(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/08 20060101AFI20220106BHJP
A61B 17/04 20060101ALI20220106BHJP
A61B 17/84 20060101ALI20220106BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61F2/08
A61B17/04
A61B17/84
A61B17/86
(21)【出願番号】P 2018055970
(22)【出願日】2018-03-23
【審査請求日】2019-05-28
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513055492
【氏名又は名称】トライメッド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIMED,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】27533 Avenue Hopkins Santa Clarita, California 91355 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100135839
【氏名又は名称】大南 匡史
(72)【発明者】
【氏名】ロバート メドフ
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-510548(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196385(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0150203(US,A1)
【文献】特開2015-112490(JP,A)
【文献】特表2008-508067(JP,A)
【文献】特表2014-533129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0157851(US,A1)
【文献】特開2014-171896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/08
A61B 17/04、17/56-17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステムであって、
前記システムは、縫合糸アセンブリを備え
、
前記縫合糸アセンブリは少なくとも第1の縫合糸を含み、当該第1の縫合糸は、単独で又は前記第1のボディと共に、前記縫合アセンブリが動作状態にある状態で、制限可能なループ構造を画定するように構成され、
前記制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループとを含み、これらのサブループは協働して、単独で又は前記第1のボディと共に第1のループを画定し、当該第1のループはそのサイズを縮小でき、それにより、前記第1のボディと前記第2のボディに対して、これらのボディを互いに近づける方向に付勢する力が生じ
、
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、それぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分からなり、
前記第1のループ部分は第1の摺動部分を有し、前記第2のループ部分は第2の摺動部分を有し、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも1つの結び目を画定するように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分が、各々締め付け摺動方向において前記少なくとも1つの結び目内で動かされると、それぞれのサブループのサイズが縮小されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリはさらに、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1のボディと前記第2のボディを互いに離れるように付勢することによって引き起こされるループの引っ張り
により、前記第1のループの別個の第1の周部分と第2の周部分
が前記少なくとも1つの結び目から引き離されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1のループの前記第1の周部分と前記第2の周部分の各々を前記少なくとも1つの結び目から離れる方向に引くことにより、前記少なくとも1つの結び目が、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つ
を把持するよう構成され、
当該把持は、前記サブループの少なくとも1つの拡大
と、それによる前記第1のループの有効なサイズの拡大に抵抗するより大きい力
であって、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つの動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向への動きに抵抗する力
、で行われ、
前記少なくとも1つの結び目が第1の結び目と第2の結び目を含み、
前記第1のループ部分が前記第1の結び
目を画定し、
前記第2のループ部分が前記第2の結び
目を画定
し、
前記第1の結び目が、前記第2の摺動部分の周りに延伸し、
前記第2の結び目が、前記第1の摺動部分の周りに延伸している、
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項2】
前記第1のループ部分と前記第2のループ部分の各々は、前記少なくとも1つの結び目の少なくとも一部を画定する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項3】
前記縫合糸アセンブリは第1のストランドと第2のストランドとを備え、
前記第1のストランドと第2のストランドは、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループのサイズを縮小するために、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1のボディから引き離されるものであり、
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループ上の前記少なくとも第1の縫合糸の部分は、前記第1のストランドと前記第2のストランドが前記第1のボディから引き離されるときに前記第1のループの部分に沿って反対方向に動く、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項4】
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、別個の第1の縫合糸と第2の縫合糸から構成されている、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項5】
前記縫合糸アセンブリが第1の縫合糸と第2の縫合糸を含み、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の縫合糸は、前記第2の縫合糸の構成と同じ構成で形成される、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項6】
前記縫合糸アセンブリが第1の縫合糸と第2の縫合糸を含み、
前記第1の縫合糸と前記第2の縫合糸は、共に維持されかつ同じように形成された第1のストランド部分及び第2のストランド部分を有し、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目と前記第2の結び目が組み合わされて二重ストランド結び目を生成するように前記第1の結び目と前記第2の結び目を生成する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの結び目は、各々が、a)ハーフヒッチ、b)ローリングヒッチ、c)調節可能な湾曲部、d)ミッドシップマンヒッチ、及びe)調整可能な結び目、のうちの1つである第1の結び目と第2の結び目を含む、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項8】
前記縫合糸アセンブリが、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目及び前記第2の結び目の各々と前記第1のボディとの間にある少なくとも1つの構成要素を備え、
前記少なくとも1つの構成要素は、当該少なくとも1つの構成要素を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止するように構成される、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項9】
前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループの一方は、各々、他方を通って延伸する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項10】
前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記制限可能なループ構造が、
a)前記第2のボディ、
b)前記第2のボディ上の構造であって、前記制限可能なループ構造が前記第1のボディと前記第2のボディとが互いに離れる動きを制限するように構成された構造、
のうちの少なくとも一方の周りに延伸する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項11】
前記第1のボディ及び前記第2のボディは、第1の骨及び第2の骨である、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項12】
前記第1のループは、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第2のボディ上の構造の周りに延伸し、
前記第2のボディ上の前記構造は、第2のループを画定するように構成され、
前記第1のループと前記第2のループの一方は、各々、前記システムが動作状態にある状態で、他方を通じて延伸し、
前記第1のループと前記第2のループは協働して、前記第1のボディと前記第2のボディとが互いに離れる動きを制限する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項13】
前記システムはノットプッシャと組み合わせて提供され、当該ノットプッシャは、前記第1のストランドと前記第2のストランドが前記第1のボディから引き離されるときに前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも1つに係合して安定化し、それによって、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループのサイズを縮小するように構成された、請求項3に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項14】
前記縫合糸アセンブリは、前記制限可能なサブループの部分と前記第2のボディとの間に存在する少なくとも1つの構成要素をさらに備える、請求項8に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項15】
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の骨に当接するように構成された少なくとも1つの構成要素を備え、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目と前記第2の結び目の各々に当接し、それによって、前記少なくとも1つの構成要素を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止する表面を画定する、請求項11に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも一方の少なくとも一部を受け入れるように構成された受け口を画定する、請求項15に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項17】
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステムであって、
前記システムは、縫合糸アセンブリを備え
、
前記縫合糸アセンブリは少なくとも第1の縫合糸を含み、当該第1の縫合糸は、単独で又は前記第1のボディと共に、前記縫合アセンブリが動作状態にある状態で、制限可能なループ構造を画定するように構成され、
前記制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループとを含み、これらのサブループは協働して、単独で又は前記第1のボディと共に第1のループを画定し、当該第1のループはそのサイズを縮小でき、それにより、前記第1のボディと前記第2のボディに対して、これらのボディを互いに近づける方向に付勢する力が生じ
、
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、それぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分からなり、
前記第1のループ部分は第1の摺動部分を有し、前記第2のループ部分は第2の摺動部分を有し、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも1つの結び目を画定するように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分が、各々締め付け摺動方向において前記少なくとも1つの結び目内で動かされると、それぞれのサブループのサイズが縮小されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリはさらに、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1のボディと前記第2のボディを互いに離れるように付勢することによって引き起こされるループの引っ張り
により、前記第1のループの別個の第1の周部分と第2の周部分
が前記少なくとも1つの結び目から引き離されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1のループの前記第1の周部分と前記第2の周部分の各々を前記少なくとも1つの結び目から離れる方向に引くことにより、前記少なくとも1つの結び目が、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つ
を把持するよう構成され、
当該把持は、前記サブループの少なくとも1つの拡大
と、それによる前記第1のループの有効なサイズの拡大に抵抗するより大きい力
であって、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つの動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向への動きに抵抗する力
、で行われ、
前記第1のボディ及び前記第2のボディは、第1の骨及び第2の骨であり、
前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目と第2の結び目を含み、
前記システムは、前記第1の骨に固定されて、骨折の近くの前記第1の骨の部分を安定化させるように構成されたプレートをさらに備え、
