(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】印影情報取得装置、印影情報取得システム、印影情報取得方法及び印影情報取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 1/00 20060101AFI20220106BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20220106BHJP
【FI】
G06T1/00 400F
G06T7/00 590
(21)【出願番号】P 2017219306
(22)【出願日】2017-11-14
【審査請求日】2020-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】室 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 英生
【審査官】新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-280984(JP,A)
【文献】特開2003-132341(JP,A)
【文献】特開昭60-191372(JP,A)
【文献】特開昭62-232091(JP,A)
【文献】特開昭57-069480(JP,A)
【文献】茶位 利昭,署名タブレットと印面読取装置,月刊自動認識 ,日本,日本工業出版株式会社,2016年12月,pp. 36-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得装置において、
印鑑の押印を受け付ける押印受付部と、
前記押印受付部に対し押印された印鑑の印影情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された印影情報を記憶する記憶部と、
前記取得部により取得された第1の印影情報を前記記憶部に記憶した後に、前記取得部により取得された第2の印影情報
に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えたことを特徴とする印影情報取得装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記第2の印影情報に含まれる印影画像の面積が前記第1の印影情報に含まれる印影画像の面積よりも小さい場合、前記第2の印影情報に含まれる印影画像の印影をなす第2の画素数が前記第1の印影情報に含まれる印影画像の印影をなす第1の画素数よりも小さい場合、又は、前記第1の印影情報に含まれる印影画像を取得してから前記第2の印影情報に含まれる印影画像を取得するまでの時間が所定の時間未満である場合であることを特徴とする請求項1に記載の印影情報取得装置。
【請求項3】
前記記憶部に記憶された複数の印影情報のうちの少なくとも1つの印影情報に含まれる印影画像を所定の表示部に表示制御する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の印影情報取得装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶された複数の印影情報に含まれる印影画像と、あらかじめ登録された登録印影画像との類似度を算定する類似度算定部をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記類似度算定部により算定された類似度に基づく情報を前記表示部に表示制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の印影情報取得装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記記憶部に記憶された複数の印影画像のうち、前記類似度算定部により算定された類似度が最も高い印影画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする請求項4に記載の印影情報取得装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記記憶部に記憶された複数の印影画像のうち、最も欠け又はかすれの少ない印影画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の印影情報取得装置。
【請求項7】
前記記憶部に記憶された複数の印影情報の中から操作者による印影情報の選択操作を受け付ける選択操作受付部と、
前記選択操作受付部により選択操作を受け付けた印影情報を所定の外部装置に送信する送信部と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の印影情報取得装置。
【請求項8】
印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得装置において、
印鑑の押印を受け付ける押印受付部と、
前記押印受付部に対し押印された印鑑の印影情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された印影情報を記憶する記憶部と、
前記取得部により取得された第1の印影情報を前記記憶部に記憶した後に、前記取得部により取得された第2の印影情報
に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えたことを特徴とする印影情報取得装置。
【請求項9】
印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得方法であって、
印鑑の押印を受け付ける押印受付工程と、
前記押印受付工程において押印された印鑑の印影情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された第1の印影情報を所定の記憶部に記憶した後に、前記取得工程により取得された第2の印影情報
に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御工程と
を含んだことを特徴とする印影情報取得方法。
【請求項10】
印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得プログラムであって、
印鑑の押印を受け付ける押印受付手順と、
前記押印受付手順において押印された印鑑の印影情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された第1の印影情報を所定の記憶部に記憶した後に、前記取得手順により取得された第2の印影情報
に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする印影情報取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印鑑の印面に刻まれた印影の画像(以下、「印影画像」と言う)を含む印影情報の取り直しを効率良く行うことができる印影情報取得装置、印影情報取得システム、印影情報取得方法及び印影情報取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関では、入金伝票や出金伝票などの各種の伝票を用いた金融取引が行われてきたが、近年のIT(Information Technology)技術の進展に伴って、伝票などのペーパーレス化が望まれている。かかるペーパーレス化を実現する場合には、押印した印鑑の印影情報を電子的に取得することができる印影情報取得装置が必要となる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記引用文献1に記載された印影情報取得装置では、電子的に取得された印影に欠け・掠れ等が存在するために、印影情報の取り直しを要する場合がある。また、印鑑の印影自体が登録印の印影と異なる場合にも、印影情報の取り直しを要する。
