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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/16 20060101AFI20220106BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20220106BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B65D39/16
B65D47/06
B65D1/02 213
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018037105
(22)【出願日】2018-03-02
(65)【公開番号】P2019151365
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】前田 健一郎
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128339(JP,A)
【文献】特開2016-159944(JP,A)
【文献】特開2016-101946(JP,A)
【文献】特開2014-189331(JP,A)
【文献】特開2003-112751(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00603978(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/16
B65D 47/06
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延び前記軸周りに雄ねじ部が形成された口部を有し、内容物が充填された容器本体と、
前記口部に同軸で嵌合して装着される中栓と、
前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、前記容器本体に螺着したときに前記口部を密閉するキャップと、を備え、
前記中栓は、前記口部の上端に係合するフランジ部を有し、
前記フランジ部の径方向外側に延出し、前記軸を中心とする周方向に複数設けられた指掛け部と、
前記中栓に設けられ、前記口部と前記周方向に係合可能な第1係合部と、
前記口部に設けられ、前記第1係合部と前記周方向に係合して前記中栓の前記周方向の位置を規制する第2係合部とを有し、
前記第1係合部と前記第2係合部との少なくとも一方は、前記中栓の前記周方向の移動に伴って、前記中栓を前記軸方向への移動に向けて案内する案内部を有し、
前記指掛け部は、前記中栓が前記口部に同軸で嵌合して装着されたときに前記雄ねじ部よりも前記上端側に形成されているとともに、前記雄ねじ部を前記軸周りに延長した延長領域の内部に配置されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記中栓は、前記口部の内側に挿入される筒状部を有し、
前記第1係合部は、前記筒状部の外周面から前記径方向外側に突出する係合凸部の前記周方向両側の側面を含み、
前記第2係合部は、前記口部の内周面から前記径方向外側に窪む係合凹部の前記周方向両側の側面を含み、
前記案内部は、前記係合凹部の前記側面を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記係合凸部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置された第1係合凸部と第2係合凸部とを含み、
前記係合凹部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置され前記第1係合凸部と係合する第1係合凹部と、前記第2係合凸部と係合する第2係合凹部とを含むことを特徴とする請求項2記載の容器。
【請求項4】
前記周方向に関して、前記第1係合凸部の最大長さは、前記第2係合凹部の最大長さよりも長いことを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記第1係合凸部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、第1変化率で前記周方向の中央に向かい、
前記第1係合凹部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、第1変化率よりも小さな第2変化率で前記周方向の中央に向かい、
前記第2係合凸部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、前記第1変化率で前記周方向の中央に向かい、
前記第2係合凹部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、前記第2変化率で前記周方向の中央に向かうことを特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記第1係合凸部、前記第1係合凹部、前記第2係合凸部及び前記第2係合凹部の前記側面は、前記径方向視で曲率中心が上側に配置された円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の容器。
【請求項7】
