(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】照明器具支持具、照明器具支持構造、及び、照明器具セット
(51)【国際特許分類】
F21V 21/116 20060101AFI20220106BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20220106BHJP
F21V 21/14 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
F21V21/116 100
F21V21/00 130
F21V21/00 110
F21V21/14
(21)【出願番号】P 2017213126
(22)【出願日】2017-11-02
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501111142
【氏名又は名称】株式会社タチバナ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 徹
(72)【発明者】
【氏名】尾身 隆
(72)【発明者】
【氏名】海路 博司
(72)【発明者】
【氏名】森 昌仁
(72)【発明者】
【氏名】浮田 和彦
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-026054(JP,A)
【文献】米国特許第06283617(US,B1)
【文献】特開2011-086561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/116
F21V 21/00
F21V 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具を設置面に対して取り付けるための照明器具支持具であって、
前記設置面に取り付けられる第一部分と、
前記照明器具を支持する一対の第二部分と、を備え、
前記一対の第二部分のそれぞれに、前記突起部のいずれかを受入可能な支持部が設けられており、
前記支持部は、前記第一部分が前記設置面に取り付けられた状態で前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部を受け入れたときに、前記照明器具を支持可能に構成されて
おり、
前記支持部は、前記第二部分に前記照明器具を固定するための固定部としても機能し、
前記支持部は、上方に向かって開口する溝を有している照明器具支持具。
【請求項2】
前記第二部分に、前記突起部を前記支持部に案内する案内部が設けられている請求項1に記載の照明器具支持具。
【請求項3】
前記第一部分は、前記設置面に当接させる当接部と、前記設置面に当接させない非当接部と、を備えている請求項1又は2に記載の照明器具支持具。
【請求項4】
前記第一部分は、左右両側に配置された2つの前記当接部の間に、前記設置面と反対側の方向に突出する前記非当接部が配置されている請求項3に記載の照明器具支持具。
【請求項5】
前記2つの当接部のそれぞれには、前記第一部分を前記設置面に取り付けるためのボルトを挿通するための挿通孔が設けられており、2つの前記挿通孔は、互いに直交する方向に延びる長穴で形成されている請求項4に記載の照明器具支持具。
【請求項6】
前記支持部は、前記一対の突起部を受け入れたときに、前記一対の突起部を回転可能に支持するように構成されている請求項
1~5のいずれか一項に記載の照明器具支持具。
【請求項7】
請求項
1に記載の照明器具支持具を介して、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具が設置面に対して取り付けられている照明器具支持構造であって、
前記第一部分が前記設置面に取り付けられ、
前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部が受け入れられた状態で、前記第二部分に前記照明器具が固定されている照明器具支持構造。
【請求項8】
請求項
6に記載の照明器具支持具を介して、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具が設置面に対して取り付けられている照明器具支持構造であって、
前記第一部分が前記設置面に取り付けられ、
前記一対の突起部のうち前記支持部に受け入れさせる部分は、前記照明器具の重心線上に配置されており、
前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部が受け入れられた状態で、前記第二部分に前記照明器具が固定されている照明器具支持構造。
【請求項9】
前記一対の突起部がボルトで構成されており、
ナットを用いて前記第二部分に前記照明器具が固定されている請求項
7又は8に記載の照明器具支持構造。
【請求項10】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の照明器具支持具と、
互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具と、を備える照明器具セット。