【0005】
かかる場合に、印影情報取得装置にはキャンセルボタン等の取直操作部が設けられていないため、例えば上位装置における従業員操作によって印影情報の取り直しを行わねばならず、再度印影情報を取得するまでに時間を要し、効率的ではない。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、印鑑の印影情報の取り直しを効率良く行うことができる印影情報取得装置、印影情報取得システム、印影情報取得方法及び印影情報取得プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、印鑑に刻まれた印面の印影情報を取得する印影情報取得装置において、印鑑の押印を受け付ける押印受付部と、前記押印受付部に対し押印された印鑑の印影情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された印影情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された第1の印影情報を前記記憶部に記憶した後に、前記取得部により取得された第2の印影情報に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の発明において、前記所定の条件は、前記第2の印影情報に含まれる印影画像の面積が前記第1の印影情報に含まれる印影画像の面積よりも小さい場合、前記第2の印影情報に含まれる印影画像の印影をなす第2の画素数が前記第1の印影情報に含まれる印影画像の印影をなす第1の画素数よりも小さい場合、又は、前記第1の印影情報に含まれる印影画像を取得してから前記第2の印影情報に含まれる印影画像を取得するまでの時間が所定の時間未満である場合であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記記憶部に記憶された複数の印影情報のうちの少なくとも1つの印影情報に含まれる印影画像を所定の表示部に表示制御する表示制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記記憶部に記憶された複数の印影情報に含まれる印影画像と、あらかじめ登録された登録印影画像との類似度を算定する類似度算定部をさらに備え、前記表示制御部は、前記類似度算定部により算定された類似度に基づく情報を前記表示部に表示制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された複数の印影画像のうち、前記類似度算定部により算定された類似度が最も高い印影画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された複数の印影画像のうち、最も欠け又はかすれの少ない印影画像を前記表示部に表示制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記記憶部に記憶された複数の印影情報の中から操作者による印影情報の選択操作を受け付ける選択操作受付部と、前記選択操作受付部により選択操作を受け付けた印影情報を所定の外部装置に送信する送信部とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得システムであって、印鑑の押印を受け付ける押印受付部と、前記押印受付部に対し押印された印鑑の印影情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された印影情報を記憶する記憶部と、前記取得部により取得された第1の印影情報を前記記憶部に記憶した後に、前記取得部により取得された第2の印影情報に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得方法であって、印鑑の押印を受け付ける押印受付工程と、前記押印受付工程において押印された印鑑の印影情報を取得する取得工程と、前記取得工程により取得された第1の印影情報を所定の記憶部に記憶した後に、前記取得工程により取得された第2の印影情報に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御工程とを含んだことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、印鑑に刻まれた印面の印影画像を含んだ印影情報を取得する印影情報取得プログラムであって、印鑑の押印を受け付ける押印受付手順と、前記押印受付手順において押印された印鑑の印影情報を取得する取得手順と、前記取得手順により取得された第1の印影情報を所定の記憶部に記憶した後に、前記取得手順により取得された第2の印影情報に含まれる印影画像が所定の条件を満たす場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶せず、前記第2の印影情報に含まれる印影画像が前記所定の条件を満たさない場合には前記第2の印影情報を前記記憶部に記憶するように制御する制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印鑑の印影情報の取り直しを効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施例1に係る印影情報入力装置の概念を説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した印影情報入力装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、印影画像を取得する具体例についての説明図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した印影情報入力装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施例2に係る印影情報入力装置の概念の説明図である。
【
図6】
図6は、本実施例2に係るシステム構成を示すシステム構成図である。
【
図7】
図7は、
図5に示した印影情報入力装置の構成を示す構成図である。
【
図8】
図8は、印影画像、濃度分布、外形解析等の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図7に示した印影情報入力装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図9のステップS211に示した表示処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る印影情報取得装置、印影情報取得システム、印影情報取得方法及び印影情報取得プログラムの好適な実施例を詳細に説明する。
【0021】
<本実施例1に係る印影情報入力装置10の概念>
まず、本実施例1に係る印影情報取得装置である印影情報入力装置10の概念について説明する。
図1は、本実施例1に係る印影情報入力装置10の概念を説明するための説明図である。
図1に示した印影情報入力装置10は、銀行の窓口などに設置され、印鑑の印影画像を印影情報として電磁的に取得する場合に用いられる。さらに、印影情報入力装置10は、顧客の署名を電磁的に入力するために用いることも可能である。
