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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ホログラフィックプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20220106BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G02F1/1337
G02F1/13 505
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020513718
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 GB2018052530
(87)【国際公開番号】W WO2019048867
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】1714493.2
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517080957
【氏名又は名称】デュアリタス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ ニール
(72)【発明者】
【氏名】シュー ファン
【審査官】横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-540278(JP,A)
【文献】特開平07-301813(JP,A)
【文献】特開平07-294936(JP,A)
【文献】特開2003-107530(JP,A)
【文献】特開2007-248699(JP,A)
【文献】国際公開第2007/111402(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第2003-0039401(KR,A)
【文献】特表2006-519415(JP,A)
【文献】特開2009-223137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13,1/137-1/141
G02F 1/1337
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラフィックプロジェクタであって、
反射型液晶ディスプレイデバイスを含み、
前記反射型液晶ディスプレイデバイスは、
第1の基板と前記第1の基板に実質的に平行な第2の基板との間の光変調層であって、前記光変調層は、正の誘電異方性を有する非ねじれ液晶構成の平面配向ネマチック液晶を含み、
前記第1の基板は、実質的に透明であり、前記第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、5°<θ ≦15°であり、
前記第2の基板は、実質的に反射性であり、前記第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、5°<θ ≦15°である、光変調層と、
ピクセル繰り返し距離xを有する前記光変調層上に画定された複数のピクセルであって、x≦10μmであり、
0.5μm≦d≦3μmであって、dは前記第1の基板と前記第2の基板との内面間の距離であり、Δn≧0.20であって、Δnは前記液晶の複屈折である、複数のピクセルと、
位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、前記反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動してホログラムを表示するように構成されたディスプレイドライバと、を含む
ホログラフィックプロジェクタ。
【請求項2】
x≦6μmである
請求項1に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項3】
1≦d≦3μmである
請求項1又は2に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項4】
Δn≧0.25であり、例えばΔn≧0.30などである
請求項1から3のいずれか一項に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項5】
Δn≦0.70であり、例えばΔn≦0.60などである
【請求項6】
前記第1の基板に近接する液晶及び前記第2の基板に近接する液晶は、平行プレチルト構成である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項7】
前記第1のプレチルト角と前記第2のプレチルト角とは実質的に等しい
請求項1から6のいずれか一項に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項8】
前記第1の配向層は、前記第1の基板に近接する液晶に第1の方位角を付与するようにさらに配置され、前記第2の配向層は、前記第2の基板に近接する液晶に第2の方位角を付与するようにさらに配置され、前記第1の方位角と前記第2の方位角とは実質的に平行である、
請求項1から7のいずれか一項に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項9】
前記ホログラフィックプロジェクタは、前記第1の方位角に実質的に平行な偏光方向を有する直線偏光された光を前記反射型液晶デバイスに照射するように構成された光源をさらに含む、
請求項8に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項10】
前記複数のピクセルの隣接するピクセルは、0.1から0.4μmだけ間隔が空いている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のホログラフィックプロジェクタ。
【請求項11】
反射型液晶ディスプレイデバイスにおけるフリンジ電界効果を低減する方法であって、前記反射型ディスプレイ液晶デバイスは、
第1の基板と前記第1の基板に実質的に平行な第2の基板との間の光変調層であって、前記光変調層は、正の誘電異方性を有する非ねじれ液晶構成の平面配向ネマチック液晶を含み、前記第1の基板は、実質的に透明であって、第1の配向層を含み、前記第2の基板は、実質的に反射性であって、第2の配向層を含む、光変調層と、
ピクセル繰り返し距離xを有する前記光変調層上に画定された複数のピクセルであって、x≦10μmであり、0.5μm≦d≦3μmであって、dは前記第1の基板と前記第2の基板との内面間の距離であり、Δn≧0.20であって、Δnは前記液晶の複屈折である、複数のピクセルと、
を含み、前記方法は、
前記第1の基板に近接する液晶に、前記第1の配向層により、5°<θ ≦15°である第1のプレチルト角θを付与するステップと、
前記第2の基板に近接する液晶に、前記第2の配向層により、5°<θ ≦15°である第2のプレチルト角θを付与するステップと、
を含む
方法。
【請求項12】
前記第1/第2のプレチルト角を付与するステップは、前記第1の配向層を第1の方向に、前記第2の配向層を第2の方向にラビングするステップを含み、前記第1の方向は前記第2の方向と反対である、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反射型液晶ディスプレイデバイスをホログラフィックプロジェクタの光源で照射し、
位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、ホログラムを表示するように前記反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動するステップをさらに含む、
請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクタに関する。より具体的には、本開示は、ホログラフィックプロジェクタ、ホログラフィック投影システム、およびホログラフィックプロジェクタなどのプロジェクタを製造する方法に関する。本開示はまた、液晶ディスプレイにおけるフリンジ電界効果を低減する方法、および液晶ディスプレイにおける回位の影響を低減する方法に関する。より具体的には、いくつかの実施形態は、液晶セルの回位線を変位させる方法に関する。いくつかの実施形態は、ヘッドアップディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物から散乱される光には、振幅と位相の両方の情報が含まれる。この振幅と位相の情報は、例えば、干渉縞を含むホログラフィック記録、または「ホログラム」を形成するための周知の干渉技術によって、感光性プレート上に取り込むことができる。ホログラムは、元の対象物を表す2次元または3次元のホログラフィック再構成、または再生画像を形成するために、適切な光の照射によって再構成され得る。
【0003】
コンピュータ生成ホログラフィは、干渉プロセスを数値的にシミュレートすることができる。コンピュータ生成ホログラム「CGH」は、フレネルまたはフーリエ変換などの数学的変換に基づく手法によって計算することができる。これらのタイプのホログラムは、フレネルまたはフーリエホログラムと呼ばれる場合がある。フーリエホログラムは、対象物のフーリエドメイン表現または対象物の周波数ドメイン表現とみなされ得る。CGHは、例えばコヒーレントレイトレーシングまたはポイントクラウド技術によって計算することもできる。
【0004】
CGHは、入射光の振幅および/または位相を変調するように配置された空間光変調器「SLM」で符号化されてもよい。光変調は、例えば、電気的にアドレス指定可能な液晶、光学的にアドレス指定可能な液晶、またはマイクロミラーを使用して実現することができる。
【0005】
