IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 家登精密工業股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許6995171急速解放弁モジュール、急速解放弁モジュールを備えたレクチルポッド、および、レクチルポッド上に急速解放弁モジュールを迅速に設けるための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】急速解放弁モジュール、急速解放弁モジュールを備えたレクチルポッド、および、レクチルポッド上に急速解放弁モジュールを迅速に設けるための方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/32 20060101AFI20220106BHJP
   F16K 15/06 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F16K1/32 D
F16K15/06
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2020135745
(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公開番号】P2021032415
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-08-11
(31)【優先権主張番号】62/887,753
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/929,823
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9F.,No.2,Sec.4,Zhongyang Rd.,Tucheng Dist.,New Taipei,Taiwan236
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】林 書弘
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-533166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0037522(US,A1)
【文献】特開2008-066330(JP,A)
【文献】米国特許第06319297(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00-1/54
15/00-15/20
G03F 1/00-1/92
H01L 21/67-21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気通路で使用されるようになった急速解放弁モジュールであって、該急速解放弁モジュールは、
チャンネルを構成する可撓性グロメットと、
前記チャンネルに少なくとも部分的に受け入れられる円筒形ベースと、
前記チャンネルからの空気流を濾過するように構成されているフィルタモジュールと、 1つの端にディスク部分を有するピストンであって、該ピストンのもう1つの端が前記円筒形ベース内に受け入れるピストンと、
前記ピストンの前記もう1つの端と前記フィルタモジュールの間に配置された弾性部材と、を含む、急速解放弁モジュールにおいて、
前記ピストンの前記ディスク部分は、前記可撓性グロメットに露出される、急速解放弁モジュール。
【請求項2】
前記ピストンは、内側通路を有するロッド部分を含み、前記ディスク部分は、前記ロッド部分から半径方向に延びており、前記ロッド部分は、前記ディスク部分に加えられる外力の下で前記円筒形ベースに対して摺動可能であり、それによって、前記ロッド部分の前記内側通路と前記空気通路が、互いに連通する、請求項1に記載の急速解放弁モジュール
【請求項3】
前記ディスク部分は、該ディスク部分に外力が加えられるときには、前記可撓性グロメットを封止し、外力が加えられないときには、前記可撓性グロメットから離れるように構成されている、請求項2に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項4】
前記フィルタモジュールは、前記弾性部材を押圧するように前記円筒形ベース中に延びている支持体を有する、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項5】
前記可撓性グロメットは、前記チャンネルの縁から半径方向に延びる環状シール面を有し、前記環状シール面は、前記ピストンの前記ディスク部分と協働してシールを形成するように構成されている、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項6】
前記可撓性グロメットは、該可撓性グロメットの周囲に形成されている溝を有し、前記溝は、前記急速解放弁モジュールを前記空気通路に係止するために使用される環状取り付け部材と係合するように構成されている、請求項2に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項7】
前記ロッド部分は、該ロッド部分と前記円筒形ベースの間にシールを形成するシールリングを備える、請求項2に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項8】
前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールリング、および、前記弾性シールリングを受け入れる溝をさらに備える、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項9】
前記ピストンの前記ディスク部分は、前記ディスク部分の周囲に嵌合するように内方に半径方法に延びる弾性シールバンドをさらに備える、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項10】
前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールパッドをさらに備える、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項11】
