(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】穀物混合茶飲料及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20210101AFI20220106BHJP
【FI】
A23L2/38 K
(21)【出願番号】P 2017254782
(22)【出願日】2017-12-28
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 遼
(72)【発明者】
【氏名】池上 有希子
(72)【発明者】
【氏名】森田 孝平
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-196283(JP,A)
【文献】特開2013-042669(JP,A)
【文献】特開平06-292549(JP,A)
【文献】特開2013-111030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料であって、
前記大麦が、大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からな
り、
前記粉砕大麦に対する前記非粉砕大麦の割合が、質量基準で、0.05~0.67である、穀物混合茶飲料。
【請求項2】
前記大麦以外の穀物が、ハトムギ、発芽大麦、玄米及び発芽玄米から選択される1種以上を含む、請求項
1に記載の穀物混合茶飲料。
【請求項3】
大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からな
り前記粉砕大麦に対する前記非粉砕大麦の割合が質量基準で0.05~0.67である大麦並びに大麦以外の穀物から抽出溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程を有する、穀物混合茶飲料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物からの抽出物を含む茶飲料(以下、「穀物茶飲料」という。)は、そのおいしさ等の嗜好性や飲みやすさ等の止渇性により、消費者に幅広く受け入れられている。このような穀物茶飲料は、抽出物を得る穀物として2種以上の穀物を組み合わせて配合した穀物混合茶飲料とすること等により、嗜好性や止渇性が高められている。例えば、特許文献1には、L値30~40の焙煎大麦の抽出液を、飲料全体に対するブリックス寄与度として0.09~0.3となるように配合し、かつハトムギ及び/又はとうもろこしの抽出液を配合することで、麦茶の苦味・エグミを抑制した高香味麦茶飲料が開示されている。なお、苦味・エグミが抑制されると、飲みやすさが向上し、止渇性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、嗜好性及び止渇性をさらに向上させた穀物混合茶飲料が望まれる。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、嗜好性及び止渇性が向上した穀物混合茶飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料において、大麦として、大麦を粉砕した粉砕大麦と大麦を粉砕しない非粉砕大麦とを併用することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0007】
(1) 大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料であって、前記大麦が、大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からなる、穀物混合茶飲料。
【0008】
(2) 前記粉砕大麦に対する非粉砕大麦の割合が、質量基準で、0.05~2である、(1)に記載の穀物混合茶飲料。
【0009】
(3) 前記大麦以外の穀物が、ハトムギ、発芽大麦、玄米及び発芽玄米から選択される1種以上を含む、(1)又は(2)に記載の穀物混合茶飲料。
【0010】
(4) 大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からなる大麦並びに大麦以外の穀物から抽出溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程を有する、穀物混合茶飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、おいしさ及び飲みやすさが向上し嗜好性及び止渇性が向上した穀物混合茶飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0013】
<穀物混合茶飲料>
