(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-16
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】放射性粒子に対する使い捨ての個人用コンビネゾン
(51)【国際特許分類】
A41D 13/12 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A41D13/12
(21)【出願番号】P 2021530790
(86)(22)【出願日】2019-11-29
(86)【国際出願番号】 FR2019052847
(87)【国際公開番号】W WO2020109742
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-06-22
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507030070
【氏名又は名称】エレクトリシテ ド フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】モニエル,カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ルーゴン,ジルズ
(72)【発明者】
【氏名】スパツォーラ,ヴィクトール
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-216906(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120083(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第2281072(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0042433(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0018626(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12,20/00
A62B7/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体部分と、前記胴体部分と一体であり、前記胴体部分を下方に延ばすズボン部分とを含む、放射性粒子から保護するための使い捨ての個人用コンビネゾンであって、
前記胴体部分と前記ズボン部分は柔軟な防塵壁を持ち、
当該コンビネゾンは、少なくとも前記胴体部分において、壁の2つの第1の左端と右端との間で上から下、及び前部に延びる第1のジッパーを含み、前記第1のジッパーは、壁の左端に防塵で取り付けられた第1の側面と、壁の右端に防塵で取り付けられた第2の側面とを有し、前記第1及び第2の側面は、前記第1のジッパーの閉鎖状態において、第1の所定の防塵係合線に従って相互接続可能されるように適合され、且つ前記第1のジッパーの開放状態において、前記第1の係合線に沿って互いに分離されるように適合され、
当該コンビネゾンは、ズボン部分の脚の少なくとも1つにある壁の他の2つの反対側の端の間を上から下まで延び、且つ、壁の他の2つの反対側の端にそれぞれ防塵方法で取り付けられた2つのバンドを含む、少なくとも1つの他のクロージャを有し、前記2つのバンドは、他のクロージャの閉鎖状態において、少なくとも1つの他の規定された防塵係合線に沿って相互接続されるように適合され、且つ他のクロージャの開放状態で、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されることを特徴とし、
他の係合線を越えて少なくとも2つのバンドを相互接続する少なくとも1つの接合点が、クロージャの閉じた状態で第1のジッパーと他のクロージャとの間に存在し、
破断部材上の牽引によって接合点を破断されることを可能にするため、少なくとも1つの破断部材が閉鎖部材の少なくとも1つに設けられ、
前記第1のジッパーは、ズボン部分のもう一方の脚にある壁の2つの対向する端の間で上から下にさらに延びる、
前記接合点は、第1のジッパーの第1の側面又は第2の側面にあり、
前記第1のジッパーは、スライダを第1の係合線に沿って上に移動することで、第1及び第2の側面を第1の係合線に沿って接続できるようにし、且つ第1及び第2の側面の一方に沿ってスライダを下げることにより、第1及び第2の側面が第1の係合線に沿って互いに分離されることを可能にするスライダを含み、
前記破断部材は、接合点でのその下降により接合点を破断することができる、スライダによって形成される、コンビネゾン。
【請求項2】
胴体部分と、前記胴体部分と一体であり、前記胴体部分を下方に延ばすズボン部分とを含む、放射性粒子から保護するための使い捨ての個人用コンビネゾンであって、
前記胴体部分と前記ズボン部分は柔軟な防塵壁を持ち、
当該コンビネゾンは、少なくとも前記胴体部分において、壁の2つの第1の左端と右端との間で上から下、及び前部に延びる第1のジッパーを含み、前記第1のジッパーは、壁の左端に防塵で取り付けられた第1の側面と、壁の右端に防塵で取り付けられた第2の側面とを有し、前記第1及び第2の側面は、前記第1のジッパーの閉鎖状態において、第1の所定の防塵係合線に従って相互接続可能されるように適合され、且つ前記第1のジッパーの開放状態において、前記第1の係合線に沿って互いに分離されるように適合され、
当該コンビネゾンは、ズボン部分の脚の少なくとも1つにある壁の他の2つの反対側の端の間を上から下まで延び、且つ、壁の他の2つの反対側の端にそれぞれ防塵方法で取り付けられた2つのバンドを含む、少なくとも1つの他のクロージャを有し、前記2つのバンドは、他のクロージャの閉鎖状態において、少なくとも1つの他の規定された防塵係合線に沿って相互接続されるように適合され、且つ他のクロージャの開放状態で、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されることを特徴とし、
他の係合線を越えて少なくとも2つのバンドを相互接続する少なくとも1つの接合点が、クロージャの閉じた状態で第1のジッパーと他のクロージャとの間に存在し、
破断部材上の牽引によって接合点を破断されることを可能にするため、少なくとも1つの破断部材が閉鎖部材の少なくとも1つに設けられ、
別のクロージャとして以下:
- ズボン部分の脚の1つにある壁の2つの第2の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第2のバンドが、壁の2つの第2の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第2のクロージャであって、前記2つの第2のバンドは、前記第2のクロージャの閉鎖状態において、第2の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第2のクロージャの開放状態において、第2の係合線に沿って互いに分離されるようになっている、少なくとも1つの第2のクロージャ、及び
- ズボン部分のもう一方の脚にある壁の2つの第3の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第3のバンドが、壁の2つの第3の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第3のクロージャであって、前記2つの第3のバンドは、前記第3のクロージャの閉鎖状態において、第3の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第3のクロージャの開放状態において、第3の係合線に沿って互いに分離可能である、少なくとも1つの第3のクロージャ、
が計画され、
接合点として以下:
- 前記第2のクロージャの2つの第2のバンドの上端を互いに接続する、第1の接合点、及び
- 前記第3のクロージャの2つの第3のバンドの上端を互いに接続する、第2の接合点、
が計画され、
破断部材は、互いに近接し、かつ第1及び第2の接合点に近接する第2のストリップ及び第3のストリップに取り付けられた舌部を、舌部上での牽引により、第1及び第2の接合点の破断、第2の係合線に沿った2つの第2のバンドの相互の分離、及び第3の係合線に沿った2つの第3のバンドの相互の分離を可能にするために含む、コンビネゾン。
【請求項3】
胴体部分と、前記胴体部分と一体であり、前記胴体部分を下方に延ばすズボン部分とを含む、放射性粒子から保護するための使い捨ての個人用コンビネゾンであって、
前記胴体部分と前記ズボン部分は柔軟な防塵壁を持ち、
当該コンビネゾンは、少なくとも前記胴体部分において、壁の2つの第1の左端と右端との間で上から下、及び前部に延びる第1のジッパーを含み、前記第1のジッパーは、壁の左端に防塵で取り付けられた第1の側面と、壁の右端に防塵で取り付けられた第2の側面とを有し、前記第1及び第2の側面は、前記第1のジッパーの閉鎖状態において、第1の所定の防塵係合線に従って相互接続可能されるように適合され、且つ前記第1のジッパーの開放状態において、前記第1の係合線に沿って互いに分離されるように適合され、
