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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/155 20180101AFI20220214BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20220214BHJP
   F21S 43/145 20180101ALI20220214BHJP
   F21S 43/19 20180101ALI20220214BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 102/19 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/30 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20220214BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20220214BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220214BHJP
【FI】
F21S41/155
F21S41/19
F21S43/145
F21S43/19
F21W102:00
F21W102:19
F21W102:30
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:30
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21Y115:15
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017195383
(22)【出願日】2017-10-05
(65)【公開番号】P2018160449
(43)【公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2017057325
(32)【優先日】2017-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】中村 弘美
(72)【発明者】
【氏名】菅沼田 晋也
(72)【発明者】
【氏名】望月 美希
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-075905(JP,U)
【文献】特開2015-170806(JP,A)
【文献】特開2007-005226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/155
F21S 41/19
F21S 43/145
F21S 43/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、
前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、
前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され
前記面状発光体に挿通孔が形成され、
前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方に前記挿通孔に挿通される挿通ピンが設けられ、
前記挿通孔に前記挿通ピンが挿通された状態で前記面状発光体が保持され、
前記面状発光体における前記挿通孔が形成された部分が孔形成部として設けられ、
前記孔形成部の周囲の一部にスリットが形成され、
前記孔形成部が前記孔形成部以外の部分に対して折曲可能にされた
灯具。
【請求項2】
前記第1の保持体には内側が空間にされた枠状部が設けられ、
前記第2の保持体には内側が空間にされた環状部が設けられ、
前記枠状部と前記環状部が前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される
請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、
前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、
前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され、
前記面状発光体に端子部を有する導電層が設けられ、
前記端子部に配線板の接続端子部が接続され、
前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方の一部によって前記接続端子部が覆われる
灯具。
【請求項4】
厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、
前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、
前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され、
前記面状発光体に端子部を有する導電層が設けられ、
前記端子部に配線板の接続端子部が接続され、
前記配線板の厚み方向における両側に前記第1の保持体の一部と前記第2の保持体の一部とが前記配線板に対向して位置される
灯具。
【請求項5】
前記第1の保持体と前記第2の保持体のそれぞれに前記面状発光体を挟む基部と前記配線板の少なくとも一部を保護する保護部とが設けられ、
前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方の前記基部と前記保護部が一体に形成されている
請求項4に記載の灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈曲可能な面状発光体を有する灯具についての技術分野に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】WO2015/098822号公報
【背景技術】
【0003】