SLMは、セルまたは要素とも呼ばれ得る複数の個別にアドレス指定可能なピクセルを含むことができる。光変調方式は、バイナリ、マルチレベル、または連続であってもよい。あるいは、デバイスは連続的であってもよく(すなわち、ピクセルで構成されていない)、したがって、デバイス全体にわたって光変調が連続的であってもよい。SLMは反射性であってもよく、これは、変調された光がSLMから反射して出力されることを意味する。SLMは同様に透過性であってもよく、これは、変調された光がSLMから透過して出力されることを意味する。
【0006】
記載された技術を使用して、撮像用のホログラフィックプロジェクタを提供することができる。このようなプロジェクタは、例えば、ニアアイデバイスを含む、ヘッドアップディスプレイ「HUD」や、ヘッドマウントディスプレイ「HMD」などに応用されている。
【0007】
本開示は、液晶の局所配向がnダイレクタまたは単にダイレクタによって記述される液晶ディスプレイデバイスに関する。場合によっては、ピクセル化された液晶デバイスは、いわゆるフリンジ電界の影響を受ける可能性がある。フリンジ電界は、液晶ダイレクタの局所配向を決定する電界の不均一性である。フリンジ電界は、各ピクセルがデータ電圧を表す垂直電界に影響を与える隣接ピクセルからの望ましくない水平電界にさらされることから生じる。したがって、フリンジ電界は液晶の配向を歪め、ディスプレイデバイスの性能に有害な影響を及ぼす。
【0008】
位相を変調するディスプレイデバイスでは、フリンジ電界効果により複屈折が失われ、位相遅延が不均一になる。例えば、本発明者らは、フリンジ電界効果により、4μmのピクセルと数マイクロメートルのセルギャップで位相遅延の15~30%の損失が生じることを発見した。これは、回位線での光の回折と遅延の損失により、ホログラフィック投影の品質を低下させる可能性がある。
【0009】
例えば、電極の形状を変更したり、誘電体シールド壁構造を含めたりすることにより、フリンジ電界効果を低減する試みがなされてきた。しかし、そのような手法は、表面処理を必要とする微細構造を必要とするため、複雑である。
【0010】
米国特許第6,473,149号明細書は、いわゆる逆チルト回位を排除する、ピクセル間領域の液晶の曲げ変形の形成を妨げるように配置されたスペーサ材料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】米国特許第6,473,149号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
少なくともピクセルの密度が高く、位相ホログラフィに0から2πの位相遅延の全範囲での各ピクセルの高速スイッチングが必要な場合に、フリンジ電界の影響を大幅に低減する簡単な手法をここに開示する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の態様は、添付の独立請求項に定義されている。
【0014】
多くの異なるタイプのディスプレイデバイスが存在する。本開示は、位相ホログラムを使用したビデオレートでのホログラフィック投影のための高解像度(ピクセルの高密度)および高速スイッチングピクセルを有する反射型液晶ディスプレイデバイスに関する。本開示によれば、高解像度ディスプレイは、ピクセルピッチが10μm以下であるものとして定義される。高品質のホログラフィック投影には、最大2πの位相遅延を提供できるピクセルが必要である。反射セルの総遅延φは次の方程式を満たす。
【0015】
ここで、dはセルギャップ、Δnは液晶の複屈折、λは光の波長である。積dΔnは、経路差として知られている。本開示は、正の誘電異方性を有する液晶を含む平面配向ネマチックセルに関するが、それは、この構成が位相ホログラフィに有効であることが分かっているからである。このようなセルの応答時間は、セルギャップの2乗に関連している。本開示は、0.5μm≦d≦3μmおよびΔn≧0.20の範囲内で動作することにより、2πまでの高速スイッチング位相遅延を提供する。
【0016】
いくつかのタイプの液晶ディスプレイでは、フリンジ電界により、ピクセルにいわゆる回位と呼ばれる外観が発生し、性能が低下する可能性がある。本開示による反射型液晶ディスプレイデバイスのタイプでは、回位が特に顕著であることが分かる。さらに、本開示によるデバイスで生じる特定の回位は、デバイスが位相ホログラムを表示するために使用され、0から2πへの高速スイッチングが必要な場合に問題があることが分かっている。
【0017】
反射型液晶ディスプレイデバイスとディスプレイドライバとを含むホログラフィックプロジェクタが提供される。反射型液晶ディスプレイデバイスは、光変調層、第1の基板、第2の基板、および複数のピクセルを含む。光変調層は、第1の基板と第2の基板との間にある。第2の基板は、第1の基板と実質的に平行である。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は、実質的に透明であり、第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、ここでθ>5°である。第2の基板は、実質的に反射性であり、第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、ここでθ>5°である。複数のピクセルは、光変調層上に画定され、ピクセル繰り返し距離xを有し、ここでx≦10μmである。第1の基板と第2の基板との内面間の距離dは、0.5μm≦d≦3μmである。液晶の複屈折Δnは0.20以上である。ディスプレイドライバは、位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動してホログラムを表示するように構成される。複数の変調レベルは、第1および第2の基板上のそれぞれの電極間に可変電圧(通常は0Vから5または6V)を印加することにより提供される。
【0018】
本発明者らは、液晶の極性プレチルト角を数度変化させると、回位の位置が数マイクロメートル変化することを発見した。本発明者らは、本開示による特定のセルを用いて、両方の基板で少なくとも5度のプレチルト角と0.5~3μmのセルギャップを使用することにより、性能を低下させずに、回位をそれぞれのピクセルのアクティブ領域からピクセル間ギャップ領域に効果的に移動させることができることを発見した。この手法は単純で、配向層を使用して簡単に実施することができる。液晶セルの製造の当業者は、本明細書に開示した配向層を提供する方法を知っているので、ここでは詳細な説明は提供しない。本手法は、少なくともその単純さのために、微細構造を使用する他の手法よりも特に有利である。
【0019】
第1のプレチルト角は15°以下であってもよい。それに加えて、またはその代わりに、第2のプレチルト角も15°以下であってもよい。プレチルト角が大きくなると、液晶は印加電界から緩和するのに時間がかかり、さらに、位相遅延を維持するためにより高いセルギャップが必要になることが分かる。本開示によるセルの場合、プレチルト角が15度よりも大きい場合、これらの欠点は、フリンジ電界効果を低減する利点を上回ることが分かる。一般に、回位ラインの変位が15度を超えてさらに減少するという証拠はほとんどない。
【0020】
ピクセルの繰り返し距離は6μm以下である。本開示による液晶セルでは、ピクセル繰り返し距離またはピッチピクセルが6μm以下である場合には、5度より大きいプレチルト角が特に効果的であることが分かる。
【0021】
第1の基板と第2の基板との内面間の距離dは、1μm以上かつ3μm以下であってもよい。dが1μm未満の場合には、デバイスの製造が非常に難しくなり、必要な位相遅延の全範囲を達成するには、非常に高い複屈折を有するエキゾチック液晶混合物が必要になることが分かる。
【0022】
複屈折は、0.25以上、例えば0.3以上などであってもよい。本明細書に記載のフリンジ電界効果は、比較的薄いセルで観察される。薄いセルは、高品質の位相ホログラフィに必要な位相遅延の全範囲を達成するために、より高い複屈折液晶を必要とする。
【0023】
複屈折は、0.70以下、例えば0.6以下などであってもよい。より高い複屈折では、そのような材料は通常はより粘性があるため、スイッチング速度が低下する可能性がある。さらに、液晶は、青色光に敏感になる可能性があり、本開示によるデバイスにとって問題となる光劣化を起こす可能性がある。
【0024】
第1のプレチルト角と第2のプレチルト角とは平行であってもよい。本発明者らは、本明細書に記載の概念は、Piセルに見られるようないわゆる逆平行プレチルト構成ではあまり効果的でないことを発見した。したがって、本開示による光変調層は、例えばPiセルとは異なり、バイアス電圧を必要としない。本発明者らは、回位位置が、逆平行配置ではプレチルト角にあまり反応しないことを発見した。
【0025】
第1のプレチルト角と第2のプレチルト角とは実質的に等しくてもよく、これにより製造が容易になる。
【0026】
本開示の実施形態は、非ねじれネマチック構成などの非ねじれ液晶構成に関する。液晶構成にねじれが含まれている場合、セルの動作は非常に異なる。具体的には、電圧に対するねじれた構成の液晶の応答は、本開示による液晶の応答とは非常に異なる。すなわち、本開示によれば、第1の配向層は、第1の基板に近接する液晶に第1の方位角を付与するようにさらに配置されてもよく、第2の配向層は、第2の基板に近接する液晶に第2の方位角を付与するようにさらに配置されてもよく、第1の方位角と第2の方位角とは実質的に平行である。簡単に言えば、ねじれがない。
【0027】
ホログラフィックプロジェクタは、第1の方位角に実質的に平行な偏光方向を有する直線偏光された光を反射型液晶デバイスに照射するように構成された光源をさらに含んでもよい。
【0028】
複数のピクセルの隣接するピクセルは、0.1から0.4μmのピクセル間ギャップを有してもよい。この範囲で大きなフリンジ電界効果が観察されているため、本明細書で開示する概念はこの範囲内で特に効果的である。
【0029】
