(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20220106BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220106BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220106BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G06F3/0484 ZJT
G06F3/0484 ZJM
G06F3/0484 ZJC
G06F3/0484 ZJA
G06F3/0484 ZIT
G06F13/00 351N
H04M1/00 U
H04M3/42 B
(21)【出願番号】P 2017115521
(22)【出願日】2017-06-13
【審査請求日】2020-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】316010698
【氏名又は名称】株式会社Momo
(74)【代理人】
【識別番号】100187919
【氏名又は名称】佐竹 星爾
(72)【発明者】
【氏名】大津 真人
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-026925(JP,A)
【文献】特開2016-161294(JP,A)
【文献】特開2005-092829(JP,A)
【文献】特開2015-226138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G06F 13/00
H04M 1/00
H04M 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータは、前記コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されており、
前記コンピュータは、ユーザによって携行される可搬型の携帯端末であり、
前記通信デバイスは、前記センサから、前記センサの検知結果を示す信号を、前記コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されており、
前記通信デバイスは、前記ユーザの前記可搬型の携帯端末と通信接続したまま前記携帯端末とともに運搬されるものであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記センサの検知結果と、前記検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、前記条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップと、
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップとを実行させ
、
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記通信デバイスを介して、前記センサから前記センサの検知結果を示す信号を受信するステップと、
前記条件の設定に従って、前記センサの検知結果と、前記条件とに基づいた処理を行うステップとを実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップにおいて、前記センサの検知結果と比較される条件として、前記センサの検知結果と比較するための閾値の設定の操作を受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップは、
前記センサを特定し、特定されたセンサの検知結果と比較される条件を特定するための第1の画像を前記スクリーンに配置するための操作を受け付けるステップと、
前記センサの検知結果と前記条件とに基づいた処理の内容を示す第2の画像を前記スクリーンに配置するための操作を受け付けるステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像とを関連付けるための操作を受け付けるステップと、
前記第1の画像と前記第2の画像との関連付けがなされている場合に、前記関連付けがなされていることを示す画像、および、当該関連付けがなされている第1の画像に示される前記センサの検知結果と比較される条件を前記スクリーンに表示するステップとを含む、請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータは、移動体通信システムまたは無線LAN(Local Area Network)規格の少なくともいずれかに対応して通信可能に構成されており、
前記通信デバイスは、前記コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として、サブギガ帯の無線信号により前記センサから無線信号を受信するように構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータは、タッチスクリーンを搭載し、前記タッチスクリーンにより前記ユーザの操作を受け付け可能に構成されるスマートフォンまたはタブレット型端末であり、
前記プログラムは、前記条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップにおいて、前記タッチスクリーンに、前記条件の設定をするための画面を表示させ、
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップにおいて、前記ユーザの操作を、前記タッチスクリーンに対するユーザの操作により受け付ける、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記通信デバイスは、前記コンピュータと結合可能なデバイスであり、前記コンピュータに対し電力を供給可能に構成されている、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記センサの検知結果と、前記条件とに基づいた処理を行うステップにおいて、前記センサの検知結果が、前記条件を満たす場合に、前記ユーザに報知する処理を行う、請求項
1に記載のプログラム。
【請求項8】
プロセッサと、メモリとを備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、前記情報処理装置が対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されており、
前記情報処理装置は、ユーザによって携行される可搬型の携帯端末であり、
前記通信デバイスは、前記センサから、前記センサの検知結果を示す信号を、前記情報処理装置が対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されており、
前記通信デバイスは、前記ユーザの前記可搬型の携帯端末と通信接続したまま前記携帯端末とともに運搬されるものであり、
前記情報処理装置は、前記プロセッサが前記メモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、
前記センサの検知結果と、前記検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、前記条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させ、
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるように構成されて
おり、さらに、
前記通信デバイスを介して、前記センサから前記センサの検知結果を示す信号を受信するステップと、
前記条件の設定に従って、前記センサの検知結果と、前記条件とに基づいた処理を行うステップとを実行する、情報処理装置。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法であって、
前記コンピュータは、前記コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されており、
前記コンピュータは、ユーザによって携行される可搬型の携帯端末であり、
前記通信デバイスは、前記センサから、前記センサの検知結果を示す信号を、前記コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されており、
前記通信デバイスは、前記ユーザの前記可搬型の携帯端末と通信接続したまま前記携帯端末とともに運搬されるものであり、
前記方法は、前記プロセッサが前記メモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、前記プロセッサが、
前記センサの検知結果と、前記検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、前記条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップと、
前記条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップとを
実行し、さらに、
前記通信デバイスを介して、前記センサから前記センサの検知結果を示す信号を受信するステップと、
前記条件の設定に従って、前記センサの検知結果と、前記条件とに基づいた処理を行うステップとを実行することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はプログラム、方法、情報処理装置およびサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ端末からなるセンサネットワークを構築することで、人、モノ、環境などのモニタリングを容易にすることが従来より検討されている。例えば、特開2006-270914号公報(特許文献1)は、センサ端末同士の通信の省電力化を図る必要があることから、複数のセンサ端末への一括データ送信を実現できるセンサ端末の制御方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、一般的なセンサネットワークが、環境中の様々な場所に設置され、ユーザの嗜好などの情報を取得すること、また、災害現場や複雑なパイプラインなど、従来観測が困難だった環境での幅広い利用が想定されていることが記載されている(特許文献1の背景技術)。これらセンサネットワークを構成する様々なセンサの出力は、例えば、管理用のサーバ装置に集積される。ネットワーク技術者は、これらセンサの出力を事業活動に役立てるため、サーバ装置に集積されるデータの解析等を行う。
【0005】
一方で、近年は、スマートフォンの普及とともに、爆発的にセンサ端末の普及が進み、IoT(Internet of Things)といった語が用いられる機会も増えてきている。これに伴い、センサネットワークを構築する機会が増え、ネットワーク技術者のみならず、一般的なユーザもセンサを設置してセンサの出力結果に応じてスマートフォンに通知させるといったセンサネットワークの恩恵を受ける機会がますます増えていくものと想定される。
【0006】
本開示は、センサネットワークの構築をよりいっそう容易にすることで、ユーザがIoTによる恩恵をよりいっそう受けやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータによって実行される。コンピュータは、コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されている。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている。プログラムは、プロセッサに、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップと、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップとを実行させる。
【0008】
本開示に係る情報処理装置は、プロセッサと、メモリとを備える。情報処理装置は、情報処理装置が対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されている。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、情報処理装置が対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている。情報処理装置は、プロセッサがメモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させ、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるように構成されている。
【0009】
本開示に係る方法は、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される。コンピュータは、コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されている。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている。方法は、プロセッサがメモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、プロセッサが、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップと、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップとを含む。
【0010】
本開示に係るサーバ装置は、プロセッサと、メモリと、ストレージとを備える。プロセッサが、メモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、第1のユーザが操作する端末から、1または複数のセンサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定を示す情報を受信してストレージに保存する第1のステップと、第2のユーザが操作する端末からアクセスがあった場合に、ストレージに保存される情報に基づいて、センサを特定する情報と、当該センサに関連付けられる条件を示す情報と、特定されるセンサの検知結果と条件とを比較することにより行われる処理内容を示す情報とを対応付けてセンサについての設定として第2のユーザが操作する端末に提示する第2のステップと、第2のユーザから、センサについての設定を利用するための処理要求を受け付ける第3のステップと、センサについての設定を利用するための処理要求に応答して、第2のユーザが、当該設定を利用可能にする処理を行う第4のステップとを実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、センサネットワークの構築をよりいっそう容易にし、ユーザがIoTによる恩恵をよりいっそう受けやすくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に示すセンサネットワークの構築例と、センサネットワークを機能させるための各種設定をユーザの端末から購入可能とする処理との概略を示す図である。
