(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】切除装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2018512242
(86)(22)【出願日】2016-10-04
(86)【国際出願番号】 US2016055338
(87)【国際公開番号】W WO2017069940
(87)【国際公開日】2017-04-27
【審査請求日】2018-05-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-01-28
(32)【優先日】2016-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス,ヒューゴ・エックス
(72)【発明者】
【氏名】ジュレビキアス,クリスティン・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】イングマン,ゾーイ・アール
(72)【発明者】
【氏名】サレイラ,クリストファー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】シューマン,ブランドン・ジェイ
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】津田 真吾
【審判官】莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-519489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を治療するための電気外科的装置であって、
内腔を画定する内表面を備えた針と、
前記針の内腔内部の第1の位置に位置付けられた第1の電極と、
を含み、
前記第1の電極は、針内部で前記第1の位置と
第2の位置との間を移動可能であり、前記第1の電極
の遠位端部は、前記
第2の位置で前記針の遠位端部を越えて延び、前記第1の電極は1つまたは複数のアンカーを有し、
前記第1の電極
が組織の所定の部分を切除するための第2の位置にあるとき、前記第1の電極で組織の所定の部分を切除するために通電され、
前記針が第2の電極として作用し、前記第1の電極が前記組織の所定の部分を切除するために前記
第2の位置にあるときに前記組織の所定の部分に所望レベルのエネルギーを送達するように前記第1の電極および前記針が配列され、
1つまたは複数のアンカーのうちの少なくとも1つが、前記組織の所定の部分に入り込む先端部と、前記第1の電極を前記組織の所定の部分に固定するために前記組織の所定の部分上に留められる湾曲部材と、を含み、
前記1つまたは複数のアンカーは、前記湾曲部材と前記先端部とに分かれている、
電気外科的装置。
【請求項2】
前記針を前記第1の電極から電気的に絶縁する絶縁体をさらに含む、請求項1に記載の電気外科的装置。
【請求項3】
前記針が前記針の外部にエコー源性特徴部を有する、請求項1に記載の電気外科的装置。
【請求項4】
前記エコー源性特徴部が、前記針の外部の一部に沿って離間した複数の円形スロットである、請求項3に記載の電気外科的装置。
【請求項5】
前記第1の電極が、前記針の前記内腔を通って延びるワイヤに取り付けられる、請求項1に記載の電気外科的装置。
【請求項6】
前記ワイヤが形状記憶合金で作られる、請求項5に記載の電気外科的装置。
【請求項7】
前記形状記憶合金がニチノールである、請求項6に記載の電気外科的装置。
【請求項8】
前記第1の電極が、前記第1の電極および前記ワイヤにクリンプされたチューブによって前記ワイヤに取り付けられる、請求項6に記載の電気外科的装置。
【請求項9】
前記チューブがエコー源性特徴部を含む、請求項8に記載の電気外科的装置。
【請求項10】
前記エコー源性特徴部が、前記チューブの外部の周りに分布した複数のくぼみである、請求項9に記載の電気外科的装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願
本出願は、2015年10月20日出願の米国仮特許出願第62/243,961号、および2016年3月11日出願の米国仮特許出願第62/307,291号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]前述した出願の内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
