(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】位置情報取得装置および位置情報取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20220106BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20220106BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20220106BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
H04W4/029
G16H40/20
(21)【出願番号】P 2020135428
(22)【出願日】2020-08-08
【審査請求日】2020-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2020132885
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】715011241
【氏名又は名称】Dr.JOY株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146950
【氏名又は名称】南 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】石松 宏章
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-067671(JP,A)
【文献】特開2016-128962(JP,A)
【文献】特開2014-204751(JP,A)
【文献】特開2019-160206(JP,A)
【文献】国際公開第2017/003284(WO,A1)
【文献】特開2020-021204(JP,A)
【文献】特開2011-096174(JP,A)
【文献】特開2018-050739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14,
G01S 19/00-19/55,
H04W 4/029,
G16H 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン発信機によって送信される発信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該発信機IDと、当該各発信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶部と、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン発信機から送信された発信機IDであることを示す施設発信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶部と、
ユーザによって携帯されるビーコン受信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン受信機から送信される当該ユーザIDとビーコン発信機の発信機IDとを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された発信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設発信機IDとに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設ユーザIDとに基づいて判別する判別部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得された発信機IDを、前記位置変換情報記憶部に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換部と、
を備え
、
前記滞在許可ユーザ記憶部が、施設毎に、前記施設発信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶部と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶部とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別部が、前記取得部によって取得された発信機IDと前記滞在施設判別情報記憶部に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶部に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する、
位置情報取得装置。
【請求項2】
ユーザIDと発信機IDとを記憶する位置情報記憶部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得されたユーザIDと発信機IDとを前記位置情報記憶部に記録する位置記録部と、
を備え、
前記変換部が、前記位置情報記憶部に記録されている発信機IDを、前記ビーコン受信機を携帯していたユーザの位置情報に変換する、
請求項
1に記載の位置情報取得装置。
【請求項3】
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン受信機によって送信される受信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該受信機IDと、当該各受信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶部と、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン受信機から送信された受信機IDであることを示す施設受信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶部と、
ユーザによって携帯されるビーコン発信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン発信機から送信される当該ユーザIDとビーコン受信機の受信機IDとを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された受信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて判別する判別部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得された受信機IDを、前記位置変換情報記憶部に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換部と、
を備え
、
前記滞在許可ユーザ記憶部が、施設毎に、前記施設受信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶部と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶部とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別部が、前記取得部によって取得された受信機IDと前記滞在施設判別情報記憶部に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶部に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する、
位置情報取得装置。
【請求項4】
ユーザIDと受信機IDとを記憶する位置情報記憶部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得されたユーザIDと受信機IDとを前記位置情報記憶部に記録する位置記録部と、
を備え、
前記変換部が、前記位置情報記憶部に記録されている受信機IDを、前記ビーコン発信機を携帯していたユーザの位置情報に変換する、
請求項
3に記載の位置情報取得装置。
【請求項5】
コンピュータを、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン発信機によって送信される発信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該発信機IDと、当該各発信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶手段、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン発信機から送信された発信機IDであることを示す施設発信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶手段、
ユーザによって携帯されるビーコン受信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン受信機から送信される当該ユーザIDとビーコン発信機の発信機IDとを取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された発信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設発信機IDとに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設ユーザIDとに基づいて判別する判別手段、
前記判別手段によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得手段によって取得された発信機IDを、前記位置変換情報記憶手段に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換手段、
