(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】成形可能ビーズ含有部材
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A47C27/00 Q
A47C27/00 R
(21)【出願番号】P 2020213296
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2020-12-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320012794
【氏名又は名称】伴 俊宏
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】伴 俊宏
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-063416(JP,A)
【文献】特開2000-253961(JP,A)
【文献】特開2020-010872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形可能ビーズ含有部材であって、
前記成形可能ビーズ含有部材が、
気密性のある変形可能な気密性収容部材と、
前記気密性収容部材の内側に位置する複数のビーズと、
前記気密性収容部材の内部から前記気密性収容部材の外部に排気するための排気路画定部材と、
を備え、
前記気密性収容部材が、気密出口を備え、
前記排気路画定部材が、前記気密出口を通って位置しており、
前記気密性収容部材が、前記気密出口において前記排気路画定部材の外面と気密性を保って接続されており、
前記排気路画定部材が、
前記気密性収容部材の外部に位置する排気路出口と、
前記気密性収容部材の内部に位置する排気路入口と、
前記排気路出口と前記排気路入口との間で気体を流すことが可能な排気路と、
を含
み、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記気密性収容部材内に位置する流路空間画定部材を備え、
前記流路空間画定部材が、流路空間を囲むように構成された外壁部材を備え、
前記外壁部材が、前記外壁部材の外部と前記流路空間との間で気体を流すことが可能な複数の貫通孔を含み、
前記流路空間から前記排気路入口を通して前記排気路に気体が流れることが可能なように、前記排気路画定部材と前記流路空間画定部材とが接続されており、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記ビーズを通さない通気性のある変形可能な通気性収容部材を備え、
前記ビーズが、前記通気性収容部材に収容されており、
前記通気性収容部材が、前記気密性収容部材に収容されており、
前記流路空間画定部材が、前記通気性収容部材と前記気密性収容部材との間に位置し、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記流路空間画定部材を位置決めする位置決め部材を備え、
前記位置決め部材が、前記気密性収容部材の外部に位置しており、
前記外壁部材が、円筒形の側壁と円板形の上壁と円板形の下壁とを備え、
前記流路空間が、前記側壁と、前記側壁の一端に接続された前記上壁と、前記側壁の他端に接続された前記下壁とにより囲まれた円柱形であり、
前記位置決め部材が、前記下壁に対向して位置する底部と、前記側壁に対向して位置する円筒形の側部とを備え、
前記上壁が前記通気性収容部材を介して前記ビーズに対向するように位置している状態で、前記流路空間画定部材が前記位置決め部材内に位置している、
成形可能ビーズ含有部材。
【請求項2】
前記排気路画定部材が、前記流路空間画定部材の前記側壁に固定されており、
前記位置決め部材の前記側部が、前記排気路画定部材を挿入するための位置決め孔を備え、
前記排気路画定部材を挿入するための前記位置決め孔が、前記排気路画定部材を固定可能に構成されており、及び前記排気路画定部材を取り外し可能に構成されている、
請求項1に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項3】
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記気密性収容部材の外部から前記気密性収容部材の内部に吸気可能な吸気路画定部材を備える、
請求項1または請求項
2に記載の成形可能ビーズ含有部材
。
【請求項4】
前記吸気路画定部材が、前記流路空間画定部材の前記側壁に固定されており、
前記位置決め部材の前記側部が、前記吸気路画定部材を挿入するための位置決め孔を備え、
前記吸気路画定部材を挿入するための前記位置決め孔が、前記吸気路画定部材を固定可能に構成されており、及び前記吸気路画定部材を取り外し可能に構成されている、
請求項3に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項5】
前記排気路画定部材が、前記流路空間画定部材の前記側壁に固定されており、
前記位置決め部材の前記側部が、前記排気路画定部材を挿入するための位置決め孔を備え、
前記排気路画定部材を挿入するための前記位置決め孔が、前記排気路画定部材を固定可能に構成されており、及び前記排気路画定部材を取り外し可能に構成されており、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記気密性収容部材の外部から前記気密性収容部材の内部に吸気可能な吸気路画定部材を備え、
前記吸気路画定部材が、前記流路空間画定部材の前記側壁に固定されており、
前記位置決め部材の前記側部が、前記吸気路画定部材を挿入するための位置決め孔を備え、
前記吸気路画定部材を挿入するための前記位置決め孔が、前記吸気路画定部材を固定可能に構成されており、及び前記吸気路画定部材を取り外し可能に構成されている、
請求項1に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項6】
前記ビーズが球形であり、
前記複数の貫通孔の少なくとも一部が多角形の開口をもつ、
請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項7】
前記成形可能ビーズ含有部材が、逆止弁を備え、
前記逆止弁が、前記気密性収容部材の内部から前記気密性収容部材の外部への気体の流れを可能にするように構成されているとともに、前記気密性収容部材の外部から前記気密性収容部材の内部への気体の流れを阻止するように構成されている、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項8】
成形可能ビーズ含有部材であって、
前記成形可能ビーズ含有部材が、
気密性のある変形可能な気密性収容部材と、
前記気密性収容部材の内側に位置する複数のビーズと、
前記気密性収容部材の内部から前記気密性収容部材の外部に排気するための排気路画定部材と、
を備え、
前記気密性収容部材が、気密出口を備え、
前記排気路画定部材が、前記気密出口を通って位置しており、
前記気密性収容部材が、前記気密出口において前記排気路画定部材の外面と気密性を保って接続されており、
前記排気路画定部材が、
前記気密性収容部材の外部に位置する排気路出口と、
前記気密性収容部材の内部に位置する排気路入口と、
前記排気路出口と前記排気路入口との間で気体を流すことが可能な排気路と、
を含
み、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記気密性収容部材内に位置する流路空間画定部材を備え、
前記流路空間画定部材が、流路空間を囲むように構成された外壁部材を備え、
前記外壁部材が、前記外壁部材の外部と前記流路空間との間で気体を流すことが可能な複数の貫通孔を含み、
