(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】入退場管理システム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/37 20200101AFI20220106BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20220106BHJP
【FI】
G07C9/37
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2017204289
(22)【出願日】2017-10-23
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091971
【氏名又は名称】米澤 明
(74)【代理人】
【識別番号】100095120
【氏名又は名称】内田 亘彦
(74)【代理人】
【識別番号】100088041
【氏名又は名称】阿部 龍吉
(72)【発明者】
【氏名】平林 裕治
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-107406(JP,A)
【文献】特開2004-078687(JP,A)
【文献】特開2004-157602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 15/00
G06T 7/00
G06Q 50/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設工事現場などの入退場ゲートにおける作業員の入退場を管理する入退場管理システムにおいて、
少なくとも作業員IDと、当該作業員の顔画像データとを関連づけて登録した作業員顔画像データベースと、
前記入退場ゲートに設置され、入場時に作業員の顔画像データを取得する顔画像データ取得部と、
前記作業員顔画像データベースに登録された顔画像データと、前記顔画像データ取得部で取得された顔画像データとの間の照合率を算出する照合率算出部と、
前記顔画像データ取得部で取得された顔画像データと照合率とを関連づけて登録した入場時記録部と、
前記入場時記録部で記録された顔画像データのうち、照合率が第1の所定値未満であり、かつ、前記第1の所定値より低い第2の所定値以上である顔画像データによって、前記作業員顔画像データベースを補完する補完部と、を有
し、
前記補完部は、
照合率が第1の所定値未満であり、かつ、前記第1の所定値より低い第2の所定値以上である顔画像データを第1群の顔画像データとし、
照合率が前記第2の所定値未満である顔画像データを第2群の顔画像データとし、
全ての第1群に属する顔画像データについて、第1群及び第2群に属する各顔画像データ(自データ除く)に対する照合率を算出し、
(照合率が前記第1の所定値以上である顔画像データの数)/(照合率を算出した全顔画像データの数)の値が最も高い第1群に属する顔画像データを、補完のための顔画像データとして選択することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
照合率が、前記第1の所定値
以上であるとき入場許可判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の入退場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事現場などにおける入退場ゲートでの作業員の入退場を管理する入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの作業員が集う建設工事現場の入退場ゲートを管理する場合、各々の作業員の顔画像を用いた個人認証により入退場管理システムを構成することが考えられる。
【0003】
顔画像により対象者が本人であることを確認する入退場管理システムにおいては、事前に対象者の顔写真をマスタデータとして登録する。マスタデータの顔画像と、入場時ゲートで撮影された顔画像との一致度を照合率と呼ぶ。顔認証するときに照合率を算出し、照合率が閾値以上の場合に入場許可認証(認証成功)する。照合率が閾値に満たない場合は入場許可認証しない(認証失敗)。
【0004】
このような入退場管理システムにおいて、入場時に認証が成功しないケースが多い場合には、顔画像のマスタデータの閾値を下げて認証できる範囲を広げるなど個別の対応することがある。(例えば、本発明者らによる特許文献1(特開2017-107406号公報)参照)。
【文献】特開2017-107406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建設工事現場などにおいては、作業員は入場時、ヘルメットや帽子、マスクを着用していたりすることが多く、照合率が低下する傾向がある、という問題があった。また、建設工事現場は屋外であるので、撮影時において、光の当たり方が毎回異なり露出が毎回異なる顔画像データが取得されてしまうことも原因となり、照合率が低下する、という問題もあった。現状、このような問題に配慮した対応策は施されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するものであって、本発明に係る入退場管理システムは、建設工事現場などの入退場ゲートにおける作業員の入退場を管理する入退場管理システムにおいて、少なくとも作業員IDと、当該作業員の顔画像データとを関連づけて登録した作業員顔画像データベースと、前記入退場ゲートに設置され、入場時に作業員の顔画像データを取得する顔画像データ取得部と、前記作業員顔画像データベースに登録された顔画像データと、前記顔画像データ取得部で取得された顔画像データとの間の照合率を算出する照合率算出部と、前記顔画像データ取得部で取得された顔画像データと照合率とを関連づけて登録した入場時記録部と、前記入場時記録部で記録された顔画像データのうち、照合率が第1の所定値未満であり、かつ、前記第1の所定値より低い第2の所定値以上である顔画像データによって、前記作業員顔画像データベースを補完する補完部と、を有し、前記補完部は、照合率が第1の所定値未満であり、かつ、前記第1の所定値より低い第2の所定値以上である顔画像データを第1群の顔画像データとし、照合率が前記第2の所定値未満である顔画像データを第2群の顔画像データとし、全ての第1群に属する顔画像データについて、第1群及び第2群に属する各顔画像データ(自データ除く)に対する照合率を算出し、(照合率が前記第1の所定値以上である顔画像データの数)/(照合率を算出した全顔画像データの数)の値が最も高い第1群に属する顔画像データを、補完のための顔画像データとして選択することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る入退場管理システムは、照合率が、前記第1の所定値以上であるとき入場許可判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る入退場管理システムは、前記入場時記録部で記録された顔画像データのうち、照合率が第1の所定値未満であり、かつ、前記第1の所定値より低い第2の所定値以上である顔画像データによって、前記作業員顔画像データベースを補完する補完部と、を有するので、このような本発明に係る入退場管理システムによれば、作業員が入場時、ヘルメットや帽子、マスクを着用していたり、露出が毎回異なる顔画像データが取得されたりしたとしても、補完された作業員顔画像データベースによって、照合率が低下することを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る入退場管理システム1の概要を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る入退場管理システム1の新規登録処理のフローチャートを示す図である。
【
図3】撮像機能付きタブレット型端末20におけるタッチパネル部24の表示例を示す図である。
【
図4】撮像機能付きタブレット型端末20におけるタッチパネル部24の表示例を示す図である。
【
図5】作業員顔画像データベース11のデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る入退場管理システム1における入場時処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】入場時記録13のデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】特定の作業員の入場時記録13のデータ例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る入退場管理システム1におけるデータベース補完処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】補完された作業員顔画像データベース11のデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係る入退場管理システム1の概要を示す図である。本発明に係る入退場管理システム1は、例えば建設工事の作業現場における入退場ゲートに設置される撮像機能付きタブレット型端末20と、この撮像機能付きタブレット型端末20と通信回線で接続され、管理事務所などに設置されるサーバー10とから構成することができる。なお、本発明に係る入退場管理システム1にとって、このようなシステム構成は必須ものではなく、他のシステム構成であっても構わない。
【0011】
本発明に係る入退場管理システム1は、それぞれの作業員が作業現場に入場する際などに撮像機能付きタブレット型端末20を自ら操作することで、自らの顔画像データを撮像し、撮像した顔画像データと、マスターデータの顔画像データとの照合率により、入退場の許可・不許可などの判定を行うと共に、これらの入場時の記録を残すようにすることが想定されるものである。なお、本実施形態では、入場時の処理を例として説明を行うが、退場時にも同様の処理を行い得るものである。
図1においては、作業員が自ら撮像機能付きタブレット型端末20を操作している様子を示している。
【0012】
本発明に係る入退場管理システム1を構成する撮像機能付きタブレット型端末20としては、操作者の画像を取得することができるカメラ部22や、操作者に対して情報を表示すると共に、操作者からの入力を受けるタッチパネル部24などを備えた現在広く普及している一般的なものを用いることができる。
【0013】
なお、本実施形態においては、入退場管理システム1で用いる情報処理端末として撮像機能付きタブレット型端末20を用いるようにしたが、カメラ付きパーソナルコンピューターやスマートフォン、携帯電話などの情報処理端末を用いることもできる。
【0014】
サーバー10は、撮像機能付きタブレット型端末20にデータを送信すると共に、撮像機能付きタブレット型端末20から転送されてくるデータを受信、収集して解析を行い、記録を記録したり、記録した情報を表示したりすることができるようになっている。サーバー10としては、データ処理機能、通信機能、データ記憶機能などを有する汎用のものを用いることができる。
【0015】
サーバー10の記憶装置には、少なくとも、作業員顔画像データベース11(マスターデータ)、入場時記録13の2つのデータベースが記録されている。
【0016】
作業員顔画像データベース11は、利用者の顔画像データと、利用者に関連するデータとが関連付けられてデータベース化されたものである。本発明に係る入退場管理システム1においては、それぞれの作業員が初めて作業現場に入る前に、作業員顔画像データベース11に登録することが想定されている。
【0017】
本発明に係る入退場管理システム1によって、それぞれの作業員を新規に登録する際の処理について説明する。
図2は本発明の実施形態に係る入退場管理システム1の新規登録処理のフローチャートを示す図である。
