(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】小角度発散を伴うVCSELアレイLIDAR送信機
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20220106BHJP
G01S 7/484 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S7/484
(21)【出願番号】P 2021056628
(22)【出願日】2021-03-30
(62)【分割の表示】P 2020504014の分割
【原出願日】2018-07-06
【審査請求日】2021-03-30
(32)【優先日】2017-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518370091
【氏名又は名称】オプシス テック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. ドノバン
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特許第6865492(JP,B2)
【文献】特開2007-214564(JP,A)
【文献】国際公開第2015/040671(WO,A1)
【文献】特開2004-094115(JP,A)
【文献】特開2009-103529(JP,A)
【文献】特開2010-091855(JP,A)
【文献】特開2009-204691(JP,A)
【文献】特開平07-253460(JP,A)
【文献】特表2003-536061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S17/00-17/95
G01C 3/06- 3/08
G01V 8/00- 8/26
G01B11/00-11/30
H01S 5/00- 5/50
G02B26/10-26/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出および測距(LIDAR)送信機であって、
a)第1の波長で第1の光学ビームを生成する第1の光エミッタと、
b)
前記第1の波長で第2の光学ビームを生成する第2の光エミッタと、
c)第1のレンズであって、前記第1のレンズは、前記第1の光エミッタからある距離において、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記距離は、前記第1のレンズの焦点距離未満であり、前記第1のレンズは、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームをビームウェストを有する収束された光学ビームに収束させる、第1のレンズと、
d)第2のレンズであって、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームを標的範囲に投影し、前記第2のレンズの位置および前記第1の光エミッタの放出幅は、前記LIDAR送信機の第1の所望の視野を前記標的範囲に提供するように構成される、第2のレンズと
を備える、LIDAR送信機。
【請求項2】
前記第2のレンズの位置および前記第2の光エミッタの放出幅は、前記LIDAR送信機の第2の所望の視野を前記標的範囲
に提供するように選定される、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項3】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、同一である、請求項2に記載のLIDAR送信機。
【請求項4】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、異なる、請求項2に記載のLIDAR送信機。
【請求項5】
前記第1のレンズは、前記第1の光エミッタからある距離および前記第2の光エミッタからある距離において、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記距離は、前記第1のレンズの焦点距離未満である、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項6】
前記第1の光エミッタと前記第2の光エミッタとの間のオフセットは、前記標的範囲において前記LIDAR送信機の所望の角分解能を提供するように選定される、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項7】
前記第2のレンズの開口のサイズは、前記収束された光学ビームのビームウェストのサイズと等しい、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項8】
前記第1の光エミッタおよび前記第2の光エミッタのうちの少なくとも1つは、VCSELデバイスを備える、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項9】
前記VCSELデバイスは、1次元VCSELアレイ内に位置付けられる、請求項8に記載のLIDAR送信機。
【請求項10】
前記VCSELデバイスは、2次元VCSELアレイ内に位置付けられる、請求項8に記載のLIDAR送信機。
【請求項11】
前記標的範囲における前記第1の所望の視野は、18度よりも大きい、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項12】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の角分解能は、2.8度未満である、請求項1に記載のLIDAR送信機。
【請求項13】
光検出および測距(LIDAR)送信機であって、
a)第1の波長で第1の光学ビームを生成する第1の光エミッタと、
b)第2の波長で第2の光学ビームを生成する第2の光エミッタと、
c)前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に位置付けられた波長マルチプレクサと、
d)第1のレンズであって、前記第1のレンズは、前記第1の光エミッタからある距離において、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記距離は、前記第1のレンズの焦点距離未満であり、前記第1のレンズは、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームをビームウェストを伴う収束された光学ビームに収束させる、第1のレンズと、
e)第2のレンズであって、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームを標的範囲に投影し、前記第2のレンズの位置および前記第1の光エミッタの放出幅は、前記LIDAR送信機の第1の所望の視野を前記標的範囲に提供するように構成される、第2のレンズと
を備える、LIDAR送信機。
【請求項14】
前記第2のレンズの位置および前記第2の光エミッタの放出幅は、前記LIDAR送信機の第2の所望の視野を前記標的範囲
に提供するように選定される、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項15】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、同一である、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項16】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、異なる、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項17】
前記第1のレンズは、前記第1の光エミッタからある距離および前記第2の光エミッタからある距離において、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記距離は、前記第1のレンズの焦点距離未満である、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項18】
前記第1の光エミッタと前記第2の光エミッタとの間のオフセットは、前記標的範囲において前記LIDAR送信機の所望の角分解能を提供するように選定される、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項19】
前記第2のレンズの開口のサイズは、前記収束された光学ビームのビームウェストのサイズと等しい、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項20】
前記第1の光エミッタおよび前記第2の光エミッタのうちの少なくとも1つは、VCSELデバイスを備える、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項21】
前記VCSELデバイスは、1次元VCSELアレイ内に位置付けられる、請求項20に記載のLIDAR送信機。
【請求項22】
前記VCSELデバイスは、2次元VCSELアレイ内に位置付けられる、請求項20に記載のLIDAR送信機。
【請求項23】
前記標的範囲における前記所望の視野は、18度よりも大きい、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項24】
前記標的範囲における前記LIDAR送信機の角分解能は、2.8度未満である、請求項13に記載のLIDAR送信機。
【請求項25】
光検出および測距(LIDAR)送信の方法であって、前記方法は、
a)第1の光エミッタを使用して、第1の波長で第1の光学ビームを生成することと、
b)第2の光エミッタを使用して、
前記第1の波長で第2の光学ビームを生成することと、
c)前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームに前記第1の光エミッタからある距離に位置付けられている第1のレンズを通過させることによって、前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームをビームウェストを有する収束された光学ビームに収束させることであって、前記距離は、前記第1のレンズの焦点距離未満である、ことと、
d)前記収束された光学ビームに前記第2のレンズを通過させることによって、標的範囲に前記収束された光学ビームを投影することと、
e)前記LIDAR送信の第1の所望の視野を前記標的範囲に提供するように前記第2のレンズの位置および前記第1の光エミッタの放出幅を構成することと
を含む、方法。
【請求項26】
前記LIDAR送信の第2の所望の視野を前記標的範囲
