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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】容器収容ユニット及び自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01N35/00 B
G01N35/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018005939
(22)【出願日】2018-01-17
(65)【公開番号】P2019124607
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-07-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004271
【氏名又は名称】日本電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 英明
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0019695(US,A1)
【文献】特開2012-137329(JP,A)
【文献】特表平04-502879(JP,A)
【文献】実開昭57-142359(JP,U)
【文献】特開平06-160263(JP,A)
【文献】特表2017-509563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を立設した状態で収納可能な複数の収納部を有するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転可能に支持するテーブル駆動部と、
前記ターンテーブルを収容する保冷庫と、
前記保冷庫の内部空間を冷却する冷却部と、
前記テーブル駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記保冷庫内における前記容器が設置される設置場所毎の温まりやすさ、冷えやすさの度合いを示す温度分布情報が格納された温度分布記憶部と、前記容器を前記保冷庫に設置した際の当該容器の設置場所に関する設置場所情報が格納された設置場所記憶部とを有し、
前記制御部は、待機中において、前記設置場所記憶部に格納された前記設置場所情報と前記温度分布記憶部に格納された前記温度分布情報に基づいて、前記複数の容器における前記保冷庫から受ける影響が均等になるように前記テーブル駆動部を制御する
容器収容ユニット。
【請求項2】
前記保冷庫は、第1領域と、前記第1領域よりも温度が高くなる第2領域とを有し、
前記制御部は、前記設置場所記憶部に格納された前記設置場所情報に基づいて、前記複数の容器が前記第1領域内に収まるように、前記テーブル駆動部を制御する
請求項1に記載の容器収容ユニット。
【請求項3】
前記制御部は、設置場所毎の前記温度分布情報に基づいて、前記複数の容器が各設置場所に留まる仮設置時間を算出し、前記仮設置時間に基づいて前記テーブル駆動部を制御する
請求項1又は2に記載の容器収容ユニット。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数の容器が前記保冷庫から受ける熱量が最小で、かつ均等になるように前記仮設置時間を算出する
請求項3に記載の容器収容ユニット。
【請求項5】
複数の容器を保冷した状態で収容する容器収容ユニットと、
前記容器収容ユニットに収容された前記複数の容器に挿脱するプローブと、
前記容器収容ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記容器収容ユニットは、
前記複数の容器を立設した状態で収納可能な複数の収納部を有するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転可能に支持するテーブル駆動部と、
前記ターンテーブルを収容する保冷庫と、
前記保冷庫の内部空間を冷却する冷却部と、を備え、
前記制御部は、前記保冷庫内における前記容器が設置される設置場所毎の温まりやすさ、冷えやすさの度合いを示す温度分布情報が格納された温度分布記憶部と、前記容器を前記保冷庫に設置した際の当該容器の設置場所に関する設置場所情報が格納された設置場所記憶部とを有し、
前記制御部は、待機中において、前記設置場所記憶部に格納された前記設置場所情報と前記温度分布記憶部に格納された前記温度分布情報に基づいて、前記複数の容器における前記保冷庫から受ける影響が均等になるように前記テーブル駆動部を制御する
自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を保冷した状態で収容する容器収容ユニット、及びこの容器収容ユニットを備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、免疫検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられ、多数の献体に対する分析処理を同時に行い、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析する。また、自動分析装置は、検査に用いる試薬や、検体等の液体を収容した容器を収容する容器収容ユニットを備えている。また、容器収容ユニットは、試薬や検体等の液体の劣化を防止するために容器を保冷している。