前記流路空間から前記排気路入口を通して前記排気路に気体が流れることが可能なように、前記排気路画定部材と前記流路空間画定部材とが接続されており、
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記ビーズを通さない通気性のある変形可能な通気性遮蔽部材を備え、
前記流路空間画定部材が、前記通気性遮蔽部材に収容されており、
前記ビーズが、前記気密性収容部材と前記通気性遮蔽部材との間に位置している、
成形可能ビーズ含有部材。
【請求項9】
前記流路空間画定部材が、管状である、
請求項
8に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項10】
前記ビーズが球形であり、
前記複数の貫通孔の少なくとも一部が多角形の開口をもつ、
請求項
8または請求項
9に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項11】
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記流路空間画定部材を位置決めする位置決め部材を備え、
前記位置決め部材が、前記気密性収容部材の外部に位置している、
請求項
8から請求項
10のいずれか一項に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項12】
前記成形可能ビーズ含有部材が、逆止弁を備え、
前記逆止弁が、前記気密性収容部材の内部から前記気密性収容部材の外部への気体の流れを可能にするように構成されているとともに、前記気密性収容部材の外部から前記気密性収容部材の内部への気体の流れを阻止するように構成されている、
請求項
8から請求項
11のいずれか一項に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【請求項13】
前記成形可能ビーズ含有部材が、前記気密性収容部材の外部から前記気密性収容部材の内部に吸気可能な吸気路画定部材を備える、
請求項
8から請求項
12のいずれか一項に記載の成形可能ビーズ含有部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形可能ビーズ含有部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微小なビーズを通気性のある袋に収容したビーズクッションなどのビーズ含有部材がある(例えば特許文献1参照)。ビーズクッションは、内部のビーズの集合体が流動性をもっているので、人が座ると簡単に形が変わり、包み込まれるような感覚を味わうことができる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のビーズクッションではビーズの流動性が高いことから、決まった形状を維持することができない。一方で、木製の椅子といった家具は、決まった形状を維持することができる反面、自分の好みに合わせて形を変えることができない。
【0005】
本発明の目的のうちの1つは、ビーズの集合体の流動性の高い状態と流動性の低い状態とを切り替えることで形状の持続性を可変としたビーズ含有部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材であって、成形可能ビーズ含有部材が、気密性のある変形可能な気密性収容部材と、気密性収容部材の内側に位置する複数のビーズと、気密性収容部材の内部から気密性収容部材の外部に排気するための排気路画定部材と、を備え、気密性収容部材が、気密出口を備え、排気路画定部材が、気密出口を通って位置しており、気密性収容部材が、気密出口において排気路画定部材の外面と気密性を保って接続されており、排気路画定部材が、気密性収容部材の外部に位置する排気路出口と、気密性収容部材の内部に位置する排気路入口と、排気路出口と排気路入口との間で気体を流すことが可能な排気路と、を含む、成形可能ビーズ含有部材である。
【0007】
第1の態様によれば、ビーズの集合体の流動性の高い状態と流動性の低い状態とを切り替えることができるので、形状の持続性を可変とした成形可能ビーズ含有部材が提供される。第1の態様によれば、使用者が排気路を通して気密性収容部材内を排気しながら、ビーズを収容した通気性収容部材を変形させることが可能となり、使用者の所望の形状の物体を形成することができる。
【0008】
第2の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、気密性収容部材内に位置する流路空間画定部材を備え、流路空間画定部材が、流路空間を囲むように構成された外壁部材を備え、外壁部材が、外壁部材の外部と流路空間との間で気体を流すことが可能な複数の貫通孔を含み、流路空間から排気路入口を通して排気路に気体が流れることが可能なように、排気路画定部材と流路空間画定部材とが接続されている、第1の態様に記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0009】
第2の態様によれば、成形可能ビーズ含有部材が流路空間画定部材を備えるので、気体が複数の貫通孔と流路空間と排気路とを通して排気されることとなる。気体が複数の貫通孔に分散させて流れるので、一か所から排気する場合に比べて広範囲の排気がしやすい。また、一か所の排気路で直接吸引する場合に比べて、ビーズによる流路の閉塞を防ぎやすい。第2の態様によれば、気密性収容部材内に流路空間が確保されるので、流路空間が無い場合に比べて安定して気体を流すことができる。
【0010】
第3の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、ビーズを通さない通気性のある変形可能な通気性収容部材を備え、ビーズが、通気性収容部材に収容されており、通気性収容部材が、気密性収容部材に収容されており、流路空間画定部材が、通気性収容部材と気密性収容部材との間に位置する、第2の態様に記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0011】
第3の態様によれば、ビーズが、通気性収容部材に収容されており、通気性収容部材が、気密性収容部材に収容されており、流路空間画定部材が、通気性収容部材と気密性収容部材との間に位置しているので、流路空間を確保することで気体を流しやすくしながら、流路空間へのビーズの流入を効果的に防ぐことができる。
【0012】
第4の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、ビーズを通さない通気性のある変形可能な通気性遮蔽部材を備え、流路空間画定部材が、通気性遮蔽部材に収容されており、ビーズが、気密性収容部材と通気性遮蔽部材との間に位置している、第2の態様に記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0013】
第4の態様によれば、ビーズが、気密性収容部材と通気性遮蔽部材との間に位置しており、流路空間画定部材が、通気性遮蔽部材に収容されているので、流路空間を確保することで気体を流しやすくしながら、流路空間へのビーズの流入を効果的に防ぐことができる。
【0014】
第5の態様の成形可能ビーズ含有部材は、流路空間画定部材が、管状である、第2の態様から第4の態様のいずれか1つに記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0015】
第5の態様によれば、流路空間画定部材が管状であるので、ビーズの集合体と流路空間との間の気体の流れの位置を、ビーズの集合体内で長手方向に分散させることができ、ビーズの周辺の気体を局所的に吸引する場合に比べると広範囲の成形がしやすくなる。
【0016】
