(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2018136819
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-04-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴晶
(72)【発明者】
【氏名】山本 和弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
(72)【発明者】
【氏名】安藤 康晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 潤
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 崇雅
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅博
(72)【発明者】
【氏名】藤原 海
(72)【発明者】
【氏名】西村 仁
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051570(JP,A)
【文献】特開2004-202008(JP,A)
【文献】特開2016-179128(JP,A)
【文献】特開2011-234801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な画像表示部と、
所定条件の成立に基づく所定の遊技演出の実行として演出図柄を前記画像表示部に表示する遊技演出実行手段と、
前記遊技演出実行手段が前記所定の遊技演出を実行していない場合において所定時間の経過後から前記所定の遊技演出の実行が開始されるまでの間に待機演出を実行する待機演出実行手段と、を備え、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記待機演出の内容を変化させる
遊技機であって、
発光部、可動部及び音出力部を含む種類の異なる複数の駆動部を備え、
前記待機演出として、前記画像表示部に前記待機演出画像を表示する演出を有し、
前記待機演出実行手段が、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記画像表示部に表示される前記待機演出画像の内容を変化させると共に、前記発光部、前記可動部又は前記音出力部のうちの少なくとも2種類以上の2以上の駆動部を、前記画像表示部から物理的な距離が近い位置に存在するものから、順次、時間の経過に伴って駆動する演出
を有することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、画像表示部の画面に客待ち演出を表示するものがあった。客待ち演出では、画像表示部の画面で変動演出を実行していない場合に当該遊技機が画像表示部に所定の客待ち画面を表示する。変動演出とは、所定条件の成立に基づいて演出図柄を画像表示部の画面に表示することである。所定の客待ち画面では、演出図柄が停止表示された後に所定時間が経過しても演出が開始されない場合に停止表示された当該演出図柄を表示したり(特許文献1;段落0005)、予め設定されたデモ画像を表示したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、これまでの客待ち画面では、停止表示された演出図柄を表示したままであったり、一定のデモ画像を繰り返し表示したりするにとどまることから、画面表示の変化を容易に予測できてしまい面白みに欠けていた。また、客待ちの時間が経過しても、その経過時間がどの程度であったかを画像表示部の画面からは把握することができない。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技者又は遊技予定者の興味の程度を高め得る客待ち演出を提供する遊技機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
画像を表示可能な画像表示部と、
所定条件の成立に基づく所定の遊技演出の実行として演出図柄を前記画像表示部に表示する遊技演出実行手段と、
前記遊技演出実行手段が前記所定の遊技演出を実行していない場合において所定時間の経過後から前記所定の遊技演出の実行が開始されるまでの間に待機演出を実行する待機演出実行手段と、を備え、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記待機演出の内容を変化させる遊技機であって、
発光部、可動部及び音出力部を含む種類の異なる複数の駆動部を備え、
前記待機演出として、前記画像表示部に前記待機演出画像を表示する演出を有し、
前記待機演出実行手段が、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記画像表示部に表示される前記待機演出画像の内容を変化させると共に、前記発光部、前記可動部又は前記音出力部のうちの少なくとも2種類以上の2以上の駆動部を、前記画像表示部から物理的な距離が近い位置に存在するものから、順次、時間の経過に伴って駆動する演出
を有することを特徴とするものである。
【0007】
この様な遊技機によれば、待機演出実行手段は、遊技演出実行手段が所定の遊技演出を実行していない場合において所定時間の経過後から所定の遊技演出の実行が開始されるまでの間に待機演出を実行し画像表示部に待機演出画像を表示する。そして、待機演出実行手段は、待機演出の実行後の時間が経過するに従って、待機演出の内容(実行態様)を変化させる。これにより、待機演出を見ている遊技者又は遊技予定者(以下「遊技者等」ともいう)は、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなる。またこれにより、長時間遊技が行われていない遊技機(空き台)に対する遊技者等の興味を引き付け、遊技意欲を高めることで当該空き台を遊技者に遊技させ、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。「遊技予定者」は、これから遊技機の使用を予定している者のことである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の遊技機によれば、遊技者又は遊技予定者の興味の程度を高め得る客待ち演出を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)はリーチ判定テーブルであり、(D)は普通図柄当り判定テーブルであり、(E)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図14】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図19】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図21】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図22】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図26】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図30】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図32】特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図33】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図34】特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。
【
図35】特定領域センサ検知処理のフローチャートである。
【
図38】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図39】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図40】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図42】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図43】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図44】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図46】予告演出等設定処理のフローチャートである。
【
図47】表示予告演出実行処理のフローチャートである。
【
図48】可動予告演出実行処理のフローチャートである。
【
図49】可動装飾部材の初期状態及び動作状態の一例を示す図である。
【
図50】待機画面演出開始処理のフローチャートである。
【
図51】待機画面演出処理のフローチャートである。
【
図52】待機画面演出処理のフローチャートである。
【
図53】待機画面演出の一例(ステージ0、ステージ1)を示す図である。
【
図54】待機画面演出の一例(ステージ2、ステージ3)を示す図である。
【
図55】待機画面演出の一例(ステージ4、ステージ5)を示す図である。
【
図56】待機画面演出の一例(ステージ6、ステージ7)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。尚、以下では、図柄の変動表示の終了に伴い当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)を付与可能な当り遊技を実行可能なパチンコ遊技機に、本発明を適用した例を説明する。
【実施例1】
【0023】
図1乃至
図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0024】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)が設けられており、この他、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67等も設けられている。
【0025】
演出ボタン63は遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。遊技演出の実行中に第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであればたり、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
【0026】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤面ランプ5aが設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されている。また、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられており、一旦遊技領域へ誘導された遊技球が発射装置側へ戻るのを防止することができる。
【0027】
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L、8C、8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L、8C、8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。
【0028】
また、演出図柄8L、8C、8Rはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄によって、後述(
図4参照)の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果、及び第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果(つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果)を、遊技者が認識し易いように表示する。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということもある。
【0029】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。
【0030】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。また、待機演出画像表示領域7c(
図3に示す二点鎖線の矩形枠内)では、後述する客待ち状態において待機演出画像(所定の客待ち画面)を表示する。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0031】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とがある。第1演出保留又は第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0032】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5a)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
【0033】
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14、15が夫々設けられている。本実施例1の可動装飾部材14、15は、センター装飾体10の上部であって装飾部材13の後方に設けられる図示しない可動装飾ユニットに含まれるものである。可動装飾ユニットは、可動装飾部材14、15の他、可動装飾部材14、15を夫々始点位置で保持(ロック)するとともに所定条件の成立に基づいてその保持(ロック)を解除する保持機構と、始点位置での保持の解除により可動装飾部材14、15を夫々所定の終点位置(落下位置)まで落下させる落下機構と、終点位置に落下した可動装飾部材14、15を夫々その位置で回転可能とする回転機構と、終点位置に落下した可動装飾部材14、15を夫々始点位置まで上昇可能とする上昇機構と、を少なくとも含んで構成することが可能である。これらの各機構の機械的な構成については図示しないが、少なくとも保持機構、回転機構及び上昇機構には、可動装飾部材14、15の保持を解除するためにソレノイドを使用し、可動装飾部材14、15を回転させたり可動装飾部材14、15を上昇させたりするためにモータを使用する。ソレノイドやモータは、後述の電気的駆動源14aを構成するものである(
図5参照)。
【0034】
可動装飾部材14、15は、前述の電気的駆動源14aの駆動により、表示画面7aの前面側(手前側)を上下動可能に構成されている。
図3では、可動装飾部材14、15が何れも動作しておらず始点位置にある状態(初期状態)を示しており、当該状態にある可動装飾部材14、15を夫々破線で示している。このとき、可動装飾部材14、15は装飾部材13の後方に隠れた状態となるため、遊技者からは可動装飾部材14、15が視認不能となる。そして、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って可動装飾部材14、15が落下(下降)して表示画面7aの前面に出現することで、可動装飾部材14、15が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
【0035】
本実施例1の可動装飾部材14、15は、始点位置にある状態(初期状態)においてその状態が前述の保持機構により保持されるとともに、所定条件(保持解除条件)の成立に基づいてその保持が解除されることで、自重により表示画面7aの前面側を所定の終点位置まで落下可能に構成されている(落下機構)。また、落下した可動装飾部材14、15は、終点位置(落下位置)にて前述の回転機構により回転可能に構成されるとともに、終点位置から始点位置まで前述の上昇機構により上昇可能に構成されている。本実施例1では、可動装飾部材14、15の始点位置に原点センサ14b、15bを設けている。可動装飾部材14、15の動作についての詳細は後述する。
【0036】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0037】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0038】
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5参照)により駆動される。本実施例1では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0039】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31(「第1可変入球口」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1可変入球口31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0040】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36(「第2可変入球口」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。
【0041】
すなわち、第2可変入球口36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。この様な特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。
【0042】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入球口27が設けられている。
【0043】
この様に各種入球口等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちといい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際は左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。そして、第1始動口、第2始動口、第1大入賞口、第2大入賞口、及び一般入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(「賞球」ともいう)が払い出される。
【0044】
また、
図3及び
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、及び、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、及び、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0045】
また主表示器40には、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に、実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46、及び、遊技球の発射方向、すなわち右打ちすべき状態か左打ちすべき状態かを示す発射方向表示器47が含まれている。これら主表示器40に含まれる各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
【0046】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球を契機として行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球を契機として行われる。尚以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
【0047】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合(すなわち、大当り図柄や小当り図柄である場合)には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。尚、このような特別遊技は「所定の遊技演出」ともいう。
【0048】
具体的に、