【0003】
また、容器収容ユニットには、保冷庫の内部空間を冷却させるために、ペルチェ素子等の冷却部が保冷庫の内壁に設けられている。さらに、容器収容ユニットには、容器に貯蔵された液体を分注するための開口部や、容器を識別するバーコードリーダーの光を透過されるための開口窓が設けられている。そのため、保冷庫の内部空間は、開口部や開口窓が設けられた箇所の温度が上昇し、開口部や開口窓が設けられた箇所と、その他の箇所で温度ムラが発生していた。そして、容器を配置する位置に応じて、保冷庫から受ける熱量が変化するために、複数の容器における収容された液体にも温度ムラが発生していた。
【0004】
また、特許文献1には、保冷庫内の温度ムラを解消する技術が記載されている。この特許文献1では、保冷庫本体と、保冷庫本体の内部の空気を冷却する冷却部と、保冷庫本体の内面に向けて吹き付ける空気の流れを生成し、保冷庫本体内で空気を循環させる送風部と、を備えた技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-137329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、送風部を保冷庫本体に設ける必要があり、容器収容ユニットの部品点数が増加する、という問題を有していた。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、部品点数を増加させることなく、複数の容器における収容された液体に温度ムラが発生することを抑制することができる容器収容ユニット及び自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、容器収容ユニットは、ターンテーブルと、テーブル駆動部と、保冷庫と、冷却部と、制御部と、を備えている。
ターンテーブルは、複数の容器を立設した状態で収納可能な複数の収納部を有する。テーブル駆動部は、ターンテーブルを回転可能に支持する。保冷庫は、ターンテーブルを収容する。冷却部は、保冷庫の内部空間を冷却する。制御部は、テーブル駆動部を制御する。制御部は、保冷庫内における容器が設置される設置場所毎の温まりやすさ、冷えやすさの度合いを示す温度分布情報が格納された温度分布記憶部と、容器を保冷庫に設置した際の当該容器の設置場所に関する設置場所情報が格納された設置場所記憶部とを有している。そして、制御部は、待機中において、設置場所記憶部に格納された設置場所情報と温度分布記憶部に格納された温度分布情報に基づいて、複数の容器における保冷庫から受ける影響が均等になるようにテーブル駆動部を制御する。
【0009】
また、本発明の自動分析装置は、容器を保冷した状態で収容する容器収容ユニットと、容器収容ユニットに収容された容器に挿脱するプローブと、制御部と、を備えている。容器収容ユニットは、上述した容器収容ユニットが用いられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器収容ユニット及び自動分析装置によれば、部品点数を増加させることなく、複数の容器における収容された液体に温度ムラが発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態例にかかる自動分析装置を模式的に示す説明図である。
図2】本発明の実施の形態例にかかる容器収容ユニットを示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態例にかかる容器収容ユニットの蓋体を外した状態を示す斜視図である。
図4】本発明の実施の形態例にかかる容器収容ユニットの筐体を示す平面図である。
図5】本発明の実施の形態例にかかる容器収容ユニットを示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態例にかかる自動分析装置の制御系を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態例にかかる容器収容ユニットの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の自動分析装置及び容器収容ユニットの実施の形態例について、図1図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0013】
1.実施の形態例
1-1.自動分析装置の構成
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる自動分析装置について図1を参照して説明する。
図1は、本例の自動分析装置を模式的に示す説明図である。
【0014】
図1に示す装置は、本発明の自動分析装置の一例として適用する生化学分析装置1である。生化学分析装置1は、血液や尿などの生体試料に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。
【0015】
生化学分析装置1は、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、第1試薬容器収容ユニット4と、第2試薬容器収容ユニット5と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、生化学分析装置1は、サンプル希釈ピペット7と、サンプリングピペット8と、希釈撹拌装置9と、希釈洗浄装置11と、第1試薬ピペット12と、第2試薬ピペット13と、第1反応撹拌装置14と、第2反応撹拌装置15と、多波長光度計16と、反応容器洗浄装置18と、を備えている。さらに、生化学分析装置1は、装置全体を制御する制御装置40を備えている。