灯具、例えば、車輌用灯具には面状発光体が用いられたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された灯具においては、平板状の面状発光体が枠状部材や弾性部材等によって保持されている。
【0004】
ところで、近年、有機EL(Electro Luminescence)層を有する面状発光体や発光ダイオードが導電層やフィルムによって挟持されて構成された面状発光体に関する技術が向上し、屈曲可能な面状発光体の開発も進展している。
【0005】
このような屈曲可能な面状発光体を、例えば、車輌用灯具に用いる場合には、車体の形状に応じて面状発光体を屈曲させることが可能になり、車輌用灯具の種類に関する使用用途の拡大や設計の自由度の向上を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、屈曲可能な面状発光体を用いる場合には、屈曲された面状発光体が屈曲前の元の状態に戻ろうとする弾性を有しているものも多く、面状発光体の屈曲された状態を保持する保持構造が必要である。また、製造コストの低減等を図るためには、簡素な保持構造によって安定した状態で面状発光体を保持することも望まれる。
【0007】
そこで、本発明は、面状発光体を簡素な構造によって安定した状態で保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1に、本発明に係る灯具は、厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され、前記面状発光体に挿通孔が形成され、前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方に前記挿通孔に挿通される挿通ピンが設けられ、前記挿通孔に前記挿通ピンが挿通された状態で前記面状発光体が保持され、前記面状発光体における前記挿通孔が形成された部分が孔形成部として設けられ、前記孔形成部の周囲の一部にスリットが形成され、前記孔形成部が前記孔形成部以外の部分に対して折曲可能にされたものである。
【0009】
これにより、面状発光体が第1の保持体と第2の保持体によって厚み方向における両側から挟まれることにより屈曲された状態で保持される。また、挿通孔に挿通ピンが挿通されることにより、面状発光体が第1の保持体と第2の保持体から脱落しない。また、孔形成部を挿通ピンの突出方向に合わせて折り曲げた状態で挿通孔に挿通ピンを挿通することが可能になる。
【0014】
に、上記した本発明に係る灯具においては、前記第1の保持体には内側が空間にされた枠状部が設けられ、前記第2の保持体には内側が空間にされた環状部が設けられ、前記枠状部と前記環状部が前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合されることが望ましい。
【0015】
これにより、面状発光体は環状の領域が第1の保持体と第2の保持体に両側から押さえられた状態で保持される。
【0016】
に、別の本発明に係る灯具厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され、前記面状発光体に端子部を有する導電層が設けられ、前記端子部に配線板の接続端子部が接続され、前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方の一部によって前記接続端子部が覆われたものである
【0017】
これにより、面状発光体を保持する機能を有する第1の保持体によって接続端子部が覆われるため、接続部分を覆う専用の部材を必要としない。また、面状発光体が第1の保持体と第2の保持体によって厚み方向における両側から挟まれることにより屈曲された状態で保持される。
【0018】
に、また別の本発明に係る灯具厚み方向における少なくとも一方の面が光を出射する出光面として形成され屈曲可能な面状発光体と、前記面状発光体を前記厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される第1の保持体及び第2の保持体とを備え、前記面状発光体は少なくとも一部が屈曲された状態で前記第1の保持体と前記第2の保持体によって保持され、前記面状発光体に端子部を有する導電層が設けられ、前記端子部に配線板の接続端子部が接続され、前記配線板の厚み方向における両側に前記第1の保持体の一部と前記第2の保持体の一部とが前記配線板に対向して位置されるものである
【0019】
これにより、第1の保持体と第2の保持体によって配線板が保護される。また、面状発光体が第1の保持体と第2の保持体によって厚み方向における両側から挟まれることにより屈曲された状態で保持される。
【0020】
に、上記したまた別の本発明に係る灯具においては、前記第1の保持体と前記第2の保持体のそれぞれに前記面状発光体を挟む基部と前記配線板の少なくとも一部を保護する保護部とが設けられ、前記第1の保持体又は前記第2の保持体の少なくとも一方の前記基部と前記保護部が一体に形成されていることが望ましい。
【0021】
これにより、第1の保持体と第2の保持体の基部によって面状発光体が挟まれて保持され、少なくとも一方の基部と一体に形成された保護部によって配線板が保護される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、面状発光体が第1の保持体と第2の保持体によって厚み方向における両側から挟まれることにより屈曲された状態で保持されるため、面状発光体を簡素な構造によって安定した状態で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図2乃至図12と共に本発明灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、第1のランプユニットを備えた灯具の構成例を示す垂直断面図である。
図2】第1のランプユニットを備えた灯具の構成例を示す正面図である。
図3】第2のランプユニットを示す分解斜視図である。
図4】第2のランプユニットを示す平面図である。
図5】第3のランプユニットを示す分解斜視図である。
図6】第3のランプユニットを示す断面図である。
図7】第4のランプユニットを示す分解斜視図である。