[0003]本開示は電気外科的装置に関する。より具体的には、本開示は、アンカー特徴部を備えた切除装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0004]本節の記述は、本開示に関する背景情報を提供するにすぎず、先行技術を構成することも、構成しないこともある。
[0005]肺における組織の肺小結節、病変、腫瘍、および他のがん領域または前がん領域は、侵襲手術手技で治療するのが困難な場合があり、出血多量、感染リスク、空気漏れ、気胸、および他のそのような問題などの合併症が付随する。具体的には、肺の奥深くの領域は、従来方法を用いてアクセスするのが困難となり得、治療の難しさがさらに増す。
【0004】
[0006]本発明の装置は、例えば胃腸管、洞管(sinus passages)、および泌尿器系を含め、内視鏡が挿入され診断目的でまたは治療器具類と共に使用され得る、身体の任意の他の領域における組織の小結節、病変、腫瘍、および他のがん領域または前がん領域を治療するのに使用されてもよいことが企図される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0007]組織凝固のための現行方法は、凝固容積を改善し、標的周辺の断端(margin)を改善し、より球形の凝固物を生成するために、電極を単一の場所に置いて凝固させること、または電極を標的内のさまざまな場所に移動させて凝固させることのいずれかを含む。しかしながら、これらの技術(tech geeks)で使用される配置アルゴリズムは不明瞭であり、凝固容積または効率に影響する過度な穿通に関する問題が解決されない可能性があり、また、凝固ゾーンを再現する一貫性のある方法が特定されるわけでもない。単一の場所での凝固に関する主な問題は、凝固容積を増やそうとした場合に高周波電磁エネルギーを加えることによる凝固効果が減少することである。凝固容積はまた、電極の形状および向きの影響を非常に受けやすい。これらの問題は、組織が凝固される際に組織の導電率低下すること、および電気路の長さが増大することで生じる制約に起因し、その結果、より大きいインピーダンスおよび著しく低い効率が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0008]本発明は、患者の組織の所定の部分を切除するために通電される少なくとも1つの電極を備える、改善された医療装置を提供する。
[0009]よって、本発明の一態様に従って、内腔を画定する内表面を備えた針と、針の内腔内部の第1の位置に位置付けられた第1の電極と、を含む医療装置が企図される。第1の電極は、針内部で第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。第1の電極は、第2の位置では針の遠位端部を越えて延び、患者の解剖学的構造における組織の所定の部分に入り込む1つまたは複数のアンカーを含む。第1の電極は、第1の電極で組織の所定の部分を切除するために通電される。
【0007】
[0010]医療装置は、例えば、針が第2の電極として作用し、第1の電極が組織の所定の部分を切除するために第2の位置にあるときに組織の所定の部分に所望レベルのエネルギーを送達するように第1の電極および針が配列されること;医療装置が、針を第1の電極から電気的に絶縁する絶縁体をさらに含むこと;針が、針の外部にエコー源性特徴部を有すること;エコー源性特徴部が、針の外部の一部に沿って離間した複数の円形スロットであること;第1の電極が、針の内腔を通って延びるワイヤに取り付けられること;ワイヤが形状記憶合金で作られること;形状記憶合金がニチノールであること;第1の電極が、第1の電極およびワイヤにクリンプされたチューブによってワイヤに取り付けられること;チューブがエコー源性特徴部を含むこと;エコー源性特徴部が、チューブの外部の周りに分布した複数のくぼみであること;1つまたは複数のアンカーのうちの少なくとも1つが、組織の所定の部分に入り込む先端部と、第1の電極を組織の所定の部分に結びつけるために組織の所定の部分上に留められる湾曲部材と、を含むこと、などの、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0008】