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部は、少なくとも前記複数の指掛け部の数の条数で形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項8】
前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部は、二条ねじであり、
前記指掛け部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置されていることを特徴とする請求項記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体洗剤、液体漂白剤、液体柔軟剤、溶剤等の液状物や、粒状洗剤、粒状漂白剤、粒状調味料等の粉粒物を収納する容器では、ノズル部を有しボトル(容器本体)に装着される中栓と、ノズル部から注出される内容物を計量する計量筒部を有し、中栓または容器本体に着脱自在に装着されるキャップとを有するものがある。
【0003】
内容物を注出するノズル部を有する容器では、詰め替え容器から容器本体内への内容物の補充はノズル部を介して行われており、補充の際の注ぎにくさが指摘されてきた。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、ノズル状部材を中栓と別体に形成して、ノズル状部材を中栓周壁内へ着脱自在に嵌合させた容器が開示されている。特許文献1及び特許文献2に記載された容器では、内容物の補充時に、中栓からノズル状部材を取外して中栓の開口部を広くすることにより、パウチのノズルが差し込みやすくなって内容物がこぼれることを抑えることができるとともに、内容物の補充作業を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-126225号公報
【文献】特開2000-142760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1及び特許文献2のような容器では、中栓からノズル状部材を取外す際に、内容物によって濡れているノズル状部材に直接触れなければならないため、内容物が手に付着してしまう虞がある。
また、ノズル状部材と中栓とが一体で形成されている容器の場合には、ノズル部の向きが注出に適する方向になるように容器本体に対してノズル部付き中栓を打栓により固定しているものが多い。そのため、内容物の補充時に容器本体からノズル部付き中栓を取り外し、さらに内容物の補充後に中栓を容器本体に装着するには、内容物によって濡れている中栓に触れる必要がある。また、中栓の取り外しは、打栓による嵌合力以上の引抜力を要する作業となるため容易に取り外すことが可能ではなかった。
【0007】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、内容物が手に付着することなく、容器本体に対する中栓の取り外し及び装着が容易に行える容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に従えば、軸方向に延び前記軸周りに雄ねじ部が形成された口部を有し、内容物が充填された容器本体と、前記口部に同軸で嵌合して装着される中栓と、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し、前記容器本体に螺着したときに前記口部を密閉するキャップと、を備え、前記中栓は、前記口部の上端に係合するフランジ部を有し、前記フランジ部の径方向外側に延出し、前記軸を中心とする周方向に複数設けられた指掛け部と、前記中栓に設けられ、前記口部と前記周方向に係合可能な第1係合部と、前記口部に設けられ、前記第1係合部と前記周方向に係合して前記中栓の前記周方向の位置を規制する第2係合部とを有し、前記第1係合部と前記第2係合部との少なくとも一方は、前記中栓の前記周方向の移動に伴って、前記中栓を前記軸方向への移動に向けて案内する案内部を有することを特徴とする容器が提供される。
【0009】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記中栓は、前記口部の内側に挿入される筒状部を有し、前記第1係合部は、前記筒状部の外周面から前記径方向外側に突出する係合凸部の前記周方向両側の側面を含み、前記第2係合部は、前記口部の内周面から前記径方向外側に窪む係合凹部の前記周方向両側の側面を含むことを特徴とする。
【0010】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記係合凸部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置された第1係合凸部と第2係合凸部とを含み、前記係合凹部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置され前記第1係合凸部と係合する第1係合凹部と、前記第2係合凸部と係合する第2係合凹部とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記周方向に関して、前記第1係合凸部の最大長さは、前記第2係合凹部の最大長さよりも長いことを特徴とする。
