは示される空間領域に正確に対応することができ、又は示される空間領域を覆う所定の形の領域とすることができる。
【0041】
骨に隣接する血腫は任意の適切な方法で、例えば、テクスチャ解析によって検出することができる。いくつかの実施形態では、テクスチャ解析を実行するために、撮像領域のサブ領域を選択することができる。サブ領域は、識別される骨の上の領域とすることができる。ここで、「上」とは、深さ方向に沿ってより浅い、又は浅いことをいう。図3の超音波画像320を参照すると、サブ領域は2つの曲線322と324との間の領域として選択することができ、曲線322は識別される骨を示し、曲線324は、所定の値だけ曲線322から離れている。テクスチャ分析は、同時生起行列の何れか、及び相関、エントロピー、コントラスト、エネルギー、及び均質性などのそれらの特性を計算することを含むことができる。エネルギーは各行列要素の平方和として定義され、画像のグレースケール分布均一性とテクスチャ粗さを反映する。すべての同時生起行列の同じ値は小さなエネルギープロファイルをもたらす一方、同時生起行列値の中で不均等な値の場合、高いエネルギーが期待されるかもしれない。造影(コントラスト)は、画像のシャープネスとテクスチャの溝の深さを反映する。より深いテクスチャ溝は高いコントラストとより良い視覚的鮮鋭度と関連し、一方、低いコントラストは、浅い溝とぼやけた画像によるものであった。グレースケール(例えば、造影プロファイル)の差が大きい画素の数が多いほど、造影の値が高くなる。エントロピーは画像テクスチャの不均一性と複雑さを反映する。相関は、画像テクスチャの一貫性を反映する。均一性は画像テクスチャの均一性を反映し、画像テクスチャの局所的な変化をスケーリングする。均一性の高い値は、画像テクスチャにおける局所的な変化及び局所的に均一な分布が存在しないことを意味する。
【0042】
図7Aは、図3Bの超音波Bモード画像320における2つの曲線322及び324の間のサブ領域から選択される領域を示す。図7B-7Fは、図7Aに示す領域の5つの異なるテクスチャ分析を示す。図7B乃至図7Fのそれぞれにおいて、x軸は横方向を示し、y軸は対応するテクスチャ特性の振幅を示す。5つのテクスチャ特性は、図7Bのエントロピー、図7Cの相関、図7Dの造影、図7Eのエネルギー、及び図7Fの均質性である。
【0043】
側方位置200の周りに血腫が存在することが知られている。図7B乃至7Fを参照すると、少なくとも図7Bのエントロピー値、図7Eのエネルギー値、及び図7Fの均質性値は、ヘマトマが位置する側方位置200の周りの区別可能な変化を示す。
【0044】
分析は、エントロピー値が正常な骨膜下軟組織については低く、骨膜下血腫については高いことを示した。ゲイン及びTGCなどのユーザ設定はいくつかのパラメータ(例えば、造影及びエネルギー)に影響を及ぼし得ることは留意される。しかしながら、これらの設定は、相関及びエントロピーのようなパラメータに対する効果が少ない。エントロピーは画像テクスチャの不均一性と複雑さを反映し、従って、高いエントロピーは画像内でよりランダムであることを示した。
【0045】
いくつかの他の特徴、例えば、古典的な後方散乱、エコー源性、減衰係数、散乱パラメータ、振幅又は強度ヒストグラムのパラメータ(例えば、Nakagami形状パラメータ)、高周波信号ベースの分析からのスペクトル特徴、及び動き特徴も使用され得る。スペックルパターンを測定するためのテクスチャ特徴は、正常な骨膜下軟組織及び骨膜下血腫についての超音波画像に有意差があるので、本発明者らの場合に使用されることが提案される。いくつかの研究結果は、統計的テクスチャ解析法が組織特性を良好に特徴付け、エコー源性に対する相補的情報を提供することができることを示している。
【0046】
第1の骨折検出器122は、生成される焦点エリア情報に基づいて領域の第2の超音波画像を取得するための命令を送出するようにさらに構成され、第2の骨折検出器124は取得される領域の第2の超音波画像を受信し、第2の超音波画像に基づいて骨折を検出するように構成される。第2の超音波画像は生成される焦点エリア情報に基づいて取得され、第2の超音波画像は領域の残りの部分より少なくとも1つの焦点エリアにおいて高い解像度を有し、第2の超音波画像における少なくとも1つの焦点エリアの解像度は第1の超音波画像における少なくとも1つの焦点エリアの解像度より高い。いくつかの実施形態では、第2の骨折検出器124が第1の超音波画像と第2の超音波画像とを組み合わせることによって骨折を検出するように構成することができる。
【0047】
