(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】航空機用シートユニット、および、航空機用シートユニット集合体
(51)【国際特許分類】
B60N 2/02 20060101AFI20220106BHJP
B60N 3/06 20060101ALI20220106BHJP
B60N 2/22 20060101ALI20220106BHJP
A47C 7/14 20060101ALI20220106BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20220106BHJP
B64D 11/06 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B60N2/02
B60N3/06
B60N2/22
A47C7/14 Z
A47C7/50 A
B64D11/06
(21)【出願番号】P 2019550519
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2018041128
(87)【国際公開番号】W WO2019088297
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2017214217
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000132013
【氏名又は名称】株式会社ジャムコ
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】特許業務法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木越 玲
(72)【発明者】
【氏名】大栗 強
(72)【発明者】
【氏名】内田 優雨
(72)【発明者】
【氏名】木村 達郎
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-084274(JP,A)
【文献】特開平09-254685(JP,A)
【文献】実開昭56-105448(JP,U)
【文献】特表2016-521157(JP,A)
【文献】特開2000-142589(JP,A)
【文献】特開平02-290751(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/02
B60N 3/06
B60N 2/22
A47C 7/14
A47C 7/50
B64D 11/06
A47C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部の状態を乗客が脚を曲げた状態で腰かけるショート座部状態と、乗客が脚を伸ばした状態で座るロング座部状態との間で状態変更可能な航空機用シートユニットであって、
第1臀部支持層および第2臀部支持層を有する
前記座部と、
背もたれ部と
を具備し、
前記座部は、
前記ショート座部状態と
前記ロング座部状態との間で状態変更可能であり、
前記ショート座部状態において乗客の臀部を支持する前記第1臀部支持層は、前記ロング座部状態において乗客の臀部を支持する前記第2臀部支持層よりも硬質である
航空機用シートユニット。
【請求項2】
前記座部は、
前記第1臀部支持層を含む上部クッションと、
前記第2臀部支持層を含む下部クッションと
を具備し、
前記ショート座部状態において、前記下部クッションは前記上部クッションを支持する
請求項1に記載の航空機用シートユニット。
【請求項3】
前記上部クッションは、前方に向けて引き出し可能である
請求項2に記載の航空機用シートユニット。
【請求項4】
前記上部クッションの下部には、客室の床に接触して前記上部クッションを支持するクッション支持部が設けられている
請求項3に記載の航空機用シートユニット。
【請求項5】
前記上部クッションは、前記下部クッションに展開可能に接続されている
請求項2に記載の航空機用シートユニット。
【請求項6】
前記上部クッションは、展開時に、客室の床から離間した状態に維持される
請求項5に記載の航空機用シートユニット。
【請求項7】
前記上部クッションは、
前記第1臀部支持層と、
前記ショート座部状態において前記第1臀部支持層よりも下方に位置する第2支持層と
を備え、
前記第2支持層は、前記第1臀部支持層よりも軟質である
請求項5に記載の航空機用シートユニット。
【請求項8】
第1臀部支持層および第2臀部支持層を有する座部と、
背もたれ部と、
オットマン
と
を具備し、
前記座部は、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能であり、
前記ショート座部状態において乗客の臀部を支持する前記第1臀部支持層は、前記ロング座部状態において乗客の臀部を支持する前記第2臀部支持層よりも硬質であり、
前記ロング座部状態において、前記座部の表面および前記オットマンの表面によって、平面視で、L字形状の表面が形成される
航空機用シートユニット。
【請求項9】
第1臀部支持層および第2臀部支持層を有する座部と、
背もたれ部と、
前記座部の側方に配置された側部構造体と、
オットマンと
を具備し、
前記座部は、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能であり、
前記ショート座部状態において乗客の臀部を支持する前記第1臀部支持層は、前記ロング座部状態において乗客の臀部を支持する前記第2臀部支持層よりも硬質であり、
前記側部構造体の下部には、前記オットマンが引き出し可能に収納されている
航空機用シートユニット。
【請求項10】
第1臀部支持層および第2臀部支持層を有する座部と、
背もたれ部と、
前記座部の側方に配置された側部構造体と、
オットマンと
を具備し、