【0016】
サンプルターンテーブル2は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。このサンプルターンテーブル2には、複数の検体容器21と、複数の希釈液容器22が収容されている。検体容器21には、血液や尿等からなる検体(サンプル)が収容される。希釈液容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
【0017】
複数の検体容器21は、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。また、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた検体容器21の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0018】
複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21の列よりもサンプルターンテーブル2の半径方向の内側に配置されている。複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21と同様に、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた希釈液容器22の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
【0019】
なお、複数の検体容器21及び複数の希釈液容器22の配列は、2列に限定されるものではなく、1列でもよく、あるいはサンプルターンテーブル2の半径方向に3列以上配置してもよい。
【0020】
サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。また、サンプルターンテーブル2の周囲には、希釈ターンテーブル3が配置されている。
【0021】
希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、サンプルターンテーブル2と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。なお、反応ターンテーブル6は、一回の移動で半周以上回転するように設定されている。
【0022】
希釈ターンテーブル3には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器21から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が収容される。
【0023】
容器収容ユニットの一例を示す第1試薬容器収容ユニット4には、複数の第1試薬容器24が第1試薬容器収容ユニット4の周方向に並べて収容されている。また、容器収容ユニットを示す第2試薬容器収容ユニット5には、複数の第2試薬容器25が第2試薬容器収容ユニット5の周方向に並べて収容されている。そして、第1試薬容器24には、濃縮された第1試薬が収容され、第2試薬容器25には、濃縮された第2試薬が収容される。
【0024】
さらに、第1試薬容器収容ユニット4、第1試薬容器24、第2試薬容器収容ユニット5及び第2試薬容器25は、保冷機構17によって所定の温度に保たれている。そのため、第1試薬容器24に収容された第1試薬と、第2試薬容器25に収容された第2試薬は、所定の温度で保冷される。
【0025】
また、第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の詳細な構成は、後述する。
【0026】
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の間に配置されている。反応ターンテーブル6には、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて収容されている。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングした希釈検体と、第1試薬容器収容ユニット4の第1試薬容器24からサンプリングした第1試薬と、第2試薬容器収容ユニット5の第2試薬容器25からサンプリングした第2試薬が注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌され、反応が行われる。
【0027】
サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置される。サンプル希釈ピペット7は、不図示の希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。また、サンプル希釈ピペット7は、希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の開口と略平行をなす水平方向に沿って回動可能に支持されている。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動することで、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を往復運動する。なお、サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を移動する際、サンプル希釈ピペット7は、不図示に洗浄装置を通過する。