【請求項11】
前記照明器具の前記一対の突起部のうち前記支持部に受け入れさせる部分は、前記照明器具の重心線上に配置されている請求項
10に記載の照明器具セット。
【請求項12】
前記一対の突起部はボルトで構成され、ナットを用いて前記第二部分に前記照明器具を固定可能になっている請求項
10又は11に記載の照明器具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具を設置面に対して取り付けるための照明器具支持具と、当該照明器具支持具を介して、照明器具が設置面に対して取り付けられている照明器具支持構造と、照明器具セットと、に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具をトンネル等の壁面に取付けるための支持具として、例えば特開2013-101793号公報(特許文献1)には、壁面の形状に適合し、且つ、取り付けた照明器具が所望の方向に向くような形状に形成した金具が開示されている。このような金具を用いることで、所望の方向を向く状態で照明器具を設置面に対して取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の支持具は、照明器具に設けられた取付部と支持具とを重ねあわせて、両者をボルト及びナットにより挟み込むことで、支持具に対して照明器具を取り付ける構成となっている。この場合、重量のある照明器具を作業者が支えた状態でボルトの締め付け等の取付作業を行わなければならず、作業者への負荷が大きくなる。
【0005】
また、壁面の形状や照明器具が向くべき方向は多種多様であるため、その都度目的に合う金具を製作する必要があり汎用性に欠ける。これに対し、微調整を可能にして汎用性を高めるべく、複数の部材を連結させるようにして、部材間の連結部で微調整を行えるようにすることも行われているが、部材点数が多くなってしまい、構造が複雑となったりコストが嵩むことになる。
【0006】
その他にも、経年劣化等によりボルトが脱落して照明器具が落下するおそれがあるため、壁面から延びるワイヤーに照明器具を連結させる等の照明器具の落下防止構造が別途必要となってしまう。
【0007】
そこで、より簡素な構造で簡易に照明器具を設置面に対して取り付け可能な照明器具支持具、照明器具支持構造、及び、照明器具セットが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具支持具は、
互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具を設置面に対して取り付けるための照明器具支持具であって、
前記設置面に取り付けられる第一部分と、
前記照明器具を支持する一対の第二部分と、を備え、
前記一対の第二部分のそれぞれに、前記突起部のいずれかを受入可能な支持部が設けられており、
前記支持部は、前記第一部分が前記設置面に取り付けられた状態で前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部を受け入れたときに、前記照明器具を支持可能に構成されており、
前記支持部は、前記第二部分に前記照明器具を固定するための固定部としても機能し、
前記支持部は、上方に向かって開口する溝を有している。
【0009】
この構成によれば、支持部により照明器具を支持させることで、作業者が照明器具を支えることなく取付作業を行うことができる。これにより、取付作業における作業者への負荷を軽減することができて、より簡易に照明器具を設置面に対して取り付けることができる。
さらにこの構成によれば、支持部により照明器具を支持させたまま第二部分に照明器具を固定させられるため、取付作業における作業者への負荷を軽減することができる。また、経年劣化等により固定具が脱落しても、支持部により照明器具が支持されるため、別途照明器具の落下防止構造を設ける必要がない。
【0010】
1つの態様として、前記第二部分に、前記突起部を前記支持部に案内する案内部が設けられていると好適である。
【0011】
この構成によれば、案内部により突起部が支持部に案内されるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0012】
1つの態様として、前記第一部分は、前記設置面に当接させる当接部と、前記設置面に当接させない非当接部と、を備えていると好適である。
【0013】
第一部分を設置面に取り付ける際には、設置面の形状に合わせて第一部分を取り付ける必要があるが、この構成によれば、第一部分に設置面に当接させない非当接部が存在するため、第一部分の全面が設置面に当接する場合に比べ、設置面の形状に合わせて第一部分を設置面に取り付けることを容易に行える。
【0014】
1つの態様として、前記第一部分は、左右両側に配置された2つの前記当接部の間に、前記設置面と反対側の方向に突出する前記非当接部が配置されていると好適である。
【0015】
1つの態様として、前記2つの当接部のそれぞれには、前記第一部分を前記設置面に取り付けるためのボルトを挿通するための挿通孔が設けられており、2つの前記挿通孔は、互いに直交する方向に延びる長穴で形成されていると好適である。