第6の態様の成形可能ビーズ含有部材は、ビーズが球形であり、複数の貫通孔の少なくとも一部が多角形の開口をもつ、第2の態様から第5の態様のいずれか1つに記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0017】
第6の態様によれば、ビーズが球形であり、複数の貫通孔の少なくとも一部が多角形の開口をもつので、貫通孔が円形の場合に比べてビーズが貫通孔につまるのを防ぎやすい。
【0018】
第7の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、流路空間画定部材を位置決めする位置決め部材を備え、位置決め部材が、気密性収容部材の外部に位置している、第2の態様から第6の態様のいずれか1つに記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0019】
第7の態様によれば、成形可能ビーズ含有部材が、気密性収容部材の外部に位置決め部材を備えるので、気密性収容部材内の流路空間画定部材の位置を外部から簡単に安定化させることができる。
【0020】
第8の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、逆止弁を備え、逆止弁が、気密性収容部材の内部から気密性収容部材の外部への気体の流れを可能にするように構成されているとともに、気密性収容部材の外部から気密性収容部材の内部への気体の流れを阻止するように構成されている、第1の態様から第7の態様のいずれか1つに記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0021】
第8の態様によれば、成形可能ビーズ含有部材が逆止弁を備えるので、排気を停止したときに気密性収容部材の内部に気体が戻らないので成形がしやすく、また、成形後に排気路を塞ぐ手間を省くことができる。
【0022】
第9の態様の成形可能ビーズ含有部材は、成形可能ビーズ含有部材が、気密性収容部材の外部から気密性収容部材の内部に吸気可能な吸気路画定部材を備える、第1の態様から第8の態様のいずれか1つに記載の成形可能ビーズ含有部材である。
【0023】
第9の態様によれば、成形可能ビーズ含有部材が吸気路画定部材を備えるので、気密性収容部材の内部に気体を送ることによりビーズの流動性を高めて、再度の成形をしやすくすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ビーズの集合体の流動性の高い状態と流動性の低い状態とを切り替えることで形状の持続性を可変としたビーズ含有部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】第1の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材、排気装置及び排気ダクトの上側斜視図である。
【
図2】
図1の成形可能ビーズ含有部材及び排気ダクトの下側斜視図である。
【
図3】例示的な成形後の成形可能ビーズ含有部材、排気装置及び排気ダクトの上側斜視図である。
【
図4】
図1のA-A線における成形可能ビーズ含有部材の模式的な断面図である。
【
図5】第1の実施形態の基礎部材、第1の位置決め部材、流路空間画定部材、排気路画定部材、及び逆止弁の部分分解斜視図である。
【
図6】第1の実施形態の基礎部材、第1の位置決め部材、流路空間画定部材、排気路画定部材、及び逆止弁を組み合わせた状態の斜視図である。
【
図7】第2の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材の模式的な断面図である。
【
図8】第2の実施形態の基礎部材、流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、第2の位置決め部材、第3の位置決め部材、吸気路画定部材、及び吸気路封止部材の部分分解斜視図である。
【
図9】第2の実施形態の基礎部材、流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、第2の位置決め部材、第3の位置決め部材、吸気路画定部材、及び吸気路封止部材を組み合わせた状態の斜視図である。
【
図10】第3の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材の模式的な断面図である。
【
図11】第3の実施形態の流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、第4の位置決め部材、吸気路画定部材、及び吸気路封止部材の部分分解斜視図である。
【
図12】第3の実施形態の流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、第4の位置決め部材、吸気路画定部材、及び吸気路封止部材を組み合わせた状態の斜視図である。
【
図13】第4の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材の模式的な断面図である。
【
図14】第5の実施形態の流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、及び通気性遮蔽部材の部分分解斜視図である。
【
図15】第5の実施形態の流路空間画定部材、排気路画定部材、逆止弁、及び通気性遮蔽部材を組み合わせた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の第1~第5の実施形態について説明する。第1の実施形態では、各構成要素の百の位が1で表されている。同様に、第2~第5の実施形態の各構成要素は、それぞれ、百の位が2~5で表されている。別段断りのない限り、異なる実施形態において百の位のみが異なる構成要素は、それぞれ、同様の構成要素を表す。
【0027】
本明細書において、互いに直交するx方向、y方向、及びz方向を規定する。x方向は、互いに逆を向くx1方向とx2方向とを区別せずに表す。y方向は互いに逆を向くy1方向とy2方向とを区別せずに表す。z方向は互いに逆を向くz1方向とz2方向とを区別せずに表す。また、z1側を上と表現し、z2側を下と表現する場合がある。これらの方向は、相対的な位置関係を説明するために便宜上規定するのであって、実際の使用時の方向を限定するわけではない。構成要素の形状は、本明細書で開示された実施形態の技術思想が実現される限り、記載された表現に基づく厳密な幾何学的な形状に限定されない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材100、排気装置2、及び排気ダクト3の上側斜視図である。
図2は、
図1の成形可能ビーズ含有部材100及び排気ダクト3の下側斜視図である。
図3は、例示的な成形後の成形可能ビーズ含有部材100の上側斜視図である。
【0029】
図1に示す成形可能ビーズ含有部材100、排気装置2、及び排気ダクト3は相互に取り付け及び取り外しが可能に構成されている。排気ダクト3を介して排気装置2により成形可能ビーズ含有部材100の内部から排気しながら、成形可能ビーズ含有部材100の変形可能な部分を例えば人の手や機械による外力で成形することにより、成形可能ビーズ含有部材100を成形することができる。例えば、
図3に示されるように成形可能ビーズ含有部材100の外形が椅子の形に成形される。成形可能ビーズ含有部材100は、他の形状に成形可能であってよい。成形可能ビーズ含有部材100は一例において、ソファ、ベッド、枕として利用可能な程度の大きさであるが、これらに限定されない。
【0030】
図4は、
図1のA-A線における成形可能ビーズ含有部材100の模式的な断面図である。断面はxz平面に平行であり、成形可能ビーズ含有部材100のy方向中心を通る。なお、後述の流路空間画定部材116、排気路画定部材117、及び逆止弁118は断面図とせずに側面図で示されている。