【0012】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記第1係合凸部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、第1変化率で前記周方向の中央に向かい、前記第1係合凹部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、第1変化率よりも小さな第2変化率で前記周方向の中央に向かい、前記第2係合凸部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、前記第1変化率で前記周方向の中央に向かい、前記第2係合凹部は、前記周方向両側の側面が、それぞれ下方に向かうに従って、前記第2変化率で前記周方向の中央に向かうことを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記第1係合凸部、前記第1係合凹部、前記第2係合凸部及び前記第2係合凹部の前記側面は、前記径方向視で曲率中心が上側に配置された円弧形状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記指掛け部は、前記中栓が前記口部に同軸で嵌合して装着されたときに前記雄ねじ部よりも前記上端側に形成されているとともに、前記雄ねじ部を前記軸周りに延長した延長領域の内部に配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部は、少なくとも前記複数の指掛け部の数の条数で形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、上記本発明の一態様に係る容器において、前記雄ねじ部及び前記雌ねじ部は、二条ねじであり、前記指掛け部は、前記軸を挟んだ前記径方向両側に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、内容物が手に付着することなく、容器本体に対する中栓の取り外し及び装着が容易に行える容器を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る計量キャップ付き容器1の正立状態の頂部の縦断面図である。
図2】中栓6の外観斜視図である。
図3】中栓6の平面図である。
図4】軸線Cを通るYZ平面と平行な面で容器本体2を切断した部分断面図である。
図5】雄ねじ部3a及びフランジ部32を軸線C周り(θZ方向)に展開した図である。
図6】中栓6を+Y側から視た正面図である。
図7】中栓6を-Y側から視た正面図である。
図8】容器本体2の外観斜視図である。
図9】軸線Cから+Y側の内周面3bを視た図である。
図10】軸線Cから-Y側の内周面3bを視た図である。
図11】第1係合凸部21が第1係合凹部61に挿入された状態を径方向内側から視た図である。
図12】第2係合凸部22が第2係合凹部62に挿入された状態を径方向内側から視た図である。
図13】中栓6を容器本体2に脱着する手順を説明するための図である。
図14】中栓6を容器本体2に脱着する手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の容器の実施の形態を、図1ないし図14を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0020】
図1は、計量キャップ付き容器(容器)1の正立状態の頂部の縦断面図である。計量キャップ付き容器1は、内容物を収容する容器本体2と、容器本体2における頂部に位置する口部3の外側(外周側)に着脱可能に装着される計量キャップ(キャップ)4と、口部3に装着される中栓6とを備えている。
【0021】
容器本体2は、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いたブロー成型により一体形成されている。容器本体2は、内容物として、例えば、液体洗剤、液体漂白剤、液体柔軟剤、溶剤等の液状物や、粒状洗剤、粒状漂白剤、粒状調味料等の粉粒物を収容するための収容空間2aを有している。容器本体2の口部3は、上下方向に延びる軸線(軸)Cを中心とする円筒状に形成されている。口部3は、収容空間2aを上方に向けて開放している。口部3の外周には、軸線C周りに雄ねじ部3aが形成されている。本実施形態における雄ねじ部3aは、多条ねじ、具体的には2条ねじで形成されている(詳細は後述する)。
【0022】
以下の説明では、軸線Cに沿った方向を中心軸方向、軸線Cに直交する方向を径方向、軸線Cを中心とする軸周り方向を周方向と適宜称する。また、中心軸方向における口部3の開放側を上側(上方)、口部3のボトル内方側を下側(下方)と適宜称する。また、中心軸方向をZ方向とし、図1中、左右方向をX方向とし、Z方向及びX方向と直交する方向(図1中、紙面と直交する方向)をY方向として適宜説明する。
【0023】
計量キャップ4は、例えばポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により形成されている。計量キャップ4は、有蓋円筒状の計量部41と、計量部41の軸線方向中間部の径方向外側に離間して設けられる円筒状の外筒部42と、外筒部42の上方側の端部から径方向内側に延びて計量部41の外周面に接続されるフランジ部43とを有している。
【0024】
