IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セルジーン クオンティセル リサーチ,インク.の特許一覧

特許6995043リジン特異的デメチラーゼ-1の阻害剤を含む組成物
<>
  • 特許-リジン特異的デメチラーゼ-1の阻害剤を含む組成物 図1
  • 特許-リジン特異的デメチラーゼ-1の阻害剤を含む組成物 図2
  • 特許-リジン特異的デメチラーゼ-1の阻害剤を含む組成物 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】リジン特異的デメチラーゼ-1の阻害剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20220128BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220128BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220128BHJP
   C07C 309/29 20060101ALN20220128BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K31/506
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/02
C07C309/29
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018522953
(86)(22)【出願日】2016-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-10
(86)【国際出願番号】 US2016060694
(87)【国際公開番号】W WO2017079670
(87)【国際公開日】2017-05-11
【審査請求日】2019-09-04
(31)【優先権主張番号】62/251,507
(32)【優先日】2015-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516114754
【氏名又は名称】セルジーン クオンティセル リサーチ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ヤング ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】カノウニ,トウフィケ
(72)【発明者】
【氏名】カルドア,スティーブン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】スタッフォード,ジェフリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィール,ジェームズ マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】タヴァレス-グレコ,ポーラ アレッサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】クレイレイン,マシュー マイケル
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-535570(JP,A)
【文献】国際公開第2015/168466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶形態1であって、
4.9°2-シータ、9.7°2-シータ、13.4°2-シータ、18.0°2-シータ、18.5°2-シータでの特徴的なピークを持つX線粉末回折(XRPD)パターンを持つ、結晶形態1。
【請求項2】
結晶形態1は、さらに、317℃の開始温度を持つ吸熱を伴うDSCサーモグラムを持つ、請求項1に記載の結晶形態1。
【請求項3】
請求項1または2に記載の結晶形態と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む、医薬組成物。
【請求項4】
医薬組成物は、哺乳動物への経口投与に適切な形態である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
医薬組成物は経口固形剤形である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
医薬組成物は、錠剤、カプセル、又は丸剤の形態である、ことを特徴とする請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
非晶質形態である、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩。
【請求項8】
非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む、医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物は、哺乳動物への経口投与に適切な形態である、ことを特徴とする請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
医薬組成物は経口固形剤形である、ことを特徴とする請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項11】
医薬組成物は、錠剤、カプセル、又は丸剤の形態である、ことを特徴とする請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項12】
癌を治療するための薬剤の製造における、請求項3~6および8~11のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項13】
癌が、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫および白血病からなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物の使用。
【請求項14】
癌が、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経芽腫、小円形青色細胞腫瘍(small round blue cell tumor)、round blue cell tumor)、膠芽腫又はER(-)乳癌である、請求項12に記載の医薬組成物の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年11月5日に出願された米国仮特許出願第62/251,507号の優先権の利益を主張するものであり、これは全ての目的のために引用により完全に本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本明細書には、リジン特異的デメチラーゼ-1阻害剤である4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル、及びその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、並びに結晶形態が記載される。
【背景技術】
【0003】
癌と腫瘍性疾患の効果的な処置に対するニーズが、医療分野に存在する。リジン特異的デメチラーゼ-1は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫、及び白血病に加え、他の疾患又は疾病などの多数の疾患又は疾病に関係してきた。
【発明の概要】
【0004】
本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル、及びその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、並びに非晶相、及びそれらの使用方法が記載される。
【0005】
1つの態様において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が提供され、薬学的に許容可能な塩は結晶形態である。幾つかの実施形態において、薬学的に許容可能な塩はベシル酸塩であり、薬学的に許容可能な塩は結晶形態である。
【0006】
1つの態様において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶形態1が提供され、結晶形態1は、
(a)図1に示されるものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)4.9°2-シータ、9.7°2-シータ、13.4°2-シータ、18.0°2-シータ、18.5°2-シータでの特徴的なピークを持つX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)約317℃の開始温度を持つ吸熱を伴うDSCサーモグラム;
(d)図2に示されるものと実質的に同様のDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
を有することを特徴とする。
【0007】
また本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの結晶形態と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む、医薬組成物が記載される。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩はベシル酸塩である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、哺乳動物への経口投与に適した形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は経口固形剤形である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg~約200mgの4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶を含む。