前記可撓性グロメットは、複数の弾性フラップをさらに含み、前記複数の弾性フラップは、前記急速解放弁モジュールが前記空気通路に受け入れられているときに、前記空気通路を構成する弁座とシールを形成するように構成されている、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項12】
前記円筒形ベースは、前記ピストンの前記ディスク部分に面する側に、弾性シールリングをさらに備える、請求項1に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項13】
前記弾性シールリングは、前記ディスク部分がガス充填パネルによって押圧されるときに、前記ディスク部分と前記円筒形べースの間にシールを形成するように構成されている、請求項12に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項14】
急速解放弁モジュールを備えたレクチルポッドであって、該レクチルポッドは、ベースボードを備えたベースを含み、前記ベースは、各々が空気通路を構成する複数の弁座を備え、前記ベースボードは、前記弁座に対応する複数の開口部を有し、前記弁座の各々は、前記急速解放弁モジュールを備え、前記急速解放弁モジュールは、
チャンネルを構成する可撓性グロメットと、
前記チャンネルに少なくとも部分的に受け入れられる円筒形ベースと、
前記チャンネルからの空気流を濾過するために前記円筒形ベースに結合されているフィルタモジュールと、
前記円筒形ベース内に受け入れられる部分を有するピストンと、
前記ピストンと前記フィルタモジュールの間に配置された弾性部材と、
前記可撓性グロメットの周囲に連結する環状取り付け部材と、を含み、
前記ピストンの前記部分は、前記弾性部材により前記円筒形ベースに対して摺動可能であり、前記環状取り付け部材は、前記急速解放弁モジュールが前記弁座に係止されるように、前記ベースボードの前記開口部の縁を押圧する、レクチルポッド。
【請求項15】
前記ピストンは、内側通路を有するロッド部分、および、前記ロッド部分から半径方向に延びているディスク部分を含み、前記ディスク部分は、前記可撓性グロメットに露出され、前記ロッド部分は、前記ディスク部分に加えられる外力の下で前記円筒形ベースに対して摺動可能であり、それによって、前記ロッド部分の前記内側通路と前記空気通路が、互いに連通する、請求項14に記載のレクチルポッド。
【請求項16】
前記フィルタモジュールは、前記弾性部材を押圧するように前記円筒形ベース中に延びている支持体を有する、請求項14に記載のレクチルポッド。
【請求項17】
前記可撓性グロメットは、前記チャンネルの縁から半径方向に延びる環状シール面を有し、前記環状シール面は、前記ピストンの前記ディスク部分と協働してシールを形成するように構成されている、請求項15に記載のレクチルポッド。
【請求項18】
前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールリング、および、前記弾性シールリングを受け入れる溝をさらに備える、請求項15に記載のレクチルポッド。
【請求項19】
前記円筒形ベースは、前記ピストンの前記ディスク部分に面する側に、弾性シールリングをさらに備える、請求項15に記載のレクチルポッド。
【請求項20】
前記弾性シールリングは、前記ディスク部分がガス充填パネルによって押圧されるときに、前記ディスク部分と前記円筒形べースの間にシールを形成するように構成されている、請求項19に記載のレクチルパッド。
【請求項21】
前記ピストンの前記ディスク部分は、前記ディスク部分の周囲に嵌合するように内方に半径方法に延びる弾性シールバンドをさらに備える、請求項15に記載のレクチルポッド。
【請求項22】
前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールパッドをさらに備える、請求項15に記載のレクチルポッド。
【請求項23】
前記可撓性グロメットは、複数の弾性フラップをさらに含み、前記複数の弾性フラップは、前記急速解放弁モジュールが前記空気通路に受け入れられているときに、前記空気通路を構成する弁座とシールを形成するように構成されている、請求項14に記載のレクチルポッド。
【請求項24】
前記環状取り付け部材は、該環状取り付け部材から延びる1対の耳部分を有し、前記ベースボードの前記開口部の各々は、1対のノッチを有し、前記1対のノッチは、前記急速解放弁モジュールが、前記開口部を通過可能であり、前記1対の耳部分が前記開口部の縁を押圧するときに前記弁座に取り付けられるように前記耳部分のために適合されている、請求項14に記載のレクチルポッド。
【請求項25】
レクチルポッドに、請求項1に記載の急速解放弁モジュールを設けるための方法であって、前記レクチルポッドは、ベースボードを備えたベースを含み、前記ベースは、各々が空気通路を構成する複数の弁座を備え、前記ベースボードは、前記弁座に対応する複数の開口部を有する、方法において、該方法は、
前記可撓性グロメットの周囲に環状取り付け部材を設け、
前記環状取り付け部材を有する前記急速解放弁モジュールを、前記ベースボードの前記開口部を通して通過させ、前記ベースの前記弁座に前記可撓性グロメットの一部を受け入れ、
前記急速解放弁モジュールを前記弁座に取り付けるために、前記環状取り付け部材に、前記開口部の縁を押圧させる、ことを含む、方法。
【請求項26】
急速解放弁モジュールであって、該急速解放弁モジュールは、
構成されたチャンネルと、前記チャンネルの延びと垂直な規制面と、前記規制面に隣接した側面と、を有する可撓性グロメットと、
前記可撓性グロメットの前記側面に合い、前記可撓性グロメットを選択的に設置するために、レクチルパッドのベース上に構成されている開口部の少なくとも1つのノッチと協働するように構成されている少なくとも1つの耳部分を有する環状取り付け部材と、を含む、急速解放弁モジュール。
【請求項27】
前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面にさらに当接して接触する、請求項26に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項28】
前記規制面に隣接した前記側面は、該側面に構成されている凹み面をさらに有し、前記環状取り付け部材は、前記側面の前記凹み面と合う、請求項26に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項29】