【0016】
1つの態様として、前記支持部は、前記一対の突起部を受け入れたときに、前記一対の突起部を回転可能に支持するように構成されていると好適である。
【0017】
この構成によれば、支持部により照明器具を支持させた状態で照明器具の角度調整が可能になるため、取付作業における作業者への負荷を軽減することができる。また、照明器具が向くべき方向に合う金具を別途製作する必要がなく汎用性を高めることができるため、製作コストを低減することができる。
【0018】
本発明に係る照明器具支持構造は、
上記照明器具支持具を介して、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具が設置面に対して取り付けられている照明器具支持構造であって、
前記第一部分が前記設置面に取り付けられ、
前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部が受け入れられた状態で、前記第二部分に前記照明器具が固定されている。
【0019】
この構成によれば、経年劣化等により固定具が脱落しても、支持部により照明器具が支持されるため、別途照明器具の落下防止構造を設ける必要がなくなる。
【0020】
本発明に係る照明器具支持構造は、
上記照明器具支持具を介して、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具が設置面に対して取り付けられている照明器具支持構造であって、
前記第一部分が前記設置面に取り付けられ、
前記一対の突起部のうち前記支持部に受け入れさせる部分は、前記照明器具の重心線上に配置されており、
前記一対の第二部分のそれぞれの前記支持部により前記一対の突起部が受け入れられた状態で、前記第二部分に前記照明器具が固定されている。
【0021】
この構成によれば、照明器具の重心線を回転軸にして照明器具を回転させられるため、照明器具を回転しやすくでき、且つ、照明器具を所定角度で固定したときの安定性を高めることができる。
【0022】
1つの態様として、前記一対の突起部がボルトで構成されており、ナットを用いて前記第二部分に前記照明器具が固定されていると好適である。
【0023】
この構成によれば、突起部を固定手段としても用いることができ、利便性が高まる。
【0024】
本発明に係る照明器具支持用セットは、
本発明に係る照明器具支持具と、
互いに反対側に向かって突出する一対の突起部を備える照明器具と、を備える。
【0025】
1つの態様として、前記照明器具の前記一対の突起部のうち前記支持部に受け入れさせる部分は、前記照明器具の重心線上に配置されていると好適である。
【0026】
1つの態様として、前記一対の突起部はボルトで構成され、ナットを用いて前記第二部分に前記照明器具を固定可能になっていると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る照明器具支持具、照明器具支持構造、及び、照明器具セットの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態の照明器具支持構造を示し、照明器具支持構造は、照明器具支持具2を介して、照明器具3が設置面(例えばトンネルの内壁面等の照明器具3を設置しようとする面)1に対して取り付けられるものとなっている。
特に、本実施形態の照明器具支持構造は、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部32,32を備える照明器具3を対象とし、かかる照明器具3に適した照明器具支持具2を用いて、一対の突起部32,32を利用して照明器具3を設置面1に対して取り付けるようになっている。以下、そのための構成について詳細に説明する。
【0029】
図1に示すように、照明器具支持具2は、設置面1に取り付けられる第一部分21と、照明器具3を支持する一対の第二部分22,22と、を備えている。より具体的には、本実施形態では、照明器具支持具2は、板状の第一部分21と、第一部分21の両端から第一部分21に対して垂直に延びる板状の第二部分22,22と、を備え、全体として平面視コの字状の形状を呈している。
【0030】
第一部分21について説明すると、
図1,3,4に示すように、第一部分21は、設置面1に当接させる当接部211,211と、設置面に当接させない非当接部212と、を備えている。より詳しくは、第一部分21は、左右両側に配置された2つの当接部211,211の間に、設置面1と反対側の方向に突出する非当接部212が配置された形態となっている。このように、第一部分21に非当接部212が存在することにより、全面が設置面1に当接する場合に比べ、容易に、設置面1の形状に合わせて第一部分21を設置面1に取り付けられるようになっている。また、