当該コンビネゾンは、ズボン部分の脚の少なくとも1つにある壁の他の2つの反対側の端の間を上から下まで延び、且つ、壁の他の2つの反対側の端にそれぞれ防塵方法で取り付けられた2つのバンドを含む、少なくとも1つの他のクロージャを有し、前記2つのバンドは、他のクロージャの閉鎖状態において、少なくとも1つの他の規定された防塵係合線に沿って相互接続されるように適合され、且つ他のクロージャの開放状態で、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されることを特徴とし、
他の係合線を越えて少なくとも2つのバンドを相互接続する少なくとも1つの接合点が、クロージャの閉じた状態で第1のジッパーと他のクロージャとの間に存在し、
破断部材上の牽引によって接合点を破断されることを可能にするため、少なくとも1つの破断部材が閉鎖部材の少なくとも1つに設けられ、
別のクロージャとして以下:
- ズボン部分の脚の1つにある壁の2つの第2の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第2のバンドが、壁の2つの第2の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第2のクロージャであって、前記2つの第2のバンドは、前記第2のクロージャの閉鎖状態において、第2の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第2のクロージャの開放状態において、第2の係合線に沿って互いに分離されるようになっている、少なくとも1つの第2のクロージャ、及び
- ズボン部分のもう一方の脚にある壁の2つの第3の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第3のバンドが、壁の2つの第3の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第3のクロージャであって、前記2つの第3のバンドは、前記第3のクロージャの閉鎖状態において、第3の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第3のクロージャの開放状態において、第3の係合線に沿って互いに分離可能である、少なくとも1つの第3のクロージャ、
が計画され、
接合点は、クロージャの閉じた状態で、第1のジッパーの第1及び第2の側面の下端を相互接続する第1の接合フランク、第2のクロージャの2つの第2のバンドの上端を相互接続する第2の接合フランク、及び第3のクロージャの2つの第3のバンドの上端を相互接続する第3の接合フランクを含む、接続部品によって形成され、
前記第1のジッパーは、第1の面と第2の面とを第1の係合線に沿って上に移動させることにより、第1の面と第2の面とを一緒に接続するためのスライダを有し、且つ、第1及び第2の側面の一方に沿ってスライダを下げることにより、第1の係合線に沿って第1及び第2の側面が互いに分離されることを可能にし、
破断部材はスライダによって形成され、その下降により接続片上で第1、第2及び第3の接合フランクを破断することができる、コンビネゾン。
【請求項4】
前記少なくとも1つの別のクロージャが、他のスライダをそれらに沿って上下に動かすことにより、他の係合線に沿って2つのバンドを互いに接続することができ、且つ、バンドの一方に沿って他方のスライダを上下に動かすことにより、もう一方の係合線に沿って2つのバンドを互いに分離することができる、別のスライダを含む、ジッパーであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項5】
前記少なくとも1つの別のクロージャの2つのバンドが、前記少なくとも1つの別のクロージャの閉じた状態で、前記別の係合線に沿って互いに噛み合うことを特徴とし、
前記少なくとも1つの他のクロージャの2つのバンドは、2つのバンドの一方及び/又は他方を引っ張ることにより、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項6】
前記接合点がズボン部分の股間又は下腹部領域にあることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項7】
前記胴体部分は上部で防塵カラーで終わり、フロントクロージャバンドで結合された左右のフロントパーツが2つあり、防塵性があり、前記第1のジッパーの上端を超えて配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項8】
フロントクロージャバンドの前に、2つの自由な前部及び側部ラグが取り付けられていることを特徴とする、請求項7に記載のコンビネゾン。
【請求項9】
当該コンビネゾンは、裏側で見え、且つ表側では見えないシームラインを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項10】
当該コンビネゾンは、腕を通すためのスリーブを有し、それらは、胴体部分の上部に接続され、且つ少なくとも手の人差し指、中指、薬指、及び小指が通過できる端開口部を囲む自由端縁を有し、前記スリーブは、開口部とは異なり、第2の壁の端部によって端縁から分離された少なくとも1つのサムホールをさらに含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項11】
当該コンビネゾンは、腰部のシース内に位置する締付け弾性体を含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項12】
当該コンビネゾンは、ズボン部分の膝に補強を含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項13】
当該コンビネゾンは少なくとも1つの透明な外壁、これは、胴体部分の第1のフロントクロージャの右側及び/又は左側にあり、且つこれは、少なくとも1つの他の下にある壁と少なくとも1つのポケットを形成する、を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【請求項14】
当該コンビネゾンは、透明な外壁を有する取り外し可能な腹側ポケットを含み、
前記ポケットは、胴体部分の前部上部に対して接続及び切り離されるように適合された第4のジッパー及び留め具を含む上部を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のコンビネゾン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性粒子から保護するための使い捨て個人用コンビネゾン(combinaison individuelle)に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、汚染された環境における産業活動に適用される。「汚染された」という用語は、施設内の作業員と接触しやすい放射性粒子が拡散している環境を意味すると理解される。
【0003】
以下では、放射性粒子に対する使い捨ての個人用コンビネゾン(combinaison individuelle)をオーバーウェアとも言う。
【0004】
原子力発電所では、各種設備の点検・整備がプログラムされている。特定の施設では、オペレータが電離放射線にさらされる。これらの作業領域は、制御領域と呼ばれる。それらは危険性の性質に応じて分類され、そこで働くオペレータを保護するために非常に厳しい規則を満たしている。これらのリスクの1つは汚染である。これは、回路が開かれた場合に部屋の床や空気中に拡散する可能性のある放射性物質である。オペレータがこれらの放射性粒子を摂取又は吸入できないように、あらゆる措置が講じられている。各部屋で測定された表面活性(汚染率の指標)に応じて、オペレータは脱衣規則を順守する必要がある。管理エリアと呼ばれる場所への特定の介入では、オペレータは、製造業者のTyvekが作成したような不織布製の紙タイプの作業用コンビネゾン(オーバーウェア)を作業服の上に着用する必要がある。
【0005】
これらの過剰な装備にもかかわらず、特定の作業段階で、オペレータが自分自身を汚染することが観察されている。これらの汚染の一部は、使用された作業服の特性に起因する。
【0006】
発電所(un parc des centrales)の運転中に発電所で使用されている現在のオーバーウェアは、あらゆる種類の取引及び環境に普遍的に使用されている。これらは主に、汚染地域での活動中の汚染に対する密閉を保証する。ただし、これらのオーバーウェアは、例えば脱衣段階で不十分になる場合がある。
【0007】
一般に、オペレータが汚染された部屋や管理されたエリアで介入を行う必要がある場合、彼は最初に、基本的な服装(これは、第1のケースでは青い作業着と呼ばれる彼の個人的な服装、又は第2のケースではいわゆる普遍的な服装、例えば、Tシャツ、靴下、ジャンプスーツ、木綿の手袋、帽子、ヘルメットなど、が課される場合がある)、オーバーウェアと呼ばれる通常の服装を覆うが、ビニール製又はゴムや他の可塑性材料などのより厚い材料で作られた手袋やオーバーブーツもカバーする。
