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特許6994715Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20220128BHJP
   A61K 51/04 20060101ALI20220128BHJP
   C07F 7/22 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K51/04
C07F7/22 T
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017194585
(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公開番号】P2019064987
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000141897
【氏名又は名称】アークレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐治 英郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 寛之
(72)【発明者】
【氏名】松田 洋和
(72)【発明者】
【氏名】相馬 佑佳
(72)【発明者】
【氏名】中西 修一
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-500741(JP,A)
【文献】国際公開第2005/063709(WO,A1)
【文献】特表2010-509349(JP,A)
【文献】Patoliya, M. J.; Kharadi, G. J.,Synthesis and bioevaluation of novel Imatinib base derivatives via 1,1'-carbonyldiimidazole catalyst,Journal of Chemistry,2013年,915381/1-915381/7
【文献】Pan, Xiaoyan et.al.,Design, synthesis and biological evaluation of pyridin-3-yl pyrimidines as potent Bcr-Abl inhibitors,Chemical Biology & Drug Design,2014年,Vol.83(5),p.592-599
【文献】Peng, Zhenghong et.al.,Imatinib analogs as potential agents for PET imaging of Bcr-Abl and c-KIT expression at a kinase level,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2014年,Vol.22(1),p.623-632
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 401/04
A61K 51/04
C07F 7/22
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)、(2)及び(4)のいずれかで表される化合物又はその製薬上許容される塩。
【化1】
[式(1)、(2)及び(4)中のR3は、123I、124I、又は125Iである。]
【請求項2】
前記化合物は、式(1)又は(4)で表される化合物である、請求項1記載の化合物又はその製薬上許容される塩。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を含む、Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ。
【請求項4】
放射性標識のための前駆体化合物であって、下記式(6)、(7)及び(9)のいずれかで表される前駆体化合物。
【化2】
[式(6)、(7)及び(9)中のR9は、ハロゲン原子、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基である。]
【請求項5】
前記化合物は、式(6)又は(9)で表される前駆体化合物であり、式(6)及び(9)中のR9は、臭素原子である、請求項4記載の前駆体化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、Bcr-Ablタンパク質に結合可能な化合物及び該化合物を含むBcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
Bcr-Abl遺伝子及びそれから産生されるBcr-Ablタンパク質は、慢性骨髄性白血病(CML)の治療効果の評価や寛解の判断の指標の一つとされている(非特許文献1及び2)。なぜなら、CMLは、9番目の染色体と22番目の染色体の相互転座が生じることによりフィラデルフィア染色体が形成され、その染色体上で形成されたBcr-Abl遺伝子産生するBcr-Ablタンパク質が白血球細胞の無制限な増殖を引き起こすことにより発症するとされているからである。
【0003】
一方、イマチニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤(Bcr-Abl TKI)はCML治療においてもっとも有効性が高いとされているが、これらによる治療が有効ではない患者も中にはいる。このため、例えば、Bcr-Ablタンパク質の薬剤耐性変異によりBcr-Abl TKIによる治療が失敗する可能性を回避するために、核医学診断用放射性イメージングプローブの検討が行われている(非特許文献3及び4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版
【文献】Michele Baccarani et al., European LeukemiaNet recommendations for the management of chronic myeloid leukemia: 2013, BLOOD, 8 AUGUST 2013, VOLUME 122, NUMBER 6, 872-884
【文献】Mikhail Doubrovin et al., 124I-Iodopyridopyrimidinone for PET of Abl Kinase-Expressing Tumors In Vivo, THE JOURNAL OF NUCLEAR MEDICINE, Vol. 51, No. 1, January 2010 121-129
【文献】Athanasios P. Glekas, In Vivo Imaging of Bcr-Abl Overexpressing Tumors with a Radiolabeled Imatinib Analog as an Imaging Surrogate for Imatinib, THE JOURNAL OF NUCLEAR MEDICINE, Vol. 52, No. 8, August 2011 1301-1307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、Bcr-Ablタンパク質を検出する放射性化合物の検討は行われているが、Bcr-Abl TKIの感受性を判別可能な方法は未だ開発されていない。そこで、本開示は、Bcr-Ablタンパク質をイメージング可能かつBcr-Abl TKIの感受性を判別可能な新たな放射性化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一態様において、下記式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩(以下、「本開示の放射性化合物」ともいう)に関する。
【化1】
[式(I)中、
1は、
【化2】
であって、R2は、放射性ハロゲン原子であり、