【
図2】実施の形態1の通信システム1の構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1の通信システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
【
図4】実施の形態1の通信システム1を構成する通信デバイス30のブロック図である。
【
図5】実施の形態1の通信システム1を構成するセンサ装置50のブロック図である。
【
図6】端末装置10Aの機能的な構成を示す図である。
【
図7】端末装置10Nの機能的な構成を示す図である。
【
図9】センサ装置50の出力のログを示すセンサ出力ログ182、および、センサ出力ログ182とユーザとを対応付けてサーバ20が保持するセンサ出力結果データベース287のデータ構造を示す図である。
【
図10】センサ設定情報181のデータ構造を示す図である。
【
図11】報知ログ183のデータ構造を示す図である。
【
図12】サーバ20において保持されるユーザ情報データベース284のデータ構造を示す図である。
【
図13】端末装置10が通信デバイス30を介してセンサ装置50の検知結果を取得して、センサ出力ログ182としてメモリに保持する処理を示すフローチャートである。
【
図14】端末装置10が通信デバイス30を介して取得したセンサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいて、端末装置10に報知させる処理と、報知処理のログと報知処理がなされたタイミングにおける端末装置10のセンサの出力とを対応付けてサーバ20へ送信する処理とを示すフローチャートである。
【
図15】端末装置10Nのユーザが、センサ設定の配信プラットフォームとして機能するサーバ20にアクセスする操作を行って、ユーザの操作内容を端末装置10Nからサーバ20へ送信する処理を示すフローチャートである。
【
図16】端末装置10のユーザが、センサ設定の配信プラットフォームにアクセスして、センサ設定を取得する操作をする局面の操作受付部130の表示例を示す図である。
【
図17】端末装置10のユーザが、センサ設定を生成する操作をする局面の操作受付部130の表示例を示す図である。
【
図18】センサの検知結果と、検知結果と比較される条件と、条件に応じた処理内容とをセンサ設定としてユーザが編集する局面の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
<1.概要>
<1.1 背景>
ユーザが操作する端末として、LTE(Long Term Evolution)、3G(例えば、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000などの第三世代移動通信システム)などの移動体通信システムに対応した無線通信端末(例えばスマートフォン、タブレット端末、ラップトップPC(Personal Computer)など)が広く普及している。無線通信端末は、移動体通信システムの通信方式の他にも、IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a/b/g/nなどの無線LAN(Local Area Network)規格、Bluetooth(登録商標)などの通信方式にも対応している。
【0015】
IEEE802.11などの無線LAN規格は、2.4GHz帯や5GHz帯などの周波数を使用するとともに、MIMO(multiple-input and multiple output)技術を活用すること等により、伝送速度の高速化を目指している。しかし、2.4GHzや5GHzといった比較的高い周波数帯を使用しているため、壁面などの遮へい物の影響を受けやすく、サブギガヘルツ帯の周波数の信号を使用する場合と比べて遠距離への無線信号の伝送が困難となる傾向にある。遮へい物などの設置状況などによっては、屋内であっても、数メートル程度の伝送距離に留まることもある。また、スマートフォンなどの無線通信端末は、無線LAN規格の他に、Bluetooth(登録商標)(2.4GHz帯)などの近距離無線通信用の規格に対応していることがあるが、おおよそ10メートル程度までの通信距離が想定されており、これ以上の距離が離れると通信が途絶えがちとなりやすい。
【0016】
一方、近年は、スマートフォンが広く普及していったことに伴い、各種センサも大量生産され、安価に入手できる状況が徐々に整ってきている。これにより、ネットワーク技術者のみならず、一般的なユーザもまた、近接センサ、温度センサ、湿度センサ、加速度センサ等を入手して、これらセンサをユーザの居住環境などに設置し、センサの出力に応じてスマートフォンに通知を送るといったことが可能となりつつある。例えば、自宅の扉に加速度センサを設置しておき、扉の開閉がなされたことを加速度センサの出力により検知して、スマートフォンなどユーザの端末に通知することで、簡易的に防犯システムや家族の入退室を管理するといった用途が考えられる。
【0017】
しかしながら、これらセンサの出力結果に応じて、ユーザの端末に通知等を行うとした場合、センサが対応する通信規格によっては、センサを設置可能なレイアウトに制約を受けることとなる。例えば、センサが対応する通信規格が、IEEE802.11などギガヘルツの周波数帯を使用するものである場合、壁などの遮へい物の影響を受けやすい。
【0018】
<1.2 本実施形態の概要>
そこで、以下に示す実施形態の一態様においては、スマートフォンと通信可能な通信デバイスを用いて、各種センサの出力結果を通信デバイスが取得する構成としている。スマートフォンは、通信デバイスを介して各種センサの出力結果を受信する。ここで、通信デバイスは、ユーザの端末が対応していない周波数帯で各種センサ装置と通信する構成としている。あるいは、通信デバイスは、ユーザの端末が対応していない通信方式により、各種センサ装置と通信する構成としている。そのため、各種センサを設置する状況によっては、ユーザの端末が対応している周波数帯ではユーザの端末と各種センサとの通信が困難な場合であっても、通信デバイスを介して各種センサの出力結果をユーザの端末が取得し得る。あるいは、ユーザの端末が対応している通信方式(IEEE802.11やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信用の通信方式)ではユーザの端末と各種センサとの通信が困難な場合であっても、通信デバイスを介して各種センサの出力結果をユーザの端末が取得し得る。
【0019】
通信デバイスは、スマートフォンなどユーザの端末が対応していない周波数帯として、サブギガ(1GHzより小さい周波数)での無線通信によりセンサ装置からセンサ出力結果の信号を受信する。通信デバイスは、例えば、LoRa(LPWA(Low Power Wide Area)の一種であり、LoRaAlliance(登録商標)により提案されている通信方式)方式、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)方式などのサブギガヘルツ帯の通信方式に対応して、センサからセンサの検知結果を受信する。このように、通信デバイスは、ユーザの端末として広く普及しているスマートフォン、タブレット、ラップトップPC等が対応している通信方式(無線LAN規格、Bluetooth(登録商標)など)とは異なるLoRa方式、Wi-SUN方式等の通信方式によりセンサ装置と通信するため、ユーザの端末とセンサ装置とが通信する場合と比べて遮へい物などの悪影響を受けにくくなる。そのため、金属などの遮へい物が設置されている環境においても、通信デバイスがセンサ装置から無線信号を受信しやすくなるなど、より様々な態様で各種センサを設置してセンサの出力結果を通信デバイスが取得することができる。
【0020】
ユーザの端末と通信デバイスとは、ユーザの端末が対応している無線通信方式で通信してもよいし、ユーザの端末と通信デバイスとが電気的に接続して信号を送受信することとしてもよい。ユーザの端末と通信デバイスとは、比較的安定した品質で通信することができる。通信デバイスは、例えば、スマートフォンなどユーザの端末の装着を受け付けるケース、クレイドルなどである。通信デバイスは、ユーザの端末と結合可能なデバイスであり、例えばコネクタ等により電気的に接続可能であることとしてもよい。また、通信デバイスは、ユーザの端末のコネクタと電気的に接続するか、ユーザの端末と非接触でユーザの端末に電力を供給可能な構成であるとしてもよい。スマートフォンの普及とともに、ユーザの端末を物理的な衝撃から保護するケースや、ユーザの端末に充電可能なクレイドルなどが広く普及している。よって、通信デバイスをケース、クレイドルとして実現することにより、Webサイトまたは既存の家電量販店などの販売チャネルを通じて通信デバイスをユーザに提供し得ることとなり、ユーザが通信デバイスを入手する機会を増やすことができる。
【0021】
スマートフォンなどのユーザの端末は、通信デバイスを介して各種センサの出力結果を受信して、各種センサの出力結果と、この出力結果と比較するための設定(センサ設定)とに基づいて、音声出力、映像出力、ユーザの端末自体の振動、外部の装置への信号送信などの予め定められた処理を行う。例えば、ユーザの端末は、近接センサの検知結果を取得して、近接センサの検知結果と、閾値とを比較することにより、近接センサの設置箇所から一定距離以内に物体が近づいたことを検知すると、音声を出力する等によりユーザに聴覚的に警告を発することとしてもよい。
【0022】
図1は、本実施形態に示すセンサネットワークの構築例と、センサネットワークを機能させるための各種設定をユーザの端末から購入可能とする処理との概略を示す図である。
図1の状態(A)は、通信デバイス30と、通信デバイス30に装着される端末装置10Aとを示す図である。
図1の状態(B)は、センサネットワークの構築例として、車両にセンサが設置される例を示す図である。一例として、状態(B)では、車両に接近する物体を検出するためのセンサを車両の胴体の外縁部に設置することでセンサネットワークを構築した例を示している。
図1の状態(C)は、ユーザの端末が、各種センサの出力結果と、設定とに基づいて、ユーザの端末のタッチスクリーン130の表示制御をすることでユーザに注意喚起のための通知をする例を示す図である。
図1の状態(D)は、別のユーザが、端末を操作して、センサの出力結果と比較するための設定を購入するための画面例を示す図である。
【0023】
状態(A)に示すように、端末装置10Aと通信可能な通信デバイス30は、端末装置10Aを保護するためのケースとして実現され得る。通信デバイス30が端末装置10Aのケースとして実現される場合、通信デバイス30は、バッテリを搭載し、通信デバイス30に装着される端末装置10Aに対し接触または非接触により電力を供給するように構成し得る。また、通信デバイス30は、車両のアクセサリーソケットと接続して車両から電力の供給を受けるとともに、端末装置10Aの設置を受け付けて端末装置10Aに充電するためのクレイドルとして実現され得る。
【0024】
状態(B)の車両正面70Aは、センサを設置する車両の正面を示す図である。車両側面70Bは、車両の側面(左側)を示す図である。車両上面70Cは、車両の上面を示す図である。状態(B)に示すように、例えば、車両に接近する検知対象物(自動車などの移動体、壁などの設置物、人体その他の検知対象物を含み得る)をセンサで検知して、車両と物体との衝突を回避すること等を目的として、ユーザが、車両の角の部分にセンサを設置する(以下、第1センサ装置50A、第2センサ装置50B、第3センサ装置50C、第4センサ装置50D等のセンサネットワークを構築する各種センサを総称して「センサ装置50」と記載することもある)。センサは、車両の前方、後方、側面などに設置され得る。第1センサ装置50Aは、車両の前方右側に設置されている。第2センサ装置50Bは、車両の前方左側に設置されている。第3センサ装置50Cは、車両の後方右側に設置されている。第4センサ装置50Dは、車両の後方左側に設置されている。状態(B)に示すセンサ装置50は、例えば、センサと物体との距離を光学的に測定するためのモジュールとして実現され、数センチメートル~数メートル程度の距離に物体があることを検知し得る。
【0025】
状態(C)は、端末装置10Aが、操作受付部130において、センサ装置50の検知結果と比較するための設定(センサ設定)に従って、センサ装置50の検知結果と、設定に示される条件とに基づいた報知処理を行う例を示している。センサ装置50の検知結果と、センサ設定に示される条件とに基づいて端末装置10Aが行う処理は、センサ装置50の検知結果が、センサ設定に示される条件を満たす場合に、ユーザに、音声、映像、振動その他の方法で、予め定められた報知を行うことを含む。また、端末装置10Aは、センサ装置50の検知結果が、センサ設定に示される条件を満たす場合に、予め定められた外部の装置に、報知のための信号を送信することを含む。例えば、車両の関係者、運行管理会社などが、車両に設置されたセンサの検知結果に応じて、車両に物体が検知したログを管理したいことがある。これらのログを解析することで、より最適な車両運行(車両の走行ルートの決定など)を支援し得る。状態(C)では、端末装置10Aは、車両の後方左側に設置される第4センサ装置50Dの検知結果と、予め定められた閾値とを比較して、車両の後方左側から所定距離内に物体があると検知した場合に、操作受付部130においてユーザに注意を喚起するメッセージを表示する例を示している。
【0026】
このように、ユーザがセンサを入手して設置した状態で、ユーザの端末に、センサの検知結果と、この検知結果と比較される閾値などの条件とに基づいた処理を行わせるにあたり、ユーザ自身がこの条件の設定(センサ設定)を容易にカスタマイズできることが望ましい。この条件の設定をするためのユーザの操作を、ユーザの端末で受け付けるための具体例については後述する。また、端末装置10Aは、ユーザがセンサの検知結果と比較するための条件の設定をカスタマイズした結果をサーバ20に送信することで、センサ設定をサーバ20に保存することができる。設定のカスタマイズを行ったユーザは、カスタマイズした結果をサーバ20に投稿することで、サーバ20を介してセンサ設定を他のユーザに提供することもできる。サーバ20は、例えば、センサネットワークのセンサの検知結果に基づいてユーザに報知処理を行わせるためのセンサ設定を配信する配信プラットフォームとして機能する。
【0027】
図1の状態(D)は、端末装置10Nがサーバ20と通信し、条件の設定を配信する配信プラットフォームのサービスを端末装置10Nの操作受付部130においてユーザに提示する例を示している。端末装置10Nは、操作受付部130において、条件の設定を検索するための操作と、条件の設定を購入するための操作とをユーザから受け付けるように構成される。状態(D)の例では、端末装置10Nのユーザが、車両用の条件の設定を検索して、設定を購入するために、端末装置10Nのユーザの指3で「購入する」ボタンにタップする局面を示している。各ユーザが操作する端末装置10A、端末装置10Nなどを総称して「端末装置10」と記載することもある。