計量キャップ4は、透明又は半透明に構成されており、計量部41の開口部を上方に向けた状態で注入した洗剤等の内容物と、計量部41の外周面あるいは内周面に刻印又は印字等により記された計量目盛(図示せず)との相対位置を外方から視認可能である。計量部41の上面は、XY平面と平行であり、計量部41の開口部を上方に向けた状態で安定して載置することが可能である。
【0025】
外筒部42の内周面には、口部3の雄ねじ部3aと螺合する雌ねじ部42aが形成されている。雌ねじ部42aは、多条ねじ、具体的には2条ねじで形成されている。
【0026】
中栓6は、口部3に対して周方向に位置決めして装着されている。中栓6は、例えば、ポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により形成されている。中栓6は、軸線Cに沿って延びる筒状部31、筒状部31の上方側の端部から径方向外側に張り出す環状のフランジ部32、筒状部31の底部に設けられた底壁部33、及び底壁部33から上方に突出するノズル部34を備えている。
【0027】
底壁部33は、下方に凸の略V字状に形成されている。ノズル部34は、V字状の底壁部33の一方の傾斜面から上方に延びている。中栓6が周方向に関して、図1に示す所定位置(以下、基準位置と称する)に位置決めされたときに、ノズル部34は、平面視で+X側に開口するU字状の断面形状を有する樋状に形成されている(図3参照)。基準位置において、ノズル部34は、軸線Cに対して-X側に偏って配置されている。断面U字状をなすノズル部34の内部は、底壁部33に形成された連通部36によって、容器本体2の収容空間2aと連通している。
【0028】
筒状部31は、嵌合部37及び縮径部38を有している。嵌合部37は、筒状部31における上方側に配置されている。嵌合部37は、口部3の内周面3bと嵌合している。縮径部38は、嵌合部37の下側に配置されている。縮径部38は、嵌合部37の下端から下方に向かうに従って先細る。
【0029】
フランジ部32は、筒状部31が口部3の内側に挿入されたときに、口部3の上端に上方から係合する。本実施形態のフランジ部32の最大外径は、口部3の外径よりも大きく形成されている。
【0030】
図2は、中栓6の外観斜視図である。図3は、中栓6の平面図である。
図2及び図3に示すように、フランジ部32は、径方向外側に延出する複数(本実施形態では二つ)の指掛け部11、12を有している。指掛け部11、12は、軸線Cを挟んだ径方向両側に配置されている。本実施形態では、指掛け部11は、Y軸上でX軸から90°の位置に配置されている。指掛け部12は、X軸から-90°の位置に配置されている。
【0031】
指掛け部11、12は、フランジ部32の外周面から略同一の突出量で突出している。各指掛け部11、12は、Z方向視において周方向中央部が最大突出部で、当該最大突出部の周方向両側は当該最大突出部を通りフランジ部32の外周面に接する円弧状の曲面に形成されている。当該曲面の曲率中心は、フランジ部32の外周面よりも径方向外側に配置されている。従って、指掛け部11、12を構成する曲面は、径方向で最大突出部に向かうに従って、接線とY軸との交差角度のうち、小さい方の交差角度が漸次小さくなる。
【0032】
すなわち、指掛け部11、12は、各指掛け部11、12に手指を掛けて周方向に力を付与した際に、力が掛かる方向に対する接線の交差角度が最大突出部において最も90°(直角)に近くなる。そのため、各指掛け部11、12を介して周方向に加えた力(偶力)を効果的に中栓6に伝達させやすくなる。
【0033】
指掛け部11、12の周方向の長さは、略同一である。図4は、軸線Cを通るYZ平面と平行な面で容器本体2を切断した部分断面図である。図4においては、中栓6を二点鎖線で示している。なお、指掛け部11は、指掛け部12に対して配置される位置のみが異なるため、以下では、指掛け部12を代表的に説明する場合がある。
【0034】
図4に示すように、指掛け部12は、雄ねじ部3aよりも上側に配置されている。指掛け部12は、口部3の外周面よりも径方向外側に突出している。指掛け部12が径方向外側に延出する長さは、雄ねじ部3aにおける径方向で最も外側の位置を越えない範囲で形成されている。より詳細には、指掛け部12は、計量キャップ4の雌ねじ部42aと容器本体3の雄ねじ部3aとの螺合を阻害しない範囲に形成されている。具体的には、指掛け部12は、雄ねじ部3aを軸線C周りに延長した延長領域の内部に配置されている。
【0035】
図5は、雄ねじ部3a及びフランジ部32を軸線C周り(θZ方向)に展開した図である。図5における横軸は、X軸を0°として表示されている。
図5に示すように、雄ねじ部3aは、第1雄ねじ51と第2雄ねじ52とを有する2条ねじである。第1雄ねじ51と第2雄ねじ52とは、位相が180°ずれて配置されている。
【0036】
第1雄ねじ51を+Z側に延長した延長領域51aとフランジ部32とが交差する位置に指掛け部11が配置されている。指掛け部11は、延長領域51aの内部に配置されている。内部に配置されているとは、延長領域51aを超えた領域にはなく、延長領域51aの境界と接する場合も含まれる。指掛け部11は、周方向に沿って配置されている。
【0037】
第2雄ねじ52を+Z側に延長した延長領域52aとフランジ部32とが交差する位置に指掛け部12が配置されている。指掛け部12は、延長領域52aの内部に配置されている。内部に配置されているとは、延長領域52aを超えた領域にはなく、延長領域52aの境界と接する場合も含まれる。指掛け部12は、周方向に沿って配置されている。
