(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
G01G19/387 C
(21)【出願番号】P 2020195691
(22)【出願日】2020-11-26
(62)【分割の表示】P 2018006160の分割
【原出願日】2016-11-08
【審査請求日】2020-11-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
【審査官】谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-278868(JP,A)
【文献】実開昭63-099236(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を受け付ける物品受付ホッパであって、
当該物品受付ホッパを、高低それぞれの位置に切り替える位置切換え機構を備えており、
前記物品受付ホッパは、伸縮自在なダンパーを備えて
おり、
前記高低それぞれの位置は、前記物品を計量するための計量ホッパに当該物品を供給するための供給ホッパへ前記物品を供給する物品供給位置と、当該物品供給位置よりも低位置であって、前記物品受付ホッパが前記物品を受け付ける物品受付位置とのそれぞれである、物品受付ホッパ。
【請求項2】
当該物品受付ホッパの位置切換え操作時に用いる取っ手を備える、
請求項1に記載の物品受付ホッパ。
【請求項3】
供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量するための計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連と、前記複数連の各供給ホッパへ前記物品を供給する供給ユニットとを備え、
前記計量ユニットの前記複数連は、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、
前記供給ユニットは、前記計量ユニットの前記複数連に対向して、前記各供給ホッパへ前記物品を供給できるように近接配置され、
前記供給ユニットは、請求項1または2に記載の物品受付ホッパを備える、計量装置。
【請求項4】
供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量するための計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連と、前記複数連の各供給ホッパへ前記物品を供給する供給ユニットとを備え、
前記計量ユニットの前記複数連は、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、
前記供給ユニットは、前記計量ユニットの前記複数連に対向して、前記各供給ホッパへ前記物品を供給できるように近接配置され、
前記供給ユニット
が備える物品受付ホッパは、物品を受け付ける物品受付ホッパであって、高低それぞれの位置に切り替える位置切換え機構を備えており、伸縮自在なダンパーを備えている、
計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や菓子類等の各種の物品を所定量ずつ計量する計量装置に係り、特には、多品種の物品を少量ずつ混合計量するのに好適な計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数品種の物品を混合計量する計量装置としては、例えば、特許文献1に示されているように、組合せ秤を用いたものが知られている。
【0003】
一般に、組合せ秤では、計量する物品を供給する供給装置から、組合せ秤の上部中央の分散フィーダの円錐状のトップコーンへ物品を供給し、分散フィーダによって物品を外方に振動搬送して、分散フィーダの周囲に放射状に配設した多数のリニアフィーダによって更に外方に振動搬送し、各リニアフィーダに対応して配設された多数の計量ユニットへ供給する。
【0004】
各計量ユニットには、リニアフィーダからの物品を一時保持して排出する供給ホッパと、この供給ホッパから排出された物品を計量する計量ホッパとが備えられている。各計量ホッパでは、供給された物品の重量が重量センサによって計量される。計量された計量ホッパの物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って目標組合せ重量に基づく許容重量範囲となる計量ホッパの組合せである適量組合せを選択し、選択された適量組合せの計量ホッパから物品を排出し、集合シュートを介して後段の包装機等へ投入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような組合せ秤を用いて複数品種、例えば、3品種の物品の混合計量を行う場合、上記特許文献1の
図1(c)に示されているように、仕切り板によって、分散フィーダ上の円形の領域を円周方向に沿って3分割し、各分割領域へ各品種の物品をそれぞれ供給するようにしている。
【0007】