また、反射型液晶デバイスにおいて、回位を変位させるなどのフリンジ電界効果を低減する方法が提供される。反射型液晶デバイスは、第1の基板と第1の基板に実質的に平行な第2の基板との間に光変調層を含む。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は実質的に透明であり、第1の配向層を含む。第2の基板は実質的に反射性であり、第2の配向層を含む。光変調層は、ピクセル繰り返し距離xを有する光変調層上に画定された複数のピクセルをさらに含み、ここでx≦10μmおよび0.5μm≦d≦3μmであり、dは第1の基板と第2の基板との内面間の距離であり、Δn≧0.20であって、Δnは液晶の複屈折である。本方法は、第1の基板に近接する液晶にθ>5°である第1のプレチルト角θを付与するステップと、第2の基板に近接する液晶にθ>5°である第2のプレチルト角θを付与するステップと、を含む。
【0030】
第1/第2のプレチルト角を付与するステップは、第1/第2の配向層を配向方向にラビングするステップを含んでもよい。
【0031】
本方法は、位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、ホログラムを表示するように反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動するステップをさらに含んでもよい。
【0032】
dが3μmよりも大きい場合には、液晶の応答時間がdと共に増加するため、ビデオレートで一連のホログラムを表示することがより困難になる可能性があるが、5μmまでのセルギャップについて、本開示によれば、フリンジ電界効果を低減できることが分かる。したがって、他の例では、0.5μm≦d≦3μmである。したがって、反射型液晶ディスプレイデバイスとディスプレイドライバとを含むホログラフィックプロジェクタも提供される。反射型液晶ディスプレイデバイスは、光変調層、第1の基板、第2の基板、および複数のピクセルを含む。光変調層は、第1の基板と第2の基板との間にある。第2の基板は、第1の基板と実質的に平行である。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は、実質的に透明であり、第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、ここでθ>5°である。第2の基板は、実質的に反射性であり、第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、ここでθ>5°である。複数のピクセルは、光変調層上に画定され、ピクセル繰り返し距離xを有し、ここでx≦10μmである。第1の基板と第2の基板との内面間の距離dは、0.5μm≦d≦3μmである。液晶の複屈折Δnは0.20以上である。ディスプレイドライバは、位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動してホログラムを表示するように構成される。
【0033】
反射型液晶ディスプレイデバイスが提供される。反射型液晶ディスプレイデバイスは、光変調層、第1の基板、第2の基板、および複数のピクセルを含む。光変調層は、第1の基板と第2の基板との間にある。第2の基板は、第1の基板と実質的に平行である。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は、実質的に透明であり、第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、ここでθ>5°である。第2の基板は、実質的に反射性であり、第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、ここでθ>5°である。複数のピクセルは、光変調層上に画定され、ピクセル繰り返し距離xを有し、ここでx≦10μmである。第1の基板と第2の基板との内面間の距離dは、0.5μm≦d≦3μmである。液晶の複屈折Δnは0.20以上である。
【0034】
反射型液晶ディスプレイデバイスとディスプレイドライバとを含むホログラフィックプロジェクタが提供される。反射型液晶ディスプレイデバイスは、光変調層、第1の基板、第2の基板、および複数のピクセルを含む。光変調層は、第1の基板と第2の基板との間にある。第2の基板は、第1の基板と実質的に平行である。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は、実質的に透明であり、第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、ここでθ>5°である。第2の基板は、実質的に反射性であり、第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、ここでθ>5°である。複数のピクセルは、光変調層上に画定され、ピクセル繰り返し距離xを有し、ここでx≦10μmである。積d・Δn≧0.2であり、例えば≧0.30などであり、ここでdは第1の基板と第2の基板との内面間の距離であり、Δnは液晶の複屈折である。ディスプレイドライバは、位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、反射型液晶ディスプレイデバイスを駆動してホログラムを表示するように構成される。
【0035】
また、液晶ディスプレイデバイスとディスプレイドライバとを含むホログラフィックプロジェクタが提供される。液晶ディスプレイデバイスは、光変調層、第1の基板、第2の基板、および複数のピクセルを含む。光変調層は、第1の基板と第2の基板との間にある。第2の基板は、第1の基板と実質的に平行である。光変調層は、正の誘電異方性を有する平面配向ネマチック液晶を含む。第1の基板は、実質的に透明であり、第1の基板に近接する液晶に第1のプレチルト角θを付与するように配置された第1の配向層を含み、ここでθ>5°である。第2の基板は、実質的に透過性であり、第2の基板に近接する液晶に第2のプレチルト角θを付与するように配置された第2の配向層を含み、ここでθ>5°である。複数のピクセルは、光変調層上に画定され、ピクセル繰り返し距離xを有し、ここでx≦10μmである。第1の基板と第2の基板との内面間の距離dは、0.5μm≦d≦3μmである。液晶の複屈折Δnは0.20以上である。ディスプレイドライバは、位相変調値を有する複数の変調レベルから選択されたそれぞれの変調レベルで各ピクセルを独立に駆動することにより、液晶ディスプレイデバイスを駆動してホログラムを表示するように構成される。
【0036】
「ホログラム」という用語は、対象物に関する振幅情報または位相情報、またはそれらの何らかの組み合わせを含む記録を指すために使用される。「ホログラフィック再構成」という用語は、ホログラムを照明することによって形成される対象物の光学的再構成を指すために使用される。本明細書では、「再生平面」という用語は、ホログラフィック再構成が完全に形成される空間内の平面を指すために使用される。「再生場」という用語は、本明細書では、空間光変調器から空間的に変調された光を受け取ることができる再生平面の下位領域を指すために使用される。「画像」、「再生画像」、および「画像領域」という用語は、ホログラフィック再構成を形成する光によって照らされる再生場の領域を指す。実施形態では、「画像」は、「画像ピクセル」と呼ばれることがある離散スポットを含んでもよい。
【0037】
「符号化」、「書き込み」または「アドレス指定」という用語は、各ピクセルの変調レベルをそれぞれ決定するそれぞれの複数の制御値をSLMの複数のピクセルに提供するプロセスを説明するために使用される。SLMのピクセルは、複数の制御値の受信に応じて光変調分布を「表示」するように構成されていると言うことができる。したがって、SLMは、ホログラムを「表示する」と言うことができる。
【0038】
許容可能な品質のホログラフィック再構成は、元の対象物に関連する位相情報のみを含む「ホログラム」から形成できることが分かっている。そのようなホログラフィック記録は、位相限定ホログラムと呼ばれる場合がある。実施形態は位相限定ホログラムに関するが、本開示は振幅限定ホログラフィにも同様に適用可能である。
【0039】
本開示は、元の対象物に関連する振幅情報および位相情報を使用してホログラフィック再構成を形成することにも等しく適用可能である。いくつかの実施形態では、これは、元の対象物に関連する振幅情報および位相情報の両方を含むいわゆる完全複合ホログラムを使用した複合変調によって達成される。このようなホログラムは、ホログラムの各ピクセルに割り当てられた値(グレーレベル)が振幅と位相の成分を有するため、完全複合ホログラムと呼ばれることがある。各ピクセルに割り当てられた値(グレーレベル)は、振幅成分と位相成分の両方を有する複素数として表される。いくつかの実施形態では、完全複合コンピュータ生成ホログラムが計算される。例えば、本開示は、位相変調ピクセルの2つの配列が使用される完全複合ホログラフィに適用可能である。
【0040】
「位相遅延」の省略形として、位相値、位相成分、位相情報、または単にコンピュータ生成ホログラムまたは空間光変調器のピクセルの位相を参照することができる。すなわち、記載されている位相値は、実際には、そのピクセルによって提供される位相遅延の量を表す数値(0から2πの範囲など)である。例えば、π/2の位相値を有すると記述されている空間光変調器のピクセルは、受け取った光の位相をπ/2ラジアンだけ変化させる。いくつかの実施形態では、空間光変調器の各ピクセルは、複数の可能な変調値(例えば、位相遅延値)のうちの1つで動作可能である。「グレーレベル」という用語は、複数の利用可能な変調レベルを指すために使用されてもよい。例えば、「グレーレベル」という用語は、異なる位相レベルが異なるグレーの濃淡を提供しない場合でも、位相限定変調器で利用可能な複数の位相レベルを指すために便宜上使用される場合がある。「グレーレベル」という用語は、便宜上、複合変調器で利用可能な複数の複合変調レベルを指すためにも使用される。
【0041】
