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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】仮想旅行提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220106BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020571738
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2020032149
【審査請求日】2020-12-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504315532
【氏名又は名称】株式会社メタリアル
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】五石 順一
(72)【発明者】
【氏名】奥山 高啓
(72)【発明者】
【氏名】岡部 祥寛
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/155876(WO,A1)
【文献】特開2009-176130(JP,A)
【文献】特開2016-186742(JP,A)
【文献】国際公開第2017/145447(WO,A1)
【文献】特開2004-206452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録ステップと、
ユーザからガイド条件を受信するガイド情報受信ステップと、
前記ガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定ステップと、
前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信ステップと、
前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザが特定した眼鏡型ウェアラブルデバイスにおけるディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスにおけるスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成ステップと、
前記第2映像データおよび前記第2音声データを前記眼鏡型ウェアラブルデバイスに送信する再生データ送信ステップと、
前記第2映像データに基づく映像を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスのディスプレイで再生するとともに、前記第2音声データに基づく音声を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスのスピーカで再生する再生ステップと、を備える仮想旅行提供方法。
【請求項2】
複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録部と、
ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定部と、
前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信部と、
前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成部と、を備える仮想旅行提供装置。
【請求項3】
前記再生データ生成部は、前記第1音声データに含まれる前記ガイドの発話の少なくとも一部を他の言語に翻訳した翻訳データを含む前記第2音声データを生成する、請求項2に記載の仮想旅行提供装置。
【請求項4】
複数の通訳者のそれぞれについての通訳者情報を登録する通訳者情報登録部と、
前記ユーザからの通訳条件と、前記登録された通訳者情報とに基づいて、前記複数の通訳者のいずれかを特定する通訳者特定部と、を備え、
前記再生データ生成部は、前記第1音声データに応じた音声を前記特定された通訳者のスピーカで再生するための通訳用音声データを前記第1音声データに基づいて生成し、
前記特定された通訳者のマイクからの通訳済音声データを受信する通訳データ受信部を備え、
前記再生データ生成部は、前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに応じた音声を再生するための前記第2音声データを前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに基づいて生成する、請求項2または3に記載の仮想旅行提供装置。
【請求項5】
前記ガイド情報は、ガイド可能な第1時間およびガイド可能な第1エリアを示す情報を含み、
前記ガイド条件は、ガイドを希望する第2時間およびガイドを希望する第2エリアを示す情報を含み、
前記ガイド特定部は、前記第1時間と前記第2時間とのマッチングおよび前記第1エリアと前記第2エリアとのマッチングによって、ガイドを特定する、請求項2乃至4のいずれかに記載の仮想旅行提供装置。
【請求項6】
前記ユーザのディスプレイおよびスピーカは、眼鏡型ウェアラブルデバイスに設けられる、請求項2乃至5のいずれかに記載の仮想旅行提供装置。
【請求項7】
コンピュータを、
複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録部と、
ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定部と、
前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信部と、
前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成部と、として機能させる仮想旅行提供プログラム。
【請求項8】
複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録ステップと、
ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定ステップと、
前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信ステップと、
前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成ステップと、を備える仮想旅行提供方法。
【請求項9】
ユーザからのガイド条件と、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報と、に基づいて特定されたガイドのカメラからの映像データに基づく映像を再生するディスプレイと、
前記特定されたガイドのマイクからの音声データに基づく音声を再生するスピーカと、を備える仮想旅行再生装置。
【請求項10】