図8】第4のランプユニットを示す断面図である。
図9】第4のランプユニットの変形例を示す断面図である。
図10】第5のランプユニットを示す分解斜視図である。
図11】第5のランプユニットを示す側面図である。
図12】第5のランプユニットの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0025】
以下に示した実施の形態は、本発明灯具を後方に照明光を照射する車輌用灯具に適用したものである。尚、本発明は、ヘッドランプ、テールランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ又はこれらの組み合わせであるコンビネーションランプ等の各種の車輌用灯具に広く適用することができる。
【0026】
以下の説明にあっては、光の外部への照射方向を後方として前後上下左右の方向を示すものとする。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0027】
<第1のランプユニットを備えた灯具の構成例>
以下に、第1のランプユニットを備えた灯具1の構成例について説明する(図1及び図2参照)。灯具1は、それぞれ車体の左右両端部に取り付けられて配置されている。灯具1は後方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0028】
灯室5にはリフレクター6が配置されている。リフレクター6は上下方向を向く板状のベース面部7とベース面部7の後端部から略下方に突出された反射部8とを有している。反射部8の後面は下端部を除き反射面8aとして形成されている。
【0029】
灯室5には第1のランプユニット9が配置されている。第1のランプユニット9は面状発光体10と第1の保持体11と第2の保持体12を有し、リフレクター6の上側から後側に亘る位置に配置されている。
【0030】
面状発光体10は、例えば、透明な一対の樹脂フィルムの間に光源として複数のLED(発光ダイオード)が配置された屈曲可能なフィルム状の発光体であり、各光源からそれぞれ光が出射される構成にされている。面状発光体10は、例えば、特開2015-201301号公報に示されるように、接着層の両側にそれぞれ導電層が積層され導電層の外面側にそれぞれベースフィルムが積層され、厚み方向において接着層と同一の位置に複数のLEDが点在して配置されている。
【0031】
面状発光体10は光源(LED)を除いて透明に形成され、後面が出光面として形成されている。第1の保持体11と第2の保持体12は、例えば、透明な樹脂材料によって形成され、面状発光体10は第1の保持体11と第2の保持体12に厚み方向において挟持されて保持されている。面状発光体10には導電層に図示しないフレキシブルプリント配線板の一端部が接続され、面状発光体10の各光源にはフレキシブルプリント配線板と導電層を介して電源から電力が供給される。
【0032】
尚、面状発光体10としては、例えば、自発光する有機EL(Electro Luminescence)層を有する屈曲可能な有機ELパネルが用いられていてもよい。
【0033】
灯室5の上端側には導光体13が配置され、導光体13はランプハウジング2の上面部に取り付けられている。導光体13は前端に形成され前方を向く入射面13aと中間部に形成され入射面13aに対して傾斜された内面反射面13bと後端かつ下端に形成され下方を向く出射面13cとを有している。
【0034】
導光体13の前側には基板14に搭載された発光部15が配置され、発光部15としては、例えば、LEDが用いられている。基板14はランプハウジング2の上端部に取り付けられている。また、第1の保持体11と第2の保持体12の前端面に対向する位置には基板16に搭載された発光部17が配置され、発光部17としては、例えば、LEDが用いられている。尚、基板16と発光部17は面状発光体10から十分な光が出射される場合には設けられていなくてもよい。
【0035】
発光部15から光が出射されると、出射された光が入射面13aから導光体13に入射され、内面反射面13bで内面反射されて出射面13cからリフレクター6の反射面8aへ向けて出射され、第1のランプユニット9を透過されて反射面8aで反射され、再び第1のランプユニット9を透過されカバー3を介して後方へ照射される(図1に示す光L1)。出射された光は、例えば、ストップランプ用の光として照射される。
【0036】
一方、面状発光体10の各光源から光が出射されると、出射された光が面状発光体10からカバー3を介して後方へ照射される(図1に示す光L2)。出射された光は、例えば、テールランプ用の光として照射される。また、このとき発光部17から光が出射されると、出射された光が透明な材料によって形成されている第1の保持体11と第2の保持体12の内部を導かれると共に第1の保持体11と第2の保持体12の各部から出射され、カバー3を介して、例えば、テールランプ用の光として後方へ照射される。
【0037】
<第2のランプユニット>
次に、第2のランプユニットについて説明する(図3及び図4参照)。
【0038】
第2のランプユニット19は面状発光体20と第1の保持体21と第2の保持体22とインナーレンズ23を有している。
【0039】
面状発光体20は面状発光体10と同様の層構成及び構造にされて後面が出光面として形成され、屈曲可能にされている。面状発光体20の上下両端部にはそれぞれ左右に離隔して挿通孔20a、20a、・・・が形成されている。面状発光体20の上下両端部には位置決め孔20b、20b、・・・が形成されている。位置決め孔20b、20b、・・・は、例えば、二つずつが反対側の端部に形成され、二つずつがそれぞれ二つの挿通孔20a、20a間に位置されている。
【0040】
面状発光体20には光源24、24、・・・と光源25、25、・・・が点在して配置されている。光源24、24、・・・は、例えば、ターンシグナルランプ用として機能し、中央部分に配置されている。光源25、25、・・・は、例えば、テールランプ用として機能し、外周側に配置されている。
【0041】