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が、第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する。また第2大当り(2R大当り)となった場合には、「jnkl」の4個のLEDを点灯し、残りを消灯する。また小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し、残りを消灯することができる。また、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。停止表示態様については、第1特別図柄表示器41bと同様に、第2特別図柄当否判定の結果に応じて夫々異なる表示態様に定められている。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば予め定められた順序で、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。
【0049】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値はそれぞれ4個となっている。これら第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0050】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0051】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは、「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数が2の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とすることができる。また、保留数が3の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。
【0052】
また、保留数が4(上限数)の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。また、第2特図保留表示器43bは、「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数1~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0053】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0054】
具体的には
図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0055】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例1における上限値は4個となっている。
【0056】
普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
【0057】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が0の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が1の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数2~4についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0058】
次に
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例1のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい、「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい、「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7に表示される演出図柄8、演出表示器102に表示される図柄、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
【0059】
また、
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板110を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0060】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路84(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路84は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。
【0061】
主制御基板80には、中継基板85を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、及び一般入球口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「検知手段」ともいう。
【0062】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。一般入球口センサ27aは、各一般入球口27内にそれぞれ設けられて一般入球口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0063】
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、及び第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33及び第2大入賞口ソレノイド38を総称して、第2始動口ソレノイド24等ということがある。
【0064】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0065】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0066】
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。尚、遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。
【0067】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0068】
また
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
【0069】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPUは、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0070】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示にあわせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2特図保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯、又は色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14、15を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、又は加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0071】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。尚、スピーカ67は本発明の「音出力部」の一態様に相当するものである。
【0072】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66、盤面ランプ5aやその他のランプ5b等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤面ランプ5aやその他のランプ5b等のランプ(LED)の点灯制御を行う。尚、枠ランプ66、盤面ランプ5aやその他のランプ5bは、本発明の「発光部」の一態様に相当するものである。
【0073】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続されたモータやソレノイド等の電気的駆動源14aを駆動して可動装飾部材14、15を夫々動作させる。前述したように、可動装飾部材14、15は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14、15を夫々所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて電気的駆動源14aを駆動して可動装飾部材14、15の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14、15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、可動装飾部材14、15は複数の装飾LED14c、15cを含んで構成されており(
図5、
図49参照)、装飾LEDの発光態様(点灯/消灯/点滅や発光色等)を決める発光パターンデータも、可動装飾部材14、15の動作パターンデータに含まれている。このため、可動装飾部材14、15の動作には、可動装飾部材14、15の上下動だけでなく、装飾LED14c、15cの発光(点灯/点滅等)も含まれることとなる。尚、可動装飾部材14、15は、本発明の「可動部」の一態様に相当するものである。
【0074】
また、サブ制御基板90には、可動装飾部材14、15が始点位置(初期状態)にあること、すなわち原点にあることを検知する原点センサ14b、15bが接続されている。この原点センサ14b、15bは、前述の可動装飾ユニットに含まれるもので、
図3の破線で示すように、装飾部材13の後方(裏側)であって、可動装飾部材14、15が始点位置にあるときに、その存在を検知可能となるように設けられている。可動装飾部材14、15が始点位置にあるときには、原点センサ14b、15bからサブ制御基板90に入力される信号(原点センサ信号)がONとなり、可動装飾部材14、15が始点位置にないときには、原点センサ信号がOFFとなる。原点センサ14b、15bは、非接触で検知物体が近づいたことを検知可能なセンサであればよく、フォトセンサや近接センサ等を用いることができる。
【0075】
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b(
図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0076】
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示される。また「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示される。また「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」と言い、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」と言う。
【0077】
当りには複数の種別がある。
図6に示すように当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「2R第3大当り」、及び「15R第4大当り」がある。「15R第1大当り」及び「15R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを、チャンスラウンドやチャレンジラウンドということができる。「15R第2大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のチャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、この「15R第2大当り」は、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。「2R第3大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、チャンスラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
【0078】
本実施例1のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が前述の15R第1大当り、2R第3大当り、又は15R第4大当りとなった場合には、特定領域への遊技球の通過可能性が比較的高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。これに対して、15R第2大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のチャンスラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができず、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
【0079】
一方、小当りは、見かけ上2R第3大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に、特定領域39への遊技球の通過があっても小当り遊技の実行後の遊技状態を小当り遊技の実行前から変化させないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第3大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が、2R第3大当りになったのか小当りになったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第3大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に特定領域39へ遊技球を通過させたとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合、及び2R第3大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数を、ラウンド数とは言わず、単に開放回数という。
【0080】
より具体的には、本実施例1のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、
図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)、及び15R第4大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rまでは第2大入賞口35を最大28秒開放し、3R~15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが容易となっている。
【0081】
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rまでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放し、3R~15Rまでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることはほぼ不可能となっている。
【0082】
すなわち、15R第2大当り用の開放パターンは、15R第1大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンド及び第2ラウンドの開放態様が異なる。つまり、15R第1大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、第2大入賞口35へ遊技球が容易に入球する。そして、第2大入賞口35へ入球した遊技球は、高い可能性で特定領域39を通過する。これに対して、15R第2大当りでは、1ラウンド目及び2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35へ遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2大当りの実行中に、遊技球が特定領域39を通過する可能性は15R第1大当りと比してかなり低くなっている。また、遊技球が特定領域39を通過する可能性は限りなく0に近いため、通過しないといってもよい。
【0083】
また
図6に示すように、2R第3大当りに当選した場合(第1特別図柄表示器41aに2R第3大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目及び2R目における第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、そのラウンド中に特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。尚、本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。よって、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させることは十分に可能である。またこの2R第3大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
【0084】
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)、及び、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35において最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第3大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、特定領域39へ遊技球を通過させることが可能となっている。しかし前述の通り、特定領域39への通過があっても小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。またこの小当りは、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第3大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼないもの(入球による賞球のみ)となっている。すなわち、本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第4大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第3大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
【0085】
尚、第1特別図柄(特
図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定における大当りは、全て15R第4大当りとなっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定により大当りとなった場合には、必ず15R第4大当りとなる。この様に本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
【0086】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は0~629までの範囲で値をとる。大当り種別決定用乱数は、0~99までの範囲で値をとる。尚、第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に、「リーチお乱数(「リーチ情報」ともいう)」及び「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
【0087】
リーチ乱数は、特別図柄当否判定の結果が外れである場合に、演出図柄を用いてその結果を示す遊技演出(演出図柄遊技演出)においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは例えば、左と右の2個の演出図柄8R、8Lが同じ図柄で停止(仮停止)され、残り1個の中演出図柄8Cが変動中の状態をいう(「7↓7」の状態)。そして、変動中の中演出図柄8Cが停止中の演出図柄8R、8Lと同じ図柄で停止すれば、3つの演出図柄が同一の図柄で停止することとなり、当りとなる。尚、この場合の演出図柄の停止(仮停止)には、演出図柄表示領域7b内で多少揺れているような表示(揺れ変動)も含まれる。このリーチ乱数は、0~126までの範囲で値をとる。