ガイドを特定するためのガイド条件をユーザから受け付けるガイド条件受付ステップと、
前記ガイド条件と、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報と、に基づいて特定されたガイドのカメラからの映像データに基づく映像を前記ユーザのディスプレイに再生するとともに、前記特定されたガイドのマイクからの音声データに基づく音声を前記ユーザのスピーカで再生する再生ステップと、を備える仮想旅行再生方法。
【請求項11】
請求項2乃至6のいずれかに記載の仮想旅行提供装置と通信可能であり、ガイドによって使用されるガイドデータ取得装置であって、
カメラと、
マイクと、
前記カメラからの映像データおよび前記マイクからの音声データを請求項2乃至6のいずれかに記載の仮想旅行提供装置に前記第1映像データおよび前記第1音声データとしてそれぞれ送信する現地データ送信部と、を備えるガイドデータ取得装置。
【請求項12】
通訳者から通訳者情報を受け付けるステップと、
ユーザからの通訳条件と、前記通訳者情報と、に基づいて、通訳依頼を受けた場合に、ガイドのマイクからの音声データに基づく通訳用音声データを受信するステップと、
前記通訳用音声データに応じた音声をスピーカで再生するステップと、
前記再生される音声に基づいて前記通訳者が通訳を行った音声を前記通訳者のマイクが拾った通訳済音声データを送信するステップと、を備える通訳方法。
【請求項13】
請求項4に記載の仮想旅行提供装置と、
仮想旅行のユーザによって使用されるユーザ端末と、
請求項9に記載の仮想旅行再生装置と、
ガイドによって使用されるガイド用端末と、
請求項11に記載のガイドデータ取得装置と、
通訳者によって使用される通訳者用端末と、
通訳者によって使用される通訳データ取得装置と、を備え、
前記ユーザ端末は、ガイドを特定するためのガイド条件を前記ユーザから受け付け、前記仮想旅行提供装置に送信するガイド条件設定部を有し、
前記ガイド用端末は、ガイド情報を前記ガイドから受け付け、前記仮想旅行提供装置に送信するガイド情報設定部を有し、
前記通訳者用端末は、通訳者情報を前記通訳者から受け付け、前記仮想旅行提供装置に送信する通訳者情報設定部を有し、
前記通訳データ取得装置は、
前記仮想旅行提供装置から前記通訳用音声データを受信する通訳データ受信部と、
前記通訳用音声データに応じた音声を再生するスピーカと、
前記通訳者の発話を拾うマイクと、
前記マイクからの音声データを前記仮想旅行提供装置に前記通訳済音声データとして送信する通訳データ送信部と、を有する仮想旅行提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現地に行かなくても旅行を仮想的に体験できる仮想旅行提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅行(とりわけ海外旅行)は、 準備は煩雑で、費用も時間もかかる大きなイベントであった。特に、飛行機などを利用して現地まで行くのに高い費用および長い時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-155887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、現地に行かなくても旅行を仮想的に体験できる仮想旅行提供方法、仮想旅行提供装置、仮想旅行提供プログラムおよび仮想旅行提供システムを提供することである。また、本発明の課題は、そのような仮想旅行提供方法等に使用され得るユーザ端末、仮想旅行再生装置、仮想旅行再生方法、ガイド用端末、ガイドデータ取得装置、ガイド方法、通訳者用端末、通訳データ取得装置および通訳方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録ステップと、ユーザからガイド条件を受信するガイド情報受信ステップと、前記ガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定ステップと、前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信ステップと、前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザが特定した眼鏡型ウェアラブルデバイスにおけるディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスにおけるスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成ステップと、前記第2映像データおよび前記第2音声データを前記眼鏡型ウェアラブルデバイスに送信する再生データ送信ステップと、前記第2映像データに基づく映像を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスのディスプレイで再生するとともに、前記第2音声データに基づく音声を前記眼鏡型ウェアラブルデバイスのスピーカで再生する再生ステップと、を備える仮想旅行提供方法が提供される。
【0006】
前記ユーザは、前記特定されたガイドと同行しないのが望ましい。
【0007】
複数の通訳者のそれぞれについての通訳者情報を登録する通訳者情報登録ステップと、ユーザから通訳条件を受信する通訳条件受信ステップと、前記通訳条件と、前記登録された通訳者情報とに基づいて、前記複数の通訳者のいずれかを特定する通訳者特定ステップと、前記第1音声データに応じた音声を前記特定された通訳者のスピーカで再生するための通訳者用音声データを前記第1音声データに基づいて生成する通訳者用音声データ生成ステップと、前記通訳者用音声データに基づく音声を前記特定された通訳者のスピーカで再生する通訳用音声再生ステップと、前記通訳者のスピーカから再生される音声に基づいて前記特定された通訳者が通訳を行った音声を前記通訳者のマイクが拾った通訳済音声データを受信する通訳済音声データ受信ステップと、を備え、前記再生データ生成ステップでは、前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに応じた音声を再生するための前記第2音声データを前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに基づいて生成するのが望ましい。
【0008】
前記特定された通訳者は、前記ユーザとも前記特定されたガイドとも同行しないのが望ましい。
【0009】
一実施形態によれば、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録部と、ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定部と、前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信部と、前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成部と、を備える仮想旅行提供装置が提供される。