として機能させるための位置情報取得プログラム
であって、、
前記滞在許可ユーザ記憶手段が、施設毎に、前記施設発信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶手段と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶手段とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別手段が、前記取得手段によって取得された発信機IDと前記滞在施設判別情報記憶手段に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶手段に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する、
位置情報取得プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン受信機によって送信される受信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該受信機IDと、当該各受信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶手段、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン受信機から送信された受信機IDであることを示す施設受信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶手段、
ユーザによって携帯されるビーコン発信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン発信機から送信される当該ユーザIDとビーコン受信機の受信機IDとを取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された受信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて判別する判別手段、
前記判別手段によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得手段によって取得された受信機IDを、前記位置変換情報記憶手段に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換手段、
として機能させるための位置情報取得プログラム
であって、
前記滞在許可ユーザ記憶手段が、施設毎に、前記施設受信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶手段と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶手段とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別手段が、前記取得手段によって取得された受信機IDと前記滞在施設判別情報記憶手段に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶手段に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する、
位置情報取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設への滞在を許可されているユーザがその施設に滞在中であるときに、その施設内におけるそのユーザの位置情報を取得する位置情報取得装置および位置情報取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、医療施設内におけるMR(医薬情報担当者)の位置情報を取得可能な第一通信装置と、当該医療施設が所有する第二通信装置と通信可能なコンピュータを、MRの担当者IDと、当該MRの名前と、MRの担当医療施設と、当該医薬情報担当者の位置情報と、を紐づけて記憶する記憶手段、或る担当者IDと或る位置情報を前記第一通信装置から受信した場合に、前記記憶手段を参照して、当該担当者IDに紐づく医薬情報担当者が、当該位置情報が示す医療施設を担当しているか否かを判定する判定手段、前記判定手段が肯定判定した場合、担当者IDに紐づけられている位置情報を、受信した位置情報に更新する更新手段、前記第二通信装置から出力要求があった場合、当該第二通信装置を所有する医療施設に紐づく医薬情報担当者の名前と、当該医薬情報担当者の位置情報と、を当該第二通信装置に出力する出力手段、として機能させるプログラムが記載されている。
【0003】
ここで、第一通信装置は、MRが所持する装置である。第一通信装置は、例えばスマートホンである。第一通信装置は、複数のビーコン装置から位置情報を含む信号を受信する受信機として機能する。
ビーコン装置は、医療施設内におけるMRの位置情報を取得可能なように、医療施設の各区域(部屋単位、大きさ単位の領域)にそれぞれ設置されている。例えば、複数のビーコン装置は、医療施設の手術室、外科、内科、皮膚科、薬剤部、受付等に設置されている。また、ビーコン装置は、医療施設の出入口にも設置されていてもよい。これらのビーコン装置は、当該ビーコン装置から所定範囲内に、1秒毎等、定期的に信号を発信する発信機として機能する。この信号は、例えば、「〇〇病院2F外科」等の位置情報を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のプログラムが動作するコンピュータは、医療施設内におけるMRの位置情報に基づいて訪問中の医療施設がそのMRの担当医療施設であるか否かを判別する。
しかし、MRの位置情報に基づいてそのMRの担当施設であるか否か判別する処理は煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、位置情報に変換される元となる識別情報に基づいて、ユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別することができる位置情報取得装置および位置情報取得プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の位置情報取得装置は、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン発信機によって送信される発信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該発信機IDと、当該各発信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶部と、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン発信機から送信された発信機IDであることを示す施設発信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶部と、
ユーザによって携帯されるビーコン受信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン受信機から送信される当該ユーザIDとビーコン発信機の発信機IDとを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された発信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設発信機IDとに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設ユーザIDとに基づいて判別する判別部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得された発信機IDを、前記位置変換情報記憶部に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換部と、
を備え、
前記滞在許可ユーザ記憶部が、施設毎に、前記施設発信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶部と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶部とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別部が、前記取得部によって取得された発信機IDと前記滞在施設判別情報記憶部に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶部に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する。
【0009】
好ましくは、本発明の位置情報取得装置は、
ユーザIDと発信機IDとを記憶する位置情報記憶部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得されたユーザIDと発信機IDとを前記位置情報記憶部に記録する位置記録部と、
を備え、
前記変換部が、前記位置情報記憶部に記録されている発信機IDを、前記ビーコン受信機を携帯していたユーザの位置情報に変換する。
【0010】
また、本発明の位置情報取得装置は、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン受信機によって送信される受信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該受信機IDと、当該各受信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶部と、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン受信機から送信された受信機IDであることを示す施設受信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶部と、