[0011]別の態様では、本開示は、患者の解剖学的構造における組織の所定の部分を治療する方法を提供し、この方法は、以下の工程:第1の電極を針の内腔内部に位置付ける工程;針の遠位端部を組織の所定の部分に位置付ける工程;第1の電極が針の遠位端部を越えて延びるように針を第1の電極に対して後退させる工程であって、第1の電極が、組織の所定の部分に入り込む1つまたは複数のアンカーを含む、工程;組織の所定の部分を第1の電極で切除するために第1の電極に通電する工程、のうちの1つまたは複数を含む。
【0009】
[0012]この方法は、例えば:針が第2の電極として作用し、第1の電極が組織の所定の部分を切除するために第2の位置にあるときに組織の所定の部分に所望レベルのエネルギーを送達するように第1の電極および針が配列されること;ならびに1つまたは複数のアンカーのうちの少なくとも1つが、組織の所定の部分に入り込む先端部と、第1の電極を組織の所定の部分に結びつけるために組織の所定の部分上に留められる湾曲部材と、を含むこと、などの、本明細書に記載する特徴のうちの1つまたは任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0010】
[0013]凝固中に使用される凝固方法。この技術は、標的への穿通中に作り出された針進路を用い、まず最も深い場所から始めて針経路に沿って凝固させ、その後、最初の穿通場所に近い、針経路に沿った場所で手順どおり凝固させる。この方法は、より一貫性のある再現可能な凝固容積を作り出すと共に、高い組織インピーダンスの制約を減少させる。
【0011】
[0014]さらなる特徴、利点、および適用性分野は、本明細書に記載する説明から明らかになるであろう。説明および特定の実施例が例示のみを目的とすることを意図しており、本開示の範囲を制限することを意図しないことを、理解されたい。
【0012】
[0015]本明細書で説明する図面は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を何らかの形で制限することは意図しない。図面中の構成要素は、必ずしも一定の比率に縮小したものではなく、むしろ、発明の原理を例示することに重きを置く。さらに、図面中、同様の参照符号は、図面全体にわたって対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0016]
図1Aは本発明の原理に従った電気外科的装置の側断面図である。 [0017]
図1Bは
図1Aに示す電気外科的装置の外面図である。
【
図2】[0018]
図1Aおよび
図1Bに示す電気外科的装置の遠位部分の斜視図である。
【
図3】[0019]
図1Aおよび
図1Bに示す電気外科的装置の別の遠位部分の斜視図である。
【
図4】[0020]
図1Aおよび
図1Bに示す電気外科的装置のさらに別の遠位部分の斜視図である。
【
図5】[0021]
図1Aおよび
図1Bに示す電気外科的装置を使用するためのプロセスの流れ図である。
【
図6】[0022]
図1Aおよび
図1Bに示す電気外科的装置を使用するためのプロセスを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0023]以下の説明は、単に例示的な性質のものであり、本開示、適用、または使用を制限することは意図しない。
[0024]図面を参照すると、本発明の原理を具体化する電気外科的装置が、
図1Aおよび
図1Bに例示され、10で示される。電気外科的装置10は、電極ハンドル12と、電極ハンドル12内部に位置付けられた針ハンドル14と、を含む。1組のリード線11が、電極ハンドル12および針ハンドル14から、例えば、コントローラ、ならびに電気外科的装置10に通電するために選択的に制御される電源へと、延びる。電極ハンドル12は、深さ設定器20によりシースクランプ22に連結される。電気外科的装置10は、電気外科的装置が例えば気管支鏡などの器具に接続されるのを可能にする、アダプタ26をさらに含む。
【0015】
[0025]さらに
図2を参照すると、針30が、針ハンドル14に接続され、シースクランプ22に連結されたシース28を通って延びる。シース28は、深さ設定器20により針ハンドル14に連結される。シース28を所望の場所まで前進させた後、医師などの電気外科的装置10の操作者は、シースねじ24を締めることによりシースクランプ22をシースにロックして、シース28を固定することができる。電極ハンドル12は、深さ設定器20に対して、1組の刻み目21に沿って移動可能である。1組の数字23などのインジケーターが、電極31の深さについて操作者に視覚的基準を与える。針30の位置をロックするために、操作者は針ハンドルねじ16を締め、電極31の位置を所望の深さにロックするために、操作者は電極ハンドルねじ18を1組の刻み目21のうちの特定の刻み目の中へと締める。電気外科的装置10の動作については、以下でさらに詳細に説明する。