しかしながら、混合計量すべき品種が多品種、例えば10品種になると、円形の分散フィーダの円周方向に沿って、品種の数に応じて10分割して各品種の物品を10台の各供給装置からそれぞれ供給しなければならず、しかも、組合せ精度を確保するためには、各分割領域の計量ユニットの数も必要となる。
【0008】
したがって、強いて実施するには、分散フィーダを大径にして円周方向に沿って分割した各分割領域の周長を長くしなければならず、更に大径な分散フィーダの周囲にリニアフィーダや供給ホッパ等を配設しなければならないために、円形の分散フィーダの外方へ更に広がり、大きな占有スペースを要する非常に大型のものにならざるを得ず、現実的ではない。
【0009】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、コンパクトな構成であって、多品種の物品の混合計量にも対応できる計量装置を提供することを主たる目的とする。また、物品の補給を容易に行えるようにすることも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0011】
(1)本発明は、物品を受け付ける物品受付ホッパであって、当該物品受付ホッパを、高低それぞれの位置に切り替える位置切換え機構を備えており、前記物品受付ホッパは、伸縮自在なダンパーを備えており、前記高低それぞれの位置は、前記物品を計量するための計量ホッパに当該物品を供給するための供給ホッパへ前記物品を供給する物品供給位置と、当該物品供給位置よりも低位置であって、前記物品受付ホッパが前記物品を受け付ける物品受付位置とのそれぞれである。
【0012】
本発明によると、物品受付ホッパを物品供給位置から低位置に降ろして、低い物品受付位置で楽に物品の補給を行った後、物品受付ホッパを持ち上げて物品供給位置にセットすることができ、例えば、高位置に固定された物品受付ホッパまで補給用の容器などを持ち上げて補給する場合に比べて補給作業が容易となる。
【0013】
(2)本発明の好ましい実施態様では、当該物品受付ホッパの位置切換え操作時に用いる取っ手を備える。
【0014】
(3)本発明の計量装置は、供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量するための計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連と、前記複数連の各供給ホッパへ前記物品を供給する供給ユニットとを備え、前記計量ユニットの前記複数連は、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、前記供給ユニットは、前記計量ユニットの前記複数連に対向して、前記各供給ホッパへ前記物品を供給できるように近接配置され、前記供給ユニットは、上記(1)または(2)に記載の物品受付ホッパを備える。
【0015】
(4)本発明の計量装置は、供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量するための計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連と、前記複数連の各供給ホッパへ前記物品を供給する供給ユニットとを備え、前記計量ユニットの前記複数連は、各供給ホッパが直線状に並ぶように列設され、前記供給ユニットは、前記計量ユニットの前記複数連に対向して、前記各供給ホッパへ前記物品を供給できるように近接配置され、前記供給ユニットが備える物品受付ホッパは、物品を受け付ける物品受付ホッパであって、高低それぞれの位置に切り替える位置切換え機構を備えており、伸縮自在なダンパーを備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、物品受付ホッパを物品供給位置から下方に降ろして、低い物品受付位置で楽に物品の補給を行った後、物品受付ホッパを持ち上げて物品供給位置にセットすることができ、例えば、高位置に固定された物品受付ホッパまで補給用の容器などを持ち上げて補給する場合に比べて補給作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は手前側の供給ユニットを取り除いた計量装置の正面図である。
【
図3】
図3は供給ユニットを離間移動させた計量装置の側面図である。
【
図4】
図4は一部の供給ユニットを離間移動させた計量装置の平面図である。
【
図6】
図6は計量ユニット及びリジェクト機構を示す側面図である。
【
図7】
図7はリジェクト作動状態の一部切欠き側面図である。
【
図8】
図8は貯留ホッパの位置切り換え構造を示す側面図である。
【
図9】
図9は本発明の他の実施形態の
図1に対応する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る計量装置の手前側の供給ユニット4を取り除いた状態の正面図であり、
図2は、計量装置の側面図であり、
図3は、供給ユニット4を離間移動させた計量装置の側面図であり、
図4は、一部の供給ユニット4を離間移動させた計量装置の平面図である。
【0020】