【0008】
幾つかの実施形態において、本明細書には、本明細書に記載されるような4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶形態と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む、医薬組成物が記載される。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の形態1を含む。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、哺乳動物への経口投与に適した形態である。幾つかの実施において、医薬組成物は経口剤形である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は経口固形剤形である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、錠剤、丸剤、又はカプセルの形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物はカプセルの形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は錠剤の形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、防湿コーティング錠剤の形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg~約200mgの4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶を含む。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、約0.5mg~約200mgの4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶を含む。
【0009】
また、高密度ポリエチレン(HDPE)キャップを備えた高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中に、本明細書に記載される経口固形剤形の医薬組成物の複数の単位投与量を含む製品も、提供される。幾つかの実施形態において、高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルはアルミニウム箔導入シール及びシリカゲル乾燥剤を含む。
【0010】
また本明細書には、非晶質形態である4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩も記載される。また本明細書には、非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩と、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び賦形剤から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む、医薬組成物も記載される。幾つかの実施形態において、医薬組成物は、哺乳動物への経口投与に適した形態である。幾つかの実施形態において、医薬組成物は経口固形剤形である。
【0011】
1つの態様において、本明細書には、哺乳動物の癌の処置における、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの結晶形態の使用が記載される。別の態様において、本明細書には、哺乳動物の癌の処置における、結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の使用が記載される。別の態様において、本明細書には、哺乳動物の癌の処置における、非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の使用が記載される。幾つかの実施形態において、癌は、リジン特異的デメチラーゼ-1阻害剤での処置に反応しやすい。幾つかの実施形態において、癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫、又は白血病である。
【0012】
本明細書に記載される特定の実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、リジン特異的デメチラーゼ1活性に関連する疾患、障害、又は疾病の処置又は予防のための薬の製造に使用される。
【0013】
また本明細書には、哺乳動物の癌を処置する方法も提供され、該方法は4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶を哺乳動物に投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶はベシル酸塩である。幾つかの実施形態において、癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫、又は白血病である。
【0014】
また、ヒトの癌の処置又は予防のための薬の製造のための、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の使用も提供される。更に、ヒトの癌の処置又は予防のための薬の製造のための、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の使用も提供され、癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫、又は白血病である。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩は結晶である。
【0015】
また本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の調製プロセスも記載される。
【0016】
また本明細書には、結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の調製プロセスも記載される。開示されたプロセスは、優れた収量及び高純度での、結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の調製を提供する。
【0017】
本明細書に記載されている方法及び組成物の他の目的、特徴、利点は、後述する詳細な説明から明らかになるだろう。しかし、詳細な説明及び具体的な例は、具体的な実施形態を示しているが、本発明の趣旨及び範囲内での様々な変更及び修正は、この詳細な説明から当業者に明白となるため、例示目的としてのみ与えられることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の形態1のXRPDを例示する。
図2】結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の形態1のDSCサーモグラムを例示する。
図3】非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩のXRPDを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
エピジェネティックスは、根本的なDNA配列以外の機構により引き起こされた遺伝子発現における遺伝性の変化に関する研究である。エピジェネティック制御において役割を果たす分子機構は、DNAのメチル化及びクロマチン/ヒストンの修飾を含む。
【0020】
真核生物のゲノムは、細胞の核内で高度に組織化される。ヒトゲノムの30億のヌクレオチドを細胞の核へ包括するために、莫大な圧縮が必要とされる。クロマチンは、染色体を作り上げるDNAとタンパク質の複合体である。ヒストンは、DNAが周囲に巻き付くスプールとして作用する、クロマチンの主要タンパク質成分である。クロマチン構造の変化は、ヒストンタンパク質の共有結合修飾、及び非ヒストン結合タンパク質により影響を受ける。様々な部位でヒストンを修飾する複数の種類の酵素が知られている。
【0021】
合計6種類のヒストン(HI、H2A、H2B、H3、H4、及びH5)が存在し、これらは2つの群:コアヒストン(H2A、H2B、H3、及びH4)及びリンカーヒストン(HIとH5)へと組織化される。クロマチンの基本ユニットはヌクレオソームであり、これは、コアヒストンであるH2A、H2B、H3、及びH4のそれぞれの2つのコピーから成る、コアヒストン八量体の周囲に巻き付いたDNAの約147の塩基対から成る。
【0022】
その後、このような基本のヌクレオソームユニットは、ヌクレオソームの凝集及びフォールディングにより更に組織化され且つ凝縮されて、高度に凝縮されたクロマチン構造を形成する。凝縮の様々な異なる状態が可能であり、クロマチン構造の密集度は、細胞周期中に変動し、細胞分裂のプロセスの間は大抵コンパクトである。
【0023】
クロマチン構造は、遺伝子転写を調節する際に重大な役割を果たし、これは高度に凝縮されたクロマチンからは効率的に生じることができない。クロマチン構造は、ヒストンタンパク質、特にヒストンH3とH4への一連の翻訳後の修飾、及び最も一般的にはコアのヌクレオソーム構造を越えて伸長するヒストンの尾部内で、制御される。これらの修飾は、アセチル化、メチル化、リン酸化、リボシル化、スモイル化、ユビキチン化、シトルリン化、脱イミノ化、及びビオチン化(biotinylation)である。ヒストンH2AとH3の核も修飾され得る。ヒストン修飾は、遺伝子調節、DNA修複、及び染色体凝縮などの多様な生物プロセスに必須である。
