(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーション
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20220106BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20220106BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220106BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
H02J3/00 150
H02J3/32
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
(21)【出願番号】P 2019556839
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2018060202
(87)【国際公開番号】W WO2018193097
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2019-12-12
(31)【優先権主張番号】102017108562.9
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512197272
【氏名又は名称】ヴォッベン プロパティーズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WOBBEN PROPERTIES GMBH
【住所又は居所原語表記】Borsigstrasse 26, 26607 Aurich Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ブロムバッハ、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ブラーク、イザベル
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-012983(JP,A)
【文献】国際公開第2015/196193(WO,A1)
【文献】特開2012-034438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0079004(US,A1)
【文献】特開2013-013312(JP,A)
【文献】特表2013-502896(JP,A)
【文献】特開2003-174725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00-5/00
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J13/00
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気車両を充電するための充電ステーションを稼働する方法であって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、互いに接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、
又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、
又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御されること
、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの更なる充電ステーションが設けられており、
- 前記複数の充電ステーションは、互いに関連しており、即ち共同で制御され、
又は互いに通信し、
又は互いの間で電力を交換すること
を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 1つの
更なる充電ステーションないし少なくとも1つの更なる充電ステーションが、第1の系統区間に接続されており、
- 該系統区間は、接続された充電ステーションに伝送可能な全電力を制限する電力限界値を有し、
- 最大の全電力を維持するために、各充電ステーションは、ステーション電力限界値を有し、
- 該系統区間のそれらの充電ステーションのステーション電力限界値は、互いに依存して設定され、それにより該系統区間のステーション電力限界値の合計は、最大の全電力限界値を超過しないこと、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
- 各充電ステーションは、予設定されたステーション電力限界値を有し、前記系統区間のそれらの充電ステーションの予設定されたステーション電力限界値の合計は、最大の全電力限界値を超過せず、
- 各充電ステーションは、制御可能な可変のステーション電力限界値を有し、需要に依存して一方の充電ステーションは、自身の可変のステーション電力限界値を自身の予設定されたステーション電力限界値の下へ減少させ、それにより他方の充電ステーションは、自身の可変のステーション電力限界値を自身の予設定されたステーション電力限界値を超えて増加させ、それらの可変のステーション電力限界値の合計は、前記系統区間の最大の全電力限界値を超過しないこと
を特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
- 前記電力分配の制御は、系統区間のうち1つの系統区間内の電圧が変更されるように行われ、それにより該系統区間内の電力潮流が増加ないし低下され、
- 該系統区間内の電圧の変更は、該系統区間内に無効電力又は無効電力部分が供給されることにより制御されること
を特徴とする、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
- 前記電力分配の制御は、系統区間のうち1つの系統区間内の電圧が増加又は低下されるように行われ、それにより該系統区間内の電力潮流が増加ないし低下され、
- 該系統区間内の電圧の増加ないし低下は、前記給電系統から取り込まれる電力を増加又は減少するために、少なくとも1つの充電ステーションの制御可能な可変のステーション電力限界値が増加又は減少されることにより制御されること
を特徴とする、請求項
1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
電力の取り込み
又は電力の供給は、系統状態、
又は系統特性、
又は充電ステーション状態に依存して制御され、
系統状態は、以下のリスト、即ち、
- 系統周波数、
- 系統周波数変化、
- 系統電圧、
- 系統電圧変化、
- 系統内部抵抗、
- ループインピーダンス、
- 系統電圧の高調波成分、
- 第1の系統区間内の有効電流ないし有効電力流、及び、
- 第1の系統区間内の無効電流ないし無効電力流
を有するリストから選択される、給電系統の状態を表すこと、
又は、
系統特性は、以下のリスト、即ち、
- 系統接続ポイントにおける充電ステーションの変更された電力取り出しに対する、系統接続ポイントにおける給電系統の電圧応答として定義されている系統感度、及び、
- 充電ステーションにより取り出し可能な定格電力に対する、系統接続ポイントにおいて給電系統により最大で提供可能な短絡電流の比率を表す短絡電流比
を有するリストから選択される、給電系統の特性を表すこと、
又は、
充電ステーション状態は、以下のリスト、即ち、
- 給電系統から取り込まれている電力、
- 接続された電気車両を充電ステーションで充電するために使用されている充電電力、
- 給電系統への無効電力供給状態、
- ステーション電力限界値、及び、
- 充電ステーションのエネルギー蓄積器のエネルギー余量
を有するリストから選択される、充電ステーションの状態を表すこと
を特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
充電ステーションは、更なる系統ユニットと関連しており、即ち充電ステーションと更なる系統ユニットは、共同で制御され、
又は互いに通信し、
更なる系統ユニットは、以下のリスト、即ち、
- 第1の系統区間内又は第2の系統区間内の電圧の高さを制御することのできる制御可能な切替変圧器、
- 給電系統からの電力を消費するための制御可能な需要家、
- 給電系統に電力を供給するための制御可能な供給装置、及び、
- 更なる充電ステーション
を有するリストから選択されていること
を特徴とする、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
充電ステーションは、統合電力潮流調整器として動作するように
構成されていること
を特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、複数の電気車両を充電するための充電ステーションであって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、
又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、前記給電系統からの電力の取り込み、
又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、
又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御すること
、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする充電ステーション。
【請求項11】
前記系統接続ポイントにおいて前記給電系統から電力
を取り込むために、被制御整流器又は双方向インバータが設けられていること
を特徴とする、請求項
10に記載の充電ステーション。
【請求項12】
給電系統の部分系統であって、
前記部分系統は、
- 第1の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第1の系統区間と、
- 第2の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間とを含み、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に互いに接続されており、
- 複数の電気車両を充電するための少なくとも1つの充電ステーションとを含み、前記充電ステーションは、系統接続ポイントを介して両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間と接続されており、
-
前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されている少なくとも1つの更なる電気的な需要家を含み、前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、
又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーション
を介して作用可能であり、
- 少なくとも1つの制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、
- 前記給電系統からの前記充電ステーションの電力の取り込み、
又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されており、但し、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御され、
又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されること
、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする部分系統。
【請求項13】
- 請求項10又は11に記載の充電ステーションが少なくとも1つ使用され、
及び、
- 各充電ステーションは、非集中的制御ユニットを有し、前記非集中的制御ユニットは、電力の取り込み又は供給を連携して制御するために、少なくとも1つの更なる制御ユニットと通信するように構成されていること
を特徴とする、請求項12に記載の部分系統。
【請求項14】
前記部分系統は、中央制御ユニットを有し、前記中央制御ユニットは、電力の取り込み
又は供給を連携して制御するために、少なくとも1つの更なる制御ユニットと通信し、所定の目標値を充電ステーションに伝送するように構成されていること
を特徴とする、請求項
12又は
13に記載の部分系統。
【請求項15】
前記制御ユニット
又は前記充電ステーションは、外部信号を受信して処理するために、外部信号入力部を有すること
を特徴とする、請求項
12~
14のいずれか一項に記載の部分系統。
【請求項16】
系統状態、
又は系統特性、
又は充電ステーション状態を検知するための測定手段が設けられており、
系統状態は、以下のリスト、即ち、
- 系統周波数、
- 系統周波数変化、
- 系統電圧、
- 系統電圧変化、
- 系統内部抵抗、
- ループインピーダンス、
- 系統電圧の高調波成分、
- 第1の系統区間内の有効電流ないし有効電力流、及び、
- 第1の系統区間内の無効電流ないし無効電力流
を有するリストから選択される、給電系統の状態を表すこと、
又は、
系統特性は、以下のリスト、即ち、
- 系統接続ポイントにおける充電ステーションの変更された電力取り出しに対する、系統接続ポイントにおける給電系統の電圧応答として定義されている系統感度、及び、
- 充電ステーションにより取り出し可能な定格電力に対する、系統接続ポイントにおいて給電系統により最大で提供可能な短絡電流の比率を表す短絡電流比
を有するリストから選択される、給電系統の特性を表すこと、
又は、
充電ステーション状態は、以下のリスト、即ち、
- 給電系統から取り込まれている電力、
- 接続された電気車両を充電ステーションで充電するために使用されている充電電力、
- 給電系統への無効電力供給状態、
- ステーション電力限界値、及び、
- 充電ステーションのエネルギー蓄積器のエネルギー余量
を有するリストから選択される、充電ステーションの状態を表すこと
を特徴とする、請求項
12~
15のいずれか一項に記載の部分系統。
【請求項17】
前記充電ステーションは、給電系統内の電流の位相角を変更または設定するために、統合電力潮流調整器を有すること
を特徴とする、請求項
10又は
11に記載の充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーションを稼働する方法に関する。本発明は、複数の電気車両を充電するための充電ステーションにも関する。本発明は、充電ステーションの部分系統にも関する。
【背景技術】
【0002】
電気移動手段の成長に伴い、ますます多くの電気車両ないし電気自動車がプライベート領域のためだけに限らず、道路交通における商業事業のためにも認可される傾向が認められる。
【0003】
従って電気車両の数の増加により、電気車両を充電することのできる充電システムないし充電ステーションを広域にわたり設置する必要性も増加している。この際、充電システムは、多くの場合、給電系統(給電網:電力系統)から車両を充電するための電力を取り込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】US 8,981,708 B2
【文献】DE 10 2010 002 237 A1
【文献】DE 10 2011 008 675 A1
【文献】DE 10 2012 101 799 A1
【文献】US 2011/0106321 A1
【文献】US 2016/0224045 A1
【文献】EP 2 592 709 A1
【文献】WO 2016/120240 A1
【非特許文献】
【0005】
【文献】ISLAM, F.R.; POTA, H.R.; ALI, M.S.: V2G technology to design a virtual UPFC. In: 11th International Conference on Environment and Electrical Engineering, Venice, 2012, S. 568-573. In: IEEE Xplore [online]. DOI: 10.1109/EEEIC.2012.6221441, In: IEEE.