この実施形態の計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種、例えば、10品種の物品を所定少量ずつ組合せ計量するものであって、作業者Wが上り下り可能な階上の床面2に設置され、計量された物品を階下に設置した図示されていない包装機に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0021】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1における横方向、
図2,
図3における紙面表裏方向、及び、
図4の上下方向を、左右方向と呼称し、また、
図1における紙面表裏方向、
図2,
図3における横方向、及び、
図4の左右方向を、前後方向と呼称することとする。
【0022】
図2ないし
図4に示すように、計量装置の前後方向中央には、図示されていない支持枠を介してセンター基体1が床面2上に固定配備されている。
【0023】
センター基体1の前面側(
図2ないし
図4の左側)と後面側(
図2ないし
図4の右側)のそれぞれには、左右一列状に列設した複数連ずつの計量ユニット3が、配備されている。この例では、
図1,
図4に示すように、各一列16連の計量ユニット3が列設されて、前後合わせて2列、計32連の計量ユニット3が備えられている。複数連を構成する連の数は、任意であり、混合する物品の品種の数等に応じた数とすればよい。
【0024】
前面側の計量ユニット3群の前方側(
図2ないし
図4の左方側)、及び、後面側の計量ユニット3群の後方側(
図2ないし
図4の右方側)には、計量される多品種の物品を、直線状に並んだ各計量ユニット3の上部へ供給する供給ユニット4が、計量ユニット群3にそれぞれ対向して近接配置されている。
【0025】
各一連の計量ユニット3は、供給ユニット4から搬送されてきた物品を一旦保持して排出する供給ホッパ5と、供給ホッパ5から排出された物品を保持して計量するための計量ホッパ6と、計量ホッパ6から排出された物品を保持するメモリホッパ7とを上下縦列状に配置した構造となっている。計量ユニット3の各ホッパ5,6,7は、センター基体1に従来と同様にして着脱可能に取付けられる。
【0026】
なお、図示されていないが、供給ホッパ5、計量ホッパ6、メモリホッパ7の排出用のゲートを開閉するゲート駆動部や計量ホッパ6に供給された物品の重量を検出するための後述の重量センサ等が、センター基体1に収納支持されている。このセンター基体1と各供給ユニット4とは、図示しないケーブル等で接続されている。
【0027】
各計量ユニット3は、上記のようにメモリホッパ7を備えており、組合せ演算に参加できるホッパ(有効ホッパ)の数を増やすことができる。
【0028】
この実施形態では、前後各一列16連の計量ユニット3は、
図1に示すように、左右方向に隣接する4連ずつの部分に区分された4つの部分連で構成されており、左右外側の2つの部分連が、内側の2つの部分連よりも高位置に配置されている。
【0029】
各部分連における計量ホッパ6とメモリホッパ7の下方には、所定の重量となるように組合せ演算で選択された複数の計量ホッパ6、あるいは、メモリホッパ7から排出された物品を集める第1集合シュート8が配備されている。
【0030】
各部分連に対応する各第1集合シュート8の下方には、各第1集合シュート8の排出口を開閉する第1ゲート9が設けられており、各第1集合シュート8で集められた物品を一時的に受け止め保持し、排出することができる。更に、複数の第1ゲート9の下方には、各第1集合シュート8から排出された物品を滑落案内して計量ユニット3群の中央下方に集める単一の第2集合シュート10と、第2集合シュート10の中央の排出口を開閉する第2ゲート11が設けられている。前側及び後側の計量ユニット3群で計量され集められた全品種の物品を、第2集合シュート10の中央の一か所に集めて、第2ゲート11で一時的に受止め保持し、第2ゲート11を開放して下方の包装機へ排出する。この第2ゲート11は、包装機側からの排出要求指令に基づいて開放制御される。
【0031】
上記のように、左右外側の部分連の各ホッパ5,6,7、第1集合シュート8及び第1ゲート9を、内側の部分連の各ホッパ5,6,7、第1集合シュート8及び第1ゲート9よりも高く設置すると、左右外側の部分連の第1集合シュート8及び第2集合シュート10の傾斜角度を急角度にすることができ、排出された物品を、計量サイクルに必要な速度で、各集合ゲート8,10に沿って滑落させることができる。
【0032】
供給ユニット4は、左右方向の外側の部分連とこれに隣接する内側の部分連との2つの部分連毎に1台ずつ対応しており、各部分連が4連で構成されるので、1台の供給ユニット4によって、8連分の計量ユニット3に物品を供給する。したがって、前面側の1列の計量ユニット3群の前方に2台、後面側の1列の計量ユニット3群の後方に2台の計4台の供給ユニット4が、左右に並列して配備されている。
【0033】