面状発光体20の導電層の一部は端子部として設けられ、端子部にはフレキシブルプリント配線板等の配線板26の一端部に設けられた接続端子部26aが接続されている。面状発光体20の端子部と配線板26の接続端子部26aとは、例えば、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)を用いて接続され、端子部と接続端子部26aの接続部分は、例えば、黒色にされている。配線板26の他端部は図示しない回路基板等に接続されるコネクター部26bとして設けられている。
【0042】
第1の保持体21は、例えば、有色の樹脂材料等によって形成され、前後に貫通された枠状部27と枠状部27から前方に突出された挿通ピン28、28、・・・とを有している。
【0043】
枠状部27は後方に凸になるように緩やかに屈曲(湾曲)されている。挿通ピン28、28、・・・は枠状部27の周方向に離隔して位置されている。挿通ピン28には先端面に開口された図示しないネジ穴が形成されている。
【0044】
第2の保持体22は、例えば、有色の樹脂材料等によって形成され、前後に貫通された環状部29と環状部29から前方に突出されたピン受部30、30、・・・と環状部29からそれぞれ前方に突出された被取付突部31、32とを有している。
【0045】
環状部29は枠状部27と同じ曲率で後方に凸になるように緩やかに屈曲され、枠状部27と同じ大きさ及び形状に形成されている。ピン受部30、30、・・・は環状部29の周方向に離隔して位置されている。ピン受部30は円筒状に形成されている。
【0046】
第2の保持体22にはピン受部30、30、・・・と環状部29におけるピン受部30、30、・・・に連続する部分とに亘ってそれぞれ前後に貫通されたピン挿入孔33、33、・・・が形成されている。
【0047】
被取付突部31は環状部29に連続する連続部31aと連続部31aに対して外側に屈曲されたコネクター取付部31bとから成る。被取付突部31、32は灯具1の一部を構成するランプハウジング2やブラケット等の他の部材に取り付けられる部分である。
【0048】
インナーレンズ23は透明な樹脂材料によって形成され、枠状部27及び環状部29と同じ曲率で後方に凸になるように緩やかに屈曲されている。インナーレンズ23には、例えば、光の拡散機能を有する図示しない光制御ステップが形成されている。
【0049】
インナーレンズ23の上下両端部にはそれぞれ左右に離隔してピン挿通孔23a、23a、・・・が形成されている。インナーレンズ23の上下両端部には前方に突出された位置決めピン23b、23b、・・・が設けられている。位置決めピン23b、23b、・・・は、例えば、二つずつが反対側の端部に形成され、二つずつがそれぞれ二つのピン挿通孔23a、23a間に位置されている。
【0050】
面状発光体20は後方に凸になるように緩やかに屈曲(湾曲)された状態で位置決め孔20b、20b、・・・にそれぞれインナーレンズ23の位置決めピン23b、23b、・・・が後方から挿入され、インナーレンズ23に対する位置決めが行われる。面状発光体20がインナーレンズ23に位置決めされた状態において、後方から第1の保持体21の挿通ピン28、28、・・・が順にそれぞれインナーレンズ23のピン挿通孔23a、23a、・・・と面状発光体20の挿通孔20a、20a、・・・と第2の保持体22のピン挿入孔33、33、・・・に挿入される。
【0051】
挿通ピン28、28、・・・がピン挿入孔33、33、・・・に挿入された状態において、取付ネジ100、100、・・・がそれぞれ挿通ピン28、28、・・・のネジ穴に螺合され、第1の保持体21と第2の保持体22がインナーレンズ23と面状発光体20を前後から挟持した状態で結合され、面状発光体20が屈曲された状態で第1の保持体21と第2の保持体22によって保持される。面状発光体20はインナーレンズ23と第2の保持体22の環状部29の屈曲状態に沿って屈曲され、後面がインナーレンズ23の前面に密着され、前面が環状部29に密着される。
【0052】
第1の保持体21と第2の保持体22が結合された状態においては、枠状部27と環状部29の内側に面状発光体20の光源24、24、・・・が位置され、枠状部27と環状部29の外側に面状発光体20の光源25、25、・・・が位置される。従って、光源24、24、・・・から出射された光は枠状部27の内側からターンシグナルランプ用の光として外部へ照射され、光源25、25、・・・から出射された光は環状部29の外側からテールランプ用の光として外部へ照射される。このとき光源24、24、・・・と光源25、25、・・・から出射された光は、それぞれインナーレンズ23の光制御ステップによって制御され、拡散されて外部へ向けて照射される。
【0053】
第1の保持体21と第2の保持体22が結合されて面状発光体20が保持された状態においては、面状発光体20の端子部と配線板26の接続端子部26aとの接続部分が、枠状部27の一部によって後方から覆われる。
【0054】
従って、面状発光体20を保持する機能を有する第1の保持体21によって黒色の接続部分が覆われるため、接続部分を覆う専用の部材を必要とせず、部品点数の削減を図った上で見栄えの向上を図ることができる。
【0055】
また、第1の保持体21と第2の保持体22が結合されて面状発光体20が保持された状態において、配線板26は被取付突部31と被取付突部32の間に位置され、コネクター部26bが他の部分に対して屈曲された状態で被取付突部31のコネクター取付部31bにネジ止め等によって取り付けられる(図4参照)。
【0056】
このように他の部材に取り付けられる被取付突部31にコネクター部26bが取り付けられるため、コネクター部26bを取り付けるための専用の部材を必要とせず、部品点数の削減を図った上で、配線板26を保持することができる。
【0057】
さらに、第2のランプユニット19においては、枠状部27と環状部29が面状発光体20を厚み方向における両側から挟んだ状態で結合される。
【0058】
従って、面状発光体20は環状の領域が第1の保持体21と第2の保持体22に両側から押さえられた状態で保持されるため、面状発光体20の安定した保持状態を確保することができる。
【0059】
さらにまた、面状発光体20には挿通孔20aが形成され、第1の保持体21に挿通ピン28が設けられ、挿通孔20aに挿通ピン28が挿通された状態で面状発光体20が保持される。