【文献】KREIKEBAUM, F. (et al.): Ubiquitous power flow control in meshed grids. In: IEEE Energy Conversion Congress and Exposition, San Jose, CA, 2009, S 3907-3914. In: IEEE Xplore [online]. DOI: 10.1109/ECCE.2009.5316035, In: IEEE.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その際、給電系統には、将来的に遭遇せざるを得ない問題が発生する可能性がある。密集中心地、高速道路サービスエリア、又は大都市の都心部では、そこで同時に極めて多くの電気車両が充電される必要があり且つ比較的局所的に多くの電力が極めて短い時間で必要とされる場合には、様々な系統問題が発生する可能性がある。特にそのような中心地では、充電システムの接続された接続ラインが要求電力を伝送できるように設計されていない場合には、電圧問題や電力隘路(パワーボトルネック)が発生する可能性がある。
【0007】
同様にそのような中心地では、電気車両の数に限らず、高速充電システムも、給電系統の運転にとって困難な問題である。電気車両を充電するための高速充電システムは、必ずしも常に充電ステーションで提供できるとは限らない多くの電力を極めて短い時間で必要とする。この際、認可される電気車両の数、並びに急速充電システムの普及も、近い将来に増加すると想定される。
【0008】
従って将来的には、短い時間で極めて大きな負荷潮流(ロードフロー)又は電力潮流(パワーフロー)が給電系統を介して充電ステーションに輸送されて提供されなければならないということが予想される。この際、充電ステーションの接続された系統区間がこの高い電力需要ないしこれらの高い電力潮流のために設計されているということが、常に保証されているわけではない。事情により系統拡充措置を実行する必要があるが、これらの系統拡充措置は、望まれない追加的なコストと常に結び付いている。
【0009】
従って系統拡充が行われなければならない以前に、むしろ、給電系統の系統区間内の既存の系統ラインないしそれらの電力限界値(パワーリミット)をできるだけ最大に且つ効果的に利用可能とすることが望まれる。
【0010】
上記特許文献1から、電気車両の蓄電器を交流電圧系統から充電することができ且つ交流電圧系統に給電することができる充電装置が公知である。
【0011】
ドイツ特許商標庁は、本出願に対する優先権出願において、上記の従来技術、即ち上記特許文献1~8、上記非特許文献1~2を調査した。
【0012】
従って本発明の課題は、上述の問題点の少なくとも1つに対処することである。特には、少なくとも、所定の系統区間内の電力潮流の制御を可能とする解決策が提案されるべきである。また、少なくとも、今まで既知の解決策に対して代替的な解決策が提案されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明により、請求項1に記載の方法が提案される。
即ち本発明の第1の視点により、
複数の電気車両を充電するための充電ステーションを稼働する方法であって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、互いに接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御されること
を特徴とする方法が提供される。
より詳しくは、前記第1の視点において、
複数の電気車両を充電するための充電ステーションを稼働する方法であって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、互いに接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御されること、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする。
更に本発明の第2の視点により、
前記方法を実行するように構成されている、複数の電気車両を充電するための充電ステーションであって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、前記給電系統からの電力の取り込み、及び/又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御すること
を特徴とする充電ステーションが提供される。
より詳しくは、前記第2の視点において、
前記方法を実行するように構成されている、複数の電気車両を充電するための充電ステーションであって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、前記給電系統からの電力の取り込み、又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御すること、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする。
更に本発明の第3の視点により、
給電系統の部分系統であって、
前記部分系統は、
- 第1の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第1の系統区間と、
- 第2の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間とを含み、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に互いに接続されており、
- 複数の電気車両を充電するための少なくとも1つの充電ステーションとを含み、前記充電ステーションは、系統接続ポイントを介して両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間と接続されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家を含み、前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 少なくとも1つの制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、
- 前記給電系統からの前記充電ステーションの電力の取り込み、及び/又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されており、但し、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御され、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されること
を特徴とする部分系統が提供される。
より詳しくは、前記第3の視点において、
給電系統の部分系統であって、
前記部分系統は、
- 第1の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第1の系統区間と、
- 第2の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間とを含み、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に互いに接続されており、
- 複数の電気車両を充電するための少なくとも1つの充電ステーションとを含み、前記充電ステーションは、系統接続ポイントを介して両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間と接続されており、
- 前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されている少なくとも1つの更なる電気的な需要家を含み、前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 少なくとも1つの制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、
- 前記給電系統からの前記充電ステーションの電力の取り込み、又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されており、但し、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御され、又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されること、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること
を特徴とする。
尚、本願の特許請求の範囲において場合により付記される図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーションを稼働する方法であって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、互いに接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御されること。
(形態2)前記方法において、
少なくとも1つの更なる充電ステーションが設けられており、
- 前記複数の充電ステーションは、互いに関連しており、特に共同で制御され、及び/又は互いに通信し、及び/又は、特に接続された直流電圧中間回路を介して、互いの間で電力を交換し、
- 好ましくは、少なくとも1つの更なる充電ステーションも、
- 前記給電系統からの電力の取り込み、及び/又は前記給電系統への電力の供給を、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御すること、が好ましい。
(形態3)前記方法において、
- 1つの充電ステーションないし少なくとも1つの更なる充電ステーションが、第1の系統区間に接続されており、
- 該系統区間は、接続された充電ステーションに伝送可能な全電力を制限する電力限界値を有し、
- 最大の全電力を維持するために、各充電ステーションは、ステーション電力限界値を有し、
- 該系統区間のそれらの充電ステーションのステーション電力限界値は、互いに依存して設定され、それにより該系統区間のステーション電力限界値の合計は、最大の全電力限界値を超過せず、
- 好ましくは、ステーション電力限界値は、需要に依存して制御され、特に一方の充電ステーションが、自身のステーション電力限界値を需要に依存して減少する場合には、同じ系統区間の他方の充電ステーションが、自身のステーション電力限界値を増加すること
、が好ましい。
(形態4)前記方法において、
- 各充電ステーションは、予設定されたステーション電力限界値を有し、前記系統区間のそれらの充電ステーションの予設定されたステーション電力限界値の合計は、最大の全電力限界値を超過せず、
- 各充電ステーションは、制御可能な可変のステーション電力限界値を有し、需要に依存して一方の充電ステーションは、自身の可変のステーション電力限界値を自身の予設定されたステーション電力限界値の下へ減少させ、それにより他方の充電ステーションは、自身の可変のステーション電力限界値を自身の予設定されたステーション電力限界値を超えて増加させ、それらの可変のステーション電力限界値の合計は、前記系統区間の最大の全電力限界値を超過しないこと、が好ましい。
(形態5)前記方法において、
- 第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、
- 第2の系統区間は、第2の電力潮流を有し、