1は、
【化3】
であって、
3及びR5は、放射性ハロゲン原子であり、
4は、水素原子又は-CH2-R6であって、R6は、4-メチルピペラジン-1-イル基、4-エチルピペラジン-1-イル基、4-n-プロピルピペラジン-1-イル基、1-ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基であり、
2、R3、及びR5のいずれか一つは、放射性ハロゲン原子である。]
【0007】
本開示は、一態様において、下記式(II)で表される化合物その製薬上許容される塩を含む、Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブに関する。
【化4】
[式(II)中、
2は、
【化5】
であって、R8は、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、ブロシレート基であり、
7は、
【化6】
であって、
9及びR10は、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、又はブロシレート基であり、
4は、水素原子又は-CH2-R6であって、R6は、4-メチルピペラジン-1-イル基、4-エチルピペラジン-1-イル基、4-n-プロピルピペラジン-1-イル基、1-ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基であり、
8、R9、及びR10のいずれか一つは、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、又はブロシレート基である。
【0008】
本開示は、一態様において、上記式(I)で表される化合物、その製薬上許容される塩又は上記分子プローブが投与された被検体から前記化合物の放射性シグナルを検出することを含むイメージング方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、一態様において、Bcr-Ablタンパク質をイメージング可能かつBcr-Abl TKIの感受性を判別可能な新たな放射性化合物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、[125I]IMT-1、[125I]IMT-2及び[125I]IMT-3のK562細胞への取込の経時変化を示すグラフである。
図2図2は、K562担がんマウスにおける[125I]IMT-1の腫瘍/臓器比の経時変化の一例を示すグラフであって、左から順に腫瘍/血液比、腫瘍/筋肉比及び腫瘍/骨比の経時変化を示すグラフである。
図3図3は、K562担がんマウスにおける[125I]IMT-5の腫瘍/臓器比の経時変化の一例を示すグラフであって、左から順に腫瘍/血液比、腫瘍/筋肉比及び腫瘍/骨比の経時変化を示すグラフである。
図4図4は、K562担がんマウスにおける[125I]IMT-5投与後60分の各臓器への集積量を示すグラフである。
図5図5は、[123I]IMT-5を投与したK562担がんマウスのSPECT/CT撮像により得られた画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、下記の放射性標識された化合物が、Bcr-Ablタンパク質に高い親和性を有し、かつ非特許文献4(THE JOURNAL OF NUCLEAR MEDICINE, Vol. 52, No. 8, August 2011 1301-1307)等に開示されたイマチニブを骨格とするイメージングプローブと比較して高い腫瘍/血液比及び腫瘍/筋肉比を示す、という知見に基づく。
【化7】
【0012】
本開示は、下記の放射性標識された化合物の薬剤耐性変異型Bcr-Ablタンパク質(中でもT315I変異型Bcr-Ablタンパク質)に対する親和性が、野生型Bcr-Ablタンパク質に対する親和性と比較して有意な差があり、前者は後者よりも低い、という知見に基づく。本開示は、下記の放射性標識された化合物の薬剤耐性変異型Bcr-Ablタンパク質の腫瘍/血液比及び腫瘍/筋肉比が、野生型Bcr-Ablタンパク質のそれと比較して有意な差があり、前者は、後者よりも低い、という知見に基づく。
【化8】
【0013】
本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablタンパク質に高い親和性を有し、かつ優れた腫瘍/血液比及び腫瘍/筋肉比を示すことができるという効果を奏しうる。このため、本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablタンパク質の発現を非侵襲的に検出することができうるという効果を奏しうる。本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablタンパク質が過剰に発現した腫瘍を非侵襲的に画像化、好ましくは定量できうるという効果を奏しうる。また、本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、T315I変異型Bcr-Ablタンパク質に低い親和性を有し、かつ野生型における腫瘍/血液比及び腫瘍/筋肉比と比較して有意な差を示すことができるという効果を奏しうる。このため、本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablタンパク質が過剰に発現した腫瘍に対するBcr-Abl TKIの感受性を非侵襲的に画像化、好ましくは定量できうるという効果を奏しうる。
【0014】
本明細書における「Bcr-Abl TKIの感受性を判別可能」としては、一又は複数の実施形態において、野生型のBcr-Ablタンパク質と、T315I変異型Bcr-Ablタンパク質に対する効果を判別できることが挙げられる。
【0015】
本開示において「Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ」とは、可視化するための放射性同位元素を含み、標的となるBcr-Ablタンパク質を認識することができる分子をいう。イメージング用分子プローブは、一又は複数の実施形態において、陽電子断層撮影(PET)又は単光子断層撮影(SPECT)に用いることができる。
【0016】
本明細書において「製薬上許容される塩」とは、薬理上及び/又は医薬上許容される塩を含有し、例えば、無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、有機塩基塩、酸性又は塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。本開示において「塩」には、化合物が大気中に放置されることにより、水分を吸収して形成されうる水和物が包含され得る。また、本開示において「化合物の塩」には、化合物が他のある種の溶媒を吸収して形成されうる溶媒和物も包含され得る。
【0017】
本明細書において「放射性ハロゲン原子」とは、ハロゲン原子の放射性同位体をいう。放射性ハロゲン原子としては、18F、123I、124I、125I、131I、75Br、76Br、及び77Brが挙げられる。本明細書において「ハロゲン原子」とは、ハロゲン原子の非放射性同位体をいう。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
【0018】
[式(I)で表される化合物]
本開示は、一又は複数の実施形態において、下記式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩に関する。
【化9】
【0019】
式(I)中、
1は、
【化10】
であって、R2は、放射性ハロゲン原子である。
1は、
【化11】
である。
3及びR5は、放射性ハロゲン原子であり、R4は、水素原子又は-CH2-R6であって、R6は、4-メチルピペラジン-1-イル基、4-エチルピペラジン-1-イル基、4-n-プロピルピペラジン-1-イル基、1-ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基である。