【0010】
前記再生データ生成部は、前記第1音声データに含まれる前記ガイドの発話の少なくとも一部を他の言語に翻訳した翻訳データを含む前記再生データを生成するのが望ましい。
【0011】
前記翻訳データは、前記ユーザのディスプレイに翻訳結果を字幕で表示させるための映像データであるのが望ましい。
【0012】
複数の通訳者のそれぞれについての通訳者情報を登録する通訳者情報登録部と、前記ユーザからの通訳条件と、前記登録された通訳者情報とに基づいて、前記複数の通訳者のいずれかを特定する通訳者特定部と、を備え、前記再生データ生成部は、前記第1音声データに応じた音声を前記特定された通訳者のスピーカで再生するための通訳用音声データを前記第1音声データに基づいて生成し、前記特定された通訳者のマイクからの通訳済音声データを受信する通訳データ受信部を備え、前記再生データ生成部は、前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに応じた音声を再生するための前記第2音声データを前記第1音声データおよび前記通訳済音声データに基づいて生成するのが望ましい。
【0013】
前記通訳済音声データは、前記通訳者のスピーカから再生される音声に基づいて前記特定された通訳者が通訳を行った音声を前記通訳者のマイクが拾った音声を含むのが望ましい。
【0014】
前記再生データ生成部は、通訳者のアバターを含む前記第2映像データを生成するのが望ましい。
【0015】
前記ガイド情報は、当該ガイドが使用可能な第1言語を含み、前記通訳者情報は、当該通訳者が使用可能な第2言語を含み、前記ガイド条件は、前記ユーザが希望する第3言語を含み、前記通訳者特定部は、前記特定されたガイドが使用可能な第1言語と、前記第2言語とと、前記第3言語とに基づいて通訳者を特定するのが望ましい。
【0016】
前記ユーザから前記特定された通訳者へ通訳料を渡すための処理を行う課金部を備えるのが望ましい。
【0017】
前記再生データ生成部は、ガイドのアバターを含む前記第2映像データを生成するのが望ましい。
【0018】
前記ユーザから前記特定されたガイドへガイド料を渡すための処理を行う課金部を備えるのが望ましい。
【0019】
前記ガイド情報は、ガイド可能な第1時間およびガイド可能な第1エリアを示す情報を含み、前記ガイド条件は、ガイドを希望する第2時間およびガイドを希望する第2エリアを示す情報を含み、前記ガイド特定部は、前記第1時間と前記第2時間とのマッチングおよび前記第1エリアと前記第2エリアとのマッチングによって、ガイドを特定するのが望ましい。
【0020】
前記ユーザのディスプレイおよびスピーカは、眼鏡型ウェアラブルデバイスに設けられるのが望ましい。
【0021】
前記特定されたガイドのカメラおよびマイクは、ドローン、ロボットまたは眼鏡型ウェアラブルデバイスに設けられるのが望ましい。
【0022】
前記ユーザのディスプレイは眼鏡型ウェアラブルデバイスに設けられ、前記眼鏡型ウェアラブルデバイスは、これを装着した前記ユーザの顔を動きを取得して前記仮想旅行提供装置に送信する手段を有し、前記特定されたガイドのカメラは360度カメラであり、前記再生データ生成部は、前記360度カメラからの前記第1映像データに基づき、前記ユーザの顔の動きに同期した前記第2映像データを生成するのが望ましい。
【0023】
前記ユーザが特定した2以上の再生装置に前記第2映像データおよび前記第2音声データを送信する再生データ送信部を備えるのが望ましい。
【0024】
一実施形態によれば、コンピュータを、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録部と、ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定部と、前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信部と、前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成部と、として機能させる仮想旅行提供プログラムが提供される。
【0025】
一実施形態によれば、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報を登録するガイド情報登録ステップと、ユーザからのガイド条件と、前記登録されたガイド情報とに基づいて、前記複数のガイドのいずれかを特定するガイド特定ステップと、前記特定されたガイドのカメラからの第1映像データと、前記特定されたガイドのマイクからの第1音声データと、を受信する現地データ受信ステップと、前記第1映像データに応じた映像を前記ユーザのディスプレイで再生するための第2映像データを前記第1映像データに基づいて生成するとともに、前記第1音声データに応じた音声を前記ユーザのスピーカで再生するための第2音声データを前記第1音声データに基づいて生成する再生データ生成ステップと、を備える仮想旅行提供方法が提供される。
【0026】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、仮想旅行のユーザによって使用されるユーザ端末であって、ガイドを特定するためのガイド条件をユーザから受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信するガイド条件設定部を備えるユーザ端末が提供される。
【0027】
前記ガイド条件は、ガイドを希望する時間、ガイドを希望するエリアおよび前記ユーザが希望する言語の情報を含むのが望ましい。
【0028】
通訳者を特定するための通訳条件を前記ユーザから受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信する通訳条件設定部を備えるのが望ましい。
【0029】
前記通訳条件は、前記ユーザが希望する言語の情報を含むのが望ましい。
【0030】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、仮想旅行のユーザによって使用されるユーザ端末を、ガイドを特定するためのガイド条件をユーザから受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信するガイド条件設定部として機能させるプログラムが提供される。
【0031】
一実施形態によれば、ユーザからのガイド条件と、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報と、に基づいて特定されたガイドのカメラからの映像データに基づく映像を再生するディスプレイと、前記特定されたガイドのマイクからの音声データに基づく音声を再生するスピーカと、を備える仮想旅行再生装置が提供される。
【0032】
当該仮想旅行再生装置は眼鏡型ウェアラブルデバイスであるのが望ましい。