- 1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の電力潮流と第2の電力潮流の間の伝送電力の電力分配が少なくとも部分的に制御されるように、電力の取り込み又は供給を制御すること、が好ましい。
(形態6)前記方法において、
- 前記電力分配の制御は、系統区間のうち1つの系統区間内の電圧が変更されるように行われ、それにより該系統区間内の電力潮流が増加ないし低下され、
- 該系統区間内の電圧の変更は、該系統区間内に無効電力又は無効電力部分が特に無効電力又は無効電力部分の容量性又は誘導性の供給を介して供給されることにより制御されること、が好ましい。
(形態7)前記方法において、
- 前記電力分配の制御は、系統区間のうち1つの系統区間内の電圧が増加又は低下されるように行われ、それにより該系統区間内の電力潮流が増加ないし低下され、
- 該系統区間内の電圧の増加ないし低下は、前記給電系統から取り込まれる電力を増加又は減少するために、少なくとも1つの充電ステーションの制御可能な可変のステーション電力限界値が増加又は減少されることにより制御されること、が好ましい。
(形態8)前記方法において、
電力の取り込み及び/又は電力の供給は、系統状態、及び/又は系統特性、及び/又は充電ステーション状態に依存して制御され、
系統状態は、以下のリスト、即ち、
- 系統周波数、
- 系統周波数変化、
- 系統電圧、
- 系統電圧変化、
- 系統内部抵抗、及び/又はループインピーダンス、
- 系統電圧の高調波成分、
- 第1の系統区間内の有効電流ないし有効電力流、及び、
- 第1の系統区間内の無効電流ないし無効電力流
を有するリストから選択される、給電系統の状態を表すこと、及び/又は、
系統特性は、以下のリスト、即ち、
- 特に系統接続ポイントにおける充電ステーションの変更された電力取り出しに対する、系統接続ポイントにおける給電系統の電圧応答として定義されている系統感度、及び、
- 充電ステーションにより取り出し可能な定格電力に対する、系統接続ポイントにおいて給電系統により最大で提供可能な短絡電流の比率を表す短絡電流比
を有するリストから選択される、給電系統の特性を表すこと、及び/又は、
充電ステーション状態は、以下のリスト、即ち、
- 給電系統から取り込まれている電力、
- 接続された電気車両を充電ステーションで充電するために使用されている充電電力、
- 給電系統への無効電力供給状態、
- ステーション電力限界値、及び、
- 充電ステーションのエネルギー蓄積器のエネルギー余量
を有するリストから選択される、充電ステーションの状態を表すこと、が好ましい。
(形態9)前記方法において、
充電ステーションは、更なる系統ユニットと関連しており、特に充電ステーションと更なる系統ユニットは、共同で制御され、及び/又は互いに通信し、
更なる系統ユニットは、以下のリスト、即ち、
- 第1の系統区間内又は第2の系統区間内の電圧の高さを制御することのできる制御可能な切替変圧器、
- 給電系統からの電力を消費するための制御可能な需要家、
- 給電系統に電力を供給するための制御可能な供給装置、特に風力発電装置及び/又はウインドパーク、及び、
- 更なる充電ステーション
を有するリストから選択されていること、が好ましい。
(形態10)前記方法において、
充電ステーションは、特に給電系統内の電流の位相角を変更または設定するために、統合電力潮流調整器として動作するように準備されていること、が好ましい。
(形態11)
前記方法を実行するように構成されている、複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーションであって、
- 前記充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、前記系統接続ポイントを介して前記給電系統から電気エネルギーが供給され、
- 前記系統接続ポイントは、前記給電系統の第1の系統区間に配設されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、
- 第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されており、
- 前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能であり、
- 前記充電ステーションは、前記給電系統からの電力の取り込み、及び/又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御されるように、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されるように、制御すること。
(形態12)前記充電ステーションにおいて、
前記系統接続ポイントにおいて前記給電系統から電力の取り込むために、被制御整流器又は双方向インバータが設けられていること、が好ましい。
(形態13)
給電系統の部分系統であって、
前記部分系統は、
- 第1の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第1の系統区間と、
- 第2の電力潮流が発生する、前記給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間とを含み、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に互いに接続されており、
- 複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための少なくとも1つの充電ステーションとを含み、前記充電ステーションは、系統接続ポイントを介して両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間と接続されており、
- 少なくとも1つの更なる電気的な需要家を含み、前記少なくとも1つの更なる電気的な需要家、及び/又は前記少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーション介して作用可能であり、
- 少なくとも1つの制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、
- 前記給電系統からの前記充電ステーションの電力の取り込み、及び/又は前記給電系統への前記系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されており、但し、
- 前記系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御され、及び/又は、
- 少なくとも、前記少なくとも1つの第2の系統区間内において電力潮流が制御されること。
(形態14)前記部分系統において、
- 前記充電ステーションが少なくとも1つ使用され、及び/又は、
- 各充電ステーションは、非集中的制御ユニットを有し、前記非集中的制御ユニットは、電力の取り込み及び/又は供給を連携して制御するために、少なくとも1つの更なる制御ユニットと通信するように構成されていること、が好ましい。
(形態15)前記部分系統において、
前記部分系統は、中央制御ユニットを有し、前記中央制御ユニットは、電力の取り込み及び/又は供給を連携して制御するために、少なくとも1つの更なる制御ユニットと通信し、所定の目標値を充電ステーションに伝送するように構成されていること、が好ましい。
(形態16)前記部分系統において、
前記制御ユニット及び/又は前記充電ステーションは、外部信号を受信して処理するために、外部信号入力部を有すること、が好ましい。
(形態17)前記部分系統において、
系統状態、及び/又は系統特性、及び/又は充電ステーション状態を検知するための測定手段が設けられており、
系統状態は、以下のリスト、即ち、
- 系統周波数、
- 系統周波数変化、
- 系統電圧、
- 系統電圧変化、
- 系統内部抵抗、及び/又はループインピーダンス、
- 系統電圧の高調波成分、
- 第1の系統区間内の有効電流ないし有効電力流、及び、
- 第1の系統区間内の無効電流ないし無効電力流
を有するリストから選択される、給電系統の状態を表すこと、及び/又は、
系統特性は、以下のリスト、即ち、
- 特に系統接続ポイントにおける充電ステーションの変更された電力取り出しに対する、系統接続ポイントにおける給電系統の電圧応答として定義されている系統感度、及び、
- 充電ステーションにより取り出し可能な定格電力に対する、系統接続ポイントにおいて給電系統により最大で提供可能な短絡電流の比率を表す短絡電流比
を有するリストから選択される、給電系統の特性を表すこと、及び/又は、
充電ステーション状態は、以下のリスト、即ち、
- 給電系統から取り込まれている電力、
- 接続された電気車両を充電ステーションで充電するために使用されている充電電力、
- 給電系統への無効電力供給状態、
- ステーション電力限界値、及び、
- 充電ステーションのエネルギー蓄積器のエネルギー余量
を有するリストから選択される、充電ステーションの状態を表すこと、が好ましい。
(形態18)前記充電ステーションにおいて、
前記充電ステーションは、給電系統内の電流の位相角を変更または設定するために、統合電力潮流調整器を有すること、が好ましい。
【0015】
本発明による方法は、複数の電気車両、特に自動車を充電するための充電ステーションを稼働するために設けられている。この際、複数の充電ポールを含むことのできる充電ステーションは、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続される。従って充電ステーションは、給電系統から電気エネルギーないし電力を取り込むことができる。それに加え、充電ステーションは、同様に電力を給電系統に供給するように準備(構成)されている。それにより充電ステーションは、需要家(消費装置 Verbraucher)としてだけではなく、電力発生器(Erzeuger)と見なすこともできる。この際、充電ステーションは、需要に応じて有効電力及び/又は無効電力を給電系統に供給する。従って充電ステーションは、給電系統に対して能動的に作用し、ないし変更をもたらし、受動的な需要家のように機能するだけではない。
【0016】
この際、充電ステーションは、給電系統の第1の系統区間における系統接続ポイントに配設されており、単相又は多相の交流を取り込む又は供給することができる。系統接続ポイントは、一般的にPCC(英語:Point of Commom Coupling 共通カップリング点)とも呼ばれる。
【0017】
充電ステーションが接続されている第1の系統区間の他に、例えば工場や住宅建造物のような更なる電気的な需要家を給電系統の更なる第2の系統区間に接続させることもできる。この際、充電ステーションが接続されている系統区間は、第2の系統区間と接続されている。この際、この接続は、必ずしも直接的である必要はなく、それによりそれらの系統区間の間に更なる系統区間又は変圧器(トランス)を配設することもできる。
【0018】
しかし2つの系統区間の電気的な接続により、少なくとも1つの更なる需要家及び/又は少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能である。例えば前記充電ステーションが系統接続ポイントにおいて電流ないし無効電力を給電系統に印加すると、このことは、電気的な前記需要家及び/又は第2の系統区間に対して作用を及ぼす。この際、その更なる需要家は、第2の充電ステーションであってもよい。
【0019】
従って充電ステーションは、給電系統からの電力の取り込み、及び/又は給電系統への系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されている。この際、充電ステーションの制御は、変更された系統電圧ないし変更された電力潮流が当該充電ステーションのPCCだけで生じるのではなく、当該充電ステーションが直接的には接続されていない他の系統部区間も、当該充電ステーションを介して作用できるように行われる。