前記可撓性グロメットは、前記チャンネルの縁から延びる環状シール面をさらに有する、請求項26に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項30】
前記耳部分は、前記可撓性グロメットの前記規制面の外の半径まで突出している、請求項26に記載の急速解放弁モジュール。
【請求項31】
レクチルポッドに急速解放弁モジュールを装填するための方法であって、該方法は、
ベースであって、該ベース上に形成されており、前記急速解放弁モジュールを受け入れるように構成されており、少なくとも1つのノッチを有する開口部を有する、ベースを準備し、
可撓性グロメット、および、環状取り付け部材を含む前記急速解放弁モジュールであって、前記可撓性グロメットは、該可撓性グロメットに構成されているチャンネルと、前記チャンネルの延びと垂直な規制面と、前記規制面に隣接した側面と、を有し、前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面と合い、少なくとも1つの耳部分を有する、前記急速解放弁モジュールを準備し、
前記可撓性グロメットを選択的に設置するために、前記可撓性グロメットおよび前記耳部分を、前記ベースの前記開口部および前記ノッチを通して通過させる、ことを含む、方法。
【請求項32】
前記ベースは、前記開口部を構成するベースボードを有し、前記ベースボードは、前記耳部分が回転された後に、前記耳部分によって押圧され、その結果、前記可撓性グロメットが設置される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ベースは、前記レクチルポッドの内部に結合された弁座を有し、前記可撓性グロメットの周囲と前記弁座は、シールを形成し、前記可撓性グロメットの前記チャンネルは、前記レクチルポッドの前記内部と連通する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面にさらに当接して接触する、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記規制面に隣接した側面は、該側面に構成された凹み面をさらに有し、前記環状取り付け部材は、前記側面の前記凹み面と合う、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、急速解放弁モジュールに関し、さらに詳しくは、レクチルポッドのアウターポッド上に設けられる急速解放弁モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)によって開発された標準化メカニカルインターフェース(SMIF)は、ウェーハおよびレクチルのためのデバイスを輸送し、保管するために半導体産業で製造業者によって一般的に採用されている。SMIFシステムは、ウェーハおよびレクチルを取り囲む空気が、輸送および保管の過程でウェーハおよびレクチルに対して静止したままであり、クリーンルーム内の粒子が、ウェーハおよびレクチルに隣接した領域に進入しないことを確保するのに役立つ。
【0003】
したがって、SMIFの輸送容器は、周囲環境内の空気または粒子が容器に進入することを防止するために十分に気密であることが要求される。ウェーハ表面の酸化、或いは、ウェーハ表面上の汚染を防止するために、窒素、希ガス、或いは脱水乾燥ガス(1%以下の水)のようなガスが、さらにウェーハ容器内に充填されるのがよい。その結果、円滑なガスの充填を確保し、および、輸送容器からのガス漏れを防止するために、弁が輸送容器上に設けられるのがよい。
【0004】
従来技術の弁の開閉は、典型的には、弁に配置されている金属ばねによって作動される。かかる設計は、通常、作動されるばねとばねの間、或いは、ばねと弁壁の間で摩擦を生じさせ、それによって、金属粒子を輸送容器に進入させる。その結果、ウェーハまたはレクチルが汚染され、製造工程全体が影響を受ける。
【0005】
さらに、今日市販されている弁は、製造工程中に安定した歩留まりを維持するために、弾性疲労による常時交換を必要とする。一般的に、個々の部品ではなく、弁モジュール全体が交換されることを必要とし、かくして、製造費用を増加させる。
【0006】
台湾発明特許第1423451号に開示されているように、従来技術の弁は、典型的には、ベース上に設けられた弁座に配置されており、さらに、弁を取り付けるために、カバーがベース上に設けられている。したがって、弁の交換は、初めに、輸送容器のバックカバーを取り外すことを必要とし、その結果、弁は、弁座から解放されることができる。この弁を交換するための方法は、交換工程中に障害物を創出し、輸送容器内で底部に粒子を付着させる傾向がある。その結果、粒子が弁を通して容器に進入し、レクチルまたはウェーハを汚染させる機会を生じる。
【0007】
ウェーハ加工技術の進歩に伴い、粒子がEUV(極端紫外線)リソグラフィ工程のようなウェーハ関連工程で輸送容器に進入することを防止する技術に対する増大する需要がある。本発明は、容易に組み立てられることができ、輸送容器上に迅速に取り付けられることができ、容器に進入する粒子の数を減らすことができる主本体を備えた急速解放弁モジュールを提供し、本発明はまた、この急速解放弁モジュールの製造方法を提供する。本発明による急速解放弁モジュールおよびこの急速解放弁モジュールの製造方法は、よりよい産業上の利用可能性を達成する見込みがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の弁モジュールに関する、弁モジュールを組み立て、および、レクチルポッドのベース上に弁モジュールを取り付けるに際する困難のようないくつかの欠点を克服するために、粒子が集まることを防止することができる急速解放弁モジュール、および、この弁モジュールを製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、本発明は、空気通路で使用されるようになった急速解放弁モジュールであって、該急速解放弁モジュールは、チャンネルを構成する可撓性グロメットと、前記チャンネルに少なくとも部分的に受け入れられる円筒形ベースと、前記チャンネルからの空気流を濾過するように構成されているフィルタモジュールと、1つの端にディスク部分を有するピストンであって、該ピストンのもう1つの端が前記円筒形ベース内に受け入れるピストンと、前記ピストンの前記もう1つの端と前記フィルタモジュールの間に配置された弾性部材と、を含む、急速解放弁モジュールにおいて、前記ピストンの前記ディスク部分は、前記可撓性グロメットに露出される、急速解放弁モジュールを提供する。