式(I)において、R2、R3、及びR5のいずれか一つは、放射性ハロゲン原子である。
1及びR1において、波線を付した結合手は、式(I)との結合部分を示す。
【0020】
式(I)で表される化合物としては、一又は複数の実施形態において、下記式(1)から(5)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
【化12】
上記式においてR3、R5及びR2は、放射性ハロゲン原子である。
【0021】
本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablタンパク質のイメージングに用いることができる。本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Abl陽性腫瘍のイメージングに用いることができる。イメージングとしては、一又は複数の実施形態において、PETやSPECT等のインビボ核医学イメージングが挙げられる。その他には、本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、CMLと診断された被検体におけるBcr-Abl阻害作用を有するチロシンキナーゼ阻害剤による治療効果の有効性の評価を行うための情報を得ることを目的としたイメージングに用いることができる。よって本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Abl阻害作用を有するチロシンキナーゼ阻害剤のコンパニオン診断薬として使用することができる。さらにその他には、本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Abl TKIが標的とする又は結合するタンパク質のイメージングに用いることができる。
【0022】
したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の放射性化合物を含む、Bcr-Ablタンパク質イメージング用分子プローブ又はイメージング用組成物に関する。本開示において、イメージング用分子プローブ及びイメージング用組成物の形態は、特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、溶液又は粉末が挙げられる。これらは、担体等の医薬品添加物を含んでいてもよい。
【0023】
[式(I)で表される化合物の製造方法]
本開示の放射性化合物は、一又は複数の実施形態において、下記式(II)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を放射性標識することにより製造できる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(II)で表される化合物又はその製薬上許容される塩を放射性標識することを含む、放射性化合物の製造方法に関する。
【化13】
【0024】
式(II)中、
2は、
【化14】
であり、R8は、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、又はブロシレート基である。
7は、
【化15】
であって、
9及びR10は、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、又はブロシレート基であり、
4は、水素原子又は-CH2-R6であって、R6は、4-メチルピペラジン-1-イル基、4-エチルピペラジン-1-イル基、4-n-プロピルピペラジン-1-イル基、1-ピロリジニル基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ジメチルアミノ基又はジエチルアミノ基で
ある。
式(II)において、R8、R9、及びR10のいずれか一つは、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基、又はブロシレート基である。
2及びR7において、波線を付した結合手は、式(I)との結合部分を示す。
【0025】
式(II)で表される化合物としては、一又は複数の実施形態において、下記式(6)から(10)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
【化16】
上記式において、R9、R10は、及びR8は、ハロゲン原子、トリアルキルスタニル基、ニトロ基、トシレート基、メシレート基、トリフレート基、ノシレート基又はブロシレート基である。
【0026】
本開示は、一又は複数の実施形態において、式(6)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(1)で表される化合物の製造方法に関する。本開示は、一又は複数の実施形態において、式(7)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(2)で表される化合物の製造方法に関する。式(8)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(3)で表される化合物の製造方法に関する。本開示は、一又は複数の実施形態において、式(9)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(4)で表される化合物の製造方法に関する。本開示は、一又は複数の実施形態において、式(10)で表される化合物を放射性標識することを含む、式(5)で表される化合物の製造方法に関する。
【0027】
放射性標識は、一又は複数の実施形態において、[123/124/125I]NaI等を用いて直接標識法により行うことができる。
【0028】
式(II)で表される化合物又はその製薬上許容される塩は、上述のとおり、標識前駆体として使用することができる。したがって、本開示は、一又は複数の実施形態において、式(II)で表される化合物又はその製薬上許容される塩(以下、「本開示の標識前駆体化合物」という)に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の放射性化合物を合成するための標識前駆体として使用する本開示の標識前駆体化合物を含む組成物に関する。また、本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の標識前駆体化合物を含む本開示の放射性化合物を調製するためのキットに関する。本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、放射性ハロゲン原子を含む標識試薬をさらに含んでいてもよい。
【0029】
[イメージング方法]
本開示は、一態様において、本開示の放射性化合物又は本開示の分子プローブが投与された被検体から前記化合物の放射性シグナルを検出することを含むイメージング方法(以下、「本開示のイメージング方法」ともいう)に関する。被検体は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ヒト、ヒト以外の哺乳類、培養細胞、又はBcr-Ablが発現している可能性のある対象等が挙げられる。
【0030】
本開示のイメージング方法は、一又は複数の実施形態において、Bcr-Ablの発現レベルの測定、Bcr-Abl陽性腫瘍のイメージング、及びCMLと診断された被検体におけるBcr-Abl阻害作用を有するチロシンキナーゼ阻害剤による治療効果の有効性の評価等の用途に用いることができる。
【0031】
シグナルの検出は、一又は複数の実施形態において、使用する本開示の化合物に含まれる放射性同位元素の種類に応じて適宜決定でき、例えば、PET及びSPECT等を用いて行うことができる。
【実施例
【0032】
以下に実施例を用いて本開示をさらに説明するが、これらは例示的なものであって、本開示は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