図4に示すように、各当接部211,211には、第一部分21を設置面1に取り付けるためのボルト23を挿通するための挿通孔213,214が設けられている。各挿通孔213,214は互いに直交する方向(本実施形態では挿通孔213は上下方向、挿通孔214は水平方向)に延びる長穴で形成されており、これにより、ボルト23により第一部分21を設置面1に取り付けた後も、ボルト23を取り付けたまま、設置面1と垂直な方向(
図4の奥行き方向)に延びる直線を回転軸として第一部分21をわずかに回転させることができ、第一部分21の取付角度の微調整が可能になる。
【0031】
第二部分22について説明すると、
図1,2,3に示すように、一対の第二部分22,22のそれぞれに、突起部32,32のいずれかを受入可能な支持部221,221が設けられている。そして、支持部221,221は、第一部分21が設置面1に取り付けられた状態で一対の第二部分22,22のそれぞれの支持部221,221により一対の突起部32,32を受け入れたときに(例えば
図6の2番目の工程を示す図の状態)、照明器具3を支持可能に構成されている。支持部221,221により照明器具3を支持させることで、作業者が照明器具3を支えることなく取付作業を行うことが可能になっている。
【0032】
なお、支持部221の形状は、第一部分21が設置面1に取り付けられた状態において照明器具3を支持可能なものであれば特に限定されないが、例えば、上方に向かって開口する溝(もしくは切欠き)の形状とすることができる。そして、第一部分21と平行な方向(いわば第一部分21が設置面1に取り付けられたときの設置面1と平行な方向)、もしくは、第一部分21と平行な方向から、開口側の部位が第一部分21に近づく側に傾斜した方向に延びている(もしくは、そのような部分を少なくともその一部に有している)と好ましい。このように構成することにより、第一部分21が、鉛直方向に対して、第一部分21よりも第二部分22,22が下方に位置する側に向かって傾いた場合(例えば
図6に示す状態)でも、突起部32が支持部221に受け入れられた状態を維持することができる。そして、本実施形態では、各支持部221,221は、上方に向かって開口するとともに、第一部分21と平行な方向に延びる溝の形状を有しており、これにより、第一部分21が設置面1に取り付けられた状態で支持部221,221が一対の突起部32,32を受け入れたときに、照明器具3を支持可能になっている。
【0033】
そして、本実施形態では、支持部221,221は、第二部分22,22に照明器具3を固定するための固定部としても機能するようになっている。つまり、支持部221,221により照明器具3を支持させたまま第二部分22,22に照明器具3を固定させるようになっている。これにより、取付作業における作業者への負荷を軽減することができ、また、経年劣化等により第二部分22,22に照明器具3を固定させるための固定具(本実施形態では後述するナット33)が脱落しても、支持部221,221により照明器具3が支持されるため、別途照明器具3の落下防止構造を設ける必要がない。
【0034】
また、支持部221,221は、一対の突起部32,32を受け入れたときに、一対の突起部32,32を回転可能に支持するように構成されている。具体的には、本実施形態では、支持部221の底部221aが弧状に形成されており、これにより、一対の突起部32が支持部221内で回転できるようになっている。このように構成することにより、支持部221,221により照明器具3を仮置きした状態で、作業者が照明器具3を支えることなく照明器具3の角度調整をすることが可能になるため、取付作業における作業者への負荷を軽減することができる。また、照明器具3が向くべき方向に合う金具を別途製作する必要がなく汎用性を高めることができるため、製作コストを低減することができる。
【0035】
さらに、
図2に示すように、第二部分22には、突起部32を支持部221に案内する案内部222が設けられている。具体的には、本実施形態では、案内部222は、支持部221に向かって傾斜する傾斜部で形成されている。案内部222によれば、突起部32が支持部221に案内されるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0036】
そのほか、
図3に示すように、第二部分22,22における第一部分21とは反対側の端縁22a,22aは、先端に向かうにつれて互いの間の距離が拡がる状態で窄むようになっている。これにより、第二部分22,22の間に照明器具3を配置させることが容易になっている。
【0037】
また、照明器具支持具2には樹脂コーティングが施されている。樹脂コーティングは通常の塗装に比べはがれにくいため、後述のように、照明器具3の側面とナット33とで照明器具支持具2(特に第二部分22)を挟み込んで照明器具3を照明器具支持具2に固定する場合にも、より強固に固定することが可能になる。また、照明器具支持具2は、高い耐久性が求められるので、ステンレスなどの耐久性の高い素材が用いられる傾向にあり、一方、照明器具3は軽量化のためにアルミ等の軽量の素材が用いられる傾向にあるなど、照明器具支持具2と照明器具3とで異なる金属素材が用いられる場合があり、樹脂コーティングは、このような異種金属の接触をより効果的に防ぐ役割を果たしている。
【0038】