【0024】
ヒストンメチル化は、最も重要なクロマチンマークの1つであり;これらは、転写の調節、DNAの損傷反応、ヘテロクロマチンの形成及び維持、並びにX染色体不活性化において重要な役割を果たす。近年の発見はまた、スプライシング調節因子の動員に影響を及ぼすことにより、ヒストンメチル化がプレmRNAのスプライシングの結果に影響を及ぼすことを明らかにした。ヒストンメチル化は、リジンのモノメチル化、ジメチル化、並びにトリメチル化、及び、アルギニンのモノ-メチル化、対称的なジメチル化、並びに非対称的なジメチル化を含む。これらの修飾は、メチル化の部位及び程度に依存して、活性化又は抑圧の何れかを行うマークであり得る。
【0025】
ヒストンデメチラーゼ
本明細書で言及されるような「デメチラーゼ」又は「タンパク質デメチラーゼ」は、ポリペプチドから少なくとも1つのメチル基を取り除く酵素を指す。デメチラーゼはJmjCドメインを含み、メチル-リジン又はメチル-アルギニンのデメチラーゼであり得る。デメチラーゼの中にはヒストンに作用するものもあり、例えば、ヒストンH3又はH4デメチラーゼとして作用する。例えば、H3デメチラーゼは、H3K4、H3K9、H3K27、H3K36、及び/又はH3K79の1つ以上を脱メチル化することもある。代替的に、H4デメチラーゼはヒストンH4K20を脱メチル化することもある。デメチラーゼは、モノメチル化した基質、ジメチル化した基質、及び/又はトリメチル化した基質を脱メチル化することができると知られている。更に、ヒストンデメチラーゼは、(例えば細胞ベースのアッセイにおいて)メチル化されたコアヒストン基質、モノヌクレオソーム基質、ジヌクレオソーム基質、及び/又は、オリゴヌクレオソーム基質、ペプチド基質、及び/又はクロマチンに作用することができる。
【0026】
発見された第1のリジンデメチラーゼは、補助因子としてフラビンを使用してモノメチル化且つジメチル化したH3K4又はH3K9を脱メチル化する、リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1/KDM1)であった。Jumonji C(JmjC)ドメイン含有ヒストンデメチラーゼの第2の分類が予測され、そして、ホルムアルデヒド放出アッセイを使用してH3K36デメチラーゼを見出した際に確認され、これは、JmjCドメイン含有ヒストンデメチラーゼ1(JHDM1/KDM2A)と命名された。
【0027】
より多くのJmjCドメイン含有タンパク質が後に同定され、それらは、系統発生的に7つのサブファミリー:JHDM1、JHDM2、JHDM3、JMJD2、JARID、PHF2/PHF8、UTX/UTY、及びJmjCのドメインのみにクラスター化され得る。
【0028】
LSD-1
リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1)は、K4にてモノメチル化及びジメチル化されたヒストンH3を特異的に脱メチル化し、加えてK9にてジメチル化されたヒストンH3を脱メチル化する、ヒストンリジンデメチラーゼである。LSD11の主要な標的は、モノメチル化及びジメチル化されたヒストンリジン、具体的にH3K4とH3K9であると思われるが、LSD1が、p53、E2F1、Dnmtl、及びSTAT3のような非ヒストンタンパク質上でメチル化されたリジンを脱メチル化することができるという証拠が文献中に存在する。
【0029】
LSD1は、ポリアミンオキシダーゼとモノアミンオキシダーゼに対して、かなりの程度の構造類似性、並びにアミノ酸同一性/同族性を有しており、それら全て(即ち、MAO-A、MAO-B、及びとLSD1)は、窒素-水素結合及び/又は窒素-炭素結合の酸化を触媒する、フラビン依存性のアミンオキシダーゼである。LSD1はまた、N末端SWRIMドメインを含む。代替的なスプライシングにより生成されるLSD1の2つの転写物変異体が存在する。
【0030】
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルは、生体サンプルを4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルと接触させることにより、生体サンプル中のLSD1活性を阻害することができる。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルは、生体サンプル中のヒストン3リジン4メチル化のレベルを調節することができる。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルは、生体サンプル中のヒストン-3リジン-9メチル化のレベルを調節することができる。
【0031】
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法は、化合物として4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル、又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与する工程を含む。1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法は、化合物として4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル、又はその薬学的に許容可能な塩を患者に投与する工程を含む。1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル、又はその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を、患者に投与する工程を含む。別の実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩を含む組成物を、患者に投与する工程を含む。更なる実施形態において、被験体の癌を処置する方法であって、癌は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膠芽腫、及び白血病から選択される。更なる実施形態において、被験体の眼を処置する方法であって、癌は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経芽腫、小円形青色細胞腫瘍(small round blue cell tumor)、膠芽腫、又はER(-)乳癌から選択される。
【0032】
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル
用語「4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル」は、以下の構造を持つ化合物を指す。
【0033】
【化1】
【0034】
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルは、米国特許出願第14/701,304号に記載されている。
【0035】
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩は、限定されないが、化合物を、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタリン酸などの薬学的に許容可能な無機酸と;或いは、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、3-フェニルプルピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸などの有機酸と反応させることにより形成される、酸付加塩を含む。
【0036】
幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載される。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩はp-トルエンスルホン酸塩(トシラートとしても知られる)、硫酸塩、メタンスルホン酸塩(メシレートとしても知られる)、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレートとしても知られる)、リン酸塩、又は安息香酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩はp-トルエンスルホン酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩は硫酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩はメタンスルホン酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩はベンゼンスルホン酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩はリン酸塩である。幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩が記載され、薬学的に許容可能な塩は安息香酸塩である。
【0037】
非晶質層
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩は非晶質である。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の非晶質相は、結晶度の不足を示すXRPDパターンを持つ。
【0038】
形態1
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩は、結晶である。
