(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】駐車装置及びゲート
(51)【国際特許分類】
E04H 6/42 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
E04H6/42 Z
(21)【出願番号】P 2018045115
(22)【出願日】2018-03-13
【審査請求日】2020-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】三浦 学
(72)【発明者】
【氏名】加藤 文平
【審査官】新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-150922(JP,A)
【文献】中国実用新案第206143679(CN,U)
【文献】特開2010-047925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 - 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のパレットと第2のパレットとを含む複数のパレットと、
入出庫口に備えられ
、少なくとも第1のフレームと第2のフレームとを備えたゲートと、
前記第1のパレットを特定するための情報を受け付けると、前記第1のパレットを入出庫口に移動し、前記ゲート
のうち前記第1のフレームを第3の高さに移動させ前記第2のフレームを第1の高さに移動させ、前記第2のパレットを特定するための情報を受け付けると、前記第2のパレットを入出庫口に移動し、前記ゲート
のうち前記第1のフレームを前記第3の高さに移動させ前記第2のフレームを前記第1の高さよりも低い第2の高さに移動させる制御装置と、
前記第1のフレームに接続され、前記第1のフレームを昇降する昇降部材と、
前記第1のフレームを前記第3の高さに移動したときに前記第2のフレームを前記第1の高さに支持するための第1の支持部と、
前記第1の支持部の下方にあり、前記第1のフレームを前記第3の高さに移動したときに前記第2のフレームを前記第2の高さに支持するための第2の支持部と、
を備える駐車装置。
【請求項2】
前記第2のフレームは、前記第1のフレームに囲まれ前記第1のフレームに沿って上下方向にスライドする請求項
1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記第3の高さは、前記第1の高さと同じか、それよりも高い請求項
1又は請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記第2のフレームは、前記第1のフレームを前記第3の高さに移動したときに前記第2の支持部に支持されて前記第2の高さまで移動する請求項
1ないし
請求項3のいずれか1項に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記第1の支持部は、前記第2のフレームの移動範囲内と前記第2のフレームの移動範囲外とに切り替え可能に構成されている請求項
1ないし請求項4
のいずれか1項に記載の駐車装置。
【請求項6】
少なくとも第1のパレットと第2のパレットとを含む複数のパレットと、
入出庫口に備えられ、少なくとも第1のフレームと第2のフレームとを備えたゲートと、
前記第1のパレットを特定するための情報を受け付けると、前記第1のパレットを入出庫口に移動し、前記ゲートのうち前記第1のフレームを第3の高さに移動させ前記第2のフレームを第1の高さに移動させ、前記第2のパレットを特定するための情報を受け付けると、前記第2のパレットを入出庫口に移動し、前記ゲートのうち前記第1のフレームを前記第3の高さに移動させ前記第2のフレームを前記第1の高さよりも低い第2の高さに移動させることにより前記ゲートを閉状態から開状態にする制御装置と、を備え、
前記ゲートが閉状態における前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間の第1の距離は、前記第3の高さと前記第1の高さとの間の第2の距離よりも小さい、
駐車装置。
【請求項7】
前記第2のフレームの横幅が、入出庫口に移動したときの前記第2のパレットの横幅以下である請求項
1ないし請求項
6のいずれか1項に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記第2のフレームの全部が、入出庫口に移動したときの前記第2のパレットの上方にある請求項
1ないし請求項
7のいずれか1項に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記第1のパレットの番号と前記第1の高さ、前記第2のパレットの番号と前記第2の高さとを関連付けたテーブルに基づいて、前記ゲートを移動させる請求項1ないし請求項
8のいずれか1項に記載の駐車装置。
【請求項10】
第1のフレームと、
前記第1のフレームの内側にある第1の支持部と、
前記第1のフレームの内側にあり、前記第1の支持部の下方にある第2の支持部と、
前記第1のフレームに囲まれ前記第1のフレームに沿ってスライドする第2のフレーム
と、
を備え、
前記第1の支持部は、前記第2のフレームの移動範囲内と前記第2のフレームの移動範囲外とに切り替え可能に構成され、
前記第2の支持部は、前記第2のフレームの移動範囲の一方を規定する、
