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特許6994732ガス栓の誤操作防止具及びそれを装着させたガス栓
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】ガス栓の誤操作防止具及びそれを装着させたガス栓
(51)【国際特許分類】
   F16K 35/00 20060101AFI20220128BHJP
   F16K 35/06 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
F16K35/00 D
F16K35/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017160016
(22)【出願日】2017-08-23
(65)【公開番号】P2019039457
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000151977
【氏名又は名称】株式会社藤井合金製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】谷 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】藤木 顕士
(72)【発明者】
【氏名】上林 誠
(72)【発明者】
【氏名】越智 毅
(72)【発明者】
【氏名】小川 拓哉
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第2530899(US,A)
【文献】実開昭53-72232(JP,U)
【文献】実開昭60-152878(JP,U)
【文献】国際公開第2009/119887(WO,A1)
【文献】特開昭56-116971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 35/00-35/16
F16K 5/00- 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管に接続可能な配管接続筒部と、ガス流路を開閉する操作ハンドルとを備え、前記操作ハンドルには、操作ハンドルを回動操作するためのレバー部が突設していると共に、ガス栓が開状態にあるとき、前記レバー部の突出方向が、前記配管接続筒部の流路方向に一致するように設定されているガス栓に装着させる誤操作防止具であって、
前記レバー部に係止可能な係止部と、前記配管接続筒部の外周面の少なくとも一部に外嵌状態に係止可能な脚部とが、一つの防止具本体に設けられ、
ガス流路の開状態でのみ、前記係止部はレバー部に、脚部は配管接続筒部に、それぞれ同時に係止させることにより、前記ガス栓は開状態に維持可能に設定されているガス栓の誤操作防止具において、
前記係止部は、前記レバー部が挿通可能なレバー挿通孔とし、
前記防止具本体の頂面から前記レバー挿通孔に開放するネジ孔と、前記ネジ孔への螺合に伴って、前記頂面からレバー挿通孔内へ進出可能なボルトが設けられていることを特徴とするガス栓の誤操作防止具。
【請求項2】
請求項1に記載のガス栓の誤操作防止具において、前記防止具本体に、前記配管接続筒部に巻回可能な帯状体が設けられ、
前記帯状体は前記配管接続筒部の外周を締め付けた状態で固定可能に設定されていることを特徴とするガス栓の誤操作防止具。
【請求項3】
配管に接続可能な配管接続筒部と、ガス流路を開閉する操作ハンドルとを備え、前記操作ハンドルには、操作ハンドルを回動操作するためのレバー部が突設していると共に、ガス栓が開状態にあるとき、前記レバー部の突出方向が、前記配管接続筒部の流路方向に一致するように設定されているガス栓に装着させる誤操作防止具であって、
前記レバー部に係止可能な係止部と、前記配管接続筒部の外周面の少なくとも一部に外嵌状態に係止可能な脚部とが、一つの防止具本体に設けられ、
ガス流路の開状態でのみ、前記係止部はレバー部に、脚部は配管接続筒部に、それぞれ同時に係止させることにより、前記ガス栓は開状態に維持可能に設定されているガス栓の誤操作防止具において、
前記係止部は、前記防止具本体に設けたネジ孔に螺合させる雄ネジ部材とし、
