(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ゴルフ用インソール
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20220106BHJP
A43B 5/00 20220101ALI20220106BHJP
【FI】
A43B17/00 E
A43B5/00 303
(21)【出願番号】P 2019189995
(22)【出願日】2019-10-17
【審査請求日】2021-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591025901
【氏名又は名称】株式会社村井
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100173680
【氏名又は名称】納口 慶太
(72)【発明者】
【氏名】村井 ▲隆▼
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-116279(JP,A)
【文献】特開平08-228802(JP,A)
【文献】特開2001-245701(JP,A)
【文献】特開2008-220795(JP,A)
【文献】特開2019-076344(JP,A)
【文献】特開2015-208398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00-23/30
A43C 1/00-19/00
A43D 1/00-999/00
B29D 35/00-35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ靴に挿入される
多層構造の左右一対のインソール(200、300)であって、
一方の足側のインソール(200)は、
表側に3アーチを保つための凸部が形成され、かつ外縁側の領域に外側傾斜領域(216)が形成されており、
前記外側傾斜領域(216)は、
少なくとも、第5中足骨(436)の中央付近から第5中足骨骨底の中央付近を通って後足部対応領域(260)の中央付近を通る略直線状のラインと外縁との間が、外縁に向かうに従って次第に高さが増加させられた長手方向に長い斜面に形成されており、
さらに、上層部材(280)と下層部材(270)との間には、合成樹脂を含浸させた織布又は不織布の芯材(295)が圧着されており、
前記芯材(295)は、
立方骨(423)付近を起点とし、拇指球対応領域、第1未節骨(411)の中央付近を通って内縁に至る、歩行時の足の荷重軌跡に略対応する帯状形状であり、
他方の足側のインソール(300)は、
表側に3アーチを保つための凸部が形成され、かつ後足部対応領域(360)が略平坦状に形成されており、
さらに、前記拇指球対応領域には、「お椀」型に窪ませた擂鉢状凹部(320)が形成されてい
る、ことを特徴とするゴルフ用インソール。
【請求項2】
さらに、前記他方の足側のインソール(300)は、
前記下層部材(370)と上層部材(380)との間には、歩行時の荷重軌跡に略対応する領域に芯材(595)が圧着されており、
この芯材(595)は、
立方骨(523)付近を起点にし、他端が前記拇指球対応領域の手前で、かつ第2中足骨(566)の骨頭後ろ付近に至っている帯状形状である、ことを特徴とする請求項1記載のゴルフ用インソール。
【請求項3】
前記
一方の足側用のインソール(200)及び前記
他方の足側用のインソール(300)の裏面には、熱可塑性樹脂性の補強部材(290、390)が圧着されており、
各々の前記補強部材(290、390)は、
両側が曲面状に立ち上げられて裏面に圧着されており
、かつ踵骨に対応する領域は、円
状の穴(290a、390a)が空けられており、
各々の前足側となる先端縁は、
拇指球の後端付近を囲み、第2中足骨
(466、566)骨頭
の後ろ、第3中足骨
(456、556)骨頭
の後ろ及び第4中足骨
(446、546)骨底の中央付近を通り、第5中足骨
(436、536)骨底の後ろ
を囲むように通って、外縁に至る曲線
形状にされていることを特徴とする請求項1
又は2に記載のゴルフ用インソール。
【請求項4】
前記一方の足側のインソール(200)には、前記芯材を設けないで、
前記他方の足側のインソール(300)に前記芯材を設けて一対となる、ことを特徴とする請求項1
、2又は3記載のゴルフ用インソール。
【請求項5】
ゴルフ用靴に挿入される一対のインソール(200、300)であって、
一方の足側のインソール(200)は、
表側に3アーチを保つための凸部が形成され、かつ外縁側の領域に外側傾斜領域(216)が形成されており、
前記外側傾斜領域(216)は、