【0088】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~198までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~240までの範囲で値をとる。
【0089】
次に、本実施例1のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能、及び、開放延長機能の各機能が作動状態又は非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(
図8(A)参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
【0090】
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0091】
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
【0092】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例1では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動している。具体的に、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が0.2秒の開放動作を1回行い、その期間第2始動口が開状態となる。また時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22の開閉部材37が2.0秒の開放動作を3回行うものとされる。
【0093】
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0094】
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0095】
本実施例1のパチンコ遊技機1では、15R第1大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(
図6参照)。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0096】
また、15R第2大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であるので、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(
図6参照)。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、「高確高ベース状態」となる。
【0097】
また、通常状態(低確低ベース状態)において、2R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態となる(
図6参照)。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0098】
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
【0099】
また、高ベース状態において、2R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態且つ特別図柄の時短状態、且つ高ベース状態となる(
図6参照)。すなわち、特別図柄の時短機能及びベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
【0100】
尚、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、特別図柄の通常状態且つ特別図柄の非時短状態、且つ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。
【0101】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0102】
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。また低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0103】
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0104】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図37に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。尚、実施例1及び図面において、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」「第2特図」ということがある。
【0105】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0106】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0107】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0108】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入球口センサ27a等(
図5参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0109】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。すなわち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0110】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、普図動作処理(S205)、特図動作処理(S206)、特定領域センサ検知処理(S207)、保留球数処理(S208)、及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S219)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0111】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S302)、遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305に進む。
【0112】
普通図柄保留球数が4以上であれば(S302でYES)、S305に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S302でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0113】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、すなわち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)にはS309に進むが、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4個に達している場合(S306でYES)には、S309に進むが、特
図2保留球数が4個未満である場合には(S306でNO)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0114】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部のうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0115】
続いて始動口センサ検知処理(S204)では、第1始動口20に遊技球が入球したか否か、すなわち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否かを判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4個に達している場合(S310でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が4個未満である場合には(S310でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0116】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0117】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで、
図13に示す普図動作処理(S205)を行う。普図動作処理(S205)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0118】
[普通図柄待機処理]
図14に示すように、普通図柄待機処理(S402)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行う(S502)。また、普通図柄当否判定処理(S502)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。また普通図柄変動パターン選択処理に次いで後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行う。また、普通図柄乱数シフト処理(S504)に次いで、普通図柄変動開始処理を行い(S505)、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0119】
[普通図柄当否判定処理]
図15に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)ではまず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(D)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。
【0120】
そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0121】
[普通図柄乱数シフト処理]
普通図柄変動パターン選択処理(S503)に次いで普通図柄乱数シフト処理(S504)を実行する。
図16に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)ではまず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、すなわち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。この様にして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0122】
[普通図柄変動中処理]
図17に示すように、普通図柄変動中処理(S404)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S804)、この処理を終える。
【0123】
[普通図柄確定処理]
図18に示すように、普通図柄確定処理(S406)ではまず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0124】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0125】
[普通電動役物処理]
図19に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0126】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0127】
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0128】
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0129】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S205)に次いで特図動作処理(S206)を行う。特図動作処理(S206)では、
図20に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101、S1103、S1105で共にNO、S1107でYES)、大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)を行い、「特図動作ステータス」が「5」である場合には(S1101、S1103、S1105、S1107の全てがNO)、小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0130】
[特別図柄待機処理]
図21に示すように、特別図柄待機処理(S1102)ではまず、第2始動口21の保留球数(すなわち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、すなわち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(すなわち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、すなわち第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、本処理を終える。
【0131】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、すなわち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、すなわち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。この様に本実施例1では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例1では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(
図8(B))。
【0132】
[特
図2当否判定処理]
図22に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)ではまず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部の最下位の領域(すなわち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(
図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0133】
当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」と判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。また、第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第3大当りのうち何れかが実行される。また、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、全て15R第4大当りとされる(
図8(B))。
【0134】
また、大当りフラグには、大当りの種別が15R第1大当り又は15R第2大当りであった場合にONする長当りフラグと、2R第3大当りであった場合にONする短当りフラグとがある。ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプと15R用ランプとの2個のLEDで構成されており、2R第3大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第3大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り、15R第2大当り、及び15R第4大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプの方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
【0135】
一方、当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)が、小当り判定値である「101」~「105」の何れかと一致するか否かを判定する(
図8(A))。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303、S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
【0136】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(
図21)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図23及び
図24に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また本実施例1では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている。しかし本処理は、特
図2についての変動パターン選択処理なので、特
図2の抽選にて当選する大当りには15R第4大当り(長当り)しかない。従って本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
【0137】
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例1では必ず変動パターンP4が選択される。
【0138】
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。
図8(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「5」であり、非時短状態であれば「0」~「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも外れ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ演出無し外れがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
【0139】
リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、すなわち、リーチ有外れの場合には、非時短状態中リーチ有外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ有外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例1では、変動パターンP5又はP6が選択される。
【0140】
リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、すなわち、リーチ無外れの場合には、非時短状態中リーチ無外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つリーチ無外れに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。本実施例1では、変動パターンP7又はP8が選択される。
【0141】
またS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、
図24に示すように、参照する変動パターンテーブルを時短状態中用のテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1402~S1409と同様の流れで処理(S1410~S1416)を行う。すなわち、大当りであれば
図9の時短状態中且つ大当りに該当する部分を参照し、小当りであれば
図9の時短状態中且つ小当りに該当する部分を参照し、リーチ有外れであれば
図9の時短状態中且つリーチ有外れに該当する部分を参照し、リーチ無外れであれば
図9の時短状態中且つリーチ無外れに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する。
【0142】