前記縫合糸アセンブリは構成要素をさらに備え、当該構成要素は、前記プレートに固定され、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも1つに当接する表面を画定し、それによって、前記第1の骨を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止するように構成されている、
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項18】
前記構成要素は、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1の骨内に固定されるように構成される、請求項17に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項19】
前記第2のループは、前記第2のボディの中に固定されるように構成された少なくとも1つの構成要素によって画定される、請求項12に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項20】
前記第2のループは、前記第2のボディ上に固定されるように構成された少なくとも1つの構成要素によって画定される、請求項12に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項21】
前記第1のボディと前記第2のボディは、第1の骨と第2の骨であり、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の骨と前記第2の骨の開口を通って前進することを容易にする細長い形状の本体を有する、請求項14に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項22】
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループを前記第1の骨と前記第2の骨の少なくとも1つを通して前進させるように構成された導入アセンブリと組み合わされている、請求項11に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の大部分を受け入れる受け口を画定する、請求項15に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項24】
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステムであって、
前記システムは、縫合糸アセンブリを備え
、
前記縫合糸アセンブリは少なくとも第1の縫合糸を含み、当該第1の縫合糸は、単独で又は前記第1のボディと共に、前記縫合アセンブリが動作状態にある状態で、制限可能なループ構造を画定するように構成され、
前記制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループとを含み、これらのサブループは協働して、単独で又は前記第1のボディと共に第1のループを画定し、当該第1のループはそのサイズを縮小でき、それにより、前記第1のボディと前記第2のボディに対して、これらのボディを互いに近づける方向に付勢する力が生じ
、
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、それぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分からなり、
前記第1のループ部分は第1の摺動部分を有し、前記第2のループ部分は第2の摺動部分を有し、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも1つの結び目を画定するように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分が、各々締め付け摺動方向において前記少なくとも1つの結び目内で動かされると、それぞれのサブループのサイズが縮小されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリはさらに、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1のボディと前記第2のボディを互いに離れるように付勢することによって引き起こされるループの引っ張り
により、前記第1のループの別個の第1の周部分と第2の周部分
が前記少なくとも1つの結び目から引き離されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1のループの前記第1の周部分と前記第2の周部分の各々を前記少なくとも1つの結び目から離れる方向に引くことにより、前記少なくとも1つの結び目が、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つ
を把持するよう構成され、
当該把持は、前記サブループの少なくとも1つの拡大
と、それによる前記第1のループの有効なサイズの拡大に抵抗するより大きい力
であって、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つの動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向への動きに抵抗する力
、で行われ、
前記第1のボディ及び前記第2のボディは、第1の骨及び第2の骨であり、
前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目及び第2の結び目を含み、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の骨に当接するように構成された少なくとも1つの構成要素を備え、
前記少なくとも1つの構成要素は、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目と前記第2の結び目の各々に当接し、それによって、前記少なくとも1つの構成要素を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止する表面を画定し、
前記少なくとも1つの構成要素は、a)前記第1の骨、b)前記第1の骨に接続されたプレート、のうちの1つに係合するようにねじ込まれる、
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの構成要素は、旋削工具を収容するための接続具を有する、請求項24に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの構成要素上の前記接続具とかぎ接続されるように構成された駆動構成要素を備えた旋削工具と組み合わされている、請求項25に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項27】
前記旋削工具は、長手方向軸を有する細長いスリーブをさらに含む、請求項26に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項28】
前記第1の結び目と前記第2の結び目の各々が離れる方向に前記第1の周部分と前記第2の周部分に対して加えられる張力は、前記結び目を通じた非直線形状を担うために周囲に延伸する前記少なくとも第1の縫合糸のそれぞれの部分を再構成させ、結果として滑りに対する抵抗が増大する、請求項1に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の実質的に全体を受け入れる受け口を画定する、請求項15に記載のヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【請求項30】
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステムであって、
前記システムは、縫合糸アセンブリを備え、
前記縫合糸アセンブリは少なくとも第1の縫合糸を含み、当該第1の縫合糸は、単独で又は前記第1のボディと共に、前記縫合アセンブリが動作状態にある状態で、制限可能なループ構造を画定するように構成され、
前記制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループとを含み、これらのサブループは協働して、単独で又は前記第1のボディと共に第1のループを画定し、当該第1のループはそのサイズを縮小でき、それにより、前記第1のボディと前記第2のボディに対して、これらのボディを互いに近づける方向に付勢する力が生じ、
前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、それぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分からなり、
前記第1のループ部分は第1の摺動部分を有し、前記第2のループ部分は第2の摺動部分を有し、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも1つの結び目を画定するように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分が、各々締め付け摺動方向において前記少なくとも1つの結び目内で動かされると、それぞれのサブループのサイズが縮小されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリはさらに、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1のボディと前記第2のボディを互いに離れるように付勢することによって引き起こされるループの引っ張りにより、前記第1のループの別個の第1の周部分と第2の周部分が前記少なくとも1つの結び目から引き離されるように構成され、
前記縫合糸アセンブリは、前記第1のループの前記第1の周部分と前記第2の周部分の各々を前記少なくとも1つの結び目から離れる方向に引くことにより、前記少なくとも1つの結び目が、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つを把持するよう構成され、
当該把持は、前記サブループの少なくとも1つの拡大と、それによる前記第1のループの有効なサイズの拡大に抵抗するより大きい力であって、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つの動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向への動きに抵抗する力、で行われ、
前記少なくとも1つの結び目が第1の結び目と第2の結び目を含み、
前記第1のループ部分が前記第1の結び目と前記第2の結び目のうちの一方を画定し、前記第2のループ部分が前記第1の結び目と前記第2の結び目のうちの他方を画定し、
前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループの一方は、各々、他方を通って延伸する、
ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステム及び方法に関し、より詳細には、骨間縫合を利用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの2つのボディを所定の関係に維持することを必要とするいくつかの医療処置が行われている。これらのボディは、骨、筋肉、腱、靭帯などの任意の解剖学的部分及び/又はヒトの上又は中の解剖学的部分又は別の異物と組み合わされた異物であり得る。簡潔さ及び明瞭さのために、本明細書の説明は、別個の骨/骨部分であるボディ/塊に焦点を当てる。
【0003】
一般的には、骨は互いに離間されており、システム/インプラントが、所定の距離を超えて骨が分離するのを避けるために利用される。骨間縫合を利用して第1の骨と第2の骨との間の関係を制御する多くの異なるシステムが現在利用可能である。この種のシステム/インプラントの典型的ではないが一般的な用途は、足首における脛骨と腓骨の間の靱帯結合(靭帯)損傷、バニオン手術(第1/第2中足骨)における第1中足骨間角の矯正、肩鎖靱帯傷害(鎖骨が肩甲骨の鳥口突起に向かって押し下げられるAC分離)、舟状骨月状骨間又は他の手根骨間靭帯傷害の矯正、及び、関節炎状態に関する母指手根中手関節の再建手術の直後に第1中手骨が移動するのを制限するための第1/第2中手骨の手根中手骨懸垂、ならびに、筋骨格系の他の靭帯障害である。
【0004】
上述した骨間縫合システムの一般的な形態では、1つ又は複数の縫合糸を第1の骨及び第2の骨と係合させ、それによって、縫合糸(複数可)を使用して骨を戦略的に互いに向けて所定の最適位置へと引き寄せ、その後、さらなる分離を防止するように安定化することができる。一方又は両方の骨に構成要素/アンカーを設けて、縫合糸を骨に固定し、縫合糸によって生成される拘束力を上記骨に分配することができる。
【0005】
骨間縫合システムはまた、2つの骨の分離を防ぐために縫合システムがどのようにロックされるかに基づいて、異なるカテゴリに分割され得る。基本的なカテゴリは結び目のあるシステムと結び目のないシステムとに区別され、結び目が縫合糸にどのように形成されるか、又は、縫合糸が処置中にどのように構築され操作されるかによってさらに区別される。
【0006】
1つのカテゴリにおいて、外科医は、固定された結び目構造を完全に形成するか、又は完成させて、インプラントの最終的な固定を達成する必要がある。一般に、外科医が処置中に1つ又は複数の結び目を完全に形成又は完了しなければならないことは時間がかかる。縫合糸の取り扱いは本質的に厄介である。結び目に加えられる張力の大きさは標準化するのが難しく、結び目を保持するのに十分でない場合がある。結び目を作成するには、引き結びの発生を避けるために、好ましくは第1の骨と第2の骨との間の縫合線に対して直角に、2つの端部を互いに離して引く必要がある。これは追加の外科的露出を必要とする。また、結び目が不適切に形成されるおそれがあり、これによって、処置が完了してからしばらくするまで明白ではない深刻な結果を招きかねないという可能性も存在する。
【0007】
縫合材料,特に合成品の滑りやすい性質を考えると、外科医は結び目が自発的に解けないようにしばしば複数のスローを形成する。手術時間を浪費し、しばしば組織刺激を引き起こしてその後の手術を必要とするかさばる合成材料を生成する7つ以上のスローが形成されることは珍しいことではない。複数のスローの形成はまた、1つ又は複数のスローが正方形に形成されない場合があり、その結果、保持が弱まるという危険性ももたらす。
【0008】
部分的に形成された結び目は、上記の問題にある程度まで対処するが、欠点が残っている。部分的に形成された結び目は、典型的には滑りやすい傾向があり、それにより追加の縫合操作によって縫合糸を最終的な締め付けによって完成させる必要がある。このタイプのシステムを使用していくらか時間を節約することができるが、外科医は、締め付けが完了する間に所望の縫合糸張力を維持するという課題に直面し得る。締め付けが行われ得る前に予め形成された結び目構造が滑るおそれがあり、それに付随する結果として、縫合糸張力が最適に満たなくなるおそれがある。これは処置の有効性を損なう可能性があり、潜在的に再建の失敗につながる可能性がある。
【0009】
外科医が、単純に縫合糸に張力を加えて望ましく維持される締め付けを行うことによって、結び目のない機構とともに2つの構造を引き、保持することができる縫合システムも知られている。これを可能にするために、種々の機構が採用されており、そのうちのいくつかは比較的複雑である場合があり、他のものは滑りやすい傾向がある。さらに、そのようなシステムの中には、突出し、患者に対して進行中の刺激を引き起こす可能性がある、小さく複雑な構成要素を有するものもある。一方の縫合糸がチャイニーズフィンガートラップのような構成でもう一方の芯の中を通過するシステムなどの他のシステムは、張力の量を制御するために展開及び使用することが困難であり、周期的負荷によって滑りを生じやすい場合がある。
【0010】