幾つかの実施形態において、本明細書には、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶形態1が記載される。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の形態1は、
(a)図1に示されるものと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターン;
(b)4.9°2-シータ、9.7°2-シータ、13.4°2-シータ、18.0°2-シータ、18.5°2-シータでの特徴的なピークを持つX線粉末回折(XRPD)パターン;
(c)約317℃の開始温度を持つ吸熱を伴うDSCサーモグラム;
(d)図2に示されるものと実質的に同様のDSCサーモグラム;又は
(e)それらの組み合わせ
を有することを特徴とする。
【0039】
幾つかの実施形態において、形態Aは、図1に示されるものと実質的に同じ、X線粉末回折法(XRPD)パターンを有する。
【0040】
幾つかの実施形態において、形態1は、4.9°2-シータ、9.7°2-シータ、13.4°2-シータ、18.0°2-シータ、18.5°2-シータでの特徴的なピークを備えた、X線粉末回折法(XRPD)パターンを有する。
【0041】
幾つかの実施形態において、形態1は、少なくとも1週間、40℃及び75%のRHで保管した後に、実質的に同じX線粉末回折法(XRPD)パターンを有する。
【0042】
幾つかの実施形態において、形態1は、少なくとも1週間、25℃及び96%のRHで保管した後に、実質的に同じX線粉末回折法(XRPD)パターンを有する。
【0043】
幾つかの実施形態において、形態1は、約317℃の開始温度を持つ吸熱を伴うDSCサーモグラムを有する。
【0044】
幾つかの実施形態において、形態1は、図2に示されるものに実質的に類似するDSCサーモグラムを有する。
【0045】
幾つかの実施形態において、形態1は、特性(a)、(b)、(c)、及び(d)、又はそれらの任意の組み合わせをもつことを特徴とする。
【0046】
結晶形態の調製
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、実施例に概説されるように調製される。本明細書に提示される溶媒、温度、及びその他の反応条件は変動し得ることに注意する。
【0047】
適切な溶媒
ヒトなどの哺乳動物に投与可能な治療薬は、規制ガイドラインに従うことにより調製されなければならない。そのような政府に規制されたガイドラインは、製造及び品質管理に関する基準(GMP)と呼ばれる。GMPガイドラインは、例えば、最終生産物中の残留溶媒の量などの、活性な治療薬の許容可能な汚染レベルを述べている。好ましい溶媒は、GMP施設での使用に適しており、且つ産業上の安全の懸念と一致したものである。溶媒のカテゴリーは、例えば、International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use) (ICH) 、“Impurities: Guidelines for Residual Solvents, Q3C(R3),(November 2005)において定められている。
【0048】
溶媒は3つのクラスへと分類される。クラス1の溶媒は、有毒であり且つ回避されるものである。クラス2の溶媒は、治療薬の製造中の使用に限定される溶媒である。クラス3の溶媒は、低毒性と考えられ且つヒトの健康に対する危険性が低い溶媒である。クラス3の溶媒に関するデータは、それらが、急性又は短期の研究においてあまり毒性でなく、且つ遺伝毒性試験において陰性であることを示す。
【0049】
回避されるクラス1の溶媒は、ベンゼン;四塩化炭素;1,2-ジクロロエタン;1,1-ジクロロエテン;及び1,1,1-トリクロロエタンを含む。
【0050】
クラス2の溶媒の例は、次のとおりである:アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン(dichloroethene)、ジクロロメタン、1,2-ジメトキシエタン、N,N-ジメチル-アセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、1,4-ジオキサン、2-エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2-メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N-メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2-トリクロロエテン、及びキシレン。
【0051】
低毒性を持つクラス3の溶媒は、次のものを含む:酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、及びテトラヒドロフラン。
【0052】
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態を含む組成物は、残存量の有機溶媒を含む。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態を含む組成物は、検出可能な量の有機溶媒を含む。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態を含む組成物は、残存量のクラス3の溶媒を含む。幾つかの実施形態において、有機溶媒はクラス3の溶媒である。幾つかの実施形態において、クラス3の溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3-メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、酢酸プロピル、及びテトラヒドロフランから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、クラス3の溶媒はエタノールである。
【0053】
本明細書に記載される方法及び組成物は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の使用を含む。加えて、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、非溶媒和形態で、更には水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を有する溶媒和形態でも存在することができる。
【0054】
特定の用語
用語「癌」は、本明細書で使用されるように、制御されない方法で増殖し、且つ場合によっては転移(拡大)する傾向がある細胞の異常成長を表す。
【0055】
用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、又は「処置(treatment)」は、本明細書で使用されるように、予防的に及び/又は治療的に、疾患又は疾病の少なくとも1つの症状を緩和、軽減、或いは改善すること、追加の症状を予防すること、疾患又は疾病を阻害すること、例えば、疾患又は疾病の進行を阻止すること、疾患又は疾病を軽減すること、疾患又は疾病の退行を引き起こすこと、疾病の進行を遅らせること、疾患又は疾病によって引き起こされた状態を軽減すること、或いは疾患又は疾病の症状を止めることを含む。幾つかの実施形態において、処置は、無増悪生存率を延ばすことを含む。幾つかの実施形態において、処置は、他の処置の選択肢に比べて疾患進行の相対危険度を減らすことを含む。
【0056】
用語「無増悪生存率」は、患者と共生しているが更には悪化しない癌などの疾患の処置の間及びその後の時間の量である。臨床試験において、無増悪生存率の測定は、処置の効能を判定する1つの技術である。
【0057】
用語「薬学的に許容可能な賦形剤」は、本明細書で使用されるように、哺乳動物への投与に適している形態へと医薬品活性成分(API)を処理することが可能な、担体、希釈剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤などを指す。1つの態様において、哺乳動物はヒトである。薬学的に許容可能な賦形剤は、化合物(即ちAPI)の所望の生物活性又は所望の特性を実質的に抑制せず且つ比較的無毒である物質を指し、即ちこの物質は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又はこの物質が含まれる組成物のいかなる成分とも有害な方法で相互作用することなく、個体に投与される。
【0058】
「医薬品活性成分」又はAPIは、所望の生物活性又は所望の特性を持つ化合物を指す。幾つかの実施形態において、APIは、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態である。幾つかの実施形態において、APIは、結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-4-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩である。幾つかの実施形態において、APIは、90%より高い、95%より高い、96%より高い、97%より高い、98%より高い、98%より高い、又は99%より高い純度を持つ。
【0059】
用語「医薬組成物」は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の、担体、安定剤、賦形剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、哺乳動物への化合物の投与を促進する。
【0060】