【0060】
従って、挿通孔20aに挿通ピン28が挿通されることにより、面状発光体20が第1の保持体21と第2の保持体22から脱落しないため、面状発光体20を安定した状態で保持することができる。
【0061】
尚、上記には、第1の保持体21に挿通ピン28が設けれた例を示したが、逆に、第2の保持体に挿通孔20aに挿通される挿通ピンが設けられていてもよい。また、上記には、第1の保持体21が第2の保持体22の後方に位置された例を示したが、逆に、第1の保持体21が第2の保持体22の前方に位置されてもよく、この場合に第2の保持体22の一部によって面状発光体20の端子部と配線板26の接続端子部26aとの接続部分が後方から覆われてもよい。
【0062】
<第3のランプユニット>
次に、第3のランプユニットについて説明する(図5及び図6参照)。
【0063】
第3のランプユニット39は面状発光体40と一対の第1の保持体41、41と一対の第2の保持体42、42とを有している。
【0064】
面状発光体40は面状発光体10と同様の層構成及び構造にされて後面が出光面として形成され、屈曲可能にされている。面状発光体40の上下両端部にはそれぞれ挿通孔40a、40a、・・・が左右に離隔して形成されている。
【0065】
面状発光体40には図示しない複数の光源が点在して配置されている。面状発光体40の導電層の一部は端子部として設けられ、端子部にはフレキシブルプリント配線板等の図示しない配線板に設けられた接続端子部が接続されている。
【0066】
第1の保持体41は樹脂材料等によって形成され、後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成されたベース部43とベース部43からそれぞれ前方に突出された挿入突部44、44とを有している。挿入突部44、44はベース部43の長手方向に離隔して設けられている。第1の保持体41には挿入突部44の中央部から前方に突出された挿通ピン45が設けられている。
【0067】
第2の保持体42は樹脂材料等によって形成され、ベース部43と同じ曲率で後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成された基部46を有し、基部46の各一部が前方に突出された突状部47、47として設けられている。突状部47、47は基部46の長手方向に離隔して設けられている。突状部47の後面側には後方に開口された凹部47aが形成され、突状部47にはピン挿入孔48、48が形成されている。ピン挿入孔48は凹部47aに連通されている。
【0068】
尚、第1の保持体41又は第2の保持体42の少なくとも一方は、灯具1の一部を構成するランプハウジング2やブラケット等の他の部材に取り付けられる。また、第3のランプユニット39においても、第2のランプユニット19と同様に光制御ステップを有するインナーレンズが設けられ、面状発光体40の光源から出射された光がインナーレンズを透過されて外部へ照射されてもよい。
【0069】
面状発光体40は、例えば、上端部と下端部がそれぞれ第1の保持体41、41と第2の保持体42、42に挟持されて、以下のように保持される。
【0070】
面状発光体40は後方に凸になるように緩やかに屈曲(湾曲)された状態で、後方から第1の保持体41の挿通ピン45、45がそれぞれ順に面状発光体40の挿通孔40a、40aと第2の保持体42のピン挿入孔48、48に挿入される。このとき第1の保持体41の挿入突部44、44がそれぞれ第2の保持体42の凹部47a、47aに挿入される。
【0071】
挿通ピン45、45がピン挿入孔48、48に挿入された状態において、それぞれ挿通ピン45、45が熱カシメ等によって変形され、第1の保持体41と第2の保持体42が面状発光体40を前後から挟持した状態で結合され、面状発光体40が屈曲された状態で保持される。面状発光体40は第1の保持体41のベース部43と第2の保持体42の基部46との屈曲状態に沿って屈曲され、後面がベース部43の後面に密着され、前面が基部46の後面に密着される。
【0072】
上記のように、面状発光体40には挿通孔40aが形成され、第1の保持体41に挿通ピン45が設けられ、挿通孔40aに挿通ピン45が挿通された状態で面状発光体40が保持される。
【0073】
従って、挿通孔40aに挿通ピン45が挿通されることにより、面状発光体40が第1の保持体41と第2の保持体42から脱落しないため、面状発光体40を安定した状態で保持することができる。
【0074】
尚、上記には、第1の保持体41に挿通ピン45が設けれた例を示したが、逆に、第2の保持体に挿通孔40aに挿通される挿通ピンが設けられていてもよい。また、上記には、第1の保持体41が第2の保持体42の後方に位置された例を示したが、逆に、第1の保持体41が第2の保持体42の前方に位置されてもよい。
【0075】
<第4のランプユニット>
次に、第4のランプユニットについて説明する(図7及び図8参照)。
【0076】
第4のランプユニット59は面状発光体60と一対の第1の保持体61、61と一対の第2の保持体62、62とを有している。
【0077】
面状発光体60は面状発光体10と同様の層構成及び構造にされて後面が出光面として形成され、屈曲可能にされている。面状発光体60の上下両端部には孔形成部60a、60a、・・・が左右に離隔して設けられている。孔形成部60aは一端が上端又は下端に連続するスリット60bとスリット60bに直交するスリット60cとに囲まれた部分である。孔形成部60aには挿通孔60dが形成されている。面状発光体60の上下両端部には孔形成部60a、60aの左方又は右方にそれぞれ位置決め孔60e、60eが形成されている。
【0078】
孔形成部60a、60a、・・・はそれぞれスリット60b、60b、・・・とスリット60c、60c、・・・に囲まれた部分であるため、面状発光体60の他の部分に対して厚み方向において折曲可能にされている。
【0079】
面状発光体60には図示しない複数の光源が点在して配置されている。面状発光体60の導電層の一部は端子部として設けられ、端子部にはフレキシブルプリント配線板等の図示しない配線板に設けられた接続端子部が接続されている。
【0080】