骨折は、任意の適切な方法で検出することができる。いくつかの例では、骨表面が最初に検出され、次いで、検出される骨の滑らかさ及び連続性などの特徴が抽出される。さらに、検出される血腫、又はテクスチャ特徴、骨に隣接する組織の歪みなどの他の特徴も、骨折を検出するために使用することができる。いくつかの例では、人工知能ベースのアルゴリズムを使用して、骨折を検出することができる。さらに、又は代替として、骨折の検出は、1つ以上のユーザ入力によって補助され得る。例えば、ユーザが超音波画像を観察することによって骨折を検出した場合、ユーザは、ユーザインターフェースを介して検出される骨折の位置を示すことができる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第2の超音波画像は少なくとも1つの焦点エリアにおいてのみ、第1の超音波画像に対して更なる信号処理を行うことによって取得される。いくつかの例では、第1の骨折検出器が第2の超音波画像を単独で取得するために第1の超音波に対して信号処理を実行するように構成することができ、又は第2の超音波画像を取得するために信号処理を実行するためのさらなる処理ユニットに命令するように構成することができる。第1の骨折検出器は生成される焦点エリア情報を更なる処理ユニットに送ることができ、更なる処理ユニットは、生成される焦点エリア情報に基づいて、少なくとも1つの焦点エリアのみにおいて、第1の超音波画像に対して付加的な信号処理を行うように構成される。このさらなる処理ユニットは装置120の一部であってもよいし、装置120に通信可能に接続されてもよい。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によれば、第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアに向けて更なる超音波ビームを送信することによって取得される。第1の破損検出器122は超音波画像取得ユニット110に通信可能に接続することができ、少なくとも1つの焦点エリアに向けて更なる超音波ビームを送信することによって第2の超音波画像を取得するように超音波画像取得ユニット110に命令するように構成することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では第1の超音波画像が第1の超音波ビーム設定を用いて取得され、第2の超音波画像は少なくとも1つの焦点エリア内の第2の超音波ビーム設定を用いて取得され、第2の超音波ビーム設定は第1の超音波ビーム設定とは異なる。第2の超音波ビーム設定は、様々な方法で第1の超音波ビーム設定とは異なる場合がある。いくつかの実施形態によれば、第1の超音波ビーム設定と第2の超音波ビーム設定は、(a)焦点ゾーン、(b)送信周波数、(c)送信パルス長、(d)ステアリング角のうちの少なくとも1つにおいて異なる。
【0051】
一実施形態では、第2の超音波画像が少なくとも1つの焦点エリア上、例えば少なくとも1つの焦点エリアの深度上に送信及び/又は受信超音波ビームを焦点合わせすることによって取得される。例えば、第2の超音波画像は、超音波ビームの焦点ゾーンを少なくとも1つの焦点エリアに自動的に設定することによって取得される。
【0052】
超音波集束は周知の技術である。この技術により、フェーズドアレイトランスデューサーは、その長さに沿ってどこでも超音波ビームの最も狭い点を調整することができる。これは焦点ゾーンと呼ばれ、通常、最高の解像度が達成される超音波ビームの2乃至4cmの部分内にある。いくつかの既存の超音波マシンは超音波ビームに沿って複数の焦点ゾーンに効果的に焦点を合わせることができるが、2つ以上のスキャン又はパルスが必要とされるため、フレームレートなどの他の要因に影響を及ぼすというコストを払っている。この技術のより詳細は、2006年6月4乃至8日のIEEE国際電力半導体デバイスICシンポジウムの手続きにおけるB. Haiderによる「診断用医療用超音波のための電力駆動回路」のような既存の先行技術に言及することができる。従来、ユーザは個々の構造を最も明瞭に見るために、様々な深さで焦点ゾーンを手動で調整することができる。有利には、本発明のいくつかの実施形態によれば、装置120はユーザの介入を必要とせずに、少なくとも1つの焦点エリアを自動的に識別し、焦点ゾーンを少なくとも1つの焦点エリアに自動的に設定することができる。したがって、ユーザ入力を必要とせずに、所望の焦点エリアにおいてより高い解像度を有する超音波画像を取得することができる。
【0053】
さらなる実施形態では、第2の超音波ビーム設定において、より高い解像度を達成するように、送信周波数を増加させることができ、及び/又は送信パルス長を減少させることができる。
【0054】
さらなる実施形態では、第2の超音波ビーム設定において、複数のステアリング角度を使用することができる。さらに、一つ又はそれより多くのステアリング角を動的に決定することができる。例えば、検出される骨の向きに基づいて、1つ以上の複数のステアリング角を決定することができる。
【0055】
第1の骨折検出器122は、第1の超音波画像に基づいて骨折を検出するようにさらに構成することができる。第1の超音波画像の解像度は少なくとも1つの焦点エリアにおいて第2の超音波画像の解像度より低いが、変位した骨折などのいくつかの骨折を、第1の超音波画像に基づいて検出することができる。
【0056】