に提供するように前記第2のレンズの位置および前記第2の光エミッタの放出幅を構成することをさらに含む、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項27】
前記標的範囲における前記LIDAR送信の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、同一であるように構成されている、請求項26に記載の光検出および測距の方法。
【請求項28】
前記標的範囲における前記LIDAR送信の前記第1の所望の視野および前記第2の所望の視野は、異なるように構成されている、請求項26に記載の光検出および測距の方法。
【請求項29】
前記標的範囲において前記LIDAR送信の所望の角分解能を提供する、前記第1の光エミッタと前記第2の光エミッタとの間のオフセットを提供することをさらに含む、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項30】
前記第2の光学ビームのパワーよりも大きな前記第1の光学ビームのパワーを提供することをさらに含む、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項31】
前記第2のレンズの開口のサイズは、前記収束された光学ビームのビームウェストのサイズと等しい、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項32】
前記第1の光学ビームおよび前記第2の光学ビームの光学経路内に波長マルチプレクサを位置付けることをさらに含む、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項33】
前記標的範囲における前記所望の視野は、18度よりも大きい、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【請求項34】
前記標的範囲における前記LIDAR送信の角分解能は、2.8度未満である、請求項25に記載の光検出および測距の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書で使用される見出しは、編成目的のみのためのものであって、本願に説明される主題をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
【0002】
(関連出願)
本願は、2017年7月28日に出願され、「VCSEL Array LIDAR Transmitter with Small Angular Divergence」と題された、同時係属中の米国仮特許出願第62/538,149号の非仮出願である。米国特許出願第62/538,149号の全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0003】
(導入)
自律的(自走運転)および半自律的自動車は、周囲の物体の検出および位置特定のために、レーダ、画像認識カメラ、およびソナー等の異なるセンサおよび技術の組み合わせを使用する。これらのセンサは、衝突警告、自動緊急ブレーキ、車線逸脱警告、車線維持支援、アダプティブクルーズコントロール、および自動運転を含む、運転者の安全性における多くの改良を可能にする。これらのセンサ技術の中でも、光検出および測距(LIDAR)システムは、重要な役割を果たし、周囲環境のリアルタイム高分解能3Dマッピングを可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本教示は、光を反射および/または散乱させる種々の物体または標的までの距離を測定する、光検出および測距システム(LIDAR)に関する。LIDARシステムは、小占有面積、高測定分解能、および高検出感度を有することが望ましい。VCSELアレイベースの送信機は、これらの利点を提供する有望性をもたらす。改良が、性能を増加させ、LIDARシステムのサイズ、加重、電力、コスト、および複雑性を低減させるために、これらのVCSELアレイベースのLIDAR送信機の光学設計において必要とされる。一実施例として、コンパクトなパッケージ内の小角度発散を生産する、LIDAR送信機設計が、必要とされる。
【0005】
本教示は、好ましい例示的な実施形態に応じて、そのさらなる利点とともに、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明においてさらに具体的に説明される。当業者は、以下で説明される図面は、説明のみを目的とすることを理解するであろう。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、概して、本教示の原則を説明することに重点が置かれている。図面は、出願人の教示の範囲をどのような点からも制限することを意図しない。本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
光検出および測距(LIDAR)送信機であって、
a)複数の光学ビームを生成する複数の光エミッタと、
b)第1のレンズであって、前記第1のレンズは、前記第1のレンズの焦点距離未満である前記複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、前記複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第1のレンズは、前記複数の光学ビームをビームウェストを有する収束された光学ビームに収束させる、第1のレンズと、
c)第2のレンズであって、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第2のレンズは、前記収束された光学ビームを標的範囲に投影させる、第2のレンズと
を備え、
前記第2のレンズの位置および前記複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、前記LIDAR送信機の所望の視野を前記標的範囲に提供するように構成される、LIDAR送信機。
(項目2)
前記第2のレンズの位置はさらに、前記標的範囲における前記LIDAR送信機の角分解能を減少させるように選定される、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目3)
前記第2のレンズの開口のサイズは、前記収束された光学ビームのビームウェストのサイズと等しい、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目4)
前記複数の光エミッタは、光エミッタのアレイを形成する、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目5)
ある方向における前記収束された光学ビームのビームウェストのサイズは、前記ある方向における前記アレイのサイズ以下である、項目4に記載のLIDAR送信機。
(項目6)
前記光エミッタのアレイの中心光エミッタによって生成された光学ビームおよび前記光エミッタのアレイの最外光エミッタによって生成された光学ビームは、前記第2のレンズの開口を充填する、項目4に記載のLIDAR送信機。
(項目7)
前記複数の光エミッタのうちの少なくとも2つは、異なる波長を伴う光を放出する、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目8)
前記複数の光エミッタは、複数のVCSELデバイスを備える、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目9)
前記複数のVCSELデバイスは、2次元VCSELアレイを備える、項目8に記載のLIDAR送信機。
(項目10)
前記VCSELデバイスは、上部放出型VCSELデバイスとして構成される、項目8に記載のLIDAR送信機。
(項目11)
前記VCSELデバイスは、底部放出型VCSELデバイスとして構成される、項目8に記載のLIDAR送信機。
(項目12)
前記複数の光エミッタは、モノリシックVCSELアレイを備え、前記複数のVCSELデバイスのそれぞれは、共通基板上に形成される、項目8に記載のLIDAR送信機。(項目13)
前記第2のレンズの位置および前記複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、前記LIDAR送信機の所望の視野を18度よりも大きい前記標的範囲に提供するように構成される、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目14)
前記第2のレンズの位置はさらに、前記標的範囲における前記LIDAR送信機の角分解能が、2.8度未満であるように選定される、項目1に記載のLIDAR送信機。
(項目15)
光検出および測距(LIDAR)送信機であって、
a)第1の送信機アレイであって、前記第1の送信機アレイは、第1の複数の光学ビームを生成する第1の複数の光エミッタを備える、第1の送信機アレイと、
b)第1のレンズであって、前記第1のレンズは、前記第1のレンズの焦点距離未満である前記複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、前記第1の複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第1のレンズは、前記第1の複数の光学ビームを収束させ、ビームウェストを伴う第1の収束された光学ビームを形成する、第1のレンズと、
c)第2のレンズであって、前記第2のレンズは、前記第1の収束された光学ビームの光学経路内に位置を有し、前記第2のレンズは、前記第1の収束された光学ビームを標的範囲に投影させ、前記第2のレンズの位置および前記第1の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、前記投影された第1の収束された光学ビームの所望の視野を前記標的範囲に提供するように構成される、第2のレンズと、
d)第2の送信機アレイであって、前記第2の送信機アレイは、第2の複数の光学ビームを生成する第2の複数の光エミッタを備える、第2の送信機アレイと、
e)第3のレンズであって、前記第3のレンズは、前記第3のレンズの焦点距離未満である前記第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、前記第2の複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられ、前記第3のレンズは、前記第2の複数の光学ビームを収束させ、ビームウェストを伴う第2の収束された光学ビームを形成する、第3のレンズと、
f)第4のレンズであって、前記第4のレンズは、前記第2の収束された光学ビームの光学経路内の位置を有し、前記第4のレンズは、前記第2の収束された光学ビームを標的範囲に投影させ、前記第4のレンズの位置および前記第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、前記投影された第2の収束された光学ビームの所望の視野を前記標的範囲に提供するように構成される、第4のレンズと