少なくとも、第5中足骨(436)の中央付近から第5中足骨骨底の中央付近を通って後足部対応領域(260)の中央付近を通る略直線状のラインと外縁との間が、外縁に向かうに従って次第に高さが増加させた長手方向に長い斜面に形成されており、
他方の足側のインソール(300)は、
表側に3アーチを保つための凸部を形成しており、かつ後足部対応領域(360)を略平坦状に形成しており、
さらに、拇指球対応領域には、「お椀」型に窪ませた擂鉢状凹部(320)が形成されていることを特徴とす
るゴルフ用インソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用インソールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフの理想的なスイングの概略は、ゴルフボールの前に、ゴルフクラブのグリップを両手で握って、所定間隔を有して左右の足を開いて立つ。そして、バックスイング、ダウンスイング、インパクト、フォローの過程でゴルフクラブを振り切る。
【0003】
この過程において、軸足の体重移動は、バックスイングのトップ位置付近から軸足の拇指球にかかり、インパクトの手前あたりで最も強く拇指球にかかり、フォローで抜けていく。
【0004】
このスイング時での身体の回転により、身体の軸がずれないようにすること、及び、足への負担を抑えることを目的とした特許文献1の中敷きが開示されている。
特許文献1の第1の中敷(左足用:軸足用)は、踵骨の領域(中敷の後方領域)に隆起部を設けて、スイング時につま先側に体重を移動させるものである。
【0005】
また、第2の中敷(右足用)は、踵骨の領域(中敷の後方領域)の足外側を厚みがある傾斜領域にして、踵骨の過剰な外側への傾斜を抑制して、足への負担を抑えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ゴルフボールをより遠くに飛ばす、及び希望の方向に飛ばすには、バックスイングで右足を軸とし、ダウンスイングで右足から左足に体重が移動し、インパクト時には左足を軸にして、フォローで左足に体重が移動するのがよい。このとき、左足の拇指球を中心にして、振り切るのが安定した方向及び遠くに飛ぶ。
【0008】
しかしながら、特許文献1の中敷は、ゴルフクラブのスイング時に、右足側の中敷の踵骨に対応する領域における足外側の厚みがある傾斜領域によって、踵骨の過剰な外側への傾斜を抑制しながら、左足側の中敷の踵骨に対応する領域の隆起部によって、左足のつま先側に体重を移動させるようにして旋回運動させるものである。このため、左足の拇指球を中心にしてゴルフクラブを振り切ることができないので、速い旋回運動ができないと共に、美しい姿勢でゴルフボールを遠くに飛ばすことができない、かつ飛び方向が安定しない。
【0009】
本発明は以上の課題を鑑みてなされたもので、美しい姿勢でゴルフボールをスムーズに遠くに飛ばすことができると共に、飛び方向が安定するゴルフ用インソールを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るゴルフ用インソールは、ゴルフ靴に挿入される多層構造の左右一対のインソール(200、300)であって、
一方の足側のインソール(200)は、
表側に3アーチを保つための凸部が形成され、かつ外縁側の領域に外側傾斜領域(216)が形成されており、
前記外側傾斜領域(216)は、
少なくとも、第5中足骨(436)の中央付近から第5中足骨骨底の中央付近を通って後足部対応領域(260)の中央付近を通る略直線状のラインと外縁との間が、外縁に向かうに従って次第に高さが増加させられた長手方向に長い斜面に形成されており、
さらに、上層部材(280)と下層部材(270)との間には、合成樹脂を含浸させた織布又は不織布の芯材(295)が圧着されており、
前記芯材(295)は、
立方骨(423)付近を起点とし、拇指球対応領域、第1未節骨(411)の中央付近を通って内縁に至る、歩行時の足の荷重軌跡に略対応する帯状形状であり、
他方の足側のインソール(300)は、
表側に3アーチを保つための凸部が形成され、かつ後足部対応領域(360)が略平坦状に形成されており、
さらに、前記拇指球対応領域には、「お椀」型に窪ませた擂鉢状凹部(320)が形成されている、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、左足側インソールの拇指球に対応する領域に、擂鉢状凹部を成型しているので、ダウンスイングからインパクト、フォローの過程での身体の旋回が左足側拇指球を中心にして回転することになる。このとき、左足側インソールは右足側インソールにある外側傾斜領域がないため、左足股関節の柔軟性に難のある方(特に男性及びご年配者)はスムーズな回転運動を促すことができる。このため、ゴルフボールを所望の方向に飛ばすことができると共に、インパクトが強くなるので飛距離がでる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態のゴルフシューズ用のインソールの斜視図である。
