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特許6994883発泡性内容物の吐出ノズルおよびエアゾール製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】発泡性内容物の吐出ノズルおよびエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/14 20060101AFI20220106BHJP
   B65D 83/16 20060101ALI20220106BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20220106BHJP
   B05B 1/02 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B65D83/14 200
B65D83/16 100
B05B9/04
B05B1/02 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017184086
(22)【出願日】2017-09-25
(65)【公開番号】P2019059497
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】樫根 秀
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知之
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-007706(JP,A)
【文献】米国特許第05813785(US,A)
【文献】国際公開第2017/131197(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14
B65D 83/16
B05B 9/04
B05B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性内容物が充填されたエアゾール容器に取り付けられる吐出ノズルであって、
吐出ノズルの軸方向に延びる内部通路と、
内部通路の先端を閉じる閉止部と、
内部通路の側方で開口する開口部とを備え、
開口部を構成する開口内周面が、内部通路から開口部を通じて外部へと吐出される発泡性内容物の吐出方向を制御する一対の側面を備えており、
少なくとも一方の側面が、開口部から吐出された泡が吐出ノズルの軸回りに旋回するように、内部通路から外部に向けて弧を描いていることを特徴とする発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項2】
発泡性内容物が充填されたエアゾール容器に取り付けられる吐出ノズルであって、
吐出ノズルの軸方向に延びる内部通路と、
内部通路の先端を閉じる閉止部と、
内部通路の側方で開口する開口部とを備え、
開口部を構成する開口内周面が、内部通路から開口部を通じて外部へと吐出される発泡性内容物の吐出方向を制御する一対の側面を備えており、
一対の側面がそれぞれ、内部通路から外部に向けて弧を描いていており、各弧が同方向に湾曲していることを特徴とする発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項3】
一対の側面のうち、湾曲の内周側に位置する側面の曲率よりも、湾曲の外周側に位置する側面の曲率の方が大きい、
請求項記載の発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項4】
側面間の間隔が外方に向かって拡がっている、
請求項1からのいずれかに記載の発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項5】
開口部が仰角をもって開口している、
請求項1からのいずれかに記載の発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項6】
発泡性内容物が充填されたエアゾール容器に取り付けられる吐出ノズルであって、
吐出ノズルの軸方向に延びる内部通路と、
内部通路の先端を閉じる閉止部と、
内部通路の側方で開口する開口部とを備え、
開口部を構成する開口内周面が、内部通路から開口部を通じて外部へと吐出される発泡性内容物の吐出方向を制御する一対の側面を備えており、
開口部が吐出ノズルの軸回りに捩れていることを特徴とする発泡性内容物の吐出ノズル。
【請求項7】
エアゾール容器と、
そのエアゾール容器に充填される発泡性内容物と、
そのエアゾール容器に設けられる請求項1からのいずれかに記載の吐出ノズルとからなるエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発泡性内容物を吐出するための吐出ノズルおよびそれを用いたエアゾール製品に関する。さらに詳しくは立体的な装飾性を有する発泡吐出物を形成する吐出ノズルおよびそれを用いたエアゾール製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の成形孔および成形孔が開口する造形面を有し、複数の成形孔を通過して成形された複数の造形片を、造形面上で組み合わせて造形物を形成する造形ヘッドが開示されている。なお、特許文献1では、造形ヘッドから吐出された泡によって八重咲きの花(バラ)を造形することが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-10919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の造形ヘッドは、吐出後の泡の形状に主眼を置いたものであって、吐出時における泡の動きが単調である。
