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特許6995502電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/005 20060101AFI20220106BHJP
   H05B 3/02 20060101ALI20220106BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220106BHJP
【FI】
B23K1/005 A
H05B3/02 A
A24F40/46
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017112646
(22)【出願日】2017-06-07
(65)【公開番号】P2018030171
(43)【公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】102016000061613
(32)【優先日】2016-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンドレ ルメイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ マデラ
(72)【発明者】
【氏名】エンリコ メディナ
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ヴェントゥーリ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ サルトーニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フェデリーチ
【審査官】黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-512681(JP,A)
【文献】特開2016-104009(JP,A)
【文献】特開平03-146287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/005
A24F 40/46
H05B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコの加熱部(100)の電気回路(106)をレーザー半田付けするための方法であって、
a)供給パス(P)に沿って電子タバコの加熱部(100)を、レーザー光線(4)を発する発光領域(3)においてレーザー半田付けヘッド(2)に前記加熱部(100)が面する少なくとも半田付け位置(S)まで供給する工程と、
b)第一半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第一点に第一レーザー半田を、前記レーザー光線を前記第一点に照射することによって、形成する工程と、
c)前記第一半田接続から間隔を空けて第二半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第二点に第二レーザー半田を、前記レーザー光線を前記第二点に照射することによって、形成する工程と、
を含むレーザー半田付け方法において、
前記第一のレーザー半田付け工程の間、前記レーザー光線(4)は半田付けされる面に対して垂直であり、
前記レーザー半田付け方法は、前記第二のレーザー半田付け工程の間にレーザー光線(4)が半田付けされるそれぞれの面に対して垂直となるよう前記レーザー半田付けヘッド(2)が前記第一点と前記第二点との間で移動されるように前記レーザー半田付けヘッド(2)を移動させる工程d)を、前記工程b)と前記工程c)との間に含んでおり、
前記第一のレーザー半田付け工程および前記第二のレーザー半田付け工程は、前記レーザー光線の二つの別々のパルスを生成することにより行われるレーザー半田付け方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザー半田付け方法において、工程d)の間に、前記レーザー半田付けヘッド(2)は平行移動、例えば垂直方向の平行移動によって移動されるレーザー半田付け方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザー半田付け方法において、工程d)の間に、前記レーザー半田付けヘッド(2)は一定速度で移動されるレーザー半田付け方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のレーザー半田付け方法において、前記加熱部(100)は前記半田付け位置(S)に静止した状態で、前記レーザー半田付けヘッド(2)が前記第一点と前記第二点との間で移動されるレーザー半田付け方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のレーザー半田付け方法において、それぞれの加熱部(100)が前記同じ半田付け位置(S)に順に到達するよう、前記供給パス(P)に沿って複数の加熱部(100)を順に供給する工程を含んでおり、
前記半田付け位置(S)に位置するそれぞれの加熱部(100)に工程b)、工程d)および工程c)を繰り返すレーザー半田付け方法。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザー半田付け方法において、前記レーザー半田付けヘッド(2)は、それぞれの加熱部(100)に対して前記移動工程d)に応じて一度だけ移動され、