第1の保持体61は樹脂材料等によって形成され、後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成されたベース部63とベース部63からそれぞれ前方に突出された受け台部64、64とを有している。受け台部64、64はベース部63の長手方向に離隔して設けられ、ベース部63の前面に連続する平面状の受け面64a、64aを有している。第1の保持体61には受け台部64の受け面64aから前方に突出された挿通ピン65が設けられている。
【0081】
第1の保持体61には受け台部64、64の左方又は右方位置決めピン61a設けられている。
【0082】
第2の保持体62は樹脂材料等によって形成され、ベース部63と同じ曲率で後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成された基部66を有している。基部66には後方に開口された凹部66a、66aが左右に離隔して形成されている。
【0083】
基部66にはそれぞれ凹部66a、66aに連通するピン挿入孔67、67が形成されている。基部66にはピン挿入孔67、67の左方又は右方に位置決め孔68が形成されている。
【0084】
尚、第1の保持体61又は第2の保持体62の少なくとも一方は、灯具1の一部を構成するランプハウジング2やブラケット等の他の部材に取り付けられる。また、第4のランプユニット59においても、第2のランプユニット19と同様に光制御ステップを有するインナーレンズが設けられ、面状発光体60の光源から出射された光がインナーレンズを透過されて外部へ照射されてもよい。
【0085】
面状発光体60は、例えば、上端部と下端部がそれぞれ第1の保持体61、61と第2の保持体62、62に挟持されて、以下のように保持される。
【0086】
面状発光体60が後方に凸になるように緩やかに屈曲(湾曲)された状態で、後方から第1の保持体61の位置決めピン61aが面状発光体60の位置決め孔60eと第2の保持体62の位置決め孔68とに挿入される。位置決めピン61aが位置決め孔60eと位置決め孔68に挿入されることにより、面状発光体60と第2の保持体62の第1の保持体61に対する位置決めが行われる。面状発光体60が第1の保持体61に対して位置決めされた状態において、挿通ピン65、65がそれぞれ順に面状発光体60の挿通孔60d、60dと第2の保持体62のピン挿入孔67、67に挿入される。このとき孔形成部60a、60aが面状発光体60の他の部分に対して折り曲げられ、挿通ピン65、65が孔形成部60a、60aに対してそれぞれ垂直方向から挿通孔60d、60dに挿入され、孔形成部60a、60aはそれぞれ受け台部64、64の受け面64a、64aに面接触される。また、第1の保持体61の受け台部64、64はそれぞれ第2の保持体62の凹部66a、66aに挿入される。
【0087】
挿通ピン65、65がピン挿入孔67、67に挿入された状態において、それぞれ挿通ピン65、65が熱カシメ等によって変形され、第1の保持体61と第2の保持体62が面状発光体60を前後から挟持した状態で結合され、面状発光体60が屈曲された状態で保持される。面状発光体60は第1の保持体61のベース部63と第2の保持体62の基部66との屈曲状態に沿って屈曲され、後面がベース部63の前面に密着され、前面が基部66の後面に密着される。
【0088】
上記のように、面状発光体60には挿通孔60dが形成され、第1の保持体61に挿通ピン65が設けられ、挿通孔60dに挿通ピン65が挿通された状態で面状発光体60が保持される。
【0089】
従って、挿通孔60dに挿通ピン65が挿通されることにより、面状発光体60が第1の保持体61と第2の保持体62から脱落しないため、面状発光体60を安定した状態で保持することができる。
【0090】
また、第4のランプユニット59においては、面状発光体60における挿通孔60dが形成された部分が孔形成部60aとして設けられ、孔形成部60aの周囲の一部にスリット60b、60cが形成され、孔形成部60aが孔形成部60a以外の部分に対して折曲可能にされている。
【0091】
従って、孔形成部60aを挿通ピン65の突出方向に合わせて折り曲げた状態で挿通孔60dに挿通ピン65を挿通することが可能になるため、挿通ピン65の向きに拘わらず挿通孔60dに挿通ピン65を挿通することができる。
【0092】
特に、第1の保持体61が金型を用いた射出成形によって形成される場合には、挿通ピン65、65の受け台部64、64からの突出方向が金型の離型方向に応じた一方向になるが、面状発光体60の全体を屈曲させた状態においても孔形成部60a、60aを面状発光体60の他の部分に対して折り曲げることにより挿通孔60d、60dの軸方向を挿通ピン65、65の突出方向に合わせることができる。
【0093】
従って、面状発光体60の全体を屈曲させた状態においても、孔形成部60aを挿通ピン65の突出方向に合わせて折り曲げた状態で挿通孔60dに挿通ピン65を挿通することが可能になるため、面状発光体60の第1の保持体61への組付作業を適正かつ容易に行うことができる。
【0094】
尚、上記には、第1の保持体61に挿通ピン65が設けれた例を示したが、逆に、第2の保持体に挿通孔60dに挿通される挿通ピンが設けられていてもよい。また、上記には、第1の保持体61が第2の保持体62の後方に位置された例を示したが、逆に、第1の保持体61が第2の保持体62の前方に位置されてもよい。
【0095】
<第4のランプユニットにおける変形例>
上記には、第1の保持体61の挿通ピン65が第2の保持体62に形成されたピン挿入孔67に挿入されて面状発光体60が第1の保持体61と第2の保持体62に挟持される例を示したが、第2の保持体62にピン挿入孔67が形成されておらず、挿通ピン65が面状発光体60の挿通孔60dに挿通された状態で熱カシメ等により面状発光体60が第1の保持体61に取り付けられてもよい(図9参照)。
【0096】
この場合には、第2の保持体62の凹部66aが挿通ピン65の先端部に干渉しない大きさに形成され、第1の保持体61と第2の保持体62がネジ止め等の適宜の手段によって結合される。
【0097】
<第5のランプユニット>
次に、第5のランプユニットについて説明する(図10及び図11参照)。