【
図2】ゴルフ用インソールを裏側から見た場合の平面図である。
【
図3】右足側インソール200を挿入した右足側ゴルフシューズ30に右足400を入れて足内側方向から見た場合の側面図である。
【
図4】右足側インソール200を挿入した右足側ゴルフシューズ30に右足400を入れて足外側方向から見た場合の側面図である。
【
図5】本実施の形態のゴルフ用インソール100を裏から見た場合の平面図である。
【
図6】
図5(a)の右足側インソール200のB-B、D-D断面図である。
【
図7】
図5(a)の右足側インソール200のC-C断面図である。
【
図8】左足側インソール300を上から見た場合の平面図及び主要断面の説明図である。
【
図9】左足側インソール300の左足側擂鉢状凹部320を説明する斜視図である。
【
図11】左足側インソール300に左足500を載置した場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本実施の形態のゴルフシューズ用のインソール(以下、ゴルフ用インソール100という)の斜視図である。
図1に示すゴルフ用インソール100は、右足側インソール200と左足側インソール300とを組(一対ともいう)とするものである。
以後、右足側インソール200に関連するものには、「右足側」を付し、左足側インソール300に関連するものには、「左足側」と付して説明する。
図1に示すように、本実施の形態のゴルフ用インソール100(例えば、200、300)は、右足側ゴルフシューズ30に右足側インソール200を装丁し、左足側インソール300を左足側ゴルフシューズ40に装丁する。
【0014】
このゴルフ用インソール100は、ゴルフプレイヤー10がゴルフクラブ20のグリップを握ってピン41のゴルフボール45に対してダウンスイング、インパクト、フォローして行くときに威力を発揮すると共に、ゴルフコースを歩くときにも威力を発揮する。
【0015】
(右足側インソール200)
図1に示すように、右足側インソール200は、右足側内側縦アーチを保つための右足側内側縦アーチ用凸部212が成型されている。
また、右足側横アーチを保つための右足側横アーチ用凸部214と、右足側外側縦アーチを保つための右足側外側縦アーチ用凸部216(外側傾斜領域ともいう)とが成型されている。
また、図示しない右足側後足部(図示せず:踵含む)を囲む右足側踵コーナ部218が成型されている。
なお、右足側前足部(図示せず)に対応する右足側前足部対応領域230は、つま先側及び両縁に向かうに従って反っている。
【0016】
また、右足側インソール200は、ウレタンフォームの右足側下層部材270と、ウレタンフォームの右足側上層部材280と、右足側表皮部材285と、最下層となる右足側補強部材290とよりなる多層構造体である。
なお、ウレタンフォームの他に、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合性樹脂の発泡体又はブタンジェンラバー等のラバー素材の発泡体であってもよい。
一方、左足側インソール300は、左足側内側縦アーチを保つための左足側内側縦アーチ用凸部312が成型されている。
【0017】
また、左足側横アーチを保つための左足側横アーチ用凸部314と、左足側後足部(図示せず:踵含む)及び左足側中足部の外側(左足側中足部の中央付近)を囲む左足側コーナ部318が成型されている。
さらに、左足側インソール300は、左足側拇指球(図示せず)に対応する領域(左足側拇指球対応領域ともいう)に、略擂鉢状の窪み(以下、左足側擂鉢状凹部320と称する)が成型されている。
【0018】
なお、左足側前足部(図示せず)に対応する左足側前足部対応領域330は、つま先側及び両縁に向かうに従って反っている。
また、左足側インソール300は、ウレタンフォームの左足側下層部材370と、左足側上層部材380と、左足側表皮部材385と、最下層となる左足側補強部材390とよりなる多層構造体である。
【0019】
次に、右足側インソール200及び左足側インソール300の裏側について
図2を用いて説明する。
図2(a)は右足側インソール200の裏側から見た場合の平面図である。
図2(b)は左足側インソール300の裏側から見た場合の平面図である。
【0020】
図2(a)においては、右足側前足部対応領域230と、右足側中足部対応領域250と、右足側後足部対応領域260とを示し、