前記レーザー半田付けヘッド(2)は、第一加熱部を半田付けするとき前進行程(d1)を実行し、前記第一加熱部の直ぐ後の第二加熱部を半田付けするとき戻り行程(d2)を実行するレーザー半田付け方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のレーザー半田付け方法であって、前記第一接続は、前記電気回路(106)の第一端子(103)とコイル(105)との間で形成され、前記第二接続は、前記電気回路(106)の第二端子(104)と前記コイル(105)との間で形成される方法において、
前記レーザー光線(4)は、前記レーザー光線(4)と前記コイル(105)との間にそれぞれ配置される前記第一端子(103)と前記第二端子(104)とに垂直に照射されるレーザー半田付け方法。
【請求項8】
請求項1に記載のレーザー半田付け方法において、前記レーザー光線を生成する前記二つのパルスは、単一の作動トリガによって始動させられるレーザー半田付け方法。
【請求項9】
電子タバコの加熱部(100)の電気回路をレーザー半田付けするための方法であって、
a)供給パス(P)に沿って電子タバコの加熱部(100)を、レーザー光線(4)を発する発光領域(3)においてレーザー半田付けヘッド(2)に前記加熱部(100)が面する少なくとも半田付け位置(S)まで供給する工程と、
b)前記電気回路(106)の第一端子(103)とコイル(105)との間に第一半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第一点に第一レーザー半田を、前記レーザー光線を前記第一点に照射することによって、形成する工程と、
c)前記第一半田接続から間隔を空けて、前記電気回路(106)の第二端子(104)と前記コイル(105)との間に第二半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第二点に第二レーザー半田を、前記レーザー光線を前記第二点に照射することによって、形成する工程と、
を含むレーザー半田付け方法において、
前記第一のレーザー半田付け工程および前記第二のレーザー半田付け工程の間に、前記レーザー光線(4)は、前記レーザー光線と前記コイルとの間にそれぞれ配置される前記第一端子と前記第二端子とに垂直に照射されるレーザー半田付け方法。
【請求項10】
電子タバコの加熱部(100)の電気回路をレーザー半田付けするためのレーザー半田付け装置(1)であって、
レーザー光線(4)を発する発光領域(3)を有するレーザー半田付けヘッド(2)と、
供給パス(P)に沿って電子タバコの加熱部(100)を、前記レーザー半田付けヘッド(2)に前記発光領域(3)において前記加熱部(100)が面する少なくとも半田付け位置(S)まで供給するよう構成される供給装置(5)と、
を備えるレーザー半田付け装置において、
前記レーザー半田付けヘッド(2)に機能的に接続されるとともに、第一接続と第二接続とをそれぞれ形成するよう、前記電気回路(106)の第一点と第二点との間で、レーザー光線(4)が前記第一点と前記第二点とにおいて半田付けされるそれぞれの面に対して垂直となるよう、前記レーザー半田付けヘッド(2)を移動させるように構成される移動手段(6)を備えており、
前記レーザー半田付けヘッド(2)は、前記第一点と前記第二点とに前記レーザー光線の二つの別々のパルスを生成するための手段を備えているレーザー半田付け装置。
【請求項11】
請求項10に記載のレーザー半田付け装置において、前記移動手段(6)は、前記レーザー半田付けヘッド(2)を平行移動、例えば垂直方向の平行移動で、移動させるよう構成されるレーザー半田付け装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載のレーザー半田付け装置において、前記移動手段(6)は、前記レーザー半田付けヘッド(2)を一定速度で移動させるよう構成されるレーザー半田付け装置。
【請求項13】
請求項1012のいずれかに記載のレーザー半田付け装置において、前記供給装置(6)は、前記加熱部(100)を断続的に供給するように構成されるレーザー半田付け装置。
【請求項14】
請求項1013のいずれかに記載のレーザー半田付け装置において、前記供給装置(5)は、前記加熱部(100)を径方向外面上で受け取り保持するよう構成される供給ドラムを備えるレーザー半田付け装置。
【請求項15】
請求項14に記載のレーザー半田付け装置であって、前記第一接続は、前記電気回路(106)の第一端子(103)とコイル(105)との間で形成され、前記第二接続は、前記電気回路の第二端子(104)と前記コイル(105)との間で形成されるレーザー半田付け装置において、
前記供給ドラムは、前記端子が外側に向くよう前記加熱部(100)を保持するよう構成されており、
前記コイルは前記端子と前記供給ドラムの中心との間に配置されるレーザー半田付け装置。
【請求項16】
請求項10に記載のレーザー半田付け装置であって、前記レーザー光線を生成する前記二つのパルスは、単一の作動トリガによって始動させられるレーザー半田付け装置。
【請求項17】
電子タバコの加熱部(100)の電気回路をレーザー半田付けするためのレーザー半田付け装置(1)であって、
レーザー光線(4)を発する発光領域(3)を有するレーザー半田付けヘッド(2)と、