【0028】
このように、ユーザは、センサネットワークを構築して、センサの出力結果に基づいてスマートフォンなどのユーザの端末に音声、映像、振動などの所定の処理を行わせるための条件の設定のカスタマイズを容易に行わせるとともに、カスタマイズした結果をサーバ20に投稿して第三者に配布することもできる。サーバ20は、あるユーザから投稿されたセンサ設定について、別のユーザから、当該センサ設定を利用するための処理要求(課金処理など)受け付けた場合に、投稿を行ったユーザに対して様々な報酬を付与することとしてもよい。投稿を行ったユーザに対する報酬としては、設定を利用するために課金処理が行われた場合に、予め定められた料率に従って金銭的な報酬を付与すること(課金額に応じたコミッションを付与すること)を含む。また、ユーザに対する報酬としては、条件の設定(センサ設定)を配信する配信プラットフォームにおいて利用可能な仮想通貨を付与することとしてもよい。仮想通貨は、例えば、配信プラットフォームにおける様々な機能(より詳細な検索方法の提供、条件の設定を投稿するユーザに対する売上等の分析データの提供その他の機能)を利用可能とするため等に使用することができる。
【0029】
また、センサネットワークを機能させるためのセンサ設定を利用するにあたり、センサの出力結果のログを保存する場合、スマートフォンなどのユーザの端末からサーバ20などの外部の装置へログを出力することが考えられる。サーバ20は、このようなログ保存のサービスを、端末装置10のユーザに提供し得る。また、サーバ20は、端末装置10に対し、センサ設定に有効期限を付して提供してもよい。例えば、ユーザは、月額の課金処理を行うことで、センサ設定を利用することができる。
【0030】
<2 構成>
図2は、実施の形態1の通信システム1の構成を示す図である。
【0031】
図2に示すように、通信システム1は、端末装置10と、サーバ20と、通信デバイス30と、センサ装置50とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。
【0032】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。
図2に端末装置10Nとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入出力IF13と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0033】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LTEなどの通信規格に対応した無線基地局81、IEEE802.11などの無線LAN規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。ユーザは、例えば、オフィスに設置されるPC、外出時に使用する携帯端末のいずれからでもサーバ20と通信して、サーバ20を介したデータの入出力操作を行うことができる。例えば、ユーザは、オフィス滞在時であっても、外出時であっても、端末装置10によりサーバ20と通信し、サーバ20で管理される各種データを参照し、データを入力することができる。
【0034】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)とのインタフェースとして機能する。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0035】
サーバ20は、端末装置10の各ユーザに対し、センサネットワークのセンサの検知結果に基づく処理を行うための、検知結果と比較される条件の設定(センサ設定)を管理する。サーバ20は、端末装置10とネットワーク80を介して通信し、条件の設定をカスタマイズするためのユーザーインタフェースを提供し得る。例えば、ユーザは、ブラウザアプリケーションを実行し、サーバ20にアクセスする。サーバ20は、ブラウザに画面を表示するための情報を端末装置10に応答する。ユーザは、ブラウザにより表示される画面を操作することで、条件の設定をカスタマイズすることができる。
【0036】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0037】
通信デバイス30は、センサネットワークを構築する第1センサ装置50A、第2センサ装置50B、第3センサ装置50Cおよび第4センサ装置50Dから、各センサの検知結果を受信する。
図2の例では、通信デバイス30は、端末装置10Aの装着を受け付けるケースとして構成されている。
【0038】
<2.1 端末装置10Aの構成>
図3は、実施の形態1の通信システム1を構成する端末装置10のブロック図である。
図3に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス131およびディスプレイ132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、バイブレータ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、
図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。
図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0039】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0040】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0041】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
【0042】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス131と、ディスプレイ132とを含む。タッチセンシティブデバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
【0043】
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0044】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0045】
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。このGPSモジュールが検出する位置は、例えば、端末装置10がセンサ装置50の検知結果に基づいて、予め定められた報知処理を行った時の端末装置10の位置情報をメモリに保存する際等に利用され得る。
【0046】
バイブレータ160は、端末装置10を振動させ、振動によりユーザに通知を行うための機構である。センサ設定情報181は、例えばモーターの軸に重心を偏らせた重りを取り付け、モーターを回転させることで振動を発生させる。
【0047】
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、センサ設定情報181と、センサ出力ログ182と、報知ログ183と、ユーザ情報184とを記憶する。
【0048】
センサ設定情報181は、センサ装置50の検知結果と、この検知結果と比較される条件とに基づいた報知のための処理を端末装置10に行わせるための、条件の設定内容を示す。センサ設定情報181は、条件の設定として、センサ装置50の検知結果と比較するための閾値および比較式の情報を含む。また、センサ設定情報181は、センサ装置50の検知結果に応じて端末装置10に行わせる報知のための処理内容の情報を含む。例えば、車両にセンサ装置を取り付けて、車両に一定距離以内に近づく物体があることを検知したい場合があるとする。この場合、端末装置10は、第1センサ装置50Aの検知結果と、センサ設定情報181に示される設定とに従って、「条件:第1センサ装置50Aの検知結果が第1の閾値以下である」を満たすときに、「報知のための処理:スピーカ142により警告音を発生させる」、との処理を行う。
【0049】
センサ出力ログ182は、端末装置10が通信デバイス30を介してセンサ装置50の検知結果を受信した場合に、この検知結果のログを示す。
【0050】
報知ログ183は、端末装置10がセンサ装置50の検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて、ユーザに対する報知を行ったログを示す。ユーザに対する報知とは、例えば、アラート音をスピーカ142により発生させるなどの音声による報知、予め定められたメッセージをディスプレイ132に表示するなどの視覚的な報知、バイブレータ160により端末装置10を振動させるなど触覚的な報知を含む。また、ユーザに対する報知には、端末装置10が外部の装置に対して通知のための信号を送信し、外部の装置の側で通知をすることを含む。例えば、端末装置10を操作するユーザのみならず、複数のユーザの端末に報知する場合等が想定される。
【0051】
ユーザ情報184は、端末装置10のユーザに関する情報である。ユーザに関する情報として、例えば、ユーザを識別するための情報を含み、サーバ20が提供するプラットフォームサービスを利用するためのIDなどを含み得る。またユーザ情報184は、ユーザの購買履歴の情報などを含む。
【0052】
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、表示制御部194としての機能を発揮する。
【0053】
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0054】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0055】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部193は、センサ設定情報181をユーザに生成させるのを支援する処理を行う。データ処理部193は、センサ装置50の検知結果と、この検知結果と比較される条件とに基づいた報知のための処理を端末装置10に行わせるための、条件の設定をユーザに行わせるための画面を生成し、生成した画面をディスプレイ132に表示させる処理を行う。また、データ処理部193は、条件の設定をするためのユーザの設定を、タッチセンシティブデバイス131に対するユーザの操作により受け付ける処理を行う。データ処理部193は、例えば、条件の設定をユーザに行わせるための画面において、センサ装置50の各種センサのそれぞれを特定するための画像(センサを示すアイコン)を画面において配置するためのユーザの操作を受け付ける処理と、センサ装置50の検知結果と条件とに基づいた処理の内容(報知処理の具体的な内容)を示す画像(音声出力を示すアイコン、映像出力を示すアイコン、振動出力を示すアイコン等)を画面において配置するためのユーザの操作を受け付ける処理とを行う。また、データ処理部193は、これらアイコン同士を関連付けるためのユーザの操作を受け付けて、アイコンとアイコンとが関連付けられていることを示す画像をディスプレイ132に表示する処理を行う。
【0056】
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理、振動をバイブレータ160に発生させる処理を行う。
【0057】
<2.2 通信デバイス30の構成>
図4は、実施の形態1の通信システム1を構成する通信デバイス30のブロック図である。
【0058】
図4に示すように、通信デバイス30は、複数のアンテナ(アンテナ311、アンテナ312)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部321、第2無線通信部322)と、電力供給制御部340と、バッテリ342と、装着受付機構350と、記憶部380と、制御部390と、を含む。
図4に示すように、通信デバイス30に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0059】
アンテナ311は、通信デバイス30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ311は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部321へ与える。
【0060】
アンテナ312は、通信デバイス30が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ312は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部322へ与える。
【0061】
第1無線通信部321は、通信デバイス30が他の無線機器と通信するため、アンテナ311を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部321は、通信デバイス30が他の無線機器と通信するため、アンテナ312を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、チューナー、RSSI算出回路、CRC算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部321と第2無線通信部322とは、通信デバイス30が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部390へ与える。
【0062】
このように、本実施形態では、通信デバイス30は、複数の無線通信規格に対応している。例えば、第1無線通信部321は、LoRa方式、Wi-SUN方式などサブギガヘルツ帯の周波数での無線通信に対応する通信モジュールである。第2無線通信部322は、IEEE802.11などの無線LAN規格、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の通信規格に対応する通信モジュールである。通信デバイス30は、センサ装置50から、センサ装置50の検知結果を、サブギガヘルツ帯の周波数の無線信号としてアンテナ311で受信し、第1無線通信部321で復調処理などを行う。また、通信デバイス30は、無線信号により端末装置10と信号を送受信する場合に、第2無線通信部322により信号の変復調処理を行って、アンテナ312を介して信号を送受信する。
【0063】
電力供給制御部340は、バッテリ342から通信デバイス30の各回路への電力の供給を制御するモジュールである。
【0064】
装着受付機構350は、通信デバイス30が端末装置10の装着を受け付けるための機構である。例えば、通信デバイス30がスマートフォンなどの保護ケースとして実現される場合、装着受付機構350は、通信デバイス30から端末装置10が容易に脱着することのないよう物理的に端末装置10を保持する部材である。装着受付機構350は、端末装置10と通信デバイス30とが電気的に接続するための機構を有していてもよい。例えば、装着受付機構350は、端末装置10がUSB(Universal Serial Bus)接続用の端子を有する場合に、端末装置10の端子に対応した接続用の端子として実現される。通信デバイス30がスマートフォンなどの端末を充電しつつ端末を保持するクレイドルとして実現される場合、装着受付機構350は、端末に充電するための端子部分を含み得る。