【0020】
従って他の系統区間内の電力潮流及び/又は系統電圧の制御は、好ましくは、それぞれの系統接続ポイントにおける充電ステーションの電力取り出しの目標を定めた制限により又は目標を定めた電力供給を介して行われる。特に系統電圧は、無効電力供給又は無効電力取り出しを介して制御されることが可能である。
【0021】
電力潮流は、少なくとも部分的にメッシュ系統又はリング系統において、例えば強くは十分活用されていない系統区間を介し、例えば充電すべき電気自動車が多くある前述の中心地のような、高い電力需要を伴う系統区間へと迂回され得ることが認識された。少なくとも、負荷潮流の分配状況を変更することができる。従って負荷潮流の制御ないし電圧の制御により、強くは十分活用されていない系統区間を、電力潮流又はその一部分のための一種の迂回路として使用することができる。
【0022】
従って本発明による方法は、充電ステーションが電力潮流を制御し、系統隘路が減少させ得ることを可能にする。
【0023】
それに加え又はそれに代わり、本発明による方法は、系統区間内の不足電圧又は過電圧を防止できるように、電圧制御を可能にする。
【0024】
更にそれに加え又はそれに代わり、系統電圧の制御及び/又は負荷潮流の制御は、有効電力の供給又は取り出しに依存しないで実行されることが可能である。
【0025】
好ましくは、少なくとも1つの更なる充電ステーションが1つの更なる系統区間ポイントに設けられる。この際、少なくとも2つの充電ステーション(第1の系統区間内の充電ステーションと第2の系統区間内の充電ステーション)は、連携して制御されるべきあり、ないし互いに通信すべきである。従って各充電ステーションは、それ自体で見ると、系統接続ポイントにおいて給電系統に接続され、それぞれ、それ自体で、給電系統から電力を取り込み、又は給電系統に電力を供給するように準備(構成)されている。
【0026】
好ましくは、それらの充電ステーションは、それらの充電ステーションが互いにエネルギーを交換できるように接続(カップリング)されている。好ましくは、少なくとも1つのウインドパークとの接続も行うことができる。好ましい接続(カップリング)は、接続すべき複数のユニット、即ち少なくとも1つのウインドパークとそれらの充電ステーション(複数)は、それぞれ直流電圧中間回路を有し、これらの直流電圧中間回路が直接的に接続されるように実行される。それによりユニットの間の負荷潮流、特に充電ステーション(複数)の間の負荷潮流を直接的に交換することができ、従って一方の充電ステーションの十分活用の度合いが強く、他方の充電ステーションの十分活用の度合いが弱いという状況を考慮することができる。
【0027】
この際、それらの充電ステーションは、適切な通信ネットワークを介して通信し、それにより少なくとも2つの充電ステーションの連携された制御が可能である。例えば、互いの適合調整は、電力取り出しを介して行われることが可能であり、それにより一方の充電ステーションの高い電力取り出しは、他方の充電ステーションによる対応して低い電力取り出しにより補償されることが可能であり、結果として系統が過負荷になることはない。
【0028】
この際、共通の制御ないし連携された制御は、例えば、充電ステーション内に直接的に配設されている制御ユニットにより実行されることが可能である。同様に所定の上位の制御ユニットが充電ステーションの連携された制御を行うこともできる。
【0029】
従って電力潮流は、複数の異なる系統接続ポイント、即ちそこにも充電ステーションが接続されている系統区間において作用されることが可能である。
【0030】
例えば、第1の充電ステーションが、現在、系統区間内にあるよりも多くの電力を給電系統から取り込みたいとした場合には、第1の充電ステーションは、更なる充電ステーションに対し、より高い電力需要を通知することができる。それに応じ、事情によりまだ完全には十分活用されていない第2の充電ステーションは、無効電力を供給することができ、又はむしろエネルギー蓄積器(蓄電装置)から有効電力を直接的に供給することができる。この際、目標を定めて供給された無効電力により、変更された電力潮流が生じ、それにより第1の充電ステーションに対しては、無制御の系統区間内におけるよりも高い追加的な電力潮流が発生する。
【0031】
更なる一実施形態では、1つの充電ステーションないし少なくとも1つの更なる充電ステーションが、第1の系統区間に接続されており、この系統区間は、電力限界値(パワーリミット)を有することが提案される。この際、この電力限界値は、接続された充電ステーションに伝送することのできる最大で伝送可能な全電力を表す。この際、電力限界値は、系統区間の構造上の構成に依存するだけではなく、系統状態又は系統特性にも依存する。典型的に系統区間の電力限界値は、導体横断面、存在する相の数のような系統接続ラインの構造上の構成、又は印加された電圧に依存する。観察される系統接続ラインの長さも1つの役割を果たすことができる。
【0032】
系統区間の電力制限を維持するために、各充電ステーションは、それ自体でそれぞれ、変更可能な固有のステーション電力限界値を有する。
【0033】
従って各充電ステーションは、1つの系統区間内で発生することのできる最大可能な電力潮流に適合される固有の電力限界値を有することが提案される。例えば、ある充電ステーションの系統接続ポイントにおいて電圧の低下が強すぎる場合には、このことは、系統区間内の電力が低すぎることを示唆するが、電力限界値が減少されることにより系統からの当該充電ステーションの電力取り出しが軽減される。
【0034】
従ってステーション電力限界値の適合(マッチング)により、充電ステーションの系統接続ポイントにおける電圧が危険な値より低く低下することはない。
【0035】
更に複数のステーション電力限界値は、複数の充電ステーションが接続されている系統区間のステーション電力限界値の合計が系統区間の最大の全電力限界値を超過しないように、互いに依存して設定されることが提案される。
【0036】
従って充電ステーションを稼働する当該方法は、最大で提供される系統区間の電力に適合されるかたちで、給電系統から取り出される電力の適合制限を可能にする。従って電力隘路が軽減される。また全てのステーション電力限界値の合計が系統区間の全電力限界値を超過しない限り、1つの充電ステーションが自身のステーション電力限界値を超過できることが可能とされる。
【0037】
好ましくは、更に各充電ステーションが制御可能な可変のステーション電力限界値を有することが提案される。
【0038】
この際、ステーション電力限界値は、需要に依存して制御され、それにより2つの充電ステーションが接続されている同じ系統区間において他方の充電ステーションが自身のステーション電力限界値を増加する場合には、一方の充電ステーションは、自身のその都度のステーション電力限界値を需要に応じて減少する。特に需要に依存したステーション電力限界値の制御により、系統の現在の状態が考慮されることが可能とされる。複数の充電ステーションの間の電力分配は、柔軟(フレキシブル)に且つ動的(ダイナミック)に制御されることが可能であり、それにより変更された状況に対して迅速に適合される。
【0039】
ある系統内で例えば電力が少なすぎる場合には、充電ステーションは、当該系統から取り出す電力が多すぎないように自身のステーション電力限界値を下方に修正する。それに対し、例えば大きな需要家が例えば目下のところ非活動中であるために大量の電力が使用可能な状態にある場合には、需要に応じてステーション電力限界値を引き上げることもできる。
【0040】
更に一方の充電ステーションが自身の可変のステーション電力限界値を低下させることが可能であり、それにより他方の充電ステーションは、自身の可変のステーション電力限界値を自身の予設定されたステーション電力限界値を超えて増加させる。
【0041】
従って本発明による方法は、好ましくは系統から電力を所定の充電ステーションに供給し、充電ステーションの変更された電力取り出しにより電力潮流を変更することを可能にする。
【0042】
一実施形態により、第1の系統区間は、第1の電力潮流を有し、第2の系統区間は、第2の電力潮流を有することが提案される。1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションのうち少なくとも1つは、第1の系統区間と第2の系統区間の間の第1の電力潮流と第2の電力潮流の電力分配が部分的に制御され得るように、電力の取り込み又は供給により、当該充電ステーションが接続されている系統区間に作用する。
【0043】
一例としてメッシュ形状の系統から出発すると、目標を定めた電力の取り込み又は供給は、第1の系統区間内の第1の負荷潮流が増加又は減少されるか、或いは第2の系統区間内の第2の負荷潮流が増加又は減少され得るように、制御されることが可能である。
【0044】
そのために両方の系統区間内の両方の電力潮流は、電力制限ができるだけ最大に利用されるように制御される。
【0045】
従って両方の電力潮流は、それぞれの系統区間内の電力需要に応じて制御されることが可能である。例えば両方の系統区間のうち一方の系統区間内で、当該系統区間の電力制限よりも高い電力需要が要求される場合には、充電ステーションの負荷潮流の制御を介し、追加的な電力を、所定の他の経路を通じ、負荷いっぱいになった系統区間内の需要家に対して提供することができる。
【0046】
従って特に過負荷状態の系統区間が負荷解除(軽減)され、弱い利用状態の系統区間がより多くの電力で稼働されるように、異なる系統区間内の電力潮流が充電ステーションを介して制御されることが提案される。
【0047】
本発明による方法の更なる一実施形態において、電力分配の制御は、系統区間のうち1つの系統区間内の電圧が変更されるように行われることが提案される。この際、系統区間内の電圧は、系統区間内で無効電力ないし系統供給(電力)の無効電力部分が供給されることにより変更される。この際、無効電力供給は、極めて一般的に容量性か又は誘導性で行われることが可能である。電圧の供給が容量性か又は誘導性で行われるかに応じ、系統接続ポイントの領域内の電圧に関して電流の位相位置が変化する。系統接続ポイントにおける変更された電圧により、又は位相位置の変化により、系統区間内には他の電力潮流、即ち例えば増加された電力潮流、又は減少された電力潮流が生じる。従って充電ステーションの系統接続ポイントにおける目標を定めた無効電力供給、又は目標を定めた無効電力取り出しは、少なくとも1つの系統区間内の負荷潮流を変化させる。
【0048】
特に1つの系統区間内への無効電力供給は、当該系統区間内に存在する無効電流がゼロに補償されるように行われることが可能であり、それによりこの系統区間は、より多くの有効電力を搬送することができる。
【0049】
更なる一実施形態により、電力分配の制御は、可変のステーション電力限界値の制御により行われることが提案される。この際、各充電ステーションは、前述のように、可変であり従って増加又は減少させることのできるステーション電力限界値を有する。この際、増加されたステーション電力限界値とは、充電ステーションが給電系統からより多くの電力を取り込んでよいことを意味する。それに対し、より低いステーション電力限界値とは、給電系統から取り出してよい電力がより少ないことを意味する。従って充電ステーションが制御可能な需要家(Verbraucher)のように挙動するように、ステーション電力限界値を制御することができる。例えば、目下のところ極めて交通量の多い高速道路の路線側にある充電ステーションがより多くの電力を取り出すべき場合には、この充電ステーションでは、現時点で交通量の少ない高速道路の反対の路線側にある充電ステーションよりも、系統からより多くの電力を取り出してよいことが可能である。例えば朝と夕方の通勤交通の間で、又は往路交通と復路交通の間で、又は予見されない迂回状況のために、例として述べた高速道路の路線側の負荷状態が変化する場合には、電力分配を変更させることができる。このことは、ステーション電力限界値の変更により行うことができる。