前記座部は、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能であり、
前記ショート座部状態において乗客の臀部を支持する前記第1臀部支持層は、前記ロング座部状態において乗客の臀部を支持する前記第2臀部支持層よりも硬質であり、
前記オットマンの位置は、前記側部構造体の前方の第1位置と、第1位置の側方かつ前記座部の前方の第2位置との間で位置変更可能である
航空機用シートユニット。
【請求項11】
前記オットマンを鉛直方向に平行な軸まわりに回転させることにより、前記オットマンの位置を前記第1位置から前記第2位置に位置変更可能である
請求項10に記載の航空機用シートユニット。
【請求項12】
水平面に対する前記オットマンの上面の角度を、第1角度から前記第1角度よりも大きな第2角度に角度変更可能である
請求項10または11に記載の航空機用シートユニット。
【請求項13】
前記背もたれ部は、傾動可能な背もたれ部である
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の航空機用シートユニット。
【請求項14】
請求項6に記載の航空機用シートユニットと、
第2の航空機用シートユニットと
を具備し、
前記第2の航空機用シートユニットは、前記上部クッションの展開時に、前記上部クッションを支持するクッション支持部材を有する
航空機用シートユニット集合体。
【請求項15】
前記下部クッションの下方には、前記上部クッションを支持するクッション支持部材が引き出し可能に収納されている
請求項2に記載の航空機用シートユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用シートユニット、および、航空機用シートユニット集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の客室内には複数のシートユニットが配置される。各シートユニットは、座部と背もたれ部とを備える。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、航空機のシート配置構造が記載されている。特許文献1に記載の航空機のシート配置構造では、各シート群のシートが他のシートと平行であり、且つ、各シート及びシート対がキャビンの縦軸に対してオフセット角で位置した状態で配置されたシート群の組を含む。また、各シートは、フルフラット状態にすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシートは、着座形態とフルフラット形態との間で形態変更可能である。しかし、着座形態においても、フルフラット形態においても、座面の硬さは同じであり、乗客の多様なニーズへの対応は不十分である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、乗客の多様なニーズに対応することが可能な航空機用シートユニット、および、航空機用シートユニット集合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による航空機用シートユニットは、第1臀部支持層および第2臀部支持層を有する座部と、背もたれ部とを具備する。前記座部は、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能である。また、前記ショート座部状態において乗客の臀部を支持する前記第1臀部支持層は、前記ロング座部状態において乗客の臀部を支持する前記第2臀部支持層よりも硬質である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、乗客の多様なニーズに対応することが可能な航空機用シートユニット、および、航空機用シートユニット集合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、航空機の一部分を模式的に示す切り欠き平面図である。
【
図2】
図2は、航空機の一部分を模式的に示す切り欠き平面図である。
【
図3】
図3は、第1シートユニットおよび第2シートユニットを含むシートユニット集合体の概略斜視図である。なお、
図3は、座部の状態が、ショート座部状態である状態を示す。
【
図4】
図4は、
図3の状態における座部を模式的に示す概略縦断面図である。
【
図5】
図5は、第1シートユニットおよび第2シートユニットを含むシートユニット集合体の概略斜視図である。なお、
図5は、座部の状態が、ロング座部状態である状態を示す。
【
図6】
図6は、
図5の状態における座部を模式的に示す概略縦断面図である。
【
図7】
図7は、第1シートユニットおよび第2シートユニットを含むシートユニット集合体の概略斜視図である。なお、
図7は、座部の状態が、ショート座部状態とロング座部状態との間の遷移状態である状態を示す。
【
図8】
図8は、第1シートユニットおよび第3シートユニットの概略斜視図である。なお、
図8は、座部の状態が、ショート座部状態である状態を示す。
【
図9】
図9は、第1シートユニットおよび第3シートユニットの概略斜視図である。なお、
図9は、座部の状態が、ロング座部状態である状態を示す。
【
図10】
図10は、第1シートユニットの概略斜視図である。なお、
図10は、座部の状態が、ショート座部状態とロング座部状態との間の遷移状態である状態を示す。
【
図11】
図11は、上部クッションを前方に引き出し可能に構成する機構の一例について説明する図である。
【
図12】
図12は、シートユニット集合体を模式的に示す概略平面図である。
【
図13】
図13は、第1シートユニットの一例を模式的に示す概略斜視図である。なお、
図13(a)は、クッション支持部材が収納位置にある状態を示し、
図13(b)は、クッション支持部材が引出位置にある状態を示し、
図13(c)は、座部の状態がロング座部状態である様子を示している。