【0031】
成形可能ビーズ含有部材100は、通気性収容部材110とビーズ111の集合体と気密性収容部材112とカバー部材113と基礎部材114と第1の位置決め部材115と流路空間画定部材116と排気路画定部材117と逆止弁118とを備える。なお、カバー部材113、通気性収容部材110、ビーズ111の集合体、及び気密性収容部材112は変形可能であり、
図1では丸みを帯びた状態が例示されているが、
図4では説明の便宜上、直方体に近い形態をとった状態が例示されている。
【0032】
図5は、基礎部材114、第1の位置決め部材115、流路空間画定部材116、排気路画定部材117、及び逆止弁118の部分分解斜視図である。
図6は、基礎部材114、第1の位置決め部材115、流路空間画定部材116、排気路画定部材117、及び逆止弁118を組み合わせた状態の斜視図である。
【0033】
図4に示すように通気性収容部材110は、通気性のある変形可能なシート状の材料から形成されており、中空の袋状に形成されている。通気性収容部材110の内部に、複数の(非常に多数の)微小なビーズ111が収容されている。個々のビーズ111の外形は例えば球形である。個々のビーズ111の直径は、一例において1~3mmであってよく、他の一例において5mmであってよい。個々のビーズ111は例えば樹脂製の粒子を発泡させることにより形成されたものである。通気性収容部材110は、ビーズ111を通さないが気体を通す部材により形成されており、例えば布製である。
【0034】
図4では通気性収容部材110の外形はおおむね直方体として模式的に描かれているが、他の形状であってもよく、ビーズ111の重さにより変形可能であってよく、外力で変形可能であってよく、
図1に示すように丸みを帯びていてもよい。通気性収容部材110はビーズ111を出し入れするために開閉可能に構成されてもよい。
【0035】
気密性収容部材112は、気密性のある変形可能なシート状の材料から形成されており、中空の袋状に形成されている。気密性収容部材112の内部に、ビーズ111を収容した通気性収容部材110が収容されている。気密性収容部材112は気密出口120を備え、気密出口120以外の部分では内部と外部との間で気体を通さない。気密性がある材料とは、気体を全く通さないか、気体を極めて通しにくい材料である。気密性収容部材112は、例えば、限定されないがナイロン、ポリエチレン、ゴムのうちの1つ又は複数により形成される。気密性収容部材112は、例えば布団圧縮袋に使用されるナイロン又はポリエチレンにより形成される。気密性収容部材112は、例えば自転車のタイヤのチューブ又はゴムボートに使用されるゴムにより形成される。気密性収容部材112の一部に開閉可能な部位が設けられてもよい。
【0036】
カバー部材113は、通気性のある変形可能なシート状の材料(例えば布)から形成されており、中空の袋状に形成されている。カバー部材113の内部に、ビーズ111を収容した通気性収容部材110を収容した気密性収容部材112が収容されている。カバー部材113のz2側の面には貫通した固定用カバー孔121が設けられている。カバー部材113の一部に貫通した排気用カバー孔122が設けられている。排気用カバー孔122は、
図1の排気ダクト3を通すことが可能である。
【0037】
図5に示すように、基礎部材114は、おおむねxy平面に平行に広がった円板である。基礎部材114は、
図4に示すカバー部材113、気密性収容部材112、通気性収容部材110に比べると硬質であり容易に変形しない。基礎部材114は例えば木材、樹脂、又は金属により形成されている。基礎部材114は、例えば床に置かれることで成形可能ビーズ含有部材100を安定化させる機能をもつ。基礎部材114の形状は他の形状であってもよい。基礎部材114は、気密性収容部材112の外部に位置し、本実施形態ではカバー部材113の外部に位置する。
【0038】
図5に示すように、第1の位置決め部材115は、側板130と第1の底板131と第2の底板132とを備える。側板130は、z方向に延びた円筒形状である。第1の底板131は、側板130のz2側端部からxy平面に平行に内側に広がる環状形状である。第2の底板132は、第1の底板131の内縁付近からxy平面に平行に内側に広がる環状形状である。第1の底板131の内縁と第2の底板132の外縁との間に段差が設けられており、z方向のみで比べたとき第1の底板131が第2の底板132よりz1側に位置する。
【0039】
第1の位置決め部材115は、第1の底板131の内縁に囲まれてz方向に貫通した円形の底部開口133を備える。第1の位置決め部材115は、側板130のx1側においてx方向に貫通した第1の位置決め孔134を備える。第1の位置決め孔134は、側板130においてz1方向にも開口している。
【0040】
図4に示すように、側板130及び第1の底板131はカバー部材113の内部に位置している。第2の底板132は、固定用カバー孔121を通るように位置している。第2の底板132のz2側の面が、基礎部材114のz1側の面に固定されている。その結果、第1の位置決め部材115と基礎部材114とが相互に固定されている。
【0041】
図4に示すように、流路空間画定部材116は、気密性収容部材112の内部において通気性収容部材110と気密性収容部材112との間に位置する。
図5に示すように、流路空間画定部材116は、円柱形の流路空間145を囲むように構成された外壁部材140を備える。外壁部材140は、上壁141と下壁142と側壁143とを備える。
【0042】
上壁141の概形はおおむねxy平面に平行に広がる円板形である。詳細には、上壁141はx方向に延びた複数の線状の要素と、y方向に延びた複数の線状の要素とが、互いに網目状に交差した状態で一体形成されている。上壁141の外縁は連続的な環状の要素により囲まれている。上壁141は線状の要素の間に位置する複数の貫通孔144を備える。上壁141の複数の貫通孔144は上壁141をz方向に貫通している。z方向に見たとき、外縁付近を除いて、各貫通孔144は長方形である。下壁142の形状は上壁141とおおむね同じである。下壁142は上壁141をz2方向に平行移動させた位置にある。
【0043】
側壁143の概形はおおむねz方向にのびた円筒形である。詳細には、側壁143は、上壁141と同様に交差した複数の線状要素を円筒状に巻いた形状をしている。各線状要素はz方向に対して傾いており螺旋を描くように位置している。z方向に対して逆向きに傾いた2種類の螺旋状の線状要素の群が交差した構成となっている。側壁143は、z方向に直交する半径方向に貫通した複数の貫通孔144を含む。外側から円筒の中心に向かう方向に見たとき、上縁部付近及び下縁部付近を除いて、各貫通孔144はおおむね長方形である。言い換えると、各貫通孔144は長方形を円筒の側面に沿って湾曲させた形状をもつ。側壁143のz1側の縁部が、上壁141の外縁に接続されている。側壁143のz2側の縁部が、下壁142の外縁に接続されている。
【0044】
外壁部材140は、全体としておおむね中空で両端の閉じた円筒形状となっている。外壁部材140の複数の貫通孔144は、外壁部材140の外部と流路空間145との間で気体を流すことができる。本実施形態では、各貫通孔144の開口部の形状(すなわち、開口部をおおむね法線方向から見た形状)は長方形であるが、他の形状であってよい。各貫通孔144の開口部の形状は、長方形以外の多角形であってよい。外壁部材140は、線状要素以外により形成されてよく、例えば、複数の貫通孔144の空いた板状部材により形成されてよい。流路空間画定部材116は、側壁143のx1側に、x方向に貫通した円形の流路空間出口146を含む。流路空間画定部材116の全体的な形状は、他の形状であってよい。
【0045】