【0008】
表面放射能が、第1のケースで0.4乃至400Bq/cm2、第2のケースで4乃至400Bq/cm2の場合、オーバーウェアの着用が義務付けられている。400Bq/cm2を超える場合、オペレータは、通気性のあるヘルメット、例えば頭全体から首の付け根までを覆う保護具、を着用するか、彼のオーバーウェアの上に通気性のある防水スーツ、例えば全身を覆う保護具、を着用する必要がある。
【0009】
管理区域を離れるために、汚染を検出するためのさまざまなチェックが計画されている。とはいえ、このデリケートな脱衣段階では、常に警戒が必要である。オペレータの上記の個人的な服装は、原子力発電所を離れない普遍的な服装とは対照的に、私的な領域で着用される可能性が高いことを考えると、原子力発電所の場合はなおさらである。
【0010】
オーバーウェアと連動した脱衣の段階はデリケートである。例えば、フランスの原子力発電所では、汚染された地域にいる間、オペレータは、自分の衣服、通常は下に着る「青い作業着(bleu de travail」、を汚すことなく、オーバーウェア、グローブ、オーバーブーツを脱がなければならない。その際、オペレータは、汚染されていないゾーンに入るために、例えばイーゼル(chevalet)によって具体化された境界線を連続して越えなければいけない。
【0011】
放射線防護においてその価値は証明されているが、この境界線通過はオペレータにとって必ずしも容易ではなく、不便を招く可能性がある。事実、後者は、イーゼルの後ろでオーバーウェアを脱いだ最初の脚をイーゼルに触れることなく通過させ、2番目の脚は汚染されたエリアでオーバーウェアを着たままにしなければならない。次に、汚染されたエリアでオーバーウェアの2番目の脚を脱ぎ、国境を越えて、最終的に汚染されていないエリアに着く必要がある。これらの通過条件により、バランスが失われ、裸足の足が汚染された場所で休む可能性がある。上記の境界を無事に通過すると、汚染された可能性があるオペレータは、世界中のすべての原子力発電所で要求されているように、必要に応じて実際の汚染を報告する管理のゲートを通過する。オペレータは、汚染源が何であれ、汚染の検出に続いて有効なプロトコルに従う。さらに、いわゆる同一平面の事故の典型的なリスクも挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
オーバーウェアの着用を保護するこの慣行は、オペレータの汚染に対抗するためのツールであるが、市場で購入したオーバーウェアで特定された問題のいくつかは解決しない。主な欠点を以下に示す。
【0013】
第1の欠点は、通常とは異なる脱衣の場合に汚染のリスクがあることである。ゾーンの境界を越えることに伴う制約を克服するために、オペレータは、汚染されたゾーンでオーバーウェアを脱いで境界を越えることが有利であると判断する場合がある。これをするには、彼は最初に襟から股間までジッパーを開け、次にオーバーウェアを股間から各脚の下まで引き裂く必要がある。これにより、肩が楽になり、アンバランスな姿勢になるのを防ぐことができる。この方法は、開発者によって推奨されていないが、確かに時間の節約になる。しかし、主な欠点は、介入中にオーバーウェアに付着した可能性のある汚染は、引き裂きに加えられた力に続いて空気中に再浮遊し、オペレータ自身、その同僚、さらには施設の汚染を引き起こす可能性があることである。
【0014】
第2の欠点は、オーバーウェアを開くことによる汚染のリスクである。管理区域内で作業する場合、オペレータは、規則に従って視覚的にアクセスできる必要がある文書及び線量計などの携帯機器を携帯する必要がある。その場合、オペレータは、必要に応じて、上記の文書で求められる情報、又は上記のデバイスによって表示される情報にアクセスするために、オーバーウェアを開く必要がある場合がある。そうすることで、オペレータは手袋から直接汚染される可能性がある。この不便を解消するために、現在の不織布オーバーウェアは、その上に着用されている前記制御装置、バッジ、又は書類の位置に沿って下にある衣類を表示することを意図した、少なくとも1つの透明なプラスチック加工された窓を含む。しかしながら、前記プラスチック加工された窓は、摩擦、折り目などにより、短期間で、又は同じ操作中にさえも、その透明性を失う可能性がある。これらの条件では、オペレータが求める情報はますます不明瞭又は可視性が低くなり、そのため、オペレータは、それにアクセスするためにガードを開く必要があるが、これは、汚染のリスクを制限するという目的に反する。
【0015】
本発明は、前述のオーバーウェアの欠点を克服する、放射性粒子に対する使い捨て個人用コンビネゾン(une combinaison individuelle)を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的のために、本発明の第1の目的は、胴体部分と、前記胴体部分と一体であり、前記胴体部分を下方に延ばすズボン部分とを含む、放射性粒子から保護するための使い捨ての個人用コンビネゾンであって、
前記胴体部分と前記ズボン部分は柔軟な防塵壁を持ち、
当該コンビネゾンは、少なくとも前記胴体部分において、壁の2つの第1の左端と右端との間で上から下、及び前部に延びる第1のジッパー(fermeture a glissiere)を含み、前記第1のジッパーは、壁の左端に防塵で取り付けられた第1の側面と、壁の右端に防塵で取り付けられた第2の側面とを有し、前記第1及び第2の側面は、前記第1のジッパーの閉鎖状態において、第1の所定の防塵係合線に従って相互接続可能されるように適合され、且つ前記第1のジッパーの開放状態において、前記第1の係合線に沿って互いに分離されるように適合され、
当該コンビネゾンは、ズボン部分の脚の少なくとも1つにある壁の他の2つの反対側の端の間を上から下まで延び、且つ、壁の他の2つの反対側の端にそれぞれ防塵方法で取り付けられた2つのバンドを含む、少なくとも1つの他のクロージャ(fermeture)を有し、前記2つのバンドは、他のクロージャの閉鎖状態において、少なくとも1つの他の規定された防塵係合線に沿って相互接続されるように適合され、且つ他のクロージャの開放状態で、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されることを特徴とし、
他の係合線を越えて少なくとも2つのバンドを相互接続する少なくとも1つの接合点が、クロージャの閉じた状態で第1のジッパーと他のクロージャとの間に存在し、
破断部材上の牽引によって接合点を破断されることを可能にするため、少なくとも1つの破断部材が閉鎖部材の少なくとも1つに設けられる、
コンビネゾンである。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、前記第1のジッパーは、壁の2つの対向する端の間で上から下までさらに延びて、ズボン部分のもう一方の脚に入る。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、前記接合点は、第1のジッパーの第1の側面又は第2の側面(cote)にあり、
前記第1のジッパーは、スライダを第1の係合線に沿って上に移動することで、第1及び第2の側面を第1の係合線に沿って接続できるようにし、且つ第1及び第2の側面の一方に沿ってスライダを下げることにより、第1及び第2の側面が第1の係合線に沿って互いに分離されることを可能にするスライダを含み、
前記破断部材は、接合点でのその下降により接合点を破断することができる、スライダによって形成される。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、別のクロージャとして以下:
- ズボン部分の脚の1つにある壁の2つの第2の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第2のバンドが、壁の2つの第2の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第2のクロージャであって、前記2つの第2のバンドは、前記第2のクロージャの閉鎖状態において、第2の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第2のクロージャの開放状態において、第2の係合線に沿って互いに分離されるようになっている、少なくとも1つの第2のクロージャ、及び
- ズボン部分のもう一方の脚にある壁の2つの第3の対向する端の間を上から下まで延び、且つ2つの第3のバンドが、壁の2つの第3の対向する端にそれぞれ防塵で取り付けられている、少なくとも1つの第3のクロージャであって、前記2つの第3のバンドは、前記第3のクロージャの閉鎖状態において、第3の規定の防塵係合線に沿って相互接続可能であり、且つ前記第3のクロージャの開放状態において、第3の係合線に沿って互いに分離可能である、少なくとも1つの第3のクロージャ、