【0050】
複数のステーション電力限界値の変更は、簡単な方式で複数の充電ステーションの分配に作用することができるという利点を有し、それにもかかわらず充電ステーションは、自身の調整についてある程度の独自性を維持する。
【0051】
従って本発明による方法は、給電系統から取り出される電力が制限されることにより、充電ステーションを制御可能な負荷として稼働させることを可能にする。
【0052】
それに加え、更なる一実施形態により、電力の取り込み及び/又は電力の供給は、系統状態、及び/又は系統特性、及び/又は充電ステーション状態に依存して制御されることが提案される。
【0053】
この際、系統状態は、以下のリストにある給電系統の状態として表される:
- 系統周波数、特に50Hz又は60Hzのような定格周波数からのずれ
- 系統周波数変化、即ち時間あたりの系統周波数の変化
- 系統電圧
- 系統電圧変化、即ち時間あたりの系統電圧の変化
- 外側導体と中性導体の間で測定される系統内部抵抗ないし系統インピーダンス、及び/又は外側導体と保護導体の間で測定されるループインピーダンス
- 系統電圧の高調波成分
- 第1の系統区間内の有効電流ないし有効電力流
- 第1の系統区間内の無効電流ないし無効電力流
【0054】
この際、給電系統の系統特性は、系統感度と短絡電流比として表される。この際、系統感度は、系統接続ポイントにおける充電ステーションの変更された電力取り出し又は電力供給に対する、系統接続ポイントにおける給電系統の電圧応答を表す。
【0055】
短絡電流比は、充電ステーションにより取り出し可能な定格電力に関する、系統接続ポイントにおいて給電系統により最大で提供可能な短絡電流の比率として理解される。
【0056】
更に本発明による方法は、充電ステーション状態に依存して電力の取り込み及び電力の供給を制御することを提案する。この際、充電ステーション状態は、給電系統から現在取り込まれている電力、又は接続された電気車両を充電するために現在使用されている充電電力のような、充電ステーションの現在の状態を表す。更に充電ステーション状態としては、給電系統への現在の無効電力供給状態、及び/又は給電系統への現在の有効電力供給状態も考慮される。
【0057】
有効電力及び/又は無効電力は、検知された系統電圧と、それに対応する検知された電流とから、それに加えて検知された系統電圧に対する検知された電流の位相位置(状態)が既知であれば、決定されることが可能である。
【0058】
更に充電ステーションにおいてその都度で現在に設定されているステーション電力限界値、並びに、充電ステーション内にエネルギー蓄積器がある場合には、同様にそのようなエネルギー蓄積器のまだ存在するエネルギー余量(reserve)も、充電ステーション状態に割り当てられる。この際、給電系統への有効電力供給が充電ステーションにより実行される場合には、例えばエネルギー蓄積器が必要とされる。
【0059】
更なる一実施形態により、1つの充電ステーションないし複数の充電ステーションは、互いに通信するだけではなく、更なる複数の系統ユニットと通信することが提案される。この際、特には、充電ステーションとそれらの更なる系統ユニットは共同で制御され得ることが考慮されている。この際、1つの系統ユニットは、例えば系統区間内の制御可能な切替変圧器(スイッチングトランス)としてよく、切替変圧器は、切替変圧器が配設されているそれぞれの系統区間内の電圧の高さを適合させることができる。それに加え、更なる系統ユニットは、制御可能な需要家(消費装置)や制御可能な供給ユニットとすることができる。
【0060】
従って系統内の電力が多すぎる又は少なすぎる場合には、制御可能な需要家は、需要に依存して充電ステーションと連携して制御され、ないしスイッチオン又はスイッチオフされることが可能である。
【0061】
一実施形態により、充電ステーションは、特に給電系統内の電流の位相角を変更または設定するために、統合電力潮流調整器として動作するように準備されていることが提案される。同義語としてユニファイド・パワー・フロー・コントローラ(Unified Power Flow Controller)と呼ぶこともできるそのような統合電力潮流調整器により、給電系統内の電流の位相角、即ち統合電力潮流調整器が接続されている系統区間内の電流の位相角を変更することが可能である。電流のそのような変更により、負荷潮流に作用することができ、それにより負荷潮流制御を達成することができる。従ってそのような系統支持ないし系統支援又は系統制御のためにも充電ステーションを効率的に使用することができる。
【0062】
更に本発明により、前述の実施形態による方法を実行するように準備(構成)されている、複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーションが提案される。
【0063】
この際、充電ステーションは、系統接続ポイントを介して給電系統から電気エネルギーが供給されるために、系統接続ポイントにおいて給電系統と接続されており、この際、系統接続ポイントは、給電系統の第1の系統区間に配設されており、少なくとも1つの更なる電気的な需要家が、給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間に接続されており、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されており、更なる充電ステーションとしてもよい少なくとも1つの更なる需要家、及び/又は少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して作用可能である。この点は、互いの作用(互いに影響すること)がとりわけ技術的に考慮されるほど、前記充電ステーションの近くに配設及び/又は設置されてもいるそのような更なる需要家ないし系統区間に関する限り、関連する。
【0064】
この際、充電ステーションは、給電系統からの電力の取り込み、及び/又は給電系統への系統接続ポイントにおける電力の供給を制御する。この際、充電ステーションは、電力の取り込みと供給を、両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧及び/又は電力潮流が制御又は作用されるように制御する。
【0065】
充電ステーションは、例えば、目標を定めて無効電力又は有効電力が供給されるか、又は(充電)ステーション電力限界値が制限されることにより、少なくとも1つの系統区間において系統電圧及び/又は電力潮流を変更することができる。
【0066】
この際、充電ステーションは、移相器(フェーズシフタ)としても少なくとも部分的に作動することできる。従来の純粋な移相器と異なり、充電ステーションは、例えば電力を消費し、また相電圧の位相をシフトするだけではない。従って充電ステーションは、むしろ複数のステーション電力限界値(複数)と制御可能な負荷との組み合わせであり、それにより系統供給は移相器稼働を可能にする。
【0067】
更なる一実施形態として、被制御整流器(被制御順変換器)又は双方向インバータ(双方向逆変換器)を用いた、系統接続ポイントにおける給電系統からの電力の取り込み、ないし場合により電力の供給も、制御されることが提案される。双方向インバータの使用により、充電ステーションは、電力を給電系統に供給し、そのようなプロセスを制御することもできる。
【0068】
従来の既知の充電システムは、給電系統から受動的(パッシブ)にエネルギーを取り込むことができるようにするために、通常は無制御整流器を使用する。従って被制御整流器は、無制御整流器と比べ、系統接続ポイントを介して給電系統に目標を定めて無効電力を供給できるという可能性を実現する。
【0069】
従って被制御整流器は、系統を系統接続ポイントにおける給電を介して能動的(アクティブ)に変更ないし作用するために使用されることが可能である。それに加え、アクティブ整流器とインバータから構成することもできる双方向インバータは、有効電力供給を可能にする。
【0070】
更に本発明により、複数の電気車両、特に電気自動車を充電するための充電ステーションを備えた、給電系統の部分系統が提案され、この際、この部分系統は、第1の電力潮流が発生する、給電系統の少なくとも1つの第1の系統区間と、第2の電力潮流が発生する、給電系統の少なくとも1つの第2の系統区間とを有し、この際、第1の系統区間と第2の系統区間は、電気的に接続されている。
【0071】
それに加え(装置として)充電ステーション装置は、少なくとも1つの充電ステーションを有し、この際、前記充電ステーションは、系統接続ポイントを介して両方の系統区間のうち少なくとも1つの系統区間と接続されている。同様に充電ステーション装置内の更なる電気的な需要家が提案され、この際、少なくとも1つの更なる需要家、及び/又は少なくとも1つの第2の系統区間は、前記充電ステーションを介して(互いに)作用可能であり、更に少なくとも1つの制御ユニットが提案され、この際、制御ユニットは、給電系統からの充電ステーションの電力の取り込み、及び/又は給電系統への系統接続ポイントにおける電力の供給を制御するように構成されており、この際、系統区間のうち少なくとも1つの系統区間内の系統電圧が制御され、及び/又は少なくとも1つの第2の系統区間内の電力潮流が制御される。
【0072】
この際、そのような部分系統は、特に良好に制御され、それにより効率的に稼働されることが可能である。特にそのような良好な制御可能性は、自身に必要な電力を取り出すだけではなく、系統支援の役割、及び/又は電力潮流に作用する役割をも担う少なくとも1つの充電ステーションにより達成される。
【0073】
好ましくは、部分系統は、請求項11又は12に記載の充電ステーションを少なくとも1つ含み、この際、各充電ステーションは、分散制御ユニットを有し、当該分散制御ユニットは、給電系統からの電力の取り込み及び/又は給電系統への電力の供給を連携して制御するために、他の充電ステーションの少なくとも1つの更なる制御ユニットと通信するように構成されている。
【0074】
従って系統電圧又は電力潮流を連携して制御できるようにするために、複数の充電ステーションが直接的に互いに通信するという分散(非集中 dezentral)制御トポロジーが提案される。
【0075】
更なる一実施形態により、部分系統は、更に中央制御ユニットを含み、この際、中央制御ユニットは、同様に、更なる制御ユニットと通信するように構成されている。この際、中央制御ユニットは、例えば、電力の取り込み及び/又は電力の供給を予設定するために、所定の目標値を少なくとも1つの充電ステーションに伝送する。それに加え、中央制御ユニットは、同様に、例えば前述のステーション電力限界値、及び/又は充電ステーションが適合すべきその他の目標値のような、他の制御信号を充電ステーションに対して予設定するようにも設けられていることが可能である。
【0076】
従って部分系統は、充電ステーションの分散制御ユニットの他に、所謂混合トポロジーにおける上位の制御ユニットも含んでいる。
【0077】
更なるバリエーションとして、同様に、専ら中央制御ユニットを使用することが提案され、この際には、充電ステーションは、調節要素(Stellglieder)のみで構成され、中央制御ユニットから制御命令を受信できるように準備(構成)されている。
【0078】
好ましくは、制御ユニット及び/又は充電ステーションは、外部信号を受信して処理できるようにするために、外部信号入力部を有する。特にこの際、1つの分散制御ユニットも複数の分散制御ユニットも、外部信号入力部を有してよいことが提案される。