【0022】
印影情報入力装置10には、窓口端末装置や電子記帳台などの外部装置が接続されており、印影情報入力装置10が取得した印影画像や署名画像は窓口端末装置や電子記帳台などに送信されて利用されることになる。すなわち、窓口端末装置や電子記帳台などは印影情報入力装置10に対する上位装置として機能することになる。
【0023】
具体的には、印影情報入力装置10は、押印受付部11、タッチパネルディスプレイ12及び確認ボタン13aを有する。各部の詳細な説明は後述するが、押印受付部11は、操作者による印鑑の押印を受け付け、カメラを用いて印鑑の印面を撮像するデバイスであり、タッチパネルディスプレイ12は、署名の入力操作の受付、署名画像の表示、及び、印影画像の表示を行う入出力デバイスである。確認ボタン13aは、操作者が署名画像や印影画像が正しいと判断した場合に押下される確認用のボタンである。
【0024】
顧客などの操作者が所定の開始操作を行ったり、上位装置から開始の指示を受けると、押印受付部11のカメラが撮像を開始する。その後、操作者が印鑑20の印面を押印受付部11に押し当てる押印操作を行うと、押印受付部11のカメラにより印鑑20の印面が撮像され、撮像により得られた印影画像がタッチパネルディスプレイ12にリアルタイムで表示される。
【0025】
また、印影情報入力装置10は、撮像により得られた印影画像を記憶しており、確認ボタン13aが押下操作されると、記憶した印影画像を上位装置に送信する。なお、送信後もそれまで記憶していた印影画像を消去せずに保持しておき、確認ボタン13aが再度押下されたときに再び送信する構成としてもよい。タッチパネルディスプレイ12に対して署名の入力が行われた場合には、印影情報入力装置10は、入力に応じて署名画像を生成してタッチパネルディスプレイ12に表示し、確認ボタン13aの押下操作が行われた場合に上位装置への署名画像の送信を行うが、この署名に係る詳細については省略する。
【0026】
ここで、操作者により印鑑20の押印操作が行われ、押印受付部11により印面を撮像した際に、押圧力が不足する位置があると、印影画像の該当する部分に欠け等が生じる。このため、操作者は、タッチパネルディスプレイ12上に表示された印影画像を視認することにより、印影画像に欠け等が存在することをリアルタイムに確認することができる。
【0027】
かかる場合に、従来の印影情報入力装置には、印影画像の再取得を行う機能(例えば、キャンセルボタン)が設けられていないため、印影情報入力装置に接続された上位装置から、印影情報入力装置が取得した印影画像を消去する指示をし、その後に再取得を行う必要があった。すなわち、従来は、取得した印影画像を消去するための操作を従業員が行っていた。このため、印影画像を再取得するまでに時間を要し、また従業員の操作を要することから、効率的ではなかった。
【0028】
そこで、本実施例1に係る印影情報入力装置10では、操作者による印鑑20の押印操作を受け付け、押印受付部11が印面を撮像して印影画像を取得した後に(ステップS1)、操作者が印影の欠け等を確認したならば、操作者が再度印鑑20を押印操作し、押印受付部11により印面を撮像して印影画像を再取得し(ステップS2)、確認ボタン13aにより確定された印影画像を含む印影画像を上位装置に送信する(ステップS3)。
【0029】
このように、本実施例1に係る印影情報入力装置10は、操作者が印鑑20の印影画像に不満があり、印影の再撮影を行いたい場合に、上位装置からの指示を要することなく、再度印鑑20を押印することにより、先に取得された印影画像の代わりに新たな印影画像を採用する機能を提供するものである。
【0030】
具体的には、操作者により印鑑20が押印操作され、押印受付部11による撮像を行って印影画像が取得された後に(ステップS1)、操作者が印影の欠け等に起因して再度印鑑20の押印操作をしたならば、押印受付部11により印面を撮像して印影画像を再取得し(ステップS2)、印影画像を上位装置に送信する(ステップS3)。なお、印影画像の再取得を行うときに、上位装置に対して再取得を行う旨の通知を行ってもよい。これにより、従来の従業員による操作が不要となり、また印影情報入力装置10にキャンセルボタン等を設ける必要もなく、効率的な処理が可能となる。
【0031】
<本実施例1に係る印影情報入力装置10の構成>
次に、
図1に示した印影情報入力装置10の構成について説明する。
図2は、
図1に示した印影情報入力装置10の構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、印影情報入力装置10は、押印受付部11、タッチパネルディスプレイ12、確認ボタン13a、通信部18、記憶部14及び制御部15を有する。実際には、図示しないCPUが、不揮発性メモリ等からなる記憶部14に記憶された制御部15に対応するプログラムを、主メモリ(揮発性メモリ)上にロードして実行することにより、制御部15に対応する制御を行うことになる。
【0032】
押印受付部11は、操作者による印鑑20の押印を受け付け、押印された印鑑20の印面を撮像する処理部である。押印受付部11は、押印操作を受け付ける透明ゴム等からなる弾性フィルム部材と、弾性フィルム部材方向に光を照射するLED等の光源と、弾性フィルム部材越しに印面を撮像するカメラとを有する。
【0033】
押印受付部11は、制御部15から撮像開始指示を受けた場合にカメラによる撮像を開始する。この撮像開始指示は、制御部15が操作者による所定の開始操作を受け付けたときに出力される。撮像を開始したカメラは、所定の時間間隔(例えば、0.1秒間隔)で撮像を繰り返し実行し、撮像結果を制御部15に出力する。
【0034】
また、押印受付部11の弾性フィルム部材は、印鑑20の押印操作を受け付けた場合に印面の形状に応じて弾性変形する。このため、押印を受け付けた状態でカメラにより撮像が行われると、印面の形状を示す撮像結果が制御部15に出力されることになる。なお、押印受付部11による撮像は、制御部15から撮像終了指示を受けた場合に終了する。この撮像終了指示は、制御部15が上位装置に印影画像を送信したときに出力される。
【0035】
タッチパネルディスプレイ12は、署名の入力操作の受付、署名画像の表示、印影画像の表示などに利用される。このタッチパネルディスプレイ12としては、感圧式や静電容量式など、任意の方式を用いることができる。
【0036】
確認ボタン13aは、操作者がタッチパネルディスプレイ12に表示された署名及び/又は印影が正しいと操作者が判断した場合に、操作者により押下操作される確認用のボタンである。この確認ボタン13aが押下操作されると、印影画像や署名画像が図示しない上位装置に対して送信される。
【0037】
通信部18は、印影画像及び署名画像を外部装置に出力する際に用いられる通信インタフェースである。
【0038】
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の記憶デバイスであり、印影画像14a等を記憶する。印影画像14aは、後述するように制御部15によって適宜更新され、上位装置への送信に用いられる。なお、本実施例1では、上位装置への送信後に印影画像を消去する構成を例示したため、印影画像14aを単独で記憶しているが、印影画像を消去せずに保持する場合には、記憶部14は複数の印影画像を格納することができる。また、図示を省略したが、記憶部14は署名画像を記憶することも可能である。
【0039】