【0005】
そこで本発明は、吐出時の泡に動きを与えることができる吐出ノズルおよびそれを用いたエアゾール製品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発泡性内容物の吐出ノズルは、発泡性内容物が充填されたエアゾール容器11に取り付けられる吐出ノズルであって、吐出ノズルの軸方向に延びる内部通路4と、内部通路4の先端を閉じる閉止部6と、内部通路4の側方で開口する開口部5とを備え、開口部5を構成する開口内周面5aが、内部通路4から開口部5を通じて外部へと吐出される発泡性内容物の吐出方向を制御する一対の側面5b、5cを備えていることを特徴とする。
【0007】
また、少なくとも一方の側面5b(5c)が、内部通路4から外部に向けて弧を描いている、もしくは、一対の側面5b、5cがそれぞれ、内部通路4から外部に向けて弧を描いていており、各弧が同方向に湾曲していることが好ましい。一対の側面のうち、湾曲の内周側に位置する側面5bの曲率よりも、湾曲の外周側に位置する側面5cの曲率の方が大きいことが好ましい。
【0008】
側面5b、5c間の間隔が外方に向かって拡がっていても良い。また、開口部5が仰角をもって開口していても良い。さらに、開口部5が吐出ノズルの軸回りに捩れていても良い。
【0009】
本発明のエアゾール製品10は、エアゾール容器11と、そのエアゾール容器11に充填される発泡性内容物と、そのエアゾール容器11に設けられる上記いずれかの吐出ノズルとからなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の吐出ノズルは、開口部を構成する開口内周面が、一対の側面を備えているため、エアゾール容器から導出された発泡性内容物および/あるいは発泡後の発泡性内容物(以下、単に泡という)は、内部通路の先端を閉じる閉止部により内部通路の側方で開口する開口部に向かって流れ、開口部の開口内周面の一対の側面に沿って吐出されることになり、吐出時の泡に任意の動きを与えることができる。
【0011】
また、少なくとも一方の側面が内部通路から外部に向けて弧を描いていれば、泡は旋回しながら吐出されることになる。また、側面が真っ直ぐな場合に比べて泡の方向を制御できる長さ(制御距離)が長くなるため、泡の吐出方向を制御しやすい。また、制御距離を変えない場合は、吐出ノズルの肉厚を薄くすることができ、吐出ノズルを小型化できる。一対の側面がそれぞれ、内部通路から外部に向けて弧を描いており、各弧が同方向に湾曲していれば、泡をより確実に旋回させながら吐出させることができる。一対の側面のうち、湾曲の内周側に位置する側面の曲率よりも、湾曲の外周側に位置する側面の曲率の方が大きい場合は、泡を吐出ノズルの外周面に巻き付けるように旋回させながら吐出させることができ、吐出後の泡が吐出ノズルから流れ落ちにくい。
【0012】
側面間の間隔が外方に向かって広がっていれば、泡をスムーズに吐出させることができる。開口部が仰角をもって開口していれば、泡が上方に向かって吐出されるため、先行する泡の下部と後続の泡の上部とが部分的に重なり合い、ソフトクリーム状の様態をなす。開口部が吐出ノズルの軸回りに捩れていれば、より泡を旋回させ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1aは本発明のエアゾール製品を示す正面図、図1bはノズル本体の平面図、図1cが図1bのIII-III位置での断面図である。
図2】本発明の異なる実施形態に係る吐出ノズルのノズル本体を示す、図2aが正面図、図2bが平面図、図2cが図2bのIV-IV位置での断面図である。
図3】本発明のさらに異なる実施形態に係る吐出ノズルのノズル本体を示す、図3aが正面図、図3bが平面図、図3cが図3bのV-V位置での断面図である。
図4図4aは、内部通路から外部に向かう弧(軸回りの湾曲)を模式的に表した斜視図、図4bは、軸回りの捩じれを模式的に表した斜視図である。
図5】本発明の別の実施形態に係る吐出ノズルのノズル本体を示す、図5aが正面図、図5bが平面図、図5cが図5bのVI-VI位置での断面図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態に係る吐出ノズルのノズル本体を示す、図6aが正面図、図6bが平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1aのエアゾール製品10は、エアゾール容器11と、そのエアゾール容器11に充填される発泡性内容物と、そのエアゾール容器11に装着される吐出ノズル1とからなる。
【0015】
エアゾール容器11は、例えば、容器本体12と、容器本体12の開口に取り付けられたエアゾールバルブ13とからなる従来公知のものである。ただし、エアゾール容器11としては、従来公知である他の形態のものを用いても良い。エアゾールバルブ13のマウンティングカップ13aは、容器本体12の上端を覆うようにして固定されている。また、マウンティングカップ13aと容器本体12とによって形成されるエアゾール容器11の環状の凸部11aには、エアゾール容器11の上端を囲む筒状のカバー部材14が装着されている。