【0079】
従って外部インターフェイスを介して上位の制御装置により又は系統事業者によっても制御することのできる部分系統が提案される。このことは、系統事業者に対し、充電ステーションが接続されている給電系統の一部分内の負荷潮流を連携するために制御信号を使用することを可能にする。
【0080】
更なる一実施形態において、部分系統は、部分系統内における系統状態、及び/又は系統特性、及び/又は充電ステーション状態を検知するための測定手段も含み、この際、ここでは、系統状態、系統特性、及び/又は充電ステーション状態についての前述の依存性と表示が参照される。特に周波数検知器、電流測定手段、及び/又は電圧センサが設けられている。これらのセンサを用い、周波数変化及び/又は電圧変化のような更なる値を特定することができる。
【0081】
以下、実施例に基づき、添付の図面を参照しながら、本発明を例示的に更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1】メッシュ系統としての給電系統の一実施形態を示す図である。
【
図2】ストリング系統(ないしスター系統)としての給電系統の更なる一実施形態を示す図である。
【
図3】統合電力潮流調整器として動作する充電ステーションの更なる一実施形態を示す図である。
【
図4】一充電ステーションの詳細図を示す図である。
【
図5】一系統セグメント内の負荷潮流制御を示す図である。
【実施例】
【0083】
図1Aは、変圧器(トランス)102を介して1つの系統セグメント104に接続されている給電系統(給電網:電力系統)100を示している。この際、系統セグメント104は、給電系統100の一部分ないし一部分領域である。またこの際、系統セグメント104は、任意の形式を有することができ、即ち系統接続ライン106は、任意に配線ないし接続されていることが可能であり、又は更なる系統接続ラインが、更なる系統セグメントを張り巡らすことも可能である。例示のために、
図1Aの実施形態による系統セグメント104は、メッシュ形式として極めて単純化されて図示されている。
【0084】
この際、系統接続ライン106は、ノードポイント108及び110において系統母線(系統バスバー)112と電気的に接続されており、それにより1つの系統メッシュが系統接続ライン106により張り渡されている。この系統メッシュには、電気発生器(Erzeuger/generator)や需要家(消費装置)のような任意の電気的な系統コンポーネントを接続することができる。更に系統保護目的のための安全切替スイッチや切断装置と同様に、系統セグメント104内や更なる系統セグメント間において更なる変圧器を配設することもできる。これらのコンポーネントは、本発明の原理に関しては下位の役割を果たすので、これらは、例示としては図示されていない。
【0085】
メッシュとして図示されている系統接続ライン106には、
図1Aによると、2つの充電ステーションCS1及びCS2と2つの需要家L
1及びL
2が接続されている。これらの充電ステーションも需要家も、系統接続ポイントPCC(英語:Point of Common Coupling)を介して系統接続ライン106と接続されている。全体の見易さためにPCCは、
図1Aでは充電ステーションCS1のためだけに図示されている。
【0086】
この際、系統接続ライン106ないし当該メッシュは、異なる系統区間に細区分されることが可能であり、ここで
図1Aによると、2つの系統区間NS1及びNS2が図示されている。この際、第1の系統区間NS1は、最大電力限界値P
1,max、充電ステーションCS1、並びに需要家L
1を含んでいる。第2の系統区間NS2は、最大電力限界値P
2,max、更なる充電ステーションCS2を含んでいる。この際、最大電力限界値P
1,max及びP
2,maxは、系統接続ラインに負荷してよい最大電力を表している(電流負荷能力)。この限界値(リミット)は、典型的には、系統接続ラインのライン(導線)横断面、系統接続ラインを構成する導線(相)の数、並びに存在する電圧、及び電流に依存する。
【0087】
前述のコンポーネントの他に、
図1Aには3つの負荷潮流(ロードフロー)P
1~P
3も例示されている。メッシュ系統内の電力潮流(パワーフロー)を記述できるようにするために、矢印の大きさの比率が、電力潮流の大きさを定性的に記述している。つまり負荷潮流の矢印が大きく図示されているほど、より多くの電力がそれぞれの系統区間を通って流れている。
【0088】
従って
図1Aにおいて、系統区間NS2を通って流れるないしそこにある図示された電力潮流P
2は、系統区間NS1内にある電力潮流P
1よりも大きい。それに加え、両方の系統区間NS1及びNS2の間には、第2の系統区間NS2の方向に小さい電力P
3が流れている。
【0089】
この際、
図1Aは、一実施形態において充電ステーションが負荷潮流制御を実行しない無制御のケース(状態)を例示している。この際、充電ステーションCS2は、充電ステーションCS2が多くの電力を必要とする状況にある。充電ステーションCS2の電力需要は、ここでは高く、ここで例示されたケースでは100%と想定される。しかし充電ステーションCS2は、第2の系統区間NS2の容量が制限されていることが原因でその一部分しか取り込むことができない。このことは、系統区間NS2を介して所望電力の最大で50%の取り込みだけを可能とする電力限界値P
2,maxにより例示されている。ノードポイント110では電力隘路(パワーボトルネック)が発生し、当該電力隘路は、警告シンボルで例示されている。しかし充電ステーションCS2は、充電ステーションCS2が目下のところ系統状況に基づいて取り込むことのできるよりも多くの電力を系統から取り込みたい状況にある。
【0090】
ところで、この例では、系統区間NS1内の充電ステーションCS1は、十分強くは活用されてなく、それにより系統区間NS1内の電力限界値P1,maxにはまだ達していない。
【0091】
さて
図1Bは、充電ステーションが前述の一実施形態において電力潮流を変更するケースを示している。
【0092】
図1Bによると、充電ステーションCS1及びCS2は、それらのそれぞれのPCCを介して無効電力Q
1及びQ
2を系統セグメント104に供給する。無効電力供給により、
図1Aの無制御のケースとは異なる負荷潮流が生じる。この際、充電ステーションCS1の無効電力供給は、無制御のケース(
図1A)よりも大きい電力潮流P
1が系統区間NS1を通って流れるように行われる。この際、充電ステーションCS2には、系統セグメント104のメッシュ形状に基づき、2つの側から電力をPCCに提供することができるので、増加された電力P
3を充電ステーションCS2に提供することが可能である。
図1Bに示された実施例では、例えば、
図1Aにおける無制御のケースと比較して、不足している50%が電力潮流P
3を介して充電ステーションCS2に提供される。パーセントで想定された値は、極めて単純化されていることを、ここで指摘しておく。
【0093】
更に
図1Bには制御ユニット105(CU)が記入されており、制御ユニット105は、負荷潮流を制御可能とするために、それらの充電ステーションに対し、無効電力供給のための目標値(Q
soll)を規定(vorgeben)するように準備されている。この際、制御ユニット105は、上位の中央制御ユニットとしてよく、又は分散型で(分散制御ユニットとして)充電ステーション内に配設されていてもよい。同様に中央制御ユニットと非集中(分散)制御ユニットから成る混合形式も想定可能である。
【0094】
更なる一実施形態により、
図1A及び
図1Bに示された充電ステーションは、適切なエネルギー蓄積器が充電ステーション内にある場合には、同様に有効電力供給を行うこともできる。エネルギー蓄積器は、給電系統内の電圧変動を防止するために緩衝蓄積器として設けられていることが可能であるので、前述の実施形態におけるように、利用度の少ない充電ステーション(CS1)のエネルギー蓄積器が他の充電ステーション又は他の需要家のために短期的に有効電力を提供することができることも想定可能である。このケースは、
図1A及び
図1Bには示されていない。
【0095】
図2に示された実施例において、給電系統200の系統セグメント204は、スター系統(ないしストリング系統)として構成され、変圧器202を介して給電系統200と接続されている。更に系統セグメント204は、変圧器203を介して
図1Aないし
図1Bの系統セグメント104と接続されている。
【0096】
この際、
図1の実施例と異なり、系統セグメント204は、3つのブランチラインk1、k2、k3を含み、これらのブランチラインには、充電ステーションCS1~CS3、需要家L
1~L
6、並びに電気発生器(Erzeuger/generotor)G1が接続されている。3つのブランチラインのうち最も上側のブランチラインk1には、複数の充電ステーションCS1及びCS2を相前後してブランチラインk1に接続できることが示されている。このケースにおいて、優先的な充電ステーションCS2に対して例えばブランチラインk1を介してより多くの電力を提供できるようにするために、充電ステーションCS1は、系統から取り込まれる自身の電力を制限することができる。同様にエネルギー蓄積器を有する充電ステーションCS1が充電ステーションCS2において追加的に有効電力P
cs1を提供できるというケースも示されている。従って複数の充電ステーションが1つの系統区間に接続されている場合には、使用可能な全電力潮流ないし系統容量を動的(ダイナミック)にそれらの充電ステーションに分配するという可能性がある。
【0097】
純粋な負荷潮流制御の他に、無効電力の供給が、同様に系統セグメント204内の電圧調整を可能にする。3つのブランチラインk1、k2、k3のうち最も下側のブランチライン、即ちブランチラインk3には、
図2によると、大きな需要家L
6が示唆されている。この需要家L
6が、多くの電力、特に無効電力を消費すると、需要家L
6の系統接続ポイントにおいて電圧低下が結果として生じる可能性がある。
図2では警告シンボルで示唆されているこの電圧低下を防止するために、充電ステーションCS3は、無効電力を供給し、系統電圧の電圧支援をもたらすことができる。
【0098】
系統セグメント204内の負荷潮流、又は異なる系統セグメント(104、204)間の負荷潮流を決定することができるために、測定手段を有する様々な測定ポイントが系統セグメント内に設けられている。
図2によると、例えば、無効電力と有効電力、並びに系統電圧と系統周波数は、測定ポイントMP
1及びMP
2において測定手段を用いて検知される。この際、測定ポイントMP
1は、給電系統200を系統セグメント204と接続させる変圧器202に設けられている。測定ポイントMP
1は、系統セグメント204に流入する或いは系統セグメント204から給電系統200に流出する電力潮流の測定を可能にする。この電力潮流は、変圧器202における双方向矢印で明示されている。測定ポイントMP
2は、母線(バスバー)206と上側のブランチラインk1とのノードポイント(接続点)に設けられている。
【0099】
更に
図2には、中央制御ユニット205(CCU)が図示されている。この際、測定ポイントMP
1及びMP