【0038】
指掛け部11が延長領域51aの内部に配置され、指掛け部12が延長領域52aの内部に配置されていることにより、指掛け部11、12は、計量キャップ4の雌ねじ部42aとの螺合に関して、第1雄ねじ51及び第2雄ねじ52の一部として機能する。
【0039】
図2に戻り、中栓6と口部3とは、中栓6に設けられた第1係合部20と口部3に設けられた第2係合部60とが周方向に係合することにより、中栓6は周方向の位置が規制される。第1係合部20は、筒状部31に径方向外側に突出して設けられた係合凸部である。第1係合部20は、第1係合凸部21と第2係合凸部22とから構成されている。
【0040】
第1係合凸部21と第2係合凸部22とは、図3に示すように、軸線Cを挟んで逆側に配置されている。本実施形態では、第1係合凸部21は、+Y側の位置でX軸から90°の位置に配置されている。第2係合凸部22は、-Y側の位置でX軸から-90°の位置に配置されている。
【0041】
図6は、中栓6を+Y側から視た正面図である。図7は、中栓6を-Y側から視た正面図である。
図6に示すように、第1係合凸部21は、筒状部31における嵌合部37の下端から-Z側に延びている。第1係合凸部21の外径は、嵌合部37の外径と同径である。第1係合凸部21の周方向の両側の側面21aは、曲率中心が上側に配置され、それぞれ下方に向かうに従って第1係合凸部21の周方向中央に向かう円弧形状に形成されている。両側の側面21aの下端同士は、水平面と平行な平面21bで接続されている。
【0042】
図7に示すように、第2係合凸部22は、筒状部31における嵌合部37の下端から-Z側に延びている。第2係合凸部22の外径は、嵌合部37の外径と同径である。第2係合凸部22の周方向の両側の側面22aは、曲率中心が上側に配置され、それぞれ下方に向かうに従って第2係合凸部22の周方向中央に向かう円弧形状に形成されている。第1係合凸部21の下端と、第2係合凸部22の下端とは、Z方向の位置が同一である。第1係合凸部21の側面21aの大きさ及び第2係合凸部22の側面22aの大きさについては、後述する。
【0043】
図8は、容器本体2の外観斜視図である。
図4及び図8に示されるように、第2係合部60は、口部3の内周面3bから径方向外側に窪んで形成された係合凹部である。第2係合部60は、第1係合凹部61と第2係合凹部62とから構成されている。
【0044】
第1係合凹部61と第2係合凹部62とは、軸線Cを挟んで逆側に配置されている。本実施形態では、第1係合凹部61は、+Y側の位置でX軸から90°の位置に配置されている。第2係合凹部62は、-Y側の位置でX軸から-90°の位置に配置されている。すなわち、周方向において、第1係合凹部61は指掛け部11と同一位置に配置され、第2係合凹部62は指掛け部12と同一位置に配置されている。
【0045】
第1係合凹部61は、中栓6が基準位置にあるときに、第1係合凸部21と径方向に対向して配置されている。第1係合凹部61の径方向外側の面は、図4に二点鎖線で示す第1係合凸部21の径方向外側の面に対して、径方向において同一または径方向外側の位置に配置されている。図9は、軸線Cから+Y側の内周面3bを視た図である。第1係合凹部61は、上側が開口している。第1係合凹部61の周方向の両側の側面(案内部)61aは、曲率中心が上側に配置され、それぞれ下方に向かうに従って第1係合凹部61の周方向中央に向かう円弧形状に形成されている。両側の側面61aの下端同士は、水平面と平行な平面61bで接続されている。中栓6の第1係合凸部21は、上方から第1係合凹部61に挿入され周方向に係合することにより口部3に対して周方向の位置が規制される。
【0046】
第2係合凹部62は、中栓6が基準位置にあるときに、第2係合凸部22と径方向に対向して配置されている。第2係合凹部62の径方向外側の面は、図4に二点鎖線で示す第2係合凸部22の径方向外側の面に対して、径方向において同一または径方向外側の位置に配置されている。図10は、軸線Cから-Y側の内周面3bを視た図である。第2係合凹部62は、上側が開口している。第2係合凹部62の周方向の両側の側面(案内部)62aは、曲率中心が上側に配置され、それぞれ下方に向かうに従って第2係合凹部62の周方向中央に向かう円弧形状に形成されている。第1係合凹部61の下端と、第2係合凹部62の下端とは、Z方向の位置が同一である。中栓6の第2係合凸部22は、上方から第2係合凹部62に挿入され周方向に係合することにより口部3に対して周方向の位置が規制される。
【0047】
図11は、第1係合凸部21が第1係合凹部61に挿入された状態を径方向内側から視た図である。図11に示されるように、第1係合凸部21の-Z側への最大突出量h1は、第1係合凹部61のZ方向の最大窪み量D1と略同一である。第1係合凸部21の周方向の両側の側面21aは、半径r1の円弧形状に形成されている。第1係合凹部61の周方向の両側の側面61aは、第1係合凸部21の側面21aの曲率(第1変化率)よりも小さな曲率(第2変化率)の半径r2の円弧形状に形成されている。
【0048】