【0065】
記憶部380は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、通信デバイス30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部380は、センサ出力情報382と、認証用情報384とを記憶する。
【0066】
センサ出力情報382は、通信デバイス30がセンサ装置50と通信し、センサ装置50の検知結果を受信した場合に、この検知結果のログを示す。
【0067】
認証用情報384は、通信デバイス30と端末装置10とがコネクタ等により接続される場合に、端末装置10が通信デバイス30を認証するための情報を含む。例えば、通信デバイス30と端末装置10とがコネクタ等により電気的に接続した場合に、端末装置10が通信デバイス30に対して認証用の情報を要求し、通信デバイス30が認証用の情報を応答する。端末装置10は、コネクタ等による機器の接続を無制限に受け付けるのではなく一定の範囲内に制限したい場合に、コネクタ等による接続を受け付けることを許可する機器の識別情報のリストなどを保持し得る。端末装置10は、機器から取得した認証用の情報と、リストに示される識別情報とを照合することで、コネクタを介しての機器の接続を許可するか拒否するかを判断し得る。
【0068】
制御部390は、記憶部380に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、通信デバイス30の動作を制御する。制御部390は、例えばプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、送受信部392と、データ処理部393としての機能を発揮する。
【0069】
送受信部392は、通信デバイス30が、センサ装置50から信号を受信する処理、端末装置10と信号を送受信する処理その他のデータを送受信するための処理を行う。
【0070】
データ処理部393は、通信デバイス30が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。例えば、データ処理部393は、センサ装置50にセンサ装置50の検知結果を送信するよう要求をし、要求に対する応答としてセンサ装置50の検知結果を受信し、受信した検知結果をセンサ出力情報382として記憶部380に記憶させる処理を行う。また、データ処理部393は、端末装置10と通信し、端末装置10からセンサ出力情報382を端末装置10に送信するよう要求を受け付けて、センサ出力情報382を端末装置10に送信する処理を行う。
【0071】
<2.装着受付機構350の構成>
図5は、実施の形態1の通信システム1を構成するセンサ装置50のブロック図である。
図5では、一例として、センサ装置50のうち、第1センサ装置50Aのブロック図を示す。
【0072】
図5に示すように、第1センサ装置50Aは、アンテナ511と、サブギガ無線通信部521と、各種のセンサ550(測距センサ551、温度センサ552、音量センサ553、モーションセンサ554など)と、記憶部580と、制御部590と、を含む。
図5に示すように、センサ装置50に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0073】
アンテナ511は、第1センサ装置50Aが発する信号を電波として放射する。また、アンテナ511は、空間から電波を受信して受信信号をサブギガ無線通信部521へ与える。
【0074】
本実施形態では、第1センサ装置50Aは、端末装置10Aが対応していない周波数帯の無線信号として、サブギガヘルツ帯の周波数の無線信号により信号を送受信可能に構成されている。スマートフォンなどユーザが操作する端末である端末装置10Aは、IEEE802.11などの無線LAN規格、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信に対応したものが数多く普及しているが、これらは主に2.4GHz帯の無線信号として送受信されるものである。これに対し、LoRa方式やWi-SUN方式などサブギガヘルツ帯の通信方式であれば、無線信号の送受信において2.4GHz帯の無線信号よりも遮へい物などの影響を受けにくくなり、センサネットワークの設計の自由度がより高まる。
【0075】
サブギガ無線通信部521は、第1センサ装置50Aが他の無線機器と通信するため、アンテナ511を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。サブギガ無線通信部521は、チューナー、RSSI算出回路、CRC算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。サブギガ無線通信部521は、センサ装置50が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部590へ与える。
【0076】
センサ550は、第1センサ装置50Aに搭載される各種のセンサを含み、
図5に示すセンサ装置以外にも様々なセンサ装置を含み得る。
【0077】
測距センサ551は、センサと物体との距離を測定するためのセンサである。例えば、測距センサ551は、赤外線を発して受信までの時間を計測する等の光学的な手法により、物体との距離を測定する。
【0078】
温度センサ552は、センサが設置される環境の温度を検知するためのセンサである。温度センサ552は、例えば、温度の変化に応じて電気抵抗値が変化する素子を用いる等により、温度を検知する。
【0079】
音量センサ553は、センサが設置される環境の音量を検知するためのセンサである。音量センサ553は、例えば、音圧による振動を検知する等により、センサが設置される環境の音量を検知する。
【0080】
モーションセンサ554は、第1センサ装置50Aの動きを計測するためのセンサであり、例えば、3軸加速度センサ、3軸角速度センサ、3軸地磁気センサを含む。例えば、第1センサ装置50Aが車両などの移動体に設置される場合に、車両の加速度を第1センサ装置50Aにより検知して、車両の急停車などを端末装置10等が検知し得る。
【0081】
記憶部580は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、第1センサ装置50Aが使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部580は、センサ出力情報582と、装置識別情報584とを記憶する。
【0082】
センサ出力情報582は、第1センサ装置50Aに搭載される各種センサ装置の検知結果のログを示す情報である。
【0083】
装置識別情報584は、第1センサ装置50Aを識別するための情報であり、例えば、第1センサ装置50AのMAC(Media Access Control)アドレスである。通信デバイス30は、第1センサ装置50Aを識別する情報と、第1センサ装置50Aのセンサ出力情報582とを対応付けて記憶することで、複数のセンサ装置それぞれの検知結果のログをセンサ装置ごとに管理することができる。
【0084】
制御部590は、記憶部580に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、第1センサ装置50Aの動作を制御する。制御部590は、例えばプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、センサ出力送信部592と、センサ出力取得部593としての機能を発揮する。
【0085】
センサ出力送信部592は、センサ550の各種センサの検知結果を、通信デバイス30等の外部の装置へ送信する処理を行う。センサ出力送信部592は、通信デバイス30からの要求に応じて、センサ出力情報582として蓄積されるログを、逐次、読みだして通信デバイス30へ送信する。
【0086】
センサ出力取得部593は、センサ550の各種センサ装置の駆動を制御して、これらセンサ装置が検知する検知結果のデータを取得する。センサ出力取得部593は、取得した検知結果をセンサ出力情報582として記憶部580に記憶させる。
【0087】
<2.4 端末装置10の機能的な構成>
ここで、本実施形態において、センサの検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて端末装置10に報知処理を行わせる端末装置10Aの機能的な構成を以下に説明する。また、端末装置10Nとサーバ20とが通信することにより、あるユーザがサーバ20に投稿したセンサ設定情報181を端末装置10Nが取得する場合の機能的な構成について説明する。
【0088】
図6は、端末装置10Aの機能的な構成を示す図である。
図6に示すように、端末装置10Aは、無線通信部101Aと、記憶部102Aと、制御部103Aとしての機能を発揮する。
【0089】
無線通信部101Aは、端末装置10Aが外部の装置と通信するための処理を行う。
【0090】
記憶部102Aは、端末装置10Aが使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部102Aは、端末装置10Aのユーザの情報をユーザ情報184Aとして記憶している。
【0091】
制御部103Aは、端末装置10Aのプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0092】
操作内容取得モジュール1041は、タッチセンシティブデバイス131に接触するユーザの指、スタイラスペンなどの接触位置を座標値として取得し、座標値の履歴(ユーザがタッチセンシティブデバイス131において指を動かした履歴)に基づいて、ユーザがタッチセンシティブデバイス131に指などを接触させるタッチ操作をしていること、ユーザがタッチセンシティブデバイス131のいずれの座標にタッチしているか、ユーザの操作がフリック操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか、タップ操作であるか、ロングタップ操作であるかなどのユーザの操作内容を判別する。
【0093】
受信制御モジュール1042は、端末装置10Aが外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0094】
送信制御モジュール1043は、端末装置10Aが外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0095】
タスク管理モジュール1044は、端末装置10Aが実行対象とする様々なタスクの実行状況を管理する。
【0096】
表示制御モジュール1045は、端末装置10Aがディスプレイ132に表示する内容を決定し、映像信号を生成してディスプレイ132に表示させる処理を制御する。
【0097】
音声制御モジュール1046は、端末装置10Aがマイク141を介して音声入力をデジタル信号として受け付ける処理と、端末装置10Aからスピーカ142を介して音声を出力する処理とを制御する。
【0098】
振動制御モジュール1047は、端末装置10Aがバイブレータ160により端末装置10Aを振動させる処理を制御する。
【0099】
図7は、端末装置10Nの機能的な構成を示す図である。
図7に示すように、端末装置10Nは、無線通信部101Nと、記憶部102Nと、制御部103Nとしての機能を発揮する。
【0100】
無線通信部101Nは、端末装置10Nが外部の装置と通信するための処理を行う。
【0101】
記憶部102Nは、端末装置10Nが使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部102Nは、端末装置10Nのユーザの情報をユーザ情報184Nとして記憶している。また、記憶部102Nは、センサ設定購買履歴185と、ストア画面操作ログ186とを記憶する。
【0102】
センサ設定購買履歴185は、端末装置10Nのユーザが、過去にサーバ20が提供するセンサ設定の配信用のプラットフォーム(センサ設定を販売するためのストア)において購入したセンサ設定の購買履歴の情報を含み得る。
【0103】
ストア画面操作ログ186は、端末装置10Nのユーザが、サーバ20が提供するセンサ設定の配信用のプラットフォームにおいて操作した内容のログを含む。端末装置10Nのユーザの操作内容のログは、センサ設定の配信用のプラットフォームに端末装置10Nのユーザがアクセスした日時、ユーザが検索に使用したキーワード、ユーザが閲覧したセンサ設定を特定する情報、ユーザがセンサ設定の購入用の画面をディスプレイ132に表示させている時間その他の情報を含み得る。
【0104】
制御部103Nは、端末装置10Aのプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0105】
<2.5 サーバ20の機能的な構成>
図8は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図8に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0106】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0107】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、センサ設定データベース281と、ユーザ情報データベース284と、センサ設定購買履歴データベース285と、センサ設定報知ログデータベース286と、センサ出力結果データベース287と、ストア操作フィードバック履歴288とを記憶する。
【0108】
センサ設定データベース281は、センサネットワークを構成する1または複数のセンサ装置の検知結果と、この検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定(この設定を「センサ設定」と記載することもある)を保持するデータベースである。センサ設定データベース281は、センサ装置を特定する情報と、そのセンサ装置の検知結果と比較する閾値および比較式の情報と、端末装置10に行わせる処理内容とを関連付けた情報である。センサ設定は、例えば、第1センサ装置50A(センサ装置を特定する情報)の出力値が閾値Th1以上である(閾値「Th1」、比較式「閾値以上」)場合に、予め定められたアラート音声を端末装置10に出力させる(処理内容)、といった条件を複数含む。
【0109】
ユーザ情報データベース284は、端末装置10を操作する各ユーザの情報を保持するデータベースである。
【0110】
センサ設定購買履歴データベース285は、サーバ20がセンサ設定を配信する配信プラットフォームとして機能する場合に、ユーザがセンサ設定を購買した履歴を保持するデータベースである。
【0111】