加えて、コントローラ126は第1の検出モードと第2の検出モードとの間で切り替えるように構成され、第1の検出モードでは超音波画像取得ユニット110を制御して、第1の超音波画像を取得し、第2の検出モードでは超音波画像取得ユニット110を制御して、第2の超音波画像を取得するか、第1及び第2の超音波画像の両方を取得するように構成される。例えば、装置120は最初に第1の検出モードで動作し、次に第2の検出モードで動作するように構成することができる。第2の超音波画像は、少なくとも焦点エリアにおいて第1の超音波画像より高い解像度を有するので、第1のモードでは検出できない特定の骨折を第2のモードで検出することができる。いくつかの実施形態では、第2のモードでは第2の超音波画像が第1のモードで生成される焦点エリア情報に基づいて取得される。いくつかの他の実施形態では、第2のモードでは最初に第1の超音波画像を取得して焦点エリア情報を生成し、次に焦点エリア情報に基づいて第2の超音波画像を取得する。
【0057】
いくつかの実施形態では、コントローラ126がユーザインターフェース130から受け取ったユーザ入力に基づいて、第1の検出モードと第2の検出モードとを切り替えるようにさらに構成される。例えば、ユーザは最初に、第1の検出モードを選択することによって比較的粗いスキャンを行い、次に、第2の検出モードを選択することによって比較的微スキャンに切り替えることができる。
【0058】
図2を参照すると、超音波画像に基づいて被検体の骨折を検出する方法200が示されている。ステップ210では、被検体の領域の第1の超音波画像が生成される。ステップ220において、第1の超音波画像において骨が識別される。ステップ240において、領域内の少なくとも1つの焦点エリアが、識別される骨に基づいて識別される。ステップ250では領域の第2の超音波画像が受信され、第2の超音波画像は、少なくとも1つの焦点エリアにおいて領域の残りの部分より高い解像度を有する。ステップ260では、第2の超音波画像に基づいて骨折が検出される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ステップ240において、識別される骨に隣接する血腫が第1の超音波画像において検出され、検出される血腫に基づいて領域内の少なくとも1つの焦点エリアを識別することができる。
【0060】
いくつかのさらなる実施形態では、方法200は、ステップ230をさらに含むことができる。ステップ230では、第1の超音波画像に基づいて骨折が検出される。方法200は、ステップ230の後、様々な方法で継続することができる。いくつかの実施形態では、ステップ230で骨折が検出されない場合、方法200はステップ240に進み、ステップ230で骨折が検出される場合、方法200はステップ240から260をスキップする。例えば、骨折を制御する場合、一旦任意の骨折が検出されると、検出を停止することができる。いくつかの他の実施形態では、方法200がステップ230で骨折が検出されるか否かにかかわらず、ステップ240に続く。
【0061】
超音波トランスデューサの視野は通常、骨折検出のためにスキャン又は検査される領域と比較して小さく、したがって、典型的には超音波トランスデューサが肋骨骨折を検出するときに胸部領域を横切るなど、関心領域を横切って掃引される。
【0062】
図5は、本発明のいくつかの実施形態により、超音波トランスデューサが被検体に対して移動しているときに取得される複数の超音波画像540を示す。図5は、皮膚520の下に骨折部530を有する骨510を示す。複数の超音波画像F1, ..., Fnは、超音波トランスデューサが被検体の領域上を掃引しているときにP1, ..., Pnな対応する位置で取得される。被検体に対する超音波トランスデューサの動きは、ユーザによって直接制御することができる。代わりに、超音波トランスデューサが超音波トランスデューサを被検体に対して移動させることができる駆動装置に接続することができる。超音波トランスデューサは対象物上を自由に掃引することができ、したがって、超音波画像が取得される複数の位置P1, ..., Pnは任意の位置とすることができ、超音波トランスデューサがしばらく同じ位置に保持されていれば、2つ以上の超音波画像が同じ位置で取得されてもよい。これらの位置は、超音波変換器の位置をEMセンサ、運動センサ、加速度センサなどの様々な方法で追跡することにより記録できる。
【0063】
いくつかの実施形態では、各位置で、図2に示す方法を実行することができる。例えば、被検体の対応する領域の第1の超音波画像が取得され、第1の超音波画像において骨が識別され、識別される骨に基づいて領域内の少なくとも1つの焦点エリアが識別され、次いで、領域の第2の超音波画像が取得され、次いで、第2の超音波画像に基づいて骨折が検出される。
【0064】