【0033】
前記特定されたガイドのカメラは360度カメラであり、前記眼鏡型ウェアラブルデバイスは、これを装着した前記ユーザの顔を動きを取得する手段を有し、前記ディスプレイは、前記360度カメラからの前記映像データに基づく、前記ユーザの顔の動きに同期した映像を再生するのが望ましい。
【0034】
前記ディスプレイは、前記音声データに含まれる前記ガイドの発話の少なくとも一部を他の言語に翻訳した字幕を表示するのが望ましい。
【0035】
前記ディスプレイは、ガイドのアバターを含む映像を再生するのが望ましい。
【0036】
前記スピーカは、前記ガイド条件と、複数の通訳者のそれぞれについての通訳者情報と、に基づいて特定された通訳者のマイクからの通訳済音声データに基づく音声を再生するのが望ましい。
【0037】
前記ディスプレイは、通訳者のアバターを含む映像を再生するのが望ましい。
【0038】
一実施形態によれば、ガイドを特定するためのガイド条件をユーザから受け付けるガイド条件受付ステップと、前記ガイド条件と、複数のガイドのそれぞれについてのガイド情報と、に基づいて特定されたガイドのカメラからの映像データに基づく映像を前記ユーザのディスプレイに再生するとともに、前記特定されたガイドのマイクからの音声データに基づく音声を前記ユーザのスピーカで再生する再生ステップと、を備えるのが望ましい。
【0039】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、ガイドによって使用されるガイド用端末であって、ガイド情報を前記ガイドから受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信するガイド情報設定部を備えるガイド用端末が提供される。
【0040】
ユーザからのガイド条件と、前記ガイド情報と、に基づいて、ガイド依頼を受けるガイド依頼処理部を備えるのが望ましい。
【0041】
前記ガイド情報は、ガイド可能時間、ガイド可能エリアおよび使用可能言語の情報を含むのが望ましい。
【0042】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、ガイドによって使用されるガイド用端末を、ガイド情報を前記ガイドから受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信するガイド情報設定部として機能させるプログラムが提供される。
【0043】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、ガイドによって使用されるガイドデータ取得装置であって、カメラと、マイクと、前記カメラからの映像データおよび前記マイクからの音声データを上記仮想旅行提供装置に前記第1映像データおよび前記第1音声データとしてそれぞれ送信する現地データ送信部と、を備えるガイドデータ取得装置が提供される。
【0044】
当該ガイドデータ取得装置は、ドローン、ロボットまたは当該ガイドが装着する眼鏡型ウェアラブルデバイスに設けられるのが望ましい。
【0045】
前記カメラは360度カメラであるのが望ましい。
【0046】
一実施形態によれば、ガイドからガイド情報を受け付けるステップと、ユーザからのガイド条件と、前記ガイド情報と、に基づいて、ガイド依頼を受けた場合に、前記ガイドのカメラからの映像データと、前記ガイドのマイクからの音声データと、を仮想旅行提供装置に送信するステップと、を備えるガイド方法が提供される。
【0047】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、通訳者によって使用される通訳者用端末であって、通訳者情報を前記通訳者から受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信する通訳者情報設定部を備える通訳者用端末が提供される。
【0048】
ユーザからの通訳条件と、前記通訳者情報と、に基づいて、通訳依頼を受ける通訳依頼処理部を備えるのが望ましい。
【0049】
前記通訳者情報は、通訳可能時間および使用可能言語を含むのが望ましい。
【0050】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、通訳者によって使用される通訳者用端末を、通訳者情報を前記通訳者から受け付け、上記仮想旅行提供装置に送信する通訳者情報設定部として機能させるプログラムが提供される。
【0051】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と通信可能であり、通訳者によって使用される通訳データ取得装置を、上記仮想旅行提供装置から前記通訳用音声データを受信する通訳データ受信部と、前記通訳用音声データに応じた音声を再生するスピーカと、前記通訳者の発話を拾うマイクと、前記マイクからの音声データを上記仮想旅行提供装置に前記通訳済音声データとして送信する通訳データ送信部と、を備える通訳データ取得装置が提供される。
【0052】
一実施形態によれば、通訳者から通訳者情報を受け付けるステップと、ユーザからの通訳条件と、前記通訳者情報と、に基づいて、通訳依頼を受けた場合に、ガイドのマイクからの音声データに基づく通訳用音声データを受信するステップと、前記通訳用音声データに応じた音声をスピーカで再生するステップと、前記再生される音声に基づいて前記通訳者が通訳を行った音声を前記通訳者のマイクが拾った通訳済音声データを送信するステップと、を備える通訳方法が提供される。
【0053】
一実施形態によれば、上記仮想旅行提供装置と、上記ユーザ端末と、上記再生装置と、上記ガイド用端末と、上記ガイドデータ取得装置と、上記通訳者用端末と、上記通訳データ取得装置と、を備える仮想旅行提供システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】一実施形態に係る仮想旅行提供システムの概略構成を示すブロック図。
図2】ガイドデータベースの構造の一例を模式的に示す図。
図3】通訳者データベースの構造の一例を模式的に示す図。
図4】ガイドを特定するまでの仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図。
図5】ガイド特定後に現地の映像および音声をユーザと共有するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図。
図6】通訳者を特定するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図。
図7】通訳者がいる場合の現地の映像および音声をユーザと共有するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、一実施形態に係る仮想旅行提供システムの概略構成を示すブロック図である。仮想旅行提供システムは、仮想旅行提供装置10と、仮想旅行をガイドするガイドが用いるガイド用端末20およびガイドデータ取得装置30と、ガイドの通訳を行う通訳者が用いる通訳者用端末40および通訳データ取得装置50と、仮想旅行を行うユーザが用いるユーザ端末60および再生装置70とを備えている。