制御部15は、印影情報入力装置10を全体制御する制御部であり、印影に係る処理を行う印影処理部16と、署名に係る処理を行う署名処理部17とを有する。すでに説明したように、図示しないCPUが、印影処理部16及び署名処理部17に対応するプログラムを主メモリにロードして実行することで、上記の制御部15に対応する制御等が実行される。
【0040】
印影処理部16は、印影画像取得部16a、印影画像表示制御部16b及び印影画像出力部16cを有する。
【0041】
印影画像取得部16aは、押印受付部11による撮像結果から印影画像を取得する処理部である。具体的には、印影画像取得部16aは、押印受付部11による撮像結果に対してノイズ除去、位置補正、反転などの画像処理を行うことで印影画像14aを生成し、記憶部14に格納する処理を行う。
【0042】
印影画像取得部16aによる処理を詳細に説明すると、まず、印影画像取得部16aは、操作者による所定の開始操作を受け付けて、押印受付部11に撮像開始指示を出力し、押印受付部11が所定間隔で出力する撮像結果を随時受け付ける。
【0043】
印影画像取得部16aは、撮像結果における印影の画素数、すなわち、弾性フィルム部材の変形を示す画素の数が押印検知閾値以上となった場合に押印を検知したと判定する。そして、押印を検知したならば、撮像結果に対してノイズ除去、位置補正、反転などの画像処理を行うことで印影画像14aを生成し、記憶部14に格納する。
【0044】
印影画像14aを生成して記憶部14に格納した後、印影画像取得部16aは、次に受け付けた撮像結果から印影の画素数を求め、印影画像14aの印影の画素数と比較する。比較の結果、撮像結果の印影の画素数が印影画像14aよりも大きければ、撮像結果の印影を印影画像14aと差替えて新たな印影画像14aとすることで、印影画像の更新を行う。一方、撮像結果の印影の画素数が印影画像14a以下であれば、撮像結果の印影を破棄して元の印影画像14aを維持する。
【0045】
印影画像取得部16aは、押印受付部11から所定間隔で出力される撮像結果を用いて印影画像14aの更新を繰り返し、押印終了を検知した場合に、印影画像14aの確定を行う。例えば、撮像結果における印影の画素数が押印終了閾値以下となった場合に押印終了の検知とする。このとき、確定された印影画像14aは、押印検知から押印終了までの間で画素数が最大の印影画像である。押印終了閾値は、固定値であってもよいし、印影画像14aの印影の画素値に対する相対的な値であってもよい。
【0046】
さらに、印影画像取得部16aは、押印終了後、再押印の検知を行う。具体的には、撮像結果における印影の画素数が再押印検知閾値以上となった場合に再押印の検知とする。
【0047】
再押印検知閾値は、固定値であってもよいし、印影画像14aの印影の画素値に対する相対的な値であってもよい。但し、再押印検知閾値は、押印終了閾値よりも大きい値とする。押印終了閾値と再押印検知閾値が0よりも大きい値であれば、印鑑20の印面を押印受付部11の弾性フィルム部材から完全に離さずに押印をやり直すことが可能となる。なお、相対的な再押印検知閾値としては、印影画像14aの印影の画素値に対する所定の比率(例えば60%)を用いればよい。
【0048】
再押印を検知した印影画像取得部16aは、記憶部14に格納していた印影画像14aを消去し、押印受付部11の撮像結果から改めて印影画像14aを生成し、記憶部14に格納する。
【0049】
その後、印影画像取得部16aは、押印受付部11から所定間隔で出力される撮像結果を用いて印影画像14aの更新を繰り返し、再び押印終了を検知した場合に、印影画像14aの確定を行う。かかる確定後にも印影画像取得部16aは、再押印の検知を行う。従って、後述する確認ボタン13aの操作を受け付けるまで、印影画像取得部16aは、印影画像14aの生成、更新、確定を繰り返すことができる。
【0050】
印影画像表示制御部16bは、タッチパネルディスプレイ12に印影画像を表示する制御を行う。具体的には、印影画像表示制御部16bは、押印検知又は再押印検知から押印終了までは、取得した印影画像をリアルタイムで表示する。そして、押印終了の後は、記憶部14に格納した印影画像14aを読み出して表示する。
【0051】
印影画像出力部16cは、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合に、記憶部14に格納された印影画像14aを通信部18により上位装置に出力させる処理を行う。また、印影画像14aを上位装置に出力させた後、印影画像出力部16cは、押印受付部11に対して撮像終了指示を出力し、印影画像14aを消去する。
【0052】
署名処理部17は、タッチパネルディスプレイ12に対する署名の入力操作を検知し、署名画像を生成してタッチパネルディスプレイ12に表示するとともに記憶部14に格納し、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合に、署名画像を上位装置に出力する処理を行う。
【0053】
次に、印影画像を取得する具体例について説明する。
図3は、印影画像を取得する具体例についての説明図である。
図3に示すように、最初に押印受付部11による撮像結果31が得られたならば、撮像結果31から生成された印影画像が印影画像14aとして記憶部に格納される。
【0054】
その後、撮像結果31から生成された印影画像14aよりも印影の画素数が大きい撮像結果32が得られたならば、撮像結果32から生成された印影画像によって印影画像14aが更新される。
【0055】
撮像結果の印影の画素数が印影画像14aよりも減少した場合には、印影画像14aの更新は行われない。また、撮像結果33に示すように印影の画素数が0となれば、印鑑20が押印されていないものと判定され、印影画像14aが確定される。
【0056】
さらにその後、操作者が、印影に欠けが発生しているなどの理由により印影に不満を感じて、印鑑20の再押印を行い、再押印検知閾値よりも印影の画素数が大きい撮像結果34が得られたならば、それまでの印影画像14aは消去され、撮像結果34から生成された印影画像が新たな印影画像14aとして記憶部14に格納される。
【0057】
<本実施例1に係る印影情報入力装置10の処理手順>
次に、
図2に示した印影情報入力装置10の処理手順について説明する。
図4は、
図2に示した印影情報入力装置10の処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
まず、印影画像取得部16aは、操作者による所定の開始操作を受け付けて(ステップS101)、押印受付部11に撮像開始指示を出力し、撮像結果である画像の取得を開始する(ステップS102)。
【0059】
印影画像取得部16aは、撮像結果における印影の画素数を押印検知閾値と比較して押印を検知したか否かを判定し(ステップS103)、押印を検知していなければ(ステップS103;No)、ステップS103を繰り返す。
【0060】
押印を検知したならば(ステップS103;Yes)、印影画像取得部16aは、記憶部14に記憶済みの印影画像14aが存在するか否かを判定する(ステップS104)。記憶部14に記憶済みの印影画像14aが存在しなければ(ステップS104;No)、印影画像取得部16aは、撮像結果から印影画像14aを生成して記憶部14に記憶させる(ステップS107)。
【0061】
記憶部14に記憶済みの印影画像14aが存在するならば(ステップS104;Yes)、印影画像取得部16aは、撮像結果から印影の画素数を求め、印影画像14aの印影の画素数と比較する(ステップS105)。
【0062】
比較の結果、撮像結果の印影の画素数が印影画像14aよりも増加していれば(ステップS105;Yes)、撮像結果の印影を印影画像14aと差替えて新たな印影画像14aとすることで、印影画像の更新を行う(ステップS106)。