【
図14】
図14は、第1シートユニットの一例を模式的に示す側面図である。
【
図15】
図15は、クッション支持部材を引き出すための引き出し機構の一例を模式的に示す概略正面図である。
【
図16】
図16は、第1シートユニットおよび第3シートユニットの一例を模式的に示す概略斜視図である。なお、
図16(a)は、オットマンが収納位置にある状態を示し、
図16(b)は、オットマンが引出位置にある状態を示す。
【
図17】
図17は、第1シートユニットおよび第3シートユニットの一例を模式的に示す概略斜視図である。なお、
図17(a)は、オットマンが座部の直前にある状態を示し、
図17(b)は、オットマンの上面が傾動された様子を示す。
【
図18】
図18は、第1シートユニットおよび第3シートユニットの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図19】
図19は、オットマンを引き出すための引き出し機構、および、オットマンを回転させるための回転機構の一例を模式的に示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態における航空機用のシートユニット3および航空機用シートユニット集合体2について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0011】
(実施形態)
図1および
図2を参照して、実施形態におけるシートユニットの配置例について説明する。
図1および
図2は、航空機1の一部分を模式的に示す切り欠き平面図である。
【0012】
図1に示されるように、航空機1の客室CB内には、第1シートユニット3aおよび第2シートユニット3bを含む複数のシートユニット3が配置される。そして、複数のシートユニット3により、航空機用シートユニット集合体が形成されている。なお、各シートユニット3は、客室CBの床FLに取り付けられている。
【0013】
図1に記載の例では、航空機の長手方向(機軸方向)に沿って、メイン通路Pが配置され、メイン通路Pの右側(より具体的には、航空機の後方から前方に向かって見た時の右側)に、右側シートユニット群RGが配置され、メイン通路Pの左側(より具体的には、航空機の後方から前方に向かって見た時の左側)に、左側シートユニット群LGが配置されている。
【0014】
図1に記載の例では、右側シートユニット群RGは、2列に配列された複数のシートユニットを含み、左側シートユニット群LGは、1列に配列された複数のシートユニットを含む。なお、
図1に記載の例では、メイン通路Pは、航空機の幅方向中央付近に配置された1つの通路であるが、
図2に示されるように、メイン通路Pは、左側メイン通路LPと右側メイン通路RPとを含んでいてもよい。この場合、左側メイン通路LPの左側に左側シートユニット群LGが配置され、右側メイン通路RPの右側に右側シートユニット群RGが配置され、左側メイン通路LPと右側メイン通路RPとの間に中央シートユニット群CGが配置されることとなる。
【0015】
図1および
図2に記載の例では、各シートユニット群は、1列または2列に配列された複数のシートユニットを含む。代替的に、シートユニット群は、3列に配列された複数のシートユニットを含んでいてもよい。
【0016】
また、
図1および
図2に記載の例では、全てのシートユニットが前方に向くように配置されているが、少なくとも1つのシートユニットが、斜め前方に向くように配置されていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、少なくとも1つのシートユニットが、後方または斜め後方に向くように配置されていてもよい。
【0017】
(第1の実施形態)
次に、
図3乃至
図7を参照して、第1の実施形態における航空機用シートユニットについて説明する。
図3は、第1シートユニット3aおよび第2シートユニット3bを含むシートユニット集合体の概略斜視図である。
図3は、座部20の状態が、ショート座部状態である状態を示す。
図4は、
図3の状態における座部20を模式的に示す概略縦断面図である。
図5は、第1シートユニット3aおよび第2シートユニット3bを含むシートユニット集合体の概略斜視図である。
図5は、座部20の状態が、ロング座部状態である状態を示す。
図6は、
図5の状態における座部20を模式的に示す概略縦断面図である。
図7は、座部20の状態が、ショート座部状態とロング座部状態との間の遷移状態である状態を示す。
【0018】
第1シートユニット3aは、床FLに取り付けられる取付部10と、座部20と、背もたれ部40(例えば、傾動可能な背もたれ部)とを備える。
【0019】
座部20は、取付部10上に配置され、乗客の臀部(または、乗客の臀部および脚部)を支持する部材である。
【0020】
図3に示されるように、座部20は、第1臀部支持層22および第2臀部支持層27を有する。第1臀部支持層22は、座部20の状態がショート座部状態(
図3に示される状態)であるときに、乗客の臀部に直接接触して臀部を支持する層である。また、
図5に示されるように、第2臀部支持層27は、座部20の状態がロング座部状態(
図5に示される状態)であるときに、乗客の臀部に直接接触して臀部を支持する層である。
【0021】
なお、ショート座部状態とは、具体的には、例えば、乗客が脚を曲げた状態(膝を曲げた状態)で、腰かけることが可能な状態を意味する。また、ロング座部状態とは、具体的には、例えば、乗客が脚を伸ばした状態(膝を伸ばした状態)で、座ることが可能な状態を意味する。ロング座部状態での座面の長さ(前後方向の長さ)は、ショート座部状態での座面の長さ(前後方向の長さ)よりも長い。
【0022】
第1の実施形態における第1シートユニット3aでは、座部20は、ショート座部状態(
図3を参照)とロング座部状態(