尚、時短状態中の変動パターンテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。
【0143】
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図23に示すその他の処理(S1404)を行ってこの処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0144】
[特
図2乱数シフト処理]
図25に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)ではまず、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、すなわち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0145】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図21の特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0146】
図21の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、且つ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0147】
[特
図1当否判定処理]
図26に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図22に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0148】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(すなわち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、及び2R第3大当りのいずれとも判定される可能性がある(
図8(B))。
図8(B)の第1特別図柄(特
図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが50%、2R第3大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り又は15R第2大当りと判定した場合には、ステップS1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第3大当りと判定した場合には、S1609において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
【0149】
[特
図1変動パターン選択処理]
図27及び
図28に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図23及び
図24に示した特
図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701~S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
【0150】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1702(
図27)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして15R大当りである場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1又は変動パターンP2が選択される。
【0151】
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、すなわち2R第3大当りである場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
【0152】
また、この特
図1変動パターン選択処理では、S1712(
図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り又は15R第2大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当りである場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP9~P11のいずれかが選択される。
【0153】
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、すなわち2R第3大当りである場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態且つ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP12が選択される。
【0154】
この特
図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択(S1704、S1706、S1709、S1710、S1711、S1714、S1715、S1718、S1719、S1720)を行った後は、その他の処理(S1705、
図27)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0155】
[特
図1乱数シフト処理]
図29に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、すなわち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0156】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図21の特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0157】
[特別図柄変動中処理]
図30に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)ではまず、特別図柄の変動時間(
図21のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0158】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、及び確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0159】
そしてS1907では、時短フラグがONか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、及び時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。
【0160】
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0161】
[特別図柄確定処理]
図31に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、又は15R第4大当りのいずれか)か否かを判定する(S2002)。
【0162】
そして15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン(
図6参照)をセットし、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン(
図6参照)をセットする(S2003)。
【0163】
S2002において15R大当りでなければ(すなわち短当りフラグがONであれば)、大当り種別は2R第3大当りであるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第3大当り用の開放パターン(
図6参照)をセットする(S2004)。
【0164】
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
【0165】
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(
図6参照)をセットする(S2009)。
【0166】
S2009の処理を終えたら、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
【0167】
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図32に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態且つ非時短状態に制御される。本実施例1では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0168】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。
【0169】
大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。
【0170】
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。1ラウンド目及び2ラウンド目のいずれのラウンドでもない(すなわち、3~15ラウンドの何れか)場合(S2108でNO)、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、1ラウンド目又は2ラウンド目であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。
【0171】
V有効期間設定処理(S2109)では、1ラウンド又は2ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚本実施例1ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理(
図35)のステップS2401~S2403参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。
【0172】
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例1では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこの様なタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
【0173】
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(
図35)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(
図33))。この様にすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
【0174】
また、15R第1大当りや2R第3大当りにおいて、1R目又は2R目のV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方で、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
【0175】
尚、本実施例1では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目において第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2大当りの場合は1R目及び2R目を第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグをONにしてしまうことがない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンド又は2ラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、ラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
【0176】
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例1では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
【0177】
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
【0178】
一方、「0」と判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
【0179】
またS2105において大当り終了フラグがONであれば(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(
図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0180】
[遊技状態設定処理]
図33に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(
図35)にてONするフラグである。そしてVフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONするとともに(S2202)、確変カウンタに「140」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
【0181】
一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにし(S2209)、時短カウンタに「100」をセットし(S2210)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が低確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数が100回になること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。また、この時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
【0182】
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りか否かを判定する。そして、15R大当りでない、すなわち、2R第3大当りであると判定した場合(S2205でNO)、次いで、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第3大当りとなった際の遊技状態が、時短状態か否かを判定する(S2208)。時短状態でなかったと判定した場合(S2208でNO)、時短フラグをONにすることなく、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
【0183】
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、及び、S2208で、2R第3大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2208でYES)、時短フラグをONにし(S2206)、時短カウンタに「140」をセットし(S2207)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態且つ特別図柄の時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄が140回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
【0184】
また、2R第3大当りであり、且つ当該大当り遊技中にVフラグがONにされた場合において、大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2208)を行うのは、大当り遊技前後の時短機能の作動状態、及び高ベース機能の作動状態を小当りと同じにするためである。これらの作動状態が小当りと2R第3大当りとで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識困難にしたとしても、その後の作動状態によって、何れの当りかが判別されてしまうからである。これにより、小当りと2R第3大当りとを大入賞口の開放パターンでの判別を困難にすると共に、その後発生する時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別困難としている。尚、時短状態かを確認しないで単にVフラグONであれば時短フラグをONにする構成でもよい。
【0185】
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図34に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0186】
小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0187】
S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
【0188】
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットするすなわち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例1では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
【0189】
S2302において第2大入賞口35の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例1では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
【0190】
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
【0191】
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
【0192】
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(
図20)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0193】
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、
図33)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。
【0194】
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S206)に次いで特定領域センサ検知処理(S207)を行う。特定領域センサ検知処理(S207)では
図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(
図32)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
【0195】
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第3大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
【0196】
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、この様な特定領域センサ検知処理(S207)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
【0197】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S207)に次いで保留球数処理(S208)を行う。保留球数処理(S208)では
図36に示すように、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。
【0198】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。電源断監視処理(S209)では
図37に示すように、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理をする。
【0199】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図38~