【0010】
1つの実施形態では、前記ピストンは、内側通路を有するロッド部分を含み、前記ディスク部分は、前記ロッド部分から半径方向に延びており、前記ロッド部分は、前記ディスク部分に加えられる外力の下で前記円筒形ベースに対して摺動可能であり、それによって、前記ロッド部分の前記内側通路と前記空気通路が、互いに連通する。
【0011】
1つの実施形態では、前記ディスク部分は、該ディスク部分に外力が加えられるときには、前記可撓性グロメットの前記チャンネルを封止し、外力が加えられないときには、前記可撓性グロメットから離れるように構成されている。
【0012】
1つの実施形態では、前記フィルタモジュールは、前記弾性部材を押圧するように前記円筒形ベース中に延びている支持体を有する。
【0013】
1つの実施形態では、前記可撓性グロメットは、前記チャンネルの縁から半径方向に延びる環状シール面を有し、前記環状シール面は、前記ピストンの前記ディスク部分と協働してシールを形成するように構成されている。
【0014】
1つの実施形態では、前記可撓性グロメットは、該可撓性グロメットの周囲に形成されている溝を有し、前記溝は、前記急速解放弁モジュールを前記空気通路に係止するために使用される環状取り付け部材と係合するように構成されている。
【0015】
前記ロッド部分は、該ロッド部分と前記円筒形ベースの間にシールを形成するシールリングを備える。
【0016】
1つの実施形態では、前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールリング、および、前記弾性シールリングを受け入れる溝をさらに備える。
【0017】
1つの実施形態では、前記ピストンの前記ディスク部分は、前記ディスク部分の周囲に嵌合するように内方に半径方法に延びる弾性シールバンドをさらに備える。
【0018】
1つの実施形態では、前記ピストンの前記ディスク部分は、弾性シールパッドをさらに備える。
【0019】
1つの実施形態では、前記可撓性グロメットは、複数の弾性フラップをさらに含み、前記複数の弾性フラップは、前記急速解放弁モジュールが前記空気通路に受け入れられているときに、前記空気通路を構成する弁座とシールを形成するように構成されている。
【0020】
1つの実施形態では、前記円筒形ベースは、前記ピストンの前記ディスク部分に面する側に、弾性シールリングをさらに備える。
【0021】
1つの実施形態では、前記弾性シールリングは、前記ディスクがガス充填パネルによって押圧されるときに、前記ディスク部分と前記円筒形べースの間にシールを形成するように構成されている。
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに、レクチルポッドに上記の急速解放弁モジュールを設けるための方法であって、前記レクチルポッドは、ベースボードを備えたベースを含み、前記ベースは、各々が空気通路を構成する複数の弁座を備え、前記ベースボードは、前記弁座に対応する複数の開口部を有する、方法を提供する。この方法は、前記可撓性グロメットの周囲に環状取り付け部材を設け、前記環状取り付け部材を有する前記急速解放弁モジュールを、前記ベースボードの前記開口部を通して通過させ、前記ベースの前記弁座に前記可撓性グロメットの一部を受け入れ、前記急速解放弁モジュールを前記弁座に取り付けるために、前記環状取り付け部材に、前記開口部の縁を押圧させる、ことを含む。
【0023】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに、急速解放弁モジュールであって、該急速解放弁モジュールは、構成されたチャンネルと、前記チャンネルの延びと垂直な規制面と、前記規制面に隣接した側面と、を有する可撓性グロメットと、前記可撓性グロメットの前記側面に合い、前記可撓性グロメットを選択的に設置するために、レクチルパッドのベース上に構成されている開口部の少なくとも1つのノッチと協働するように構成されている少なくとも1つの耳部分を有する環状取り付け部材と、を含む、急速解放弁モジュールを提供する。
【0024】
1つの実施形態では、前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面にさらに当接して接触する。
【0025】
1つの実施形態では、前記規制面に隣接した前記側面は、該側面に構成されている凹み面をさらに有し、前記環状取り付け部材は、前記側面の前記凹み面と合う。
【0026】
1つの実施形態では、前記可撓性グロメットは、前記開口部の縁から延びる環状シール面をさらに有する。
【0027】
1つの実施形態では、前記耳部分は、前記可撓性グロメットの前記規制面の外の半径まで突出している。
【0028】
上記の目的を達成するために、本発明はさらに、レクチルポッドに急速解放弁モジュールを装填するための方法であって、該方法は、ベースであって、該ベース上に形成されており、前記急速解放弁モジュールを受け入れるように構成されており、少なくとも1つのノッチを有する開口部を有する、ベースを準備し、可撓性グロメット、および、環状取り付け部材を含む前記急速解放弁モジュールであって、前記可撓性グロメットは、該可撓性グロメットに構成されているチャンネルと、前記チャンネルの延びと垂直な規制面と、前記規制面に隣接した側面と、を有し、前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面と合い、少なくとも1つの耳部分を有する、前記急速解放弁モジュールを準備し、前記可撓性グロメットを選択的に設置するために、前記可撓性グロメットおよび前記耳部分を、前記ベースの前記開口部および前記ノッチを通して通過させる、ことを含む、方法を提供する。
【0029】
1つの実施形態では、前記ベースは、前記開口部を構成するベースボードを有し、前記ベースボードは、前記耳部分が回転された後に、前記耳部分によって押圧され、その結果、前記可撓性グロメットが設置される。
【0030】