【0018】
図3は撮像機能付きタブレット型端末20におけるタッチパネル部24の表示例を示す図であり、入退場管理システム1の初期画面の一例を示す図である。このような初期画面において、作業員が「新規登録」を選択することで、
図2のステップS100で、新規登録処理が開始される。
【0019】
ステップS100に続く、ステップS101においては、カメラ部22によって作業員の顔画像の取得が行われる。
図4は撮像機能付きタブレット型端末20におけるタッチパネル部24の表示例を示す図である。撮像機能付きタブレット型端末20では、カメラ部22によって取得した作業員の顔画像を
図5に示すようにタッチパネル部24に表示しつつ、作業員の顔の特徴を認識しやすい画像を自動的に取得する。このような画像取得のためのアルゴリズムは従来周知のものを用いることができる。
【0020】
ステップS102においては、唯一無二のIDを発行する。このようなID発行のためのアルゴリズムは従来周知のものを用いることができる。
【0021】
続く、ステップS103では、作業員の名前の登録が行われる。このような名前の登録処理は、作業員が撮像機能付きタブレット型端末20の入力部16を利用することで、行うことができる。
【0022】
以上のような一連のステップを経ることで、作業員マスターデータベース30を構築することが可能となる。
図5は作業員顔画像データベース11のデータ構造の一例を示す図である。
図5に示すように、作業員顔画像データベース11のデータには、固有の「作業員ID」データ、「作業員氏名」データ、初回に作業員によって登録された「顔画像データ」、顔画像データを登録した「登録日時」データなどが記録されている。
【0023】
本発明に係る入退場管理システム1においては、作業員顔画像データベース11に記録されている顔画像データと、作業員が入退場する際の撮像機能付きタブレット型端末20によって取得される顔画像データとに基づいて、顔認証が実行される。なお、顔認証処理のためのソフトウエアとしては、例えば、日本電気株式会社製の「NeoFace」(登録商標)などを用いることができる。
【0024】
次に、上記のような作業員顔画像データベース11(マスターデータ)が作成された以後における入場時の処理について説明する。
図6は本発明の実施形態に係る入退場管理システム1における入場時処理のフローチャートを示す図である。
【0025】
ステップS200で、入場時処理が開始されると、続いて、ステップS201では、入場時の照合のための顔画像データが撮像される。このような顔画像データの取得は、撮像機能付きタブレット型端末20によって、
図1に示すように、作業員本人が行うことが想定されている。
【0026】
ステップS202では、作業員顔画像データベース11から予め登録されている顔画像データを取得し、予め登録されている顔画像データと、ステップS201で取得された顔画像データとの間の照合率を算出する。
【0027】
ステップS203では、照合率がN%(70%)以上であるか否かが判定される。Nは、第1の所定値とも定義される。以下の説明では、仮にN=70しているが、Nはケースに応じてその都度適切な値を設定することができる。
【0028】
ステップS203における判定がYESであれば、ステップS204に進み、入場許可とする。一方、ステップS203における判定がNOであれば、ステップS205に進み、入場不許可とする。なお、S205における入場不許可判定の場合には、入場しようとする作業員に対して再撮影等を促すような処理を設けておくことが好ましい。
【0029】
ステップS206では、ステップS201で取得された顔画像データを照合率などと共に、履歴として入場時記録13をサーバー10の記憶装置(不図示)に残すようにする。
図7は入場時記録13のデータ構造の一例を示す図である。
【0030】
図7に示すように、入場時記録13には、例えば、当該作業員の「作業員ID」に係るデータ、「作業員氏名」データ、「日時」に係るデータ、カメラ部22で取得した「顔画像」データ、算出された「照合率」に係るデータ、入場許可か不許可であったかに係るデータが関連付けられて記憶されている。
【0031】
ステップS207では、入場時処理を終了する。
【0032】
上記のような入場時処理を繰り返していくことで、入場時記録13には、種々の照合率データや、その時の顔画像データなどが蓄積されていることとなる。
【0033】
建設工事現場などにおいては、作業員は入場時、ヘルメットや帽子、マスクを着用していたりすることが多く、照合率が低下する傾向がある、という問題があった。また、建設工事現場は屋外であるので、撮影時において、光の当たり方が毎回異なり露出が毎回異なる顔画像データが取得されてしまうことも原因となり、照合率が低下する、という問題もあった。
【0034】
そこで、本発明に係る入退場管理システム1においては、入場時記録13に蓄積されている顔画像データのうち、照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上の顔画像データのうち、最適なものを作業員顔画像データベース11に追加すること補完することを行う。以下、N=70、T=60としているが、NやTはケースに応じてその都度適切な値を設定することができる。また、Tは、第2の所定値として定義する。第2の所定値(T)は、第1の所定値(N)より低い値である。
【0035】
図8は、入場時処理を繰り返していくことで、入場時記録13に蓄積された、ある特定の作業員の入場時記録13のデータ例を示す図である。
図8に見られるように、照合率がN%(70%)以上となり入場許可となった顔画像データや、照合率がN%(70%)未満で入場不許可となった顔画像データが混在している。
【0036】
作業員顔画像データベース11に追加して、これを補完する顔画像データの候補としては、照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上の顔画像データが用いられる。