を備え、
前記第1の送信機アレイの位置および前記第2の送信機アレイの位置は、前記LIDAR送信機の所望の視野を前記標的範囲に提供するように選定される、LIDAR送信機。(項目16)
前記第1の送信機アレイの位置および前記第2の送信機アレイの位置は、均一光学ビームパターンを前記標的範囲に提供するように選定される、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目17)
前記第1の送信機アレイの位置および前記第2の送信機アレイの位置は、前記投影された第1の収束された光学ビームおよび前記投影された第2の収束された光学ビームとの間の間隙を備えるパターンを前記標的範囲に提供するように選定される、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目18)
前記第1の送信機アレイの位置および前記第2の送信機アレイの位置は、前記投影された第1の収束された光学ビームと前記投影された第2の収束された光学ビームとの間の重複を備えるパターンを前記標的範囲に提供するように選定される、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目19)
前記第1の複数の光学ビームの光学経路内の前記第1のレンズの中心の位置は、前記第1の送信機アレイの中心から第1の距離にあり、前記第2の複数の光学ビームの光学経路内の前記第3のレンズの中心の位置は、前記第2の送信機アレイの中心から第2の距離にあり、前記第1の距離および第2の距離は、異なる、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目20)
前記第1の送信機アレイおよび第2の送信機アレイは、共通基板上に位置付けられる、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目21)
第3の複数の光学ビームを生成する第3の複数の光エミッタを備える第3の送信機アレイをさらに備え、前記第1の送信機アレイと前記第2の送信機アレイとの間の距離は、前記第2の送信機アレイと前記第3の送信機アレイとの間の距離と異なる、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目22)
前記第1の送信機アレイ、第2の送信機アレイ、および第3の送信機アレイは、非均一間隔を伴って、共通基板上に位置付けられる、項目21に記載のLIDAR送信機。
(項目23)
前記第1の複数の光エミッタのうちの少なくとも2つは、異なる波長を伴う光を放出する、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目24)
前記第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも2つは、異なる波長を伴う光を放出する、項目23に記載のLIDAR送信機。
(項目25)
前記第1の複数のエミッタのうちの少なくとも1つおよび前記第2の複数のエミッタのうちの少なくとも1つは、異なる波長を伴う光を放出する、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目26)
前記第1の送信機アレイおよび第2の送信機アレイのうちの少なくとも1つは、2次元アレイを備える、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目27)
前記第1の複数の光エミッタまたは第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つは、複数のVCSELデバイスを備える、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目28)
前記複数のVCSELデバイスは、2次元VCSELアレイを備える、項目27に記載のLIDAR送信機。
(項目29)
前記VCSELデバイスは、上部放出型VCSELデバイスである、項目27に記載のLIDAR送信機。
(項目30)
前記VCSELデバイスは、底部放出型VCSELデバイスである、項目27に記載のLIDAR送信機。
(項目31)
前記第2のレンズの位置および前記第1の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、前記投影された第1の収束された光学ビームの所望の視野を18度よりも大きい前記標的範囲に提供するように構成される、項目15に記載のLIDAR送信機。
(項目32)
前記第1の送信機アレイおよび第2の送信機アレイは、前記標的範囲における前記LIDAR送信機の角分解能が、0.25度未満であるように構成される、項目15に記載のLIDAR送信機。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本教示による、LIDARシステムの動作を図示する。
【0007】
【
図2】
図2は、本教示による、2つのレーザを使用したLIDARシステムの実施形態を図示する。
【0008】
【
図3】
図3は、本教示による、LIDAR送信機のためのマルチエミッタレーザ源の実施形態を図示する。
【0009】
【
図4】
図4は、本教示のLIDAR送信機のための照明器の実施形態の断面の略図を図示する。
【0010】
【
図5A】
図5Aは、本教示の単波長2DマルチエミッタLIDAR送信機の実施形態のための測定点群を図示する。
【0011】
【
図5B】
図5Bは、本教示による、2波長2DマルチエミッタLIDAR送信機の実施形態のための測定点群を図示する。
【0012】
【
図6】
図6は、本教示のLIDAR送信機のいくつかの実施形態において使用される先行技術の底部放出型VCSELレーザの構造の概略図の斜視図を図示する。
【0013】
【
図7】
図7は、本教示による、25の別個のレーザエミッタを伴う、2DモノリシックVCSELアレイの実施形態の概略図を図示する。
【0014】
【
図8】
図8は、本教示による、サブ開口を備える25の別個のレーザエミッタを伴う、2DモノリシックVCSELアレイの実施形態の概略図を図示する。
【0015】
【
図9】
図9は、本教示による、単一レンズLIDAR送信機システムにおける、単一エミッタによって投影された光を図示する、概略図を図示する。
【0016】
【
図10】
図10は、本教示による、単一レンズLIDAR送信機システム内の複数のエミッタによって投影された光の概略図を図示する。
【0017】
【
図11A】
図11Aは、高角度発散エミッタを伴う、単一レンズLIDARシステム内の複数のエミッタによって投影された光の拡大図を示す、概略図を図示する。
【0018】
【0019】
【
図12】
図12は、本教示による、小角度発散LIDAR送信機内の光を投影する2レンズ照明器の実施形態の概略図を図示する。
【0020】
【
図13】
図13は、本教示による、複数送信機アレイ小角度発散LIDAR送信機の実施形態の概略図を図示する。
【0021】
【
図14A】
図14Aは、本教示による、単一基板上の複数の送信機アレイを利用する小角度発散LIDAR送信機照明器の拡大図の概略図を図示する。
【0022】
【0023】
【
図15】
図15は、送信機アレイ間の分離の相対的独立性を示す、本教示の小角度発散LIDAR送信機の実施形態のスケーリングされた縮小図の概略図を図示する。
【0024】
【
図16】
図16は、本教示による、複数の送信機アレイを使用した多波長LIDARシステムのための照明器の実施形態を図示する。
【0025】
【
図17】
図17は、
図16に関連して説明される照明器を用いて生成され得る、測定点群を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(様々な実施形態の説明)
ここで、添付の図面に示されているその例示的な実施形態を参照しながら、本教示をより詳細に説明する。本教示は、多様な実施形態および実施例に関連して説明されるが、本教示がそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。そうではなく、本教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。本明細書の本教示を入手する権利を有する当業者は、本明細書に説明される本開示の範囲内にある、追加の実装、修正および実施形態、および他の使用分野を認識するであろう。
【0027】
本明細書では、「一実施形態」または「ある実施形態」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本教示の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。本明細書内の種々の場所における語句「一実施形態では」の表出は、必ずしも全て同一実施形態を参照するわけではない。
【0028】
本教示の方法の個々のステップは、本教示が動作可能のままである限り、任意の順序で実施されることができるおよび/または同時に実施されることができることを理解されたい。さらに、本教示の装置および方法は、本教示が動作可能のままである限り、説明される実施形態の任意の数または全てを含むことができることを理解されたい。
【0029】
図1は、車両に実装される、本教示による、LIDARシステム100の動作を図示する。LIDARシステム100は、標的場面に向かって光源によって生成された光ビーム102を投影する、照明器とも称される、レーザプロジェクタと、その標的場面における人物106として示される物体から反射する光104を受信する、受信機とを含む。LIDARシステムはまた、典型的には、物体106についての距離情報を反射光から算出する、コントローラと、所望の範囲および視野(FOV)を横断して静的パターンであり得る、光の特定のパターンを走査または提供し得る、要素とを含む。受信機およびコントローラは、受信された信号光を、LIDARシステム範囲およびFOV内にある周囲環境の点毎3Dマップを表す、測定値に変換するために使用される。種々の実施形態では、コントローラは、特定の用途に応じて、単純電気回路またはより複雑なプロセッサであることができる。
【0030】
照明器および受信機を形成する、レーザ源および光学ビーム投影手段は、車両108の正面側に位置してもよい。人物106および/または車または電柱等の別の物体は、源から受信機に反射された光を提供し、その物体までの範囲または距離が、決定されるであろう。当技術分野において公知のように、LIDAR受信機は、光源から放出される光パルスの飛行時間測定に基づいて、範囲情報を計算する。加えて、特定の範囲と関連付けられ、源およびプロジェクタシステムの特定の設計に基づく、標的平面内の場面を照明する、光学ビームプロファイルについての公知の情報が、反射表面についての場所情報を決定し、それによって、場面の完全なx、y、zまたは3次元写真を生成するために使用される。言い換えると、周囲環境の点毎3Dマップは、LIDARシステムの視野内の源からの照明を受信機に反射させる全ての表面からの位置情報を示す、測定データの集合を表す。このように、LIDARシステムの視野内の物体の3D表現が、取得される。点毎3Dデータマップはまた、測定点群と称され得る。