供給ユニット4は、台枠12の上部に、物品を収容する高さの異なる4台ずつ、計8台の貯留ホッパ13と、各貯留ホッパ13の下端から繰り出された物品を計量ユニット3に向けて振動搬送する高さの異なる4台ずつ、計8台の供給フィーダ14を装備して構成されている。
【0034】
各供給フィーダ14は、物品の搬送方向に沿って先下がり階段状に縦列配置された2台の第1,第2リニアフィーダ14a,14bと、各リニアフィーダ14a,14bを個別に振動駆動する加振機構15a、15bとで構成されている。このように供給フィーダ14を、2台の第1,第2リニアフィーダ14a,14bで構成することによって、物品を振動搬送する搬送距離を長くして、その間に物品を均して少量ずつ供給することができ、多品種少量の計量に好適である。
【0035】
また、各リニアフィーダ14a,14b毎に、振動強度(振幅)を設定することができるので、物品の品種に応じて、適切な振動強度を設定することができる。
【0036】
貯留ホッパ13から搬送方向の上流側の第1リニアフィーダ14aに投入供給された物品は、振動搬送されながらほぐされ、下流側の第2リニアフィーダ14bに移載され、第2リニアフィーダ14bによって振動搬送されて少量ずつ計量ユニット3の供給ホッパ5に送り込まれる。また、供給フィーダ14で振動搬送する際、搬送径路に形成されている第1リニアフィーダ14aと第2リニアフィーダ14bとの段差部における適度な落下衝撃によっても物品の塊がほぐされやすくなる。
【0037】
各供給フィーダ14の上方には、上流側の第1リニアフィーダ14aの終端近くにおける物品の積層高さを、例えば、超音波で検知する物品検知センサ16がそれぞれ配備されており、その検知出力に基づいて、後述の制御装置によって加振機構15a,15bの振動強度等が制御され、計量ユニット3へ少量ずつ物品供給が行われるようにしている。
【0038】
供給ユニット4における台枠12の下端四隅には、車輪17が備えられるとともに、床面2には、車輪17を係合案内するレール18が前後方向に沿って敷設されている。各供給ユニット4が、レール18に沿って列方向の計量ユニット3群に対して直交する方向で接近及び離間移動できるようになっている。
【0039】
つまり、
図3、
図4に示すように、供給ユニット4を、計量ユニット3へ物品を供給する供給位置から外方に大きく離間移動させて、供給ユニット4と計量ユニット3との間に作業者が入れる空間をあけることで、計量ユニット3の各ホッパ5,6,7や供給ユニット4における各部材を着脱しての洗浄や点検整備を容易に行うことができるものとなっている。
【0040】
なお、洗浄作業や点検整備等の後、供給ユニット4を計量ユニット3群に接近移動させる際、レール18近傍に突設されたストッパ19に台枠12が当接するまで接近移動させることで、供給フィーダ14の終端が供給ホッパ5に対して適正に位置決めされることになる。この位置決めされた供給位置で供給ユニット4を適宜ロック手段で固定して計量運転を開始することになる。
【0041】
この実施形態では、1台の供給ユニット4を離間移動させることで、8連の計量ユニット3の正面を開放することができ、1連の計量ユニット3に対して1台の供給ユニット4を対向配備する場合に比べて、洗浄作業や点検整備等が容易となる。なお、一列の計量ユニット3群、この例では、16連の計量ユニット3に対して1台の供給ユニット4を対向配置すると、供給ユニット4の重量が大きいものになり、かえって取扱いにくいものになる。
【0042】
物品を計量ユニット3の供給ホッパ5へ振動搬送する供給フィーダ14は、供給ユニット4の台枠12に設けられる一方、計量ユニット3の計量ホッパ6に供給された物品の重量を検出する重量センサは、センター基体1に設けられる、すなわち、物品の重量を検出する重量センサと、物品を振動搬送する供給フィーダ14とは、異なる筐体1,12にそれぞれ設けられる。これによって、上記特許文献1のように、物品を供給ホッパへ振動搬送する分散フィーダ及びリニアフィーダが、計量ホッパに供給された物品の重量を検出する重量センサと同一の筐体であるセンター基体に設けられる構成に比べて、重量センサが、フィーダから受ける振動の影響を低減することができる。
【0043】
図5は、この実施形態に係る計量装置の制御ブロック図である。
【0044】
各部を制御する制御装置41は、例えば、センター基体1内に収納されており、計量装置に対する操作、動作パラメータ等の各種の設定及び計量値等を表示する操作設定表示器42に接続されている。この制御装置41には、供給ユニット4の物品検知センサ16の検出出力及びセンター基体1に収納された複数の重量センサ40からの重量信号が与えられる。制御装置41は、供給ユニット4の各リニアフィーダ14a,14bの駆動を制御すると共に、各ホッパ5,6,7の排出用のゲート及び第1,第2ゲート9,11の開閉を制御する。
【0045】
この制御装置41は、計量ホッパ6及びメモリホッパ7の物品の重量に基づいて、組合せ演算を行って適量組合せに選択されたホッパ6,7から物品を排出させる演算制御部43としての機能を有し、この演算制御部43は、計量ホッパ6へ供給される物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合に、後述のようにリジェクト機構20によるリジェクトシュート21の出退動作を制御して、過量の物品を排除する。
