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特許6995046カプセルを備えるカプセル・アッセンブリおよび前記カプセルを開口させるよう構成されるコンベヤー・キャップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】カプセルを備えるカプセル・アッセンブリおよび前記カプセルを開口させるよう構成されるコンベヤー・キャップ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20220106BHJP
   A47J 31/40 20060101ALI20220106BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20220106BHJP
   B65D 85/804 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A47J31/06 323
A47J31/40 107
A47J31/36 122
B65D85/804 100
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2018534057
(86)(22)【出願日】2017-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2017050028
(87)【国際公開番号】W WO2017114970
(87)【国際公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2015/081470
(32)【優先日】2015-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2016/057844
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515013650
【氏名又は名称】トゥットエスプレッソ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100121120
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 尚
(72)【発明者】
【氏名】ルーカ ドリオーニ マジェル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-090958(JP,A)
【文献】特表2008-517839(JP,A)
【文献】特表2010-515556(JP,A)
【文献】実開昭61-122727(JP,U)
【文献】国際公開第2010/046923(WO,A1)
【文献】特表2012-530522(JP,A)
【文献】特表2015-529485(JP,A)
【文献】国際公開第2006/030461(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02851316(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38-81/38
B65D 85/50-85/52
B65D 85/60
B65D 85/72-85/84
B65D 85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製するためのカプセル(1)と、前記カプセルから出てくる飲料を送り出すために前記カプセルに装着されるコンベヤー・キャップ(7)と、を備えるカプセル・アッセンブリ(10)であって、
前記カプセルは、少なくとも一の飲料原料(I)が収容される内部容積(1a)を形成する入口壁(2)と出口壁(3)と側壁(4)とを有しており、
前記出口壁(3)は一以上のカプセル飲料出口部(5)を備えており、
前記コンベヤー・キャップ(7)は一以上の飲料放出開口部(16)を有しているアッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記カプセル(1)に移動可能に装着されており、
前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動により前記コンベヤー・キャップ(7)によって前記カプセル飲料出口部(5)を開口するよう、前記カプセル飲料出口部(5)と前記コンベヤー・キャップとが相互作用するよう構成されており、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記出口壁(3)と前記コンベヤー・キャップの内面(7a)との間に包囲空間(19)を形成するよう前記カプセルに装着されており、
前記包囲空間(19)は、前記カプセルから出てきた飲料が前記コンベヤー・キャップ(7)を用いて最終容器に向けられる空間である、カプセル・アッセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記カプセルは前記コンベヤー・キャップ(7)のための案内手段(4a,4b)を有しており、
前記コンベヤー・キャップは、前記カプセルに対して移動可能であり、そして前記案内手段が、前記コンベヤー・キャップ(7)の前記移動を案内するよう前記カプセル(1)の前記案内手段(4a,4b)を収容しているカプセル・アッセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記カプセルは、前記コンベヤー・キャップのための案内手段(4a,4b)を有しており、
前記案内手段(4a,4b)は、前記カプセルの前記側壁(4)の少なくとも一部分(4a)、前記カプセルの前記側壁(4)からもしくは前記出口壁(3)から突出するフランジ(4b)、またはそれらの組み合わせから選択される、カプセル・アッセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記一以上のカプセル飲料出口部(5)は密閉されている遠位側位置から、前記カプセルの前記出口壁(3)に近接して前記カプセル飲料出口部(5)を開口する近接側位置まで移動可能である、カプセル・アッセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセル飲料出口部(5)を開口することを意図した前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動は、機械的に、前記カプセル・アッセンブリの圧縮を行うことにより提供される、カプセル・アッセンブリ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動により、前記カプセル飲料出口部(5)を開口するよう前記カプセル飲料出口部(5)に圧力を印加可能である、カプセル・アッセンブリ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記カプセルの前記カプセル飲料出口部(5)を開口するための開口手段(51,52)を備えており、
前記開口手段(51,52)は前記包囲空間(19)内に配置されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記開口手段(51,52)は、突出要素(51)および/または前記カプセルの少なくとも一の突出要素に対応する前記コンベヤー・キャップの当接部(52)を備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項9】
請求項7または8に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記コンベヤー・キャップ(7)の前記開口手段(51,52)によって、前記カプセル飲料出口部(5)を開口するよう圧力を前記カプセル飲料出口部(5)に印加する、カプセル・アッセンブリ。
【請求項10】
請求項7~9のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記カプセル飲料出口部(5)は、前記カプセルの前記出口壁(3)の脆弱部を備えており、
前記出口壁(3)の前記脆弱部は少なくとも一の溝(5a)によって構成される、カプセル・アッセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記コンベヤー・キャップの前記開口手段(51,52)は、前記コンベヤー・キャップの内面(7a)に配置されるとともに前記出口壁(3)の前記脆弱部に圧力を印加するよう前記出口壁(3)に向けられている突出要素(51)を備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項12】
請求項10に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセル飲料出口部(5)は、前記脆弱部に配置されるとともに前記包囲空間(19)内に延設される突出要素(5b)をさらに備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記コンベヤー・キャップの前記開口手段は、前記カプセル飲料出口部(5)の前記突出要素(5b)と係合するための当接部(52)を備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項14】
請求項7~13のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記一以上のカプセル飲料出口部(5)は、封止膜(206)によって密閉される少なくとも一の貫通開口部(205)を有する、カプセル・アッセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記封止膜は、前記コンベヤー・キャップ(7)の前記開口手段(51,52)によって開口され、
前記コンベヤー・キャップ(7)の前記開口手段(51)は、前記封止膜(206)を裂くかつ/もしくは切断するかつ/もしくは穿孔するかつ/もしくは変形させるよう構成される突出要素(51)を備える、かつ/または
前記コンベヤー・キャップ(7)の前記開口手段は、前記カプセルの少なくとも一の突出要素(208)に対応する前記コンベヤー・キャップの当接部(52)を備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記入口壁(2)は、前記カプセルの入口をカバーする膜(29)、または少なくとも一の入口開口部を有する硬質な蓋(22)及び前記蓋の一以上の穿孔要素(28)が貫通可能な封止膜(23)を、備える、カプセル・アッセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記硬質な蓋(22)は、前記封止膜(23)によって被覆される部分(22a)と、前記部分(22a)に対して外側に配置された円環状経路(22b)と、を備えており、前記円環状経路(22b)は前記封止膜(23)によって被覆されていない、カプセル・アッセンブリ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記コンベヤー・キャップの外部から前記包囲空間(19)へと、または前記包囲空間の内部から前記コンベヤー・キャップの外部へと、空気を流れさせる空気通過路(20)を有しており、
前記空気通過路(20)は、前記コンベヤー・キャップの前記飲料放出開口部(16)が配置されている面とは異なる面に配置されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップは少なくとも一の中心に配置された飲料放出開口部(16)を有しており、
前記カプセルの前記少なくとも一のカプセル飲料出口部(5)が、前記コンベヤー・キャップの前記少なくとも一の飲料放出開口部(16)に対してオフセットされて配置されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項20】
請求項1~19のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセルは、周辺部に配置される複数のカプセル飲料出口部(5)を有しており、前記コンベヤー・キャップは一の中央飲料放出開口部(16)を有している、カプセル・アッセンブリ。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセルは、前記カプセルの中心軸に対して径方向に延設される一以上のカプセル飲料出口部(5)を有する、カプセル・アッセンブリ。
【請求項22】
請求項1~21のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記コンベヤー・キャップの前記飲料放出開口部(16)には、前記包囲空間(19)から出ていく飲料の流れを案内するための案内要素(17)が配置されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記案内要素(17)は円錐状要素であるカプセル・アッセンブリ。
【請求項24】
請求項2又は3に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)は、前記カプセルの前記案内手段(4a,4b)と協働する案内手段(8,9a)を有しており、
前記コンベヤー・キャップの前記案内手段は、前記コンベヤー・キャップの側壁(8)もしくは側壁の一部、前記コンベヤー・キャップから突出するフランジ(9a)、またはそれらの組み合わせから選択される、カプセル・アッセンブリ。
【請求項25】
請求項24に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップの前記フランジ(9a)は、前記コンベヤー・キャップの基部(9)から突出しており、前記コンベヤー・キャップの前記側壁(8)に対して内側に配置されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項26】
請求項2に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記カプセルの前記案内手段(4a,4b)には、少なくとも一の溝(95)または少なくとも一の貫通通過路が形成されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項27】
請求項24又は25に記載のカプセル・アッセンブリにおいて、前記コンベヤー・キャップの前記案内手段(8,9a)には、少なくとも一の溝(95)または少なくとも一の貫通通過路が形成されている、カプセル・アッセンブリ。
【請求項28】
請求項1~27のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリにおいて、
前記コンベヤー・キャップ(7)と前記カプセル(1)は、前記カプセルに前記コンベヤー・キャップを連結し保持するとともに前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の前記相対移動を可能にする相補的係合手段(11,11a,14)を有している、カプセル・アッセンブリ。
【請求項29】
飲料を調製するための抽出システムにおいて、該システムが、請求項1~28のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリ(10)と、前記アッセンブリを収容するためのカプセル・ホルダ(26)と、を備えるシステムにおいて、
前記カプセル飲料出口部(5)を開口するよう、前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動を提供するように構成されている、抽出システム。
【請求項30】
請求項29に記載の抽出システムであって、
前記カプセル・ホルダ(26)は前記システムのホルダ受け部に挿入可能であり、
前記カプセル(1)と前記カプセル飲料出口部(5)を開口する前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動は、前記カプセル・アッセンブリ(10)が前記カプセル・ホルダに収容されそして前記カプセル・ホルダが前記ホルダ受け部に挿入されるときに提供される、抽出システム。
【請求項31】
請求項29または30に記載の抽出システムにおいて、飲料が供給されるとき前記飲料と前記カプセル・ホルダ(26)との間の接触を回避または低減するよう、前記ホルダ(26)は、前記コンベヤー・キャップ(7)の前記飲料放出開口部(16)から間隔を空けて配置される前記カプセル・アッセンブリの前記コンベヤー・キャップの一部に接触するよう寸法付けられている、抽出システム。
【請求項32】
請求項29~31のいずれかに記載の抽出システムにおいて、前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動は機械的に提供される、抽出システム。
【請求項33】
請求項29~32のいずれかに記載の抽出システムにおいて、
前記抽出システムが密閉されるとき、前記カプセルと前記コンベヤー・キャップ(7)との間の前記相対移動が行われ、
湯水が当該カプセルに供給される前に、液密封止が前記カプセルに提供される、抽出システム。
【請求項34】
請求項1~28のいずれかに記載のカプセル・アッセンブリ(10)から飲料を調製する方法であって、
前記カプセルと該カプセル上に装着されるコンベヤー・キャップとによって形成された包囲空間内へと前記カプセルから前記飲料を供給する工程を含む方法において、
前記カプセル飲料出口部(5)を開口するよう、前記カプセル(1)と前記コンベヤー・キャップ(7)との間の相対移動を提供する工程を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収集手段を、すなわち飲料を収集しそして最終容器に向かって送り出す手段を、有するカプセルを有するカプセル・アッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
挽豆・焙煎コーヒーや可溶性の予め混合されたものや凝縮された幼児用ミルクや濃縮シロップ等の予め包装されている食材を収容するカプセルがかなり一般的になってきている。一例としては例えばファブレ(Favre)の国際特許出願公開第2005/006927号(WO2005006927)があり、他の例としてはヨアキム(Yoakim)とボルヌ(Borne)の欧州特許出願公開第2239212号明細書(EP2239212)がある。これらの態様では効率的に所望の飲料が提供されるが、使用により汚れる出口手段が利用されており、したがって、定期的に洗浄する必要があり、また全く洗浄しない場合には、汚染菌が広がる「腐植(humus)」が生じ、消費者にとって危険となる場合がある。
【0003】