本発明の他のいくつかの実施形態によれば、第1の骨折検出器122はさらに、超音波トランスデューサが被検体に対して移動しているときに取得される複数の第1の超音波画像と、複数の第1の超音波画像のそれぞれに対応する被検体に対する超音波トランスデューサ上の第1の位置情報とを受け取るように構成される。言い換えると、超音波画像Fiの最初の位置情報は、対応する位置Piを示す。第1の骨折検出器122はさらに、骨を識別し、複数の第1の超音波画像のそれぞれにおいて骨に隣接する血腫の存在を検出し、骨に隣接する血腫が存在する複数の第1の超音波画像のサブセット550を識別するように構成される。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1の骨折検出器122が骨折骨を検出するようにさらに構成することができ、複数の第1の超音波画像の異なるサブセットを識別することができる。例えば、第1のサブセットは骨折が検出される第1の超音波画像を含み、第2のサブセットは、骨折が第1の骨折検出器によって検出されず、血腫が検出される第1の超音波画像を含む。
【0066】
第1の骨折検出器122はさらに、複数の第1の超音波画像のサブセットに対応する被検体に対する超音波トランスデューサ上の第2の位置情報を生成するように構成される。このような第2の位置情報は、ユーザインターフェースを介して提示することができる。このような第2の位置情報が与えられると、ユーザは、超音波画像取得ユニット110を操作して、これらの位置のうちの1つ又は複数をスキャンすることができる。いくつかの例では、ユーザが装置120をトリガして、第1の検出モードから第2の検出モードに切り替え、第2の検出モードでこれらの位置のうちの1つ又は複数をスキャンすることができる。
【0067】
図6は、本発明のいくつかの実施形態によるユーザインターフェースのディスプレイ600の例示的なビュー600を示す。ビュー600は、図6に示されるような肋骨のような、骨折が検出されるべき骨の画像612を提示する部分610を含むことができる。画像612は骨の一般的な解剖学的モデルであってもよく、又は以前に取得されるCT画像、MR画像、又は超音波画像からの再構成される3D画像など、特定の被検体の骨の画像であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の位置情報が画像612内のマーカ614として提示することができる。例えば、超音波画像において骨折及び/又は血腫が検出されるときはいつでも、超音波画像が取得される位置は、画像612の対応する位置にマークされる。骨折及び血腫を示すために、それぞれ異なるマーカを用いることができる。ビュー600は、超音波画像を提示する部分620を含むことができる。超音波画像は、リアルタイム画像、又はユーザによって選択される位置で以前に取得される超音波画像とすることができる。いくつかの例では、検出される骨折及び/又は検出される血腫が超音波画像内に提示することができる。ビュー600は、様々な情報を提示するため、及び/又は様々なユーザ入力を受信するための一つ又はそれより多くの追加部分630を有することができる。部分610乃至630のサイズ及び配置は、単に例示の目的のためである。任意の適切なサイズ及び配置を実施することができる。いくつかの実施形態では、ビュー600が動的及び/又はユーザ構成可能であり得る。
【0068】
装置120は検出される骨折及び/又は検出される血腫を、任意選択で位置情報とともに記録し、記録される情報に基づいて報告を生成するように構成される報告作成器をさらに有することができる。いくつかの例では、レポートが以下の情報のうちの1つ又は複数を含むことができる。
(a)検出される骨折の有無、
(b)検出される骨折の数、
(c)検出される骨折の位置、
(d)骨に隣接して血腫や異常な軟部組織が発見されているか、及び
(e)CTのようなより高度な医用画像診断、又は骨折は検出されないが被検体が依然として痛みを伴う場合の反復超音波検査のような、さらなる行動のための提案
である。
【0069】
本発明の一実施形態による肋骨骨折のための例示的なワークフローを以下に説明する。
1)ユーザは超音波スキャンを開始する肋骨を選択し、その肋骨を3D CT胸部画像又は3D MRI胸部画像、又は胸部の3Dモデルの何れかにマークする。
2)広帯域線形超音波プローブは皮膚表面から肋骨までの深さを決定するために使用され、特定の設定は特定の被検体の深さに基づいて決定され、設定される。
3)超音波プローブは、肋骨の軸に沿って(中央から側へ)穏やかに移動され、2D超音波画像シーケンスを取得する。ユーザは、肋骨表面検出のためのシード点を提供することによって肋骨識別を助けることができる。
4)代わりに、より自動化される検出のために、疑わしい肋骨より下の相関のシャドウイング又は損失を使用することができる。肋骨特性(例えば、任意のギャップ/ステップ/平滑度)及び骨膜下軟組織(すなわち、骨に隣接する軟組織)のエコーテクスチャを抽出して、肋骨及び/又は任意の骨膜下血腫(すなわち、骨に隣接する血腫)上に任意のギャップ/ステップがあるかを決定する。隙間/段差のない/滑らかさのないリブがある場合、リブは骨折したと見なされ、そうでない場合、リブは正常又は不確定であり得る。例えば、骨表面が平滑であり、骨膜下軟組織が正常である場合、肋骨は正常であると考えられ、言い換えれば肋骨骨折はない。肋骨の表面は平滑であるが、隣接する軟部組織がそのテクスチャーパターンから血腫又は腫脹のように見える場合、肋骨骨折は不確定とみなすことができる。