図2(b)においては、左足側前足部対応領域330と、左足側中足部対応領域350と、左足側後足部対応領域360とを示して説明する。
また、
図2(b)においては、左足側擂鉢状凹部320を丸い点線で示して説明する。
図2(a)に示すように、右足側インソール200を構成する右足側下層部材270の裏側には、右足側拇指球対応領域(図示せず)を略囲んで、先端に至る略逆S字状の幅1.8mm程度の溝(以下、右足側略逆S字状溝240という)が形成されている。
【0021】
また、右足側略逆S字状溝240の右足側拇指球対応領域となる範囲から、略放射状に外側縁に向かって6本の溝(第1右足側放射状溝241、・・・第6右足側放射状溝246)が形成されている。これらの溝は、外側縁においては約10mm程度の間隔にされ、右足側略逆S字状溝240の右足側拇指球対応領域となる範囲では5mm程度にされている。
【0022】
さらに、右足側補強部材290が右足側下層部材270の裏面に圧着されている。この右足側補強部材290は、右足の踵骨(図示せず)の中央付近に対応する領域が卵形状に穴抜きされている(以下、右足側補強部材踵部穴部290aという)。
また、右足側補強部材290の前縁となる右足側中足部対応領域250付近の足外側となる前縁(以下、右足側補強部材足外側縁290bという)は、右足側第5中足骨(図示せず)が当たらないような形状にされている。
【0023】
一方、左足側インソール300は、
図2(b)に示すように裏側は、左足側下層部材370における左足側拇指球対応領域を略囲んで、先端に至る略逆S字状の幅3m程度の溝(以下、左足側略逆S字状溝340という)が形成されている。
また、左足側略逆S字状溝340の左足側拇指球対応領域となる範囲から、略放射状に外側縁に向かって6本の溝(第1左足側放射状溝341、・・・第6左足側放射状溝346)が形成されている。
【0024】
さらに、左足側補強部材390が左足側下層部材370の裏面に圧着されている。この左足側補強部材390は、左足の踵骨(図示せず)の中央付近に対応する領域が卵形状に穴抜きされている(以下、左足側補強部材踵部穴部390aという)。また、左足側補強部材390の前縁となる左足側中足部対応領域350付近の足外側となる前縁(以下、左足側補強部材足外側縁390bという)は、左足側第5中足骨(図示せず)が当たらないような形状にされている。
【0025】
前述の右足側補強部材290及び左足側補強部材390は、合成樹脂を含浸させた不織布と、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂のシートを張合わせた構造になっている。
さらに、本実施の形態のゴルフ用インソール100(例えば、200、300)は、芯材(図示せず)を下層部材と上層部材との間に設けている。なお、この芯材は、無くても構わないが、本実施の形態では芯材を内蔵したゴルフ用インソール100(例えば、200、300)として説明する。
【0026】
以下に図を用いて芯材について説明する。
図3は右足側インソール200を挿入した右足用靴に右足400を入れて足内側方向から見た場合の側面図である。
図4は右足側インソール200を挿入した右足側ゴルフシューズ30(図示せず)に右足400を入れて足外側方向から見た場合の側面図である。なお、左足側インソール300を挿入した左足側ゴルフシューズ40に左足500を入れた場合の側面図については図示しない。
【0027】
右足側インソール200は、
図3に示すように、右足側下層部材270と、右足側上層部材280との間に、右足側芯材295が圧着されている。この右足側芯材295については後述する
図6(a)を用いて説明する。
【0028】
図3には、右足400の右足側第1未節骨411と、右足側第1基節骨414と、右足側第1中足骨416と、右足側内側楔状骨418と、右足側舟状骨420と、右足側距骨424と、右足側踵骨422等を示す。但し、他の骨については符号を記載しない。
【0029】
図4には、右足400の右足側第5未節骨431と、右足側第5中節骨432と、右足側第5基節骨434と、右足側第5中足骨436と、右足側立方骨423と、右足側踵骨422と、右足側距骨424と、右足側第4未節骨441と、右足側第4中節骨442と、右足側第4基節骨444と、右足側第4中足骨446と、右足側外側楔状骨448と、右足側第3未節骨451と、右足側第3中節骨452と、右足側第3基節骨454と、右足側第3中足骨456等を示す。
【0030】
図5は本実施の形態のゴルフ用インソール100(例えば、200、300)を裏側から見た場合の平面図である。
図5(a)は右側を示し、
図5(b)は左側を示している。但し、各々の横アーチ用凸部については図示しない。
