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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】モップヘッド
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/24 20060101AFI20220207BHJP
   A47L 13/254 20060101ALI20220207BHJP
【FI】
A47L13/24 A
A47L13/254
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021068384
(22)【出願日】2021-04-14
【審査請求日】2021-04-15
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514294049
【氏名又は名称】伊藤 晶子
(74)【代理人】
【識別番号】510090069
【氏名又は名称】伊藤 昇
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晶子
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-311954(JP,A)
【文献】特開2005-000601(JP,A)
【文献】登録実用新案第3019135(JP,U)
【文献】特表2003-523240(JP,A)
【文献】特開平09-224896(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194573(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0121416(KR,A)
【文献】特開2005-342258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/24
A47L 13/254
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部中央に揺動自在の長柄を取り付けたプレートと、該プレートの下部に取り付けたクッション性のある材質で下面が平面で平坦なベースとからなり、該ベースの長辺側からベース下面を巻き込むように装着された清掃用シートで床上の埃を拭って捕集する方形状のモップヘッドであって、長辺方向の幅寸法がベース長辺寸法の50%~80%で、ベース長辺の端面より内側方向に一定寸法の奥行、ベース下面から一定寸法の深さを有する凹部をベースの長辺の各両端部(耳部)を除いてベース長辺の二辺の各端縁部中央付近に形成したベースを有するモップヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部中央に揺動自在の長柄を取り付けたプレートと該プレートの下部に取り付けたクッション性のある材質を有し下面が平面で平坦な方形状のベースとからなり、市販されている清掃用シートで該ベース下面を長辺側から巻き込むように装着して使用するフローリング用モップのモップヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモップッヘドにおいては、埃は主にベース下面の端面近傍で捕集されて集積保持されるため埃の捕集量が多くなると捕集された埃はベース端面から外側に飛び出して集積保持され外部に接触し剥がれ落ちやすく、また外部の接触面の状態(例えばザラツキがある)によっては多量に剥がれ落ちるため清掃作業は非効率となっている。
【0003】
下記文献1に、清掃用シートとして使用するエレクトレット化された不織布は周辺部において静電気力が強いため清掃面が均一に埃を吸着保持し得るように該シートを取り付けるベース(支持具)の端縁部に傾斜又は曲率部が形成された清掃具が掲載されている。
【0004】
さらに下記文献2には、湾曲し階段状に段差部を設けた下面を有するベース本体に不織布シートが装着されており、汚れの掻き取りは各段差部に接し分散して構成された掻き取り個所W1、W2、W3で行われるため汚れの捕集効率を向上させることができるという主旨の清掃用具が掲載されているが、本方式によると側部18A、18Bの段差部21の掻き取り個所W1で大部分の埃が捕集されてしまうことが推定されるため掻き取り個所W2、W3の効果が少ないこと、およびW1で掻き取り捕集された汚れは多くなると側部18A、18Bの外側に飛び出した状態で保持され外部に触れて剥がれ落ちることが考えられ、ベース体18が単に平坦状である従来の清掃用具に対する優位性が推察できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-305049
【文献】実開平6-311954
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のモップヘッドにおいて、ベース端面から外側に飛び出して集積保持された埃が床上の壁や置物等に接触しベースから剥がれ落ちる不具合を防止することにより多くの埃を効率よく捕集するとともに壁際の角部の床上の埃も従来のモップヘッドと同様に捕集できるフローリング用のモップヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
・請求項1の発明は、上部中央に揺動自在の長柄を取り付けたプレートと、該プレートの下部に取り付けたクッション性のある材質で下面が平面で平坦なベースとからなり、該ベースの長辺側からベース下面を巻き込むように装着された清掃用シートで床上の埃を拭って捕集する方形状のモップヘッドであって、長辺方向の幅寸法がベース長辺寸法の50%~80%で、ベース長辺の端面より内側方向に一定寸法の奥行、ベース下面から一定寸法の深さを有する凹部をベースの長辺の各両端部(耳部)を除いてベース長辺の二辺の各端縁部中央付近に形成したベースを有するモップヘッドである。