図5を参照)との間で状態変更可能である。
【0023】
また、第1の実施形態における第1シートユニット3aでは、ショート座部状態において乗客の臀部を支持する第1臀部支持層22(
図3を参照)は、ロング座部状態において乗客の臀部を支持する第2臀部支持層27(
図5を参照)よりも硬質である。第1臀部支持層22を、第2臀部支持層27よりも硬質にするためには、例えば、第1臀部支持層22を構成するクッション材として、第2臀部支持層27を構成するクッション材よりも硬質なクッション材を採用すればよい。
【0024】
座部20が、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能であり、かつ、座部20が、第2臀部支持層27および第2臀部支持層よりも硬質な第1臀部支持層22を備えることの効果について説明する。
【0025】
第1の効果は、食事、仕事等を行うのに適した姿勢(すなわち、膝を曲げて腰かけた姿勢)と、リラックスするのに適した姿勢(すなわち、膝を伸ばして座った姿勢)とを、乗客が自由に選択できることである。
【0026】
第2の効果は、座部の硬さを、乗客が自由に選択できることである。食事をとる場合、あるいは、仕事を行う場合には、座面のクッション性は硬めであることが好まれる。第1の実施形態では、そのような乗客の要望に応えることができる。他方、リラックスして機内エンターテイメントを楽しむ場合、あるいは、うたた寝をする場合には、座面のクッション性は柔らかめであることが好まれる。第1の実施形態では、そのような乗客の要望に応えることができる。また、ロング座部状態(換言すれば、広い座面)と、柔らかめの座面との組み合わせにより、乗客は、柔らかい座面上で脚の曲げ伸ばしといった姿勢変更を自由に行うことができる。このため、乗客の快適性が向上する。
【0027】
第3の効果は、座部の状態に基づいて、乗客が、リラックス状態にあるのか、緊張状態(例えば、仕事をしている状態)にあるのかを判断可能なことである。フライトアテンダントは、座部の状態に基づいて乗客の状態を把握した上で、乗客に声を掛けることができる。
【0028】
座部20について、更に詳細に説明する。
【0029】
図3に記載の例では、座部20は、第1臀部支持層22を含む上部クッション21と、第2臀部支持層27を含む下部クッション26とを備える。そして、
図3に示されるショート座部状態において、下部クッション26は上部クッション21を支持している。
【0030】
ショート座部状態においては、上部クッション21と下部クッション26とが重ね合わせられるため、座面の高さが十分に確保される。また、下部クッション26が上部クッション21によって覆われているため、下部クッション26が汚れにくい。
【0031】
図4に示されるように、上部クッション21は、下部クッション26に展開可能に接続されていてもよい。より具体的には、上部クッション21は、下部クッション26とヒンジ部25を介して接続されている。
図4に記載の例では、ヒンジ部25は、下部クッション26の前面と上面との交差部分に配置されている。なお、ヒンジ部25は、機械的なヒンジ部(例えば、ピンおよびピンが挿通される孔部等)によって構成されてもよい。代替的に、ヒンジ部25は、座部20の表皮材によって構成されてもよい。換言すれば、上部クッション21を覆う表皮材と下部クッション26を覆う表皮材とが連なっており、表皮材間の連なり部分がヒンジ部25として機能してもよい。
【0032】
上部クッション21と下部クッション26とがヒンジ部25を介して接続されている場合には、上部クッション21を下部クッション26から展開するのが容易である。より具体的には、上部クッション21を、ヒンジ部25を中心として、回動移動させればよい。
図4に記載の例では、上部クッション21を、ヒンジ部25を中心として回動させることにより、上部クッション21は上下に反転する。
【0033】
なお、
図4に記載の例では、上部クッション21の展開時に座面を構成する面、より具体的には、上部クッション21の裏面21aと、下部クッション26の上面26aとが、上部クッション21と下部クッション26との間に位置する。このため、上部クッション21の非展開時に、裏面21aと上面26aとが汚れにくい。
【0034】
図5に示されるように、上部クッション21は、展開時に、客室の床FLから離間した状態に維持されることが好ましい。上部クッション21が、展開時に、床FLと接触しないことにより、上部クッション21の展開時に、上部クッション21が汚れることが防止される。なお、
図5に記載の例では、上部クッション21と床FLとの間に空間SPが存在する。このため、空間SPに靴などを置くことができる。
【0035】
図7を参照して、上部クッション21の展開時に、上部クッション21を支持する機構の一例について説明する。
【0036】
図7に記載の例では、航空機用シートユニット集合体(3a、3b、・・・)は、収納状態と非収納状態との間で状態変更可能なクッション支持部材29を備える。
図7に記載の例では、クッション支持部材29が、第2シートユニット3b(より具体的には、第1シートユニット3aの前方に配置された第2シートユニット3bの背部)に設けられている。代替的に、クッション支持部材29は、第1シートユニット3aまたは床FLに設けられていても構わない。
【0037】
上部クッション21を展開するに際しては、まず、クッション支持部材29の状態を、収納状態(
図3を参照)から非収納状態(
図7を参照)に状態変更する。その後、上部クッション21を、クッション支持部材29上に展開して載置する(
図5を参照)。なお、
図3、
図5、
図7に記載の例では、クッション支持部材29は、第2シートユニット3bに回動自在に取り付けられているが、クッション支持部材29は、第2シートユニット3bに、スライド移動可能に取り付けられていてもよい。また、
図3、
図5、