【0031】
本教示の1つの特徴は、照明器が、個々の明確に異なる波長を伴う光学ビームを放出する、レーザを含み得ることである。典型的には、LIDARシステムは、異なるレーザ波長を利用せずに、LIDARシステムの角分解能における改良を可能にする。特に、本教示のいくつかの実施形態のLIDARシステムの1つの特徴は、それらが、複数のレーザ波長を使用して、低コストかつコンパクトな光学設計において、より高精細の角分解能および性能を可能にすることである。さらに、本教示の多波長LIDARシステムは、改良された安全性および並列化に対する単純経路を提供することができる。例えば、「Multi-Wavelength LIDAR System」と題され、2017年3月3日に出願された、米国特許出願第15/456,789号と、「WDM Lidar System」と題され、2016年9月19日に出願された、米国特許出願第62/396,295号とを参照されたい。米国特許出願第15/456,789号および第62/396,295号は両方とも、本譲受人に譲渡され、本明細書に参照することによって組み込まれる。
【0032】
図2は、本教示による、2つのレーザを使用した多波長LIDARシステム200の実施形態を図示する。第1のレーザ202は、第1の波長において動作し、第2のレーザ204は、第2の波長において動作する。レーザは、ビームプロファイルをLIDARシステムのFOVおよび範囲を横断して種々の標的平面に形成するために使用される、光学投影要素の一部を形成する、統合または別のコリメーション光学系(図示せず)を含んでもよい。照明器206はまた、光学ビームをさらに成形および投影し、特定のビームプロファイルを標的平面210に形成する、光学デバイス208を含むことができる。種々の実施形態では、異なるタイプの光学デバイスが、光学投影要素を形成するために使用されることができ、例えば、レンズ、回折光学系、プリズム、薄膜波長敏感デバイス、および部分反射ミラーのうちの1つ以上のものを含む。単一レンズまたはマルチレンズ光学要素が、使用されてもよい。
【0033】
受信機212は、LIDARシステムのFOVおよび範囲内の種々の標的平面210において物体の表面から反射された光を受信する。異なる波長が、使用される場合、受信機212は、源202、204によって放出される2つの波長からの光を区別することが可能であり得る。この場合、各波長から反射された照明は、別個に処理される。コントローラ214は、受信された光を処理するために使用される。コントローラ214は、LIDARデータを出力216に提供する。コントローラ214の複雑性は、LIDARシステムの特定の構成に依存する。コントローラ214は、レーザ源202、204を制御するために使用されてもよい。種々の実施形態では、コントローラ214は、種々の電気回路、集積回路、マイクロプロセッサ、またはコンピュータを備えてもよい。同一または異なる波長を伴うN個のレーザを
図2に示されるLIDARシステムに追加することは、比較的に簡単である。いくつかの実施形態では、光をコリメートし、所望のFOVを提供する、付加的光学要素が存在する。
【0034】
本明細書に説明されるような投影要素は、レーザビームまたは複数のレーザビームを特定の方向にコリメートまたは別様に成形および/または投影する、要素である。投影要素は、光学ビームの経路内に位置付けられる、1つ以上の光学デバイスを備えてもよい。これらのデバイスおよびその位置は、レーザ源から放出されるビームまたは複数のビームの初期形状および経路とともに、所望のビームプロファイルを生産し、これは、空間内の特定の点におけるビーム形状および/またはビーム位置の組み合わせである。LIDARシステムの受信機における物体から反射された光の受信に応じて、システムは、照明器によって投影された光のパターンと、角分解能および視野を含む、その性能パラメータとに基づく、測定点群または点毎データマップを生成する。
【0035】
本教示の1つの特徴は、コンパクトシステム内において異なる波長を使用して、異なるLIDAR FOV、範囲、および/または分解能を生産する能力である。2つ以上の波長における光ビームは、投影要素を形成するが、依然として、各波長における異なる範囲および/またはFOVおよび/または分解能を表す測定点群をもたらす、異なるビームプロファイルを実現する、同一光学デバイスの少なくともいくつかを共有可能であってもよい。例えば、信号波長を使用する先行技術LIDARシステムに関する1つの問題は、100メートル範囲に到達するために要求される送出パワーが、非常に高く、近接近反射(例えば、数メートル)に関して、受信機が飽和することである。その結果、これらの先行技術LIDARシステムは、物体の近傍に対して見通しがきかなくなる。本問題は、2波長システムを用いて解決されることができ、第1の波長は、100メートル範囲のために使用されるが、第2の波長は、近接近測定のために意図された低パワーのみを有する。多波長測定は、並列コンピューティング能力を伴うコントローラを使用して、同時に実施されることができる。2つよりも多くの波長への本構成の拡張は、比較的に簡単である。
【0036】
本教示の別の特徴は、付加的波長を伴うレーザがLIDAR測距以外の他の機能を実施するために追加され得ることである。例えば、付加的レーザが、LIDARシステム内の光学デバイスの配向の測定を提供するために追加されることができる。付加的波長におけるこれらの源からの光は、光学ビームを投影および/または光学ビームを複製または走査する、要素の角度測定を提供するという唯一の目的を果たし得る。いくつかの実施形態では、MEMSデバイスが、ビームを投影するために使用され、ミラー位置の直接フィードバックを有するために重要であり得る。適切な受信機測定システムと組み合わせられた別のレーザは、ミラー位置の直接角度測定を提供し得る。前述の実施形態の自然な拡張は、それぞれの場合において、同一波長の複数のレーザ、すなわち、各波長の単一レーザの代わりに、各波長のレーザの1Dまたは2Dアレイのいずれかを使用することであろう。
【0037】
いくつかのシステムでは、単一の大レンズが、コリメートすることと、各VCSELデバイスの投影角度を設定することとの両方のために使用される。単一レンズの代わりに、2つ以上のレンズも、共有レンズ構成の一部として使用され得ることに留意されたい。コリメーションおよび投影角度の両方のための共有光学系を使用する一側面は、レンズの中心軸に対するVCSELデバイスの側方位置と投影されたレーザビームのポインティング角度との間の直接マッピングが存在することである。同一または類似波長の2つのVCSELレーザ間の側方距離は、共有レンズシステムによって作成された投影角度における差異に対応するであろう。
【0038】
さらに、VCSELデバイスは、理想的点源ではなく、代わりに、有限側方サイズを有するため、全体的光学システムのFOVもまた縮小させることなく光学系によって低減されることができない、付加的発散が存在するであろう。また、同一または類似波長を伴うレーザを使用する共有光学アプローチは、他のパラメータの中でもとりわけ、VCSELの有限サイズ、コリメートされたビームの発散、VCSELデバイスの数、およびFOVに応じて、3D測定スパン内のビーム重複または間隙につながり得る。
【0039】
本教示のLIDARシステムの1つの特徴は、放出開口のクラスタを伴うVCSELチップを使用して、これらのデバイスによって提供されるより高い光パワーおよび大径クラスタを利用することである。本明細書に説明されるように、VCSELデバイスは、理想的点源ではなく、代わりに、有限側方寸法を有する。さらに、LIDAR照明のために使用される高パワー上部放出VCSELレーザは、典型的には、複数の発光サブ開口を使用して、要求される高パワー出力に到達する。これらの複数のサブ開口は、クラスタまたは群を形成し、理想的には、依然として、要求される電気光学効率を維持しながら、可能な限り物理的に近接して位置する。
【0040】
いくつかの実施形態では、VCSELアレイは、2次元アレイである。いくつかの実施形態では、VCSELアレイは、モノリシックであって、レーザは全て、共通基板を共有する。種々の共通基板タイプが、使用されることができる。例えば、共通基板は、半導体材料であってもよい。共通基板はまた、セラミック材料を含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、VCSELは、上部放出型VCSELSである。他の実施形態では、VCSELは、底部放出型VCSELSである。個々のVCSELは、単一大放出開口を有し得るか、または個々のVCSELは、より大きい有効放出直径内の2つ以上のサブ開口から形成され得るかのいずれかである。サブ開口の群は、時として、クラスタとも称される、より大きい有効放出領域を形成する。
【0042】
図3は、垂直方向に均一にインタリーブされた2つの異なるVCSEL波長を伴う、多要素エミッタレーザ源300を図示する。
図3に示される実施形態は、単一共通基板304を図示するが、複数の基板もまた使用され得ることが、当業者に明白となるであろう。6つのVCSELバー306、308が、存在する。バー306のクラスタVCSELデバイス302は、1つの共通波長において放出する。これらは、図中で「VCSELλ1」と標識されるバー306である。暗色バー308のクラスタVCSELデバイス302は、異なる波長において放出する。バー308は、図中で「VCSELλ2」と標識される。合計30のクラスタVCSELデバイス302が、示される。
【0043】
図3の多要素エミッタレーザ源300と関連して使用される照明器が、所望されるFOVにわたるビームのコリメーションおよび投影の両方のために共有レンズシステムを使用する。
図4は、
図3に示される多波長レーザ源を使用する、本教示の多波長LIDARシステムのための照明器400の実施形態の断面の略図を図示する。照明器400は、マルチエミッタレーザ源402と、波長マルチプレクサ406および第1のレンズ408を備える、投影要素404とを含む。投影要素404は、レーザ源402から放出されるレーザビーム410、412を投影するために使用される。マルチエミッタレーザ源402のためのエミッタは、VCSEL基板414上に位置する。
【0044】