図56に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマー、フラグ、ステータス、バッファ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから
図38に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0200】
続いて、S4002で、電源断信号がONで且つサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0201】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値はサブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。尚、演出決定用乱数には、予告演出を決定する予告演出決定用乱数や演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。尚、本実施例1では、予告演出決定用乱数として、主として画像表示装置7を用いて行う種々の表示予告演出の態様(実行有無)を決定するための表示予告決定乱数と、主として可動装飾部材14、15を用いて行う可動予告演出の態様(実行有無を含む)を決定するための可動予告決定用乱数を有している。可動予告演出の態様(実行有無を含む)は、可動予告決定用乱数の取得値と
図45に示す可動予告決定テーブルを用いて決定する。尚、表示予告演出としては、例えば、セリフの内容によって大当り信頼度を示す会話予告や、実行中の演出図柄遊技演出(特別図柄の変動表示)の内容や結果等に関連する予告画像等を演出図柄遊技演出の進行に伴って段階的に出現させたり変化させたりするステップアップ予告、保留表示(保留図柄)の態様によって大当り等の特定保留の存在を示唆する保留予告等がある。
【0202】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106、及びランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5a、枠ランプ66及び可動装飾部材14、15等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技及び小当り遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0203】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図39に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0204】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図40に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、可動装飾部材14、15(電気的駆動源14a)を駆動するための駆動データの作成及び出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0205】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図41に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行い(S4303)、さらに待機画面演出処理(S4304)を行う。その後、ランプデータ(盤面ランプ5a、その他のランプ5bや枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
【0206】
[受信コマンド解析処理]
図42に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91が主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4403の処理に移行する。S4403では、変動演出を実行中であるか否かを判定し、実行中であると判定した場合(S4403でYES)、後述する表示予告演出実行処理(S4404)及び可動予告演出実行処理(S4405)を行って、S4406の処理に移行し、実行中でないと判定した場合(S4403でNO)、表示予告演出実行処理及び可動予告演出実行処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行うとともに(S4407)、変動停止後の経過時間を計時する変動停止後時間タイマーをスタートさせる。尚、このタイマーは、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を行っている期間はタイマーカウントを休止(特別遊技終了後に再開)し、また変動開始コマンドを受信するとタイマーカウントを中止する。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0207】
続いて、S4408では、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4408)、オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)の際に実行する特別遊技演出のパターン(演出態様)を選択する特別遊技演出選択処理を行う(S4409)。特別遊技演出には、少なくとも、特別遊技開始に伴う大入賞口開放前のオープニング期間中に実行するオープニング演出と、大入賞口の開放中及び開放と開放との間(ラウンド間)のインターバル中に実行する開始後演出と、が含まれる。次いで、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し(
図43のS4410)、エンディングコマンドを受信したと判定した場合(S4410でYES)、特別遊技終了時演出のパターンや特別遊技終了後の演出モードの種類等を選択するエンディング演出選択処理を行う(S4411)。一方、S4408で、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S4408でNO)、特別遊技演出選択処理を行うことなく、S4410の処理に移行する。また、S4410で、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S4410でNO)、エンディング演出選択処理を行うことなく、S4412の処理に移行する。
【0208】
続いて、主制御基板80から第1V通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、第1V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、V通過報知コマンドをセットし(4413)、S4414の処理に移行する。尚、第1V通過コマンドは、15R第1大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態になることが遊技者に報知される。一方、S4412で、第1V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4414の処理に移行する。
【0209】
尚、「V通過!」の文字を表示することは、V通過報知態様の一つであり、他の表示内容(例えば「V」の文字を模したオブジェクト画像を表示したり、「確変GET」の文字を表示したりする等)で、V通過を報知してもよい。これにより、実行中の大当り遊技(特別遊技)後の遊技状態が、高確率状態となることを遊技者に対して報知することが可能となる。
【0210】
続いてS4414では、演出制御用マイコン91で、主制御基板80から第2V通過コマンド(S2406でセット)を受信したか否かを判定し(S4413)、第2V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4414でNO)、S4415の処理に移行して第3V通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4415)。そして、S4414で第2V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4414でYES)と、S4415で第3V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4415でYES)との何れの場合もV通過非報知コマンドをセットし(S4416)、S4417の処理に移行する。一方、S4415で、第3V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4415でNO)、V通過非報知コマンドをセットすることなく、S4417の処理に移行する。S4417では、後述する待機画面演出開始処理が行われる。S4418では、その他の処理として、前述のコマンド以外の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行い、処理を終える。ここで、第2V通過コマンドは、2R第3大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。また第3V通過コマンドは、小当り中などのV無効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80からサブ制御基板90に通知するコマンドである。
【0211】
V通過非報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御基板100のCPUは、画像表示装置7の表示画面7aにおいて、「V通過!」等のVを通過したことを示す文字の表示がない画面(すなわちV通過の報知が何もない画面)に、表示制御する。言い換えれば、V通過非報知態様とするのである。従って、本実施例1のパチンコ遊技機1では、2R第3大当りや小当りにおいて遊技球が特定領域39を通過しても、そのことは遊技者に報知されないものとされる。
【0212】
尚、前述の特定領域センサ検知処理(
図35)にてセットするコマンドを第1V通過コマンドのみとし、第2V通過コマンドや第3V通過コマンドをセットしないこととしてもよい。この場合、受信コマンド解析処理(S4301)では、前述のS4414~S4416を実行しないこととする。この様に構成しても、15R第1大当りにおけるV有効期間中にV通過があったときのみ、その旨が遊技者に報知されるパチンコ遊技機とすることができる。すなわち、V通過の報知のための演出をしない場合にはあえてコマンド(V通過非報知コマンド)をセットしなくてもよい。但し、本実施例1のようにコマンドをセットしてそれに基づいて画像制御基板100を制御した方が、画像制御の安定性を増すことが可能となる。
【0213】
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。
図44に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が予告演出決定用乱数や演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例1では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値に基づいて、実行する予告演出や停止表示する演出図柄、実行する演出図柄遊技演出の態様等を後述の予告演出等設定処理(S4506)で決定する。
【0214】
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、
図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(
図8参照)。変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0215】
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「4」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Dに対して割り当てられている。尚、ここで参照された現在のモードステータスは、後述する待機画面演出開始処理(S4417)においても使用される。
【0216】
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例1では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。また、演出モードDは高確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Dのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
【0217】
次に、S4504で、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5a、可動装飾部材14、15等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための変動演出パターン決定用のテーブルをセットする(S4504)。本実施例1では、変動演出パターン決定用のテーブルの一つとして、主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、
図45に示す可動予告決定テーブルから使用する可動予告決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」であった場合、可動予告決定テーブルとして、
図45(A)に示すP1用の当り時可動予告決定テーブル(「P1,P9」の列を参照)がセットされる。また、図示はしないが、演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)を決定するための演出図柄変動態様決定テーブルや、前述した会話予告、ステップ表示予告等の各種の表示予告演出の態様を決定するための表示予告決定テーブル等もセットされる。
【0218】
次いでS4505で、S4504においてセットした変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合し、且つ参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4505)。具体的には、変動演出パターンとして、まず、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が決定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが設定される。
【0219】
また、本実施例1のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出が設定されており、S4505で、演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。
【0220】
ここで、遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
【0221】
次いで、S4506で、後述する予告演出等設定処理を行う。予告演出等設定処理(S4506)では、S4501で取得した演出決定用乱数及びS4504でセットした予告決定テーブルに基づいて、変動演出パターンのうち、主に、表示予告種のうち何れの表示予告種の表示予告演出を実行するかを決定したり、後述する可動予告種のうち何れの可動予告種の可動予告演出を実行するかを決定したりする。また、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定する。これらの処理(S4505及びS4506)により、変動演出パターンが決定される。尚、
図45に示す可動予告決定テーブルにおいては、複数種類ある可動予告のうち、「可動予告A」と「可動予告B」が表されており、その他の可動予告等については省略されている。
【0222】
次いで、S4507で、S4505及びS4506において選択した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。
【0223】
また、S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出を行う。
【0224】
尚、演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、15R第2大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、2R第3大当り及び小当りのときは「135」等予め定めたチャンス目や「3☆3」等の2R第3大当り及び小当りの専用図柄を停止表示してもよい。すなわち、2R第3大当りのときと小当りのときとで、同じ演出図柄を停止表示するようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しただけでは、2R第3特定大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別することはできない。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
【0225】
[予告演出等設定処理]
次に、変動演出開始処理(S4402)にて実行される予告演出等設定処理(S4506)について説明する。
図46に示すように、予告演出等設定処理(S4506)では、S4501で取得した演出決定用乱数(予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数)及びS4504でセットした予告決定テーブル等に基づいて、演出図柄遊技演出の実行中(特別図柄の変動表示中)に行う予告演出や、演出図柄を変動表示した後に停止表示する演出図柄(停止演出図柄)を決定する。
【0226】
まず、S4601にて、S4501で取得した演出決定用乱数のうち表示予告演出に係る表示予告決定用乱数の値と、S4504で変動パターン指定コマンドに基づいてセットした表示予告決定テーブル(図示せず)とに基づいて、複数の表示予告演出のうち何れを実行するか、又は表示予告演出を実行しないかを判定し(S4601)、S4602の処理に移行する。尚、表示予告演出は、前述したように主として画像表示装置7を用いて行う予告演出のことである
S4602で、S4601による判定の結果、表示予告演出を実行することとなったか否かを判定し、表示予告演出を実行すると判定した場合(S4602でYES)、実行する表示予告演出の種類に対応する表示予告フラグをONにし(S4603)、実行する表示予告演出を設定し(S4604)、S4606の処理に移行する。一方、表示予告演出を実行しないと判定した場合(S4602でNO)、表示予告フラグをOFFにし(既にOFFであればOFFのままとし)(S4605)、S4606の処理に移行する。尚、表示予告演出を実行する場合、複数の表示予告演出のうち一の予告演出を行うこともあれば、二以上の予告演出を複合して行うこともある。
【0227】
次に、S4606にて、S4501で取得した演出決定用乱数のうち可動予告演出に係る可動予告決定用乱数の値と、S4504で変動パターン指定コマンドに基づいてセットした可動予告決定テーブル(
図45参照)とに基づいて、複数の可動予告種のうち何れの可動予告種に基づく可動予告演出を実行するか、又は可動予告演出を実行しないかを判定し(S4606)、S4607の処理に移行する。本実施例1の可動予告決定用乱数は、その乱数範囲が0~99とされ、取得した可動予告決定用乱数の値によって、複数の可動予告種のうち何れの予告種に基づく可動予告演出を実行するか又は可動予告演出を実行しないかを決定する。例えば、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターン情報がP1(変動パターンP1)であった場合、
図45(A)に示すP1,P9用の当り時可動予告決定テーブルがセットされ、取得した可動予告決定用乱数の値が「0~9」(選択確率:10%)の何れかであると「可動予告A」の可動予告演出を実行し、取得した可動予告決定用乱数の値が「10~24」(選択確率:15%)の何れかであると「可動予告B」の可動予告演出を実行することとなる。
【0228】
また、例えば、変動パターン指定コマンドにより指定される変動パターン情報がP5(変動パターンP5)であった場合、