これらの処置において結び目のある縫合糸を使用することは、費用、操作の容易さ、及び突き出さない術後構造の観点から非常に望ましいが、業界は、上述の利点を全て提供し、さらに術後の緩慢化又は失敗を起こしにくいより良好なシステムを設計する課題を常に抱えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの形態では、本発明は、ヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御するためのシステムに関する。このシステムは縫合糸アセンブリから構成され、前記縫合糸アセンブリは少なくとも第1の縫合糸を含み、当該第1の縫合糸は、単独で又は前記第1のボディと共に、前記縫合アセンブリが動作状態にある状態で、制限可能なループ構造を画定するように構成される。前記制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループとを含み、これらのサブループは協働して、単独で又は前記第1のボディと共に第1のループを画定し、当該第1のループはそのサイズを縮小でき、それにより、前記第1のボディと前記第2のボディに対して、これらのボディを互いに近づける方向に付勢する力が生じる。前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、それぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分から構成される。前記第1のループ部分は第1の摺動部分を有し、前記第2のループ部分は第2の摺動部分を有する。前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも1つの結び目を画定するように構成される。前記縫合糸アセンブリは、前記第1の摺動部分及び前記第2の摺動部分が、各々締め付け摺動方向において前記少なくとも1つの結び目内で動かされると、それぞれのサブループのサイズが縮小されるように構成される。前記縫合糸アセンブリはさらに、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1のボディと前記第2のボディを互いに離れるように付勢することによって引き起こされるループの引っ張りが、前記少なくとも1つの結び目から引き離される、前記第1のループの別個の第1の周部分と第2の周部分を生じさせるように構成される。前記縫合糸アセンブリは、前記第1のループの前記第1の周部分と前記第2の周部分の各々を前記少なくとも1つの結び目から離れる方向に引くことにより、前記少なくとも1つの結び目が、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つを前記サブループの少なくとも1つの拡大に抵抗するより大きい力で把持するように構成され、また、前記第1の摺動部分と第2の摺動部分の少なくとも1つの動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向における動きに抵抗することによる前記第1のループの有効なサイズを生じさせるように構成される。
【0012】
1つの形態では、前記第1のループ部分と前記第2のループ部分の各々は、前記少なくとも1つの結び目の少なくとも一部を画定する。
【0013】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目が第1の結び目と第2の結び目からなる。前記第1のループ部分が前記第1の結び目と前記第2の結び目のうちの一方を画定し、前記第2のループ部分が前記第1の結び目と前記第2の結び目のうちの他方を画定する。
【0014】
1つの形態では、前記縫合糸アセンブリは第1のストランドと第2のストランドとを備え、前記第1のストランドと第2のストランドは、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループのサイズを縮小するために、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1のボディから引き離される。前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループ上の前記少なくとも第1の縫合糸の部分は、前記第1のストランドと前記第2のストランドが前記第1のボディから引き離されるときに前記第1のループの部分に沿って反対方向に動く。
【0015】
1つの形態では、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループは、別個の第1の縫合糸と第2の縫合糸から構成されている。
【0016】
1つの形態において、前記縫合糸アセンブリが第1の縫合糸と第2の縫合糸を含む。前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の縫合糸は、前記第2の縫合糸の構成と同じ構成で形成される。
【0017】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目が第1の結び目と第2の結び目からなる。前記縫合糸アセンブリは、第1の縫合糸と第2の縫合糸を含む。前記第1の縫合糸と前記第2の縫合糸は、共に維持されかつ同じように形成された第1のストランド部分及び第2のストランド部分を有し、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目と前記第2の結び目が組み合わされて二重ストランド結び目を生成するように前記第1の結び目と前記第2の結び目を生成する。
【0018】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目は、各々が、a)ハーフヒッチ、b)ローリングヒッチ、c)調節可能な湾曲部、d)ミッドシップマンヒッチ、及びe)調整可能な結び目、のうちの1つである第1の結び目と第2の結び目からなる。
【0019】
前記少なくとも1つの結び目が第1の結び目及び第2の結び目からなる。前記縫合糸アセンブリは、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目及び前記第2の結び目の各々と前記第1のボディとの間にある少なくとも1つの構成要素を備える。前記少なくとも1つの構成要素は、当該少なくとも1つの構成要素を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止するように構成される。
【0020】
1つの形態では、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループの一方は、各々、他方を通って延伸する。
【0021】
1つの形態では、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記制限可能なループ構造が、a)前記第2のボディ、b)前記第2のボディ上の構造であって、前記制限可能なループ構造が前記第1のボディと前記第2のボディとが互いに離れる動きを制限するように構成された構造、のうちの少なくとも一方の周りに延伸する。
【0022】
1つの形態では、前記第1のボディ及び前記第2のボディは、第1の骨及び第2の骨である。
【0023】
1つの形態では、前記第1のループは、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第2のボディ上の構造の周りに延伸する。前記第2のボディ上の前記構造は、第2のループを画定するように構成される。前記第1のループと前記第2のループの一方は、各々、前記システムが動作状態にある状態で、他方を通じて延伸する。前記第1のループと前記第2のループは協働して、前記第1のボディと前記第2のボディとが互いに離れる動きを制限する。
【0024】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目と第2の結び目からなる。前記システムはノットプッシャと組み合わせて提供され、当該ノットプッシャは、前記第1のストランドと前記第2のストランドが前記第1のボディから引き離されるときに前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも1つに係合して安定化し、それによって、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループのサイズを縮小するように構成されている。
【0025】
1つの形態では、前記縫合糸アセンブリは、前記制限可能なサブループの部分と前記第2のボディとの間に存在する少なくとも1つの構成要素をさらに備える。
【0026】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目及び第2の結び目からなる。前記縫合糸アセンブリは、前記第1の骨に当接するように構成された少なくとも1つの構成要素を備える。前記少なくとも1つの構成要素は、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記第1の結び目と前記第2の結び目の各々に当接し、それによって、前記少なくとも1つの構成要素を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止する表面を画定する。
【0027】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも一方の少なくとも一部を受け入れるように構成された受け口を画定する。
【0028】
前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目と第2の結び目からなる。前記システムは、前記第1の骨に固定されて、骨折の近くの前記第1の骨の部分を安定化させるように構成されたプレートをさらに備える。前記縫合糸アセンブリは構成要素をさらに備え、当該構成要素は、前記プレートに固定され、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1の結び目と前記第2の結び目の少なくとも1つに当接する表面を画定し、それによって、前記第1の骨を通じて前記第1の結び目と前記第2の結び目の前進を阻止するように構成されている。
【0029】
1つの形態では、前記構成要素は、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で前記第1の骨内に固定されるように構成される。
【0030】
1つの形態では、前記第2のループは、前記第2のボディの中に固定されるように構成された少なくとも1つの構成要素によって画定される。
【0031】
1つの形態では、前記第2のループは、前記第2のボディ上に固定されるように構成された少なくとも1つの構成要素によって画定される。
【0032】
1つの形態では、前記第1のボディと前記第2のボディは、第1の骨と第2の骨である。前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の骨と前記第2の骨の開口を通って前進することを容易にする細長い形状の本体を有する。
【0033】
1つの形態では、前記システムは、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループを前記第1の骨と前記第2の骨の少なくとも1つを通して前進させるように構成された導入アセンブリと組み合わせて提供される。
【0034】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の大部分を受け入れる受け口を画定する。
【0035】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は、a)前記第1の骨、b)前記第1の骨に接続されたプレート、のうちの1つに係合するようにねじ込まれる。
【0036】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は、旋削工具を収容するための接続具を有する。
【0037】
1つの形態では、前記システムは、前記少なくとも1つの構成要素上の前記接続具とかぎ接続されるように構成された駆動構成要素を備えた旋削工具と組み合わせて提供される。
【0038】
1つの形態では、前記旋削工具は、長手方向軸を有する細長いスリーブをさらに含む。
【0039】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目は、第1の結び目及び第2の結び目からなる。前記第1の結び目と前記第2の結び目の各々が離れる方向に前記第1の周部分と前記第2の周部分に対して加えられる張力は、前記結び目を通じた非直線形状を担うために周囲に延伸する前記少なくとも第1の縫合糸のそれぞれの部分を再構成させ、結果として滑りに対する抵抗が増大する。
【0040】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は、前記第1の結び目と前記第2の結び目の実質的に全体を受け入れる受け口を画定する。
【0041】
1つの形態では、本発明は、骨の形態であるヒトの第1のボディと第2のボディとの間の関係を制御する方法に関する。この方法は、上記のようなシステムを得るステップと、前記縫合糸アセンブリが開始状態にある状態で、前記第1の骨の少なくとも1つの通路を通して前記第1の制限可能なサブループ及び前記第2の制限可能なサブループの部分を方向付けるステップと、前記第1のサブループと前記第2のサブループを、前記第2の骨に直接的又は間接的に係合させるステップと、前記第1のサブループと前記第2のサブループが第2の骨に係合したままで、前記少なくとも1つの結び目を安定させながら前記少なくとも第1の縫合糸の部分を前記第1の骨から離れるように同時に引き込み、それによって、前記第1の骨と前記第2の骨との間の所望の関係を維持するように選択される、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループに対する張力を生じさせるステップと、を含む。
【0042】
1つの形態では、前記システムは、前記縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、前記少なくとも1つの結び目と前記第1の骨との間に存在する少なくとも1つの構成要素をさらに備える。前記少なくとも1つの構成要素は、前記少なくとも1つの通路を通じて前記少なくとも1つの結び目の前進を阻止するように構成されている。前記少なくとも1つの結び目を安定化させながら前記少なくとも第1の縫合糸の部分を引き込むステップは、前記少なくとも1つの結び目が前記少なくとも1つの構成要素を支持することを含む。
【0043】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は受け口を有する。前記少なくとも1つの結び目を安定させながら前記少なくとも第1の縫合糸の部分を引き込むステップは、前記第1の制限可能なサブループと前記第2の制限可能なサブループのサイズを縮小するために、前記少なくとも第1の縫合糸の前記部分が引き込まれるときに、前記少なくとも1つの結び目の少なくとも一部分が、前記受け口内に存在するようにすることを含む。
【0044】
1つの形態では、前記少なくとも1つの構成要素は受け口を有する。前記少なくとも1つの結び目を安定させながら前記少なくとも第1の縫合糸の部分を引き込むステップは、前記少なくとも第1の縫合糸の前記部分が引き込まれるときに、前記少なくとも1つの結び目の実質的に全体が、前記受け口内に存在するようにすることを含む。
【0045】
1つの形態では、前記方法は、前記第1の骨内で前記少なくとも1つの構成要素を窪ませるステップをさらに含む。
【0046】
1つの形態では、前記少なくとも1つの結び目は、前記少なくとも1つの結び目が前記第1の骨内の前記少なくとも1つの通路を通って動くことが阻止されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図2】本発明による、第1の骨と第2の骨との間の関係を制御するためのシステムの概略図である。
【
図3】第1の骨と第2の骨との間で協働する、
図2のシステム上の縫合糸アセンブリの追加の詳細を示す概略図である。
【