図6に示すように、流路空間画定部材116のおおむね全体が第1の位置決め部材115の内部に収容されている。
図4に示すように流路空間画定部材116の側壁143の直径は、第1の位置決め部材115の側板130の直径よりわずかに小さい。側壁143と側板130とが対向しており、側壁143と側板130との間の隙間に気密性収容部材112の一部が位置している。流路空間画定部材116の下壁142と第1の位置決め部材115の第1の底板131及び第2の底板132とが対向しており、流路空間画定部材116の下壁142と第1の位置決め部材115の第1の底板131及び第2の底板132との間の隙間に気密性収容部材112の一部が位置している。
【0046】
図4に示す排気路画定部材117は、気密性収容部材112の内部から気密性収容部材112の外部に排気するための部材であり、例えばx方向に延びた円筒形の部材である。排気路画定部材117は、気密性収容部材112の気密出口120を通って位置している。気密性収容部材112は、気密出口120において排気路画定部材117の外面と気密性を保って接続されている。排気路画定部材117は、気密性収容部材112の外部に位置する排気路出口150と、気密性収容部材112の内部に位置する排気路入口151とを含む。排気路画定部材117は、排気路出口150と排気路入口151との間で気体を流すことが可能な、x方向に延びた排気路152を含む。
【0047】
図6に示すように、排気路画定部材117は、第1の位置決め孔134内に位置している。第1の位置決め孔134により、排気路画定部材117のz軸周りの回転及びz2方向への移動が防止され、又は極めて小さく制限される。流路空間画定部材116と排気路画定部材117とは固く結合されているので、流路空間画定部材116も第1の位置決め孔134によりz軸周りの回転及びz2方向への移動が防止され、又は極めて小さく制限される。排気路画定部材117を介して流路空間画定部材116が固定されるので、固定のための他の部材を用意することが不要となる。
【0048】
図4に示すように、流路空間145から排気路入口151を通って排気路152に気体が流れることが可能なように、排気路画定部材117のx2側端部と流路空間画定部材116の側壁143のx1側とが接続されている。言い換えると、流路空間145内部の気体は、流路空間出口146に位置する排気路入口151から、排気路152を通り、排気路出口150に向けて流れる。すなわち、気密性収容部材112の内部の気体は流路空間145及び排気路152を通って外部に出るように経路を制限される。
【0049】
排気路画定部材117は、長い円筒形に限られない。排気路152は長くても短くてもよい。例えば、排気路画定部材117は、非常に短い排気路152をもつリング状の部材であってもよい。一例において、排気路画定部材117は、同一の機能を果たすように構成されていれば、他の部材の一部であってもよい。例えば排気路画定部材117は、気密性収容部材112のうちの気密出口120付近の部分を指してもよい。例えば、排気路画定部材117は、流路空間画定部材116のうちの流路空間出口146付近の部分を指してもよい。例えば、排気路画定部材117は、逆止弁118の一部であってもよい。
【0050】
図4に示すように、逆止弁118が排気路画定部材117の排気路出口150に接続されている。逆止弁118は、排気路152を通した気密性収容部材112の内部から気密性収容部材112の外部への気体の流れを可能にするように構成されている。また、逆止弁118は、排気路152を通した気密性収容部材112の外部から気密性収容部材112の内部への気体の流れを阻止するように構成されている。
図1の排気ダクト3が逆止弁118に接続されて、排気装置2により気密性収容部材112の内部の気体が排気可能となる。
【0051】
次に使用方法について説明する。
図1の排気ダクト3を
図4の逆止弁118に接続する。
図1の排気装置2を作動させると、
図4のビーズ111間の気体が通気性収容部材110を通り、流路空間画定部材116の複数の貫通孔144を通り、流路空間145内に流れる。流路空間145内部の気体は、流路空間出口146に位置する排気路入口151から排気路152内に流れる。排気路152内の気体は、排気路出口150に位置する逆止弁118を通って排気ダクト3内に流れ、排気装置2により排気される。
【0052】
連続的に、又は段階的に排気をしながら、人の手や機械によりカバー部材113を介してビーズ111の集合体に外力を加える。気密性収容部材112内の気体が排気されることにより、ビーズ111の集合体が密集して流動性が低くなるので、成形可能ビーズ含有部材100の形状が維持されやすくなる。所望の形状及び所望の硬さになったら排気をやめる。結果として成形可能ビーズ含有部材100は、例えば
図3に示すような椅子形に成形される。逆止弁118により、気密性収容部材112の外部から気密性収容部材112の内部に気体が流れないので、成形可能ビーズ含有部材100の形状が維持される。
【0053】
他の例において、成形可能ビーズ含有部材100は、枕など他の形状に成形されてもよい。他の例において、逆止弁118を使用せずに、はめ込み式のキャップなどの他の封止部材により成形後に排気路152を塞ぐように構成されてもよい。
【0054】
流路空間画定部材116の複数の貫通孔144の各々における気体の流れが、排気路152における気体の流れより遅くなることが望ましい。遅くすることにより、通気性収容部材110及びビーズ111が流路空間145に強く引かれて通気性収容部材110がやぶれることを防ぐことができ、また、通気性収容部材110及びビーズ111により流路空間画定部材116の貫通孔144が目詰まりを起こすことを防ぎやすくなる。例えば、流路空間画定部材116の上壁141の複数の貫通孔144の開口の総面積を、排気路入口151より大きくすることにより、気体の流れを遅くすることができる。
【0055】
一例において、流路空間画定部材116の複数の貫通孔144が、ビーズ111を通さない程度の大きさである場合、通気性収容部材110が省略されてもよい。
【0056】
(まとめ)
本実施形態によれば、ビーズ111の集合体の流動性の高い状態と流動性の低い状態とを切り替えることができるので、形状の持続性を可変とした成形可能ビーズ含有部材100が提供される。本実施形態によれば、使用者が排気路152を通して気密性収容部材112内を排気しながら、ビーズ111を収容した通気性収容部材110を変形させることが可能となり、使用者の所望の形状の物体を形成することができる。
【0057】
本実施形態によれば、成形可能ビーズ含有部材100が流路空間画定部材116を備えるので、気体が複数の貫通孔144と流路空間145と排気路152とを通して排気されることとなる。気体が複数の貫通孔144に分散させて流れるので、一か所から排気する場合に比べて広範囲の排気がしやすい。また、一か所の排気路152で直接吸引する場合に比べて、ビーズ111による流路の閉塞を防ぎやすい。また、気密性収容部材112内に流路空間145が確保されるので、流路空間145が無い場合に比べて安定して気体を流すことができる。
【0058】
本実施形態によれば、ビーズ111が、通気性収容部材110に収容されており、通気性収容部材110が、気密性収容部材112に収容されており、流路空間画定部材116が、通気性収容部材110と気密性収容部材112との間に位置しているので、流路空間145を確保することで気体を流しやすくしながら、流路空間145へのビーズ111の流入を効果的に防ぐことができる。
【0059】
本実施形態によれば、ビーズ111が球形であり、複数の貫通孔144の少なくとも一部が多角形の開口をもつので、貫通孔144が円形の場合に比べてビーズ111が貫通孔144につまるのを防ぎやすい。
【0060】