【0031】
図5(a)の右足側インソール200は、右足側下層部材270(図示せず)と右足側上層部材280(図示せず)との間の右足側芯材295と、最下層となる右足側補強部材290と、右足400の骨格と、右足側外側縦アーチ用凸部216(外側傾斜領域)と、右足側内側縦アーチ用凸部212と、右足側踵コーナ部218とを示して説明する。
【0032】
なお、右足400の骨格は、
図5(a)においては、右足側第1未節骨411と、右足側第1基節骨414と、右足側第1中足骨416と、右足側内側楔状骨418と、右足側舟状骨420と、右足側距骨424と、右足側踵骨422とを示す。
【0033】
また、右足側第5未節骨431と、右足側第5中節骨432と、右足側第5基節骨434と、右足側第5中足骨436と、右足側第4未節骨441と、右足側第4中節骨442と、右足側第4基節骨444と、右足側第4中足骨446と、右足側第3未節骨451と、右足側第3中節骨452と、右足側第3基節骨454と、右足側第3中足骨456と、右足側第2未節骨461と、右足側第2中節骨462と、右足側第2基節骨464と、右足側第2中足骨466とを示す。
【0034】
さらに、右足側外側楔状骨448と、右足側立方骨423と、右足側中間楔状骨427等を示す。
図5(a)に示すように、右足側芯材295は、右足側第1基節骨414と右足側第1未節骨411と拇指球に係る領域は広い、略「う」の字状の帯である。
この右足側芯材295は、
図5(a)に示すように、前足側の外側となる縁は、右足側立方骨423の中央付近から右足側第5中足骨436の中央付近、右足側第4中足骨446の骨頭の後ろ、右足側第3中足骨456の骨頭の後ろ、右足側第2中足骨466の骨頭後付近、右足側第1未節骨411の中央付近を通って内側縁に至っている。
【0035】
また、右足側芯材295は、右足側内側縦アーチ用凸部212側となる縁は、右足側立方骨423と右足側外側楔状骨448との間付近から右足側第4中足骨446の中央付近のやや下、右足側第3中足骨456の中央付近、右足側第2中足骨466の中央付近、右足側第1中足骨416の骨頭後付近を通って内側縁に至っている。すなわち、ゴルフコースを歩いた場合は、右足400の荷重が右足側芯材295を通って親指側に抜けていくことになる。このため、ゴルフコースをスムーズに歩けることになる。
【0036】
また、右足側外側縦アーチ用凸部216(外側傾斜領域)は、後足部に設けられている右足側補強部材踵部穴部290aの中央付近にまで及んでいる。前足側の先端中央と踵部の中央とを結ぶ右足側中底中心線Laを
図5(a)に記載して説明する(
図6参照)。
【0037】
図6(b)は
図5(a)の右足側インソール200のB-B断面であり、
図6(a)は
図5(a)のD-D断面図である。
図7は
図5(a)のC-C断面図である。
一方、左足500の左足側インソール300は、
図5(b)に示すように、左足側芯材595を有している。この左足側芯材595は、左足側下層部材370(図示せず)と左足側上層部材380(図示せず)との間に圧着されている。
【0038】
図5(b)においては、左足側芯材595と、最下層となる左足側補強部材390と、左足500の骨格と、左足側内側縦アーチ用凸部312と、左足側コーナ部318と、左足側擂鉢状凹部320(丸い点線)とを示して説明する(左足側横アーチ用凸部314については省略する)。
【0039】
なお、左足500の骨格は、
図5(b)においては、左足側第1未節骨511と、左足側第1基節骨514と、左足側第1中足骨516と、左足側内側楔状骨518と、左足側舟状骨520と、左足側距骨524と、左足側踵骨522とを示す。
【0040】
また、左足側第5未節骨531と、左足側第5中節骨532と、左足側第5基節骨534と、左足側第5中足骨536と、左足側第4未節骨541と、左足側第4中節骨542と、左足側第4基節骨544と、左足側第4中足骨546と、左足側第3未節骨551と、左足側第3中節骨552と、左足側第3基節骨554と、左足側第3中足骨556と、左足側第2未節骨561と、左足側第2中節骨562と、左足側第2基節骨564と、左足側第2中足骨566とを示す。
【0041】
さらに、左足側中間楔状骨527と、左足側外側楔状骨548と、左足側立方骨523と等を示す。
図5(b)に示すように、左足側芯材595は、略逆「う」の字状の帯であり、前足側、外側となる縁は、左足側立方骨523の中央付近から左足側第5中足骨536の中央付近、左足側第4中足骨546の骨頭の後ろ、左足側第3中足骨556の骨頭の後ろ、左足側第2中足骨566の骨頭後ろ付近を通って左足側擂鉢状凹部320の手前付近に至っている。
【0042】