全体を通して「プレチルト」角が参照される。液晶ディスプレイの当業者は、配向層およびプレチルト角の概念に精通しているであろう。本開示は、ロッド状分子を含むネマチック液晶材料に関する。そのような材料が(例えば、ラビングによって形成された配向層の近くに配置されることにより)配向されると、配向された分子は、ロッドの面内および面外配向の両方を示す。配向層がラビングによって形成されている場合には、ロッドの面内配向方向は一般にラビング方向と同じである。基板に対するロッドの平均面外チルト角(「極角」)がプレチルト角である。言い換えれば、プレチルト角は、基板の平面に対応する配向層に近接した液晶の長手方向軸の極角である。
【0042】
「ピクセルピッチ」とも呼ばれる「ピクセル繰り返し距離」が参照される。ピクセルの配列のピクセルピッチは、隣接するピクセルの対応する点間の直線距離である。したがって、この用語は、ピクセルの繰り返しの配列または周波数の周期性を反映している。ピクセルピッチは、ピクセル幅とピクセル間ギャップの合計で構成される。本開示は、x方向にピクセルピッチおよびy方向にピクセルピッチを有する平面上のピクセルの[x×y]配列を含むディスプレイデバイスに関する。
【0043】
特に明記しない限り、本明細書で言及される複屈折値は、650nmの波長での複屈折である。
【0044】
異なる実施形態および実施形態のグループは、以下の詳細な説明において別々に開示され得るが、実施形態または実施形態のグループの特徴は、実施形態または実施形態のグループの他の特徴または特徴の組み合わせと組み合わされ得る。すなわち、本開示に開示する特徴のすべての可能な組み合わせおよび順列が想定される。
【0045】
特定の実施形態は、以下の図を参照して例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、スクリーン上にホログラフィック再構成を生成する反射型SLMを示す概略図である。
図2A図2Aは、Gerchberg-Saxton型アルゴリズムの一例の第1の反復を示す図である。
図2B図2Bは、Gerchberg-Saxton型アルゴリズムの例の第2およびそれ以降の反復を示す図である。
図2C図2Cは、Gerchberg-Saxton型アルゴリズムの例の代替的な第2およびそれ以降の反復を示す図である。
図3図3は、反射型LCOS SLMの概略図である。
図4A図4Aは、nダイレクタがプレーナ状態にあるFreederickszセルを示す図である。
図4B図4Bは、電界Eの存在によりnダイレクタがホメオトロピック状態にあるFreederickszセルを示す図である。
図5図5は、実施形態によるシリコンデバイス上の電気制御複屈折液晶の概略図である。
図6図6は、実施形態による極性プレチルト角を有する液晶を示す図である。
図7A図7Aは、実施形態による、一対の隣接するピクセルにおける液晶の配置を示す図である。
図7B図7Bは、図7Aに示す一対の隣接するピクセルによって示されるバルク遅延を示す図である。
図8A図8Aは、本開示によるホログラムを表示する位相変調ピクセルの配列のデジタル処理された光学写真である。
図8B図8Bは、図8Aの下位領域の拡大画像である。
図9A図9Aは、垂直格子を表示する位相変調ピクセルの配列の未処理の光学写真である。
図9B図9Bは、回位ラインを強調するための図9Aのデジタル強化バージョンである。
図10図10は、実施形態による異なるプレチルト角を有する、1.2μmのセルギャップを有する4μmピクセルの上面図である。
図11図11は、5μmのセルギャップを有する4μmピクセルの対応する図である。
図12A図12Aは、5Vにおける4μmの正方形ピクセルの上面図であり、0Vにおける4つの隣接するピクセルは、3度のプレチルト角を有する液晶の配向を示している。
図12B図12Bは、プレチルト角が7度の同じピクセルの上面図である。
図13A図13Aは、1.2μmのセルギャップで、三角形のデータポイントマーカーを使用した理論的な位相遅延(回位なし)および正方形のデータポイントマーカーを使用した実際の位相遅延(回位による)に対するプレチルト角の影響を示す図である。
図13B図13Bは、5μmのセルギャップを有する図13Aと同じものを示す図である。
【0047】
同一または類似の部品を指すために、図面全体を通して同じ符号が使用される。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、以下に記載される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の全範囲に及ぶ。すなわち、本発明は、異なる形態で具現化することができ、記載された実施形態は、説明の目的のために記載されたものであって、それらに限定されると解釈されるべきではない。
【0049】
単数形の用語には、特に指定がない限り、複数形が含まれてもよい。
【0050】
別の構造体の上部/下部または他の構造体の上/下に形成されると記載された構造体は、構造体が互いに接触する場合、さらにその間に第3の構造体が配置される場合を含むと解釈されるべきである。
【0051】
時間の関係を記述する際に、例えば、事象の時間的順序が「後に」、「続いて」、「次に」、「前に」などと記述されている場合、特に指定しない限り、本開示は連続的および非連続的事象を含むと解釈されるべきである。例えば、説明は、「ちょうど」、「即時」、「直接」などの文言が使用されない限り、連続的ではないケースを含むと解釈されるべきである。
【0052】
本明細書では、「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語に限定されない。これらの用語は、ある要素と別の要素とを区別するためにのみ使用される。例えば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。
【0053】
異なる実施形態の特徴は、互いに部分的にまたは全体的に結合または組み合わされてもよく、互いに様々に同時に使用されてもよい。いくつかの実施形態は、互いに独立して実行されてもよく、または相互依存関係で一緒に実行されてもよい。
【0054】
光学構成
【0055】
図1は、コンピュータ生成ホログラムが単一の空間光変調器で符号化される実施形態を示している。コンピュータ生成ホログラムは、再構成のための対象物のフーリエ変換である。したがって、ホログラムは対象物のフーリエ領域または周波数領域またはスペクトル領域の表現であると言える。この実施形態では、空間光変調器は、シリコン上の反射型液晶「LCOS」デバイスである。ホログラムは空間光変調器で符号化され、ホログラフィック再構成が再生場、例えばスクリーンやディフューザなどの受光面で形成される。
【0056】
光源110、例えばレーザーまたはレーザーダイオードは、コリメートレンズ111を介してSLM140を照明するように配置される。コリメートレンズにより、光のほぼ平面の波面がSLMに入射する。図1では、波面の方向は非垂直である(例えば、透明な層の平面に真に直交することから2度または3度離れている)。しかし、他の実施形態では、ほぼ平面の波面が法線入射で提供され、ビームスプリッタ配置が入力光路と出力光路を分離するために使用される。図1に示す実施形態では、光源からの光がSLMの鏡面化された背面で反射され、光変調層と相互作用して出口波面112を形成するように配置されている。出口波面112は、スクリーン125に焦点を合わせたフーリエ変換レンズ120を含む光学系に適用される。より具体的には、フーリエ変換レンズ120は、SLM140から変調光のビームを受け取り、周波数空間変換を実行して、スクリーン125でホログラフィック再構成を生成する。
【0057】
特に、このタイプのホログラフィでは、ホログラムの各ピクセルが全体の再構成に寄与する。再生場上の特定の点(または画像ピクセル)と特定の光変調要素(またはホログラムピクセル)には1対1の相関関係はない。言い換えれば、光変調層を出る変調光は、再生場全体に分配される。
【0058】
これらの実施形態では、空間におけるホログラフィック再構成の位置は、フーリエ変換レンズの屈折(集束)度数によって決定される。図1に示す実施形態では、フーリエ変換レンズは物理レンズである。すなわち、フーリエ変換レンズは光学フーリエ変換レンズであり、フーリエ変換は光学的に実行される。どのレンズもフーリエ変換レンズとして機能できるが、レンズの性能により、実行するフーリエ変換の精度が制限される。当業者は、レンズを使用して光学フーリエ変換を実行する方法を理解している。
【0059】
ホログラム計算
【0060】
いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、正レンズのフーリエ変換特性を利用することにより遠方場で画像が再構成されるフーリエ変換ホログラム、または単にフーリエホログラムまたはフーリエベースのホログラムである。フーリエホログラムは、再生平面内の所望の光場をフーリエ変換してレンズ平面に戻すことによって計算される。コンピュータで生成されたフーリエホログラムは、フーリエ変換を使用して計算できる。
【0061】
フーリエ変換ホログラムは、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムなどのアルゴリズムを使用して計算できる。さらに、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムを使用して、空間領域(写真など)の振幅のみの情報からフーリエ領域のホログラム(すなわち、フーリエ変換ホログラム)を計算することができる。対象物に関連する位相情報は、空間領域の振幅のみの情報から効果的に「読み出され」る。いくつかの実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムまたはその変形を使用して、振幅のみの情報から計算される。
【0062】