図45(B)に示すP5,P14用の外れ時可動予告決定テーブルがセットされ、取得した可動予告決定用乱数の値が「0~19」(選択確率:20%)の何れかであると「可動予告A」の可動予告演出を実行し、取得した可動予告決定用乱数の値が「20~69」(選択確率:50%)の何れかであると「可動予告B」の可動予告演出を実行することとなる。ここで、「可動予告演出」とは、実行中の演出図柄遊技演出(特別図柄の変動表示)の内容や結果等に関連する示唆を可動装飾部材14、15の動作によって行う予告演出である。本実施例1では、可動予告演出の演出種(可動予告種)は複数あるが、ここでは「可動予告A」を代表して説明する。
図49に示すように「可動予告A」は、演出図柄遊技演出の実行中(演出図柄の変動表示中)において、所定の動作時期が到来すると、始点位置(初期状態;
図49(A)参照)にある可動装飾部材14、15が画像表示装置7の表示画面7aの前面側(手前側)を所定の終点位置(動作状態;
図49(B)参照)まで夫々落下するとともに終点位置にて所定時間回転し、回転を終えると始点位置まで夫々上昇する(初期状態に戻る)態様の可動予告演出である。
【0229】
S4607で、S4606による判定の結果、可動予告演出を実行することとなったか否かを判定し、可動予告演出を実行すると判定した場合(S4607でYES)、実行する可動予告演出の可動予告種に対応する可動予告フラグをONにし(S4608)、実行する可動予告演出を設定し(S4609)、S4611の処理に移行する。一方、可動予告演出を実行しないと判定した場合(S4607でNO)、可動予告フラグをOFFにし(既にOFFであればOFFのままとし)(S4610)、S4611の処理に移行する。本実施例1では、可動予告A等、複数の可動予告種の夫々に対応して可動予告フラグを設けており、S4608では、実行する可動予告演出の可動予告種に対応する可動予告フラグをONとする。例えば、可動予告Aに基づく可動予告演出を実行する場合は可動予告Aに対応する可動予告フラグをONにする。
【0230】
可動予告演出は、表示予告演出が行われない演出図柄遊技演出と、表示予告演出が行われる演出図柄遊技演出との何れにおいても実行可能である。尚、表示予告演出が行われる演出図柄遊技演出にて可動予告演出も行う場合、夫々の予告演出の内容によっては、可動予告演出の実行時期と表示予告演出の実行時期とが重複しないようにすることが望ましい。なぜなら、複数種の予告演出が重複して行われる場合における重複する予告演出の種類が多くなるほど演出全体が煩雑なものとなり、却って遊技興趣の低下を招く虞があるからである。
【0231】
次に、S4611では、S4501で取得した演出図柄決定用乱数の値と、図示しない演出図柄決定テーブルとに基づいて、停止表示する演出図柄を決定し、決定した演出図柄(停止演出図柄)を設定し(S4611)、処理を終える。
【0232】
[表示予告演出実行処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて変動演出実行中(S4403でYES)の場合に実行される表示予告演出実行処理(S4404)について説明する。
図47に示すように、表示予告演出実行処理(S4404)では、まず、表示予告フラグがONか否かを判定し(S4701)、ONでなければ(S4701でNO)、当該変動演出において表示予告演出は実行しないということなので、このまま本処理を終える。一方、表示予告フラグがONであれば(S4701でYES)、ONとなっている表示予告フラグに対応する表示予告演出の開始タイミングか否かを判定し(S4702)、開始タイミングである場合(S4702でYES)、その開始タイミングが到来した表示予告演出を開始する(S4703)。S4702で表示予告演出の開始タイミングでないと判定した場合(S4702でNO)、表示予告演出を開始済(表示予告演出の実行中)であるか、表示予告演出の実行予定はあるものの当該表示予告演出の開始タイミングが未だ到来していないということになるので、S4703の処理を行うことなくS4704の処理に移行する。
【0233】
S4704では、表示予告演出の終了タイミングか否かを判定し(S4704)、終了タイミングである場合、表示予告演出を終了し(S4705)、終了した表示予告演出に対応する表示予告フラグをOFFにする(S4706)。一方、S4704で終了タイミングでないと判定した場合、S4705及びS4706の処理を行うことなく、本処理を終える。
【0234】
[可動予告演出実行処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて変動演出実行中(S4403でYES)の場合に実行される可動予告演出実行処理(S4405)について、
図48及び
図49を用いて説明する。
図48に示すように、可動予告演出実行処理(S4405)では、まず、可動予告フラグがONか否かを判定し(S4801)、ONでなければ(S4801でNO)、当該変動演出において可動予告演出は実行しないということなので、このまま本処理を終える。一方、可動予告フラグがONであれば(S4801でYES)、ONとなっている可動予告フラグに対応する予告種が「可動予告A又はB」であるか否かを判定し(S4802)、可動予告Aでも可動予告Bでもない場合には(S4802でNO)、S4810の処理に移行する。S4802で可動予告A及びBでないと判定した場合、当該変動演出にて実行する可動予告演出は、可動予告A、B以外のその他の可動予告(単に「他の可動予告」ともいう)、例えば、演出ボタン63(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)の操作に基づいて可動装飾部材14、15が動作可能な可動予告演出となる。S4810ではこの様な「他の可動予告」の実行に係る処理(操作可動予告動作処理)を行い、この処理が終了すると、本処理を終える。尚、操作可動予告動作処理(S4810)の詳細については説明を省略する。
【0235】
S4802で可動予告A又はBであると判定した場合、当該変動演出にて実行する可動予告演出は「可動予告A」か「可動予告B」であるので、当該可動予告A又はBの実行に係る処理を進めるべく、S4803以降の処理に進む。S4803では可動装飾部材14、15の動作開始タイミングか否かを判定し、動作開始タイミングでない場合(S4803でNO)、S4804の処理をスキップしてS4805の処理に移行し、動作開始タイミングである場合(S4803でYES)、可動装飾部材14、15の動作を開始する(S4804)。ここで、「可動予告A」は、前述したように、所定の動作時期が到来すると、始点位置(初期状態;
図49(A)参照)にある可動装飾部材14、15を所定の終点位置(落下位置:
図49(B)参照)まで夫々落下させるとともに終点位置にて所定時間だけ回転させ、回転を終えると始点位置まで夫々上昇させる(初期状態に戻す)態様の可動予告演出である。これに対して、「可動予告B」では、最後の可動装飾部材14、15の上昇を急激なもの(急上昇)にする点が、可動予告Aと異なる。よって、S4804の処理により、可動装飾部材14、15の落下動作と、これに続く回転動作が行われることとなる。
【0236】
次に、S4805で可動装飾部材14、15の動作終了タイミングか否かを判定する(S4805)。S4805では、落下した可動装飾部材14、15の回転の終了タイミングか否かを判定する。本実施例1では可動装飾部材14、15の落下に続く回転の開始に伴い、サブ制御基板90のRAMに設けられたタイマにより、回転開始からの経過時間の計測を開始するものとしているので、S4805では、可動装飾部材14、15の回転時間が所定時間になったか否かを判定する。S4805で可動装飾部材14、15の動作終了タイミングでないと判定した場合(S4805でNO)、S4806、S4807の処理をスキップして本処理を終える。S4805で動作終了タイミングであると判定した場合(S4805でYES)、可動装飾部材14、15の回転を終了して可動装飾部材14、15を始点位置まで上昇させる動作(復帰動作処理)を行う(S4806)。復帰動作処理(S4806)が終了すると、次に、S4807で可動予告フラグをOFFにして(S4807)、本処理を終える。以上の様に演出制御用マイコン91による可動予告演出実行理(S4405)が行われる。
【0237】
[待機画面演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)において実行される待機画面演出開始処理(S4417)について説明する。
図50に示すように、待機画面演出開始処理(S4417)では、変動演出終了処理(S4407)により計時されている変動停止後の経過時間が所定時間を経過しているか否かについて判定する(S5101)。所定時間は、予め決められた時間(例えば、30秒~2分)に設定されている。この所定時間が経過していない場合には(S5101でNO)、遊技者がまだ遊技中である可能性が高いため、本処理を終えて受信コマンド解析処理(S4301)に戻る。所定時間が経過している場合には(S5101でYES)、デモ演出時間が経過しているか否かを判定する(S5102)。デモ演出時間は、画像表示装置7が待機演出画像表示領域7cにデモ画像を表示している時間であり、例えば、3分~10分であり、予め決められた時間に設定されている。
【0238】
デモ演出時間が経過していない場合には(S5102でNO)、デモ演出開始前、すなわちデモフラグがOFFであるか否かを判定し(S5104)、デモ演出開始前(デモフラグがOFF)であれば(S5104でYES)、デモ演出開始コマンドをセットする(S5105)。これにより、画像表示装置7の待機演出画像表示領域7cにデモ画像を表示させるためのデモ演出開始コマンドが、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットされる。また、この処理(S5105)では、デモ時間を計時するデモ時間タイマーをスタートさせ、デモフラグをONにして本処理を終える。デモ演出開始前でなければ(S5104でNO)、すなわちデモ演出開始後(デモフラグがON)であれば、本処理を終える。デモ画像は、例えば、本パチンコ遊技機1の機種名やキャラクタ画像などで構成されている、例えば30秒間の動画である。デモ演出開始コマンドを受信した画像制御基板100のCPUは、このようなデモ動画を構成する画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して画像表示装置7の待機演出画像表示領域7cに当該デモ動画を繰り返し表示する。
【0239】
一方、デモ演出時間が経過している場合には(S5102でYES)、変動演出開始処理(S4402)のモードステータス参照処理(S4503)で参照した現在のモードステータスが演出モードAであるか否かを判定する(S5103)。すなわち、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が、現在、低確低ベース状態で制御されているか否かを判定する(S5103)。そして、現在のモードステータスが演出モードAであると判定した場合には(S5103でYES)、ステージフラグが既にセットされているか否かを判定し(S5106)、そうでない場合には(S5103でNO)、本処理を終えて受信コマンド解析処理(S4301)に戻る。これにより、低確低ベース状態で制御されている場合に限って後述する待機演出を行うことになる。
【0240】
遊技者は、本パチンコ遊技機1が特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)を実行している最中であっても、しばらく離席したり、発射ハンドル60を操作しなかったり(遊技球を発射しなかったり)することから、本実施例1では、演出モードB~Dの場合(低確高ベース状態、高確高ベース状態や高確低ベース状態で制御されている場合)においては、所定のデモ演出時間が経過しても後述の待機演出を行わないようにしている。尚、ステージフラグは、待機演出の実行段階を表すフラグであり、待機演出が行われている場合には0~7の値がセットされたON状態であり、待機演出が行われていない場合にはセットされていない(OFF状態)。このステージフラグについては後で詳述する。すなわち、スデモ演出として、ステージ移行可能な待機演出と、ステージ移行しない待機演出とを有しており、演出モードA(遊技状態A)の実行中にデモ演出を実行する場合はステージを移行可能な待機演出を実行し、演出モードB~D(遊技状態Aと異なる遊技状態)の実行中にデモ演出を実行する場合には、ステージを移行しない待機演出を実行するものとしている。
【0241】
ステージフラグがセットされていない場合には(S5106でYES)、待機演出(客待ち演出)がまだ開始されていないため、その開始に先立って、待機演出時間を計時する待機演出タイマーをスタートさせる(S5108)。そして、ステージ0の待機演出を開始させる待機演出(STG0)開始コマンドを、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットする(S5109)。ステージ0の待機演出は、待機演出における最初の画像である(
図53(A)参照)。待機演出の画像(待機演出画像)70については、次にまとめて説明する。待機演出(STG0)開始コマンドのセットが終わると(S5109)、ステージフラグを0(ゼロ)にセットして本処理を終了する。
【0242】
[待機画面演出処理]
続いて、10msタイマ割り込み処理(S4010)において実行される待機画面演出処理(S4304)について説明する。この待機画面演出処理(S4304)が行われるタイミングでは、既にステージ0の待機画面(
図53(A)参照)が画像表示装置7の待機演出画像表示領域7cにおいて表示されている。ここで本実施例1において、待機演出画像表示領域7cに表示される各ステージの待機演出画像70(70a、70b、70c、70d、70e、70f、70g、70h)の例を
図53乃至
図56に基づいて説明する。
【0243】
図53(A)に示すように、ステージ0の待機演出画像70aでは、待機演出画像表示領域7c内において、ほぼ中央にカウンターテーブル72のイラスト画像とその上方に4つのペンダントライト71のイラスト画像とが表示される。これらの画像は、例えば、最初に、単一色の背景画像(例えば、水色の壁)だけで他に何も存在しない部屋の様子が待機演出画像表示領域7cに表示された後、2~3秒経過後、ペンダントライト71の画像が当該領域7cの上側から、またカウンターテーブル72の画像が当該領域7cの右側から、夫々徐々に出現(スライドイン)するように表示される。
【0244】
また、
図53(B)に示すように、ステージ1の待機画面70bでは、待機演出画像表示領域7c内の中央よりのやや下方において、カウンターテーブル72の一部に重複して丸テーブル73及び2つの椅子74の夫々のイラスト画像が表示される。これらの画像も、例えば、当該領域7cの下側から、夫々徐々にせり上がるように出現(スライドイン)するように表示される。ステージ0に比べて丸テーブル73及び2つの椅子74が増えているため、丸テーブル73等がないステージ0の待機演出画像70aと比較して賑やか度がやや増加している。このステージ1において、例えば、ステージ0では消えていたペンダントライト71を点灯させてもよい。これにより、さらに賑やか度が増加する。本実施例1では、ステージ1の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約60秒後に表示される。尚、「賑やか度」については後述する。
【0245】
さらに、
図54(C)に示すように、ステージ2の待機画面70cでは、待機演出画像表示領域7c内の中央よりのやや下方において、画面左側の椅子74に腰掛けるゾウを模した動物キャラクター77a及び画面右側の椅子74に腰掛けるウサギを模した動物キャラクター77bのイラスト画像が表示される。これらの画像は、例えば、時間の経過とともに徐々に現れるフェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ1に比べて動物キャラクター77a、77bが増えているため、これらの動物キャラクター77a等がないステージ1の待機演出画像70bと比較して賑やか度が増加している。本実施例1では、ステージ2の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約120秒後(ステージ1の待機画面が表示されてから約60秒後)に表示される。
【0246】
また、
図54(D)に示すように、ステージ3の待機画面70dでは、待機演出画像表示領域7c内の中央よりのやや上方において、カウンターテーブル72越しに顔を出すパンダを模した動物キャラクター77cのイラスト画像が表示される。この画像も、例えば、フェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ2に比べて動物キャラクター77cが増えているため、ステージ2の待機演出画像70cと比較して賑やか度がやや増加している。本実施例1では、ステージ3の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約180秒後(ステージ2の待機画面が表示されてから約60秒後)に表示される。
【0247】
また、
図55(E)に示すように、ステージ4の待機画面70eでは、待機演出画像表示領域7c内の中央よりのやや上方左右両側において、カウンターテーブル72越しに顔を出すトラを模した動物キャラクター77d及びクマを模した動物キャラクター77eのイラスト画像が表示される。これらの画像も、例えば、フェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ3に比べて動物キャラクター77d、77eが増えているため、これらの動物キャラクター77d等がないステージ3の待機演出画像70dと比較して賑やか度が増加している。本実施例1では、ステージ4の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約210秒後(ステージ3の待機画面が表示されてから約30秒後)に表示される。
【0248】
また、
図55(F)に示すように、ステージ5の待機画面70fでは、待機演出画像表示領域7c内の中央よりのやや上方左右両側において、カウンターテーブル72越しにトラの動物キャラクター77dとパンダの動物キャラクター77cの間に顔を出すリスを模した動物キャラクター77fのイラスト画像が表示される。また、パンダの動物キャラクター77cとクマの動物キャラクター77eの間に顔を出すライオンを模した動物キャラクター77gのイラスト画像も表示される。これらの画像も、例えば、フェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ4に比べて動物キャラクター77f、77gが増えているため、これらの動物キャラクター77f等がないステージ4の待機演出画像70eと比較して賑やか度が増加している。本実施例1では、ステージ5の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約240秒後(ステージ4の待機画面が表示されてから約30秒後)に表示される。
【0249】
また、
図56(G)に示すように、ステージ6の待機画面70gでは、待機演出画像表示領域7c内の左側においてウェイター役のタヌキを模した動物キャラクター77hや、同右側において観葉植物75のイラスト画像が表示される。これらの画像も、例えば、フェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ5に比べて動物キャラクター77h、75が増えているため、これらの動物キャラクター77h等がないステージ5の待機演出画像70fと比較して賑やか度が増加している。本実施例1では、ステージ6の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約270秒後(ステージ5の待機画面が表示されてから約30秒後)に表示される。
【0250】
また、
図56(H)に示すように、ステージ7の待機画面70hでは、待機演出画像表示領域7c内の左側において、カウンターテーブル72の左側から顔を出すサルを模した動物キャラクター77i、リスの動物キャラクター77fとパンダの動物キャラクター77cの間でそれらの上方から顔を出すネコを模した動物キャラクター77jや、ライオンの動物キャラクター77gの上方から顔を出すネズミを模した動物キャラクター77kのイラスト画像が表示される。これらの画像も、例えば、フェードインやディゾルブインなどの画像表示技法で表示される。ステージ6に比べて動物キャラクター77i、77j、77kが増えているため、これらの動物キャラクター77i等がないステージ6の待機演出画像70gと比較してかなり賑やか度が増加している。本実施例1では、ステージ7の待機画面は、ステージ0の待機画面が表示されてから、約300秒後(ステージ6の待機画面が表示されてから約30秒後)に表示される。
【0251】