本実施形態によれば、成形可能ビーズ含有部材100が、気密性収容部材112の外部に第1の位置決め部材115を備えるので、気密性収容部材112内の流路空間画定部材116の位置を外部から簡単に安定化させることができる。
【0061】
本実施形態によれば、成形可能ビーズ含有部材100が逆止弁118を備えるので、排気を停止したときに気密性収容部材112の内部に気体が戻らないので成形がしやすく、また、成形後に排気路152を塞ぐ手間を省くことができる。
【0062】
流路空間画定部材116と排気路画定部材117とが一体的に形成されていてもよい。成形可能ビーズ含有部材100の形状を確定するための型が使用されてもよい。例えば、ソファの形状の一部を形成するための窪みをもつ型が使用されてもよい。型を使用することで成形が容易となる。樹脂を発泡させたビーズ111に加えて、ビーズ111より柔らかいウレタン製スポンジ等のクッション材が通気性収容部材110に収容されていてもよい。クッション材を併用することにより、弾力性を調整することが可能となる。
【0063】
(第2の実施形態)
以下、
図7~
図9を参照しながら、第1の実施形態との相違点を中心として第2の実施形態の成形可能ビーズ含有部材200について説明する。第1の実施形態との共通部分については説明を省略する。
図7は、
図4と同様の断面における第2の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材200の模式的な断面図である。なお、流路空間画定部材216、排気路画定部材217、逆止弁218、吸気路画定部材261、及び吸気路封止部材262は断面図とせずに側面図で示されている。
【0064】
図8は、基礎部材214、流路空間画定部材216、排気路画定部材217、逆止弁218、第2の位置決め部材271、第3の位置決め部材272、吸気路画定部材261、及び吸気路封止部材262の部分分解斜視図である。
図9は、基礎部材214、流路空間画定部材216、排気路画定部材217、逆止弁218、第2の位置決め部材271、第3の位置決め部材272、吸気路画定部材261、及び吸気路封止部材262を組み合わせた状態の斜視図である。
【0065】
図7に示すように、流路空間画定部材216は、側壁243のx2側に、x方向に貫通した円形の流路空間入口247を含む。気密性収容部材212は気密入口223を更に含む。
【0066】
成形可能ビーズ含有部材200は、吸気路画定部材261を更に備える。吸気路画定部材261は、気密性収容部材212の外部から気密性収容部材212の内部に吸気可能に構成された部材であり、例えばx方向に延びた円筒形の部材である。吸気路画定部材261は、気密性収容部材212の気密入口223を通って位置している。気密性収容部材212は、気密入口223において吸気路画定部材261の外面と気密性を保って接続されている。
【0067】
吸気路画定部材261は内部にx方向に貫通した吸気路263を含む。吸気路画定部材261のx1側端部は流路空間入口247に固定されている。吸気路263は流路空間245につながっている。吸気路画定部材261のx2側端部は気密性収容部材212の外部に位置しており、本実施形態ではカバー部材213の外部に位置している。気密性収容部材212の外部の気体は吸気路263を通って気密性収容部材212の内部に入るように経路を制限される。特に、気密性収容部材212の外部の気体は吸気路263を通って流路空間245に入るように経路を制限される。結果として、外部からの気体が複数の貫通孔244に広く分散されるので、ビーズ211の集合体の広い範囲の流動性を高めやすくなる。一例において、吸気路画定部材261は、排気路画定部材217と同様の構造をもつ。
【0068】
成形可能ビーズ含有部材200は、吸気路封止部材262を更に備える。吸気路封止部材262は、吸気路画定部材261のx2側端部に装着可能な嵌め込み式のキャップであり、取り付け及び取り外しが可能である。吸気路封止部材262が取り付けられると吸気路263が塞がり、吸気路263を通して気密性収容部材212の内部と外部との間で気体が流れなくなる。吸気路封止部材262が取りはずされると吸気路263が開放されて気密性収容部材212の外部から吸気路263を通って流路空間245内に気体が流れることが可能となる。吸気路封止部材262は、気体の流れを阻止すること、及び気体の流れを可能にすることができる他の機構により実現されてもよい。
【0069】
成形可能ビーズ含有部材200は、
図5の第1の位置決め部材115の代わりに
図8の第2の位置決め部材271と第3の位置決め部材272とを備える。第2の位置決め部材271及び第3の位置決め部材272は基礎部材214に固定されており、基礎部材214のz1側の面からz1方向に延びている。第2の位置決め部材271は、U字状の外形をもち、x方向に貫通した第2の位置決め孔273をもつ。第2の位置決め孔273はz1方向にも開口しており、z1側の端部付近において、隣接したz2側の部分より狭くなっている。第3の位置決め部材272は、U字状の外形をもち、x方向に貫通した第3の位置決め孔274をもつ。第3の位置決め孔274はz1方向にも開口しており、z1側の端部付近において、隣接したz2側の部分より狭くなっている。
【0070】
図9に示すように、組立時に排気路画定部材217がz1側からz2方向に向けて第2の位置決め孔273内に挿入されることにより、第2の位置決め部材271に固定される。第2の位置決め孔273のz1側の端部付近に狭い部分があるので、排気路画定部材217が外れにくい。排気路画定部材217はある程度の外力により第2の位置決め部材271から取り外し可能である。また、組立時に吸気路画定部材261がz1側からz2方向に向けて第3の位置決め孔274内に挿入されることにより、第3の位置決め部材272に固定される。第3の位置決め孔274のz1側の端部付近に狭い部分があるので、吸気路画定部材261が外れにくい。吸気路画定部材261はある程度の外力により第3の位置決め部材272から取り外し可能である。
【0071】
排気路画定部材217及び吸気路画定部材261は流路空間画定部材216に固定されているので、排気路画定部材217が第2の位置決め部材271により固定されることにより、及び吸気路画定部材261が第3の位置決め孔274により固定されることにより、流路空間画定部材216が基礎部材214に対して固定される。排気路画定部材217及び吸気路画定部材261を介して流路空間画定部材216が固定されるため、固定のために他の部材を用意することが不要となる。
【0072】
図7に示すように、気密性収容部材212の一部が、第2の位置決め部材271と流路空間画定部材216との間に位置している。更に、気密性収容部材212の一部が、第3の位置決め部材272と流路空間画定部材216との間に位置している。排気路画定部材217及び吸気路画定部材261は、それぞれ、カバー部材213に設けられた開口に通されている。カバー部材213の一部が、第2の位置決め部材271と気密性収容部材212との間に位置している。カバー部材213の一部が、第3の位置決め部材272と気密性収容部材212との間に位置している。
【0073】
(まとめ)
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、本実施形態によれば、成形可能ビーズ含有部材200が吸気路画定部材261を備えるので、気密性収容部材212の内部に気体を送ることによりビーズ211の流動性を高めて、再度の成形をしやすくすることができる。
【0074】
流路空間画定部材216と排気路画定部材217とが一体的に形成されていてもよい。流路空間画定部材216と吸気路画定部材261とが一体的に形成されていてもよい。
【0075】
(第3の実施形態)
以下、
図10~
図12を参照しながら、第2の実施形態との相違点を中心として第3の実施形態の成形可能ビーズ含有部材300について説明する。第1の実施形態及び第2の実施形態との共通部分については説明を省略する。