ユーザによって携帯されるビーコン発信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン発信機から送信される当該ユーザIDとビーコン受信機の受信機IDとを取得する取得部と、
前記取得部によって取得された受信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶部に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて判別する判別部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得された受信機IDを、前記位置変換情報記憶部に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換部と、
を備え、
前記滞在許可ユーザ記憶部が、施設毎に、前記施設受信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶部と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶部とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別部が、前記取得部によって取得された受信機IDと前記滞在施設判別情報記憶部に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得部によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶部に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する。
【0012】
好ましくは、本発明の位置情報取得装置は、
ユーザIDと受信機IDとを記憶する位置情報記憶部と、
前記判別部によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得部によって取得されたユーザIDと受信機IDとを前記位置情報記憶部に記録する位置記録部と、
を備え、
前記変換部が、前記位置情報記憶部に記録されている受信機IDを、前記ビーコン発信機を携帯していたユーザの位置情報に変換する。
【0013】
また、本発明の位置情報取得プログラムは、
コンピュータを、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン発信機によって送信される発信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該発信機IDと、当該各発信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶手段、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン発信機から送信された発信機IDであることを示す施設発信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶手段、
ユーザによって携帯されるビーコン受信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン受信機から送信される当該ユーザIDとビーコン発信機の発信機IDとを取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された発信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設発信機IDとに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設ユーザIDとに基づいて判別する判別手段、
前記判別手段によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得手段によって取得された発信機IDを、前記位置変換情報記憶手段に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換手段、
として機能させるための位置情報取得プログラムであって、、
前記滞在許可ユーザ記憶手段が、施設毎に、前記施設発信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶手段と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶手段とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別手段が、前記取得手段によって取得された発信機IDと前記滞在施設判別情報記憶手段に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン受信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶手段に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する。
【0014】
また、本発明の位置情報取得プログラムは、
コンピュータを、
複数の施設内における複数の所定の区域に設置された各ビーコン受信機によって送信される受信機IDであって当該各施設をそれぞれ識別できるとともに当該各施設内における当該各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与された当該受信機IDと、当該各受信機IDに紐づけられた当該各施設および当該各施設内における当該各所定の区域を示す位置情報とを含む位置変換情報を記憶する位置変換情報記憶手段、
施設毎に、当該施設に設置されているビーコン受信機から送信された受信機IDであることを示す施設受信機IDと、当該施設への滞在を許可されているユーザのユーザIDであることを示す施設ユーザIDとを含む滞在許可ユーザ情報を記憶する滞在許可ユーザ記憶手段、
ユーザによって携帯されるビーコン発信機であって当該ユーザを識別するユーザIDを記憶している当該ビーコン発信機から送信される当該ユーザIDとビーコン受信機の受信機IDとを取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された受信機IDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記滞在許可ユーザ記憶手段に記憶されている滞在許可ユーザ情報に含まれる各施設受信機IDとに基づいて判別する判別手段、
前記判別手段によって滞在許可を有すると判別された場合に、前記取得手段によって取得された受信機IDを、前記位置変換情報記憶手段に記憶されている位置変換情報に基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザの前記位置情報に変換する変換手段、
として機能させるための位置情報取得プログラムであって、
前記滞在許可ユーザ記憶手段が、施設毎に、前記施設受信機IDと、当該施設を識別する施設IDとを含む滞在施設判別情報を記憶する滞在施設判別情報記憶手段と、施設毎に、当該滞在施設判別情報に含まれる施設IDと、前記施設ユーザIDとを含む許可ユーザ判別情報を記憶する許可ユーザ判別情報記憶手段とを有しており、前記滞在許可ユーザ情報が当該滞在施設判別情報と当該許可ユーザ判別情報から成り、
前記判別手段が、前記取得手段によって取得された受信機IDと前記滞在施設判別情報記憶手段に記憶されている滞在施設判別情報とに基づいて前記ビーコン発信機を携帯しているユーザが滞在している施設を特定し、当該ユーザが当該特定された施設への滞在許可を有するか否かを、前記取得手段によって取得されたユーザIDと前記許可ユーザ判別情報記憶手段に記憶されている許可ユーザ判別情報とに基づいて判別する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置情報に変換される元となる識別情報に基づいて、ユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る位置情報取得装置を含む位置情報取得システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る検知情報の一例を示す図である。
【
図3】
図1の位置情報取得装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図3の滞在許可ユーザテーブルの構成の一例を示す図である。
【
図5】
図3の位置変換情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図3の位置情報記録テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図7】
図6の位置情報記録テーブルの変形例の構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る第1の位置情報取得処理の流れの一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る位置情報取得装置の変形例の構成の一例を示す図である。
【
図10】
図9の滞在医療施設判別テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図11】
図9の許可ユーザ判別テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る位置情報取得装置を含む位置情報取得システムの構成の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る検知情報の一例を示す図である。