【0016】
[0026]針30は、突端34を備えた遠位端部と、内腔36を画定する(devices)内表面と、を有する。電極31は、内腔36内部に位置付けられる。電極31は、第1の位置では電極の遠位端部が内腔36内部に位置し、第2の位置では電極の遠位端部が
図2に示されるとおり針30の遠位端部を越えて延びるように、針30に対して移動可能である。
【0017】
[0027]電極31は、ワイヤ38を含み、ワイヤ38は、ワイヤ38と一対のアンカー46Aおよび46Bとにクリンプされたチューブ44によってアンカー46Aおよび46Bに接続される。絶縁体42が、ワイヤ38を取り囲んで、針30を電極31から電気的に絶縁する。さまざまな実施形態では、針30およびチューブ44のいずれかまたは両方が、針30および電極31を可視化するためのエコー源性特徴部を含む。例えば、針30は、例えば、針30の外部の一部に沿って離間した複数の円形スロット32などのエコー源性特徴部を含み得、チューブ44は、例えば、チューブ44の外表面の周りに分布した複数のくぼみ40などのエコー源性特徴部を含み得る。ステンレス鋼、またはニチノールなどの形状記憶合金といった、金属を使用して、針30またはワイヤ38を製造することができる。このような材料は、X線または蛍光透視下で十分に可視化され得る。内視鏡の遠位端部に超音波が供給されない場合、例えば、電極の位置付けは、X線または蛍光透視のみを用いて達成され得る。
【0018】
[0028]
図2に示す構成では、各アンカー46A、46Bは、湾曲部材48Aおよび48Bをそれぞれ含み、湾曲部材48Aおよび48Bは、アンカー46Aおよび46Bを患者の組織の所定の部分上に留める。アンカー46Aおよび46Bは、組織の所定の部分に入り込む先端部52Aおよび52Bを備えた穿刺部材50Aおよび50Bをさらに含む。
【0019】
[0029]電極の他の構成も企図される。例えば、
図3に示されるように、電極131が、3つのアンカー146A、146B、および146Cを含む。各アンカー146A、146B、および146Cは、湾曲部材148A、148B、および148Cをそれぞれ含み、湾曲部材148A、148B、および148Cは、アンカー146A、146B、および146Cを患者の組織の所定の部分上に留める。アンカー146A、146B、および148Cは、組織の所定の部分に入り込む先端部152A、152B、および152Cを備えた穿刺部材150A、150B、および150Cをさらに含む。
【0020】
[0030]さらに別の構成では、
図4に示されるように、電極231が、3つのアンカー246A、246B、246C、および246Dを含む。各アンカー246A、246B、246C、246Dは、湾曲部材248A、248B、248C、および248Dをそれぞれ含み、湾曲部材248A、248B、248C、および248Dは、アンカー246A、246B、246C、および246Dを患者の組織の所定の部分上に留める。アンカー246A、246B、248C、および248Dは、組織の所定の部分に入り込む先端部252A、252B、252C、および252Dを備えた穿刺部材250A、250B、250C、および250Dをさらに含む。
【0021】
[0031]さまざまな他の構成では、電極は、わずか1つのアンカー、または5つ以上のアンカーを含み得る。電極の構成がいずれであっても、電極31、131、または231は第1の電極として機能し、針30は第2の電極として機能する。したがって、
図5を参照すると、電気外科的装置10を動作させる一連の工程を有するプロセス300が示される。
【0022】
[0032]第1の工程302において、医師は、第1の電極31、131、または231を針30内部に位置付ける。その後、工程304において、医師は、針30の遠位先端部34を患者の組織の所定の部分に位置付ける。医師は次に、工程306において針30を後退させ、工程308において、組織の所定の部分を切除するために所望のエネルギーレベルで第1の電極31、131、または231に通電する。
【0023】