駐車装置のゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車装置及びゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車装置としては、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させる、二段方式あるいは多段方式などの車両格納方式が知られており、車両を立体的に駐車可能な装置が横方向に複数個並んで配置された駐車装置がある。駐車装置においては、パレットを昇降させ、パレット上に車両を載置して立体的に積み重ねて駐車させ、パレットを入出庫口まで移動させて車両の出し入れを行う駐車装置が知られている。このような駐車装置では、駐車装置に格納することができる制限車高を超えた車両が入庫できないようにするために、警報機が備えられている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-047925公報
【文献】特開2010-265653公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
警報機は、駐車装置に格納することができる制限車高を超えた車両の入庫を物理的に制限するものではないため、制限車高を超えた車両の入庫を必ずしも防止することができない。
【0005】
本発明は、制限車高を超えた車両の入庫を防止することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも第1のパレットと第2のパレットとを含む複数のパレットと、入出庫口に備えられたゲートと、第1のパレットを特定するための情報を受け付けると、第1のパレットを入出庫口に移動し、ゲートを第1の高さに移動させ、第2のパレットを特定するための情報を受け付けると、第2のパレットを入出庫口に移動し、ゲートを第1の高さよりも低い第2の高さに移動させる制御装置と、を備える駐車装置が提供される。
【0007】
ゲートは、少なくとも第1のフレームと第2のフレームとを備え、第1のパレットを特定するための情報を受け付けると、第1のフレームを第3の高さに移動し第2のフレームを第1の高さに移動させ、第2のパレットを特定するための情報を受け付けると、第1のフレームを第3の高さに移動し第2のフレームを第2の高さに移動させる制御装置と、を備えてもよい。
【0008】
第2のフレームは、第1のフレームに囲まれ第1のフレームに沿って上下方向にスライドしてもよい。
【0009】
第3の高さは、第1の高さと同じか、それよりも高くてもよい。
【0010】
第1のフレームに接続され、第1のフレームを昇降する昇降部材と、第1のフレームを第3の高さに移動したときに第2のフレームを第1の高さに支持するための第1の支持部と、第1の支持部の下方にあり、第1のフレームを第3の高さに移動したときに第2のフレームを第2の高さに支持するための第2の支持部と、を備えてもよい。
【0011】
第2のフレームは、第1のフレームを第3の高さに移動したときに第2の支持部に支持されて第2の高さまで移動してもよい。
【0012】
第1の支持部は、第2のフレームの移動範囲内と第2のフレームの移動範囲外とに切り替え可能に構成されてもよい。
【0013】
第2のフレームの横幅が、入出庫口に移動したときの第2のパレットの横幅以下でもよい。
【0014】
第2のフレームの全部が、入出庫口に移動したときの第2のパレットの上方にあってもよい。
【0015】
制御装置は、第1のパレットの番号と第1の高さ、第2のパレットの番号と第2の高さとを関連付けたテーブルに基づいて、ゲートを移動させてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第1のフレームと、第1のフレームの内側にある第1の支持部と、第1のフレームの内側にあり、第1の支持部の下方にある第2の支持部と、第1のフレームに囲まれ第1のフレームに沿ってスライドする第2のフレームと、を備え、第1の支持部は、第2のフレームの移動範囲内と第2のフレームの移動範囲外とに切り替え可能に構成され、第2の支持部は、第2のフレームの移動範囲の一方を規定する、駐車装置のゲートが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、制限車高を超えた車両の入庫を防止する駐車装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る制御装置の管理テーブルを示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る駐車装置の概略正面図である。
【
図5】(A)は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートを正面から見た概略正面図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートを上から見た概略平面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る制御装置における処理を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がある状態で上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇前の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇中の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る高さH1まで上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る高さH2まで上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0020】
なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0021】