図4における投影要素404は、2つの光学デバイス406、408を備える。第1の光学デバイスは、2つの波長のうちの一方にあって、1つの光学経路からのレーザビーム410と、別の光学経路上の2つの波長の他方におけるレーザビーム412とを共通光学経路に組み合わせるように作用する、波長に敏感な光学系である、波長マルチプレクサ406である。いくつかの実施形態では、波長マルチプレクサは、一方の波長の光学経路を実質的に偏移させながら、第2の波長を妨害されずに通過させるように構成される、回折光学系を備える。回折光学要素は、当技術分野において周知であって、レーザの精密なビーム操向およびビーム成形を提供するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、波長に敏感な回折光学要素が、使用される。他の実施形態では、プリズム等の屈折光学系のアレイが、使用される。第2のデバイスは、レーザビーム410、412をさらに投影および成形し、所望のパターンのビーム形状およびLIDARシステムの標的平面におけるビーム位置を形成するために使用される、レンズ408である。
【0045】
図4は、異なる波長の2つのVCSELバーからの光が光学システムを通して進行する方法を図示する。明確にするために、2つのVCSELエミッタからのレーザビーム410、412のみが、光線トレースされて示される。
図4は、単一レンズ408のみを図示するが、しかしながら、
図4に図示される多波長システムとともに、例えば、下記の
図12に関連して説明されるような2レンズまたはマルチレンズシステムを実装する方法が、当業者に明白となるであろう。
【0046】
動作時、照明器によって標的平面に形成されるビームプロファイルからの光は、その標的平面における物体の表面から反射される。LIDARシステムにおける標的平面は、完全な範囲および視野にわたって動作する、仮想基準点である。システムが物体の3次元表現をLIDARシステムによってプローブされている視野および範囲内に生成し得るように、多くの異なる標的平面がLIDARモジュールからの種々の距離に存在する。標的平面において光学ビームプロファイルによって照明された物体の表面から反射された光の一部は、受信機に指向される。受信機は、光を検出し、次いで、受信された光学信号を電気信号に変換する。コントローラは、光源および受信機に電気的に接続され、受信された信号を測定点群に変換する。測定点群内の点の角分解能は、以下にさらに説明されるように、標的平面におけるビームプロファイルの相対位置に依存する。
図4に図示される照明器400の実施形態の多くの他の変形例も、本教示の範囲内にあることが、当業者に明白となるであろう。例えば、VCSELレーザは、平面または湾曲のいずれかである、共通表面に位置してもよい。また、湾曲または平坦である中心表面からのVCSELのある程度の逸脱は、寛容され得ることが、当業者に明白となるであろう。
【0047】
図5Aは、本教示による、単波長2Dレーザ源照明の実施形態のための測定点群500を図示する。測定点504の垂直間隔502間の距離は、垂直角分解能を決定する。点群上の点の水平間隔506は、点群の水平角分解能を決定する。
【0048】
図5Bは、本教示の2波長2Dレーザ源照明の実施形態のための測定点群550を図示する。λ1を伴うVCSELに対応する測定点は、円形552として示され、λ2を伴うVCSELの測定点は、三角形554として示される。複合点群は、λ1において受信された反射から導出される点群と、λ2において受信された反射から導出される点群とを含む。
【0049】
例えば、
図5Bに図示される測定点群550は、
図3に図示される異なる波長のVCSELエミッタのパターンを伴うマルチエミッタレーザ源を
図4の照明器構成とともに使用して実現されることができる。標的平面において照明器によって生成された光学ビームからの光の一部は、物体の表面によって反射され、特定の波長における光を検出可能な1つ以上の光学受信機に入射する。結果として生じる測定点群550は、異なる波長における異なるビームプロファイルからの光を表す点を含む。
【0050】
図3-5を参照すると、異なる波長のVCSELバー306、308は、レーザ源の異なる行を垂直方向に占有し、異なる行内の個々のVCSELデバイス302は、水平方向にオフセットされたその中心を有する。異なる波長バー内のエミッタからの光学ビームは、光学ビーム位置が標的平面において垂直方向に若干オフセットされるように、投影要素404によって投影される。これは、オフセット556を測定点群内に生じさせる。隣接するバー内のVCSELの中心位置におけるオフセットは、投影要素の設計とともに、各波長を表す測定点をオフセット垂直線に沿って水平にインタリーブさせる。所与の寸法における測定の角分解能は、その寸法における点のオフセットに直接関連し、これは、標的平面でのその寸法における光学ビームの位置に直接関連する。
【0051】
図5A-Bの両方を参照すると、2波長ソリューションの使用と関連付けられた性能トレードオフが、明白である。
図5に示される実施形態では、1つの波長における光学ビームは、実質的に中断されずに進行するが、第2の波長における光学ビームは、第1の波長における光学ビームと1つの方向において実質的に重複する位置に意図的に偏移される。
図5Bの図面に示される各波長における光学ビームの位置におけるオフセット556は、波長マルチプレクサの設計に基づいて調節されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、
図4における波長マルチプレクサ406は、具体的には、特定のオフセット556を各波長における光学ビームの位置に提供するように設計される。種々の実施形態では、投影要素内の種々のデバイスは、2つの波長におけるレーザのビームを位置付けるために使用される。これらの同一デバイスまたは他のデバイスは、ビーム形状と同様に、標的平面におけるその位置も改変し得る。
【0052】
図5Aの単一波長実施形態と比較して、
図5Bに関連して説明される実施形態は、好ましい方向(この場合、水平方向)における角分解能を2倍にするが、垂直方向における角分解能を半分にすることを犠牲にする。これは、システムの全体的物理的サイズを比較的に一定に保ちながら遂行される。いくつかの用途では、例えば、歩行者の代わりに、システムがわずか100mmの断面を伴う電柱または木を区別する必要がある場合、1つの方向におけるより高精細の分解能が、好ましいまたは必要であり得る。30mでは、0.15度未満である、角分解能が、必要とされるであろう。自動車LIDARシステムに関して、人間、電柱、および木等の認識される必要がある、一般的物体が、高さがあるが、幅が狭いため、垂直におけるより広い角分解能を犠牲にして、水平方向に非常に小角分解能を有することが、非常に所望され得る。いくつかの実施形態では、測定点群の角分解能は、標的平面から光学投影要素までの所定の距離において0.4度未満である。
【0053】
本教示の1つの特徴は、異なる波長で動作する、単一要素エミッタおよび多要素エミッタ光源が、同一表面上に位置する必要がないことである。本教示の別の特徴は、表面が3次元空間内の異なる空間平面に沿って配向され得ることである。例えば、平面は、2つの直交平面上にあってもよい。いくつかの実施形態では、異なる波長を伴う少なくとも2つの群のレーザから成る複数の表面放出レーザを使用する。また、3次元空間を利用して、各群のレーザは、必ずしも直交ではない平面または湾曲である、2つ以上の表面に配向される。これらの実施形態では、レーザが共通表面上に共存する実施形態に関して、パッケージングおよび光学整合複雑性が増加するが、任意の妥協を伴わずに、両直交方向において全視野を横断して分解能角度を増加させることが可能である。これは、1つよりも多くの波長と関連付けられたより高い精度および全ての能力への完全アクセスの両方を提供する。すなわち、同時動作、冗長性、セキュリティ、および多波長動作の他の特徴を実現可能である。
【0054】
本教示の1つの特徴は、本教示の小角度発散LIDAR送信機が、特に、約100メートルの範囲要件を伴って動作するLIDARに好適である、コンパクトなLIDARモジュールを提供することである。本教示の小角度発散LIDAR送信機の別の特徴は、ソリッドステート光学エミッタを利用し得ることである。その結果、本教示のLIDAR送信機は、可動部分を利用せずに構築されることができる。加えて、同一または異なる波長を放出し得る、複数のレーザが、各レーザと3D測定点群との間の1対1のマッピングを確立するために使用されることができる。
【0055】
図6は、本教示の小角度発散LIDAR送信機内で使用され得る、公知の底部放出型VCSELレーザ600の構造の斜視図の概略図を図示する。VCSELレーザ600の放出面積は、典型的には、mW電力動作のための数ミクロン直径から、100mWおよびそれよりも大きいCW電力動作のための100ミクロン以上の直径に及ぶことに留意されたい。本教示の種々の実施形態は、上部放出型VCSEL、底部放出型VCSELS、および種々のタイプの高出力VCSELを含む、種々の公知のVCSELレーザデバイスを使用する。VCSELは、GaAsまたは他の半導体材料であり得る、基板602上に加工される。n-型分布ブラッグ反射器(DBR)604が、基板上に位置付けられる。活性領域606が、n-型DBR604上に構成された後、酸化物材料から作製され得る、開口608が続く。p-型分散ブラッグ格子DBR610が、次いで、活性領域606上に成長される。典型的には、p-型DBRは、高度に反射性であって、n-型DBRは、部分反射性であって、層構造の基板側である、底部からの光出力612をもたらす。活性領域606、酸化物開口608、およびp-型DBR610は、メサ構造614内に形成される。上部接触616および底部接触618は、電流を活性領域606に提供し、出力光612を生成するために使用される。酸化物開口608は、電流閉じ込めを活性領域606に提供する。上部接点616は、p-型であって、底部接点618は、n-型である。放出開口620は、底部接点618内に形成され、出力光612が、底部放出型VCSEL600の基板側である、底部から出現することを可能にする。本タイプのVCSELは、単一要素であってもよい、または複数のVCSELSが、基板602上の1次元アレイまたは2次元アレイとして加工されることができる。
【0056】
図7は、本教示の25の別個のレーザエミッタ702を伴う、2DモノリシックVCSELアレイ700の実施形態の概略図を図示する。各レーザエミッタ702は、直径aの放出開口704を有する。各単一レーザエミッタ702からの放出は、完全放出開口704を実質的に充填する。各レーザエミッタ702は、したがって、放出開口704の直径と等しい直径aを伴うレーザビームを生成する。レーザエミッタ702は、間隔dx706を伴って、水平方向に均一に離間される。レーザエミッタ702は、間隔dy708を伴って、垂直方向に均一に離間される。最外レーザの中心から測定される、アレイの全体的サイズは、水平方向における距離Dx710および垂直方向における距離Dy712である。実際のチップサイズは、距離Dx710および距離Dy712より若干大きいであろう。