【0028】
ここで、サンプル希釈ピペット7の動作について説明する。
サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2における開口の上方の所定位置に移動した際、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って下降し、その先端に設けたピペットを検体容器21内に挿入する。このとき、サンプル希釈ピペット7は、不図示のサンプル用ポンプが作動して検体容器21内に収容された検体を所定量吸引する。次に、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って上昇してピペットを検体容器21内から抜き出す。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動し、希釈ターンテーブル3における開口の上方の所定位置に移動する。
【0029】
次に、サンプル希釈ピペット7は、希釈ターンテーブル3の軸方向に沿って下降して、ピペットを所定の希釈容器23内に挿入する。そして、サンプル希釈ピペット7は、吸引した検体と、サンプル希釈ピペット7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器23内に吐出する。その結果、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。その後、サンプル希釈ピペット7は、洗浄装置によって洗浄される。
【0030】
サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。サンプリングピペット8は、不図示のサンプリングピペット駆動機構により、サンプル希釈ピペット7と同様に、希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0031】
このサンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3の希釈容器23内にピペットを挿入して、所定量の希釈検体を吸引する。そして、サンプリングピペット8は、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0032】
第1試薬ピペット12は、反応ターンテーブル6と第1試薬容器収容ユニット4の間に配置され、第2試薬ピペット13は、反応ターンテーブル6と第2試薬容器収容ユニット5の間に配置されている。第1試薬ピペット12は、不図示の第1試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第1試薬ピペット12は、第1試薬容器収容ユニット4と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0033】
第1試薬ピペット12は、第1試薬容器収容ユニット4の第1試薬容器24内にピペットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬ピペット12は、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0034】
また、第2試薬ピペット13は、不図示の第2試薬ピペット駆動機構により、第1試薬ピペット12と同様に、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第2試薬ピペット13は、第2試薬容器収容ユニット5と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
【0035】
第2試薬ピペット13は、第2試薬容器収容ユニット5の第2試薬容器25内にピペットを挿入して、所定量の第2試薬を吸引する。そして、第2試薬ピペット13は、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
【0036】
希釈撹拌装置9及び希釈洗浄装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置9は、不図示の撹拌子を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
【0037】
希釈洗浄装置11は、サンプリングピペット8によって希釈検体が吸引された後の希釈容器23を洗浄する装置である。この希釈洗浄装置11は、複数の希釈容器洗浄ノズルを有している。複数の希釈容器洗浄ノズルは、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。希釈洗浄装置11は、希釈容器洗浄ノズルを希釈容器23内に挿入し、廃液ポンプを駆動させて挿入した希釈容器洗浄ノズルによって希釈容器23内に残留する希釈検体を吸い込む。そして、希釈洗浄装置11は、吸い込んだ希釈検体を不図示の廃液タンクに排出する。
【0038】
その後、希釈洗浄装置11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。この洗剤によって希釈容器23内を洗浄する。その後、希釈洗浄装置11は、洗剤を希釈容器洗浄ノズルによって吸引し、希釈容器23内を乾燥させる。