Gerchberg Saxtonアルゴリズムは、平面AとBのそれぞれの光線I(x、y)とI(x、y)の強度断面が既知であり、I(x、y)とI(x、y)が単一のフーリエ変換によって関連付けられる場合の状況を考慮する。与えられた強度断面で、それぞれ平面AとBの位相分布の近似Ψ(x、y)とΨ(x、y)が見つかる。Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、反復プロセスに従ってこの問題の解を見つける。より具体的には、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、空間領域とフーリエ(スペクトルまたは周波数)領域との間で、I(x、y)およびI(x、y)を表すデータセット(振幅と位相)を繰り返し転送しながら、空間的およびスペクトル的制約を繰り返し適用する。スペクトル領域の対応するコンピュータ生成ホログラムは、アルゴリズムの少なくとも1回の反復により取得される。このアルゴリズムは収束的であり、入力画像を表すホログラムを生成するように構成されている。ホログラムは、振幅のみのホログラム、位相のみのホログラム、または完全複合ホログラムであってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、位相のみのホログラムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、英国特許第2,498,170号明細書または第2,501,112号明細書に記載されるようなGerchberg-Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して計算される。しかしながら、本明細書で開示される実施形態は、単なる例として位相限定ホログラムの計算を説明する。これらの実施形態では、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、既知の振幅情報T[x、y]を生じさせるデータセットのフーリエ変換の位相情報Ψ[u、v]を取り出し、ここで、振幅情報T[x、y]はターゲット画像(例えば写真)を表す。振幅と位相はフーリエ変換で本質的に結合されるため、変換された振幅と位相には、計算されたデータセットの精度に関する有用な情報が含まれる。したがって、アルゴリズムは、振幅情報と位相情報の両方に関するフィードバックと共に繰り返し使用することができる。しかしながら、これらの実施形態では、位相情報Ψ[u、v]のみがホログラムとして使用されて、画像平面でのターゲット画像のホログラフィック表示を形成する。ホログラムは、位相値のデータセット(例えば2D配列)である。
【0064】
他の実施形態では、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して、完全複合ホログラムを計算する。完全複合ホログラムは、振幅成分と位相成分を有するホログラムである。ホログラムは、各複素データ値が振幅成分と位相成分を含む複素データ値の配列を含むデータセット(例えば2D配列)である。
【0065】
いくつかの実施形態では、アルゴリズムは複素データを処理し、フーリエ変換は複素フーリエ変換である。複素データは、(i)実数成分と虚数成分、または(ii)振幅成分と位相成分を含むとみなすことができる。いくつかの実施形態では、複素データの2つの成分は、アルゴリズムの様々な段階で異なって処理される。
【0066】
図2Aは、位相限定ホログラムを計算するためのいくつかの実施形態によるアルゴリズムの第1の反復を示している。アルゴリズムへの入力は、ピクセルまたはデータ値の2D配列を含む入力画像210であり、各ピクセルまたはデータ値は大きさまたは振幅の値である。すなわち、入力画像210の各ピクセルまたはデータ値は位相成分をもたない。したがって、入力画像210は、大きさのみ、または振幅のみ、または強度のみの分布とみなすことができる。そのような入力画像210の例は、写真またはフレームの時間シーケンスを含むビデオの1フレームである。アルゴリズムの第1の反復は、ランダム位相分布(またはランダム位相シード)230を使用して、入力画像の各ピクセルにランダムな位相値を割り当てることを含むデータ形成ステップ202Aで始まり、セットの各データ要素が振幅と位相を含む開始複素データセットを形成する。開始の複素データセットは、空間領域の入力画像を表していると言える。
【0067】
第1の処理ブロック250は、開始複素データセットを受け取り、複素フーリエ変換を実行して、フーリエ変換複素データセットを形成する。第2の処理ブロック253は、フーリエ変換された複素データセットを受け取り、ホログラム280Aを出力する。いくつかの実施形態では、ホログラム280Aは位相限定ホログラムである。これらの実施形態では、第2の処理ブロック253は、ホログラム280Aを形成するために、各位相値を量子化し、各振幅値を1に設定する。各位相値は、位相限定ホログラムを「表示」するために使用される空間光変調器のピクセルで表され得る位相レベルに従って量子化される。例えば、空間光変調器の各ピクセルが256の異なる位相レベルを提供する場合には、ホログラムの各位相値は256の可能な位相レベルのうちの1つの位相レベルに量子化される。ホログラム280Aは、入力画像を表す位相のみのフーリエホログラムである。他の実施形態では、ホログラム280Aは、受信されたフーリエ変換された複素データセットから導出された複素データ値(それぞれ振幅成分および位相成分を含む)の配列を含む完全複素ホログラムである。いくつかの実施形態では、第2の処理ブロック253は、各複素データ値を複数の許容可能な複素変調レベルの1つに限定して、ホログラム280Aを形成する。限定するステップは、各複素データ値を複素平面内の最も近い許容可能な複素変調レベルに設定することを含んでもよい。ホログラム280Aは、スペクトル領域またはフーリエ領域または周波数領域の入力画像を表していると言える。いくつかの実施形態では、アルゴリズムはこの時点で停止する。
【0068】
しかしながら、他の実施形態では、図2Aの点線矢印で表されるようにアルゴリズムは継続する。換言すれば、図2Aの点線矢印に続くステップは任意選択である(すなわち、すべての実施形態に必須ではない)。
【0069】
第3の処理ブロック256は、第2の処理ブロック253から修正された複素データセットを受け取り、逆フーリエ変換を実行して逆フーリエ変換された複素データセットを形成する。逆フーリエ変換された複素データセットは、空間領域の入力画像を表していると言える。
【0070】
第4の処理ブロック259は、逆フーリエ変換された複素データセットを受け取り、振幅値の分布211Aおよび位相値の分布213Aを抽出する。任意選択で、第4の処理ブロック259は、振幅値の分布211Aを評価する。具体的には、第4の処理ブロック259は、逆フーリエ変換された複素データセットの振幅値の分布211Aを、それ自体はもちろん振幅値の分布である入力画像510と比較することができる。振幅値の分布211Aと入力画像210との差が十分に小さい場合には、第4の処理ブロック259は、ホログラム280Aが許容可能であると判定することができる。すなわち、振幅値の分布211Aと入力画像210との差が十分に小さい場合には、第4の処理ブロック259は、ホログラム280Aが入力画像210を十分に正確に表していると判定することができる。いくつかの実施形態では、比較のために、逆フーリエ変換された複素データセットの位相値の分布213Aは無視される。振幅値の分布211Aと入力画像210とを比較するための任意の数の異なる方法を採用することができ、本開示は特定の方法に限定されないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、平均二乗差が計算され、平均二乗差がしきい値未満である場合、ホログラム280Aは許容可能とみなされる。第4の処理ブロック259が、ホログラム280Aは許容可能でないと判定した場合には、アルゴリズムのさらなる反復が実行され得る。しかし、この比較ステップは必須ではなく、他の実施形態では、実行されるアルゴリズムの反復回数は、予め決定されるか、予め設定されるか、ユーザによって定義される。
【0071】
図2Bは、アルゴリズムの第2の反復と、アルゴリズムのさらなる反復を表す。前の反復の位相値の分布213Aは、アルゴリズムの処理ブロックを通してフィードバックされる。入力画像210の振幅値の分布が優先され、振幅値の分布211Aは拒否される。第1の反復では、データ形成ステップ202Aは、入力画像210の振幅値の分布をランダム位相分布230と組み合わせることにより、第1の複素データセットを形成した。しかし、第2およびそれ以降の反復では、データ形成ステップ202Bは、(i)アルゴリズムの前の反復からの位相値の分布213Aを(ii)入力画像210の振幅値の分布と組み合わせることにより、複素データセットを形成することを含む。
【0072】
次に、図2Bのデータ形成ステップ202Bによって形成された複素データセットは、図2Aを参照して説明したのと同じ方法で処理され、第2の反復ホログラム280Bを形成する。したがって、プロセスの説明はここでは繰り返されない。アルゴリズムは、第2の反復ホログラム280Bが計算されたときに停止してもよい。しかし、アルゴリズムの任意の数のさらなる反復を実行してもよい。第3の処理ブロック256は、第4の処理ブロック259が必要な場合、またはさらなる反復が必要な場合にのみ必要であることが理解されるであろう。出力ホログラム280Bは、一般に各反復で改善される。しかし、実際には、通常、測定可能な改善が見られないポイントに到達するか、または追加の処理時間のマイナス効果によって、さらに反復を実行することのプラスの利点が重くなる。したがって、アルゴリズムは反復的で収束的であると説明される。
【0073】
図2Cは、第2以降の反復の代替的な実施形態を表す。前の反復の位相値の分布213Aは、アルゴリズムの処理ブロックを通してフィードバックされる。振幅値の分布211Aは拒否され、振幅値の代替的な分布が優先される。この代替的な実施形態では、振幅値の代替的な分布は、前の反復の振幅値の分布211から導出される。具体的には、処理ブロック258は、前の反復の振幅値の分布211から入力画像210の振幅値の分布を引き、その差をゲイン係数αでスケーリングし、スケーリングされた差を入力画像210から減算する。これは次の方程式で数学的に表現され、下付き文字のテキストと数字は反復回数を示す。