図10は、
図4及び
図7と同様の断面における第3の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材300の模式的な断面図である。なお、流路空間画定部材316、排気路画定部材317、逆止弁318、吸気路画定部材361、及び吸気路封止部材362は断面図とせずに側面図で示されている。
【0076】
図11は、流路空間画定部材316、排気路画定部材317、逆止弁318、第4の位置決め部材380、吸気路画定部材361、及び吸気路封止部材362の部分分解斜視図である。
図12は、流路空間画定部材316、排気路画定部材317、逆止弁318、第4の位置決め部材380、吸気路画定部材361、及び吸気路封止部材362を組み合わせた状態の斜視図である。
【0077】
成形可能ビーズ含有部材300は、
図8の第2の位置決め部材271、第3の位置決め部材272及び基礎部材214の代わりに、
図11の第4の位置決め部材380を備える。第4の位置決め部材380は、xy平面に平行に広がる円板形の底部381と、底部381の外縁からz1方向に延びた円筒形の側部382とを備える。第4の位置決め部材380は全体として、おおむねz方向に延びた円筒形であり、z2方向に閉じており、z1方向に開口している。
【0078】
側部382のx1側には、x方向に貫通した第4の位置決め孔383が設けられている。第4の位置決め孔383はz1方向にも開口しており、z1側端部付近において、隣接したz2側の部分より狭くなっている。側部382のx2側には、x方向に貫通した第5の位置決め孔384が設けられている。第5の位置決め孔384はz1方向にも開口しており、z1側端部付近において、隣接したz2側の部分より狭くなっている。
【0079】
図12に示すように、組立時に排気路画定部材317がz1側からz2方向に向けて第4の位置決め孔383内に挿入されることにより、第4の位置決め部材380に固定される。第4の位置決め孔383のz1側の端部付近に狭い部分があるので、排気路画定部材317が外れにくい。排気路画定部材317はある程度の外力により第4の位置決め部材380から取り外し可能である。また、組立時に吸気路画定部材361がz1側からz2方向に向けて第5の位置決め孔384内に挿入されることにより、第4の位置決め部材380に固定される。第5の位置決め孔384のz1側の端部付近に狭い部分があるので、吸気路画定部材361が外れにくい。吸気路画定部材361はある程度の外力により第4の位置決め部材380から取り外し可能である。
【0080】
図12に示すように、第4の位置決め部材380の内部に流路空間画定部材316が収容されている。
図10に示すように流路空間画定部材316の下壁342が第4の位置決め部材380の底部381のz1側の面に面している。流路空間画定部材316の側壁343が第4の位置決め部材380の側部382の内面に面している。第4の位置決め部材380の内側において、流路空間画定部材316が容易に動かない程度に大きさが決められることが望ましい。
【0081】
排気路画定部材317及び吸気路画定部材361は流路空間画定部材316に固定されているので、排気路画定部材317が第4の位置決め孔383により固定されることにより、及び吸気路画定部材361が第5の位置決め孔384により固定されることにより、流路空間画定部材316が第4の位置決め部材380に対して固定される。排気路画定部材317及び吸気路画定部材361を介して流路空間画定部材316が固定されるため、固定のために他の部材を用意することが不要となる。
【0082】
図10に示すように、気密性収容部材312の一部が、第4の位置決め部材380と流路空間画定部材316との間に位置している。カバー部材313の一部が、第4の位置決め部材380と気密性収容部材312との間に位置している。
【0083】
(まとめ)
本実施形態によれば、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。更に、本実施形態によれば、第1の実施形態の基礎部材114及び第1の位置決め部材115の機能を1つの第4の位置決め部材380により実現することができる。また、第2の実施形態の基礎部材214、第2の位置決め部材271、及び第3の位置決め部材272、の機能を1つの第4の位置決め部材380により実現することができる。従って構成が簡単となる。
【0084】
(第4の実施形態)
以下、
図13を参照しながら、第4の実施形態の成形可能ビーズ含有部材400について第1の実施形態との相違点を中心として説明する。ここまでに記載した実施形態との共通部分については説明を省略する。
図13は、
図4と同様の断面における第4の実施形態に係る成形可能ビーズ含有部材400の模式的な断面図である。なお、流路空間画定部材416、排気路画定部材417、及び逆止弁418は断面図とせずに側面図で示されている。
【0085】
成形可能ビーズ含有部材400は、第1の実施形態(
図4)の通気性収容部材110、基礎部材114、及び第1の位置決め部材115を含まない。なお、他の例において、成形可能ビーズ含有部材400は、第1の実施形態~第3の実施形態と同様に位置決めする構成を含んでもよい。
【0086】
成形可能ビーズ含有部材400は、第1の実施形態(
図4)のカバー部材113と同様のカバー部材413を備える。成形可能ビーズ含有部材400は、第1の実施形態(
図4)の気密性収容部材112と同様の気密性収容部材412を備える。気密性収容部材412はカバー部材413内に位置している。
【0087】
成形可能ビーズ含有部材400は、第1の実施形態(
図4)のビーズ111の集合体と同様のビーズ111の集合体を含む。ただし、本実施形態では、ビーズ411の集合体は
図4のような通気性収容部材110内に収容されずに、
図13に示すように気密性収容部材412内に位置している。なお、他の例において
図4のような通気性収容部材110が存在してもよい。
【0088】
流路空間画定部材416、排気路画定部材417、及び逆止弁418の形状及び相互関係は第1の実施形態(
図4)と同様である。気密性収容部材412と排気路画定部材417とは、第1の実施形態(
図4)と同様に気密性を保って接続されている。
【0089】
成形可能ビーズ含有部材400は、通気性遮蔽部材490を備える。通気性遮蔽部材490は、通気性のある変形可能なシート状の材料から形成されており、中空の袋状に形成されている。通気性遮蔽部材490は、ビーズ411を通さないが気体を通す部材により形成されており、例えば布製である。流路空間画定部材416と排気路画定部材417との接続部分を除いて、流路空間画定部材416の全体が通気性遮蔽部材490により覆われている。
【0090】
通気性遮蔽部材490は、遮蔽開口491を含む。遮蔽開口491は、流路空間画定部材416と排気路画定部材417との接続部分に位置しており排気路画定部材417の外面に固定されている。遮蔽開口491から内部にビーズ411が入らないように構成されている。ビーズ411は複数の貫通孔444に直接触れない。ビーズ411は、通気性遮蔽部材490と気密性収容部材412との間に位置している。通気性遮蔽部材490と気密性収容部材412との間の気体は、通気性遮蔽部材490及び複数の貫通孔444を通って流路空間445に流れる。逆方向の気流も同様である。
【0091】
本実施形態では、流路空間画定部材416がビーズ411の集合体の中に浮いた状態となるので、上壁441、下壁442、及び側壁443のおおむね全面から排気及び吸気を行いやすい。その結果、より狭い範囲で吸気する場合(例えば下壁442の貫通孔444が塞がれている場合)に比べると、全体の流量を同じにしながら、各貫通孔444における流速を小さくすることができる。通気性遮蔽部材490のおかげでビーズ411が流路空間445に入らないので、貫通孔444を大きくして流速を小さくすることができる。