構造技術が出口手段への接近(アクセス)を邪魔するので出口手段の洗浄ができないこれらの態様では、香りが互いに損ない合ういわゆる「フレーバー・クロスオーバー(風味移り)」が生じ、そのため、コーヒーの直後に茶を淹出すると、先に供給されたコーヒー飲料の香りと風味の一部が茶飲料に移ってしまうという望ましくない欠点がある。
【0004】
一方、国際特許出願公開第2008/011913号(WO2008011913)には、ユーザの容器(マグ、ジョッキ、カップまたはガラスなど)に向かって送り出す、実際に飲料供給装置において備えられる出口手段に取って代わる放出チャンバを構成するキャップを利用するカプセルが記載されている。しかしながら、この解決法は、その製造の際に貫通しており、飲料調製の際には、開いて出口経路を形成する、隔壁(sectum)すなわち膜を中心とする中央出口手段をカプセルにおいて示している。この解決法は、挽豆されたコーヒーと外部環境との間に設置される予め貫通している膜に基づいており、したがって、カプセルへの経路を内部に含まれる空気や酸素に曝し、カプセルの内部に収容されるコーヒーの劣化を早める。
【0005】
さらに、膜への貫通によって、製造プロセスに複雑さが加わり、膜の貫通が不正確または不完全であれば完成した飲料の品質が劇的に変化する場合がある。
【0006】
したがって、風味が互いに損ない合うのを回避または低減し、しかもカプセル内部に収容される原料を外気との接触による酸化から保護して保存するシステムが必要とされている。したがって、内部に収容した原料を保存することができると同時に、飲料を調製しなければならないときに容易にかつ効果的に開口することができる密閉カプセルを提供することも必要とされている。
【0007】
また、前記膜を切断する、裂くまたはいずれにせよ破ることによって、予め貫通している膜を開口することによらない(そのような破れによって、適切な飲料調製のための許容範囲の流量を生成するのに十分な自由通過路を形成するときに作業誤差が大きくなるからである)、よって過剰な流量を発生しないシステムが必要とされている。
【0008】
最後に、飲料の出口経路の領域における(つまり食品材料に接する領域における)汚れの蓄積や細菌の増殖が生じる虞がなく、供給器のユーザによって用いられる容器へと種々の飲料を実現し完璧に供給することができる湯水出口手段に関するコンパクトな解決法を備えたシステムが必要とされている。
【0009】
本発明の目的は上述の問題を解決することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際特許出願公開第2005/006927号
【文献】欧州特許出願公開第2239212号明細書
【文献】国際特許出願公開第2008/011913号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この目的は、飲料を調製するためのカプセルと、前記カプセルに(飲料出口部が配置されているカプセルの側に)装着されるとともに前記カプセルから出てくる飲料のコンベヤー(送り出し器)として機能するキャップと、を備える飲料または液状食品を調製するためのカプセル・アッセンブリを提供する本発明によって達成される。いくつかの態様において、コンベヤー・キャップは、カプセルの出口壁を開口する貫通手段を有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
カプセルは、一以上の飲料原料が収容できる内部容積を形成する入口壁と出口壁と側壁を備える。出口壁は、一以上のカプセル飲料出口部を備える。
【0013】
コンベヤー・キャップは、出口壁とコンベヤー・キャップの内面との間に包囲空間を形成するよう、カプセルに装着される。キャップは、一以上の飲料放出開口部を有する。好ましい態様では、異なる流量および/または異なる液体容量を受ける完成品飲料に由来する必要性に適う収容容量を可能としながら、液体に接する面を最小限にするのに適したコンベヤーの構造を提供する。
【0014】
キャップとカプセルとの間の相対移動が行われるように、コンベヤー・キャップはカプセルに移動可能に装着される。つまり、どの部分が静止状態で保持されるかに応じて、キャップがカプセルに対して移動することができる、あるいはカプセルがキャップに対して移動することができる、またあるいはカプセルおよびキャップの両方が移動される。好ましい態様において、キャップとカプセルとの移動により、カプセルとキャップとを互いに近付ける。つまり、カプセルおよび/またはキャップの移動に応じて、カプセルの出口部とキャップの出口部との間の距離が小さくなる。
【0015】
カプセル飲料出口部は、封止カプセルを提供するために通常密閉されている。
【0016】
ここで用いる、語「密閉される」や「通常密閉される」は、カプセルにおいて、その使用の前に、飲料出口部が飲料の供給のために開口されるまで少なくとも一の原料が収容される内部容積が外部環境から封止されることを意味する。
【0017】
コンベヤー・キャップは、移動の際にはカプセルの側壁と相互に作用し、カプセルを開口させる際にはカプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップによってカプセル飲料出口部を開口させるよう出口壁と相互に作用するように、構成される。本発明の一の面では、カプセルの出口壁およびカプセルの側壁の少なくとも一部分(好ましくは側壁の底側部分)、またはカプセルの側壁または出口壁から突出するフランジの少なくとも一部が、コンベヤー・キャップに収容される。
【0018】
カプセルは、コンベヤー・キャップの移動を案内するための案内手段を有する。案内手段は、カプセルの側壁の少なくとも一部、およびカプセルの前記側壁からまたは前記出口壁から突出するフランジから選択される。また、側壁の一部を備える案内手段とフランジ(出口壁からまたは側壁から突出する)との組み合わせも可能である。
【0019】
言い換えれば、一の態様では、カプセルの側壁の少なくとも一部は、コンベヤー・キャップの移動のためのガイドとして作用する。該キャップは、コンベヤー・キャップと協働するカプセルの側部部分に対して相補的な形状を有する側方部を有する。一の態様では、カプセルの側壁からまたは出口壁から突出するフランジの少なくとも一部分が、コンベヤー・キャップの移動のためのガイドとして作用する。該キャップは、カプセルのフランジに対して相補的な形状を有する側方部を有する。
【0020】
カプセルに対するキャップの相対移動によって、カプセルの側壁の一部に沿ってまたはカプセルから突出するフランジに沿ってコンベヤーの側方部が摺動し、これにより、カプセルに対するコンベヤーの移動が案内され制御される。
【0021】
本発明の趣旨に関して、「カプセルの側壁の少なくとも一部」という語は、カプセルの側壁に直接接続されるまたは間接接続される、コンベヤー・キャップが装着される面を形成するカプセルの任意の部分を示すことを意図している。コンベヤー・キャップは案内手段の表面に沿って移動することができる。上述の通り、案内手段を、カプセルの側壁から延設されるフランジまたは出口(すなわち底部)壁から延設されるフランジとできる。
【0022】
コンベヤー・キャップは、飲料のための少なくとも一の出口部が配置される面を有する。コンベヤー・キャップの案内手段は、好ましくは、上に定義した通りカプセルの案内手段と協働する側壁または側壁の部分である。また、コンベヤー・キャップは、案内手段として作用するフランジを有することができ、カプセルの案内手段と協働するよう構成できる。
【0023】
なお、可能な態様において、コンベヤー・キャップおよびカプセルは、関連する側壁に対して異なる位置で互いに協働できることを記載しておくべきであろう。関連する側壁に対する異なる位置での協働は、側壁における協働に加えてまたは他の選択肢として提供できることを記載しておくべきであろう。
【0024】
上述の通り、一の態様では、カプセルは、カプセルの出口壁からまたは側壁から突出するフランジを有することができる。コンベヤー・キャップは、カプセルのこのようなフランジと協働して、カプセルとコンベヤー・キャップとの相対移動を適切に案内する。
【0025】
より詳細には、本発明の一の面では、カプセルの出口壁または側壁から突出するカプセルの前記フランジは、コンベヤー・キャップの関連する案内手段と協働する。一の面では、コンベヤー・キャップの案内手段は、カプセルの関連する案内手段と協働するよう配置されるフランジを備える。コンベヤー・キャップのフランジは、コンベヤー・キャップの基部(例えば内部底面)から突出することができる。コンベヤー・キャップの前記フランジは、コンベヤー・キャップの側壁に対して内側に配置される。一般に、一の面では、コンベヤー・キャップの案内手段(例えばフランジ)は、カプセルの軸とコンベヤー・キャップの側壁との間の距離未満であるカプセルの軸からの距離で配置される。
【0026】
一の面では、カプセルの案内手段およびコンベヤー・キャップの案内手段(例えば側壁およ/またはフランジ)は管状形状を有する。このような管状形状は途中で断絶することができる。言い換えれば、管状形状は、例えば二つ以上の別々の突出フランジを形成するように分断(ミッシング)部分を形成することによって、完全な管状ではない状態にできる。管状形状の断面は、カプセルの軸に対して垂直な平面において円形とできる。しかしながら、案内手段の断面形状は円形形状に限定されず、例えば楕円形形状や四角形形状や多角形形状とすることもできる。
【0027】
一の態様では、コンベヤー・キャップおよびカプセルは、カプセルにキャップを連結し保持すると同時にこれらの部材間の必要な移動を可能にする相補的係合手段を有する。
【0028】
好ましくは、これら相補的係合手段は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間に相互係合接続(interlocking connection)を提供する。このような相互係合接続は、例えばカプセルおよびコンベヤー・キャップの両方に配置される隆起部(リッジ)の相互係合によって、またはカプセルとコンベヤー・キャップとに配置される少なくとも一つのリッジと少なくとも一つの溝と(あるいはその逆)の間の相互係合によって、提供される。このように、一の面では、カプセルの側壁およびコンベヤー・キャップの側壁の両方(および/またはカプセルのフランジおよびコンベヤー・キャップのフランジの両方)は、互いに協働するとともにカプセルとコンベヤー・キャップとの間の相互係合接続を提供するよう配置されるリッジを有することができる。あるいは、カプセルまたはコンベヤー・キャップは少なくとも一つのリッジを有し、カプセルおよびコンベヤーの他方の要素は上述したリッジを受けて係合するよう配置される少なくとも一つの溝を有する。また、カプセルおよびコンベヤー・キャップの両方が、リッジおよび溝の両方を有することもできる。
【0029】
なお、リッジおよび/または溝は、コンベヤー・キャップをカプセルに保持する(つまり、これらの要素の連結が緩くなるのを回避する)ために配置され、好ましくは、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動の方向に対して垂直に配置されて前記相対移動を制限するとともにこれらの要素の分離を回避することを記載しておくべきであろう。
【0030】
カプセルにキャップを連結し保持する相補的係合手段は、カプセルとコンベヤー・キャップとをカプセルが密閉されるある相対的な位置に維持するように構成でき、したがって例えば飲料調製の前のカプセルの移送または取り扱いの際のそれらの望ましくない意図しない相対移動を回避することができる。言い換えれば、カプセルの密閉位置からカプセルの開口位置への相対移動は、カプセルにキャップを連結し保持する前記相補的係合手段によって提供される抵抗を超えることにより達成できる。より詳細には、リッジおよび/または溝は、コンベヤー・キャップをカプセルに保持する(つまり、これらの要素の連結が緩くなるのを回避する)ために、そして前記移動が要求されないときにカプセルの開口位置に向かうコンベヤー・キャップに対するカプセルの意図しない移動を回避するために、配置される。
【0031】
より詳細には、可能な態様では、二つのリッジをカプセルに配置し、そして一つのリッジをコンベヤーに配置することができ、これにより、カプセルが密閉される相対位置に、コンベヤーの単一のリッジをカプセルの二つのリッジ間に配置することができ、その結果、コンベヤー・キャップをカプセルに安定して保持し(つまり、これらの要素の連結が緩くなるのを回避し)、そしてまた上述した所望でないときのカプセルを開ける相対移動を回避することができる。リッジ間の干渉によって提供される抵抗を超える所定の力を印加した場合にのみ、カプセルの開口位置に向かうカプセルとコンベヤーとの間の相対移動が得られる。
【0032】
二つのリッジがコンベヤーに配置され、そして一つのリッジがカプセルに配置される逆の構成もまた可能であることは明らかであろう。
【0033】
なお、可能な態様では、コンベヤー・キャップとカプセルとを、摩擦によって、例えばカプセルの協働面とコンベヤー・キャップの協働面との摩擦によって、連結構成(一方が他方に連結された構成)に保持することができることは記載しておくべきであろう。前記相互協働面を円錐状とできる、または所望の摩擦を提供するよう多少傾斜させることができる。相互協働面は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動を可能にするよう変形可能とできる。
【0034】
典型的には、コンベヤー・キャップの案内手段(例えばコンベヤー・キャップの側壁および/またはフランジ)は、カプセルの関連する案内手段(例えばカプセルの側壁および/またはフランジ)を取り囲む。言い換えれば、カプセルの軸を基準として、コンベヤー・キャップの案内手段は、コンベヤー・キャップの関連する案内手段の外側に配置できる(つまり、外側で係合できる)。しかしながら、反対の構成も可能である。この場合、一の態様では、カプセルの案内手段は、コンベヤー・キャップの関連する案内手段に対して外側に配置される(つまり、カプセルの案内手段はコンベヤー・キャップの関連する案内手段を取り囲む)。一例として、カプセルが出口壁/側壁から突出するフランジを備えており、コンベヤー・キャップが基部から突出するフランジを備える、上述した態様を考える場合、典型的には、コンベヤー・キャップのフランジがカプセルのフランジを取り囲む。しかしながら、他の態様において、カプセルのフランジがコンベヤー・キャップのフランジを取り囲むこともできる。コンベヤー・キャップを取り囲むカプセルの側壁によって係合が行われる場合には、そのような設計を適用できる。
【0035】
カプセルは、飲料の放出のための少なくとも一の出口部を有する。出口部は通常密閉されている。少なくともカプセルまたはコンベヤーは、出口部を開口するための手段を有する。
【0036】
コンベヤー・キャップが備えられるので、生成された飲料と飲料調製のためのシステムの部分(例えばカプセル・アッセンブリ・ホルダ)との間の接触を回避することができる利点がある。さらに、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によってカプセルを開口させるので、内部に収容された原料を保存することができ、コンベヤー・キャップを用いて効果的に開けられる、通常密閉されているカプセルを提供することができる。
【0037】
したがって、飲料調製のためのシステムにコンベヤー・キャップに設けた開口手段以外の開口手段を設ける必要なく、かつ/または出口手段として用いるためのカプセルに開口部を形成するためのカプセル内部の液圧の増加を用いる必要なく、コンベヤー・キャップによる開口によってカプセルを効果的に開口させることができる。
【0038】
好ましい態様では、カプセル飲料出口部を開口することを意図したカプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動は、機械的に提供される、好ましくはカプセル・アッセンブリの圧縮を行うことにより提供される。言い換えれば、可能な態様では、コンベヤー・キャップの出口部とカプセルの出口壁との間の距離が低減される。
【0039】
本発明の一の面では、カプセルとカプセル飲料出口部を開口するよう構成されるコンベヤー・キャップとの間の相対移動は、ホルダへの、一般には飲料調製システムへの(例えば供給機械への)、カプセル・アッセンブリの挿入の前に、手動で行うことができる。
【0040】
一の態様では、カプセル飲料出口部に圧力を印加して開口させるよう、コンベヤー・キャップはカプセルに対して軸方向に移動可能である、またはその逆に、カプセルの本体がコンベヤー・キャップに対して軸方向に移動可能である。この態様の利点は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動により、カプセル飲料出口部を効果的に開口できることにある。
【0041】
実際的には、可能な態様では、カプセル飲料出口部はカプセルの出口壁の脆弱部を備える。好ましくは、前記脆弱部は少なくとも一の薄くなった部分または溝によって構成される。好適には、カプセルに形成される飲料のための出口部は、カプセル壁の一部分と、該壁の前記一部分の少なくとも一部における厚さが低減された領域を提供するとともにカプセル出口壁の出口部を構成している溝と、を有する。カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動に応じて、コンベヤー・キャップの一の突出要素または複数の要素によって脆弱部に圧力を印加することができ、これにより、脆弱部を開口することができる。
【0042】
可能な態様では、一以上のカプセル飲料出口部は、少なくとも一の貫通開口部と少なくとも一の封止膜とを備える。ここで用いる語「貫通開口部」は、出口壁を通る流体通過路を、つまり該貫通開口部が配置される出口壁の二つの側の間の通過路を提供するあらゆる開口部、例えば孔や隙間や細長い穴(スロット)を意味する。より詳細には、一の面では、一以上のカプセル飲料出口部は、少なくとも一の封止膜によって密閉される少なくとも一の貫通開口部を有する。
【0043】
言い換えればカプセルの出口壁には、封止膜により密閉される(つまり、飲料が貫通開口部を通ってカプセルから出ることができない)一以上の貫通開口部(例えば一以上の孔や隙間やスロット)が形成されている。
【0044】