【0057】
図8は、本教示の25の別個のレーザエミッタ802を伴う、2DモノリシックVCSELアレイ800の実施形態の概略図を図示する。各レーザエミッタ802は、直径aの放出開口804を有する。各レーザエミッタ802は、電気的に接続され、1つとして作用する、複数のサブ開口803から形成され、その組み合わせられた放出は、寸法aの放出開口804内に含有される。したがって、各レーザエミッタ802は、放出開口804の直径と等しい直径aを伴うレーザビームを生成する。レーザエミッタ802は、間隔806、dxを伴って、水平方向に均一に離間される。レーザエミッタ802は、間隔808、dyを伴って、垂直方向に均一に離間される。最外レーザの中心から測定される、アレイの全体的サイズは、水平方向における距離810、Dxおよび垂直方向における距離812、Dyである。実際のチップサイズは、距離810、Dx、および距離812、Dyより若干大きいであろう。
図8は、円形の放出形状を伴う、レーザエミッタを図示する。種々の実施形態では、エミッタは、種々の形状を伴うビームを生産してもよい。例えば、卵形、正方形、長方形、および種々の独特な形状が、実現され得る。本放出幅は、特定の方向における形状の幅であって、下記にさらに説明されるように、その特定の方向におけるLIDAR送信機の角度発散を決定するであろう。
【0058】
本教示のいくつかの実施形態は、
図7に示される構成等のレーザあたり単一の大開口を伴う、VCSELの底部放出型高出力アレイを利用する。本教示の他の実施形態は、
図8に示されるようなサブ開口を備える大開口を伴う、VCSELの上部放出型高出力アレイを利用する。しかしながら、当業者は、本教示が、上部および底部放出型VCSELおよび関連付けられた放出開口のこれらの構成に限定されないことを理解されるであろう。
【0059】
先行技術システムは、全ての伝送要素のための単一共有レンズを使用して、各レーザと具体的測定点および/または投影された角度との間の1対1のマッピングを生成する。例えば、5つのレーザとともに、単一投影レンズを利用して、明確に異なる角度間隔を伴う、5つの別個の投影されたビームを形成するステップを説明する、米国特許第7,544,945号を参照されたい。単一投影レンズは、2つの機能を提供する。第1の機能は、レーザビームをコリメートし、遠視野におけるビームのスポットサイズを決定することである。スポットサイズは、要求される範囲におけるLIDARシステムの要件によって設定される。例えば、LIDARシステムのための典型的要件は、100mにおけるレーザスポットが0.5m直径より小さくあるべきであることである。これは、5mradの完全角度発散に相当する。光学レンズの第2の機能は、LIDARシステムの範囲における遠視野内の2つの最外ビームの位置によって設定される、投影されたレーザビームのための完全視野を決定することである。各測定ビーム間の角分解能が、次いで、各方向におけるレーザの数N-1によって除算される、完全視野を求めることによって決定される。
【0060】
先行技術の単一投影レンズLIDARシステムの1つの不利点は、それらがレーザエミッタの放出開口の有限サイズを考慮していないことである。単一投影レンズを利用するシステムでは、レーザは、レーザビームをコリメートするために、単一投影レンズの焦点に設置される。
【0061】
図9は、単一レンズLIDAR送信機システム900によって投影された光の概略図を図示する。レンズ902は、レーザエミッタの平面906に対して焦点距離904、fに設置される。距離908、y1は、放出されるレーザビームの半径である、放出幅の半分を表す。角度910、θ1は、放出されるレーザビームの発散である。古典的光学から、光学不変量ルールは、ビーム半径とビーム発散の積が一定となるであろうことを示す。したがって、レンズ後のレーザビーム半径912は、ここでは、y2であって、発散914は、θ2であって、θ1
*y1=θ2
*y2となる。また、幾何学形状から、焦点距離904、fが、方程式:y2=f
*θ1によって、y2に関連することが分かる。これらの2つの方程式を組み合わせることで、次いで、関係θ2=y1/fが求められることができる。本関係は、コリメートされたビームの角度発散が、単一レンズLIDAR送信機内のレンズの焦点距離に直接関連することを示す。関係はまた、角度発散がどのようにエミッタサイズの幅および円形形状の開口に関する関連付けられた半径に依存するかを示す。本関係は、放出するレーザビームの特定のサイズのために要求されるレンズ焦点距離に関する最小サイズ制約を設定する。例えば、典型的高出力VCSELは、100ミクロンの有効放出直径を伴う、丸みを帯びた形状を有する。したがって、y1は、50ミクロンと等しい。100mLIDARシステムのための本明細書に説明される基準を満たすために、5-mrad発散(完全角度)未満が存在すべきである。投影レンズシステムの最小焦点距離は、次いで、20mmである。
【0062】
本明細書に説明される実施例は、概して、丸みを帯びた放出形状および球状レンズを伴う、円形対称システムを仮定する。しかしながら、本教示は、他の形状および幾何学形状を有する放出形状およびレンズ形状にも適用されることが、当業者に明白となるでろう。説明される幅および焦点距離関係は、次いで、特定の方向に適用される。例えば、円筒形および/または球状レンズを備える、長方形エミッタおよび/またはレンズシステムが、使用されることができる。選択肢は、標的範囲における所望のビームパターンに依存するであろう。例えば、システムは、水平および垂直方向に異なる視野および角分解能を伴って構成されてもよい。
【0063】
上記の分析では、小角度および薄レンズを仮定する、古典的光学公式を使用した。寸法または角度が、大きい場合(コンパクトな送信機設計において一般的である)、古典的光学公式は、必ずしも、予測される角度発散および取得される視野の十分な正確度を提供しないであろう。これらの場合では、完全3次元電磁モデルが、好ましい。
【0064】
図10は、単一レンズLIDAR送信機システム内の複数のエミッタによって投影された光の概略
図1000を図示する。単一投影レンズ1002が、基板1006上において、VCSELレーザエミッタ1004のアレイからある距離に据え付けられる。
図10は、アレイ状レーザ送信機システムによって投影された光を図示し、VCSELレーザエミッタ1004を幅aの放出開口を伴う有限源として完全に表す。
図10では、最外レーザの中心間距離1008、Dは、2つの最外投影ビーム1012、1014間の中心間角度オフセットである、視野角1010、βにマッピングされる。レーザが位置する、レンズの焦点面における各垂直位置は、一意の角度投影角度にマッピングされる。したがって、寸法aの有限放出開口の源に関して、ビーム発散は、a
*(β/D)とほぼ等しい結果となるであろう。
【0065】
図10を参照すると、VCSELアレイに関する典型的間隔dは、250ミクロンであって、したがって、最外エミッタの中心間距離1008、Dは、1.25mmであろう。100ミクロンの放出開口直径aおよび5mradの最大発散完全角度を仮定すると、レンズの完全視野1010、βは、62.5mrad(3.58度)よりも大きいことができないことが計算され得る。3.58度より大きい視野が、レンズによって生成される場合、レーザ放出面積の有限サイズに起因するレーザビームの発散は、5mrad完全角度を超えるであろう。
【0066】
図10のVCSELレーザエミッタの固有の発散は、約2度である。本低発散は、レーザビームが、主として、アレイ基板1006の平面から出現し、レンズを通して遠視野に向かって進むにつれて、それら全てが交差し、ビームウェストを形成する、レンズの右側の点1016を除き、分離されたまま保つ。
【0067】
図11A-Bは、より典型的なより大きいビーム発散構成を示す。
図11Aは、高角度発散エミッタを伴う単一レンズLIDARシステム内の複数のエミッタによって投影された光の拡大図の概略
図1100を図示する。
図11Bは、
図11Aのシステムによって投影された光の縮小図の概略
図1150を図示し、遠視野を図示する。両図では、エミッタアレイ1102、1152は、個別のレンズ1104、1154を照明する。各エミッタ1106、1156は、
図10に示される実施例と比較して比較的に広発散を伴う、レーザビーム1108、1158を生産する。レンズ1104、1154は、個別の放出されるビーム1108、1158を収束させ、ビームウェスト1110、1162を生産する。
図11A-Bは、レーザビームが約20度のより典型的VCSEL発散を得ようとするであろう様子を示す。本構成では、ビーム1108、1158は、示されるように、レンズ1104、1154において有意に重複する。また、ビームが完全に別個である、位置1160は、
図11Bに示されるように、
図10の実施例と比較して、レンズ1154からはるかに離れている。VCSELの固有の発散は、アレイのサイズとともに、本単一レンズシステムのための最小レンズ開口を決定するであろうことが分かる。発散が大きいほど、アレイのサイズのサイズが大きくなり、VCSELアレイによって放出されるレーザビームを切断するために要求される最小開口が大きくなる。
【0068】
したがって、LIDAR送信機に関して、次いで、VCSELアレイの開口および/またはサブ開口によって放出される一連のレーザビームを含む遠視野内の標的範囲における、伝送ビーム内の発散には、2つの主要な原因を有することになる。最終ビーム発散の1つの源は、レーザ放出面積のサイズおよびレンズシステムの焦点距離の関数である。最終ビーム発散の第2の源は、レーザ放出サイズおよびレンズの投影された視野の関数である。本教示の1つの特徴は、同じ焦点距離を伴うが、異なる投影された視野を伴う、異なるレンズシステムが設計され得るという認識である。
【0069】
本教示による光検出および測距の方法は、多波長光学ビームであり得る、複数の光学ビームを生成するステップを含む。第1のレンズは、第1のレンズの焦点距離未満である、複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第1のレンズは、複数の光学ビームをビームウェストを有する収束された光学ビームに収束させる。第2のレンズは、収束された光学ビームを標的範囲に投影するように、収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第2のレンズの位置はさらに、標的範囲におけるLIDAR送信機の角分解能を減少させるように選択されることができる。また、いくつかの方法では、第2のレンズの開口のサイズは、収束された光学ビームのビームウェストのサイズと等しくなるように選定される。第2のレンズの位置および複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、LIDAR送信機の所望の視野を標的範囲に提供するように選択される。