【
図14】
図12の位置情報取得装置の構成の一例を示す図である。
【
図15】
図14の滞在許可ユーザテーブルの構成の一例を示す図である。
【
図16】
図14の位置変換情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図17】
図14の位置情報記録テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図18】
図17の位置情報記録テーブルの変形例の構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の第2の実施形態に係る第2の位置情報取得処理の流れの一例を示す図である。
【
図20】本発明の第2の実施形態に係る位置情報取得装置の変形例の構成の一例を示す図である。
【
図21】
図20の滞在医療施設判別テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図22】
図20の許可ユーザ判別テーブルの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る位置情報取得装置について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る位置情報取得装置200を含む位置情報取得システムの構成の一例を示す。
第1の実施形態に係る位置情報取得システムは、複数の医療施設30内における複数の所定の区域に設置されたビーコン発信機10と、ユーザによって携帯されるビーコン受信機20と、検知情報取得装置100と、位置情報取得装置200とを有する。
ビーコン受信機20は無線でネットワーク40に接続されている。検知情報取得装置100と位置情報取得装置200とは有線または無線でネットワーク40に接続されている。ビーコン受信機20と検知情報取得装置100と位置情報取得装置200とは、ネットワーク40を介して相互にデータを送受信することができる。
【0019】
複数のビーコン発信機10は、例えば病院のような複数の医療施設30内における各所定の区域(部屋単位、大きさ単位の領域)にそれぞれ設置されている。例えば、複数のビーコン発信機10は、各医療施設30内の手術室、外科、内科、薬剤部、ロッカー室、会議室、食堂、受付等に設置されている。また、ビーコン発信機10は、各医療施設30の出入口に設置されていてもよい。
ビーコン発信機10は、BLE通信規格に準拠するビーコン信号を定期的に発信する。ビーコン信号は、各ビーコン発信機10を識別するビーコンID(Identifier)を含む。ビーコンIDは、各医療施設内における各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与されている。
なお、ビーコン発信機10から送信されるビーコンIDは、本発明の発信機IDの例である。
【0020】
ビーコン受信機20は、ユーザによって携帯される可搬型通信装置である。ビーコン受信機20は、例えば、スマートホンや携帯電話、タブレット、ノートパソコン等である。ビーコン受信機20は、ビーコン受信機20を携帯しているユーザを識別するユーザID(端末ID)をその記憶部に記憶している。
【0021】
ユーザは、医療施設への滞在を許可されている者である。
ユーザは、例えば、医療施設30を担当するMR(Medical representative、医薬情報担当者)、医療機器のメンテナンスエンジニア、医療用品の販売員等である。ユーザが或る医療施設を担当する取引業者である場合、その取引業者はその医療施設への滞在許可を有している。逆に、取引業者が或る医療施設への滞在許可を有している場合、通常その取引業者はその医療施設を担当している。複数の医療施設を担当する取引業者が存在する。
また、ユーザは、例えば、医療施設30に勤務する医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務員のような医療施設30の従業員であってもよい。複数の医療施設に勤務する医師も存在する。更に、ユーザは、例えば、診察を受けるために医療施設30を訪問する患者、医療施設30に入院している入院患者、その入院患者のお見舞いに医療施設30を訪問する見舞客であってもよい。
【0022】
ビーコン受信機20は、ビーコン信号を通信可能範囲に検知したとき、ビーコンIDを受信する。そして、ビーコン受信機20は、受信したビーコンIDとユーザIDを検知情報取得装置100に送信する。ビーコン発信機10とビーコン受信機20とが通信可能な距離は、2.5mから50m程度と言われている。
ビーコン受信機20は、ビーコンIDを受信すると、受信したビーコンIDとユーザIDを検知情報取得装置100に送信する。
なお、ビーコン受信機20は、ビーコン発信機10からビーコン信号とそれに含まれるビーコンIDを受信し、ビーコンIDとユーザIDを検知情報取得装置100に送信する専用の端末であってもよい。
【0023】
検知情報取得装置100は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部とを備える。検知情報取得装置100は、例えば、コンピュータで実現することができる。また、検知情報取得装置100は、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
検知情報取得装置100の記憶部には、検知情報取得プログラムが格納されている。検知情報取得装置100のCPUがその記憶部から主メモリに検知情報取得プログラムを読み出して実行することにより、検知情報取得装置100の機能が実現される。
【0024】
検知情報取得装置100は、ビーコン受信機20からビーコンIDとユーザIDを受信すると、
図2に示す検知情報110を作成し、検知情報110を位置情報取得装置200に送信する。検知情報110は、ユーザID111と、ビーコンID112と、受信時刻情報113とを含む。
ユーザID111は、ビーコン受信機20を携帯するユーザを識別するユーザ識別情報である。ユーザID111は、ビーコン受信機20を識別するための端末IDであってもよい。
ビーコンID112は、各ビーコン発信機10を識別する識別情報である。ビーコンID112は、各医療施設内における各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与されている。
受信時刻情報113は、検知情報取得装置100がビーコン受信機20からビーコンIDとユーザIDとを受信した時刻を示す受信時刻情報である。
検知情報取得装置100は、ビーコン受信機20からビーコンIDとユーザIDを受信する毎に検知情報110を位置情報取得装置200に送信してもよいし、受信したビーコンIDとユーザIDに受信時刻を付加して一旦記憶部に蓄積し、位置情報取得装置200からの送信要求に応答して、検知情報110をまとめて位置情報取得装置200に送信してもよい。
【0025】
図3は、位置情報取得装置200の構成の一例を示す。
位置情報取得装置200も、CPUと、RAM等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部250とを備える。位置情報取得装置200も、例えば、コンピュータで実現することができる。また、位置情報取得装置200も、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
位置情報取得装置200の記憶部250には、ユーザ情報テーブル(図示無し)と、医療施設情報テーブル(図示無し)と、滞在許可ユーザテーブル260と、位置情報変換テーブル270と、位置情報記録テーブル280と、位置情報取得プログラム290とが格納されている。
位置情報取得装置200のCPUが記憶部250から主メモリに位置情報取得プログラム290を読み出して実行することにより、取得部210と、判別部220と、変換部230と、位置記録部240との各部の機能が実現される。
【0026】
ユーザ情報テーブルには、ユーザ毎に、ユーザID(端末ID)と、ユーザ名と、会社名(または医療施設名)と、職種と、連絡先とを含むユーザ情報が登録されている。職種は、例えば、取引業者の場合はMR、医療機器のメンテナンスエンジニア、医療用品の販売員等、医療施設の従業員の場合は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務員等、患者や見舞客の場合は個人等である。
医療施設情報テーブルには、医療施設毎に、医療施設IDと、医療施設名と、連絡先とを含む医療施設情報が登録されている。
【0027】
図4は、滞在許可ユーザテーブル260の構成の一例を示す。
滞在許可ユーザテーブル260は、ユーザが各医療施設30への滞在を許可されているか否かを判別するための滞在許可ユーザ情報を格納する。滞在許可ユーザ情報は、施設ビーコンID261と、施設ユーザID262とを含む。
施設ビーコンID261は、各医療施設30内における個々の所定の区域に設置されているビーコン発信機10によって送信されるビーコンIDである。施設ビーコンID261は、全ての医療施設30内における各所定の区域を識別できるように、全ての医療施設30内における個々の所定の区域に対してそれぞれ付与されている。このため、施設ビーコンID261によって個々の医療施設30を特定することができる。
施設ユーザID262は、各医療施設30への滞在を許可されているユーザを識別するユーザIDである。例えば、特定の医療施設30にのみ勤務する医師や看護師等の場合には、施設ユーザID262はその医療施設30にのみ登録される。また、例えば、MRのように複数の医療施設30に出入りする取引業者や複数の医療施設30で診察を受ける患者の場合には、施設ユーザID262は出入りする複数の医療施設30に重複して登録される。
【0028】