また、本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限り、これは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含む。すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、駐車装置においては、底面側を「上」といい、その逆を「下」として説明する。
【0022】
<第1実施形態>
[駐車装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の主たる構成を示す。
【0023】
駐車装置100は、支柱102により主構造体が構成され、主構造体の中に車両Vを載置するパレット104が設置されている。
【0024】
パレット104は、昇降機106により支柱102に沿って昇降可能に設けられている。また、パレット104は、車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)に沿って移動させることが可能になっていてもよい。
【0025】
主構造体の中でパレット104は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これにより、支柱102により形成される主構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成している。
【0026】
駐車装置100は、制御装置110を介して操作盤112により操作される。操作盤112は、駐車装置100の外側に設けられている。この例では、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102に操作盤112が取り付けられている。
【0027】
利用者は、駐車装置100の外側から操作盤112を操作して制御装置110に指示することにより、制御装置110が目的のパレット104を入出庫口まで移動させる。
【0028】
駐車装置100の入出庫口に設けられるゲート108は、操作盤112の操作を通じて制御装置110により開閉を行うことができる。
【0029】
ゲート108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート108は閉じた状態になっている。ゲート108が閉じていることにより、通常は駐車装置100の装置内に人が入れないようになっている。
【0030】
縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口へ移動させて車両の出し入れを行う。
【0031】
目的とするパレット104を入出庫口まで移動させる動作にはいくつかの方式があり、例えば上段のパレット104に駐車された車両を出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット104を車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などが採用されている。
【0032】
この例では、1階から上階に向かって駐車空間PS1、PS2、PS3、PS4が設けられている態様を示している。また、駐車空間PS1の横方向(
図1の紙面奥方向)には駐車空間PS5(図示せず)が、さらに、その横方向(
図1の紙面奥方向)には駐車空間PS9(図示せず)が、設けられている。
【0033】
駐車空間PS1とPS4とは、駐車空間の高さが高いので、車高が高い車両Vを入庫することができる。他方、駐車空間PS2とPS3とは、駐車空間の高さが駐車空間PS1とPS4よりも低いので、車高がより低い車両Vを入庫することができる。
【0034】
駐車空間PS1~PS9には、パレットの番号P1~P9のパレット104がそれぞれ備えられている。このとき、上段にある駐車空間PS4にあるパレット104を降下させ車両Vを入出庫するには、下段の駐車空間PS1、PS2、PS3のパレット104が障害となる。この場合、駐車空間PS9のパレット104を上昇させ、駐車空間PS1~PS3と駐車空間PS5~PS7とのパレット104を横方向にスライドさせると、障害物がなくなるので、駐車空間PS4のパレット104を入出庫口まで降下させることが可能となる。
【0035】
図2は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置の構成を示すブロック図である。本発明の駐車装置100は、制御装置110、操作盤112、パレット駆動装置104A、ゲート駆動装置108A、パレット104、及びゲート108を備える。
【0036】
第1実施形態に係る駐車装置100及びゲート108によれば、制限車高を超えた車両Vの入庫を防止するために、ゲート108の高さを制御することができる。以下、これを実現する構成を説明する。
【0037】
[制御装置の構成]
制御装置110は、記憶部110Aと制御部110Bとを備える。
【0038】
記憶部110Aは、論理記憶領域であり、CPU(Central Processing Unit)内部の記憶領域、主記憶装置、二次記憶装置などのメモリである。記憶部110Aは、各種機能を制御装置110において実現させるプログラム及び管理テーブルを記憶する。
【0039】
図3は、本発明の第1実施形態に係る制御装置の管理テーブルを示す図である。
【0040】
管理テーブルは、駐車装置100のパレットの番号とゲート108が上昇し停止する高さとを関連付けたテーブルである。この例では、パレットの番号P1、P4、P5、P8及びP9は、それぞれゲート108の高さH1に関連付けられており、パレットの番号P2、P3、P6及びP7はゲート108の高さH1以下のゲート108の高さH2にそれぞれ関連付けられている。