【0070】
図12は、本教示の小角度発散LIDAR送信機1200内の光を投影するレンズシステムの実施形態の概略図を図示する。第1のレンズ1202は、複数の個々のレーザエミッタ1206を備える、VCSELレーザアレイ1204に非常に近接近して設置される。第1のレンズ1202は、第1のレンズの焦点距離と等しい距離よりエミッタの近くに設置されてもよい。図は、個々のレーザエミッタ1206によって放出される、レーザビーム1202、1210を図示する。中心レーザビーム1208および外側レーザビーム1210のみが、示される。しかし、アレイ内の全てのレーザエミッタ1206が、所望に応じて、レーザビームを生産してもよい。
【0071】
第2のレンズ1212は、第1のレンズ1202後に位置付けられ、レーザビーム1208、1210を遠視野位置1214に投影し、個々の送信機からのレーザビームは、公称上、分離される。第1のレンズ1202は、レーザビーム1208、1210の所望の収束を第2のレンズ1212に生産する、アレイから特定の距離1216に設置される。第2のレンズ1212は、第1のレンズ1202から特定の距離1218に設置され、所望の視野を標的範囲である所望の遠視野位置1214に生産する。
【0072】
図12に示されるように、第1のレンズ1202は、ビームを収束させ、レーザビーム1210を最外VCSELエミッタ1220から内向きに方向転換させるように作用し、これは、単一レンズシステムと比較して、第2のレンズ1212のためのより小さい最小レンズ開口を生産する。これは、物理的送信機が、第2のレンズ1212の最小レンズ開口がシステム内の最大レンズのサイズを決定するため、より小さいサイズであり得ることを意味する。本実施例では、収束させる第1のレンズ1202によって生産されたビームウェストは、第2のレンズ1212の位置に形成され、第2のレンズの開口は、ビームウェストのサイズと等しい。エミッタによって生産されたビームのそれぞれは、第2のレンズの開口を充填する。
【0073】
この2レンズ構成は、同じ焦点距離を伴う単一レンズシステムと比較して、出力ビームの要求される低発散を維持しながら、有意に改良された性能を有する。この2レンズ構成はまた、有利には、LIDAR送信機のサイズを最小限にする。加えて、2レンズシステムの投影角度は、レンズシステムの全体的焦点距離を変化させずに、変動されることができる。この2レンズシステム内のレンズ表面の曲率は、焦点距離を維持する一方、異なる視野を可能にする、付加的自由度を提供するように調節されることができる。本付加的自由度はまた、視野の調節を可能にし、必要に応じて、個々の放出されるレーザビームの発散を最小限にする一方、送信機のための全体のコンパクトなサイズを維持する。
【0074】
本明細書に説明されるように、個々のレーザエミッタの伝送されるレーザビームの発散は、レンズシステムの結果として生じる視野を決定する際の重要な要因である。いったん最大視野が、最大発散に基づいて決定されると、システムの角分解能が、次いで、アレイ内の個々のレーザ間の間隔によって決定され、これは、個々の放出幅より小さくあることはできない。
【0075】
本教示の小角度発散LIDAR送信機は、特定のセンサ用途の必要性に対処するために要求される特定の視野および角分解能を実現する、種々の設計において構成されることができる。例えば、いくつかの自動車用途は、5ミリラジアン半角の最大発散を要求する。視野、発散、および開口サイズは全て、関連する。さらに、エミッタ放出幅、エミッタピッチ、およびアレイサイズも、重要である。1つの特定の実施形態では、125ミクロンの放出幅、250ミクロンのレーザピッチ、および5mradの最大半角発散を伴う、16×16要素の2次元アレイが、第1のレンズがアレイから第1のレンズの焦点距離未満の位置に設置される、2レンズシステムを使用することによって、18.3度の視野のために構成される。本教示を使用したより大きい視野も、例えば、より小さい放出幅を使用して、可能性として考えられる。
【0076】
角分解能は、視野をアレイサイズによって除算することによって決定される。最小可能放出幅エミッタの使用は、アレイ内のより多くの要素、故に、最小可能角分解能を意味する。1次元における16要素アレイ、50ミクロンの放出幅、250ミクロンのレーザピッチ、および5mradの最大半角発散を伴う、1つの特定の実施形態が、45.8度の視野のために構成される。本構成のための角分解能は、2.8度である。より小さい分解能も、例えば、より小さいピッチを伴うさらなるアレイ要素を使用して、可能性として考えられる。
【0077】
種々の実施形態では、視野および角分解能は、異なる方向において異なり得、例えば、いくつかのシステムでは、水平視野および角分解能は、垂直視野および角分解能と異なる。
【0078】
本教示の1つの特徴は、2レンズ投影システムのコンパクトなサイズおよび他の設計特徴が、複数の送信機アレイが単一送信機システムの中に組み合わせられることを可能にすることである。
図13は、本教示による、複数の送信機アレイ1302、1304、1306を利用する小角度発散LIDAR送信機1300内の光を投影するレンズシステムの実施形態の概略図を図示する。
図13では、いくつかの送信機アレイ1302、1304、1306が、組み合わせられたより広い視野1308を網羅するために使用される。個々のVCSELエミッタはそれぞれ、送信機アレイ1302、1304、1306を使用し、3次元空間(x、y、z)内の送信機アレイ1302、1304、1306の設置は、ビームが、遠視野内の全体的均一パターンまたは所望の重複または間隙を伴うパターン等の所望のパターンで組み合わせられることを可能にする。
【0079】
例えば、送信機アレイ1302、1304、1306の位置は、標的範囲におけるビームのパターンが、第1の送信機アレイ1302からのビームおよび第2の送信機アレイ1304からのビームが標的平面に間隙を形成するように配置されるように選定されてもよい。代替として、送信機アレイ1302、1304、1306の位置は、標的範囲におけるビームのパターンが、第1の送信機アレイ1302からのビームおよび第2の送信機アレイ1304からのビームが標的平面において重複するように配列されるように選定されてもよい。加えて、送信機アレイ1302、1304、1306の位置は、標的範囲におけるビームのパターンが、第1の送信機アレイ1302からのビームおよび第2の送信機アレイ1304からのビームが標的平面において光の均一パターンを形成するように配列されるように選定されてもよい。送信機アレイと、送信機アレイから出現する複数のビームを収束および投影する関連付けられた光学レンズとの相対的位置は、種々のパターンが標的平面に投影されることを可能にすることが、当業者に明白となるであろう。
【0080】
いくつかの実施形態では、複数の送信機アレイは、標的範囲においてレーザビームの所望のパターンを生産するための全6つの次元を使用して、個々の送信機の位置(x、y、z)および指向角度を物理的に調節することによって、より広いまたはより狭い視野を被覆するために使用される。標的範囲におけるレーザビームの種々のパターンは、LIDARシステム内で利用されるとき、関連付けられた所望の測定点群を生産する。
【0081】
一実施形態では、少なくとも2つの送信機アレイは、ビームが標的範囲において実質的に重複するように位置付けられる。本実施形態では、2送信機システムの視野は、各送信機アレイおよびレンズシステムの視野と同一である。2つよりも多いアレイを伴うシステムもまた、標的範囲における実質的に完全に重複するパターンとともに構成されることができる。そのような配列は、改良された角分解能につながる。複数のエミッタアレイを使用した本教示の実施形態は、最先端エミッタアレイ技術を使用して、0.25度未満の角分解能を達成することが可能である。
【0082】
本教示の1つの特徴は、複数の送信機アレイが、単一基板上に設置されることができることである。各送信機アレイは、異なる形状および間隔を有することができ、各送信機アレイ間の間隔もまた、基板上で変動されることができる。
図14Aは、本教示の単一基板上で複数の送信機アレイを利用する小角度発散LIDAR送信機内の光を投影するレンズシステムの実施形態の拡大図の概略図を図示する。
【0083】
図14Bは、
図14Aの小角度発散LIDAR送信機内の光を投影するレンズシステムの実施形態の縮小図の概略図を図示する。複数の送信機アレイ1402、1404、1406、1408は、共通基板1410上に位置付けられる。各送信機アレイ1402、1404、1406、1408は、関連付けられた第1のレンズ1412、1414、1416、1418と、第2のレンズ1422、1424、1426、1428とを有する。明確にするために、
図14A-Bは、各VCSELエミッタによって放出される完全発散レーザビームを示さず、代わりに、3つのVCSELエミッタの中心からの単一光線が、本教示の概念を図示するために示される。送信機アレイ1402、1404、1406、1408毎に、上部外側エミッタ1432、1434、1436、1438からの単一光線が、示される。また、送信機アレイ1402、1404、1406、1408毎に、底部外側エミッタ1442、1444、1446、1448からの単一光線が、示される。送信機アレイ1402、1404、1406、1408毎に、中心外側エミッタ1452、1454、1456、1458からの単一光線が、示される。
図14A-Bの実施形態は、複数のアレイ送信機1402、1404、1406を使用して、角分解能を増加させる。基板上で単一VCSELアレイを使用する、単一送信機アレイに関して、角分解能は、視野およびアレイ内の個々のレーザエミッタの数によって設定される。より稠密な角分解能が、所望される場合、複数の送信機は、出力ビームを所望の範囲における遠視野内で重複させることによって、組み合わせられることができる。
【0084】
図14Aは、共通基板1410に取り付けられる、4つの送信機アレイ1402、1404、1406、1408を図示する。共通基板は、必要ではないが、組立の容易性の観点から所望され得る。半導体材料またはセラミック材料から形成されるものを含む、種々の公知の共通基板が、使用されてもよい。共通基板は、印刷回路基板(PCB)であってもよい。いくつかの実施形態では、送信機アレイのうちのいくつかは、1つの共通基板、例えば、単一半導体またはセラミックキャリア基板を共有する。他の実施形態では、送信機アレイは、異なる共通基板上にあって、次いで、アレイを伴うこれらの2つの共通基板は、第3の共通基板、例えば、PCボード上に設置される。
【0085】
