(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】衝立用飛沫飛散防止具
(51)【国際特許分類】
A47G 5/00 20060101AFI20220106BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20220106BHJP
A47B 96/04 20060101ALI20220106BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A47G5/00 Z
A47B13/00 Z
A47B96/04 B
E04B2/74 501Z
A47G5/00 G
(21)【出願番号】P 2021097738
(22)【出願日】2021-06-11
【審査請求日】2021-06-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594155137
【氏名又は名称】株式会社美方
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 義英
【審査官】柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3232309(JP,U)
【文献】特開2017-213265(JP,A)
【文献】登録実用新案第3229208(JP,U)
【文献】登録実用新案第3227269(JP,U)
【文献】実開平05-046377(JP,U)
【文献】実開平06-046546(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 5/00
A47B 96/04
A47B 13/00
E04B 2/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立した衝立パネルの上辺部に設置される衝立用飛沫飛散防止具であって、
前記上辺部よりも上方側に配置される飛散防止具本体と、前記飛散防止具本体に固定され、前記上辺部を挟持可能な少なくとも一以上の設置部とを備えており、
前記飛散防止具本体は、一対のパネル部と、連結部とを備えており、
前記連結部は、一方のパネル部の一の側縁と、他方のパネル部の一の側縁との間に接続配置され、前記各パネル部を前記連結部を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉自在に構成し、
前記設置部は、前記一対のパネル部の一方面側に配置され、前記一方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第1挟持部と、前記他方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第2挟持部とを備えており、前記第1挟持部と前記第2挟持部とにより前記上辺部を挟み込み可能に構成されていることを特徴とする衝立用飛沫飛散防止具。
【請求項2】
前記第1挟持部は、前記一方のパネル部の一方面から離隔する方向であって、かつ、前記一方のパネル部の前記一の側縁外方に向かって突出する第1突出部を備えており、
前記第2挟持部は、前記他方のパネル部の一方面から離隔する方向であって、かつ、前記他方のパネル部の前記一の側縁外方に向かって突出する第2突出部を備えており、
前記第1突出部と前記第2突出部との間に前記上辺部を介在させて挟み込み可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衝立用飛沫飛散防止具。
【請求項3】
前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記一対のパネル部において互いに対向する側縁の長手方向に沿って、互いに位置を異ならせて配置されていることを特徴とする請求項2に記載の衝立用飛沫飛散防止具。
【請求項4】
前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記一対のパネル部において互いに対向する側縁の長手方向に沿って、同一の位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の衝立用飛沫飛散防止具。
【請求項5】
前記第1挟持部と前記第2挟持部とにより前記上辺部を挟み込むことにより前記設置部を衝立パネルの前記上辺部に設置した場合において、前記各パネル部の前記一方面は、衝立パネルのパネル面との間で90°以上135°以下の角度を成すことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の衝立用飛沫飛散防止具。
【請求項6】