開状態にあるガス栓の配管接続筒部に脚部を係止させた状態にて、前記雄ネジ部材の頭部が、レバー部の下面を押圧するように、前記ネジ孔からの前記雄ネジ部材の突出長さを設定可能としたことを特徴とするガス栓の誤操作防止具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のガス栓の誤操作防止具において、前記配管接続筒部の外周面は略六角形状に形成され、前記脚部は、前記六角形の一部に対応する形状に形成されていることを特徴とするガス栓の誤操作防止具。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のガス栓の誤操作防止具を装着させたことを特徴とするガス栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス栓の誤操作防止具、特に、ガス栓の操作ハンドルに装着させて、操作ハンドルを回動阻止状態に固定するガス栓の誤操作防止具及びそれを装着させたガス栓に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋外に設置されているガスメータ(M)は、図8に示すように、地中から立ち上げられている引き込み管(3)と、ガスメータ(M)内を通過した後のガスを屋内配管(41)へ送り込むための送り管(4)との間に、ガス流入管(30)及びガス流出管(40)を介して接続されているもので、ガス栓(2)は、引き込み管(3)とガス流入管(30)との間に配管接続されている。
この種のガス栓(2)は、図9に示すように、ガス栓本体(24)と、ガス栓本体(24)内に回動自在に収容されるせん(26)と、せん(26)を回動操作する操作ハンドル(20)とから構成されている。
ガス栓本体(24)の上流側(引き込み管(3)に接続される側)及び下流側(ガス流入管(30)に接続される側)には、それぞれ、引き込み管(3)及びガス流入管(30)の先端に形成された雄ネジ部(31)(32)に螺合可能な雌ネジ(21a)(22a)が形成された配管接続筒部(21)(22)が連設されている。
操作ハンドル(20)は、浅い円筒体の周面から一方向へレバー部(25)が突設された形状を呈しており、レバー部(25)を90度回動させることにより、せん(26)も90度回動し、ガス栓(2)を開閉することが出来る。
【0003】
上記したようなガス栓(2)は、屋内でのガスの使用が長期にわたって停止されない限り、開状態に維持されており、操作ハンドル(20)のレバー部(25)は、常時、図8図9に示すように、ガスメータ(M)の上流側の引き込み管(3)側に向いている。このレバー部(25)がいたずら等により回動させられて、ガス栓(2)が閉栓されてしまうと、屋内でのガス機器が使用できなくなる。この種のガスメータでは、一旦、閉状態となると、レバー部(25)を元の開状態に戻してもガスメータ(M)を復帰させることは出来ず、屋内の全てのガス機器を閉栓した後に、ガスメータ(M)の復帰作業を行わなければならないため、ガス使用者にとっては煩雑で且つ面倒である。
【0004】
そこで、ガス栓(2)の操作ハンドル(20)の誤操作を防止するものとして、特許文献1に開示のガス栓カバーがある。これは、屋内設置型のガス栓に装着させるガス栓カバーであり、操作つまみからガス栓本体に至る範囲にカバー部を略密嵌状態に被覆させることにより、操作つまみは回動阻止状態に固定される。但し、これは、操作つまみとガス栓本体との隙間に複数の係合部を係合させて取り付ける構造であるから、図9に示すガス栓(2)のように、操作ハンドル(20)とガス栓本体(24)との間に隙間が形成されない構造のものには、係合部を係合させることが出来ず、上記したカバー部を抜け止め状態に装着出来ない。
【0005】
また、この従来のガス栓カバーでは、係合部は独立した状態で複数あるため、係合部を所定個所に係合させて取り付けた場合、取外しに手間がかかってしまう。
ガスメータ用のガス栓(2)では、緊急時に即座に閉栓できなければならないので、取外しに手間のかかるカバーは採用できない。
その点、特許文献2に開示のバルブ固定用治具では、固定具は開放自在であるため、固定具の配管への装着及び取外しは用意であり、緊急時には即時取り外して閉栓させることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-232382号公報
【文献】特開平6-213368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示の固定用治具を、ガスメータ用ガス栓(2)に応用すると、固定具は、引き込み管(3)やガス流入管(30)に係合させ、保持具は操作ハンドル(20)に係合させる構造となるため、全体に大型化してしまう。また、2つの固定具や保持具、これらを連結する針金等、多くの部品から構成される上に、組み立てが煩雑である。また、配管周りの障害物となると共に、屋外に設置されるものであるから、通行人が引っ掛けて破損したり、場合によっては怪我をする問題もある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みて発明されたもので、『配管に接続可能な配管接続筒部と、ガス流路を開閉する操作ハンドルとを備え、前記操作ハンドルには、操作ハンドルを回動操作するためのレバー部が突設していると共に、ガス栓が開状態にあるとき、前記レバー部の突出方向が、前記配管接続筒部の流路方向に一致するように設定されているガス栓に装着させる誤操作防止具であって、