このように本実施例1の待機演出画像70a~70h(単に「待機演出画像70a等」ともいう)では、ステージが1から2、ステージ2から3というようにステージの番号が増えるに従って登場する丸テーブル73、椅子74、観葉植物75や動物キャラクター77a~77kなどの各アイテムのイラスト画像が増加する。そのため、待機演出画像表示領域7cに表示される内容が時間の経過とともに段々と賑やかになる(賑やか度が増加する)。尚、「賑やか度」とは、活気の多少を表現したものであり、活気の多いほど賑やか度が高く、活気の少ないほど賑やか度が低い。例えば、待機演出画像70については、それを構成するアイテム(ペンダントライト71、カウンターテーブル72、丸テーブル73、椅子74等のデザイン部品や、動物キャラクター77a等)の数が多いほど賑やか度が高く、アイテムの数が少ないほど賑やか度が低い。また、待機演出画像70を構成するアイテムの色彩が鮮やかであるほど賑やか度が高く、地味であるほど賑やか度が低い。
【0252】
例えば、待機演出画像70aはアイテム数が5(ペンダントライト71が4つ、カウンターテーブル72が1つ)であるのに対して、それよりもアイテム数が3(丸テーブル73が1つ、椅子74が2つ)多い待機演出画像70bの方が賑やか度が高い。また、待機演出画像70bはアイテム数が8(ペンダントライト71が4つ、カウンターテーブル72が1つ、丸テーブル73が1つ、椅子74が2つ)であるのに対して、それよりもアイテム数が多い待機演出画像70c~70hの方が賑やか度が高い。本実施例1では、待機演出画像70のステージが進むに従ってアイテム数が増えることから、待機演出画像70aが最も賑やか度が低く、待機演出画像70hが最も賑やか度が高い。賑やか度の大小関係を表すと、待機演出画像70a<待機演出画像70b<待機演出画像70c<待機演出画像70d<待機演出画像70e<待機演出画像70f<待機演出画像70g<待機演出画像70hになる。
【0253】
また、本実施例1では、待機演出画像70を構成するアイテムの色(色彩)については特に具体的には言及していないが、夫々所定の色彩を有する。そのため、例えば、待機演出画像70a等を構成する椅子74の色が赤である場合は、それが青である場合に比べて賑やか度が高い。また、待機演出画像70c~70hにおいて、動物キャラクター77a等の色彩が鮮やかであるほど賑やか度が高く、地味であるほど賑やか度が低い。そのため、例えば、ゾウの動物キャラクター77aの色は、桃色である場合の方が水色である場合に比べて賑やか度が高い。さらに、待機演出画像70を構成するアイテムが動く場合もある。そのため、例えば、待機演出画像70a等を構成する椅子74が上下や左右に移動したり回転したりする場合には、そのような移動や回転が素速いときは賑やか度が高く、ゆっくりであるときには賑やか度が低い。したがって、経時的にアイテムの数が増えない場合であっても、その色彩が寒色系(青緑、青、青紫等)から暖色系(赤、橙、黄等)に時間の経過とともに変化することによっても賑やか度が高められる。逆に暖色系から寒色系に変化することにより賑やかさが低くなる。また、アイテムが移動したり回転したりすることにより、アイテムが静止している場合に比べて賑やか度が高くなる。
【0254】
待機演出画像表示領域7cに表示される待機演出画像70a等の表示制御は、
図51及び
図52に示す待機画面演出処理(S4304)によって行われる。待機画面演出処理(S4304)では、まず変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S5200)。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91が主制御基板80の遊技制御用マイコン81から送信された変動開始コマンドを受信した場合には、画像制御基板100の画像制御用マイコン101も変動開始コマンドを受信して画像制御用マイコン101が画像表示装置7に特別図柄の変動表示を行わせている。つまり、変動開始コマンドを受信したと判定した場合には(S5200でYES)、待機演出画像表示領域7cでは待機画面演出(客待ち演出)の表示に代わって特別図柄の変動表示が行われていることから、それまで待機演出(客待ち演出)が行われていた場合にセットされているステージフラグを初期状態に戻すためにステージフラグをクリア(OFFに)した後(S5224)、本処理を終える。
【0255】
これに対して、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S5200でNO)、待機演出タイマーの経過時間が60秒を超えて120秒以下であるか否かを判定する(S5201)。画像制御基板100の画像制御用マイコン101は、待機画面演出開始処理(S4417)でセットされて送信された待機演出(STG0)開始コマンドを受信することによって、待機演出画像表示領域7cにはステージ0の待機演出画像70a(
図53(A)参照)が表示されている。本実施例1では、例えば、ステージ0の待機演出画像70aの表示を60秒間だけ維持するため、待機演出タイマーの経過時間が60秒未満である場合には(S5201でNO)、ステージ1の待機演出画像70b(
図53(B)参照)を画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5201、S5202)をスキップする。
【0256】
また、本実施例1では、ステージ1の待機演出画像70bを、例えば、60秒間だけ待機演出画像表示領域7cに表示する。そのため、その60秒間を経過した後、すなわち待機演出タイマーの経過時間が120秒以上である場合にも(S5201でNO)、ステージ1の待機演出画像70bを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5201、S5202)をスキップする。尚、待機演出タイマーの経過時間が60秒以下である場合には(S5201でNO)、その後の判定処理(S5204、S5207、S5211、S5214、S5217、S5220)も全てNOで本処理を終えるため、待機演出画像表示領域7cにおけるステージ0の待機演出画像70aの表示が維持される。
【0257】
一方、待機演出タイマーの経過時間が60秒を超えて120秒以下であると判定した場合には(S5201でYES)、ステージ1の待機演出(STG1)開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットした後(S5202)、ステージフラグを1にセットする。これにより、ステージ1の待機演出(STG1)開始コマンドを、画像制御基板100の画像制御用マイコン101が受信することにより、待機演出画像表示領域7cにステージ1の待機演出画像70b(
図53(B)参照)が表示される。
【0258】
続いて、待機演出タイマーの経過時間が120秒を超えて180秒以下であるか否かを判定する(S5204)。本実施例1では、例えば、ステージ1の待機演出画像70bの表示を60秒間だけ維持するため、待機演出タイマーの経過時間が120秒未満である場合には(S5204でNO)、ステージ2の待機演出画像70c(
図54(C)参照)を画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5205、S5206)をスキップする。また、ステージ2の待機演出画像70cを、例えば、60秒間だけ待機演出画像表示領域7cに表示するため、その60秒間を経過した後、すなわち待機演出タイマーの経過時間が180秒以上である場合にも(S5204でNO)、ステージ2の待機演出画像70cを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5205、S5206)をスキップする。
【0259】
一方、待機演出タイマーの経過時間が120秒を超えて180秒以下であると判定した場合には(S5204でYES)、ステージ2の待機演出(STG2)開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットした後(S5202)、ステージフラグを2にセットする。これにより、ステージ2の待機演出(STG2)開始コマンドを、画像制御基板100の画像制御用マイコン101が受信することにより、待機演出画像表示領域7cにステージ2の待機演出画像70c(
図54(C)参照)が表示される。
【0260】
続いて、待機演出タイマーの経過時間が180秒を超えて210秒以下であるか否かを判定する(S5207)。本実施例1では、例えば、ステージ2の待機演出画像70cの表示を60秒間だけ維持するため、待機演出タイマーの経過時間が180秒未満である場合には(S5207でNO)、ステージ3の待機演出画像70d(
図54(D)参照)を画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5208、S5209)をスキップする。また、ステージ3の待機演出画像70dを、例えば、30秒間だけ待機演出画像表示領域7cに表示するため、その30秒間を経過した後、すなわち待機演出タイマーの経過時間が210秒以上である場合にも(S5207でNO)、ステージ3の待機演出画像70dを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5208、S5209)をスキップする。
【0261】
一方、待機演出タイマーの経過時間が180秒を超えて210秒以下であると判定した場合には(S5207でYES)、ステージ3の待機演出(STG3)開始コマンドをサブ制御基板90のRAM内の出力バッファにセットした後(S5208)、ステージフラグを3にセットする。これにより、ステージ3の待機演出(STG3)開始コマンドを、画像制御基板100の画像制御用マイコン101が受信することにより、待機演出画像表示領域7cにステージ3の待機演出画像70d(
図54(D)参照)が表示される。
【0262】
同様に、ステップS5211では、待機演出タイマーの経過時間が210秒を超えて240秒以下であるか否かを判定し、またステップS5214では、待機演出タイマーの経過時間が240秒を超えて270秒以下であるか否かを判定し、ステップS5217では、待機演出タイマーの経過時間が270秒を超えて300秒以下であるか否かを判定する。そして、待機演出タイマーの経過時間が210秒を超えて240秒以下である場合には(S5211でYES)、ステージ4の待機演出(STG4)開始コマンドをセットして(S5212)、ステージフラグを4にセットする(S5213)。また、待機演出タイマーの経過時間が240秒を超えて270秒以下である場合には(S5214でYES)、ステージ5の待機演出(STG5)開始コマンドをセットして(S5215)、ステージフラグを5にセットする(S5216)。さらに、待機演出タイマーの経過時間が270秒を超えて300秒以下である場合には(S5217でYES)、ステージ6の待機演出(STG6)開始コマンドをセットして(S5218)、ステージフラグを6にセットする(S5219)。
【0263】
本実施例1では、ステージ4の待機演出画像70e(
図55(E)参照)、ステージ5の待機演出画像70f(
図55(F)参照)、ステージ6の待機演出画像70g(
図56(G)参照)は、夫々30秒間だけ待機演出画像表示領域7cに表示される。そのため、待機演出タイマーの経過時間が210秒を超えて240秒以下でない場合には(S5211でNO)、ステージ4の待機演出画像70eを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5212、S5213)をスキップする。また、待機演出タイマーの経過時間が240秒を超えて270秒以下でない場合には(S5214でNO)、ステージ5の待機演出画像70fを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5215、S5216)をスキップする。さらに、待機演出タイマーの経過時間が270秒を超えて300秒以下でない場合には(S5217でNO)、ステージ6の待機演出画像70gを画像制御用マイコン101に表示させる処理(S5218、S5219)をスキップする。
【0264】
そして、待機演出タイマーの経過時間が300秒を超えている場合には(S5220でYES)、ステージ7の待機演出(STG7)開始コマンドをセットした後(S5221)、ステージフラグを7にセットして(S5222)、本処理を終える。これにより、待機演出タイマーの経過時間が300秒(5分)を超えている場合には(S5220でYES)、
図56(H)に示す待機演出画像70hが表示され続ける。尚、待機演出タイマーの経過時間の経過とともに増加する動物キャラクター等のアイテムのイラスト画像は、ペンダントライト71→カウンターテーブル72→丸テーブル73→椅子74→動物キャラクター77a→動物キャラクター77b→ … →動物キャラクター77k等の予め決められた順番に従って現れることなく、ランダム(不規則)な順番で待機演出画像表示領域7cに現れるように待機画面演出処理(S4304)のアルゴリズムを構成してもよい。
【0265】
また、本実施例1では、ステージ0の待機演出を開始してからの経過時間(待機演出時間)が300秒を超えている場合には(S5220でYES)、待機演出画像70h(
図56(H)参照)を表示し続ける構成を採用したが、例えば、時間制限を設けることなく、変動開始コマンドを受信するまで(S5200でYES)、所定時間毎(例えば、10秒毎、30秒毎や60秒毎)に動物キャラクター等のアイテムのイラスト画像を増加させたり減少させたりしてもよい。また、動物キャラクター等のアイテムのイラスト画像の表示場所を所定時間毎に適宜変更してもよい。さらに、アイテムのイラスト画像の色彩を所定時間毎に適宜変更したり、アイテムのイラスト画像を移動や回転させたりしてもよい。
【0266】
以上説明した通り、実施例1のパチンコ機1では、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101で行われる待機画面演出開始処理(S4417)や待機画面演出処理(S4304)は、待機演出(客待ち演出)として、大当り遊技や小当り遊技等の特別遊技(所定の遊技演出)を実行していない場合において変動停止後の所定時間の経過後から(S5101でYES)、特別遊技(所定の遊技演出)の実行が開始されるまで(S5200でYES)の間に、待機画面演出を実行して画像表示装置7の待機演出画像表示領域7cに待機演出画像70a~70hを表示させる(S5109、S5202、S5205、S5208、S5212、S5215、S5218、S5221)。そして、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101は、待機演出タイマーの経過時間が経過するに従って、ステージ0の待機演出画像70a→ステージ1の待機演出画像70b→ステージ2の待機演出画像70c→ステージ3の待機演出画像70d→ステージ4の待機演出画像70e→ステージ5の待機演出画像70f→ステージ6の待機演出画像70g→ステージ7の待機演出画像70hというように、ステージの番号が増えるに従って登場する丸テーブル73、椅子74、観葉植物75や動物キャラクター77a~77iなどの各アイテムのイラスト画像が増加するように待機演出の内容を変化させる。登場する丸テーブル73等の各アイテムは、ランダム(不規則)な順番で待機演出画像表示領域7cに現れるように待機画面演出処理(S4304)のアルゴリズムを構成してもよい。これにより、待機演出を見ている遊技者又は遊技予定者(これから遊技機の使用を予定している者)は、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなる。したがって、遊技者又は遊技予定者の興味の程度を高め得る客待ち演出を提供することが可能となる。
【0267】
また、実施例1のパチンコ機1では、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101で行われる待機画面演出開始処理(S4417)や待機画面演出処理(S4304)は、待機演出タイマーの経過時間(待機演出の実行後からの時間)が経過するに従って、ステージが1から2、ステージ2から3というようにステージの番号が増えるに従って登場する丸テーブル73、椅子74、観葉植物75や動物キャラクター77a~77iなどの各アイテムのイラスト画像が増加して、待機演出画像70を見ている遊技者等が受ける印象として、賑やか度が増加するように画像表示装置7の待機演出画像表示領域7cに表示される待機演出画像の内容を変化させる。これにより、待機演出画像表示領域7cに表示される待機演出画像70a~70hを見ている遊技者等は、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、当該待機演出画像70a~70hの賑やか度が時間の経過とともに増加するに従ってワクワク感が増すので、待機演出の画面表示の変化の行方に対する遊技者等の期待を高めることが可能になる。
【0268】
[他の態様1]
また、実施例1の他の態様1として以下の態様とすることが可能である。例えば、待機演出(客待ち演出)の別態様として、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101は、次のような待機画面演出開始処理や待機画面演出処理を行ってもよい。すなわち、例えば、待機演出画像70a等を表示しながら、待機演出として、賑やか度が増加するように、発光部として、盤面ランプ5a、その他のランプ5bや枠ランプ66を点灯させてもよい。また、賑やか度が増加するように、可動部として可動装飾部材14、15を駆動したり、音出力部としてスピーカ67を鳴動させたりしもてよい。具体的には、各ステージフラグをセットする処理(S5109、S5202、S5205、S5208、S5212、S5215、S5218、S5221)において、音声制御基板106に送信する音響データ、ランプ制御基板107に送信する発光パターンデータや動作パターンデータがサブ制御基板90の出力バッファにセットされる。
【0269】
これにより、待機演出画像70a~70hを見ている遊技者等は、当該待機演出画像70a~70hのアイテムの数、色彩や動きによる賑やか度の増加に加えて、発光部の光、可動部の動き又は音出力部の音によっても賑やか度が増加して視覚や聴覚が刺激される。そのため、待機演出画像70a~70hの表示変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、さらにワクワク感が増すことから、待機演出の画面表示の変化の行方に対する遊技者等の期待を高めることが可能になる。
【0270】
[他の態様2]
また、実施例1の他の態様2として以下の態様とすることが可能である。例えば、待機演出(客待ち演出)の別態様として、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101は、次のような待機画面演出開始処理や待機画面演出処理を行ってもよい。すなわち、例えば、待機演出画像70a等を表示しながら、待機演出として、盤面ランプ5a、その他のランプ5b、枠ランプ66、スピーカ67、可動装飾部材14、15のうち、画像表示装置7から物理的な距離が近い位置に存在するものから、順次、時間の経過に伴って駆動させてもよい。具体的には、例えば、ステージ2において盤面ランプ5aが点灯するように発光パターンデータをサブ制御基板90の出力バッファにセットし(S5205)、次のステージ3においてその他のランプ5bが点灯するように発光パターンデータをサブ制御基板90の出力バッファにセットする(S5208)。また、例えば、ステージ4において可動装飾部材14が可動するように動作パターンデータをサブ制御基板90の出力バッファにセットし(S5212)、次のステージ5において可動装飾部材15が可動するように動作パターンデータをサブ制御基板90の出力バッファにセットする(S5215)。さらに、例えば、ステージ6において枠ランプ66が点灯するように発光パターンデータをサブ制御基板90の出力バッファにセットし(S5218)、ステージ7においてスピーカ67が鳴動するように音響データをサブ制御基板90の出力バッファにセットする(S5221)。
【0271】
これにより、待機演出(客待ち演出)のステージが進むに従って、盤面ランプ5aの点灯(ステージ2)、その他のランプ5bの点灯(ステージ3)、可動装飾部材14の可動(ステージ4)、可動装飾部材15の可動(ステージ5)、枠ランプ66の点灯(ステージ6)、スピーカ67の鳴動(ステージ7)が行われる。したがって、待機演出画像70a~70hを見ている遊技者等には、盤面ランプ5a、その他のランプ5b、枠ランプ66、可動装飾部材14、15又はスピーカ67による、光、動作や音の演出がパチンコ遊技機1の内側から外側に向かって徐々に拡がっていく様子が見える。そのため、待機演出画像70a~70hの表示変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、さらにワクワク感が増すことから、待機演出の画面表示の変化の行方に対する遊技者等の期待を高めることが可能になる。