【0037】
照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上の顔画像データを、第1群に属する顔画像データとして定義する。一方、これより照合率が低かった顔画像データ、すなわち、照合率がT%(60%)未満であった顔画像データを、第2群に属する顔画像データとして定義する。
【0038】
図8の例によれば、照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上の第1群に属する顔画像データは、「顔画像データ2」、「顔画像データ4」、「顔画像データ5」である。また、照合率がT%(60%)未満である第2群に属する顔画像データは、「顔画像データ7」、「顔画像データ9」、「顔画像データ11」、「顔画像データ13」、「顔画像データ14」である。
【0039】
次に、照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上の第1群に属する顔画像データから、作業員顔画像データベース11に追加して、これを補完する顔画像データを選択する際のアルゴリズムについて説明する。
【0040】
図9は本発明の実施形態に係る入退場管理システム1におけるデータベース補完処理のフローチャートを示す図である。
【0041】
ステップS300で、データベース補完処理が開始されると、続いて、ステップS301に進む。ステップS301では、入場時記録13に記録済みの顔画像データに対して、照合率がN%(70%)未満、かつ、T%(60%)以上である顔画像データ群(第1群)を取得する。
図8の例では、このステップで、「顔画像データ2」、「顔画像データ4」、「顔画像データ5」が取得されることとなる。
【0042】
続く、ステップS302では、入場時記録13に記録済みの顔画像データに対して、照合率がT%(60%)未満である顔画像データ群(第2群)を取得する。
図8の例では、このステップで、「顔画像データ7」、「顔画像データ9」、「顔画像データ11」、「顔画像データ13」、「顔画像データ14」が取得されることとなる。
【0043】
ステップS303では、取得された第1群から1つの顔画像データを取得する。ここでは、例として、「顔画像データ2」が取得されたこととする。
【0044】
続く、ステップS304では、ステップS303で取得した顔画像データに対する第1群及び第2群に属する各顔画像データ(自データ除く)に対する照合率を算出する。このステップでの具体的な処理を、
図8を参照して説明する。ステップS303で取得した顔画像データが「顔画像データ2」であるとすると、ステップS304では、「顔画像データ2」と「「顔画像データ4」との間の照合率、「顔画像データ2」と「「顔画像データ5」との間の照合率、「顔画像データ2」と「「顔画像データ7」との間の照合率、・・・・を順次総当たり的に照合率を算出する処理が実行される。
【0045】
ステップS305では、[照合率がN%(70%)以上である顔画像データの数]/[演算を行った全顔画像データの数]によって求められるRを算出する。
【0046】
ステップS306では、全ての第1群の顔画像データについて算出が済んだか否かが判定される。当該ステップの判定がYESであれば、ステップS308に進み、当該判定がNOであればステップS307に進む。
【0047】
例えば、ステップS306で「顔画像データ2」のみについてしか算出が済んでいなければ、ステップS307に進み、次の第1群の顔画像データである「顔画像データ4」を取得して、ステップS304、S305の算出を繰り返す。
【0048】
ステップS308では、最も高いRを有する第1群の顔画像データで、作業員顔画像データベース11を補完して、ステップS309で、データベース補完処理を終了する。
【0049】
図10は、上記のようなデータベース補完処理によって、補完された作業員顔画像データベース11のデータ構造の一例を示す図である。
図10に示すデータ構造は、
図5に示すものに対して、例えば、補完された作業員顔画像データと、当該作業員顔画像データが補完された日時などのデータが追加される。
【0050】
入場時処理での照合率の算出の際、作業員顔画像データベース11に元々登録されている作業員顔画像データと、補完された作業員顔画像データの双方を適宜利用することで、照合率を高めることが可能となる。
【0051】
以上のように、本発明に係る入退場管理システム1は、前記入場時記録部で記録された顔画像データのうち、照合率が第1の所定値(N)未満であり、かつ、前記第1の所定値(N)より低い第2の所定値(T)以上である顔画像データによって、作業員顔画像データベース11を補完する補完部と、を有するので、このような本発明に係る入退場管理システム1によれば、作業員が入場時、ヘルメットや帽子、マスクを着用していたり、露出が毎回異なる顔画像データが取得されたりしたとしても、補完された作業員顔画像データベース11によって、照合率が低下することを防止することが可能となる。
【0052】
また、本発明に係る入退場管理システム1によれば、照合率が悪いケースを未然に防ぐことができる。
【0053】
また、本発明に係る入退場管理システム1によれば、照合率が上がることにより、顔認証による入退場の通過時間が短くなる。その結果待ち行列ができなくなる。
【0054】
また、本発明に係る入退場管理システム1によれば、作業員顔画像データベース11の登録される補完顔画像データが増えるほど、認証率が向上する。
【0055】
また、本発明に係る入退場管理システム1によれば、顔認証の結果を応じて常に最適な補完顔画像データを追加でき、認証率を高い状態に維持することができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・入退場管理システム
10・・・サーバー
11・・・作業員顔画像データベース
13・・・入場時記録
20・・・撮像機能付きタブレット型端末
22・・・カメラ部
24・・・タッチパネル部