n+1[x,y]=F’{exp(iΨ[u,v])}
Ψ[u,v]=∠F{η・exp(i∠R[x,y])}
η=T[x,y]-α(R[x,y]-T[x,y])
ここで、
F’は逆フーリエ変換であり、
Fはフォワードフーリエ変換であり、
R[x、y]は、第3の処理ブロック256により出力される複素データセットであり、
T[x、y]は入力画像またはターゲット画像であり、
∠は位相成分であり、
Ψは位相限定ホログラム280Bであり、
ηは、振幅値の新しい分布211Bであり、
αはゲイン係数である。
【0074】
ゲイン係数αは固定でも可変でもよい。いくつかの実施形態では、ゲイン係数αは、入ってくるターゲット画像データのサイズとレートに基づいて決定される。いくつかの実施形態では、ゲイン係数αは反復回数に依存する。いくつかの実施形態では、ゲイン係数αは、反復回数のみの関数である。
【0075】
図2Cの実施形態は、他のすべての点で図2Aおよび図2Bの実施形態と同じである。位相限定ホログラムΨ(u、v)は、周波数領域またはフーリエ領域に位相分布を含むと言える。
【0076】
いくつかの実施形態において、フーリエ変換は、ホログラフィックデータにレンズ化データを含めることにより計算で実行される。すなわち、ホログラムには、レンズを表すデータと対象物を表すデータとが含まれている。これらの実施形態では、図1の物理的フーリエ変換レンズ120は省略されている。コンピュータ生成ホログラムの分野では、レンズを表すホログラフィックデータの計算方法が知られている。レンズを表すホログラフィックデータは、ソフトウェアレンズと呼ばれる場合がある。例えば、位相限定ホログラフィックレンズは、その屈折率と空間的に変化する光路長のために、レンズの各点によって引き起こされる位相遅延を計算することにより形成され得る。例えば、凸レンズの中心の光路長は、レンズの縁部の光路長よりも長くなる。振幅のみのホログラフィックレンズは、フレネルゾーンプレートによって形成されてもよい。また、物理的フーリエレンズを必要とせずにフーリエ変換を実行できるように、レンズを表すホログラフィックデータを対象物を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法は、コンピュータ生成ホログラムの分野で知られている。いくつかの実施形態では、レンズデータは、単純なベクトル加算などの単純な加算によってホログラフィックデータと組み合わされる。いくつかの実施形態では、フーリエ変換を実行するために、物理レンズがソフトウェアレンズと共に使用される。あるいは、他の実施形態では、フーリエ変換レンズは、ホログラフィック再構成が遠方場で行われるように完全に省略される。さらなる実施形態では、ホログラムは、格子データ、すなわち、ビームステアリングなどの格子の機能を実行するように配置されたデータを含んでもよい。繰り返すが、コンピュータ生成ホログラフィの分野では、そのようなホログラフィックデータを計算し、それを対象物を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法が知られている。例えば、位相限定ホログラフィック回折格子は、ブレーズド回折格子の表面上の各点によって引き起こされる位相遅延をモデリングすることによって形成される。振幅限定ホログラフィック回折格子は、振幅限定ホログラムの角度ステアリングを提供するために、対象物を表す振幅限定ホログラムに単純に重ね合わせることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、フーリエ変換は、物理的フーリエ変換レンズとソフトウェアレンズによって一緒に実行される。すなわち、フーリエ変換に寄与するいくらかの光学的パワーはソフトウェアレンズによって提供され、フーリエ変換に寄与する残りの光学的パワーは物理的光学部品によって提供される。
【0078】
いくつかの実施形態では、画像データを受信し、アルゴリズムを使用してリアルタイムでホログラムを計算するように構成されたリアルタイムエンジンが提供される。いくつかの実施形態では、画像データは一連の画像フレームを含むビデオである。他の実施形態では、ホログラムは予め計算され、コンピュータメモリに保存され、必要に応じてSLMで表示するために呼び出される。すなわち、いくつかの実施形態では、所定のホログラムのリポジトリが提供される。
【0079】
実施形態は、ほんの一例として、フーリエホログラフィおよびGerchberg-Saxtonタイプのアルゴリズムに関する。本開示は、フレネルホログラフィおよびポイントクラウド法に基づく技術などの他の技術によって計算されたホログラムに等しく適用可能である。
【0080】
光変調
【0081】
空間光変調器を使用して、コンピュータ生成ホログラムを表示することができる。ホログラムが位相限定ホログラムである場合には、位相を変調する空間光変調器が必要である。ホログラムが完全複素ホログラムである場合には、位相と振幅を変調する空間光変調器を使用してもよいし、位相を変調する第1の空間光変調器と振幅を変調する第2の空間光変調器とを使用してもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、空間光変調器の光変調素子(すなわちピクセル)は、液晶を含むセルである。すなわち、いくつかの実施形態では、空間光変調器は、電気光学部品が液晶である液晶デバイスである。各液晶セルは、複数の光変調レベルを選択的に提供するように構成されている。すなわち、各液晶セルは、複数の可能な光変調レベルから選択された1つの光変調レベルで動作するように一度に構成される。各液晶セルは、複数の光変調レベルとは異なる光変調レベルに動的に再構成可能である。いくつかの実施形態では、空間光変調器は反射型液晶オンシリコン(LCOS)空間光変調器であるが、本開示はこのタイプの空間光変調器に限定されない。
【0083】
LCOSデバイスは、小さな開口部(例えば幅が数センチメートル)内に光変調素子またはピクセルの高密度配列を提供する。ピクセルは通常、約10ミクロン以下であり、数度の回折角になり、これは、光学系をコンパクトにできることを意味する。LCOS SLMの小さな開口部を適切に照明することは、他の液晶デバイスの大きな開口部よりも容易である。LCOSデバイスは通常反射型であり、これは、LCOS SLMのピクセルを駆動する回路を反射面の下に埋め込むことができることを意味する。その結果、開口率が高くなる。すなわち、ピクセルが密に詰め込まれているので、ピクセル間にデッドスペースはほとんどない。これは、再生場の光学ノイズを低減するので有利である。LCOS SLMはシリコンバックプレーンを使用し、これは、ピクセルが光学的に平坦であるという利点がある。これは、位相変調デバイスにとって特に重要である。
【0084】
適切なLCOS SLMについて、図3を参照して、単なる例として以下に説明する。LCOSデバイスは、単結晶シリコン基板302を使用して形成される。それは、基板の上面に配置された、ギャップ301aによって離間された正方形平面アルミニウム電極301の2D配列を有する。電極301の各々は、基板302に埋め込まれた回路302aを介してアドレス指定することができる。各電極は、それぞれの平面鏡を形成する。電極の配列上に配向層303が配置され、配向層303上に液晶層304が配置される。第2の配向層305が、例えばガラスの平面透明層306上に配置される。例えばITOの単一の透明電極307が、透明層306と第2の配向層305との間に配置される。
【0085】
電極301の各々は、透明電極307の上にある領域および介在する液晶材料と共に、しばしばピクセルと呼ばれる制御可能な位相変調素子308を画定する。有効ピクセル面積、またはフィルファクタは、ピクセル301a間のスペースを考慮に入れた、光学的にアクティブな全ピクセルの割合である。透明電極307に関して各電極301に印加される電圧を制御することにより、それぞれの位相変調素子の液晶材料の特性を変えることができ、それにより、それに入射する光に可変遅延を与えることができる。効果は、波面に位相のみの変調を提供することであり、すなわち、振幅効果は発生しない。
【0086】
説明したLCOS SLMは、空間変調された光を反射して出力する。反射型LCOS SLMには、信号線、ゲート線、およびトランジスタが鏡面の下にあるという利点があり、これにより、高いフィルファクタ(通常90%を超える)と高い解像度が得られる。反射型LCOS空間光変調器を使用するもう1つの利点は、透過型デバイスを使用する場合に必要な厚さの半分の厚さの液晶層を使用できることである。これにより、液晶のスイッチング速度(動いているビデオ画像を投影するための重要な利点)が大幅に向上する。しかしながら、本開示の教示は、透過性LCOS SLMを使用して等しく実施されてもよい。
【0087】
セル構成と液晶転移
【0088】
本開示による光変調層は、平面配向ネマチック(PAN)セルに配置された液晶を含む。
【0089】
平面ホメオトロピックFreederickszセルは、プレチルトがゼロのセルにかかる電圧がしきい値電圧を超え、nダイレクタが電界方向に再配向するため、電気制御複屈折セルとしても知られている。配向のこの転移は、平面からホメオトロピックへのFreedericksz転移として知られており、図4Aおよび図4Bに示されている。図4Aは、電界がない場合の液晶の配向を示している。図4Bは、第1の基板と第2の基板との間に十分な電界が存在する場合の液晶の配向を示している。この転移の結果、入射光線の見かけの複屈折が減少する。大きな電圧(しきい値電圧よりもはるかに大きい電圧)が存在する場合、nダイレクタは、配向面に近いものを除き、基板に垂直に配向され、これにより、位相遅延が非常に小さくなる。
【0090】