1つの実施形態では、前記ベースは、前記レクチルポッドの内部に結合された弁座を有し、前記可撓性グロメットの周囲と前記弁座は、シールを形成し、前記可撓性グロメットの前記チャンネルは、前記レクチルポッドの前記内部と連通する。
【0031】
1つの実施形態では、前記環状取り付け部材は、前記可撓性グロメットの前記規制面にさらに当接して接触する。
【0032】
1つの実施形態では、前記規制面に隣接した側面は、該側面に構成された凹み面をさらに有し、前記環状取り付け部材は、前記側面の前記凹み面と合う。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施形態によるレクチルポッド上に配置された急速解放弁モジュールの拡大概略図である。
図2a】いかにしてレクチルポッドのベース上に急速解放弁モジュールを迅速に取り付けるかを示す概略図である。
図2b】いかにしてレクチルポッドのベース上に急速解放弁モジュールを迅速に取り付けるかを示す概略図である。
図2c】いかにしてレクチルポッドのベース上に急速解放弁モジュールを迅速に取り付けるかを示す概略図である。
図3】急速解放弁モジュールの外側からの斜視図である。
図4】急速解放弁モジュールの分解図である。
図5】急速解放弁モジュールの断面図である。
図6図1の拡大概略図に示されている急速解放弁モジュールの断面図である。
図7a】ガス充填工程前の急速解放弁モジュールの断面図である。
図7b】ガス充填工程中の急速解放弁モジュールの断面図である。
図8a】本発明の実施形態による弾性シールリングおよび弾性シールリングを受け入れるための溝を備えた急速解放弁モジュールの断面図である。
図8b】弾性シールリングとガス充填装置パネルの間に形成された気密シールを備えた急速解放弁モジュールの断面図である。
図9a】本発明のもう1つの実施形態による弾性シールリングを備えた、ガス充填工程前の急速解放弁モジュールの断面図である。
図9b】本発明のもう1つの実施形態による弾性シールリングとガス充填装置パネルの間に形成された機密シールを備えた急速解放弁モジュールの断面図である。
図10a】本発明の実施形態による弾性シールリングを備えた急速解放弁モジュールの断面図である。
図10b】弾性シールリングとガス充填装置パネルの間に形成された気密シールを備えた急速解放弁モジュールの断面図である
図11】本発明の実施形態による弾性シールリングとガス充填装置パネルの間に形成された気密シールを備えた急速解放弁モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下で、本発明の実施形態を、本発明の好ましい構成の概略図を参照して説明する。これらの概略図に示されている形状および構成は、製造技術、設計、および/まだは、公差により異なる。したがって、本願で提供される実施形態は、本発明を特定の構成要素または形状に制限するものとして解釈してはならず、そうではなく、本願で提供される実施形態は、製造工程によって生じるいかなる形状の差異をも含むものとして解釈されるべきである。
【0035】
図1に示されているように、レクチルポッドのべース110は、複数の弁座120、弁座120に対応する複数の急速解放弁モジュール200、および、これらの複数の急速解放弁モジュール200の側面と係合する複数の環状取り付け部材300を含む。1対の耳部分310が、各環状取り付け部材300から延びている。この実施形態では、複数の弁座120、および、対応する急速解放弁モジュール200は、好ましくは、ベース110の4つの隅部の先端に配置されているが、他の構成も可能である。
【0036】
以下の記載は、いかにしてレクチルのベース上に急速解放弁モジュール200を迅速に取り付けるかを説明している。図2aに示されているように、レクチルポッドのベースは、複数の開口部131を有するベースボード130を収容しており、複数の開口部131の数は、弁座120の数に対応している。開口部131および弁座120の内側は、空気通路を形成している。ベースボード130はまた、1対の凹形ノッチ132を有し、1対の凹形ノッチ132の各々は、環状取り付け部材300の各耳部分310よりも大きい。それ故、1対の耳部分310は、1対のノッチ132を通過することができ、環状取り付け部材300も開口部131を通過することができる。ノッチ132の形状および数は、耳部分の形状および数に対応し、かくして、本願で実施形態に記載されている形状に制限されない。
【0037】
図2bに示されているように、ユーザは、環状取り付け部材300を有する急速解放弁モジュール200を、開口部131および1対のノッチ132を通して通過させることができ、次いで、急速解放弁モジュール200を弁座120に取り付けることができる。
【0038】
次いで、図2cに示されているように、環状取り付け部材300の1対の耳部分310は、工具を使用して、或いは、素手でユーザによって円周方向に回転されることができ、その結果、環状取り付け部材300は、1対の耳部分310が、(ノッチ132が位置する以外の位置で)開口部131の縁上にねじ込まれる間に、急速解放弁モジュール200を弁座120にねじ込ませることができる。その結果、環状取り付け部材300の1対の耳部分310は、ベースボード130の内側空間内で面を押圧するようになり、それによって、急速解放弁モジュール200を緩まることなく弁座120に取り付ける。
【0039】
従来技術の方法は、初めに、ベースボードを分解し、次に、弁座に取り付けられている弁を取り外すことを必要とする。これとは対照的に、本発明は、レクチルポッド上に急速解放弁モジュール200を配置するための上記に詳細に記載したような方法を提供し、この方法によって、1対の耳部分310は、開口部131の縁上に、或いは、1対のノッチ132内に直接ねじ込まれることができ、したがって、急速解放弁モジュール200は、ベースボードを分解することなく、弁座120に直接配置されることができ、或いは、弁座120から取り外されることができる。
【0040】