前記連結部は、可撓性を有するシート状部材であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の衝立用飛沫飛散防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝立パネルに装着される衝立用飛沫飛散防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室での打ち合わせや食事、対面販売、病院等での受付等に際して、対面位置や隣側位置にいる人物側に唾液等の飛沫が飛散することを抑制し感染予防を図るためにテーブル等の上面に配置される衝立パネルが近年使用されている。このような衝立パネルは、特許文献1に開示されているように、テーブル等の上面に対して垂直に起立するようにベース体(台座部)に固定等されて使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような衝立パネルの場合、該衝立パネルの上部分を乗り越えて、唾液等の飛沫が対面位置や隣側位置にいる人物側に飛散してしまい、前記衝立パネルだけでは飛沫の飛散防止対策として不十分であるこという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、唾液等の飛沫が衝立パネルの上部分を乗り越えてしまうことを効果的に防止することができる衝立用飛沫飛散防止具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、起立した衝立パネルの上辺部に設置される衝立用飛沫飛散防止具であって、前記上辺部よりも上方側に配置される飛散防止具本体と、前記飛散防止具本体に固定され、前記上辺部を挟持可能な少なくとも一以上の設置部とを備えており、前記飛散防止具本体は、一対のパネル部と、連結部とを備えており、前記連結部は、一方のパネル部の一の側縁と、他方のパネル部の一の側縁との間に接続配置され、前記各パネル部を前記連結部を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉自在に構成し、前記設置部は、前記一対のパネル部の一方面側に配置され、前記一方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第1挟持部と、前記他方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第2挟持部とを備えており、前記第1挟持部と前記第2挟持部とにより前記上辺部を挟み込み可能に構成されていることを特徴とする衝立用飛沫飛散防止具により達成される。
【0007】
また、上記衝立用飛沫飛散防止具に関し、前記第1挟持部は、前記一方のパネル部の一方面から離隔する方向であって、かつ、前記一方のパネル部の前記一の側縁外方に向かって突出する第1突出部を備えており、前記第2挟持部は、前記他方のパネル部の一方面から離隔する方向であって、かつ、前記他方のパネル部の前記一の側縁外方に向かって突出する第2突出部を備えており、前記第1突出部と前記第2突出部との間に前記上辺部を介在させて挟み込み可能に構成されていることが好ましい。
【0008】
また、前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記一対のパネル部において互いに対向する側縁の長手方向に沿って、互いに位置を異ならせて配置するように構成してもよい。
【0009】
また、前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記一対のパネル部において互いに対向する側縁の長手方向に沿って、同一の位置に配置するように構成してもよい。
【0010】
また、前記第1挟持部と前記第2挟持部とにより前記上辺部を挟み込むことにより前記設置部を衝立パネルの前記上辺部に設置した場合において、前記各パネル部の前記一方面は、衝立パネルのパネル面との間で90°以上135°以下の角度を成すことが好ましい。
【0011】
また、前記連結部は、可撓性を有するシート状部材であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、唾液等の飛沫が衝立パネルの上部分を乗り越えてしまうことを効果的に防止することができる衝立用飛沫飛散防止具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる衝立用飛沫飛散防止具を衝立パネルの上辺部に設置した状態を示す側面図である。
【
図2】
図1に示す矢視A方向から見た正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる衝立用飛沫飛散防止具の側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる衝立用飛沫飛散防止具の作動を説明するための説明図である。