本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料であって、該大麦が、大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からなる。
【0014】
このように、大麦及び大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料において、大麦として、大麦を粉砕した粉砕大麦と、大麦を粉砕しない非粉砕大麦とを併用することにより、後述する実施例に示すように、おいしさ及び飲みやすさを向上させることができる。したがって、嗜好性及び止渇性を向上させることができる。
【0015】
従来、穀物混合茶飲料において、大麦を用いる場合、大麦を粉砕しない非粉砕大麦のみを用いることが多かった。これは、特許文献1にも記載されるように、苦味・エグミの観点から非粉砕大麦を用いることが好ましいと考えられていたからである。このように、大麦として粉砕しない非粉砕大麦のみを用いると、苦味・エグミは抑制されるため飲みやすさはある程度良くなるが、おいしさは不十分であった。また、大麦を粉砕した粉砕大麦を用いる場合もあったが、苦味・エグミが強く、飲みやすさが劣っていた。
【0016】
これに対し、大麦として粉砕大麦と非粉砕大麦とを併用した本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、大麦として非粉砕大麦を単独で用いた場合よりも、おいしさが向上し、さらに飲みやすさも向上する。また、大麦として粉砕大麦と非粉砕大麦とを併用した本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、大麦として粉砕大麦を単独で用いた場合よりも、飲みやすさが向上し、さらにおいしさも向上する。したがって、本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、従来の穀物混合茶飲料と比べて、嗜好性及び止渇性の両者が向上する。
【0017】
粉砕大麦と非粉砕大麦との比率は特に限定されないが、例えば、粉砕大麦に対する非粉砕大麦の割合が、質量基準で、0.05以上であることが好ましく、2以下であることが好ましい。特に、粉砕大麦に対する非粉砕大麦の割合が、質量基準で、0.2以上1.2以下であると、嗜好性及び止渇性にきわめて優れる穀物混合茶飲料とすることができる。嗜好性及び止渇性が向上することに加えて、香ばしい香りや甘い香りが良く、香りの良さに優れた穀物混合茶飲料とすることができるという観点で、粉砕大麦に対する非粉砕大麦の割合が、質量基準で、0.09以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、また、1.6以下が好ましく、1.2以下がより好ましい。
【0018】
大麦以外の穀物としては、茶飲料の原料として通常用いられる穀物を使用でき、発芽大麦、小麦等の大麦以外の麦類、玄米、発芽玄米等の米類、大豆、小豆、黒豆等の豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、キビ等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。おいしさ及び飲みやすさの観点から、大麦以外の穀物は、ハトムギ、発芽大麦、玄米及び発芽玄米から選択される1種以上を含むことが好ましく、ハトムギ及び玄米を含むことがより好ましい。
【0019】
本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、大麦及び大麦以外の穀物の抽出物の他に、茶葉等の穀物以外の茶原料の抽出物を含んでいてもよい。すなわち、本実施形態に係る穀物混合茶飲料が含む抽出物を得るための茶原料は、大麦及び大麦以外の穀物に加えて、茶葉等の穀物以外の茶原料を含んでいてもよい。茶葉としては、茶飲料の原料として通常用いられるものを使用でき、チャノキ由来の葉(緑茶葉等)、ビワの葉、クワの葉、エゴマの葉、クマザサの葉、柿の葉、アマチャヅルの葉、アシタバの葉、ドクダミの葉、クコの葉、シソの葉、ヨモギの葉、杜仲葉、グァバ葉等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、穀物以外の茶原料として、マメ科のエビスグサの種子(ケツメイシ)を乾燥させたものを用いてもよい。
【0020】
粉砕大麦及び非粉砕大麦からなる大麦の割合は特に限定されないが、嗜好性及び止渇性をより向上できるという観点で、大麦、大麦以外の穀物及び穀物以外の茶原料の合計に対する粉砕大麦及び非粉砕大麦からなる大麦の割合は、質量基準で、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、0.4以上であることが特に好ましい。また、嗜好性及び止渇性をより向上できるという観点で、大麦、大麦以外の穀物及び穀物以外の茶原料の合計に対する粉砕大麦及び非粉砕大麦からなる大麦の割合は、質量基準で、0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。