図7に記載の例では、クッション支持部材29は、板状の部材であるが、クッション支持部材29は、棒状の部材、あるいは、ブロック状の部材であっても構わない。
【0038】
図4および
図6を参照して、上部クッション21の一例について更に説明する。
図4に記載の例では、上部クッション21は、第1臀部支持層22と、ショート座部状態において第1臀部支持層22よりも下方に位置する第2支持層23とを備える。
図6に示されるように、ロング座部状態では、上部クッション21の上下配置が、ショート座部状態から反転する。このため、ロング座部状態では、第2支持層23が第1臀部支持層22の上方に位置する。そして、第2支持層23が、乗客の下脚部に直接接触することとなる。
【0039】
第1の実施形態において、第2支持層23は、第1臀部支持層22よりも軟質であることが好ましい。第2支持層23が軟質であることにより、乗客の下脚部が、第2支持層23によってソフトに支持される。
【0040】
第2支持層23を、第1臀部支持層22よりも軟質にするためには、例えば、第2支持層23を構成するクッション材として、第1臀部支持層22を構成するクッション材よりも硬質なクッション材を採用すればよい。
【0041】
続いて、
図6を参照して、ロング座部状態において、座面を構成する面、より具体的には、上部クッション21の裏面21aと、下部クッション26の上面26aとの関係の一例について説明する。
図6に記載の例では、上部クッション21の裏面21aと、下部クッション26の上面26aとが面一である。このため、ロング座部状態において、第1シートユニット3aは、日本式の座椅子と同じように機能することができる。
図6に記載の例では、ロング座部状態の座部20の座面上に座った乗客は、完全にリラックスすることができる。
【0042】
(第2の実施形態)
次に、
図8乃至
図11を参照して、第2の実施形態における航空機用シートユニットについて説明する。
図8乃至
図10は、第1シートユニット3aおよび第3シートユニット3cの概略斜視図である。
図8は、座部30の状態が、ショート座部状態である状態を示し、
図9は、座部30の状態が、ロング座部状態である状態を示す。また、
図10は、座部30の状態が、ショート座部状態とロング座部状態との間の遷移状態である状態を示す。
図11は、上部クッション31を前方に引き出し可能に構成する機構の一例について説明する図である。
【0043】
図8に示されるように、第1シートユニット3aは、床に取り付けられる取付部10と、座部30と、背もたれ部40(例えば、傾動可能な背もたれ部)とを備える。
【0044】
座部30は、取付部10上に配置され、乗客の臀部(または、乗客の臀部および脚部)を支持する部材である。
【0045】
図9に示されるように、座部30は、第1臀部支持層32および第2臀部支持層37を有する。第1臀部支持層32は、座部30の状態がショート座部状態(
図8に示される状態)であるときに、乗客の臀部に直接接触して臀部を支持する層である。また、
図9に示されるように、第2臀部支持層37は、座部30の状態がロング座部状態(
図9に示される状態)であるときに、乗客の臀部に直接接触して臀部を支持する層である。
【0046】
第2の実施形態における第1シートユニット3aでは、座部30は、ショート座部状態(
図8を参照)とロング座部状態(
図9を参照)との間で状態変更可能である。
【0047】
また、第2の実施形態における第1シートユニット3aでは、ショート座部状態において乗客の臀部を支持する第1臀部支持層32(
図8を参照)は、ロング座部状態において乗客の臀部を支持する第2臀部支持層37(
図9を参照)よりも硬質である。第1臀部支持層32を、第2臀部支持層37よりも硬質にするためには、例えば、第1臀部支持層32を構成するクッション材として、第2臀部支持層37を構成するクッション材よりも硬質なクッション材を採用すればよい。
【0048】
座部30が、ショート座部状態とロング座部状態との間で状態変更可能であり、かつ、座部30が、第2臀部支持層37および第2臀部支持層よりも硬質な第1臀部支持層32を備えることの効果については、第1の実施形態において説明済みであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
【0049】
座部30について、更に詳細に説明する。
【0050】
図8および
図9に記載の例では、座部30は、第1臀部支持層32を含む上部クッション31と、第2臀部支持層37を含む下部クッション36とを備える。そして、
図8に示されるショート座部状態において、上部クッション31は、下部クッション36によって支持されている。
【0051】
第2の実施形態では、上部クッション31を、上下に反転させない状態で、前方に向けて引き出し可能である。第2の実施形態では、上部クッション31が上下に反転しないため、上部クッション31と下部クッション36との間にヒンジ部を設ける必要がない。このため、ヒンジ部が座面のクッション性に悪影響を及ぼすこともない。
【0052】
図11に記載の例では、上部クッション31と、下部クッション36または取付部10とが、連結部材35を介して接続されている。
図11に記載の例では、連結部材35の一端35aが、上部クッション31によって回動可能に支持され、連結部材35の他端35bが、下部クッション36または取付部10によって回動可能かつスライド移動可能に支持されている。なお、上部クッション31を前方に引き出し可能にする機構は、
図11に記載の例に限定されない。換言すれば、上部クッション31を前方に引き出し可能にする機構として、枢動機構および/またはスライド機構を採用してもよいし、これらの機構以外の任意の機構を採用してもよい。
【0053】
図9に示されるように、上部クッション31の下部には、客室の床FLに接触して上部クッション31を支持するクッション支持部34が設けられていてもよい。