【
図6】(a)は、
図1に示す衝立用飛沫飛散防止具の変形例を示す底面図であり、(b)は、その側面図である。
【
図7】(a)は、
図6に示す
図1に示す衝立用飛沫飛散防止具を衝立パネルに設置した状態を示す側面図であり、(b)は(a)におけるC-C断面を示す断面図である。
【
図8】(a)(b)ともに、
図1に示す衝立用飛沫飛散防止具の他の変形例を示す平面図である。
【
図9】
図1に示す衝立用飛沫飛散防止具の他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。
図1は、本発明の一実施形態にかかる衝立用飛沫飛散防止具1を衝立パネルZの上辺部に設置した状態を示す側面図であり、
図2は、
図1に示す矢視A方向から見た正面図である。また、
図3は、衝立用飛沫飛散防止具1の側面図であり、
図4は、
図3の矢視B方向から見た底面図である。本発明に係る衝立用飛沫飛散防止具1は、
図1や
図2に示すように起立した衝立パネルZの上辺部に設置されて使用されるものであり、
図1~
図4に示すように、飛散防止具本体2と、一対のパネル部21,22の一方面側に配置される設置部3とを備えて構成されている。ここで、衝立パネルZは、従来から知られているものを使用することができ、一般的にアクリル樹脂等の合成樹脂素材から形成されている。また衝立パネルZは、一般的には、2mm、3mm、5mm、6mmと様々な厚み寸法を有するものとして構成されている。
【0015】
飛散防止具本体2は、衝立パネルZの上辺部よりも上方側に配置されて使用される部分であり、一対のパネル部21,22と連結部23とを備えている。各パネル部21,22は、
図4に示すように平面視矩形状に形成されることが好ましいが、例えば、平面視台形形状、平面視長楕円形状等として形成してもよい。また、各パネル部21,22を形成する材料は特に限定されないが、自重でたわまない程度の剛性を有し、軽い素材で形成されることが好ましい。このような材料としては、発泡スチロールを好ましく例示することができる。なお、各パネル部21,22をアクリル板や金属板、木材板、段ボール、厚紙によって形成してもよい。
【0016】
飛散防止具本体2が有する連結部23は、一方のパネル部21の一の側縁21aと、他方のパネル部22の一の側縁22aとの間に接続配置される部材であり、この連結部23は、各パネル部21,22を該連結部23を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉自在に構成する。本実施形態においては、連結部23は、可撓性を有するシート状部材24により構成している。より具体的には、一方のパネル部21の一の側縁21aと、他方のパネル部22の一の側縁22aとを対向させて、互いに所定間隔をあけて配置される一対のパネル部21,22の他方面側にシート状部材24を貼着することにより、所定間隔をあけて配置される一対のパネル部21,22の間部分にシート状部材24からなる連結部23が形成されている。また、
図3に示す一方のパネル部21の一の側縁21aと、他方のパネル部22の一の側縁22aとの間隔は、衝立用飛沫飛散防止具1が設置される衝立パネルZの厚みよりも大きい寸法として設定されることが好ましい。一般的に、衝立パネルZは、2mm、3mm、5mm、6mmの厚み寸法を有するものが多いため、これら全ての厚み寸法を有する衝立パネルZに対応するために、一方のパネル部21の一の側縁21aと、他方のパネル部22の一の側縁22aとの間隔としては、7mm程度の寸法として構成することが好ましい。ここで、
図1~
図4に示す衝立用飛沫飛散防止具1においては、シート状部材24は、互いに所定間隔をあけて配置される一対のパネル部21,22の他方面側の表面全域を被覆する大きさとして構成されている。これにより、各パネル部21,22がシート状部材24によって保護され強度向上を図ることができる。
【0017】
設置部3は、飛散防止具本体2に固定され、衝立パネルZの上辺部を挟持可能な部材であり、
図1から
図4に示す衝立用飛沫飛散防止具1の構成においては、当該設置部3を所定間隔をあけて2つ備えて形成されている。設置部3は、一対のパネル部21,22の一方面側に配置され、一方のパネル部21の一の側縁21a近傍に固定される第1挟持部31と、他方のパネル部22の一の側縁22a近傍に固定される第2挟持部35とを備えており、
図1に示すように、第1挟持部31と第2挟持部35とにより、衝立パネルZの上辺部を挟み込み可能に構成されている。設置部3を形成する材料については、特に限定されないが、強度及び軽量化の観点からプラスチック等の樹脂素材から形成することが好ましい。なお、設置部3は、金属材料や木材から形成してもよい。