【0041】
各パレットの番号に関連付けられるゲート108の高さを管理テーブルに登録するときには、操作盤112を用いて所定の操作を行えばよい。なお、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体又は無線通信を介して登録する情報を入力してもよい。これにより、パレット104ごとにゲート108の高さがあらかじめ関連付けられて登録される。
【0042】
図2に戻って説明を続ける。制御部110Bは、CPUである。制御部110Bは、記憶部110Aに記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を制御装置110において実現する。
【0043】
なお、制御部110Bにおいて実行されるプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワークNW経由でダウンロードされてもよい。
【0044】
制御部110Bは、操作盤112にパレットの番号が入力されると、この番号を操作盤112から取得して、この番号に対応するパレット104を入出庫口に移動させる指示を含む信号をパレット駆動装置104Aに出力し、その後ゲート108を開扉する指示を含む信号をゲート駆動装置108Aに出力する。
【0045】
パレット駆動装置104Aは、制御部110Bからパレット104を入出庫口に移動させる指示を含む信号が入力されるとパレット104を入出庫口に移動する。
【0046】
ゲート駆動装置108Aは、制御部110Bからゲート108を開扉させる指示を含む信号が入力されるとゲート108を開扉し、制御部110Bからゲート108を閉扉させる指示を含む信号が入力されるとゲート108を閉扉する。
【0047】
[ゲートの構成]
図4は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置の概略正面図である。駐車装置100は、支柱102A、102B及びゲート108を含む。ゲート108は、支柱102Aと102Bとに挟まれている。
【0048】
ゲート108は、第1のフレーム208と第2のフレーム308とを含む。第1のフレーム208と第2のフレーム308とは、入出庫方向に重なっている。
【0049】
図5の(A)は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートを正面から見た概略正面図であり、(B)は、本発明の第1実施形態に係る駐車装置のゲートを上から見た概略平面図である。ゲート108は、第1のフレーム208、第2のフレーム308、第1の支持部202A、202B及び第2の支持部204A、204Bからなる。なお、
図5の(B)においては、第2のフレーム308は図示していない。
【0050】
第1のフレーム208は、ゲート108を構成する外側の略四角形のフレームである。第1のフレーム208は、支柱102A側にあり支柱102Aに対して平行に延びる部材208Aと、部材208Aと第2のフレーム308との間にある板材208aと、支柱102B側にあり支柱102Bに対して平行に延びる部材208Bと、部材208Bと第2のフレーム308との間にある板材208bと、支柱102Aと支柱102Bとに対して垂直な部材208Cとからなる。部材208Cの一方の端部は部材208Aの上方の端部と接続し、部材208Cの他方の端部は部材208Bの上方の端部と接続している。
【0051】
部材208Aは支柱102Aと嵌合し、部材208Bは支柱102Bと嵌合しており、第1のフレーム208は支柱102Aと102Bとに沿って駐車装置100の上下方向に移動することができる。
【0052】
第2のフレーム308は、ゲート108を構成する内側の略四角形のフレームである。第2のフレーム308は、部材208A側にあり部材208Aに対して平行に延びる部材308Aと、支柱102B側にあり部材208Bに対して平行に延びる部材308Bと、部材308Aと部材308Bとに対して垂直な部材308Cと部材308Dとからなる。
【0053】
部材308Aの上方の端部は部材308Cに接続し、部材308Bの上方の端部は部材308Cに接続している。部材308Aの下方の端部は部材308Dの一方の端部と接続し、部材308Bの下方の端部は部材308Dの他方の端部と接続している。
【0054】
第1の支持部202A、202Bは、第1のフレーム208に備えられており、第2のフレーム308を支持する支持部である。第1の支持部202A、202Bは、第1のフレーム208において、第2のフレーム308の部材308Cの両端部を支持することができ、第1のフレーム208と第2のフレーム308とがほぼ重なる位置に備えられている。
【0055】
第1の支持部202Aは第1のフレーム208の部材208Aに収容されることができ、第1の支持部202Bは第1のフレーム208の部材208Bに収容されることができる。第1の支持部202Aと202Bとがそれぞれ収容されると、第2のフレーム308の支持がなくなり、第2のフレーム308は第1のフレーム208に沿って上下方向に移動することができるようになる。
【0056】
第2の支持部204Aと204Bとは、第1のフレーム208に備えられており、第1の支持部202Aと202Bとの下方に備えられている。
【0057】
第1の支持部202Aと202Bとがそれぞれ収容されると、第2のフレーム308の支持がなくなり、第2のフレーム308は第1のフレーム208に沿って下方に移動することができるが、下方に移動した第2のフレーム308は、第2の支持部204Aと204Bとに支持されることにより、移動を停止する。
【0058】
[ゲートの移動]