センサ設定報知ログデータベース286は、サーバ20が端末装置10から報知ログ183を受信した場合に、報知ログ183にかかるセンサ設定と報知ログ183とを対応付けて保持するデータベースである。すなわち、センサ設定報知ログデータベース286は、端末装置10において、センサ設定情報181とセンサ装置50の検知結果とに基づいた処理が行われた履歴(報知ログ183)と、センサ設定情報181を特定する情報とを対応付けて保持するデータベースである。
【0112】
センサ出力結果データベース287は、サーバ20が端末装置10からセンサ出力ログ182を受信した場合に、そのセンサ出力ログ182を保持するデータベースである。
【0113】
ストア操作フィードバック履歴288は、サーバ20がセンサ設定を配信する配信プラットフォームとして機能する場合に、配信プラットフォームにアクセスするユーザの操作の履歴を保持するデータベースである。例えば、サーバ20がセンサ設定を販売するウェブサイトをユーザの端末に提供する場合に、そのウェブサイトにおけるユーザの操作の履歴(センサ設定を検索するキーワード、センサ設定の詳細を閲覧した履歴など)を、サーバ20がストア操作フィードバック履歴288として保持する。
【0114】
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
【0115】
操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が端末装置10に対し、センサ装置50の各種センサの検知結果と、この検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための設定用の画面を提供する場合に、端末装置10のユーザの操作内容を取得する。また、操作内容取得モジュール2041は、サーバ20が端末装置10に対し、センサ設定を販売するための配信プラットフォームとして機能する場合に、センサ設定を購入しようとするユーザの操作内容を取得する。
【0116】
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0117】
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0118】
タスク管理モジュール2044は、サーバ20が実行対象とする様々なタスクの実行状況を管理する。
【0119】
設定受付モジュール2045は、サーバ20が端末装置10に対し、センサ装置50の各種センサの検知結果と、この検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための設定用の画面を提供する場合に、端末装置10のユーザの操作内容に応じてセンサ設定を生成する処理を受け付ける。設定受付モジュール2045は、受け付けたセンサ設定を、センサ設定を生成した端末装置10に送信し、センサ設定データベース281にセンサ設定を登録する。
【0120】
レコメンド決定モジュール2046は、サーバ20が端末装置10に対し、センサ設定を販売するための配信プラットフォームとして機能する場合に、センサ設定を購入しようとするユーザに対し、購買対象として推薦するセンサ設定を決定する。レコメンド決定モジュール2046は、例えば、配信プラットフォームにおけるユーザの操作の履歴を、ストア操作フィードバック履歴288を参照することで取得し、ユーザが閲覧したセンサ設定の履歴に基づいて、購買対象として推薦するセンサ設定を決定する。例えば、サーバ20は、端末装置10に対し、ユーザが閲覧したセンサ設定の用途(車両に接近する物体を検知する、害獣を駆除する、戸締りを管理する等の用途)を特定できる場合に、同種の用途に該当するセンサ設定をレコメンドする。
【0121】
課金処理モジュール2047は、ユーザの端末から、購買のための操作を受け付けた場合に、ユーザに対し課金処理を行う。例えば、センサ設定を配信する配信プラットフォームにおいて、ユーザの端末から、センサ設定を購入する操作を受け付けた場合に、ユーザに課金処理を行う。
【0122】
<3.データ構造>
次に、通信システム1で使用する各種のデータの構造について説明する。
【0123】
図9は、センサ装置50の出力のログを示すセンサ出力ログ182、および、センサ出力ログ182とユーザとを対応付けてサーバ20が保持するセンサ出力結果データベース287のデータ構造を示す図である。端末装置10は、センサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいた処理を行う。
図9の図示例(A)として示すように、端末装置10は、センサ出力ログ182において、センサ設定情報181を識別する情報(識別情報「車両用#000011」)と対応付けて、センサ装置50の検知結果のログを保持する。センサ出力ログ182のレコードは、(i)センサ装置50が各種センサにより検知した検知結果を生成する日時の情報またはセンサ装置50の検知結果を端末装置10が取得した日時の情報と、(ii)センサネットワークを構成する各センサ装置を特定する情報と、(iii)各センサ装置の検知結果(センサの出力値)とを含む。
【0124】
図9の図示例(B)として示すように、サーバ20は、各ユーザの端末からセンサ出力ログ182を受信して、ユーザごとにセンサ出力ログ182を保持してセンサ出力結果データベース287を管理する。端末装置10は、サーバ20に対してセンサ出力ログ182を送信する処理を行う。このとき、端末装置10は、端末装置10に搭載されるセンサの出力値をサーバ20に対して送信することとしてもよい。例えば、端末装置10がGPSモジュールにより位置情報を取得し、取得した位置情報の履歴を保存する場合に、端末装置10がサーバ20に対してセンサ出力ログ182を送信する処理と、端末装置10の位置情報センサ150により取得した位置情報を送信する処理とを行う。例えば、センサ設定が用途「車両用」のものである場合に、上記のように構成することで、車両に設置されるセンサ装置50の検知結果と位置情報とを対応付けて端末装置10が保持することができ、車両の走行ルートと、センサ装置50の検知結果とを保持することができる。
【0125】
図9の図示例(B)では、端末装置10がサーバ20へセンサ設定情報181を送信する処理と、位置情報センサ150の検知結果を送信する処理とを行った場合のセンサ出力結果データベース287のデータ構造を示している。このように、サーバ20は、センサ出力結果データベース287において、ユーザを識別する情報と対応付けて、センサ装置50の検知結果のログを保持する。センサ出力結果データベース287のレコードは、(i)センサ設定を識別するための情報(例えば、識別情報「車両用#000011」)と、(ii)センサ装置50が各種センサにより検知した検知結果をデータとして生成する日時の情報またはセンサ装置50の検知結果を端末装置10が取得した日時の情報と、(iii)センサネットワークを構成する各センサ装置を特定する情報と、(iv)各センサ装置の検知結果(センサの出力値を示す情報)と、(v)端末装置10が備えるセンサの検知結果の情報(位置情報センサ150の検知結果など)と、を含む。
【0126】
図10は、センサ設定情報181のデータ構造を示す図である。
図10に示すように、センサ設定情報181のレコードは、センサ設定を識別するための情報と対応付けて、(i)センサ装置50の検知結果と比較するための条件それぞれを識別するための情報(例えば、識別情報「車両用#000011」)と、(ii)センサネットワークを構成するセンサ装置50に含まれるセンサ装置のいずれかまたは複数を特定するための情報と、(iii)センサ装置の検知結果と比較するための閾値および比較式を特定するための情報と、(iv)センサ装置の検知結果が条件を満たす場合に端末装置10に行わせる処理内容を特定するための情報とを含む。例えば、
図10の例では、センサ設定の識別情報「車両用 #000011」において、(i)第1の条件「条件#1」は、(ii)第1センサ装置50Aの検知結果を対象として、(iii)センサ装置50の検知結果(センサの出力値)と比較するための閾値が閾値「Th1」であり、センサの出力値と閾値Th1とを比較して、センサの出力値が閾値Th1以上である場合に、(iv)端末装置10が、処理「第1のアラート音声をスピーカ142により出力する」を実行することである、と定義されている。
【0127】
図11は、報知ログ183のデータ構造を示す図である。
図11に示すように、報知ログ183のレコードは、(i)端末装置10がセンサ装置50の検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて端末装置10に報知などの処理を行わせた場合における、処理実行の対象となった条件を識別する情報と、(ii)条件に関連付けられる処理を端末装置10が実行したタイミングを示す情報と、(iii)処理を実行したタイミングにおける端末装置10のセンサの検知結果の情報(
図11の例では、位置情報センサ150の検知結果の情報を一例として示す)とを含む。端末装置10は、例えば、車両用のセンサ設定をユーザが利用する場合に、センサの検知結果に応じてアラート音声が端末装置10によって出力されたタイミングにおける端末装置10の位置情報を、センサ設定による報知処理のタイミングと関連付けて報知ログ183において保持する。これにより、センサ設定によりアラート音が発生した際のユーザの位置(ユーザが車両に乗車している場合は車両の位置)を報知ログ183において保持することができる。
【0128】
図12は、サーバ20において保持されるユーザ情報データベース284のデータ構造を示す図である。
図12に示すように、ユーザ情報データベース284のレコードは、端末装置10のユーザの情報として、(i)ユーザを識別する情報と、(ii)ユーザが利用しているセンサ設定を識別する情報と、(iii)ユーザが、センサ設定のカスタマイズ結果を、センサ設定の配信プラットフォームであるサーバ20に投稿した場合に、そのセンサ設定を識別する情報と、(iv)配信プラットフォームに投稿されたセンサ設定について、配信プラットフォームを利用するユーザから評価された評価内容を示す情報(例えば、センサ設定に対してレビューが投稿された総数、センサ設定に対して多段階の数値評価がされた場合に、その評価の平均値その他の情報を含む)と、(v)センサ設定を投稿するユーザに対して、配信プラットフォームを利用するユーザから評価された評価内容を示す情報(例えば、ユーザに対して他のユーザがお気に入り登録をした総数など)とを含む。
【0129】
<4.動作と画面例>
図13から
図18を参照して、通信システム1を構成する各装置の動作を説明する。
【0130】
<4.1 端末装置10が通信デバイス30を介してセンサ装置50の検知結果を取得する処理>
図13は、端末装置10が通信デバイス30を介してセンサ装置50の検知結果を取得して、センサ出力ログ182としてメモリに保持する処理を示すフローチャートである。
【0131】
ステップS1311において、端末装置10の制御部190は、通信デバイス30との通信を開始するため、通信デバイス30に起動指示を送信する。
【0132】
ステップS1331において、通信デバイス30の制御部390は、端末装置10からの起動指示を受け付けると、端末装置10にセンサ装置50の検知結果を送信するため、センサ装置50の応答があるか否かを確認するための信号をセンサ装置50に送信する。
【0133】
ステップS1351において、センサ装置50の制御部590は、通信デバイス30から信号を受信すると、通信デバイス30と通信可能であることを示す応答を通信デバイス30へ送信する。
【0134】
ステップS1333において、通信デバイス30の制御部390は、センサ装置50から、通信デバイス30とセンサ装置50とが通信可能であることを示す応答を受け付けると、応答があったセンサ装置それぞれを特定する情報を端末装置10へ送信する。
【0135】
ステップS1313において、端末装置10の制御部190は、通信デバイス30から、通信可能なセンサ装置を特定する情報を受信し、メモリにセンサ設定情報181を保持させる。
【0136】
以降、端末装置10は、通信デバイス30を介して、センサ装置50の検知結果を受信する処理を行う。
ステップS1353において、センサ装置50は、センサの検知結果を示す信号を、通信デバイス30へ逐次送信する。例えば、センサ装置50は、通信デバイス30から周期的に送信される信号に応答するように、センサの検知結果を示す信号を通信デバイス30へ送信する。通信デバイス30は、センサ装置50から受信した、センサの検知結果を示す情報をセンサ出力情報382として記憶部380に記憶させる。
【0137】
ステップS1315Aにおいて、端末装置10の制御部190は、通信デバイス30に対し、センサ装置50の検知結果を要求するための信号を送信する。
【0138】
ステップS1335Aにおいて、通信デバイス30の制御部390は、端末装置10からの要求に応答して、センサ出力情報382を記憶部380から読みだして端末装置10へ送信する。
【0139】
ステップS1317Aにおいて、端末装置10の制御部190は、通信デバイス30から、センサ装置50の検知結果を示すセンサ出力情報382を受信して、受信した情報をセンサ出力ログ182として記憶部180に記憶させる。
【0140】
以降、端末装置10は、ステップS1315Aの処理と同様であるステップS1315Bの処理、および、ステップS1317Aの処理と同様であるステップS1317Bの処理を行い、通信デバイス30は、ステップS1335Aの処理と同様であるステップS1335Bの処理を行う。このような処理を端末装置10と通信デバイス30とが繰り返すことにより、端末装置10が通信デバイス30を介してセンサ装置50の検知結果を取得して、センサ出力ログ182として記憶部180に記憶させる。
【0141】
また、図示していないが、端末装置10は、センサ出力ログ182をサーバ20に送信することで、センサ出力ログ182のデータを保全し得る。サーバ20は、端末装置10からセンサ出力ログ182を受信すると、センサ出力結果データベース287を更新する。
【0142】
<4.2 端末装置10がセンサ装置50の検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて行う報知処理>
図14は、端末装置10が通信デバイス30を介して取得したセンサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいて、端末装置10に報知させる処理と、報知処理のログと報知処理がなされたタイミングにおける端末装置10のセンサの出力とを対応付けてサーバ20へ送信する処理とを示すフローチャートである。
【0143】
ステップS1411において、端末装置10の制御部190は、通信デバイス30からセンサ装置50の検知結果を受信した場合に、センサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181に示される条件とを比較して、条件を満たす場合に、条件に対応する処理(アラート音を出力する等の報知のための処理)をする。
【0144】