病院Bの施設ビーコンID261は、B011,B012,B013,B014,B015である。例えば、位置情報取得装置200がユーザの携帯するビーコン受信機20からビーコンID=B012を受信したとき、滞在許可ユーザテーブル260の施設ビーコンID261に基づいてそのユーザは病院Bに滞在していると特定される。
そして、病院Bの施設ユーザID262は、U011,U012,U013,U101,U102,U103である。例えば、ユーザが病院Bに滞在している時に位置情報取得装置200がユーザの携帯するビーコン受信機20からユーザID=U101を受信したとき、そのユーザは病院Bに滞在する許可を有することが分かる。
なお、滞在許可ユーザテーブル260は本発明の滞在許可ユーザ記憶部の例である。また、施設ビーコンID261は本発明の施設発信機IDの例である。
【0029】
図5は、位置変換情報テーブル270の構成の一例を示す。
位置変換情報テーブル270は、ビーコンIDを位置情報に変換するための位置変換情報を格納する。位置変換情報は、ビーコンID271と、医療施設ID272と、医療施設名273と、区域名274とを含む。
ビーコンID271は、各医療施設30内における各所定の区域に設置されているビーコン発信機10によって送信されるビーコンIDである。
図4の施設ビーコンID261と同一である。
医療施設ID272は、ビーコンID271によって特定される医療施設30を識別する識別情報である。
医療施設名273は、医療施設ID272(ビーコンID271)によって特定される医療施設30の名称である。
区域名274は、医療施設ID272(ビーコンID271)によって特定される医療施設30内における各所定の区域の名称である。
なお、医療施設名273と区域名274は、本発明における医療施設内の位置情報の例である。位置変換情報テーブル270は、本発明の位置変換情報記憶部の例である。
【0030】
図6は、位置情報記録テーブル280の構成の一例を示す。
位置情報記録テーブル280には、ユーザの位置情報の履歴が記録される。
位置情報記録テーブル280は、ユーザID281と、医療施設名282と、区域名283と、受信時刻284との各データ項目を有する。
ユーザID281は、ビーコン受信機20を携帯するユーザのユーザIDである。
医療施設名282は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30の名称である。
区域名283は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30内における所定の区域の名称である。
医療施設名282と区域名283は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30の位置を示す位置情報である。
受信時刻284は、ユーザID281と医療施設名282と区域名283が取得された時刻である。受信時刻284は、例えば、検知情報110に含まれる受信時刻情報113によって示される時刻である。
なお、位置情報記録テーブル280は、本発明の位置情報記録部の例である。
【0031】
次に、位置情報取得装置200の各部について詳細に説明する。
取得部210は、検知情報取得装置100から送信される検知情報110を取得する。このとき、検知情報取得装置100がビーコン受信機20からビーコンIDとユーザID(端末ID)を受信する毎に検知情報110を位置情報取得装置200に送信し、取得部210がその検知情報110を取得してもよい。または、取得部210が所定のタイミングで検知情報取得装置100に検知情報110の送信を要求し、それに応答して検知情報取得装置100からまとめて送信される検知情報110を取得部210が取得してもよい。
【0032】
判別部220は、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるビーコンID112をキーとして滞在許可ユーザテーブル260に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ビーコンID261を検索する。そして、判別部220は、ビーコンID112と一致する施設ビーコンID261を有する医療施設30を検出し、ビーコン受信機20を携帯しているユーザが滞在している医療施設30として、検出された医療施設30を特定する。
次に、判別部220は、特定された医療施設30の施設ユーザID262の中に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるユーザID111が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する。
【0033】
変換部230は、判別部220によって滞在許可を有すると判別された場合に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるビーコンID112をキーとして、位置変換情報テーブル270を検索し、ビーコンID112に対応する位置変換情報を位置変換情報テーブル270から読み出す。そして、変換部230は、読み出された位置変換情報に含まれる医療施設ID272と医療施設名273と区域名274とを、検知情報110に含まれるユーザID111によって識別されるビーコン受信機20を携帯するユーザの位置情報として取得する。
【0034】
位置記録部240は、検知情報110に含まれるユーザID111によって識別されるユーザ毎に、変換部230によって変換された医療施設名282と区域名283とをそれらの取得時刻を示す受信時刻284とともに位置情報記憶テーブル280に記録する。
【0035】
図7は、位置情報記録テーブルの変形例285の構成の一例を示す。
位置情報記録テーブル285には、位置情報への変換前のビーコンIDの取得履歴が記録される。
位置情報記録テーブル285は、ユーザID286と、ビーコンID287と、受信時刻288との各データ項目を有する。
ユーザID286は、ビーコン受信機20を携帯するユーザのユーザIDである。
ビーコンID287は、ユーザが或る医療施設30に滞在中または滞在していた時に受信した検知情報110に含まれるビーコンID112である。
受信時刻288は、ビーコンIDが取得された時刻である。受信時刻288は、例えば、検知情報110に含まれる受信時刻情報113によって示される時刻である。
なお、位置情報記録テーブル285は、本発明の位置情報記録部の別の例である。
【0036】
上記では、変換部230がビーコンID112を位置情報に変換した後に位置記録部240が位置情報を位置情報記憶テーブル280に記録する例について説明したが、位置記録部240がユーザIDとビーコンIDを位置情報記録テーブル285に記録した後に、変換部230が位置情報記録テーブル285からビーコンID287を読み出して位置情報に変換することも可能である。
この場合、位置記録部240は、判別部220によってユーザが滞在許可を有すると判別された場合に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるユーザID111とビーコンID112と受信時刻情報113とを、ユーザID111毎に位置情報記憶テーブル285に記録する。
そして、変換部230は、所定のタイミングで、または医療施設30に勤務する従業員等から指示を受けた時に、位置情報記憶テーブル285に記録されているビーコンID287を、ビーコン受信機20を携帯していたユーザの位置情報に変換する。
【0037】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る第1の位置情報取得処理の流れの一例を示す。
取得部210は、検知情報取得装置100から送信される検知情報110を取得する(S11)。
判別部220は、検知情報110に含まれるビーコンID112をキーとして滞在許可ユーザテーブル260に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ビーコンID261を検索する(S12)。そして、判別部220は、ビーコンID112と一致する施設ビーコンID261を有する医療施設30を検出し、ビーコン受信機20を携帯しているユーザが滞在している医療施設30として、検出された医療施設30を特定する(S13)。
次に、判別部220は、特定された医療施設30の施設ユーザID262の中に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるユーザID111が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する(S14)。
【0038】
変換部230は、判別部220によって滞在許可を有すると判別された場合に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるビーコンID112をキーとして、位置変換情報テーブル270を検索し、ビーコンID112に対応する位置変換情報を位置変換情報テーブル270から読み出す(S15)。そして、変換部230は、読み出された位置変換情報に含まれる医療施設ID272と医療施設名273と区域名274とを、検知情報110に含まれるユーザID111によって識別されるビーコン受信機20を携帯するユーザの位置情報として取得する(S16)。
【0039】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る位置情報取得装置の変形例200Aの構成の一例を示す。
位置情報取得装置200Aも、CPUと、RAM等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部250とを備える。位置情報取得装置200Aも、例えば、コンピュータで実現することができる。また、位置情報取得装置200Aも、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