前記レバー部に係止可能な係止部と、前記配管接続筒部の外周面の少なくとも一部に外嵌状態に係止可能な脚部とが、一つの防止具本体に設けられ、
ガス流路の開状態でのみ、前記係止部はレバー部に、脚部は配管接続筒部に、それぞれ同時に係止させることにより、前記ガス栓は開状態に維持可能に設定されているガス栓の誤操作防止具』において、開状態にあるガス栓がいたずらや誤操作により閉栓される不都合を防止すると共に、構成部品を少なくし、小型で且つ配管周りの障害や邪魔にならないように装着できるようにするガス栓の誤操作防止具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために講じた本発明は、『前記係止部は、前記レバー部が挿通可能なレバー挿通孔とし、
前記防止具本体の頂面から前記レバー挿通孔に開放するネジ孔と、前記ネジ孔への螺合に伴って、前記頂面からレバー挿通孔内へ進出可能なボルトが設けられている』ことである。
【0010】
上記手段は次のように作用する。
ガス栓のガス流路が開状態にあるとき、前記レバー部は、前記配管接続筒部の流路方向に沿って突出するように設定されており、この状態でのみ、レバー部に係止部を、配管接続筒部に脚部をそれぞれ同時に係止させる態様で、防止具本体をガス栓に装着することが出来る。防止具本体の装着状態では、レバー部は配管接続筒部に沿って位置する姿勢に固定され、配管接続筒部から外れた位置へ回動させることは出来ない。よって、ガス栓は開状態に維持され、レバー部が不用意に回動されて閉栓させられる不都合を防止することが出来る。
【0011】
また、レバー挿通孔は防止具本体に貫通するように設けられており、それにレバー部を挿通させた装着態様であるから、レバー部を回動出来ないことがその外観から容易に理解でき、故意によるいたずらを抑制することが出来る。ガス栓が開状態にあるとき、防止具本体のレバー挿通孔にレバー部を挿通させると同時に脚部を配管接続筒部の少なくとも一部に外嵌する態様に係止させて、防止具本体をガス栓に装着させる。レバー部をレバー挿通孔に挿通させることにより、防止具本体のガス栓への装着は確実となり、不用意に抜け落ちることはなく、ガス栓を一層確実に開状態に維持することが出来る。
【0012】
そして、レバー挿通孔にレバー部を挿通すると共に、脚部を配管接続筒部に係止させて、防止具本体をガス栓に装着させた状態にて、防止具本体の頂部に設けられているネジ孔にボルトを螺合させると、その締付けに伴ってボルトの端部がレバー挿通孔内に向かって進出し、レバー挿通孔に挿通されているレバー部の上面を押圧する。これにより、防止具本体のガス栓への取付けがより一層確実なものとなり、不用意にずれたり、外れたりすることはない。また、防止具本体は、前記ボルトを緩めて意図的に取り外さない限り外れることがないから、いたずら等の誤操作を一層確実に防止することが出来る。
【0013】
上記ガス栓の誤操作防止具において、好ましくは、『前記防止具本体に、前記配管接続筒部に巻回可能な帯状体が設けられ、
前記帯状体は前記配管接続筒部の外周を締め付けた状態で固定可能に設定されている』ことである。
前記防止具本体をガス栓に取り付けた状態にて、帯状体を配管接続筒部に巻回させると共に締め付けて固定する。これにより、防止具本体のガス栓への取付をより確実なものとすることが出来る。防止具本体は、工具を用いて意図的に帯状体を切断しない限り容易に取り外すことが出来ないから、いたずら等の誤操作を一層確実に防止することが出来る。
【0014】
上記目的を達成するために講じた他の発明は、配管に接続可能な配管接続筒部と、ガス流路を開閉する操作ハンドルとを備え、前記操作ハンドルには、操作ハンドルを回動操作するためのレバー部が突設していると共に、ガス栓が開状態にあるとき、前記レバー部の突出方向が、前記配管接続筒部の流路方向に一致するように設定されているガス栓に装着させる誤操作防止具であって、
前記レバー部に係止可能な係止部と、前記配管接続筒部の外周面の少なくとも一部に外嵌状態に係止可能な脚部とが、一つの防止具本体に設けられ、