【0056】
仮想旅行提供装置10は、例えばサーバであり、ガイド用端末20、ガイドデータ取得装置30、通訳者用端末40、通訳データ取得装置50、ユーザ端末60および再生装置70と通信可能である。通信の種類に特に制限はないが、無線通信であるのが望ましい。
【0057】
仮想旅行提供装置10は、ガイド情報登録部11と、ガイド情報記憶部12と、ガイド特定部13と、通訳者情報登録部14と、通訳者情報記憶部15と、通訳者特定部16と、現地データ受信部17と、通訳データ受信部18と、再生データ生成部19と、再生データ送信部1Aと、課金部1Bとを有する。これら各部は1台の装置内にあってもよいし、複数台の装置に分散して設けられてもよい(後者の場合、複数台の装置をまとめて「仮想旅行提供装置10」と総称する)。また、これら各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0058】
ガイド情報登録部11はガイド用端末20からガイド情報を受信し、ガイドデータベースとしてガイド情報記憶部12に登録する。
【0059】
図2は、ガイドデータベースの構造の一例を模式的に示す図である。ガイド情報は各ガイドについての情報であり、図示のように、ガイドを特定するガイドIDに関連付けられたガイド可能時間、ガイド可能エリア、使用可能言語などの情報を含み得る。
【0060】
なお、ガイド可能時間の形式は任意であり、「平日8~12時」のように曜日と時間帯で特定してもよいし、「8月10日9~17時」のように特定の日時および時間帯を指定してもよい。また、ガイド可能エリアの形式も任意であり、都道府県や州といった広い地域で指定してもよいし、浅草やラスベガスといった狭い地域で指定してもよい。その他、ガイド情報は、得意なエリア、得意なテーマ、料金、性別、年齢、自己紹介、SNSプロフィール情報などの情報を含んでいてもよい。
【0061】
図1に戻り、ガイド特定部13はユーザの希望に沿ったガイドを特定する。より具体的には、ガイド特定部13は、ユーザ端末60から送信されるガイド条件と、ガイド情報記憶部12に記憶されたガイド情報とを比較して、ガイドを特定する。ガイド条件は、ガイドを検索する条件でもあり、ガイドを希望する日時、ガイドを希望するエリア、ユーザが使用可能な言語などの情報を含み得る。その他、ガイド条件は、料金、ガイドの性別、年齢、ユーザ評価などの情報を含んでいてもよい。
【0062】
通訳者情報登録部14は通訳者用端末40から通訳者情報を受信し、通訳者データベースとして通訳者情報記憶部15に登録する。
【0063】
図3は、通訳者データベースの構造の一例を模式的に示す図である。通訳者情報は各「通訳者についての情報であり、図示のように、通訳者を特定する通訳者IDに関連付けられた通訳可能時間、使用可能言語などの情報を含み得る。その他、通訳者情報は、得意な言語、料金、性別、年齢、自己紹介、SNSプロフィール情報などの情報を含んでいてもよい。なお、本実施形態では、通訳はガイドと同行する必要はない。そのため、通訳者情報は通訳可能エリアや通訳者の活動エリアを含まなくてもよい。
【0064】
図1に戻り、通訳者特定部16はユーザの希望に沿った通訳者を特定する。より具体的には、通訳者特定部16は、ユーザ端末60から送信される通訳条件と、通訳者情報記憶部15に記憶された通訳者情報とを比較して、通訳者を特定する。通訳条件は、通訳者を検索する条件でもあり、旅行を希望する日時、ユーザが希望する言語などを含み得る。その他、通訳条件は、料金、通訳者の性別、年齢、ユーザ評価などの情報を含んでいてもよい。
【0065】
現地データ受信部17はガイドが実際に旅行先(現地)で撮影した映像および音声を受信する。より具体的には、現地データ受信部17はガイドデータ取得装置30のカメラ31からの映像データおよびマイク32からの音声データを受信する。
【0066】
通訳データ受信部18はガイドの発話を通訳者が通訳して得られた音声(以下、「通訳音声」という)を受信する。より具体的には、通訳データ受信部18は通訳データ取得装置50のマイク32からの音声データを受信する。
【0067】
再生データ生成部19はユーザの再生装置70で映像および音声を再生するための再生データを生成する。
【0068】
より具体的には、再生データ生成部19は、現地で撮影された映像をユーザと共有すべく、ガイドデータ取得装置30からの映像データに基づいて、ユーザの再生装置70におけるディスプレイ72で映像を再生するための映像データを生成する。また、再生データ生成部19は、現地で取得された音声をユーザと共有すべく、ガイドデータ取得装置30からの音声データに基づいて、ユーザの再生装置70におけるスピーカ73で音声を再生するための音声データを生成する。
【0069】
さらに、再生データ生成部19は通訳音声を再生すべく、通訳データ取得装置50からの音声データに基づいて、ユーザの再生装置70におけるスピーカ73で音声を再生するための音声データを生成する。
【0070】
なお、翻訳を自動で行う機能(あるいは、自動翻訳の結果を外部から取得する機能)を再生データ生成部19が持っており、再生データがガイド取得装置からの音声データにおけるガイドの発話の少なくとも一部を他の言語に翻訳した翻訳データを含んでいてもよい。翻訳データは、翻訳結果を字幕で表示させるための映像データであってもよいし、翻訳結果を音声出力させるための音声データであってもよい。
【0071】
再生データ送信部1Aは再生データ生成部19によって生成された再生データをユーザの再生装置70に送信する。
【0072】
課金部1Bは、例えば事前登録されたユーザのクレジットカード情報を用い、ガイド料および通訳料授受のための処理を行う。より具体的には、課金部1Bはユーザからガイド料および通訳料を受け取るための処理を行う。そして、課金部1Bはユーザから受け取ったガイド料から手数料を差し引いた料金をガイドに渡すための処理を行う。また、課金部1Bはユーザから受け取った通訳料から手数料を差し引いた料金を通訳者に渡すための処理を行う。
【0073】
ガイド用端末20は現地のガイドが用いるものであり、例えばスマートフォンである。図1では、ガイド用端末20を1つだけ描いているが、これらはガイドの数だけあってもよい。
【0074】
ガイド用端末20は、ガイド情報設定部21と、ガイド依頼処理部22とを有する。これら各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0075】
ガイド情報設定部21は、ガイド用端末20の入力インターフェース(不図示)を介して、上述したガイド条件の入力をガイドから受け付ける。そして、ガイド情報設定部21がガイド条件を仮想旅行提供装置10に送信することにより、仮想旅行提供装置10のガイド情報記憶部12にガイド情報が記憶される。また、ガイド情報設定部21は、ガイドの自己紹介や利用可能なガイドデータ取得装置30の機種を特定する情報をガイドから受け付け、仮想旅行提供装置10に送信してもよい。