【0039】
第1反応撹拌装置14、第2反応撹拌装置15及び反応容器洗浄装置18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置14は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。これにより、希釈検体と第1試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第1反応撹拌装置14の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0040】
第2反応撹拌装置15は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第2反応撹拌装置15の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
【0041】
反応容器洗浄装置18は、検査が終了した反応容器26内を洗浄する装置である。この反応容器洗浄装置18は、複数の反応容器洗浄ノズルを有している。複数の反応容器洗浄ノズルは、希釈容器洗浄ノズルと同様に、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。なお、反応容器洗浄装置18における洗浄工程は、上述した希釈洗浄装置11と同様であるため、その説明は省略する。
【0042】
また、多波長光度計16は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計16は、反応容器26内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
【0043】
さらに、反応ターンテーブル6の周囲には、不図示の恒温槽が配置されている。この恒温槽は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
【0044】
1-2.容器収容ユニットの構成
次に、容器収容ユニットの一例を示す第1試薬容器収容ユニット4及び第2試薬容器収容ユニット5の詳細な構成について図2図5を参照して説明する。
【0045】
なお、第1試薬容器収容ユニット4と第2試薬容器収容ユニット5は、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1試薬容器収容ユニット4について説明する。以下、第1試薬容器収容ユニット4を単に容器収容ユニット4を称し、第1試薬容器24を単に試薬容器24と称す。
【0046】
図2は、容器収容ユニット4の斜視図、図3は、容器収容ユニット4における後述する蓋体102を外した状態を示す斜視図、図4は、容器収容ユニット4の平面図、図5は、容器収容ユニット4の断面図である。
【0047】
図2図5に示すように、容器収容ユニット4は、保冷庫100と、ターンテーブル103と、テーブル駆動部104と、冷却部105と、温度測定部124と、バーコードリーダーからなる読取部126等を備えて構成されている。保冷庫100は、容器状の筐体101と、筐体の開口を塞ぐ蓋体102とを有している。
【0048】
筐体101は、一面が開口し、他面が閉じられた略円筒状に形成されている。筐体101の内部空間101aには、ターンテーブル103と、テーブル駆動部104が配置される。また、筐体101の側壁部101cには、開口窓101dが形成されている。開口窓101dは、側壁部101cにおける内面から外面にかけて貫通している。この開口窓101dには、透過ガラス117が嵌め込まれている。透過ガラス117は、読取部126から出射された光を透過させる。また、透過ガラス117には、曇りを防止するための不図示のヒーターが設けられている。
【0049】
筐体101における開口窓101dの外面側と対向する位置には、読取部126が設けられている。読取部126は、試薬容器24に設けられたバーコードを読み取る。そして、読取部126は、読み取った試薬容器24に関する情報を後述する制御装置40に出力する。
【0050】
蓋体102は、円柱状に形成されている。蓋体102は、断熱材により形成されている。蓋体102は、略円形の上面部102aと、上面部102aと対向し、筐体101の開口を塞ぐ底面部102bとを有している。上面部102aには、試薬を吸引する第1試薬ピペット12のプローブが通過する通過凹部102cが形成されている。通過凹部102cは、蓋体102における上面部102aを略円弧状に切り欠くことで形成されている。
【0051】
通過凹部102cには、プローブが挿入されるプローブ挿入孔102dが形成されている。プローブ挿入孔102dは、通過凹部102cの底面部から蓋体102の底面部102bにかけて上下方向に貫通している。そして、プローブ挿入孔102dは、筐体101の内部空間101aと連通する。
【0052】
図4及び図5に示すように、筐体101の内部空間101aには、ターンテーブル103が収容されている。ターンテーブル103は、略円盤状に形成されている。ターンテーブル103の半径方向の中心部には、軸受け部111が設けられている。軸受け部111は、筐体101の底面部101bに設けたテーブル駆動部104に回転可能に支持されている。そして、ターンテーブル103は、テーブル駆動部104により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、または、その周方向に所定の時間、所定の速度で正回転又は逆回転する。そして、ターンテーブル103は、軸受け部111を中心に、点対称な形状に形成されている。