図12は、第2係合凸部22が第2係合凹部62に挿入された状態を径方向内側から視た図である。図12に示されるように、第2係合凸部22の-Z側への最大突出量h2は、第2係合凹部62のZ方向の最大窪み量D2と略同一である。また、第2係合凸部22の-Z側への最大突出量h2は、第1係合凸部21の-Z側への最大突出量h1と同一である。第2係合凸部22の周方向の両側の側面22aは、半径r3の円弧形状に形成されている。側面22aの曲率は、側面21aの曲率と同一であり、側面22aの半径r3は、側面21aの半径r1と同一である。第2係合凹部62の周方向の両側の側面62aは、第1係合凹部61の側面61aの半径r2と同一の曲率の半径r4の円弧形状に形成されている。つまり、側面62aの半径r4は、側面61aの半径r2と同一である。
【0049】
周方向に関して、第1係合凸部21の最大長さL1と第1係合凹部61の最大長さL2との差は、第2係合凸部22の最大長さL3と第2係合凹部62の最大長さL4との差と同一に設定されている。上記の差が同一であることにより、第1係合凸部21が口部3の上面から第1係合凹部61に挿入されるまでの軌跡と、第2係合凸部22が口部3の上面から第2係合凹部62に挿入されるまでの軌跡とを同一にできる。
【0050】
また、第1係合凸部21における両側の側面21aの下端同士を接続する平面21bの周方向の長さと、第1係合凹部61における両側の側面61aの下端同士を接続する平面61bの周方向の長さとは同一である。また、第2係合凸部22における両側の側面22aの下端同士は、第2係合凸部22の周方向中央部で接続され、第2係合凹部62における両側の側面62aの下端同士は、第2係合凹部62の周方向中央部で接続されている。
【0051】
従って、図11に示すように、第1係合凸部21が第1係合凹部61に挿入されて周方向の位置が規制され、図12に示すように、第2係合凸部22が第2係合凹部62に挿入されて周方向の位置が規制された状態から中栓6を周方向に移動(回転)させた場合に、第1係合凹部61に案内されて第1係合凸部21が上方へ向かう軌跡と、第2係合凹部62に案内されて第2係合凸部22が上方へ向かう軌跡とを同一にできる。
【0052】
また、周方向に関して、第1係合凸部21の最大長さL1は、第2係合凹部62の最大長さL4よりも長い。従って、第1係合凸部21は、第2係合凹部62に対して挿入不能であり、第1係合凹部61に対してのみ挿入可能である。
【0053】
次に、上記構成の計量キャップ付き容器1において、中栓6を口部3(容器本体)に対して脱着する手順について、図4図11乃至図14を参照して説明する。
図4に示されるように、指掛け部11、12は、雄ねじ部3aを延長した領域内に配置された状態でフランジ部32から径方向外側に突出している。
【0054】
また、筒状部31から径方向外側突出する第1係合凸部21が第1係合凹部61に挿入され、筒状部31から径方向外側突出する第2係合凸部22が第2係合凹部62に挿入され、図11及び図12に示したように、それぞれ周方向の移動が規制されることにより、中栓6は、容器本体2に対して周方向に位置決めされている。
【0055】
このように、周方向に位置決めされた状態で中栓6が口部3に装着された容器本体2に対して、図1に示した初期状態から、雌ねじ部42aが雄ねじ部3aと螺合した計量キャップ4を左回転させながら上方に引き上げる。計量キャップ4の回転が進み計量キャップ4が上方へ移動すると、雌ねじ部42aと雄ねじ部3aとの螺合が解除される。このとき、雌ねじ部42aは、指掛け部11、12のみと螺合している。
【0056】
さらに、計量キャップ4の回転が進むと、雌ねじ部42aと指掛け部11、12との螺合が解除される。指掛け部11、12は、雄ねじ部3aの延長領域51a、52aに配置されているため、計量キャップ4を容器本体2に対して円滑に取り外すことができる。
【0057】
容器本体2から計量キャップ4が取り外され中栓6が露出すると、中栓6の指掛け部11、12に手指を掛けて中栓6を周方向に回転させる。回転方向としては、左回転または右回転のどちらでもよい。中栓6が、例えば、右回転して周方向に移動すると、中栓6の移動に伴って第1係合凸部21の側面21aが第1係合凹部61の側面61aに沿って移動して上側に向けて案内されるとともに、第2係合凸部22の側面22aが第2係合凹部62の側面62aに沿って移動して上側に向けて案内される。これら第1係合凸部21及び第2係合凸部22の移動は同じタイミング、且つ、同一軌跡で行われる。
【0058】
これにより、図13及び図14に示すように、中栓6は、口部3に対して上側(+Z側)に移動する。このように、中栓6が周方向への移動に伴って上側に移動すると、指掛け部11、12を摘んでいる手指を上方へ移動させることにより、中栓6を口部3(容器本体2)から取り外すことができる。
【0059】
指掛け部11、12は、軸線Cを挟んだ180°間隔で配置されているため、中栓6が傾くことなくバランスがとれた状態で取り外すことができる。また、指掛け部11、12は、中栓6のフランジ部32から径方向外側に突出して設けられているため、指掛け部11、12に掛けている手指に内容物が手に付着することなく中栓6を口部3から離脱させることが可能である。
【0060】
中栓6が取り外され口部3が開口すると、例えば、詰め替え容器から口部3を介して容器本体2内へ内容物を補充することが可能になる。口部3の開口は、ノズル34及び連通部36に対して大径であるため、内容物の補充は容易、且つ、迅速に実施することができる。
【0061】
次に、取り外された中栓6を容器本体2に装着する手順について説明する。