【0063】
ステップS106の後、もしくは撮像結果の印影の画素数が印影画像14a以下である場合(ステップS105;No)、もしくはステップS107の後、印影画像表示制御部16bは、撮像結果から取得した印影画像を表示する(ステップS108)。このため、印影画像の新規記憶や更新が行われた場合には印影がリアルタイムに表示され、印影画像の新規記憶や更新が行われなければ表示中の印影が維持される。
【0064】
ステップS108の後、印影画像取得部16aは、撮像結果における印影の画素数を押印終了閾値と比較して押印が終了したか否かを判定し(ステップS109)、押印が終了していなければ(ステップS109;No)、ステップS105に移行する。
【0065】
押印が終了したならば(ステップS109;Yes)、印影画像取得部16aは、印影画像14aを確定し(ステップS110)、印影画像表示制御部16bは、確定した印影画像14aを表示する(ステップS111)。
【0066】
ステップS111の後、印影画像出力部16cは、確認ボタン13aの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS112)。確認ボタン13aの操作を受け付けていなければ(ステップS112;No)、印影画像取得部16aは、撮像結果における印影の画素数を再押印検知閾値と比較して再押印を検知したか否かを判定し(ステップS113)、再押印を検知していなければ(ステップS113;No)、ステップS112に移行する。
【0067】
再押印を検知したならば(ステップS113;Yes)、印影画像取得部16aは、記憶部14の印影画像14aを消去し(ステップS114)、ステップS104に移行する。
【0068】
一方、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合(ステップS112;Yes)、印影画像出力部16cは、記憶部14に格納された印影画像14aを通信部18により上位装置に出力させ(ステップS115)、押印受付部11に対して撮像終了指示を出力して画像の取得を終了し(ステップS116)、処理を終了する。また、処理の終了時に、記憶された印影画像14aを消去してもよい。
【0069】
上述してきたように、本実施例1では、操作者により印鑑20が押印操作され、押印受付部11による撮像を行って印影画像を取得した後に、操作者が印影の欠け等に起因して再度印鑑20の押印操作をしたならば、押印受付部11により印面を撮像して印影画像を再取得し、印影画像を含む印影情報等を上位装置に送信するよう構成したので、従来の従業員操作が不要となり、また印影情報入力装置10にキャンセルボタン等を設ける必要がなく、機材コストを削減することもできる。
【0070】
なお、本実施例1では、再押印を検知した場合に印影画像14aを消去する構成を示したが、再押印検知時に再取得された印影画像が所定の条件を満たす場合には、印影画像14aの消去を行わないように制御するよう構成することにより、例えば、印影画像14aが取得された後に、操作者が誤って印鑑20を押印受付部11に押し当ててしまった場合に、印影画像14aの消去を防止することができる。この所定の条件とは、再取得された印影画像が印影画像14aに比べ小さい場合、再取得された印影画像の面積や画素数が印影画像14aの面積や画素数よりも小さい場合、印影画像14aの確定から再押印検知までの時間が短い(例えば、数百msec程度)場合などが該当する。再取得された印影画像が印影画像14aよりも極端に小さい場合(力が加わっていない場合)に、押印が止められたものと判定してもよい。
【0071】
また、再押印を検知した場合に、確定した印影画像を残置し、新たな印影画像を生成する構成としてもよい。この場合には、最後に確定した印影画像を上位装置に送信してもよいし、確定した複数の印影画像の中から最適なもの(例えば、最大寸法を持つもの、照合スコアの高いもの等)を上位装置に送信するよう構成することもできる。
【実施例2】
【0072】
<本実施例2に係る印影情報入力装置110の概念>
本実施例2では、予め登録された印影の画像(以下、「登録印影画像」と言う)等を利用して印影画像との照合スコアの算出を行う場合について説明する。
図5は、本実施例2に係る印影情報入力装置110の概念の説明図である。
【0073】
図5に示した印影情報入力装置110は、操作者が用いる印鑑20の印影を登録印影画像として予め記憶することができる(S11)。そして、印鑑20の印面を押印受付部11に押し当てる押印操作を実施例1と同様にして繰り返し行うと、押印受付部11は印鑑20の印面を複数回撮像し(S12)、印影情報入力装置110はそれぞれの撮像で得られた複数の画像から複数の印影画像を生成する(S13)。
図5に示した例では、印影情報入力装置110が2つの印影画像P1及びP2を生成した状態を示している。
【0074】
印影情報入力装置110は、複数の印影画像P1及びP2を登録印影画像とそれぞれ比較し、各印影画像について登録印影画像との照合スコアを算出する(S14)。例えば、各印影画像及び登録印影画像の濃度分布(横軸を濃度値とし、縦軸を頻度とする濃度ヒストグラム)を求めておき、各印影画像の濃度ヒストグラムと登録印影画像の濃度ヒストグラムの相互相関係数を照合スコアとする。
図5に示した例では、印影画像P1の登録印影画像に対する照合スコアが「60」であり、印影画像P2の登録印影画像に対する照合スコアが「90」である状況を示している。
【0075】
印影情報入力装置110は、各印影画像の照合スコアを比較し、原則としては照合スコアが最も高い印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示する(S15)。従って、
図5の例では、印影画像P2がタッチパネルディスプレイ12に表示されている。
【0076】
ただし、照合スコアが一定値以上であっても、印影画像に欠けや掠れが存在する場合には、欠けや掠れがある箇所を強調表示する。また、照合スコアが一定値未満であり、かつ、印影の外形・寸法が登録印影と同一である場合には、印鑑20が登録印鑑と異なる旨を表示する。さらに、照合スコアが一定値未満であり、かつ、印影の外形・寸法が登録印影と同一でない場合には、登録印影の外形の内側を消去して表示する。登録印影そのものを表示することができない反面で、登録印影と何が異なるのかを操作者に分からせるためである。
【0077】
このように、本実施例2に係る印影情報入力装置110は、予め登録印影画像を記憶し、印鑑20の印面を複数回撮像して複数の印影画像を生成し、各印影画像と登録印影画像との照合スコア(類似度)を求めて最も照合スコアの高い印影画像を表示する。この際、照合スコアが一定値未満である場合には、印影の外形・寸法を用いて登録印影との違いを分かりやすく表示する。なお、
図5では、印影画像について説明を行ったが、署名画像についても同様に行うことができる。
【0078】
<システム構成>
次に、印影情報入力装置110に登録印影画像等を記憶させるためのシステム構成について説明する。
図6は、本実施例2に係るシステム構成を示すシステム構成図である。同図に示すように、銀行等の支店131には、複数の窓口端末装置120が設置され、各窓口端末装置120は印影情報入力装置110と接続されている。また、複数の窓口端末装置120は、所定のネットワーク140を介して顧客管理サーバ150と接続されている。ここでは図示省略したが、支店132など、他の支店にも支店131と同様に窓口端末装置120及び印影情報入力装置110が設置され、各窓口端末装置120は、所定のネットワーク140を介して顧客管理サーバ150と接続されている。