位置情報取得装置200Aの記憶部250には、ユーザ情報テーブル(図示無し)と、医療施設情報テーブル(図示無し)と、滞在医療施設判別テーブル265と、許可ユーザ判別テーブル267と、位置情報変換テーブル270と、位置情報記録テーブル280と、位置情報取得プログラム290Aとが格納されている。
位置情報取得装置200AのCPUが記憶部250から主メモリに位置情報取得プログラム290Aを読み出して実行することにより、取得部210と、判別部220Aと、変換部230と、位置記録部240との各部の機能が実現される。
位置情報取得装置200Aは、滞在許可ユーザテーブル260の代わりに滞在医療施設判別テーブル265と許可ユーザ判別テーブル267を有する点が位置情報取得装置200と異なる。また、これに伴い、判別部220Aの機能が位置情報取得装置200の判別部220と異なる。それ以外の点は、位置情報取得装置200Aは位置情報取得装置200と同一である。
【0040】
図10は、滞在医療施設判別テーブル265の構成の一例を示す。
滞在医療施設判別テーブル265は、取得部210によって取得されたビーコンIDを送信したビーコン発信機10が設置されている医療施設30を特定するための滞在医療施設判別情報を格納する。滞在医療施設判別情報は、施設ビーコンID261と、医療施設ID266とを含む。
施設ビーコンID261は、各医療施設30内における個々の所定の区域に設置されているビーコン発信機10によって送信されるビーコンIDである。施設ビーコンID261は、
図4の滞在許可ユーザテーブル260に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ビーコンID261と同一である。
医療施設ID266は、施設ビーコンID261によって特定される医療施設30を識別する識別情報である。医療施設ID266は、
図5の位置変換情報テーブル270に格納されている位置変換情報に含まれる医療施設ID272と同一である。
【0041】
図11は、許可ユーザ判別テーブル267の構成の一例を示す。
許可ユーザ判別テーブル267は、特定された医療施設30への滞在許可をユーザが有するか否かを判別するための許可ユーザ判別情報を格納する。許可ユーザ判別情報は、医療施設ID266と、施設ユーザID262とを含む。
医療施設ID266は、
図10の滞在医療施設判別テーブル265に格納されている滞在医療施設判別情報に含まれる医療施設ID266と同一である。
施設ユーザID262は、各医療施設30への滞在を許可されているユーザのユーザIDである。施設ユーザID262は、
図4の滞在許可ユーザテーブル260に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ユーザID262と同一である。
【0042】
位置情報取得装置200Aでは、滞在許可ユーザ情報は滞在医療施設判別情報と許可ユーザ判別情報から成る。
判別部220Aは、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるビーコンID112をキーとして滞在医療施設判別テーブル265に格納されている滞在医療施設判別情報に含まれる施設ビーコンID261を検索する。そして、判別部220Aは、ビーコンID112と一致する施設ビーコンID261を有する医療施設ID266を特定する。
次に、判別部220Aは、許可ユーザ判別テーブル267に格納されている許可ユーザ判別情報に含まれている施設ユーザID262であって特定された医療施設ID266に対応する施設ユーザID262の中に、取得部210によって取得された検知情報110に含まれるユーザID111が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する。
【0043】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る位置情報取得装置400を含む位置情報取得システムの構成の一例を示す。
第2の実施形態に係る位置情報取得システムは、ユーザによって携帯されるビーコン発信機60と、複数の医療施設30内における複数の所定の区域に設置されたビーコン受信機70と、検知情報取得装置300と、位置情報取得装置400とを有する。第2の実施形態に係る位置情報取得システムは、複数のビーコン受信機70が所定の区域に設置されており、ユーザがビーコン発信機60を携帯する点が第1の実施形態に係る位置情報取得システムと異なる。
ビーコン受信機70は無線でネットワーク40に接続されている。検知情報取得装置300と位置情報取得装置400とは有線または無線でネットワーク40に接続されている。ビーコン受信機70と検知情報取得装置300と位置情報取得装置400とは、ネットワーク40を介して相互にデータを送受信することができる。
【0044】
ビーコン発信機60は、ユーザによって携帯される可搬型通信装置である。ビーコン発信機60は、BLE通信規格に準拠するビーコン信号を定期的に発信する。ビーコン信号は、各ビーコン発信機60を識別するためのビーコンIDを含む。ビーコンIDは、各ビーコン発信機60を携帯しているユーザを識別するためのユーザ識別情報(ユーザID)でもある。
【0045】
ビーコン受信機70は、例えば、スマートホン、タブレット、ノートパソコン等である。複数のビーコン受信機70は、例えば病院のような複数の医療施設30内における各所定の区域(部屋単位、大きさ単位の領域)にそれぞれ設置されている。例えば、複数のビーコン受信機70は、医療施設30内の手術室、外科、内科、薬剤部、ロッカー室、会議室、食堂、受付等に設置されている。また、ビーコン受信機70は、医療施設30の出入口に設置されていてもよい。
【0046】
ビーコン受信機70は、ビーコン信号を通信可能範囲に検知したとき、ビーコンIDを受信する。ビーコン受信機70は、自らを識別するための端末IDをその記憶部に記憶している。端末IDは、各医療施設内における各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与されている。ビーコン受信機70は、ビーコンIDを受信すると、ビーコンIDと端末IDとを検知情報取得装置300に送信する。ビーコン発信機60とビーコン受信機70とが通信可能な距離は、2.5mから50m程度と言われている。
なお、ビーコン受信機70は、ビーコン発信機60からビーコン信号とそれに含まれるビーコンIDを受信し、ビーコンIDと端末IDを検知情報取得装置300に送信する専用の端末であってもよい。
なお、ビーコン受信機70に記憶されている端末IDは、本発明の受信機IDの例である。
【0047】
検知情報取得装置300は、CPUと、RAM等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部とを備える。検知情報取得装置300は、例えば、コンピュータで実現することができる。また、検知情報取得装置300は、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
検知情報取得装置300の記憶部には、検知情報取得プログラムが格納されている。検知情報取得装置300のCPUがその記憶部から主メモリに検知情報取得プログラムを読み出して実行することにより、検知情報取得装置300の機能が実現される。
【0048】
検知情報取得装置300は、ビーコン受信機70からビーコンIDと端末IDを受信すると、
図8に示す検知情報310を作成し、検知情報310を位置情報取得装置400に送信する。検知情報310は、ユーザID311と、端末ID312と、受信時刻情報313とを含む。
ユーザID311は、ユーザによって携帯されるビーコン発信機60を識別するビーコンIDと同一であり、ビーコン発信機60を携帯するユーザを識別するユーザ識別情報である。
端末ID312は、各ビーコン受信機70を識別する識別情報である。端末ID312は、各医療施設内における各所定の区域をそれぞれ識別できるように付与されている。
受信時刻情報313は、検知情報取得装置300がビーコン受信機70からビーコンIDと端末IDとを受信した時刻を示す受信時刻情報である。
検知情報取得装置300は、ビーコン受信機70からビーコンIDと端末IDを受信する毎に検知情報310を位置情報取得装置400に送信してもよいし、受信したビーコンIDと端末IDに受信時刻を付加して一旦記憶部に蓄積し、位置情報取得装置400からの送信要求に応答して、検知情報310をまとめて位置情報取得装置400に送信してもよい。
【0049】
図14は、位置情報取得装置400の構成の一例を示す。
位置情報取得装置400も、CPUと、RAM等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部450とを備える。位置情報取得装置400も、例えば、コンピュータで実現することができる。また、位置情報取得装置400も、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
位置情報取得装置400の記憶部450には、ユーザ情報テーブル(図示無し)と、医療施設情報テーブル(図示無し)と、滞在許可ユーザテーブル460と、位置情報変換テーブル470と、位置情報記録テーブル480と、位置情報取得プログラム490とが格納されている。
位置情報取得装置400のCPUが記憶部450から主メモリに位置情報取得プログラム490を読み出して実行することにより、取得部410と、判別部420と、変換部430と、位置記録部440との各部の機能が実現される。
【0050】
ユーザ情報テーブルには、ユーザ毎に、ユーザID(ビーコンID)と、ユーザ名と、会社名(または医療施設名)と、職種と、連絡先とを含むユーザ情報が登録されている。
医療施設情報テーブルには、医療施設毎に、医療施設IDと、医療施設名と、連絡先とを含む医療施設情報が登録されている。
【0051】
図15は、滞在許可ユーザテーブル460の構成の一例を示す。
滞在許可ユーザテーブル460は、ユーザが各医療施設30への滞在を許可されているか否かを判別するための滞在許可ユーザ情報を格納する。滞在許可ユーザ情報は、施設端末ID461と、施設ユーザID462とを含む。
施設端末ID461は、各医療施設30内における個々の所定の区域に設置されているビーコン受信機70によって送信される端末IDである。施設端末ID461は、全ての医療施設30内における個々の所定の区域を識別できるように、全ての医療施設30内における個々の所定の区域に対してそれぞれ付与されている。このため、施設端末ID461によって個々の医療施設30を特定することができる。
施設ユーザID462は、各医療施設30への滞在を許可されているユーザのユーザIDである。例えば、特定の医療施設30にのみ勤務する医師や看護師等の場合には、施設ユーザID462はその医療施設30にのみ登録される。また、例えば、MRのような複数の医療施設30に出入りする取引業者や複数の医療施設30で診察を受ける患者の場合には、施設ユーザID462は出入りする複数の医療施設30に重複して登録される。
【0052】
病院Bの施設端末ID461は、T011,T012,T013,T014,T015である。例えば、位置情報取得装置400がユーザの携帯するビーコン受信機70から端末ID=T012を受信したとき、そのユーザは病院Bに滞在していることが分かる。
そして、病院Bの施設ユーザID462は、U011,U012,U013,U101,U102,U103である。例えば、ユーザが病院Bに滞在している時に位置情報取得装置400がユーザの携帯するビーコン発信機60からユーザID=U101を受信したとき、そのユーザは病院Bに滞在する許可を有することが分かる。
なお、滞在許可ユーザテーブル460は本発明の滞在許可ユーザ記憶部の例である。また、施設端末ID461は本発明の施設受信機IDの例である。
【0053】
図16は、位置変換情報テーブル470の構成の一例を示す。
位置変換情報テーブル470は、端末IDを位置情報に変換するための位置変換情報を格納する。位置変換情報は、端末ID471と、医療施設ID472と、医療施設名473と、区域名474とを含む。
端末ID471は、各医療施設30内における各所定の区域に設置されているビーコン受信機70によって送信される端末IDである。
図15の施設端末ID461と同一である。
医療施設ID472は、端末ID471によって特定される医療施設30を識別する識別情報である。
医療施設名473は、医療施設ID472(端末ID471)によって特定される医療施設30の名称である。
区域名474は、医療施設ID472(端末ID471)によって特定される医療施設30内における各所定の区域の名称である。
なお、医療施設名473と区域名474は、本発明における医療施設内の位置情報の例である。位置変換情報テーブル470は、本発明の位置変換情報記憶部の例である。
【0054】
図17は、位置情報記録テーブル480の構成の一例を示す。
位置情報記録テーブル480には、ユーザの位置情報の履歴が記録される。
位置情報記録テーブル480は、ユーザID481と、医療施設名482と、区域名483と、受信時刻484との各データ項目を有する。
ユーザID481は、ビーコン発信機60を携帯するユーザのユーザIDである。
医療施設名482は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30の名称である。
区域名483は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30内における所定の区域の名称である。
医療施設名482と区域名483は、ユーザが滞在中または滞在していた医療施設30の位置を示す位置情報である。
受信時刻484は、ユーザID481と医療施設名482と区域名483が取得された時刻である。受信時刻484は、例えば、検知情報310に含まれる受信時刻情報313によって示される時刻である。
なお、位置情報記録テーブル480は、本発明の位置情報記録部の例である。
【0055】
次に、位置情報取得装置400の各部について詳細に説明する。
取得部410は、検知情報取得装置300から送信される検知情報310を取得する。このとき、検知情報取得装置300がビーコン受信機70からユーザID(ビーコンID)と端末IDを受信する毎に検知情報310を位置情報取得装置400に送信し、取得部410がその検知情報310を取得してもよい。または、取得部410が所定のタイミングで検知情報取得装置300に検知情報310の送信を要求し、それに応答して検知情報取得装置300からまとめて送信される検知情報310を取得部410が取得してもよい。
【0056】
判別部420は、取得部410によって取得された検知情報310に含まれる端末ID312をキーとして滞在許可ユーザテーブル460に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設端末ID461を検索する。そして、判別部420は、端末ID312と一致する施設端末ID461を有する医療施設30を検出し、ビーコン発信機60を携帯しているユーザが滞在している医療施設30として、検出された医療施設30を特定する。
次に、判別部420は、特定された医療施設30の施設ユーザID462の中に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれるユーザID311が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する。
【0057】
変換部430は、判別部420によって滞在許可を有すると判別された場合に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれる端末ID312をキーとして、位置変換情報テーブル470を検索し、端末ID312に対応する位置変換情報を位置変換情報テーブル470から読み出す。そして、変換部430は、読み出された位置変換情報に含まれる医療施設ID472と医療施設名473と区域名474とを、検知情報310に含まれるユーザID311によって識別されるビーコン発信機60を携帯するユーザの位置情報として取得する。
【0058】
位置記録部440は、検知情報310に含まれるユーザID311によって識別されるユーザ毎に、変換部430によって変換された医療施設名482と区域名483とをそれらの取得時刻を示す受信時刻484とともに位置情報記憶テーブル480に記録する。
【0059】
図18は、位置情報記録テーブルの変形例485の構成の一例を示す。
位置情報記録テーブル485には、位置情報への変換前の端末IDの取得履歴が記録される。
位置情報記録テーブル485は、ユーザID486と、端末ID487と、受信時刻488との各データ項目を有する。
ユーザID486は、ビーコン発信機60を携帯するユーザのユーザIDである。
端末ID487は、ユーザが或る医療施設30に滞在中または滞在していた時に受信した検知情報310に含まれる端末ID312である。
受信時刻488は、端末IDが取得された時刻である。受信時刻488は、例えば、検知情報310に含まれる受信時刻情報313によって示される時刻である。
なお、位置情報記録テーブル485は、本発明の位置情報記録部の別の例である。
【0060】
上記では、変換部430が端末ID312を位置情報に変換した後に位置記録部440が位置情報を位置情報記憶テーブル480に記録する例について説明したが、位置記録部440がユーザIDと端末IDを位置情報記録テーブル485に記録した後に、変換部430が位置情報記録テーブル485から端末ID487を読み出して位置情報に変換することも可能である。
この場合、位置記録部440は、判別部420によってユーザが滞在許可を有すると判別された場合に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれるユーザID311と端末ID312と受信時刻情報313とを、ユーザID311毎に位置情報記憶テーブル485に記録する。
そして、変換部430は、所定のタイミングで、または医療施設30に勤務する従業員等から指示を受けた時に、位置情報記憶テーブル485に記録されている端末ID487を、ビーコン発信機60を携帯していたユーザの位置情報に変換する。
【0061】
図19は、本発明の第2の実施形態に係る第2の位置情報取得処理の流れの一例を示す。
取得部410は、検知情報取得装置300から送信される検知情報310を取得する(S21)。
判別部420は、取得部410によって取得された検知情報310に含まれる端末ID312をキーとして滞在許可ユーザテーブル460に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設端末ID461を検索する(S22)。そして、判別部420は、端末ID312と一致する施設端末ID461を有する医療施設30を検出し、ビーコン発信機60を携帯しているユーザが滞在している医療施設30として、検出された医療施設30を特定する(S23)。
次に、判別部420は、特定された医療施設30の施設ユーザID462の中に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれるユーザID311が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する(S24)。
【0062】
変換部430は、判別部420によって滞在許可を有すると判別された場合に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれる端末ID312をキーとして、位置変換情報テーブル470を検索し、端末ID312に対応する位置変換情報を位置変換情報テーブル470から読み出す(S25)。そして、変換部430は、読み出された位置変換情報に含まれる医療施設ID472と医療施設名473と区域名474とを、検知情報310に含まれるユーザID311によって識別されるビーコン発信機60を携帯するユーザの位置情報として取得する(S26)。
【0063】
図20は、本発明の第2の実施形態に係る位置情報取得装置の変形例400Aの構成の一例を示す。
位置情報取得装置400Aも、CPUと、RAM等で構成される主メモリと、ハードディスク等で構成される記憶部450とを備える。位置情報取得装置400Aも、例えば、コンピュータで実現することができる。また、位置情報取得装置400Aも、例えば、クラウドコンピューティングで実現することができる。
位置情報取得装置400Aの記憶部450には、ユーザ情報テーブル(図示無し)と、医療施設情報テーブル(図示無し)と、滞在医療施設判別テーブル465と、許可ユーザ判別テーブル467と、位置情報変換テーブル470と、位置情報記録テーブル480と、位置情報取得プログラム490Aとが格納されている。
位置情報取得装置400AのCPUが記憶部450から主メモリに位置情報取得プログラム490Aを読み出して実行することにより、取得部410と、判別部420Aと、変換部430と、位置記録部440との各部の機能が実現される。
位置情報取得装置400Aは、滞在許可ユーザテーブル460の代わりに滞在医療施設判別テーブル465と許可ユーザ判別テーブル467を有する点が位置情報取得装置400と異なる。また、これに伴い、判別部420Aの機能が位置情報取得装置400の判別部420と異なる。それ以外の点は、位置情報取得装置400Aは位置情報取得装置400と同一である。
【0064】
図21は、滞在医療施設判別テーブル465の構成の一例を示す。
滞在医療施設判別テーブル465は、取得部410によって取得された端末IDを送信したビーコン受信機70が設置されている医療施設30を特定するための滞在医療施設判別情報を格納する。滞在医療施設判別情報は、施設端末ID461と、医療施設ID466とを含む。
施設端末ID461は、各医療施設30内における個々の所定の区域に設置されているビーコン受信機70によって送信される端末IDである。施設端末ID461は、
図15の滞在許可ユーザテーブル460に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設端末ID461と同一である。
医療施設ID466は、施設端末ID461によって特定される医療施設30を識別する識別情報である。医療施設ID466は、
図16の位置変換情報テーブル470に格納されている位置変換情報に含まれる医療施設ID472と同一である。
【0065】
図22は、許可ユーザ判別テーブル467の構成の一例を示す。
許可ユーザ判別テーブル467は、特定された医療施設30への滞在許可をユーザが有するか否かを判別するための許可ユーザ判別情報を格納する。許可ユーザ判別情報は、医療施設ID466と、施設ユーザID462とを含む。
医療施設ID466は、
図21の滞在医療施設判別テーブル465に格納されている滞在医療施設判別情報に含まれる医療施設ID466と同一である。
施設ユーザID462は、各医療施設30への滞在を許可されているユーザのユーザIDである。施設ユーザID462は、
図15の滞在許可ユーザテーブル460に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ユーザID462と同一である。
【0066】
位置情報取得装置400Aでは、滞在許可ユーザ情報は滞在医療施設判別情報と許可ユーザ判別情報から成る。
判別部420Aは、取得部410によって取得された検知情報310に含まれる端末ID312をキーとして滞在医療施設判別テーブル465に格納されている滞在医療施設判別情報に含まれる施設端末ID461を検索する。そして、判別部420Aは、端末ID312と一致する施設端末ID461を有する医療施設ID466を特定する。
次に、判別部420Aは、許可ユーザ判別テーブル467に格納されている許可ユーザ判別情報に含まれている施設ユーザID462であって特定された医療施設ID466に対応する施設ユーザID462の中に、取得部410によって取得された検知情報310に含まれるユーザID311が含まれている場合に、そのユーザIDによって識別されるユーザは特定された医療施設30への滞在許可を有すると判別する。
【0067】
なお、上述した第1の実施形態では、検知情報取得装置100と位置情報取得装置200,200Aの各機能を異なるコンピュータで実現する例を示したが、これらの各機能を同一のコンピュータで実現することもできる。同様に、第2の実施形態に係る検知情報取得装置300と位置情報取得装置400,400Aの各機能を同一のコンピュータで実現することもできる。
【0068】
また、上述した第1の実施形態では、検知情報取得装置100が受信時刻情報113を取得し、それを検知情報110に付加する例を示したが、これに限らず、ビーコン受信機20が受信時刻情報を取得してもよいし、位置情報取得装置200,200Aの取得部210が受信時刻情報を取得してもよい。第2の実施形態でも同様に、ビーコン受信機70が受信時刻情報を取得してもよいし、位置情報取得装置400,400Aの取得部410が受信時刻情報を取得してもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、位置記録部240,440が位置情報記録テーブル280、480に各ユーザの位置情報の履歴を記憶させる例について説明したが、位置情報取得装置200,400と通信可能なパソコンやスマートホン等に医療施設30に滞在している各ユーザの位置情報をリアルタイムで表示させる場合には、位置記録部240,440は各ユーザの位置情報を更新し、各ユーザの最新の位置情報のみを残すこととしてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では医療施設に本発明を適用する例について説明したが、本発明は、これに限らず、介護施設、教育施設、テーマパーク等のように施設への滞在許可を有する者のみが滞在することが許可される施設に適用することができる。
【0071】
以上説明したように、本発明によれば、位置情報に変換される元となる識別情報に基づいて、ユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別することができる。
すなわち、複数のビーコン発信機が複数の施設内における各所定の区域にそれぞれ設置されている場合には、ビーコン発信機を識別するビーコンIDに基づいてユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別することができる。
また、複数のビーコン受信機が複数の施設内における各所定の区域にそれぞれ設置されている場合には、ビーコン受信機を識別する端末IDに基づいてユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別することができる。
【0072】
例えば、本発明に係る位置情報取得装置を、医療施設内におけるMRの位置情報の取得に用いることができる。これにより、そのMRがその医療施設を担当しているか否かを判定し、肯定判定であった場合に医療施設内におけるそのMRの位置情報を取得することができる。
これにより、本発明に係る位置情報取得装置と通信可能なパソコンやスマートホン等に、その医療施設に滞在している各MRの位置をリアルタイムで表示させたり、その医療施設を担当しているMRの医療施設内における移動の履歴を表示させたりすることが可能となる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、設計または開発上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10…ビーコン発信機、20…ビーコン受信機、30…医療施設、40…ネットワーク、60…ビーコン発信機、70…ビーコン受信機、100…検知情報取得装置、110…検知情報、200,200A…位置情報取得装置、210…取得部、220,220A…判別部、230…変換部、240…位置記録部、250…記憶部、260…滞在許可ユーザテーブル、265…滞在医療施設判別テーブル、267…許可ユーザ判別テーブル、270…位置情報変換テーブル、280…位置情報記録テーブル、285…位置情報記録テーブルの変形例、290,290A…位置情報取得プログラム、300…検知情報取得装置、310…検知情報、400,400A…位置情報取得装置、410…取得部、420,420A…判別部、430…変換部、440…位置記録部、450…記憶部、460…滞在許可ユーザテーブル、465…滞在医療施設判別テーブル、467…許可ユーザ判別テーブル、470…位置情報変換テーブル、480…位置情報記録テーブル、485…位置情報記録テーブルの変形例、490,490A…位置情報取得プログラム
【要約】
【課題】ビーコン発信機から送信されるビーコンIDに基づいて、ユーザが滞在中の施設への滞在許可を有するか否か判別する。
【解決手段】複数のビーコン発信機が複数の施設内の各区域にそれぞれ設置されている。ユーザによって携帯されるビーコン受信機は、ビーコンIDを受信すると、ビーコンIDとユーザIDを送信する。位置情報取得装置はビーコンIDとユーザIDを取得する。位置情報取得装置は、ビーコンIDをキーとして滞在許可ユーザテーブル260に格納されている滞在許可ユーザ情報に含まれる施設ビーコンID261を検索し、ビーコンIDと一致する施設ビーコンID261を有する医療施設を検出し、ユーザが滞在している施設を特定する。そして、位置情報取得装置は、特定された施設の施設ユーザID262の中に、受信したユーザIDが含まれている場合に、そのユーザIDで識別されるユーザは特定された施設への滞在許可を有すると判別する。
【選択図】
図4