「検出可能な量」は、標準の分析方法(例えば、イオンクロマトグラフィー、質量分析法、NMR、HPLC、ガスクロマトグラフィー、元素分析、IR分光法、誘導結合プラズマ原子発光分析、USP〈231〉方法IIなど)を使用して測定可能な量を指す(ICH guidances, Q2A Text on Validation of Analytical Procedures (March 1995) and Q2B Validation of Analytical Procedures: Methodology (November 1996))。
【0061】
本明細書で使用されるように、製剤、組成物、又は成分に関して、用語「許容可能な」は、処置を受ける被験体の全般的な健康に対し、持続的な有害な効果を及ぼさないことを意味する。
【0062】
用語「有効な量」又は「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置される疾患又は疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される薬剤の十分な量を表す。その結果、疾患の兆候、症状、又は原因を減少及び/又は軽減し、或いは生物系の他の所望の変化をもたらすことができる。例えば、治療用途に「有効な量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少をもたらすのに必要とされる、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。用語「治療上有効な量」は、例えば、予防に有効な量を含む。有効な量は特定の患者及び疾患レベルに基づいて選択される。「有効な量」又は「治療上有効な量」は、薬物の代謝における変動、被験体の年齢、体重、全身状態、処置される疾病、処置される疾病の重篤度、及び主治医の判断により、被験体ごとに変動し得ることが理解される。1つの実施形態において、個々の事例での適切な「有効な」量は、用量漸増試験などの技術を使用して決定される。
【0063】
用語「キット」及び「製品」は、同義語として用いられる。
【0064】
用語「調節する」は、本明細書で使用されるように、標的の活性を改質するように標的と直接的又は間接的に相互作用することを意味し、標的の活性の改質には、ほんの一例ではあるが、標的の活性の増強、標的の活性の阻害、標的の活性の制限、又は標的の活性の拡大が含まれる。用語「被験体」又は「患者」は、哺乳動物を包含する。1つの態様において、哺乳動物はヒトである。
【0065】
医薬組成物/製剤
医薬組成物は、活性化合物を医薬的に使用される調製物へと処理するのを促進する賦形剤及び助剤を含む、1以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、製剤され得る。適切な技術、担体、及び賦形剤は、限定されないが、例えば、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Nineteenth Ed (Easton, Pa.: Mack Publishing Co., 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975); Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms (Marcel Decker, New York, N.Y., 1980);及びPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, Seventh Ed. (Lippincott Williams & Wilkins1999)内で見出されるものを含む。
【0066】
幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、哺乳動物への経口投与のために製剤される。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、経口投薬形態へと製剤される。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、固体の経口投薬形態へと製剤される。幾つかの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態は、哺乳動物による経口摂取のための錠剤、丸剤、カプセルなどに製剤される。
【0067】
考慮される医薬組成物は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の治療上有効な量を提供し、例えば、1日1回、1日2回、1日3回などの投与を可能にする。1つの態様において、医薬組成物は、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の有効な量を提供し、1日1回の投薬を可能にする。
【0068】
投薬量
1つの実施形態において、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態に適切な毎日の用量は、体重当たり約1乃至約30mg/kgである。
【0069】
キット/製品
本明細書に記載される使用の治療方法に使用するために、キット及び製品も本明細書中に記載される。そのようなキットは、本明細書き記載される方法での使用のために、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の医薬組成物の1以上の用量を受けるように随意に区分化された、キャリヤー、パッケージ、又は容器を含む。本明細書で提供されるキットは包装材料を含む。医薬製品の包装に使用される包装材料は、例えば米国特許第5,323,907号に記載されるものを含むが、これに限定されない。医薬の包装材料の例は、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、瓶、及び、選択された製剤並びに意図された投与と処置の様式に適切な任意の包装材料を含むが、これらに限定されない。4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態の幅広い製剤、及びそれらの組成物は、LSD-1阻害剤での処置から利益を得る任意の疾患、障害、又は疾病のための様々な処置であると考慮される。
【0070】
キットは典型的に、内容物を列挙するラベル及び/又は使用説明書、及び、使用説明書を備えた添付文書を含む。1セットの説明書も典型的に含まれる。
【0071】
1つの実施形態において、ラベルは包装容器の上にあるか、又は包装容器に付随する。1つの実施形態において、ラベルを形成する文字、数字、又は他の表示が、容器自体に貼り付けられ、成形され、又は刻まれる場合、ラベルは容器の上に取り付けられる。例えば添付文書として、容器を同様に保持するレセプタクル又はキャリヤー内に存在する場合、ラベルは容器に付随する。1つの実施形態において、ラベルは、内容物が特定の治療用途に用いられるべきであることを示すために用いられる。ラベルはまた、本明細書に記載される方法などで、内容物の使用のための指示を示す。
【0072】
特定の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で提供される化合物を含む1以上の単位剤形を含む、パック又はディスペンサーデバイスにおいて提供される。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチック箔を含む。1つの実施形態において、パック又はディスペンサーデバイスには、投与の説明書が添付される。1つの実施形態において、パック又はディスペンサーデバイスには、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形態で容器に付随される通知書が添付され、この通知書は、ヒト又は動物の投与のための薬物の形態についての、政府機関の承認を反映するものである。このような通知書は、例えば、処方薬又は承認された生成物の挿入物に関する、米国食品医薬品局により承認されたラベルである。幾つかの実施形態において、適合可能な医薬担体の中で製剤される、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩などの、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの薬学的に許容可能な塩の結晶形態を含む組成物も、製剤され、適切な容器に入れられ、且つ、示された疾病の処置に関するラベルが付けられる。
【実施例
【0073】
方法
X線粉末回折(XRPD)
Bruker Ax C2 GADDS
Cu Kα放射(40kV、40mA)、自動化XYZ段階、自動サンプルポジショニングのためのレーザービデオ顕微鏡、及びHiStar 2次元領域検出器を使用して、X線粉末回折パターンを、Bruker AXS C2 GADDS回折計上で収集した。X線光学部品(X-ray optics)は、0.3mmのピンホール型コリメータと連結された単一のGobel多層ミラーから成る。
【0074】
ビーム広がり、即ちサンプル上のX線ビームの有効径は、およそ4mmであった。θ―θの連続走査様式を、3.2°-29.7°の効果的な2θ範囲を与える20cmのサンプル-検出器の距離で利用した。典型的に、サンプルは120秒間、X線ビームに暴露された。データ収集に使用したソフトウェアは、XP/2000 4.1.43用のGADDSであり、データは、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用して分析且つ提供された。
周囲条件
全てのサンプル(湿っている又は乾燥している)を、平らな検体として周囲条件下で実行した。およそ1-2mgのサンプルをスライドガラス上で軽く押し、平面を得た。
非周囲条件(可変的な温度実験)
非周囲条件下で実行したサンプルを、熱伝導化合物を含むシリコンウェーファー上に取り付けた。その後、サンプルを10℃/分で適切な温度に加熱し、その後で1分間等温で保持して、データ収集を開始した。