4つの送信機アレイ1402、1404、1406、1408はそれぞれ、示されるように、各送信機アレイ1402、1404、1406、1408に対応する、第1のレンズ1412、1414、1416、1418と、第2のレンズ1422、1424、1426、1428とを備える、その独自の対応するレンズシステムを有する。4つの送信機アレイ1402、1404、1406、1408から発出するレーザビームは、その対応する送信機アレイ1402、1404、1406、1408の位置に対する、第1のレンズ1412、1414、1416、1418および第2のレンズ1422、1424、1426、1428を備える、4つのレンズシステムのそれぞれの位置を調節することによって、重複し、組み合わせられる。各送信機内の第2のレンズ1422、1424、1426、1428の位置は、各対応する送信機アレイ1402、1404、1406、1408の中心からP1、P2、P3、およびP4の異なる半径方向オフセット1452、1454、1456、1458に示される。送信機アレイ1402、1404、1406、1408毎の第1のレンズ1412、1414、1416、1418もまた、その関連付けられた送信機アレイ1402、1404、1406、1408の中心から半径方向にオフセットされることができる。これらのオフセットは、各送信機アレイ1402、1404、1406、1408が、所望のビームパターンを標的範囲において達成することを可能にするであろう。正確な半径方向オフセット値は、必要に応じて、ある範囲におけるLIDARシステムによって要求される具体的視野角パターンを作成するように選定される。これらの半径方向オフセット値は、典型的には、等しくないが、特定の実施形態では、等しくあることができる。
【0086】
本教示の1つの特徴は、別個のVCSELアレイ間の側方オフセットが、標的範囲における組み合わせられるビームパターンを決定するために重要ではないことである。
図14Aは、S1、S2、およびS3の値を伴う、側方オフセット1460、1462、1464を図示する。100mの典型的範囲を伴うLIDARシステムのためのS1、S2、およびS3の正確な値は、オフセットが距離に伴って拡大されないため、重要ではない。多くの実施形態では、わずか数メートル後、図中の側方オフセット1460、1462、1464によって表される、アレイ間の初期オフセットは、アレイ毎のレンズシステムによって設定される投影角度の差異に起因するオフセットと比較して、もはや有意ではない。
図14Bの縮小図は、ビームが遠視野内で組み合わせられる方法の表現を表す。
【0087】
アレイの側方オフセットに基づく本教示のレンズシステムのための投影された視野パターンの相対的独立性は、
図15に示される構成によって図示される。
図15は、本教示の小角度発散LIDAR送信機の実施形態のスケーリングされた縮小および拡大図の概略図を図示し、送信機アレイ間の分離の相対的独立性を示す。
図15は、組み合わせられているレーザビームのスケール実施例を図示する。拡大図および縮小図が、示される。1つの構成では、初期側方オフセットは、拡大
図1502および縮小
図1504において、10mmと等しい。別の構成では1506、初期側方オフセットは、拡大
図1506および縮小
図1508において、20mmと等しい。
【0088】
1つの特定の実施形態では、VCSELアレイ毎のレーザビームは、2度オフセットされ、最終ビームパターン内のレーザビームが、遠視野において1度ずつ均一にオフセットされるように、送信機間に1度のオフセットが存在する。約5mでは、遠視野パターンには実質的差異が存在しないことが分かる。
【0089】
本教示の1つの特徴は、レンズシステムが、遠視野内のビームの発散およびステップサイズまたは位置の両方を制御することが可能であることである。公知のLIDAR投影システムは、典型的には、ステップサイズのみを制御し、独立して、遠視野内のビームの発散およびステップサイズまたは位置の両方を制御する能力を有していない。さらに、本教示のLIDARシステムは、付加的光学要素を使用することによって、遠視野パターンの付加的ビーム制御を導入することができる。特に、第1のレンズを送信機アレイに近接近して位置付けることによって、本教示のレンズシステムは、光学システムの焦点から独立して、異なるステップサイズを提供する。
【0090】
本教示のLIDARシステムの1つの特徴は、波長を使用して、標的範囲における遠視野内で生成されたレーザビームパターンおよびLIDARシステム内の関連付けられた測定点群の制御を提供する能力である。
図16は、本教示の複数の送信機アレイを使用した多波長LIDARシステムのための照明器1600の実施形態を図示する。本実施形態では、異なる波長VCSEL λ1 1602およびVCSEL λ2 1604を伴う少なくとも2つのレーザ群を備える、複数の表面放出レーザアレイが、使用される。
【0091】
本教示のLIDARシステムの別の特徴は、3次元空間の使用である。VCSEL λ1 1602およびVCSEL λ2 1604は、相互に直交する、2つの表面に配向される。当業者は、種々の3次元(X、Y、およびZ)自由度および/またはVCSEL1602、1604の角度を含む6次元自由度(X、Y、Z、ピッチ、ヨー、およびロール)が本教示のLIDARシステムにおいて使用されることができることを理解されるであろう。ビームは、1つの波長を通過させる一方、第2の波長を反射させる、波長マルチプレクサ1806の使用によって、組み合わせられる。
【0092】
波長マルチプレクサ1606は、例えば、第1の波長が偏向されずに通過することを可能にする一方、第2の波長が45度で偏向され、出力ビームが組み合わせられる、薄膜フィルタの使用によって、実現されることができる。便宜上、マルチプレクサ1606を三角形断面の2つの等しいプリズムによって形成される立方体の形状で示し、波長を反射または通過させる薄膜フィルタは、2つの三角形プリズムが触れる立方体の中心平面に位置する。
【0093】
VCSEL λ1 1602およびVCSEL λ2 1604の2つの基板の位置は、波長マルチプレクサ1606に対して側方に偏移され、2つのビームの所望の重複またはインタリーブを作成することができる。
図17は、
図16の照明器実施形態とともに生成され得る、測定点群1700を図示する。異なる波長を伴うレーザエミッタの使用は、ここに図示される構成に限定されないことが、当業者に明白となるであろう。異なる波長は、各アレイと関連付けられてもよい、または異なる波長は、種々のパターンにおいて単一アレイから放出されてもよい。加えて、アレイは、アレイ毎に異なる放出角度を含む、種々の3D空間パターンで構成されてもよい。
【0094】
本教示の1つの特徴は、光学投影システムが、エミッタアレイを形成するVCSELレーザの有限放出面積を考慮することである。公知のLIDAR投影光学系は、レーザ源を点源としてモデル化する。本教示のLIDARシステムのいくつかの実施形態では、アレイ内の隣接するVCSELはそれぞれ、各レーザの放出面積の個々の直径よりも大きい分離ピッチを有する。VCSELレーザのアレイは全て、自由空間内のVCSELレーザのアレイの投影された組み合わせられる直径より小さいクリア開口を伴う、共通光学レンズシステムを共有する。これは、少なくとも最外ビームを収束させる、第1のレンズによって遂行される。いくつかの実施形態では、収束レンズである、第1のレンズは、第1のレンズの焦点距離より短いある距離において、VCSELアレイに隣接して位置付けられる。レンズシステムの最大視野角は、レーザの放出幅、レーザビームの発散を定義する光学システム、およびアレイ内のレーザの分離ピッチによって定義される。
【0095】
いくつかの実施形態では、複数の送信機アレイは、自由空間内で重複され、同一VCSELアレイ寸法を伴う単一送信機を用いて作成され得るものより稠密な角分解能を作成する。各送信機アレイは、関連付けられた第1のレンズを有する。各個々の送信機アレイの第1のレンズは、半径方向にオフセットされ、異なる角度パターンを生産する。各レンズシステムの半径方向オフセットは、同一である必要はない。送信機アレイは、共通基板上に位置し、種々の送信機アレイ間の距離は、同一である必要はない。複数の送信機を伴う実施形態では、送信機アレイおよび/または各送信機アレイを備える、個々のVCSELSの波長は、同一または異なってもよい。異なる波長を使用する、本教示のLIDARシステムの実施形態では、波長に敏感な要素は、その波長に基づいて、遠視野内のビームをさらに収束または発散するために使用されてもよい。
【0096】
本教示による光検出および測距の方法は、多波長光学ビームであり得る、第1の複数の光学ビームを生成する第1の複数の光エミッタを備える、第1の送信機アレイを提供するステップを含む。第1のレンズは、第1のレンズが、第1の複数の光学ビームを収束させ、ビームウェストを伴う第1の収束された光学ビームを形成するように、第1のレンズの焦点距離未満である、複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、第1の複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第2のレンズは、第1の収束された光学ビームを標的範囲に投影するように、第1の収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第2のレンズの位置および第1の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、投影された第1の収束された光学ビームの所望の視野を標的範囲に提供するように選択される。
【0097】
本方法はまた、多波長光学ビームであり得る、第2の複数の光学ビームを生成する第2の複数の光エミッタを備える、第2の送信機アレイを提供するステップを含む。第3のレンズは、第3のレンズが、第2の複数の光学ビームを収束させ、ビームウェストを伴う第2の収束された光学ビームを形成するように、第3のレンズの焦点距離未満である、第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つからある距離において、第2の複数の光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第4のレンズは、第4のレンズが、第2の収束された光学ビームを標的範囲に投影するように、第2の収束された光学ビームの光学経路内に位置付けられる。第4のレンズの位置および第2の複数の光エミッタのうちの少なくとも1つの放出幅は、投影された第2の収束された光学ビームの所望の視野を標的範囲に提供するように選択される。第1の送信機アレイの位置および第2の送信機アレイの位置は、LIDAR送信機の所望の視野を標的範囲に提供するように選定される。
【0098】
(均等物)
本出願人の教示は、多様な実施形態に関連して説明されるが、本出願人の教示がそのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本出願人の教示は、多様な代替、変形および相当物に及び、当業者によって理解されるように、本教示の精神および範囲から逸脱することなくその中に作成されることが可能である。