【0098】
第5のランプユニット79は、面状発光体80と第1の保持体81と第2の保持体82を有している。
【0099】
面状発光体80は面状発光体10と同様の層構成及び構造にされて後面が出光面として形成され、屈曲可能にされている。面状発光体80は、図示しない複数の光源が点在して配置されている本体部80aと、本体部80aの外周の一部から突出され本体部80aに対して屈曲可能にされている突出部80bとを有している。
【0100】
本体部80aの上下方向における略中央部には挿通孔80c、80cが左右に離隔して形成されている。本体部80aの上下方向における略中央部には、位置決め孔80dが形成されている。位置決め孔80dは挿通孔80c、80cの間に位置されている。
【0101】
突出部80bの導電層の一部は端子部として設けられ、端子部には配線板83の一端部に設けられた接続端子部83aが接続されている。配線板83の他端部は図示しない回路基板等に接続されるコネクター部83bとして設けられている。
【0102】
第1の保持体81は樹脂材料等によって形成され、後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成された第1の基部84と第1の基部84の長手方向における一端部から前方に突出され平板状に形成された第1の保護部85とを有している。第1の基部84と第1の保護部85は一体に形成されている。
【0103】
第1の保持81の上下方向における略中央部には、形状保持リブ81aが後方に突出して設けられている。形状保持リブ81aは、長手方向における第1の基部84側の端部から第1の保護部85に亘って形成され、第1の基部84と第1の保護部85の形状に合わせて一部が屈曲されている。形状保持リブ81aが形成されていることにより、第1の保持81の強度が高くされている。
【0104】
第1の保持体81には、第1の基部84から前方に突出された挿通ピン86、86と位置決めピン87とが設けられている。挿通ピン86、86は左右方向に離隔して位置されている。位置決めピン87は挿通ピン86、86の間に位置されている。挿通ピン86、86は、第1の基部84に連続する挿通部86a、86aと、挿通部86a、86aの先端部から左右何れかの方向に突出された係止突部86b、86bとを有している。
【0105】
第1の保護部85において第1の基部84の前面に連続する面は、第1の対向面85aとして形成されている。第1の保護部85の前端部における上下両端部は、第2の保持体82に嵌合される嵌合部85b、85bとして設けられている。
【0106】
第2の保持体82は樹脂材料等によって形成され、第1の基部84と同じ曲率で後方に凸になるように緩やかに屈曲され左右に延びる形状に形成された第2の基部88と第2の基部88の長手方向における一端部から前方に突出された第2の保護部89とを有している。第2の基部88と第2の保護部89は一体に形成されている。
【0107】
第2の基部88には、ピン挿通孔88a、88aが左右に離隔して形成されている。ピン挿通孔88a、88aの間には、位置決め孔88bが形成されている。第2の保持体82には、第2の基部88から前方に突出された係止壁部88c、88cが設けられている。係止壁部88c、88cは、それぞれピン挿通孔88a、88aに隣接して位置されている。
【0108】
第2の保護部89には、第2の基部88から前方に突出され左右方向を向く対向面部89aが設けられている。対向面部89aの第2の基部88と反対側を向く面は、第2の対向面89bとして形成されている。対向面部89aは、前半部の上下両端が後半部の上下両端より上下方向において外側に位置されている。
【0109】
対向面部89aにおける後半部の上下両端部からは、側壁部89c、89cが第2の基部88と反対側に突出されている。対向面部89aにおける前半部の上下両端部からは、保護壁部89d、89dが第2の基部88と反対側に突出されている。
【0110】
保護壁部89d、89dの左右方向における一端部からは、支持部89e、89eが第の基部88と反対側に突出されている。支持部89e、89eには後方に開口された凹部89f、89fが形成されている。凹部89f、89fには、それぞれ第1の保持体81の嵌合部85b、85bが嵌合される。
【0111】
保護壁部89d、89dには螺穴を有する被取付部89g、89gが設けられている。被取付部89g、89gは、例えば、ネジ等によって、灯具1の一部を構成するランプハウジング2やブラケット等の他の部材に取り付けられる。
【0112】
面状発光体80は、上下方向における略中央部が第1の保持体81と第2の保持体82に挟持されて、以下のように保持される。
【0113】
面状発光体80は、第1の保持体81の挿通ピン86、86と位置決めピン87がそれぞれ後方から挿通孔80c、80cと位置決め孔80dに挿入され、第1の保持体81の第1の基部84に対して位置決めされる。このとき、面状発光体80の本体部80aが第1の基部84の前面に接した状態にされ、配線板83が第1の保護部85の第1の対向面85aに対向して位置される。
【0114】
面状発光体80が第1の基部84に対して位置決めされた状態において、第1の基部84の挿通ピン86、86と位置決めピン87がそれぞれ後方から第2の基部88のピン挿通孔88a、88aと位置決め孔88bに挿入される。このとき挿通ピン86、86は係止壁部88c、88cに摺動されて弾性変形された後に弾性復帰され、係止突部86b、86bがそれぞれ第2の基部88における係止壁部88c、88cの先端面に係止され、第1の基部84と第2の基部88が面状発光体80を挟んだ状態で結合される。面状発光体80は第1の基部84と第2の基部88の屈曲状態に合わせて屈曲され、厚み方向における両側から第1の基部84と第2の基部88によって挟持される。
【0115】
また、第1の保持体81の挿通ピン86、86がピン挿通孔88a、88aに挿入される際に、第1の保護部85の嵌合部85b、85bが第2の保護部89の凹部89f、89fに挿入されて嵌合される。嵌合部85b、85bが凹部89f、89fに嵌合されることで、第1の保護部85と第2の保護部89が結合される。第5のランプユニット79においては、第1の基部84と第2の基部88が結合されると共に第1の保護部85と第2の保護部89が結合されることで、第1の保持体81と第2の保持体82が結合される。