なお、封止膜を少なくとも一つの貫通開口部上にまたは下に配置できることを記載しておくべきであろう。言い換えれば、封止膜を、少なくとも一の貫通開口部に対して上流側にまたは下流側に配置することができる(語「上流側」および「下流側」は、入口壁から出口部へのカプセルの内部の淹出液体経路の流れをいう)。より詳細には、どちらの場合も、封止膜によって、カプセルを密閉できる(したがって貫通開口部を密閉できる)、つまり、少なくとも一の原料が収容されるカプセル本体の内部容積と外部環境とを分離することができる。こうして、カプセルから飲料が出ていくのを防止できる。どちらの構成においても、「飲料出口部を開口する」という表現は、飲料が少なくとも一つの貫通開口部を通ってコンベヤー・キャップに向かってカプセル本体から出ていくことができるよう、カプセルの内部容積が外部環境との流体連通状態となることを意味する。一方、飲料出口部が密閉されている場合、前記貫通開口部の上または下に配置することができる封止膜が配置されているので、飲料は、貫通開口部を通ってカプセルから出ていくことができない。
【0045】
封止膜は、例えば異なる引っ張り伸長を有する一以上の材料(PE、PP等)と連結されたアルミニウムで例えば形成されている当該技術において基本的に既知の封止可能な箔、および/またはフィルタ用不織布材料、あるいはまた酸素非透過性非金属材料(トリ・ラミネートPP/EVOH/PE等)もしくは酸素非透過性封止手段としたがって密閉されたいわゆる「シェルフ・ステーブル」カプセルを提供する当業者にとって利用可能な同様な材料を備えることができる。
【0046】
カプセル出口壁の脆弱部を、このように、例えば封止膜によって密閉される少なくとも一の貫通開口部によって提供することができる。
【0047】
封止膜は、いくつかの材料が互いに連結された「サンドイッチ構造(sandwich)」として提供される場合、「孤立部(アイランド)」または「スロット」を形成するよう-酸素非透過性材料を除いて-一つ以上の材料が不連続に配置されている領域と、一つ以上の材料が存在していない(ミッシングな状態である)封止膜の全体領域と、を有することができる。前記領域においては、封止膜の機械特性が異なる、かつ/または液体の通過が異なる影響を受ける。
【0048】
カプセル飲料出口部は、例えば封止膜によって密閉される開口部は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップによって開口される。より詳細には、可能な態様では、封止膜はコンベヤー・キャップの開口手段によって開口される。コンベヤー・キャップの開口手段は、前記封止膜を裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または変形させるよう構成される突出要素と、カプセルの少なくとも一の突出要素に対応するコンベヤー・キャップの当接部と、から選択される。また、これらコンベヤー・キャップの開口手段の組み合わせも可能である。
【0049】
好ましくは、封止膜は、前記封止膜に圧力を印加することにより開口することができる。
【0050】
より詳細には、可能な態様では、例えば、封止膜を、好ましくはコンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または変形させる(例えば弾性的に変形させる)よう構成される少なくとも一つの突出要素をコンベヤー・キャップの前記開口手段は備える。
【0051】
言い換えれば、可能な態様では、封止膜を、コンベヤー・キャップの開口手段によって、裂く(例えば引き裂く)かつ/または切断するかつ/または穿孔する(例えば刺すもしくは貫通する)かつ/または変形させる(例えば弾性的に変形させる)ことによって、開口させる。上述した封止膜を開口させる方法の一以上を組み合わせて、カプセルに二つ以上の開口部を形成することもできる。
【0052】
なお、本開示において用いる封止膜の「変形」による開口方法は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動(特に封止膜とのコンベヤー・キャップの開口手段の接触)によって封止膜の変形(例えば弾性変形)または移動が行われることを意味することを記載しておくべきであろう。例えば、封止膜を、カプセル本体への接合部から、好ましくはカプセル本体の出口壁における例えば封止膜がカプセル本体に接合される(例えば溶着または接着される)環状領域から、分離するまたは移動させることができる。
【0053】
他の可能な態様では、好ましくは、封止膜が貫通開口部上に(上流側に)配置される場合、コンベヤー・キャップの当接部は、好ましくは前記貫通開口部と対応して配置されるカプセルの少なくとも一の突出要素と接触するよう構成され、これにより、カプセルの突出要素をカプセルの内部容積に向かってを移動させて、その結果、封止膜を破壊する。一般に、本発明では、カプセル飲料出口部を開口するために、コンベヤー・キャップは、キャップとカプセルの出口壁との間の包囲空間内に好ましくは配置される開口手段を備える。
【0054】
本発明の例示的な態様では、開口手段は、カプセルの前記出口壁に穿孔を行うよう、そして飲料を供給するための少なくとも一の開口部を提供するよう、カプセルの出口壁に向けられているコンベヤー・キャップの突出要素/およびまたは当接部を備える。好適には、コンベヤー・キャップの突出要素は、カプセルの出口壁が少なくとも部分的に開口するようカプセルの出口壁に配置される飲料出口部に圧力を印加するように構成される。一の例示的な態様において、コンベヤー・キャップから突出する要素は、穿孔によって出口部を開口させる、つまり、コンベヤー・キャップの突出要素は、開口部を形成するよう底部壁を破る。既に上で説明した通り、一の態様では、封止膜を、コンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または変形させるよう構成される少なくとも一つの突出要素を、コンベヤー・キャップの開口手段は備える。封止膜の上に開示した開口方法の一以上を当該カプセルにおいて用いることができる。例えば、封止膜の少なくとも一部を穿孔することができる(例えば、刺すまたは貫通することができる)、そして封止膜の少なくとも一部を裂くことができる(例えば引き裂くことができる)。例示的な態様においては、突出要素は、カプセルの出口壁に形成される開口部に収容される。また突出要素は、カプセルの本体内へと延設され、カプセルの内部から外部への例えばカップへの飲料の流れを少なくとも部分的に遮る。飲料のための開口部が突出要素によって少なくとも部分的に塞がれる(つまり密閉されている)ので、カプセル内へと送り込まれた湯水は開口部を通って直ちには出てくることができないことになり、その結果、カプセルにおける圧力が突出要素の周囲の出口壁の出口領域を変形するのに十分に高くなるまでカプセル内の圧力が増加することになり、カプセルから飲料が高い流量で提供されることになる。このように、突出要素は、一方では、飲料のための出口部を完全に開口させ、他方では、飲料の原料から飲料成分のよりよい抽出を提供するようカプセルにおける内圧の増加を支援する。上述した飲料の圧力支援放出のさらなる詳細については、ここで、本願出願人の欧州特許出願公開第1549185号明細書(EP1549185)を参照する。他の例示的な態様においては、カプセルの出口壁は、カプセルの外部に向かって突出する部分が配置されている複数の出口部を有する。出口部は、密閉されており、カプセルを封止している。出口部は、カプセル飲料出口部の突出要素に圧力を印加するように構成されるコンベヤー・キャップの当接部の作用によって開口される。
【0055】
上述の通り、一の態様では、出口壁に好ましくは配置されるカプセルの少なくとも一つの突出要素は、カプセルの外部に向かって突出し、突出要素に圧力を印加するように構成されるコンベヤー・キャップの当接部と接触するよう構成され、これにより、封止膜に向かって突出要素が移動することによって封止膜が開口する。上述の通り、この態様では、封止膜は、出口壁の少なくとも一つの貫通開口部上に(上流側に)配置される。
【0056】
出口部の開口は、カプセルの出口壁の突出部へのキャップの圧力によって、純粋に機械的に行われる(例えば本願出願人の欧州特許出願公開第2628694号明細書(EP2628694)を参照)。また開口工程は、キャップによる機械的な作用とカプセル内部に飲料によって生じる圧力との組み合わせとすることもできる(例えば本願出願人の欧州特許出願公開第1960293号明細書(EP1960293)を参照)。
【0057】
より詳細には、コンベヤー・キャップの開口手段は、キャップの内面(つまりキャップとカプセルとの間に形成される包囲部に関して内面)に配置されるとともに、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動に応じて、出口壁の前記脆弱部に圧力を印加するようカプセルの前記出口壁に向けられている少なくとも一つの突出要素を備える。異なる可能な態様にかかるコンベヤー・キャップの突出要素は、例えば、出口壁の少なくとも一の薄くなった部分または溝によって形成される出口壁の脆弱部を破る、または出口壁の少なくとも一の貫通開口部を封止(密閉)するよう構成される封止膜を、コンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または引き裂くかつ/または変形させるかつ/または刺すよう構成される。
【0058】
可能な態様では、既に上で説明した通り、カプセル飲料出口部は、前記脆弱部に好ましくは配置される突出要素を備える。コンベヤー・キャップの開口手段は、カプセル飲料出口部の突出要素に対する当接部を備える。
【0059】
このように、本発明のカプセル・アッセンブリの例示的な態様は、少なくとも一つの突出要素と、出口壁の少なくとも一つの飲料出口領域と、を有する開口手段を有する。出口壁の少なくとも一つの飲料出口領域は、出口壁の他の残りの領域と比較して厚さが低減された溝によって形成される、または少なくとも一つの貫通開口部と封止膜とによって形成される。穿孔は前記出口領域において行われる。少なくとも一の突出要素を、コンベヤー・キャップの内面上に配置することができ、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動に応じて圧力を印加することによって例えば圧縮によってカプセルの飲料出口部を開口させるよう構成することができる。一の実施態様においては、カプセルの少なくとも一つの貫通開口部を密閉する封止膜は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップの開口手段によって開口される。コンベヤー・キャップの開口手段は、封止膜を、コンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または引き裂くかつ/または変形させるかつ/または刺すよう構成される。
【0060】
他の例示的な態様においては、少なくとも一つの突出要素を、カプセルの出口壁の外面上に溝によってつまり厚さが低減された線によって形成される前記出口領域に対応して配置することができる、または出口壁の少なくとも一つの貫通開口部と少なくとも一つの封止膜とによって形成することができる。これらの態様において、コンベヤー・キャップでは、突出部をなくすことができ、そして、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動に応じて、出口壁の突出要素と接触することになり、突出要素をカプセルの内部に押圧し、上述の飲料出口領域を開口する当接面を配置することができる。
【0061】
一の態様では、本特許出願と同じ日に出願した本願出願人のともに係属中の特許出願において開示した例と同様に、カプセル飲料出口部は、突出要素または突出部と、出口壁の脆弱部を提供する出口壁のハウジングと、を備える。より詳細には、出口壁にハウジングを提供するよう突出要素の内面の少なくとも一部が出口壁の内側から間隔を空けて配置された状態で、出口壁の突出要素(部)はカプセルの外部に延設されている。飲料が供給されない場合(例えばカプセルの密閉状態において)、ハウジングは空であり、飲料がカプセルから供給される場合(例えばカプセルが開いた状態において)、突出要素(部)の少なくとも一部を受けるよう構成される。
【0062】
言い換えれば、一の態様では、ともに係属中の特許出願に開示した通り、カプセルが密閉されている場合、突出部が配置される少なくとも領域においては、出口壁の突出要素(部)の内面は、出口壁の外面と実質的に同一面を形成しており、したがって、壁の脆弱部を提供している。また、この態様では、コンベヤー・キャップでは、突出部をなくすことができ、そして、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動に応じて、出口壁の突出要素と接触することになり、突出要素をカプセルの内部に押圧し上述の飲料出口領域を開口する当接面を配置することができる。
【0063】
上述した態様を組み合わせることもできる。上述の通り、コンベヤー・キャップは、その側面上に配置され、カプセルの側壁(例えば側壁の一部またはカプセルから突出するフランジ)と協働してカプセルの開口工程においてコンベヤーとカプセルとの間の移動を案内するための案内要素を有する。
【0064】
可能な態様では、カプセルの直ぐ外側の外部空間と、コンベヤー・キャップおよびカプセルの出口壁によって形成される包囲空間と、の間で空気を流れさせる空気通過路を、コンベヤー・キャップは有する。空気を一方の方向に流すこともできる。空気通過路は、キャップ・コンベヤーの前記飲料放出開口部が配置されている面とは異なる面に配置される。前記開口部を、カプセルの中心軸に関して対称的な回転パターンで配置することもできる。
【0065】
異なる可能な態様では、少なくとも一つのカプセル飲料出口部を、カプセルの中心軸に対して中心にかつ/または周辺に配置することができる。また、少なくとも一つの飲料放出開口部も、中心にかつ/または周辺に配置することができる。
【0066】
可能な態様では、コンベヤー・キャップは少なくとも一つの中心に配置された飲料放出開口部を有し、そして、カプセルの少なくとも一つのカプセル飲料出口部はコンベヤー・キャップの少なくとも一つの飲料放出開口部に対してオフセットされて配置される。
【0067】
一の態様では、カプセルは、周辺に配置される複数のカプセル飲料出口部を有し、そして、コンベヤー・キャップは中央飲料放出開口部を有する。
【0068】
一の態様では、一つ以上のカプセル飲料出口部が、カプセルの中心軸に対して径方向に延設される。異なる可能な態様では、飲料出口部はカプセルの中心軸に対して傾斜することができる。例えば、飲料出口部を、カプセルの中心軸に対して傾斜しており、例えば中心軸に向けられていない略直線に沿って延設することができる。
【0069】
また、飲料出口部を曲線に沿って、例えば弓状の線に沿って延設することもできる。曲線状飲料出口部を、中心軸に対して同軸状に配置することができる、または中心軸に対して傾斜して配置することもできる。
【0070】
知られている通り、飲料供給機械における使用時において、カプセルはカプセル・ホルダ装置に配置される。本発明の一の態様では、飲料を供給する工程の際にカプセル・ホルダの少なくとも一部が飲料との接触から保護するために、コンベヤー・キャップはさらに、飲料出口部の周囲に延設される壁を備える。ある場合において、幼児にミルクを供給するためにカプセルが用いられる場合など、食品安全性および品質の点から、カプセルから供給される飲料へのフレーバー・クロスオーバーの防止の点から、保護効果を高めるために、コンベヤー壁をすべて覆うよう、コンベヤー・キャップから突出する壁が延設される。
【0071】
さらに、可能な態様では、カプセル・ホルダと飲料との接触を防止するまたは低減するために、そしてコンベヤー・キャップからの飲料の流れの制御を提供するために、コンベヤー・キャップの飲料放出開口部(好ましくは中央飲料放出開口部)は前記包囲空間から出てくる飲料の流れを案内するための要素(好ましくは円錐状要素である)を有することができる。
【0072】
本発明はまた、ここで開示するかつ/または特許請求の範囲に記載するカプセル・アッセンブリから飲料を調製するためのシステム、および前記カプセル・アッセンブリのためのホルダに関する。飲料を調製するためのシステムは、前記カプセル飲料出口部を開口するよう、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動を提供するように構成される。これらの二つの部材間の好ましくは機械的に得られる相対移動に応じたコンベヤー・キャップを用いるカプセルの開口によって、飲料調製のためのシステムに専用の穿孔手段を用いる必要なく、そしてまたカプセルを開口させる手段として内部への液体の注入によるカプセル内部の圧力の増加(つまり増大)に依存する必要なく、カプセル飲料出口部に効果的な開口を行うことができ、飲料を放出することができる利点がある。
【0073】
実際上、好ましい態様では、開口は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によって機械的に実行される。ある態様においては、欧州特許出願公開第1960293号明細書に開示されているように、湯水によって生成された圧力により、カプセルの出口壁の開口を支援することができる。他の態様においては、欧州特許出願公開第1549185号明細書および欧州特許出願公開第1549184号明細書(EP1549184)に開示されているように、カプセル・ヘルプの内部の圧力によって、飲料を供給する工程の制御を支援する。なお、これらの欧州特許出願はすべて、本願出願人による出願である。
【0074】
一の態様では、カプセル・アッセンブリのためのホルダは、密封品質を達成するシステムのホルダ受け部(例えば供給機械のホルダ受け部)に少なくとも部分的に挿入可能であり、アッセンブリがホルダに収容されてホルダが前記ホルダ受け部に挿入されるとき前記カプセル飲料出口部を開口するカプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動が提供される(例えば供給機械に備えられるレバーを介した前記相対移動を提供することによって)。
【0075】
異なる態様においては、カプセルを、例えばユーザによって押されるボタンによって作動するサーボ制御モータを介して密封品質で密閉する供給機械へ挿入することもできる。なお、可能な形態では、カプセル・ホルダを供給機械の固定部材とできることを記載しておくべきであろう。
【0076】
例示的な態様では、前記飲料と前記カプセル・ホルダとの間の接触点を回避または低減するよう、ホルダは、コンベヤー・キャップの飲料出口部から間隔を空けて配置される前記アッセンブリのコンベヤー・キャップの一部に接触するよう寸法付けられる。カプセル・ホルダには、飲料または液状食用製品がホルダと接触することがない飲料または液状食用製品の供給のための孔または通過路が形成されている。また、ホルダには、カップまたは他の最終容器に飲料を向かわせる手段がない。飲料流れは、コンベヤー・キャップによってのみ制御され方向付けられる。
【0077】