ステップS1413において、端末装置10の制御部190は、ステップS1411において、センサ設定情報181の条件に対応する処理を行ったログを報知ログ183として記憶部180に記憶させる。このとき、制御部190は、ステップS1411で条件に対応する処理を行った場合に、処理のログとあわせて端末装置10のセンサ(例えば、1センサ装置50など端末装置10が具備するセンサ)の出力値を保存する場合は、センサ出力ログ182または報知ログ183において、端末装置10のセンサの出力値を、ステップS1411で条件に対応する処理を行ったタイミングと関連付けて保持する。
【0145】
ステップS1415において、端末装置10の制御部190は、記憶部180に記憶される報知ログ183をサーバ20へ送信する。
【0146】
ステップS1421において、サーバ20は、端末装置10から報知ログ183を受信して、受信した報知ログ183を、ユーザそれぞれと対応付けてセンサ設定報知ログデータベース286として保持する。
【0147】
端末装置10は、ステップS1411、ステップS1413、ステップS1415の処理を繰り返すことで、センサ装置50の検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて、報知などの処理を行った履歴をサーバ20へ送信する。
【0148】
<4.3 端末装置10Nがセンサ設定をサーバ20から取得する処理>
図15は、端末装置10Nのユーザが、センサ設定の配信プラットフォームとして機能するサーバ20にアクセスする操作を行って、ユーザの操作内容を端末装置10Nからサーバ20へ送信する処理を示すフローチャートである。
【0149】
ステップS1511において、端末装置10Nの制御部190は、ユーザからセンサ設定を購買するための配信プラットフォームであるサーバ20へアクセスする操作を受け付けて、ブラウザ等によりサーバ20へアクセスする。制御部190は、センサ設定の提示を配信プラットフォームから受けるための接続要求をサーバ20へ送信する。
【0150】
ステップS1521において、サーバ20の制御部203は、センサ設定の配信プラットフォームとしての機能を発揮して、配信プラットフォームにアクセスするユーザのユーザ情報を受信する。例えば、サーバ20は、ユーザに対しアカウントを発行して、アカウントによるログインをユーザから受け付ける。制御部203は、ユーザ情報に示されるユーザについてのユーザ情報データベース284、センサ設定購買履歴データベース285、ストア操作フィードバック履歴288の情報を参照して、当該ユーザにレコメンドするセンサ設定を決定する。すなわち、制御部203は、過去にユーザが配信プラットフォームで閲覧していたセンサ設定の履歴、購入したセンサ設定の履歴などに基づき、ユーザが関心あるセンサ設定の用途等を特定し、特定した情報に基づいて、ユーザに提示するセンサ設定を決定する。
【0151】
ステップS1523において、サーバ20の制御部203は、配信プラットフォームにアクセスするユーザにレコメンドする情報を含めて、センサ設定を提示するための画面の情報を端末装置10Nへ送信する。
【0152】
ステップS1513において、端末装置10Nの制御部190は、サーバ20から送信される情報を受信して、購買処理等によりセンサ設定をユーザが取得するための操作を受け付ける画面を生成し、生成した画面を、ブラウザ等によりディスプレイ132に表示する。
【0153】
ステップS1515において、端末装置10Nの制御部190は、ユーザの操作内容をログとしてサーバへ送信する。ユーザの操作のログは、センサ設定を検索するためのキーワードの入力の履歴と、ブラウザ等により表示されるセンサ設定のうちユーザが詳細な情報を確認するための操作を行ったセンサ設定を示す情報と、センサ設定をユーザが購入するための課金処理を行ったことを示す情報と、センサ設定を提示するための画面においてユーザが画面を閲覧していたと推定し得る時間(ブラウザでページを表示し続けている時間など)の情報その他の情報を含む。
【0154】
ステップS1525において、サーバ20の制御部203は、端末装置10Nから、センサ設定をユーザに提示するための画面におけるユーザの操作内容のログを受信する。制御部203は、端末装置10Nのユーザが、センサ設定を取得するための課金処理を行った場合、課金処理にかかるセンサ設定を端末装置10Nのユーザが利用可能となるよう処理する。また、端末装置10Nのユーザにより課金処理が行われたセンサ設定が、配信プラットフォームの任意のユーザによって投稿されたものである場合、サーバ20は、その投稿したユーザに、課金処理の金額に応じてコミッションを付与する処理を行う。
【0155】
<4.4 端末装置10のユーザがセンサ設定を取得する局面の画面例>
図16は、端末装置10のユーザが、センサ設定の配信プラットフォームにアクセスして、センサ設定を取得する操作をする局面の操作受付部130の表示例を示す図である。
【0156】
図16の状態(A)は、センサ設定の配信プラットフォームのトップページにアクセスした場合の表示例を示す。端末装置10は、操作受付部130において、メインメニュータブ131Aと、センサ設定生成タブ131Bと、センサ設定購入タブ131Cとを表示する。端末装置10は、メインメニュータブ131A、センサ設定生成タブ131Bおよびセンサ設定購入タブ131Cへのユーザのタップ操作をタッチセンシティブデバイス131により受け付ける。
【0157】
状態(A)の例では、メインメニュータブ131Aが選択されている状態であることをユーザが視認できるよう、センサ設定生成タブ131Bおよびセンサ設定購入タブ131Cとは異なる態様でメインメニュータブ131Aが強調表示されている。端末装置10は、操作受付部130の通知領域131Dにおいて、ユーザにレコメンドするセンサ設定についての情報を表示する。例えば、端末装置10は、ユーザにレコメンドするセンサ設定についての情報として、センサ設定が使用される局面ごとにカテゴリを分類した分類結果を操作受付部130に表示して、ユーザのタップ操作を受け付ける。状態(A)において、端末装置10は、例えば、通知領域131Dの項目「害獣防止キット」へのタップ操作を受け付けた場合、タップ操作を受け付けたカテゴリであるカテゴリ「害獣防止キット」に含まれるセンサ設定を読みだして操作受付部130に表示する。
【0158】
端末装置10は、状態(A)において、センサ設定購入タブ131Cへのタップ操作を受け付けると、状態(B)に示す画面をユーザに提示する。
【0159】
状態(B)は、センサ設定の配信プラットフォームにおいてセンサ設定の購入をユーザの端末から受け付ける局面の操作受付部130の表示例を示す。端末装置10は、操作受付部130において、センサ設定購入タブ131Cが選択されている状態であることをユーザが視認できるよう、メインメニュータブ131Aおよびセンサ設定生成タブ131Bとは異なる態様でセンサ設定購入タブ131Cが強調表示されている。端末装置10は、操作受付部130において、センサ設定の購入をしようとするユーザから検索操作を受け付けるため、カテゴリ検索用タブ131Eと、キーワード検索用タブ131Fとを表示する。
【0160】
端末装置10は、操作受付部130の表示領域131Gにおいて、ユーザにレコメンドするセンサ設定についての情報を表示する。また、端末装置10は、操作受付部130のユーザランク131Xに、ユーザがセンサ設定の配信プラットフォームをどれだけ利用しているかの利用度合を示すユーザランク131Xを表示する。例えば、ユーザがセンサ設定を購入する、ユーザがセンサ設定の配信プラットフォームへログインする、ユーザがセンサ設定を配信プラットフォームに投稿して他のユーザが購入可能な状態とする、など配信プラットフォームの利用態様に応じてサーバ20がユーザに点数などの数値情報を付与する。サーバ20は、ユーザに付与される数値情報が一定程度に蓄積される都度、ランクの上昇といった態様で、ユーザの利用度合の程度をユーザに通知する。
【0161】
端末装置10は、状態(B)において、カテゴリ検索用タブ131Eへのタップ操作を受け付けると、状態(C)に示す画面をユーザに提示する。
【0162】
状態(C)は、センサ設定の配信プラットフォームにおいてユーザがセンサ設定の購入をするためにカテゴリ検索を行っている局面の操作受付部130の表示例を示す。端末装置10は、操作受付部130の表示領域131Gにおいて、センサ設定を検索するためのカテゴリの候補を表示する。表示領域131Gに表示される各カテゴリに対してタップ操作がなされた場合、当該タップ操作がなされたカテゴリについて、さらに分類されたカテゴリをユーザに提示する。
【0163】
端末装置10は、状態(C)において、表示領域131Gに示されるカテゴリのうち、カテゴリ「農業」へのタップ操作を受け付けると、状態(D)に示す画面をユーザに提示する。
【0164】
状態(D)は、センサ設定の配信プラットフォームにおいてユーザがセンサ設定の購入をするためにカテゴリ検索を行っている局面の操作受付部130の表示例を示す。端末装置10は、操作受付部130の表示領域131Gにおいて、センサ設定を検索するためのカテゴリの大分類(状態(D)の例では、カテゴリ「農業」)と、小分類(状態(D)の例では、カテゴリ「自動温湿度計」、カテゴリ「自動水やり」、カテゴリ「土壌センサー」、カテゴリ「獣害防止キット」などが示されている)とを表示する。例えば、カテゴリ「自動温湿度計」は、センサ装置50の検知結果によりセンサネットワークの温湿度を自動で計測し、計測結果に応じて処理を行うためのセンサ設定が分類されている。
【0165】
<4.5 端末装置10のユーザがセンサ設定を生成する局面の画面例>
図17は、端末装置10のユーザが、センサ設定を生成する操作をする局面の操作受付部130の表示例を示す図である。端末装置10は、
図16の状態(A)~状態(D)に示す操作受付部130において、センサ設定生成タブ131Bへのタップ操作を受け付けると、
図17の状態(A)に示す画面をユーザに提示する。
【0166】
図17の状態(A)および状態(B)は、センサ設定をユーザが生成するためのモードにおける操作受付部130の表示例を示す。端末装置10は、操作受付部130において、センサ一覧表示用タブ131Hと、センサ設定生成用タブ131Iと、設定対象表示領域131Jとを表示する。
【0167】
センサ一覧表示用タブ131Hは、センサネットワークを構成する各種センサの一覧をユーザが確認し、また、センサネットワークに含めるセンサをユーザが編集するためのボタンである。端末装置10は、センサ一覧表示用タブ131H、センサ設定生成用タブ131Iへのユーザのタップ操作をタッチセンシティブデバイス131により受け付ける。状態(A)の例では、センサ一覧表示用タブ131Hが選択されている状態であることをユーザが視認できるよう、センサ設定生成用タブ131Iとは異なる態様でセンサ一覧表示用タブ131Hが強調表示されている。
【0168】
センサ設定生成用タブ131Iは、センサ設定を生成するためのモードへ移行する操作をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0169】
設定対象表示領域131Jは、センサネットワークに含まれるセンサの一覧を表示している。端末装置10は、設定対象表示領域131Jに含まれるセンサそれぞれについてユーザのタップ操作を受け付けると、タップ操作により指定されたセンサの詳細な情報を設定対象表示領域131Jに表示する。端末装置10は、状態(A)の設定対象表示領域131Jに含まれるセンサのうちセンサ「距離センサ#1」へのタップ操作を受け付けると、状態(B)に示すように、センサ「距離センサ#1」の詳細な情報を設定対象表示領域131Jに表示する。
【0170】
図17の状態(C)は、端末装置10においてユーザがセンサ設定をカスタマイズし、カスタマイズされたセンサ設定をセンサ設定情報181として端末装置10が保存するためのユーザの操作を受け付ける局面の表示例を示す。端末装置10は、状態(A)のセンサ設定生成用タブ131Iへのタップ操作を受け付けると、状態(C)に示す画面をユーザに提示する。端末装置10は、ユーザから、センサ設定をカスタマイズするための操作を受け付けるための画面として、例えば、センサ一覧131Kと、閾値設定ボタン131Lと、AND設定ボタン131Mと、OR設定ボタン131Nと、NOT設定ボタン131Pと、センサ設定保存ボタン131Sと、カスタマイズ受付領域131Qとを含む画面をユーザに提示する。
【0171】
センサ一覧131Kは、センサネットワークを構成するセンサ装置の一覧を示す領域である。閾値設定ボタン131Lは、センサ設定の条件として、閾値およひ比較式を設定するためのアイコンである。AND設定ボタン131Mは、センサ設定の条件として、AND条件を設定するためのアイコンである。OR設定ボタン131Nは、センサ設定の条件として、OR条件を設定するためのアイコンである。NOT設定ボタン131Pは、センサ設定の条件として、NOT条件を設定するためのアイコンである。
【0172】
カスタマイズ受付領域131Qは、タップ操作やドラッグ操作などにより、センサ設定のカスタマイズを行うための領域である。端末装置10は、ユーザから、センサ一覧131Kに示される各センサをカスタマイズ受付領域131Qに示される領域へドラッグする操作を受け付けることで、条件を設定する対象のセンサ装置を特定する。また、端末装置10は、ユーザから、閾値設定ボタン131Lへのタップ操作または閾値設定ボタン131Lをカスタマイズ受付領域131Qに示される領域へドラッグする操作を受け付けることで、センサ装置の検知結果と比較するための閾値および比較式の入力をユーザから受け付ける。端末装置10は、AND設定ボタン131M、OR設定ボタン131NまたはNOT設定ボタン131Pへのタップ操作、または、これらをカスタマイズ受付領域131Qに示される領域へドラッグする操作を受け付けることで、センサの検知結果と閾値との比較結果についてAND演算、OR演算、NOT演算を行うことを設定する。
【0173】
センサ設定保存ボタン131Sは、カスタマイズ受付領域131Qに示されるセンサ設定のカスタマイズ結果をユーザが保存するための操作を受け付ける。
【0174】
図18は、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件と、条件に応じた処理内容とをセンサ設定としてユーザが編集する局面の画面例を示す図である。
【0175】
図18の状態(A)は、(i)ユーザが、センサ設定の対象とするセンサ装置を指定する操作と、(ii)閾値および比較式を指定する操作と、(iii)センサ装置の検知結果が閾値および比較式を満たす場合の端末装置10の処理内容を指定する操作とを行う局面を示す。
図18の状態(B)は、(iv)ユーザが、センサ装置と、閾値および比較式と、端末装置10の処理内容とを関連付ける操作を行って、条件を設定する操作を行う局面を示す。
【0176】
(i)センサ装置を指定する操作:
図18の状態(A)に示すように、ユーザは、センサネットワークを構成する各センサを指定するため、センサ一覧131Kに示されるセンサ一覧のいずれかのセンサにタッチし、タッチしたセンサをカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする操作を行う。端末装置10は、例えば、センサ一覧131Kに示されるセンサ「距離センサ#1」に対してタッチし、センサ「距離センサ#1」をカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする入力操作(状態(A)に示すユーザ操作OP1)を受け付けると、センサ「距離センサ#1」に対応するアイコンであるセンサ種別SE1をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。また、端末装置10は、センサ一覧131Kのセンサ「湿度センサ#1」をカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする入力操作を受け付けることで、センサ「湿度センサ#1」に対応するアイコンであるセンサ種別SE2をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。
【0177】
(ii)閾値および比較式を指定する操作:
図18の状態(A)に示すように、ユーザがセンサの検知結果と比較するための閾値および比較式を指定するため、端末装置10は、閾値設定ボタン131Lにタッチしてカスタマイズ受付領域131Qまでドラッグする操作(状態(A)に示すユーザ操作OP2)を受け付ける。端末装置10は、閾値設定ボタン131Lをカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする操作を受け付けると、閾値および比較式を示すアイコンであるcd1をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。図示していないが、端末装置10は、cd1に対するタップ操作を受け付けることで、閾値の変更および比較式の変更をユーザから受け付けるように動作し得る。端末装置10は、上記と同様の操作を順次受け付けることで、カスタマイズ受付領域131Qに、比較式CD2、比較式CD3を表示する。また、端末装置10は、センサ設定において、AND演算を設定するためにAND設定ボタン131Mをカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする入力操作(状態(A)に示すユーザ操作OP3)を受け付けると、積演算AN1をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。ユーザがセンサ設定においてOR演算を設定する場合も、上記と同様に、端末装置10は、OR設定ボタン131Nをカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする操作を受け付ける。ユーザがセンサ設定においてNOT演算を設定する場合も、上記と同様に、端末装置10は、NOT設定ボタン131Pをカスタマイズ受付領域131Qへドラッグする操作を受け付ける。
【0178】
(iii)センサ装置の検知結果が閾値および比較式を満たす場合の端末装置10の処理内容を指定する操作:
図18の状態(A)に示すように、ユーザは、センサの検知結果と、閾値とを比較式に基づいて比較し(例えば、センサ「距離センサ#1」の検知結果と閾値「Th3」とを比較して、比較式「閾値Th3より大きい」を満たすか否か)、比較式を満たす場合に行う処理内容として、処理内容NP1をカスタマイズ受付領域131Qに表示している。例えば、端末装置10は、ユーザからカスタマイズ受付領域131Qにおけるタップ操作を受け付けることで、処理内容NP1、処理内容NP2のように処理内容を指定するアイコンを生成するように動作し得る。
【0179】
(iv)ユーザが、センサ装置と、閾値および比較式と、端末装置10の処理内容とを関連付ける操作を行って、条件を設定する操作:
図18の状態(B)に示すように、ユーザがセンサ種別SE1と、比較式CD1とを関連付けるため、端末装置10は、ユーザがセンサ種別SE1にタッチして比較式CD1へドラッグする操作(状態(B)に示すユーザ操作OP4)を受け付ける。端末装置10は、センサ種別SE1と比較式CD1とを関連付ける入力操作を受け付けると、センサ種別SE1と比較式CD1とが関連付けられることを示す画像である関連付け画像IN1をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。
【0180】
状態(B)に示すように、ユーザが比較式CD1と処理内容NP1とを関連付けるため、端末装置10は、ユーザが比較式CD1にタッチして処理内容NP1へドラッグする操作(状態(B)に示すユーザ操作OP5)を受け付ける。端末装置10は、比較式CD1と処理内容NP1とを関連付ける入力操作を受け付けると、比較式CD1と処理内容NP1とが関連付けられることを示す画像である関連付け画像IN2をカスタマイズ受付領域131Qに表示する。これにより、センサを特定する情報と、センサの検知結果と比較する閾値および比較式と、端末装置10の処理内容とが関連付けられることとなるため、端末装置10は、関連付け画像IN1および関連付け画像IN2により関連付けられていることがカスタマイズ受付領域131Qに表示されているセンサを特定する情報と、閾値および比較式と、端末装置10の処理内容とをセンサ設定の条件として保持する(例えば、
図10のセンサ設定情報181の条件識別番号を付与してこれらの情報を保存する)。
【0181】
以降、ユーザが、センサ装置と、閾値および比較式とを関連付ける操作、閾値および比較式と処理内容とを関連付ける操作とを順次行うことで、
図17の状態(C)に示すセンサ設定の編集結果が生成される。端末装置10は、センサ設定保存ボタン131Sに対する入力操作を受け付けることで、カスタマイズ受付領域131Qに示されるセンサ設定をセンサ設定情報181として保存する。端末装置10は、センサ設定情報181を、センサ設定を生成したユーザの情報と対応付けてサーバ20へ送信する。サーバ20は、ユーザの情報と対応付けて、端末装置10から受信したセンサ設定情報181を保存する。このとき、サーバ20は、ユーザが生成したセンサ設定情報181を、配信プラットフォームにおいて他のユーザに配信するか否かの指定を、センサ設定情報181のユーザから受け付けてもよい。
【0182】
<センサネットワークの構築例>
上記の実施形態では、移動体である車両にセンサを設置してセンサネットワークを構築し、センサの検知結果と比較するための閾値および比較式をユーザにより設定可能にすることで、カスタマイズを容易にする例について説明した。
【0183】
(1) 観光業界等に向けた、移動体の接近検知: この他にも、用途としては、例えば、旅館、ホテルなどのエントランスにおける顧客の応対業務に資するため、駐車場や玄関口への車の動線上にセンサを設置して、センサの検知結果を、LoRa方式、Wi-SUN方式により通信デバイスに送信することなどが想定される。この場合、旅館、ホテルの受付スタッフが使用しているコンピュータ(タブレットなど)に装着可能なクレイドルなどを通信デバイスとして利用することで、センサの検知結果を用いた報知処理を、受付スタッフが使用しているコンピュータにより実施することができる。このように、受付スタッフにとっては操作に習熟しているコンピュータを使用しつつ、これらコンピュータが対応している無線LAN規格、Bluetooth(登録商標)では信号が受信できない距離にあるセンサについても、端末装置10は、通信デバイス30を介してセンサの検知結果を取得することができる。よって、センサネットワークを構築する際の、センサの物理的な配置のバリエーションをいっそう向上させることができる。
【0184】
(2) 介護産業等向けのセンサネットワーク構築例: この他に、用途としては、例えば、人が装着する下着、衣服などの日用品にセンサを設置することなどが想定される。例えば、おむつなどの表面に湿度計を取り付けておき、閾値を超える湿度を検知した場合に、おむつを取り替えるよう端末装置10のユーザに通知する(または、サーバ20を介して他のユーザの端末に通知する)ことなどが想定される。例えば、介護を必要とする人物のおむつに湿度計を取り付けて、交換が必要であることを湿度計の検知結果と閾値とに基づき介護者に通知する。
【0185】
(3) 美容業界向けのセンサネットワーク構築例: この他に、用途としては、例えば、一定空間内での温度分布を温度計により計測し、温度のばらつきがないことを端末装置10で確認すること等が想定される。例えば、美容室で顧客にパーマを施す際に、その防止の中の温度分布を温度計により測定する。この温度計の分布の平均値や分散値を計測し、分散値に基づく標準偏差が予め定められた閾値を超える場合等に、温度のばらつきがあるとして美容師の端末装置10に通知する。これにより、パーマや染めムラが起きないよう温度計により検知することができ、美容室の顧客に提供する価値が大きくなる。
【0186】
(4) 公共・土木分野向けのセンサネットワーク構築例: この他に、用途としては、例えば、斜面に傾きセンサを複数配置してメッシュネットワークとし、傾きセンサの検知結果の変化に基づいて、斜面の地滑りを検知することなどが想定される。
【0187】
(5) 遠隔見守り: この他に、用途としては、家屋内で住人が使用するドアなどの回転可能な物体にモーションセンサを設置しておき、モーションセンサの検知結果をサーバ20にて蓄積すること等により、遠隔からの見守り用のセンサネットワークを構築することができる。例えば、高齢の親世帯が居住する環境において、トイレのドアなどにモーションセンサを設置し、センサの検知結果を、逐次、居住環境の通信デバイス30を介して端末装置10が取得し、端末装置10からサーバ20へ送信する。サーバ20は、トイレのドアのモーションセンサの検知結果をログとして管理しており、一定期間以上、ドアの開閉がない(モーションセンサの検知結果に閾値を超える変動が一定期間以上(例えば、半日以上)ない)場合に、サーバ20から、見守りを希望する者(例えば、親世帯とは遠隔の地に居住する子の世帯)の端末装置10へと通知する。
【0188】
(6) この他に、通信デバイスを介してセンサ装置50の検知結果を端末装置10が取得した場合に、センサの検知結果とセンサ設定情報181とに基づいて、端末装置10が、アクチュエータなど他の駆動装置を駆動するよう処理することとしてもよい。このように、端末装置10が、センサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいた処理を行うことは、端末装置10が、端末装置10のスピーカ142等により報知処理を行うことの他に、他の装置へ指令を送信する処理を行うことも含む。例えば、居住環境において、センサ装置50として近接センサを使用して、寝室に近接センサを設置する。ユーザが心室の近接センサに手を近づけると、端末装置10は、センサの検知結果を通信デバイス30を介して取得し、近接センサの検知結果と閾値とを比較して、近接センサがユーザの手などの近接を検知したと判断する。端末装置10は、近接センサの近くにユーザの手などが近接したと判断すると、アクチュエータを駆動させ、玄関やリビングなど居住環境内の所定の電灯を消去する。このとき、端末装置10は、通信デバイス30を介して、アクチュエータに駆動の指示を送信することとしてもよい。すなわち、端末装置10が、センサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいた処理を行うことは、端末装置10が、通信デバイス30を介して他の装置へ指令を送信する処理を行うことを含む。
【0189】
この他に、農業分野の用途としては、土壌に湿度計を設置しておき、湿度計の検知結果を端末装置10が取得して、湿度計の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいて、端末装置10がアクチュエータを駆動させてスプリンクラーを作動させること等が想定される。また、農業分野において水位計を設置しておき、水位計の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいて、端末装置10がアクチュエータを制御してスプリンクラーによる放水を停止させることなどが想定される。このように、土壌の水やりを自動化させるためのセンサネットワークの構築を容易に行うことができる。
【0190】
<変形例>
上述の各実施形態の説明では、端末装置10およびサーバ20が互いに通信することで処理を実行する例について説明したが、これら各装置の処理は、上記の実施例に限らず、端末装置10、サーバ20のいずれかで実行することとしてもよい。すなわち、センサ装置50の検知結果を、通信デバイスを介して端末装置10が取得して、センサ装置50の検知結果と、センサ設定情報181とに基づいた処理(報知処理など)を、端末装置10が行うこととしてもよいし、サーバ20が他の端末装置10に信号を送信することにより、他の端末装置10により行うこととしてもよい。
【0191】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0192】
<付記事項>
上記のように、本開示に示す実施の形態の一態様について説明した。本開示の実施の形態の一態様は、以下の構成を有している。
【0193】
(付記1): 実施の形態で説明したプログラムは、プロセッサ(制御部190)と、メモリ(記憶部180)とを備えるコンピュータ(端末装置10)によって実行されるプログラムである。コンピュータは、コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサ(センサ装置50)と通信可能な通信デバイス(通信デバイス30)と信号を送受信可能に構成されている(第2無線通信部122)。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている(第1無線通信部321)。プログラムは、プロセッサに、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーン(ディスプレイ132、
図17のカスタマイズ受付領域131Q)に表示させるステップと、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付ける(タッチセンシティブデバイス131、
図17のカスタマイズ受付領域131Q)ステップとを実行させる。
【0194】
付記1の構成によると、センサネットワークのセンサの検知結果に応じてコンピュータに様々な処理を行わせるための設定をユーザが容易にカスタマイズすることができ、IoTによる恩恵をユーザがいっそう受けやすくなる。
【0195】
(付記2): (付記1)に示すプログラムは、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付ける(タッチセンシティブデバイス131、
図17のカスタマイズ受付領域131Q)ステップにおいて、センサの検知結果と比較される条件として、センサの検知結果と比較するための閾値の設定の操作(閾値設定ボタン131L、ユーザ操作OP2、比較式CD1)を受け付ける。
【0196】