図4】動作可能な開始状態にあり、第1の骨及び第2の骨ならびに予め形成されているが締め付けられていない縫合糸アセンブリ上の結び目と係合している、本発明による縫合糸アセンブリの1つの形態の部分概略図である。
【
図5】動作状態及び開始状態の縫合糸アセンブリの変形形態の、
図4と同様の図である。
【
図6】縫合糸アセンブリが第1の骨と第2の骨に対して動作可能かつ固定された状態にある、
図5の本発明のシステムの部分概略図である。
【
図7】2つの結び目と第1の骨との間に構成要素が設けられており、
図6に概略的に示されているような第2の骨と協働する特定の形態の構成要素が設けられている、
図6と同様の図である。
【
図8】
図7に示す結び目と第1の骨との間で協働する構成要素の一形態の端面図である。
【
図9】構成要素と相互作用するときの結び目及び縫合糸の部分が示されている、
図8と同様の図である。
【
図10】
図8に対応し、結び目と第1の骨との間で作用する構成要素のさらなる代替的な形態を示す図である。
【
図11】
図9に対応し、結び目と第1の骨との間で作用する構成要素のさらなる代替的な形態を示す図である。
【
図12】結び目と第1の骨との間で作用する構成要素のさらなる変形形態を示す、
図8及び
図10と同様の図である。
【
図13】結び目と第1の骨との間で作用する構成要素のさらなる変形形態を示す、断面図である。
【
図14】縫合糸アセンブリループと第2の骨との間で協働するための、
図7に示す構成要素の一形態の端面図である。
【
図15】協働するループが示されている、
図14と同様の図である。
【
図16】
図14のものに対応し、異なる方法でループと相互作用する構成要素の変形形態を示す図である。
【
図17】
図15のものに対応し、異なる方法でループと相互作用する構成要素の変形形態を示す図である。
【
図18】導入アセンブリを用いた第1の骨と第2の骨への本発明の縫合糸アセンブリの挿入を順次示すうちの1つの図である。
【
図19】導入アセンブリを用いた第1の骨と第2の骨への本発明の縫合糸アセンブリの挿入を順次示すうちの1つの図である。
【
図20】導入アセンブリを用いた第1の骨と第2の骨への本発明の縫合糸アセンブリの挿入を順次示すうちの1つの図である。
【
図21】縫合糸アセンブリがその動作可能な開始状態にあり、ノットプッシャが係合している、
図7と同様の図である。
【
図22】ノットプッシャが結び目を締め付けるために操作されている、
図21と同様の図である。
【
図23】ノットプッシャが分離され、引き込まれている縫合糸の部分が切断されている、
図21及び
図22と同様の図である。
【
図24】ノットプッシャがなく、結び目と第1の骨との間に作用する異なる形態の構成要素を有する、
図21と同様の図である。
【
図25】結び目が締め付けられており、縫合糸の引き込まれている部分が切断された、
図24と同様の図である。
【
図26】結び目を通って延伸する縫合糸の起立端を曲げる構成要素の変形形態を示す、
図25と同様の図である。
【
図27】構成要素が、骨折部付近の骨部分を安定化させるために使用されるプレートと協働する、
図24と同様の図である。
【
図28】プレートが第1の骨に取り付けられており、結び目が締め付けられており、縫合糸の引き込まれている部分が切断されている、
図27と同様の図である。
【
図29】アセンブリ機器が縫合糸アセンブリループに取り付けられており、第1の骨を通して縫合糸アセンブリループを引き込むように前進されている、本発明の縫合糸アセンブリの立面図である。
【
図30】縫合糸アセンブリループが第1の骨と第2の骨の両方を通って引き込まれており、ループ形成構造がループに取り付けられている、
図29と同様の図である。
【
図31】結び目が締め付けられるときに縫合糸アセンブリループが第2の骨上のループ形成構造によって保持されるようにするために、ノットプッシャを使用して、縫合糸アセンブリループが制限されている、
図30と同様の図である。
【
図32】縫合糸の引き込まれた部分が切断されている、
図31と同様の図である。
【
図33】a)結び目と第1の骨との間、b)第2の骨上のループ形成構造と第2の骨との間、にそれぞれ構成要素が設けられている、
図32と同様の図である。
【
図34】結び目と第1の骨との間で作用する構成要素の変形形態の拡大断面図である。
【
図35】構成要素のさらなる変形形態の、
図34と同様の図である。
【
図37】結び目のある縫合糸が適所にある、
図36と同様の図である。
【
図38】結び目と第1の骨との間で作用する構成要素のまたさらなる変形形態を示す拡大斜視図である。
【
図40】
図38及び39の構成要素をさらに別の観点から見た、縫合糸に対する関係を示す図である。
【
図41】通路を有する第1の骨の断面図であり、当該通路は、第1の骨と本発明の縫合糸アセンブリ上の結び目との間に作用する別の形態の構成要素を受け入れるために、カウンターボアをもって変形されている。
【
図42】構成要素が挿入されている、
図41と同様の図である。
【
図43】第1の骨通路内で構成要素が約90°回転されている、
図42と同様の図である。
【
図45】本発明による、第1の骨と第2の骨との間の関係を制御するための方法の概略図である。
【
図46】開始状態にある、本発明による縫合糸アセンブリの別の形態の開始状態の部分概略図である。
【
図47】縫合糸アセンブリが動作状態にあり、縫合糸アセンブリ上の二重ストランド結び目が予め形成されているが締め付けられていない、
図46と同様の図である。
【
図48】二重ストランド結び目が締め付けられている、
図47と同様の図である。
【
図49】第1の骨における本発明の縫合糸アセンブリの1つ又は複数の結び目の間で協働する阻止構造の一形態の斜視図である。
【
図50】第1の骨で使用するための本発明の阻止構造の別の形態の斜視図である。
【
図51】本発明の阻止構造の別の形態の斜視図である。
【
図52】本発明の阻止構造の別の形態の斜視図である。
【
図53】本発明の阻止構造のまたさらなる形態の斜視図である。
【
図54】本発明の阻止構造のなお別の形態の分解斜視図である。
【
図55】部品が組み立てられている、
図54と同様の図である。
【
図56】特定の本発明の阻止構造のための旋削工具の概略図である。
【
図57】
図50の阻止構造の斜視図であり、当該阻止構造は、
図56に概略的に示されているように一形態の旋削工具と係合しており、縫合糸アセンブリが動作状態にある状態で、
図5にあるように、2つの結び目で形成された第1の縫合糸及び第2の縫合糸と関連付けられる。
【
図58】旋削工具が取り外され、ノットプッシャアセンブリが動作可能に位置決めされている、
図57と同様の図である。
【
図59】阻止構造が旋削工具によって第1の骨内に埋め込まれている、
図58と同様の図である。
【
図60】
図59と同様の図であり、
図59と同様のノットプッシャアセンブリによって安定化された結び目が、縫合糸アセンブリ上の制限可能なループのサイズが縮小されているために、埋め込まれた阻止構造上の受け口内へと前進されている。
【
図61】本発明の阻止構造の別の形態が第1の骨の収容孔内に前進していることを示す縫合糸アセンブリの斜視図である。
【
図62】関連する縫合糸のループサイズを制限することによって、阻止構造が並進経路において孔内に進められた
図61と同様の図である。
【
図63】阻止構造と、一形態の縫合糸アセンブリと、阻止構造を埋め込み、縫合アセンブリ状の結び目を締め付けるために共に使用される工具及び把持可能ハンドルと、が予め組み立てられた組み合わせの斜視図である。
【
図64】
図63のように、工具によって阻止構造を旋削することを可能にするために、工具と阻止構造との間で協働する構成要素の概略図である。
【
図65】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図66】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図67】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図68】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図69】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図70】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図71】本発明の構造を用いて月状骨と舟状骨との間の関係を制御する方法を順次示すうちの1つの部分概略図である。
【
図72】
図65~
図71の手順を実行するために月状骨に固定されている代替的な形態の構成要素の拡大立面図である。
【
図73】
図65~
図71の手順を実行するために月状骨に固定されている代替的な形態の構成要素の拡大立面図である。
【
図74】
図65~
図71の手順を実行するために月状骨に固定されている代替的な形態の構成要素の拡大立面図である。
【
図75】結び目形成を容易にするためにストランド部分を戦略的に接合することによって変形された縫合糸アセンブリを有する、
図47と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1では、本発明のための一般的な環境が符号10で示されている。本発明は、解剖学的修復/再建のために設計され、第1の塊/ボディ/骨(mass/body/bone)12と第2の塊/ボディ/骨14との間で相互作用する。塊/ボディ12,14の少なくとも1つは、靭帯、筋肉、又は他の軟組織であってもよい。塊/ボディ12,14はどちらも軟組織であってもよい。代替的に、塊/ボディ/骨12,14は、軟組織と骨との組み合わせであってもよい。またさらに、塊/ボディ12,14のうちの1つは、ヒトの解剖学的構造に組み込まれた異物であってもよい。一例として、血管は血管ステントの周りで結び付けられていてもよい。塊/ボディ12,14の両方は、ヒトの解剖学的構造に一体化されたインプラントなどの異物であってもよい。以下の説明及び特許請求の範囲で使用されるように、簡略化のために、「ボディ」は一般に前述の「塊」及び「骨」を包含する。
【0049】
「ヒト」との関係で本明細書に記載されているが、本発明の概念は、非ヒト被験体に対して使用することができる。簡潔さ及び明瞭さの目的のために、本発明は、ヒトの第1の骨及び第2の骨とともに使用されるように本明細書に記載される。しかしながら、本発明の動作を説明するのに有用であるが、本出願は限定的であると見なすべきではない。
【0050】
本発明は、互いに引き寄せられる必要のある第1の骨12と第2の骨14、又は、処置の一部として、2つの骨の間で特定の値未満に分離を制限するが、それ以外ではこの分離制限内で骨の間の継続した相対運動を可能にするために、互いに向かって付勢される必要がある第1の骨12と第2の骨14との間で協働させるのに特に有用である。
【0051】
図2に示すように、本発明は、第1の骨12と第2の骨14との間の関係を制御するための、符号16にあるシステム、又はインプラントに関する。システム16は、動作状態に配置されるように構成された縫合糸アセンブリ18を含み、縫合糸アセンブリ18は、
図3に概略的に示されるような少なくとも1つの制限可能なループ20を画定し、制限可能なループ20は第1の骨12と第2の骨14との間で協働する。本明細書における異なる形態において、ループ20は、縫合糸アセンブリ18によって形成された連続形状であってもよい。代替的に、ループ20の連続形状は、縫合糸アセンブリ18とともに第1の骨12及び/又は第2の骨14によって部分的に形成されてもよい。簡単化のために、縫合糸アセンブリ18は、その一部が第1の骨12及び/又は第2の骨14によって画定されていても、ループを形成していると考えられる。
【0052】
縫合糸アセンブリ18は、少なくとも1つの縫合糸22で構成されている。本明細書で使用される「縫合糸」は、標準的な縫合糸構造、及び標準的な縫合糸と同じ基本機能を果たすことができるステンレス鋼ケーブル、縫合テープ、コードなどのような他の全ての構造を包含することを意図する。少なくとも1つの結び目24が、縫合糸22の1つに形成される。縫合糸アセンブリ18がその動作状態にあるとき、結び目24は、第1の骨12内に戦略的に選択されたサイズを有する通路28を通って導かれる部分のストランド26の周りに延伸する。結び目24を安定させ、同じ又は別のストランド26を第1の骨12から引き離すことによって、ストランドは結び目24を通じて摺動し、ループ20のサイズが縮小される。ループ20のサイズが制限されると、安定化された結び目24は、第1の方向に、すなわち第1の骨12に向かってシフトする。
【0053】
縫合糸アセンブリ18は、a)縫合糸アセンブリ18が動作状態にあり、制限可能なループ20が第1の張力下に置かれている状態で、結び目24がストランド26を取り囲んでいる箇所で、制限可能なループ20のサイズを維持する第1の力で結び目24がストランド26を把持するように、また、b)縫合糸アセンブリ18が動作状態にあり、ループ20が前記第1の張力よりも大きな張力下に置かれている状態で、結び目24がストランド26を取り囲んでいる箇所で、制限可能なループ20のサイズを維持する前記第1の力よりも大きい力で結び目24がストランド26を把持するように、構成される。
【0054】
縫合糸アセンブリ18がその動作状態にあり、固定されている状態で、結び目24は通路28を通って前進することを阻止される。
【0055】
縫合糸アセンブリ18がその動作状態にあるとき、ループ20は、
a)第2の骨14、
b)第2の骨14上の構造又は第2の骨14と関連付けられる構造であって、ループ20が第1の骨12と第2の骨14とが互いに離れる動きを互いに制限し、かつループ20が第1の骨12と第2の骨14を互いに向けて、かつ潜在的に互いが離れる方向に、引くように制限され得るよう構成されている、構造30、
のうちの少なくとも一方の周りに延伸する。
【0056】
ここで、システム16の特定の形態を説明する。
図2及び
図3の構成要素の一般的な表示は、本明細書に記載された特定の構成要素、ならびに、実質的に無制限の数のその変形及びそれらの相互作用を包含することを意図しているため、例示的な形態は限定を意図するものではないことを理解されたい。
【0057】
1つの基本的な形態では、
図4に示すように、縫合糸アセンブリ18は、自己完結型のループ20を形成する単一の縫合糸22からなる。図示されている結び目24は調整可能な曲げ結びであり、縫合糸部分32の結び目のある部分の自由端がストランド26aの周りに方向付けられて、2つの完全な巻線T1、T2を生成する。図では2つの完全な巻き線が示されているが、ストランド26aの摺動に対する所望の抵抗を選択するために、巻数は異なっていてもよい。次いで、平行なストランド34とストランド26aの周りに自由端32が巻かれて別個の巻線T3を生成し、その後、自由端32は巻線T2とT3との間に突出する。この実施形態及び他の実施形態の説明を簡単にする目的で、縫合糸22の別々の平行な部分(区間)は、同じ縫合糸22の一部であっても、別個の「ストランド」と見なされる。結び目24を安定させること及び部分32を引っ張ることによって、結び目24は、その周りに結び目が延伸するストランド26aの部分を把持する。これにより、縫合糸アセンブリ18は、予め形成された動作可能な開始状態にある。
【0058】
次いで、ループ20は、第1の骨12を通る通路28を通って方向付けられ、その結果、遠位ループ端38は、適切な接合構造40によって接合されるように、第2の骨14の近くで動かされる。接合構造40は、限定するものではないが、異なる実施形態について以下に記載されているものを含むいくつかの異なる形態をとることができる。この段階では、接合構造40は、結び目24が矢印42で示す第1の方向において通路28を通って移動するのが阻止されることによって、ループ20のサイズを制限することを可能にし、それに付随して、第2の骨14を第1の骨12に向かって第1の方向に付勢する力が第2の骨14に加えられる、と述べるに留めておく。この制限は、結果的に第1の骨12に向かって第1の方向に移動する完成した結び目24を安定させながら、ストランド34の一部分44を第1の方向とは反対の方向(矢印46で示される)に引くことによって行われる。ストランド34の牽引方向は、第1の骨12と第2の骨14との間に加えられる力の線に実質的に平行である。