また本発明は、前記カプセルと前記カプセルの出口壁上に装着されるコンベヤー・キャップとによって形成された包囲空間内へと前記カプセルから前記飲料を供給する工程を有する使い捨てカプセル・アッセンブリから飲料を調製する方法に関する。当該方法は、カプセルの飲料出口部を開口するよう、カプセルの側壁がコンベヤー・キャップの移動を案内するように、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動を提供する工程を有する。
【0078】
なお、飲料を調製するためのカプセル・アッセンブリおよび/またはシステムに関してここで開示するかつ/または特許請求の範囲に記載する特徴および面を方法に適用することができることを記載しておくべきであろう。
【0079】
一の態様では、方法は、前記包囲空間における圧力と周囲圧力との間の差異を低減するまたはなくすために、空気の流れを前記包囲空間に、または前記包囲空間から外部に、向かわせることができる専用の手段を提供する工程を有する。
【0080】
空気の流れは、飲料の流れのレベルより上方の包囲空間に供給される。一の態様においては、包囲空間に供給される空気の流れは、飲料の流れと当たるよう向けられる。
【0081】
本発明は、従来技術に対していくつかの利点を提供する。本アッセンブリおよび本システムによって、収集器をコンベヤー・キャップとコンベヤー・キャップの適切な飲料出口手段とで置き換えられるので、保守および周期的な洗浄を必要とする飲料に対する固定収集器の使用を回避できる。
【0082】
風味が互いに損ない合うことまたは古くなった残留物から細菌が広がる可能性を回避するために、カプセルが使用される供給機械を二~三回の供給サイクル毎または各サイクル毎に洗浄することはもはや必要ではない。傷みやすい飲料(例えば幼児用ミルク)が供給される場合、食品材料と直接接触するカプセルとカプセル・ホルダとの領域間には接触がないので、カプセルは、飲料の十分な保護を提供できる。実際、同じ供給機械を全く異なる飲料に、上述の幼児用ミルクからコーヒーやオニオンスープにまで機械の出口を洗浄する必要なく用いることができる。出口は、カプセル・アッセンブリの一部である、つまりコンベヤー・キャップの一部であるからである。
【0083】
他の利点は、完成した飲料におけるコーヒー上に大量の乳濁液と「泡立ち(フロス)」層を提供するよう、包囲チャンバに入る空気を飲料と混合させることができることにある。コンベヤーにおける空気(エア)ダクトの異なる構成によれば、完成した飲料すなわち飲み物における泡の総量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
以下に、本発明を、本発明の限定するものではない実施態様を示す添付の図面を参照してより詳細に開示する。
【0085】
図1】本発明にかかる、入口壁における硬質な蓋と、コンベヤー・キャップの突出要素によって開口されるよう構成される少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル飲料出口部と、を備えるカプセル・アッセンブリの第一の実施可能な形態の断面分解組立図を示す。
図1a図1のアッセンブリの正面からの断面図である。
図1b図1のアッセンブリの斜視図である。
図1c図1のカプセルの飲料出口部の他の実施態様を示す(図1cにおける細部Bは図1dの拡大図で示している)。
図1d図1のカプセルの飲料出口部の他の実施態様を示す(図1cにおける細部Bは図1dの拡大図で示している)。
図1e】コンベヤー・キャップが飲料出口部を開口させる位置における、図1cのカプセルの部分上面図と部分断面図を示す。
図1f】コンベヤー・キャップが飲料出口部を開口させる位置における、図1cのカプセルの部分上面図と部分断面図を示す。
図2】本発明にかかる、入口壁における膜と、コンベヤー・キャップの突出要素によって開口されるよう構成される少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル飲料出口部と、を備えるカプセル・アッセンブリの第二の実施可能な形態の断面分解組立図を示す。
図2a図2のアッセンブリの正面からの断面図である。
図2b図2のアッセンブリの斜視図である。
図3】本発明にかかる、入口壁における硬質な蓋と、内部仕切り要素と、コンベヤー・キャップの当接要素によって開口されるよう構成される突出要素を有する少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル飲料出口部と、を備えているカプセル・アッセンブリの第三の実施可能な形態の断面分解組立図を示す。
図3a図3のアッセンブリの正面からの断面図である。
図3b図3のアッセンブリの斜視図である。
図3c】硬質な蓋の代わりに膜が入口壁に配置されている図3のカプセル・アッセンブリの断面分解組立図を示す。
図3d図3cのアッセンブリの正面からの断面図である。
図4】本発明にかかる、入口壁における膜と、容積が低減されたカプセルと、コンベヤー・キャップの当接要素によって開口されるよう構成される突出要素を有する少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル飲料出口部と、を備えているカプセル・アッセンブリの第四の実施可能な形態の断面分解組立図を示す。
図4a図4のアッセンブリの正面からの断面図である。
図4b図4のアッセンブリの斜視図である。
図5】本発明にかかるコンベヤー・キャップのさらなる実施可能な形態の、キャップとカプセルとの連結によって形成される包囲空間に対して内側からと外側からとの斜視図である。
図6】本発明にかかるコンベヤー・キャップのさらなる実施可能な形態の、キャップとカプセルとの連結によって形成される包囲空間に対して内側からと外側からとの斜視図である。
図7】本発明カプセルのためのカプセル・ホルダを示す本発明にかかるシステムのさらなる実施可能な形態の断面分解組立図である。
図8】カプセル飲料出口部がまだ密閉状態にある、カプセル・ホルダ(または機械)に挿入されたカプセル・アッセンブリの断面図である。
図9】カプセル飲料出口部が開口した後の図8のアッセンブリの断面図である。
図10】カプセル・ホルダがない図8の拡大図である。
図11図8のアッセンブリの出口側からの図である。
図12】本発明にかかる、入口壁に硬質な蓋を備えており、カプセル飲料出口部が、コンベヤー・キャップの当接要素によって開口されるよう構成される突出要素を有する少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル・アッセンブリの他の形態の断面分解組立図である。
図13図12のカプセル・アッセンブリの断面斜視図である。
図14図12のアッセンブリの側部断面図である。
図15】硬質な蓋の代わりに膜が入口壁に配置されている図12のカプセル・アッセンブリの断面分解組立図を示す。
図16図15のカプセル・アッセンブリの断面斜視図である。
図17図12図16のカプセルの飲料出口領域およびコンベヤー・キャップの対応する領域の細部の拡大図である。
図18a】さらになる実施可能な形態にかかるカプセル・アッセンブリの断面図である。
図18b図18aのカプセル・アッセンブリのカプセルの拡大斜視図である。
図18c図18aのカプセル・アッセンブリのカプセルの底部からの斜視図である。
図19a】本発明にかかる、封止膜によって密閉される少なくとも一つの貫通開口部を飲料出口部が有しており、該封止膜が少なくとも一つの貫通開口部下に配置されているカプセル・アッセンブリの他の実施可能な形態の断面分解組立図である。
図19b】密閉位置における、言い換えれば開口位置に達する前の、図19aのカプセル・アッセンブリの断面斜視図である。
図19c】密閉位置における、言い換えれば開口位置に達する前の、図19aおよび図19bのカプセル・アッセンブリの断面図である。
図19d】開口位置における、言い換えれば飲料放出の準備ができた、図19aのカプセル・アッセンブリの断面図である。
図19e】本発明にかかる、封止膜によって密閉される一つの貫通開口部を飲料出口部が有しており、カプセル・アッセンブリの他の実施可能な形態の断面分解組立図である。
図19f図19aまたは図19eのカプセル・アッセンブリの斜視図である。
図20a】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図20b】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図20c】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図20d】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図21a】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図21b】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図21c】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図22a】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図22b】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図22c】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図23a】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図23b】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図23c】本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図24a】飲料を収集するための横方向突出部を有する、本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図24b】飲料を収集するための横方向突出部を有する、本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのコンベヤー・キャップの実施可能な形態を示す。
図25a】カプセル・アッセンブリに溝を提供する、本発明にかかるコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図25b】カプセル・アッセンブリに溝を提供する、本発明にかかるコンベヤー・キャップの他の形態を示す。
図26】カプセル飲料出口部に外部リブを有する、本発明にかかるカプセル・アッセンブリのためのカプセルの他の実施態様を示す。
図27】カプセル・アッセンブリの、特にコンベヤー・キャップの突出要素によって開口されるよう構成される少なくとも一つの脆弱部を有するカプセル飲料出口部の、実施可能な形態を示す。
図27a】カプセル出口壁の脆弱部の異なる平面における断面図を示す。
図27b】カプセル出口壁の脆弱部の異なる平面における断面図を示す。
図27c】カプセル出口壁の脆弱部の異なる平面における断面図を示す。
図28a】本発明にかかる、封止膜によって密閉される少なくとも一つの貫通開口部を飲料出口部が有しており、該封止膜が少なくとも一つの貫通開口部上に配置されているカプセル・アッセンブリの他の実施可能な形態の断面分解組立図である。
図28b】密閉位置における図28aのカプセル・アッセンブリの断面斜視図である。
図28c】開口位置における、言い換えれば飲料放出の準備ができた、図28aおよび図28bのカプセル・アッセンブリの断面図(封止膜を省略している)である。
【発明を解決するための手段】
【0086】
添付の図面を参照して、図示する例示的な実施態様は、飲料を調製するためのカプセル1と、カプセルの出口側において、カプセル上に装着されるコンベヤー・キャップ(送り出し用覆い部材)7と、を備えるカプセル・アッセンブリ10に関連する。カプセルは、少なくとも一の製品(例えば少なくとも一の飲料原料I)が収容される内部容積1aを形成する入口壁2と出口壁3と側壁4とを有する。製品は、飲料を調製するために、液体または溶剤(例えば加圧された湯水)と混合される。語「飲料」には、コーヒー、茶、カプチーノ等、スープやインスタントミルク(特に幼児用ミルクや小さい子供用スープ)を含めて、カプセルにおいて調製することができるあらゆるタイプの液状食品が含まれる。
【0087】
また、溶剤が周囲温度(例えば20℃)またはそれより低い温度で、あるいはとにかくホット・ドリンク調製のために通常用いられる温度範囲(80~95℃)より低い温度で、注入される場合であっても、溶剤(例えば水やミルク)と液体または固体濃縮との間の混合を提供する目的でも機能することができる。
【0088】
カプセル1は、出口壁3に位置する少なくとも一つのカプセル飲料出口部5を有する。前記出口部は好ましくは密閉されており、飲料調製の開始まで密閉されたままである。実際には、カプセル飲料出口部5の開口は、カプセル1とカプセルのコンベヤー・キャップ7との間の相対移動によって、好ましくは機械的に、例えば圧縮および/または穿孔により、行われる。
【0089】
より詳細には、出口壁3とコンベヤー・キャップの内面7aとの間に包囲空間19を形成するために、本発明にかかるアッセンブリ10は、カプセル本体とは別に製造されるコンベヤー・キャップ7を有する。つまり、コンベヤー・キャップ7は、カプセル1に装着される、最初から別の部品である。一の実施態様では、コンベヤー・キャップは入口壁または出口壁の一方の1/4に少なくとも等しい表面を、好ましくは少なくとも入口壁または出口壁の一方の1/2に等しい表面を有する。
【0090】
カプセル1およびコンベヤー・キャップ7は、当該技術において既知のプロセスによってそしてまた当該技術において既知の材料を用いることによって形成できる。例えば、カプセル1および/またはコンベヤー・キャップ7は、プラスチック材料によって、例えば熱射出成形(サーモインジェクション・モールディング)プロセス(thermo-injection molding process)または熱形成(サーモフォーミング)プロセス(thermo-forming process)を用いて、形成できる。また、カプセル1およびコンベヤー・キャップ7を、異なるプロセスで、例えば一方をモールディングによってそして他方をサーモフォーミングまたは共射出(コ・インジェクション(co-injection))によって、形成できる。
【0091】
カプセル1および/またはコンベヤー・キャップ7は、酸素および気体透過に対するバリア(遮断壁)として機能する層を有することができる。
【0092】
適当な既知のバリア材料には、例えばEVOHがあり、例えばポリプロピレンを有する多層構造(PP-EVOH-PPなど)、またはポリスチレンならびに/もしくはポリエチレンを有する多層構造(PS-EVOH-PEなど)、または当業者が利用可能な他の多層構造とできる。これらの材料はアルミニウムより安価である。多層構造は、サーモフォーミングにおいて用いられるラミネートとできる。あるいは、多層構造は、カプセル本体のコ・インジェクション・モールディングによって得られる。コーヒー・カプセルのコ・インジェクションは、当業者に広く知られている技術である。また、バリアをコーティング(被覆)として外側に配置することもできる。さらなるタイプのバリアは、プラスチック材料に適当なナノ複合材を追加することにより得ることができる。コンベヤー・キャップは、カプセル本体上で保持されるとともにカプセル本体に対して移動可能に、カプセル本体に装着される。
【0093】
カプセル1に連結されると(つまり装着されると)、コンベヤー・キャップ7はカプセル1の出口壁3とともに空間(ここでは包囲空間19という)を形成する。包囲空間19は、比較的低圧から高圧とできる圧力で、好ましくは空気と混合されるとともにコンベヤー・キャップ7を用いて最終容器(例えばカップ)に向けられる、カプセル1から出てくる飲料が供給される空間である。
【0094】
図1図4に示す実施態様において、コンベヤー・キャップ7は略カップ状すなわち凹状(例えば外側にドーム状)である。しかしながら、異なる実施態様も用いることもできる。例えば図5および図6に示す実施態様においては、コンベヤー・キャップは、円筒の基部の一方がない略円筒状である。図12図17図19図20図21および図22においては、コンベヤー・キャップは、液体と接する表面を最小限にするのに適した内側にドーム状であり、つまり凸状であり、これにより、異なる流量および/または異なる液体容量を有する完成飲料に見合った収容容量とできる。
【0095】
コンベヤー・キャップ7は、側壁8と基部9とを備える。コンベヤー・キャップ7には、一以上の飲料放出開口部16が形成されている。これにより、調製された飲料がそこから出てくることができるととともに適当な容器(例えばグラスやカップ)に集めることができる。コンベヤー・キャップ7の基部9は、カプセルの底壁(つまりカプセルの出口壁)に装着されたとき、カプセルの出口壁3から間隔を空けて配置される。
【0096】
より詳細には、カプセル1から出てくる飲料の出口として機能する少なくとも一つの飲料放出開口部16が、基部9には形成されている。
【0097】
カプセルは、コンベヤー・キャップ7の移動を案内する案内手段4a,4bを有する。案内手段は、側壁4の少なくとも一部分4a(好ましくは側壁4の底部4a)、カプセルの前記側壁4もしくは前記出口壁3から突出するフランジ4b、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0098】
言い換えれば、コンベヤー・キャップ7は、コンベヤー・キャップの側壁8の少なくとも一部をカプセル本体の少なくとも一部へと重ねることにより、カプセル1の底側部分に装着される。実際には、カプセルは、コンベヤー・キャップの移動を案内する案内手段を有しており、前記キャップは、コンベヤー・キャップと協働するカプセルの側壁の一部分と相補的係合を行うまたはコンベヤー・キャップと協働するカプセルのフランジと相補的係合を行う側方部分を有する。
【0099】
一の実施形態では、コンベヤー・キャップ7は、コンベヤー・キャップの側壁8の少なくとも一部を側壁4の少なくとも一部分4a(好ましくは底部4a)(例えば図4図7図10図19a~図19fを参照)へと重ねることにより、カプセル1の底側部分に装着される。
【0100】
一の実施態様では、案内手段は、カプセルの出口壁3から突出するフランジ4bを備える(例えば図1図3図12図17に示す通り)。
【0101】
一の実施態様では、案内手段は、カプセルの側壁4から突出する(したがってその延設部を構成する)フランジ4bを備える(例えば図4および図27に示す通り)。したがって、この実施態様では、案内手段は側壁4のフランジ4bと一部分4aとの両方を備える。
【0102】
本発明の一の面では、フランジ4bは、カプセルの中心軸X-Xの周囲に環状に配置される円形フランジである。なお、実施可能な形態では、フランジ4bは、側壁4に対して、カプセルの中心軸X-Xと等しい距離またはより近くに配置されることも記載しておくべきであろう。
【0103】
図面に示す通り(例えば図4図7図10図19a~図19fを参照して)、キャップ7は、コンベヤー・キャップの側壁8をカプセル1の側壁4の下側部分(底側部分)4aへと重ねることにより、底側部分に装着される。図4に示す実施態様においては、底部4aもまたフランジ4bとともに延設される。
【0104】
上述の通り、一の実施態様では、コンベヤー・キャップ7は、カプセルの案内手段と協働するよう配置される、典型的には基部9から突出しているフランジ9aを有する。実施可能な形態には、例えば図18a~図18cに示す、カプセル1が、コンベヤー・キャップ7の関連するフランジ9a(つまり突出壁)と協働するフランジ4b(つまり突出壁)を有する形態がある。
【0105】
好ましくは、カプセルのフランジ4bはカプセル1の出口壁3から突出する。さらに一の面では、コンベヤー・キャップ7のフランジ9aは、コンベヤー・キャップ7の基部9から特にコンベヤー・キャップの内面7aから突出しており、出口壁3に向けられている。実施可能な他の態様においては、フランジ4bはカプセル1の側壁4から突出する。
【0106】
一の面では、フランジ4b,9aは略相補的な形状を有する。図示の実施態様においては、フランジ4b,9aは円形状中空部分を有する略円筒状である。
【0107】
例えば図18a~図18cに示すように、実施可能な形態では、カプセル1およびコンベヤー・キャップ7は、カプセルの側壁4(あるいはその一部)において協働する案内手段およびカプセルの側壁4に対して内側で(例えばカプセルの出口壁3に配置されるフランジ4bにおいて)協働する案内手段を有する。
【0108】
より詳細には、例えば図18a~図18cに示すように、カプセル1の側壁4は、コンベヤー・キャップ7の側壁8と協働し、これにより、これらの部材の相対移動が案内される。カプセルのフランジ4bは、コンベヤー・キャップのフランジ9aと協働する。その結果、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動は、カプセル1およびコンベヤー・キャップ7の関連する側壁4,8間とフランジ4b,9b間との間の両方の係合によって案内される。図示しない異なる実施態様においては、カプセルの側壁とコンベヤー・キャップの側壁との間の係合を行わないこともできる。したがって、一例として、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動を、フランジ4b,9aの間の係合を介してのみ案内することもできる。
【0109】
図示の実施態様においては、コンベヤー・キャップ7のフランジ9aはカプセル1のフランジ4aを囲繞している。図示しない他の実施態様においては、カプセル1のフランジ4aがコンベヤー・キャップ7のフランジ9aを囲繞することもできる。
【0110】
一の実施態様においては、カプセル1のフランジ4bおよび/またはコンベヤー・キャップ7のフランジ9a(一般に、抽出された飲料が流れるカプセルとコンベヤー・キャップとの間に形成される空間19に配置されるカプセルおよび/またはコンベヤー・キャップの案内手段)は、出口部5と放出開口部16との間を飲料を通過可能とする少なくとも一つの溝95(例えば切り抜きまたはミッシング部分)または少なくとも一つの貫通通過路(例えば開口部)を有する。より詳細には、カプセル1のフランジ4bおよび/またはコンベヤー・キャップ7のフランジ9aは、出口部5と放出開口部16との間を飲料を通過可能とする溝または開口部または切り抜きまたはミッシング部を有することができる。
【0111】
実施可能な形態では、例えば図18a~図18cに示すように、カプセル1のフランジ4bの外面には複数の溝95が形成されている。
【0112】
また、一の実施態様では、例えば図18図18cに示すように、カプセルは、コンベヤー・キャップ7の側壁8の少なくとも一部を収容するよう構成される受け部90を有することを記載しておくべきであろう。より詳細には、受け部90を、コンベヤー・キャップ7の側壁8の少なくとも上端部12を収容するよう配置できる。
【0113】
受け部90は、側壁4の部分4aに対して横方向に配置されるフランジ91によって、またはカプセルの案内手段として機能するフランジによって、構成することができる。より詳細には、受け部90は、二つの壁によって、間に少なくともコンベヤー・キャップの一部を好ましくはその側壁8を収容するためのギャップを形成する好ましくは二つの対向する壁によって、形成することができる。なお、受け部90を形成する二つの壁は、例えば側壁4およびフランジ91は、互いに対して多少傾斜して配置することができ、これにより、二つの壁の間の距離が変化する好ましくは低減する受け部を構成でき、そしてコンベヤー・キャップが特にその側壁8が受け部内に挿入されるとき摩擦が生じることを記載しておくべきであろう。
【0114】
受け部90を備えることによって、流体漏れを回避するための、コンベヤー・キャップとカプセルとの間の効果的な密封係合を提供することができる。
【0115】
一般に、コンベヤー・キャップの側壁8およびカプセルの側壁4の表面は、カプセルにコンベヤー・キャップを連結し保持することを、したがってこれらの要素の連結が緩くなるのを回避することを意図する摩擦を提供するよう構成できる。コンベヤー・キャップと(例えば側壁8と)協働するよう構成される受け部90(例えば側壁4に面する追加的フランジ91による)を、所望の摩擦を提供するようかつ/またはこれらの要素間からの流体漏れを効果的に回避するよう構成することができる。
【0116】
コンベヤー・キャップ7は、このようにカプセルを開口させることができるよう、カプセル1に移動可能に装着される。より詳細には、カプセル飲料出口部は、通常密閉されており、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動によりコンベヤー・キャップ7によって開口されるよう、カプセル飲料出口部5とコンベヤー・キャップ7とは互いに作用するように構成されている。
【0117】
実施可能な形態では、コンベヤー・キャップ7は、カプセル飲料出口部が密閉されている遠位側位置(例えば添付の図面に示す)から、コンベヤー・キャップがカプセルの出口壁3に近接してカプセル飲料出口部を開口させる近接側位置へと移動可能である。
【0118】
コンベヤー・キャップ7を、側壁4に、例えばカプセルの側壁4の下側(底側)円筒状部分4aに、移動可能な方法で拘束することができる(例えば図4図7図10および図19a~図19f)。底部4aの面は好ましくは垂直に(つまり、カプセルの中心軸X-X(例えば回転対称軸)と平行に)延設されており、同様に、コンベヤー手段の側壁8も軸X-Xに対して垂直に延設されている。
【0119】
より詳細には、例えば図4図7図10に示すように、コンベヤー・キャップ7は、カプセルの側壁4の一部を特に側壁4の底部4aを横方向から囲繞するよう構成されている。
【0120】
実施可能な形態では、例えば図1図3および図12図17に示すように、コンベヤー・キャップ7は、フランジ4bまたはカプセルから突出するフランジの一部に、移動可能な方法で拘束される。フランジ4bは、側壁4の付属物として例えば側壁4の延長として構成することができる(例えば図4を参照)、または、フランジ4bがカプセルの出口壁3から突出することができる(例えば図1図3図12図17および図18a~図18cを参照)。
【0121】
より詳細には、一の実施態様では(例えば図1図3図12図17および図18a~図18cに示すように)、コンベヤー・キャップ7は、出口壁3と略一致して突出しているフランジ4bに、移動可能な方法で拘束することができる。
【0122】
本発明の一の面では、フランジ4bは好ましくは、垂直に、つまりカプセルの中心軸X-X(例えば回転対称軸)と平行に延設されている。本発明の一の面では、カプセルのフランジ4bおよび側壁4は、カプセルの中心軸X-Xに対して同軸状に配置される。
【0123】
コンベヤー・キャップがカプセルに装着されるとともにカプセルに対して移動可能である条件で、コンベヤー・キャップ7をカプセル1にこれらの部材間の相対移動を可能にしながら拘束する方法を、種々の方法で行うことができる。
【0124】
好ましい実施態様では、コンベヤー・キャップとカプセルとの間の移動は軸方向移動であり、その移動方向はカプセルの中心軸X-X(例えば回転対称軸)と一致するまたは平行である。
【0125】
しかしながら、コンベヤー・キャップとカプセルとの間で異なる移動を行うこともできる。例えば、カプセルの中心軸X-X(例えば回転対称軸)に対して傾斜した移動方向とすることもできる。また、回転構成要素を用いる移動または軸方向(線形)構成要素と回転構成要素との組み合わせを用いる移動を行うこともできる。例えば、螺旋状の相対移動(例えばカプセルとコンベヤー・キャップとの間のネジ状の相対移動)を行うことができる。
【0126】
カプセルに対するコンベヤー・キャップの移動(好ましくは軸方向移動)により、カプセル飲料出口部5に圧力が印加され、これによりカプセル飲料出口部が開口する。
【0127】
上述の通り、コンベヤー・キャップ7の基部9とカプセルの出口壁3との間の距離を低減して、カプセル飲料出口部5に機械的な作用(力)を与えることによりカプセル飲料出口部5を開口させるよう、コンベヤー・キャップ7はカプセルの本体に対して移動可能に(好ましくは、軸方向に移動可能に)装着される。
【0128】
必要な移動(好ましくは軸方向移動)を行うよう、コンベヤー・キャップ7の側壁8(ならびに/もしくはフランジ9a)およびカプセル1(例えばカプセルの側壁4の一部分4aもしくはフランジ4b)には、カプセルにキャップを連結し保持すると同時にこれらの部材間の必要な移動を可能にする相補的係合手段が配置されている。
【0129】
実施可能な形態では、コンベヤー・キャップ7の内面に少なくとも一つの突出リッジ11を備える相互係合接続を備えることができ、少なくとも一つの突出リッジ11は、カプセルの外面上の少なくとも他の一つの突出リッジ11aと協働するよう構成されている(例えば図1および図17の拡大詳細図を参照)。突出リッジ11,11aまたは同様の相互係合要素は両方とも、カプセルの壁およびコンベヤー・キャップの側壁8の内側の対向面とそれぞれ接触する。それらの構成により、カプセルからコンベヤー・キャップが分離するのを防止しながら、これらの部材間の相対移動を可能にする。先に説明した通り、コンベヤーの側壁8は、カプセルの側壁4の底部4aまたはフランジ4bに隣接している。好ましくは壁8と壁4a,4bとは互いに略平行である(例えば同軸状である)。
【0130】
言い換えれば、実施可能な形態では、例えば図1図4図12図17、および図19に示すように、二つの対応するリッジ11,11aはそれぞれ、コンベヤー・キャップとカプセルとに、好ましくはキャップ7の側壁8の内面とカプセルの側壁4の部分4aの外面またはフランジ4bとに、配置されて、これにより、キャップがカプセルに装着された後、カプセル1とコンベヤー・キャップ11との分離が回避される。
【0131】
また、実施可能な形態では、例えば図18a~図18cに示すように、キャップがカプセルに装着された後、カプセル1とコンベヤー・キャップ11との分離が回避されるよう、対応するリッジ11,11a(キャップ7上の少なくとも一つのリッジとカプセル1上の少なくとも一つのリッジ)はそれぞれ、コンベヤー・キャップとカプセルとに、好ましくはキャップ7のフランジ9aの表面とフランジ4bの表面とに、配置されることを記載しておく。
【0132】
リッジ11がキャップ7のフランジ9aの内面上に配置され、リッジ11aがカプセルのフランジ4bの外面上に配置されているが、この構成に限定するものではなく、逆構成も可能である。
【0133】
一の面では、例えば図18a~図18cに示すように、カプセルのリッジ11aに関しては、リッジおよび/または溝を、閉じていない経路に沿って、例えば複数の開口部をまたは複数のミッシング部形成するよう、延設できる。言い換えれば、リッジまたは溝のミッシング部は、途切れた線(breaks)であって、それら途切れた線が一の経路に沿って延びている途切れた線と見ることができる。リッジや溝における開口部またはミッシング部を流体が通過することができ、その結果、カプセルの出口壁から出てくる飲料はコンベヤー・キャップの放出開口部16に達することができる。
【0134】
またリッジおよび/または溝の上述の構成を、カプセル1の案内手段およびコンベヤー・キャップ7の案内手段がともにフランジ4b,9aを備える実施態様にも提供することができる。一例として、図18a~図18cに示す実施態様においては、フランジ4b,9aはともにリッジ11,11aを有する。
【0135】
一般に、既に上で説明した通り、カプセル1は、コンベヤー・キャップ7との相互係合接続を提供する手段を有することができ、これにより、カプセルからのコンベヤー・キャップの分離(連結の緩み)を回避することができる。
【0136】
図18a~図18cの実施形態の他の態様において、フランジ4a,9aの一方(または両方)には溝を形成することもできる(この説明において図5図11を参照して以下で説明する溝14,15のように)。
【0137】
他の実施可能な形態では、例えば図5図11に示すように、カプセルの側壁4は円周リッジ11a(または等価な突出要素)を有し、コンベヤー・キャップ7の側壁8の内面は、リッジ11aを収容するのに適した少なくとも一つの溝14,15を有する。図5図11に示す実施態様においては、長さLで間隔を空けて配置される二つの溝14,15がある。長さLは、キャップ7の側壁8の上端部12とカプセル本体の側壁4に配置されるストップ13との間の距離以下である。こうして、カプセルとキャップとのアッセンブリが圧縮されると、溝14が強制的にリッジ11aから離れ、溝15が溝14に代わってリッジ11aを収容することになる。
【0138】
好ましくは、カプセルは、機械的な力により(つまりカプセルに注入される液圧を用いることなく)コンベヤー・キャップによって開口される。しかしながら、供給される湯によってカプセル1の内部において高まった圧力によって、コンベヤー・キャップとカプセル飲料出口部5との間の機械的相互作用によって開口したカプセル飲料出口部5がさらに開口するのを支援する、かつ/または供給される飲料の流量を制御するように協働するのを支援することもできる(例えば本願出願人が出願した上記引用特許出願において説明しているように)ことを記載しておくべきであろう。
【0139】
一般に、本発明の実施可能な態様では、カプセル飲料出口部5は、少なくとも一つの溝5aによって好ましくは形成される、出口壁3の脆弱部を有する。より詳細には、少なくとも一つの溝は、前記溝に隣接している出口壁3の厚さと比較して厚さが低減された領域を形成する。
【0140】
なお、異なる実施可能な形態では、突出要素5bを前記脆弱部に配置することができる、つまり、カプセル飲料出口部5を構成する出口壁3の前記脆弱部に関連付けることができる(図3図17の実施態様を参照)、かつ/または図1図2に示す通り、突出要素51を、出口壁3の脆弱部と相互に作用するようコンベヤー・キャップ7に配置することができることを記載しておくべきであろう。
【0141】
図1図2bおよび図27の実施態様においては、カプセルの飲料出口部5は、コンベヤー・キャップ7の開口手段51と協働するように構成されている。図3図17および図18a~図18cの実施態様における開口手段は、カプセルの底壁3の出口領域から突出する要素5bと当たる当接面52によって形成される。
【0142】
一の実施態様では、以下で図19a~図19fを例示的に参照して説明する通り、一以上のカプセル飲料出口部5は、封止膜206によって密閉される少なくとも一つの貫通開口部205を有する。言い換えればカプセルの出口壁には、密封カプセルを構成するよう封止膜(例えばアルミニウムで形成された封止箔)により通常密閉される、一以上の貫通開口部205(例えば一以上の孔や隙間や細長い穴)が形成されている。
【0143】
封止膜によって密閉される一以上の開口部は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップによって開口される。より詳細には、封止膜206はコンベヤー・キャップ7の開口手段によって開口される、コンベヤー・キャップの前記開口手段51は好ましくは、コンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、封止膜を、裂くかつ/または切断するかつ/または穿孔するかつ/または引き裂くかつ/または変形させるかつ/または刺すよう構成される。
【0144】
一の実施態様では、以下で図28a~図28cを例示的に参照して説明する通り、一以上のカプセル飲料出口部5は、少なくとも一つの貫通開口部205と貫通開口部205上に(上流側に)配置された封止膜206とを有する。言い換えればカプセルの出口壁には、飲料が貫通開口部を介してカプセルから出てくるのを防止して密封カプセルを構成するよう封止膜(例えばアルミニウムで形成された封止箔)により密閉される、一以上の貫通開口部205(例えば一以上の孔や隙間や細長い穴)が形成されている。
【0145】
カプセル飲料出口部は、例えば封止膜によって密閉される一以上の開口部は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップによって開口される(つまり、飲料が開口部を通過することができ、カプセルから出てくることができる)。より詳細には、カプセルの少なくとも一つの突出要素208は、出口壁3に配置されカプセルの外部に向かって突出し、突出要素208に圧力を印加するように構成されるコンベヤー・キャップ7の当接部52と接触するよう構成され、これにより、封止膜206に向かって突出要素が移動する。封止膜はこのように開口され、飲料は貫通開口部を介して出てくることができる。
【0146】
実施可能な形態では、例えば図1図2および図27に示すように、コンベヤー・キャップ7の開口手段は、コンベヤー・キャップの内面7aに配置されるとともに出口壁3の脆弱部5に圧力を印加するよう出口壁3に向けられている突出要素51を備える。より詳細には、出口壁3が(カプセルとともに)コンベヤー・キャップ7に向かって移動されるとき、コンベヤー・キャップ7の突出要素51は、カプセル飲料出口部5に特に一以上の溝5aを有する出口壁3の脆弱部に圧力を印加し、これにより出口壁が開口する。
【0147】
図1図2bおよび図27に示すように、カプセルに中央飲料出口部(つまり、略中心軸X-Xに配置される)を形成することができ、コンベヤー・キャップ7には、カプセル飲料出口部5と接触して開口させるよう突出要素51を配置できる。
【0148】
カプセル飲料出口部5を形成する前記一以上の溝5a(つまり出口壁3の脆弱部)は、効果的に破れるための種々の形状を有することができる。
【0149】
図1cおよび図1dは、図1にかかるカプセルの飲料出口部の他の実施態様を示す。この実施態様は図2のカプセル・アッセンブリに適用でき、図1eおよび図1fに示すものと同様な機械とカプセルとの間の相互作用を提供できることは明らかであろう。
【0150】
この実施態様において、図1cおよび図1dに示すように、溝5aは、中央十字形状と四つの円弧を形成し、これにより、出口壁3の四つの可動部3’を形成するよう、配置される。
【0151】
なお、溝5aの数を(したがって形成される可動部3’の数)を、他の実施可能な形態を構成するよう、変更できることを記載しておくべきであろう。
【0152】
異なる実施態様においては、例えば図27図27cに示すように、出口壁3の可動脆弱部3’を異なる面に配置することができる。言い換えれば、例えば図27a~図27cの異なる断面図に示すように、出口壁3は、カプセルの底部に対して異なる高さに配置された、好ましくは中心点の周囲に螺旋状すなわちスパイラル状構成の脆弱部3’を備える。
【0153】
この構成により、コンベヤー・キャップ7の突出要素51が前記脆弱部3’と接触するときに、カプセルを、容易に、繰り返し可能に、かつ効果的に開口させることができる。
【0154】
なお、可動部3’の数を、他の実施可能な形態を構成するよう、変更できることを記載しておくべきであろう。
【0155】
コンベヤー・キャップ7(特にその突出要素51)がカプセル飲料出口部5に圧力を印加すると、例えば図1eおよび図1fに示すように、出口壁3の四つの可動部3’が内側に(例えばカプセルの内部容積に向かって)移動する。
【0156】
このように、完全な円形の線ではなく前記円弧が形成されることによって、可動部3’の拘束点が形成される。
【0157】
溝5aの形状は、コンベヤー・キャップ7の突出要素51の形状に略相補的な出口部5を形成するよう構成される。
【0158】
例えば、突出要素51が円筒形状を有する場合、溝5aが破れて出口壁の可動部3’がカプセルの内部容積に向かって移動するときに対応する円形状開口部を出口壁に形成するよう、溝5aは形成される。
【0159】
突出要素51は、カプセル内部容積内に少なくとも部分的に挿入され、相補的な形状を有するカプセルの出口部5を通り抜ける。
【0160】
これにより、使用後に使い終わったアッセンブリ10を廃棄する際に、残っている液体が思いがけず出てくるのを回避することができる。
【0161】
例えば図24aおよび図24bに示すさらなる実施可能な形態では、突出要素51は、コンベヤー・キャップ7がカプセル1に連結されるときカプセル飲料出口部5にチャンバ515(例えば受け部)を形成するよう構成される横方向突出部510を有することができる。特に、飲料が調製されているときにカプセル飲料出口部から飲料を受けるよう、横方向突出部510を形成することができる(例えばカップ状に形成できる)。横方向突出部510はこのように、カプセル1から出てくる飲料で満たすことができるチャンバ515を提供するよう、好ましくは構成される。チャンバ515は典型的には上端部で開口しており、これにより、チャンバ515が完全に満たされてそしてさらなる飲料がチャンバ515へと放出されると、飲料はチャンバ515から溢れてコンベヤー・キャップ7の放出開口部16に向かって流れる。飲料の調製が終了すると、カプセル1は(コンベヤー・キャップ7ととともに)を供給機械から取り外すことができ、そしてチャンバ515は供給されなかった飲料を保持し、そのような供給されなかった飲料が滴り落ちるのを防止する。
【0162】
図示の実施態様においては、横方向突出部510は、突出要素51から突出する径方向部分と、略軸状部分と、を有する。異なる構成を有することもできる。例えば、横方向突出部510は、突出要素51の周囲に円錐状構成で(つまりホッパ状に)突出することができる。
【0163】
実施可能な形態では、カプセル1から飲料をチャンバ515自体に向かって案内するよう、カプセル1がコンベヤー・キャップ7に連結されたときに突出要素51を囲むようにあるいはいずれの場合もチャンバ515内に部分的に挿入されるように構成される出口突出部110を、カプセル1はカプセル飲料出口部5に有することができる。典型的には、そのような出口突出部は、突出要素51の形状と略一致する。一例として、図24に示す実施態様においては、出口突出部110は略円筒状である。
【0164】
一の実施態様では、突出要素51には、その側面上に例えば図25に示す一以上の溝511aを形成できる。溝511aは、使用時にカプセル1に(つまりカプセル飲料出口部5に)連結される突出要素51の一部分に形成される。溝511aによって、突出要素51が挿入されたときに、飲料出口部5の閉塞を防止することができる。言い換えれば、溝によって、突出部分51がカプセル1内に挿入されたとき、飲料のために流体経路(つまりチャネル)を確実に形成することができる。
【0165】
溝の数および構成を異なる実施態様間で変更することができる。図の実施態様においては、複数の溝511aが突出要素51の側面に配置される。異なる実施態様においては、溝の数を多くするまたは少なくすることもできる。単一の溝を形成することもできる。溝は、突出要素に対して好ましくは軸方向に向けられるが、異なる構成(例えば突出要素51の周囲にスパイラルとして配置された溝)を用いることもできる。
【0166】
追加で、または択一的に、リブ512を典型的には、突出要素51の側面から略径方向に突出させることもできる。関連するコンベヤー・キャップ7にカプセル1が連結されたときリブ512がカプセル飲料出口部5に配置されるよう、リブ512は好ましくは突出要素51に配置される。
【0167】
リブ512には溝511bが形成されている。典型的には、リブ512と溝511aとの両方がともに配置され、突出要素51の側面の溝511aとリブ52の溝511bが互いに連結されている。言い換えれば、突出要素51の側面の溝511aは、リブ512の溝511bと繋がっている。
【0168】
他の実施可能な形態では、例えば図3図4図5図17図18a~図18cに示すように、カプセル飲料出口部5は、カプセルの底壁3の前記脆弱部に配置される突出要素5bをさらに備える。
【0169】
より詳細には、カプセル1には、出口壁3に溝5aが形成されている、溝5aに対応して、出口壁の厚さは低減されており、これにより、壁3を溝に沿って破れさせて底壁3のその点に出口開口部を形成する。溝5aによって、カプセル1の外側に延設されるとともに出口領域において出口壁3の局所的な「穿孔」を行うことになる突出要素5bが配置される出口領域が形成される。実施可能な形態では、例えば図3図17に示すように、カプセル飲料出口部5の突出要素5bは出口壁3から突出する突出フランジとして形成される。溝5aは実質的に、カプセルの外側に(つまり原料Iが収容される中空容積の外側に)延設される突出要素5bの周辺部を形成する。また、実施可能な形態では、例えば、図17の詳細図に示すように、コンベヤー・キャップ7によって力が突出要素5bに印加されたときにも破れない、したがってヒンジとして機能できる接続部を形成するよう、突出要素5bの周辺の一部分5cには溝5aが形成されていないことを記載しておく。
【0170】
さらに、一の実施態様では、カプセルの中心軸X-Xに対して垂直な面による断面で見たとき、突出要素5bは略L字状である。言い換えれば、例えば図3図12図17に示すように、互いに傾斜した(好ましくは略直角に)したがって略L字構成を形成する二つの部分5’,5’’を形成するよう、溝5aと突出要素5bとが出口壁3に配置される。
【0171】
この構成により、与えるべき圧縮力を低減しながらも前記溝5aにおいて飲料出口部の効率的に開口させるよう、コンベヤー・キャップ7から力をカプセルに効果的に伝達できる。
【0172】
例えば、図17の詳細図に示すように、突出要素5bおよび溝5aは、第一部分5’の延設方向に対して実質的に(好ましくは略直角に)傾斜して配置される第二部分5’’を有する。
【0173】
より詳細には、第二部分5’’は、カプセルの中心軸X-Xに向かって横方向に延設され、したがって、第一部分5’の幅と比較して幅も増加している。
【0174】
カプセル飲料出口部5の脆弱部に配置される突出要素5bは、相対移動により、カプセル飲料出口部5を開口させるよう、コンベヤー・キャップ7と相互作用するように構成される。
【0175】
より詳細には、コンベヤー・キャップの開口手段は、カプセル飲料出口部5の突出要素5bに対する当接面52を有する。実際、当接面52は、カプセル飲料出口部を開口させる当接部として作用するようカプセル飲料出口部の突出要素5bと当接して圧力を印加するように構成されるコンベヤー・キャップ7の内面7aの一部である。
【0176】
図3図17に示す実施態様においては、カプセル飲料出口部5は周辺に、一般にカプセルの中心軸X-Xからある距離で、配置されるが、出口壁の中央領域に近い飲料出口部を有する異なる構成も可能である。
【0177】
図面には示していないが、飲料出口部5をカプセルの中心軸X-Xに対して径方向に沿って配置することもできる。言い換えれば、突出要素5bを好ましくは有する一つ以上の出口5を、カプセルの中心軸に対して径方向に沿って延設することができる。既に上で説明した通り、一つ以上のカプセル飲料出口部をカプセルの中心軸に対して傾斜することができる他のものを排除しない実施態様では、例えば、飲料出口部を、実質的にカプセルの中心軸に対して傾斜する(例えば、中心軸に向けられていない、ある傾斜角、例えば約30°の)略直線に沿って延設することができる。
【0178】
また、既に上で説明した通り、飲料出口部を曲線に沿って延設することもでき、例えば略弓状の線に形成することもできる。
【0179】
カプセル飲料出口部5が、コンベヤー・キャップの当接部52と相互作用するよう構成される突出要素5bを備える実施態様においては、また、コンベヤー・キャップも、コンベヤー・キャップの必要な構造強度を提供するためにコンベヤー・キャップ7の飲料放出開口部16に好ましくは配置される突出要素51(例えば図3および図4を参照)を有することができる。言い換えれば、突出要素51は、出口壁3と当接するよう、かつコンベヤー・キャップの必要な強化を行うよう、構成される。
【0180】
また、カプセル1の入口壁2は通常密閉されており、開口されて、少なくとも一の原料Iが収容されているカプセルの内部容積1a内部に飲料調製のための液体が注入可能となる。
【0181】
当業者が利用可能なもののうち任意のタイプの入口壁2を用いることができるが、例えば、入口壁は、例えば周辺フランジ30に固定されてカプセルの入口を被覆する膜29を備えることもできる。この実施態様においては、入口壁は、フランジ30と膜29とによって構成される(例えば図2図3c、図4図15図19a~図19fの実施態様を参照)。他の実施可能な形態において、壁2は、カプセルのフランジ30または側壁に例えば連結される硬質な蓋22を備える。また、このタイプの実施態様における入口壁(図1図3図7図14の実施態様を参照)は、カプセルへと入っていく湯水の通過路を形成するための少なくとも一つの開口部を硬質な蓋22に有しており、そして該蓋上に配置される一つ以上の穿孔要素28によって貫通可能な封止膜23を有する。
【0182】
好ましくは、膜29,23は、カプセルに収容される原料の感覚器官によって感知可能な特性を保つために、酸素非透過性である。膜23,29を、既知の方法で(例えば超音波または熱溶着によって)、カプセルに(側壁4から横方向に延設されて入口壁2の一部を形成している例えば環状フランジ30に)取り付けることができる。他の例示的な実施態様では、膜およびカプセルは、生物分解性材料で形成される。
【0183】
次に硬質な蓋を有するカプセルの例示的な実施態様を再び参照して、例えば図1図3図7図9図12図14に示すように、入口壁2は、カプセル1の本体に湯水を供給するための一つ以上の開口部(例えば孔)が形成される硬質な蓋22を備える。酸素を通さない封止フィルムすなわち膜23が、フィルム23が蓋22に対して押圧されて穿孔要素28により穿孔されるまで蓋22を密閉するよう、蓋22上に通常配置される。穿孔前に、フィルムを要素28から間隔を空けて配置することができる、またはその標準的位置において前記要素と接することができる。焙煎され挽豆されたコーヒーの特性の変更(例えば焙煎後のガス抜き)が、そのような移動における寄与に役立つ場合もある。
【0184】
この実施態様のさらなる詳細に関しては、本願出願人の欧州特許出願公開第1807318号明細書(EP1807318)に記載されており、その記載を参照する。
【0185】
実施可能な形態では、例えば図1および図3に示すように、硬質な蓋22は、封止膜23によって被覆される部分22aと、該部分22aに対して外側に配置される円形状経路22bと、を備える。経路22bは封止膜23によって被覆されない。
【0186】
言い換えれば、封止膜23は、カプセルの内部に液体を供給するための入口開口部(例えば孔)が形成される蓋22の前記部分を被覆するよう配置される。蓋22の部分22bが配置されており、該部分22bは、膜によって覆われた部分22aに対して外側にあり(好ましくは円形状経路を有しており)、本発明にかかるカプセル・アッセンブリ1が用いられる飲料調製のための淹出システムの注入手段を収容するよう設計されている。
【0187】
円形状経路22bの表面(一般に封止膜23によって覆われない、飲料調製のためのシステムの注入手段を収容するよう構成される蓋22の部分)を、膜23が配置される平面より下方のレベルに(つまり入口壁に対して低く)配置することができる。この解決法では、淹出システムの湯水注入手段は膜を穿孔しない。膜23は、硬質な蓋22上に配置される要素28によって穿孔される。この実施態様によって、カプセルを、湯水注入手段が膜を穿孔可能でないまたは穿孔できなくなった淹出システムにおいても用いることができる。
【0188】
注入手段の長さが長い場合、蓋22の部分22bをさらにフランジ30の面に対して低くすることもできる。
【0189】
補強リブ5dをカプセル飲料出口部5の周囲の領域を強化するために、カプセル飲料出口部5の周囲に備えることができる。より詳細には、例えば図26に示すように、リブ5dは、カプセルに対して外側にカプセル1の底壁から突出することができる。リブは、異なる実施態様においては別の形状を有することもできる(好ましくは図25のように環状である)。図示のものでは連続的とできるが、不連続とすることもできる、つまり、カプセル飲料出口部5を部分的にのみ囲繞する複数のリブを配置することもできる。択一的に、または好ましくは補強リブ5dに加えて、さらにカプセルの剛性を向上させるために、放射状リブ5eがカプセルの底壁からカプセル自体に対して外側に突出することができる。好ましくは放射状リブ5eは補強リブ5dと交差する。
【0190】
典型的には、リブ5dおよび/またはリブ5eの高さはフランジ4bの高さ未満である。
【0191】
カプセル1はさらに、当該技術において既知のタイプであり、カプセル本体に(例えば側壁4の段差部に)好ましくは当該技術において既知方法で(例えば超音波または熱溶着で)固定されるフィルタ24(例えば図3図3a、図3c、図3d、図4図7図10図12図16図19a~図19fを参照-フィルタ24は他の図では示していない)を備えることができる。底壁の開口手段が移動できるよう、フィルタ24をカプセルの底壁3から多少間隔を空けて配置することができる。淹出工程の際に原料Iを定位置に維持するよう、かつカプセル1の内部容積1aを低減するよう、追加のさらなるフィルタ要素(すなわち仕切り要素25)を蓋22の下または膜29の下に配置することができる。なお、仕切り要素を、カプセルの側壁4の内面に接合されるとともに入口壁2からの所望の距離で配置されるフィルタ膜25によって形成できることを記載しておくべきであろう。
【0192】
実施可能な形態では、内部容積1aの仕切り要素として機能するフィルタ膜25は、カプセル1の入口壁2からある距離で配置される(例えば図3図3dの実施態様を参照)。
【0193】
フィルタ24,25に適切な材料は、紙、PPなど不織布のプラスチックまたは生分解性プラスチックなど当業者などが利用可能な材料である。
【0194】
例えば飲料調製に必要とされる原料の量が低減されている場合、カプセルの内部容積1aを低減するためにフィルタ膜または仕切り要素25を用いることができる。実際、当該技術において知られている通り、エスプレッソコーヒー調製に必要な焙煎コーヒー粉末容積は、アメリカンスタイルのコーヒーの調製に用いられる焙煎コーヒー粉末や可溶性原料(例えばホットチョコレートの調製に用いられる原料)の容積より小さい。
【0195】
内部容積1aが低減された図3図4図12図16に示すカプセルを、好適には、エスプレッソ調製用コーヒー粉末を収容するために用いることができる。
【0196】
一般に、カプセルの寸法は、内部容積1aの必要な容積を提供するよう形成できる。例えば図12図16に示すカプセルは、カプセル・アッセンブリ10の全体寸法を、同じホルダにおいてカプセルを使用できるよう例えばコンベヤー・キャップ7の高さを増加させて、維持しながら、図1および図2に示すカプセルの内部容積と比較して低減された内部容積1aの原料Iを収容している。
【0197】
言い換えれば、カプセル・アッセンブリ10が、該カプセル・アッセンブリを用いるべき飲料調製のためのシステムのホルダ26の寸法および形状に好ましくは対応している所望の全体寸法を有するよう、カプセル1の寸法を低減することができ、これに応じてコンベヤー・キャップ7の寸法を設計することができる。
【0198】
さらに、コンベヤー・キャップ7の形状は種々の実施可能な形態に応じて、好ましくはカプセルを用いるべき飲料調製をシステムのホルダ26の形状に応じて、変化できる(例えば例示的な実施態様のホルダおよびカプセルの図7または図8を参照)ことを記載しておく。
【0199】
側部フィンすなわちリッジ80(例えば図1を参照)またはカプセルの側壁4の外面からかつ/もしくはコンベヤー・キャップの外面から突出する同様の要素を、異なる寸法つまりより大きな寸法のホルダにカプセルを適応させると同時に原料の必要な量を収容するために所望の寸法のカプセルの内部容積を維持するために配置することができる。
【0200】
フィンすなわちリッジ80を、美的感覚に訴える装飾を提供するよう利用することもでき、種々の形状およびパターンで配置することもできる。
【0201】
既に上で記載した通り、コンベヤー・キャップ7(特にその基部壁9)には、飲料を供給するための少なくとも一つの放出開口部16が形成される。好ましくは、飲料放出開口部16は中心に配置される、つまり、カプセル1の略中心軸X-Xに配置される。
【0202】
実施可能な形態では、飲料放出開口部16は、出口部からの飲料の流れを方向付け制御する送り出し手段を有することができる。
【0203】
実施可能な形態では、例えば、図14図17および図19a~図19fに示すように、円錐形状を有するコンベヤー要素17を収容する中央放出開口部16が備えられている。要素17は、横方向断面が略十字状であり、飲料送り出し端部(例えば飲料送り出し点17a)を有する長い形状である。要素17を、例えば複数のフィン18(例えば図5を参照)を用いて飲料放出開口部16に中心に支持することができる。コンベヤー要素17の内側は、淹出工程の際にカプセルの底壁3を支持することができるよう、平坦である。
【0204】
本発明の一の面では、例えば、図5図11に示すように、コンベヤー・キャップ7はまた、キャップ7の外部から包囲空間19に空気を流れさせるまたは包囲空間19の内部からキャップの外部に空気を流れさせるための少なくとも一つの孔20を有することができる。好ましくは、飲料との接触を回避するとともに、前記孔20を通って飲料が漏れる可能性を回避するために、孔20はキャップ7の基部9の上方に配置される。
【0205】
図5図6および図11に示す例示的な実施態様においては、それぞれの孔20は、キャップ7の基部壁9からカプセルの出口壁3に向かって延設される対応する複数の楕円要素21の最上部側に配置される。飲料がカプセル1から包囲空間19内へと供給される場合、前記包囲空間における圧力と周囲圧力との間の差異を低減するまたは打ち消すよう、空気が前記包囲空間に向かって流れることができるまたは前記包囲空間から外部へと出ていくよう流れることができる空気通過路として、孔20は機能する。
【0206】
あるいは、完成飲料のスムーズな流れを形成するために、例えば図4aに示すように、コンベヤー要素17とキャップ7の外壁との間に形成される空間をつまりエアギャップを適切に調整することにより、ちょうどよい気流通過路を形成することもできる。
【0207】
カプセル飲料出口部5を開口させるようカプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動を与えるように構成される飲料調製のためのシステムのカプセル・ホルダ26とともに、カプセル・アッセンブリ10は用いられることになる(例えば図5図11を参照して上に開示したカプセル・アッセンブリ10を参照)。
【0208】
アッセンブリ10を参照して上に開示した通り、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動は機械的に提供される。
【0209】
実施可能な形態では、ホルダ26は、システムのホルダ受け部に挿入可能であり、アッセンブリ10がホルダに収容されそしてホルダが前記ホルダ受け部に挿入されるときにカプセル飲料出口部5を開口させるためのカプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動が提供される。
【0210】
実際、ホルダ26が飲料調製のためのシステムのホルダ受け部(例えば飲料供給機械のホルダ受け部)に挿入されてそして淹出システムが手動でまたは自動的に(例えばモータを用いて)密閉されるとき、湯水が当該カプセルに供給される前に液密封止がカプセルに対して実行される。この工程において、機械的力がアッセンブリ10に印加されて該アッセンブリをホルダ26に向かって押圧し、これにより、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動が提供されて、カプセル・アッセンブリ10が圧縮されて、カプセル飲料出口部5を開口させることができる。この工程は、飲料を調製するプロセスを開始するようシステムを閉じたときに、既知の淹出システムによって本発明のカプセルに自動的に行われる。
【0211】
実施可能な形態では、飲料調製のためのシステムはさらに、可動要素を、例えばカプセル・アッセンブリ10と当接するよう(好ましくは入口壁2にすなわちフランジ30に対応して)構成される供給機械の可動要素を備えることができる。飲料調製のためのシステムの可動要素(例えば供給機械の可動要素)を、カプセル内部に供給されるための淹出液体を供給するための注入手段に関連付けることができる。可動要素は、ホルダ26がカプセル・アッセンブリ10を支持する位置とは実質的に反対側の位置においてカプセルと当接するよう移動され、これにより、該カプセルがホルダ26に向かって押圧されて、可動要素とカプセル(例えばフランジ30)との間の当接領域に水密封止領域が形成される。言い換えれば、実施可能な形態では、ホルダ26はカプセル・アッセンブリ10を(コンベヤー・キャップ7に対応して)支持するとともに、可動要素はカプセル・アッセンブリ10と(カプセルの入口壁2に対応して)当接する。
【0212】
さらなる実施可能な構成では、ホルダは、飲料調製のためのシステムの可動要素によって移動される。
【0213】
一般に、可動要素とホルダとがカプセル・アッセンブリ10を保持しかつ飲料調製のための水密封止を形成するよう相対的に移動されるとき、圧縮力がカプセル・アッセンブリに印加され、これにより、カプセルがホルダに向かって移動する。そうすることによって、コンベヤー・キャップ7とカプセル1との相対移動が行われ、これにより、カプセル飲料出口部5が開口する。
【0214】
なお、実施可能な形態では、ホルダは供給機械の固定要素に対して移動されて、コンベヤー・キャップ7とカプセル1との相対移動を提供し、これにより、カプセル飲料出口部5を開口させることを記載しておくべきであろう。
【0215】
実施可能な形態では、例えば図5図11に示すように、ホルダ26は、大きい孔を有する基部と、コンベヤー・キャップ7の対応する部分に応じた形状の部分27と、を有する。飲料が供給されるとき飲料とカプセル・ホルダ26との間の接触を回避するまたは低減するよう、コンベヤー・キャップ7の飲料放出開口部16から間隔を空けて配置されるカプセル・アッセンブリ10のコンベヤー・キャップ7の基部壁の対応する部分を、部分27は保持する。
【0216】
好ましくは、部分27は、ホルダ26の基部または下側部分に配置される孔を形成する環状構造の態様の低減領域を有する。ホルダの基部の部分27は、カプセル・アッセンブリの周辺に配置されて、カプセル・アッセンブリの、突出要素5bが配置される部分を支持する。カプセル・アッセンブリの、突出要素5bが配置される部分は、カプセル1の出口壁3の穿孔を行うようアッセンブリを押圧できる硬質な面(当接部52)を提供する。
【0217】
ホルダ26は、必要とされる飲料を調製するために、カプセルを湯の供給源の下に手で配置するためのハンドルを有することができる。またホルダ26は、その場合、当該技術において基本的に既知の手段を、例えば差込み固定手段(bayonet fixing means)、クリック・オン手段、ホルダを前記湯の供給源に固定するための同様な手段を備えることができる。カプセルのためのハンドルを有するホルダは、上述の欧州特許出願公開第1792849号明細書(EP1792849)に開示されている。二つの態様間の差異は、本発明のホルダにおいては、コンベヤー・キャップ7の飲料放出開口部16の下方に収集手段がないことである。
【0218】
実施可能な利用態様では、カプセル・アッセンブリ10はホルダ26に配置され、そしてホルダが湯供給源の下方に配置される。カプセル・アッセンブリ10は、例えば、飲料調製のためのシステムのホルダ受け部へのホルダの挿入によって、および/またはカプセル・アッセンブリに向かう飲料調製のためのシステムの可動部の移動により、ホルダ26内へと押圧される。
【0219】
カプセル・アッセンブリに印加される力(例えば押圧力)は、コンベヤー・キャップ7とカプセル1との間の相対移動(カプセル・アッセンブリ10を押圧する相対移動)により、カプセル飲料出口部5を開口させる。より詳細には、異なる実施可能な形態では、飲料出口部5の突出要素5bがコンベヤー・キャップ7の当接部52と当接する、あるいはコンベヤー・キャップ7の突出要素51がカプセルの飲料出口部5と当接する。
【0220】
どちらの場合も、コンベヤー・キャップ7とカプセル1との間の相対移動によって印加される圧力によって、包囲空間19内に飲料が流れるための出口部を形成するようカプセル飲料出口部5を形成する溝5aは破れることができる。
【0221】
図19a~図19fを例示的に参照して以下に説明する通り、飲料出口部5が封止膜206によって封止された一以上の貫通開口部205を有する実施態様においては、カプセル・アッセンブリに印加される力(例えば押圧力)は、コンベヤー・キャップ7とカプセル1との間の相対移動により、カプセル飲料出口部5を開口させる。実際、コンベヤー・キャップ7の突出要素51は飲料出口部5と特に封止膜206と接触して、封止膜を貫通する。このようにカプセルは開口され、そして、貫通開口部205によって、コンベヤー・キャップ7の包囲空間19を介して、原料が収容されているカプセルの内部容積が外部環境と流体連通となる。
【0222】
穿孔要素を有する硬質な蓋を有するアッセンブリが用いられる場合(例えば、図1図1a、図1b、図3図3a、図3b、図7図8図9図12図16に示すように)、カプセルに供給された加圧水は、膜23を穿孔要素28に向かって押圧することになり、フィルムを開口させそして蓋22を通じてカプセル内へと流れ込むことになる。カプセル1が硬質な蓋22を有しておらず、膜29を有する場合(例えば図2図3c、図3dおよび図4を参照)カプセルが供給機械に挿入されるとき、注入手段(例えばスパイクや注入針)が膜23を貫通し、これにより、カプセルの内部への液体の注入が可能となる。
【0223】
カプセル1の底部から流れ出る飲料は、キャップ7の基部9に当たり、好ましくはカプセル1の壁3の出口5に対してオフセットされる基部9における飲料放出開口部16へと向かうことになる。
【0224】
コンベヤー要素17によって、飲料は、飛散やこぼれなく最終容器に向かうことができる。好ましくは空気通過路20または適切なサイズのエアギャップを有することによって、出口における飲料の流れをさらに制御することができるとともに、飲料における空気の量をさらに増加させ、その結果、最上層のクリーム(crema top layer)をさらに増加させることができる。
【0225】
図12図17は、飲料がコンベヤー要素7を通過するために費やす時間を低減するよう、そして一般にカプセルの出口壁3の出口開口部5から放出されるときに受ける温度低下を低減するよう、設計される実施態様を開示する。図12図17において、同様な部材には、図1図11の先の実施態様において用いたのと同じ参照符号を付す。
【0226】
先に説明した実施態様に対する主な差異は、コンベヤー・キャップ7の基部壁31の形状にある。アッセンブリ10は、カプセルの出口壁3から突出するフランジ4b上で摺動可能に装着される側壁8を有するキャップ7を有する。カプセルとコンベヤー・キャップとを一体に係止するよう、コンベヤー・キャップ7の内面に少なくとも一つの突出リッジ11を備える相互係合接続が備えられており、少なくとも一つの突出リッジ11は、カプセルの外面上の少なくとも他の一つの突出リッジ11aと協働するよう構成されている(図17の拡大詳細図を参照)。
【0227】
キャップ7の側壁8は、カプセルの出口壁3から突出するフランジ4bに対して外側に配置される。突出リッジ11,11aまたは同様の要素は両方とも、カプセルの壁(例えばフランジ4b)およびコンベヤー・キャップの側壁8の内側の対向面とそれぞれ接触する。
【0228】
図5図11の平坦な形状と異なり、そして図3図4bに示す実施態様のコンベヤー・キャップ7の基部壁の内側凹部とは異なり、この実施態様においては、基部壁31の形状には内側凸状部32が含まれる。
【0229】
内側凸状部32を有する基部壁31の形状(例えば図12図17図20図21図22に示す)は、カプセルから出てくる液体と接触するコンベヤー・キャップの表面を最小限にするよう設計されている。
【0230】
実施可能な形態では、例えば図14に示すように、カプセルの中心軸X-Xを通る面内において、内側凸状32を有する基部壁31の面は、二つの点P1,P2の間の接続面の面積を最小化するよう設計されている。
【0231】
例えば二つの点P1,P2の間に延設される接続円錐状曲線(コニカル・セクションとしても知られている)は、点P1,P2におけるその端部に接線条件(tangent condition)を課することにより設計されている。端部における上述の接線条件によって、内側凸状32を有する接続面は、最小面積で点P1,P2を接続する面となり、これにより、カプセルから出てくる液体とのコンベヤー・キャップ7の接触面を低減することができる。
【0232】
二つの点P1,P2の間に延設される接続円錐状曲線は、カプセルの軸X-X回りに回転され、これにより、回転の面として、内側凸状32を有するコンベヤー・キャップ7の基部壁31を形成することができる、
【0233】
本発明にかかるカプセル・アッセンブリ10において用いることができるコンベヤー・キャップ7の実施可能な他の形態を例えば図20図22に示す。
【0234】
特に、図20a~図20dの実施態様のように、コンベヤー・キャップ7の底壁31を、その側方縁部において、側部内側チャンバ70を形成するよう構成されることができる。好ましくは、底壁31は、コンベヤー・キャップ7の側方縁部にチャンバ(すなわちポケット)70を形成するよう、下方へと突出する。チャンバ70は、典型的には断面が略U字状であり、コンベヤー・キャップ7の側方縁部に沿って延びており、したがって、環状チャンバ70を形成している。
【0235】
このような形状により、コンベヤー・キャップ7を強化することができ、加えて、供給機械内にコンベヤー・キャップ7を正しく位置決めすることができる。コンベヤー・キャップ7の底壁31のこのような連続的形状により、上述の機能よりも、美的感覚に訴える価値をコンベヤー・キャップ7に追加でき、同時に、すべて合わせることによって、キャップの内面と供給される飲料の間の接触面を制限することができる。
【0236】
カプセル1は好ましくは、飲料が側部チャンバ70に入るのを防止するよう、したがって内部に取り残されるのを防止するよう、構成される。一例として、例えば図20dに示すように、カプセル1とコンベヤー・キャップ7とが連結されるとき側部チャンバ70がカプセルから出てくる飲料の経路とは流体連通状態とはならないよう、カプセルの出口壁3から突出するフランジ71または案内手段4bを構成することができる。
【0237】
さらなる実施態様では、例えば図21a~図21cに示すように、コンベヤー・キャップ7は、コンベヤー・キャップ7に対して内部に突出するフランジ20aを有することができる。一の実施態様では、フランジ20aは、図21bの例における均一に配置される16個の径方向フランジであるが、異なる数とでき(例えば図23a~図23cの実施態様において示すように)不均一に傾斜した角度で配置できるフランジとでき、コンベヤー・キャップ7をさらに強化できるとともに、カプセル出口壁の支持部とさらに加えて飲料のためのその経路における供給開口部16に向かうガイドとを提供できる。
【0238】
一般に、フランジ20aは、典型的には、コンベヤー・キャップ7に対して径方向に(つまり、カプセルがコンベヤー・キャップ7に連結されたときに見た場合の軸X-Xに対して径方向に)配置される。
【0239】
フランジ20aは好ましくは、軸X-Xと平行な方向で見て、供給開口部16から離間して配置される。言い換えれば、供給開口部16から上流側にある距離で配置される。
【0240】
図示の実施態様においては、フランジ20aは、略平面要素として配置される、例えば、フランジは平坦であり、ある面上に実質的に配置される。異なる構成においては、湾曲させることもできる。例えば、フランジは平面上になく、例えば少なくとも一つの起伏状または曲面状部を有する曲面に沿って延設される。
【0241】
フランジ20aを、コンベヤー・キャップ7の内面に配置される強化リッジ20cに対応して配置することができる。強化リッジ20cは好ましくは、コンベヤー・キャップの中心軸に対して同軸状に配置される円形状線に沿って配置される。
【0242】
例えば図23a~図23cに示すように、フランジ20aを、円錐状凸状部32を有していないコンベヤー・キャップの実施態様においても備えることができる。
【0243】
例えば、図23a~図23cに示すように、異なる長さのフランジ20aを備えることができる。つまり、フランジ20aの端部を、コンベヤー・キャップの中心軸(カプセルの軸に対応する)から異なる距離に配置することができる。また図23a~図23cから分かる通り、二つ以上のフランジ20aを横方向要素20’によって互いに接続することもできる。横方向要素20’を、コンベヤー・キャップの軸に対して同軸状に配置される曲面部分を提供するよう、曲面状とできる。
【0244】
さらなる他の実施態様においては、例えば図22a~図22dに示すように、コンベヤー・キャップ7の底壁31から外部に突出しているリッジ20bとして形成されるコンベヤー・キャップは強化手段を有することができる。リッジ20bは好ましくは、コンベヤー・キャップ7に対して径方向に延びる。リッジ20bは典型的には、放出開口部16に向かって飲料を案内するチャネルを形成する底壁の部分と側部チャンバ70を形成する底壁31の部分との間で、底壁31の内側の凸状部32に配置される。
【0245】
コンベヤー・キャップ7内で、飲料がリッジ20bに沿って内部に流れることできるよう、リッジ20bを空とできる。
【0246】
コンベヤー・キャップの他の残りの部分は、先の実施態様のものと略同一である。例えば、円錐状コンベヤー要素17を収容している中央放出開口部16が配置される。要素17は、横方向断面が十字状であり、飲料送り出し点17aを有する長い形状である。
【0247】
フィルタ24をカプセルの底壁3(つまり出口壁3)からある距離で支持するために、カプセルの壁3には、カプセルの本体内へと壁3から延設される複数のリッジ33が備えられる。例えば図12図13に示すように、カプセル1の側壁上に提供される肩部35と当接する場合によっては溶着される段差部34を有する淹出装置の穿孔/注入手段を収容するための経路22bが、蓋22には配置されている。
【0248】
本発明にかかるカプセル・アッセンブリ10のさらに他の実施態様では、既に上で説明した通り、例えば図19a~図19fに示すように、一以上のカプセル飲料出口部5が、封止膜206によって密閉される少なくとも一つの貫通開口部205を有する。言い換えれば、カプセルの出口壁には、封止膜206によって密閉される一以上の貫通開口部206(例えば一以上の孔や隙間や細長い穴)が形成されている。
【0249】
なお、封止膜206すなわち箔は例えばアルミニウムで形成でき、あるいはアルミニウムの少なくとも一の層を備えることができることを記載しておくべきであろう。封止膜すなわち箔を、同じまたは異なる材料の単一の層または複数の層で形成することができる。
【0250】
例えば、典型的な封止箔すなわち膜は、可撓性と気体遮断性とを提供するようプラスチック層と連結されるアルミニウム層を備える。しかし、そのようなプラスチック層(通常酸素バリアを含む三積層構造(トリ・ラミネート))や好ましくは酸素バリア性を有するコーティングを含む適切な生化学(バイオ)材料の箔または層などの、他の材料を用いることもできる。
【0251】
好ましくは、膜206は、カプセルに収容される原料の感覚器官によって感知可能な特性を保つために、酸素非透過性である。膜206を、既知の方法で、例えば超音波や熱溶着や接着によってカプセルに取り付けることができる。このような場合、好ましくはまた、蓋2も、そしてさらに本体1も酸素非透過性材料で形成される。本体1を、例えば、酸素非透過特性を有する適当な押出しまたは積層プラスチックの平坦なシートからサーモフォーミングによって製造することができる。また貫通開口部205の形状および/または寸法および/または数を種々の実施可能な形態に応じて変更できることを記載しておくべきであろう。例えば、単一の貫通開口部205を、出口壁3に一般にカプセル本体の底部に形成することができる(例えば、図19fの実施態様に示すように)。単一の貫通開口部205は、カプセル本体に好ましくは単一の貫通開口部の周辺の周囲の前記出口壁3に取り付けられる封止膜206によって封止される。例えば、図19fに示すように、封止膜は、単一の貫通開口部205を囲む環状面に接合される。
【0252】
ただ、例えば、図19a~図19dの実施態様に示すように、複数の貫通開口部205を形成することもできる。またこの場合、封止膜206(好ましくは円盤状の膜206)が開口部205を密閉する。
【0253】
またこの場合、封止膜を、出口壁3の周辺の環状面に接合することができる。なお、例えば出口壁3の異なる領域を封止する二つ以上の封止膜206を配置できることを記載しておくべきであろう。この実施態様では、コンベヤー・キャップの少なくとも一つの開口手段(例えば突出要素51)は、それぞれの封止膜206に対して配置される。
【0254】
また、実施可能な形態では、封止膜は、材料の非連続的な異なる層を有する膜における領域によって提供される、異なる伸長収量(elongation yields)を有する異なる領域を提供できることを記載しておく。
【0255】
例えば、一の実施態様では、封止膜は、互いに連結されたいくつかの材料の「サンドイッチ」として提供でき、一つ以上の材料が非連続的に存在している領域を有することができ、したがって封止膜の、一つ以上の材料が存在していない「島」または「スロット」を形成することができ、そのため、封止膜の機械特性が異なるかつ/または液体の通過に異なる影響を与える領域(例えば「スロット」または「島」)を形成することができる。
【0256】
層のうちの一つが存在していない(したがって前記「島」または「スロット」を形成している)上述の領域を、一つ層の一部を例えば除去する、切り欠く、または摩滅することによって提供することができる。除去、切り欠き、または摩滅を、多層膜の一つの層の膜厚の一部のみにまたは全膜厚に行うこともできる。
【0257】
例えば、封止膜は、非弾性材料(例えばアルミニウム層)(好ましくはバリア機能を有する材料(例えば酸素非透過性材料(アルミニウムなど))に連結される弾性材料(例えばPPまたはPEプラスチック層)の層を備えることできる。また封止膜のサンドイッチは、フィルタ層(例えば不織布の材料で形成された層)を備えることもできる。なお、膜の各層は必ずしも互い接合されている(例えば接着されている)必要はなく、一つ以上の層を他の層に(接合されずに)配置できることを記載しておくべきであろう。例えば、不織布材料で形成された層を他の層上に接着することなく配置することができる。
【0258】
また、カプセル本体の内部容積の内部において内側に突出する一つ以上の受け部207を形成することができるよう、カプセルの相対移動後にカプセルの開いた位置においてコンベヤー・キャップ7の開口手段51を前記受け部207に少なくとも部分的に収容できるよう(開口手段51が受け部207内に少なくとも部分的に収容されている例えば図19dに示すように)、出口壁3を異なる平面に(つまりカプセルの中心軸に対して異なるレベルで)延設できることを記載しておく。
【0259】
したがって、またこの実施態様においても、カプセル1は、出口壁3に配置される少なくとも一つのカプセル飲料出口部5(つまり膜206によって封止される少なくとも一つの貫通開口部)を有し、出口部は好ましくは密閉されており、飲料調製の開始まで密閉されたままである(カプセルが密閉されるカプセルおよびコンベヤー・キャップの位置を例えば図19bおよび図19cに示す)。
【0260】
実際には、カプセル飲料出口部5の開口は、カプセル1とカプセルのコンベヤー・キャップ7との間の相対移動によって、好ましくは機械的に、例えば穿孔により、行われる(例えば開いた位置を図19dに示す)。
【0261】
封止膜206によって密閉される一以上の開口部205は、カプセルとコンベヤー・キャップとの間の相対移動によりコンベヤー・キャップ7によって開口される(例えば飲料出口部16と流体連通状態となる)。より詳細には、封止膜206はコンベヤー・キャップ7の開口手段51によって開口される。
【0262】
コンベヤー・キャップ7は、カプセル飲料出口部が密閉されている遠位側の密閉位置(例えば、図19bおよび図19cに示す)から、コンベヤー・キャップがカプセルの出口壁3に近接して手段51がカプセル飲料出口部を開口させる近接側位置(例えば、図19dに示す)へと移動可能である。
【0263】
カプセルに対するコンベヤー・キャップの移動は、好ましくは軸方向移動である。
【0264】
上述の通り、カプセルを開口させる必要がある場合にコンベヤー・キャップ7の基部9と出口壁3との間の距離を低減するよう、コンベヤー・キャップ7はカプセルの本体に対して移動可能に(好ましくは、軸方向に移動可能に)装着される。
【0265】
より詳細には、コンベヤー・キャップの開口手段51は、封止膜206を、コンベヤー・キャップの関連する部分の形状によって、裂く(例えば引き裂く)かつ/または切断するかつ/または穿孔する(例えば刺す)よう構成され、貫通開口部205が密閉されなくなって(封止膜を介して)に、コンベヤー・カップ7の包囲空間19としたがって外部環境と流体連通となって、飲料が放出される。
【0266】
コンベヤー・キャップ7の開口手段は、膜を穿孔しやすくするよう先細り形状を有する少なくとも一つの突出要素51を備える。
【0267】
なお、コンベヤー・キャップの開口手段は、特にコンベヤー・キャップの内面からカプセルの出口壁3に向かって延設される突出要素51は、封止膜206を穿孔するかつ/または裂くかつ/または切断するかのいずれかによってカプセルを開口させることを記載しておくべきであろう。なお、膜206を裂くかつ/または穿孔するかつ/または切断する位置は、膜との突出要素51の接触点と一致させることができる、または突出要素51と封止膜206との間の接触点に対して異なる位置とできることを記載しておくべきであろう。
【0268】
言い換えれば、コンベヤー・キャップ7の突出要素51が封止膜206と接触しても、例えば突出部要素51の接触によって生じる膜の変形によって、接触点に対して異なる位置で、封止膜を開口することが、したがって裂くかつ/または引き裂くかつ/または穿孔する(例えば貫通するもしくは刺す)こともできよう。
【0269】
また、封止膜を裂くまたは穿孔するのではなく、封止膜の変形または移動によって、カプセルを開口させることもできる、したがって貫通開口部205を介してカプセルの内部容積を外部環境と流体連通状態とすることもできることを記載しておく。例えば、封止膜206を、カプセル本体への接合部から、好ましくはカプセル本体の出口壁3における例えば封止膜206がカプセル本体に接合される(例えば接着される)領域から、分離するすなわち移動させることができる。
【0270】
封止膜206の変形または移動、したがって出口壁の接合部分からの好ましくは穿孔しない、封止膜206の分離は、カプセル1とコンベヤー・キャップ7との間の相対移動による封止膜206とのコンベヤー・キャップの突出要素51の接触によって印加される圧力を介して行われる。
【0271】
カプセルが密閉されている状態において(例えば図19bおよび図19cを参照)、コンベヤー・キャップの開口手段51(突出要素)を封止膜206から間隔を空けて配置することができる(例えば図19bおよび図19cに示すように)ことも、あるいはカプセルがまだ密閉されている状態でも既に封止膜206と接することもできることは明らかであろう。
【0272】
コンベヤー・キャップ7の突出要素51の数、形状および寸法を、種々の実施可能な形態に応じて変更することができる。より詳細には、開口手段51の形状および数を、図19a~図19fに示す要素51とは異なる形状および数とできる。
【0273】
カプセルとコンベヤー・キャップ7との間の相対移動により、上述の通り、カプセルを開口させる。
【0274】
なお、封止膜206が複数の層を備える、つまり、互いに連結されたいくつかの材料の「サンドイッチ」として提供される場合、一つ以上の材料が非連続的に存在している領域、したがって一つ以上の材料が存在していない「島」または「スロット」を形成する領域によって、コンベヤー・キャップの開口手段51によって印加される圧力により効果的に開口させるよう用いることができる封止膜の異なる機械特性を提供することを記載しておく。
【0275】
また、他の実施態様では、コンベヤー・キャップはカプセルを支持するように構成されると同時に、カプセルの内部に注入される淹出液体の圧力を介して出口壁3の開口作用が与えられることを記載しておく。より詳細には、実施可能な形態では、封止膜206は、カプセルの内部に注入される液体の圧力を介して開口させることができる。この点に関して、カプセルを開口させやすくするために、厚さを低減するために膜の材料を例えば切り欠きまたは摩滅によって除去することもできる。一の実施態様では、封止膜が複数の層を備える、つまり、互いに連結されたいくつかの材料の「サンドイッチ」として提供される、一つ以上の材料が非連続的に存在している領域、したがって一つ以上の材料が存在していない「島」または「スロット」を形成する領域によって、飲料を調製するためにカプセルの内部に注入される液体によって印加される圧力を介して、膜の一つ以上の材料が存在していない前記領域において膜を開口させやすくすることができる。
【0276】
他の実施態様を参照して先に開示したカプセル・アッセンブリ10の他の特徴を、図19a~図19fを参照して説明した実施態様に適用することができ、またその逆も可能である。例えば図19a~図19fに示すように、コンベヤー・キャップ7を、側壁4に、例えばカプセルの側壁4の下側(底部)円筒状部分4aに移動可能に拘束することができる。底部4aの面は好ましくは垂直に(つまり、カプセルの中心軸X-X(例えば回転対称軸)と平行に)延設されており、同様に、コンベヤー手段の側壁8も軸X-Xに対して垂直に延設されている。
【0277】
より詳細には、例えば図19b、図19c、図19dに示すように、コンベヤー・キャップ7は、カプセルの側壁4の一部を特に側壁4の底部4aを横方向から囲繞するよう構成されている。
【0278】
ただ、既に上に記載した通り、他の実施可能な形態では、例えば図1図3および図12図17に示すように、コンベヤー・キャップ7は、フランジ4bまたはカプセルから突出するフランジの一部に、移動可能な方法で拘束される。
【0279】
当業者が利用可能なもののなかから任意のタイプの入口壁2を用いることができる。例えば(図19a~図19fに示すように)、入口壁は、例えば周辺フランジ30に固定されてカプセルの入口を被覆する膜29を備えることができる。
【0280】
異なる実施態様の入口壁2を用いることができることは明らかであろう。図1図3図7図14を例示的に参照して既に上に開示した通り、例えば、壁2は、フランジ30またはカプセルの側壁に例えば連結される硬質な蓋22を備えることできる。
【0281】
図1図3図7図14を参照して既に上に開示した通り、入口壁2は、カプセル1の本体に湯水を供給するための一つ以上の開口部(例えば孔)が形成される硬質な蓋22を備える。好ましくは酸素を通さない封止フィルムまたは膜23が、フィルム23が蓋22に対して押圧されて穿孔要素28により穿孔されるまで蓋22を密閉するよう蓋22上に通常配置される。穿孔前に、フィルムを要素28から間隔を空けて配置することができる、またはその標準的位置において前記要素と接することができる。この実施態様のさらなる詳細に関しては、本願出願人の欧州特許出願公開第1807318号明細書に記載されており、その記載を参照する。
【0282】
またフィルタ24を備えることもできる。当該技術において既知のタイプのフィルタ24を、好ましくは当該技術において既知の方法で(例えば超音波または熱溶着または接着によって)、カプセル本体に(例えば側壁4における段差部に)固定することができる。底壁の開口手段が移動できるよう、フィルタ24をカプセルの底壁3から多少間隔を空けて配置することができる。上述の通り、フィルタ24を、封止膜の少なくとも一つの層に連結する(例えば接着する)ことができる。
【0283】
側部フィンすなわちリッジ80またはカプセルの側壁の外面からかつ/もしくはコンベヤー・キャップの外面から突出する同様の要素(例えば図19a~図19fに示す)を、異なる寸法つまりより大きな寸法のホルダにカプセルを適応させると同時に原料の必要な量を収容するために所望の寸法のカプセルの内部容積を維持するために配置することができる。フィン80を、さらにまたは任意選択的に、美的感覚に訴える装飾を提供するよう利用することもでき、図19fに示すように、種々の形状およびパターンで配置することもできる。
【0284】
なお、特にカプセル本体がサーモフォーミングプロセスによって形成される場合、出口壁3の強化手段85を、カプセル本体を特にその出口壁3を強化するために備えることができることを記載しておくべきであろう。
【0285】
強化手段85は、出口壁から好ましくはその内面において延設される一つ以上のリッジ(すなわちフィン)を備えることができる。リッジ85は空洞部(キャビティ)を有することができる、つまり、出口壁3面を異なる平面上に(つまりカプセルの中心軸に対して異なるレベルに)配置することにより構成することができる。
【0286】
例えば、リッジ85を、カプセル本体の内部容積の内部において内側に突出する、カプセルの相対移動後にカプセルの開いた位置においてコンベヤー・キャップ7の開口手段51の少なくとも一部を受けるよう構成される一つ以上の受け部207と一致させることができる。強化手段85の数、形状および位置を、種々の実施可能な形態に応じて変更することができる。強化手段85には、飲料の通過を可能にする貫通開口部205を形成することができる。
【0287】
本発明にかかるカプセル・アッセンブリ10のさらに他の実施態様では、既に上で説明した通り、例えば図28a~図28cに示すように、一以上のカプセル飲料出口部5が、封止膜206によって密閉される少なくとも一つの貫通開口部205を有する。封止膜は貫通開口部205上の(上流側に)配置される。
【0288】
封止膜206は、カプセルの一部に例えば出口壁3に接合される(例えば接着または溶着される)。
【0289】
カプセルの出口壁には、密封カプセルを構成するよう封止膜(例えばアルミニウムで形成された封止箔)により通常密閉される、一以上の貫通開口部205(例えば一以上の孔や隙間や細長い穴)が形成されている。
【0290】
ここでは表現「密閉される」や「通常密閉される」を、少なくとも一の原料が収容されるカプセル本体の内部容積が外部環境から封止されることを、つまり、カプセルが密閉されているとともに飲料が貫通開口部を介してカプセルから出てくることができないことを、意味するよう用いる。
【0291】
なお、例えば図28a~図28cに示すように、貫通開口部205を、例えばV字形状を有するスロット205の態様で形成することができることを記載しておくべきであろう。
【0292】
一以上の開口部205は、カプセルとコンベヤー・キャップ7との間の相対移動によりコンベヤー・キャップ7によって開口される。より詳細には、カプセルの少なくとも一つの突出要素208は、出口壁3に配置されカプセルの外部に向かって突出し、コンベヤー・キャップ7の当接部52と接触するよう構成される。
【0293】
突出要素208は好ましくは、少なくとも一つの貫通開口部205によって形成される出口壁3の可動部と対応して配置される。より詳細には、実施可能な形態では、貫通開口部205(すなわちスロット)のV字形状は、突出要素208が配置される出口壁の可動部を形成するように構成される。
【0294】
より詳細には、例えば、図28cに示すように、カプセルとコンベヤー・キャップ7の間の相対移動の後、当接部52を備えるコンベヤー・キャップの開口手段は、カプセルの突出要素208と当接し、圧力を印加する。こうして、突出要素208は、カプセル本体の内部容積に向かって押圧され、封止膜206を破壊する(なお、分かりやすくするために図28cにおいては封止膜206を示していない)。こうして、カプセルが開口され、内部容積は貫通開口部205を介して外部環境と流体連通状態となる。言い換えれば、貫通開口部205の飲料の通過は封止膜206によってはもはや防止されない。
【0295】
なお、封止膜206は、図19を参照して開示した実施態様を参照して開示したタイプとできることを記載しておくべきであろう。また、図19および図28の実施態様に示すカプセルはサーモフォーミングプロセスによって好ましくは形成されることを記載しておく。
【符号の説明】
【0296】
1 カプセル
1a 内部容積
2 入口壁
3 出口壁
4 側壁
4a 案内手段
4b フランジ
5 カプセル飲料出口部
5a 溝
5b 突出要素
7 コンベヤー・キャップ
7a 内面
8 側壁
9 基部
9a フランジ
10 カプセル・アッセンブリ
11 相補的係合手段
11a 相補的係合手段
14 相補的係合手段
16 飲料放出開口部
17 案内要素
19 包囲空間
20 空気通過路
22 硬質な蓋
22a 被覆される部分
23 封止膜
26 ホルダ
28 穿孔要素
29 膜
51 突出要素
52 当接部
90 受け部
91 フランジ
95 溝
205 貫通開口部
206 封止膜
208 突出要素
I 飲料原料
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18a
図18b
図18c
図19a
図19b
図19c
図19d
図19e
図19f
図20a
図20b
図20c
図20d
図21a
図21b
図21c
図22a
図22b
図22c
図23a
図23b
図23c
図24a
図24b
図25a
図25b
図26
図27
図27a
図27b
図27c
図28a
図28b
図28c