以下の記載は、図3図5を参照して急速解放弁モジュールの構造を説明している。図3は、急速解放弁モジュールの外側からの斜視図であり、図4は、急速解放弁モジュールの分解図であり、図5は、急速解放弁モジュールの断面図である。これらの図面が示しているように、急速解放弁モジュール200は、可撓性グロメット210と、ピストン220と、円筒形ベース230と、シールリング240と、弾性部材250と、フィルタモジュール260と、を含み、可撓性グロメット210は、可撓性グロメット210内で鉛直方向に延びるチャンネル212を含み、溝が、可撓性グロメット210の外側上に形成されている。この溝は、可撓性グロメット210に取り付けられた環状取り付け部材300を受け入れるために使用され、環状取り付け部材300は、開口部131に受け入れられた急速解放弁モジュール200の内側と共に弁座120の内側によって形成されたガスチャンネルを係止するために使用される。加えて、可撓性グロメット210は、外側上に複数の弾性フラップ213をさらに含み、弾性フラップ213は、弁座120の内側壁と係合して、弾性力によって気密シールを形成する。円筒形ベース230およびフィルタモジュール260は、チャンネル212内に受け入れられることができ、可撓性グロメット210は、弾性力によって円筒形ベース230およびフィルタモジュール260と密着嵌合し、その結果、それらの3つは、気密シールを形成する。円筒形ベース230、および、円筒形ベース230に対応する可撓性グロメット210は、一体的に形成され、より幅広いチャンネルを有し、この幅広いチャンネルから、より狭いチャンネルを備える円筒が延びる。また、可撓性グロメット210は、チャンネル212の縁から半径方向に延び、環状シール面214を形成する。他の可能な実施形態では、前記可撓性グロメットは、より大きいまたはより小さい寸法を有してもよいが、なお、同様な機能を提供するために同様な連結部を有するように構成されている。
【0041】
フィルタモジュール260は、濾過膜キャップ262を受け入れ、取り付けるための濾過膜ホルダ261を含み、濾過膜キャップ262は、流体が通過することを可能にする(読者の便宜のために、濾過膜キャップを通過する流体の詳細は、図面に示されていない)。濾過膜263が、濾過膜ホルダ261と濾過膜キャップ262の間に配置されている。濾過膜263は、濾過膜キャップ262によって濾過膜ホルダ261上に取り付けられることができ、それによって、濾過膜ホルダ261と濾過膜キャップ262の間に留められる。さらに、濾過膜ホルダ261が濾過膜263を受け入れる側の反対側で、濾過膜ホルダ261は、中央面から延びる支持部材2611を含み、支持部材2611の軸線は、ピストン220の軸線に近いか、或いは、ピストン200の軸線と同等である。支持部材2611が延びるのと同じ側で、複数の係止部材2612が、濾過膜ホルダ261の周辺縁の近くで濾過膜ホルダ261の表面から延びている。係止部材2612によって形成される円周は、円筒形ベース230のより幅広いチャンネルによって形成される内径に近似するか、或いは、等しい外径を有する。そのようにして、フィルタモジュール260は、複数の係止部材2612によって円筒形ベース230上に係止されることができる。
【0042】
図4および図5に示されているように、ピストン220は、真っ直ぐなロッド部分221、および、真っ直ぐなロッド部分221から延びるディスク部分222を含み、ディスク部分222は、環状シール面214と共に気密シールを形成することができる。複数の中空な空気穴223が、真っ直ぐなロッド部分221上に配置されており、空気穴223は、ガスがピストン220の内部および外部を通過することを可能にする。加えて、シールリング240が、空気穴223の上縁上に配置されている。特に、シールリング240は、好ましくは、空気穴223の近くで真っ直ぐなロッド部分221の外側壁上に配置されている。さらに、弾性部材250が、円筒形ベース230の内側部分に向かうピストン220の端に配置されている。弾性部材250は、真っ直ぐなロッド部分221の端部分上に直接配置されているのがよく、好ましくは、真っ直ぐなロッド部分221は、弾性部材250を収容するための空間を含み、その結果、弾性部材250は、外力により外れることなく真っ直ぐなロッド部分221の端部分に取り付けられることができる。
【0043】
したがって、シールリング240および弾性部材250を備える前記ピストン220は、円筒形ベース230のより狭いチャンネル内に配置される。さらに詳しくは、ピストン220の真っ直ぐなロッド部分221の外径は、円筒形ベースのより狭いチャンネルの内径に等しく、その結果、真っ直ぐなロッド部分221の外側壁は、円筒形ベース230のより狭いチャンネルの内側壁に嵌合することができる。真っ直ぐなロッド部分221の一方の端は、シールリング240および弾性部材250を備える。シールリング240および弾性部材250は、円筒形ベース230のより幅広いチャンネルによって形成された内側空間内に配置される。これとは対照的に、真っ直ぐなロッド部分221の他方の端は、円筒形ベース230のより狭いチャンネル内で摺動することができる。一方、真っ直ぐなロッド部分221から延びるディスク部分222は、ピストン220のおよび円筒形ベース230の外側に配置されている。
【0044】
フィルタモジュール260は、円筒形ベース230に取り付けられているときに、フィルタモジュール260の支持部材2611は、円筒形ベース230のより幅広いチャンネル内に配置され、ピストン220の軸線と整合する。かくして、支持部材2611は、ピストン220の弾性部材250に接触することができる。ピストン220が作動されていないときには、ピストン220は、上述したように支持部材2611を押圧しない。図4に示されているような急速解放弁モジュールの構造に関して、構成要素は、図2に示されているような外観を形成する。
【0045】
以下の記載は、いかにしてユーザが図6および図4の両方を参照して急速解放弁モジュールを組み立てるかを説明している。初めに、濾過膜263を濾過膜ホルダ261上に平らに置く。次いで、濾過膜ホルダ261上に濾過膜キャップ262を取り付けて、フィルタモジュールを形成する。次いで、弾性部材250を真っ直ぐなロッド部分221中に配置して、真っ直ぐなロッド部分221に取り付ける。これらのステップは、全体弁モジュールを組み立てる前の準備作業を構成し、他の順序で自由に配列することができる。
【0046】