供給パス(P)に沿って電子タバコの加熱部(100)を、前記レーザー半田付けヘッド(2)に前記発光領域(3)において前記加熱部(100)が面する少なくとも半田付け位置(S)まで供給するよう構成される供給装置(5)と、
を備え、
前記電気回路(106)の第一端子(103)とコイル(105)との間に第一半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第一点に第一レーザー半田を、前記レーザー光線(4)を前記第一点に照射することによって、形成するよう、および前記第一半田接続から間隔を空けて、前記電気回路(106)の第二端子(104)と前記コイル(105)との間に第二半田接続を形成するために、前記電気回路(106)の第二点に第二レーザー半田を、前記レーザー光線(4)を前記第二点に照射することによって、形成するよう、構成されているレーザー半田付け装置(1)において、
前記供給装置(5)は、前記加熱部(100)を径方向外面上で受け取り保持するよう構成される供給ドラムを備えており、
前記供給ドラムは、前記端子(103,104)が外側に向くよう前記加熱部(100)を保持するよう構成されており、
前記コイル(105)は前記端子(103,104)と前記供給ドラムの中心との間に配置されるレーザー半田付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、電子タバコを生産するすなわち組み立てるための機械において用いられるレーザー半田付け装置に関する。本発明はまた、電子タバコを生産するすなわち組み立てるためのプロセスの環境において適用されるレーザー半田付け方法に関する。
【0003】
したがって、本発明は、電子タバコ生産すなわち組み立ての分野において適用可能である。
【背景技術】
【0004】
エネルギー源に例えば電池に接続される電気回路がそこを通って流れる電流の結果としてのジュール効果によって熱を生成するよう構成される加熱部を備えており、これにより、加熱部の芳香部材に収容される芳香物質を加熱して芳香物質を蒸発させるための電子タバコが知られている。
【0005】
ジュール効果を最適化するために、電気回路は、エネルギー源と電気接続状態に配置される(あるいは配置されるのに適した)二つの端子と、芳香部材に巻きつけられたコイルと、を有する。
【0006】
タバコの生産においてレーザー・ヘッド(従来式および電子式の両方)を用いることが知られている。レーザー・ヘッドは、電子タバコを生産するプロセスにおいて、端子へのコイルのレーザー半田付けを含む複数の作業を実行するために用いられる。
【0007】
それぞれの端子において一回ずつ、二つの異なる半田接続を形成する必要があるので、一つの固定レーザー半田付けヘッドを用い、複数の鏡によって二つの半田点の間でレーザー光線を偏向させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この半田付け方法では、半田付けされる面への垂直方向に対して無視できない角度で常にレーザー光線が発せられ、このため、半田付け作業の制御が困難であり、したがって、半田の品質によくない影響を与えている。
【0009】
これらの欠点は、レーザー光線が直接当たればダメージを受けやすい横方向寸法が小さくされたコイルの場合、さらに悪化する。
【0010】
本発明の目的は、従来技術に関して上述した欠点を克服できる、電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置を提供することにある。
【0011】
より具体的には、本発明の目的は、特にコイルと端子との間を接続する場合に半田の品質を最大限に確保できる、電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、高速で動作する機械および生産プロセスにそれぞれ適用可能である、電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、添付の特許請求の範囲の一以上の請求項に記載した特徴を有する電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置によって達成できる。従属項は、本発明の可能な態様に対応する。
【0014】
(好ましくは一定速度で)移動可能なレーザー半田付けヘッドによって、および二つの別々のパルス(それぞれの端子に対して一つ)を生成する単一のレーザー半田付けヘッドによって、半田付けされる面に垂直なそれぞれのレーザー光線を(多くとも非常に小さいズレで)得ることができる、したがって最適な半田付け品質を得ることができる利点がある。
【0015】
また、端子がレーザー光線とコイルとの間に配置されるので、したがって、コイルがダメージを受けないよう端子が正確に固定されるので、最適な半田付け品質を達成できる。
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、電子タバコの加熱部の電気回路をレーザー半田付けするための方法および装置の好ましい実施形態したがって非排他的な実施形態の例示的であり故に限定するものではない以下の説明からさらに明らかとなろう。
【0017】
本発明を、本発明を限定するものではない実施形態を示す添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】電子タバコの加熱部の概略的な斜視図を示す。