【0059】
結び目24が移動を阻止された状態で、ストランド44に対する第1の方向の張力は、縫合糸が負荷下で狭くなるようにし、結び目24を通る直線経路に向かうようにし、それによってストランド26aは第1の方向に摺動して、ループ20のサイズが縮小される。他方、ループに第1の方向とは反対の方向に張力が加わると、結び目24がストランド26aの周りを締め付けて、結び目24が、非直線経路にわたって結び目24内の材料の周りのストランド26aの経路を局所的に曲げ、かつ結び目24がストランド26aをその周囲で把持し、結果として結び目24内でストランド26aが係止され、ループ20の拡大が防止される。
【0060】
図4の表示は、性質上幾分概略的である。結び目24がその
図4の構成から締め付けられることによって、結び目24が通路28の中へ及び通路28を通って移動することを阻止される適切な有効サイズを有することが考えられる。
【0061】
代替的に、結び目24と第1の骨12との間に1つ又は複数の構成要素48を挿入して、通路28を通る結び目24の前進を阻止することができる。
【0062】
調節可能な曲がった結び目24は、ループ20に張力がかかり得るように形成され、それによって、結び目24は、ストランド26aを積極的に把持し、第1の骨12と第2の骨14によって与えられる力であってこれらが互いに離れる方向に動かす傾向がある力の下で、結び目24の摺動を防止する。さらに、調整可能な曲がった結び目24は、骨12,14を互いが離れる方向に動かすことによって、ループ20に対して、ストランド26aに対する結び目24の把持力を増加させ、それによって、最適に選択されたサイズのループ20をより確実に維持することによって、縫合糸アセンブリ18の完全性を高める張力を生じさせるように構成される。
【0063】
設定されたループサイズの維持は、キャプスタン効果を通して負荷を消散させるために、ループ20と第2の骨14及び/又は接合構造との相互作用、並びに、結び目24を通る非直線経路によってさらに支援される。
【0064】
したがって、外科医は、予め形成された結び目24を有する縫合糸アセンブリ18を得、ループ20を通路28に通して第2の骨14と係合するように方向付け、結び目24を安定させながら第1のストランド部分44を第2の方向に引っ張るだけでよく、これに付随して、結び目24が第1の方向に前進する。結び目24は、患者の筋骨格系によって、互いに対して付勢される、又は標準的に互いが離れる方向に付勢される骨12,14によって生成される抵抗圧力に抗して締め付けられる。外科医は、さらなる結び目を作成する必要はないが、結び目24の完全性及び保持能力をさらに高めるために追加の結び目を作ることが考えられる。外科医は、引っ張られたストランド部分44と縫合糸部分32の余分な部分を除去するだけでよい。
【0065】
調整可能な曲げ構成が結び目24について記載されているが、他の結び目構成も同様に使用可能であると考えられる。一般的な表示内では、
図2の結び目24は、例えば、ハーフヒッチ結び目、ローリングヒッチ結び目、ミッドシップマンヒッチ結び目、調整可能な結び目、及び本明細書に記載のようなシステム16で締め付けるその他の結び目である。本質的に、考えられる結び目は、さらに締め付けるグリップノットであり、したがって、関連するループにさらに張力がかけられたときにより強固になり、これは、システム16において、縫合糸アセンブリ18がその動作状態にある状態で、骨12,14が互いに離れる方向に付勢されるときに生じる。結び目24は、通路28を通って前進せず、直接的に又は間接的に第1の骨12を支持して、システム16を固定するための最初の処置が外科医によって行われるときに、結び目24の効果的なさらなる締め付けを可能にする止め結びを画定する。
【0066】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、ストランド部分が引き込まれ、結果としてのその周囲のストランド部分に沿った結び目のシフトは、相互に逆向きである第1の方向及び第2の方向に生じると記載されているが、完全に平行な経路で生じなくてもよいことに留意すべきである。本明細書で使用される「第1の方向及び第2の方向」は、本質的に一般的なものであることが意図されているが、システム16が利用されるときの様々な縫合糸アセンブリ部品間の相対運動がどのように生じるかを理解するのに十分明確である。
【0067】
縫合糸アセンブリのより好ましい形態が、
図5~
図44に18’で示されている。縫合糸アセンブリ18’は、協働して第1のループ20a’と第2のループ20b’の一部又は全部を生成する第1の縫合糸22a’と第2の縫合糸22b’を利用する。第1の結び目24a’は第1の縫合糸22a’によって形成され、第2の結び目24b’は第2の縫合糸22b’によって形成される。結び目24a’は、第2の縫合糸22b’上の第1のストランド26a’を取り囲み、第2の結び目24b’は、第1の縫合糸22a’上の第2のストランド26b’を取り囲む。第1の縫合糸は、第2のストランド26b’の一部である自由部分/端部44a’を有する。第2の縫合糸22b’は、第1のストランド26a’の一部である自由部分/端部44b’を有する。ストランド部分44a’、44b’は、矢印46で示すように、前述の第2の方向に引っ張られて、第1のループ20a’と第2のループ20b’のサイズが縮小される。
【0068】
図5の縫合糸アセンブリ18’によって、第1のループ20a’と第2のループ20b’は、本明細書の様々な他の形態のループ20のように、制限可能な「サブループ」を規定する。これらのサブループは、制限可能なループ構造を共に構成し、結合ループCLを規定する。結合ループCLは、そのサイズが縮小されることができ、それにより、塊/ボディ/骨12と塊/ボディ/骨14とが互いに近づく、及び/又は、互いに離れる方向に付勢する力を、塊/ボディ/骨12と塊/ボディ/骨14に対して生成することができる。自由端44a’、44b’を第1の方向に引っ張ることにより、結果として縫合糸ループ20a’、20b’が、結合ループCLの部分に沿って反対方向に引っ張られる。その結果、結合ループCLの別個の周部分CLA、CLBに、張力が、結び目24a’、24b’から離れる方向に加えられると、第1の結び目24a’と第2の結び目24b’の各々は、a)当該結び目が周囲に延伸する縫合糸のそれぞれの部分を、より大きな力で把持する、b)当該結び目が周囲に延伸する縫合糸のそれぞれの部分を、結び目24a’、24b’を通り、それにより結び目24a’、24b’内の縫合糸部分の摺動運動に抵抗する非直線形状、に再構成する。ループ部分CLA、CLBのいずれかを引っ張ることにより縫合糸ループ20a’、20b’の一方の抵抗を増大することによって、結合ループCLの有効サイズが効果的に維持される。
【0069】
図5の最初の動作状態及び開始状態の縫合糸アセンブリ18’によって、縫合糸アセンブリ18’を
図6のように成形し、ループ20a’、20b’を第1の骨12の通路28を通して前進させることができる。
【0070】
遠位ループ部分52a’、52b’は、ループ20a’、20b’のサイズを縮小することにより、結び目24a’、24b’が第1の骨12に対して支持された状態で、第1の骨12と第2の骨14が互いに向かって引っ張られるように、第2の骨14と相互作用する。ループ部分52a’、52b’を第2の骨14に接続する正確な方法は、本発明にとって重要ではない。最初の議論の目的のために、ループ部分52a’、52b’を第2の骨14と相互接続するための少なくとも1つの構成要素54が示されている。構成要素(複数可)54は、ループ20a’、20b’が協働して第2の骨の一部の周りに延伸するように構成することができる。代替的に、構成要素(複数可)54は、第2の骨14におけるアンカーとして機能することができる。
【0071】
構成要素(複数可)54は、ループ20a’、20b’が独立して第2の骨14に接続されるように構成されてもよい。より好ましくは、構成要素(複数可)54は、ループ20a’、20b’が、この実施形態において、2対のループ形成ストランドとの結合ループとして共に機能するように構成される。
【0072】
図6の構成のシステム16では、ループ20a’、20b’のサイズが縮小されるにつれて、第1の結び目24a’と第2の結び目24b’が、通路28を通じて方向付けられる各々のストランド26a’、26b’の部分に沿って、矢印42で示す第1の方向にシフトする。これは、それぞれストランド26b’、26a’の部分44a’、44b’が、結び目24a’、24b’が安定化された状態で、第1の骨12から離れるように第2の方向(矢印46)に引っ張られ、それによって各ループ20a’、20b’のサイズが縮小される結果として起こる。換言すれば、摺動部分は、それぞれの結び目24a’、24b’内で締め付け摺動方向(tightening sliding direction)に動いて、それぞれのループ20a’、20b’のサイズを縮小させる。
【0073】
図示されているように、
図6の幾分概略的な意味で、結び目24a’、24b’は通路28の周りで骨12に直接当接し、それによって、それらの結び目は協働して、通路28内に/通路28を通って前進することができない塊を生成する。これにより、結び目24a’、24b’は、引っ張られた縫合糸部分44a’、44b’に適切な張力を加えて結び目24a’、24b’を締め付けることができるように支持されるようになる。この張力は、結び目24a’、24b’が、それらが取り囲む各々のストランド26a’、26b’を十分な力で把持するよう選択され、その十分な力は、
ストランド26a’、26b’が、その各々の結び目24a’、24b’内で、ループ20a’、20b’の拡大を許容するような締め付け摺動方向とは反対の方向に摺動しないのに十分な力である。
【0074】
図示された結び目構成はまた、骨部分12,14の間に作用する力であって骨部分が互いに離れる方向に動かす傾向のある力が、縫合糸22a’、22b’に作用して、結び目24a’、24b’をさらに緊密に締め付ける。すなわち、ループ20a’、20b’に対する張力が増加することによって、関連する縫合糸22a’、22b’上の各結び目24a’、24b’がより緊密に締め付けられ、それにより、それぞれのストランド26a’、26b’が、ループ20a’、20b’のサイズをさらにより確実に維持するためにより大きい保持力で把持される。
【0075】
ループ20a’、20b’を画定する縫合糸の部分は、ループ20a’、20b’のサイズが縮小するにつれて、第2の骨14又は接合構造40の周りで反対方向に動く。したがって、ループ20a’、20b’にどの方向の張力が加えられても、骨12,14の相対運動を試みると、結び目24a’、24b’は囲まれた摺動する縫合糸部分に対する把持力を増加させる。言い換えると、結合ループCLに非対称的な荷重を発生させる力を含めて、骨12,14を互いが離れる方向に変位させる傾向にある力がどのように加えられるかにかかわらず、結び目24a’、24b’は、a)把持力を増大させる、及び、b)囲まれた縫合糸部分を再構成する、の少なくとも一方を行う。後者の場合、包囲された縫合糸部分は、曲げられ、又は、そうでなければ直線構成から外れ、加えて、滑りを防止する大きな摩擦力を生成するために、結び目と織り合わされるか、結び目に巻かれる。
【0076】
図5を参照すると、2つのループ20a’、20b’の反対の摺動方向が、以下の追加の機構、すなわち、自由端44a’、44b’が矢印46で示す方向に引っ張られるときはループ20a’、20b’のサイズが容易に縮小されることを可能にするが、矢印42で示す反対方向に張力が加えられると、ループ20a’、20b’の拡大を係止及び防止する機構、を提供することが分かる。ループ20a’は端部26e’を有し、片側のストランド26bは結び目24b’を滑動することができ、反対側のストランド26c’は結び目24a’内の固定点で終端する。同様に、ループ20b’は端部26f’を有し、片側のストランド26a’は結び目24a’を滑動することができ、反対側のストランド26d’は結び目24b’内の固定点で終端する。自由端44a’と44b’がそれぞれ結び目24b’と24a’から引き離されるとき、力は、摺動するストランド部分26a’及び26b’にのみ伝達され、固定されたストランド部分26c’及び26d’は負荷が無くなり、結果として結び目24a’、24b’を通ってストランド26a’、26b’が摺動し、ループ20a’、20b’が閉じられる。これに対し、結び目24a’、24b’から離れる方向に端部26e’、26f’へと負荷が加えられると、端部26e’、26f’の両側の各ストランドに負荷がかかる。しかし、ループ端部26e’及び26f’が第2の構造30に巻かれているため、キャプスタン効果が生じ、相対的に低い引張荷重が摺動ストランド26a’、26b’内で増幅されて、それぞれストランド部分26d’、26c’における相対的に高い引張荷重に抵抗する。このため、ループを拡大しようとするために矢印42の方向に力が加えられると、滑りを生じることなくストランド部分26c’及び26d’に負荷の増加が起こり得る。
【0077】
図7では、縫合糸アセンブリ18’がその動作状態にある状態で、結び目24a’、24b’の各々と第1の骨12との間に構成要素48a’が示されている。構成要素48a’は、結び目24a’、24b’の各々の、第1の骨12の通路28内への動き、及び通路28を通る動きを阻止するように構成される。構成要素48a’は、全ての構成要素48と同様に、組織の刺激を避けるために、任意の露出面が湾曲/丸みを帯びるように構成されている。
【0078】
図示のように、構成要素48a’は、骨係合側56と反対側58とを有する。少なくとも1つの、この場合は単一の貫通開口60aが、骨係合側56と反対側58との間に延在する。第1の縫合糸22a’と第2の縫合糸22b’の各々の2つの部分は、開口60aを通って延伸する。貫通開口60aは、ループ20a’、20b’の張力が増加するにつれて、結び目24a’、24b’が反対側58に当接して、開口60aを介してくさび止めされ得ないように構成されている。
【0079】
図8~
図13には、構成要素48a’の代替の構成が示されている。
図8と
図9において、構成要素48b’は、
図7の構成要素48a’に示されているように、対応する縁62aと同様に傾斜した丸みを帯びた周縁62bを有する略長方形の形状を有する。これにより、患者の軟組織を刺激する可能性のある鋭いコーナが形成されるのを回避する。
【0080】
開口60bは、
図9に示すように、縫合糸22a’、22b’を構成する材料の直径に対して、直径を有する円形の形状を有する。
図9に見られるように、結び目24a’、24b’は、集合的に、開口60bのものより実質的に大きな有効直径を有する塊を形成する。
【0081】
図10と
図11では、
図11に示すように、縫合糸アセンブリ18及び結び目24a’、24b’と相互作用する細長い開口60cを有する構成要素48c’が示されている。
【0082】
図12では、文字「T」又は「X」の形状を有する開口60dを有する構成要素のさらなる形態が48d’で示されている。この開口形状は、縫合糸22a’、22b’の材料の直径に適応するが、結び目24a’、24b’を通さないアーム部分64a、64b、64c、64dを生成する。
【0083】
図13では、構成要素のさらなる変形形態が48e’で示されている。構成要素48e’は開口60eを有し、開口60eは開口60a~60dのいずれかと同じであってもよく、又は代替的な形状を有していてもよい。構成要素48e’との主な相違点は、結び目24a’、24b’の塊の一部又は全部を受け入れるためにカップ形の受け口66が形成されることである。全体的に丸みを帯びた形状によって、構成要素48e’は、結び目24a’、24b’の突出露出を最小にしながら、軟組織の有意な刺激を回避することができる。
【0084】
図7に示す構成要素54a’は、