【0021】
このような茶原料の抽出物、具体的には、大麦、大麦以外の穀物や茶葉等の穀物以外の茶原料の抽出物は、穀物や茶葉等の茶原料から抽出物を得るために通常採用される抽出工程によって得られる。抽出物を得る抽出工程の詳細については、後述する。
【0022】
本実施の形態に係る穀物混合茶飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的な茶飲料に通常用いられる他の添加剤等を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
【0023】
本実施の形態に係る穀物混合茶飲料に配合し得る添加剤としては、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等が挙げられる。
【0024】
本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、上記抽出物そのもの、抽出物に必要に応じて水や上記添加剤等を添加したもの、及び、これらを容器に詰めたもののいずれでもよい。容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるペットボトル)、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、金属缶、ガラス瓶等の密封容器等が挙げられる。本実施の形態に係る穀物混合茶飲料は、おりや沈殿が生じ難いため、透明な容器や、半透明な容器を使用することができる。
【0025】
<穀物混合茶飲料の製造方法>
上記穀物混合茶飲料を製造することができる本実施の形態に係る穀物混合茶飲料の製造方法は、大麦を粉砕した粉砕大麦及び大麦を粉砕しない非粉砕大麦からなる大麦並びに大麦以外の穀物から抽出溶媒を用いて抽出物を得る抽出工程を有する。例えば、抽出工程の他、必要に応じて、粉砕大麦製造工程、焙煎工程、調合工程、殺菌工程や、容器充填工程等を有する。以下、各工程について説明する。
【0026】
(粉砕大麦製造工程)
粉砕大麦製造工程では、大麦を粉砕することで、粉砕大麦を製造する。大麦を粉砕する方法は特に限定されず、例えば、ロールミル、カッターミル、ハンマーミル等を用いて粉砕することができる。また、粉砕の程度も特に限定されず、得られる粉砕大麦は胚乳が一部でも露出されていれば良く、大麦の粗粉砕が好ましい。
【0027】
(焙煎工程)
焙煎工程では、大麦、大麦以外の穀物、及び必要に応じて使用する穀物以外の茶原料を焙煎する。焙煎工程では、一般的な焙煎方法を採用可能であり、例えば、熱風焙煎、直火焙煎、砂炒焙煎、遠赤外焙煎等が挙げられる。焙煎工程は上記粉砕大麦製造工程より後でも先でもよい。また、焙煎工程を有さなくてもよいが、香ばしさ等を付与できる観点から、焙煎工程を有することが好ましい。
【0028】
(抽出工程)
抽出工程では、粉砕大麦及び非粉砕大麦、大麦以外の穀物、及び必要に応じて使用する穀物以外の茶原料から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。抽出工程に供する大麦、大麦以外の穀物や穀物以外の茶原料は、焙煎工程を経た後のものであることが好ましい。
【0029】
上記粉砕大麦等を抽出工程に供する方法は特に限定されず、例えば、粉砕大麦、非粉砕大麦、大麦以外の穀物、必要に応じて使用する穀物以外の茶原料をそれぞれ単独で抽出工程に供してもよいし、粉砕大麦及び非粉砕大麦を予め混合して抽出工程に供してもよいし、粉砕大麦、非粉砕大麦、大麦以外の穀物、必要に応じて使用する穀物以外の茶原料を予め混合して抽出工程に供してもよい。製造効率の観点から、粉砕大麦、非粉砕大麦、大麦以外の穀物、必要に応じて使用する穀物以外の茶原料を予め混合して抽出工程に供することが好ましい。
【0030】
抽出工程では、一般的な抽出方法を採用可能であり、例えば、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されないが、水を抽出溶媒とする場合は、脱イオン交換処理精製したもの又は蒸留水を用いることが好ましい。これらは、安価、手軽であり、かつ安全に調製し抽出設備に供することができる。なお、水以外の抽出溶媒としては、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。また、抽出溶媒に対して、抽出効率化の目的で、食品添加物のいわゆる炭酸塩(炭酸水素ナトリウム(重曹)等)、リン酸塩、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸等を適宜添加してもよい。
【0031】