【0053】
また、ターンテーブル103は、複数の収納部113を有している。収納部113は、ターンテーブル103の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。収納部113は、保持枠113aを有している。保持枠113aは、試薬容器24の底面部の形状に対応して略四角形状に開口している。保持枠113aは、ターンテーブル103の底面部から上下方向の上方に向けて突出している。そして、保持枠113aは、試薬容器24を保持する。
【0054】
なお、試薬容器24は、第1試薬ピペット12のプローブが挿入される口部24aを有している。そして、試薬容器24は、口部24aを筐体101の開口側に向けてターンテーブル103の収納部113の保持枠113aに保持される。そして、ターンテーブル103が回転すると、ターンテーブル103に収納された試薬容器24は、ターンテーブル103と共に回転する。
【0055】
また、図5に示すように、筐体101の底面部101bには、冷却部105が設けられている。冷却部105は、保冷機構17(図1参照)に接続されている。冷却部105は、例えば、ペルチェ素子を用いた冷却装置である。冷却部105を構成するペルチェ素子は、一面が筐体101の側壁部101cの内壁に接触し、反対側の他面が筐体101の内部空間101aの外側に配置されている。そして、ペルチェ素子に通電することで、筐体101の側壁部101cに接触するペルチェ素子の一面が熱を吸熱し、吸熱した熱を反対側の他面に移動させる。これにより、ペルチェ素子の一面が冷却され、ペルチェ素子の一面と接触した側壁部101cの内壁も冷却される。
【0056】
なお、冷却部105としてはペルチェ素子を用いた冷却装置に限定されるものではなく、例えば、冷却水が通過するパイプを筐体101の側面部や底面部101bに配置して冷却水を循環させる装置や、その他各種の冷却装置を適用できるものである。
【0057】
温度測定部124は、例えば、筐体101の内部空間101aの底面部101bに配置されている。温度測定部124は、筐体101の内部空間101aの温度を測定する。なお、温度測定部124を底面部101bに設置した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内部空間101aの側面部や、蓋体102の底面部102b、ターンテーブル103に温度測定部124を設置してもよい。
【0058】
また、上述したように、筐体101には、開口窓101dが設けられており、蓋体102には、プローブ挿入孔102dが形成されている。また、開口窓101dには、読取部126の光を透過させるための透過ガラス117が嵌め込まれており、透過ガラス117の曇りを防止するためのヒーターが設置されている。
【0059】
そのため、筐体101の内部空間101aは、図4に示す開口窓101d、読取部126やプローブ挿入孔102dが設けられた第2領域B1の空気は、開口窓101d、読取部126やプローブ挿入孔102dから離反した位置である第1領域A1の空気よりも冷却されにくい。その結果、分注動作を行わない、いわゆる待機時間が長くなると、内部空間101aにおける第1領域A1と第2領域B1との間で温度差が発生する。
【0060】
また、試薬容器24の温まりやすさ、冷えやすさの度合いを示す温度分布情報は、内部空間101aにおける試薬容器24の各設置場所T1、T2、T3、T4・・・Tnで、それぞれ異なっている。
【0061】
1-3.制御系の構成
次に、図6を参照して生化学分析装置1の制御系の構成について説明する。
図6は、生化学分析装置1の制御系を示すブロック図である。
【0062】
図6に示すように、生化学分析装置1は、装置全体を制御する制御装置40を備えている。また、制御部の一例を示す制御装置40と容器収容ユニット4は、システムバス46を介して接続されている。制御装置40は、演算部41と、表示部43と、入力部44と、インターフェース部45と、温度分布記憶部47と、設置場所記憶部48とを備えている。そして、演算部41、表示部43、入力部44、インターフェース部45、温度分布記憶部47、設置場所記憶部48は、システムバス46によって接続されている。
【0063】
演算部41は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等によって構成されており、生化学分析装置1内の各部の動作を制御する。演算部41は、不図示の記憶部に記憶されたプログラムを読み込んで生化学分析装置1内の各部の動作を制御する。また、演算部41は、後述する温度分布記憶部47に格納された温度分布情報と、設置場所記憶部48に格納された試薬容器24の設置場所情報に基づいて容器収容ユニット4におけるテーブル駆動部104や冷却部105等の動作を制御する。
【0064】
さらに、演算部41は、インターフェース部45を通じて各種の測定データを取得する。測定データとしては、例えば、多波長光度計16(図1参照)が測定した吸光度等が挙げられる。
【0065】
表示部43は、希釈検体、第1試薬及び第2試薬の混合液の測定結果、容器収容ユニット4に収容された試薬容器24の設置場所等の各種情報を表示する。この表示部43としては、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