【0079】
顧客管理サーバ150は、顧客の情報に顧客IDを付して管理する顧客データベース151を有する。顧客情報には、顧客の氏名、口座番号、住所などに加え、登録印影画像及び登録された署名の画像(以下、「登録署名画像」と言う)などが含まれる。
【0080】
例えば、支店131に顧客が来店し、印影や署名の入力を行う場合には、行員が窓口端末装置120を操作して顧客管理サーバ150に問い合せを行う。この問い合せは、顧客の氏名や口座番号等、顧客を一意に特定可能な情報を顧客管理サーバ150に送信することで行う。
【0081】
問い合せを受けた顧客管理サーバ150は、問い合せに示された顧客の氏名や口座番号等から顧客を一意に特定し、対応する登録印影画像及び登録署名画像を窓口端末装置120に送信する。窓口端末装置120は、顧客管理サーバ150から受信した登録印影画像及び登録署名画像を印影情報入力装置110に送信する。このようにして印影情報入力装置110は、顧客に対応する登録印影画像及び登録署名画像を受信して記憶することができる。以降は、顧客自身が操作者として印影情報入力装置110に対して押印操作や署名の入力操作を行うことになる。
【0082】
<本実施例2に係る印影情報入力装置110の構成>
次に、印影情報入力装置110の構成について説明する。なお、ここでは説明の便宜上、印影処理を中心に説明することとするが、署名処理についても同様に行うことができる。
【0083】
図7は、
図5に示した印影情報入力装置110の構成を示す構成図である。同図に示すように、この印影情報入力装置110は、押印受付部11、タッチパネルディスプレイ12、確認ボタン13a、通信部18、記憶部14及び制御部15を有する。ここでは、実施例1と同様の部分については同一符号を付すこととして重複する説明を省略する。
【0084】
通信部18は、印影画像及び署名画像の出力に加え、窓口端末装置120からの登録印影画像及び登録署名画像の受信に用いられる。
【0085】
記憶部14は、登録印影画像114a、印影画像14a及び印影画像14bを記憶する。なお、ここでは図示省略したが、署名画像などについても記憶部14に記憶される。ここで、登録印影画像114aには解析情報114bが対応付けられ、印影画像14aには、照合スコア114c及び解析情報114dが対応付けられ、印影画像14bには、照合スコア114e及び解析情報114fが対応付けられる。解析情報114fとは、印影画像14bの特徴を示す情報であり、印影を構成する画素の画素値の分布を示す濃度ヒストグラム、印面の形状(丸形、楕円形、四角等)、印影の縦横の寸法、印影に外接する矩形の面積、印影の取得時刻等が含まれる。実際には、例えば印影画像14aは、印影画像に識別情報を付与して管理されており、照合スコア114c及び解析情報114dは、印影画像14aの識別情報と対応付けたテーブルとして記憶部14に記憶される。
【0086】
制御部15は、顧客データ受信処理部118、印影処理部116及び署名処理部117を有する。顧客データ受信処理部118は、窓口端末装置120から登録印影画像114aを受信して記憶部14に格納する処理部である。なお、ここではその詳細な説明を省略するが、登録署名画像についても同様に取得される。
【0087】
印影処理部116は、印影画像取得部116a、照合スコア算出部116b、印影画像表示制御部116c及び印影画像出力部116dを有する。
【0088】
印影画像取得部116aは、実施例1の印影画像取得部16aに対応する処理部であり、押印受付部11による撮像結果から印影画像を取得して印影画像14aとして記憶部14に格納する処理を行う。ここで、再押印を検知した場合には、印影画像取得部116aは、確定した印影画像14aを消去することなく、新たな印影画像14bとして記憶部14に格納する。また、再押印検知閾値としては、固定値を用いることが望ましい。操作者が誤った印鑑20を用いたことに気付き、印鑑20を変更して再押印を行う場合があるからである。なお、実施例1の印影画像取得部16aにて詳細な説明をしたため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0089】
照合スコア算出部116bは、印影画像取得部116aにより印影画像14aが生成された場合に、登録印影画像114aとの照合スコアを算出し、照合スコア114cとして印影画像14aに対応付ける処理を行うとともに、印影画像14aから解析情報を抽出し、解析情報114dとして印影画像14aに対応付ける処理を行う。
【0090】
同様に、印影画像取得部116aにより印影画像14bが生成された場合に、登録印影画像114aとの照合スコアを算出し、照合スコア114eとして印影画像14bに対応付ける処理を行うとともに、印影画像14bから解析情報を抽出し、解析情報114fとして印影画像14bに対応付ける処理を行う。
【0091】
かかる解析情報114f等には、濃度ヒストグラムと外形解析結果とが含まれる。
図8(a)~(c)に示すように、この濃度ヒストグラムは、横軸を濃度値とし、縦軸を頻度とする濃度分布特性であり、外形解析結果には、印面の型(丸形、楕円形、四角等)、印影の縦サイズ、印影の横サイズ等が含まれる。
【0092】
図8(a)に示す登録印影画像114aの解析情報114bには、該登録印影画像114aの濃度ヒストグラムと、「丸形、縦:13.5、横13.5」の外観解析が含まれた状況を例示している。また、
図8(b)に示す印影画像14aの解析情報114dには、該印影画像14aの濃度ヒストグラムと、「丸形、縦:12.0、横12.0」の外観解析が含まれた状況を例示している。また、
図8(c)に示す印影画像14bの解析情報114fには、該印影画像14bの濃度ヒストグラムと、「丸形、縦:13.0、横13.5」の外観解析が含まれた状況を例示している。
【0093】
ここで、照合スコア算出部116bが、印影画像14aの照合スコアを算出する際には、登録印影画像114aの濃度ヒストグラムと印影画像14aの濃度ヒストグラムとの類似度(例えば、相互相関係数)を算定してこれを照合スコアとする。この照合スコアは、0~100%の数値となり、照合スコアが高いものほど登録印影画像114aと類似していることを意味する。
図8(b)に示す印影画像14aの照合スコアは「0.2」であり、
図8(c)に示す印影画像14bの照合スコアは「30」である状況を示している。
【0094】
印影画像表示制御部116cは、実施例1の印影画像表示制御部16bに対応するものであり、撮像結果から得られた印影画像のリアルタイム表示や、確定した印影画像(記憶部14に格納された印影画像14a又は印影画像14b)の表示を行う。
【0095】
ここで、印影画像表示制御部116cは、確定した印影画像の表示を行う場合には、照合結果に基づいて表示態様の制御を行う。例えば、印影画像の照合スコアが一定値以上であっても、印影画像に欠けや掠れが存在する場合には、
図8(d)に示すように、欠けや掠れがある箇所を強調表示する。また、照合スコアが一定値未満であり、かつ、印影の外形・寸法が登録印影と同一である場合には、印鑑20が登録印鑑と異なる旨を表示する。さらに、照合スコアが一定値未満であり、かつ、印影の外形・寸法が登録印影と同一でない場合には、
図8(e)に示すように、登録印影の外形の内側を消去して、外形部分のみを表示する。登録印影そのものを表示することができない反面で、登録印影と何が異なるのかを操作者に分からせるためである。かかる表示を行うことにより、操作者は、再押印を効率的に行うことができる。
【0096】