が計画される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、接合点として以下:
- 前記第2のクロージャの2つの第2のバンドの上端を互いに接続する、第1の接合点、及び
- 前記第3のクロージャの2つの第3のバンドの上端を互いに接続する、第2の接合点、
が計画され、
破断部材は、互いに近接し、かつ第1及び第2の接合点に近接する第2のストリップ及び第3のストリップに取り付けられた舌部を、舌部上での牽引により、第1及び第2の接合点の破断、第2の係合線に沿った2つの第2のバンドの相互の分離、及び第3の係合線に沿った2つの第3のバンドの相互の分離を可能にするために含む。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、接合点は、クロージャの閉じた状態で、第1のジッパーの第1及び第2の側面の下端を相互接続する第1の接合フランク(flanc de jonction)、第2のクロージャの2つの第2のバンドの上端を相互接続する第2の接合フランク(flanc de jonction)、及び第3のクロージャの2つの第3のバンドの上端を相互接続する第3の接合フランク(flanc de jonction)を含む、接続部品によって形成され、
前記第1のジッパー(premiere fermeture a glissiere)は、第1の面と第2の面とを第1の係合線に沿って上に移動させることにより、第1の面と第2の面とを一緒に接続するためのスライダを有し、且つ、第1及び第2の側面の一方に沿ってスライダを下げることにより、第1の係合線に沿って第1及び第2の側面が互いに分離されることを可能にし、
破断部材はスライダによって形成され、その下降により接続片上で第1、第2及び第3の接合フランク(flancs de jonction)を破断することができる、
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも1つの別のクロージャ(fermeture)が、他のスライダをそれらに沿って上下に動かすことにより、他の係合線に沿って2つのバンドを互いに接続することができ、且つ、バンドの一方に沿って他方のスライダを上下に動かすことにより、もう一方の係合線に沿って2つのバンドを互いに分離することができる、別のスライダを含む、ジッパー(fermeture a glissiere)である。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも1つの別のクロージャの2つのバンドが、前記少なくとも1つの別のクロージャの閉じた状態で、前記別の係合線に沿って互いに噛み合うことを特徴とし、
前記少なくとも1つの他のクロージャの2つのバンドは、2つのバンドの一方及び/又は他方を引っ張ることにより、他の係合線に沿って互いに分離されるように適合されている。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記接合点がズボン部分の股間又は下腹部領域にある。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記胴体部分は上部で防塵カラーで終わり、フロントクロージャバンドで結合された左右のフロントパーツが2つあり、防塵性があり、前記第1のジッパーの上端を超えて配置されている。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、フロントクロージャバンドの前に、2つの自由な前部及び側部ラグ(pattes)が取り付けられている
【0027】
本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは、裏側で見え、且つ表側では見えないシームラインを含む。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは、腕を通すためのスリーブを有し、それらは、胴体部分の上部に接続され、且つ少なくとも手の人差し指、中指、薬指、及び小指が通過できる端開口部を囲む自由端縁を有し、前記スリーブは、開口部とは異なり、第2の壁の端部によって端縁から分離された少なくとも1つのサムホールをさらに含む。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは、腰部のシース内に位置する締付け弾性体を含む。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは、ズボン部分の膝に補強を含む。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは少なくとも1つの透明な外壁、これは、胴体部分の第1のフロントクロージャの右側及び/又は左側にあり、且つこれは、少なくとも1つの他の下にある壁と少なくとも1つのポケットを形成する、を含む。本発明の一実施形態によれば、当該コンビネゾンは、透明な外壁を有する取り外し可能な腹側ポケット(pochette ventrale)を含み、
前記ポケットは、胴体部分の前部上部に対して接続及び切り離されるように適合された第4のジッパー及び留め具(attaches)を含む上部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、添付図面の図を参照して非限定的な例としてのみ示す以下の説明を読むことでよりよく理解されるであろう。ここで、
【
図1】
図1は、表側の(sur l’endroit)、本発明の第1の実施形態による防護コンビネゾンの概略正面図である。
【
図2】
図2は、
図1によるコンビネゾンの股領域の前面の拡大概略正面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施形態による防護コンビネゾンの表側の(sur l’endroit)概略正面図である。
【
図4】
図4は、
図3によるコンビネゾンの股部の裏側の(de l’envers)正面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第3の実施形態による防護服の表側の(de l’endroit)概略正面図である。
【
図6】
図6は、コンビネゾンを開く第1のステップ中の、
図5によるコンビネゾンの股領域の表側の及び正面からの概略図である。
【
図7】
図7は、コンビネゾンを開く第2のステップ中の、
図5によるコンビネゾンの股領域の表側の及び正面からの概略図である。
【
図8】
図8は、コンビネゾンを開く第3のステップ中の、
図5によるコンビネゾンの股領域の表側の及び正面からの概略図である。
【
図9】
図9は、コンビネゾンを開く第4のステップ中の、
図5によるコンビネゾンの股領域の表側の及び正面からの概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態の表側の概略正面斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部を裏側から見た概略正面図である。
【
図12】
図12は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部の概略正面図である。
【
図13】
図13は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部の表側の概略背面図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部の表側の概略正面図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部の表側の概略正面図である。
【
図16】
図16は、本発明の別の実施形態によるコンビネゾンの一部の表側の概略正面図である。
【
図17】
図17は、本発明によるコンビネゾンで使用できるジッパーの表側の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面には、放射性粒子から保護するための使い捨ての個人用(individuelle)コンビネゾン1又はオーバーウェア(sur-tenue)1のさまざまな実施形態が示されている。コンビネゾン1は主に、胴体部分2をズボン部分3の底に取り付け、それを伸ばした部分で構成されている。胴体部分2上部には使用者の腕が入る左右のスリーブMを装備する。胴体部分2の上部には襟Cがあり、フード、図示せず、によって後部で伸ばすことができる。胴体部分2、ズボン部分4、及びスリーブMは、1つ又は複数の防塵性の柔軟な壁を有し、したがって、放射性粒子がコンビネゾンの外側から内側に通過するのを防ぐように構成される。一般に、コンビネゾン1のさまざまな部分、特に壁4、に示されているシール(l’etancheite)は、ダストシールであり、また、外部から内部への水に対するシール及び/又は外部から内部への水蒸気シールでもよい。さらに、コンビネゾン1の1つ又は複数の部分、特に壁4は、通気性があり、すなわち、水蒸気が内側から外側に通過できるようにすることができる。壁4は、例えば、胴体部分2からズボン部分3まで連続していてもよい。この柔軟な壁4は、周知のように、紙などの不織布で作ることができる。