【0046】
なお、制御装置41は、必ずしも単独の制御装置で構成される必要はなく、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されてもよく、計量ユニット3側のセンター基体1と供給ユニット4とにそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0047】
供給ユニット4の台枠12には、
図2,
図3に示すように、計量ホッパ6に供給された過量の物品を排出するためのリジェクト機構20が備えられている。
【0048】
図6は計量ユニット3及びリジェクト機構20を示す側面図である。
【0049】
計量ホッパ6の下端には、独立して開閉作動可能な排出用の外ゲート6aと内ゲート6bが備えられており、外ゲート6aのみを外方に揺動開放させることで、計量した物品が第1送出径路(a)を介して直接下方の第1集合シュート8に送出され、内ゲート6bのみを内方に揺動開放させることで、計量した物品が第2送出径路(b)を介してメモリホッパ7へ送り込まれて一時保持されるようになっている。
【0050】
すなわち、計量ホッパ6は、保持した物品を、異なる二つの排出方向に選択的に排出することが可能であり、排出された物品は、二つの経路である第1送出径路(a)、又は、第2送出径路(b)を通って第1集合シュート8、又は、メモリホッパ7へ送出される。
【0051】
計量ホッパ6に供給された物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合に、その過量の物品を排除するためのリジェクト機構20は、リジェクトシュート21と、これを前後水平に進退移動させる駆動機構としてのエアシリンダ22とを備え、リジェクトシュート21に投入した物品を回収する回収容器23が設けられる。
【0052】
リジェクトシュート21は、計量ホッパ6の前記第1送出径路(a)に外側から対向して配備されている。通常時、
図6に示すように、エアシリンダ22が短縮作動してリジェクトシュート21は、第1送出径路(a)の外側に退避しており、計量ホッパ6の外ゲート6aの開放に伴う物品の第1集合シュート8への排出を妨げることがない。
【0053】
計量ホッパ6で計量された物品の重量が、所定重量範囲を超える過量である場合には、
図7に示すように、エアシリンダ22が伸長作動して、リジェクトシュート21が第1送出径路(a)に進出するリジェクト状態となる。この状態で、外ゲート6aが開放作動されることで、計量ホッパ6内の過量の物品が、投入口及び排出口を有する筒状のリジェクトシュート21に排出され、過量の物品が回収容器23に流下回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート21は、第1送出径路(a)から退避した元の位置に戻り、計量ホッパ6の外ゲート6aが閉じられて次の物品の供給に備える。回収容器23は、異なる品種の物品が混じらないように、過量の物品を品種毎にそれぞれ回収できるように設けられている。これによって、回収された物品を、無駄なく効率的に再度の計量に供することができる。
【0054】
なお、リジェクトシュート21の先端には、板材からなるガイド部材24が設けられている。このガイド部材24は、リジェクトシュート21が第1送出径路(a)から外方に退避した位置にある時、第1送出径路(a)に外方から対向した位置にあり、計量ホッパ6の外ゲート6aが開放されて排出される物品の外方への飛散をガイド部材24で阻止し、排出された物品を正しく第1集合シュート8に導くようになっている。
【0055】
図1に示すように、供給ユニット4に備えられた貯留ホッパ13は、作業者にとって比較的高い位置に配備されるので、物品の補給を容易に行うために、高位置の物品供給位置と、低位置の物品補給位置とに切り換え昇降可能に構成すると便利である。
【0056】
この貯留ホッパ13の昇降構造の一例が、
図8に示されている。この例では、物品補給口13bを上方角部に備えた貯留ホッパ13が、台枠12に備えた支持ブラケット31に上下長孔32と2本ピン33a、33bを介して上下スライド、および、内外に反転回動可能に支持されている。
【0057】
すなわち、長孔32の上部には、二股状に分岐された屈曲孔部が形成されており、貯留ホッパ13を上昇させた状態では、ピン33a、33bが屈曲孔の端部にそれぞれ支持されることで、貯留ホッパ13が供給フィーダ14の始端上に対向して起立する物品供給位置に安定保持される。この状態から貯留ホッパ13を、ピン33aを中心として外側に90度回動させた後、少し外方へ引き出すと、両ピン33a、33bが上下長孔32の直線部位に位置することになる。これによって、外方に回倒させた姿勢の貯留ホッパ13を、両ピン33a、33bと上下長孔32の案内によって、そのままの姿勢で下降させることができる。
【0058】