【0076】
ガイド依頼処理部22はユーザからのガイド依頼があった旨の通知を仮想旅行提供装置10から受信する。ガイド依頼には、ユーザの情報(性別や年齢など)が含まれていてもよい。そして、ガイドからの入力に応じて、ガイド依頼処理部22は依頼を受諾または拒否するための回答を仮想旅行提供装置10に送信する。
【0077】
ガイドデータ取得装置30は現地のガイドが現地の映像および音声を取得するために用いるものであり、カメラ31、マイク32および現地データ送信部33を有する。ガイドデータ取得装置30は、典型的にはガイドが装着するスマートグラス(眼鏡型ウェアラブル装置)であるが、ドローンやロボットといった機械に装着されたカメラ31およびマイク32であってもよい。また、カメラ31は360度カメラであってもよい。さらに、カメラ31とマイク32は一体でもよいし、別個の装置であってもよい。
【0078】
カメラ31は現地を撮影する。マイク32は現地の音声を取得する。そして、現地データ送信部33は、カメラ31によって得られた映像データと、マイク32によって得られ音声データとを仮想旅行提供装置10に送信する。
【0079】
通訳者用端末40は通訳者が用いるものであり、例えばスマートフォンである。図1では、通訳者用端末40を1つだけ描いているが、これらは通訳者の数だけあってもよい。
【0080】
通訳者用端末40は、通訳者情報設定部41と、通訳依頼処理部42とを有する。これら各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0081】
通訳者情報設定部41は、通訳者用端末40の入力インターフェース(不図示)を介して、上述した通訳条件の入力を通訳者から受け付ける。そして、通訳者情報設定部41が通訳条件を仮想旅行提供装置10に送信することにより、仮想旅行提供装置10の通訳者情報記憶部15に通訳者情報が記憶される。また、通訳者情報設定部41は、通訳者の自己紹介や利用可能な通訳データ取得装置50の機種を特定する情報を通訳者から受け付け、仮想旅行提供装置10に送信してもよい。
【0082】
通訳依頼処理部42はユーザからの通訳依頼があった旨の通知を仮想旅行提供装置10から受信する。通訳依頼には、ユーザの情報(性別や年齢など)が含まれていてもよい。そして、通訳者からの入力に応じて、通訳依頼処理部42は依頼を受諾または拒否するための回答を仮想旅行提供装置10に送信する。
【0083】
通訳データ取得装置50は通訳者が通訳を行うために用いるものであり、現地データ受信部51、スピーカ52、マイク53および通訳データ送信部54を有する。通訳データ取得装置50は通訳者用端末40と一体であってもよいし、別個の装置であってもよい。
【0084】
現地データ受信部51は仮想旅行提供装置10から通訳すべき音声を含む音声データを受信する。この音声データはガイドデータ取得装置30のマイク32からの音声データに基づくものである。この音声データに応じた音声がスピーカ52から再生される。再生される音声を通訳者が通訳し、発話する。この通訳者の発話をマイク53が拾う。そして、通訳データ送信部54はマイク53によって得られ音声データ(通訳済音声データ)を仮想旅行提供装置10に送信する。
【0085】
ユーザ端末60は仮想旅行のユーザが用いるものであり、例えばスマートフォンである。図1では、ユーザ端末60を1つだけ描いているが、これらはユーザの数だけあってもよい。
【0086】
ユーザ端末60は、ガイド条件設定部61と、通訳条件設定部62とを有する。これら各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサが所定のプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0087】
ガイド条件設定部61は、ユーザ端末60の入力インターフェース(不図示)を介して、上述したガイド条件の入力をユーザから受け付ける。そして、ガイド条件設定部61はガイド条件を仮想旅行提供装置10に送信する。また、ガイド条件設定部61は、ガイドからの映像および音声を再生する再生装置70の機種や再生装置70を特定する情報を受け付け、仮想旅行提供装置10に送信してもよい。ユーザが特定した再生装置70を単に「ユーザの再生装置70」と呼ぶことがある。なお、ガイドからの映像および音声を複数の再生装置70で再生してもよく、その場合には複数の再生装置70を特定する必要がある。
【0088】
通訳条件設定部62は、ユーザ端末60の入力インターフェース(不図示)を介して、上述した通訳条件の入力をユーザから受け付ける。そして、通訳条件設定部62は通訳条件を仮想旅行提供装置10に送信する。
【0089】
再生装置70はユーザが現地の映像および音声を再生するために用いるものであり、再生データ受信部71、ディスプレイ72およびスピーカ73を有する。ユーザデータ取得装置は、典型的にはユーザが装着するスマートグラスやVRゴーグル(眼鏡型ウェアラブル装置)である。VRゴーグルは、装着したユーザの顔の動きを取得し、これを仮想旅行提供装置10に送信する手段(不図示)を有していてもよい。
【0090】
再生データ受信部71は仮想旅行提供装置10から再生データを受信する。そして、再生データに応じた映像および音声をディスプレイ72およびスピーカ73がそれぞれ再生する。
【0091】
続いて、仮想旅行提供システムの処理動作を説明する。本実施形態において、通訳者は必須でないし、任意のタイミングでユーザが通訳依頼を行うことができるため、まずは通訳者がいない場合について説明する。
【0092】
図4は、ガイドを特定するまでの仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【0093】
ガイド用端末20のガイド情報設定部21は、ガイドからガイド情報の入力を受け付け、これを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS111)。これに応じて、仮想旅行提供装置10はガイド情報を受信し、ガイド情報登録部11によってガイド情報記憶部12に登録される(ステップS121)。なお、ガイド情報(特に、ガイド可能時間やガイド可能エリア)はガイドの都合に合わせて任意のタイミングあるいは仮想旅行提供装置10が指定するタイミングでアップデートできるのが望ましい。また、ガイド情報記憶部12には多数のガイドのガイド情報が記憶されるのが望ましい。
【0094】
ユーザ端末60のガイド条件設定部61は、仮想旅行を希望するユーザからガイド条件を受け付け、これを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS131)。これに応じて、仮想旅行提供装置10はガイド条件を受信する(ステップS122)。