【0033】
[機器及び試薬]
1H(400 MHz or 500 MHz) NMRスペクトルはLNM-AL 400又は500(日本電子株式会社)にて測定し、内部標準物質としてテトラメチルシランを用いた。
逆相HPLCはLC-20AD(株式会社 島津製作所)を用い、検出器としてSPD-20A UV(株式会社 島津製作所)とサーベイメーター NDW-351(日立アロカメディカル株式会社)を使用した。
逆相HPLC用カラムにはCOSMOSIL C18-AR-II (10 x 250 mm)(ナカライテスク株式会社)を用い、移動相には(A) 0.1% TFA水溶液及び (B) 0.1% TFAアセトニトリル溶液を使用した。TLCにはsilica gel 60 F254(メルク株式会社)を用いた。
カラムクロマトグラフィーによる精製には中圧カラムW-Prep 2XY(株式会社 山善)を用い、シリカゲルはHi Flash silica gel 40 mm, 60Å(株式会社 山善)を使用した。
[125I]NaIは、PerkinElmer社より購入し、[123I]NH4Iは、日本メジフィジックス社より購入した。オートウェルガンマカウンターWallac 1480 WIARD 3(PerkinElmer社)を用いて測定した。
SPECT/CTによる画像収集は、GMI FX-3300 Pre-Clinical Imaging Systemを用い、データ解析には3D OSEMを使用した。
【0034】
(製造例1)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-1を製造した。
【化17】
3-Iodo-4-(4-methylpiperazin-1-ylmethyl)benzoic acid ethyl ester (242.6 mg, 0.71 mmol)に水(0.17 mL)、濃塩酸(0.34 mL)加えた後、100℃で3 時間攪拌した。その後、溶媒を溜去しトルエンを加え共沸させた後、乾固した。次に、塩化チオニル(1.5 mL, 21.0 mmol)、DMF (3 drops)を加え室温にて22時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し、乾固した。次にTHF (2.13 mL)を入れ2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (169.2 mg, 0.61 mmol)、トリエチルアミン (360.3 μL, 2.44 mmol)を加え室温にて2時間攪拌した。攪拌停止後、水と酢酸エチルを加え、飽和NaHCO3 水溶液、水で洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 5 : 1) により精製し、IMT-1 (212.0 mg, 0.37 mmol, 60%, pale yellow solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.26 (1H, s), 9.28 (1H, d, J=2.0Hz), 9.00 (1H, s), 8.69 (1H, dd, J=5.0, 1.5Hz), 8.52 (1H, d, J=5.0Hz), 8.48 (1H, ddd, J=8.0, 2.0, 1.5Hz), 8.40 (1H, d, J=2.0Hz), 8.06 (1H, d, J=2.0Hz), 7.94 (1H, dd, J=8.0, 2.0Hz), 7.53 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz), 7.52 (1H, d, J=8.0Hz), 7.47 (1H, dd, J=8.0, 2.0Hz), 7.44 (1H, d, J=5.0Hz), 7.22 (1H, d, J=8.0Hz), 3.52 (2H, s), 2.55-2.27 (8H, m), 2.23 (3H, s), 2.18 (3H, s).
【0035】
(製造例2)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-3を製造した。
【化18】
m-ヨード安息香酸 (248.0 mg, 1.0 mmol)に塩化チオニル(1.43 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し乾固した。そこへTHF (6.20 mL)を入れ、2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (A) (100.0 mg, 0.36 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (62.7 L, 0.43 mmol)を加え室温にて2.5時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、水で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 20 : 1) により精製しIMT-3 (183.5 mg, 0.36 mmol, quant., white solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.27 (1H, br), 9.27 (1H, d, J=2.0Hz), 8.98 (1H, br), 8.68 (1H, dd, J=4.5, 2.0Hz), 8.51 (1H, d, J=5.0Hz), 8.46 (1H, dt, J=8.0, 2.0Hz), 8.28 (1H, t, J=2.0Hz), 8.06 (1H, d, J=2.0Hz), 7.97-7.92 (2H, m), 7.51 (1H, dd, J=8.0, 4.5Hz) 7.46 (1H, dd, J=8.5, 2.0Hz), 7.43 (1H, d, J=5.0Hz), 7.33 (1H, t, J=8.0Hz), 7.20(1H, d, J=8.0Hz), 2.21 (3H, s).
【0036】
(製造例3)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-4を製造した。
【化19】
m-ヨードニコチン酸 (94.6 mg, 0.38 mmol)に塩化チオニル(0.53 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し乾固した。そこへTHF (5.5 mL)を入れ、2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (A) (70.2 mg, 0.32 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (66 L, 0.38 mmol)を加え室温にて2時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 10 : 1) により精製しIMT-4 (111.2 mg, 0.22 mmol, 68%, pale yellow solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.43 (1H, s), 9.27 (1H, d, J=2.0Hz), 9.04 (1H, d, J=2.0Hz), 8.98 (2H, m), 8.68 (1H, dd, J=4.0, 2.0Hz), 8.64 (1H, t, J=2.0Hz), 8.51 (1H, d, J=5.0Hz), 8.47 (1H, dt, J=8.0, 2.0Hz), 8.06 (1H, d, J=2.0Hz), 7.52 (1H, dd, J=8.0, 4.0Hz), 7.46 (1H, dd, J=8.0, 2.0), 7.43 (1H, d, J=5.0Hz), 7.2 (1H, d, J=8.0Hz), 2.22 (3H, s).