図6は、本発明の第1実施形態に係る制御装置における処理を説明するための図である。
図7は、本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がある状態で上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。一方、
図8は、本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇前の駐車装置のゲートの概略正面図であり、
図9は、本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇中の駐車装置のゲートの概略正面図であり、
図10は、本発明の第1実施形態に係る第1の支持部による支持がない状態で上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。駐車装置100は、支柱102A、102B、パレット104及びゲート108を含む。車両Vがパレット104の上にある。ゲート108は、第1のフレーム208、第2のフレーム308、第1の支持部202A、202B及び第2の支持部204A、204Bからなる。
【0059】
図6において、パレットの番号を操作盤112に入力した場合、制御装置110の処理が開始する。制御装置110の処理の開始時において、ゲート108は駐車装置100の下方にあり、第1の支持部202A、202Bはそれぞれ部材208A、208Bに収容されずに、第2のフレーム308の部材308Cの下方に出ている。
【0060】
パレットの番号が入力されると、制御装置110の制御部110Bは入力されたパレットの番号に対応するパレット104を入出庫口に移動させる指示を含む信号をパレット駆動装置104Aに出力し、パレット駆動装置104Aは入力されたパレットの番号に対応するパレット104を入出庫口に移動する(ステップS102)。
【0061】
パレット駆動装置104Aは入力されたパレットの番号に対応するパレット104を入出庫口に移動すると、制御装置110の記憶部110Aは、入力されたパレットの番号と対応するゲート108の高さとを管理テーブルにおいて照合する(ステップS104)。なお、パレット104の移動(ステップS102)と管理テーブルの照合(ステップS104)とは、処理の順序が逆であってもよい。
【0062】
入力されたパレットの番号と対応するゲート108の高さがH1である場合、すなわち、P1、P4、P5、P8又はP9が操作盤112に入力された場合(ステップS106:Yes)、
図7に示すように、制御装置110は、部材308Cが支持部202Aと202Bとに支持された状態で、第1のフレーム208のみをゲート駆動装置108Aが駆動する駐車装置100に備えられたチェーン(図示せず)により上昇させ、第1のフレーム208の上昇に伴い上昇する第2のフレーム308が高さH1まで上昇すると、第1のフレーム208の上昇を停止させる(ステップS108)。
【0063】
他方、入力されたパレットの番号と対応する高さがH2である場合、すなわち、パレットの番号P2、P3、P6又はP7が操作盤112に入力された場合、(ステップS106:No)、
図8に示すように、制御装置110は、支持部202A、202Bを収容し(ステップS112)、第1のフレーム208のみをゲート駆動装置108Aが駆動する駐車装置100に備えられたチェーン(図示せず)により上昇させる。
【0064】
その後、
図9に示すように、第1のフレーム208が、第2のフレームが支持部204Aと204Bとに支持される高さまで上昇すると、第2のフレーム308の部材308Cの両端部が支持部204Aと204Bとに支持される状態になり、第2のフレーム308も第1のフレーム208の上昇に伴い上昇を開始する。そして、
図10に示すように、制御装置110は、第2のフレーム308を高さH2まで上昇させると、第1のフレーム208の上昇を停止させる(ステップS108)。
【0065】
制御装置110が第1のフレーム208の上昇を停止させると、制御装置110は閉扉指示を待機し(ステップS112:No)、閉扉指示があると(ステップS112:Yes)、制御装置110はゲートを下降させ(ステップS114)、ゲート108を上昇させる前の初期状態に戻し(ステップS116)、本発明の第1実施形態に係る制御装置における処理が終了する。
【0066】
以上のとおり、第1のフレーム208が上昇を停止したとき、
図7においては、駐車装置100の底面からの第2のフレーム308の高さはH1であり、
図10においては、駐車装置100の底面からの第2のフレーム308の高さはH2である。高さH2は高さH1以下であることから、
図7においては、高さH1までの車高の車両Vが入出庫することができ、一方、
図10においては、高さH1以下の高さH2までの車高の車両Vが入出庫することができる。
【0067】
また、第1のフレーム208の部材208Cの横幅を第1のフレームの横幅W1、第2のフレーム308の部材308Dの横幅を第2のフレームの横幅W2、支柱102Aとパレット104の支柱102A側の端との間の横幅を歩行路幅W3、支柱102Bとパレット104の支柱102B側の端との間の横幅を歩行路幅W4とする。
【0068】
第2のフレームの横幅W2は、第1のフレームの横幅W1から、歩行路幅W3と歩行路幅W4とを引いた幅以下である。すなわち、第2のフレームの横幅W2≦第1のフレームの横幅W1-歩行路幅W3-歩行路幅W4という関係にある。
【0069】
なお、第1のフレームの横幅W1-歩行路幅W3-歩行路幅W4は、パレットの横幅に相当するため、第2のフレームの横幅W2≦パレットの横幅という関係にもある。このとき、
図10に示されるように、第2のフレームの全部がパレットの上方に位置することができる。