【0054】
図9に記載の例では、上部クッション31は、前面部31bを備え、クッション支持部34は前面部31bから下方に突出するように配置されている。なお、前面部31bは、ショート座部状態において、乗客のふくらはぎに対向する部分である。
【0055】
図9に記載の例では、クッション支持部34の床との接触部34aが、前面部31bの前方表面31cよりも後方に後退した位置に配置されている。よって、ショート座部状態において、接触部34aが乗客の脚部と接触することが抑制される。このため、乗客の脚部が汚れることが回避される。なお、
図9に記載の例では、上部クッション31と床FLとの間に空間SPが存在する。このため、空間SPに靴などを置くことができる。
【0056】
(その他の構成)
図12を参照して、第1シートユニット3aまたはシートユニット集合体2が備えるその他の構成の一例について説明する。
図12は、シートユニット集合体を模式的に示す概略平面図である。
【0057】
図12に示されるように、第1シートユニット3aは、オットマン50(換言すれば、フットレスト)を備えていてもよい。オットマン50は、第1シートユニット3aまたは第2シートユニット3bに収納可能、かつ、第1シートユニット3aまたは第2シートユニット3bから引出可能であることが好ましい。オットマン50は、例えば、第2シートユニット3bの背部に収納可能であってもよいし、第1シートユニット3aのテーブル60の下方に収納可能であってもよい。なお、オットマン50を収納可能かつ引出可能にする機構としては、ヒンジ機構、スライド機構、リンク機構等、任意の機構を採用することができる。
【0058】
図12に記載の例では、ロング座部状態の座部(20;30)の側方に、引き出し状態のオットマン50が配置されている。そして、座部20の表面(20a;30a)とオットマン50の表面50aとが、平面視で、L字形状座面を形成している。なお、座部20の表面(20a;30a)とオットマン50の表面50aとは、面一であること、換言すれば、同一高さであることが好ましい。
【0059】
図12に記載の例では、第1シートユニット3aが、L字形状座面を備える。このため、乗客は、足を側方に向けて投げ出すことができる。このため、L字形状座面に座った乗客は、完全にリラックスすることができる。
【0060】
図12に示されるように、第1シートユニット3aは、座部(20;30)の側方にテーブル60を備えていてもよい。また、テーブル60の下方には、小型のバッグ等を収納可能な収納部が設けられていてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、第1シートユニット3aは、座部(20;30)の側方にアームレスト70を備えていてもよい。
【0061】
図12に示されるように、第1シートユニット3aは、パーティション(80a;80b)を備えていてもよい。
図12に記載の例では、パーティション80aは、第1シートユニット3aの後方部分に設けられている。また、パーティション80bは、第1シートユニット3aの側方部分に設けられている。
【0062】
図12に記載の例では、第1シートユニット3aと、第1シートユニット3aの側方の第3シートユニット3cとが一体的に構成されている。代替的に、第1シートユニット3aは、他のシートユニットとは独立して構成されていてもよい。
【0063】
図12には、シートユニット集合体が、4個のシートユニット(3a、3b、3c、3d)を備える例が示されているが、シートユニット集合体2が備えるシートユニットの数は、2個、3個、あるいは、5個以上であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、各乗客は、自身の好みに応じて、座面の硬さ、座面の広さ、着座姿勢を選択することができる。このため、乗客にとっての機内での快適性が向上する。
【0065】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0066】
例えば、実施形態では、ショート座部状態とロング座部状態との間での状態変更が手動によって行われる例について説明された。代替的に、ショート座部状態とロング座部状態との間での状態変更は、電動によって行われてもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、上部クッション(21;31)が、クッション支持部材29またはクッション支持部34によって支持される例について説明された。しかし、上部クッション(21;31)の支持方法に関しては、種々の変形例を採用可能である。
【0068】
図13乃至
図15を参照して、上部クッション21の支持方法の一例について説明する。
【0069】
図13に記載の例では、第1シートユニット3aは、第1臀部支持層22および第2臀部支持層27を有する座部20と、背もたれ部40とを具備する。座部20は、ショート座部状態(
図13(a)を参照。)とロング座部状態(
図13(c)を参照。)との間で状態変更可能である。ショート座部状態において乗客の臀部を支持する第1臀部支持層22は、ロング座部状態において乗客の臀部を支持する第2臀部支持層27よりも硬質であることが好ましい。第1臀部支持層22、第2臀部支持層27、および、座部20については、上述の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0070】
図13に記載の例では、第1シートユニット3aは、上部クッション21を支持するためのクッション支持部材29aを備える。
図13に記載の例では、クッション支持部材29aは、下部クッション26の下方に、引き出し可能に収納されている。
【0071】