【0037】
(製造例4)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-5を製造した。
【化20】
4-Methyl-3-[[4-(3-pyridinyl)-2-pyrimidinyl]amino]benzoic acid (107.2 mg, 0.35 mmol)に塩化チオニル(1.0 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し、乾固した。その後、THF (5.0 mL)を入れ、3-Iodo-4-(4-methyl-piperazin-1-ylmethyl)-phenylamine (B) (96.0 mg, 0.29 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (60.6 μL, 0.35 mmol)を加え室温にて17時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 5 : 1) により精製しIMT-5 (60.2 mg, 0.097 mmol, 33%, white solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.23 (1H, s), 9.26 (1H, d, J=2.0Hz), 9.14 (1H, s), 8.68 (1H, d, J=5.0Hz), 8.53 (1H, d, J=5.0Hz), 8.43 (1H, d, J=8.0Hz), 8.33 (1H, d, J=2.0Hz), 8.25 (1H, s), 7.79 (1H, d, J=8.0Hz), 7.70 (1H, d, J=8.0Hz), 7.50 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz), 7.47 (1H, d, J=5.0Hz), 7.40 (1H, d, J=8.0Hz), 7.32 (1H, d, J=8.0Hz), 3.43 (2H, s), 2.55-2.36 (8H, m), 2.33 (3H, s), 2.24 (3H, s).
【0038】
(製造例5)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-6を製造した。
【化21】
化合物E (97.0 mg), N-ヨードスクシンイミド (91.5 mg), AgNO3 (5.7 mg)をTHF(3 mL)に溶解させ、室温で撹拌させた。一晩撹拌後、1 M Na2SO3溶液と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、CHCl3で3回抽出し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。得られたろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル=1: 1→酢酸エチル) により精製し化合物 F(116.1 mg, 黄色固体)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ9.30-9.20 (m, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.56-8.50 (m, 1H), 8.43-8.25 (m, 2H), 7.50-7.41 (m, 1H), 7. 25-7.10 (m, 2H), 7.00-6.91 (s, 1H), 2.37 (s, 3H).
化合物F (77.0 mg), 化合物G (55.9 mg)をDMF(1 mL)に溶解させ、CuI (1.8 mg), Et3N (53.1 uL)のTHF溶液 (1 mL)を加え室温で撹拌させた。一晩撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、CHCl3で3回抽出し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。得られたろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 99: 1→95:5) により精製し IMT-6(61.4 mg, 淡黄色固体)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ9.27 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.75-8.68 (m, 1H), 8.59-8.50 (m, 2H), 8.08 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.87 (s,1H), 7.78-7.73 (m, 1H), 7. 73-7.67 (m, 1H), 7.46 (dd, J=4.5, 8.0 Hz, 1H), 7.36 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 3.77 (s, 2H), 2.70-2.39 (m, 11H), 2.33 (s, 3H).
【0039】
(製造例6)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-7を製造した。
【化22】
IMT-6 (41.0 mg), AgF (36.6 mg), N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン (4.3 uL)をtoluene (0.58 mL)に溶解させ、120℃に加熱した。一晩撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、CHCl3で3回抽出し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。得られたろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 99: 1→95:5) により精製し IMT-7 (18.1 mg, 淡黄色固体)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ9.30 (d, J=2.0 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.73 (dd, J=1.5, 4.5 Hz, 1H), 8.58-8.50 (m, 2H), 8.08 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.04 (s,1H), 7.93 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7. 59 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.46 (dd, J=4.5, 8.0 Hz, 1H), 7.35 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.23 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 3.75 (s, 2H), 2.78-2.38 (m, 11H), 2.33 (s, 3H).
【0040】
[標識前駆体合成]
標識前駆体となるIMT-1 precursor、IMT-3 precursor、IMT-4 precursor及びIMT-5 precursorを合成した。
【0041】
(製造例7)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-1 precursorを製造した。
【化23】
3-Bromo-4-(4-methylpiperazin-1-ylmethyl)benzoic acid ethyl ester (198.3 mg, 0.51 mmol)に水(0.12 mL)、濃塩酸(0.24 mL)を加え100℃で2 時間攪拌した。その後、溶媒を溜去しトルエンを加え共沸させた後、乾固した。次に、塩化チオニル(0.74 mL, 10.2 mmol)、DMF (3 drops)を加え室温にて22時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し乾固した。乾固した中間体(122.0 mg, 0.44 mmol)をナスフラスコに入れ、THF (1.53 mL)を加え、2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (A) (193.1 mg, 0.51 mmol)、トリエチルアミン (0.13 mL, 0.88 mmol)を加えて室温にて2時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 5 : 1) により精製しIMT-1 precursor (287.0 mg, 0.46 mmol, quant. pale yellow solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.26 (1H, s), 9.26 (1H, d, J=2.5Hz), 8.98 (1H, s), 8.68 (1H, dd, J=5.0, 2.0Hz), 8.50 (1H, d, J=5.0Hz), 8.46 (1H, ddd, J=8.0, 2.5, 2.0Hz), 8.16 (1H, d, J=1.5Hz), 8.06 (1H, d, J=2.0Hz), 7.93 (1H, dd, J=8.0, 1.5Hz), 7.59 (1H, d, J=8.0Hz), 7.51 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz) 7.46 (1H, dd, J=8.0, 2.0Hz), 7.42 (1H, d, J=5.0Hz), 7.20(1H, d, J=8.0Hz), 3.58 (2H, s), 2.51-2.25 (8H, m), 2.21 (3H, s), 2.15 (3H, s).