ガス流路の開状態でのみ、前記係止部はレバー部に、脚部は配管接続筒部に、それぞれ同時に係止させることにより、前記ガス栓は開状態に維持可能に設定されているガス栓の誤操作防止具において、
前記係止部は、前記防止具本体に設けたネジ孔に螺合させる雄ネジ部材とし、
開状態にあるガス栓の配管接続筒部に脚部を係止させた状態にて、前記雄ネジ部材の頭部が、レバー部の下面を押圧するように、前記ネジ孔からの前記雄ネジ部材の突出長さを設定可能とした』ことである。
このものでは、開状態としたガス栓の配管接続筒部に脚部を係止させ、雄ネジ部材の頭部がレバー部の下面を押圧するように、ネジ孔からの雄ネジ部材の突出長さを調節する。雄ネジ部材の頭部がレバー部の下面に押圧した状態で、レバー部を回動させようとしても、雄ネジ部材の頭部による摩擦力によってレバー部の回動操作は阻止される。また、雄ネジ部材はレバー部の裏側に位置するから、構造を知っている関係者でないと防止具本体を取り外すことは出来ない。
【0015】
上記ガス栓の誤操作防止具において、好ましくは、『前記配管接続筒部の外周面は略六角形状に形成され、前記脚部は、前記六角形の一部に対応する形状に形成されている』ことである。
配管接続筒部は工具を対応させるために、一般に六角形状の外形を有する形状となっている。脚部の形状を、その六角形の一部に対応する形状とすることにより、脚部は、前記配管接続筒部によってその回動が規制され、回り止め状態に係止させることが出来る。
【0016】
上記いずれかのガス栓の誤操作防止具を装着させたことを特徴とするガス栓では、その外観からレバー部を回動することが出来ないことが容易にわかるので、いたずらされ難くなり、開状態にて不用意に閉栓されることのない、ガスメータ用のガス栓を提供することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係るガス栓の誤操作防止具によれば、防止具本体は、開状態にあるガス栓のレバー部と、これに沿って位置する配管接続筒部との間の空間を利用して装着させるようにしたものであるから、少ない構成部品で且つ簡単な構造で小型化することが出来、それをガス栓に装着させても、配管周りの障害や邪魔になることはない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の参考例としてのガス栓の誤操作防止具の斜視図である。
図2】本発明の参考例としてのガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の第番目の実施の形態のガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第番目の実施の形態のガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第番目の実施の形態のガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す正面図である。
図6】本発明の第番目の実施の形態のガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す正面図である。
図7】本発明の第番目の実施の形態のガス栓の誤操作防止具をガス栓に装着した状態を示す正面図である。
図8】従来のガスメータとガスメータ用ガス栓の説明図である。
図9】従来のガスメータ用ガス栓が配管に接続された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の参考例としてのガス栓の誤操作防止具の斜視図であり、図2は、図1に示すガス栓の誤操作防止具をガスメータ用のガス栓に装着した状態を示す斜視図である。
【0020】
この参考例で採用したガス栓(2)は、図9に示した従来のガス栓と同様な構成であり、ガス栓本体(24)の両側に、略六角筒状に形成された配管接続筒部(21)(22)が設けられていると共に、上流側の配管接続筒部(21)から下流側の配管接続筒部(22)に至るガス流路を開閉するせんを操作可能な操作ハンドル(20)が、ガス栓本体(24)の開放端に回動自在に取り付けられている。
【0021】
操作ハンドル(20)には、その回動軸に対して直角方向に突出するレバー部(25)が突設されており、このレバー部(25)を支持して操作ハンドル(25)を回動させることが出来る。また、前記ガス流路が連通状態にあるガス栓の開状態においては、レバー部(25)は上流側の配管接続筒部(21)に沿って位置するように設定されている。
【0022】