【0272】
[他の態様3]
また、実施例1の他の態様3として以下の態様とすることが可能である。例えば、待機演出(客待ち演出)の別態様として、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101は、次のような待機画面演出開始処理や待機画面演出処理を行ってもよい。すなわち、例えば、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)演出の実行が開始される際に行われていた待機演出(客待ち演出)の内容(ステージ0~7の何れか)に基づいて、これから実行する演出図柄遊技演出(特別図柄の変動表示)等の内容を決定してもよい。これにより、遊技開始直前の客待ちの経過時間の長さに基づいて、遊技者に与え得る遊技興趣の高低が変化する。そのため、当該遊技者は、特別遊技演出の実行が開始される直前に行われていた待機演出の内容(ステージ0~7の何れか)から、遊技興趣の変化要因に気がつくことが可能となる。
【0273】
[他の態様4]
また、実施例1の他の態様4として以下の態様とすることが可能である。例えば、待機演出(客待ち演出)の別態様として、演出制御用マイコン91や画像制御用マイコン101は、次のような待機画面演出開始処理や待機画面演出処理を行ってもよい。すなわち、例えば、待機演出(客待ち演出)の実行が開始される直前に行われていた特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)演出の内容に基づいて、画像表示装置7に最初に表示する待機演出画像70a~70hを決定してもよい。これにより、待機演出(客待ち演出)の実行が開始される直前に行われていた特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)演出の内容によって、最初の待機演出画像70が変化することから、待機演出画像70a~70hの表示変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、遊技者等は、最初の待機演出(客待ち演出)についても予測することが難しくなる。
【0274】
[他の態様5]
また、実施例1の他の態様5として以下の態様とすることが可能である。実施例1では、待機演出タイマーの経過時間が300秒(5分)を超えると、以後、待機演出画像70h(ステージ7)が表示され続ける構成とした。このような態様に変えて、ステージ7に係る待機演出画像が表示されてから所定時間が経過すると(例えば、180秒)、他のステージの待機演出画像を表示するようにしてもよい。例えば、ステージ7で所定時間(例えば、180秒)が経過すると、再度、ステージ0に戻り、実施例1と同様に時間経過に伴ってステージ1→ステージ2→ステージ3・・・と順次ステージが移行してもよい。また、ステージ7で所定時間(例えば、180秒)が経過すると、ステージ6→ステージ5→ステージ4・・・と時間経過に伴って順次移行するものの、移行順序を降順(逆)にしてもよい。また、一旦、ステージ7まで予め定められた順序で、ステージ移行し、ステージ7で所定時間が経過すると、以降は、所定条件が成立するまで(例えば、始動入球コマンドを受信するまで)、所定時間経過するごとに、ランダムにステージを移行してもよい。
【0275】
[他の態様6]
まった、実施例1の他の態様5として以下の態様とすることが可能である。実施例1では、実行中の演出モード、すなわち、滞在中の遊技状態(低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態)によって、ステージ移行可能なデモ演出(待機演出)を実行する場合と、ステージ移行しないデモ演出(待機演出)を実行する場合と、を備えている。このような態様に変えて、所定の遊技状態において(例えば、低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態)、条件によって(判定、デモ演出実行回数、時間等)、ステージ移行可能なデモ演出(待機演出)を実行する場合と、ステージ移行しないデモ演出(待機演出)を実行する場合と、を備えるようにしてもよい。
【0276】
[他の態様7]
また、ステージ移行可能なデモ演出(待機演出)において、ステージの移行タイミング(各ステージの滞在期間)を異なるものとしてもよい。例えば、演出モードによって、ステージの移行タイミング(各ステージの滞在期間)を異なるものとしてもよいし、特定の演出モードにおいて、ステージの移行タイミングを抽選等によって決定してもよい。また、ステージの移行タイミングが異なる複数のデモ演出を有し、デモ演出開始の際に、何れのデモ演出を実行するかを決定してもよい。また、ステージ移行可能であって、表示態様の異なるデモ演出を複数有し、演出モードによって異なるデモ演出を実行してもよいし、特定の演出モードにおいて、デモ演出開始の際に、何れのデモ演出を実行するかを決定してもよい。
【0277】
[その他]
尚、前述の実施例1の構成において、盤面ランプ5a、その他のランプ5bや枠ランプ66は、ステージ0~7のうちの何れかのステージ又は各ステージ0~7において、点灯しているランプの数を多くしたり、少なくしたりしもてよい。点灯しているランプの数が多いほど賑やか度は高くなり、ランプの数が少ないほど賑やか度は低くなる。また、盤面ランプ5a、その他のランプ5bや枠ランプ66は、ステージ0~7のうちの何れかのステージ又は各ステージ0~7において、夫々の発光輝度を高くしたり、低くしたりしてもよい。ランプの発光輝度が高いほど賑やか度は高くなり、ランプの発光輝度が低いほど賑やか度は低くなる。さらに、盤面ランプ5a、その他のランプ5bや枠ランプ66がカラーLEDである場合には、ステージ0~7のうちの何れかのステージ又は各ステージ0~7において、夫々の発光色を暖色系(赤、橙、黄等)にしたり、寒色系(青緑、青、青紫等)にしたりしてもよい。発光色が暖色系(赤、橙、黄等)であるランプの数が多いほど賑やか度が高くなり、発光色が寒色系(青緑、青、青紫等)であるランプの数が多いほど賑やか度が低くなる。
【0278】
また、前述の実施例1の構成において、可動装飾部材14、15が複数の可動部分を有するように構成されている場合には、ステージ0~7のうちの何れかのステージ又は各ステージ0~7において、可動している部分の数を増減させたり、可動している部分の可動速度を可変させたりしてもよい。可動している部分の数が多いほど賑やか度が高くなり、可動している部分の数が少ないほど賑やか度が低くなる。可動速度が速いほど賑やか度が高くなり、可動速度が遅いほど賑やか度が低くなる。可動している部分の体格(大きさ)が大きいほど賑やか度が高くなり、可動している部分の体格(大きさ)が小さいほど賑やか度が低くなる。
【0279】
さらに、前述の実施例1の構成において、スピーカ67(又はホーン)が複数箇所に設けられている場合、音を出力するスピーカ(又はホーン)の数を増減させたり、出力音の音量を可変したり、出力音の音程を可変したりしてもよい。音を出力するスピーカやホーンの数が多いほど賑やか度が高くなり、それらの数が少ないほど賑やか度が低くなる。また、出力音の音量が大きいほど賑やか度が高くなり、小さいほど賑やか度が低くなる。さらに、出力音の音程が高いほど賑やか度が高くなり、低いほど賑やか度が低くなる。
【0280】
また、前述の実施例1の構成において、遊技球が入球可能な入球可能状態と、遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な可変入球口と、第1当否判定又は第2当否判定の結果が当りになると可変入球口(大入賞口)を入球可能状態とする特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、を備えるものとすることができる。また、「始動口」を、第1態様と第1態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様とに変化可能な可変式始動口としてもよいし、「始動口」とは別途、当該可変式始動口を設けてもよい。また、可変式始動口への遊技球の入球頻度が所定の頻度の第1遊技状態と、第1遊技状態よりも可変式始動口への遊技球の入球頻度が高い第2遊技状態とに設定する遊技状態設定手段とを備えるものとすることができる。ここで、「所定の頻度」には0を含むものとする。
【0281】
また、前述の実施例1では、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を1回としているが、1ラウンドにおける第1大入賞口又は第2大入賞口の開放回数を複数回としてもよいし、異なる開放回数のラウンドを有するようにしてもよい。
【0282】
また、前述の実施例1では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図2優先の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特
図1優先の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留及び第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処置、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。
【0283】
また、前述の実施例1では特定領域39を有するパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)のみによって、大当り遊技終了後に高確率状態が付与されるかどうかが決定されるタイプの遊技機においても適用可能であるいうまでもなく、「特別図柄当否判定において大当りとなること(第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示すること)に基づいて」には、このタイプの遊技機も、前述の実施例1,2のパチンコ遊技機も、他のタイプの遊技機も含まれる。また、確率設定手段を備えていない(高確率状態のない)タイプのパチンコ遊技機であって、内部に特定領域を有し、遊技球が入球可能な入球可能状態と遊技球が入球不能な入球不能状態とに変化可能な大入賞口を備え、大入賞口は、始動口への入球に基づく当否判定の結果が小当りとなると所定時間入球可能状態とされ、この入球可能状態となった大入賞口に遊技球が入球し、特定領域を遊技球が通過すると、大当りとなり大当り遊技が実行され、所定の特典が付与されるパチンコ遊技機にも適用可能である。このパチンコ遊技機は所謂1種2種混合機と呼ばれ、始動口への入球に基づく当否判定の結果が大当りになると、特定領域への通過を要せず、大当り遊技が実行される。また、特典としては、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態を発生することが挙げられる。また、第1始動口と第2始動口とを有し、第2始動口への入球頻度を高める高ベース状態を発生するものとすることも可能である。本発明はこれらあらゆるタイプの遊技機に適用可能である。
【0284】
また、参考発明1の遊技機は、
画像を表示可能な画像表示部と、
所定条件の成立に基づく所定の遊技演出の実行として演出図柄を前記画像表示部に表示する遊技演出実行手段と、
前記遊技演出実行手段が前記所定の遊技演出を実行していない場合において所定時間の経過後から前記所定の遊技演出の実行が開始されるまでの間に待機演出を実行する待機演出実行手段と、を備え、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記待機演出の内容を変化させることを特徴とするものである。
【0285】
この様な遊技機によれば、待機演出実行手段は、遊技演出実行手段が所定の遊技演出を実行していない場合において所定時間の経過後から所定の遊技演出の実行が開始されるまでの間に待機演出を実行し画像表示部に待機演出画像を表示する。そして、待機演出実行手段は、待機演出の実行後の時間が経過するに従って、待機演出の内容(実行態様)を変化させる。これにより、待機演出を見ている遊技者又は遊技予定者(以下「遊技者等」ともいう)は、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなる。またこれにより、長時間遊技が行われていない遊技機(空き台)に対する遊技者等の興味を引き付け、遊技意欲を高めることで当該空き台を遊技者に遊技させ、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。「遊技予定者」は、これから遊技機の使用を予定している者のことである。
【0286】
また、参考発明2の遊技機は、参考発明1の遊技機において、
前記待機演出として、前記画像表示部に前記待機演出画像を表示する演出を有し、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出の実行後の時間が経過するに従って、前記待機演出画像を見ている遊技者又は遊技予定者が受ける印象として、賑やか度が増加するように前記待機演出画像の内容を変化させることを特徴とするものである。
【0287】
ここで「賑やか度」とは、活気の多少を表現したものであり、活気の多いほど賑やか度が高く、活気の少ないほど賑やか度が低い。例えば、待機演出画像については、待機演出画像を構成するアイテム(デザイン部品やキャラクター等)の数が多いほど賑やか度が高く、アイテムの数が少ないほど賑やか度が低い。また、待機演出画像を構成するアイテムの色彩が鮮やかであるほど賑やか度が高く、地味であるほど賑やか度が低い。
【0288】
この様な遊技機によれば、待機演出実行手段は、待機演出の実行後の時間が経過するに従って、待機演出画像を見ている遊技者等が受ける印象として、賑やか度が増加するように待機演出画像の内容を変化させる。これにより、待機演出画像を見ている遊技者等は、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、当該待機演出画像の賑やか度が増加するに従って、当該待機演出画像を実行する遊技機に対する遊技者等の興味を引き付け、遊技意欲を高めることが可能となる。これにより、長時間遊技が行われていない遊技機(空き台)を遊技者に遊技させ、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。
【0289】
また、参考発明3の遊技機は、参考発明2の遊技機において、
発光部、可動部及び音出力部を備え、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出画像を表示しながら前記待機演出として、又は前記待機演出画像を表示した後さらに前記待機演出として、前記賑やか度が増加するように、前記発光部、前記可動部又は前記音出力部を駆動することを特徴とするものである。
【0290】
発光部の賑やか度は、例えば、点灯している発光部の数が多いほど賑やか度が高く、それらの数が少ないほど賑やか度が低い。また、発光部の発光輝度が高いほど賑やか度が高く、低いほど賑やか度が低い。さらに、発光色が暖色系(赤、橙、黄等)である発光部の数が多いほど賑やか度が高く、発光色が寒色系(青緑、青、青紫等)である発光部の数が多いほど賑やか度が低い。可動部の賑やか度は、例えば、可動している部分の数が多いほど賑やか度が高く、それらの数が少ないほど賑やか度が低い。また、可動速度が速いほど賑やか度が高く、遅いほど賑やか度が低い。さらに、可動している部分の体格(大きさ)が大きいほど賑やか度が高く、小さいほど賑やか度が低い。音出力部の賑やか度は、例えば、音を出力するスピーカやホーンの数が多いほど賑やか度が高く、それらの数が少ないほど賑やか度が低い。また、音量が大きいほど賑やか度が高く、小さいほど賑やか度が低い。さらに、音程が高いほど賑やか度が高く、低いほど賑やか度が低い。
【0291】
この様な遊技機によれば、待機演出実行手段は、待機演出画像を表示しながら待機演出として、又は待機演出画像を表示した後さらに待機演出として、賑やか度が増加するように、発光部、可動部又は音出力部を駆動する。これにより、待機演出画像を見ている遊技者等は、当該待機演出画像の賑やか度の増加に加えて、賑やか度が増加するように駆動される、発光部の光、可動部の動き又は音出力部の音によっても視覚や聴覚が刺激される。そのため、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、さらにワクワク感が増すことから、待機演出の画面表示の変化の行方に対する遊技者等の期待を高めることが可能になる。
【0292】
また、参考発明4の遊技機は、参考発明3の遊技機において、
前記待機演出実行手段は、前記発光部、前記可動部又は前記音出力部のうち、前記画像表示部から物理的な距離が近い位置に存在するものから、順次、時間の経過に伴って駆動することを特徴とするものである。
【0293】
この様な遊技機によれば、発光部、可動部又は音出力部のうち、画像表示部から物理的な距離が近い位置に存在するものから、順次、時間の経過に伴って駆動されるため、待機演出画像を見ている遊技者等には、発光部、可動部又は音出力部による、光、動作や音の演出が遊技機の内側から外側に向かって徐々に拡がっていく様子が見える。そのため、画面表示の変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、さらにワクワク感が増すことから、待機演出の画面表示の変化の行方に対する遊技者等の期待を高めることが可能になる。
【0294】
また、参考発明5の遊技機は、参考発明1乃至参考発明4の遊技機において、
前記遊技演出実行手段は、前記所定の遊技演出の実行が開始される際に行われていた前記待機演出の内容に基づいて、前記遊技演出を決定することを特徴とするものである。
【0295】
この様な遊技機によれば、遊技演出実行手段は、所定の遊技演出の実行が開始される際に行われていた待機演出の内容に基づいて、遊技開始後に実行する遊技演出を決定する。これにより、遊技開始直前の客待ちの経過時間の長さに基づいて、遊技者に与え得る遊技興趣の高低が変化する。また、所定の遊技演出の実行が開始される直前に行われていた待機演出の内容から、実行される遊技演出の内容が決定されるため、時間経過によって、空き台に対する遊技者の興味を変化させ、長時間遊技が行われていない遊技機を遊技者に遊技させ、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。また、時間経過によって賑やか度が増す場合には、空き台となっている時間が長いほど、賑やか度が増加した待機演出に対応する遊技演出が実行されるため、長期間空き台となることを極力防止し、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。尚、「遊技演出」には、演出図柄の他、背景演出やリーチ演出やキャラクタ演出等を含む。
【0296】
また、参考発明6の遊技機は、参考発明2乃至参考発明5の遊技機において、
前記待機演出実行手段は、前記待機演出の実行が開始される直前に行われていた前記所定の遊技演出の内容に基づいて、前記画像表示部に表示する前記待機演出画像を決定することを特徴とするものである。
【0297】
この様な遊技機によれば、待機演出実行手段は、待機演出の実行が開始される直前に行われていた所定の遊技演出の内容に基づいて、画像表示部に最初に表示する待機演出画像を決定する。これにより、待機演出の実行が開始される直前の遊技演出の内容によって、実行される待機演出画像が変化することから、待機演出の実行態様を多様化し、空き台に対する遊技者の興味を増加させ、空き台を遊技者に遊技させ、遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。また、待機演出における画面表示の変化を容易に予測することが難しくなることに加えて、遊技者等は、最初の待機演出についても予測することが難しくなる。
【符号の説明】
【0298】
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、5a 盤面ランプ(発光部)、5b その他のランプ(発光部)、7 画像表示装置(画像表示部)、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域、7c 待機演出画像表示領域、14,15 可動装飾部材(可動部)、66 枠ランプ(発光部)、67 スピーカ(音出力部)、70 待機演出画像、71 ペンダントライト、72 カウンターテーブル、73 丸テーブル、74 椅子、75 観葉植物、77a~77k 動物キャラクター、91 演出制御用マイコン(遊技演出実行手段、待機演出実行手段)、101 画像制御用マイコン(遊技演出実行手段、待機演出実行手段)。