【0066】
入力部44は、ユーザーによって行われる生化学分析装置1に対する操作入力に応じた入力信号を生成し、入力信号を演算部41に出力する。この入力部44には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
【0067】
温度分布記憶部47には、予め保冷庫100の内部空間101aの温度を測定することで得られた設置場所T1、T2、T3・・・Tn毎の温度分布情報が格納されている。また、温度分布記憶部47に格納される設置場所毎の温度分布情報Kiは、設置場所における所定時間での温度変化をΔTi、内部空間101a全体での温度変化をΣTiとすると、例えば、下記式1から算出される。
[式1]
Ki=ΔTi/ΣTi
【0068】
また、設置場所記憶部48は、試薬容器24を保冷庫100に設置した際の設置場所T1、T2、T3・・・Tnに関する設置場所情報が格納される。この設置場所情報は、入力部44によってユーザーが入力してもよく、または読取部126が読み取った情報から設置場所情報を算出してもよい。
【0069】
2.生化学分析装置の動作例
次に、上述した構成を有する生化学分析装置1の動作例について図7を参照して説明する。なお、ここでは、容器収容ユニット4における分析動作が完了した後の待機時の動作について説明する。
図7は、容器収容ユニット4の動作を示すフローチャートである。
【0070】
図7に示すように、演算部41は、諸情報を取得する(ステップS11)。諸情報としては、分注動作が完了した際のターンテーブル103の回転角度、試薬容器24に収容された試薬の種類、量や、保冷庫100内における試薬容器24の設置場所情報等である。そして、ターンテーブル103の回転角度に関する情報は、テーブル駆動部104から取得され、試薬の種類及び量に関する情報は、読取部126から取得される。また、試薬容器24の設置場所情報は、設置場所記憶部48から取得される。なお、ステップS11の処理で演算部41は、温度分布記憶部47から設置場所毎の温度分布情報Kiを取得する。
【0071】
次に、演算部41は、設置場所情報から試薬容器24が特定の領域のみに設置されているか否かを判断する(ステップS12)。演算部41は、保冷庫100に設置された試薬容器24の数が図4に示す第1領域A1内で、かつ複数の試薬容器24が第1領域A1内に収まると判断した場合(ステップS12のYES判定)、テーブル駆動部104を駆動させて、ターンテーブル103の動作1を行う(ステップS13)。これにより、容器収容ユニット4における待機時の動作が完了する。
【0072】
ステップS13の処理での動作1としては、複数の試薬容器24が保冷庫100の内部空間101aにおける第1領域A1内に収まるように、ターンテーブル103を回転させることである。これにより、複数の試薬容器24は、保冷庫100における開口窓101d、読取部126やプローブ挿入孔102dから離反した位置で、かつ第2領域B1よりも冷却されやすい第1領域A1に保管される。その結果、試薬容器24に収容された試薬の劣化を低減することができる。
【0073】
また、ステップS12の処理において、演算部41は、複数の試薬容器24が第1領域A1内に収まらないと判断した場合(ステップS12のNO判定)、テーブル駆動部104を駆動させて、ターンテーブル103の動作2を行う(ステップS14)。
【0074】
ステップS14の処理での動作2としては、まず、演算部41は、温度分布記憶部47から取得した設置場所毎の温度分布情報Kiに基づいて、各設置場所で試薬容器24が待機時間中に留まる仮設置時間を算出する。仮設置時間tiは、設置場所毎の温度分布情報Ki、待機時間T、試薬容器24の本数Nとした場合、例えば、下記式2から算出される。
[式2]
ti=Ki×T/N
【0075】
式2から算出される仮設置時間tiは、各設置場所T1、T2、T3、T4・・・Tnごとに算出される。そして、演算部41は、算出した仮設置時間tiに基づいてテーブル駆動部104を駆動させてターンテーブル103を回転させる。
【0076】
これにより、複数の試薬容器24は、内部空間101aにおける温度が相対的に低い第1領域A1と高い第2領域B1に設置されている時間が均等になるように保管される。その結果、複数の試薬容器24の設置条件、すなわち待機時間Tが経過した際における、複数の試薬容器24が保冷庫100から受ける熱量(影響)を均等にすることができ、複数の試薬容器24に収容された試薬の温度ムラを軽減することができる。
【0077】
さらに、温度が第1領域A1よりも高い第2領域B1に試薬容器24が継続して保管されることを防止することができ、試薬容器24に収容された試薬の劣化を低減することができる。
【0078】
なお、ステップS13の処理での動作1及びステップS14の処理の動作2では、演算部41は、温度分布情報Kiに基づいて複数の試薬容器24が保冷庫100から受ける熱量が最小で、かつ均等になる設置場所及び仮設置時間を算出する。これにより、動作1では、第2領域B1よりも温度が低い第1領域A1内において最も温度が低い設置場所で試薬容器24を保管することができる。また、動作2では、複数の試薬容器24における保冷庫100から受ける影響を最小にすることができ、試薬容器24に収容された試薬の劣化をより効果的に低減することができる。
【0079】