抽出温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上100℃以下であることが好ましい。上記温度範囲で抽出を行えば、抽出効率が高い。抽出時間も特に限定されないが、5分以上1時間以下の範囲内で行うことが好ましい。上記抽出時間で抽出物を得れば、熱による風味変化や香気成分の散逸を抑えつつ、甘味、香ばしさの各成分を抽出しやすい傾向にある。これにより、より嗜好性に優れた穀物混合茶飲料が得やすくなる。
【0032】
(調合工程)
調合工程では、抽出物に水や添加物を添加する。抽出工程で得られた抽出物は、そのまま本実施の形態の穀物混合茶飲料として提供することができるが、調合工程において、抽出工程で得られた抽出物に対して、水での希釈や、各種添加剤の配合をしてもよい。なお、抽出工程において複数の抽出物を得る場合は、調合工程で、該複数の抽出物を混合することができる。
【0033】
(殺菌工程及び容器充填工程)
殺菌工程では、加熱等により、抽出物を殺菌する。また、容器充填工程では、抽出物を容器に充填する。金属缶や瓶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合は、レトルト殺菌(加圧加熱処理:110~140℃、1~数十分間)により製造できる。ペットボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、予めレトルト殺菌と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換機等で超高温加熱処理(UHT殺菌:110~150℃、1~数十秒間)し、一定の温度まで冷却後、容器に充填する等の方法が選択できる。容器充填工程の方法としては、例えば、アセプティック(無菌)充填法、ホットパック充填法等が挙げられる。
【0034】
穀物混合茶飲料の製造方法の各工程に用いられる装置や条件は、通常飲料の製造工程に採用されるものを使用できる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例1及び2はそれぞれ参考例1及び2と読み替えるものとする。
【0036】
<穀物混合茶飲料の作製>
粉砕大麦、非粉砕大麦、ハトムギ、ケツメイシ及び玄米を表1に示す配合割合(質量%)で含有する茶原料に、水温90℃以上の水を加えて粗液を得て、さらに表2に示す配合割合でアスコルビン酸ナトリウム(VCNa)と炭酸水素ナトリウム(重曹)とを加えて抽出液を得た。該抽出液は穀物混合茶飲料に相当する。粉砕大麦、非粉砕大麦、ハトムギ、ケツメイシ及び玄米を適宜焙煎したものを用い、表1には焙煎後の乾燥した状態の茶原料における配合割合を記載した。また、粉砕大麦として、非粉砕大麦と同じ大麦をロールミルで粉砕して胚乳を露出させたものを用いた。
【0037】
得られた各抽出液(穀物混合茶飲料)を超高温加熱処理(UHT)法にて殺菌し、アセプティック(無菌)充填を行い、下記の官能試験に供するまで冷蔵保存した。なお、官能試験に供した実施例1~6の抽出液は、おりや沈殿は観察されなかった。
【0038】
【0039】
【0040】
<穀物混合茶飲料の官能評価>
各穀物混合茶飲料について、専門パネル5名による官能評価を実施した。各評価は、穀物混合茶飲料の(1)おいしさ、(2)香ばしい香りの良さ、(3)甘い香りの良さ、(4)いろいろな素材の味がする、(5)飲みやすさについて、比較例1の評価を「4.00」とした場合の7段階評価で行った。各評価項目は、「強弱」及び/又は「良悪」の2観点から評価した。各観点の評価基準は以下のとおりである。
【0041】
[良悪]
1:とても悪い
2:悪い
3:やや悪い
4:比較例1と同等レベル
5:やや良い
6:良い
7:とても良い
【0042】
[強弱]
1:とても弱い
2:弱い
3:やや弱い
4:比較例1と同等レベル
5:やや強い
6:強い
7:とても強い
【0043】
官能評価の結果を表3に示す。なお、各評価結果は、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。
【0044】
【0045】
表3に示すように、大麦と大麦以外の穀物の抽出物を含む穀物混合茶飲料において、大麦として粉砕大麦と非粉砕大麦とを併用した実施例1~6では、大麦として非粉砕大麦のみを使用した比較例1や大麦として粉砕大麦のみを使用した比較例2よりも、おいしさ及び飲みやすさの両者に優れており、嗜好性及び止渇性が向上したことが確認された。また、実施例1~6では、いろいろな素材の味が比較例1より強くなっていた。なお、混合茶飲料では、複数の素材の味がすることによって、複雑で味わい深い風味を有することが望まれる。また、比較例2は、苦味・エグミが強く、飲みやすさが実施例1~6や比較例1と比べてきわめて劣っていた。
【0046】
また、粉砕大麦に対する非粉砕大麦の割合が、質量基準で0.09以上1.6以下の範囲内である実施例1~5では、おいしさ及び飲みやすさに優れ、さらに、香ばしい香りや甘い香りが良く、香りの良さに優れていた。