【0042】
(製造例8)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-3 precursorを製造した。
【化24】
m-ブロモ安息香酸 (201.0 mg, 1.0 mmol)に塩化チオニル(1.43 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し乾固した。乾固した中間体 (94.4 mg, 0.43 mmol)にTHF (6.20 mL)を入れ、2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (A) (100.0 mg, 0.36 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (62.7 μL, 0.43 mmol)を加え室温にて2.5時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、水で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 20 : 1) により精製しIMT-3 precursor (33.2 mg, 0.072 mmol, 20%, pale yellow solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.30 (1H, s), 9.27 (1H, d, J=2.0Hz), 8.97 (1H, s), 8.68 (1H, dd, J=5.0, 1.5Hz), 8.51 (1H, d, J=5.0Hz), 8.46 (1H, dt, J=8.0, 2.0Hz), 8.13 (1H, t, J=2.0Hz), 8.07 (1H, d, J=2.0Hz), 7.94 (1H, d, J=8.0Hz), 7.78 (1H, d, J=8.0Hz), 7.51 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz) 7.49 (1H, t, J=8.0Hz), 7.46 (1H, dd, J=8.0, 2.0Hz), 7.43(1H, d, J=5.0Hz), 7.21(1H, d, J=8.0Hz), 2.22 (3H, s).
【0043】
(製造例9)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-4 precursorを製造した。
【化25】
m-ブロモニコチン酸 (202.0 mg, 1.0 mmol)に塩化チオニル(1.43 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮し乾固した。乾固した中間体(94.4 mg, 0.43 mmol)にTHF (6.20 mL)を入れ、2-(5-Amino-2-methylanilino)-4-(3-pyridyl)pyrimidine (A) (100.0 mg, 0.36 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (62.7 μL, 0.43 mmol)を加え室温にて2時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 20 : 1) により精製しIMT-4 precursor (42.3 mg, 0.092 mmol, 26%, white solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.46 (1H, s), 9.27 (1H, d, J=2.0Hz), 9.05 (1H, d, J=2.0Hz), 9.00 (1H, s), 8.89 (1H, d, J=2.0Hz), 8.68 (1H, dd, J=5.0, 2.0Hz), 8.53 (1H, t, J=2.0Hz), 8.51 (1H, d, J=5.0Hz), 8.47 (1H, dt, J=8.0, 2.0, Hz), 8.07 (1H, d, J=2.0Hz), 7.53 (1H, dd, J=8.0, 5.0Hz), 7.46 (1H, dd, J=8.0, 2.0Hz), 7.43 (1H, d, J=5.0Hz), 7.23(1H, d, J=8.0Hz), 2.22 (3H, s).
【0044】
(製造例10)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-5 precursorを製造した。
【化26】
4-Methyl-3-[[4-(3-pyridinyl)-2-pyrimidinyl]amino]benzoic acid (107.2 mg, 0.35 mmol)を入れ、塩化チオニル(0.50 mL)、DMF (3 drops)を加え室温にて17時間攪拌した。その後、溶液を濃縮乾固した。その後、THF (5.0 mL)を入れ、3-Bromo-4-(4-methyl-piperazin-1-ylmethyl)-phenylamine (C) (82.4 mg, 0.29 mmol)、DMAP (1.2 mg, 0.01 mmol)、N,N-Diisopropylethylamine (60.6 μL, 0.35 mmol)を加え室温にて2.5時間攪拌した。水と酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 5 : 1) により精製しIMT-5 precursor (43.0 mg, 0.075 mmol, 25%, white solid)を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ10.33 (1H, s), 10.09 (1H, s), 9.30 (1H, d, J=2.0Hz), 8.76 (1H, d, J=5.0Hz), 8.74 (1H, dd, J=5.0, 1.5Hz), 8.51 (1H, ddd, J=8.5, 2.0, 1.5Hz), 8.09 (1H, d, J=2.0Hz), 8.02-7.98 (2H, m), 7.84 (1H, d, J=2.0Hz), 7.74 (1H, dd, J=8.5, 2.0Hz), 7.59-7.55 (2H, m), 7.39 (1H, d, J=8.0Hz), 3.47 (2H, s), 2.55-2.24 (8H, m), 2.16 (3H, s), 2.13 (3H, s).
【0045】
(製造例11)
下記スキームに従って下記式で表されるIMT-5 precursor(スズ化合物)を製造した。
【化27】
化合物C (235 mg)を1,4-ジオキサン溶液(8 mL)に溶解させ、(SnMe3)2 (523 uL)、Pd(PPh3)4 (4191.8 mg)を加えて、120℃で撹拌させた。一晩撹拌後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をクロロホルムに溶解させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。得られたろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 95 : 5→9:1) により精製し化合物D (126.4 mg, 淡黄色固体)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.00 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 8.0 Hz, 2.5H), 6.57 (dd, J = 2.5, 8.0 Hz, 1H), 3.59 (s, 1H), 3.34 (s, 1H), 2.41 (brs, 6H), 2.28 (s, 3H), 1.62 (brs, 2H), 0.26 (s, 9H).
4-Methyl-3-[[4-(3-pyridinyl)-2-pyrimidinyl]amino]benzoic acid (16.6 mg)と化合物D (20 mg)をCH2Cl2 (0.5 mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルアミン (14 uL)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン (3.3 mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩 (15.5 mg)を加え室温で撹拌させた。一晩撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水しろ過した。得られたろ液を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 95 : 5→9:1) により精製し IMT-5 precursor(スズ化合物)(34.6 mg, 白色固体)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ9.23 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.70 (d, J=4.5 Hz, 1H), 8.53 (d, J=5.0 Hz, 1H), 8.45 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.93 (s,1H), 7.72-7.63 (m,1H), 7.63-7.58 (m, 1H), 7.55 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.40 (dd, J=4.5, 8.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.30-7.18 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 3.44 (s, 2H), 2.45 (brs, 9H), 2.29 (s, 3H), 7.11 (s, 1H), 1.92 (brs, 2H), 0.30 (s, 9H).