また、印影画像表示制御部116cは、確認ボタン13aの操作が行われた場合に、上位装置に送信する印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示する処理を行う。原則としては照合スコアが最も高い印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示することになるが、確定された複数の印影画像を表示して操作者による選択を行わせてもよい。
【0097】
印影画像出力部116dは、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合に、記憶部14に格納された1又は複数の印影画像から上位装置に送信する印影画像を選択し、通信部18により上位装置に出力させる処理を行う。具体的には、照合スコアが最も高い印影画像を上位装置に送信する印影画像を選択すればよい。この場合には、選択された1の印影画像が印影画像表示制御部116cにより表示される。また、確定された複数の印影画像を印影画像表示制御部116cに表示制御させ、操作者の選択操作を受け付けることで上位装置に送信する印影画像を選択してもよい。
【0098】
署名処理部117は、実施例1の署名処理部17に対応する処理部であり、署名画像に対して印影処理部116と同様の処理を行う。ここでは、この署名処理についての詳細な説明を省略する。
【0099】
<本実施例2に係る印影情報入力装置110の処理手順>
次に、印影情報入力装置110の処理手順について説明する。
図9は、
図7に示した印影情報入力装置110の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、顧客データ受信処理部118が、窓口端末装置120から登録印影画像を受信し、登録印影画像114aとして記憶部14に格納されているものとする。
【0100】
まず、印影画像取得部116aは、操作者による所定の開始操作を受け付けて(ステップS201)、押印受付部11に撮像開始指示を出力し、撮像結果である画像の取得を開始する(ステップS202)。
【0101】
印影画像取得部116aは、撮像結果における印影の画素数を押印検知閾値と比較して押印を検知したか否かを判定し(ステップS203)、押印を検知していなければ(ステップS203;No)、ステップS203を繰り返す。
【0102】
押印を検知したならば(ステップS203;Yes)、印影画像取得部116aは、記憶部14が未確定の印影画像を記憶済みであるか否かを判定する(ステップS204)。ここで、未確定の印影画像とは、後述するステップS207で記憶部14に格納された後、ステップS210による確定が行われていない状態の印影画像である。記憶部14が未確定の印影画像を記憶していなければ(ステップS204;No)、印影画像取得部116aは、撮像結果から印影画像を生成して記憶部14に記憶させる(ステップS207)。
【0103】
記憶部14が未確定の印影画像を記憶済みであれば(ステップS204;Yes)、印影画像取得部16aは、撮像結果から印影の画素数を求め、記憶部14が記憶する未確定の印影画像の画素数と比較する(ステップS205)。
【0104】
比較の結果、撮像結果の印影の画素数が、記憶部14が記憶する未確定の印影よりも増加していれば(ステップS205;Yes)、撮像結果の印影を記憶部14が記憶する未確定の印影と差替えることで未確定の印影画像の更新を行う(ステップS206)。
【0105】
ステップS206の後、もしくは撮像結果の印影の画素数が、記憶部14が記憶する未確定の印影以下である場合(ステップS205;No)、もしくはステップS207の後、印影画像表示制御部116cは、撮像結果から取得した印影画像を表示する(ステップS208)ことで、印影のリアルタイム表示を行う。
【0106】
ステップS208の後、印影画像取得部116aは、撮像結果における印影の画素数を押印終了閾値と比較して押印が終了したか否かを判定し(ステップS209)、押印が終了していなければ(ステップS209;No)、ステップS205に移行する。
【0107】
押印が終了したならば(ステップS209;Yes)、印影画像取得部116aは、印影画像を確定し、印影照合処理を行う(ステップS210)、
【0108】
この印影照合処理においては、確定した印影画像と登録印影画像114aの濃度ヒストグラムの類似度(例えば、相互相関係数)を求め、この類似度を相関スコアとして、確定した印影画像に対応付けて記憶する。また、確定した印影画像の解析結果を求め、求めた解析結果を記憶部14に記憶された確定した印影画像に対応付けて記憶する。
【0109】
そして、確定した印影画像及び照合処理結果(相関スコア及び解析結果)をタッチパネルディスプレイ12に表示する照合結果表示処理を行う(ステップS211)。
【0110】
ステップS211の後、印影画像出力部116dは、確認ボタン13aの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS212)。確認ボタン13aの操作を受け付けていなければ(ステップS212;No)、印影画像取得部16aは、撮像結果における印影の画素数を再押印検知閾値と比較して再押印を検知したか否かを判定し(ステップS213)、再押印を検知していなければ(ステップS213;No)、ステップS212に移行する。
【0111】
再押印を検知したならば(ステップS213;Yes)、印影画像取得部116aは、ステップS204に移行する。
【0112】
一方、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合(ステップS212;Yes)、印影画像出力部116dは、記憶部14に格納された印影画像から上位装置に送信する印影画像を選択し、印影画像表示制御部116cによる表示制御を行う(ステップS214)。その後、印影画像出力部116dは、選択した印影画像を通信部18により上位装置に出力させ(ステップS215)、押印受付部11に対して撮像終了指示を出力して画像の取得を終了し(ステップS216)、処理を終了する。また、処理の終了時に、記憶部14が記憶する印影画像及び対応付けられたデータ(照合スコア、解析情報など)を消去してもよい。
【0113】
次に、
図9のステップS211に示した表示処理についてさらに詳細に説明する。
図10は、
図9のステップS211に示した表示処理手順を示すフローチャートである。
【0114】
図10に示すように、まず、確定した印影画像が、登録印影画像114aと一致するか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、この印影画像の照合スコアが所定の基準値(例えば、95%)以上である場合には、登録印影画像114aと一致すると判定する。
【0115】
そして、登録印影画像114aと一致すると判定された場合には(ステップS301;Yes)、「登録印鑑と一致する」旨をタッチパネルディスプレイ12に表示して(ステップS302)、処理を終了する。
【0116】
これに対して、登録印影画像114aと一致しない場合には(ステップS301;No)、印影画像の照合スコアが一定値(例えば、70%)以上であるか否かを判定する(ステップS303)。その結果、印影画像の照合スコアが一定値以上である場合には(ステップS303;Yes)、欠け・掠れの判定処理を行う(ステップS304)。所定の基準値を超えなかった理由が、欠け・掠れに起因する可能性が考えられるためである。
【0117】
そして、欠け・掠れが存在すると判定された場合には(ステップS305;Yes)、