電界が存在する場合、液晶nダイレクタはどちらの方向にも回転でき(「前方傾斜」または「後方傾斜」として知られている)、これを防ぐために、組み込みの表面傾斜を有する配向層が使用されてもよい。多くの場合、配向層は摩擦ポリマーであるが、他の方法を使用して配向層を形成してもよい。配向層は両方の基板に適用され、標準のECBセルの場合、これらの層は図5に示すように平行に配向される。入射光の偏光がnダイレクタ(長軸)に平行である場合には、平面配向液晶セルは効率的な位相変調器を形成する。
【0091】
より詳細には、図5は、上部ガラス基板501上の第1の配向層503と、シリコンバックプレーン507上の第2の配向層505と、を示している。複数の液晶ダイレクタ509が、例として図5に示されている。電界が存在しない場合、液晶ダイレクタ509は、第1の配向層503および第2の配向層505に従って自らを配向する。この例では、上部ガラス基板501に近接する液晶のnダイレクタがシリコンバックプレーン507に近接する液晶のnダイレクタと平行であるから、第1の配向層503および第2の配向層505は平行であるとみなされる。例えば、平行な配向層は、2つの配向層の逆平行のラビングにより形成され得る。すなわち、第1の配向層を第1の方向にラビングし、第2の配向層を第2の方向にラビングし、第1の方向は第2の方向と反対である。図5の例では、第1の配向層503は右から左にラビングされ、第2の配向層505は左から右にラビングされる(逆平行)。平行構成を形成する他の方法は、当技術分野で公知である。前の図に示すように、電界があると、液晶の配向が変わる場合がある。
【0092】
電気的に制御される複屈折セルは、正の誘電異方性を有するネマチック液晶を使用しており、これは、セルに印加される電界がしきい値電圧を超えると、セルがすばやくホメオトロピック状態に切り替わることを意味する。
【0093】
通常、低表面傾斜(約2°)ラビングポリマー配向層は、第1の基板(例えば前面ガラス)と第2の基板(例えばLCOSバックプレーン)の両方で使用される。図6は、ポリイミド(PI)材料をラビング方向601にラビングして、使用されるPIのタイプ、コーティング条件およびラビング密度に一般に依存する表面プレチルト角603を生成する原理を示している。実施形態では、第1の配向層によって提供される第1の配向方向は、第2の配向層によって提供される第2の配向方向と平行である。
【0094】
フリンジ電界効果
【0095】
フリンジ電界は、隣接するピクセル間に電位差がある場合に発生する。これらのフリンジ電界は、ピクセル間の境界でnダイレクタを歪ませるので、ピクセルの縁部で位相遅延が失われる。「歪み」は、液晶がその総配置エネルギー(弾性エネルギーと誘電エネルギー)を最小化するために発生する。弾性エネルギーは3つ(またはそれ以上)の弾性定数に依存するため、実際の弾性歪み(ねじれ、逆傾斜など)は液晶混合物に依存する。誘電エネルギーは、ダイレクタに平行および垂直な誘電率に依存し、液晶混合物にも依存する。「回位」とは、配向層によって促進される配向と総配置エネルギーの最小化との競合によって引き起こされる、nダイレクタのより急激な変化である。
【0096】
図7Aは、本開示によるデバイス内の一対の隣接するピクセルの断面図である。配向方向はページの平面内にある。この図は、各ピクセルで、450nmで0.415の複屈折を有する液晶のnダイレクタを示している。各ピクセルは、x方向(x軸)の幅が約9μm、厚さ(y軸)が1.2μmである。図7Aの左側は、5Vが第1の基板と第2の基板(セルの上部と下部)に印加されている「オン」ピクセルを示している。示されている線は等電位線である。左側のピクセルの液晶は、概ね電界により配向されている(図4Bを参照)。図7Aの右側のピクセルは、第1の基板と第2の基板に電位がない「オフ」ピクセルを示している。したがって、右側のピクセルの液晶は概ね平面である(図4Aを参照)。「オン」ピクセル(左)は最小限の位相遅延を提供し、「オフ」ピクセル(右)は最大の位相遅延を提供する。フリンジ電界は、境界領域の液晶の配向に影響を及ぼす。
【0097】
図7Bは、図7Aに示した液晶の配列から生じる遅延を示している。「ON」ピクセル(右)の境界(上隅)での遅延の損失は、上記の歪みである。「オフ」ピクセル(左)内の複屈折の鋭いスパイクは回位である。
【0098】
図8Aおよび図8Bは、本開示による、位相ホログラムを表示するピクセルの配列の顕微鏡画像である。配向方向はSWからNEであり、示されているパターンは、平行偏光子と分析器との間で観察される。液晶は590nmで約0.256の複屈折を有し、セルギャップは2.1μmである。画像は白色LED光源を使用して生成されており、セルは平行な偏光子の間で45度に配向されている。色は、グレーレベル(図7Bの数字)でキャリブレーションされたピクセルの遅延を示す。歪み(位相遅延の損失)はピクセル境界で見られる。重要なのは、隣接するピクセル間の転移が最大値よりも小さい場合でも、位相遅延の損失が発生することである。図8Bの数字は、選択した点の0~255のグレーレベルであり、グレーレベル0は最大位相遅延(例えば2π)を表し、グレーレベル255は最小位相遅延(例えばゼロ)を表す。
【0099】
図9Aは、本開示によるLCOSデバイス上の、450nmで約0.30の複屈折を有する液晶を含むピクセルのグループの画像である。図9Aの写真は、青色フィルタを使用して反射で撮影された。ピクセルの繰り返し距離は6μmで、ピクセルの配列は垂直格子を表示しているので、左側の2つのピクセルは高電圧、右側の2つのピクセルはゼロボルトになる。図9Bは、図9Aのデジタル強化バージョンであり、回位を強調するためにしきい値を使用している。具体的には、図9Bは、ピクセル901、ピクセル間領域903、および回位905などの4つの完全なピクセルを示している。
【0100】
本発明者らは、位相ホログラフィのために記載されたデバイスを使用する場合、プレチルト角を少なくとも5度に増加させるという予想外の利点を発見した。本開示による第1および第2の配向層を使用してプレチルト角を提供する方法は、当技術分野で公知である。例えば、プレチルト角は、当技術分野で公知のラビング方法を使用して、第1/第2の配向層をラビング/配向方向にラビングすることによって提供され得る。例えば、プレチルト角は、適切な比率の垂直ポリイミドと水平ポリイミドを混合することによって提供することもできる。いくつかの実施形態では、ポリイミドをラビングすることにより、10度未満のプレチルト角が提供される。いくつかの実施形態では、光配向または蒸発プロセスにより、10度より大きいプレチルト角が提供される。
【0101】
図10は、プレチルト角が異なる1.2μm(セルギャップ)ピクセル(5 Vで駆動)の上面図を示している。グレースケール値は位相遅延を表す。示されているV字の線は、回位(複屈折の急激な変化)である。図10A図10B図10C図10D図10E、および図10Fに示されているプレチルトは、それぞれ0、3、5、7、10、および15度である。プレチルトを大きくすると、欠陥(回位)がピクセル間ギャップにどのように移動するかが示されている。これにより、バルク位相遅延誤差が減少する。発明者らは、示されているように、プレチルトを増加させると、回位がアクティブピクセル領域からピクセル間ギャップに効果的に押し出されるため、この改善が達成されることを発見した。したがって、各ピクセルは、複屈折の急激なスパイクが非表示領域に押し込まれるため、予想される遅延に近い遅延を提供する。
【0102】
図11は、6Vで駆動される異なるプレチルトを有する5μm(セルギャップ)ピクセルの上面図を示している。グレースケール値は位相遅延を表す。示されている欠陥は、液晶分子の逆傾斜変形によって引き起こされる縁部回位領域を含む。図11A図11B図11C図11D図11E、および図11Fに示されているプレチルトは、それぞれ3、5、10、15、および20度である。繰り返すが、プレチルトを大きくすると欠陥がピクセル間ギャップに移動し、バルク位相遅延誤差が減少することが示されている。プレチルト角を大きくすると、液晶分子の安定性が向上し、液晶の配向がより均一になる。
【0103】
同様に、図12は、フリンジ電界を引き起こす4つの隣接するピクセルに囲まれた単一ピクセルの液晶の上面図を示している。図12Aは3度のプレチルトで達成され、図12Bは7度で達成される。中央のピクセルは「オン」状態(すなわち5V)であり、周囲の4つのピクセルは「オフ」状態(すなわち0V)である。各基板のプレチルト角を5度より大きくすると、ピクセルのアクティブ領域から回位が除去されることが分かる。
【0104】
本発明者らは、様々なセルの回位の影響を低減する際に5度より大きいプレチルト角を使用することの有効性を測定した。具体的には、本発明者らは、回位を有するセルのバルク遅延に対するプレチルト角の影響を測定した。簡潔にするために、本開示では結果のサンプルのみを提供する。
【0105】
図13Aは、1.2μmのセルギャップを有するセルでのプレチルト角が、高密度の高複屈折ピクセルに起因するフリンジ電界によって引き起こされる位相遅延誤差をどのように低減するかを示している。この例では、市販のネマチック液晶を含むピクセルは5Vで駆動され、「オフ」ピクセルで四方を囲まれている。液晶の複屈折は0.235(650nmで)である。x軸は、最大位相遅延(すなわち0Vで)のパーセンテージとしての位相遅延である。液晶を垂直方向に完全に配列するには5Vでは不十分であるため、位相遅延はゼロにならない。正方形のデータポイントは、回位を含む測定された位相遅延を表し、三角形のデータポイントは、回位が存在しない場合に達成されるべき理論上の位相遅延を表す。図13Aから、プレチルト角が増加するにつれて位相遅延が理論値に近づくことが分かる。すなわち、測定された位相遅延と理論上の位相遅延との差は、プレチルト角が増加するにつれて減少する。本発明者らは、改善が5度から15度の間で最も顕著であることを示した。プレチルトを3度から少なくとも5度に上げると、位相遅延誤差が28%から23%に減少することが分かる。プレチルト角がさらに7度に増加すると、総位相損失は20%未満に減少した。15度を超えると、このセルではほとんど改善が見られなかった。5μmのセルギャップでも、15度のプレチルトを超えるさらなる改善はほとんど見られなかった。