図2】電子タバコを生産する機械の内側に装着されるとともに、加熱部を供給するすなわち移送するためのドラムすなわちホイールを図示している、二つの異なる動作位置の一方における本発明にかかるレーザー半田付け装置の概略的な断面である。
図3】電子タバコを生産する機械の内側に装着されるとともに、加熱部を供給するすなわち移送するためのドラムすなわちホイールを図示している、二つの異なる動作位置の他方における本発明にかかるレーザー半田付け装置の概略的な断面である。
図4図2および図3の細部の概略的な断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照して、参照符号100は、電子タバコの加熱部全体を示している。
【0020】
加熱部100は、電子タバコを構成するハウジング内に適合されるよう構成される。加熱部100は、例えば円筒状の支持要素101を備える。二つの端子103,104を支持する例えば管状の要素102が、支持要素101から例えば軸方向に突出する。
【0021】
二つの端子103,104は、要素102自体に平行に、そして要素102自体の側方に装着される。二つの端子103,104は、支持要素101において互いに近接して配置されており(converge)、電子タバコに配置されるエネルギー源によって例えば電池によって、電力が供給されるよう構成される。
【0022】
参照符号105は、第一接続において端子103に、そして第二接続において端子104に、半田付けされるコイルを示している。
【0023】
二つの端子103,104とコイル105とにより、電子タバコの加熱部100の電気回路106が構成される。
【0024】
第一接続と第二接続とは、電気回路106の第一点と第二点とにそれぞれ位置する。
【0025】
参照符号107は、電子タバコの芳香部材を示している。電流が電気回路を流れたときのジュール効果の結果生成される熱を受けたとき蒸発する芳香物質を収容するかつ/または保持するよう、芳香部材は構成される。
【0026】
加熱部の構成に関して、端子103,104および/または要素102の長さと略平行な主方向“X”に沿って加熱部は延設される。
【0027】
図2および図3に、二つの異なる位置における電気回路107のレーザー半田付け装置1を示す。
【0028】
レーザー半田付け装置1は、レーザー光線4が発せられる発光領域3を有するレーザー半田付けヘッド2を備える。レーザー半田付けヘッド2は、レーザー光線の二つの別々のパルスを生成するための手段を備える。より具体的には、レーザー光線を生成する二つのパルスは、単一の作動トリガによって始動させられる。
【0029】
参照符号5は、供給パス“P”に沿って電子タバコの加熱部100を少なくとも半田付け位置“S”まで供給するよう構成される供給装置を示している。半田付け位置“S”では、加熱部100が発光領域3においてレーザー半田付けヘッド2に面する。
【0030】
好ましくは、供給装置5は、加熱部を径方向外面上に受け取り保持するよう構成される供給ドラムを備える。さらに好ましくは、端子103,104は外側に向いており、コイル105が端子自体と供給ドラムの中心との間に配置されるよう、加熱部100を保持するよう供給ドラムは構成される。
【0031】
図示の実施形態において、供給ドラムは、水平軸“A”回りに回転するとともに、主方向“X”が供給ドラムに対する接平面上にありかつ軸“A”と平行となるよう加熱部を保持するよう構成される。
【0032】
図2および図3に、二つの端子103,104およびコイル105の断面とともに、加熱部100を概略的に示す。
【0033】
一の実施可能な形態において、給送装置5好ましくは供給ドラムが、半田付け位置“S”において所定の時間長さで停止するよう、断続的に加熱部を供給するよう構成される。
【0034】
レーザー半田付け装置1は、レーザー半田付けヘッド2に機能的に接続される移動手段6を備える。互いに間隔を空けて配置される前述の半田接続を形成するよう、レーザー半田付けヘッド2を移動させるように移動手段6は構成される。
【0035】
好ましくは、移動手段6は、モータ(図示せず)を備える。モータの出力シャフト7には、図2または図3の紙面に対して垂直な軸回りに両方向に交互に回転するレバー8が固定されている。
【0036】
参照符号9は、レバー8とレーザー半田付けヘッド2との間に配置される、レーザー半田付けヘッド2への接続のための接続棒(コンロッド)を示している。
【0037】
参照符号10は、ストレートガイド(直線案内部)を示している。接続棒9の作用により、レーザー半田付けヘッド2はストレートガイドに沿って摺動することができる。
【0038】
第一接続と第二接続とをそれぞれ形成するよう、電気回路6の第一点と第二点とにおいて半田付けされるそれぞれの面に対して垂直となるようレーザー光線4を配置するように、電気回路106の第一点と第二点との間でレーザー半田付けヘッド2を移動させるように移動手段6が構成されている。レーザー半田付けヘッドは、第一点と第二点とにおいてレーザー光線の二つの別々のパルスを生成する。
【0039】
図示の例では、移動手段6は、レーザー半田付けヘッド2を平行移動で、例えば垂直方向の平行移動で、移動させるよう構成される。好ましくは、移動手段は、レーザー半田付けヘッドを一定速度で移動させるよう構成される。
【0040】
本発明にかかる電子タバコの加熱部100の電気回路106をレーザー半田付けするための方法を実現するために、好適には、半田付け装置1が用いられる。
【0041】