手指で指掛け部11、12を摘んだ中栓6を、底壁部33から口部3の開口部に挿入するとともに、第1係合凸部21、第2係合凸部22を第1係合凹部61、第2係合凹部62にそれぞれ挿入する。このとき、指掛け部11の周方向の位置は第1係合凸部21と同一であり、指掛け部12の周方向の位置は第2係合凸部22と同一であるため、手指及び指掛け部11、12の位置を指標として、第1係合凹部61、第2係合凹部62への第1係合凸部21、第2係合凸部22の挿入を容易に行うことができる。
【0062】
また、周方向に関して、第1係合凸部21の最大長さL1が、第2係合凹部62の最大長さL4よりも長く、第1係合凸部21が第2係合凹部62に挿入不能であるため、第1係合凸部21が第2係合凹部62に挿入され、第2係合凸部22が第1係合凹部61に挿入される誤組を回避できる。
【0063】
なお、第1係合凸部21を第1係合凹部61に挿入し、第2係合凸部22を第2係合凹部62に挿入する際には、図13及び図14に示したように、第1係合凸部21及び第2係合凸部22に対して周方向の位置がずれて口部3の上面から第1係合凹部61の側面61a及び第2係合凹部62の側面62aを摺動させる場合があることが想定される。
【0064】
この場合、第1係合凸部21の最大長さL1と第1係合凹部61の最大長さL2との差が、第2係合凸部22の最大長さL3と第2係合凹部62の最大長さL4との差と同一であり、また、第1係合凸部21における側面21aの半径r1と、第2係合凸部22における側面22aの半径r3とが同一であり、さらに、第1係合凹部61における側面61aの半径r2と、第2係合凹部62における側面62aの半径r4とが同一であるため、第1係合凸部21による口部3の上面から図11に示した第1係合凹部61の所定位置までの移動と、第2係合凸部22による口部3の上面から図12に示した第2係合凹部62の所定位置までの移動とは、同一のタイミング及び同一の移動軌跡で行われる。そのため、移動のタイミング及び移動軌跡の少なくとも一方が異なった場合に、中栓6が傾いて口部3への挿入に支障を来す等の不具合が生じることを防ぐことができる。
【0065】
第1係合凸部21を第1係合凹部61に挿入し、第2係合凸部22を第2係合凹部62に挿入すると、指掛け部11、12を介して中栓6を下方に押し込み嵌合部37を口部3の内周面3bに嵌合させる。これにより、中栓6は、容器本体2(口部3)に装着される。
【0066】
中栓6が容器本体2(口部3)に装着されると、計量キャップ4を右回転して計量キャップ4における雌ねじ部42aと指掛け部11、12とを螺合させる。計量キャップ4の回転が進み計量キャップ4が下方へ移動すると、雌ねじ部42aが口部3の雄ねじ部3aと螺合する。このとき、計量キャップ4は、雄ねじ部3aの延長領域51a、52aに配置された指掛け部11、12に螺合した状態で回転するため、雌ねじ部42aは円滑に雄ねじ部3aと螺合する。そして、さらに計量キャップ4を回転して上方から容器本体2(口部3)に係合させることにより図1に示した初期状態とすることができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、中栓6におけるフランジ部32の径方向外側に、指掛け部11、12が設けられており、口部3に対する中栓6の周方向の移動に伴って、中栓6の第1係合凸部21及び第2係合凸部22が側面61a及び側面62aによって上側に向けて案内されるため、手指に内容物が付着することなく中栓6を上側に移動させて取り外すことが容易になる。
【0068】
また、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、指掛け部11、12が雄ねじ部3aの延長領域51a、52aの外部に突出せず内部に配置されているため、指掛け部11、12がフランジ部32の径方向外側に突出していても、容器本体2に対する計量キャップ4の取り付け・取り外しに支障を来すことを回避できる。
【0069】
また、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、雄ねじ部3aが多条ねじで形成されているため、複数の指掛け部11、12を設けることが可能になっている。そのため、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、指掛け部11、12を周方向に等間隔で複数配置可能となり、指掛け部11、12を介して中栓6にバランス良く偶力を付与しやすくなる。
【0070】
また、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、中栓6に設けられた第1係合凸部21及び第2係合凸部22が、口部3に設けられた第1係合凹部61及び第2係合凹部62にそれぞれ挿入されることにより、容器本体2に対して中栓6を周方向に容易に位置決めすることができ、例えば、ノズル部34の開口が周方向の所定位置とは異なる位置に配置されることを防止できる。さらに、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、周方向に関して、第1係合凸部21の最大長さL1が第2係合凹部62の最大長さL4よりも長いため、第1係合凸部21が第2係合凹部62に挿入されない。そのため、本実施形態では、第1係合凸部21が第2係合凹部62に挿入され、第2係合凸部22が第1係合凹部61に挿入される誤組を回避できる。
【0071】