【0034】
コンビネゾン1及び/又は壁4は、例えば、以下の特性(2015年12月22日に施行されたものとして示されている規格)のいずれか又は他のいずれか又はすべてを有することができる:
・ 規格NL EN ISO 3801に準拠した単位面積あたりの質量40から70g/m2。
・ 規格NL EN 13034、規格NL EN 1073-2(規格NL EN 530に準拠したテスト)及び規格NL EN ISO 13982-1に準拠した耐摩耗性: クラス2/6(>100 研磨サイクル)。
・ 規格NL EN ISO 13982-1(NL EN ISO 7854のメソッドBに準拠したテスト)に準拠したに耐曲げクラック性: クラス6/6(>100000サイクル)。
・ 規格 NF EN 1073-2(規格EN863に準拠したテスト)に準拠した穿刺抵抗: クラス2/4(>10N)
・ 規格NF EN 13034及び規格NF EN ISO 13982-1(規格EN 863に準拠したテスト)に準拠した穿刺抵抗: クラス2/6(>10N)。
・ 規格NF EN 13034及び規格NF EN ISO 13982-1(試験方法: 規格EN ISO 9073-4)に準拠した台形引き裂き抵抗: クラス2/6(>20N)。
・ 規格NF EN 1073-2(規格EN ISO 9073-4に準拠した試験方法)に準拠した引き裂き抵抗: クラス3/6(>20N)。
・ 規格NF EN 13034及び規格NF EN ISO 13982-1に準拠した継ぎ目、ジョイント、及びアセンブリの抵抗(規格EN ISO 13935-2に準拠した試験方法): クラス3/6(>75N)。
・ NF EN 1073-2に準拠したシーム抵抗(規格EN ISO 13935-2に準拠したテスト方法): クラス3/5(>75N)。
・ 規格NF EN 13034に準拠した引張強度(規格EN ISO 13934-1又は規格EN 29073-3に準拠した試験方法): クラス2/6(>60N)。
・ 液体化学薬品の浸透に対する特性: 規格NF EN 13034に準拠したタイプ6分類に準拠。接触又は軽いしぶきによる液体放射能汚染に対する防護コンビネゾン1の仕様(軽くて長くない)は、タイプ6の衣類の仕様に類似している。したがって、規格NF EN 13034(タイプ 6)の要件及び関連するテスト方法がこの製品に適用される。しかし、それは港での快適な快適さを保つ。撥液性のレベル: クラス3/3(H2SO4、NaOH、o-キシレン、ブタン-1-オールなどの標準化された製品では、少なくとも撥水指数>95%)。化学物質の浸透に対する保護レベル: クラス3/3(H2SO4、NaOH、o-キシレン、ブタン-1-オールなどの標準化された製品の場合、浸透指数は少なくとも<1%)。軽いスプレーの形での液体の浸透に対する保護レベル(ミストテスト): 規格NF EN 13034の要件への準拠。
・ 粒子の侵入に対する特性: 衣類は、規格NF EN ISO 13982-1に準拠したタイプ5分類に準拠し、且つ規格NF EN 1073-2に準拠している。規格NF EN ISO 13982-1に準拠した内部への漏れ(規格NF EN ISO 13982-2に準拠したテスト): 最小要件への準拠、つまりIL82/90 ≦30%及びTILS8/10 ≦15%。規格NF EN 1073-2に準拠した内部への全漏れ(規格NF EN ISO 13982-2に準拠したテスト): クラス1/3。
・ 帯電防止性: 表面抵抗率は、規格NF EN 1149-1に記載されている試験方法に従って評価される。均質材料の表面抵抗率は5x1010オーム以下でなければならない。
・ 防炎: 構成材料(フード及び半透明の窓を含む)は、規格NF EN ISO 14116に従ってレベル1に分類する必要がある。ただし、この機器がより高いレベルの保護の基本的な衣服の上から着用することを意図している場合に限る。
・ 製品には有毒化学物質(Pb、B、Ni、Cr、As、Sb、Se、Cd、Hg、Be、CN、アスベスト)が含まれていない。
【0035】
コンビネゾン1は、胴体部分3に第1のジッパーFG1を含み、ズボン部分3の脚部31、32の少なくとも一方に延在する1つ以上の他のクロージャFG2、FG3、これは以下に説明され、且つこれは以下に説明するスライダ付きのジッパーであり、クロージャFG1の場合、第1のタイプのクロージャと呼ばれる、と同様に、クロージャFG1に関して第1のタイプのクロージャ、又はコンビネゾン1にスライダを持たない第2のタイプのクロージャと呼ばれるものの、以下に説明するように、それらの係合線LE2又はLE3に応じて分離可能なバンドを備えている。
【0036】
図1-10、15、17に示すように、第1のジッパーFG1は第1のタイプのものであり、この壁4の第1の左端41とこの壁4の第2の右端42との間で胴体部分3の壁4の前部まで延在している。ジッパーFG1の第1の側面(又は第1のバンド)BA11は、壁4の左端41に防塵状態で取り付けられる。ジッパーFG1の第2の側面(又は第2のバンド)BA12は、胴体部分2の壁4の右端42に防塵状態で取り付けられる。2つの側面BA11,BA12は、第1のジッパーFG1を閉じた状態で防塵である、所定の第1の係合線LE1に従って互いに接続できるように構成されている。また、第1のジッパーFG1の開状態において、第1の係合線LE1に沿って、2つの側面BA11,BA12が互いに分離できるように構成されている。第1ジッパー、2つのエッジ41及び42、2つの側面BA11及びBA12、及び係合線LE1は、例えば、胴体部分2の上部のカラーCからズボン部分の少なくとも1つの股間領域Zまで延びており、且つ、垂直で、胴体部分2の前部中央にあってもよい。第1のジッパーFG1は、第1の側面BA11及び第2の側面BA12を、それらに沿ってスライダCUを上昇させることにより(
図17の閉方向S10)、第1の係合線LE1に沿って互いに接続することを可能にする、及び第1及び第2の側面の一方に沿ってスライダCUを下降させることにより(
図17の開方向S20)、第1の係合線LE1に沿って、第1の側面BA11及び第2の側面BA12を互いに分離することができる、スライダCU(例えば、金属ま7たはプラスチック)、を含む。スライダCUは、例えば長円形の、手動グリップ部材OPに接続されている。
【0037】
以下において、当業者に知られている意味を持ち、且つ2つの平行なバンドを含み、又は第1及び第2の側面BA11及びBA12は、長さ方向に延在し、且つそれぞれは、ジッパーFG1について
図17に示されるように、係合方向LE1に分散された一連の連続した歯D1、D2及びD1’、D2’をそれぞれ含む。バンドBA11の歯D1、D2の一つ一つが、向かい合うバンドBA12の歯の間の向かい合うスペースと協働し、互いに向かい合うバンドの歯の隙間で協働し、前記協働は、バンドBA11及びBA12に沿って閉方向S10に移動し、且つバンドBA11の歯D1、D2を他のバンドBA12の歯D1’、D2’と強制的に織り合わせる、スライダCUの移動によって引き起こされる。これにより、2つのバンドBA11及びBA12が係合線LE1に沿って互いに噛み合い、これは、2つのバンドBA11及びBA12を互いに固定する効果を有し、この場合ジッパーFG1は閉じた状態にある。ジッパーFG1を開くために、スライダCUは、バンドBA11又はBA12に沿って、閉じるの方向S10とは反対の開く方向S20に移動する。これは、バンドBA11の歯D1、D2を他のバンドBA12の歯D1’、D2’に対して分離する効果を有し、これらの歯D1’、D2’は次に互いに分離され、FG1ジッパーは、この場合、開いた状態にある。バンドBA11の下端BA110又はバンドBA12の下端BA120に位置する開放停止部材OA3(分離停止)は、スライダCUのS20方向への移動を停止するために設けられる。バンドBA11のもう一方の上端BA111にある別の閉鎖停止部材OA1及び/又はバンドBA12の他方の端部BA121に位置する別の閉鎖停止部材OA2は、スライダCUの方向S10への移動を停止するために設けられている。クロージャのバンドは、例えば、5mmのVislon注入ステッチであるステッチを受けるテキスタイルブレードである。
【0038】
他方のクロージャFG2及び/又はFG3は、ズボン部分3の脚部31、32の少なくとも一方に位置する壁4の2つの他の対向する縁部311、312及び/又は321、322の間で上から下まで延在する。脚部31は例えばズボン部分3の左脚であり、脚部32は例えばズボン部分3の右脚である。他のクロージャFG2及び/又はFG3は、例えばコンビネゾン1の股間ゾーンZから始まる。この他のクロージャFG2及び/又はFG3は、2つのバンドBA21、BA22及び/又はBA31、BA32をそれぞれ含み、それらは、壁4の2つのそれぞれの対向する縁部311、312及び/又は321、322にそれぞれ防塵方法で固定されている。2つのバンドBA21、BA22、それぞれBA31、BA32は、少なくとも1つの他の規定された係合線LE2又はLE3に沿って相互接続できるように構成され、これは、クロージャFG2、FG3の閉状態で防塵であり、且つこれらは、クロージャFG2及びFG3の開いた状態で、この別の係合線LE2それぞれLE3に沿って互いに分離できるように構成されている。