【0116】
第1の保護部85と第2の保護部89が結合された状態において、第1の対向面85aと第2の対向面89bと側壁部89c、89cと保護壁部89d、89dによって、配線板83を配置するための配置空間Sが形成される。配置空間Sには、配線板83の少なくとも一部が面状発光体80に対して屈曲された状態で配置される。
【0117】
配線板83の厚み方向における両側には、第1の対向面85aと第2の対向面89bとが配線板83に対向して位置される。このように第1の対向面85aと第2の対向面89bが配線板83に対向して位置されることにより配線板83が第1の保護部85と第2の保護部89によって保護され、配線板83が保護されることで、面状発光体80の配線板83に対する安定した給電状態を確保することができる。
【0118】
また、配線板83のコネクター部83bの上下方向における両側には、保護壁部89d、89dが位置されている。このように保護壁部89d、89dがコネクター部83bの上下方向における両側に位置されることによりコネクター部83bが第1の保護部85と第2の保護部89によって保護され、コネクター部83bが保護されることで、外部からの安定した給電状態を確保することができる。
【0119】
さらに、上記した第1の保持体81と第2の保持体82にあっては、それぞれ面状発光体80を保持する機能を有する第1の基部84及び第2の基部88と配線板83を保護する機能を有する第1の保護部85及び第2の保護部89とが一体に形成されている。
【0120】
従って、配線板83が面状発光体80を保持する機能を有する第1の保持体81と第2の保持体82によって保護されるため、配線板83を保持する専用の部材を必要とせず、部品点数の増加を抑えつつ、配線板83を保護することができる
【0121】
尚、上記には、第1の保持体81に挿通ピン86が設けられ第2の保持体82にピン挿通孔88aが形成された例を示したが、逆に、第2の保持体82に挿通ピンが設けられ、第1の保持体81にピン挿通孔が形成されていてもよい。また、上記には、第1の保持体81に位置決めピン87が設けられ、第2の保持体82に位置決め孔88bが形成された例を示したが、逆に、第2の保持体82に位置決めピンが設けられ、第1の保持体81に位置決め孔が形成されていてもよい。
【0122】
さらに、上記には、第2の保持体82の第2の保護部89に側壁部89cと保護壁部89dが設けられた例を示したが、逆に、第1の保持体81の第1の保護部85に第1の基部84側に突出された側壁部及び保護壁部が設けられていてもよい。
【0123】
尚、上記には、第1の保持体81の第1の基部84と第1の保護部85が一体に形成され、第2の保持体82の第2の基部88と第2の保護部89が一体に形成されている例を示したが、第1の保持体81において第1の基部84と第1の保護部85が別部材によって形成され、第2の保持体82において第2の基部88と第2の保護部89が別部材によって形成されていてもよい。
【0124】
<第5のランプユニットにおける変形例>
第5のランプユニット79においては、第1の保持体81又は第2の保持体82に固定ピンが設けられ、配線板83が固定ピンによって第1の保持体81又は第2の保持体82に対して固定されていてもよい。
【0125】
図12に示した例において、第1の保持体81には第1の保護部85の第1の対向面85aから突出された固定ピン90が設けられ、配線板83には固定ピン90が挿通される図示しない固定孔が形成されている。第1の保持体81の固定ピン90が固定孔に挿入され熱カシメ等が行われることで、配線板83は第1の保持体81に固定される。尚、固定ピン90は固定孔に挿入可能な位置であれば第1の基部84から突出されていてもよい。
【0126】
配線板83が固定ピン90によって第1の保持体81に固定されることによって、配線板83が面状発光体80から剥がれ難くなり、面状発光体80に対する配線板83の安定した接続状態を確保することができる。
【0127】
<まとめ>
以上に記載した通り、灯具1にあっては、面状発光体10、20、40、60、80が屈曲された状態で第1の保持体11、21、41、61、81と第2の保持体12、22、42、62、82に保持される。
【0128】
従って、面状発光体10、20、40、60、80が第1の保持体11、21、41、61、81と第2の保持体12、22、42、62、82によって厚み方向における両側から挟まれることにより屈曲された状態で保持されるため、面状発光体10、20、40、60、80を簡素な構造によって安定した状態で保持することができる。
【0129】
尚、面状発光体10、20、40、60、80は、全体が屈曲された状態で第1の保持体11、21、41、61、81と第2の保持体12、22、42、62、82によって保持されてもよく、また、一部が屈曲された状態で第1の保持体11、21、41、61、81と第2の保持体12、22、42、62、82によって保持されてもよい。
【符号の説明】
【0130】
1…灯具、10…面状発光体、11…第1の保持体、12…第2の保持体、20…面状発光体、20a…挿通孔、21…第1の保持体、22…第2の保持体、26…配線板、26a…接続端子部、27…枠状部、28…挿通ピン、29…環状部、40…面状発光体、40a…挿通孔、41…第1の保持体、42…第2の保持体、45…挿通ピン、60…面状発光体、60a…孔形成部、60b…スリット、60c…スリット、60d…挿通孔、61…第1の保持体、62…第2の保持体、65…挿通ピン、80…面状発光体、81…第1の保持体、82…第2の保持体、83…配線板、84…第1の基部、85…第1の保護部、88…第の基部、89…第2の保護部
図1
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図5
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図10
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図12