加えて、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、第1係合凸部21の最大長さL1と第1係合凹部61の最大長さL2との差が、第2係合凸部22の最大長さL3と第2係合凹部62の最大長さL4との差と同一であり、また、第1係合凸部21における側面21aの半径r1と、第2係合凸部22における側面22aの半径r3とが同一であり、さらに、第1係合凹部61における側面61aの半径r2と、第2係合凹部62における側面62aの半径r4とが同一である。そのため、中栓6の取り外し時には、中栓6を周方向に移動(回転)させた場合に、第1係合凹部61に案内されて第1係合凸部21が上方へ向かう軌跡と、第2係合凹部62に案内されて第2係合凸部22が上方へ向かう軌跡とを同一にできる。また、中栓6の取り付け時には、第1係合凸部21による口部3の上面から第1係合凹部61の所定位置までの移動と、第2係合凸部22による口部3の上面から第2係合凹部62の所定位置までの移動とを、同一のタイミング及び同一の移動軌跡とすることができる。
【0072】
そのため、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、中栓6の取り外し、取り付けの双方で中栓6のZ方向の移動時に中栓6が傾く等の不具合が生じることを防ぐことができる。また、本実施形態の計量キャップ付き容器1では、第1係合凹部61の側面61a及び第2係合凹部62の側面62aについて、曲率中心が上側に配置された円弧形状に形成されているため、第1係合凸部21及び第2係合凸部22をそれぞれ滑らかに案内することができる。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、中栓6に第1係合凸部21及び第2係合凸部22を設け、口部3に第1係合凹部61及び第2係合凹部62を設ける構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、係合凸部(第1係合凸部及び第2係合凸部)を口部3に設け、係合凹部(第1係合凹部及び第2係合凹部)を中栓6に設ける構成であってもよい。
この構成を採る場合、筒状部31の厚さが係合凹部において薄くなるため、係合凹部を配置した領域において筒状部31の径方向内側の内部空間に突出する凸部を設けることが好ましい。この場合、中栓6における内容物の受け空間が凸部によって減少するため、上述したように、中栓6に第1係合凸部21及び第2係合凸部22を設け、口部3に第1係合凹部61及び第2係合凹部62を設ける構成を採ることが好ましい。
【0075】
また、上記実施形態では、雄ねじ部3aが2条ねじで形成され、指掛け部が2箇所配置される構成を例示したが、指掛け部の数に応じて3条以上の多条ねじで形成される構成であってもよい。雄ねじ部3aの条数は、指掛け部の数以上であればよい。雄ねじ部3aの条数が指掛け部の数よりも多い場合には、雄ねじ部3aの条数が指掛け部の数の整数倍であれば、周方向に等間隔で指掛け部を配置することができ、中栓6にバランスよく偶力を付与して回転させる点から好ましい。
【0076】
また、上記実施形態では、指掛け部11、12が周方向に延びる構成を例示したが、この構成に限定されず、延長領域51a、52aの内部に配置されていれば他の形状であってもよい。指掛け部11、12としては、例えば、雄ねじ部3aのリード角で傾斜している構成であってもよい。この場合、指掛け部11、12を長くすることができ、中栓6に力を掛けやすくなる。また、指掛け部11、12の形状としては、雄ねじ部3aの延長流域51a、52aの内部に配置されていれば、柱状、筒状等、他の形状であってもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、第1係合凸部21の側面21a、第2係合凸部22の側面22a、第1係合凹部61の側面61a及び第2係合凹部62の側面62aを径方向視で円弧形状である構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば、第1係合凸部21の側面21a及び第2係合凸部22の側面22aが、下方に向かうに従って、一定の割合(第1変化率、第1勾配)で周方向の中央に向かって傾斜する平面状の傾斜面で形成され、第1係合凹部61の側面61a及び第2係合凹部62の側面62aが、下方に向かうに従って、側面21a及び側面22aの第1勾配よりも小さな変化率(第2変化率、第2勾配)で周方向の中央に向かって傾斜する平面状の傾斜面で形成される構成であってもよい。この構成を採った場合にも誤組を回避するために、第1係合凸部21の周方向の最大幅は、第2係合凹部62の周方向の最大幅よりも大きいことが好ましい。
【符号の説明】
【0078】
1…計量キャップ付き容器(容器)、 2…容器本体、 3…口部、 3a…雄ねじ部、 3b…内周面、 4…計量キャップ(キャップ)、 6…中栓、 11、12…指掛け部、 20…第1係合部、 21…第1係合凸部、 21a、22a…側面、 22…第2係合凸部、 31…筒状部、 32…フランジ部、 42a…雌ねじ部、 51a、52a…延長領域、 60…第2係合部、 61…第1係合凹部、 61a、62a…側面(案内部)、 62…第2係合凹部、 C…軸線(軸)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14