クッション支持部材29aが、収納位置にあるとき、クッション支持部材29aは下部クッション26によって上方を覆われているため、クッション支持部材29aが収納時に汚れることはない。また、クッション支持部材29aが、収納位置にあるとき、クッション支持部材29aは下部クッション26によって上方を覆われているため、クッション支持部材29aが収納時に邪魔になることはない。
【0072】
クッション支持部材29aが、収納位置にあるとき、クッション支持部材29aの下部前面29fは、下部クッション26の前面26fよりも後方の後退位置にあることが好ましい。代替的に、あるいは、付加的に、クッション支持部材29aの下部前面29fは、クッション支持部材29aの上部前面29tよりも後方にあることが好ましい。クッション支持部材29aの下部前面29fが、後退した位置にあることにより、クッション支持部材29aが収納時に邪魔になることが更に抑制される。
【0073】
図13(b)に記載の例では、クッション支持部材29aの上部291には、クッション支持部材29aの下部よりも前方に突出した突出部291aが設けられている。当該突出部291aの下面に、クッション支持部材29aを引き出すための把手部291tが設けられていてもよい。
【0074】
続いて、クッション支持部材29aの使用方法の一例について説明する。第1ステップにおいて、クッション支持部材29aが、収納位置(
図13(a)を参照。)から引出位置(
図13(b)を参照。)に引き出される。なお、引出位置は、収納位置の前方にある(換言すれば、平面視で、背もたれ部40から座部20に向かう方向を第1方向DR1と定義する時、引出位置は収納位置の第1方向DR1側にある。)。
【0075】
なお、収納位置から引出位置までの距離、換言すれば、クッション支持部材29aの移動ストロークは、例えば、200mm以上500mm以下、より好ましくは、250mm以上450mm以下である。
【0076】
第2ステップにおいて、上部クッション21が、引出位置にあるクッション支持部材29a上に載置される。上部クッション21が、下部クッション26に展開可能に接続されている場合には、上部クッション21を展開することにより、上部クッション21がクッション支持部材29a上に載置される。
図13(c)に記載の例では、上部クッション21が、ヒンジ部25を介して、下部クッション26に接続されている。この場合、上部クッション21をヒンジ部25まわりに回動させることにより、上部クッション21がクッション支持部材29a上に載置される。
【0077】
代替的に、
図11に例示されるように、上部クッション21が、前方に向けて引き出し可能に構成されている場合には、上部クッション21を、前方に引き出すことにより、上部クッション21がクッション支持部材29a上に載置される。
【0078】
図14に示されるように、クッション支持部材29aの上面29uは、水平面に対して傾斜した傾斜面(より具体的には、後方に向かうにつれて低くなる傾斜面)であってもよい。
図14に記載の例では、上部クッション21の上面が後方に向かうにつれて低くなる傾斜面である。そして、上部クッション21がヒンジ部25まわりを回動されて展開されると、上部クッション21の上面(展開位置では「下面」に相当する面)の傾きが、クッション支持部材29aの上面29uの傾きと一致する。
【0079】
図15に示されるように、第1シートユニット3aの取付部10には、クッション支持部材29aをスライド移動可能に支持するガイド部材10g(例えば、ガイドレール)が設けられていてもよい。また、クッション支持部材29aには、ガイド部材10gによって直接的に支持されるスライド部材29sが設けられていてもよい。
【0080】
図13乃至
図15に記載の例では、ロング座部状態における上部クッション21を床面から離間した状態で支持することができる。このため、ロング座部状態において、上部クッション21の表面が汚れることが抑制される。
【0081】
また、上述の実施形態(
図12に記載の実施形態)では、オットマン50が配置される例について説明された。オットマンの配置および構造に関しては、種々の変形例を採用可能である。
【0082】
図16乃至
図19を参照して、オットマン50bの配置および構造の一例について説明する。
【0083】
図16に記載の例では、第1シートユニット3aが、側部構造体90と、オットマン50b(換言すれば、フットレスト)とを備える。
【0084】
側部構造体90は、座部20の側方に配置された構造体である。側部構造体90は、テーブル60であってもよいし、小型のバッグ等の物品を収納可能な収納部62を備えた収納部材であってもよいし、収納部62付きのテーブル60であってもよいし、アームレスト70であってもよい。
【0085】
図16に記載の例では、オットマン50bが、側部構造体90の下部に引き出し可能に収納されている。
【0086】
オットマン50bが、収納位置にあるとき、オットマン50bは側部構造体90によって上方を覆われているため、オットマン50bが収納時に汚れることはない。また、オットマン50bが、収納位置にあるとき、オットマン50bは側部構造体90によって上方を覆われているため、オットマン50bが収納時に邪魔になることはない。オットマン50bには、オットマン50bを引き出すための把手部51が設けられていてもよい。
【0087】
続いて、オットマン50bの使用方法の一例について説明する。第1ステップにおいて、オットマン50bが、収納位置(
図16(a)を参照。)から引出位置(
図16(b)を参照。)に引き出される。なお、引出位置は、収納位置の前方にある(換言すれば、平面視で、背もたれ部40から座部20に向かう方向を第1方向DR1と定義する時、引出位置は収納位置の第1方向DR1側にある。)。
【0088】
第2ステップにおいて、オットマン50bの位置が、側部構造体90の前方の第1位置(
図16(b)を参照。)から、第1位置の側方かつ座部20の前方の第2位置(
図17(a)を参照。)に位置変更される。