【0095】
続いて、仮想旅行提供装置10のガイド特定部13は、ガイド情報記憶部12に記憶されたガイド情報と、ユーザ端末60からのガイド条件と、に基づいてガイドの候補を特定する(ステップS123)。具体例として、ガイド特定部13は、ガイド情報におけるガイド可能時間およびガイド可能エリアが、ガイド条件における旅行を希望する日時および旅行を希望するエリアとそれぞれマッチするガイドを、ガイド候補とすることができる。
【0096】
続いて、ガイド特定部13は特定されたガイド候補のガイド用端末20にガイド依頼を送信する(ステップS124)。これに応じて、ガイド用端末20のガイド依頼処理部22はガイド依頼を受信する(ステップS112)。そして、ガイドから受け付けたガイド依頼の受諾あるいは拒否の回答をガイド依頼処理部22は仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS113)。
【0097】
ガイドの回答が受諾である場合、ガイド特定部13はそのガイドをユーザのガイドとして特定する。そして、ガイド特定部13はガイドが特定された旨の通知をユーザ端末60に送信する(ステップS125)。なお、ガイドの情報(性別や年齢など)をユーザ端末60に送信し、そのガイドでよいか否かの判断をユーザから受け付けてもよい。
【0098】
なお、ステップS123でガイド条件を満たすガイド情報を有するガイドがおらず、ガイド候補を特定できないこともある。また、ステップS133での回答が拒否であることもある。これらの場合、ガイド特定部13はガイドが見つからなかった旨の通知をユーザ端末60に送信する。そして、ガイド条件を変更することをユーザに促してもよい。
【0099】
また、ステップS123において、ガイド条件を満たすガイド情報を有するガイドが複数いる場合、ガイド特定部13はユーザ評価などに基づいて複数のガイドに優先順位を設定して複数のガイド候補を特定しもよい。そして、ガイド特定部13は優先順位が高いガイドから順にガイド依頼を行うようにしてもよい。
【0100】
図5は、ガイド特定後に現地の映像および音声をユーザと共有するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図である。同図の処理は、例えばユーザがユーザ端末60を介して旅行開始を仮想旅行提供装置10に指示することにより、ガイドデータ取得装置30および再生装置70が仮想旅行提供装置10と接続して行われる。
【0101】
図4の処理によって特定されたガイドは、ユーザから伝えられる希望に応じて、ガイドデータ取得装置30のカメラ31およびマイク32を用いて現地の映像および音声を取得する。そして、現地データ送信部33はカメラ31からの映像データおよびマイク32からの音声データを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS211)。
【0102】
なお、ユーザからの希望は予めガイドに伝えておいてもよいし、仮想旅行中にユーザから伝えてもよい。後者の場合、ユーザの声を再生装置70に設けたマイク(不図示)で拾い、仮想旅行提供装置10を介してガイドデータ取得装置30あるいはガイド用端末20のスピーカ(不図示)で再生すればよい。
【0103】
仮想旅行提供装置10の現地データ受信部17はガイドのカメラ31およびマイク32からそれぞれ映像データおよび音声データを受信する(ステップS221)。そして、再生データ生成部19は、必要に応じて受信した映像データおよび音声データを処理し、ユーザの再生装置70で映像および音声を再生するための再生データを生成し、再生データ送信部1Aがユーザの再生装置70に送信する(ステップS222)。
【0104】
再生データ生成部19は、ガイドデータ取得装置30からの音声に含まれる言語を翻訳してもよく、その場合、その結果を字幕で表示させるための映像データが再生データに含まれる。また、ガイドデータ取得装置30のカメラ31が360度カメラであり、再生装置70を装着したユーザの顔の動きが再生装置70から受信される場合、再生データ生成部19は当該顔の動きに同期した映像データを含む再生データを生成してもよい。例えば、ユーザが後ろを向いた場合、360度映像のうちの後方部分を含む映像データを生成してもよい。また、再生データはガイドをアバターとしてディスプレイ72に表示させるための映像データを含んでいてもよい。
【0105】
そして、再生装置70は再生データを受信する。そして、再生データにおける映像データに基づく映像をディスプレイ72が再生し、再生データにおける音声データに基づく音声をスピーカ73が再生する(ステップS231)。再生される映像はガイドのカメラ31からの映像データに応じたものであり、再生される音声はガイドのマイク32からの音声データに応じたものとなる。
以上により、ユーザは、現地に赴くことなく、また、ガイドとは異なる場所(例えば自宅)に居ながら、現地の映像および音声をガイドと共有できる。
【0106】
なお、仮想旅行中にショッピングを行えてもよい。具体例として、ユーザが再生装置70あるいはユーザ端末60で決済を行い、ガイドが商品をユーザに郵送するようにしてもよい。
【0107】
続いて、通訳を介した仮想旅行について説明する。ユーザは任意のタイミングで通訳を依頼することができる。例えば、ガイドを決める際に通訳も合わせて決めてもよい。あるいは、仮想旅行中(すなわち、ガイドからの音声を受信して再生している時)に通訳条件を送信することによって通訳を依頼してもよい。
【0108】
図6は、通訳者を特定するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図である。
【0109】
通訳者用端末40の通訳者情報設定部41は、通訳者から通訳者情報の入力を受け付け、これを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS311)。これに応じて、仮想旅行提供装置10は通訳者情報を受信し、通訳者情報登録部14によって通訳者情報記憶部15に登録される(ステップS321)。なお、通訳者情報(特に、通訳者可能時間)は通訳者の都合に合わせて任意のタイミングあるいは仮想旅行提供装置10が指定するタイミングでアップデートできるのが望ましい。また、通訳者情報記憶部15には多数の通訳者の通訳者情報が記憶されるのが望ましい。
【0110】
ユーザ端末60の通訳条件設定部62は、仮想旅行を希望するユーザから通訳条件を受け付け、これを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS331)。これに応じて、仮想旅行提供装置10は通訳条件を受信する(ステップS322)。
【0111】