【0075】
Bruker AXS D8 Advance
Cu Kα放射(40kV、40mA)、θ-2θゴニオメーター、及びV4の発散、受け取りスリット(receiving slits)、Geモノクロメーター、及びLynxeye検出器を使用して、高分解能のX線粉末回折パターンを、Bruker D8回折計上で収集した。認証されたCorundum標準(NIST 1976)を使用して、機器の性能を確認する。データ収集に使用されたソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commander v2.6.1であり、Diffrac Plus EVA v15.0.0.0を使用してデータを分析且つ提供した。
【0076】
受け取られるように粉末を使用して、サンプルを周囲条件下で平板試料として実行した。サンプルを優しく腔に詰めて、清潔なゼロバックグラウンド(510)シリコンウェーハへと切断した。分析中、サンプルをそれ自体の平面において回転させた。データ収集の詳細は次のとおりである:
角度範囲:2乃至42°2θ
ステップサイズ:0.05°2θ
収集時間:0.5s/ステップ
【0077】
核磁気共鳴(NMR)
NMRスペクトルを、オートサンプラーを備え且つDRX400コンソールにより制御される、Bruker 400MHzの機器の上で収集した。自動実験を、標準のBruker荷重実験(Burker loaded experiments)を使用するTopspin v1.3で実行するICON NMR v4.0.7を使用して獲得した。サンプルをDMSO-dの中で調製し、ACD Spectrus Processor 2012を使用してオフライン解析を行った。
【0078】
示差走査熱量測定(DSC)
DSCデータを、34の位置のオートサンプラーを備えたMettler DSC 823E上で収集した。認証されたインジウムを使用して、エネルギーと温度について機器を較正した。典型的に、小さな穴が開いたアルミニウムパンにおける、0.9-6mgの各サンプルを、25℃乃至350℃まで、10℃/分で加熱した。50ml/分での窒素パージをサンプル上で維持した。機器の制御とデータ解析のソフトウェアはSTARe v12.1であった。
【0079】
熱重量分析(TGA)
16の位置のオートサンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGA上で、TGAデータを収集した。認証されたAlumel及びNickelを使用して、機器を温度較正した。典型的に、8mg-11mgの各サンプルを、予めタールを塗ったアルミニウムDSCパンに充填し、周囲温度から350℃まで、10℃/分で加熱した。60ml/分での窒素パージをサンプル上で維持した。機器の制御のソフトウェアは、Advantage for Q Series v2.5.0.256及びThermal Advantage v5.5.3であり、Universal Analysis v4.5Aを使用してデータを分析した。
【0080】
カールフィッシャー滴定(KF)による水分測定法
各サンプルの含水量を、Hydranal Coulomat AGオーブンの試薬及び窒素のパージを使用して、851 Titrano Coulometerを含むMetrohm 874 Oven Sample Processor上で150℃で測定した。重さを量った固体サンプルを、密封したサンプルバイアルに導入した。およそ10mgのサンプルを滴定ごとに使用し、二重の測定を行った。Tiamo v2.2を使用して情報の収集と分析を行った。
【0081】
滴定分析による塩化物含有量の測定
塩化物の分析方法を、サンプルの酸素フラスコ燃焼により行う。一旦燃焼及び溶液への吸収が生じると、較正された硝酸第二水銀溶液を使用してサンプルを滴定した。サンプルをブランク試薬及び有機分析標準試薬と共に分析して、正確性を確保する。この方法での正確性は、0.10%の検出限界を持つ±0.3%の絶対値(absolute)である。
【0082】
HPLCによる化学的純度の測定
ダイオードアレイ検出器を備え且つChemStationソフトウェアvB.04.03を使用するAgilent HP1100シリーズのシステム上で、純度の解析を以下に詳述する方法を使用して実行した:
【0083】
【表1】
【0084】
重量測定蒸気吸着(Gravimetric Vapour Sorption)(GVS)
DVS Intrinsic Controlソフトウェアv1.0.1.2(又はv1.0.1.3)により制御される、SMS DVS Intrinsic水分吸着アナライザーを使用して、収着等温線を得た。サンプルの温度を、機器の制御によって25℃で維持した。湿度を、乾燥及び湿った窒素の気流を200ml/分の合計流量と混合することにより制御した。相対湿度を、サンプルの近くに位置ある、較正されたRotronicプローブ(1.0-100%RHのダイナミックレンジ)によって測定した。%RHに応じたサンプルの重量変化(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)で絶えずモニタリングした。
【0085】
およそ13mgのサンプルを、周囲条件下で、タールを塗ったメッシュステンレス鋼バスケットに入れた。サンプルを充填し、40%RH及び25℃(典型的な室内条件)で降ろした(unloaded)。以下に概説されるように、吸湿等温線を実行した(1つの完全なサイクルをもたらす2つのスキャン)。標準等温線を、0-90%RHの範囲にわたり、10%RHの間隔で、25℃で実行した。DVS Analysis Suite v6.2(或いは、6.1又は6.0)を使用するマイクロソフトを使用して、データ解析を行った。サンプルを等温線の完了後に回収し、XRPDによって再分析した。
【0086】
【表2】
【0087】
pKaの測定及び予測
D-PASアタッチメントを備えたSirius GLpKa機器の上でデータを集めた。電位差測定法により、メタノール/水の混合物中、25℃で測定を行った。滴定培地のイオン強度を0.15MのKCl(aq)で調整した(ISA)。メタノール/水の混合物に見られる値を、Yasuda-Shedlovsky外挿法を介して0%の共溶媒に補正した。Refinement Proソフトウェアv2.2.3を使用してデータを洗練させた。ACD/Labs Percepta 2012を使用してpKa値の予測を行った。
【0088】
対数pの測定及び予測
3つの比率のオクタノール:イオン強度を調整した(ISA)水を使用して、Sirius GLpKa機器上での電位差滴定によりデータを集めて、対数P、対数Pion、及び対数Dの値を生成した。Refinement Proソフトウェアv2.2.3を使用してデータを精査させた。ACD/Labs Percepta 2012を使用して対数Pの値の予測を行った。
【0089】
FeSSiFにおける熱力学的溶解度
溶解度を、供給状態で刺激した胃腸液(fed state simulated intestinal fluid)(FeSSIF)中で十分な化合物を懸濁することにより判定して、化合物の親の遊離形態の>3mg/mlの最大終末濃度を得た。懸濁液を24時間、25℃で平衡に保ち、その後pHを測定した。その後、懸濁液をガラス繊維Cフィルタに通して濾過した。残留物を、湿っている固体としてXRPDにより解析した。HPLCによる解析の前に、濾液を適切な因子により希釈した。DMSO中でおよそ0.2mg/mlの標準溶液に関して、HPLCによる定量化を行った。標準の希釈された及び希釈されていないサンプル溶液の異なる容量を、注入した。標準の注入における主要なピークと同じ保持時間で見出されるピークを統合することによって判定されるピーク面積を使用して、溶解度を計算した。ダイオードアレイ検出器を備えたAgilent HP1100シリーズのシステム上で、ChemStationソフトウェアvB.04.03を使用して、解析を実行した。
【0090】
【表3】
【0091】
イオンクロマトグラフィー(IC)
IC Netソフトウェアv2.3を使用して、Metrohm 861 Advanced Compact IC上で、データを集めた。正確に重量を量ったサンプルを、適切な溶解溶液中で保存溶液として調製し、試験前に適切に希釈した。分析されているイオンの既知の濃度の標準溶液との比較により定量化を達成した。
【0092】
【表4】
【0093】
実施例1:4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの塩の研究
塩形態の調査を行い、医薬品としての使用に適切な4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]2-フルオロベンゾニトリルの、結晶状の非吸湿性塩形態を発見した。
【0094】
遊離塩基及び一塩酸塩の特徴化
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルの遊離塩基は結晶であり、HPLC純度>96%を有しており、203.5℃でDSC吸熱(ΔH=-89J/g)及び0.28mg/mlのFeSSIF中の溶解度を示した。DSC、TGA、及びKFの解析は、この物質が吸着水を大まかに含むことを示唆している。
【0095】
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル塩酸塩は、もろい結晶状の一塩酸塩(HCl形態1)であった。サンプル中の非晶質の内容物の存在を、XRPDディフラクトグラムにおけるハロの存在、及びDSCサーモグラムにおける起こり得る再結晶事象から推測した。物質、GVSによる90%RHでの14%の取り込みで吸湿性であった。GVSによる60%-90%RHの可逆的な履歴現象は、新たな水和物形態の形成に関連した。40℃/75%RHでの14日間の保管後の新しい形態の部分的な結晶化を、XRPDにより確認した。290.6℃(ΔH=-84J/g)でのDSC吸熱は、分解の開始と一致し、故に吸熱は純粋なサンプルの溶解を示さない。塩酸塩の97.6%のHPLC純度は遊離塩基に匹敵したが、FeSSIF溶解度は0.75mg/mlよりも高かった。