図17(a)に記載の例では、矢印ARで示されるように、オットマン50bを鉛直方向に平行な軸まわりに回転させることにより、オットマン50bの位置が、第1位置(
図16(b)を参照。)から第2位置(
図17(a)を参照。)に位置変更される。
図16(b)に記載の例では、第1位置は、座部20の斜め前方にあり、
図17(a)に記載の例では、第2位置は、座部20の直前にある。
【0089】
第3ステップにおいて、水平面に対するオットマン50bの上面50uの角度が、第1角度から第1角度よりも大きな第2角度に角度変更されてもよい。
図17(b)に記載の例では、オットマン50bは、水平方向に平行な回動軸50xを備え、上面50uは、回動軸まわりを回動することができる。オットマン50bの上面50uの傾き(水平面に対する傾き)を調整可能であることにより、乗客は、自身の足に関して、最も楽な姿勢をとることができる。
【0090】
図16および
図17では、第2ステップにおいて、オットマン50bの位置が、側部構造体90の前方の第1位置(
図16(b)を参照。)から、第1位置の側方かつ座部20の前方の第2位置(
図17(a)を参照。)に位置変更される例が説明された。代替的に、第2ステップにおいて、座部20の状態が、ショート座部状態からロング座部状態に状態変更されてもよい。
【0091】
図18に記載の例では、第2ステップにおいて、上部クッション21の位置が、下部クッション26の上方位置(
図16(b)を参照。)から、下部クッション26の前方位置(
図18を参照。)に位置変更されることにより、座部20の状態が、ショート座部状態からロング座部状態に状態変更される。より具体的には、上部クッション21が、下部クッション26の前方に展開されることにより、座部20の状態が、ショート座部状態からロング座部状態に状態変更される。代替的に、
図11に例示されるように、上部クッション21が、前方に向けて引き出されることにより、座部20の状態が、ショート座部状態からロング座部状態に状態変更されてもよい。
【0092】
図18に記載の例では、ロング座部状態において、座部20の表面およびオットマン50bの表面によって、平面視で、L字形状の表面が形成される。この場合、乗客は、自身の臀部および大腿部を座部20に支持させた状態で、足(foot)を、座部20の側方のオットマン50bに配置することが可能である。このため、乗客は、リラックスした姿勢をとることができる。
【0093】
続いて、
図19を参照して、オットマン50bを引き出すための引き出し機構、および、オットマン50bを回転させるための回転機構の一例について説明する。
【0094】
まず、オットマン50bを引き出す引き出し機構について説明する。
図19に記載の例では、側部構造体90は、ガイド部材90g(例えば、ガイドレール)を備える。また、第1シートユニット3aは、ガイド部材90gに沿ってスライド移動可能なスライド部材52を備え、側部構造体90と、オットマン50bとが、当該スライド部材52を介して接続されている。
【0095】
図19に記載の例において、オットマン50bを第1方向DR1に引っ張ると、スライド部材52が、側部構造体90のガイド部材90gに案内されつつ引き出される。その結果、オットマン50bが一点鎖線で示される引き出し位置に引き出される。なお、オットマン50bを収納位置に戻すためには、オットマン50bを第1方向DR1とは反対の方向に押し込めばよい。
【0096】
次に、オットマン50bを回転させる回転機構について説明する。
図19に記載の例では、スライド部材52には、貫通孔52hが設けられ、オットマン50bには、当該貫通孔52hに挿入されるピン部材50pが設けられている。
【0097】
図19に記載の例において、オットマン50bを矢印AR2方向に押圧すると、オットマン50bが、ピン部材50pまわりに(換言すれば、鉛直方向に平行な軸まわりに)回転する。こうして、オットマン50bを、鉛直方向に平行な軸まわりに回転させる(例えば、鉛直方向に平行な軸まわりに90度回転させる)ことができ、オットマン50bの位置を、側部構造体90の直前の第1位置から、座部20の直前の第2位置に位置変更することができる。
【0098】
なお、
図19に記載の例は、オットマン50bを引き出すための引き出し機構、および、オットマン50bを回転させるための回転機構の一例に過ぎない。これらの機構については、様々な変形例を採用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1:航空機,2:航空機用シートユニット集合体,3:シートユニット,3a:第1シートユニット,3b:第2シートユニット,3c:第3シートユニット,10:取付部,10g:ガイド部材,20:座部,20a:表面,21:上部クッション,21a:裏面,22:第1臀部支持層,23:第2支持層,25:ヒンジ部,26:下部クッション,26a:上面,26f:前面,27:第2臀部支持層,29、29a:クッション支持部材,29f:下部前面,29s:スライド部材,29t:上部前面,29u:上面,30:座部,31:上部クッション,31b:前面部,31c:前方表面,32:第1臀部支持層,34:クッション支持部,34a:接触部,35:連結部材,35a:一端,35b:他端,36:下部クッション,37:第2臀部支持層,40:背もたれ部,50:オットマン,50a:表面,50b:オットマン,50p:ピン部材,50u:上面,50x:回動軸,51:把手部,52:スライド部材,52h:貫通孔,60:テーブル,62:収納部,70:アームレスト,80a:パーティション,80b:パーティション,90:側部構造体,90g:ガイド部材,291:上部,291a:突出部,291t:把手部,CB:客室,CG:中央シートユニット群,FL:床,LG:左側シートユニット群,LP:左側メイン通路,P:メイン通路,RG:右側シートユニット群,RP:右側メイン通路,SP:空間