【0016】
吐出ノズル1は、その先端近辺から発泡性内容物および/あるいは発泡した発泡性内容物(以下、単に泡という)を吐出して所望の形状に成形し、保持するものである。この吐出ノズル1は、操作部材2とノズル本体3とからなる。
【0017】
操作部材2は、下端がエアゾールバルブ13のステム13bに装着され、上端にノズル本体3が装着されている筒状部2aと、筒状部2aの軸方向の中間位置から水平方向に延出されたフランジ部2bとからなる。発泡性内容物を吐出させる場合には、このフランジ部2bを下方に押し込めば良い。そうすることで、筒状部2aを介してステム13bが押し下げられ、エアゾール容器11から発泡性内容物が吐出される。吐出された泡は、筒状部2aを通じてノズル本体3へと供給されることになる。
【0018】
ノズル本体3は先端に向かって尖る略砲弾状であって、軸方向に延びる内部通路4(図1c参照)と、内部通路4の側方で開口する開口部5とを備えている。内部通路4の下端は、ノズル本体3を貫通して筒状部2aと連通している。一方、内部通路4の上端は貫通していない。この状態は、内部通路4の上端(先端)が閉止部6によって塞がれているとも言える。内部通路4の内径D1は1~6mm、好ましくは2~5mmである。
【0019】
開口部5は吐出ノズル1の軸方向(上下方向)に長いスリット状であって、吐出ノズル1の軸回りに等間隔に複数(4つ)設けられている。開口部5を構成する開口内周面5aは、上端同士が互いに繋がった左右一対の側面5b、5cと、側面5b、5cの下端間を繋ぐ下面5dとによって構成されている。内部通路4を構成する内面4aと、開口内周面5aとの境界を開口部5の入り口5eとし、ノズル本体3の外面3aと、開口内周面5aとの境界を開口部5の出口5fとした場合、開口部5の入り口5eの軸方向の長さL1は3~50mm、好ましくは5~40mmである。また、入り口5eの幅(水平方向の開口距離)L2は0.3~3mm、好ましくは0.5~2mmである。
【0020】
一対の側面5b、5cは、図1bに示すように、水平方向において、各側面5b、5cが開口部5の入り口5e(内部通路4)から出口5f(ノズル本体3の外面3a:外部)に向かって弧を描いている。なお、この状態は、各側面5b、5cが吐出ノズル1の軸回りに湾曲しているともいえる。また、これら側面5b、5cによって構成された弧は互いに同方向に湾曲している。また、4つの開口部5の側面5b、5cが全て同じ方向に湾曲している。湾曲の程度、すなわち、水平方向での断面形状における側面5b、5cの曲率は、一対の側面5b、5c間で互いに異なっている。具体的には、絶対値で比較した場合、湾曲の内周側に位置する側面(凸面)5bの曲率よりも、湾曲の外周側に位置する側面(凹面)5cの曲率の方が大きくなっている(曲率半径は小)。また、一対の側面5b、5c間の間隔は外方に向かって広がっている。内部通路4は、図1cに示すように軸方向で径がほとんど変わらない。一方で、ノズル本体3の外形は先細り形状である。そのため、一対の側面5b、5cによって形成される制御通路の水平方向の長さL3は、先端(上方)に向かうにつれて短くなっている。制御通路の長さL3は1~6mm、好ましくは2~5mmである。
【0021】
下面5dは、図1cに示すように水平面に対して仰角αをもって形成されている。また、ノズル本体3が略砲弾状であって、外面3aが内側(吐出ノズル1の軸心)に向かって傾いている。開口部5の出口5fもまた同様に傾いており、その傾きの角度βは水平面に対して60~85度である。そのため、開口部5としても仰角をもって開口しているといえる。
【0022】
発泡性内容物の具体例としては、例えば、洗顔剤、洗浄剤、入浴剤、保湿剤、クレンジング剤、日焼け止め剤、化粧水、シェービング剤、脱毛剤、制汗剤、殺菌消毒剤、害虫忌避剤などのスキンケア剤、トリートメント剤、スタイリング剤、染毛剤などのヘアケア剤などの人体用品、ホイップクリームなどの食品、消臭剤、芳香剤、虫よけ剤、殺菌剤などの家庭用品などが挙げられる。
【0023】
前記発泡性内容物は、前記用途の有効成分を含む原液と、原液を発泡させる噴射剤とからなり、噴射剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタンなどの炭素数が3~5の脂肪族炭化水素、ハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテルなどの液化ガス、炭酸ガス、窒素などの圧縮ガスなどが挙げられる。なかでも、泡の成形性、保形性に優れ、泡を所望の形状にしやすい点から、脂肪酸石鹸などの界面活性剤や、高級アルコール、高級脂肪酸などの固形油分などを原液中に含有したものを用い、さらに噴射剤として液化ガスを用いることが好ましい。
【0024】