5)肋骨骨折が検出されるか、又は不確定である場合、対応する位置は、超音波変換器の位置を追跡することができる運動/位置決めセンサによって決定され、次いで、超音波探触子を隣の肋骨に穏やかに移動させる。
6)肋骨が正常であれば、肋骨の軸に沿って超音波プローブを穏やかに動かし、(a)ギャップ/ステップ/滑らかさ、及び(b)肋骨の末端側までの骨膜下血腫の事象をチェックする。
7)ステップ4)乃至6)を、12対のリブの全てを覆うまで繰り返す。
【0070】
本明細書で説明される技術プロセスは、様々な手段によって実施され得る。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実施することができる。ハードウェア実装の場合、技術プロセスは、一つ又はそれより多くの特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明される機能を実行するように設計される他の電子ユニット、又はそれらの組み合わせ内で実装され得る。ソフトウェアを使用すると、インプリメンテーションは本明細書に記載する機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、機能など)を介して行うことができる。ソフトウェアコードは、揮発性又は不揮発性の記憶媒体に記憶され、プロセッサによって実行されてもよい。
【0071】
さらに、特許請求される被検体の態様は特許請求される被検体の様々な態様を実装するためにコンピュータ又はコンピューティング構成要素を制御するために、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せを生成するための標準的なプログラミング技法及び/又はエンジニアリング技法を使用して、方法、装置、システム、又は製造品として実装され得る。本明細書で使用される「製造品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア、又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することが意図される。例えば、コンピュータ可読媒体は磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストライプ…)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)…)、スマートカード、及びフラッシュメモリ装置(例えば、カード、スティック、キードライブ…)を含むことができるが、これらに限定されない。もちろん、当業者は、本明細書に記載されるもの範囲又は精神から逸脱することなく、この構成に多くの修正を行うことができることを認識するのであろう。
【0072】
本出願で使用されるように、第1及び第2の破損検出器、「プロセッサ」、「コントローラ」などの「検出器」という用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアの何れかで汎用プロセッサ、特定目的プロセッサ、コンピュータプロセッサ、又はコンピュータ関連エンティティを指すことを意図している。例えば、コンポーネントはプロセッサ、プロセッサ、オブジェクト、実行可能、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータ上で実行されるプロセスであってもよいが、これらに限定されない。説明のために、サーバ上で実行されているアプリケーションとサーバの両方をコンポーネントにすることができる。一つ以上の構成要素はプロセス及び/又は実行スレッド内に存在することができ、構成要素は、一つのコンピュータ上にローカライズされ、及び/又は二つ以上のコンピュータ間に分散されることができる。
【0073】
上記で説明したものは、一つ又はそれより多くの実施形態の例を含む。もちろん、前述の実施形態を説明する目的で、コンポーネント又は方法の考えられるあらゆる組合せを説明することは可能ではないが、当業者は様々な実施形態の多くのさらなる組合せ及び置換が可能であることを認識することができる。したがって、記載される実施形態は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にあるすべてのそのような変更、修正、及び変形を包含することが意図される。さらに、用語「含む」が詳細な説明又は特許請求の程度の何れかで使用される限り、そのような用語は、特許請求の程度において遷移語として使用される場合に「有する」と解釈される、用語「有する」と同様の方法で包括的であることが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A-7F】