【0096】
材料
商用の化学物質及び溶媒をAldrich又はFlukaから購入した。表5に記載されるように、スクリーンに使用される酸保存溶液を作成した:
【0097】
【表5】
【0098】
塩の実現性の評価
物質の溶解度の評価を以下のように行った:4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル遊離塩基(10mg)を、物質が完全に溶解し又は最大70volが使用されるまで、溶媒の容量を増大させることで処理した。溶媒の各追加の後、システムを50℃にゆっくり加熱し、次いで室温で5分間静置して、新しいアリコートの溶媒を加えた。
【0099】
異なる溶媒中の塩形成の実現可能性を評価するために、溶解度の評価からのサンプルを、50℃で1.1当量のp-トルエンスルホン酸(THF中で25μlの1M 酸性溶液)により処理し、30分間保持し、その後0.1℃/分で5℃に冷却した。サンプルを5℃で12時間撹拌し、濾過し、蒸発して乾燥させて、XRPDにより解析した。
【0100】
IPAのスクリーニング手順
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル遊離塩基(30mg)を、50℃で1.2mlのIPA中で懸濁し、1.1当量の対イオン溶液を加えた。サンプルをこの温度で30分間撹拌し、その後0.1℃/分で5℃に冷却した。400の毎分回転数(rpm)の撹拌速度を、実験の全体にわたって使用した。5℃で最大48時間残存させた後、サンプルを50℃にまで急速に加熱し、2時間保持し、その後、室温に冷却した。対イオンを加えない対照実験も行った。固体を室温で濾過し、最大24時間にわたり真空下(30℃)で乾燥し、XRPDにより解析した。
【0101】
1,4-ジオキサンのスクリーニング手順
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル遊離塩基(30mg)を、50℃で1.5mlの1,4-ジオキサン中に溶解し、飽和溶液を得て、1.1当量の対イオン溶液を加えた。サンプルをこの温度で30分間撹拌し、その後0.1℃/分で5℃に冷却した。400rpmの撹拌速度を実験の全体にわたって使用した。5℃で18時間残存させた後、サンプルを50℃にまで急速に加熱し、2時間保持し、その後、室温に冷却した。対イオンを加えない対照実験を行った。固体を室温で濾過し、18時間にわたり真空下(30℃)で乾燥し、XRPDにより最初に解析した。
【0102】
ジクロロメタンのスクリーニング手順
4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリル遊離塩基(30mg)を、35℃で0.3mlのジクロロメタン中に溶解し、1.1当量の対イオン溶液を加えた。サンプルをこの温度で30分間撹拌し、その後0.1℃/分で5℃に冷却した。400rpmの撹拌速度を実験の全体にわたって使用した。5℃で18時間残存させた後、固体を室温で濾過し、72時間にわたり真空下(30℃)で乾燥させ又は空気乾燥させて、XRPDにより分析した。対イオンを加えない対照実験を行った。
【0103】
結果の要約
上述の手順を用いた塩のスクリーンからのXRPDの結果を、表6-10に要約する。全ての新たなパターンを、対イオンと数を用いて、例えば、メタンスルホン酸、即ちMSA(MSA1やMSA2など)を用いて標識化した。
【0104】
【表6】
【0105】
【表7-1】
【0106】
【表7-2】
【0107】
【表8-1】
【0108】
【表8-2】
【0109】
【表9-1】
【0110】
【表9-2】
【0111】
【表10】
【0112】
3つの溶媒(IPA、1,4-ジオキサン、及びDCM)と12の対イオンを使用したスクリーニング実験により、26の新たな固体形態を得た。
【0113】
1つの固体形態(SO4-1)を、3つの溶媒全てにおいて硫酸を使用するスクリーニングから切り離した。酒石酸を使用する実験だけが、IPAでは結晶形態(TAR1)を、及び1,4-ジオキサンとDCMのスクリーンからは非晶質の固体をもたらした。少なくとも2つの固体形態を、残り10の対イオンの各々に対して得た。
【0114】
26の形態の典型的なサンプルを、NMR/IC及びDSCにより更に分析した。40℃/75%RHでの保管後のサンプルの安定性も、XRPDにより評価した。FeSSIF培地中の溶解度を、選択されたサンプルについて判定した。表6-10は、新たな形態の予備的な特徴化の要約を示す。全ての形態に関するNMRデータは塩の形成と一致するピークシフトを示し、適用可能な場合、対イオンと溶媒の等価を得た。ICを使用して、無機の対イオン、硫酸塩、及びリン酸塩のモル当量を判定した。
【0115】
DSC事象の開始温度は、形態の熱安定性の効果をもたらす。pTSA 1、SO4 1、MSA 1、BSA 1、PHOA 1、及びBA 1のサンプルは、優れた熱安定性を示す。DSC事象の開始は200℃よりも高く;このデータは、非溶媒和の結晶性固体と一致している。20の残りの形態は、~30℃までの低さから生じる熱的事象を伴う。これらは、溶媒和/水和形態であり得る。
【0116】
非溶媒和形態は、40℃/75%RHでの保管後のXRPDにより変化しなかったが、他の形態はパターンの変化を示した。これら6つの形態のFeSSiF溶解度(0.72-1.01mg/ml)は、0.74mg/mlのHCl塩の値に匹敵する。
【0117】
以下は、HCl塩と比較した時の改善された安定性と溶解度を備えていると同定された:pTSA 1、SO4-1、MSA 1、BSA1、PHOA 1、及びBA 1。
【0118】
実施例2:4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の調製
【0119】
【化2】
【0120】
工程1:2,5,6-トリクロロピリミジン-4-オールの調製
【0121】
【化3】
【0122】
THF(6L)中の2,4,5,6-テトラクロロピリミジン(1kg、4.63mol)の溶液に、1N NaOH(6L、6.0mol)を滴下で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を1N HClで酸性化し、DCM(3×)で抽出した。組み合わせた有機物を乾燥し(NaSO)、真空内で濃縮した。固体を30分間、EtO中でスラリー状にし(slurried)、濾過し、EtOで洗浄し、乾燥して、635g(69%)の表題化合物を得た。LCMS(C18カラム、カラムのサイズ:4.650mm;移動相:20%-40%、アセトニトリル-水-0.02% NHOAc):Rt=2.785min;[M+H] Calc’d for CHClO, 199;Found,199。
【0123】
工程2:2,5,6-トリクロロ-3-メチル-3-ヒドロピリミジン-4-オンの調製
【0124】
【化4】
【0125】
DMF(5L)中の2,5,6-トリクロロピリミジン-4-オール(670g、3.38mol)及びKCO(560g、4.06mol)の溶液を15分間室温で撹拌し、次いで0℃に冷却した。ヨードメタン(528g、3.72mol)を滴下で加え、混合物を室温で17時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄し、乾燥して(NaSO)、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA、10:1)によって精製して、447g(62%)の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ3.74(s,3H)。LCMS(C18カラム;カラムのサイズ:4.650mm;移動相:20%-95%、アセトニトリル-水-0.02% NHOAc):Rt=2.986min;[M+H] Calc’d for CClO, 213;Found,213。
【0126】
工程3:N-[1-(5,6-ジクロロ-3-メチル-4-オキソ(3-ヒドロピリミジン-2-イル))(4-ピペリジル)](tert-ブトキシ)カルボキサミドの調製
【0127】
【化5】
【0128】
DMF(800mL)中の2,5,6-トリクロロ-3-メチル-3-ヒドロピリミジン-4-オン(532g、2.51mol)、DIEA(648g、5.02mol)、及び(tert-ブトキシ)-N-(4-ピペリジル)カルボキサミド(502g、2.51mol)の溶液を、1時間にわたり120℃に加熱した。溶媒を真空内で取り除き、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA、1:1)により精製して、751g(80%)の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.45 (s, 9H), 1.50-1.58 (m, 2H), 2.06-2.10 (m, 2H), 2.98-3.05 (m, 2H), 3.48 (s, 3 H), 3.53-3.56 (m, 2H), 3.70 (s, 1H), 4.52 (s, 1H)。LCMS(C18カラム;カラムのサイズ:4.650mm;移動相:20%-95%、アセトニトリル-水-0.02% NHOAc):Rt=4.006min;[M+H] Calc’d for C1522Cl, 377;Found,321(MW-tBu)。
【0129】
工程4:tert-ブチル1-(5-クロロ-4-(3-フルオロ-4-シアノフェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イルカルバマートの調製
【0130】
【化6】