【0018】
第1挟持部31は、
図1~
図4に示すように、第1突出部32と第1基台部33とを備えており、第2挟持部35は、第2突出部36と第2基台部37とを備えている。第1基台部33は、一方のパネル部21の一方面上に固定される部材であり、同様に、第2基台部37は、他方のパネル部22の一方面上に固定される部材である。また、第1基台部33の一端部は、一方のパネル部21の一の側縁21aに近接する位置に配置されており、当該一端部に棒状の第1突出部32が接続している。同様に、第2基台部37の一端部は、他方のパネル部22の一の側縁22aに近接する位置に配置されており、当該一端部に棒状の第2突出部36が接続している。なお、第1突出部32及び第2突出部36は、角柱状に形成されることが好ましい。
【0019】
第1挟持部31が有する第1突出部32は、一方のパネル部21の一方面から離隔する方向であって、かつ、一方のパネル部21の一の側縁21a外方に向かって突出するように構成されている。同様に、第2挟持部35が有する第2突出部36は、他方のパネル部22の一方面から離隔する方向であって、かつ、他方のパネル部22の一の側縁22a外方に向かって突出するように構成されている。第1突出部32及び第2突出部36は、
図3に示すように、一対のパネル部21,22が展開状態となる場合において、側面視においてクロスするように構成されており、
図1に示すように、このような第1突出部32と第2突出部36との間に衝立パネルZの上辺部を介在させて、設置部3は衝立パネルZの上辺部を挟み込んで設置される。
【0020】
また、本実施形態においては、各パネル部21,22を連結部23を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉する際に、第1突出部32と第2突出部36とは、互いに干渉しない位置にそれぞれ配置されている。より具体的には、第1突出部32と第2突出部36とは、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向に沿って、互いに位置を異ならせて配置されている。このような構成を採用することにより、
図3の側面図に示すように、第1突出部32と第2突出部36とは互いに干渉せずに、連結部23を支点として各パネル部21,22が同一平面を形成する展開状態を形作らせることができる。ここで、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向に沿って設置位置を異ならされて配置される第1突出部32と第2突出部36とは、安定的に衝立パネルZの上辺部を挟持するという観点から、連結部23を支点として各パネル部21,22を折畳み状態から展開状態に変化させる際に第1突出部32と第2突出部36とが摺接するような位置関係として配置されることが好ましい。
【0021】
上述のように構成される衝立用飛沫飛散防止具1の作動について以下説明する。まず、
図5(a)の側面図に示すように一対のパネル部21,22が展開状態となっており、第1突出部32及び第2突出部36が側面視においてクロスしている衝立用飛沫飛散防止具1の各パネル部21,22を手指にて把持し、
図5(b)に示すように、連結部23を支点として、各パネル部21,22の各他方面側が対向するように変形させ、第1突出部32と第2突出部36との間に、衝立パネルZの厚み寸法以上の間隙を形成する。その後、
図5(c)に示すように、第1突出部32と第2突出部36との間に衝立パネルZの上辺部を挿入するように、衝立用飛沫飛散防止具1を移動させ、起立している衝立パネルZの上辺部側縁上に連結部23(一方のパネル部21の一の側縁21aと、当該側縁21aに対向する他方のパネル部22の一の側縁22aとの間の部分)を載置する。衝立パネルZの上辺部側縁上に連結部23を載置した後、各パネル部21,22を把持していた手指を離すことにより、各パネル部21,22の自重によって、当該各パネル部21,22は、連結部23を支点として互いに開く方向側に移動し、
図1に示すように、第1突出部32と第2突出部36とにより衝立パネルZの上辺部を挟み込み、飛散防止具本体2が衝立パネルZの上辺部よりも上方側に配置された状態で衝立用飛沫飛散防止具1は設置される。なお、衝立用飛沫飛散防止具1を衝立パネルZから取り外す場合には、衝立用飛沫飛散防止具1を上方側に持ち上げることにより行う。
【0022】
ここで、第1挟持部31(第1突出部32)と第2挟持部35(第2突出部36)とにより衝立パネルZの上辺部を挟み込むことにより設置部3を衝立パネルZの上辺部に設置した場合において、