【0046】
[放射化学合成]
放射性標識化合物である[123/125I]IMT-1、[125I]IMT-3、[125I]IMT-4及び[123/125I]IMT-5を合成した。
【0047】
(製造例12)
下記スキームに従って下記式で表される[125I]IMT-1を製造した。
【化28】
IMT-1 precursor (2.08 mg)、CuSO4・5H2O (6.75 mg)、(NH4)2SO4 (5.00 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[125I]NaI (232 μCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeCN (200 μL)、MeOH (200 μL)、MeCN (200 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 70% (A) and 30% (B), flow rate 1.0 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 22-23 min)にて精製し、[125I]IMT-1を放射化学的収率72%、放射化学的純度>99%で得た。
【0048】
(製造例13)
下記スキームに従って下記式で表される[125I]IMT-3を製造した。
【化29】
IMT-3 precursor (1.37 mg)、CuSO4・5H2O (4.28 mg)、(NH4)2SO4 (4.48 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[125I]NaI (212 μCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeCN (200 μL)、MeCN (200 μL)、MeOH (200 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 50% (A) and (B), flow rate 1.0 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 23.5-24.5 min)にて精製し、[125I]IMT-3を放射化学的収率24%、放射化学的純度>99%で得た。
【0049】
(製造例14)
下記スキームに従って下記式で表される[125I]IMT-4を製造した。
【化30】
IMT-4 precursor (1.84 mg)、CuSO4・5H2O (2.34 mg)、(NH4)2SO4 (2.72 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[125I]NaI (191 μCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeOH (200 μL)、MeCN (200 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 60% (A) and 40% (B), flow rate 1.0 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 23.5-24.5 min)にて精製し、[125I]IMT-4を放射化学的収率8%、放射化学的純度>99%で得た。
【0050】
(製造例15)
下記スキームに従って下記式で表される[125I]IMT-5を製造した。
【化31】
IMT-5 precursor (1.63 mg)、CuSO4・5H2O (2.25 mg)、(NH4)2SO4 (2.45 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[125I]NaI (364 μCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeCN (400 μL)、MeOH (400 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 75% (A) and 25% (B), flow rate 1.5 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 21.0-22.5 min)にて精製し、[125I]IMT-5を放射化学的収率52%、放射化学的純度>99%で得た。
【0051】
(製造例16)
下記スキームに従って下記式で表される[123I]IMT-1を製造した。
【化32】
IMT-1 precursor (2.51 mg)、CuSO4・5H2O (2.16 mg)、(NH4)2SO4 (2.20 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[123I]NH4I (7.73 mCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeCN (200 μL)、MeOH (200 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 70% (A) and 30% (B), flow rate 1.0 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 22.75-23.5 min)にて精製し、[123I]IMT-1を放射化学的収率41%、放射化学的純度>99%で得た。
【0052】
(製造例17)
下記スキームに従って下記式で表される[123I]IMT-5を製造した。
【化33】
IMT-5 precursor (1.68 mg)、CuSO4・5H2O (3.33 mg)、(NH4)2SO4 (3.58 mg)を反応バイアルへ入れ、MeOH (200 μL)、H2O (200 μL)に懸濁させ、[123I]NH4I (24.5 mCi)を加えた後、封緘中150℃で加熱した。10分後から反応バイアルへ26Gの注射針、ルアーアダプタ、輸液ポンプ用延長チューブを経由し溶媒を留去しながら、50分間加熱した。MeCN (400 μL)、MeOH (400 μL)で反応物を洗浄した後、MeCN (200 μL)、H2O (200 μL)を加え、溶液をCosmonicefilter Sを通し、逆相HPLC (COSMOSIL 5C18-AR-II, 10 x 250 mm, eluent 75% (A) and 25% (B), flow rate 2.0 mL/min, λ = 220, 254 nm, Rt = 16.0-17.0 min)にて精製し、[123I]IMT-5を放射化学的収率35%、放射化学的純度>99%で得た。
【0053】
[細胞増殖抑制活性の測定]
96ウェルプレート上にK562細胞(3.0×103 cells/well)またはBa/F3 Bcr-AblT315細胞(3.0×103 cells/well)を播種し、10% Fetal Bovine Serum含有RPMI1640培地中にて1晩培養した。各ウェルにIMT-1, -5, -6, -7を終濃度が0.3-10000 nMになるように添加し、CO2インキュベーター中で72時間インキュベートした。72時間後、Cell Counting Kit-8(同仁科学株式会社)を用いて生存細胞数をカウントし、各濃度のカウント数から各化合物のIC50値を算出した。