【0008】
・清掃用シートとは、フローリング用モップヘッド等に巻き込んで装着し床上を拭うことにより付着した埃を捕集する通常市販されている不織布シートである。
・長柄とは、モップヘッドの上部中央にジョイント等で揺動自在に取り付けられたアルミ合金製又はプラスチック製で1m強の長さの寸法を有し、使用者が把持し操作する柄である。
・プレートとは、モップヘッド本体の骨格をなし、方形状で上部に長柄、下部にベースを取り付けるための枠の役目をするもので主にプラスチック製でありサイズとして長辺200~300mm、短辺は80~100mmが好ましい。
・ベースとは、発泡ウレタン、発泡ポリエチレン、シリコンラバー、ゴムスポンジ等の材料で構成されており上記プレート下部に取り付けられ、全周辺において該プレートより3mm~5mm飛び出すサイズの方形状を有し下面は平面で平坦であり清掃時には清掃用シートを介して床面の埃を拭うため、床に確実に接しかつ床や壁に損傷を与えないためクッション性の材質を有している。
端縁部とは、端面近辺の部分をいう。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、平面で平坦な下面を有した方形状のベースに市販の清掃用シートを巻き込むように装着して床上の埃を捕集する(拭き取る)モップであって、ベース端縁部に凹部を設けることにより該凹部内において埃を捕集するベース端面下部の拭い部がベース内側に移動し凹部端面下部の拭い部となり、該凹部端面から飛び出して捕集、保持された埃は、ベース端面にガードされるため壁や置物に触れて剥がれ落ちることが少なく、かつ凹部の個所で形成された清掃用シートの傾斜部で該埃の上部が部分的に接触するためより多くの埃が安定して保持されるとともに請求項1においては、凹部の形成されないベース下面4隅の耳部により、また他の形態においては凹部の形成されていない他のベース長辺によって壁際等の床の角部も確実に清掃されるため効率よい清掃作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】請求項1の発明を実施するためのモップヘドの正面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1の側面図である。
図4図3の下面図である。
図5図2におけるA部の拡大図で埃の保持状態を示す。
図6図4において埃の保持状態を示す下面図である。
図7】従来のモップヘッドの側面図である。
図8】従来のモップヘッドの下面図である。
図9図7におけるB部の拡大図であり埃の保持状態を示す。
図10】埃の保持状態を示す従来のモップヘッドの下面図である。
図11】他の形態の実施例の側面図である。
図12】他の形態の実施例の下面図である。
図13図11におけるC部の拡大図であり埃の保持状態を示す。
図14図12において埃の保持状態を示す下面図である。
図15】ベースの凹部が形成された端縁部による壁際の清掃時の側面図である。
図16】凹部が形成されていない端縁部による壁際の清掃時の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、請求項1の発明を実施するためのモップヘッド1の正面図(本図には清掃用シート4は省略されている)で、上部に揺動自在の長柄8を取り付けたプレート6の下部にはクッション性のある材質で下面5が平面で平坦な方形状のベース2が取り付けられており、図2図4図5に示すように該ベース2の左右の長辺側の端縁部の中央部付近にベース端面7から下面5の内方向に奥行W、幅L、深さHの凹部3を設けて、該凹部3の凹部端面14と下面5により図2に示す略直角状の拭い部19を形成しており、該拭い部19は図7に示す従来のモップヘドのベース端面による拭い部27を内側にW分移動した構成となっている。
【0012】
図2図1のA-A 断面図で清掃用シート4をベース2の長辺側からベース下面を巻き込んで取り付けると、凹部3の幅Lの範囲内において図5に示すように傾斜部Sが形成される。図3は請求項1の発明を実施するための図1の側面図であり、図4図3の下面図(本図には清掃用シート4は省略されている)でベース2の左右長辺側の中央部付近に形成された凹部3と、4隅に該凹部3が形成されていない耳部9を示しており、該耳部9は後の段落0017で述べるように主に壁際の清掃時に必要である。
【0013】
図5図2のA部の拡大図で、捕集された埃15-1は主に凹部端面14の近傍のベース下面5内に集積保持された埃、15-2は該端面14より凹部3内の傾斜部Sで仕切られた空間K1内に飛び出して保持された埃を示しており、該埃15-2の上側の一部が傾斜部Sと接触しており従来のモップヘッドのように略直角状に形成された清掃用シートに捕集された埃に比べて安定して保持されると同時にベース端面7でガードされ外部に触れて剥がれ落ちることは少なくなる。図6はベース下面5における上記の埃の集積保持状態を示しており、15-3は耳部9のベース端面7から飛び出して保持された埃を示す。
【0014】
図7は従来のモップヘッド10の側面図でプレート11の下部には平面で平坦な方形状のベース12が取り付けられ清掃用シート4は該ベース12を巻き込むように装着されており拭い部27を介して床上の埃を捕集する。図8は従来のモップヘッドの下面図である。
【0015】
図9図7のB部の拡大図を示し、従来のモップヘッド10による床上清掃後のベース12の下面13の端縁部に集積保持された埃16-1およびベース端面17から飛び出して保持されている埃16-2の状態を示しており、図10は上記埃の集積保持された状態を示す下面図で、埃16-2は外部に接触して剥がれやすい状態となっている。