続いて、仮想旅行提供装置10の通訳者特定部16は、通訳者情報記憶部15に記憶された通訳者情報と、ユーザ端末60からの通訳条件と、に基づいて通訳者の候補を特定する(ステップS323)。具体例として、通訳者特定部16は、通訳者情報における通訳者可能時間と、通訳条件における希望日時とがマッチする通訳者を、通訳者候補とすることができる。また、通訳者特定部16は、特定されたガイドが使用可能な言語と、通訳者情報における使用可能言語と、通訳条件における希望言語とに基づいて通訳者候補を特定してもよい。例えば、ガイドが使用可能な言語がスペイン語で、ユーザが希望する言語が日本語の場合、スペイン語および日本語を使用可能な通訳者が候補となる。
【0112】
続いて、通訳者特定部16は特定された通訳者候補の通訳者用端末40に通訳依頼を送信する(ステップS324)。これに応じて、通訳者用端末40の通訳依頼処理部42は通訳依頼を受信する(ステップS312)。通訳依頼には、何語(ガイドが使う言語)を何語(ユーザが希望する言語)に通訳すべきかを示す情報などが含まれ得る。そして、通訳者から受け付けた通訳依頼の受諾あるいは拒否の回答を通訳依頼処理部42は仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS313)。
【0113】
通訳者の回答が受諾である場合、通訳者特定部16はその通訳者をユーザの通訳者として特定する。そして、通訳者特定部16は通訳者が特定された旨の通知をユーザ端末60に送信する(ステップS325)。なお、通訳者の情報(性別や年齢など)をユーザ端末60に送信し、その通訳者でよいか否かの判断をユーザから受け付けてもよい。
【0114】
なお、ステップS323で通訳条件を満たす通訳者情報を有する通訳者がおらず、通訳者候補を特定できないこともある。また、ステップS313での回答が拒否であることもある。これらの場合、通訳者特定部16は通訳者が見つからなかった旨の通知をユーザ端末60に送信する。そして、通訳条件を変更することをユーザに促してもよい。
【0115】
また、ステップS323において、通訳条件を満たす通訳者情報を有する通訳者が複数いる場合、通訳者特定部16はユーザ評価などに基づいて複数の通訳者に優先順位を設定して複数の通訳者候補を特定しもよい。そして、通訳者特定部16は優先順位が高い通訳者から順に通訳依頼を行うようにしてもよい。
【0116】
図7は、通訳者がいる場合の現地の映像および音声をユーザと共有するための仮想旅行提供システムの処理動作を示すシーケンス図である。以下、図5との共通点は省略する。
【0117】
図4の処理によって特定されたガイドは、ユーザから伝えられる希望に応じて、ガイドデータ取得装置30のカメラ31およびマイク32を用いて現地の映像および音声を取得する。音声はガイドの発話を含み得る。そして、現地データ送信部33はカメラ31からの映像データおよびマイク32からの音声データを仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS411)。
【0118】
これに応じて、仮想旅行提供装置10の現地データ受信部17はガイドデータ取得装置30からの映像データおよび音声データを受信する(ステップS421)。
【0119】
ここで、図7と異なる点として、通訳者にもガイドの音声を送信する必要がある。そこで、再生データ生成部19は、ガイドデータ取得装置30からの音声データに基づいて、通訳者に送信する音声データを生成し、これを再生データ送信部1Aが通訳者用端末40に送信する(ステップS422)。この音声データはガイドの発話を含み得る。
【0120】
これに応じて、この音声データを通訳データ取得装置50の通訳データ受信部18が受信し、スピーカ52が再生する(ステップS431)。スピーカ52が再生する音声を聞きながら、音声に含まれるガイドの発話を通訳者が通訳する。通訳者の発話を通訳データ取得装置50のマイク53が拾う。そして、マイク53からの音声データ(通訳済音声データ)を通訳データ送信部54が仮想旅行提供装置10に送信する(ステップS432)。
【0121】
この音声データは仮想旅行提供装置10によって受信される(ステップS423)。そして、再生データ生成部19は、必要に応じて、ガイドデータ取得装置30から受信した映像データおよび音声データと、通訳データ取得装置50から受信した音声データとを処理して、ユーザの再生装置70で映像および音声を再生するための再生データを生成し、ユーザの再生装置70に送信する(ステップS424)。再生データは通訳者をアバターとしてディスプレイ72に表示させるための映像データを含んでいてもよい。
【0122】
そして、再生装置70は再生データを受信し、これをディスプレイ72およびスピーカ73が再生する(ステップS441)。以上により、現地の映像および音声がユーザに共有される。しかも、再生される音声は通訳者によって所望の言語に翻訳された音声を含んでいる。
【0123】
以上によれば、通訳者はガイドの音声を受信し、通訳した結果を仮想旅行提供装置10を介してユーザに送信する。そのため、通訳者はガイドと同行する必要もないし、ユーザと同行する必要もない。
【0124】
以上説明したように、本実施形態における仮想旅行では、ユーザが現地に行く必要がないため、現実の旅行と比べて手軽かつ簡単であり、費用も時間も抑えて旅行を体験できる。また、仮想旅行では、現実の旅行(特に海外旅行)で懸念される事故、トラブル、治安の心配も少ない。加えて、通訳者がいる場合にはガイドに語学力が不要であるから、ガイドの雇用を創出できる。さらに、通訳者はユーザやガイドに同行する必要がないから、自宅等任意の場所で通訳を行うことができ、通訳の雇用も創出できる。
【0125】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0126】
10 仮想旅行提供装置
11 ガイド情報登録部
12 ガイド情報記憶部
13 ガイド特定部
14 通訳者情報登録部
15 通訳者情報記憶部
16 通訳者特定部
17 現地データ受信部
18 通訳データ受信部
19 再生データ生成部
1A 再生データ送信部
1B 課金部
20 ガイド用端末
21 ガイド情報設定部
22 ガイド依頼処理部
30 ガイドデータ取得装置
31 カメラ
32 マイク
33 現地データ送信部
40 通訳者用端末
41 通訳者情報設定部
42 通訳依頼処理部
50 通訳データ取得装置
51 現地データ受信部
52 スピーカ
53 マイク
54 通訳データ送信部
60 ユーザ端末
61 ガイド条件設定部
62 通訳条件設定部
70 再生装置
71 再生データ受信部
72 ディスプレイ
73 スピーカ
【要約】
仮想旅行提供装置10と、仮想旅行をガイドするガイドが用いるガイド用端末20およびガイドデータ取得装置30と、ガイドの通訳を行う通訳者が用いる通訳者用端末40および通訳データ取得装置50と、仮想旅行を行うユーザが用いるユーザ端末60および再生装置70とを備え、現地に行かなくても旅行を仮想的に体験できる仮想旅行提供システムが提供される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7