上記構成の吐出ノズル1を備えたエアゾール製品10では、エアゾール容器11から発泡性内容物を吐出させると、発泡性内容物は発泡しながら筒状部2aの内部、ノズル本体3の内部通路4を通過する。そして、閉止部6によって横向きへと進行方向が変わり、開口部5から外部へと吐出される。この際、一対の側面5b、5cが吐出方向を制御する制御面として機能し、泡は吐出ノズル1の軸回りに旋回する。より具体的には、ノズル本体3の外面3aに巻きつくようにして旋回する。また、下面5dが仰角をもっており、開口部5が仰角をもって開口していることから、泡は斜め上方へ進もうとする。その結果、開口部5から吐出された泡は斜め上方に向かって旋回し、泡の下方が、その開口部5と旋回方向で隣接する開口部5から吐出された泡の上方と部分的に重なり合って、螺旋状、さらに言えばソフトクリーム状の泡が得られる。このように泡を旋回させながら吐出すると、吐出された泡の勢いがノズル本体3の外面3aや泡同士の接触によって弱められることになり、泡の飛び散りを効果的に抑制することができる。なお、吐出された泡が旋回しやすく、また重なり合ってソフトクリームのような形状が得られやすい点から、エアゾール容器11から吐出される吐出量は0.5~3g/秒であることが好ましい。
【0025】
図2は、別のノズル本体3Aを示している。このノズル本体3Aは略円錐状であって、外面3aが外側に膨出している図1のノズル本体3とは異なっている。このようにノズル本体の外面3aを略円錐状にすることで、旋回して重なる泡の層がシャープになり、くっきり見える。なお、図2では、外面3aがフラット(平坦)であるが反っていても良い。内部通路4や開口部5の構成については、先のノズル本体3と略同様であることから具体的な説明は省略する。
【0026】
図3は、開口部5が吐出ノズル1の軸回りに捩れたノズル本体3Bを示している。この捩れは、吐出ノズル1を側方から見た場合に、一対の側面5b、5cを傾けるようにして捩じれている。具体的には、外周側の側面(凹面)5cが下を向き、内周側の側面(凸面)5bが上を向くようにして捩じれている。従って、図3a、図3cに示すように、一対の側面5b、5cによって構成される開口部5の入り口5e、出口5fについても吐出ノズル1の軸回りに捩じれている。また、4つの開口部5全てが同じ方向に捩じれており、全体として螺旋状を呈している。このように開口部5が捩じれていると、上に向かって吐出された泡が、外周側の側面5cによって上から押さえられながら進むこととなり、泡をより一層旋回させ易くなる。
【0027】
なお、図1のノズル本体3についても、開口部5の出口5fが湾曲しており、開口部5が軸回りに捩じれているようにも見える。しかし、側面5b、5cは傾いておらず、ほぼ垂直な状態を保っているため、「捩じれている」とは言わない。すなわち、図1のノズル本体3は、図4aに示すように、一対の側面5b、5cが軸回りに湾曲している(水平方向で弧を描いている)に過ぎず、図4bのように、側面5b、5cは傾いていないことから、「捩じれてはいない」のである。したがって、図1のノズル本体3では、開口部5の入り口5eが捩じれておらず真っ直ぐである。対して、図3のノズル本体3Bは、図4aの「湾曲」と図4bの「捩じれ」とを組み合わせたものであり、側面5b、5cは垂直面に対して傾いており、開口部5の入り口5e、出口5fはともに捩じれている。
【0028】
図5も、開口部5が吐出ノズル1の軸回りに捩れたノズル本体3Cを示している。このノズル本体3Cは略円錐状であって、略砲弾状とされていた図3のノズル本体3Bとは異なる。ただ、その他の点については同様であることから具体的な説明は省略する。
【0029】
図6は、側面5b、5cが吐出ノズル1の軸回りに湾曲していない、すなわち、図4bに示す「捩じれ」のみを有するノズル本体3Dを示したものである。このノズル本体3では、開口部5を吐出ノズル1の軸回りに捩じることで下を向いた側面を外周側の側面5cとし、上を向いた側面を内周側の側面5bとしている。このノズル本体3Dでも、上に向かって吐出された泡が、外周側の側面5cによって上から押さえられながら進むこととなり、泡が旋回する。なお、このノズル本体3の開口部5は下面5dを有しておらず、開口内周面5aは一対の側面5b、5cで構成されている。そのため、上記の吐出ノズル1とは異なる趣の泡が得られる。具体的にはボール状の泡が形成される。
【0030】
以上に、この発明の代表的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、図1図2図3図5のノズル本体3、3A、3B、3Cにおいて、双方の側面5b、5cが弧を描いていたが、いずれか一方の側面、内周側の側面5bのみ、または外周側の側面5cのみが弧を描いていても良い。また、外周側の側面5cの方が、内周側の側面5bよりも曲率が大とされていたが、反対であっても良いし、同じ曲率であっても良い。開口部5の数についても4つに限らず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 吐出ノズル
2 操作部材
2a 筒状部
2b フランジ部
3、3A、3B、3C、3D ノズル本体
3a 外面
4 内部通路
5 開口部
5a 開口内周面
5b 一方の側面(外周側の側面)
5c 他方の側面(内周側の側面)
5d 下面
5e 開口部の入り口
5f 開口部の出口
6 閉止部
10 エアゾール製品
11 エアゾール容器
11a 凸部
12 容器本体
13 エアゾールバルブ
13a マウンティングカップ
13b ステム
14 カバー部材
D1 内部通路の内径
L1 開口部の入り口の軸方向長さ
L2 開口部の入り口の水平方向の幅
L3 制御通路の水平方向の長さ
α 開口部の下面の角度(仰角)
β 開口部の出口の角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6