2において検知された測定値は、中央制御ユニット205に伝送される。そのために、鎖線の矢印と点線の矢印を介して示唆されている通信ネットワーク207が使用可能である。この際、鎖線の矢印は、定性的に測定信号を表し、それに対して点線の矢印は、制御信号を表している。しかし測定信号も制御信号も、それぞれ両方向に伝送されることが可能である。従って中央制御ユニット205は、例えば系統状態及び/又は系統特性のような、系統セグメント204からの測定値に基づき、系統セグメント204内の負荷潮流を連携して調整(協調制御)する。とりわけ充電ステーションは、現在の充電ステーション状態を少なくとも1つの制御ユニットに伝送することができ。このことは、充電ステーションCS1及びCS3から(中央制御ユニット205に)戻された鎖線の矢印で例示されている。更に中央制御ユニット205(CCU)は、外部信号入力部209を有する。この際、EXT記号で図示された外部信号入力部209は、中央制御ユニット205に対し、例えば系統事業者又は他の上位の調整ユニットからの外部信号を受信し、これらを処理することを可能にする。
【0100】
従って説明した実施例は、系統損失の軽減を可能とし且つ既存の系統容量をできるだけ効率的に利用するために、充電ステーションを介した系統セグメント204内の有効-無効電力管理を可能にする部分系統を示している。
【0101】
図3は、系統区間301に接続されている充電ステーション300を示している。この際、図示された実施例における充電ステーション300は、統合電力潮流調整器311を含み、統合電力潮流調整器311は、通常、当業者により、同義としてユニファイド・パワー・フロー・コントローラ(Unified Power Flow Controller)ないしUPFCとも呼ばれる。単純化のために充電ステーション300は、鎖線で示唆されているだけである。しかし充電ステーション300は、
図3では単純化のために示されていない更なるコンポーネントも含んでいる。
【0102】
図示されているトポロジーについて、以下で更に説明する
図4にも同様のことが当てはまるが、好ましくは、需要に即応した統合電力潮流調整器311(UPFC)の作動が提案される。図示のケースにおいて、被制御整流器(被制御順変換器)308とインバータ(逆変換器)310は、それぞれスイッチキャビネット(配電キャビネット)により実現されていることが可能である。
【0103】
従って2つのスイッチキャビネット308及び310が設けられており、これらは、電力取り込み稼働において、即ち充電ステーション300が給電系統から電力を取り込む場合には、両方とも並列変圧器304と接続されている。ここで、充電ステーション300の十分活用が弱い場合には、負荷潮流制御を作動させることができ、そのためには、1つのスイッチキャビネット、特にインバータ310を直列変圧器306と接続させることが提案される。
【0104】
充電ステーションの十分活用がそのように弱い場合には、この充電ステーション自体は、電力を余り必要とせず、従ってそれらのスイッチキャビネットの全容量を必要とすることもない。この際、それらのスイッチキャビネットは、統合電力潮流調整器の役割を担う容量を自由に有している。
【0105】
統合電力潮流調整器311は、並列変圧器304と直列変圧器306を有する。この際、並列変圧器304は、サイドライン(副線)303に接続され、直列変圧器306は、メインライン(主線)302に接続されている。サイドライン303とメインライン302は、接続ノード305を介して互いに接続されている。
【0106】
並列変圧器304は、充電ステーション側では、アクティブ整流器308と接続されている。それにより電流を、従って電力を、給電系統から、即ちサイドライン303から取り込み、直流電圧中間回路312のために整流することができる。この際、整流器308は、取り込まれる電流の位相位置(状態)を制御することができ、それによりサイドライン内の無効電力部分、従って給電系統内の無効電力部分を制御することができる。それにより系統区間301内の無効電力部分も変更することができる。
【0107】
直列変圧器306は、充電ステーション側でインバータ310から被制御の交流電流を受け取る。この被制御の交流電流は、直列変圧器306において変圧され、それにより系統側で電流に作用することができ、即ちメインライン302内の電流に作用することができる。それによりメインライン302内の電流の位相位置を変更することができる。
【0108】
統合電力潮流調整器311は、並列変圧器304と、アクティブ整流器308と、中間回路コンデンサ314を有する直流電圧中間回路312と、インバータ310と、直列変圧器306とを含んでいる。従って両方の変圧器304及び306を充電ステーション300の一部分と見なすこともできる。アクティブ整流器308に代わり、更なるインバータを設けることも可能である。
【0109】
充電ステーション300を用いることにより、特に
図3に示された統合電力潮流調整器311を用いることにより、基本的には複数の制御を互いに依存しないで行うこともできる。
【0110】
被制御整流器308と並列変圧器304を用いることにより、無効電力の縦補償(Laengskompensation)のために、対応の無効電力を系統内で使用可能にすることができる。
【0111】
インバータ310と直列変圧器306を用いることにより、無効電力の横補償(Querkompensation)を制御することができる。
【0112】
両方の変圧器304及び306の間の有効電力伝送により、移相器(フェーズシフタ)のように、目標を定めて、メインライン302内ないし系統区間301内の所定の有効電力潮流を制御することができる。
【0113】
三相適用時には、系統内の非対称性を、アクティブ整流器308ないしインバータ310における対応の非対称稼働により補償することもできる。この際、相間の電力均衡は、共通の直流電圧中間回路を介して行われる。
【0114】
図4は、系統接続ポイント402を介して給電系統404に接続されている充電ステーション400を概略的に示している。この給電系統404は、ここでは象徴的にのみ図示されており、簡単に系統と呼ぶこともできる。
【0115】
系統接続ポイント402は、系統変圧器406を有する。この系統変圧器406を介し、充電ステーション400は、系統404から電気エネルギーを取り込む。このことは、実質的に被制御の電力取り出しにより行われる。そのために双方向インバータ(双方向逆変換器)408が設けられている。この双方向インバータ408は、通常稼働時には、給電系統404からの三相交流電流を直流電流に変換する。この直流電流は、ここでは双方向インバータ408の出力部として示唆されている直流電圧中間回路410において提供されることが可能である。
【0116】
この双方向インバータ408を介することにより、電力の取り出しは、そのために必要な取り出し電流Ivが系統電圧UNに関するその位相角φについても設定され得るように制御されることも可能である。ここで系統電圧UNは、便宜上、系統変圧器406と双方向インバータ408の間の測定ポイントに記入されている。それに対応し、系統変圧器406の他方の側における給電系統404の対応の系統電圧は、系統変圧器406の伝送比(変圧比)により得られる。
【0117】
更にここで設けられている双方向インバータ408は、電力を給電系統404に供給することもできる。従ってここでは簡単にインバータと呼ぶこともできる双方向インバータ408は、取り出し電流Ivとは反対方向の供給電流Ieを発生させることができる。勿論、取り出し電流Ivか又は供給電流Ieだけが流れる。
【0118】
双方向インバータ408の本質的な役割は、系統404から電力を取り出すことにより系統404から電気エネルギーを取り込むことにある。この電力は、直流電圧中間回路410において提供され、即ち実質的に配電ブロック412に提供される。配電ブロック412は、入力部として直流電流を受け取り且つ個々の充電ポール(充電支柱)414に需要に即応して転送することを例示すために、DC-DC変換器として図示されている。例示として3つの充電ポール414が図示されており、これらは、多数の充電ポール414を象徴的に表している。1つの充電ポール414では、それぞれ1台の電気車両416がさしあたり充電されるべきである。基本的には、常に各充電ポール414に1台の電気車両416が充電のために接続されているわけではないことも勿論考慮される。
【0119】
配電ブロック412を用いた配電は、同様に単に例示として理解されるべきであり、例えば中央制御により各充電ポール414が別々に自身の充電制御装置を制御し、当該充電ポール414のために使用可能なエネルギー割り当てを制御することも考慮され、その際には、そのような充電ポール414は、それぞれ直接的に直流電圧中間回路410に接続されているだろう。しかし好ましくは、電気車両416の電圧の高さへの電圧低下も実行するような配電ブロック412が提案される。
【0120】
充電ポール414に給電するこの配電ブロック412に加え、同様に直流電圧中間回路410に接続することのできるバッテリバンク418も図示されている。つまりこのバッテリバンク(バッテリブロック)418は、蓄電器である。この蓄電器は、電気車両416の充電による充電ピークを均一化するように、エネルギーの緩衝のために用いることができ、それによりそのような充電ピーク、即ち電力ピークが、給電系統404へと更に渡(伝搬)されることはなく、或いは少なくとも完全な高さで更に渡されることはない。しかしまた、ここでは蓄電器を象徴的に表すバッテリバンク418は、供給電流Ieにより電力を給電系統404に供給するために使用されることも可能である。従ってそのようなバッテリバンク418により、第1象限及び第4象限内の稼働も可能である。
【0121】
更に直流電圧中間回路410には、チョッパシステム420が接続されている。このチョッパシステム420は、単純化すると、半導体スイッチ422と抵抗424を有する。つまりこのチョッパシステムにより短期的に直流電圧中間回路410から電力を消費することができる。半導体スイッチ422は、そのためにパルス状で制御されることが可能であり、それに対応し、抵抗424を通る直流電圧中間回路410からの電流パルスを制御することができる。この際、抵抗424は、熱くなり、それにより提供された電力を消費することができる。このチョッパシステム420の制御は、特に系統支援のための短期的な電力取り出しのために設けられている。そのために双方向インバータ408は、双方向インバータ408が、消費すべき電力を給電系統404から取り出し且つチョッパシステム420がこの電力ないしその一部分を記述のごとく消費するように、適切に制御されることが可能である。
【0122】
充電ステーション400を制御するために、特に中央制御装置(ユニット)426が設けられている。この中央制御装置426は、基本的に充電ステーション400の対応の要素を連携(協調制御)する。そのために例示として、複数の内部データ伝送ライン428が設けられており、これらの内部データ伝送ライン428は、ここでは便宜上、それぞれ同じ符号で示されており、それによりこれらの内部データ伝送ライン428は、充電ステーション400の内部で、特に双方向において、即ち中央制御装置426からも中央制御装置426へもデータを伝送する内部データ伝送ラインに関することが明確にされている。従って中央制御装置426は、内部データ伝送ライン428を介し、双方向インバータ408、バッテリバンク418、チョッパシステム420、各充電ポール414、及び配電ブロック412と、それぞれ接続されている。
【0123】
それに対応して中央制御装置426は、特には、例えば場合により各充電ポール414のための充電電力配分や、給電系統404からの電力の対応の取り出しのような、充電ステーション400の充電稼働を制御することができる。しかしまたバッテリバンク418は、緩衝のために制御されることも可能でもあり、電力の割り当ては、配電ブロック412の制御を介して行われることも可能である。特にそのような制御は、組み合わされることが可能である。因みに例えば充電ポール414と配電ブロック412との間に、更なるデータ伝送ラインを設けることもできる。そのようなデータ伝送は、中央制御装置426を介して中央部で行われることも可能である。しかしまた基本的には、充電ステーション400の内部の通信のために他のデータネットワークトポロジーも考慮される。