より具体的には、本半田付け方法は、供給パス“P”に沿って電子タバコの加熱部100を少なくとも半田付け位置“S”まで供給する工程を含む。半田付け位置“S”では、レーザー光線4を発するレーザー半田付けヘッド2に発光領域3において加熱部“100”が面する。
【0042】
この後には、第一半田接続を形成するために、レーザー光線を第一点に照射することによって、第一レーザー半田を電気回路の第一点に形成する工程が続く。第一のレーザー半田付け工程の間、レーザー光線は半田付けされる面に対して垂直とされる。より具体的には、第一点は、第一接続を形成するよう、端子103とコイル105とに位置し、第二点は、第二接続を形成するよう、端子104とコイル105とに位置する。
【0043】
第一のレーザー半田付け工程の後に、第二のレーザー半田付け工程の間にレーザー光線4が半田付けされる面に対して垂直となるよう、レーザー半田付けヘッド2は電気回路106の第一点と第二点との間で移動される。第二のレーザー半田付け工程は、第一半田接続から間隔を空けて配置される第二半田接続を形成するよう、レーザー光線を第二点に照射することにより、第二点に対して実行される。
【0044】
第一のレーザー半田付け工程および第二のレーザー半田付け工程は、レーザー光線を二つの別々のパルスとして生成することにより行われる。
【0045】
第一のレーザー半田付け工程および第二のレーザー半田付け工程の間に、レーザー光線は第一点および第二点に垂直に照射される。より具体的には、二つの端子にはレーザー光線が直接照射される、したがって、レーザー光線とコイルとの間に二つの端子がそれぞれ配置される。
【0046】
好ましくは、レーザー半田付けヘッド2は、平行移動で、例えば垂直方向の平行移動で、移動される。また、さらに好ましくは、レーザー半田付けヘッド2は一定速度で移動される。
【0047】
可能な実施形態では、加熱部100は半田付け位置“S”に静止した状態で、レーザー半田付けヘッド2が第一点と第二点との間で移動される。
【0048】
使用時には、それぞれの加熱部100が同じ半田付け位置“S”に順に到達するよう、複数の加熱部100が順に供給パス“P”に沿って供給される。第一のレーザー半田付け工程とレーザー半田付けヘッドを移動させる工程と第二のレーザー半田付け工程とが、半田付け位置に配置されるそれぞれの加熱部100に対して繰り返される。
【0049】
好ましくは、レーザー半田付けヘッド2は、それぞれの加熱部100に対して一度だけ移動される。さらに好ましくは、レーザー半田付けヘッド2は、第一加熱部を半田付けするとき前進行程(フォワード・ストローク)d1)を実行し、第一加熱部の直ぐ後の第二加熱部を半田付けするとき戻り行程(リターン・ストローク)d2)を実行する。分かりやすくするため、参照符号100aと参照符号100bとは、第一加熱部と、第一加熱部の直ぐ後の第二加熱部と、を示している。
【0050】
特に図1は、二つの端子が供給ドラムに対する接平面上にありかつ軸“A”と平行である状態で、第一加熱部100aが半田付け位置“S”に達した瞬間を示している。好ましくは、二つの端子103,104は水平に配置される。
【0051】
レーザー半田付けヘッド2は、端子103にレーザー光線4を照射する上昇位置にある。コイル105は供給ドラムの中心に向けられている。第一の半田付け工程を実行するために、したがって第一接続を形成するために第一レーザー光線を生成する第一パルスの後に、レーザー半田付けヘッド2は、例えば図3に示すように端子104にレーザー光線が照射可能なように、下降する。言い換えれば、レーザー半田付けヘッド2は前進行程d1)を実行する。他方のパルスは、端子104に直接照射される他方のレーザー光線を生成し、これにより、第二接続が形成される。
【0052】
次に、第一加熱部に続く第二加熱部100bを半田付け位置“S”へと搬送するよう、供給ドラムの回転が設定される。
【0053】
レーザー半田付けヘッド2は、端子104にレーザー光線4を照射する下降位置に留まっている。次に、端子103にレーザー光線を照射できるよう、レーザー半田付けヘッド2は上昇する。言い換えれば、レーザー半田付けヘッド2は戻り行程d2)を実行する。他方のパルスは、端子103に直接照射する他方のレーザー光線を形成する。
【0054】
その後に送られてくる加熱部に対して、図2および図3に関して説明した工程が繰り返される。
【0055】
説明した装置および方法を、電子タバコの加熱部の電気回路の二点を半田付けするために用いることができる。特に、本発明により、電気回路の端子にコイルを半田付けすることができる。
【0056】
レーザー半田付けヘッドの(好ましくは一定速度での)移動により、半田付けされる面に垂直なレーザー光線が得られ、したがって、高品質な半田が得られる。
【0057】
断続的に回転を行う供給ドラムによって、加熱部は保持される。全面を同じ半田付け条件とするよう、供給ドラムが停止したときにレーザー光線を水平に向けることにより、そしてレーザー半田付けヘッドを例えば垂直方向に移動させることによって、半田は形成される。
【0058】
本発明にかかる装置を、半田付けが電気回路全体の抵抗を測定することによりチェックされる電子タバコを組み立てるための機械に実装することができる。
【0059】
さらに、レーザー光線は、レーザー光線とコイルとの間にそれぞれ配置される第一端子と第二端子とに垂直に照射され、したがって、コイルへのダメージが回避される。
図1
図2
図3
図4