図7に示すように概ね楕円形の細長い形状を有する本体68を有する。本体68は、それぞれの縫合糸22a’、22b’の各々の部分を収容するための、離散して離間された開口70a、70bを有する。開口70a、70bの間には壁72aが形成されている。壁72aの周りにループ部分52a’、52b’が巻き付けられ、ループ部分52a’、52b’が、本体68が当接する第2の骨14に対して支持力を生成する。当該支持力は、ループ20a’、20b’が制限され/張力をかけられると、第2の骨14を第1の骨12に向かって付勢するものである。
【0085】
以下、本体68の全体的な形状の重要性について説明する。軟組織の刺激を避けるために、全ての縁が丸められている。
【0086】
構成要素54a’の代替形態が
図14~
図17に示されている。
図14と
図15において、構成要素54b’は、2つの略楕円形の離間した開口70c、70dを有し、開口は、
図15に示すように、ループ部分52a’、52b’が独立して巻かれる壁72bをそれらの間に有する。
【0087】
図16と17において、構成要素54c’は、開口70e、70fが互いにより近くなってより狭い壁72cを画定することを除いて、構成要素54b’と概して同じ構成を有する。ループ20a’、20b’は、ループ部分52a’、52b’において各々他方を通じて延伸し、
図17に示すように壁72cに巻き付けられる。この構成では、ループ20a’、20b’は、開口70e、70fのうちの1つだけを独立して通過する。
【0088】
これらの実施形態の各々において、構成要素54は、ループ部分52a’、52b’と第2の骨14との間に係留されるようになる。
図7の例示的な構成要素54a’で示されるように、構成要素54の各々は、骨係合側74及び反対側76を有し、ループ部分52a’、52b’は反対側76において壁72aを支持する。ループ部分52a’、52b’が構成要素54に巻き付くところでキャプスタン効果が生じる。これは、荷重下のそれぞれの周囲の結び目24b’、24a’における縫合糸22a’、22b’の摺動を回避するのにさらに役立つ。
【0089】
図18~
図20では、ループ20a’、20b’を構成要素54a’に係合させて縫合糸アセンブリ18’上にループ20a’、20b’を前進させるための導入アセンブリ78が示されている。導入アセンブリ78は、縫合糸アセンブリ18のための細長い受け口82を画定する円筒状ハウジング80を含む。細長い構成要素54a’は、
図18に示すように、受け口82の軸84と整列するように回転される。構成要素54a’は、ハウジング80の前端86からわずかに突出している。プランジャ88が、構成要素54a’の長手方向端90の1つに係合する。
【0090】
図18に示すように導入アセンブリ78を縫合糸アセンブリ18に係合させることによって、ハウジングの前端86と構成要素54a’を使用して、協働的に、導入アセンブリ78と縫合糸アセンブリ18を、矢印42で示す第1の方向において、第1の骨12内の通路28と第2の骨14内の同様の直径の通路92の中へ、及び、当該通路を通して誘導することができる。係合した縫合糸アセンブリ18を有する導入アセンブリ78は、通路28,92を画定する比較的小さな直径の開口によって収容され得る有効断面積を有する。
【0091】
ハウジング80の
図19の位置が実現されると、プランジャ88を受け口82内で矢印94の方向に前進させることができ、これにより構成要素54a’が第1の方向にさらに前進し、矢印96の方向において
図20の位置に向かって旋回する。次いで、導入アセンブリ78を骨通路92,28から後退させることによって、ループ20a’、20b’は、矢印46によって示されるように、第2の方向に引っ張られ、本体68の表面74を第2の骨14に呈する。
【0092】
これが起こると、縫合糸アセンブリ18を、
図21に示す動作可能な開始状態から、
図22に示す動作可能な係合状態に変更することができる。縫合糸アセンブリ18’の状態を手作業で、また特別な工具なしに変更することが可能であるが、便宜的にノットプッシャ98が設けられている。ノットプッシャ98は、それぞれ結び目24a’、24b’のための離間した受け口102,104を有する全体的にカップ形状のハウジング100を有する。チャネル106,108はそれぞれストランド26a’、26b’を収容するためにそれぞれ受け口102,104からハウジング100を完全に貫通して延伸する。同じ概念を使用して、代替的な形態では、単一の受け口及びチャネルが使用されてもよい。押圧部材110が、狭いステム112を介してハウジング100に接続される。
【0093】
図21の位置では、ストランド部分44a’、44b’が矢印46で示す第2の方向に引っ張られるときに、結び目24a’、24b’を安定させる押圧部材110が示されている。押圧部材110は、
図22の状態が実現されるまで、結び目24a’、24b’が結果として矢印42で示す第1の方向にシフトするのに追従する。
【0094】
その後、ノットプッシャ98が分離され、
図23に示すように、ストランド26a’、26b’が切断されて、結び目24a’、24b’を大きく超えて突出しない起立端114a、114bが生成される。
【0095】
構成要素48は、結び目24a’、24b’と第1の骨12との間に挿入されていることに留意されたい。構成要素48は
図18~20には見られないが、導入アセンブリ78と動作可能に係合する前に縫合糸アセンブリ18に組み込むことができる。構成要素54a’が導入アセンブリハウジング80上の受け口82への導入及び受け口82からの引き出しを可能にするように再配向されるのと同じように、細長い構成要素48を、このプロセス中に再配向することができる。
【0096】
第2の骨14との特定の接続は、第2の骨を通るループ20a’、20b’の前進を必要としないものであり得る。しかし、このような異なる実施形態について、同じ基本組み立てステップが実行される。具体的には示されていないが、ループ20を第2の骨14の表面上の固定構造に、又は部分的に第2の骨14内に固定することは、当業者には明らかであろう。
【0097】
図24と
図25において、縫合糸アセンブリのさらなる改変形態が18’’で示されている。縫合糸アセンブリ18’’は、主にアンカー構成要素として機能する構成要素48a’’の構成のために、縫合糸アセンブリ18’とは異なる。構成要素48a’’は、貫通開口60a’’を有するねじ付き骨ねじの形態である。第1の骨12に孔が穿孔され、構成要素48a’’のねじ式埋め込みが可能になる。ループ20a’、20b’は、使用のための縫合糸アセンブリ18’’を準備するために開口60a’’を通じて方向付けられる。縫合糸アセンブリ18’’の動作可能な開始状態を
図24に示す。ストランド26a’、26b’が第1の骨12から引き離されて縫合糸アセンブリ18を固定するときに、安定化された結び目24a’、24b’は、第1の骨12に向かってシフトされる。
【0098】
構成要素48a’’の後端部116は、結び目24a’、24b’が完全に締め付けられたときにそれらが当接する平坦面であってもよい。より好ましくは、構成は
図24に示すようなものである。貫通開口60a’’は、一定直径部分118を有する。後端部116の近くの開口120は、後端部116から部分118まで先細になる直径を有し、これによって、完全に締め付けられると、結び目24a’、24b’のための受け口を境界付けし、結び目24a’、24b’を支持する切頭円錐面を画定する。結び目24a’、24b’は、
図25では完全に着座して示されている。
【0099】
図26に示すように、開口60a’’は、切断された後のストランド26a’、26b’の起立端部122a、122bを、両頭矢印124で示すように、ループ20a’、20b’の張力線に対して傾斜させることができる。この関係によって、結び目24a’、24b’が締め付けられると、結び目は、傾斜した起立端部122a、122bを挟み込む傾向となり、それによって、ループ20a’、20b’を緩める可能性がある、ストランド26a’、26b’に沿った結び目24a’、24b’の摺動に対するより大きい抵抗が与えられる。さらに、締め付け力の下での結び目24a’、24b’の再構成により、結び目材料とストランド26a’、26bとが互いに噛み合い、延びた非直線的な部分にわたって互いに対してより緊密に保持されて、スリップを防止する摩擦保持力が増強される。
【0100】
開口60a’’の断面形状は、例えば、
図8,
図10,
図12に示すような開口60b、60c、60dのような形状、又は別の形状をとることができる。
【0101】
図27において、縫合糸アセンブリ18’’は、プレート126の形態の別のシステム構成要素とともに示されている。プレート126は、骨折の近傍にある第1の骨12の別個の部分128,130を安定化させるために従来通り固定されるように構成されている。
【0102】
構成要素48a’’は、プレート126上のねじ開口134内に係合するオプションのねじ山132を有する。構成要素48a’’は、2セットのオプションのねじ山、すなわちプレート126との係合のための1つのねじ山132と、構成要素48’’を第1の骨12に堅固に固定するための1つのねじ山135とを備えて示されている。構成要素48a’’は、
図26のようにプレートなしで使用される場合には、ねじ山132のセットなしで作製することができるが、汎用構造を両方の用途に使用することができる。
【0103】
縫合糸アセンブリ18’’は、他の様態では、
図28に示す縫合糸アセンブリ18’’の最終的な動作可能な組み立て状態を有する、上記の縫合糸アセンブリ18の他のバージョンと同じように使用することができる。
【0104】
ループ20a’、20b’が、
図29~
図33に示すように、第2の骨14を介して行われる手順によって第2の骨14に係合され得ることも考えられる。
【0105】
図29に示すように、引き出しリング138を有する組み立て器具136が、ループ20a’、20b’と係合して、それらのループが第1の骨12内の通路28と第2の骨14内の通路92を通じて連続して引っ張られることを可能にすることができ、それによって、ループ部分52a’、52b’は、
図30に示すように、第2の骨を越えて露出される。これにより、ループ20a’、20b’を、第2の骨14に隣接する位置から接続された前述のアンカー構造30に接続することができる。構造30は、
図30~
図33に示す構造に限定されない。例示的な構造30は一対の縫合糸140a、140bの形態であり、当該一対の縫合糸は、同延の部分を有し、離間した結び目142a、142bを画定するように結ばれている。
【0106】
図30の矢印146で示されるように、構造30の端部144をループ20a’、20b’を通じて方向付けることによって、ループ20a’、20b’は、矢印46で示されるように、前述の第2の方向に動かされて、ループ部分52a’、52b’及び構造30の一部を第2の骨14内の通路92を通じて引き戻すことができる。結び目142a、142bは、
図31に示すように、第2の骨14に当接し、それによりさらなる動きを阻止し、それによって、構造30が固定ループ148を画定する。ループ20a’、20b’、及び148は、各々他のループを通って延伸し、協働して、第1の骨12及び第2の骨14の互いが離れる方向への動きを制限する。
【0107】
その後、結び目24a、24bは、
図32に示されるシステムの最終的な構成を用いて前述の実施形態のように締め付けられる。図面は、2つの縫合糸及び2つの結び目の形態の構造30を示しているが、ループ20a’、20b’を通って延伸して、チャネル(通路)92よりも大きいサイズを有する単一の結び目に結ばれた単一の縫合糸のような代替的な構成も企図される。
【0108】
この実施形態では、全ての実施形態と同様に、縫合糸/結び目の動きを阻止するために別個の構成要素を使用することはオプションである。
図33に示すように、様々な記載された構成のいずれか又は別の構成を有する構成要素48,54を用いて、結び目24a’、24b’、及び142a、142bがそれぞれの通路28,92を通過することを阻止することができる。
【0109】
上述したように、構造30は図示された形態とはかなり異なる場合があることが理解されるべきである。例えば、ループ20a’、20b’のためのアンカーとして働くように、固定された締結具を第2の骨14に設けることができる。
【0110】
図26に示す実施形態に関して述べたように、結び目24a’、24b’とそれに関連するストランド26a’、26b’との間に把持作用を生じさせることによって、強化された結び目保持を達成することができる。この特徴を有する異なる形態の構成要素を
図34~
図40に示す。
【0111】
図34において、構成要素48’’’は、結び目24a’、24b’から延伸する縫合糸部分を収容する開口152a’’’、152b’’’を備えた本体150’’’を有する。開口152a’’’、152b’’’は、表面154’’’に数字「8」の形状の開口構成を協働的に画定するように収束する。
【0112】
図35の構成要素48
4'は、主として開口152a
4'、152b
4'が表面154
4'に連続的な楕円形を有するチャンバ156
4'に収束する点で、48’’’と異なる。
【0113】
図36と
図37において、構成要素48
5'は、それらの間にチャンバ156
5'を有し、表面154
5'に楕円形の出口開口を画定する収束開口152a
5'、152b
5'を有する。
【0114】
この構造では、締め付けられた結び目24a’、24b’は、それぞれ受け口158a、158b内に位置する。その結果、結び目24a’、24b’から延伸する縫合部分は、開口152a5'、152b5'に入るように曲がり、さらに屈曲して、チャンバ1565'を通って構成要素485'を出る。
【0115】
図37において最も明確に分かるように、結び目24a’によって囲まれた例示的なストランド26a’は、2つの比較的鋭い曲がりを有し、それによりストランド26a’と結び目24a’との間の相対的な摺動運動を阻止する把持位置PL1、PL2を形成する。
【0116】
図38~
図40では、48
6'でさらなる形態の構成要素が示されている。構成要素48
6'は、離間した壁162,164を有する本体160を有し、それらの壁の間に空洞166が形成される。
【0117】
壁164は単一の貫通開口168を有し、当該貫通開口を通じて、第1の縫合糸22a’の2つの部分が延伸し、かつ第2の縫合糸22b’の2つの部分が延伸する。第1の結び目24a’及び第2の結び目24b’は、締め付けられると空洞166内に少なくとも部分的にシフトし、各々が壁162,164によって部分的に画定された湾曲した縁部170a、170bによって阻止される。
【0118】
またさらなる代替的な形態では、
図41~
図44に示すように、第1の骨12内の通路28への入口にカウンターボア(座ぐり)172が形成されている。構成要素48
7'が、変形された通路28内に入れ子状になったインサートの形態で設けられている。構成要素48
7'は、各々が結び目24a’、24b’のうちの1つを収容する、離間した受け口176a、176bを生成するように構成される。第1の縫合糸と第2の縫合糸22a’、22b’の各々の部分は、チャンバ(受け口)176a、176bから通路アクセス端部に対して直径方向に対向する位置で開口178a、178bを通って延伸し、そこから通路28と同軸である円筒状開口180を通って軸方向に再配向される。
【0119】
この構造によって、結び目24a、24bの陥凹が達成されると同時に、縫合糸が結び目24a、24bの領域で曲がり、それらが取り囲む縫合糸22a’、22b’の部分に沿った結び目24a、24bの摺動が阻止される。
【0120】
上記の構造のいずれかを用いて、構成要素を交換することができることが企図される。上記の構成要素の任意の組み合わせにより、第1の骨及び第2の骨の間の関係を制御する方法が、
図45の流れ図の形態で示されるように実行され得る。
【0121】
ブロック184に示すように、上述したシステムが得られる。
【0122】
ブロック186に示すように、縫合糸アセンブリが、第1の結び目及び第2の結び目が予め形成されている開始状態にある状態で、縫合糸アセンブリによって画定された第1のループ及び第2のループの部分は、第1の骨内の少なくとも1つの通路を通じて方向付けられる。