【0106】
図13Bは、図13Aと同じであるが、5μmのセルギャップを示している。特に、この高いセルギャップでは、プレチルトの改善はそれほど顕著ではない。実際、本発明者らは、セルギャップが3μm未満であるが0.5μmを超える場合に、5度より大きいプレチルト角を有することが最も効果的であることを発見した。
【0107】
追加の特徴
【0108】
いくつかの実施形態では、光源はレーザーダイオードなどのレーザーである。本開示のホログラフィック投影システムは、改善されたヘッドアップディスプレイ(HUD)またはヘッドマウントディスプレイを提供するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、HUDを提供するために車両に設置されたホログラフィック投影システムを含む車両が提供される。車両は、自動車、トラック、バン、大型トラック、オートバイ、電車、飛行機、ボート、船などの自動車両であってもよい。
【0109】
ホログラフィック再構成の品質は、ピクセル化された空間光変調器を使用する回折性の結果である、いわゆるゼロ次問題の影響を受ける可能性がある。このようなゼロ次光は「ノイズ」とみなすことができ、例えば鏡面反射光やSLMからのその他の不要な光が含まれる。
【0110】
フーリエホログラフィの例では、この「ノイズ」はフーリエレンズの焦点に集束され、ホログラフィック再構成の中心に明るいスポットをもたらす。ゼロ次の光は単純にブロックされるが、これは明るいスポットを暗いスポットに置き換えることを意味する。いくつかの実施形態は、ゼロ次の平行光線のみを除去するための角度選択フィルタを含む。実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる欧州特許第2,030,072号明細書に記載されているゼロ次を管理する方法も含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、ホログラムのサイズ(各方向のピクセルの数)は、ホログラムが空間光変調器を満たすように空間光変調器のサイズに等しい。すなわち、ホログラムは空間光変調器のすべてのピクセルを使用する。他の実施形態では、ホログラムのサイズは空間光変調器のサイズよりも小さい。これらの他の実施形態のいくつかでは、ホログラムの一部(すなわち、ホログラムのピクセルの連続するサブセット)が未使用のピクセルで繰り返される。この技術は「タイリング」と呼ばれる場合があり、空間光変調器の表面積はいくつかの「タイル」に分割され、各タイルは少なくともホログラムのサブセットを表す。したがって、各タイルのサイズは、空間光変調器よりも小さくなる。
【0112】
ホログラフィック再生場のサイズ(すなわち、ホログラフィック再構成の物理的または空間的範囲)は、空間光変調器のピクセル間隔(すなわち、空間光変調器の隣接する光変調素子またはピクセル間の距離)によって決まる。再生場で形成される最小の特徴は、「解像度要素」、「画像スポット」または「画像ピクセル」と呼ばれる場合がある。通常、空間光変調器の各ピクセルは四角形の形状をしている。四角形の開口部のフーリエ変換はsinc関数であるため、各画像ピクセルはsinc関数である。より具体的には、再生場上の各画像ピクセルの空間強度分布はsinc関数である。各sinc関数は、ピーク強度の一次回折次数と、一次次数から放射状に広がる一連の強度が減少する高次回折次数を含むとみなすことができる。各sinc関数のサイズ(すなわち、各sinc関数の物理的または空間的範囲)は、空間光変調器のサイズ(すなわち、光変調素子または空間光変調器ピクセルの配列によって形成される開口部の物理的または空間的範囲)によって決まる。具体的には、光変調ピクセルの配列によって形成される開口部が大きいほど、画像ピクセルは小さくなる。通常、小さな画像ピクセルを有することが望ましい。
【0113】
いくつかの実施形態では、「タイリング」の技術は、画像品質を向上させるために実施される。具体的には、いくつかの実施形態は、ホログラフィック再構成に入る信号コンテンツの量を最大化しながら、画像ピクセルのサイズを最小化するためにタイリングの技術を実施する。
【0114】
いくつかの実施形態では、空間光変調器に書き込まれるホログラフィックパターンは、少なくとも1つのタイル全体(すなわち、完全なホログラム)およびタイルの少なくとも1つの部分(すなわち、ホログラムのピクセルの連続するサブセット)を含む。
【0115】
ホログラフィック再構成は、空間光変調器によって画定されたウィンドウ全体のゼロ次回折次数内で作成される。1次と後続の次数は、画像と重ならないように、また空間フィルタを使用してブロックできるように、十分にずらされることが好ましい。
【0116】
実施形態では、ホログラフィック再構成は色である。本明細書で開示される例では、3つの異なる色の光源および3つの対応するSLMが、合成色を提供するために使用される。これらの例は、空間的に分離された色、「SSC」と呼ばれる場合がある。本開示に包含される変形例では、各色の異なるホログラムが同じSLMの異なる領域に表示され、次いで合成色画像を形成するために組み合わされる。しかしながら、当業者は、本開示のデバイスおよび方法の少なくともいくつかが、合成色ホログラフィック画像を提供する他の方法に等しく適用可能であることを理解するであろう。
【0117】
これらの方法の1つは、フレームシーケンシャルカラー、「FSC」として公知である。FSCシステムの例では、3つのレーザー(赤、緑、青)が使用され、各レーザーは単一のSLMで連続して放射され、ビデオの各フレームを生成する。色は、人間の視聴者が3つのレーザーで形成された画像の組み合わせから多色画像を見るのに十分な速度で循環する(赤、緑、青、赤、緑、青など)。したがって、各ホログラムは色固有である。例えば、1秒あたり25フレームのビデオでは、第1のフレームは1/75秒間赤色レーザーを放射して生成され、次に緑色レーザーが1/75秒間放射され、最後に青色レーザーが1/75秒間放射される。その後に、赤色レーザーなどで次のフレームが生成される。
【0118】
FSC方式の利点は、SLM全体が各色に使用されることである。これは、SLMのすべてのピクセルが各カラー画像に使用されるため、生成される3つのカラー画像の品質が損なわれないことを意味する。しかし、FSC法の欠点は、各レーザーが3分の1の時間しか使用されないため、生成される画像全体がSSC法によって生成される対応する画像ほど約3倍明るくならないことである。この欠点は、レーザーをオーバードライブするか、より強力なレーザーを使用することで対処できる可能性があるが、使用するにはより多くの電力が必要になり、コストが高くなり、システムがコンパクトでなくなる。
【0119】
SSC方式の利点は、3つすべてのレーザーが同時に放射されるため、画像が明るくなることである。しかし、スペースの制限により1つのSLMのみを使用する必要がある場合、SLMの表面積を3つの部分に分割し、実質的に3つの別個のSLMとして機能させることができる。これの欠点は、各単色画像で利用可能なSLM表面積の減少により、各単色画像の品質が低下することである。したがって、多色画像の品質はそれに応じて低下する。使用可能なSLM表面積の減少は、SLMで使用できるピクセルが少なくなり、画像の品質が低下することを意味する。解像度が低下するため、画像の品質が低下する。実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる英国特許第2,496,108号明細書に開示されている改善されたSSC技術を利用する。
【0120】
実施例では、可視光でSLMを照明することを説明しているが、当業者は、例えば本明細書で開示するように、光源およびSLMを同様に赤外線または紫外線を導くために使用できることを理解するであろう。例えば、当業者は、情報をユーザに提供する目的で、赤外および紫外光を可視光に変換する技術を知っているだろう。例えば、本開示は、この目的のための蛍光体および/または量子ドット技術の使用にまで及ぶ。
【0121】
いくつかの実施形態は、単なる例として2Dホログラフィック再構成を説明する。他の実施形態では、ホログラフィック再構成は3Dホログラフィック再構成である。すなわち、いくつかの実施形態では、各コンピュータ生成ホログラムは3Dホログラフィック再構成を形成する。
【0122】
本明細書で説明される方法およびプロセスは、コンピュータ可読媒体で具現化されてもよい。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリ、およびキャッシュメモリなど、データを一時的または恒久的に保存するように構成された媒体を含む。「コンピュータ可読媒体」という用語は、命令が1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、マシンに、本明細書で説明する方法の1つまたは複数を全体的または部分的に実行させるように、マシンによる実行のための命令を格納できる任意の媒体、または複数の媒体の組み合わせを含むものと解釈するものとする。
【0123】
「コンピュータ可読媒体」という用語には、クラウドベースのストレージシステムも含まれる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、固体メモリチップ、光ディスク、磁気ディスク、またはその適切な組み合わせの例示的な形態の1つまたは複数の有形かつ非一時的なデータリポジトリ(例えば、データボリューム)を含むが、これらに限定されない。いくつかの例示的な実施形態では、実行のための命令は、キャリア媒体によって通信されてもよい。そのようなキャリア媒体の例には、一時的な媒体(例えば、命令を伝達する伝搬信号)が含まれる。
【0124】
添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内のすべての修正および変形を包含する。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B