【0039】
図1から7に示すように、少なくとも1つの接合点S又はS1又はS2又はCOは、他の係合線LE2及び/又はLE3を越えて少なくとも2つのバンドBA21、BA22、BA31、BA32を相互に接続する。この接合点S又はS1又はS2又はCOは、クロージャFG1、FG2、FG3の閉鎖状態において、第1のジッパーFG1と他のクロージャFG2及び/又はFG3との間に存在する。接合点S又はS1又はS2又はCOは、例えば股のゾーンZに存在する。接合点S又はS1又はS2又はCOは、オペレータの介入中にジッパーFG2及び/又はFG3が不注意に開くのを防ぐ。
【0040】
少なくとも1つのクロージャFG1、FG2及びFG3に、少なくとも1つの破断部材(un organe de rupture)CU又はLAが設けられている。この破断部材CU又はLAは、破断部材CU又はLAが引っ張られると、接合点S又はS1又はS2又はCOを破断するように構成されている。
【0041】
このように、コンビネゾン1の上記の実施形態は、それを着用する人が、破断部材CU又はLAを引くことによって、所定の、直感的かつ迅速な方法でコンビネゾン1を開くことを可能にする。これは、接合点S又はS1又はS2又はCOを破断し、第1のジッパーFG1と他のクロージャFG2及び/又はFG3を、所定の係合線LE1、LE2、及び/又はLE3に沿ってそれぞれ分離することにより、閉じた状態から開いた状態に変更することを可能にする。これにより、人がこのコンビネゾン1を開いてそれを削除するとき、コンビネゾン1の外側にある放射性粒子で人が自分自身を汚染するのを防ぐ。
【0042】
コンビネゾン1を着用している人は、コンビネゾン1の外側から破断部材CU又はLAにアクセスできる。これにより、クロージャFG1、FG2及び/又はFG3が開状態に切り替えるときに、破断部材CU又はLA上の人の手による牽引によって汚染された粒子がコンビネゾン1の内部に侵入することが防止される。これにより、コンビネゾン1を着用しているオペレータがこのコンビネゾン1を脱ぐときに、特に、上記の汚染地域と非汚染地域を隔てる境界線を越えるときに不安定な平衡状態にある位置を避けるため、自分自身、他の人、又は施設を汚染するのを防ぎ、この脱衣段階での快適性も向上する。
【0043】
第1のクロージャF1と他のクロージャFG2及び/又はFG3は、例えば、
図1、3、及び5に示すようにY字に配置され、Yの中心に接合点S又はS1又はS2又はCOが配置される。これにより、胴体部分2がラインLE1に沿って開き、次にズボン部分3の脚部31及び32がラインLE2及びLE3に沿って開くので、人はコンビネゾン1から完全に解放される。コンビネゾン1は胴体部分2の上部を肩で支えるだけなので、コンビネゾン1のどの部分も地面と接触しない。
【0044】
コンビネゾン1は、それを着用している人が、汚染された粒子を再懸濁する可能性のあるオーバーウェアを股からズボンの裾まで引き裂く必要がないようにする。それどころか、コンビネゾン1の開閉は、壁4の後ろで、ズボン部分3の裾(bas)に手を入れる危険を冒さずに、開閉動作に伴う突然の動きがなく、所定の係合線LE1、LE2及び/又はLE3に沿って上から下まで行われる。
【0045】
上記のコンビネゾン1の第1、第2、及び第3の実施形態を以下に説明する。
【0046】
図1及び
図2に示す第1の実施形態では、第1のジッパーFG1は、ズボン部分3の脚部31,32のもう一方の脚部31の壁4の2つの対向する縁311及び312の間で上から下まで延在し、一方、上記の他のクロージャFG3は、ズボン部分3の脚部32に存在する。第1のジッパーFG1は、例えば脚部31の裾まで伸びている。クロージャFG2は、例えば股間ゾーンZからもう一方の脚部の裾まで伸びている。もちろん、それは反対であってもよく、すなわち、変形例では、第1のジッパーFG1は、ズボン部分3の脚部32の壁4の2つの対向する縁部321、322の間で上から下まで延び、他のクロージャFG2は、ズボン部分3の脚部31に存在する。接合点Sは、最初にバンドBA31をバンドBA32に接続する。接合点Sは、クロージャFG1の第1の側面BA11又はクロージャFG1の第2の側面BA12に位置することができる。破断部材LAは、スライダCUによって形成され、スライダCUが側面BA11及びBA12に沿って下降して第1の係合線LE1を開くときに接合点Sまで下降すると、接合点Sを破断することができる。
【0047】
図2は、接合点SがクロージャFG1の第2の側面BA12に位置することを示している。例えば、クロージャFG1の第2の側面BA12に横方向のノッチENTが設けられ、このノッチENTは、第2の側面BA12の2つの連続する歯D1とD2との間で終わっている。接合点Sは、ノッチENTの少なくとも一部を覆うように設けられ、ノッチENTによって分離された第2の側面BA12の上部BA121と第2の側面BA12の下部BA122とを互いに接続する。2つのバンドBA31及びBA32は、それらの端部で第2の側面BA12と重なる。係合線LE2は、接合点Sに位置合わせされる。係合線LE2は、例えば、ノッチENTと実質的に整列している。この場合、バンドBA31の端部は、第2の側面BA12において下部BA122と重なり、バンドBA32は、第2の側面BA12において上部BA121と重なる。バンドBA31及びBA32のこれらの端部は、2つの部分BA122及びBA121にそれぞれ固定され、例えば縫い付けられている。サブブリッジを形成する防塵要素SPをノッチENTの下に設けてもよい。サブブリッジは、バンドBA11の下に、例えば縫い合わせによって固定され、バンドBA12の下でそれを越えて延在する。したがって、この要素SPは、放射性粒子がノッチENTを通ってコンビネゾン1の内部に入るのを防止する。製造中に、バンドスBA12にノッチENTが作られ、2つの歯D1及びD2が溶接される。クロージャFG3が他のスライダを持つ第1のタイプの場合、このシステムでは、この他のスライダが脚部32の下部(bas de la jambe)からカラーまで上昇することを許さない。例えば、コンビネゾン1は、例えば、クロージャFG1のスライダCUが接合点Sの上に位置し、クロージャFG3も閉じた状態で配送できる。
【0048】
コンビネゾン1を装着するには、人は、スライダCUを接合点S又はS1又はS2の上に下に移動して、この点の上にある第1のクロージャFG1を開くには、彼の頭を襟Cに、胴体を胴体部分2に、腕をスリーブMに、脚をズボン部分3に通す。次に、クロージャFG1を閉じるため、係合線LE1に沿ってスライダCUを上に移動する。
【0049】
コンビネゾン1を開くには、人がクロージャFG1のスライダCUを下に動かして接合点Sを通過させると、接合点Sが壊れ、次に、脚部31に沿ってスライダCUを下に下げ続け、次に、人は脚部32の係合線LE2に沿ってクロージャFG2を下に開く。
【0050】
図3及び
図4に示す第2の実施形態及び
図5から
図9に示す第3の実施形態では、脚部31の壁4の頂部から底部に延在する2つの第2のバンドBA21及びBA22を有する第2のクロージャFG2及び脚部32の壁4の頂部から底部に延在する2つの第3のバンドBA31及びBA32を有する第3のクロージャFG3の両方が、さらなるクロージャとして提供される。
【0051】
図3及び
図4に示す第2の実施形態では、第1接合点S1は、第2のバンドBA21の上端BA210を、それらの間の第2の係合線FE2を越えて第2のバンドBA22の上端BA220に接続する。
【0052】
図3及び
図4に示す第2の実施形態では、第2の接合点S2は、第3のバンドBA31の上端BA310を、それらの間で第3の係合線FE3を越えて第3のバンドBA32の上端BA320に接続する。
【0053】
破断部材は、例えば縫合によって第2のバンドBA22に固定された下側側面部分LA2を有する舌部LA、及び、例えば縫合によって第3のバンドBA31に固定された別の側面部分LA3(側面部分FA2から離れている)によって形成されるか、又はそれを含み、バンドBA22とBA31は、互いに最も近い第2と第3のバンドのバンドである。舌部LAはまた、第1及び第2の接合点S1及びS2の近くに位置している。舌部LAは、手で掴むための上部LA1を備え、これは、例えば、指が通過できるように部分LA2及びLA3の高さで閉じられた布のループによって形成され得る。舌部LAは、舌部LAを牽引することにより、第1及び第2の接合点S1及びS2の破断を引き起こす、2つの第2のバンドBA21及びBA22を第2の係合線LE2に沿って互いに分離させる、及び2つの第3のバンドBA31及びBA32を、第3の係合線LE3に沿って互いに分離させるように構成されている。グリップ部分LA1は、例えば、第1のクロージャFG1の側面BA11及びBA12の下端BA110及びBA120の下方に設けられている。