図1に示すように、各パネル部21,22の一方面は、衝立パネルZのパネル面Z1との間で90°以上135°以下の角度θを成すように構成することが好ましい。なお、このような角度範囲は、第1突出部32や第2突出部36の長さ寸法や突出角度(各パネル部21,22の一方面と第1突出部32(第2突出部36)の突出方向との間で形成される角度)を適宜変更することにより調整することができる。
【0023】
このような衝立用飛沫飛散防止具1によれば、例えば、衝立パネルZの手前側に座っている人の通常呼吸の呼気や会話時の呼気、くしゃみやせきに含まれる飛沫が、衝立パネルZの上部を超えて、衝立パネルZの奥に座っている人側に到達してしまうことを効果的に抑制することが可能となる。より具体的には、
図1の矢印で示すように、衝立パネルZに向かう空気の流れは、本発明に係る衝立用飛沫飛散防止具1によって、その向きが反転され、衝立パネルZから離れる方向に向かって流れることになるため、飛沫を含む空気が、衝立パネルZの上部を超えて、衝立パネルZの奥に座っている人側に到達することを効果的に防止することになる。
【0024】
また、本発明に係る衝立用飛沫飛散防止具1は、上述のような構成を有しているため、衝立パネルZの上辺部への装着及び取り外しが極めて容易である。また、設置部3(第1挟持部31と第2挟持部35)により衝立パネルZの上辺部を挟み込むように構成されているため、様々な厚み寸法を有する衝立パネルZに対しても安定的に設置することが可能となる。更に、異なる厚み寸法を有する衝立パネルZごとに、その厚み寸法に適した構成のものを複数取りそろえる必要がなく、極めて経済的であるという効果も有する。
【0025】
また、本実施形態に係る衝立用飛沫飛散防止具1においては、第1突出部32と第2突出部36とは、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向に沿って、互いに位置を異ならせて配置されている。このような構成を有することにより、一対のパネル部21,22を平面状に展開することが可能となり、使用しない場合の保管スペースの省スペース化を図ることができ、また、保管時に損傷することを効果的に抑制することができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態に係る衝立用飛沫飛散防止具1について説明したが、衝立用飛沫飛散防止具1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態においては、設置部3を2つ備えるように構成されておるが、設置部3の数は、特に限定されず、1つの設置部3を備えるように衝立用飛沫飛散防止具1を構成してもよく、あるいは、3つ以上の設置部3を備えるように衝立用飛沫飛散防止具1を構成してもよい。なお、設置部3を1つ備えるように衝立用飛沫飛散防止具1を構成する場合、該設置部3を配置する位置は、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向の中央部に設定することが好ましい。
【0027】
また、上記実施形態においては、各パネル部21,22を連結部23を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉する際に、第1突出部32と第2突出部36とは、互いに干渉しない位置にそれぞれ配置されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、各パネル部21,22を連結部23を支点として折畳み状態から展開状態へと開く際に、第1突出部32と第2突出部36とが互いに干渉する位置となるように、第1突出部32と第2突出部36を配置してもよい。より具体的に説明すると、
図6(a)の底面図(
図4に相当)に示すように、第1突出部32と第2突出部36とは、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向に沿って、同一の位置となるように配置されてもよい。このような構成の場合、
図6(b)の側面図に示すように、連結部23を支点として一対のパネル部21,22を折畳み状態から展開状態へと変化させる際に、各パネル部21,22は所定角度開いた段階で第1突出部32と第2突出部36とが互いに干渉して、各パネル部21,22はその所定角度以上に展開することができなくなるが、衝立パネルZを第1突出部32と第2突出部36によって挟持する場合に、
図7(a)(b)に示すように、第1突出部32、衝立パネルZの挟持部分、第2突出部36が、一直線上に並ぶので、衝立パネルZの一方面と他方面とを同じ位置で第1突出部32と第2突出部36によって挟持することが可能となり、より一層しっかりとした挟持固定状態を得ることができ、例えば、飛散防止具本体2の上部に何らかの物を載置し、加重が設置部3に作用しても、衝立用飛沫飛散防止具1が衝立パネルZ上からずれ落ちることを効果的に防止することができる。ここで、