次に、照明器具3について説明する。
図1に示すように、照明器具3は、前方を照らす照明部31と、互いに反対側に向かって突出する一対の突起部32,32を備えている。
そして、一対の突起部32,32のうち支持部221,221に受け入れさせる部分は、照明器具3の重心線(重心を通る直線。本実施形態では特に側面に垂直な方向の重心線)34上に配置されていると好ましい。このようにすれば、重心線34を回転軸に照明器具3を回転させられるため、照明器具3を回転しやすくでき、且つ、照明器具3を所定角度で固定したときの安定性を高めることができる。なお、本実施形態では、
図5に示すように、一対の突起部32,32は、照明器具3の重心線34に沿って延びるようになっている。また、本実施形態では、一対の突起部32,32がボルトで構成されており、より具体的には、照明器具支持具2の支持部221に載せるボス部321と、ナット33を連結させるネジ部322と、から構成されている。これにより、突起部32のボス部に支持部221を載せた状態でナット33を用いて照明器具3の側面とナット33とで第二部分22を挟み込むことで、第二部分22,22に照明器具3を固定可能になっている。
【0039】
最後に、
図6を例に、照明器具支持具2を介して、照明器具3が設置面1に対して取り付けられている照明器具支持構造を形成する手順の一例について説明する。まず、設置面1に対して照明器具支持具2を取り付けた後、照明器具支持具2の支持部221,221に照明器具3の突起部32,32を受け入れさせて、第二部分22に照明器具3を仮置きする(
図6の1番目及び2番目の工程)。次に、照明器具3を所望の角度まで回転させて(
図6の3番目の工程)、ナット33を締め付けて、照明器具3の側面とナット33とで第二部分22を挟み込んで第二部分22,22に対して照明器具3を固定させる(
図6の4番目の工程)。このようにすることで、第一部分21が設置面1に取り付けられ、一対の第二部分22,22のそれぞれの支持部221,221により一対の突起部32,32が受け入れられた状態で、第二部分22,22に照明器具3が固定されている照明器具支持構造が形成される。
【0040】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る照明器具支持具、照明器具支持構造、及び、照明器具セットのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0041】
(1)上記の実施形態では、第二部分22に案内部222が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、案内部222を設けなくともよい。また、案内部222の構成は、支持部221に向かって傾斜する傾斜部に限定されず、適宜変更可能である。
【0042】
(2)上記の実施形態で示した支持部221の構成はあくまでも例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、一対の突起部32,32を回転可能に支持するための構成は適宜変更可能であり、また、回転可能に支持するように構成されていなくてもよい。また、支持部221の形状は上述したものに限らず、くの字状になっているなど途中で屈曲するようにしてもよいし、溝や切欠きといった構成でなくてもよい。
【0043】
(3)上記の実施形態では、支持部221を、第二部分22に照明器具3を固定するための固定部としても機能させた構成を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、支持部221以外に、照明器具支持具2に照明器具3を固定させるための固定部を設けてもよい。
【0044】
(4)上記の実施形態では、一対の突起部32,32のうち支持部221,221に受け入れさせる部分を、照明器具3の重心線34上に配置した構成を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、一対の突起部32,32は互いに反対側に向かって突出するものであればよく、その構成は適宜変更可能である。また、一対の突起部32,32は、照明器具3に着脱自在であってもよいし、照明器具3と一体に形成されていてもよい。
【0045】
(5)上記の実施形態では、第一部分21が、当接部211,211と非当接部212とを備えた構成を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、例えば第一部分21の左右方向の長さが短い場合などには、第一部分21は非当接部212を備えなくともよい。
【0046】
(6)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、照明器具を設置面に対して取り付けるのに利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 設置面
2 照明器具支持具
21 第一部分
211 当接部
212 非当接部
22 第二部分
221 支持部
222 案内部
3 照明器具
32 突起部
33 ナット
34 重心線