図8(d)に示したように印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示するとともに、欠け・掠れ部分の強調表示を行ない(ステップS306)、処理を終了する。一方、欠け・掠れが存在しないと判定された場合には(ステップS305;No)、「印鑑相違」を表示して(ステップS310)、処理を終了する。
【0118】
また、上記ステップS303において、印影画像の照合スコアが一定値以上ではない場合には(ステップS303;No)、外形・寸法確認処理を行う(ステップS307)。具体的には、登録印影画像114aの解析情報114bに含まれる外形解析の印影の外形及び寸法と、印影画像の解析情報に含まれる外形解析の印影の外形及び寸法とを比較して、差違を求める。
【0119】
その結果、登録印影画像114aと外形又は寸法が同一である場合には(ステップS308;No)、「印鑑相違」を表示して(ステップS310)、処理を終了する。一方、登録印影画像114aと外形又は寸法が異なる場合には(ステップS308;Yes)、外形・寸法表示処理を行う(ステップS309)。具体的には、
図8(e)に示すように、印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示するとともに、登録印影画像114aに含まれる印影の外形のみを重畳表示する処理を行う。
【0120】
上述してきたように、本実施例2に係る印影情報入力装置110は、予め登録印影画像114aを記憶し、印影画像と登録印影画像とを照合処理して、最も照合スコア(類似度)が高く、かつ、照合スコアが所定の基準値以上である場合に、この印影画像を選択するよう構成したので、登録印影画像114aと一致する印影画像を効率良く特定することができる。特に、印影画像の表示を行う場合に、欠け・掠れ処理、外形・寸法確認処理を行いつつ、印影画像の表示態様を変えるよう構成したので、操作者に適した表示を行うことが可能となる。
【0121】
また、照合スコア算出部116bが、記憶部14に記憶された複数の印影画像と、あらかじめ登録された登録印影画像114aとの照合スコア(類似度)を算定し、印影画像表示制御部116cは、照合スコア算出部116bにより算定された照合スコア及び解析情報をタッチパネルディスプレイ12に表示制御することとしたので、登録印鑑との照合結果が表示されることにより、押印した印影画像が、伝票に使用すべき印影画像であるか否かを自動的に判定することができる。さらに、印影画像が登録印鑑と異なることを判別することができる。
【0122】
また、印影画像14aが伝票の利用に適さない場合であっても、再度押印が行われば、印影画像14bを取得することができる。押印が伝票の利用に適さない場合に、印鑑照合結果の表示により、利用者に通知することができる。
【0123】
また、記憶部14に記憶された印影画像14a及び印影画像14bのうちの少なくとも1つをタッチパネルディスプレイ12に表示制御することにより、取得された印影画像を操作者が目視確認することが可能となり、操作者は欠け・かすれの有無などを判別することができ、印影画像の取り直しを行う必要があるか否かを把握することができる。
【0124】
また、記憶部14に記憶された複数の印影画像のうち、照合スコア(類似度)が最も高い印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示制御することとしたので、操作者は、最も伝票に使用すべき印影画像を把握することができる。
【0125】
また、記憶部14に記憶された印影画像のうち、最も欠け又はかすれの少ない印影画像をタッチパネルディスプレイ12に表示制御することとしたので、登録印影画像がない場合であっても、操作者は、最も伝票に使用すべき印影画像を把握することができる。
【0126】
また、記憶部14に記憶された複数の印影画像の中から操作者による印影画像の選択操作を受け付け、選択操作を受け付けた印影画像を外部装置に送信するよう構成することもできる。この外部装置は、例えば電子記帳台を言う。
【0127】
また、本実施例2では、一度のみ印影画像14bの再取得を行う場合を示したが、繰り返し再取得操作が行われた場合には、3つ以上の印影画像を記憶部14に記憶することもできる。
【0128】
また、本実施例2では、印影情報入力装置110が顧客データ受信処理部118と照合スコア算出部116bとを有する構成を例示したが、これらの処理部を窓口端末装置120などの上位装置に設け、印影情報入力装置110と上位装置が協働して実施例2に示した動作を行うよう構成してもよい。
【0129】
また、本実施例1及び2では、押印検知、印影の更新、押印終了、再押印検知などの判定に画素数を用いる場合を例示したが、画像内の印影に外接する矩形の面積など、他の指標を用いてもよい。また、押印検知、押印終了、再押印検知には、圧力センサや光学センサなどを用いてもよい。
【0130】
また、本実施例1及び2では、操作者から所定の開始操作を受け付けた場合に処理を開始する場合を例に説明を行ったが、押印を検知した場合に処理を開始するよう構成してもよい。
【0131】
また、本実施例1及び2では、確認ボタン13aの操作を受け付けた場合に上位装置への送信を行う構成を例示したが、印影画像の確定から再押印を検知することなく所定時間が経過した場合に上位装置への送信を行う構成としてもよい。同様に、確認ボタン13aの操作受付と所定時間の経過のいずれかが発生した場合に上位装置への送信を行うよう構成することも可能である。
【0132】
また、本実施例1及び2では、印影画像を印影情報として上位装置に送信する構成を例示したが、印影画像に取得日時などの情報を付加して印影情報として上位装置に送信することも可能である。さらに、印影画像そのものを上位装置に送信するのではなく、印影画像から抽出した特徴量などを印影情報として上位装置に送信する構成であってもよい。
【0133】
また、本実施例1及び2では、ハードディスク装置や不揮発性メモリ、RAM等からなる記憶部14に印影画像14a及び印影画像14bを記憶する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、揮発性メモリからなる主メモリ上に印影画像14aや印影画像14bを記憶するよう構成することもできる。
【0134】
なお、上記の実施例1及び2で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、確認ボタンは、タッチパネルディスプレイ12の画面に形成していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の印影情報取得装置、印影情報取得システム、印影情報取得方法及び印影情報取得プログラムは、印鑑の印影の取り直しを効率良く行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0136】
10、110 印影情報入力装置
11 押印受付部
12 タッチパネルディスプレイ
13a 確認ボタン
14 記憶部
14a,14b 印影画像
15 制御部
16、116 印影処理部
16a、116a 印影画像取得部
16b、116c 印影画像表示制御部
16c、116d 印影画像出力部
17、117 署名処理部
18 通信部
20 印鑑
114a 登録印影画像
114b、114d、114f 解析情報
114c、114e 照合スコア
116b 照合スコア算出部
118 顧客データ受信処理部
120 窓口端末装置
131、132 支店
140 ネットワーク
150 顧客管理サーバ
151 顧客データベース