その下降限界が低位置の物品補給位置となり、貯留ホッパ13の物品補給口13bへの物品補給や清掃を容易に行うことができる。また、貯留ホッパ13と支持ブラケット31の下部に亘って伸縮自在なダンパー34が架設され、貯留ホッパ13の回動や下降に適度の抵抗を与えるとともに、ホッパ持ち上げ操作のアシストを行うようになっている。なお、貯留ホッパ13の位置切り換え操作時に用いる取っ手13aは、隣接する2台の貯留ホッパ13に亘って装備されており、2台ずつ貯留ホッパ13の位置切り換え操作を行うようになっている。
【0059】
このように、貯留ホッパ13を降ろして低い位置で楽に補給を行った後、貯留ホッパ13を持ち上げるだけで所定の物品供給位置にセットすることができ、例えば、高位置に固定された貯留ホッパまで補給用の容器などを持ち上げて補給する場合に比べて補給作業が容易となる。
【0060】
この実施形態では、多品種、例えば、10品種の物品を混合計量するものであり、予め32連の計量ユニット3を、品種等を考慮して、例えば、4連、3連、2連など品種毎に連を適宜割り当て、操作設定表示器42を操作して制御装置42に割り当てた品種毎の連を登録する。登録した計量ユニット3の各連に対応する供給ユニット4の貯留ホッパ13に、対応する品種の物品を貯留して運転を行う。
【0061】
制御装置41の演算制御部43は、各品種の物品にそれぞれ対応する計量ユニット3の計量ホッパ6及びメモリホッパ7の各品種の物品の重量に基づいて、組合せ演算を行う。この組合せ演算は、特に限定されず、従来公知の混合計量の組合せ演算を行えばよい。例えば、それぞれ所定重量範囲にある第1品種から第9品種までの9品種の物品について排出するホッパを決定し、それら9品種の物品の合計重量に、加算した重量が、目標組合せ重量を下限値とする許容重量範囲となる第10品種のホッパを選択し、決定した前記9品種の物品のホッパ、及び、選択した第10品種の物品のホッパを適量組合せのホッパとし、この適量組合せのホッパから物品を排出し、第1集合シュート8、第1ゲート9、第2集合シュート10及び第2ゲート11を介して包装機へ投入する。
【0062】
これによって、合計重量が、許容重量範囲となる10品種の物品が混合された混合物品が、包装機で包装される。
【0063】
上記のように、本実施形態によれば、供給ホッパ5及び計量ホッパ6を上下に一連に有する計量ユニット3の複数連を、各供給ホッパ5が直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパ5へ物品を供給する供給ユニット4が、計量ユニット3の複数連に対向するように近接配置されるので、例えば、供給ホッパ5へ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニット3の複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット3及び供給ユニット4を、直線状に増設すればよく、上記特許文献1のように分散フィーダを大径にして、分散フィーダを中心して全方向に占有スペースを広げる必要がなく、平面的にコンパクトなものとなる。
【0064】
また、計量ユニット3の複数連を、センター基体1の両側に2列備え、各列にそれぞれ対応する供給ユニット4が、計量ユニット3の複数連に対向して近接配置されるので、同じ連数を1列のみで構成するのに比べて、列方向の長さを短くして平面スペースを有効に利用し、計量ユニット3及び供給ユニット4を集約して配置することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
(1)
図9に示すように、左右方向の外側及び内側に位置する部分連の高さを揃えてもよい。この
図9では、計量ユニット3の左右方向の連数を2連減らし、前後方向と合せて計4連減らし、左右方向の内側の部分連は3連、外側の部分連は4連としている。
【0066】
(2)上記実施形態では、多品種の物品の混合計量に適用して説明したが、本発明の計量装置は、混合計量に限らず、例えば、連数を少なくして単一品種の物品の組合せ計量に適用してもよい。
【0067】
(3)上記実施形態では、各計量ユニット3にメモリホッパ7を備えて、組合せ演算に参加できる有効ホッパの数を増やしたが、メモリホッパ7は、省略してもよい。
【0068】
(4)上記実施形態では、各部分連の各第1集合シュート8には、第1ゲート9を設け、各部分連のホッパから排出された物品を一時保持するようにしているが、第1ゲート9を省略し、各部分連のホッパから排出された物品を、直接に第2集合シュート10で集合させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 センター基体
3 計量ユニット
4 供給ユニット
5 供給ホッパ
6 計量ホッパ
7 メモリホッパ
8 第1集合シュート
9 第1ゲート
10 第2集合シュート
11 第2ゲート
12 台枠
13 貯留ホッパ
14 供給フィーダ
14a 第1リニアフィーダ
14b 第2リニアフィーダ
20 リジェクト機構
21 リジェクトシュート
23 回収容器
41 制御装置
43 演算制御部