【0054】
【表1】
【0055】
表1に示すように、IMT-1, -5, -6, -7はBcr-Abl positive細胞であるK562細胞に対して結合親和性を示したが、Bcr-Abl変異細胞であるBa/F Bcr-AblT315Iに対して結合親和性を示さなかった。
【0056】
[細胞取込実験]
24ウェルプレート上にてK562細胞(5.0×105 cells/well)を10% Fetal Bovine Serum含有RPMI1640培地中にて1時間培養した。各ウェルに[125I]IMT-1, -3, -4 HYPERLINK "ftp://FTP3(0.11" (3.7 KBq)を加えCO2インキュベーター中で1, 2, 3時間インキュベートした。細胞を含む培地を回収し、2000 x gで5分間遠心後、上清を除去し、PBSで洗浄した。0.2 N NaOHで細胞を溶解させ、溶液の放射能をガンマカンターで計測した。その結果を図1に示す。図1に示すように、3時間インキュベート後において、[125I]IMT-1は36.8 dose%、[125I]IMT-3は4.5 dose%、[125I]IMT -4は4.4 dose%であった。
【0057】
[K562担がんマウスを用いた[125I]IMT-1体内動態評価]
Bcr-Abl positive細胞であるK562担がんマウスへ[125I]IMT-1 (18.5 kBq/100 μL)をマウス尾静注より投与した。投与後60、120、180分に各臓器(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、膵臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、筋肉、骨)を摘出した。各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から放射集積量(ID%/g)を算出した。その結果を図2に示す。図2は、左から順に腫瘍/血液比、腫瘍/筋肉比及び腫瘍/骨比の経時変化を示すグラフである。投与後60分において、腫瘍への集積は2.25 ID%/gであった。また、図2に示すように、画像化に重要な臓器比は腫瘍/血液比5.3、腫瘍/筋肉比6.1、腫瘍/骨比5.3と高い臓器比が得られた。
【0058】
[A431担がんマウスを用いた[125I]IMT-1体内動態評価]
Bcr-Abl negative細胞であるA431担がんマウスへ[125I]IMT-1 (18.5 kBq/100 μL)をマウス尾静注より投与した。投与後180分に各臓器(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、膵臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、筋肉、骨)を摘出した。各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から放射集積量(ID%/g)を算出した。その結果、投与後180分において、腫瘍への集積は0.2 ID%/gであり、画像化に重要な臓器比は腫瘍/血液比0.5、腫瘍/筋肉比2.5、腫瘍/骨比1.21と低い臓器比が認められた。
【0059】
[K562担がんマウスを用いた[125I]IMT-5体内動態評価]
Bcr-Abl positive細胞であるK562担がんマウスへ[125I]IMT-5 (18.5 kBq/100 μL)をマウス尾静注より投与した。投与後60、120、180分に各臓器(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、膵臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、筋肉、骨)を摘出した。各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から放射集積量(ID%/g)を算出した。その結果を図3及び4に示す。図3は、左から順に腫瘍/血液比、腫瘍/筋肉比及び腫瘍/骨比の経時変化を示すグラフである。図4は、投与後60分の各臓器への集積量を示すグラフである。図5に示すように、投与後60分において、腫瘍への集積は2.5 ID%/gであった。また、図3に示すように、画像化に重要な臓器比は腫瘍/血液比8.4、腫瘍/筋肉比11.6、腫瘍/骨比8.4と高い臓器比が得られた。
【0060】
[A431担がんマウスを用いた[125I]IMT-5体内動態評価]
Bcr-Abl negative細胞であるA431担がんマウスへ[125I]IMT-5 (18.5 kBq/100 μL)をマウス尾静注より投与した。投与後180分に各臓器(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、膵臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、筋肉、骨)を摘出した。各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から放射集積量(ID%/g)を算出した。その結果、投与後180分において、腫瘍への集積は0.4 ID%/gであり、画像化に重要な臓器比は腫瘍/血液比1.5、腫瘍/筋肉比1.9、腫瘍/骨比1.2と低い臓器比が認められた。
【0061】
[Ba/F Bcr-AblT315I担がんマウスを用いた[125I]IMT-5体内動態評価]
Bcr-Abl変異細胞であるBa/F Bcr-AblT315I細胞であるA431担がんマウスへ[125I]IMT-5 (18.5 kBq/100 μL)をマウス尾静注より投与した。投与後180分に各臓器(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、膵臓、胃、小腸、脾臓、腎臓、筋肉、骨)を摘出した。各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から放射集積量(ID%/g)を算出した。その結果、投与後180分において、腫瘍への集積は1.0 ID%/gであり、画像化に重要な臓器比は腫瘍/血液比4.0、腫瘍/筋肉比4.0、腫瘍/骨比1.7と低い臓器比が認められた。
【0062】
[SPECT/CT撮像]
K562担がんマウスへ[123I]IMT-5 (34.7 MBq/100 μL)をマウス尾静脈より投与した。投与後247分からイソフルラン(2.0%)吸引麻酔し投与後257分からSPECT/CT装置(FX-3300)を用いて48分間撮像した。その後、CT撮像(60 kV, 320 μA)を行った。画像再構成は、3D-OSEMを用いて行った。得られた画像を図5に示す。図5に示すように、移植したK562細胞をイメージングできた。撮像終了後、屠殺し各臓器を摘出し、各臓器の重量と放射能を測定し、単位重量あたりの放射能から集積量(%ID/g)を算出した。その結果、腫瘍/血液比5.6、腫瘍/筋肉比10.6、腫瘍/骨比5.9と高い近接臓器比が認められた。
図1
図2
図3
図4
図5