【0124】
しかし特には、場合により系統支援を制御するために、中央制御装置426が双方向インバータ408を制御することが提案される。この際、系統支援の種類に応じ、充電ステーション400の内部では、対応の制御ないし制御の対応の適合が必要であろう。例えば、双方向インバータ408が有効電力を系統404に供給すべき場合には、バッテリバンク418を制御することが必要であろう。系統404から取り出すべき電力の規定時(Vorgabe)には、場合によりチョッパシステム420の制御が必要であろう。また充電ポール414に接続されている電気車両416の充電プロセスの適合された制御も考慮される。
【0125】
系統事業者による直接的な規定(ないし設定)も考慮できるようにするために、更に外部データ伝送ライン430が設けられている。そのような外部データ伝送ライン430は、ここでは系統制御ユニット432に対して図示されている。またこの系統制御ユニット432は、給電系統404を運営する系統事業者を象徴的に表すこともできる。そのような系統事業者ないし系統制御ユニット432は、例えば、有効電力供給を要求することができる。このこと又は他のことを制御するために、充電ステーション400の中央制御装置426は、充電ステーション400、従って特にバッテリバンク418が、はたしてどのくらいの電力容量を使用可能としているのかを通知する情報を、外部データ伝送ライン430を介して系統制御ユニット432に供与することもできる。しかしまた系統制御ユニット432は、例えば、所定の限界値を予設定することもできる。そのような限界値は、単に2つの例を挙げるとして、例えば、充電ステーション400のための最大有効電力取り出し量や、有効電力取り出し量の最大変化に対する勾配制限値を意味することができる。
【0126】
図4は、更に発電所変圧器436を介して給電系統404に接続されている発電所434を例示している。念のため、更なる変圧器438を設けることができることも指摘しておくが、これらの変圧器438は、ここでは重要ではない。そのような更なる変圧器438は、給電系統404内には様々な電圧の高さも存在できることを明確にするための例示として記入されている。
【0127】
いずれにせよ発電所434は、例えば石炭火力発電所や原子力発電所のような従来の発電所として設けられていることが可能である。更に例示としてウインドパーク440が図示されており、ウインドパーク440は、変圧器442を介して給電系統404に接続されている。従来の発電所434も風力発電所440も、同様に外部データ伝送ライン430を介して系統制御ユニット432と通信することができる。更にウインドパーク440については、ウインドパーク440が、直接的に中央制御装置426と、従って充電ステーション400と通信ないしデータ交換できることが考慮されている。
【0128】
特に
図4は、ウインドパーク440と充電ステーション400が給電系統404内で実質的に近くに並んで配設されていることを例示すべきものである。またそれらは、同じ電圧の高さの1つの系統区間に配設されている。更なる変圧器438と発電所変圧器436の間の対応の点線部分により、発電所434までの距離が対応して大きいことも、例示されるべきである。
【0129】
つまりウインドパーク440は、とにかく給電系統404の1つの区間を介した充電ステーションとウインドパークの接続に関し、充電ステーション400の比較的近くに配設されている。この区間は、ここでは接続区間444として示されており、パーク変圧器442と、充電ステーション400の系統変圧器406との間の範囲を表している。しかしそのような接続区間は、非間接的で直接的な接続ラインとして設けられている必要はなく、他の需要家又は他の分散供給者への更なるブランチを含んでいてもよい。
【0130】
いずれにせよ充電ステーション400とウインドパーク440は、ウインドパーク440が、充電ステーション400の系統接続ポイント402における電圧に作用することができるように近くに並んでいる。同様に充電ステーション400は、パーク変圧器442における電圧に作用することができる。
【0131】
さてウインドパーク440と充電ステーション400の間のその近さを認識して、これらのウインドパーク440と充電ステーション400は、特に系統支援に関して連携(協調)することが提案される。そのためにウインドパーク440と充電ステーション400の間には、通信路が設けられており、この通信路は、ここでは中央制御装置426への外部データ伝送ライン430により例示される。そのような連携は、系統制御ユニット432による系統事業者の要求の実現に関するものとすることもできる。つまり系統事業者がそれにより例えば給電系統404内の有効電力減少に対する要求を予設定する場合には、この有効電力減少は、ウインドパーク440が、その一部分(有効電力の一部分)を、例えば半分を少なくして供給し、充電ステーション400が、それの(有効電力の)一部分を、例えば残っている半分を追加的に取り出すことにより連携されることが可能である。
【0132】
しかしまた所定の連携は、例えば無効電力供給を用いた電圧調整のような、他の役割のためにも考慮される。特にここでは、ウインドパーク440も充電ステーション400も、要求される無効電力供給の一部分を担うことを考慮することができる。このことは、それらのいずれも、即ちウインドパーク440も充電ステーション400も、非常に大きな位相角を制御する必要がある(このことは非効率的であろう)のではなく、それらの両方が無効電力の一部分を供給し、従ってそれぞれ大きすぎる位相角を制御する必要がないように、それらが分配可能であるという利点を有することができる。
【0133】
更に
図4には、統合電力潮流調整器411が図示されており、統合電力潮流調整器411は、ここでは並列変圧器と呼ぶこともできる系統変圧器406と、直列変圧器407とを含んでいる。更に統合電力潮流調整器411は、直流電圧中間回路410、整流器(順変換器)409、並びにインバータ(逆変換器)408を有する。
【0134】
図5は、系統セグメント504内の負荷潮流制御の様子を示している。系統セグメント504は、
図5Aによると、変圧器502、母線(バスバー)512、4つの系統インピーダンスZ1~Z4、並びに2つの充電ステーションCS1及びCS2を有する。この際、系統セグメント504は、変圧器502を介して給電系統(給電網)500と接続されている。
【0135】
更に
図5Aによると、系統接続ライン506は、メッシュ形状で母線512に接続されており、それにより系統インピーダンスZ1~Z4並びに充電ステーションCS1及びCS2は、リング形状で(互いに)直列接続されて配設されている。4つの系統インピーダンスZ1~Z4を介し、それぞれ電圧U
Z1~U
Z4が低下し(電圧降下U
z1~U
z4が生じ)、この際、これらは、よりよい説明のためにそれぞれ実部と虚部に分けられている(
図5B、
図5C)。
【0136】
それに加え、系統セグメント504は、電圧基準ポイントとして4つのノードポイントUSS、ULp1、UM、ULp2を有する。基準電位0は、電気接地のための記号を用いて図示されている。
【0137】
図5Bと
図5Cは、ベクトル表現において、系統インピーダンスZ1~Z4における降下電圧U
z1~U
z4を示している。それに加え、基準電位0に関するノードポイントU
SS、U
Lp1、U
M、U
Lp2における絶対電圧がベクトル形式で図示されている。
【0138】
図5Bは、負荷潮流が両方の充電ステーションの少なくとも1つによっては制御されないケース(無制御のケース)における電圧U
z1~U
z4を示している。電圧ベクトルU
z1~U
z3は、実部も虚部も有し、これらには、単純化のために横成分と縦成分として関連をもたせることができる。
【0139】
電圧ベクトルU
z1~U
z3をベクトルU
z4と比較すると、
図5BにおけるU
z4の横成分I
1の長さと縦成分I
2の長さは、U
z1~U
z3におけるよりも遥かに長いことが見てとれる。
【0140】
従って図示の実施例では、抵抗Z4において最大の電圧が降下する。それ故、そこでは最大の電力潮流が流れる。
【0141】
図5Cは、電圧U
Z1及びU
Z2の虚部が補償されるように充電ステーションCS1が無効電力を供給するときの電圧ベクトルを示している。そのような無効電力供給は、充電ステーションの統合電力潮流調整器(UPFC)により生じさせることが可能である。電圧U
Z1及びU
Z2の虚部の減少ないし補償により、キルヒホッフの網目規則に従い、対応して変更された電圧U
Z3及びU
Z4が生じる。
【0142】
このことは、
図5Cから見てとれ、それによると電圧U
z3の横方向と縦成分は、
図5Bと比べると大きくなっている。それに対して電圧U
z4の横成分I
3と縦成分I
4は、短くなっている。
【0143】
従って電圧ないし電力は、Z4においてより小さくなり、Z3においては、より大きくなっている。つまり無制御のケースにおけるよりも、メッシュの上部と系統インピーダンスZ3を通ってより大きい負荷潮流が流れる。 従って系統インピーダンスZ1及びZ2を有する系統区間内の充電ステーションCS1により目標を定めて無効電力を供給することにより、電力潮流を少なくとも部分的に制御することができる。
【符号の説明】
【0144】
(
図1)
100 給電系統
102 変圧器
104 系統セグメント
105 制御ユニット(CU)
106 系統接続ライン
108 ノードポイント
110 ノードポイント
112 系統母線
NS1、NS2 系統区間
CS1、CS2 充電ステーション
L
1、L
2 需要家(Verbraucher)
PCC 系統接続ポイント
P
1,max、P
2,max 最大電力限界値
P
1、P
2、P
3 電力潮流
Q
1、Q
2 無効電力
Q
soll 無効電力供給のための目標値
(
図2)
200 給電系統
202 変圧器
203 変圧器
204 系統セグメント
205 中央制御ユニット(CCU)
206 母線
207 通信ネットワーク
209 外部信号入力部
k1~k3 ブランチライン
CS1~CS3 充電ステーション
L
1~L
6 需要家
G1 電気発生器(Erzeuger)
MP
1、MP
2 測定ポイント
P
CS1 有効電力
(
図3)
300 充電ステーション
301 系統区間
302 メインライン
303 サイドライン
304 並列変圧器
305 接続ノード
306 直列変圧器
308 被制御整流器(被制御順変換器;アクティブ整流器)
310 インバータ(逆変換器)
311 統合電力潮流調整器(UPFC)
312 直流電圧中間回路
314 中間回路コンデンサ
(
図4)
400 充電ステーション
402 系統接続ポイント
404 給電系統
406 系統変圧器(並列変圧器)
407 直列変圧器
408 双方向インバータ
409 整流器
410 直流電圧中間回路
411 統合電力潮流調整器
412 配電ブロック
414 充電ポール
416 電気車両
418 バッテリバンク
420 チョッパシステム
422 半導体スイッチ
424 抵抗
426 中央制御装置
428 内部データ伝送ライン
430 外部データ伝送ライン
432 系統制御ユニット
434 発電所
436 発電所変圧器
438 更なる変圧器
440 ウインドパーク
442 パーク変圧器
444 接続区間
I
v 取り出し電流
I
e 供給電流
U
N 系統電圧
(
図5)
500 給電系統
502 変圧器
504 系統セグメント
506 系統接続ライン
512 母線
Z1~Z4 系統インピーダンス
CS1、CS2 充電ステーション
U
Z1~U
Z4 降下電圧
0 基準電位
U
SS、U
Lp1、U
M、U
Lp2 ノードポイント(電圧基準ポイント)
I
1、I
2 U
Z4の横成分、縦成分
I
3、I
4 U
Z4の横成分、縦成分