【0054】
第1のクロージャFG1は、例えば、カラーCの上から下まで、股間ゾーンZの高さで舌部LAまで延在する。第2のクロージャFG2は、例えばズボン部分3の股下Zから裾31まで延在する。第3のクロージャFG3は、例えば、ズボン部分3の股間ゾーンZから脚部の下部まで延在する。コンビネゾン1を脱ぐために、着用者はスライダCUを第1のジッパーFG1から股間ゾーンZのタブLAに移動する。次に、スライダCUは、下端のBA110及びBA120を含めて、2つの側面BA11及びBA12を一定の間隔で分離するには、タブLAの上の下端BA110及びBA120に到着する。これにより、ユーザの手による舌部LA、例えばそのグリップ部分LA1へのアクセスが解放される。次に、人は舌部LA、すなわち例えばグリップ部分LA1を下に引っ張り、これが接合点S1及びS2を壊し、次に、上端BA210及びBA220から係合線LE2に沿って上から下にクロージャFG2を開き、且つ上端BA310及びBA320から係合線LE3に沿って上から下に第2のクロージャFG3を開く。
【0055】
さらに、舌部LAは、例えば、縫い目又は接着剤による、股間ゾーンZにおける壁4への取り付けを含むことができる。舌部LAは、オペレータの操作時に汚染に対するバリアとして機能するサブブリッジを形成するため、ジッパーFG1の下端BA110、BA120より高い位置に配置することができる。
【0056】
第1の接合点S1は、例えば、バンドBA21の上端の歯D21をバンドBA22の上端の歯D22に接続する。
【0057】
第1の接合点S2は、例えば、バンドBA31の上端の歯D31をバンドBA32の上端の歯D32に接続する。
【0058】
閉じた状態では、クロージャFG1、FG2、FG3、舌部LAはコンビネゾン1の内部にあるため、舌部LAは放射性粒子で汚染されていない。コンビネゾン1着用者が舌部LAを引っ張ると、所定の係合線LE2及びLE3に沿ってそれぞれのバンドBA21、BA22及びBA31、BA32を分離するだけで、ジッパーFG2及びFG3が自然に開く。
【0059】
次に、係合線LE2及びLE3に沿ってクロージャFG2及びFG3の開放を完了するために、人は脚部31及び32の外縁311及び322を引っ張ることができる。
【0060】
図5乃至
図9に示す第3実施形態では、接合点は、例えばクロージャFG1,FG2,FG3が閉じた状態のときにコンビネゾン1の外面に設けられた接続片COによって形成される。接続片COは、第1の側面BA11の下端BA110を第2の側面BA12の下端BA120に接続する第1の接合フランク(flanc de jonction)J1、第1側BA11の下端BA110を第2側BA12の下端BA120に接続する第1接合フランクJ1、第2のバンドBA21の上端BA210を第2のバンドBA22の上端BA220に接続する第2の接合フランクJ2、及び第3のバンドBA31の上端BA310を第3のバンドBA32の上端BA320に接続する第3の接合フランクJ3を含む。破断部材LAは、第1のジッパーFG1のスライダCUにより形成される。破断部材LAは、接続片CO上への下降により、第1、第2、及び第3の接合フランクJ1、J2、J3が破断されるように構成される。
【0061】
操作は、例えば、
図6から
図9を参照して示される次のとおりである。
【0062】
図6の第1のステップでは、クロージャFG1、FG2、FG3は閉状態であり、スライダCUはその上端付近に位置している。オペレータは、クロージャF1をオープン状態に切り替えるため、スライダCUを下矢印の方向に移動する。
【0063】
図7の第2ステップでは、FG1ジッパーが開いており、その側面BA11とBA12が矢印F1とF2で示すように互いに分離されている、3つのクロージャFG1、FG2、及びFG3を接続する接続片COの破断を開始するため、ユーザは、第1の接合フランクJ1に対してスライダCUを下げ続ける。接続片COは力のしきい値を超えて破損するように、接続片COには所定の弱点がある。接続片COは、例えば、限定されないが、3つのクロージャFG1、FG2、及びFG3の6つのバンドBA11、BA12、BA21、BA22、BA31、BA32の近くの固有の接続を含み得る。接続片COは、力のしきい値を超えるとすぐに裂け目DEを示すことができる、縫製又は接着された布の要素にすることもできる。
【0064】
図8の第3ステップにおいて、接続片COは、一方では側面BA11に接続され、他方ではバンドBA21に接続された1つの部分CO、及び一方では側面BA12に接続され、他方ではバンドBA32に接続された別の部分CO’に分割され、そして、矢印F4、F5、F6及びF7によって表されるように、これらは、クロージャFG2及びFG3のそれぞれの2つのバンドBA21、BA22及びBA31、BA32の分離を表す、接合部フランクJ2及びJ3から、規定された係合線LE2、LE3に沿ってクロージャFG2及びFG3を開く。
【0065】
図9の4第4のステップでは、矢印F8、F9、F10、F11、F112、F13に示すように、クロージャFG1、FG2、及びFG3を完全に開くことができ、オペレータは彼のコンビネゾン1を取り外すことができる。
【0066】
この実施形態は、本質的に汚染に対して密封されている。なぜならこれは、第1の実施形態のように、サブブリッジSPの整備を必要とする開口領域を提供しないためである。
【0067】
他のクロージャFG2及び/又はFG3はまた、スライダCUとは別の独自のスライダ(別のスライダーと呼ばれる)を備えた第1のタイプのジッパーにすることもできる。この他のスライダを下から上に移動することにより、バンドBA21をバンドBA22に、又はバンドBA31をバンドBA32に、他の係合線LE2又はLE3に沿って相互に接続できるように、及び、この他のスライダをこれらのバンドの1つに沿って上下に動かすことにより、バンドBA21をバンドBA22から、又はバンドBA31をバンドBA32からこの他の係合線LE2又はLE3に沿って分離できるようするためである。
【0068】
しかしながら、他のクロージャFG2の2つのバンドBA21とBA22は、他の閉じた状態のLE2係合線に沿って互いに係合するために、上記のようにコンビネゾン1にスライダを持たない第2のタイプにすることができる。これらの2つのバンドBA21及びBA22は、2つのバンドBA21及びBA22の一方及び/又は他方の牽引によって、係合線LE2に沿って互いに分離できるように構成されている。つまり、スライダを分離する必要がない。他のクロージャFG3の2つのバンドBA31及びBA32は、他の閉じた係合線LE3に沿って互いに係合するために、上記のようにコンビネゾン1上にスライダを持たない第2のタイプであり得る。これらの2つのバンドBA31及びBA32は、2つのバンドBA31及びBA32の一方又は他方を引っ張ることにより、他の係合線LE3に沿って互いに分離できるように構成されている。つまり、スライダを分離する必要がない。第2のタイプのクロージャFG2及び/又はFG3は、閉鎖状態でスライダジッパーの所望の長さLを切断することによって得られた可能性がある。この長さLは、
図17に示すように、このジッパーのスライダ(プラスチック材料など)の後ろに、閉じる方向S10で閉じた状態で配置されている。この長さLは、バンドBA21とBA22又はBA31とBA32が、係合線LE1又はLE2に沿って噛み合う歯によって互いに接続され、そして、閉じた状態でこのジッパーのスライダを運ばない。クロージャFG2及び/又はFG3を作成するため、この長さLを維持する。
【0069】
図10に示される一実施形態によれば、胴体部分2は、第1のジッパーFG1の上端FG10を超えて配置された閉じたカラーCで上向きに終了する。ネックCは防塵で、左フロントパーツC1と右フロントパーツC2があり、これは、フロントクロージャバンドCFによって左フロントパーツC1に接続されている。このフロントクロージャバンドCFは防塵性があり、第1のジッパーFG1の上端FG10よりも高い位置にある。このフロントクロージャバンドCFは、汚染された粒子がカラーCを通過して、クロージャFG1の上の人の首に入るのを防ぐ。したがって、ジッパーFG1はカラーCの上部ではなく、カラーCの下限に近づく。これにより、カラーを持たずにジッパーFG1を簡単に開くことができる。したがって、カラーCは、首を外部の汚染から保護し、下にある服を覆うようにバルブを形成する、フロントクロージャバンドと交差したタイプである。
【0070】
フロントクロージャバンドCFの前に、2つのラグ(pattes)、PF1及びPF2、フロントとサイド、フリー、それぞれ左と右、を取り付けることができる。ラグ(Les pattes)PF1及びPF2は、カラーCの内側に指を挿入せずに、カラーCを手動で把持するために使用される。これにより、汚染された粒子の侵入を防ぐ。
【0071】