【0123】
ブロック188に示すように、その後、第1のループと第2のループは、第2の骨と係合される。
【0124】
ブロック190に示すように、第1のループと第2のループが係合した状態で、第1の結び目と第2の結び目が安定化されたままで、第1のストランドと第2のストランドの一部が引き出され、それによって、第1の骨と第2の骨との間の所望の関係が維持されるように選択される、第1のループと第2のループに対する張力が生成される。
【0125】
図46~
図48には、本発明による縫合糸アセンブリのさらなる改変された好ましい形態が18’’’で示されている。縫合糸アセンブリ18’’’は、結び目24a’’’、24b’’’を形成するように形成された第1の縫合糸22a’’’と第2の縫合糸22b’’’を含む。
【0126】
この実施形態では、第1の縫合糸22a’’’と第2の縫合糸22b’’’は、それぞれ、ストランド部分202a’’’、202b’’’を有している。ストランド部分202a’’’、202b’’’は共に維持されかつ同様に形成されて、第1の結び目24a’’’と第2の結び目24b’’を生成し、縫合糸アセンブリ18’’’が動作状態にある状態で、第1の結び目24a’’’と第2の結び目24b’’’が組み合わされて、二重ストランド結び目204が生成される。両方のストランド部分202a’’、202b’’を単一の結び目に組み合わせることにより、システムを締め付けたときの非対称な張力が回避される。さらに、複合結び目204とストランド20a’’、20b’’の有効直径のより大きい不一致は、通路28への結び目204の通過を考慮することなく、通路28のサイズの変動におけるより大きな許容度を可能にする。
【0127】
より具体的には、ストランド部分202a’’’、202b’’’は、前述の結び目すなわち、ハーフヒッチ、ローリングヒッチ、調整可能な曲げ、ミッドシップマンヒッチ、及び調節可能なヒッチのいずれかを生成するように形成される。しかしながら、本発明は、これらの結び目構成のいずれにも限定されない。
図47に示すように、ストランド部分202a’’’、202b’’’は、
図4に関して上述したように調節可能な曲がった結び目を生成するように形成される。
【0128】
この構成では、第1の縫合糸24a’’’と第2の縫合糸24b’’’の各々は、第1の縫合糸22a’’と第2の縫合糸22b’’’の各々の部分206a’’’、206b’’’を取り囲んでいる。これらの部分206a’’’、206b’’’は、第1の縫合糸22a’’’と第2の縫合糸22b’’’が、第1の縫合糸22a’’と第2の縫合糸22b’’’によってそれぞれ画定される制限可能なループ/サブループ20a’’’、20b’’’のサイズを縮小するように操作されるときに、結び目24a’’’、24b’’’によって形成される複合結び目204を通って摺動する。
【0129】
ループサイズの縮小は、前述の実施形態と実質的に同じ方法で行われる。すなわち、結び目24a’’’、24b’’’が安定化された状態で、縫合糸部分208a’’’、208b’’’が矢印42で示す前述の第1の方向とは逆の方向に引かれ、それに付随して、二重ストランド結び目204が、前述の第1の方向において第1の骨12に向かってシフトする。
【0130】
図46に概略的に示すように、第1の縫合糸22a’’’及び第2の縫合糸22b’’’は、破線で示すように、第1の骨12と直接協働することができ、又は、概略的に示す構造210を通して第1の骨と協働することができる。この構造210は、縫合糸アセンブリ18,18’、18’’の種々の形態を有する上述した構造、並びに、以下に詳細に記載される構造及び本明細書における教示を習得した当業者にとっては自明である他の構造の全てを包含するように意図されている。構造210は、例えば、鋼、チタン合金、チタン、又は別の金属のうちの少なくとも1つから作製された1つ又は複数の構成要素を組み込むことができる。代替的に、構成材料は、PEEK又は別のプラスチック又は複合材料であってもよい。
【0131】
同様に、制限可能なループ20a’’’、20b’’’は、
図46に破線で示すように、第2の骨14と直接協働することができ、又は、概略的に示される構造212を介して第2の骨14と協働することができる。構造212は、縫合糸アセンブリ18,18’、18’’及び
図2に示す概略図の中の実質的に無数の他の構造に関して上述した全ての構造を包含することを意図している。構造212は、構造210の1つ又は複数の構成要素を構成する同じ材料から作製された構成要素を含むことができる。
【0132】
縫合糸アセンブリ18’’’は、それぞれ
図4と
図6に示す縫合糸アセンブリ18,18’の各々の態様を組み込んでいる。縫合糸22a’’’、22b’’’は各々、独立してそれぞれ制限可能なループ20a’’’、20b’’’を形成し、同時に縫合糸22a’’、22b’’’は、
図6の構造の特性を有するように一体化される。縫合糸22a’’’、22b’’’のより複雑な噛み合い及び曲げの理由で、二重ストランド結び目構造は、縫合糸のより多くの「把持点(pinch point)」及び張力の散逸をもたらし、これらは、滑りに抵抗し、制限可能なループ20a’’’、20b’’’に張力が課されるときに締め付け、それらを拡大する傾向にある。
【0133】
二重ストランド結び目204は、一般に、
図6のように分離された結び目24a’、24b’を合わせた体積よりも小さい体積を占める。同時に、二重ストランド結び目204は、第1の骨12内の1つ又は複数の通路を通って動くのを容易に阻止され得るのに十分に大きい塊を生成し、それを通じて、第1の縫合糸20a’’’及び第2の縫合糸20b’’’のストランドは、第2の骨14及び/又はその上の構造212との係合を可能にするように通過する。
【0134】
上記の構成は、以下の観点、すなわち、上記の実施形態のうちの特定の実施形態によって、別個の制限可能なループ上に4本のストランド部分を収容するのに適した寸法を有する第1の骨を通る単一の通路が、通常は、2つの別々に形成された結び目の各々がそこを通過する相当の傾向を有し得るのに十分に大きい、という観点から重要である。二重ストランド結び目によって、円形断面を有する通路は、前述の構造210をいずれも使用しない場合であっても、二重ストランド結び目204がそれを通過することを考慮することなく、4つの縫合糸ストランドを容易に受け入れることができる。
【0135】
さらに、二重ストランド結び目204内の縫合糸22a’’’、22b’’’の上述した相互係合のために、
図4及び
図47の理由で、ハーフヒッチを有する図示の3つのループを使用する代わりに、この結び目構成を有するハーフヒッチの2つのループが適切であることが、試験中に判明している。
【0136】
縫合糸アセンブリ18’’’は、
図46で概略的に示され、
図49~
図55の特定の代替形態で示されるものに対応する、いくつかの異なる構造210で使用されるのに役立つ。これらの構造は本質的に例示的なものに過ぎず、二重ストランド結び目204に特に適合可能であるが、上述した縫合糸アセンブリ構造のいずれによっても使用可能である。
【0137】
図47に示すように、ループ20a’’’、20b’’’のうちの1つ、この場合はループ20a’’’が反転されてCRにおいて交差領域が生成される。ループ/サブループ20a’’’、20b’’’は、ともに、結合ループCLAを画定する制限可能なループ構造を構成する。ループ20a’’’の反転された構成のために、自由端/縫合糸部分208a’’’、208b’’’を矢印46の方向に引くことにより、反対方向において縫合糸ループ20a’’’、20b’’’に張力が加えられる。結果として、張力が、2つの対向する方向のいずれかに結合ループCLAに加えられると、結び目24a’’’、24b’’’の各々は、a)それが周囲に延伸する縫合糸部分206a’’’、206b’’’をより大きな力で把持すること、及び、b)結び目24a’’’、24b’’’内の縫合糸部分206a’’、206b’’’の摺動運動に抵抗するように、それが周囲に延伸する縫合糸部分206a’’’、206b’’’を再構成すること、のうちの少なくとも1つを行う。
【0138】
図49には、階段状の外径を有する本体214を有する阻止構造210が示されている。より大きい直径の部分216はねじ切りされ、ねじの無いより小径の部分218に合わさる。本体214は、本体214のより小径の部分218内の開口224と連続するカップ形状の受け口222を境界づけする表面220を有し、開口224は、そこを通って延伸する縫合糸ストランドの組み合わされた直径よりわずかに大きくなるように寸法決定される。二重ストランド結び目204又は別個の結び目24a’、24b’は、カップ形状の受け口222内に着座する。
【0139】
本体214は、スロット226を有する。スロット226は、本体214を回転させてより大径の部分216を第1の骨12又はその上のプレートと螺合可能に係合するのに使用できる従来のスクリュードライバを収容するためのものである。
【0140】
本体214の上縁部228は、その上の露出面と同一平面になるように第1の骨12内に前進させることができ、又は、代替的に、受け口222内に入れ子状になる結び目24a’、24b’、204のいずれかの部分の突出を避けるために窪ませることができる。
【0141】
図50は、主として対応するスロット226’を拡大して、結び目24a’、24b’、204を収容するためのより大きな容積を生成することによって構造210から変更された阻止構造210’を示す。この構造は、
図57~
図59に関連して以下に説明するように、好ましくは特定の形態の推進機構、すなわち従来のスクリュードライバの代替物として使用するために設計されている。
【0142】
図51には、210’’において阻止構造の改変形態が示されている。阻止構造210’’は、阻止構造210’’の一般的な機能が阻止構造210,210’について説明したのと同じである、受け口222’’を画定する、ねじの無いテーパ形状の本体214’’を有する。本体214’’をねじ無しにする理由によって、阻止構造210’’は、スロット付き又は円形のねじ穴に、又は第1の骨12に対向して直接的に配置することができる。
【0143】
図52は、
図51の阻止構造210’’と同様であるが、直径方向において反対の位置で阻止構造と一体的に形成された深さ制御アーム230をさらに組み込んだ阻止構造210’’’を示す。アーム230の各々は、本体214’’’の直径を超えて突出する横方向タブ232を有する。
【0144】
この構成によって、本体214’’’の直径を収容するための直径と、アーム230の軸方向全範囲を収容するための深さとを有する孔を、第1の骨12及び/又はその上のプレート内に形成することができる。各タブ232の表面234は、阻止構造214’’’が収容孔内に動くことを阻止し、それによって、好ましくは結び目24a’、24b’、204の全体積を受け口222’’’内に収容する所望の深さに、本体214’’’を一貫して維持する。
【0145】
図53は、阻止構造210,210’と類似性を有する阻止構造210
4'を示す。阻止構造210
4'は、第1の骨12及び/又はその上のプレートを貫通する孔の中に、平らな又は窪んだ位置までねじ込んで方向付けられるように構成された本体214
4'を有する。受け口222
4'は、スクリュードライバのような設置工具を収容するために細長い。結び目24a’、24b’、204は通常、受け口222
4'内に完全には延伸しない。代わりに、結び目24a’、24b’、204は、本体214
4'の上縁部228
4'にのしかかる。
【0146】
図54と
図55では、本体214
4'と概して同じ本体214
5'を組み込んだ阻止構造210
5'が示されている。深さ制御アセンブリ236は、本体214
5'に別個に取り付けられて、本体214
5'の配置の深さが一貫して制御され得る
図52に示されるような構成を生成する。深さ制御アセンブリ236は、本体214
5'用のシート237を画定する。
【0147】
図49、
図51、及び
図53~
図55に示す実施形態では、受け口222,222’’’、222
4'及び222
5'は、結び目24a’、24b’、204が受け口の中に完全には延伸しない(届かない)ような寸法にすることができる。したがって、それぞれの骨内の本体214,214’’’、214
4'、214
5'の深さは、本体214,214’’’、214
4'、214
5'が少なくとも、結び目24a’、24b’、204が第1の骨12及び/又はその上のプレートの露出面から外側に突出しないように、結び目24a’、24b’、204を収容する程度まで陥凹されるように、制御することができる。
【0148】
結び目24a’、24b’、204の重要な部分を受け入れる受け口を画定する、本体214などの構成要素を含む構造210は、好ましい形態では、結び目の体積の大部分を、1つの形式では、結び目の体積の全体を受け入れるように構成される。
図50の本体214’はこのように構成されている。
【0149】
図49では、従来のタイプのスクリュードライバを収容するためのスロット226が示されているが、本発明は、
図56の構造210に概略的に示されるように、旋削工具242上の駆動構成要素240と協働することができる他の種類の接続具238を企図する。
図56に示す概略図は、工具242と構造210との間にかぎ接続(keyed connection)を形成して、工具242の操作を介して構造210上の構成要素の必要な旋削を可能にする任意の構造を包含することを意図している。
【0150】
1つの例示的な形態では、
図57~
図60に示すように、旋削工具242は、
図50に示すような阻止構成要素210’と相互作用するように構成された駆動構成要素240を有する。駆動構成要素240は、スロット226’に対して相補的な形状を有して、これとかぎ接続を形成し、長手方向軸246を有する細長いスリーブ244に固定される。駆動構成要素240から離れたスリーブ244の軸方向端部には拡大ヘッド248が設けられ、拡大ヘッドは、スリーブ244及び関連する駆動構成要素240の軸246の周囲の操作/旋削を容易にして、本体214’を阻止構造210’上にねじ式埋め込みすることを可能にするために把持することができる。
【0151】
旋削工具242は、縫合糸アセンブリ18’上の縫合糸ねじ山の通過を可能にするのに十分な幅のスロット249をその軸方向部分に有し、それによって駆動構成要素240を縫合糸アセンブリ18’から分離するように操作することができる。
【0152】
図58に見られるように、ノットプッシャアセンブリ250は、縫合糸部分44a’、44b’が、結び目24a’、24b’を締め付けるために引っ張られるときに、図示及び企図されている縫合糸結び目のいずれかを安定化するのに使用できるので、例示的な縫合糸アセンブリ18’上の結び目24a’、24b’を安定化するために使用される。
【0153】
ノットプッシャアセンブリ250は、貫通開口254を有するスリーブ252と、結び目24a’、24b’と係合するための貫通開口254の周りの軸方向に面する押圧縁部256とを有する。縫合糸部分44a’、44b’を開口254内へと方向付け、ノットプッシャアセンブリ250を縫合糸アセンブリ18’に沿って
図58の矢印42の方向に前進させることによって、押圧縁部256を結び目24a’、24b’と係合させることができる。
【0154】
スリーブ252は、結び目24a’、24b’を支持するためにスリーブ252を確実に保持するように把持することができる拡大ヘッド264を有する。
【0155】
1つの特定の用途では、
図59と
図60に見られるように、孔266が、第1の骨12内に深さBDまで形成される。孔深さBDは、阻止構造210’の対応する深さSDよりも実質的に大きい。阻止構造210’は、
図57に示すように、駆動構成要素240がスロット226’内にかぎ接続した状態で、旋削工具242を使用して埋め込まれる。次に、スリーブ244をヘッド248を通じて軸246の周りに旋削することによって、阻止構造210’は、孔266内へとねじ式に前進し、そこで、阻止構造は
図59に示されるように底に達する。
【0156】
その後、
図59と