付記2の構成によると、ユーザは、センサの検知結果に応じてコンピュータに様々な処理を行わせるための設定として、センサの検知結果と比較する閾値のカスタマイズを容易にすることができる。したがって、例えばセンサが距離センサであれば、センサの検知対象物とセンサとの距離がどの程度であればコンピュータに処理を行わせるかといった微調整を容易にすることができ、センサネットワークを柔軟に設計することができる。例えば、車両にセンサを設置する場合など、センサを設置する対象となる移動体の大きさがそれぞれ異なり、センサ設定を利用してコンピュータに処理を行わせるユーザの嗜好も様々に異なることが想定される場合には、このようなセンサ設定のカスタマイズがユーザ自身によって柔軟に調整できることで、センサネットワークが利用される機会が増えやすくなる。
【0197】
(付記3): (付記1)または(付記2)のプログラムは、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付ける(タッチセンシティブデバイス131、
図17のカスタマイズ受付領域131Q)ステップにおいて、センサを特定(センサ種別SE1、センサ種別SE2)し、特定されたセンサの検知結果と比較される条件を特定するための第1の画像(センサ種別SE1、センサ種別SE2、比較式CD1、比較式CD2、比較式CD3、積演算AN1)をスクリーンに配置するための操作(ユーザ操作OP1)を受け付けるステップと、センサの検知結果と条件とに基づいた処理の内容を示す第2の画像(処理内容NP1、処理内容NP2)をスクリーンに配置するための操作を受け付ける(カスタマイズ受付領域131Qにおけるタップ操作など)ステップと、第1の画像と第2の画像とを関連付けるための操作(ユーザ操作OP4、ユーザ操作OP5)を受け付けるステップと、第1の画像と第2の画像との関連付けがなされている場合に、関連付けがなされていることを示す画像(関連付け画像IN1、関連付け画像IN2)、および、当該関連付けがなされている第1の画像に示されるセンサの検知結果と比較される条件(比較式CD1、比較式CD2、比較式CD3、積演算AN1)をスクリーンに表示するステップとを実行し得る。
【0198】
付記3の構成によると、ユーザは、画像をスクリーンに配置するという平易な操作により、視覚的に、センサ設定を編集している過程を視認しながらセンサ設定を編集することができ、センサ設定のカスタマイズを容易にすることができる。
【0199】
(付記4): (付記1)から(付記3)のいずれかのプログラムを実行するコンピュータ(端末装置10)は、移動体通信システムまたは無線LAN規格の少なくともいずれかに対応して通信可能に構成(第1無線通信部121)されている。通信デバイスは、コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として、サブギガ帯の無線信号によりセンサから無線信号を受信するように構成されている(第1無線通信部321)。
【0200】
付記4の構成によると、例えば、ユーザの端末として移動体通信システムに対応している場合に、通信デバイスが、ユーザの端末では対応していない周波数帯の無線信号によりセンサから無線信号を受信する。これにより、センサネットワークの構成によっては、ユーザの端末が対応する周波数帯(例えば、無線LAN規格などで使用される2.4GHz帯の周波数)ではセンサ装置から信号を受信することが困難であっても、通信デバイスがサブギガ帯の無線信号によりセンサ装置から信号を受信することができ得る。これにより、センサネットワークを構成するためのセンサ装置の配置の自由度がいっそう向上するため、ユーザの端末にセンサ装置の検知結果を集約する場合と比べて、ユーザの端末が通信デバイスを介してセンサ装置の検知結果を集約することで、様々な環境にセンサネットワークを構築しやすくなる。
【0201】
(付記5): (付記4)のコンピュータ(端末装置10)は、タッチスクリーン(操作受付部130)を搭載し、タッチスクリーンによりユーザの操作を受け付け可能に構成されるスマートフォンまたはタブレット型端末であり得る。プログラムは、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップにおいて、タッチスクリーンに、条件の設定をするための画面(
図18)を表示させ、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるステップにおいて、ユーザの操作を、タッチスクリーンに対するユーザの操作(ユーザ操作OP1等)により受け付ける。
【0202】
付記5の構成によると、広く普及している端末であるスマートフォン、タブレットなどのタッチスクリーンを使用して、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けている。これにより、ユーザは、日常的にスマートフォンを操作することで体得している操作体系(タップ操作、ドラッグ操作など)により、条件の設定をすることができる。したがって、センサネットワークのセンサの検知結果に応じてコンピュータに様々な処理を行わせるための設定をユーザが容易にカスタマイズすることができ、IoTによる恩恵をユーザがいっそう受けやすくなる。
【0203】
(付記6): (付記5)の通信デバイス(通信デバイス30)は、コンピュータと結合可能(装着受付機構350)なデバイスであり、コンピュータに対し電力を供給可能に構成されている(制御部390、電力供給制御部340)。
【0204】
付記6の構成によると、ユーザの端末に電力を供給可能なデバイスを用いつつ、センサネットワークのセンサの検知結果をユーザの端末が集約する場合と比べて、センサ装置の検知結果を集約することが容易になり得る。特に、スマートフォンなどに電力を供給可能なケース、クレイドルなどは家電量販店などでの販売量も比較的多いため、通信デバイスをケース、クレイドルによって実現する場合は、ユーザが通信デバイスを入手できるチャネルを豊富に用意し得る。
【0205】
(付記7): (付記1)から(付記6)のプログラムは、プロセッサに、さらに、通信デバイスを介して、センサからセンサの検知結果を示す信号を受信するステップ(ステップS1315、S1317)と、条件の設定に従って、センサの検知結果と、条件とに基づいた処理(ステップS1411)を行うステップとを実行させる。
【0206】
これにより、通信デバイスと通信可能な端末により、センサの検知結果と条件とを比較した様々な処理を行うことができ、ユーザは、広く普及した汎用的なコンピュータを用いて、センサネットワークのカスタマイズを容易に行うことができる。
【0207】
(付記8): (付記7)のプログラムは、センサの検知結果と、条件とに基づいた処理(ステップS14411)を行うステップにおいて、センサの検知結果が、条件を満たす場合に、ユーザに報知する処理(ステップS1411、報知制御部194、音声処理部140、バイブレータ160、ディスプレイ132)を行う。
【0208】
これにより、ユーザは、センサの検知結果に応じて、アラート音、映像表示、振動などユーザの注意を喚起するための報知を端末装置10から受けることができ、ユーザの五感によりIoTによる恩恵を受けることができる。
【0209】
(付記9): 実施の形態で説明した情報処理装置は、プロセッサと、メモリとを備える。情報処理装置は、情報処理装置が対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されている。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、情報処理装置が対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている。情報処理装置は、プロセッサがメモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させ、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付けるように構成されている。
【0210】
これにより、付記1の構成と同様に、センサネットワークのセンサの検知結果に応じてコンピュータに様々な処理を行わせるための設定をユーザが容易にカスタマイズすることができ、IoTによる恩恵をユーザがいっそう受けやすくなる。
【0211】
(付記10): 実施の形態において、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにより実行される方法を説明した。コンピュータは、コンピュータが対応していない周波数帯により1または複数のセンサと通信可能な通信デバイスと信号を送受信可能に構成されている。通信デバイスは、センサから、センサの検知結果を示す信号を、コンピュータが対応していない周波数帯の無線信号として受信するように構成されている。実施の形態で説明した方法は、プロセッサがメモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、プロセッサが、センサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定をするための画面をスクリーンに表示させるステップと、条件の設定をするためのユーザの操作を受け付ける。
【0212】
これにより、付記1の構成と同様に、センサネットワークのセンサの検知結果に応じてコンピュータに様々な処理を行わせるための設定をユーザが容易にカスタマイズすることができ、IoTによる恩恵をユーザがいっそう受けやすくなる。
【0213】
(付記11): 実施の形態で説明したサーバ装置(サーバ20)は、プロセッサ(プロセッサ29)と、メモリ(メモリ25)と、ストレージ(ストレージ26)とを備える。プロセッサが、メモリに格納されるプログラムを読み込んで実行することにより、第1のユーザが操作する端末(端末装置10A)から、1または複数のセンサの検知結果と、検知結果と比較される条件とに基づいた処理を行うための、条件の設定を示す情報を受信してストレージに保存する第1のステップと、第2のユーザが操作する端末(端末装置10N)からアクセスがあった場合に、ストレージに保存される情報に基づいて、センサを特定する情報と、当該センサに関連付けられる条件を示す情報と、特定されるセンサの検知結果と条件とを比較することにより行われる処理内容を示す情報とを対応付けてセンサについての設定として第2のユーザが操作する端末に提示する(ステップS1523、
図16の通知領域131D)第2のステップと、第2のユーザから、センサについての設定を利用するための処理要求を受け付ける(ステップS1515、ステップS1525)第3のステップと、センサについての設定を利用するための処理要求に応答して、第2のユーザが、当該設定を利用可能にする処理を行う(ステップS1525)第4のステップとを実行する。
【0214】
これにより、センサ設定を配信する配信プラットフォームとしての機能をユーザに提供することができ、ユーザは、センサネットワークを機能させるためのセンサ設定を容易に入手することができる。
【0215】
(付記12): (付記11)のサーバ装置が実行する第3のステップにおいて、センサについての設定を利用するための処理要求は、第2のユーザから課金処理を受け付ける(ステップS1525)ことを含む。
【0216】
これにより、ユーザは、イーコマースサイトや映像配信サービスなどなじみのある課金モデルによりセンサ設定を利用することができ、センサ設定の売り切りや月額課金のサブスクリプションモデルなど様々な購買体験をユーザに提供し得る。
【0217】
(付記13): (付記12)のサーバ装置のプロセッサは、第3のステップにおいて課金処理を受け付けた場合に、当該課金処理にかかる設定をサーバ装置に送信したユーザに対し、課金額に応じたコミッションを付与する(ステップS1525)ように構成されている。
【0218】
これにより、センサ設定を配信する配信プラットフォームにセンサ設定を投稿したユーザは、自らセンサネットワークを構築してセンサ設定の調整を施した結果を広く他のユーザの利用する機会を提供するのみならず、収益の機会をも得ることができる。また、配信プラットフォームにとっては、配信可能なセンサ設定を充実化させることができ、プラットフォームとしての魅力を高めることができる。
【0219】
(付記14): (付記11)から(付記13)のサーバ装置において、サーバ装置のプロセッサは、さらに、センサについての設定を利用可能にする処理を行ったユーザから、当該設定についての評価を受け付けて、受け付けた当該設定についての評価をストレージに保存する(ユーザ情報データベース284)ステップを実行するように構成されている。第2のステップにおいて、センサについての設定と、当該設定について受け付けた評価とを第2のユーザが操作する端末に提示する(ステップS1523)ことを含む。
【0220】
これにより、配信プラットフォームにおいてセンサ設定を取得しようとするユーザにとっては、センサ設定を投稿したユーザの評価数に基づいて、センサ設定を取得するか否かを判断することができ、ユーザの利便性が高まる。また、センサ設定を投稿するユーザに対して、他のユーザの評価結果をフィードバックすることができ、センサ設定を配信プラットフォームに投稿しようとするインセンティブを高めることができる。
【0221】
(付記15): (付記11)から(付記14)のサーバ装置において、サーバ装置が実行する第2のステップにおいて、第2のユーザが設定の提示を受けた第1の履歴情報(ストア操作フィードバック履歴288)と、第2のユーザから、センサについての設定を利用するための処理要求を受け付けた第2の履歴情報(センサ設定購買履歴データベース285)との少なくともいずれかに基づいて、ストレージに保存される設定のうち、第2のユーザに提示する設定を特定し(ステップS1521)、特定した設定を第2のユーザが操作する端末に提示する(ステップS1523)ことを含む。
【0222】
これにより、配信プラットフォームにおけるユーザの行動に基づいてユーザの嗜好、需要を分析し、分析した結果に応じて、ユーザに適したセンサ設定を絞り込んでレコメンドすることができる。したがって、配信プラットフォームにおいてセンサ設定を購入しようとするユーザは、必要とする情報に容易にたどり着き得ることができ、センサ設定の流通をいっそう促して、ユーザに対し、IoTによる恩恵を容易に受けられるようにすることができる。
【0223】
(付記16): (付記11)から(付記15)のサーバ装置が実行する第3のステップにおいて、センサについての設定を利用するための処理要求と、処理要求にかかる設定におけるセンサを購入するための処理要求とを受け付ける(ステップS1515、S1525)ことを含む。
【0224】
これにより、ユーザは、イーコマースサイトや映像配信サービスなどなじみのある課金モデルによりセンサ設定を利用することができ、センサ設定の売り切りや月額課金のサブスクリプションモデルなど様々な購買体験をユーザに提供し得る。
【符号の説明】
【0225】
1 通信システム、10 端末装置、20 サーバ、30 通信デバイス、50 センサ装置、80 ネットワーク、81 無線基地局、82 無線LANルータ、181 センサ設定情報、182 センサ出力ログ、183 報知ログ、184 ユーザ情報、185 センサ設定購買履歴、186 ストア画面操作ログ、382 センサ出力情報、384 認証用情報、582 センサ出力情報、584 装置識別情報。