図10に示す一実施形態によれば、第1のジッパーFG1のスライダCUを把持するための部材OPは、例えば、クロージャFG1の他の部分及び壁4の色とは異なる色の布の一部によって伸ばすことができる。これにより、オペレータはスライダCUを簡単に識別してキャッチしやすくなり、そしてそれを探すこと及び衣服や身体の汚染のリスクを高めることを避けることができる。スライダCUのこの延長PDは、木綿の手袋をはめた手で引っかかることができるように、短すぎてはいけないし、また、介入中に引っ掛からないように、長すぎてもいけない。
【0072】
図11に示される実施形態によれば、コンビネゾン1は、壁4の裏側ENVに(sur l’envers)見える、壁4の表側ENDに(sur l’endroit)見えない、シームラインLC1、LC2、LC3を含む。これらのシームラインLC1、LC2、LC3は、例えば、壁4の色又は壁4の裏側ENVの色とは異なる色である。したがって、人は、コンビネゾン1の裏側ENVと表側ENDをよりよく区別できる。実際、コンビネゾン1は1回しか使用されない。脱衣の際、コンビネゾン1を脱ぐと、オペレータはそれを専用のごみ箱に捨てる。この段階では、特にコンビネゾン1を折りたたむときに、手を汚染してはならない。実際、コンビネゾン1の裏側ENVと表側ENDはほとんどの場合白であるため、彼は、汚染されていない裏面ENVと汚染されている可能性のある表側を混同する可能性がある。これらのシームラインは、汚染されないようにオペレータをガイドするのに役立つ。
【0073】
図12に示される一実施形態では、コンビネゾン1は、人の腕を通過させるための2つのスリーブMを含む。各スリーブMは第2の防塵壁46を含み、胴体部分2の上部に接続されている。各スリーブは自由端BEを含み、これは、端の開口部OUVを囲み、少なくとも人の手の人差し指、中指、薬指、及び小指の通過を可能にする。各スリーブMは、人の手の親指のために少なくとも1つの穴TPPを含む。この親指の穴TPPは開口部とは別であり、第2の壁46の端部47によって端縁BEから分離されている。オペレータは木綿の手袋を着用することがあり、介入の種類によってはビニールや他の手袋を重ねることもある。それから彼らはコンビネゾン1を着る。特定の作業状況では、オペレータは、汚染のリスクに関して受け入れられないであろう腕のむき出しの部分で終わらないように、従来技術のオーバーウェアを手袋に固定するために粘着テープを使用する傾向があったことが観察されている。ただし、一部の発電所では粘着テープの使用が禁止されている。オーバーウェア(sur-tenue)1に統合されたサムホールTPPを含む上記の実施形態は、この問題を解決することを可能にする。このサムホールTPPは、スリーブMの端にあるスリットの形をしている場合がある。このサムホールTPPは、スリーブMの第2の壁46の残りの部分とは異なる色でその周囲を示すことができ、これにより、その位置を知らせることができる。スリーブMの自由端BEの上部近くにこのサムホールTPPを配置することで、すべての作業状況でオペレータの腕の動きを妨げることなく、親指が通過する直感的なドレッシングが可能になる。このサムホールTPPは親指通し(passant-pouce)とも呼ばれる。
【0074】
図13に示される実施形態によれば、コンビネゾン1の腰回り(la taille)Tは、周辺の締め付け弾性体ELが配置されている周辺の内部シースFTを含む。技術水準では、オペレータは、特に持続的な運動中に、オーバーウェア内により多くのスペース、使いやすさ、快適さを持たせるために、それらに対応するサイズよりも大きいコンビネゾン1のサイズを選択することに慣れている。ただし、この場合、ウエスト周りのオーバーウェアに伸縮性のあるものを縫い付けた布地のギャザリング(bouffant)効果がある。この膨らみ効果は、オーバーウェアの引っ掛かりや裂けを助長し、それがオペレータを汚染する可能性がある。この実施形態は、シースFT内のより柔らかい弾性体ELをコンビネゾン1の背面に挿入することを可能にすることによって、この問題を解決する。この弾性体ELは、膨らみ効果を持たないようにコンビネゾン1に縫い付けられていない。
【0075】
図14に示される一実施形態では、コンビネゾン1は、ズボン部分3の膝Gのレベルに補強材RGを含む。これにより、コンビネゾン1の破れが防止され、及びしたがって汚染が防止される。これらのRG補強材は、例えば、すべての体型に適合することができるように、人の膝よりも高い高さと幅を持つ。
【0076】
図15に示される実施形態によれば、コンビネゾン1は、胴体部分2の第1のフロントジッパーFG1の左側にある透明な外壁43、及び/又は胴体部分2の第1のフロントジッパーFG1の右側にある透明な外壁、を含む。この壁43及び/又は44は、外部の透明な窓を形成する。コンビネゾン1の表側ENDにあるこの壁43及び/又は44は、それぞれ、左PCH1ポケット及び/又は右PCH2ポケットを形成し、それぞれ、裏側ENVにある別の下にある左壁43bを有し、及び/又は裏側ENVにある別の下にある右壁44bを有する。壁43b及び/又は44bは、透明又は不透明にすることができる。左側のPCH1ポケット及び/又は右側のPCH2ポケットは、幅が15 cm以上、高さが15cm以上である。透明な外壁43及び/又は44により、人は、自分のポケットPCH1及び/又はPCH2にある物体を外側から見ることができ、及びしたがって、このポケットに存在する線量計によって表示される線量のデジタル値をリアルタイムで視覚化できるようになる。オペレータが自分の線量計で線量測定値に永続的にアクセスできることが不可欠である。これにより、オペレータは予測線量又は場合によっては規制限界を超えないようになる。これにより、オペレータはこの線量測定を読み取るためにコンビネゾン1を開ける必要がなくなり、自分自身を汚染することがなくなる。したがって、壁43及び/又は44は、胸の高さで透明な窓を形成する。この壁43及び/又は44及び/又は43b及び/又は44bは、折りたたんだときに透明なままであるという性質を有するアセテートタイプの材料であってもよい。窓の寸法は、力仕事中に移動した場合でも線量計ポケットPCH4が常に見えるように設計されており、この線量計ポケットPCH4自体は透明な壁で形成され、ポケットPCH1又はPCH2に挿入されている。ポケットPCH1及び/又はPCH2は、ウォレットウィンドウタイプにすることができる。変形として、他の壁43b及び/又は44bは、透明ではない壁4と同じ材料のものであり得る。ポケットPCH1及び/又はPCH2は、その上部に、その壁43及び/又は44とその壁43b及び/又は44bとの間の開口部を有する。下にある壁43b及び/又は44bは、防塵材料でできている。規制では、線量計を胸の高さに配置する必要がある。当技術分野では、線量計ポケットのアタッチメントを胸の高さに配置するように調整するのはしばしば面倒であり、力仕事中に位置が変化することが観察されている。提案されたソリューションはこの問題を解決し、規制要件を満たす。
【0077】
図16に示される実施形態によれば、コンビネゾン1は、透明な外壁45を有する取り外し可能な腹側ポケットPCH5を備える。このポケットPCH5は胸の高さにあり、A4タイプの書類や小物を収納できる。壁45は、例えば、アセテートで作ることができる。ポケットPCH5の下にある壁は、透明な素材でも不透明な素材でもかまわない。ポケットPCH5は、胴体部分2の対応する前部上部に対して接続及び切断可能であるように構成された第4のジッパーFG4及び留め具(attaches)ATを有する上部を有する。これらの留め具ATは、例えばクリップタイプである。ポケットPCH5は、下部に留め具を付けることもできる。これらの留め具は、例えば、スナップボタンにすることができる。ポケットPCH5の上部と下部の間で異なるタイプの留め具を選択することにより、不正操作防止機能(detrompeur、ポカヨケ)を作成し、オペレータがポケットPCH5を正しい方向に正しく配置するようにガイドすることができる。このポケットPCH5により、オペレータはドキュメントを読んだり、小さな機器(例えば電話など)を汚染することなく保管できる。
【0078】
もちろん、上記の実施形態、特徴、可能性及び例は、互いに組み合わせるか、又は互いに独立して選択することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 コンビネゾン
2 胴体部分
3 ズボン部分
31及び32 脚部
4 壁
【要約】
本発明は、トランク部分(3)の上部から下部まで及び前部でジッパー(FG1)で留めることができるジッパー(FG1)を含む、放射性粒子から保護するための個人用使い捨てコンビネゾン(1)に関する。本発明は、少なくとも1つの他のクロージャ(FG2)は、ズボンの部分(3)の脚(31、32)の少なくとも1つで上から下に伸び、別の所定の係合線に沿って接続できる2つのバンド(BA31、BA32)を含み、他の線(LE3)を超えて2つのバンド(BA31、BA32)を接続する少なくとも1つの接合点(S)は、閉鎖状態においてクロージャ(FG1)と他のクロージャ(FG3)との間に存在し、クロージャ(FG1、FG3)の少なくとも一方に破断部材(CU)が設けられ、破断部材(CU)上の牽引力によって接合点(S)を破壊できるようにすることを特徴とする。