また、左足側芯材595は、左足側内側縦アーチ用凸部312側となる縁は、左足側立方骨523と左足側外側楔状骨548との間付近から左足側第4中足骨546の中央付近のやや下、左足側第3中足骨556の中央付近、左足側第2中足骨566の中央付近を通って左足側擂鉢状凹部320の手前付近に至っている。すなわち、ゴルフコースを歩いた場合は、左足500の荷重が左足側芯材595を通って左足側擂鉢状凹部320側に抜けていくことになる。このため、ゴルフコースをスムーズに歩けることになる。また、左足側補強部材390のつま先側の先端縁は、左足側第5中足骨536に当たらない形状にされている。
【0043】
右足側芯材295及び左足側芯材595(総称して芯材という)は、合成樹脂を含浸させた織布又は不織布等により構成されている。芯材の厚みは、1.0mm以下であり、長さ方向の曲げ剛性値は31N・cm程度であり、幅方向の曲げ剛性値は17N・cmである。曲げ剛性値は、所定の測定条件(測定器:オルゼン型ステックネステスター、環境温度20°C、環境相対湿度:65%RH、偏位角度:40°)の下で測定された。
【0044】
なお、芯材は、合成樹脂のみによって構成しても構わない。
図8は左足側インソール300の説明図である。
図8(a)は左足側インソール300を上から見た場合の平面図である。
図8(b)は
図8(a)の左足側インソール300のE-E断面図であり、
図8(c)は
図8(a)の左足側インソール300のF-F断面図である。
図8(c)に示すように、踵部であるF-F断面においては、右足用のような外側傾斜領域(外側縦アーチ用凸部)が存在していない。つまり、外側傾斜領域(外側縦アーチ用凸部)がないので、左足においてフォローがスムーズである。
【0045】
図9は左足側インソール300の斜視図である。
図9においては左足側擂鉢状凹部320及び左足側内側縦アーチ用凸部312付近を断面で示す。
図9に示すように、左足側下層部材370の上となる左足側上層部材380は、左足側拇指球に対応する領域が、擂鉢状に削られて、中央部が円状に空けられている(
図10参照)。なお、
図10は
図9のH部分の拡大図である。
【0046】
図11は左足側インソール300に左足500を載置した場合の斜視図である。
図11に示すように、左足500の左足側拇指球(図示せず)が左足側擂鉢状凹部320に嵌る。
このため、ダウンスイングからインパクト、フォローの過程での身体の旋回が左足側拇指球を中心にして回転することになる。このとき、左足側インソール300は外側傾斜領域がないので、左足股関節の柔軟性に難のある方(特に男性及びご年配者)はスムーズな回転運動を促す。このため、ゴルフボールを所望の方向に飛ばすことができると共に、インパクトが強くなるので飛距離がでる。
一方、ダウンスイングからインパクトの過程では、右足側インソール200の外側傾斜領域(右足側外側縦アーチ用凸部216)によって右足の外側への荷重がかかるのを防止する。
【0047】
従って、ゴルフボールを所望の方向に飛ばすことができると共に、インパクトが強くなるので飛距離がでる。
また、右足側インソール200には、右足側補強部材290が右足側下層部材270の裏面に圧着され、右足側下層部材270と右足側上層部材280との間に右足側芯材295が圧着されており、左足側インソール300には、左足側補強部材390が左足側下層部材370の裏面に圧着され、左足側下層部材370と左足側上層部材380との間に左足側芯材595が圧着されているので、広いゴルフコースを足に負担をかけることなくスムーズに歩けることになる。
【0048】
<その他の実施の形態>
さらに、左足側インソール300の左足側擂鉢状凹部320の直ぐ後には、連接して波状突起部325を成型してもよい。
例えば、この波状突起部325の頂点は、裏側からの高さが7mm程度(6mm~8mm:好ましくは7mm)にし、長手方向の長さを16mm程度(15mm~18mm:好ましくは16mm)にし、幅方向の長さは頂点を基準にすると最大で32mm程度(30mm~34mm:好ましくは32mm)にするのが好ましい。
また、上記実施の形態では、男性用を例示して説明したが、女性用であっても構わない。さらに、上記実施の形態では多層構造として説明したが単層であってもよい。但し、芯材は単層の場合は設けないのが好ましい。
【符号の説明】
【0049】
100 ゴルフ用インソール
200 右足側インソール
300 左足側インソール
212 右足側内側縦アーチ用凸部
214 右足側横アーチ用凸部
216 右足側外側縦アーチ用凸部
230 右足側前足部対応領域
270 右足側下層部材
280 右足側上層部材
290 右足側補強部材
312 左足側内側縦アーチ用凸部
320 左足側擂鉢状凹部
325 波状突起部
370 左足側下層部材