【0092】
(まとめ)
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に、本実施形態によれば、ビーズ411が、気密性収容部材412と通気性遮蔽部材490との間に位置しており、流路空間画定部材416が、通気性遮蔽部材490に収容されているので、流路空間445を確保することで気体を流しやすくしながら、流路空間445へのビーズ411の流入を効果的に防ぐことができる。
【0093】
(第5の実施形態)
以下、第4の実施形態の変形例である第5の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態における流路空間画定部材592、排気路画定部材517、逆止弁518、及び通気性遮蔽部材589の部分分解斜視図である。
図15は、流路空間画定部材592(
図15では見えない)、排気路画定部材517、逆止弁518、及び通気性遮蔽部材589を組み合わせた状態の斜視図である。本実施形態の排気路画定部材517及び逆止弁518は、第4の実施形態(
図13)の排気路画定部材417及び逆止弁418と同様である。本実施形態の流路空間画定部材592(
図14)は、第4の実施形態(
図13)の流路空間画定部材416の代わりに使用される。本実施形態の通気性遮蔽部材589(
図14)は、第4の実施形態(
図13)の通気性遮蔽部材490の代わりに使用される。
【0094】
本実施形態の流路空間画定部材592は、管状側壁593と端部壁594とを備える。管状側壁593は、断面がおおむね円形の管状であり、中空であり、及び長尺である。管状側壁593内に長尺の流路空間595が規定されている。長手方向における流路空間画定部材592の一方の端部には、流路空間595につながる円形の開口である流路空間入口596が設けられている。長手方向における流路空間画定部材592の他方の端部には流路空間595を閉じる端部壁594が設けられている。
【0095】
管状側壁593は、管状側壁593の外面の円周方向に沿って延びた円形の複数の円形壁部要素597を含む。円形壁部要素597は局所的には、おおむね長手方向に直交する平面に広がる。円形壁部要素597は、管状側壁593の長手方向に間隔をおいて配置されている。管状側壁593は、複数の円形壁部要素597を長手方向に連結する線状の複数の長手線状要素598を含む。
【0096】
管状側壁593は、円形壁部要素597と長手線状要素598とに囲まれた複数の貫通孔599を含む。複数の貫通孔599の開口及び断面は、おおむね長方形又は台形を円筒に巻き付けたような形状をもつ。複数の貫通孔599は他の形状であってもよい。複数の貫通孔599は、第4の実施形態(
図13)の複数の貫通孔444と同様の機能を果たす。
【0097】
流路空間画定部材592は、全体として可撓性のある管状部材であり、様々な方向に屈曲させることができる。ビーズ(
図14のビーズ411と同様)の集合体を複雑な形状に成形する場合でも、流路空間画定部材592をビーズ(
図14のビーズ411と同様)の集合体の形状に適合させやすい。
【0098】
第4の実施形態(
図13)と同様に、排気路画定部材517のx2側端部は流路空間入口596の周囲に固定されている。
【0099】
通気性遮蔽部材589は、通気性のある変形可能なシート状の材料から形成されており、長尺円筒形状である。通気性遮蔽部材589は、ビーズ(
図14のビーズ411と同様)を通さないが気体を通す部材により形成されており、例えば布製である。流路空間画定部材592は、通気性遮蔽部材589内に収容されている。通気性遮蔽部材589は流路空間画定部材592の管状側壁593及び端部壁594を覆うように配置されている。通気性遮蔽部材589は流路空間入口596側で閉じていない。複数の貫通孔599は通気性遮蔽部材589により覆われている。
図15に示すように、通気性遮蔽部材589は、排気路画定部材517のx2側端部まで延びている。
【0100】
他の例において、管状側壁593の長手方向に直交する断面は円形以外であってもよい。なお、本実施形態のように断面が円形であれば断面が多角形である場合に比べて大きな外力に耐えることができる。
【0101】
(まとめ)
本実施形態によれば、第4の実施形態と同様の効果が得られる。更に、本実施形態によれば、流路空間画定部材592が管状であるので、ビーズの集合体と流路空間595との間の気体の流れの位置を、ビーズの集合体内において流路空間画定部材592の長手方向に分散させることができ、ビーズの周辺の気体を局所的に吸引する場合に比べると広範囲の成形がしやすくなる。
【符号の説明】
【0102】
2…排気装置、3…排気ダクト、100…成形可能ビーズ含有部材、
110…通気性収容部材、111…ビーズ、112…気密性収容部材、
113…カバー部材、114…基礎部材、115…第1の位置決め部材、
116…流路空間画定部材、117…排気路画定部材、118…逆止弁、
120…気密出口、121…固定用カバー孔、122…排気用カバー孔、130…側板、
131…第1の底板、132…第2の底板、133…底部開口、
134…第1の位置決め孔、140…外壁部材、141…上壁、142…下壁、
143…側壁、144…貫通孔、145…流路空間、146…流路空間出口、
150…排気路出口、151…排気路入口、152…排気路、
200…成形可能ビーズ含有部材、211…ビーズ、212…気密性収容部材、
213…カバー部材、214…基礎部材、216…流路空間画定部材、
217…排気路画定部材、218…逆止弁、223…気密入口、243…側壁、
244…貫通孔、245…流路空間、247…流路空間入口、261…吸気路画定部材、
262…吸気路封止部材、263…吸気路、271…第2の位置決め部材、
272…第3の位置決め部材、273…第2の位置決め孔、274…第3の位置決め孔、
300…成形可能ビーズ含有部材、311…ビーズ、312…気密性収容部材、
313…カバー部材、316…流路空間画定部材、317…排気路画定部材、
318…逆止弁、342…下壁、343…側壁、361…吸気路画定部材、
362…吸気路封止部材、380…第4の位置決め部材、381…底部、382…側部、
383…第4の位置決め孔、384…第5の位置決め孔、
400…成形可能ビーズ含有部材、411…ビーズ、412…気密性収容部材、
413…カバー部材、416…流路空間画定部材、417…排気路画定部材、
418…逆止弁、441…上壁、442…下壁、443…側壁、444…貫通孔、
445…流路空間、490…通気性遮蔽部材、491…遮蔽開口、
517…排気路画定部材、518…逆止弁、589…通気性遮蔽部材、
592…流路空間画定部材、593…管状側壁、594…端部壁、595…流路空間、
596…流路空間入口、597…円形壁部要素、598…長手線状要素、599…貫通孔
【要約】
【課題】ビーズの集合体の流動性の高い状態と流動性の低い状態とを切り替えることで形状の持続性を可変としたビーズ含有部材を提供する。
【解決手段】成形可能ビーズ含有部材100は、気密性のある変形可能な気密性収容部材112と、気密性収容部材112の内側に位置する複数のビーズ111と、気密性収容部材112の内部から気密性収容部材112の外部に排気するための排気路画定部材117とを備える。排気路画定部材117が、気密性収容部材112の気密出口120を通って位置している。気密性収容部材112は、気密出口120において排気路画定部材117の外面と気密性を保って接続されている。排気路画定部材117は、気密性収容部材112の外部に位置する排気路出口150と気密性収容部材112の内部に位置する排気路入口151との間で気体を流すことが可能な排気路152を含む。
【選択図】
図4