次いで、円筒形ベース230を可撓性グロメット210内に配置し、ピストン220の真っ直ぐなロッド部分221を、円筒形ベース230のより狭いチャンネルを通して円筒形ベース230内に配置する。円筒形ベース230のより幅広いチャンネルを通してシールリング240を配置し、シールリング240を、空気穴223の上縁の真上で、真っ直ぐなロッド部分221上に取り付ける。シールリング240により、ピストンは、円筒形230から外れなくなる。次に、フィルタモジュール260の支持部材2611を真っ直ぐなロッド部分221と整合させ、フィルタモジュール260を円筒形ベース230上に取り付けて、(図2に示されているように)急速解放弁モジュールを形成する。最後に、環状取り付け部材300を、ディスク部分222に近い端で急速解放弁モジュール200の可撓性グロメット210の外側に嵌合させ、急速解放弁モジュール200の可撓性グロメット210の外側上に係合させる。
【0047】
上記の急速解放弁モジュール200は、他の市販されている弁よりもより迅速に配置され、組み立てられることができる。弁モジュールは、レクチルに損傷を生じ得る摩擦によって生じる粒子を生成することなく、より効率的に組み立てられることができる。急速解放弁モジュール200は、弁モジュールの構成部品が超過使用され、交換を必要とするときに、弁モジュールの構成部品を、弁全体を交換する必要なくより迅速にかつ都合よく交換することができるという点で、さらに有利である。例えば、粒子が濾過膜263上に堆積され、膜を交換する必要があるときに、単に濾過膜キャップ262を取り上げ、膜を交換し、キャップを戻して置くだけで交換を行うことができる。弾性疲労または損傷によりシールリング240または弾性部材250を交換する必要があるときには、単にフィルタモジュール260を開放し、真っ直ぐなロッド部分221上のシールリング240または弾性部材250を交換するだけで交換を行うことができる。
【0048】
可撓性グロメット210は、(図4に示されている)内側壁211と略垂直な規制面215、および、規制面215に隣接した側面216をさらに有する。規制面215および側面216は、可撓性グロメット210の周囲に提供されており、規制面215は、可撓性グロメット210の外側上に形成されているフランジ(参照番号なし)によって形成されているのがよく、規制面115は、環状取り付け部材300および耳部分310を規制するように環状シール面214と略平行である。側面216は、環状シール面214と規制面215の間に延びている。代替的には、側面216は、前記フランジの径よりも小さい径を備える面である。規制面215および側面216は、環状取り付け部材300と合い、連結するための合い面を構成する。図面に示されているように、側面216は、環状取り付け部材300と合うために側面216上に形成されている凹み面(参照番号なし)をさらに有するのがよい。この凹み面は、環状取り付け部材300が規制面215にも当接して接触することができるように、規制面215に連結する。耳部分310は、規制面215から半径方向に突出する。いくつかの実施形態では、環状取り付け部材300および耳部分310は、可撓性グロメット210と一体化されているのがよい。
【0049】
図7aは、ガス充填工程前の急速解放弁モジュールの断面図である。図面に示されているように、外力はまだ、急速解放弁モジュール200に及ぼされていない(すなわち、ピストン220は、ガス充填パネル400によって押圧されていない)。かくして、真っ直ぐなロッド部分211の溝に配置されている弾性部材250は、支持部材2611によってわずかに押圧されているだけであり、シールリング240は、円筒形ベース230の内側空間近くでより狭いチャンネルの開放端を押圧する。これにより、ピストン220が円筒形ベース230のチャンネル内で摺動しないことが確保される。一方、ピストン220のディスク部分222は、可撓性グロメットに接触するのではなく、円筒形ベース230と共に間隙Gを形成する。空気穴223が今、円筒形ベース230のより狭いチャンネル内に位置決めされ、かつ、シールリング240が、より狭いチャンネルを閉鎖して気密シールを形成する場合には、流体(ガス)は、ピストンによって創出される経路に沿って円筒形ベース230の内側空間に流入しない。換言すると、流体は、急速解放弁モジュール200および急速解放弁モジュール200に連結されている弁座120によって創出される経路を通ってレクチルに流入することができない。
【0050】
図7bは、ガス充填中の急速解放弁モジュール200の断面図である。急速解放弁モジュール200は今、弁座120上に配置されており、弁座120は、レクチルポッドのベース上に位置している(弁座120は、説明の容易化のために、図7bに示されていない)。ガス充填工程が、レクチルポッド上で行われるときには、ガス充填パネル400は、頂部から底部方向にピストン220のディスク部分222に結合されるようになり(説明の容易化のために、図7bに示されているガス充填パネル400は、実際の方向に比べて上側から下の方向に結合されている、すなわち、実際の工程では、ガス充填パネル400は、頂部に配置されており、これに対して、急速解放弁モジュール200は、底部に配置されており、ディスク部分222は上方に向いている)、ディスク部分222を、可撓性グロメット210および円筒形ベース230の両方によって形成された外部面の方に押し、その結果、ディスク部分222は、外部面に完全に結合されるようになり、気密シールを形成する。一方、ガス充填パネル400は、ピストン220のディスク部分222を駆動して、間隙Gの長さ移動し、したがって、真っ直ぐなロッド部分221は、円筒形ベース230内でより幅広いチャンネルの内側空間に向かって間隙Gの長さ摺動する。この工程中、空気穴223もまた、円筒形ベース230内で円筒形ベース230のより狭いチャンネルからより幅広いチャンネルの内側空間に向かって摺動する。加えて、シールリング240は、同様な仕方で円筒形ベース230のより幅広いチャンネルに向かってシフトする。その結果、流体の流れは遮断されなくなる。
【0051】
ガス充填パネル400が、ディスク部分222を、可撓性グロメット210および円筒形ベース230の両方によって形成される外部面まで全体的に押すときには、ピストン220は、移動が止められるようになる。そして、ガス充填パネル400の押圧力が弾性部材250の弾性抵抗よりも大きいときには、ピストン220は、押し戻されなくなる。換言すると、ピストン220は、所定位置に固定され、それ以上摺動しなくなる。
【0052】
レクチルポッドのためのガス充填工程が始まるときには、加圧流体(圧縮ガス)がガス充填パネル400から供給される。流体は、図7bの矢印に従ってガス充填パネル400からピストン229の真っ直ぐなロッド部分221の内側内に流入し、次いで、真っ直ぐなロッド部分221の空気穴223を経て円筒形ベース223のより幅広いチャンネル内に流入し、最後に、フィルタモジュール260から流出する。流体は、フィルタモジュールを通して流れる間に、流体中に存在する粒子は、濾過膜263に吸収され、かくして、フィルタモジュール260から流れ出る流体は、クリーンになる。