【0016】
図11他の形態を実施するためのモップヘッド20の側面図、図12は下面図で、請求項1の実施形態との違いは凹部の長さであり他の形態においてはベース長辺の一辺のみに端縁部全長にわたって形成されており、変形体としてベース長辺の両辺に凹部を形成することも考えられる。
図13図11のC部の拡大図で図5に示す請求項1の実施形態とその構成は同じであり、捕集した埃の保持状態は請求項1の実施形態と同様即ち18-1はベース下面25内に保持された埃、18-2は凹部端面22より外側に飛び出し凹部24内の空間K2内に保持された埃を示し、他形態においても請求項1の実施形態と同様に埃18-2は傾斜部Sと一部接触し安定して保持されると同時にベース端面26でベース長辺全長にわたりガードされ外部に触れて剥がれ落ちることは少なくなる。図14はベース下面25における上記埃の集積保持状態を示しており18-3は凹部の形成されていないもう一方のベース長辺の端縁部から飛び出して保持された埃を示し、該端縁部は後の段落[0017]に述べるように主に壁際の角部の清掃に使用する。
【0017】
図15図16は本発明のモップヘッドによる壁際の角部Uの清掃時の作業状態を示し、図15に示すように凹部3により清掃が行われると角部Uに埃が残ってしまうことになるが図16に示すように請求項1の実施形態においては耳部9により、また他の形態の実施例においては凹部の形成されていない他辺で行う事により該角部Uの埃は残すことなく捕集される。
【0018】
上述した説明を請求項1の実施形態に添って要点を整理して再度説明すると、下面が平面で平坦な方形状のベース2の下面5を清掃用シート4で巻き込むように取り付けて使用する従来のフローリング用モップヘッドにおいて捕集された埃は主にベース端縁部付近に集積保持されるが、その量が多くなると図9に示す従来のモップヘッド10においてはベース端面17より外側に飛び出して集積保持される埃も多く、該埃が床と接する壁や床上の家具等に接触して剥がれ落ちやすく、また接触する面の状態によっては(例えばザラツキがある)多量の該埃が剥がれ落ちるため清掃作業の効率が落ちるという問題があり、そこで本発明に示すようにベース端縁部に凹部3を設けることにより下面5と凹部端面14により、従来のモップヘッドの拭い部27と同様の略直角状の拭い部19をベース内側方向Wの位置に形成し、かつ清掃用シート4で凹部の個所において形成した傾斜部Sによって仕切られた空間K1を構成することにより、拭い部19によって捕集された埃は主に下面5の凹部端面14の近傍に集積保持されるが、該端面14より外側に飛び出した埃15-2は空間K1内において傾斜部Sの一部と接触し安定して保持されると同時にベース端面7によりガードされて壁や家具に触れることが無く従って剥がれ落ちることが少なくなり多くの埃が効率よく捕集でき、またベース端縁部に凹部3が形成されていない耳部9により壁際等の床上の埃も残すことなく捕集される。
【0019】
次に、凹部3と耳部9について補足説明を行うと、前述の“課題を解決するための手段”にも示しましたように耳部には凹部が形成されていないため清掃時ベースの耳部を壁際の角部に隙間なくぴったりと接触でき該角部の埃を確実に拭う機能を有しており、また図4
過ぎると壁際の埃の捕集能力が低下すると同時に壁に押し付けた際に変形しやすく、逆に大き過ぎると凹部3に捕集される埃の量が少なくなる等の不具合が生ずるため、市販のモ
【実施例
【0020】
ベースサイズ長辺260mm、短辺100mmのモップヘッドで、請求項1の実施形態においては奥行W15mm、幅L180mm、深さH5mmの略寸法の凹部を、他形態の実施例においては請求項1の実施形態と同サイズのモップヘッドに同サイズの奥行、深さの凹部を長辺の一辺の全長に形成したモップヘッドで実施し良好な結果を得た。
【符号の説明】
【0021】
1 モップヘッド
2 ベース
3 凹部
4 清掃用シート
5 ベース下面
6 プレート
7 ベース端面
8 長柄
9 耳部
10 モップヘッド
11 プレート
12 ベース
13 ベース下面
14 凹部端面
15-1 埃
15-2 埃
15-3 埃
16-1 埃
16-2 埃
17 ベース端面
18-1 埃
18-2 埃
18-3 埃
19 拭い部
20 モップヘッド
21 ベース
23 プレート
22 凹部端面
24 凹部
26 ベース端面
27 拭い部
28 拭い部
A 端縁部
B 端縁部
C 端縁部
K1 空間
K2 空間
L 凹部幅
l 耳部長さ
H 凹部深さ
W 凹部奥行
S 傾斜部
U 角部
【要約】      (修正有)
【課題】床上の埃を拭いながら捕集する平面で平坦な方形状のモップヘッドであって、ベース下面に捕集されて該ベースの外側に飛び出した状態で保持された埃が壁や床上の置物に触れて剥がれ落ちることなく安定して保持されるとともに壁際の角部の床上の埃も従来のモップヘッドと同様に捕集する効率の良いモップヘッドを提供する。
【解決手段】上部中央に揺動自在の長柄を取り付けたプレート6と、該プレート6の下部に取り付けたクッション性のある材質で下面が平面で平坦なベース2とからなり、該ベース2の長辺側からベース下面5を巻き込むように装着された清掃用シートで床上の埃を拭って捕集する方形状のモップヘッド1であって、長辺方向の幅寸法がベース長辺寸法の50%~80%でベース端面より内側方向に5mm~20mmの奥行、ベース下面5から3mm~8mmの深さの凹部3を長辺側の端縁部中央部に1カ所以上形成したベース2を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16