【0070】
このように、本発明の第1実施形態によると、パレットの番号と対応付けてゲート108の高さを制御することができる。このため、入庫時に、制限車高を超えている車両Vが入庫することを防止することができる。
【0071】
また、第1のフレーム208の下方でパレット104と支柱102Aとの間、第1のフレーム208の下方でパレット104と支柱102Bとの間に、駐車装置100の利用者が歩行する空間をそれぞれ設けることができる。このため、駐車装置100の利用者の利便性を阻害しない態様で、制限車高を超えている車が入庫することを防止することができる。
【0072】
さらに、第1の支持部202Aと202Bとを制御することにより、ゲート108全体の上昇量を変更することなく、ゲート108の高さを変更することができる。このため、種々の車両Vの車高に応じて、制限車高を超えている車が入庫することを防止することができる。
【0073】
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態に係る高さH1まで上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図であり、
図12は、本発明の第2実施形態に係る高さH2まで上昇後の駐車装置のゲートの概略正面図である。第2実施形態に係るゲート108によれば、第1実施形態と異なり、ゲート108は、単一のゲートであり、第1のフレーム208と第2のフレーム308とに分かれていない。以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0074】
図11に示すように、パレットの番号P1、P4、P5、P8又はP9を操作盤112に入力した場合、ゲート108は高さH1の位置で上昇を停止する。他方、
図12に示すように、パレットの番号P2、P3、P6又はP7を操作盤112に入力した場合、ゲート108は高さH1よりも低い高さH2の位置で上昇を停止する。
【0075】
このように、本発明の第2実施形態によると、パレットの番号と対応付けて第1のフレーム208と第2のフレーム308とに分かれていない単一のゲート108の高さを制御し、制限車高を超えている車両Vが入庫することを防止することができる。
【0076】
[変形例1]
第1実施形態では、第2のフレーム308がゲート108の中央に備えられ、第2のフレーム308と支柱102との間の駐車装置100の利用者が通過することができる空間が、駐車装置100の左右それぞれに備えられているが、第2のフレーム308は、ゲート108の左右いずれか一方にのみ備えられてもよい。この場合、第2のフレーム308と支柱102との間の駐車装置100の利用者が通過することができる空間は、駐車装置100の左右いずれか一方にのみ備えられる。
【0077】
[変形例2]
第1実施形態及び第2実施形態では、ゲート108の高さを3段階以上の多段階に調節してもよい。
【0078】
第1実施形態は、ゲート108の高さを2段階に調節することができる第1のフレーム208と第2のフレーム308とからなるが、ゲート108の高さを3段階以上の多段階に調節することができるように、第3のフレーム、第4のフレームと、複数のフレームを設けてもよい。
【0079】
この場合、第2のフレーム308が第1のフレーム208の内側に収容されるのと同様に、第3のフレームは第2のフレーム308の内側に収容されてもよい。また、第3のフレームは第2のフレーム308の内側に収容されるのと同様に、第4のフレームは第3のフレームの内側に収容されてもよい。
【0080】
[変形例3]
第1実施形態では、第2のフレーム308が第1のフレーム208の内側に収容されているが、第1のフレーム208と第2のフレーム308と車両進行方向に位置が前後しており、第2のフレーム308が第1のフレーム208の内側に収容されていなくてもよい。
【0081】
[変形例4]
第1実施形態では、第1のフレーム208が備える第1の支持部202Aと202B、第2の支持部204Aと204Bとが第2のフレーム308を支持することにより、ゲート108の高さを調節するが、第2のフレーム308が第1のフレーム208の内側で上下方向にスライドすることができる駆動部と駆動停止位置を判別する停止位置センサとを備えることにより、ゲート108の高さを調節してもよい。
【0082】
[変形例5]
第1実施形態では、第2のフレーム308の全部がパレット104の上方にあるが、第2のフレーム308の一部がパレット104の外側の上方にあってもよい。
【0083】
[変形例6]
第1実施形態では、第2のフレーム308の横幅GLの方がパレット104の横幅よりも短いが、より一般には、パレット104の上方に第2のフレーム308の部材308Dの少なくとも一端部が含まれる限り任意の短さでよい。
【0084】
[変形例7]
第2実施形態では、操作盤112に入力されたパレットの番号にかかわらず、第1のフレーム208は高さH1に移動するが、操作盤112に入力されたパレットの番号によって、第1のフレーム208がそれぞれ異なる高さに移動してもよい。
【0085】
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
100:駐車装置、102,102A~B:支柱、104:パレット、106:昇降機、108:ゲート、110:制御装置、112:操作盤、202A~B:第1の支持部、204A~B:第2の支持部、208:第1のフレーム、208A~C:部材、208a~b:板材、308:第2のフレーム、308A~D:部材、PS1~PS9:駐車空間、P1~P9:パレットの番号、V:車両、H1,H2:高さ、W1:第1のフレームの横幅、W2:第2のフレームの横幅、W3,W4:歩行路幅