[0033]より具体的には、
A)針30および電極31、131、または231を組織の所定の部分に挿入するために、医師などの電気外科的装置10の操作者は:
1)針ハンドルねじ16を締め、これにより電極ハンドル12を針ハンドル14にロックし;
2)針30および電極31、131、または231がシース28内に後退した状態で、患者に既に挿入されている気管支鏡に電気外科的装置10を挿入し、電気外科的装置10を気管支鏡アダプタ26により気管支鏡上にロックし;
3)シース28を前進させシースねじ24を締めて、シース28の深さを設定し;
4)電極ハンドルねじ18を緩め電極ハンドル12を移動させて、針30を組織の所定の部分内に位置付け;
5)針30および電極31を所望の場所に位置付けた後、すべての移動可能な構成要素が所定の場所にロックされるように、電極ハンドルねじ18を締めて電極31を深さ設定器20にロックし、電極31の移動を防止し;
6)針ハンドルねじ16を緩めて針30を電極ハンドル12内部でスライドさせ;
7)針ハンドル14を後ろにスライドさせて電極31を露出させ、針ハンドルねじ16を締めて針ハンドル14を所定の場所にロックし;
8)電気外科的装置10に連結された発電機を用いて組織を凝固させ;
9)食塩水を食塩水マニホールドに通して電気外科的装置10に送り込み;
10)工程4~9を必要に応じて繰り返し、組織の所定の部分を凝固させる。
【0024】
B)電気外科的装置10を患者から取り外すために、医師は:
1)針ハンドルねじ16を緩め、針ハンドル14を前にスライドさせて、電極31、131、または231を針30内部に完全に捕捉し;
2)針ハンドルねじ16を締めて、針ハンドルおよび電極ハンドル12を共にロックし;
3)電極ハンドルねじ16を緩め、電極ハンドル12を移動させて針30を後退させ;
4)針30および電極31、131、または231がシース28内へと完全に後退したら、電極ハンドルねじ18を下方に締め;
5)すべての移動可能な構成要素が所定の場所にロックされるように、シースねじ24を緩め、シースを後退させ、その後、シースねじ24を再び締め;
6)気管支鏡アダプタにより電気外科的装置10を気管支鏡からロック解除し;
7)電気外科的装置10を気管支鏡から引き抜く。
【0025】
[0034]次に
図6を見ると、針30が切除プロセスにおいて利用されるところが示される。針30は、シース28の遠位端部29にある開口部33から出る。針30は、患者の内部領域における標的領域400に挿入され、操作者には、組織を凝固させ、標的領域400に再現可能な凝固容積を作り出すために前述した電極31、131、または231のいずれかと組み合わせて針30を使用する一貫性のある方法が与えられる。
【0026】
[0035]さらに、
図6は、過度な穿通および潜在的な食塩水の排水に関連する問題を考慮する、切除プロセスまたはパスライン(pathline)技術を示す。パスライン技術は、組織導電率が減少するに従って操作者が針30および電極31、131、または231を移動させることを確実にすることにより凝固の効率を最大化して、組織を1つの場所で凝固させようとするよりも大きな凝固容積を効果的に作り出す。
【0027】
[0036]より具体的には、針30は、標的400領域への穿通中に作り出された針進路を用い、針経路を密封するために最初に最も深い場所404から始めて、針経路402に沿って組織を凝固させる。操作者は、針30を、例えば中間場所406まで後退させ、必要に応じてこの領域で組織を凝固させ、その後、針30を標的領域400の近位縁部408まで後退させて、必要に応じてこの領域で組織を凝固させる。したがって、操作者は、最初の穿通場所に近い、針経路402に沿った場所で、組織を手順どおり凝固させることができる。パスライン技術は、より一貫性のある再現可能な凝固容積を作り出すと共に、高い組織インピーダンスの制約を減少させる。いったん標的領域の第1の部分が凝固されたら、操作者は、第1の経路402と同じように、針30および電極31、131、または231を第2の経路410に沿って再び挿入して凝固させることができる。
【0028】
[0037]本発明の説明は、単に例示的な性質のものであり、本発明の要旨を逸脱しない変形形態は、本発明の範囲に含まれることを意図される。このような変形形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱したものとはみなされない。