(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】干渉測定のエッジ位置合わせ
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20220106BHJP
G01B 9/02 20220101ALI20220106BHJP
【FI】
G01B11/00 G
G01B9/02
(21)【出願番号】P 2018565782
(86)(22)【出願日】2017-06-16
(86)【国際出願番号】 US2017037810
(87)【国際公開番号】W WO2017218860
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-06-12
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ダン,トーマス ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ミハウォフスキ,ポール フランシス
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-038561(JP,A)
【文献】特開2006-250858(JP,A)
【文献】特開平07-012535(JP,A)
【文献】米国特許第04854708(US,A)
【文献】独国特許出願公開第10351142(DE,A1)
【文献】国際公開第2006/078025(WO,A1)
【文献】特開2014-134566(JP,A)
【文献】特開平4-305610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00
G01B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定装置において、
a)平行光を、参照面(34)、および、前記参照面と平行な被検面を有する光学要素に向ける照明光源(32)と、
b)前記参照面および前記被検面の両方から反射した光について、フーリエ変換面を画定する第1の撮像レンズと、
c)
開口絞り(44)及び空間フィルタリング要素(48)からなる空間フィルタ(S)であって、前記空間フィルタリング要素(48)が、前記
フーリエ変
換面で鏡面反射光を遮る
と共に前記フーリエ変換面で光軸から離れた周辺の回折及び散乱光を透過する遮蔽位置
まで前記開口絞りに対して移動可能である前記空間フィルタ(S)と、
d)前記被検面の画像を、像面で形成する第2の撮像レンズと、
e)前記像面で受光した光から画像データを生成するように配置されたセンサアレイ(38)と、
を含む装置。
【請求項2】
前記センサアレイと信号通信し、前記生成された画像データを表示する表示部(46)を、
更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記被検面は、反射レチクルまたはマスクである、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記変換平面で、光の一部を遮るように調節可能な開口絞り(44)を、
更に含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
測定装置において、
a)被検面および参照面を有する干渉計と、
b)前記参照面および被検面から反射した光について、フーリエ変換面を画定する第1の撮像レンズと、
c)
開口絞り(44)及び空間フィルタリング要素(48)からなる空間フィルタ(S)であって、前記空間フィルタリング要素(48)が、前記フーリエ変換面
で鏡面反射光を遮
ると共に前記フーリエ変換面で光軸から離れた周辺の回折
及び散乱光を透過する遮蔽位置
まで前記開口絞りに対して移動可能である前記空間フィルタ(S)と、
d)前記被検面の画像を、前記変換平面での光から、像面で形成するように配置された第2の撮像レンズと、
e)前記像面で受光した光から画像データを生成するように配置されたセンサアレイと
、
f)前記生成されたデータを表示するために前記センサアレイと信号通信する表示部と、
を含む装置。
【請求項6】
前記空間フィルタリング要素は、更に、前記遮蔽位置と、前記
フーリエ変
換面から取り除かれた第2の不遮蔽位置に、交互に作動しうるものである、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記空間フィルタリング要素が前記遮蔽位置の場合には、前記表示されたデータは、暗領域画像である、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記空間フィルタリング要素は、摺動部に沿って作動しうるものである、請求項5から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記開口絞りは、前記被検面および参照面からの鏡面反射光を透過し、該被検面からの散乱または回折光を透過するものである、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
干渉計での基板位置合わせ方法において、
a)平行光を、参照面、および、前記参照面と平行に配置された被検面を有する光学要素に向ける工程と、
b)フーリエ変換面を、前記参照面および前記被検面から反射した光で形成する工程と、
c)空間フィルタリング要素を、前記
フーリエ変換面で
鏡面反射光を遮ると共に前記フーリエ変換面で光軸から離れた周辺の回折及び散乱光を透過する遮蔽位置
まで開口絞りに対して移動させる工程と、
d)前記被検面の暗領域画像を、前記
フーリエ変
換面での光から、像面で形成する工程と、
e)画像データを、前記像面に配置されたセンサアレイから取得する工程と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2016年6月17日出願の米国仮特許出願第62/351、609号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、光学測定装置および方法に関し、特に、光学要素面のエッジを精密に位置合わせする装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクスの発展で、より高密度の構成が可能になり、電子基板面に望ましいパターンを作製するのに用いる光学ツールは、更に高性能を実現し続けている。次世代のエレクトロニクス製作の課題を満たすために、極端紫外線(EUV)光学リソグラフィなどの先端技術が、開発されている。しかしながら、パターンが形成されたマスクまたはレチクルなど、使用される構成要素の製作には、従来の測定方法では実現が難しいような精密さと精度を要求されうる。
【0004】
精密さの向上が必要になったことに応じて、干渉測定法を用いて、表面の平坦度などを特性付けるための測定方法が開発されてきた。表面の平坦度は、反射系について、特に重要でありうる。理想平面を僅かでも外れることで、リソグラフィ処理において、容認できないような画像配置誤差につながりうる。いくつかの場合において、反射要素の平坦度を、多数回、要素を多数の異なる位置に留めて測定して、重量および重力、並びに、留め特性に起因する誤差を補っている。
【0005】
平坦度の測定は、マスク、または、他の反射要素の厚さの違いによる影響を受けうる。構成要素の厚さが非均一の場合、非常に精密な静電クランプ装置でも、厚さ、または、表面同士の面形態の違いを効果的に伝えて、測定誤差が積み重なって大きくなりうる。
【0006】
構成要素の平坦度を、十分な精度で特性付けるには、構成要素が、その測定固定部に支持されている時に、表面のエッジを正確に位置合わせするのが有用である。一連の測定を行う場合に、構成要素が再配置されるので、精密に再度位置合わせできることは、測定処理における誤差の原因を減らすのを助けうる。しかしながら、既存の精密位置合わせ方法は、構成要素が、その固定部に載置する時に、正確な測定を行うために必要とする再現性を欠いていることが多い。マスクまたはレチクルの片面だけに設けられた基準または位置調整マークを必要とする方法は、有用であるが、マスクパターン形成での後段の処理になるまで使用できない。位置調整の問題は、構成要素を、その製作サイクル中に、多数回、検査する必要があるワークフローによって、更に深刻な問題になる。構成要素の位置決め結果が曖昧または不確かな場合には、誤差が積み重なって、構成要素の製作に必要とされる高性能が損なわれうる。したがって、平坦な光学要素の位置合わせを改良する装置および方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、光学測定における表面のエッジ位置合わせ技術を改良することを目的とする。本開示の実施形態は、測定位置決めシステムを用いて、光学要素を固定部に位置決めして、エッジを、明確で正確に位置決めする方法の必要性に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によれば、測定装置を提供し、それは、
a)平行光を、参照面、および、参照面と平行な被検面を有する光学要素に向ける照明光源と、
b)参照面および被検面の両方から反射した光について、フーリエ変換面を画定する第1の撮像レンズと、
c)変換平面で、鏡面反射光を遮る遮蔽位置に作動しうる空間フィルタリング要素と、
d)被検面の画像を、像面で形成する第2の撮像レンズと、
e)像面で受光した光から画像データを生成するように配置されたセンサアレイと、
を含む。
【0009】
更なる特徴および利点を、次の詳細な記載に示し、それは、部分的には、当業者には、その記載から明らかであるか、または、明細書の記載、請求項、および、添付の図面に記載の実施形態を実施することによって分かるだろう。
【0010】
ここまでの概略的記載および次の詳細な記載の両方が、例示的なものにすぎず、請求項の本質および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図すると、理解すべきである。
【0011】
添付の図面は、更なる理解のために含められ、本明細書に組み込まれ、その一部を形成する。図面は、1つ以上の実施形態を示し、明細書の記載と共に、様々な実施形態の原理および動作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】従来のフィゾー干渉計装置を簡略に示す概略図である。
【
図2】明領域と暗領域の撮像を用いて、反射リソグラフィのレクチルを特性付けるのにフィゾー干渉測定原理を応用した干渉測定装置の光路を、簡略に示す概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態で用いる干渉測定および位置決め測定の撮像経路を示している。
【
図4A】干渉測定装置を用いて、従来の方法で取得した明領域画像を示している。
【
図4B】カメラの画素のデータ変調値のマッピングを、例示的な明領域画像を横切って延伸する1つの水平線に沿って示すグラフである。
【
図5A】本開示の干渉測定装置を用いて取得した暗領域画像を示している。
【
図5B】対応するカメラの画素のデータ変調値のマッピングを、例示的な暗領域画像を横切って延伸する1つの水平線に沿って示すグラフである。
【
図6】フーリエ変換面に現れるようなレチクルおよびフィゾー参照面からの照明光の空間分布を、理想化して表している。
【
図7A】明領域撮像モードでのフーリエ変換面の拡大図を示している。
【
図7B】暗領域撮像モードでのフーリエ変換面の拡大図を示している。
【
図8A】明領域を撮像した図を、光路に直交するフーリエ変換面の平面図として示している。
【
図8B】暗領域を撮像した図を、光路に直交するフーリエ変換面の平面図として示している。
【
図9】被検面および参照光からのフーリエ変換の平面図である。
【
図10】レチクルの位置合わせのための輪郭データを、センサアレイによって得た画像データから、いかに取得しうるかを、概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に示し記載した図面は、様々な実施形態による光学装置の動作および作製の主要原理を示すために提供したものであり、これらの図面の多くは、実際の大きさ、または、縮尺を示すことを意図していない。基本的構造関係または動作原理を強調するために、ある程度誇張して示すことが、必要でありうる。
【0014】
提供した図面は、光学取付け部を含む様々な支持要素、電源、光源取付け部、および、他の特徴物を示していないことがありうる。光学技術の当業者には、本発明の実施形態が、いずれの多数のタイプの標準取付け部および支持要素も使用しうることが分かるだろう。
【0015】
本開示の文脈において、「最上部」および「底部」、若しくは、「上方に」および「下方に」または「下に」などの用語は、相対的なものであり、構成要素または表面が必要とする向きを示すのではなく、単に、図面、反対の表面、空間的関係、若しくは、構成要素または装置内の異なる光路のことを称し、それらを区別するために用いている。同様に、「水平」および「垂直」という用語は、図面との関係で使用されて、例えば、異なる平面の構成要素または光の相対的直交関係を記載するのに用いうるものであり、構成要素が真の水平および垂直向きに対して必要とする向きを示すものではない。
【0016】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語を用いる場合、それらの用語は、必ずしも、順序または優先順序の関係を示すものではなく、1つの要素または時間間隔を他から、より明瞭に区別するのに用いられる。本開示の文脈および請求項において、これらの序数を用いて、1つの要素を、他の同様または関係した要素から、明瞭に区別している。
【0017】
本明細書で用いたように、「エネルギーを与えられうる」という用語は、電力を受け取り、更に任意で、有効化信号を受信すると、示したような機能を行うように作動しうる装置または一組の構成要素に関する。例えば、レーザダイオードは、エネルギーを与えられて、レーザ光ビームを出射しうる。
【0018】
本開示の文脈において、「約」という用語を測定値に関して用いる場合、予想された許容測定誤差以内であり、実際に許容される不正確さであることを意味する。ある程度の合理的な許容誤差を、例えば、測定値の差異、および、特定の利用例で必要とする精密さについて、認めなければならない。
【0019】
本開示の文脈において、「連結された」という用語は、1つの構成要素の配置が、それが連結される構成要素の空間配置に影響するような、2つ以上の構成要素間の機械的関連、接続、関係、または、関連付けを示すことを意図している。機械的連結について、2つの構成要素は、直接的に接触する必要はなく、1つ以上の中間の構成要素を介して関連付けられうる。
【0020】
本明細書に記載の画像処理工程について、画像データの画像単位要素を表す「画素」という用語は、従来から、2次元の撮像および画像表示部について用いられたものである。
【0021】
利用例で用いる「信号通信で」という用語は、2つ以上の装置および/または構成要素が、何らかのタイプの信号路を伝播する信号を介して互いに通信できることを意味する。信号通信は、有線であっても、無線であってもよい。信号路は、第1の装置および/または構成要素と、第2の装置および/または構成要素との間での物理的、電気的、磁気、電磁気、光学、有線、および/または、無線接続を含みうる。信号路は、第1の装置および/または構成要素と、第2の装置および/または構成要素との間で信号を向けるのに用いられる更なる装置および/または構成要素も含みうる。
【0022】
本開示の実施形態は、平坦な基板について、エッジ特定装置および方法を記載し、例えば、基板の画像を検出器上に、画素以下の精度で、精密に位置合わせ、および、位置調整するのに用いうる。有利なことに、本開示の方法および装置を、基板が位置合わせされてから、表面の平坦度を特性付ける干渉測定装置などの測定装置と、統合しうる。
【0023】
表面の測定から得られる平坦度情報を、製造処理にフィードバックしうる。これにより、処理を改良して、平坦度を実現し、例えば、完全な平坦でなくなることにより生じた誤差も相殺することが可能になる。いずれの場合も、マスクの異なる製造工程の各々で特定しうるマスクのデータについて、平坦度情報を登録することは有用である。背景技術で記載したように、基準マークは、典型的には、後段のマスクまたはレチクル製作のパターン形成工程で追加され、その構成要素の片面だけに見える。典型的には、ほとんどの測定処理は、パターン形成処理で生成されたマスク上の基準マークまたは位置調整マークを用いる。このアプローチを、製造処理において、平坦度データを必要とする全ての関連した工程に適用できるわけではなく、それは、必要とする平坦度情報は、マスクがパターン形成される前でも非常に有用だからである。更に、パターン特徴物を有しないマスク裏側の平坦度を特性付けることは価値があり、マスクの厚さの変化を相殺することが可能である。表面の特性付けのために正確で精密なマスクの位置決めが必要であることに応じて、本開示の一実施形態は、マスクのエッジの位置データを提供する。
【0024】
図1に簡略に概略を示した装置10のようなフィゾー干渉計は、表面の平坦度を測定する有用なツールとして知られている。レーザ12などのコヒーレント光源は、照明光を、ビームスプリッタ14を介して、照明光を平行にして基準板18を通って被検面20に向けるレンズ16へ向ける。基準板18および被検面20から反射した光は組み合わさり、干渉測定画像結果を取得して表示するための光学および電子構成要素を含む撮像装置24を用いて表示分析しうる干渉縞を、生成する。基準板18および被検面20から反射した光は、同じ光路を進むので、装置24で検出した干渉パターンは、これらの表面間のわずかな差異を非常に正確に特性付けうる。
【0025】
本開示の実施形態は、表面の平坦度を測定するフィゾー干渉測定技術を用い、それは、特に、EUVリソグラフィ装置で使用されるような反射レチクルまたはマスクの表面を特性付けるのに適しうる。しかしながら、本明細書に記載の装置および方法は、平坦または略平坦な表面を特性付けるのに有用な多数の測定利用例で使用しうることに留意すべきである。
【0026】
図2は、明領域および暗領域の両方の撮像を用いて、反射リソグラフィマスクまたはレチクル40を特性付けるのにフィゾー干渉測定原理を利用した干渉測定装置30の光路を、簡略に示す概略図である。
図2の概略図において、焦点距離、および、構成要素の大きさは、縮尺通りに示していない。照明光源32は、平行な照明光の幅が広げられビームを、参照面34、および、検査中のレチクル40に向ける。参照面34、および、レチクル40からの反射光は、第1の撮像レンズL1によって、開口絞り44の位置でフーリエ変換面Tに合焦される。第2の撮像レンズL2は、像面Iに変換平面Tでの光エネルギーからレチクル40の画像を形成するように、配置されている。撮像レンズL2は、変換平面Tでの被写体を再変換して、画像を形成する。電荷結合素子(CCD)またはカメラなどのセンサアレイ38を、像面Iに配置して、受光した光から、画素で表した画像を形成する。センサアレイ38と信号通信すると共に、コンピュータ60、または、機器の機能を制御する他の専用制御処理部と信号通信する表示部46に、画像を表示する。空間フィルタSの一部として、その機能をより詳細に後述する空間フィルタリング要素48を、作動させて、遮蔽位置に配置しうる。レチクル40の輪郭検出を可能にする暗領域画像を提供するために、空間フィルタリング要素48は、遮蔽位置に移動されると、変換平面Tで、合焦された鏡面反射または反射光の一部を遮る。レチクル40は、固定部50に、取外し自在に載置される。照明光源32からの平行なビームは、レチクル40の全面に当たるように幅広いものである。フーリエ変換面Tでの光の空間位置は、レチクルから反射した光の角度、および、レンズL1の焦点距離に関係する。変換レンズL1は、レチクルでの光についての共通角を、空間フィルタ平面での1つの位置に変換する。
【0027】
光学技術の当業者には、よく知られたように、撮像した被写体を、増加する空間周波数の一連の正弦項を合計したフーリエ級数表現を用いて記載しうる。干渉測定は、干渉パターンを生成するのに、低空間周波数だけの使用を必要とする。一方、マスクの位置合わせのために、エッジを撮像するには、高空間周波数を必要とする。フーリエ変換面は、被写体の各正弦項を表す光の振幅を空間的に孤立させうる光軸に沿った位置に、位置する。画像形成理論によれば、平面波によって照らされた被写体について、フーリエ変換面は、対物レンズの後焦点面に位置する。実際には、これは、対物レンズL1から焦点距離一つ分だけ離れた位置であり、必要なフィルタリング精度に応じて、その焦点距離一つ分の位置のわずかに前後で、フィルタリングを行うのを可能にする焦点距離の+/-0.1以上などの、いくらかの許容誤差を有する。フーリエ平面において、被写体の空間周波数が高くなるほど、その周波数について、対応する光エネルギーが、光軸から遠くなる。フーリエ平面での光軸からの方向は、被写体の空間周波数のクロッキングに応じたものである。マスクの水平方向エッジは、入射光を、フーリエ平面で垂直方向に回折する。これに対応して、垂直方向エッジは、光を、水平方向に回折する。このために、正方形または矩形のマスクを撮像した場合、フーリエ平面は、十字形パターンを示す。
【0028】
マスクのエッジからの光は、より高い空間周波数を有する。したがって、エッジからの光は、変換平面で、更に光軸から遠くなる。センサアレイで画像を形成するには、エッジに対応する光だけが必要なので、エッジの撮像は、光軸の近くの低空間周波数を遮蔽、または、取り除くことによって、高められる。矩形のマスクの角部の撮像は、変換平面における光のパターンを複雑にする。これは、光軸から離間し、縦軸および横軸の外に位置するフーリエ平面での光を含む。
【0029】
図3は、本開示の一実施形態で用いられる撮像経路を示している。ここでは、2つの光路を曲げるミラー36、42を用いて、装置を、よりコンパクトにしている。レンズL1は、約1.4mなどの長い焦点距離を有する二重レンズである。本実施形態の二重レンズは、空気で離間された2つの要素を有し、分離距離は、2.94mmである。二重レンズの第1のレンズ要素は、25mmの厚さを有し、第1の凸面は、782.15mmの第1の曲率半径を特徴とし、第2の凸面は、1607.35mmの第2の曲率半径を特徴とする。開口絞りに近い方に配置された二重レンズの第2のレンズ要素は、947.42mmの第1の曲率半径を有する第1の凹面、および、1607.35mmの第2の曲率半径を有する第2の凸面を有する。両方のレンズ要素は、NBK7ガラス(Schott)で製作されている。二重レンズの第2のレンズ要素の第2の表面の頂点から、第2の撮像レンズL2の第1の表面までの距離は、1313.55mmである。レンズL1は、第1のフーリエ変換レンズを形成し、その焦点面は、開口絞り44に位置するフーリエ変換面Tである(
図2)。
【0030】
レンズL2は、レンズ要素L2-1、L2-2、L2-3を有する複合レンズとして形成された第2のフーリエ変換レンズであり、変換平面Tでの光から像面Iを形成する逆変換を行う。レンズL2の例示的焦点距離は、約130mmである。レンズ要素L2-1の第1の表面の頂点は、開口絞り、つまり、変換平面Tから、25mmである。レンズ要素L2-1の第1の表面は、凸状で、128.77mmの第1の曲率半径を有する。レンズ要素L2-1は、NBK7光学ガラスから製作され、2.62mmの厚さを有する。レンズ要素L2-1の第2の表面は、平面である。レンズ要素L2-2、L2-3は、第1および第2の接合レンズ要素を有する二重レンズを形成する。本実施形態によれば、第1の接合レンズ要素は、4.92mmの厚さ、81.53mmの第1の曲率半径を特徴とする第1の凸面、および、56.59mmの第2の曲率半径を特徴とする第2の凸面を有し、第2の接合レンズ要素は、(その前の接合レンズ要素の第2の曲率半径と同じ)56.59mmの曲率半径を有する第1の凹面、および、220.1mmの第2の曲率半径を有する第2の凸面を有する。本実施形態において、この接合された二重レンズの第2の要素の第2の表面から像面までの距離は、66.88mmである。
【0031】
図2および3に示した撮像装置は、レチクルまたは他の平坦な構成要素の表面を特性付けるために、フィゾー干渉測定を提供すると共に、構成要素を、正確に、かつ、再現可能に位置決めするためのデータを提供しうる。精密な位置決めを実現するために、固定部に置かれた構成要素のエッジを正確に特定できることは有用である。エッジの特定は、曖昧でないものであるべきで、カメラ、または、他のセンサアレイ38からの測定された画像データにより、エッジの自動検出が可能になる。このレベルの精度を提供するために、本開示の実施形態は、
図2および3を参照して記載した構成要素の基本配置を採用し、更に、構成要素のエッジの暗領域の撮像を行うために特徴物を追加しうる。
【0032】
本明細書に記載の装置および方法を、より完全に理解するために、明領域の撮像と暗領域の撮像、更に、これらの異なる方法が、構成要素の輪郭を正確に示すのにいかに関係するかを比較するのは有用である。例として、
図4Aは、
図1、2および3のフィゾー干渉測定配置について記載したものなどの干渉測定装置を用いて、従来の方法で取得した明領域画像を示している。被検面のエッジは、明領域画像で分かるが、そのような画像で、構成要素の正確なエッジをピンポイントで見つけるのは、非常に難しいことがありうる。画素レベルで、エッジは鮮明に画定されない。更に難しいことに、カメラまたはセンサアレイで生成された画像データの使用自体が、明領域に含まれるものを用いて、曖昧さの解決を助けないことがありうる。
図4Bのグラフは、カメラの画素について、平坦な被検面の例示的な明領域画像を横切って延伸する1つの水平線に沿って、データ変調値のマッピングを示している。データは、上昇または下降する傾きを有するエッジを示しているが、画素レベルで、どの変調値が、構成要素の正確なエッジを正確に決定するかは、明確でないことがありうる。実際には、何らかの任意の変調閾値を用いて、エッジを画定しなくてはならず、この値は、図面ごとに変化させうる。
【0033】
所定の明領域の例と比べて、
図5Aは、記載した干渉測定装置を用いて取得しうる暗領域画像Dを示している。構成要素の輪郭が、鮮明に画定されている。
図5Bのグラフは、カメラの画素について、例示的な暗領域画像を横切って延伸する1つの水平線に沿って、対応するデータ変調値のマッピングを示している。ここでは、データは、構成要素のエッジを、断定的に、曖昧でなく特定する役割を果たしうるピーク変調値を、明確に示している。
【0034】
図2および3に示した装置について、明領域画像および暗領域画像は、各々、カメラまたはセンサアレイ38に提供される異なる光の成分から形成される。照明光源32から照らされた時に、レチクル40および参照面34から戻されるように向けられる光のほとんどが、
図4Aの明領域画像を形成する鏡面反射光である。これと比べて、
図5Aの暗領域画像は、被検面からのエッジ効果、および、表面の不規則性により生じた散乱および回折光から形成される。
【0035】
図6は、理想化した図であり、フーリエ変換面Tに現れるレチクル40および参照面34からの照明光の空間分布を示している。破線で示した円52は、変換平面Tでの、レンズL1から提供された光エネルギーの大部分の輪郭を示している。破線で示した円52内の光成分は、主に、レチクル構成要素および参照面から反射し、干渉測定に使用しうる鏡面反射光エネルギーを示している。円52の外側の光エネルギーは、散乱または回折エネルギーである。変換平面Tで、円52の外側に空間的に分布する光エネルギーは、主に、従来の干渉測定について生成される明領域画像の望まないノイズと考えられる。開口絞り44は、干渉測定を行う時に、変換平面での、この非鏡面反射光エネルギーを遮断するように構成しうる。
【0036】
本開示の一実施形態によれば、空間フィルタリングは、二つの点で、干渉測定装置30(
図2)の測定を改良するのを助けうる。明領域の撮像を用いて行う干渉測定を改良するために、開口絞り44は、変換平面Tで、光軸OAに近く、中心に位置する低空間周波数を透過し、光軸OAから遠くに分布する高空間周波数を遮る空間フィルタリングを提供する。本明細書に記載したような暗領域を用いて行われる、装置30によるエッジ検出を改良するために、空間フィルタリング要素48は、上記のように、低空間周波数を遮り、高空間周波数を透過する。
【0037】
暗領域画像を形成するために、円52内に示した鏡面反射光エネルギーを遮って、レンズL2が、
図2に概略的に示したようなレチクル40のエッジEで回折したものなどの散乱または回折光エネルギーからだけの画像を形成するようにする。
【0038】
図7A、7B、8Aおよび8Bは、暗領域の撮像について、カメラまたはセンサアレイ38によって取得した画像からの望まない光を選択的に遮るのに用いる、開口絞り44および空間フィルタリング要素48などの空間フィルタリングの特徴物を示している。
図7Aは、明領域の撮像について、フーリエ変換面Tの拡大側面図を示しており、右側に、レンズL2から見た変換平面Tの平面図も示している。明領域の撮像を行うために、フィルタリング要素48を、平面Tで、光路の外側の遮蔽しない位置に作動させる。
図7Bは、暗領域の撮像を行うために、遮蔽位置に作動されたフィルタリング要素48を示しており、レンズL2から見た変換平面Tを概略的に示した対応する図も示している。
【0039】
図8Aおよび8Bは、対応する明領域と暗領域の撮像について、構成要素の位置決めを、光路に直交するように見た変換平面Tの平面図として示している。
図8Aおよび8Bの実施形態において、フィルタリング要素48を、フィルタリング要素48を、光路から、または、光路へと、摺動する作動器56上の動力移動するステージ54に、連結する。この移動を実行するために、作動器56は、キーボードコマンド、制御ロジックコマンド、または、コンピュータ60(
図2)と信号通信するスイッチのスイッチ設定(不図示)などのオペレータの命令に応じる制御処理部48によって、制御される。空間フィルタリング要素48は、鏡面反射光を遮り、散乱および回折光を透過するのに適切な大きさ、および、形状の多数のタイプの光遮蔽装置のいずれかであり、手動で、または、例えば、ソレノイドを含む任意の数の装置によって作動しうることが、分かるだろう。空間フィルタ要素48は、変換平面Tで、光軸の近くに位置する鏡面反射(反射)光を遮断し、光軸から離れた周辺の回折および散乱光を透過するような形状および寸法を有する。フィルタ要素48の正確な形状および寸法は、変換平面Tで、光エネルギーの空間分布を測定してマッピングすることにより決定しうるものであり、例えば、フィルタ要素48の変換平面Tからの実際の距離、レンズL2の後焦点距離などの要因によって、調節しうる。
図3の例示的実施形態を、再び参照すると、本実施形態によれば、開口絞りは、12mmの直径を有する。変換平面Tで鏡面反射光を遮るのに用いられるフィルタリング要素の直径は、約3mmである。
【0040】
本開示の代わりの実施形態によれば、空間フィルタSは、開口絞り44および空間フィルタリング要素48の両方を、移動自在構成要素として含む。開口絞り44を、干渉測定などの明領域の撮像のための中心の光軸OAの周りの第1の位置、および、エッジ検出のための、光軸OAに沿った光から離れた第2の位置を有するように、作動しうる。空間フィルタリング要素48を、反対の状態に作動させて、明領域の撮像を行うには、光軸OAから取り除き、暗領域の撮像を行うには、光軸OAを遮るようにしうる。
【0041】
図9は、フーリエ変換面Tの平面図である。変換パターンの右側に明るい点として示された更なる光エネルギー領域があることを、観察しうる。このエネルギーは、参照面34の反対側の更なるフィゾー参照面での第2の反射からの光でありうる。開口絞り44(
図7A)を、狭くするなどして調節し、この望まない光を、暗領域画像から排除しうる。
【0042】
本開示の一実施形態によれば、
図7Aから8Bに示したように作動しうるフィルタリング要素48を用いて、例えば、干渉測定装置30を上記のように構成して、明領域撮像モードと暗領域撮像モードの両方を選択的に行いうる。レチクル40、または、他の検査されるサンプルを、その固定部50に嵌めると、表示部46で観察されるような画素位置に精密に位置合わせするために、レチクル40または他のサンプルの表面を確実に特定するために、暗領域撮像モードが、オペレータによって有効にされる。次に、位置合わせされたら、正確な表面特性を、干渉測定を用いて取得するために、明領域撮像モードを、有効にしうる。この特徴は、従来の方法と比べて、測定および分析速度を更に高めるのを助ける。
【0043】
暗領域画像データから、マスクのエッジの正確な位置を決定するのを助ける一つのアプローチは、一行づつ処理を進めて、強度値を、全ての列に亘って積分して、エッジの2つを決定することである。同様に、全ての行に亘って積分して、他の2つのエッジを決定しうる。このデータ処理技術は、結果的に、各カメラ軸について、1つの強度分布を生成して、そのピーク値が、各直交方向の2つのマスクエッジについて、エッジ位置を決定する。積分された強度曲線の強度ピークの幅を最小にすることによって、マスクエッジを、カメラアレイと、正確に位置調整することが可能になる。
【0044】
図10は、レチクル40の位置合わせのための輪郭データを、センサアレイ38(
図2)によって取得した画像データから、いかに取得しうるかを、概略的に示している。生成した暗領域画像Dの各行Rについて、撮像センサからの連続したデータ値を、
図10にグラフ値62で概略的に示したように、取得する。次に、連続した行について、対応する「列」の値を、平均、積分、または、他の演算などによって組合せて、位置合わせプロファイル70を、組み合わせた行データから生成する。プロファイル70を分析することで、スキュー角、および、エッジ位置について、有用な情報を生成しうる。
【0045】
干渉測定についての明領域の撮像と、エッジ位置合わせについての暗領域の撮像の両方を提供する測定装置は、
図7A/7Bおよび8A/8Bの例に概略的に示したように、レチクル、マスク、または、他の平坦な光学要素の表面の特性付けに有利でありうる。空間フィルタリング要素48だけを、光軸に沿った遮蔽位置へ、または、遮蔽位置から離れるように移動し、他の光学要素の位置は変化しないので、明領域画像および暗領域画像を、同じカメラ、または、同じ他のセンサを用いて取得し、互いに位置調整しうる。これにより、平坦度情報を、表面位置および場所と共に、簡単に登録することができる。このことは、前面および裏面の両方について、平坦度プロファイルを互いに位置合わせするのも、簡単にする。干渉測定装置のオペレータにトグルコマンドを提供して、明領域干渉測定画像または暗領域エッジ画像のいずれか、若しくは、それらを同じ表示部に重ねて表示するなどして、両方の表示を可能にしうる。
【0046】
本明細書に記載の装置および方法について、基板の位置決め測定のための作動器、照明光源、並びに、画像を取得するためのセンサアレイまたはカメラを制御する処理、画像データ処理、周波数信号分析および結果報告、送信、並びに、表示を、デジタル電子回路、若しくは、コンピュータ60のハードウェア、ファームウェア、または、ソフトウェア、若しくは、ハードウェアとソフトウェアロジックの組合せに記憶された命令を用いて実行しうる。アルゴリズムおよび制御ロジックを、コンピュータプログラム製品、つまり、例えば、機械読み取り可能な記憶装置などの情報媒体に有形に具体化されたコンピュータプログラムとして、例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、または、多数のコンピュータなどのデータ処理装置によって実行されるため、または、データ処理装置の動作を制御するために、提供しうる。コンピュータプログラムは、コンパイル型またはインタプリト型言語を含む任意の形態のプログラム言語で記述しうると共に、スタンドアローンプログラムとして、若しくは、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、または、計算環境での使用に適した他のユニットとしてを含む任意の形態で展開しうる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ60上で、若しくは、1つの場所に位置する、または、多数の場所に亘って分散されて通信ネットワークによって互いに接続された多数のコンピュータ上で実行するように展開しうる。
【0047】
方法の工程は、コンピュータプログラムを実行して、入力データを処理し出力を生成することによって機能を行う1つ以上のプログラム可能プロセッサによって行われうる。方法の工程のいくつか、または、全部は、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、または、ASIC(特定用途向け集積回路)などの専用論理回路によって行われ、更に、装置も、それらとして実現しうる。
【0048】
制御ロジックプロセッサ、または、本明細書に記載のコンピュータ60として、コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用および専用マイクロプロセッサの両方、並びに、任意の種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読み取り専用メモリ、または、ランダムアクセスメモリ、若しくは、それらの両方などの非一時的メモリから、命令およびデータを受け取る。コンピュータの構成要素は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ、および、命令およびデータを記憶する1つ以上のメモリ装置を含みうる。概して、コンピュータは、例えば、磁気、光磁気、または、光ディスクなどの、データを記憶するための1つ以上の大型記憶装置も含むか、若しくは、それらに動作可能に連結されて、そこからデータを受け取ったり、または、そこへデータを転送したり、若しくは、両方を行いうる。コンピュータプログラム命令およびデータを具体化するのに情報媒体は、全ての形態の不揮発性、および/または、非一時的メモリを含み、例としては、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びに、CD‐ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補助されるか、または、それに組み込まれてもよい。
【0049】
ユーザとの相互作用を提供するために、本開示の様々な実施形態は、例えば、液晶表示(LCD)モニタなどの、ユーザに情報を表示する表示装置、並びに、ユーザが、それによってコンピュータに入力を行いうる、キーボード、および、例えば、マウスまたはタッチスクリーンなどのポインティングデバイスを有するコンピュータに実装しうる。他の種類の装置も、ユーザとの相互作用を提供するために使用でき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、音響フィードバック、または、接触フィードバックなどの任意の形態の感知できるフィードバックでありうるもので、更に、ユーザからの入力は、音響、音声、または、触覚入力を含む任意の形態の入力を受け取りうる。実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含むか、例えば、アプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むか、ユーザが、それを通して、実装されたものと相互作用しうる、例えば、グラフィカルユーザインターフェイスまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含むか、若しくは、そのようなバックエンド、ミドルウェア、または、フロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含むコンピューティングシステムに実装しうる。構成要素は、例えば、通信ネットワークなど、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体によって、相互作用しうる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)および、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)を含む。
【0050】
そうでないと明示しない限りは、本明細書に記載した、いずれの方法も、その工程が特定の順序で行うことを必要とすると解釈されることを全く意図していない。したがって、方法の請求項が、工程を行う順序を、実際に記載していないか、請求項または明細書で、工程が特定の順序に限定されると具体的に記載していない場合には、いかなる特定の順序も推測されることを全く意図していない。
【0051】
当業者であれば、本開示の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更および変形が可能なことが明らかだろう。当業者には、本開示の精神および実質を組み込んで、開示した実施形態に、そのような変更、組合せ、部分組合せ、および、変形が可能なので、本発明は、添付の請求項、および、その等価物の範囲内の全てを含むものであると解釈されるべきである。
【0052】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0053】
実施形態1
測定装置において、
a)平行光を、参照面、および、前記参照面と平行な被検面を有する光学要素に向ける照明光源と、
b)前記参照面および前記被検面の両方から反射した光について、フーリエ変換面を画定する第1の撮像レンズと、
c)前記変換平面で、鏡面反射光を遮る遮蔽位置に作動しうる空間フィルタリング要素と、
d)前記被検面の画像を、像面で形成する第2の撮像レンズと、
e)前記像面で受光した光から画像データを生成するように配置されたセンサアレイと、
を含む装置。
【0054】
実施形態2
前記センサアレイと信号通信し、前記生成された画像データを表示する表示部を、
更に含む、実施形態1に記載の装置。
【0055】
実施形態3
前記被検面は、反射レチクルまたはマスクである、実施形態1または2に記載の装置。
【0056】
実施形態4
前記変換平面で、光の一部を遮るように調節可能な開口絞りを、
更に含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の装置。
【0057】
実施形態5
測定装置において、
a)被検面および参照面を有する干渉計と、
b)前記参照面および被検面から反射した光について、フーリエ変換面を画定する第1の撮像レンズと、
c)前記フーリエ変換面で前記参照面および被検面からの鏡面反射光を遮り、該被検面からの散乱または回折光を透過する遮蔽位置に作動しうる空間フィルタリング要素と、
d)前記被検面の画像を、前記変換平面での光から、像面で形成するように配置された第2の撮像レンズと、
e)前記像面で受光した光から画像データを生成するように配置されたセンサアレイと
f)前記生成されたデータを表示するために前記センサアレイと信号通信する表示部と、
を含む装置。
【0058】
実施形態6
前記空間フィルタリング要素は、更に、前記遮蔽位置と、前記変換平面から取り除かれた第2の不遮蔽位置に、交互に作動しうるものである、実施形態5に記載の装置。
【0059】
実施形態7
前記空間フィルタリング要素が前記遮蔽位置の場合には、前記表示されたデータは、暗領域画像である、実施形態5または6に記載の装置。
【0060】
実施形態8
前記空間フィルタリング要素は、摺動部に沿って作動しうるものである、実施形態5から7のいずれか1つに記載の装置。
【0061】
実施形態9
前記空間フィルタリング要素は、ソレノイドによって作動しうるものである、実施形態5から7のいずれか1つに記載の装置。
【0062】
実施形態10
前記変換平面沿った絞り位置に開口絞りを、
更に含み、
前記開口絞りは、前記被検面および参照面からの鏡面反射光を透過し、該被検面からの散乱または回折光を透過するものである、実施形態5に記載の装置。
【0063】
実施形態11
干渉計での基板位置合わせ方法において、
a)平行光を、参照面、および、前記参照面と平行に配置された被検面を有する光学要素に向ける工程と、
b)フーリエ変換面を、前記参照面および前記被検面から反射した光で形成する工程と、
c)空間フィルタリング要素を、前記変換平面で、前記反射した光の少なくとも一部を遮る遮蔽位置に作動させる工程と、
d)前記被検面の暗領域画像を、前記変換平面での光から、像面で形成する工程と、
e)画像データを、前記像面に配置されたセンサアレイから取得する工程と、
を含む方法。
【0064】
実施形態12
前記暗領域画像を、前記センサアレイの画像データから、表示する工程を、
更に含む、実施形態11に記載の方法。
【0065】
実施形態13
前記フィルタリング要素を、前記変換平面で、反射した光について、不遮蔽位置に作動させ、前記像面で形成されて前記センサアレイによって検出された明領域画像を、表示する工程を、
更に含む、実施形態11または12に記載の方法。
【0066】
実施形態14
前記暗領域画像を前記明領域画像に位置合わせし、該暗領域画像および該明領域画像を表示部に表示する工程を、
更に含む、実施形態13に記載の方法。
【0067】
実施形態15
前記センサアレイからの画像データの連続した行からの値を分析することによって、前記被検面のエッジを検出する工程を、
更に含む、実施形態11から14のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0068】
20 被検面
24 撮像装置
30 干渉測定装置
32 照明光源
34 参照面
36、42 ミラー
38 センサアレイ
40 レチクル
44 開口絞り
46 表示部
48 空間フィルタリング要素
56 作動器
58 制御処理部
60 コンピュータ