【0131】
雰囲気の下で、ACN(4L)中のN-[1-(5,6-ジクロロ-3-メチル-4-オキソ(3-ヒドロピリミジン-2-イル))(4-ピペリジル)](tert-ブトキシ)カルボキサミド(150g、0.40mol)の溶液に、3-フルオロ-4-シアノフェニルボロン酸(65.8g、0.40mol)、Pd(PhP)(9.3g、8mmol)、及び0.4N NaCO(2L、0.80mol)を加えた。混合物を85℃2時間撹拌し、室温に冷却した。水(2L)を加え、水性混合物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機物を組み合わせ、水で洗浄し、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA、3:1)によって精製して、95g(57%)の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.45 (s, 9 H), 1.54-1.61 (m, 2H), 2.05-2.13 (m, 2H), 2.99-3.08 (m, 2H), 3.53-3.58 (s, 5H), 3.70 (s, 1H), 4.54 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.68-7.80 (m, 3 H)。LCMS(C18カラム;カラムのサイズ:4.650mm;移動相:5%-95%、アセトニトリル-水-0.1% TFA):Rt=4.443min;[M+H] Calc’d for C2225ClFN, 462;Found,462。
【0132】
工程5:tert-ブチルN-[1-[4-(4-シアノ-3-フルオロフェニル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1-メチル-6-オキソピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-イル]カルバミン酸塩の調製
【0133】
【化7】
【0134】
脱気したジオキサン:HO(3:1、3550mL:887mL)の中の(tert-ブトキシ)-N-{1-[5-クロロ-6-(4-シアノ-3-フルオロフェニル)-3-メチル-4-オキソ(3-ヒドロピリミジン-2-イル)](4-ピペリジル}カルボキサミド(295.8g、640mmol)、3-フルオロ-4-メトキシベンゼンボロン酸(217.7g、1281mmol)、Pd(PhP)(18.5g、16.0mmol)、及びKCO(265.5g、1921mmol)の混合物を、反応が完了するまで(少なくとも2時間)、80℃でN雰囲気の下、撹拌した。反応混合物を、室温にまで冷却した。水(11L)を加え、スラリーを1時間撹拌した。スラリーを濾過し、固体を水(4L)で洗浄し、MeOH:水(1:1、4L)で洗浄した。ケーキを10分間、MeOH(4L)中で撹拌した。スラリーを濾過し、固体をMeOH(4L)ですすぎ、MTBE(4L)で洗浄した。固体をDCM(16L)の中で得て、反応混合物を15分間撹拌した。その後、2-メルカプトエチル・硫化エチル・シリカ(400g)を加え、反応混合物を少なくとも1時間、N雰囲気の下、室温で撹拌した。反応混合物をフリットフィルタ中でセライトに通して濾過し、固体をDCM(1L)ですすいだ。DCM濾液の容量を減らし、乾燥状態に近づけた。MeOH(4L)を加え、溶媒を減らして乾燥させた。固体をMeOH(4L)の中で得て、スラリーを15℃に冷却した。スラリーを濾過し、ケーキをMeOH(0.7L)で洗浄し、MTBE(0.7L)で洗浄し、45℃で真空下において恒量にまで乾燥させて、324.6g(91.9%)の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ1.46 (s, 9 H), 1.60 (d, J=10.11 Hz, 2 H), 2.11 (d, J=11.62 Hz, 2 H), 3.06 (t, J=12.00 Hz, 2 H), 3.54 (s, 3 H), 3.60 (d, J=13.64 Hz, 2 H), 3.72 (br.s., 1 H), 3.88 (s, 3 H), 4.52 (br. s., 1 H), 6.79 - 6.89 (m, 2 H), 6.97 (d, J=12.38 Hz, 1 H), 7.13 (d, J=8.34 Hz, 1 H), 7.31 (d, J=9.85 Hz, 1 H), 7.42 (br. s., 1 H)。LCMS(C18カラム;カラムのサイズ:4.650mm;移動相:5%-95%、アセトニトリル-水-0.1% TFA):Rt=6.979min;[M+H] Calc’d for C2931, 552;Found, 552。
【0135】
工程6:4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル、ベシル酸塩の調製
【0136】
【化8】
【0137】
ギ酸(41.5mL)中の、tert-ブチルN-[1-[4-(4-シアノ-3-フルオロフェニル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)-1-メチル-6-オキソピリミジン-2-イル]ピペリジン-4-イル]カルバミン酸塩(5.0g、9.06mmol)及びベンゼンスルホン酸一水和物(1.9g、10.9mmol)の溶液を、反応が完了するまで室温で撹拌した。溶液を0.45μmのフィルタに通して濾過した。水(25mL)をギ酸溶液に加えた。4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロ-ベンゾニトリル、ベシル酸塩(0.05g)の種(Seeds)を導入し、溶液を30分間熟成させた。水(最大50mL)を6時間にわたり混合物に加えた。その後、バッチを少なくとも12時間にわたり熟成させた。バッチを濾過し、ケーキを80/20の水/ギ酸(v/v)で洗浄し、窒素ブリードを用いて真空オーブン中で40-50℃で乾燥し、表題化合物(5.25g、95%)を得た。H NMR(400MHz,CDOD):δ1.69 (q, 2H, J= 11.4 Hz), 2.00 (d, 2H, J= 10.2 Hz), 2.99 (t, 2H, J= 12.3 Hz), 3.31 (bs, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.72 (d, 2H, J=13.2 Hz), 3.81 (s, 3H), 6.78 (d, 1H, J= 8.4 Hz),7.01-7.06 (m, 1H), 7.04-7.06 (m, 1H), 7.19 (dd, 1H, 1.2 Hz), 7.32 (m, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.46 (dd, 1H, J=10.5, 1.2 Hz), 7.61 (m, 2H), 7.82 (dd, 1H, J=8.1, 7.2 Hz), 7.92 (bs, 1H), 7.92 (bs, 2H)。LCMS(カラム:Agilent Zorbax SB-C8、4.6×50mm、3.5μmの粒径;移動相:5%-95%、アセトニトリル-水-0.1% TFA:)Rt=3.854min;[M+H] Calc’d for C2423, 452;Found,452。上述のように、80/20の水/ギ酸からの第2の再結晶化を行い、LC解析により判定されるように99%より多くの純粋な物質を得た。
【0138】
表題化合物のDSCサーモグラムを図2で提供する。
【0139】
表題化合物の形態1のXRPDパターンを図1に提供する。特徴的な回折ピークは、4.9°2-シータ、9.7°2-シータ、13.4°2-シータ、18.0°2-シータ、及び18.5°2-シータを含む。
【0140】
実施例3:非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の調製
【0141】
非晶質の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩を、30Hzで99分間、4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の結晶形態1をボールミル粉砕することにより調製した。結果として生じる物質は、図3に示されるようなXRPD解析により非晶質であると観察された。
【0142】
実施例4:医薬組成物-カプセル製剤
1つの実施形態において、ヒトへの投与のための結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩のカプセル製剤を、以下の成分を用いて調製する:
【0143】
【表11】
【0144】
カプセル中で結晶の4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩を調製するプロセスは、以下の通りである:4-[2-(4-アミノ-ピペリジン-1-イル)-5-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-1-メチル-6-オキソ-,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル]-2-フルオロベンゾニトリルベシル酸塩の必要な量の重さを量り、適切なサイズのカプセルに加えて、カプセルを閉じる。
【0145】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、実例的なものであり、当業者に示唆される様々な修正又は変更は、本開示内に含まれるべきである。当業者によって認識されるように、上記実施例に列挙される特定の構成成分は、他の機能的に同等な構成成分、例えば、賦形剤、結合剤、潤滑剤、充填剤などと取り替えられてもよい。
図1
図2
図3