【0053】
レクチルポッドのためのガス充填工程が終了するときには、図7aに示されているように、ガス充填パネル400は、ガスを供給するのを止め、ピストンから離れる方に移動するようになる。一方、弾性部材250は、支持部材2611によって押圧されているので、弾性反発力を有し、また、ガス充填パネル400から生じる押圧力は、今や消失し、その結果、ピストン220は、シールリング240が円筒形ベース230のより狭いチャンネルの端部分上に係合されるまで、弾性部材250からの弾性反発力の助けにより初期位置に向かって摺動する。最後に、ピストン220は、移動が止められ、ピストン220は、初期位置に戻り、ここで、ピストン220、および、可撓性グロメット210および円筒形ベース230によって形成された外部面は、それらの間に間隙Gを維持する。
【0054】
弾性シール部材の種々の実施形態が、以下に詳細に説明されている。これらの弾性シール部材は、他の外来流体がレクチルポッドに進入して、内部で流れる流体の清浄を密かに害するのを防止するように、急速弁モジュール200のためによりよい気密シールを与えるのに役立つ。弾性シールバンド、および、弾性シールバンドを受け入れるための溝を備える急速解放弁モジュールの断面図を示している図8a、および、弾性シールバンドおよびガス充填装置パネルによって形成される気密シールを備える急速解放弁モジュールの断面図を示している図8bを参照されたい。図8aでは、Oリングのような弾性シールリング510が、ガス充填パネル400を収容するディスク部分222の側に配置されており、ディスク部分222の同じ側で、弾性シールリング510を受け入れるための溝がまた、面上に形成されている。図8bに示されているように、ガス充填パネル400がディスク部分222を押すときには、ディスク部分222とガス充填パネル400の間に位置決めされている弾性シールリング510により、気密シールが形成される。
【0055】
本発明はさらに、弾性シールリング510のもう1つの実施形態を提供する。図9aは、ガス充填工程が始まる前の異なるタイプの弾性シールリング510を備える急速解放弁モジュール200の断面図であり、図9bは、弾性シールリング510およびガス充填パネル400によって形成された気密シールを備える急速解放弁モジュール200の断面図である。図9aおよび図9bに示されているように、弾性シールリング510はさらに、ピストン220のディスク部分222の方に面する円筒形ベース230の端の円周上に配置されており、弾性シールリング510は、円筒形ベース230の端部分にしっかりと取り付けられており、急速解放弁モジュール200に向かう間隙Gの位置から見たときに可撓性グロメット210の環状シール面214から突出している。ガス充填パネル400がディスク部分222を押すときには、弾性シールリング510は、ディスク部分222によって押し潰され、変形され、気密シールが、ディスク部分222と円筒形ベース230の間に形成されるようになり、かくして、粒子は、可撓性グロメット210とディスク部分222の間の間隙を経て急速解放弁モジュール200の内側空間に進入することができない。加えて、弾性シールリング510を受け入れるための(上述したような)溝を形成するためにディスク部分の面を加工する必要がない。代替的には、弾性シールリング510は、円筒形ベース230の方に面する、ディスク部分222上に形成または配置されていてもよい。
【0056】
図10aは、弾性シールバンドを備える急速解放弁モジュールの断面図であり、図10bは、弾性シールバンドとガス充填装置パネルの間に形成された気密シールを備えた急速解放弁モジュールの断面図である。図10aには、半径方法に内方に延びる弾性シールバンド520が、ディスク部分222上に配置されており、ディスク部分の円周に嵌合し、弾性シールバンド520の厚さは、間隙Gの幅よりも小さく、ピストン220の作動に影響を及ぼさない。図10bは、ガス充填パネル400がディスク部分222を押すときに、弾性シールバンド520は、ディスク部分222の円周とガス充填パネル400の間に位置決めされるようになり、気密シールを形成することを示している。
【0057】
図11は、弾性シールパッドを備える急速解放弁モジュールを示している。図11に示されているように、弾性シールパッド530が、ガス充填パネル400が接触する側でディスク部分222の面上に配置されている。ガス充填パネル400がディスク部分を押すときに、弾性シールパッド530は、ディスク部分222の円周とガス充填パネル400の間に位置決めされるようになり、気密シールを形成する。
【0058】
纏めると、図8図11に示されているような弾性シール部材(例えば、弾性シールリング510、弾性シールバンド520、および、弾性シールパッド530)を使用して、外部空気が、ガス充填パネル400がディスク部分222を押す間にディスク部分と十分に接触していない場合に創出されるチャンネルを経て急速解放弁モジュールに進入することを防止することができる。それ故、急速解放弁モジュール内に流入する流体の清浄度をさらに増大させることができる。また、外側からのガス粒子が、急速解放弁モジュールの機構に損傷を生じさせないようにすることができるので、急速解放弁モジュールの耐用年数を延ばすことができる。さらに、これらの弾性シール部材をより容易に交換することができる場合には、低コスト部品を使用して、向上されたシール能力を達成することができる。
【符号の説明】
【0059】
110 レクチルポッドのベース
120 弁座
130 ベースボード
131 開口部
200 急速解放弁モジュール
210 可撓性グロメット
212 チャンネル
220 ピストン
221 ロッド部分
222 ディスク部分
230 円筒形ベース
240 シールリング
250 弾性部材
260 フィルタモジュール
300 環状取り付け部材
400 ガス充填パネル
510 弾性シールリング
520 弾性シールバンド
530 弾性シールパッド
図1
図2a
図2b
図2c
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11