図1は、参考例としての誤操作防止具の裏面から見た斜視図であり、樹脂製の略矩形状の防止具本体(1)に、図面において下方に開放する脚部(11)が形成されていると共に、その上方に、発明特定事項としての係止部に相当する、レバー部(25)を挿通可能なレバー挿通孔(10)が貫通している。
脚部(11)は、六角筒状の配管接続筒部(21)の外周面に略密嵌状態に外嵌する六角筒状部を、図面において下方に開放させた形状に形成されており、その表面側には、前記六角筒状部を構成する六角形の外接円よりも小径な円筒部(12)が延設されている。
【0023】
の誤操作防止具では、防止具本体(1)におけるレバー挿通孔(10)と脚部(11)との間の距離は、開状態にあるガス栓(2)におけるレバー部(25)と配管接続筒部(21)との距離に略一致させてあり、図2に示すように、ガス流路が開状態にあるガス栓(2)のレバー部(25)をレバー挿通孔(10)に裏面側から挿通させると同時に、配管接続筒部(21)を六角筒状部からなる脚部(11)内に嵌め込む。配管接続筒部(21)の開放端が、脚部(11)と円筒部(12)との段部(12a)に当接した状態が防止具本体(1)のガス栓(2)への装着完了状態である。
このものでは、一つの防止具本体(1)に設けたレバー挿通孔(10)にレバー部(25)が挿通されると共に、脚部(11)に配管接続筒部(21)が略密嵌状態に嵌め込まれる装着態様となるから、レバー部(25)の回動は阻止され、ガス栓(2)はいたずら等によって不用意に閉栓させられることなく、開状態に維持される。
【0024】
図3に示す第番目の実施の形態のものは、略矩形状の防止具本体(1)の下面に、六角筒状の配管接続筒部(21)の上部2つの斜面に対応するように、中央が高い山状に形成された脚部(11)が形成されると共に、その図面における上方に、レバー挿通孔(10)を貫通形成したものである。
なお、防止具本体(1)の頂面(1a)には、ネジ孔(13a)が、レバー挿通孔(10)内に開放するように貫通形成されている。
【0025】
このレバー挿通孔(10)に、開状態にあるガス栓(2)のレバー部(25)を挿通させると同時に、下面の山状の脚部(11)を、六角筒状の配管接続筒部(21)の両斜面を跨ぐように係止させた後、ネジ孔(13a)に蝶ボルト(13)を螺合させる。蝶ボルト(13)は締付けに伴って、その端部がレバー挿通孔(10)内に進出し、レバー挿通孔(10)内のレバー部(25)の上面を押圧する。これにより、レバー部(25)はレバー挿通孔(10)内で固定され、防止具本体(1)はガス栓(2)から不用意にずれたり、脱落したりすることがなく、意識的に蝶ボルト(13)を取り外さない限り、防止具本体(1)を装着させた状態は維持され、レバー部(25)に対するいたずら等の誤操作を防止できる。
また、このものではガス栓(2)を閉状態に維持しておくような場合、防止具本体(1)は、蝶ボルト(13)の締め付けによりレバー部(25)に保持させておくことが出来るので、防止具本体(1)を紛失することがない。
【0026】
図4は、第番目の実施の形態の防止具本体(1)をガス栓(2)に装着させた状態を示しており、このものは、上記した第番目の実施の形態の防止具本体(1)にて、レバー挿通孔(10)が形成される上部域を前方へ突出させて、レバー挿通孔(10)内にレバー部(25)の全域を収容可能としたものである。この実施の形態のものも、防止具本体(1)の頂面(1a)にネジ孔(13a)がレバー挿通孔(10)に開放するように形成されており、蝶ボルト(13)の締め付けにより、レバー挿通孔(10)内のレバー部(25)の上面は蝶ボルト(13)の端部で押圧されて固定される構成としている。
この実施の形態のものでは、防止具本体(1)を装着させることで、レバー部(25)の全体が外部に露出しない態様となるから、レバー部(25)に対するいたずらや誤操作をより一層確実に防止することが出来る。
【0027】
図5に示すものは、第番目の実施の形態の防止具本体(1)をガス栓(2)に装着させた状態を示す、配管接続筒部(21)の開放端側から見た正面図である。防止具本体(1)は略矩形板状の金属板とすると共に、その上部域にレバー挿通孔(10)が形成され、脚部(11)は、六角筒状の配管接続筒部(21)の外周面上部2つの斜面に対応するように、中央が高い山状に形成されている。そして、脚部(11)の両端から、図面における下方へ、両側支持部(11a)(11a)が延長し、さらに、両側支持部(11a)(11a)の下端部には、配管接続筒部(21)を下方から支持する支持板(14)が蝶ボルト(15)でネジ止めされる構成とする。
【0028】