図60に示すように、ループが徐々に制限されるにつれて、ストランド部分44a’、44b’が第1の骨から引き離され、ストランドが結び目24a’、24b’を通って摺動するとき、ノットプッシャアセンブリ250は、押圧縁部256を通じて結び目24a’、24b’に係合し、安定させる。ノットプッシャアセンブリ250は、結び目24a’、24b’が阻止構造210’に当接して受け口222’に着座するまで、ループ制限が進行するにつれて、係合された結び目24a’、24b’とともに移動して第1の骨12に向かってシフトする。ストランド44a’、44b’の引き出しは、第1の骨12と第2の骨14との間の所望の関係を維持する、制限可能なループ20a’、20b’のサイズ及び張力を選択するように制御される。
【0157】
上述したように、阻止構造210は、結び目24a、24b、204に当接するように、又は、これによって規定される受け口222、222’、222’’、222’’’、2224'、2225'内に、結び目24a’、24b’、204の体積の一部又は全部を受け入れるように成され得る。システムは、概して、結び目24a’、24b’、204が潜在的に組織の刺激を引き起こすように突出しないように、設計されている。この目的を達成するために、阻止構造210の平らな又は窪んだ位置を選択することができる。
【0158】
図61と
図62に示される別のシステム構成では、阻止構造210
6'が、
図52の210
5'に示されたものと同様の構成で示されている。阻止構造210
6'は、
図52に示す実施形態のタブ232の機能を果たすプレート270の下に結び目24a’、24b’を収容する受け口222
6'を画定する本体214
6'を有する。すなわち、
図62に見られるように、第1の骨12が穿孔されて本体214
6'の外形と相補的な孔272が生成されると、プレート270は孔272の周囲で第1の骨12の露出面273に当接して、本体214
6'の貫入深さを一貫して維持する。
図52のタブ232は、互いに離間した独立した要素であるが、プレート270は、孔272の直径を完全に覆う連続した形状を有する。関連するループのサイズが縮小されるため、プレート270を通る開口274,276は、安定化された結び目24a’、24b’が矢印42で示す第1の方向にシフトするにつれて縫合糸26a’、26b’、具体的にはそれらの縫合糸の、第1の骨12から離れる方向に引き出される部分を収容する。
【0159】
図63に示すような、システム構成のまたさらなる代替形態では、
図57と
図58に示す本体214’と同様の本体214
7'を有する阻止構造210
7’が使用される。本体214
7'は、結び目24a’、24b’の全体積を収容する受け口222
7'を画定する。
【0160】
受け口2227'は、工具282の自由前端部280の一部を付加的に受け入れるのに十分な深さを有する。工具282は、2つの別個の機能、すなわち、ストランド部分44a’、44bが矢印46で示す第2の方向に引っ張られるときに縫合糸アセンブリ18’上の結び目24a’、24b’を安定化させること、及び、本体2147'を回転させて、その上のねじ山284を第1の骨12と係合させることを実行する。
【0161】
図64に概略的に示されるように、工具282及びハウジング(本体)214
7'は、互いに協働して、工具がその長手方向軸290の周りを回転する際に、ハウジング214
7'が、工具282の動きに追従するようにするための適合/かぎ接続構成要素(fitting/keying component)286,288をそれぞれ有することができる。工具282の回転を容易にするために、拡大把持部分292が設けられている。
【0162】
かぎ接続構成要素286,288は、実質的に無制限の数の異なる形態をとることができる。ほんの一例として、かぎ接続構成要素は協働する雄及び雌の多角形形状であってもよい。六角形形状又はトルクス(登録商標)ドライバ構成が使用されてもよい。
【0163】
自由端280は、ノットプッシャ機能を実行する前縁294を有する。工具282は、前縁294を通って延伸する縫合糸22a’、22b’を収容するための長手方向貫通路295を有するスリーブを有する。自由端280は、かぎ接続構成要素286が受け口2227'内に軸方向に進められてかぎ接続構成要素288と係合するときに、縁294が受け口222’内で結び目24a’、24b’を安定させるように構成される。
【0164】
把持可能なハンドル296が、工具282を介して結び目24a’、24b’が工具282によって安定化された状態で、通路295を通じた矢印46の方向への引っ張りを容易にするために、ストランド部分44a’、44b’に接続する。
【0165】
本体2147'が適所にねじ込まれ、結び目24a’、24b’を締め付けるようにストランド部分44a’、44b’が引っ張られると、工具282は軸方向に後退することができ、ストランド部分44a’、44b’が第1の骨12に隣接して露出され、それを受けて、それらのストランド部分は潜在的に平に切断されて処置を完了することができる。
【0166】
このシステムにより、外科医は、
図63に示すように、実質的に予め組み立てられた構成要素の全てを得ることができる。結び目24a’、24b’は受け口222
7'に前もって荷重され、工具282の自由端280は受け口222
7'内にかぎ接続される。
【0167】
したがって、外科医は、ハウジング2147'を第1の骨12の収容孔に押し込み、本体2147'を完全着座位置にねじ式に前進させ、工具282を分離し、ストランド44a’、44b’を切断することができる。
【0168】
縫合糸アセンブリ18’と工具282を利用する1つの例示的な手順が、
図65~
図74に示されており、第1の骨12は舟状骨であり、第2の骨14は月状骨である。
【0169】
図65に示すように、従来のタイプのガイド297が利用されて、舟状骨12を貫通する位置合わせされた穴298と、月状骨14内への位置合わせされた穴300が生成される。代替的に、ガイド297上のドリル構成要素302が、従来のタイプのスリーブ(図示せず)を通って案内されてもよい。
【0170】
図66に示すように、ドリルガイド297とドリル構成要素302とを分離した状態で、別個のドリル構成要素304が使用されて、穴298への入口位置に皿穴領域306が生成される。
【0171】
月状骨14に固定することができる代替的な形態の構成要素54
8'、54
9'、54
10'が、
図72~
図74に連続して示されている。
【0172】
例示的な構成要素548'は、その上にねじ山310を有するシャンク308を有する。シャンク308は、縫合糸ループ20a’、20b’がそれを通って延伸するループを生成するアイレット314を備えた後端部312を有する。
【0173】
この実施形態では、シャンク後端部312は、シャンク後端部312と相補的なスロット付き端部318を有するドライバ316(
図67)と係合する略長方形の形状を有する。ドライバ端部318とシャンク後端部312との間のかぎ接続を行うことにより、ドライバ316は、拡大部320の周りに手を巻くことによって把持され得、その長手方向軸322を中心として回転されて、
図68に見られるように、最初に舟状骨12内の穴298の中へ、その後、穴298を通じて月状骨14内の穴300の中へと構成要素54
8'を方向付ける。
【0174】
図69に示すように、ドライバ316が縫合糸アセンブリ18
'から分離されて、縫合糸アセンブリ18’及び阻止構造210
8'に予め組み付けられている工具282
8'及び把持可能ハンドル296
8'の1つの形態が、処置を完了するために使用されることが可能になる。
【0175】
図69と
図70に示すように、工具282
8'及び阻止構造210
8'は、舟状骨12に向かって矢印42の方向に前進され、皿穴部分306の穴298に螺入されて、
図70に示されているように、舟状骨12の露出面324の下に存在するようになる。
【0176】
工具2828'上の前端2808'は、わずかに先細にされて、阻止構造2108'の直径よりもわずかに小さい直径を有し、これを受けて、阻止構造2108'は、穴あけすることなく穴298の皿穴部分内に前進することができる。
【0177】
結び目24a’、24b’が締め付けられた状態で、
図71に示すように、工具282
8'が後退されてストランド部分44a’、44b’が露出され、これによって平らに切断して処置を完了させることができる。
【0178】
図73の構成要素54
9'の代替的な構成では、ねじ付きシャンク308
9'は、前端部326にアイレット314
9'を有する。
【0179】
径方向に対向する溝328(1つが図示されている)は、アイレット3149'と後端部3129'との間に延伸して、ループ20a’、20b’を収容し、それによって、ループは半径方向外側に突出せず、それによって、アンカー549'がねじ式に埋め込まれるときに損傷されることがある。
【0180】
後端部3129'は、前述のドライバ316、又は別の相補的な構造を有するドライバを収容するような形状である。他の様態では、構成要素549'は、構成要素54a’と同じように利用される。
【0181】
図74の固着構成要素54
10'は、中空構造のシャンク308
10'と、ループ20a’、20b’が巻かれる前端固定バー230とを有する。
【0182】
後端部31210'は、ドライバ316又は他の同様に機能するドライバ構成と協働するように構成される。
【0183】
ドライバ316の詳細は図には示されていないが、
図57の旋削工具242に示すようにスロット構造を利用することができ、これによって、縫合糸アセンブリ18’、工具282
8'、把持可能ハンドル296
8'、及び阻止構造210
8'が事前に組み立てられ、結び目24a’、24b’が予め形成されたままで、ドライバ316が、最初の完全に分離された状態から、動作位置へと変更されることが可能になることが企図されている。
【0184】
したがって、事前に組み立てられた構成要素により、外科医は、可能性として、塊/ボディ/骨12と塊/ボディ/骨14との間の分離を低減及び/又は維持するために、本発明のシステム16を迅速、簡単、かつ効率的に使用することができる。構成要素を事前に組み立てることにより、外科医は結び目を結ぶ必要はない。同時に、
図71に見られるように、結び目24a’、24b’は、骨又はインプラント内に少なくとも部分的に埋め込まれ得る。
【0185】
重要なことに、結び目24a’、24b’は、本発明のシステム16によって生成された塊/ボディ/骨12と塊/ボディ/骨14との間の力線と実質的に平行な方向にストランド部分44a’、44b’を引っ張ることによって締め付けられる。これによって、厄介で、インプラント又は骨の任意の窪んだ部分において効果的な結び目形成を妨げる、慣習的にストランドをこの力線にほぼ直角に引っ張ることの必要性がなくなる。
【0186】
図2と
図3の一般的な図示の中で、システム16の別の一般的な形態は縫合糸アセンブリ18を有し、縫合糸アセンブリは、単独で、又は第1のボディ/骨12と共に、縫合糸アセンブリ18を動作状態にしたままで制限可能なループ構造を画定するように構成された少なくとも第1の縫合糸を有する。制限可能なループ構造は、少なくとも第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループ20を有し、これらのサブループは協働して、単独で、又は第1のボディ/骨12と共に、結合ループを画定し、結合ループは、サイズを縮小し、それによって、第1のボディと第2のボディとを互いに近づく方向及び/又は互いが離れる方向に押す力を、第1のボディと第2のボディに対して生成することができる。
【0187】
上述した様々な実施形態のように、第1の制限可能なサブループと第2の制限可能なサブループ20はそれぞれ、第1のループ部分と第2のループ部分で構成される。
【0188】
第1のループ部分は、第1の摺動部分を有し、第2のループ部分は第2の摺動部分を有する。
【0189】
縫合糸アセンブリは、第1の摺動部分と第2の摺動部分の周りに延伸する少なくとも第1の結び目を画定し、それを受けて、第1の摺動部分と第2の摺動部分が各々、少なくとも1つの結び目内で締め付け摺動方向に動いて、それぞれのサブループのサイズを縮小させる。
【0190】
縫合糸アセンブリ18は、縫合糸アセンブリ18が動作位置にある状態で第1のボディ/骨12と第2のボディ/骨14を互いが離れるように付勢することによって引き起こされる結合ループの引っ張りが、前記少なくとも1つの結び目が、第1の摺動部分と第2の摺動部分の各々をサブループの拡大に抵抗するより大きい力で把持するように構成され、また、第1の摺動部分と第2の摺動部分の動きであって前記少なくとも1つの結び目内における締め付け摺動方向とは反対の方向における動きに抵抗することによる結合ループを生じさせるように構成される。
【0191】
潜在的に、単一の結び目24がこの基本構成で利用され得る。第1のループ部分及び第2のループ部分の各々は、少なくとも第1の結び目の少なくとも一部を画定する。
【0192】
上記の構造及び方法により、動作時間を有効に利用することができ、骨表面の下に完全に窪んでいることができる制御された体積を有する安全な結び目を一貫して確実に作り出すことができる。
【0193】
結び目を少なくとも部分的に予め形成することにより、不適切な結び目形成の可能性が低減される。
【0194】
さらに、シフト可能な結び目を窪んだ受け口内に予め形成することによって、結び目が締め付けられるときに、他の問題が回避される。従来の結び目形成を開始するのに必要なストランドの側方操作は、結び目が凹部又は受け口の基部内から及び基部において構築されている場合には起こり得ない。結果として、結び目は、関連する受け口の外側で完全に締め付けられなければならない。その後、縫合糸によって画定されたループは、形成された結び目が外科医によって解放され、下にある受け口に並進することが可能になるにつれて効果的に拡大する。従来の結び目は、確立された縫合糸張力を維持しながら窪みにシフトすることができないが、本発明の結び目は、かさばった容積であっても、結び目の完全性を損なうことなく、又は締め付けたときに選択される張力を低下させることなく、受け口に効果的にシフトして、突出を制限し又は無くすことができる。
【0195】
「結び目のない」構造を有するものを含むいくつかの既存のシステムは、複数の構成要素を伴い、複雑な締め付けステップを必要とし、外科医が所望の張力で確実に所望の状態に設定することが困難な場合があるが、本発明は、外科医が容易に選択して検出することができる、ボディの間に維持可能な力を確実に生成するための効率的で単純な一貫したシステム動作を提供することを可能にする。
【0196】
結び目形成を容易にするために、縫合糸の一部を戦略的にともに接合して1つのものとして動かすことができる。例えば、
図47の縫合糸アセンブリ18’’’は、
図75に示すように変更することができる。より具体的には、
図47の縫合糸自由端SEA、SEBは、
図75に示すように、結合縫合糸自由端CSEを生成するために別々の部分が接合されてもよい。これにより、結び目形成中の縫合材料の操作が容易になる。
【0197】
縫合糸部分の接合は、結び目の形成及び締め付け中に縫合糸部分が共に維持され得る異なる位置で行われ得る。この接合は、編み、縫い、部分の周りの巻き付け、互いの周りでの部分の巻き付けなどの任意の手段によって実施することができる。必須ではないが、接合により、接合された縫合糸部分の体積が効果的に減少されることもあり得る。
【0198】
簡略化のために、本明細書の説明及び特許請求の範囲において、別個の接合/接続された部分は依然として別個の部分で構成されていると考えられる。例えば、
図75の得られた結び目Kは、別個のストランド部分SP1、SP2が、ストランド部分SP1、SP2が区別できない複合形状に合体したとしても、二重ストランド結び目であると考えられる。
【0199】
上述したように、個別のストランド部分は、結び目の形成、結び目の締め付け、及び特定の縫合糸アセンブリの一部又は全部の全体的な操作を容易にするために、本明細書における異なる実施形態で別の場所で組み合わされてもよい。
【0200】
特定の実施形態の前述の開示は、本発明によって理解される広い概念を例示することを意図している。