図7(a)は、側面図であり、
図7(b)は、
図7(a)におけるC-C断面を示す断面図である。
【0028】
また、上記実施形態においては、連結部23を形成するためのシート状部材24として、互いに所定間隔をあけて配置される一対のパネル部21,22の他方面側の表面全域を被覆する大きさのものを採用しているが、このような構成に限定されるものではなく、一対のパネル部21,22を他方面側からみた平面図である
図8(a)に示すように、所定間隔をあけて配置される一方のパネル部21の一の側縁21aと、他方のパネル部22の一の側縁22aとの間を接続するとともに、一対のパネル部21,22の他方面側の一部分を被覆する大きさのものを採用してもよい。また、このように一対のパネル部21,22の他方面側の一部分を被覆する大きさのシート状部材24を採用する場合、
図8(b)の平面図に示すように、一対のパネル部21,22において互いに対向する側縁21a,22aの長手方向に沿って複数個所に所定の大きさのシート状部材24を貼着するように構成してもよい。
【0029】
また、上記実施形態において、第1突出部32及び第2突出部36の衝立パネルZ当接部分に、滑り止め機能を付与するように構成してもよい。例えば、第1突出部32及び第2突出部36において衝立パネルZと当接する部分に、ゴム製シートを貼着等することにより滑り止め機能を付与することができる。なお、このようなゴム製シートを第1突出部32及び第2突出部36の衝立パネルZ当接部分に設ける構成を採用する場合、衝立パネルZに傷がつくことを効果的に防止することもできる。
【0030】
また、第1突出部32及び第2突出部36の衝立パネルZ当接部分に滑り性を良好化するようなシート部材を貼着してもよい。滑り性を良好化するようなシート部材を第1突出部32や第2突出部36に貼着することにより、衝立用飛沫飛散防止具1を衝立パネルZに設置した後、上辺部に沿って衝立用飛沫飛散防止具1を摺動させてその位置を変更させることが容易になる。滑り性を良好化するようなシート部材としては、摩擦抵抗が小さいシート部材であれば特に限定されないが、例えば、PETフィルム等の基材フィルム上にシリコン含有樹脂を一面に塗布したようなシート部材を採用することができる。
【0031】
また、上記実施形態においては、可撓性を有するシート状部材24によって連結部23を形成しているが、このような構成に特に限定されず、所定間隔をあけて配置される一対のパネル部21,22を連結するとともに、該一対のパネル部21,22が連結部23を支点として開閉自在となるような部材であれば、連結部23として採用することができる。例えば、一対のパネル部21,22を他方面側からみた平面図である
図9に示すように、連結部23として丁番(蝶番)を採用することができる。
【0032】
また、上記実施形態においては、載置面等上に載置された一対のパネル部21,22の他方面側にシート状部材24を貼着する構成を有しているが、シート状部材24の貼着面は、一対のパネル部21,22の他方面側に特に限定されず、設置部3が固定される面、つまり、一対のパネル部21,22の一方面側にシート状部材24を貼着するようにして構成してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 衝立用飛沫飛散防止具
2 飛散防止具本体
21 一方のパネル部
21a 一方のパネル部の一の側縁
22 他方のパネル部
22a 他方のパネル部の一の側縁
23 連結部
24 シート状部材
3 設置部
31 第1挟持部
32 第1突出部
33 第1基台部
35 第2挟持部
36 第2突出部
37 第2基台部
Z 衝立パネル
Z1 衝立パネルのパネル面
【要約】
【課題】唾液等の飛沫が衝立パネルの上部分を乗り越えてしまうことを効果的に防止することができる衝立用飛沫飛散防止具を提供する。
【解決手段】起立した衝立パネルの上辺部に設置される衝立用飛沫飛散防止具であって、前記上辺部よりも上方側に配置される飛散防止具本体と、前記飛散防止具本体に固定され、前記上辺部を挟持可能な設置部とを備えており、前記飛散防止具本体は、一対のパネル部と、連結部とを備えており、前記連結部は、一方のパネル部の一の側縁と、他方のパネル部の一の側縁との間に接続配置され、前記各パネル部を前記連結部を支点とした展開状態と折畳み状態とに開閉自在に構成し、前記設置部は、前記一対のパネル部の一方面側に配置され、前記一方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第1挟持部と、前記他方のパネル部の前記一の側縁近傍に固定される第2挟持部とを備えており、前記第1挟持部と前記第2挟持部とにより前記上辺部を挟み込み可能に構成されていることを特徴とする衝立用飛沫飛散防止具。
【選択図】
図1