また、演算部41は、ステップS14の処理を行ってから一定時間経過すると(ステップS15)、分析動作指示の有無を判断する(ステップS16)。ステップS15の処理における一定時間は、例えば、温度分布情報Kiを算出する際に用いられる所定時間である。
【0080】
ステップS16の処理において、演算部41が分析動作の指示が無いと判断した場合(ステップS16のNO判定)、演算部41は、ステップS14の処理に戻り、再度、複数の試薬容器24が均等な設置条件(保冷庫100から受ける熱量や仮設置時間)となるように、ターンテーブル103を回転させる。
【0081】
また、ステップS16の処理において、演算部41が分析動作の指示が有ると判断した場合(ステップS16のYES判定)、演算部41は、容器収容ユニット4における待機時の動作を終了させる。これにより、容器収容ユニット4の待機時の動作が完了する。
【0082】
なお、ステップS13やステップS14の処理では、試薬容器24に収容された試薬の量や種類に関する情報も考慮して、各設置場所T1、T2、T3、T4・・・Tnでの仮設置時間tiを算出してもよい。これにより、複数の試薬容器24に収容された試薬の温度差をより低減することができる。
【0083】
このように、本例の生化学分析装置1及び容器収容ユニット4によれば、分析動作が完了してから次の分析動作が開始されるまでの待機時間における複数の試薬容器24の設置条件を均等にすることができる。その結果、読取部126やプローブ挿入孔102d等によって保冷庫100の内部空間101aの空気に温度ムラが発生しても、複数の試薬容器24に収容された試薬の温度ムラを低減することができる。さらに、保冷庫100の温度ムラを解消するために送風部等の部材を設ける必要がなく、容器収容ユニット4の部品点数が増加することを防止することができる。
【0084】
また、待機時におけるターンテーブル103の回転数を制御することで、ターンテーブル103が過度に回転し、第1試薬容器24に収容された試薬が過度に空気に触れて、試薬の劣化(変質)が促進されることを防ぐことができる。
【0085】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0086】
上述した実施の形態例では、保冷庫100における設置場所T1、T2、T3、T4・・・Tn毎の温度分布情報Kiの予め算出する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、温度測定部124が測定した温度情報に基づいて、定期的に設置場所T1、T2、T3、T4・・・Tn毎の温度分布情報Kiを更新してもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態例では、テーブル駆動部104の制御を、生化学分析装置1全体を制御する制御装置40の演算部41を用いて行った例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、容器収容ユニット4のみを制御するユニット制御装置を設け、このユニット制御装置によってテーブル駆動部104を制御してもよい。
【0088】
例えば、自動分析装置として、血液や尿の生体試料の分析に用いられる生化学分析装置に適用した例を説明したが、これに限定されるものでなく、水質や、食品等のその他各種の分析を行う装置に適用することができるものである。また、自動分析装置としては、例えば、被検体の抗原抗体反応などの免疫分析を行う免疫分析装置を適用してもよい。
【0089】
さらに、容器収容ユニットとして試薬容器を収容する試薬収容容器ユニットを適用した例を説明したが、これに限定されるものではない。容器収容ユニットとしては、例えば、検体が収容された検体容器を収容する検体容器収容ユニット、希釈された検体が収容された希釈容器を収容する希釈容器収容ユニット、反応容器を収容する反応容器収容ユニット等その他各種の容器を保冷した状態で収容する容器収容ユニットに適用できるものである。
【0090】
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…生化学分析装置(自動分析装置)、 2…サンプルターンテーブル、 3…希釈ターンテーブル、 4…第1試薬容器収容ユニット(容器収容ユニット)、 5…第2試薬容器収容ユニット(容器収容ユニット)、 6…反応ターンテーブル、 7…サンプル希釈ピペット、 12…第1試薬ピペット、 17…保冷機構、 21…検体容器、 22…希釈液容器、 23…希釈容器、 24…第1試薬容器(容器)、 24a…口部、 25…第2試薬容器、 26…反応容器、 40…制御装置(制御部)、 41…演算部、 43…表示部、 44…入力部、 45…インターフェース部、 46…システムバス、 47…温度分布記憶部、 48…設置場所記憶部、 100…保冷庫、 101…筐体、 101a…内部空間、 101b…底面部、 101c…側壁部、 101d…開口窓、 102…蓋体、 102a…上面部、 102b…底面部、 102c…通過凹部、 103…ターンテーブル、 104…テーブル駆動部、 105…冷却部、 111…軸受け部、 113…収納部、 113a…保持枠、 117…透過ガラス、 124…温度測定部、 126…読取部、 A1…第1領域、 B1…第2領域、 T1、T2、T3、T4・・・Tn…設置場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7