支持板(14)の中央上面には、六角筒状の配管接続筒部(21)の外周面下部の2つの斜面に対応するように、中央が低い谷状部(14a)が形成されており、支持板(14)を介して、蝶ボルト(15)を締め付けると、配管接続筒部(21)の外周面は、脚部(11)と両側支持部(11a)と支持板(14)の谷状部(14a)とで包囲される態様となり、ガス栓(2)に対する防止具本体(1)のズレや脱落を防止することが出来る。
【0029】
図6に示すものは、第番目の実施の形態の防止具本体(1)をガス栓(2)に装着させた状態を示す正面図であり、防止具本体(1)には、レバー挿通孔(10)と、六角筒状の配管接続筒部(21)の上部2つの斜面に対応する山状の脚部(11)が設けられていると共に、その表面側には、前記六角筒状部を構成する六角形の外接円よりも小径な円弧状部(19)が延設されている。そして、防止具本体(1)を貫通するように、配管接続筒部(21)に巻回させるための結束バンド(16)が具備されている。
この実施の形態のものでは、開状態にあるガス栓(2)のレバー部(25)をレバー挿通孔(10)に挿通させると同時に、脚部(11)を配管接続筒部(21)を跨ぐように対応させ、配管接続筒部(21)の開放端を円弧状部(19)の裏面に当接させた装着状態にて、結束バンド(16)を配管接続筒部(21)に巻回させると共に、矢印の方向に強く引っ張って締め付ける。防止具本体(1)は結束バンド(16)で配管接続筒部(21)に確実に固定されることとなり、ハサミ等を用いて意図的に結束バンド(16)を切断しない限り取り外すことが出来ない。よって、レバー部(25)に対するいたずらや誤操作を一層防止することが出来る。
【0030】
図7に示すものは、第番目の実施の形態の防止具本体(1)をガス栓(2)に装着させた状態を示す正面図であり、防止具本体(1)は、開状態にあるガス栓(2)のレバー部(25)と配管接続筒部(21)との間に介在させる扁平体とし、配管接続筒部(21)側の面には、六角筒状の配管接続筒部(21)の上部2つの斜面に対応する山状の脚部(11)が形成されていると共に、レバー部(25)側の面には、ネジ孔(17)及びそれに螺合させる、発明特定事項としての係止部に相当する雄ネジ部材(18)が設けられている。
【0031】
このものでは、防止具本体(1)の脚部(11)を、開状態にあるガス栓(2)の配管接続筒部(21)に跨ぐように係止させ、ネジ孔(17)に螺合させた雄ネジ部材(18)のネジ孔(17)からの突出高さを調節して、雄ネジ部材(18)頭部(18a)でレバー部(25)の下面を上方へ押圧する。
雄ネジ部材(18)の頭部(18a)がレバー部(25)の下面を押圧することにより、レバー部(25)の下面と雄ネジ部材(18)の頭部(18a)との間に摩擦力が生じ、レバー部(25)の回動は抑制される。
また、レバー部(25)の裏側に位置する雄ネジ部材(18)は、一般に知られることはなく、いたずらに防止具本体(1)を取り外そうとしても容易に外すことは出来ない。
【0032】
上記各実施の形態における誤操作防止具は、配管接続筒部(21)とレバー部(25)とに装着させるものであるから、操作ハンドル(20)の全体に装着させるものに比べて小型化することが出来る上に、一つの防止具本体(1)のみ、または、防止具本体(1)とそれを固定する結束バンド(16)や雄ネジ部材(18)を具備させた構成としたから、部品点数が少ない上に構造も簡単であり、ガス栓(2)への装着も容易である。また、装着後も、配管周りの障害や邪魔になることはなく、屋外に設置されるガスメータ用のガス栓(2)に装着させても、通行人が引っ掛けることにより、防止具本体(1)が破損したり、逆に、人が怪我をしたりする不都合もない。
【0033】
また、各実施の形態の誤操作防止具を装着させることにより、ガス栓(2)は、その外観からレバー部(25)を回動することが出来ないと理解させることが出来るから、安易にいたずらされ難くなる。よって、開状態にあるガス栓が不用意に閉栓される不都合を防止でき、使い勝手の良いガスメータ用のガス栓を提供することが出来る。
【符号の説明】
【0034】
(1) ・・・・・・・・・・・防止具本体
(10)・・・・・・・・・・・レバー挿通孔(係止部)
(11)・・・・・・・・・・・脚部
(2) ・・・・・・・・・・・ガス栓
(20)・・・・・・・・・・・操作ハンドル
(21)(22)・・・・・・・・・配管接続筒部
(24)・・・・・・・・・・・ガス栓本体
(25)・・・・・・・・・・・レバー部
図1
図2
図3
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図7
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図9